IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

特開2024-163655ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム
<>
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図1
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図2
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図3
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図4
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図5
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図6
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図7
  • 特開-ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163655
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20220101AFI20241115BHJP
   B60K 35/00 20240101ALI20241115BHJP
   B60K 35/80 20240101ALI20241115BHJP
【FI】
G06F3/0484
B60K35/00 Z
B60K37/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079456
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】武縄 悟
【テーマコード(参考)】
3D344
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA21
3D344AA26
3D344AA30
3D344AB01
3D344AD02
3D344AD05
3D344AD13
5E555AA22
5E555AA25
5E555AA26
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC08
5E555BE10
5E555CA17
5E555DB53
5E555DC09
5E555DC27
5E555DC35
5E555DC37
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】移動体を運転する者の視線移動を抑制可能なユーザインタフェースシステムを提供する。
【解決手段】入力装置11は、移動体の運転席の前方に画像を表示可能な表示装置22から離れて配置されている。制御装置12は、入力装置11が第一操作を受け付けると、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替える。入力装置11が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けると、制御装置12は、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、表示装置22に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席を備えた移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置と、
前記入力装置が第一操作を受け付けると、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替える制御装置と、
を備えており、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けると、前記制御装置は、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる、
ユーザインタフェースシステム。
【請求項2】
前記第三画像は、前記第一画像に縮小された前記第二画像が重畳された外観を呈している、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第三画像に含まれる縮小された前記第二画像の大きさを指定する指示を受け付け可能である、
請求項2に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項4】
前記入力装置は、軸を中心として回動可能な前記移動体の操舵装置に設置されており、
前記入力装置が前記軸よりも左方に設置されている場合、前記制御装置は、縮小された前記第二画像を前記第三画像における左右方向の中央よりも左方に配置し、
前記入力装置が前記軸よりも右方に設置されている場合、前記制御装置は、縮小された前記第二画像を前記第三画像における左右方向の中央よりも右方に配置する、
請求項2に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項5】
前記第二操作は、前記第一操作の予備的動作である、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項6】
聴覚的通知と触覚的通知の少なくとも一方を実行可能な通知装置を備えており、
前記制御装置は、前記第三画像が表示されている間、前記通知装置に前記聴覚的通知と前記触覚的通知の少なくとも一方を実行させる、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項7】
運転席を備えた移動体に搭載される制御装置であって、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置が当該画像を切り替える第一操作を受け付けたことを示す第一操作信号を受け付けるインタフェースと、
