(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163654
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
F24F1/0007 401D
F24F1/0007 401E
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079454
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梅澤 俊策
(72)【発明者】
【氏名】大木 恭介
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BJ03
(57)【要約】
【課題】設置の際に電線管が必要な空気調和機において、設置に関わる費用を低減するとともに見栄えの悪化を抑制できる空気調和機の提供。
【解決手段】空気調和機は、熱交換器と送風機と電装品箱とを収容する筐体を有する室内機を有し、前記熱交換器に冷媒を流出入させる冷媒配管と、前記室内機への電力供給または外部との通信を行う電線が前記筐体に接続される。前記筐体の内部には、前記冷媒配管が接続される配管接続部と、前記筐体の外部から引き込まれる電線が挿通された電線管が固定される電線管固定部とが設けられる。前記冷媒配管が前記配管接続部に接続されたとき前記冷媒配管が前記配管接続部から延びる方向と、前記電線管が前記電線管固定部に固定されたとき前記電線管が前記電線管固定部から延びる方向とが同じ方向である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器と送風機と電装品箱とを収容する筐体を有する室内機を有し、前記熱交換器に冷媒を流出入させる冷媒配管と、前記室内機への電力供給または外部との通信を行う電線が前記筐体に接続される空気調和機において、
前記筐体の内部には、
前記冷媒配管が接続される配管接続部と、
前記筐体の外部から引き込まれる電線が挿通された電線管が固定される電線管固定部と
が設けられ、
前記冷媒配管が前記配管接続部に接続されたとき前記冷媒配管が前記配管接続部から延びる方向と、前記電線管が前記電線管固定部に固定されたとき前記電線管が前記電線管固定部から延びる方向とが同じ方向である、
空気調和機。
【請求項2】
請求項1に記載された空気調和機であって、
前記筐体は、前記送風機を収容する送風機室と、前記熱交換器を収容する熱交換室とを有し、前記送風機室と前記熱交換室との間に仕切板が設けられ、
前記仕切板が延在する方向において、前記仕切板と前記電装品箱とが並び、
前記電装品箱は、前記熱交換室から前記送風機室に渡って配置され、
前記配管接続部は、前記電装品箱に隣り合う前記仕切板の部分に配置され、
前記電線管固定部は、前記送風機室の側における前記電装品箱の端部に配置される
空気調和機。
【請求項3】
請求項2に記載された空気調和機であって、
前記電線管固定部は、前記電装品箱の端部において、前記電装品箱の上端よりも下方に位置する
空気調和機。
【請求項4】
請求項1または2に記載された空気調和機であって、
前記室内機を前記送風機室の側から前記熱交換室の側へ向かう方向に視た場合、前記配管接続部は、前記送風機と前記電装品箱との間に配置される
空気調和機。
【請求項5】
請求項1または2に記載された空気調和機であって、
前記配管接続部は、2つの接続部を有し、
前記電線管固定部は、前記室内機の上下方向において前記2つの接続部の間に位置する
空気調和機。
【請求項6】
請求項1または2に記載された空気調和機であって、
前記電線管固定部に補強材が設けられる
