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特開2024-163658位置検出装置及び位置検出装置を有している制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163658
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】位置検出装置及び位置検出装置を有している制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/21 20160101AFI20241115BHJP
【FI】
H02K11/21
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079465
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100157808
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 耕平
(72)【発明者】
【氏名】足達 勇治
(72)【発明者】
【氏名】前田 有亮
(72)【発明者】
【氏名】東山 義幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 勝規
(72)【発明者】
【氏名】戸田 正明
【テーマコード(参考)】
5H611
【Fターム(参考)】
5H611AA01
5H611BB01
5H611PP07
5H611QQ03
5H611SS01
(57)【要約】
【課題】動作対象装置を動作させるアクチュエータに対する制御技術を提供することを目的とする。
【解決手段】本出願は、所定の動作対象装置を動作させるアクチュエータの回転シャフトの回転位置を検出するように構成された位置検出装置を開示する。位置検出装置は、電圧が印加される一対の検出線と、これらの検出線が接続された位置判定部と、これらの検出線に設けられた一対のスイッチと、を備えている。位置判定部は、これらのスイッチの開閉状態に応じた電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトの位置を判定するように構成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の動作対象装置を動作させるアクチュエータの回転シャフトの回転位置を検出するように構成された位置検出装置であって、
前記アクチュエータは、前記回転シャフトを第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置に角変位させることによって、前記動作対象装置に所定の動作をさせるように構成されており、
前記位置検出装置は、
電圧が印加される第1検出線及び第2検出線と、
前記第1検出線が接続された第1端子と、前記第2検出線が接続された第2端子と、を有している位置判定部と、
前記第1検出線に設けられた第1スイッチと、
前記第2検出線に設けられた第2スイッチと、
前記回転シャフトとともに回転しながら前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを開閉することにより、前記第1スイッチと前記第2スイッチとがともに閉じた状態、前記第1スイッチと前記第2スイッチとがともに開いた状態、前記第1スイッチが閉じている一方で前記第2スイッチが開いた状態及び前記第1スイッチが開いている一方で前記第2スイッチが閉じた状態の4つの組み合わせが得られるように構成された切替部と、を備え、
前記切替部は、前記回転シャフトが前記第1回転位置乃至前記第3回転位置に到達したときに前記4つの組み合わせのうち1つであるベース状態から残りの3つの組み合わせである第1開閉状態乃至第3開閉状態にそれぞれ切り替えるように構成されており、
前記位置判定部は、前記第1端子及び前記第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、前記回転シャフトが前記第1回転位置乃至前記第3回転位置のいずれに到達したか否かを判定するように構成されている、位置検出装置。
【請求項2】
前記切替部は、前記回転シャフトが一回転する間において、前記ベース状態から前記第1開閉状態乃至前記第3開閉状態への切替をそれぞれ1回だけ行うように構成されている、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記切替部は、前記回転シャフトの軸方向において並んで前記回転シャフトに取り付けられた第1カム及び第2カムにより構成されており、
前記第1カムは、前記第1スイッチにのみ接触しながら前記第1スイッチを開閉するように構成されており、
前記第2カムは、前記第2スイッチにのみ接触しながら前記第2スイッチを開閉するように構成されている、請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記第1スイッチは、開状態になるように付勢されており、
前記第1カムは、前記第1スイッチに接触して前記第1スイッチを閉じる第1外周面と、周方向において互いに離間した位置において前記第1外周面に対して凹設されて前記第1スイッチが入り込んで開くことを許容する第1凹部及び第2凹部と、を有している、請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記第2スイッチは、開状態になるように付勢されており、
前記第2カムは、前記第2スイッチに接触して前記第2スイッチを閉じる第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において前記第2外周面に対して凹設されて前記第2スイッチが入り込んで開くことを許容する第3凹部及び第4凹部と、を有しており、
前記第1外周面及び前記第2外周面は、前記第1スイッチが前記第1凹部に入り込む直前、前記第1スイッチが前記第2凹部に入り込む直前、前記第2スイッチが前記第3凹部に入り込む直前及び前記第4凹部に入り込む直前において、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチにそれぞれ接触して、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチをともに閉じた状態にするように構成されており、
前記第3凹部は、前記第1スイッチが前記第1凹部に入り込んで開くのと同期して、前記第2スイッチが前記第3凹部に入り込んで開くことを許容するように、前記第2外周面に凹設されており、
前記第4凹部は、前記第1スイッチが前記第2凹部に入り込んで開くタイミングとは異なるタイミングで、前記第2スイッチが前記第4凹部に入り込んで開くことを許容するように、前記第2外周面に凹設されている、請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記第2スイッチは、閉状態になるように付勢されており、
前記第2カムは、前記回転シャフトが一回転する間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに対して非接触状態を保つ第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において前記第2外周面から凸設されて前記第2スイッチを径方向に押し出して開く第3凸部及び第4凸部と、を有している、請求項4に記載の位置検出装置。
【請求項7】
前記第1外周面は、前記第3凸部が前記第2スイッチを径方向に押し出して開く直前及び前記第4凸部が前記第2スイッチを径方向に押し出して開く直前において、前記第1スイッチに接触して、前記第1スイッチを閉じた状態にするように構成されており、
前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記第1スイッチが前記第1凹部に入り込んで開状態になる直前及び前記第1スイッチが前記第2凹部に入り込んで開状態になる直前において、前記第2スイッチに対して非接触状態になるように構成されており、
前記第3凸部は、前記第1スイッチが前記第1凹部に入り込んで開状態になるのと同期して、前記第2スイッチを径方向に押し出して開くように設けられており、
前記第4凸部は、前記第1スイッチが前記第2凹部に入り込んで開状態になるタイミングとは異なるタイミングで、前記第2スイッチを径方向に押し出して開くように設けられている、請求項6に記載の位置検出装置。
【請求項8】
前記第1スイッチ及び前記第2スイッチは、閉状態になるように付勢されており、