前記第一操作信号に基づいて、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替えるプロセッサと、
を備えており、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けたことを示す第二操作信号を前記インタフェースが受け付けると、前記プロセッサは、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる、
制御装置。
【請求項8】
運転席を備えた移動体に搭載される制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置が当該画像を切り替える第一操作を受け付けたことを示す第一操作信号を受け付け、
前記第一操作信号に基づいて、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替え、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けたことを示す第二操作信号を受け付けると、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転席を備えた移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムに関連する。本開示は、当該システムに搭載されうる制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体の一例としての車両に搭載される表示装置を開示している。当該表示装置は、当該車両に搭載された被制御装置に係る情報を表示する。当該表示装置は、当該車両の乗員によるタッチ操作を受け付け可能なタッチパネル装置を備えている。乗員は、タッチ操作を通じて被制御装置の動作制御や設定変更を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-126556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体を運転する者の視線移動を抑制可能なユーザインタフェースシステムを提供することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、運転席を備えた移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置と、
前記入力装置が第一操作を受け付けると、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替える制御装置と、
を備えており、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けると、前記制御装置は、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる。
【0006】
本開示により提供される態様例の一つは、運転席を備えた移動体に搭載される制御装置であって、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置が当該画像を切り替える第一操作を受け付けたことを示す第一操作信号を受け付けるインタフェースと、
前記第一操作信号に基づいて、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替えるプロセッサと、
を備えており、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けたことを示す第二操作信号を前記インタフェースが受け付けると、前記プロセッサは、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる。
【0007】
本開示により提供される態様例の一つは、運転席を備えた移動体に搭載される制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置が当該画像を切り替える第一操作を受け付けたことを示す第一操作信号を受け付け、
前記第一操作信号に基づいて、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替え、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けたことを示す第二操作信号を受け付けると、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる。
【0008】
特許文献1に記載された構成においては、表示装置の画面への運転者の手指によるタッチ操作を通じて当該画面に表示される画像が切り替えられる。このような構成の場合、画面に表示された情報を確認し、タッチ操作を行なう位置へ手指を移動させるために運転者の視線移動が避けられない。
【0009】
上記の各態様例に係る構成においては、切り替えに供される複数種の画像を運転席の前方に表示させることにより、当該画面に表示された情報を確認するための運転者の視線移動量を抑制している。加えて、当該画面から離れた位置に表示画像を切り替えるための第一操作を受け付ける入力装置が配置されているので、少なくともタッチ操作を行なうための視線移動を不要にできる。
【0010】
さらに、入力装置に対して第一操作と異なる第二操作がなされると、表示装置は、第二画像を一部に含む第三画像を表示する。これにより、運転者は、第一操作により次に表示される第二画像の内容を、運転席の前方から視線を外すことなく確認できる。結果として、運転者の視線移動をさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るユーザインタフェースシステムの構成を例示している。
図2図1のユーザインタフェースシステムが搭載される車両を例示している。
図3図1の表示装置に表示される画面の一例を示している。
図4図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
図5図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
図6図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