空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機のなかに、その室内機を部屋の天井に設置したり、天井から吊り下げたりするものがある。このような室内機においては、熱交換器やファン(室内ファン)を収容する筐体を、熱交換器を収容する第1筐体部と、第1筐体部よりも容積を小さくし、ファンを収容する第2筐体部とに分けるものがある。このような室内機においては、第1筐体部と第2筐体部との容積の違いの差によって第2筐体部の側面の側に余剰空間が形成される。そして、この空間に、第1筐体部の熱交換器と冷媒配管を接続する接続部を配置し、室内機の小型化を図ったものがある(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の室内機では、ファンが収容される第2筐体部においては、ファンの後方に室内機の電装品箱が配置される。電装品箱からは、上記空間に向けて電源線や通信線(以下、電源線等)が引き出される。一方、冷媒配管は、上記空間において、上記接続部から電源線等と直交するように引き出されている。これら電源線等と冷媒配管とは、屋外に設置される室外機と接続される。
【0005】
ここで、国や地域によっては、室内機に電源線等を接続する際に、電源線等を電線管(コンジット管)で覆わなければならない場合がある。このような場合、上記の室内機のように、冷媒配管と電源線等を覆う電線管との引き出し方向が異なると、両者(冷媒配管と電線管)を室外機に接続するためにまとめて敷設することが困難となる。
【0006】
例えば、室外機に接続するためには、冷媒配管及び電線管を一つに束ねて壁面や天井に沿わせて引き回し、壁に設けた貫通孔を通して屋外に引き出す必要がある。しかし、冷媒配管と電線管との引き出し方向が異なると、両者を束ねるためには冷媒配管及び電線管の少なくともいずれかを室内機から大きく外側に引き出して曲げることで他方に沿わせる必要がある。このため、冷媒配管あるいは電線管の長さが余計に必要となって設置に関わる費用が高くなるとともに、室内での見栄えが悪くなる。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、設置の際に電線管が必要な空気調和機において、設置に関わる費用を低減するとともに見栄えの悪化を抑制できる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る空気調和機は、熱交換器と送風機と電装品箱とを収容する筐体を有する室内機を有し、上記熱交換器に冷媒を流出入させる冷媒配管と、上記室内機への電力供給または外部との通信を行う電線が上記筐体に接続される。
上記筐体には、上記冷媒配管が接続される配管接続部と、上記筐体の外部から引き込まれる電線が挿通された電線管が固定される電線管固定部とが設けられる。
上記冷媒配管が上記配管接続部に接続されたとき上記冷媒配管が上記配管接続部から延びる方向と、上記電線管が上記電線管固定部に固定されたとき上記電線管が上記電線管固定部から延びる方向とが同じ方向である。
【0009】
このような空気調和機であれば、設置の際に電線管が必要な空気調和機であっても、設置に関わる費用を低減するとともに見栄えの悪化を抑制できる。
【0010】
上記の空気調和機においては、上記筐体は、上記送風機を収容する送風機室と、上記熱交換器を収容する熱交換室とを有し、上記送風機室と上記熱交換室との間に仕切板が設けられ、上記仕切板が延在する方向において、上記仕切板と上記電装品箱とが並び、上記電装品箱は、上記熱交換室から上記送風機室に渡って配置され、上記配管接続部は、上記電装品箱に隣り合う上記仕切板の部分に配置され、上記電線管固定部は、上記送風機室の側における上記電装品箱の端部に配置されてもよい。
【0011】
このような空気調和機であれば、設置の際に電線管が必要な空気調和機であっても、設置に関わる費用を低減するとともに見栄えの悪化をより抑制できる。
【0012】
上記の空気調和機においては、上記電線管固定部は、上記電装品箱の端部において、上記電装品箱の上端よりも下方に位置してもよい。
【0013】
このような空気調和機であれば、電線管固定部が筐体の一部を形成する天板から離れて配置されるので、電線管の接続作業の際に筐体の天板が邪魔になって作業がしづらくなるということを回避できる。
【0014】
上記の空気調和機においては、上記室内機を上記送風機室の側から上記熱交換室の側へ向かう方向に視た場合、上記配管接続部は、上記送風機と上記電装品箱との間に配置されてもよい。
【0015】
このような空気調和機であれば、設置の際に電線管と冷媒配管の各々の接続箇所が近接して配置されるために電線管と冷媒配管を取りまとめやすくなり、設置作業が行いやすくなる。
【0016】