前記第1カムは、前記回転シャフトが一回転する間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに対して非接触状態を保つ第1外周面と、周方向において互いに離間した位置において前記第1外周面から凸設されて前記第1スイッチを径方向に押し出して開く第1凸部及び第2凸部と、を有しており、
前記第2カムは、前記回転シャフトが一回転する間に前記第1スイッチ及び前記第2スイッチに対して非接触状態を保つ第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において前記第2外周面から凸設されて前記第2スイッチを径方向に押し出して開く第3凸部及び第4凸部と、を有している、請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項9】
前記第1凸部及び前記第2凸部は、前記第3凸部が前記第2スイッチを径方向に押し出す直前及び前記第4凸部が前記第2スイッチを径方向に押し出す直前において、前記第1スイッチに対して非接触状態になるように構成されており、
前記第3凸部及び前記第4凸部は、前記第1凸部が前記第1スイッチを径方向に押し出す直前及び前記第2凸部が前記第1スイッチを径方向に押し出す直前において、前記第2スイッチに対して非接触状態になるように構成されており、
前記第3凸部は、前記第1凸部が前記第1スイッチを径方向に押し出して開くのと同期して、前記第2スイッチを径方向に押し出して開くように、前記第2外周面から凸設されており、
前記第4凸部は、前記第2凸部が前記第1スイッチを径方向に押し出して開くタイミングとは異なるタイミングで、前記第2スイッチを径方向に押し出して開くように、前記第2外周面から凸設されている、請求項8に記載の位置検出装置。
【請求項10】
請求項1に記載の位置検出装置と、
前記動作対象装置の動作の内容に応じて、前記第1回転位置乃至前記第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定する目標設定部と、
前記目標回転位置に向けて前記回転シャフトが角変位するように前記アクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備え、
前記位置判定部は、前記第1端子及び前記第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、前記回転シャフトが前記目標回転位置に到達したか否かを判定するように構成されており、
前記アクチュエータ制御部は、前記回転シャフトが前記目標回転位置に到達したことを前記位置判定部が判定したことを条件として前記アクチュエータを停止させるように構成されている、制御装置。
【請求項11】
前記アクチュエータは、前記回転シャフトを回転駆動するモータを有しており、
前記制御装置は、前記モータへ電力を供給する電力供給部を更に備え、
前記アクチュエータ制御部は、前記回転シャフトが前記目標回転位置に到達したことを前記位置判定部が判定したことを条件として、前記電力供給部から前記モータへの電力供給が停止されるように前記電力供給部を制御する、請求項10に記載の制御装置。
【請求項12】
前記アクチュエータは、前記回転シャフトを回転駆動するモータを有しており、
前記制御装置は、電力を出力する電力出力部と、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチの開閉状態が前記4つの組み合わせのいずれになっても前記電力出力部から出力された電力を前記モータへ伝達可能に構成された給電回路と、を更に備え、
前記アクチュエータ制御部は、前記回転シャフトが前記目標回転位置に到達したことを前記位置判定部が判定したことを条件として前記電力出力部からの電力の出力が停止するように前記電力出力部を制御する、請求項10に記載の制御装置。
【請求項13】
前記アクチュエータは、前記回転シャフトを回転駆動するモータを有しており、
前記制御装置は、電力を出力する電力出力部と、前記電力出力部から前記モータに接続された一対の電力線と、を更に備え、
前記第1検出線及び前記第2検出線は、前記一対の電力線のうち一方から分岐して延設され、
前記位置検出装置は、前記一対の電力線のうち他方から分岐して延設された第3検出線を有しており、
前記位置判定部は、前記第3検出線が接続された第3端子を有しており、前記第3端子と前記第1端子との間の電位差と、前記第3端子と前記第2端子との間の電位差と、に基づいて、前記回転シャフトが前記目標回転位置に到達したか否かを判定するように構成されている、請求項10に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の動作対象装置を動作させるアクチュエータの回転シャフトの回転位置を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
アクチュエータの回転シャフトの回転を利用して、様々な動作対象装置の動作が実現され得る。たとえば、アクチュエータが洗濯機に搭載される場合、アクチュエータの回転シャフトは、洗濯機の水槽に形成された排水口を開閉する排水弁に連結され得る。排水弁は、水槽からの意図しない漏水を防止するために、排水口を閉じる閉位置に付勢されるように構成され得るが、アクチュエータは、回転シャフトの回転により、排水口を開く開位置に引っ張るように構成され得る。
【0003】
詳細には、アクチュエータは、回転シャフトと、回転シャフトに取り付けられたレバー部材と、レバー部材と排水弁とに接続された接続ワイヤと、を有し得る。レバー部材は、回転シャフトの回転に伴って、接続ワイヤとレバー部材との接続部分が排水弁に近い近接位置と排水弁から遠い遠隔位置との間で変位するように構成され得る。この接続部分が近接位置にあれば、アクチュエータは、排水弁を引っ張らず、排水弁は、自身の付勢力により閉位置に留まるが、接続部分が遠隔位置にあるときには、排水弁は、アクチュエータによって引っ張られ、開位置に変位する。
【0004】
このアクチュエータが排水弁を動作させるために用いられる場合、衣類を洗濯する工程の間、アクチュエータの回転シャフトは、接続ワイヤとレバー部材との接続部分が上述の近接位置にある第1目標回転位置で停止した状態に保たれる。この工程の終了の後、水槽からの排水を行うために、アクチュエータの回転シャフトは、接続ワイヤとレバー部材との接続部分が遠隔位置に変位するように、第1目標回転位置から第2目標回転位置へ角変位され、第2目標回転位置で停止される。
【0005】
上述のような回転シャフトの動作を可能にするために、特許文献1の技術が好適に利用可能である。特許文献1では、図15に示すように、モータによって回転駆動される回転シャフト900にカム910が取り付けられている。カム910は、平面視において円弧状の外周面911と、外周面911に対して径方向に凹設された凹部912と、を有している。
【0006】
凹部912の位置に基づいて、回転シャフト900の回転位置を検出できるように、一対のスイッチ921,922が設けられている。これらのスイッチ921,922は、カム910を挟むように配置されている。また、スイッチ921に隣り合うように接点片923が配置されており、スイッチ922に隣り合うように接点片924が配置されている。スイッチ921及び接点片923は、モータへ電力を供給する給電回路925の一部を構成している。また、スイッチ922及び接点片924は、モータへ電力を供給する他の給電回路926の一部を構成している。モータは、給電回路925,926のうちいずれか一方を通じて電力の供給を受けて、回転シャフト900を回転駆動することができる。
【0007】
スイッチ921は、カム910と接点片923との間に配置されて、カム910側に付勢されている。スイッチ921の先端は、カム910の凹部912がスイッチ921の先端に対向する位置に到達したときに、凹部912に入り込む。この状態では、スイッチ921は、接点片923から離間し、給電回路925を通じたモータへの給電は許容されない状態になる。この状態において、給電回路926を通じてモータへ電力が供給されると、回転シャフト900がカム910とともに角変位する。この結果、スイッチ921は、カム910の外周面911に接触する。カム910の外周面911は、スイッチ921を接点片923に向けて押し出し、接点片923とスイッチ921とを接触させる。この状態では、給電回路925を通じたモータへの給電が可能になる。スイッチ922及び接点片924は、カム910について、スイッチ921及び接点片923と左右対称の構造を有している。
【0008】