図7図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
図8図1の表示装置に表示される画面の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0013】
図1は、一実施形態に係るユーザインタフェースシステム10の機能構成を例示している。本例に係るユーザインタフェースシステム10は、図2に例示される車両20に搭載されるように構成されている。ユーザインタフェースシステム10は、車両20に搭載された被制御装置を動作させるために使用される。車両20は、移動体の一例である。
【0014】
車両20の車室21内には、表示装置22が設置されている。表示装置22は、車両20の運転席の前方に配置されている。本例に係る表示装置22は、いわゆるメータパネルの一部を構成している。表示装置22は、複数種の画像を表示できるように構成されている。複数種の画像の各々は、車両20に搭載された少なくとも一つの被制御装置の動作に関連付けられている。
【0015】
図1に例示されるように、ユーザインタフェースシステム10は、入力装置11を含んでいる。図2に例示されるように、入力装置11は、表示装置22から離れて配置されている。入力装置11は、プッシュスイッチ111を備えている。プッシュスイッチ111は、車両20のステアリングホイール23に設置されている。ステアリングホイール23は、移動体の操舵装置の一例である。
【0016】
図3図4を参照しつつ、プッシュスイッチ111の機能について説明する。図3は、表示装置22により表示される第一画像221を例示している。第一画像221は、車両20の運転支援機能に係る情報を提供している。運転支援機能の例としては、走行速度を一定に保つクルーズコントロール機能、前走車両との車間距離を一定に保ちつつ同一車線を走行するオートパイロット機能などが挙げられる。
【0017】
車両20の運転者がプッシュスイッチ111を押下すると、表示装置22により表示される画像は、第二画像222に変更される。第二画像222は、車両20のナビゲーション機能に係る情報を提供している。ナビゲーション機能は、地図情報、交通情報、目的地までの経路情報などを提供する。
【0018】
具体的には、図1に例示されるように、入力装置11は、プッシュスイッチ111が車両20の運転者により押下されると、第一操作信号S1を出力するように構成されている。第一操作信号S1は、入力装置11の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。プッシュスイッチ111を押下する操作は、第一操作の一例である。
【0019】
ユーザインタフェースシステム10は、制御装置12を含んでいる。制御装置12は、入力インタフェース121、プロセッサ122、および出力インタフェース123を備えている。
【0020】
入力インタフェース121は、第一操作信号S1を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一操作信号S1がアナログ信号である場合、入力インタフェース121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述する入力インタフェース121が受け付け可能な他の信号についても、同様に適用される。
【0021】
プロセッサ122は、所定の画像を表示装置22に表示させる表示制御信号DCを、ハードウェアインタフェースとして構成された出力インタフェース123から出力するように構成されている。表示制御信号DCは、表示装置22の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0022】
表示制御信号DCがアナログ信号である場合、出力インタフェース123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述する出力インタフェース123から出力されうる他の信号についても同様に適用される。
【0023】
プロセッサ122は、第一操作信号S1が入力インタフェース121により受け付けられると、表示装置22により表示される画像を第一画像221から第二画像222に切り替える表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力するように構成されている。
【0024】
運転者がプッシュスイッチ111を再度押下すると、表示装置22により表示される画像が、第二画像222から第一画像221へ切り替えられる。すなわち、プロセッサ122は、第一操作信号S1が入力インタフェース121により受け付けられる度に、表示装置22により表示される画像を第一画像221と第二画像222との間で切り替えるように構成されている。
【0025】
本例に係る入力装置11は、上記のプッシュスイッチ111に対する運転者の手指の接触に伴う静電容量の変化を検出する検出装置を備えている。プッシュスイッチ111に手指を接触させる操作は、第二操作の一例である。入力装置11は、手指の接触に伴う静電容量の変化に対応する第二操作信号S2を出力するように構成されている。第二操作信号S2は、検出装置の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0026】
プロセッサ122は、第二操作信号S2が入力インタフェース121により受け付けられると、図5に例示される第三画像223を表示装置22に表示させる表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力するように構成されている。
【0027】
第三画像223は、縮小された第二画像222が第一画像221に重畳された外観を呈している。換言すると、第三画像223は、第二画像222を一部に含みつつ、第二画像222とは異なる外観を呈している。
【0028】
運転者が手指をプッシュスイッチ111から離すと、入力装置11からの第二操作信号S2の出力が絶たれる。制御装置12のプロセッサ122は、入力インタフェース121への第二操作信号S2の入力が絶たれると、表示装置22により表示される画像を第一画像221に戻す表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力するように構成されている。