上記の空気調和機においては、上記配管接続部は、2つの接続部を有し、
上記電線管固定部は、上記室内機の上下方向において上記2つの接続部の間に位置してもよい。
【0017】
このような空気調和機であれば、設置の際に電線管と冷媒配管の各々の接続箇所がさらに近くなるために電線管と冷媒配管を取りまとめやすくなり、設置作業がさらに行いやすくなる。
【0018】
上記の空気調和機においては、上記電線管固定部に補強材が設けられてもよい。
【0019】
このような空気調和機であれば、補強材により電装品箱の端部が補強されるので、電線管を強固に固定できる。
【発明の効果】
【0020】
以上述べたように、本発明によれば、設置の際に電線管が必要な空気調和機において、設置に関わる費用を低減するとともに見栄えの悪化を抑制できる空気調和機が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態の空気調和機の概略を示す模式的斜視図である。
【
図4】室内機を吸込口の側から視た模式的平面図である。
【
図5】室内機に設けられた、配管接続部と電線管固定部とを示す模式的斜視図である。
【
図6】室内機に設けられた、配管接続部と電線管固定部とを示す模式的平面図である。
【
図7】配管接続部が仕切板に固定される様子を示す模式的断面図である。
【
図8】電線管固定部が電装品箱に固定される様子を説明する模式図であり、図(a)は、その模式的斜視図、図(b)は、模式的平面図である。
【
図9】配管接続部に冷媒配管が接続され、電線管固定部に電線管が固定された状態を示す模試的平面図である。
【
図10】配管接続部と電線管固定部との高さの関係を示す模式的側面図である。
【
図11】筐体の内部において冷媒配管と電線管とが引き回された状態の一例を示す模式的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。各図面には、XYZ軸座標が導入される場合がある。また、同一の部材または同一の機能を有する部材には同一の符号を付す場合があり、その部材を説明した後には適宜説明を省略する場合がある。また、以下に示す数値は例示であり、この例に限らない。
【0023】
(空気調和機の概要)
図1は、本実施形態の空気調和機の概略を示す模式的斜視図である。
図2は、室内機の模式的断面図である。
図3は、室内機の模式的分解斜視図である。
図1では、空気調和機3の室内機1について、室内機1を床面から見上げた状態が示されている。
【0024】
空気調和機3は、室内機1と、室外機2と、冷媒配管41、42と、電線管(コンジット管)50とを備える。冷媒配管41、42を介して、室内機1と室外機2との間で冷媒が循環する。冷媒配管41が主に液冷媒が流れる液管であり、冷媒配管42が主にガス冷媒が流れるガス管である。電線管50は、室外機2から引き出され、室内機1の筐体10の内部に引き込まれる。電線管50には、複数本の電線が挿通される。
【0025】
電線管50に複数本の電線を挿通させることで、複数本の電線が室内機1の筐体10の外部から筐体10の内部に引き込まれる。これら複数本の電線のうちのいずれかは、室外機2から室内機1に電力を供給する電力供給線であり、他のいずれかは、室内機1の外部である室外機2と室内機1との間で信号を通信する通信線である。さらに、アース線を電線管50に挿通させてもよい。冷媒配管41、42は、例えば、銅で形成される。電線管50は、例えば、ステンレスで形成される。
【0026】
室内機1は、被空調室(部屋)の天井から吊り下げて設置する天吊型の室内機である。本実施形態においては、室内機1が吊り下げられる天井側を上側(上面側)、後述する吹出口20が配置される側を前側(前面側)とし、後述する背面パネル14が配置される側を奥側(背面側)、後述する左側面パネル12Lが配置される側を左側(左側面側)、後述する右側面パネル12Rが配置される側を右側(右側面側)、天井側の反対側を下側(底面側)とする。また、後述する天板11から吸込グリル31に向かう方向、または、吸込グリル31から天板11に向かう方向を上下方向(
図1に示すZ軸方向)、左側面パネル12Lから右側面パネル12Rに向かう方向、または、右側面パネル12Rから左側面パネル12Lに向かう方向を左右方向(
