(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163657
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】アクチュエータ及びアクチュエータを備えた洗濯機
(51)【国際特許分類】
D06F 37/40 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
D06F37/40 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079464
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝規
(72)【発明者】
【氏名】前田 有亮
(72)【発明者】
【氏名】東山 義幸
(72)【発明者】
【氏名】足達 勇治
(72)【発明者】
【氏名】戸田 正明
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA15
3B165AE01
3B165AE02
3B165AE04
3B165BA83
3B165CA01
3B165CA02
3B165CA11
3B165CB01
3B165CB31
3B165CD05
3B165CD15
3B165CE01
3B165DW03
3B165DW05
3B165GA01
3B165GA02
3B165GA12
3B165GA22
3B165GA26
(57)【要約】
【課題】単一のアクチュエータでクラッチ機構だけでなく排水弁をも動作させることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本出願は、洗濯機の水槽に設けられた排水口を開閉する排水弁と、洗濯機の回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、を動作させるように構成されたアクチュエータを開示する。アクチュエータは、排水弁とアクチュエータ本体の第1接続部とに連結された第1連結部材が、クラッチ機構に第2連結部材を介して接続される第2接続部の周回軌跡に重ならないように構成されている。また、第2連結部は、第1接続部の周回軌跡に重ならないように延設されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯機の水槽に設けられた排水口を開閉する排水弁と、前記洗濯機の回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、を動作させるアクチュエータであって、
所定の回転軸回りに周回しながら前記排水口に対して離接するように設けられた第1接続部と、
前記回転軸回りに周回しながら前記クラッチ機構に対して離接するように設けられた第2接続部と、
前記第1接続部と前記第2接続部とを支持しながら前記回転軸回りに周回させるアクチュエータ本体と、
前記排水口に対する前記第1接続部の離接により前記排水弁が動作するように前記第1接続部と前記排水弁とに連結されている第1連結部材と、
前記クラッチ機構に対する前記第2接続部の離接により前記クラッチ機構が動作するように前記第2接続部と前記クラッチ機構とに連結されている第2連結部材と、を備え、
前記第1接続部及び前記第2接続部は、前記回転軸の軸方向において、互いに異なる位置で前記アクチュエータ本体によって支持されており、
前記第1連結部材は、前記第2接続部の周回軌跡に重ならないように前記第1接続部から延設され、
前記第2連結部材は、前記第1接続部の周回軌跡に重ならないように前記第2接続部から延設されている、アクチュエータ。
【請求項2】
前記アクチュエータ本体は、
前記回転軸回りに回転する回転シャフトと、
前記回転シャフトが取り付けられた第1面と、前記第1面とは反対側の第2面と、を有しているベース部材と、を有しており、
前記第1接続部及び前記第2接続部のうち一方の接続部は、前記第2面に接続されており、
前記第1連結部材及び前記第2連結部材のうち一方の連結部材は、前記一方の接続部から前記第2面側で延設されており、
前記回転シャフトは、前記第2面から突出していない、請求項1に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記アクチュエータ本体は、前記回転軸の軸方向において前記ベース部材とは異なる位置に配置されるように、前記第2面に重ねられたサブ部材を有しており、
前記第1接続部及び前記第2接続部のうち他方の接続部は、前記回転軸の軸方向において前記一方の接続部とは異なる位置で前記サブ部材によって支持されており、
前記一方の連結部材は、前記他方の接続部の周回軌跡と重ならないように延設されている、請求項2に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記サブ部材は、前記他方の接続部が前記一方の接続部とは異なる位相で前記回転軸回りを周回する位置で前記他方の接続部を支持するように構成されている、請求項3に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記他方の接続部は、前記サブ部材において、前記ベース部材とは反対側に向いた反対面に設けられており、
前記他方の接続部に連結された他方の連結部材は、前記一方の接続部の周回軌跡と重ならないように前記反対面側で前記他方の接続部から延設されている、請求項3又は4に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記一方の接続部は、前記ベース部材と前記サブ部材との重畳部分において前記サブ部材を前記ベース部材に固定するように前記ベース部材と前記サブ部材とに接続されており、
前記一方の連結部材は、前記ベース部材と前記サブ部材との間において前記一方の接続部に連結されている、請求項3又は4に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
水を貯留可能に形成された水槽と、
前記水槽に形成された排水口を開閉する排水弁と、
衣類を収容可能に形成されているとともに前記水槽内の水が流入可能に前記水槽内に設けられた回転槽と、
前記回転槽を回転駆動するための駆動力を発生する駆動源と、
前記駆動源から前記回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のアクチュエータと、を備えている、洗濯機。
【請求項8】
前記排水弁は、前記排水口を閉じる閉位置に向けて付勢されており、前記第1接続部が前記排水口から離れる方向に移動することにより、前記第1連結部材によって引っ張られて前記排水口を開く開位置に移動するように構成されている、請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記回転槽から前記クラッチ機構に延設された駆動シャフトと、前記第2連結部材に連結されたクラッチレバーと、を更に備え、
前記クラッチ機構は、前記駆動源によって回転される回転板と、前記駆動シャフトの軸方向に移動可能に前記駆動シャフトに取り付けられているとともに、前記回転板に向けて付勢されたクラッチ板と、を有しており、
前記クラッチレバーは、前記第2接続部が前記クラッチ機構から離れる方向に移動することにより、前記第2連結部材によって引っ張られることにより、前記クラッチ板が前記回転板に接触して前記回転板の回転が前記クラッチ板に伝達されることを許容する接触姿勢から前記クラッチ板を前記回転板から離間させる離間姿勢へ姿勢変更できるように構成されている、請求項7に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記回転板から前記回転槽内に延設された他の駆動シャフトと、