カム910、スイッチ921,922及び接点片923,924を洗濯機用のアクチュエータに適用した場合、上述のレバー部材は、この回転シャフト900に取り付けられ得る。詳細には、レバー部材は、カム910及び回転シャフト900が図15に示す回転位置にあるとき、接続ワイヤとレバー部材との接続部分が上述の近接位置にあるように回転シャフト900に取り付けられ得る。すなわち、図15に示すカム910及び回転シャフト900の回転位置は、上述の第1目標回転位置に設定され得る。
【0009】
図15に示すスイッチ922は、接点片924に接触しているので、衣類を洗ったりすすいだりする工程の終了後、給電回路926に電力が出力されれば、モータは、給電回路926を通じて電力を受け取り、回転シャフト900を回転させることができる。回転シャフト900が第1目標回転位置から約180°回転すれば、凹部912は、スイッチ922の先端に対向する位置に到達する。このとき、スイッチ922の先端は、凹部912に入り込んで、スイッチ922は、接点片924から離れる。この状態では、給電回路926を通じた電力供給ができなくなるので、モータ、ひいては、回転シャフト900は、停止する。
【0010】
上述のレバー部材がこの停止位置にあるときに、接続ワイヤとレバー部材との接続部分が上述の遠隔位置にあれば、排水弁は、開位置に変位し、水槽の排水口が開放される。すなわち、図15に示すカム910及び回転シャフト900の回転位置から約180°回転した回転位置は、上述の第2目標回転位置に設定され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2014-23325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
洗濯機は、水槽の中で回転する回転槽及びパルセータを更に有し得る。この場合、衣類を強い力で攪拌する動作と、衣類を弱い力で攪拌する動作と、を設けることができる。すなわち、水槽に水が貯まった状態でパルセータのみを回転させれば、回転槽及びパルセータを一体的に回転させた場合よりも強い力で衣類を攪拌することができる。衣類を強い力で攪拌すれば、衣類に付着した汚れや洗剤を効果的に落とすことができる一方で、衣類への負荷は大きくなり得る。一方、衣類を弱い力で攪拌すれば、衣類に対する洗浄力は落ちるものの、衣類への負荷は軽減され得る。
【0013】
上述の2つの動作を実現するために、回転槽とパルセータとを一体的に回転させる連結位置と、パルセータのみを回転させる非連結位置と、の間で変位可能なクラッチ機構が洗濯機に搭載され得る。クラッチ機構の変位は、排水弁の変位と以下のように関連付けられる。
【0014】
排水弁が閉位置にある状態では、水槽内に水を溜めることができ、この状態で、クラッチ機構を非連結位置に変位させれば、衣類を強い力で攪拌することができる。一方、クラッチ機構を連結位置に変位させれば、衣類への負荷を軽減しつつ衣類を攪拌することができる。排水弁を閉位置にした状態でクラッチ機構を連結位置又は非連結位置にする設定は、衣類を洗ったりすすいだりする工程に好適に利用可能である。
【0015】
排水弁が開位置に変位されれば、水槽からの排水がなされる。この状態で、回転槽が回転されれば、衣類から水が遠心分離され、衣類に対する脱水処理が実行され得る。また、この回転槽と一体的にパルセータを回転させれば、衣類がパルセータによって傷つけられることが抑制される。このため、排水弁が開位置に変位した状態で、クラッチ機構を連結位置に変位させれば、衣類の損傷を抑制しつつ、衣類に対する脱水処理が実行され得る。洗濯機の動作と、排水弁及びクラッチ機構の位置と、の関係を以下の表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
図15に示す技術を適用したアクチュエータは、排水弁及びクラッチ機構のうちいずれか一方を2位置間で変位することはできるが、排水弁及びクラッチ機構の両方を2位置間で変位させることはできない。すなわち、上述の表1に示す動作A~Cのうちいずれか1つを実現することはできない。これらの動作A~C全てを実現するためには、回転シャフトが一回転する間において、回転シャフト900を3つの回転位置で停止可能にする技術が必要になる。しかし、図15に示す技術では、回転シャフト900の2つの回転位置しか検出することができず、もう1つの回転位置を検出するためには、たとえば、スイッチを有する給電回路が追加することが必要になる。仮に、この給電回路が追加されれば、動作A~Cを実行するための回転シャフトの3つの回転位置を検出し、これらの回転位置で回転シャフトを停止させ得るが、スイッチが増え、スイッチに起因する電気的な故障が生じやすくなる。
【0018】
回転シャフト900を有しているアクチュエータは、洗濯機以外の他の動作対象装置に所定の動作をさせるためにも利用され得る。このような動作対象装置に用いられるアクチュエータの回転シャフト900が3つの回転位置で停止できるようにアクチュエータが構成されれば、洗濯機と同様に、動作対象装置に搭載された複数の動作部品を単一のアクチュエータで動作させ得る。このため、アクチュエータの回転シャフトを3つの回転位置で停止させるための技術は、様々な技術分野で求められている。
【0019】
本開示は、3以上のスイッチを設けることなく、動作対象装置の動作に必要とされる回転シャフトの3つの回転位置を検出することを可能にする技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本開示における位置検出装置は、所定の動作対象装置を動作させるアクチュエータの回転シャフトの回転位置を検出するように構成されている。アクチュエータは、回転シャフトを第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置に角変位させることによって、動作対象装置に所定の動作をさせるように構成されている。位置検出装置は、電圧が印加される第1検出線及び第2検出線と、第1検出線が接続された第1端子と、第2検出線が接続された第2端子と、を有している位置判定部と、第1検出線に設けられた第1スイッチと、第2検出線に設けられた第2スイッチと、回転シャフトとともに回転しながら第1スイッチ及び第2スイッチを開閉することにより、第1スイッチと第2スイッチとがともに閉じた状態、第1スイッチと第2スイッチとがともに開いた状態、第1スイッチが閉じている一方で第2スイッチが開いた状態及び第1スイッチが開いている一方で第2スイッチが閉じた状態の4つの組み合わせが得られるように構成された切替部と、を備えている。切替部は、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置に到達したときに4つの組み合わせのうち1つであるベース状態から残りの3つの組み合わせである第1開閉状態乃至第3開閉状態にそれぞれ切り替えるように構成されている。位置判定部は、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置のいずれに到達したか否かを判定するように構成されている。
【0021】
本開示における制御装置は、上述の位置検出装置と、動作対象装置の動作の内容に応じて、第1回転位置乃至第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定する目標設定部と、目標回転位置に向けて回転シャフトが角変位するようにアクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備えている。位置判定部は、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトが目標回転位置に到達したか否かを判定するように構成されている。アクチュエータ制御部は、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定したことを条件としてアクチュエータを停止させるように構成されている。
【発明の効果】
【0022】
上述の技術は、3以上のスイッチを設けることなく、動作対象装置の動作に必要とされる回転シャフトの3つの回転位置を検出することを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】洗濯機の概略的な断面図
図2】洗濯機の排水弁の断面図
図3】洗濯機の排水弁の底面図
図4】洗濯機の排水弁の断面図
図5】洗濯機のクラッチ機構の断面図
図6】洗濯機のクラッチ機構の断面図
図7】クラッチ機構、排水弁及びアクチュエータの底面図
図8】クラッチ機構、排水弁及びアクチュエータの底面図
図9】洗濯機の動作シーケンスを表すフローチャート