【0029】
特許文献1に記載された構成においては、表示装置の画面への運転者の手指によるタッチ操作を通じて当該画面に表示される画像が切り替えられる。このような構成の場合、画面に表示された情報を確認し、タッチ操作を行なう位置へ手指を移動させるために運転者の視線移動が避けられない。
【0030】
本実施形態例に係る構成においては、切り替えに供される複数種の画像を運転席の前方に表示させることにより、当該画面に表示された情報を確認するための運転者の視線移動量を抑制している。加えて、当該画面から離れた位置に表示画像を切り替えるための押下操作を受け付けるプッシュスイッチ111が配置されているので、少なくともタッチ操作を行なうための視線移動を不要にできる。
【0031】
さらに、プッシュスイッチ111に手指を接触させる操作がなされると、表示装置22は、第二画像222を一部に含む第三画像223を表示する。これにより、運転者は、プッシュスイッチ111の押下操作により次に表示される第二画像222の内容を、運転席の前方から視線を外すことなく確認できる。結果として、運転者の視線移動をさらに抑制できる。
【0032】
特に本例に係る第三画像223は、縮小された第二画像222が第一画像221に重畳された外観を呈しているので、第一画像221による情報提供が継続される。したがって、第二画像222の内容の一時的な確認に適している。
【0033】
しかしながら、図6に例示されるように、第二画像222と同じ面積を有する第三画像223が表示されてもよい。但し、第三画像223の外観は、第二画像222の外観とは異なっている。例えば、外観の相違は、背景の少なくとも一部の色を変えたり、背景の少なくとも一部を点滅させたりすることにより実現されうる。このような構成によれば、第三画像223が一時的な確認のためのものであることを強調しつつ、プッシュスイッチ111の押下操作により次に表示される第二画像222の内容の視認性を高めることができる。
【0034】
図1に例示されるように、ユーザインタフェースシステム10は、ユーザインタフェース13を含みうる。ユーザインタフェース13は、車室21内の適宜の場所に配置される。ユーザインタフェース13は、第三画像223に含まれる縮小された第二画像222の大きさを指定する指示を受け付けるように構成される。ユーザインタフェース13は、当該指示に対応する指示信号ISを出力する。指示信号ISは、ユーザインタフェース13の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0035】
指示信号ISは、制御装置12の入力インタフェース121により受け付けられる。プロセッサ122は、指示信号ISに基づいて、第三画像223に含まれる縮小された第二画像222の大きさを変更する表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力するように構成される。
【0036】
このような構成によれば、プッシュスイッチ111の押下操作により次に表示される第二画像222の内容を運転者ごとの好みの大きさで確認できるので、ユーザインタフェースシステム10の利便性を高めることができる。
【0037】
プッシュスイッチ111に手指を接触させる操作は、プッシュスイッチ111を押下する操作の予備的動作である。この場合、プッシュスイッチ111の押下操作により次に表示される第二画像222の内容確認のための操作から、実際に第二画像222を表示させるための操作への円滑な移行を実現できる。内容確認の結果として表示の切り替えが不要であると判断された場合における押下操作の中止も容易である。
【0038】
図1に例示されるように、ユーザインタフェースシステム10は、通知装置14を含みうる。通知装置14は、車両20の車室21内の適宜の位置に設置され、聴覚的通知と触覚的通知の少なくとも一方を実行可能に構成される。この場合、制御装置12のプロセッサ122は、表示装置22が第三画像223を表示している間、通知装置14に聴覚的通知と触覚的通知の少なくとも一方を実行させる通知制御信号NCを、出力インタフェース123から出力する。通知制御信号NCは、通知装置14の仕様に応じて、アナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0039】
このような構成によれば、第三画像223が表示されている状態では第二画像222への切り替えが未実行であることを、運転者により強く印象付けることができる。これにより、運転者の視線移動を抑制しつつも入力装置11の誤操作を発生しにくくできる。
【0040】
図2に例示されるように、プッシュスイッチ111は、ステアリングホイール23の回転軸Aよりも左方に配置されている。入力装置11は、プッシュスイッチ112をさらに含みうる。プッシュスイッチ112は、ステアリングホイール23の回転軸Aよりも右方に配置されている。
【0041】
プッシュスイッチ112が運転者により押下されると、図7に例示されるように、表示装置22は、プッシュスイッチ111の押下操作により表示される第二画像222とは異なる第二画像222’を表示する。
【0042】
プッシュスイッチ111と同様に、プッシュスイッチ112に手指を接触させる操作が検出されると、図8に例示される第三画像223’が表示される。第三画像223’は、縮小された第二画像222’を一部に含んでいる。
【0043】
具体的には、制御装置12のプロセッサ122は、縮小された第二画像222’が第三画像223’の左右方向の中央よりも右方に配置されるように、表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力する。
【0044】
他方、図5に例示されるように、制御装置12のプロセッサ122は、運転者の手指がプッシュスイッチ111に触れる操作に基づいて表示される縮小された第二画像222が第三画像223の左右方向の中央よりも左方に配置されるように、表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力する。
【0045】