前記他の駆動シャフトに取り付けられて前記回転槽内で回転することにより衣類を攪拌するパルセータと、を更に備えている、請求項9に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記第1接続部が前記回転軸回りに一回転する間に第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置で停止するように前記アクチュエータを制御する制御部を更に備え、
前記排水弁は、前記排水口を閉じる閉位置に向けて付勢されており、前記第1接続部が前記排水弁から離れる方向に移動することにより、前記第1連結部材によって引っ張られて前記排水口を開く開位置に移動するように構成されており、
前記アクチュエータは、
前記第1接続部が前記第1回転位置で停止しているときに、前記第1連結部材が前記排水弁を引っ張らず前記排水弁が前記閉位置にあることを許容し、且つ、前記第2連結部材が前記クラッチレバーを引っ張ることにより前記クラッチレバーを前記離間姿勢にし、
前記第1接続部が前記第2回転位置で停止しているときに、前記第1連結部材が前記排水弁を引っ張らず前記排水弁が前記閉位置にあること、及び、前記第2連結部材が前記クラッチレバーを引っ張らず前記クラッチレバーが前記接触姿勢にあることを許容し、
前記第1接続部が前記第3回転位置で停止しているときに、前記第1連結部材が前記排水弁を引っ張ることにより前記排水弁を開位置に変位させ、且つ、前記第2連結部材が前記クラッチレバーを引っ張らず前記クラッチレバーが前記接触姿勢にあることを許容するように構成されている、請求項9に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機の回転槽及び排水弁を動作させるアクチュエータと、アクチュエータを備えた洗濯機と、に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、
図10に示すような洗濯機900を開示している。洗濯機900は、水を貯留する水槽910と、水槽910内に配置された回転槽920と、回転槽920内に配置されたパルセータ930と、を有している。回転槽920の周壁には、多数の小孔921が形成されており、水槽910内の水は、これらの小孔921を通じて、回転槽920内に流入することができる。
【0003】
回転槽920には、衣類が投入される。この衣類は、パルセータ930及び回転槽920が回転することにより攪拌される。パルセータ930及び回転槽920を回転するために、水槽910の下側には、駆動源940が配置されている。駆動源940は、水槽910の底部から下方に離間した位置で固定されており、水槽910の底部と駆動源940との間には、クラッチ機構950が配置されている。
【0004】
回転槽920からは、円筒状の第1駆動シャフト941が下方に延設されている。この第1駆動シャフト941は、水槽910の底部を貫通し、クラッチ機構950に接続されている。パルセータ930からは、第2駆動シャフト942が下方に延設されている。この第2駆動シャフト942は、駆動源940に接続されている。
【0005】
クラッチ機構950は、クラッチレバー951を有しており、クラッチレバー951の姿勢に応じて、第1駆動シャフト941に駆動源940の駆動力が伝達される状態から第1駆動シャフト941への駆動源940の駆動力の伝達を許容しない状態への変化が生ずるように構成されている。クラッチレバー951は、水槽910の底部に固定されたアクチュエータ960によって姿勢変更される。
【0006】
駆動源940の駆動力が第1駆動シャフト941及び第2駆動シャフト942を通じて回転槽920及びパルセータ930に伝達されるとき、回転槽920及びパルセータ930は、一体的に回転する。この場合、回転槽920内の衣類は、パルセータ930から大きな負荷を受けることなく水中で攪拌され得る。
【0007】
一方、アクチュエータ960がクラッチレバー951の姿勢を変更し、クラッチ機構950が第1駆動シャフト941への駆動源940の駆動力の伝達を許容しない状態になると、パルセータ930のみが回転する。すなわち、パルセータ930は、回転槽920に対して相対的に回転する。この状態では、回転槽920内の衣類は、比較的強い力で、水中で攪拌され得る。
【0008】
洗濯機900は、水槽910からの排水に利用される排水弁970を更に有している。排水弁970は、水槽910に形成された排水口911を閉じる閉位置と、この排水口911を開放する開位置と、の間で変位可能に構成されている。上述のように、衣類が水中で攪拌されている間は、排水弁970は、排水口911を閉じている。衣類の攪拌が終わると、排水弁970は、開位置に変位され、排水口911が開放される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
排水弁970は、アクチュエータ960には接続されていない。このため、特許文献1の洗濯機900では、排水弁970を開位置と閉位置との間で変位させるための他のアクチュエータが必要とされる。
【0011】
本開示は、単一のアクチュエータでクラッチ機構だけでなく排水弁をも動作させることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示におけるアクチュエータは、洗濯機の水槽に設けられた排水口を開閉する排水弁と、洗濯機の回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、を動作させるように構成されている。アクチュエータは、所定の回転軸回りに周回しながら排水口に対して離接するように設けられた第1接続部と、回転軸回りに周回しながらクラッチ機構に対して離接するように設けられた第2接続部と、第1接続部と第2接続部とを支持しながら回転軸回りに周回させるアクチュエータ本体と、排水口に対する第1接続部の離接により排水弁が動作するように第1接続部と排水弁とに連結されている第1連結部材と、クラッチ機構に対する第2接続部の離接によりクラッチ機構が動作するように第2接続部からクラッチ機構へ延設された第2連結部材と、を備えている。第1接続部及び第2接続部は、回転軸の軸方向において、互いに異なる位置でアクチュエータ本体によって支持されている。第1連結部材は、第2接続部の周回軌跡に重ならないように第1接続部から延設されている。第2連結部材は、第1接続部の周回軌跡に重ならないように第2接続部から延設されている。
【0013】
本開示における洗濯機は、水を貯留可能に形成された水槽と、水槽に形成された排水口を開閉する排水弁と、衣類を収容可能に形成されているとともに水槽内の水が流入可能に水槽内に設けられた回転槽と、回転槽を回転駆動するための駆動力を発生する駆動源と、駆動源から回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、上述のアクチュエータと、を備えている。
【発明の効果】
【0014】
上述の技術は、単一のアクチュエータでクラッチ機構だけでなく排水弁をも動作させることを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図7】クラッチ機構、排水弁及びアクチュエータの底面図
【
図8】クラッチ機構、排水弁及びアクチュエータの底面図
【
図9】洗濯機の動作シーケンスを表すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、洗濯機の実施形態を詳細に説明するが、当業者の理解を容易にするために、例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0017】
(洗濯機の全体的な構成)
洗濯機100は、略矩形箱状の筐体110を有しており、筐体110の上壁111には、筐体110内に衣類を投入するための投入口112が形成されている。また、上壁111には、投入口112を開いたり閉じたりするための蓋部113が上下に回動可能に取り付けられている。
【0018】