図10】アクチュエータの回転シャフトに取り付けられた切替部の斜視図
図11】切替部を構成している第1カム及び第2カムの回転を表している模式図
図12】洗濯機に対する制御を行う制御装置の機能構成図
図13】他の切替部の概略図
図14】他の切替部を構成している第1カム及び第2カムの回転を表している模式図
図15】アクチュエータの回転シャフトに取り付けられた従来のカムの概略図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら、洗濯機に対する制御技術の実施形態を詳細に説明するが、当業者の理解を容易にするために、例えば、既によく知られた事項の詳細説明、又は、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0025】
(洗濯機の全体的な構成)
洗濯機100は、略矩形箱状の筐体110を有しており、筐体110の上壁111には、筐体110内に衣類を投入するための投入口112が形成されている。また、上壁111には、投入口112を開いたり閉じたりするための蓋部113が上下に回動可能に取り付けられている。
【0026】
筐体110内には、上向きに開口しているとともに底部121を有している略円筒状の水槽120が配置されている。水槽120は、水を貯留可能に形成されており、筐体110内に配置された複数のサスペンション122によって、弾性的に保持されている。水槽120の上側には、水槽120への給水用に給水部150が設けられている。給水部150は、蛇口からの流路を形成している給水管部151と、給水管部151に取り付けられた給水弁152と、を有している。
【0027】
水槽120の底部121には、水槽120内に溜まった水を排出するための排水口123が形成されている。排水口123からは、水槽120から排出された水の流路を形成している排水管124が延設されており、排水管124の先端(水の流れにおける下流端)は、筐体110の後壁から突出している。排水管124には、排水口123を開いて水槽120からの排水を許容する開位置と排水口123を閉じて水槽120からの排水を許容しない閉位置との間で変位可能に構成された排水弁130が取り付けられている。
【0028】
詳細には、排水管124は、図2に示すように、排水口123に接続された上流管部125と、上流管部125に接続されているとともに排水弁130が収容された弁収容部126と、を有している。弁収容部126は、上流管部125よりも大きな内径を有している。このため、上流管部125と弁収容部126との継ぎ目には段部127が形成されている。
【0029】
段部127とは反対側における弁収容部126の端壁128は、排水弁130を変位させるためのアクチュエータ170に対向している。この端壁128には、アクチュエータ170を弁収容部126内の排水弁130に接続するための接続穴129が形成されている。また、弁収容部126には、図3に示すように、連結穴221が形成されている。この連結穴221には、排水管124の下流側部分を構成している下流管部材222(図1を参照)が接続される。
【0030】
排水弁130は、図2に示すように、段部127に当接した状態で排水口123からの水を上流管部125内に堰き止める弁板131と、弁板131を段部127に押し付けるように端壁128と弁板131との間で延設されたコイルバネ132と、を有している。また、コイルバネ132を保護するためのベローズ管133も端壁128と弁板131との間で延設されており、コイルバネ132は、ベローズ管133内に収容されている。
【0031】
ベローズ管133及びコイルバネ132は、伸縮可能に構成されている。このため、弁板131を段部127から引き離す方向(すなわち、端壁128側)の外力がアクチュエータ170によって加えられると、ベローズ管133及びコイルバネ132は、図4に示すように縮んで、弁板131が段部127から離間する。図4に示す状態では、上流管部125内に堰き止められていた水は、弁収容部126内に流入し、弁収容部126の連結穴221を通じて、下流管部材222へ流れることができる。図4に示す弁板131の位置を、以下の説明では、「開位置」と称する。図2に示す弁板131の位置を、以下の説明では、「閉位置」と称する。
【0032】
水槽120の中には、図1に示すように、回転槽140及びパルセータ160が回転可能に配置されている。回転槽140は、上向きに開口した略円筒形状を有しており、底部141を有している。投入口112を通じて投入された衣類は、回転槽140内に収容される。回転槽140の周壁には、多数の小孔142が形成されており、上述の給水部150によって水槽120へ供給された水は、これらの小孔142を通じて回転槽140内へ流入できる。
【0033】
パルセータ160は、回転槽140内に配置されており、回転槽140の底部141の上側で回転可能に設けられている。この底部141の下側において、回転槽140及びパルセータ160を回転駆動するための駆動機構200が構築されている。
【0034】
駆動機構200は、水槽120の底部121の下面に固定されたクラッチ機構300と、クラッチ機構300の下側に設けられているとともにクラッチ機構300に固定された環状の主モータ210と、を有している。主モータ210内には、主モータ210によって回転駆動される回転板217が配置されている。回転板217の上面からは、モータシャフト212が上方に延設されている。モータシャフト212は、水槽120の底部121及び回転槽140の底部141を貫通しており、モータシャフト212の上端に、パルセータ160が固定されている。
【0035】
モータシャフト212と略同軸の回転筒215が回転槽140の底部141から下方に延設されており、モータシャフト212は、回転筒215内に挿通されている。回転筒215は、水槽120の底部121を貫通している。なお、水槽120の底部121に対する回転筒215の貫通部分からの漏水を防ぐためのシール構造が回転筒215の外周面の周囲に形成されている。
【0036】
クラッチ機構300は、クラッチケース310と、クラッチケース310内に収容されたコイルバネ311、バネ座312及び環状のクラッチ板313と、を有している。クラッチケース310内には、回転筒215の下部が挿入されており、回転筒215の下端は、クラッチ板313に嵌入されている。詳細には、クラッチ板313は、回転筒215に対してスプライン接続されており、回転筒215の軸方向(上下方向)に変位可能になっている。
【0037】
クラッチ板313は、回転板217の上側に配置されており、コイルバネ311は、クラッチ板313の上側に配置されている。コイルバネ311の上端は、バネ座312に固定されている。図1に示す状態では、コイルバネ311は、クラッチ板313を下方に付勢し、回転板217に押し付けている。この状態では、主モータ210の駆動力は、回転板217及びモータシャフト212を通じてパルセータ160に伝達される。また、この駆動力は、回転板217、クラッチ板313及び回転筒215を通じて回転槽140にも伝達される。図1に示す位置にクラッチ板313があるときの駆動力の伝達経路を、以下の説明では、「第2伝達経路」と称する。第2伝達経路が設定されると、パルセータ160及び回転槽140は、一体的に回転する。
【0038】
クラッチ板313に上向きの外力が加えられると、コイルバネ311が縮み、クラッチ板313は、上向きに変位する。この状態では、クラッチ板313は、回転板217から離れ、回転板217からクラッチ板313への主モータ210の駆動力の伝達は遮断される。すなわち、主モータ210の駆動力は、回転槽140に伝達されない一方で、パルセータ160に伝達される。回転板217から離間した位置にクラッチ板313があるときの駆動力の伝達経路を、以下の説明では、「第1伝達経路」と称する。第1伝達経路が設定されると、パルセータ160のみが回転する。言い換えると、パルセータ160は、回転槽140に対して相対的に回転する。
【0039】
(アクチュエータの構成)
アクチュエータ170は、図1に示すように、水槽120の底部121に固定されており、クラッチ板313を上方に変位させるとともに、排水弁130(弁板131)を開位置に変位させるように構成されている。詳細には、アクチュエータ170は、図3に示すように、モータ171と、ギアボックス172と、回転シャフト173と、を有している。
【0040】