このような構成によれば、特に表示装置22により表示される画像を切り替えるためのプッシュスイッチがステアリングホイール23の回転軸Aの左方と右方に設けられている場合において、押下操作されるプッシュスイッチと、その押下操作により次に表示される画像との関係を運転者に把握しやすくできる。
【0046】
これまでに説明した各種の機能を有する制御装置12のプロセッサ122は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0047】
あるいは、プロセッサ122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0048】
プロセッサ122は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0049】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜の変更および他の構成例との組み合わせがなされうる。
【0050】
上記の実施形態例においては、プッシュスイッチ111が押下される度に表示装置22により表示される画像が第一画像221と第二画像222との間で切り替えられる。しかしながら、プッシュスイッチ111の押下操作により切替表示される画像の数は、三つ以上であってもよい。その場合、プッシュスイッチ111に手指を触れる操作によって表示装置22により表示される第三画像223には、プッシュスイッチ111の押圧操作によって次に表示される画像が第二画像222として含まれる。
【0051】
上記の実施形態においては、表示装置22に第三画像223を表示させる操作は、プッシュスイッチに運転者の手指が接触することによる静電容量の変化に基づいて検出されている。しかしながら、運転者の手指の接触による圧力や温度の変化に基づいて当該操作が検出されてもよい。あるいは、撮像装置によりプッシュスイッチに対する手指の接触が検出されてもよい。
【0052】
上記の実施形態例においては、表示装置22により表示される画像を切り替える操作をプッシュスイッチが受け付けている。しかしながら、当該操作を受け付けるための入力装置11の構成は、適宜に変更されうる。例えば、レバースイッチ、スライドスイッチ、ダイヤルスイッチなどの形態が採用されうる。第三画像223を表示させるための操作の態様は、第二画像222を表示させるための操作と異なっていれば、採用されるスイッチの形態に応じて適宜に定められうる。例えば、スイッチの特定の方向への変位により第二画像222が表示される構成の場合、当該方向と逆方向への変位により第三画像223の表示が可能とされうる。
【0053】
上記の実施形態例においては、入力装置11は、車両20のステアリングホイール23に設置されている。このような構成によれば、入力装置11が表示装置22と同様に運転席の前方に位置するので、運転者の視線移動量をさらに抑制できる。しかしながら、入力装置11は、車室21内における表示装置22から離れた適宜の場所に配置されうる。そのような場所の例としては、運転席のアームレスト、シフトレバーの近傍などが挙げられる。
【0054】
上記の実施形態例においては、表示装置22は、車両20のメータパネルの一部を構成している。しかしながら、表示装置22は、図2に例示されるように車両20のフロントガラス24における運転席の前方に上述した各種の画面を投影するヘッドアップディスプレイ装置として構成されてもよい。
【0055】
ユーザインタフェースシステム10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。
【0056】
以下に列挙される各構成もまた、本開示の一部を構成する。

項目1:
運転席を備えた移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記運転席の前方に画像を表示可能な表示装置から離れて配置されている入力装置と、
前記入力装置が第一操作を受け付けると、表示される前記画像を第一画像から第二画像へ切り替える制御装置と、
を備えており、
前記入力装置が前記第一操作と異なる第二操作を受け付けると、前記制御装置は、前記第二画像を少なくとも一部に含み、かつ前記第二画像とは異なる外観を呈する第三画像を、前記表示装置に表示させる、
ユーザインタフェースシステム。

項目2:
前記第三画像は、前記第一画像に縮小された前記第二画像が重畳された外観を呈している、
項目1に記載のユーザインタフェースシステム。

項目3:
前記制御装置は、前記第三画像に含まれる縮小された前記第二画像の大きさを指定する指示を受け付け可能である、
項目2に記載のユーザインタフェースシステム。

項目4:
前記入力装置は、軸を中心として回動可能な前記移動体の操舵装置に設置されており、
前記入力装置が前記軸よりも左方に設置されている場合、前記制御装置は、縮小された前記第二画像を前記第三画像における左右方向の中央よりも左方に配置し、
前記入力装置が前記軸よりも右方に設置されている場合、前記制御装置は、縮小された前記第二画像を前記第三画像における左右方向の中央よりも右方に配置する、
項目2または3に記載のユーザインタフェースシステム。

項目5:
前記第二操作は、前記第一操作の予備的動作である、
項目1から4のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。

項目6:
聴覚的通知と触覚的通知の少なくとも一方を実行可能な通知装置を備えており、
前記制御装置は、前記第三画像が表示されている間、前記通知装置に前記聴覚的通知と前記触覚的通知の少なくとも一方を実行させる、
項目1から5のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。
【符号の説明】
【0057】
10:ユーザインタフェースシステム、11:入力装置、12:制御装置、121:入力インタフェース、122:プロセッサ、14:通知装置、20:車両、22:表示装置、221:第一画像、222、222’:第二画像、223、223’:第三画像、23:ステアリングホイール、S1:第一操作信号、S2:第二操作信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8