筐体110内には、上向きに開口しているとともに底部121を有している略円筒状の水槽120が配置されている。水槽120は、水を貯留可能に形成されており、筐体110内に配置された複数のサスペンション122によって、弾性的に保持されている。水槽120の上側には、水槽120への給水用に給水部150が設けられている。給水部150は、蛇口からの流路を形成している給水管部151と、給水管部151に取り付けられた給水弁152と、を有している。
【0019】
水槽120の底部121には、水槽120内に溜まった水を排出するための排水口123が形成されている。排水口123からは、水槽120から排出された水の流路を形成している排水管124が延設されており、排水管124の先端(水の流れにおける下流端)は、筐体110の後壁から突出している。排水管124には、排水口123を開いて水槽120からの排水を許容する開位置と排水口123を閉じて水槽120からの排水を許容しない閉位置との間で変位可能に構成された排水弁130が取り付けられている。
【0020】
詳細には、排水管124は、
図2に示すように、排水口123に接続された上流管部125と、上流管部125に接続されているとともに排水弁130が収容された弁収容部126と、を有している。弁収容部126は、上流管部125よりも大きな内径を有している。このため、上流管部125と弁収容部126との継ぎ目には段部127が形成されている。
【0021】
段部127とは反対側における弁収容部126の端壁128は、排水弁130を変位させるためのアクチュエータ170に対向している。この端壁128には、アクチュエータ170を弁収容部126内の排水弁130に接続するための接続穴129が形成されている。また、弁収容部126には、
図3に示すように、連結穴221が形成されている。この連結穴221には、排水管124の下流側部分を構成している下流管部材222(
図1を参照)が接続される。
【0022】
排水弁130は、
図2に示すように、段部127に当接した状態で排水口123からの水を上流管部125内に堰き止める弁板131と、弁板131を段部127に押し付けるように端壁128と弁板131との間で延設されたコイルバネ132と、を有している。コイルバネ132は、弁板131が段部127に押し付けられるように弁板131を付勢している。また、コイルバネ132を保護するためのベローズ管133も端壁128と弁板131との間で延設されており、コイルバネ132は、ベローズ管133内に収容されている。
【0023】
ベローズ管133及びコイルバネ132は、伸縮可能に構成されている。このため、弁板131を段部127から引き離す方向(すなわち、端壁128側)の外力がアクチュエータ170によって加えられると、ベローズ管133及びコイルバネ132は、
図4に示すように縮んで、弁板131が段部127から離間する。
図4に示す状態では、上流管部125内に堰き止められていた水は、弁収容部126内に流入し、弁収容部126の連結穴221を通じて、下流管部材222へ流れることができる。
図4に示す弁板131の位置を、以下の説明では、「開位置」と称する。
図2に示す弁板131の位置を、以下の説明では、「閉位置」と称する。
【0024】
水槽120の中には、
図1に示すように、回転槽140及びパルセータ160が回転可能に配置されている。回転槽140は、上向きに開口した略円筒形状を有しており、底部141を有している。投入口112を通じて投入された衣類は、回転槽140内に収容される。回転槽140の周壁には、多数の小孔142が形成されており、上述の給水部150によって水槽120へ供給された水は、これらの小孔142を通じて回転槽140内へ流入できる。
【0025】
パルセータ160は、回転槽140内に配置されており、回転槽140の底部141の上側で回転可能に設けられている。パルセータ160は、回転槽140内で回転したときに、回転槽140内の衣類を攪拌できるように構成されている。回転槽140の底部141の下側において、回転槽140及びパルセータ160を回転駆動するための駆動機構200が構築されている。
【0026】
駆動機構200は、水槽120の底部121の下面に固定されたクラッチ機構300と、クラッチ機構300の下側に設けられているとともにクラッチ機構300に固定された環状の駆動源210と、を有している。駆動源210は、パルセータ160及び回転槽140を回転するのに十分な大きさの駆動力を発生させるように構成されている。クラッチ機構300は、駆動源210によって回転駆動されるように駆動源210内に配置された回転板217を有している。回転板217の上面からは、駆動シャフト212が上方に延設されている。駆動シャフト212は、水槽120の底部121及び回転槽140の底部141を貫通しており、駆動シャフト212の上端に、パルセータ160が固定されている。
【0027】
回転槽140の底部141からは、筒状の駆動シャフト215が下方に延設されており、この駆動シャフト215は、回転槽140の駆動に利用される。駆動シャフト215は、水槽120の底部121を貫通して、クラッチ機構300に接続されている。なお、水槽120の底部121に対する駆動シャフト215の貫通部分からの漏水を防ぐためのシール構造が駆動シャフト215の外周面の周囲に形成されている。
【0028】
回転槽140用の駆動シャフト215及びパルセータ160用の駆動シャフト212は、略同軸に配置されており、駆動シャフト212は、駆動シャフト215内に挿通されて、駆動シャフト215の下端から突出している。駆動シャフト212の下端に回転板217が固定されており、回転板217は、駆動シャフト215の下端から離間した位置で保持されている。
【0029】
クラッチ機構300は、クラッチケース310と、クラッチケース310内に収容されたコイルバネ311、バネ座312及び環状のクラッチ板313と、を更に有している。クラッチケース310内には、駆動シャフト215の下部が挿入されており、駆動シャフト215の下端は、クラッチ板313に嵌入されている。詳細には、クラッチ板313は、駆動シャフト215に対してスプライン接続されており、駆動シャフト215の軸方向(上下方向)に変位可能になっている。
【0030】
クラッチ板313は、回転板217の上側に配置されており、コイルバネ311は、クラッチ板313の上側に配置されている。コイルバネ311の上端は、バネ座312に固定されている。
図1に示す状態では、コイルバネ311は、クラッチ板313を下方に付勢し、回転板217に押し付けている。この状態では、駆動源210の駆動力は、回転板217及び駆動シャフト212を通じてパルセータ160に伝達される。また、この駆動力は、回転板217、クラッチ板313及び駆動シャフト215を通じて回転槽140にも伝達される。
図1に示す位置にクラッチ板313があるときの駆動力の伝達経路を、以下の説明では、「第2伝達経路」と称する。第2伝達経路が設定されると、パルセータ160及び回転槽140は、一体的に回転する。
【0031】
クラッチ板313に上向きの外力が加えられると、コイルバネ311が縮み、クラッチ板313は、上向きに変位する。この状態では、クラッチ板313は、回転板217から離れ、回転板217からクラッチ板313への駆動源210の駆動力の伝達は遮断される。すなわち、駆動源210の駆動力は、回転槽140に伝達されない一方で、パルセータ160に伝達される。回転板217から離間した位置にクラッチ板313があるときの駆動力の伝達経路を、以下の説明では、「第1伝達経路」と称する。第1伝達経路が設定されると、パルセータ160のみが回転する。言い換えると、パルセータ160は、回転槽140に対して相対的に回転する。
【0032】
(アクチュエータの構成)
アクチュエータ170は、
図1に示すように、水槽120の底部121に固定されており、クラッチ板313を上方に変位させるとともに、排水弁130(弁板131)を開位置に変位させるように構成されている。詳細には、アクチュエータ170は、