モータ171は、クラッチ機構300及び排水弁130を動作させるための駆動力を発生させるように構成されている。ギアボックス172内には、モータ171の駆動力を伝達するための複数のギアが配置されており、これらのギアのうち1つに回転シャフト173の基端部が接続されている。このため、モータ171の駆動力は、ギアボックス172内の複数のギアを介して、回転シャフト173へ伝達され、回転シャフト173は、回転駆動される。なお、回転シャフト173が一方向にのみ回転することを許容するように、ラチェット機構がギアボックス172内で構成されていてもよい。
【0041】
回転シャフト173の基端部は、上述のように、ギアボックス172内のギアに接続できるようにギアボックス172内に挿入されている一方で、回転シャフト173の先端部は、ギアボックス172の外側に突出している。回転シャフト173の先端には、操作レバー174が取り付けられている。
【0042】
操作レバー174は、略円板状の取付板175と、取付板175の外周面から径方向に突出した第1アーム176と、を有している。取付板175は、回転シャフト173の先端に被せられるように回転シャフト173に固定されている。第1アーム176の先端には、第1接続部177が固定されており、この第1接続部177は、排水弁130との接続に利用される。本実施形態では、第1接続部177は、ネジによって構成されている。
【0043】
第1接続部177は、クラッチ機構300を動作させるために設けられた第2アーム178を第1アーム176に固定するためにも利用される。第2アーム178の基端部は、第1接続部177によって、第1アーム176の先端に固定されており、第1アーム176の延設方向とは異なる方向に延設されている。第2アーム178の先端には、クラッチ機構300に接続される第2接続部179が固定されている。第2接続部179は、例えば、ピンによって構成され得る。
【0044】
第1接続部177には、ワイヤ状の弁接続部材181の基端部が接続されている。弁接続部材181の先端は、図2に示すように、弁収容部126の端壁128に形成された接続穴129を通じて、弁収容部126内に差し込まれている。弁接続部材181の先端は、弁収容部126内において、コイルバネ132及びベローズ管133に挿入されて、弁板131に接続されている。回転シャフト173が回転して、第1接続部177が図2に示す位置から図4に示す位置に角変位すると、第1接続部177と弁収容部126との間の距離が大きくなる。このため、弁収容部126内の弁板131は、弁接続部材181によって弁収容部126の端壁128側に引っ張られ、開位置に移動する。
【0045】
第2接続部179には、図5に示すように、コイルバネ182の基端が取り付けられており、コイルバネ182の先端には、レバーアーム183が取り付けられている。レバーアーム183の先端は、クラッチ板313の回転を許容しつつクラッチ板313の周壁を把持するように構成されている。レバーアーム183は、レバーアーム183の先端と基端との間で、ピン184により、バネ座312に固定されている。レバーアーム183は、ピン184回りに回動可能になっている。
【0046】
詳細には、回転シャフト173が回転して、第2接続部179が図5に示す位置から図6に示す位置に角変位すると、第2接続部179とクラッチ機構300との間の距離が大きくなる。この距離の増大に伴って、レバーアーム183がピン184回りに回動して、レバーアーム183の先端は、上向きに変位する。レバーアーム183の先端の上向きの変位に伴って、クラッチ板313も上向きに変位し、回転板217から離れる。
【0047】
なお、回転シャフト173が図6に示す回転位置にある状態は、図3(又は図2)に示す状態に対応している。このとき、主モータ210の駆動力は、回転板217を通じてパルセータ160へ伝達される。一方、回転筒215は、回転板217から切り離されており、主モータ210の駆動力は、回転槽140には伝達されない。また、排水弁130は、排水口123を閉じた状態になっており、水槽120からの排水は許容されない。すなわち、回転シャフト173が図6に示す回転位置に到達すると、排水弁130が排水口123を閉じ、且つ、主モータ210が発生した駆動力の伝達経路が第1伝達経路に設定された状態が得られる。図3図2又は図6)に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第1回転位置」と称する。回転シャフト173が第1回転位置に到達すると、水槽120内に水を貯留しつつ、パルセータ160を回転槽140に対して相対的に回転させることができ、回転槽140内の衣類を強い力で攪拌することができる。この状態では、衣類に対して高い洗浄力が得られる。
【0048】
回転シャフト173が図5に示す回転位置にある状態は、図7(又は図4)に示す状態に対応している。この状態では、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力をパルセータ160及び回転槽140へ伝達する第2伝達経路を設定しており、且つ、排水弁130は、排水口123を開いている。この状態では、水槽120に溜められていた水は、排水口123から排水され、パルセータ160及び回転槽140が一体的に回転する。回転槽140の回転により、衣類中の水は、遠心分離される。また、遠心分離された水は、排水口123を通じて排出される。このとき、パルセータ160は、回転槽140と一体的に回転しているので、パルセータ160が衣類に対して負荷を与えにくくなっている。図7図4又は図5)に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第3回転位置」と称する。
【0049】
回転シャフト173が図8に示す回転位置にあるとき、第1接続部177は、弁収容部126に比較的近い位置にあり、弁収容部126内の弁板131は、弁接続部材181によって引っ張られていない。このため、弁板131は、ベローズ管133内のコイルバネ132によって段部127に押し付けられており、水槽120からの排水を許容しない。すなわち、排水弁130は、排水口123を閉じている。また、第2接続部179は、クラッチ機構300に比較的近い位置にあり、レバーアーム183は、コイルバネ182によって引っ張られていない。このため、レバーアーム183は、図5に示す姿勢になっており、クラッチ板313は、クラッチ機構300のコイルバネ311によって押し下げられて回転板217とかみ合っている。すなわち、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力をパルセータ160及び回転槽140へ伝達する第2伝達経路を設定している。図8に示す回転シャフト173の回転位置を、以下の説明では、「第2回転位置」と称する。
【0050】
回転シャフト173が第2回転位置に到達すると、水槽120内に水を貯留しつつ、回転槽140及びパルセータ160を一体的に回転することができる。このとき、回転槽140内の衣類は、回転槽140及びパルセータ160の回転により水中で攪拌されるものの、パルセータ160が単独で回転する場合において衣類に加わる負荷と比べて、衣類に作用する負荷は小さくなる。すなわち、衣類は、比較的弱い力で攪拌される。
【0051】
(制御用の構成)
本実施形態では、洗濯機100は、図9に示す動作シーケンスA及びBのいずれか一方を実行するように構成されている。これらの動作シーケンスA及びBにおいて、給水部150、主モータ210及びアクチュエータ170は、図1に示す筐体110の上部に配置された制御回路190によって制御される。動作シーケンスA及びBにおいて、アクチュエータ170の回転シャフト173の回転位置を、第1回転位置乃至第3回転位置にそれぞれ設定するために、制御回路190は、回転シャフト173の回転位置に関する位置情報を取得する必要がある。このため、図10に示す位置検出装置400が設けられている。
【0052】
位置検出装置400は、回転シャフト173とともに回転するように設けられた切替部410と、切替部410の周囲に配置された2つのスイッチ及び2つの接点を有している検出回路420と、により構成されている。以下の説明では、2つのスイッチのうち一方のスイッチを、「第1スイッチ421」と称し、他方のスイッチを、「第2スイッチ422」と称する。
【0053】
第1スイッチ421は、2つの接点のうち一方の接点に対して離接するように設けられており、この接点を、以下の説明では、「第1接点423」と称する。第1スイッチ421は、第1接点423と切替部410との間に配置されている。第1スイッチ421が第1接点423から離れている状態を、以下の説明では、「第1スイッチ421が開いている」と称する。第1スイッチ421が第1接点423に接触している状態を、以下の説明では、「第1スイッチ421が閉じている」と称する。
【0054】