図1に示すX軸方向)とする。そして、上下方向及び左右方向に直交する方向を前後方向(
図1に示すY軸方向)とする。
【0027】
室内機1は、筐体10を備える。筐体10は、天井と対向する天板11と、左側面パネル12Lと、右側面パネル12Rと、前面パネル13と、背面パネル14とを備える。左側面パネル12Lは、化粧用のサイドカバー15Lに覆われ、右側面パネル12Rは、化粧用のサイドカバー15Rに覆われる。天板11、左側面パネル12L、右側面パネル12R、及び、背面パネル14は、板金製である。前面パネル13、サイドカバー15L、及び、サイドカバー15Rは、樹脂製である。なお、天板11と、前面パネル13と、吸込グリル31と、背面パネル14と、左側面パネル12Lと、右側面パネル12Rに囲まれる部分が筐体10の内部である。
【0028】
室内機1の筐体10は、送風機181を収容する送風機室18と、熱交換器171を収容する熱交換室17とを有する(
図2)。筐体10の内部において、送風機室18と熱交換室17との間には、仕切板16が設けられる。仕切板16は、左側面パネル12Lから右側面パネル12Rまで延在する(
図4)。筐体10の内部は、仕切板16によって、前側の熱交換室17と、後側の送風機室18とに区画される。熱交換室17には、熱交換器(室内熱交換器)171と熱交換器171で生じた凝縮水を受けるドレンパン172が収納されている。また、ドレンパン172の底面に沿って、前面パネル13が配置される。
【0029】
熱交換室17の前側には、室内空気の吹出口20が設けられる。吹出口20は左右方向に横長の開口部で、その内部には風向板21が設けられる。送風機室18の内部には、例えば、シロッコファン等の送風機181が収納される。送風機181の吹出口182は送風機181のケーシング183が仕切板16を貫通することにより熱交換室17に配置されている。
【0030】
送風機室18の底面は、室内空気の吸込口30になっている。吸込口30には、エアフィルタを含む吸込グリル31が設けられる。吸込グリル31は、前面パネル13の後端に接するように配置される。前面パネル13と吸込グリル31とによって、筐体10の底面が構成される。
【0031】
また、筐体10は、熱交換器171と送風機181のほか、電装品箱60を収容している(
図3)。電装品箱60は、熱交換器171と送風機181の外側に配置される。本実施形態では、電装品箱60は、右側面パネル12Rとサイドカバー15Rとの間に配置され、筐体10の内部において、仕切板16が延在する方向(左右方向)において、仕切板16と並んで配置される。電装品箱60には、室内機1を制御する回路基板、電子部品等が収容される。
【0032】
送風機181が動作すると、室内空気が吸込グリル31を通して送風機室18に吸い込まれる。室内空気は、吹出口182から熱交換室17内に吹き出される。室内空気は、熱交換器171で冷媒と熱交換を行った後、吹出口20から室内に吹き出される。これにより、室内空気の温度調節がなされる。
【0033】
冷媒配管41、42は、室内機1の筐体10及び室外機2の筐体2Bのそれぞれに引き込まれる。冷媒配管41、42は、室内機1の熱交換器171と、室外機2の室外熱交換器(
図1では不図示)とに冷媒を流出入させる。冷媒配管41、42を介して、室内機1の熱交換器171と、室外機2の室外熱交換器との間で冷媒が循環する。
【0034】
(配管接続部及び電線管固定部)
図4は、室内機を吸込口の側から視た模式的平面図である。
図4では、前面パネル13、吸込グリル31、ドレンパン172、サイドカバー15L、15Rが略されている。また、
図4には、配管接続部70に冷媒配管41、42のそれぞれが接続される前、及び、電線管固定部80に電線管50が固定される前の状態が示されている。
【0035】
筐体10の内部には、配管接続部70と、電線管固定部80とが設けられる。配管接続部70には、筐体10の内部に引き込まれる冷媒配管41、42の各々の端部が接続される(この状態は後述する)。電線管固定部80には、筐体10の内部に引き込まれる電線管50(
図1)の端部が固定される(この状態は後述する)。
【0036】