図3に示すように、排水弁130との連結に用いられる第1接続部177と、クラッチ機構300との連結に用いられる第2接続部179と、を有している。第1接続部177及び第2接続部179は、アクチュエータ本体161によって支持されており、アクチュエータ本体161は、所定の回転軸回りに、第1接続部177及び第2接続部179を周回させるように構成されている。第1接続部177からは、紐状の第1連結部材181が延設されており、第2接続部179からは、コイルバネにより構成された第2連結部材182がクラッチ機構300に向けて延設されている。第1連結部材181及び第2連結部材182は、曲げ変形可能である。
【0033】
アクチュエータ本体161は、モータ171と、ギアボックス172と、回転シャフト173と、ベース部材174と、サブ部材178と、を有している。モータ171は、クラッチ機構300及び排水弁130を動作させるための駆動力を発生させるように構成されている。ギアボックス172内には、モータ171の駆動力を伝達するための複数のギアが配置されており、これらのギアのうち1つに回転シャフト173の基端部が接続されている。このため、モータ171の駆動力は、ギアボックス172内の複数のギアを介して、回転シャフト173へ伝達され、回転シャフト173は、回転駆動される。なお、回転シャフト173が一方向にのみ回転することを許容するように、ラチェット機構がギアボックス172内で構成されていてもよい。
【0034】
回転シャフト173は、上述の回転軸を規定するように、ギアボックス172から下方に延出されており、この回転軸回りに回転可能である。回転シャフト173の基端部(上端部)は、上述のように、ギアボックス172内のギアに接続できるようにギアボックス172内に挿入されている。回転シャフト173の先端部(下端部)は、ギアボックス172の外側に突出している。回転シャフト173の先端部には、ベース部材174が下側から取り付けられており、回転シャフト173の先端部は、ベース部材174の上面(第1面)に接続されている。なお、回転シャフト173の先端部は、ベース部材174の下面(第2面)から突出していない。
【0035】
ベース部材174は、略円板状の取付板175と、取付板175の外周面から径方向に突出したアーム板176と、を有している。取付板175の上面には、回転シャフト173の先端部と相補的な凹部が形成されており、回転シャフト173の先端部は、この凹部に嵌め込まれている。アーム板176の先端部の下面(第2面)には、第1接続部177が固定されており、この第1接続部177は、排水弁130との接続に利用される。本実施形態では、第1接続部177は、ネジによって構成されている。
【0036】
第1接続部177は、クラッチ機構300を動作させるために設けられたサブ部材178をアーム板176に固定するためにも利用される。サブ部材178の基端部は、アーム板176の下面(第2面)に下側から重ね合わせられており、第1接続部177によって、アーム板176の先端に固定されている。すなわち、サブ部材178の基端部には、第1接続部177として用いられるネジが挿通される貫通穴が上下方向に穿設されており、アーム板176の先端部には、このネジが螺合されるネジ穴が形成されている。このネジは、サブ部材178の貫通穴に下側から挿入され、アーム板176のネジ穴に螺合される。このとき、ネジの下端(すなわち、ネジの頭部)がサブ部材178の下面(ベース部材174とは反対側に向いた反対面)から下方に突出しないように、サブ部材178の貫通穴が形成されていることが好ましい。
【0037】
サブ部材178は、アーム板176の延設方向とは異なる方向に延設されており、サブ部材178の先端部には、クラッチ機構300に接続される第2接続部179が固定されている。第2接続部179は、回転軸回りの周方向において、第1接続部177とは異なる位置にあり、第1接続部177とは異なる位相で回転軸回りに周回可能である。第1接続部177及び第2接続部179の間の周回位相差は、第1接続部177及び第2接続部179が回転軸回りに1周する間において、排水弁130及びクラッチ機構300について所望の状態が得られるように設定されている。本実施形態では、第2接続部179は、ピンによって構成されており、サブ部材178の下面(ベース部材174とは反対側に向いた反対面)から下方に突出している。
【0038】
第1接続部177には、第1連結部材181の基端部が連結される。詳細には、第1連結部材181の基端部は、ベース部材174とサブ部材178とによって回転軸の軸方向において挟まれた状態になっている。そして、第1連結部材181の基端部には、第1接続部177として用いられるネジが挿通される開口が形成されている。
【0039】
第1連結部材181は、排水弁130に向かって延設されており、第1連結部材181の先端部は、
図2に示すように、弁収容部126の端壁128に形成された接続穴129を通じて、弁収容部126内に差し込まれている。第1連結部材181の先端部は、弁収容部126内において、コイルバネ132及びベローズ管133に挿入されて、弁板131に接続されている。
【0040】
図2に示す状態では、第1接続部177は、排水口123の近くにあり、第1連結部材181には張力が生じていない。回転シャフト173が回転して、第1接続部177が
図2に示す位置から
図4に示す位置に角変位すると、第1接続部177は、排水口123から遠ざかる。このため、弁収容部126内の弁板131は、第1接続部177に連結された第1連結部材181によって弁収容部126の端壁128側に引っ張られ、開位置に移動する。
【0041】
第2接続部179には、
図5に示すように、第2連結部材182の基端部が取り付けられている。第2接続部179に対する第2連結部材182の連結位置は、第1接続部177に対する第1連結部材181の連結位置よりも下側である。言い換えると、これらの連結位置は、回転軸の軸方向において互いに相違している。
【0042】
第2連結部材182は、クラッチ機構300に向かって延設されており、第2連結部材182の先端部は、クラッチレバー183の基端部に接続されている。クラッチレバー183の先端部は、クラッチ板313の回転を許容しつつクラッチ板313の周壁を把持するように構成されている。クラッチレバー183は、クラッチレバー183の先端部と基端部との間で、ピン184により、バネ座312に固定されている。クラッチレバー183は、ピン184回りに回動可能になっている。なお、クラッチレバー183が
図5に示す姿勢になっているとき、クラッチ板313は、回転板217に接触している。このときのクラッチレバー183の姿勢を、以下の説明では、「接触姿勢」と称する。
【0043】
クラッチレバー183が接触姿勢になっているとき、第2接続部179は、クラッチ機構300の近くにある。回転シャフト173が回転すると、第2接続部179は、クラッチ機構300から遠ざかるように回転軸回りに角変位して、
図5に示す位置から
図6に示す位置に到達する。第2接続部179がクラッチ機構300から離れることにより、クラッチレバー183の基端部は、第2接続部179に連結された第2連結部材182によってアクチュエータ170側に引っ張られる。この結果、クラッチレバー183は、ピン184回りに回動して、クラッチレバー183の先端が上向きに変位するように接触姿勢から姿勢変化する。クラッチレバー183の先端の上向きの変位に伴って、クラッチ板313も上向きに変位し、回転板217から離れる。
図6に示すクラッチレバー183の姿勢は、以下の説明では、「離間姿勢」と称する。
【0044】
なお、回転シャフト173が
図6に示す回転位置にある状態は、
図3(及び
図2)に示す状態に対応している。このとき、駆動源210の駆動力は、回転板217を通じてパルセータ160へ伝達される。一方、駆動シャフト215は、回転板217から切り離されており、駆動源210の駆動力は、回転槽140には伝達されない。また、排水弁130は、排水口123を閉じた状態になっており、水槽120からの排水は許容されない。すなわち、回転シャフト173が
図6に示す回転位置に到達すると、排水弁130が排水口123を閉じ、且つ、駆動源210が発生した駆動力の伝達経路が第1伝達経路に設定された状態が得られる。