また、第2スイッチ422は、2つの接点のうち他方の接点に対して離接するように設けられており、この接点を、以下の説明では、「第2接点424」と称する。第2スイッチ422は、第2接点424と切替部410との間に配置されている。第2スイッチ422が第2接点424から離れている状態を、以下の説明では、「第2スイッチ422が開いている」と称する。第2スイッチ422が第2接点424に接触している状態を、以下の説明では、「第2スイッチ422が閉じている」と称する。なお、第2スイッチ422は、図10において、第1スイッチ421よりも低い位置に配置されている。
【0055】
切替部410は、回転シャフト173が一回転する間に、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態について、以下の4つの組み合わせが得られるように構成されている。
・第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じている状態。
・第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに開いている状態(図10)。
・第1スイッチ421が閉じている一方で、第2スイッチ422が開いている状態。
・第1スイッチ421が開いている一方で、第2スイッチ422が閉じている状態。
【0056】
詳細には、切替部410は、ギアボックス172内において回転シャフト173の軸方向に並んで回転シャフト173に取り付けられた第1カム411及び第2カム412によって構成されている。第1カム411は、図10において、第2カム412の上側に位置している。
【0057】
第1カム411は、平面視において略円形の第1外周面413と、周方向において互いに間隔を空けて第1外周面413に凹設された第1凹部414及び第2凹部415を有している。第2カム412は、平面視において略円形の第2外周面416と、周方向において互いに間隔を空けて第2外周面416に凹設された第3凹部417及び第4凹部418を有している。
【0058】
第1カム411は、第1スイッチ421に対応する高さ位置に配置されており、第1スイッチ421に接触可能であるが、第2スイッチ422には接触しないように形成されている。図10に示す第1スイッチ421は、第1凹部414に入り込んで、第1接点423から離れている。第1カム411が回転シャフト173とともに回転すると、第1カム411の第1外周面413が第1スイッチ421に接触し、第1スイッチ421を第1接点423に押し付ける。この状態では、第1スイッチ421は、弾性変形し、第1スイッチ421自身の復元力により、第1カム411側に付勢された状態になる。
【0059】
第2カム412は、第2スイッチ422に対応する高さ位置に配置されており、第2スイッチ422に接触可能であるが、第1スイッチ421には接触しないように形成されている。図10に示す第2スイッチ422は、第3凹部417に入り込んで、第2接点424から離れている。第2カム412が回転シャフト173とともに回転すると、第2カム412の第2外周面416が第2スイッチ422に接触し、第2スイッチ422を第2接点424に押し付ける。この状態では、第2スイッチ422は、弾性変形し、第2スイッチ422自身の復元力により、第2カム412側に付勢された状態になる。
【0060】
第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態と切替部410の回転位置との間の関係は、図11に示すようなものになる。図11(a)では、第1スイッチ421は、第1外周面413に押されて第1接点423に接触している。このとき、第2スイッチ422は、第2外周面416に押されて第2接点424に接触している。すなわち、第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、ともに閉じている。第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じている状態を、以下の説明では、「ベース状態」と称する。
【0061】
第1カム411及び第2カム412は、図11(a)に示す状態から反時計回りに回転する。上述のベース状態は、図11(b)及び図11(c)に示すように、第1スイッチ421が第1凹部414に入り込み、第2スイッチ422が第3凹部417に入り込む直前まで維持される。図11(c)に示すように、第1凹部414及び第3凹部417は、第1スイッチ421及び第2スイッチ422が同期して開くように形成されている。なお、図11(c)に示す状態は、図10に示す状態に対応している。図11(c)及び図10に示す第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態(すなわち、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに開いている状態)を、以下の説明では、「第1開閉状態」と称する。本実施形態では、第1カム411及び第2カム412は、回転シャフト173が第1回転位置(図6)にあるときに第1開閉状態が得られるように回転シャフト173に取り付けられている。
【0062】
第1カム411及び第2カム412が反時計回りに更に回転すると、図11(d)乃至図11(f)に示すように、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じたベース状態が再度得られる。
【0063】
第1カム411及び第2カム412の回転方向において、第3凹部417と第4凹部418との間隔は、第1凹部414と第2凹部415との間隔よりも短くなっている。このため、第2スイッチ422は、図11(g)に示すように、第1スイッチ421が第2凹部415に入り込む前に第4凹部418に入り込んで開く。すなわち、第1スイッチ421が閉じている一方で、第2スイッチ422が開いている状態が得られる。この状態を、以下の説明では、「第3開閉状態」と称する。本実施形態では、第1カム411及び第2カム412は、回転シャフト173が第3回転位置(図5)に到達したときに第3開閉状態が得られるように形成されている。
【0064】
第1カム411及び第2カム412が反時計回りに更に回転すると、図11(h)及び図11(i)に示すように、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じたベース状態が再度得られる。そして、第1カム411及び第2カム412が反時計回りに更に回転すると、図11(j)に示すように、第1スイッチ421は、第2凹部415に入り込んで開く。このとき、第2スイッチ422は、第2外周面416に接触しており閉じている。この状態を、以下の説明では、「第2開閉状態」と称する。本実施形態では、第1カム411及び第2カム412は、回転シャフト173が第2回転位置(図8)に到達したときに第2開閉状態が得られるように形成されている。
【0065】
その後、第1カム411及び第2カム412が反時計回りに更に回転すると、図11(k)に示すように、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じたベース状態が得られ、図11(a)に示す状態に戻る。
【0066】
図11に示すように、第1カム411及び第2カム412が一回転する間に、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態について、以下の3つの変化が1回ずつ得られる。
・ベース状態から第1開閉状態への変化。
・ベース状態から第2開閉状態への変化。
・ベース状態から第3開閉状態への変化。
【0067】
検出回路420は、図12に示すように、第1スイッチ421及び第1接点423が設けられた第1検出線425と、第2スイッチ422及び第2接点424が設けられた第2検出線426と、を有している。第1検出線425及び第2検出線426は、回転シャフト173の回転位置についての判定処理を行う位置判定部430と、アクチュエータ170のモータ171に電力を供給する電力供給部440と、に接続されている。電力供給部440を通じて、電圧が第1検出線425及び第2検出線426に印加される。
【0068】
電力供給部440は、電力を出力可能に構成された電力出力部441と、電力出力部441が出力した電力をモータ171に伝達可能に電力出力部441とモータ171とに接続された給電回路442と、を有している。電力出力部441は、図1に示す制御回路190に設けられた電源及び駆動回路によって構成されていてもよい。また、給電回路442は、電力出力部441とモータ171とに接続された一対の電力線443,444によって構成されている。これらの電力線443,444のうち一方に、第1検出線425及び第2検出線426が接続される。図12では、第1検出線425及び第2検出線426は、電力線443に接続されている。