また、室内機1を送風機室18の側から熱交換室17の側へ向かう方向(前後方向)に視た場合、配管接続部70は、送風機181と電装品箱60との間に配置される。電装品箱60から送風機181の方向に電装品箱60を視た場合、換言すれば、左右方向と平行な方向に電装品箱60を視た場合、電装品箱60は、右側面パネル12Rの外側において、熱交換室17から送風機室18に渡って配置される。
【0037】
図5は、室内機に設けられた、配管接続部と電線管固定部とを示す模式的斜視図である。
図6は、室内機に設けられた、配管接続部と電線管固定部とを示す模式的平面図である。
図5,6には、配管接続部70に冷媒配管41、42のそれぞれが接続される前、及び、電線管固定部80に電線管50が固定される前の状態が示されている。
【0038】
本実施形態では、配管接続部70は、電装品箱60と左右方向において隣り合う仕切板16の部分16aに配置される。配管接続部70は、例えば、2つの接続部71、72を有する。接続部71は、筒状の接続配管711と、圧縮ナット等の固定部712と、接続配管711を覆う配管断熱材(配管断熱部)713とを含む。接続部72は、筒状の接続配管721と、圧縮ナット等の固定部722と、接続配管721を覆う配管断熱材(配管断熱部)723とを含む。また、熱交換室17に配置された、配管75と配管76とは、熱交換器171に接続されている。配管75は、接続部71に繋がれ、配管76は、接続部72に繋がれている。
【0039】
図7は、配管接続部が仕切板に固定される様子を示す模式的断面図である。
【0040】
配管接続部70(接続部71、72)は、上下方向において、仕切板16と仕切板16の一部を形成する支持板165とに挟まれることで仕切板16の部分16aに固定される。支持板165は、仕切板16に形成された切り欠き161に嵌め込まれる。
【0041】
例えば、支持板165は、切り欠き161の平面形状に対応した板状部166と、板状部166に連続し、板状部166と略直角に交差する屈曲部167とを有する。板状部166には、接続部71の外周面の下側半分と嵌合する半円状の切欠部1661と、接続部72の外周面の下側半分と嵌合する半円状の切欠部1662とが設けられている。また、屈曲部167には、ネジ等の固定部材90を貫通させる孔部1671が2つ設けられている。
【0042】
また、仕切板16の切り欠き161には、接続部71の外周面の上側半分と嵌合する半円状の切欠部1611と、接続部72の外周面の上側半分と嵌合する半円状の切欠部1612とが設けられている。また、仕切板16には、部分16aと略直角に交差し、屈曲部167と重なり合う屈曲部162が2つ設けられている。各屈曲部162には、固定部材90を貫通させる孔部1621が設けられている。
【0043】
配管接続部70(接続部71、72)を仕切板16の切り欠き161と支持板165とによって挟み、固定部材90によって仕切板16に配管接続部70を介して支持板165を固定することで、仕切板16の部分16aに配管接続部70が固定される。
【0044】
図8(a)、(b)は、電線管固定部が電装品箱に固定される様子を説明する模式図であり、
図8(a)は、その模式的斜視図、
図8(b)は、下側から見た模式的平面図である。
図8(a)、(b)に示される電線管固定部80は、一例であり、電線管を固定できる構造を有していればこの例に限らない。
【0045】
電線管固定部80は、電装品箱60における前後方向の送風機室18の側の端部601に固定される。例えば、電線管固定部80は、右側面パネル12R(
図6)とサイドカバー15R(
図3)との間の空間に固定される。電線管固定部80は、筒状で電線管50の端部が挿入される本体部801と、挿入された電線管50を締め付けて本体部801に固定する締付部802と、ネジ部803と、ネジ804を含む。電線管固定部80は、電装品箱60の端部601に設けられた孔部602に挿入され、ネジ部803によって孔部602にねじ止めされることにより、端部601に固定される。また、ネジ804を締め付けたり、緩めたりすることで、締付部802の内径Rを変えることができる。
【0046】
また、電装品箱60の端部601には、電線管固定部80が貫通する孔を有し、端部601の機械的強度を補強する、シート状の補強材65が設けられている。補強材65は、例えば、鉄等で形成される。