図3(及び
図6)に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第1回転位置」と称する。回転シャフト173が第1回転位置に到達すると、水槽120内に水を貯留しつつ、パルセータ160を回転槽140に対して相対的に回転させることができ、回転槽140内の衣類を強い力で攪拌することができる。この状態では、衣類に対して高い洗浄力が得られる。
【0045】
回転シャフト173が
図5に示す回転位置にある状態は、
図7(及び
図4)に示す状態に対応している。この状態では、クラッチ機構300は、駆動源210の駆動力をパルセータ160及び回転槽140へ伝達する第2伝達経路を設定しており、且つ、排水弁130は、排水口123を開いている。この状態では、水槽120に溜められていた水は、排水口123から排水され、パルセータ160及び回転槽140が一体的に回転する。回転槽140の回転により、衣類中の水は、遠心分離される。また、遠心分離された水は、排水口123を通じて排出される。このとき、パルセータ160は、回転槽140と一体的に回転しているので、パルセータ160が衣類に対して負荷を与えにくくなっている。
図7(
図4及び
図5)に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第3回転位置」と称する。
【0046】
回転シャフト173が
図8に示す回転位置にあるとき、第1接続部177は、弁収容部126に比較的近い位置にあり、弁収容部126内の弁板131は、第1連結部材181によって引っ張られていない。このため、弁板131は、ベローズ管133内のコイルバネ132によって段部127に押し付けられており、水槽120からの排水を許容しない。すなわち、排水弁130は、排水口123を閉じている。また、第2接続部179は、クラッチ機構300に比較的近い位置にあり、クラッチレバー183は、第2連結部材182によって引っ張られていない。このため、クラッチレバー183は、
図5に示す姿勢になっており、クラッチ板313は、クラッチ機構300のコイルバネ311によって押し下げられて回転板217とかみ合っている。すなわち、クラッチ機構300は、駆動源210の駆動力をパルセータ160及び回転槽140へ伝達する第2伝達経路を設定している。
図8に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第2回転位置」と称する。
【0047】
回転シャフト173が第2回転位置に到達すると、水槽120内に水を貯留しつつ、回転槽140及びパルセータ160を一体的に回転することができる。このとき、回転槽140内の衣類は、回転槽140及びパルセータ160の回転により水中で攪拌されるものの、パルセータ160が単独で回転する場合において衣類に加わる負荷と比べて、衣類に作用する負荷は小さくなる。すなわち、衣類は、比較的弱い力で攪拌される。
【0048】
(洗濯機の動作)
本実施形態では、洗濯機100は、
図9に示す動作シーケンスA及びBのいずれか一方を実行するように構成されている。これらの動作シーケンスA及びBにおいて、給水部150、駆動源210及びアクチュエータ170は、
図1に示す筐体110の上部に配置された制御部190によって制御される。
【0049】
洗濯機100が動作シーケンスAを実行する場合、制御部190は、まず、アクチュエータ170のモータ171を制御して回転シャフト173を回転することにより、
図3に示す状態(第1回転位置)が得られると、アクチュエータ170を停止する。このとき、第1接続部177は、排水口123に比較的近い位置にあり、第1接続部177に連結された第1連結部材181は、排水弁130を引っ張っていない。このため、排水弁130は、コイルバネ132によって段部127に押し付けられて、排水口123を閉じている。一方、第2接続部179は、クラッチ機構300から比較的遠い位置にあり、第2接続部179に連結された第2連結部材182は、クラッチレバー183を引っ張っている。この結果、クラッチレバー183は、離間姿勢になっており、クラッチ板313は、回転板217から上方に離間した位置にある。この状態で、制御部190は、水槽120への給水が行われるように、給水部150を制御する。このとき、排水弁130は、上述の如く、排水口123を閉じているので、給水部150から供給された水は、水槽120内に溜められる(ステップS110)。
【0050】
回転槽140内の衣類の洗浄に必要な量の水が水槽120内に溜まると、制御部190は、給水部150から水槽120への給水が止まるように給水部150を制御する。そして、制御部190は、駆動源210を作動させる。この結果、回転板217は、駆動源210によって回転される。このとき、回転板217に駆動シャフト212を介して接続されたパルセータ160は、回転板217とともに回転する。一方、クラッチ板313は、上述の如く、回転板217から上方に離れているので、回転板217の回転は、クラッチ板313、ひいては、クラッチ板313に駆動シャフト215を介して接続された回転槽140へは伝達されない。したがって、パルセータ160は、回転槽140に対して相対的に回転し、回転槽140内の衣類は、強い力で、水中で攪拌される(ステップS120)。
【0051】
制御部190は、所定の時間、パルセータ160による衣類の攪拌が継続されるように駆動源210を制御してもよい。この期間が経過すると、制御部190は、駆動源210を停止させる。そして、制御部190は、アクチュエータ170のモータ171を制御して回転シャフト173を回転することにより、
図7に示す状態(第3回転位置)が得られると、アクチュエータ170を停止する。このとき、第1接続部177は、排水口123から比較的遠い位置にあり、排水弁130は、第1連結部材181によってアクチュエータ170側に引っ張られて、コイルバネ132の付勢力に抗して、開位置から閉位置へ変位する。この結果、水槽120内の水は、排水口123を通じて排水される(ステップS130)。このとき、第2接続部179は、クラッチ機構300に比較的近い位置にあり、第2連結部材182は、クラッチレバー183を引っ張っていない。このため、クラッチレバー183は、接触姿勢になっており、クラッチ板313は、コイルバネ311によって押し下げられて回転板217に接触している。
【0052】
水槽120からの排水が終わると、制御部190は、駆動源210を作動させる。この結果、回転板217は、駆動源210によって回転される。このとき、回転板217に駆動シャフト212を介して接続されたパルセータ160は、回転板217とともに回転する。また、クラッチ板313は、回転板217に接触しているので、回転板217の回転は、クラッチ板313にも伝達され、クラッチ板313が回転する。クラッチ板313が回転すると、クラッチ板313に接続された駆動シャフト215及び駆動シャフト215の上端に接続された回転槽140も回転する。回転槽140の回転によって、回転槽140内の衣類に含まれている水は、遠心分離されて、衣類の脱水がなされる(ステップS140)。このとき、パルセータ160は、回転槽140と一体的に回転しているので、回転槽140内の衣類が、パルセータ160により過度に大きな負荷を受けることはない。
【0053】
動作シーケンスAが選択された場合、衣類は、上述の如く、強い力で攪拌されるので、衣類に付着した汚れを効果的に落とし得る一方で、衣類に対する負荷が高くなり得る。このため、衣類に対する高い負荷が望ましくない場合には、動作シーケンスBが選択され得る。
【0054】
洗濯機100が動作シーケンスBを実行する場合、制御部190は、まず、アクチュエータ170のモータ171を制御して回転シャフト173を回転することにより、