【0069】
位置判定部430は、第1端子451、第2端子452及び第3端子453を有している。第1端子451には、第1検出線425が接続されており、第2端子452には、第2検出線426が接続されている。第3端子453には、電力線444から分岐された第3検出線427が接続されている。位置判定部430は、第3端子453に印加されている電圧を基準電位として、第1端子451及び第2端子452に電圧が印加されているか否かを判定するように構成されている。
【0070】
すなわち、モータ171に電力が供給されているとき、電力線443,444間には電位差が生じている。このとき、第1スイッチ421が閉じていれば、第1端子451と第3端子453との間には、電力線443,444間の電位差に相当する電位差が生ずる。この場合、電圧が印加されたオン状態に第1端子451がなっていると、位置判定部430は判定する。第1スイッチ421が開いていれば、第1端子451と第3端子453との間に電位差が生じない。この場合、電圧が印加されていないオフ状態に第1端子がなっていると、位置判定部430は判定する。
【0071】
同様に、第2スイッチ422が閉じていれば、第2端子452と第3端子453との間には、電力線443,444間の電位差に相当する電位差が生ずる。この場合、位置判定部430は、第2端子452がオン状態になっていると判定する。第2スイッチ422が開いていれば、第2端子452と第3端子453との間に電位差が生じない。この場合、位置判定部430は、第2端子452がオフ状態になっていると判定する。以下の表に、第1端子451及び第2端子452のオン状態及びオフ状態と、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態と、の関係を示す。
【0072】
【表2】
【0073】
第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、回転シャフト173が第1回転位置に到達したときには、ベース状態から第1開閉状態に変化する。このとき、第1端子451及び第2端子452はともに、オン状態からオフ状態に変化する。第1端子451及び第2端子452に対する電圧の印加状態がこのように変化した場合には、位置判定部430は、回転シャフト173が第1回転位置に到達したと判定する。
【0074】
回転シャフト173が第2回転位置に到達したときには、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、ベース状態から第2開閉状態に変化する。このとき、第2端子452は、オン状態を維持する一方で、第1端子451は、オン状態からオフ状態に変化する。第1端子451及び第2端子452に対する電圧の印加状態がこのように変化した場合には、位置判定部430は、回転シャフト173が第2回転位置に到達したと判定する。
【0075】
回転シャフト173が第3回転位置に到達したときは、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、ベース状態から第3開閉状態に変化する。このとき、第1端子451は、オン状態を維持する一方で、第2端子452は、オン状態からオフ状態に変化する。第1端子451及び第2端子452に対する電圧の印加状態がこのように変化した場合には、位置判定部430は、回転シャフト173が第3回転位置に到達したと判定する。
【0076】
制御回路190には、動作設定部191と、目標設定部193と、アクチュエータ制御部194と、給水制御部195と、モータ制御部196と、が設けられていてもよい。動作設定部191は、図9に示す動作シーケンスA及びB中の各工程における動作の内容を設定するように構成されている。また、動作設定部191は、設定された動作の内容に応じて、目標設定部193、アクチュエータ制御部194、給水制御部195及び/又はモータ制御部196に様々な指令を出力するように構成されている。目標設定部193及びアクチュエータ制御部194は、上述の位置検出装置400を伴って、アクチュエータ170を制御するための制御装置192を構成する。
【0077】
制御装置192は、動作設定部191からの指令に応じて、アクチュエータ170のモータ171を制御するように構成されている。給水制御部195は、動作設定部191からの指令に応じて、給水部150を制御するように構成されている。モータ制御部196は、動作設定部191からの指令に応じて、主モータ210を制御するように構成されている。
【0078】
(動作シーケンスAにおける制御動作)
洗濯機100が図9の動作シーケンスAを実行する場合、動作設定部191は、動作シーケンスAにおける水槽120への給水動作が行われることを目標設定部193及びアクチュエータ制御部194に通知する。動作シーケンスAが実行される場合、水槽120への給水の後(ステップS110)、衣類を強い力で攪拌する(ステップS120)。この場合、水槽120に水を溜めるために、排水弁130で排水口123を閉じる必要がある。排水弁130で排水口123を閉じるための回転シャフト173の回転位置は、第1回転位置又は第2回転位置である。
【0079】
回転シャフト173が第1回転位置にあるときには、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力の伝達経路を第1伝達経路に設定し、パルセータ160が回転槽140に対して相対的に回転することが許容される。一方、回転シャフト173が第2回転位置にあるときには、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力の伝達経路を第2伝達経路に設定し、パルセータ160と回転槽140とが一体的に回転することが許容される。パルセータ160が回転槽140に対して相対的に回転するときの衣類に対する攪拌力は、パルセータ160と回転槽140とが一体的に回転するときの衣類に対する攪拌力よりも強い。このため、動作シーケンスAにおける水槽120への給水動作が行われることの通知を受けた目標設定部193は、第1回転位置を目標回転位置に設定するとともに、目標回転位置が第1回転位置であることを位置判定部430に通知する。
【0080】
動作シーケンスAにおける水槽120への給水動作が行われることの通知は、上述の如く、動作設定部191からアクチュエータ制御部194にも送られており、アクチュエータ制御部194は、この通知に応じて、電力の出力を電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力線443,444を通じて、アクチュエータ170のモータ171に電力を出力する。
【0081】
モータ171は、電力出力部441からの電力により、回転シャフト173を角変位させる。回転シャフト173が第1回転位置に到達すると、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、ベース状態から第1開閉状態に変化する。第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態の変化に応じて、位置判定部430の第1端子451及び第2端子452への電圧の印加状態が変化する。すなわち、第1端子451及び第2端子452はともに、オン状態からオフ状態に変化する。このような印加状態の変化が位置判定部430によって検出されると、位置判定部430は、回転シャフト173が目標回転位置に到達したことを、動作設定部191及びアクチュエータ制御部194に通知する。この通知に応じて、アクチュエータ制御部194は、電力の出力の停止を、電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力の出力を停止し、モータ171を停止させる。この結果、回転シャフト173は、第1回転位置で停止する。
【0082】
このとき、動作設定部191は、位置判定部430からの通知に応じて、給水制御部195に給水の指示を出し、モータ制御部196に作動の指示を出す。給水制御部195は、動作設定部191からの指示に応じて、給水部150から水槽120への給水が行われるように給水部150を制御する。給水制御部195は、たとえば、水槽120に設けられた液位センサからの検出値が所定の値になるまで水槽120への給水が行われるように給水部150を制御してもよい。モータ制御部196は、動作設定部191からの指示に応じて、主モータ210を所定の時間長だけ作動させてもよい。この間、パルセータ160が回転槽140に対して相対的に回転し、回転槽140内の衣類は、強い力で攪拌される。この場合、高い洗浄力が衣類に対して発揮され得る。