【0047】
図9は、配管接続部に冷媒配管が接続され、電線管固定部に電線管が固定された状態を示す模試的平面図である。
【0048】
例えば、冷媒配管41の端部は、接続配管711に挿入されて固定部712を締め付けることにより、送風機室18において接続部71に接続される。冷媒配管42の端部は、接続配管721に挿入されて固定部722を締め付けることにより、送風機室18において、接続部72に接続される。電線管50の端部は、電線管固定部80の本体部801に挿入され、締付部802のネジ804(
図8)を締め付けることで、送風機室18及び熱交換室17の外側において電線管固定部80に固定される。
【0049】
本実施形態では、冷媒配管41、42が配管接続部70に接続されたときに冷媒配管41,42のそれぞれが配管接続部70から延びる方向Aと、電線管50が電線管固定部80に固定されたときに電線管50が電線管固定部80から延びる方向Bとが同じ方向になっている。
【0050】
すなわち、配管接続部70に接続された直後の冷媒配管41、42のそれぞれの部分が配管接続部70から延びる方向Aと、電線管固定部80に固定された直後の電線管50の部分が電線管固定部80から延びる方向Bとが同じ方向になっている。言い換えれば、冷媒配管41、42のそれぞれを配管接続部70に接続する方向Aと、電線管50を電線管固定部80に固定するために本体部801に挿入する方向Bとが同じ向きになっている。このように、冷媒配管41,42を接続する方向Aと電線管50を接続する方向Bが同じ向きになるのは、配管接続部70の管軸方向が方向Aであり、本体部801の管軸方向が方向Bであるためである。
【0051】
図10は、配管接続部と電線管固定部とを送風機室18側から視た図であり、配管接続部と電線管固定部との上下方向の位置関係を示す模式的側面図である。
【0052】
電線管固定部80は、電装品箱60の端部601において、電装品箱60の上端603よりも下方に位置する。また、電線管固定部80は、室内機1の上下方向(Z軸方向)において2つの接続部71、72の間に位置する。
【0053】
図11は、筐体の内部において冷媒配管と電線管とが引き回された状態の一例を示す模式的斜視図であり、冷媒配管41、42および電線管50を筐体10の左側面パネル12Lから筐体10の外に引き出すため、左側に引き回す場合を図示している。
【0054】
配管接続部70に接続された冷媒配管41、42のそれぞれは、筐体10の内部において、送風機室18内を配管接続部70から背面パネル14と送風機181との間に引き回される。同様に、電線管固定部80に固定された電線管50は、筐体10の内部において、送風機室18内を電線管固定部80から背面パネル14と送風機181との間に引き回される。冷媒配管41、42と電線管50とは、例えば、筐体10の左側面パネル12L(
図11では不図示)から筐体10の外に引き出される。なお、冷媒配管41、42と電線管50は、筐体10の右側面パネル12Rから筐体10の外に引き出すことも可能であり、また、背面パネル14における配管接続部70の後方に設けた挿通孔14aから引き出すことも可能である。また、冷媒配管41、42と電線管50を左右方向に引き出す場合は、サイドカバー15Lあるいはサイドカバー15Rの一部を切り欠いて冷媒配管41、42と電線管50を挿通させる。
【0055】
(作用)
本実施形態によれば、仕切板16に設けられた配管接続部70から冷媒配管41、42が室内機1の奥側に向けて引き出される。また、電装品箱60の端部601に設けられた電線管固定部80から室内機1の奥側に向けて電線管50が引き出される。これらの引き出される方向は、ともに同じ方向である(上述した、方向Aと方向B)。
【0056】
これにより、冷媒配管41、42と、電線管50とを室外機2に接続する場合、冷媒配管41、42と電線管50とを配管接続部70及び電線管固定部80のそれぞれから一つに束ねて壁面や天井に沿わせて引き回すことができ、また、一つに束ねられた冷媒配管41、42と電線管50とを壁に設けた貫通孔を通して屋外に引き出すことができる。
【0057】