図8に示す状態(第2回転位置)が得られると、アクチュエータ170を停止する。このとき、第1接続部177は、排水口123に比較的近い位置にあり、第1接続部177に連結された第1連結部材181は、排水弁130を引っ張っていない。このため、排水弁130は、コイルバネ132によって段部127に押し付けられて、排水口123を閉じている。また、第2接続部179は、クラッチ機構300に比較的近い位置にあり、第2連結部材182は、クラッチレバー183を引っ張っていない。このため、クラッチレバー183は、接触姿勢になっており、クラッチ板313は、コイルバネ311によって押し下げられて回転板217に接触している。この状態で、制御部190は、水槽120への給水が行われるように、給水部150を制御する。このとき、排水弁130は、上述の如く、排水口123を閉じているので、給水部150から供給された水は、水槽120内に溜められる(ステップS115)。
【0055】
回転槽140内の衣類の洗浄に必要な量の水が水槽120内に溜まると、制御部190は、給水部150から水槽120への給水が止まるように給水部150を制御する。そして、制御部190は、駆動源210を作動させる。この結果、回転板217は、駆動源210によって回転される。このとき、回転板217に駆動シャフト212を介して接続されたパルセータ160は、回転板217とともに回転する。また、クラッチ板313は、上述の如く、回転板217に接触しているので、回転板217の回転は、クラッチ板313、ひいては、クラッチ板313に駆動シャフト215を介して接続された回転槽140へ伝達される。したがって、回転槽140及びパルセータ160は、一体的に回転する。このとき、回転槽140内の衣類は、比較的弱い力で、水中で攪拌される(ステップS125)。
【0056】
駆動源210が所定の時間長だけ作動させた後の洗濯機100の動作は、動作シーケンスA及びBで変わりはない。このため、動作シーケンスBが選択された場合においても、ステップS130及びステップS140がその後実行される。
【0057】
上述の実施形態では、単一のアクチュエータ170を用いて、クラッチ機構300だけでなく排水弁130をも動作させることが可能になる。このため、クラッチ機構300及び排水弁130を動作させるために、複数のアクチュエータを洗濯機100に搭載しなくてもよい。
【0058】
回転シャフト173は、ベース部材174の上面(第1面)に接続されており、ベース部材174の下面(第2面)からは下方に突出していない。一方、第1接続部177は、ベース部材174の下面に取り付けられているので、第1連結部材181は、回転シャフト173よりも下側の位置で、第1接続部177から排水弁130へ延設される。このため、回転シャフト173が回転して、第1接続部177が回転軸回りに周回しても、第1連結部材181が回転シャフト173に絡みつくことはない。
【0059】
第1接続部177は、第1連結部材181を保持するためだけでなく、サブ部材178をベース部材174の下面に固定するためにも用いられる。このため、サブ部材178は、ベース部材174に対して下側で固定されている。サブ部材178の下面(ベース部材174とは反対側を向いた反対面)に第2接続部179が取り付けられているので、第2連結部材182は、第1連結部材181よりも更に下側で、第2接続部179からクラッチ機構300へ延設されている。このため、第2連結部材182も、回転シャフト173に絡みつくことはない。
【0060】
また、第1接続部177は、サブ部材178を下側から貫通しているが、第1接続部177の下端は、サブ部材178の下面(ベース部材174とは反対側を向いた反対面)から突出していない。このため、第1接続部177は、回転軸回りに回転しても、第2連結部材182に引っ掛かることはない。したがって、第1接続部177が第2連結部材182に引っ掛かることにより、排水弁130及びクラッチ機構300の動作が妨げられるという事態は生じない。
【0061】
第1連結部材181は、ベース部材174とサブ部材178とによって上下に挟まれた位置で第1接続部177に接続されて、排水弁130へ延設されている。第1接続部177に対する第1連結部材181の連結位置は、第2接続部179とは回転軸の軸方向において異なっており、第1連結部材181を第2接続部179の周回軌跡に重ならないように延設することが可能になる。したがって、第2接続部179は、第1連結部材181に引っ掛かることなく、回転軸回りに周回することができる。また、第2接続部179が第1接続部177とは回転軸の軸方向において異なる位置に設けられているので、第2連結部材182を第1接続部177の周回軌跡に重ならないように延設することも可能になる。したがって、第1接続部177は、第2連結部材182に引っ掛かることなく、回転軸回りに周回することができる。このため、第1連結部材181が第1接続部177の周回、ひいては、排水弁130の動作を妨げることはないし、第2連結部材182が第2接続部179の周回、ひいては、クラッチ機構300の動作を妨げることもない。
【0062】
第1接続部177としてネジが用いられ、このネジは、サブ部材178を貫通してベース部材174のネジ穴に螺合している。このため、第1接続部177は、ベース部材174とサブ部材178との重畳領域に配置されている。仮に、第1接続部177がこの重畳領域から外れた位置に設けられれば、重畳領域及び第1接続部177は、同一平面上で回転軸回りに周回する。この場合、重畳領域は、回転軸回りに周回する間に、第1接続部177から延設された第1連結部材181に引っ掛かり、排水弁130の動作を妨げ得る。一方、第1接続部177がベース部材174とサブ部材178との重畳領域に配置されれば、このような事態は、生じない。
【0063】
第1接続部177の移動方向の成分は、排水弁130の変位方向の成分だけでなく、排水弁130の変位方向に対して直角の方向の成分をも含んでいる。第1連結部材181は、曲げ変形可能な紐体であるので、排水弁130の変位方向に対して直角の方向における第1接続部177の移動に応じて曲がることができる。このため、第1連結部材181及び排水弁130に過度に大きな負荷は生じない。
【0064】
同様に、第2接続部179の移動方向の成分は、クラッチレバー183を引っ張る方向の成分だけでなく、この方向に対して直角の方向の成分をも含んでいる。第2連結部材182には、コイルバネが用いられているので、第2連結部材182は、クラッチレバー183を引っ張る方向に対して直角の方向における第2接続部179の移動に応じて曲がることができる。このため、第2連結部材182及びクラッチ機構300に過度に大きな負荷は生じない。
【0065】
第2接続部179は、第1接続部177に対して、回転軸回りの周方向において異なる位置に設けられている。このため、第1接続部177及び第2接続部179は、互いに異なる周回位相で回転軸回りを周回する。これらの周回位相差は、第1接続部177及び第2接続部179が回転軸回りに1周する間において、排水弁130及びクラッチ機構300について、以下の3つの状態が得られるように設定され得る。
・排水弁130が閉位置にあり、クラッチ板313が回転板217に接触していない状態。
・排水弁130が閉位置にあり、クラッチ板313が回転板217に接触している状態。
・排水弁130が開位置にあり、クラッチ板313が回転板217に接触している状態。
【0066】
なお、上述の3つの状態が得られれば、第1接続部177及び第2接続部179は、上下方向(すなわち、回転軸の軸方向)に並んで配置されていてもよい。この場合には、サブ部材178は、必要とされない。
【0067】
上述の実施形態では、第1接続部177として、サブ部材178の貫通穴に挿通されてベース部材174のネジ穴に螺合されたネジが用いられている。代替的に、ベース部材174に貫通穴が形成され、サブ部材178にネジ穴が形成されていてもよい。この場合、第1接続部177は、ベース部材174の貫通穴に挿通されて、サブ部材178のネジ穴に螺合され得る。
【0068】
上述の実施形態では、排水弁130用の第1連結部材181は、クラッチ機構300用の第2連結部材182よりも上側で延設されている。代替的に、洗濯機100は、第1連結部材181が第2連結部材182の下側で延設されるように構成されていてもよい。この場合、第2接続部179がベース部材174の下面に取り付けられて、第1接続部177がサブ部材178の下面に取り付けられてもよい。
【0069】
上述の実施形態では、アクチュエータ170は、排水弁130を引っ張りながら、排水弁130を動作させている。代替的に、アクチュエータ170は、第1接続部177が排水口123に接近すると、排水弁130を押して閉位置に変位させるように構成されていてもよい。この場合、第1連結部材181は、高い剛性を有するように構成されることが好ましい。
【0070】
上述の実施形態では、アクチュエータ170は、クラッチレバー183を引っ張りながら、クラッチ機構300を動作させている。代替的に、第2連結部材182は、高い剛性を有し、アクチュエータ170の第2接続部179がクラッチ機構300に近づくと、クラッチレバー183を押すように構成されていてもよい。この場合、第2連結部材182は、高い剛性を有するように構成される。また、クラッチ機構300は、アクチュエータ170がクラッチレバー183を押すことにより、クラッチ板313が回転板217に押し付けられるように構成されていてもよい。この場合、クラッチ板313は、アクチュエータ170がクラッチレバー183を引っ張ることにより、回転板217から離れる方向に変位してもよい。
【0071】
上述の実施形態では、アクチュエータ170は、縦型の洗濯機100に搭載されている。代替的に、アクチュエータ170は、ドラム型の洗濯機に搭載されてもよい。
【0072】
(効果等)
上述の実施形態に係る技術は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
【0073】
上述の実施形態に係る一の局面に係るアクチュエータは、洗濯機の水槽に設けられた排水口を開閉する排水弁と、洗濯機の回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、を動作させるように構成されている。アクチュエータは、所定の回転軸回りに周回しながら排水口に対して離接するように設けられた第1接続部と、回転軸回りに周回しながらクラッチ機構に対して離接するように設けられた第2接続部と、第1接続部と第2接続部とを支持しながら回転軸回りに周回させるアクチュエータ本体と、排水口に対する第1接続部の離接により排水弁が動作するように第1接続部と排水弁とに連結されている第1連結部材と、クラッチ機構に対する第2接続部の離接によりクラッチ機構が動作するように第2接続部からクラッチ機構へ延設された第2連結部材と、を備えている。第1接続部及び第2接続部は、回転軸の軸方向において、互いに異なる位置でアクチュエータ本体によって支持されている。第1連結部材は、第2接続部の周回軌跡に重ならないように第1接続部から延設されている。第2連結部材は、第1接続部の周回軌跡に重ならないように第2接続部から延設されている。
【0074】
上述の構成では、排水弁は、第1連結部材を介して第1接続部に連結されており、第1接続部が所定の回転軸回りに周回しながら排水口に対して離接することにより動作することができる。また、第2連結部材が第2接続部からクラッチ機構に延設されており、クラッチ機構は、第2接続部が所定の回転軸回りに周回しながらクラッチ機構に対して離接することにより、動作することができる。
【0075】
第1接続部は、第2接続部とは回転軸の軸方向において異なる位置においてアクチュエータ本体によって支持されているので、第1連結部材を第2接続部の周回軌跡に重ならないように第1接続部から延設させることができる。また、第2連結部材を第1接続部の周回軌跡に重ならないように第2接続部から延設させることができる。このため、第1接続部は、第2連結部材と接触することなく回転軸回りに回転することができ、第1接続部に第1連結部材を介して連結された排水弁は、第2連結部材に邪魔されることなく排水口を開閉することができる。また、第2接続部は、第1連結部材と接触することなく回転軸回りに回転することができ、第2接続部と第1連結部材との接触によりクラッチ機構の動作が妨げられることはない。
【0076】
上述の構成において、アクチュエータ本体は、回転軸回りに回転する回転シャフトと、回転シャフトが取り付けられた第1面と、第1面とは反対側の第2面と、を有しているベース部材と、を有していてもよい。第1接続部及び第2接続部のうち一方の接続部は、第2面に接続されていてもよい。第1連結部材及び第2連結部材のうち一方の連結部材は、一方の接続部から第2面側で延設されていてもよい。回転シャフトは、第2面から突出していなくてもよい。
【0077】
上述の構成では、第1接続部及び第2接続部のうち一方の接続部は、ベース部材において、回転シャフトが取り付けられた第1面とは反対側の第2面に接続されている。このため、この接続部に連結された連結部材は、第2面側で延設され得る。このとき、回転シャフトは、第2面から突出していないので、回転シャフトと連結部材との接触が防止される。このため、排水弁又はクラッチ機構は、回転シャフトに邪魔されることなく動作することができる。
【0078】
上述の構成において、アクチュエータ本体は、回転軸の軸方向においてベース部材とは異なる位置に配置されるように、第2面に重ねられたサブ部材を有していてもよい。第1接続部及び第2接続部のうち他方の接続部は、回転軸の軸方向において一方の接続部とは異なる位置でサブ部材によって支持されていてもよい。一方の連結部材は、他方の接続部の周回軌跡と重ならないように延設されていてもよい。
【0079】
仮に、第1接続部及び第2接続部の両方がベース部材の第2面に設けられて、これらに第1連結部材及び第2連結部材が連結された場合、第1連結部材が第2接続部の周回軌跡に重なるか、第2連結部材が第1接続部の周回軌跡に重なり得る。この場合、第1接続部が第2連結部材に引っ掛かったり、第2接続部が第1連結部材に引っ掛かったりし、排水弁又はクラッチ機構の動作が妨げられる。
【0080】
このような事態を防止するために、上述の構成では、サブ部材は、ベース部材の第2面に重ねられており、回転軸の軸方向においてベース部材とは異なる位置で、第1接続部及び第2接続部のうち他方の接続部を支持可能になっている。この結果、一方の連結部材は、他方の接続部の周回軌跡と重ならないように延設され得る。言い換えると、他方の接続部は、一方の接続部に接続された連結部材に引っ掛からない位置に配置され得る。
【0081】
上述の構成において、サブ部材は、他方の接続部が一方の接続部とは異なる位相で回転軸回りを周回する位置で他方の接続部を支持するように構成されていてもよい。
【0082】
上述の構成では、排水弁を動作させるときの回転シャフトの回転位置と、アクチュエータを動作させるときの回転シャフトの回転位置と、の差の大きさを、第1接続部と第2接続部との周回位相差を用いて設定可能になる。このため、これらの回転位置の差が過度に小さくなることを、第1接続部と第2接続部との周回位相差を用いて防止することができる。
【0083】
上述の構成において、他方の接続部は、サブ部材において、ベース部材とは反対側に向いた反対面に設けられていてもよい。他方の接続部に連結された他方の連結部材は、一方の接続部の周回軌跡と重ならないように反対面側で他方の接続部から延設されていてもよい。
【0084】
上述の構成では、他方の接続部は、サブ部材において、ベース部材とは反対側の面に設けられているので、ベース部材に設けられた一方の接続部から延設された連結部材と接触しない。また、他方の連結部材は、ベース部材とは反対面側で他方の接続部から延設されているので、ベース部材に設けられた一方の接続部と接触しにくい。このため、これらの接触により、排水弁及びクラッチ機構の動作が妨げられることが抑制される。
【0085】
上述の構成において、一方の接続部は、ベース部材とサブ部材との重畳部分においてサブ部材をベース部材に固定するようにベース部材とサブ部材とに接続されていてもよい。一方の連結部材は、ベース部材とサブ部材との間において一方の接続部に連結されていてもよい。