冷媒配管41、42と電線管50の引き出し方向が異なっている(方向AとBとが角度をもっている)場合、これらを束ねるためには冷媒配管41、42及び電線管50の少なくともいずれかを室内機1から大きく室内機1の外側に引き出して曲げることで他方に沿わせる必要があり、冷媒配管41、42あるいは電線管50の長さが余計に必要となるとともに、室内における室内機1の見栄えが悪くなる。これに対し、本発明のように冷媒配管41、42と電線管50の引き出し方向を同じとすれば、冷媒配管41、42と電線管50とをいずれかを大きく引き出して曲げることなく容易に束ねることができるので、両者の設置に関わる費用を低く抑えることができる。また、冷媒配管41、42と電線管50のいずれかが室内機1の筐体10の外部に大きく引き出されることがないため、室内における室内機1の見栄えが良好になる。
【0058】
また、配管接続部70及び電線管固定部80のそれぞれから一つに束ねられた冷媒配管41、42と電線管50とを、
図11の例のように、左側面パネル12Lの側から筐体10外に引き出すことのほか、この一つに束ねられた冷媒配管41、42と電線管50とを背面パネル14の挿通孔14aから筐体10の外に引き出すこともでき、左側面パネル12Lの側から引き出すこともできる。すなわち、一つに束ねられた冷媒配管41、42と電線管50とを筐体10から引き出す筐体10の場所の自由度が増加する。
【0059】
また、本実施形態においては、電線管固定部80は、電装品箱60の端部601において、電装品箱60の上端603よりも下方に位置している。これにより、電線管固定部80と天板11との間に作業空間としての十分な隙間が形成され、作業員が電線管固定部80に電線管50を取り付けたり、電線管50を取り外したりする際の手作業に負担がかかりにくくなる。
【0060】
また、本実施形態においては、電線管固定部80が電装品箱60の端部601に配置され、配管接続部70が電装品箱60と隣り合う仕切板16の部分16aに配置される。また、電線管固定部80は、室内機1の上下方向において2つの接続部71、72の間に位置している。これにより、左右方向及び上下方向において、電線管固定部80と配管接続部70とが近接する。
【0061】
これにより、冷媒配管41、42と電線管50とを束ねて屋外に引き出す場合、建物の壁に形成する、冷媒配管41、42と電線管50とを引き出すための孔を小さく形成することができるため、壁に大きな孔を設ける場合と比べて室内の見栄えの悪化や壁の孔を通して屋外から室内への小動物の浸入などをより防ぐことができる。
【0062】
また、本実施形態においては、電装品箱60の端部601に補強材65が設けられる。これにより、電装品箱60の端部601の機械的強度が増加するため、電線管50を電線管固定部80に強固に固定できるとともに、電線管固定部80に電線管50を固定した後に電線管50に負荷が加わって電装品箱60の端部601に力が加わっても端部601の変形を抑えることができる。
【0063】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。各実施形態は、独立の形態とは限らず、技術的に可能な限り複合することができる。
【符号の説明】
【0064】
1…室内機
2…室外機
3…空気調和機
10、2B…筐体
11…天板
12L…左側面パネル
12R…右側面パネル
13…前面パネル
14…背面パネル
14a…挿通孔
15L…サイドカバー
15R…サイドカバー
16…仕切板
16a…部分
17…熱交換室
18…送風機室
20…吹出口
21…風向板
30…吸込口
31…吸込グリル
41、42…冷媒配管
50…電線管
60…電装品箱
65…補強材
70…配管接続部
71、72…接続部
75、76…配管
80…電線管固定部
90…固定部材
161…切り欠き
162、167…屈曲部
165…支持板
166…板状部
1611、1612、1661、1662…切欠部
1621、1671…孔部
171…熱交換器
172…ドレンパン
181…送風機
182…吹出口
183…ケーシング
601…端部
602…孔部
603…上端
711、721…接続配管
712、722…固定部
713、723…配管断熱材
801…本体部
802…締付部
803…ネジ部
804…ネジ