【0086】
仮に、一方の接続部がベース部材とサブ部材との重畳部分以外の第2面の部分に設けられれば、この重畳部分の周回軌跡は、一方の連結部材と重なり得る。すなわち、ベース部材とサブ部材との重畳部分は、一方の連結部材に引っ掛かり得る。このような事態を回避するために、上述の構成では、一方の接続部は、ベース部材とサブ部材との重畳部分に設けられて、一方の連結部材は、ベース部材とサブ部材との間において一方の接続部に連結されている。この結果、一方の接続部は、ベース部材とサブ部材との重畳部分とともに回動軸回りを周回し、この重畳部分が、一方の接続部と一方の連結部材との連結部分以外の部分において、当該連結部材に接触することが防止される。
【0087】
上述の実施形態に係る他の局面に係る洗濯機は、水を貯留可能に形成された水槽と、水槽に形成された排水口を開閉する排水弁と、衣類を収容可能に形成されているとともに水槽内の水が流入可能に水槽内に設けられた回転槽と、回転槽を回転駆動するための駆動力を発生する駆動源と、駆動源から回転槽へ駆動力を伝達するか否かを決定するように動作するクラッチ機構と、上述のアクチュエータと、を備えている。
【0088】
上述の構成では、単一のアクチュエータで、排水弁とクラッチ機構とを動作させることが許容される。
【0089】
上述の構成において、排水弁は、排水口を閉じる閉位置に向けて付勢されており、第1接続部が排水口から離れる方向に移動することにより、第1連結部材によって引っ張られて排水口を開く開位置に移動するように構成されていてもよい。
【0090】
上述の構成では、第1接続部が排水口から離れると、排水弁は、第1連結部材によって引っ張られて開位置に移動する。この結果、排水口が開かれ、水槽に貯留された水を排出することが可能になる。
【0091】
上述の構成において、洗濯機は、回転槽からクラッチ機構に延設された駆動シャフトと、第2連結部材に連結されたクラッチレバーと、を更に備えていてもよい。クラッチ機構は、駆動源によって回転される回転板と、駆動シャフトの軸方向に移動可能に駆動シャフトに取り付けられているとともに、回転板に向けて付勢されたクラッチ板と、を有していてもよい。クラッチレバーは、第2接続部がクラッチ機構から離れる方向に移動することにより、第2連結部材によって引っ張られることにより、クラッチ板が回転板に接触して回転板の回転がクラッチ板に伝達されることを許容する接触姿勢からクラッチ板を回転板から離間させる離間姿勢へ姿勢変更できるように構成されていてもよい。
【0092】
上述の構成では、クラッチ板は、回転板に向けて付勢されており、クラッチレバーが接触姿勢にあるときには、クラッチ板は、回転板に接触する。このとき、駆動源によって回転される回転板の回転がクラッチ板に伝達されて、クラッチ板は、回転板とともに回転する。クラッチ板は、回転槽から延設された駆動シャフトに取り付けられているので、クラッチ板の回転に伴って、回転槽は、回転することができる。
【0093】
第2接続部がクラッチ機構から離れる方向に移動すると、クラッチレバーは、第2連結部材によって引っ張られて接触姿勢から離間姿勢に姿勢変更する。この姿勢変更にともなって、クラッチレバーに接続されたクラッチ板は、駆動シャフトの軸方向に変位し、回転板から離れる。この結果、回転板の回転は、クラッチ板、ひいては、駆動シャフトを介してクラッチ板に接続された回転槽には伝わらなくなる。
【0094】
上述の構成において、洗濯機は、回転板から回転槽内に延設された他の駆動シャフトと、他の駆動シャフトに取り付けられて回転槽内で回転することにより衣類を攪拌するパルセータと、を更に備えていてもよい。
【0095】
上述の構成では、パルセータは、回転板から延設された他の駆動シャフトに取り付けられているので、回転板が駆動部によって回転されている限り、パルセータは、回転槽内で回転して衣類を攪拌することができる。一方、回転槽は、回転板が回転していても、クラッチ板が回転板から離れていれば、回転しない。この場合、パルセータは、回転槽に対して相対的に回転し、衣類を強い力で攪拌することができる。逆に、クラッチ板が回転板に接触しているときには、回転槽とパルセータとが一体的に回転することができる。この場合には、衣類を比較的弱い力で攪拌することが許容される。
【0096】
上述の構成において、洗濯機は、第1接続部が回転軸回りに一回転する間に第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置で停止するようにアクチュエータを制御する制御部を更に備えていてもよい。排水弁は、排水口を閉じる閉位置に向けて付勢されており、第1接続部が排水弁から離れる方向に移動することにより、第1連結部材によって引っ張られて排水口を開く開位置に移動するように構成されていてもよい。アクチュエータは、第1接続部が第1回転位置で停止しているときに、第1連結部材が排水弁を引っ張らず排水弁が閉位置にあることを許容し、且つ、第2連結部材がクラッチレバーを引っ張ることによりクラッチレバーを離間姿勢にしてもよい。また、アクチュエータは、第1接続部が第2回転位置で停止しているときに、第1連結部材が排水弁を引っ張らず排水弁が閉位置にあること、及び、第2連結部材がクラッチレバーを引っ張らずクラッチレバーが接触姿勢にあることを許容してもよい。さらに、アクチュエータは、第1接続部が第3回転位置で停止しているときに、第1連結部材が排水弁を引っ張ることにより排水弁を開位置に変位させ、且つ、第2連結部材がクラッチレバーを引っ張らずクラッチレバーが接触姿勢にあることを許容するように構成されていてもよい。
【0097】
上述の構成では、第1接続部が第1回転位置で停止しているとき、第1連結部材は、排水弁を引っ張らず、排水弁は、閉位置にあるので、水槽及び回転槽内に水が貯まった状態が得られる。このとき、クラッチレバーは、第2連結部材によって離間姿勢にされているので、回転槽に対してパルセータが相対的に回転する。この状態では、回転槽内の衣類は、水中で強い力で攪拌される。
【0098】
第1接続部が第2回転位置で停止しているとき、第1連結部材が排水弁を引っ張っておらず、排水弁は、閉位置にある。このとき、第2連結部材は、クラッチレバーを引っ張っておらず、クラッチレバーは、接触姿勢になっている。この場合、パルセータは、回転槽と一体的に回転するので、回転槽内の衣類は、水中で比較的弱い力で攪拌される。
【0099】
第1接続部が第3回転位置で停止しているとき、第1連結部材が排水弁を引っ張り、排水弁は、開位置に変位する。この結果、水は、水槽及び回転槽から排出される。このとき、第2連結部材は、クラッチレバーを引っ張っておらず、クラッチレバーは、接触姿勢になっている。この場合、パルセータは、回転槽と一体的に回転するので、衣類は、パルセータから過度に大きな負荷を受けることはない。この間、衣類に含まれた水分は、回転槽の回転により遠心分離され得る。
【産業上の利用可能性】
【0100】
上述の実施形態の技術は、排水弁とクラッチ機構とを備えた洗濯機に好適に利用される。
【符号の説明】
【0101】
100・・・・・・・・・・・洗濯機
120・・・・・・・・・・・水槽
123・・・・・・・・・・・排水口
130・・・・・・・・・・・排水弁
140・・・・・・・・・・・回転槽
160・・・・・・・・・・・パルセータ
161・・・・・・・・・・・アクチュエータ本体
170・・・・・・・・・・・アクチュエータ
173・・・・・・・・・・・回転シャフト
174・・・・・・・・・・・ベース部材
177・・・・・・・・・・・第1接続部
178・・・・・・・・・・・サブ部材
179・・・・・・・・・・・第2接続部
181・・・・・・・・・・・第1連結部材
182・・・・・・・・・・・第2連結部材
183・・・・・・・・・・・クラッチレバー
190・・・・・・・・・・・制御部
210・・・・・・・・・・・駆動源
212,215・・・・・・・駆動シャフト
217・・・・・・・・・・・回転板
300・・・・・・・・・・・クラッチ機構
313・・・・・・・・・・・クラッチ板