【0083】
主モータ210が所定の時間長だけ作動した後、動作設定部191は、水槽120からの排水の指令を、目標設定部193及びアクチュエータ制御部194に出力する(ステップS130)。水槽120からの排水時には、排水弁130は排水口123を開く開位置に変位する必要があり、この変位は、回転シャフト173が第3回転位置に角変位することによって得られる。このため、目標設定部193は、動作設定部191から排水の指令を受けると、第3回転位置を目標回転位置に設定するとともに、目標回転位置が第3回転位置であることを位置判定部430に通知する。また、アクチュエータ制御部194は、動作設定部191から排水の指令に応じて、電力の出力を電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力線443,444を通じて、アクチュエータ170のモータ171に電力を出力する。そして、モータ171は、電力出力部441からの電力により、回転シャフト173を角変位させる。
【0084】
回転シャフト173が第3回転位置に到達すると、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、ベース状態から第3開閉状態に変化する。このとき、第2端子452のみがオン状態からオフ状態に変化し、第1端子451は、オン状態を維持する。このような印加状態の変化が位置判定部430によって検出されると、位置判定部430は、回転シャフト173が目標回転位置に到達したことを、動作設定部191及びアクチュエータ制御部194に通知する。この通知に応じて、アクチュエータ制御部194は、電力の出力の停止を、電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力の出力を停止し、モータ171を停止させる。この結果、回転シャフト173は、第3回転位置で停止する。この状態では、排水口123は、開放されており、水槽120内の水は、排水口123を通じて排出され得る。
【0085】
水槽120に設けられた液位センサからの検出値が排水口123からの排水により所定の値を下回ると、動作設定部191は、衣類の脱水を開始するための制御を実行する(ステップS140)。このとき、回転シャフト173は、第3回転位置で停止しており、この状態では、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力をパルセータ160と回転槽140とに伝達する第2伝達経路に駆動力の伝達経路を設定している。このため、アクチュエータ170を動作させることなく、主モータ210を作動させれば、パルセータ160及び回転槽140は、一体的に回転し得る。回転槽140の回転により、衣類に含まれる水は、遠心分離される。このとき、パルセータ160は、回転槽140と一体的に回転しているので、衣類がパルセータ160によって傷つけられることが抑制される。したがって、動作設定部191は、アクチュエータ170用の制御装置192に指令を出すことなく、モータ制御部196に作動指令を出力する。そして、モータ制御部196は、動作設定部191からの作動指令に応じて、主モータ210を所定の時間長だけ作動させる。
【0086】
(動作シーケンスBにおける制御動作)
動作シーケンスAが選択された場合、衣類は、上述の如く、強い力で攪拌されるので、衣類に付着した汚れを効果的に落とし得る一方で、衣類に対する負荷が高くなり得る。このため、衣類に対する高い負荷が望ましくない場合には、動作シーケンスBが選択され得る。動作シーケンスBでは、動作設定部191は、パルセータ160と回転槽140とを一体的に回転させて衣類が攪拌されるように、洗濯機100の動作の内容を設定する。
【0087】
詳細には、動作設定部191は、動作シーケンスBにおける水槽120への給水動作が行われることを目標設定部193及びアクチュエータ制御部194に通知する(ステップS115)。この通知を受けて、目標設定部193は、第2回転位置を目標回転位置に設定する。また、アクチュエータ制御部194は、電力の出力を電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力線443,444を通じて、アクチュエータ170のモータ171に電力を出力し、モータ171は、回転シャフト173を角変位させる。
【0088】
回転シャフト173が第2回転位置に到達すると、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態は、ベース状態から第2開閉状態に変化する。第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態の変化に応じて、位置判定部430の第1端子451及び第2端子452への電圧の印加状態が変化する。すなわち、第1端子451のみがオン状態からオフ状態に変化し、第2端子452は、オン状態を維持する。このような印加状態の変化が位置判定部430によって検出されると、位置判定部430は、回転シャフト173が目標回転位置に到達したことを、動作設定部191及びアクチュエータ制御部194に通知する。この通知に応じて、アクチュエータ制御部194は、電力の出力の停止を、電力出力部441に指示する。この指示に応じて、電力出力部441は、電力の出力を停止し、モータ171を停止させる。この結果、回転シャフト173は、第2回転位置で停止する。この状態では、クラッチ機構300は、主モータ210の駆動力をパルセータ160と回転槽140とに伝達する第2伝達経路に駆動力の伝達経路を設定している。
【0089】
動作設定部191は、位置判定部430からの通知に応じて、給水制御部195に給水の指示を出し、モータ制御部196に作動の指示を出す。給水制御部195は、動作設定部191からの指示に応じて、給水部150から水槽120への給水が行われるように給水部150を制御する。モータ制御部196は、動作設定部191からの指示に応じて、主モータ210を所定の時間長だけ作動させる(ステップS125)。この間、パルセータ160及び回転槽140が一体的に回転し、回転槽140内の衣類は、比較的弱い力で攪拌される。このため、衣類に対する負荷を抑制しつつ、衣類を洗浄することが許容される。
【0090】
主モータ210が所定の時間長だけ作動させた後の洗濯機100の動作は、動作シーケンスA及びBで変わりはない。このため、動作シーケンスBが選択された場合においても、ステップS130及びステップS140がその後実行される。
【0091】
上述の実施形態では、切替部410は、一回転する間に、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態について、以下の変化を1回ずつ生じさせるように構成されている。
・第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じたベース状態から第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに開いた第1開閉状態への変化(以下、「第1変化」と称する)。
・ベース状態から第1スイッチ421が開いている一方で第2スイッチ422が閉じている第2開閉状態への変化(以下、「第2変化」と称する)。
・ベース状態から第1スイッチ421が閉じている一方で第2スイッチ422が開いている第3開閉状態への変化(以下、「第3変化」と称する)。
【0092】
これらの変化に応じて、位置判定部430の第1端子451及び第2端子452への電圧の印加状態が変化する。すなわち、上述の第1変化が生じた場合には、第1端子451及び第2端子452はともに、オン状態からオフ状態に変化する。上述の第2変化が生じた場合には、第2端子452は、オン状態を維持する一方で、第1端子451は、オン状態からオフ状態になる。上述の第3変化が生じた場合には、第1端子451は、オン状態を維持する一方で、第2端子452は、オン状態からオフ状態になる。このため、位置判定部430は、第1端子451及び第2端子452に対する電圧の印加状態の変化に基づいて、これらの変化が生ずる3つの回転位置のいずれに回転シャフト173が到達したか否かを検出することができる。
【0093】
第1スイッチ421及び第2スイッチ422のみを用いて、回転シャフト173が3つの回転位置のいずれに到達したかが判定可能になるので、3以上のスイッチを検出回路420に設けなくてもよい。このため、スイッチに起因する電気的な故障が抑制される。
【0094】
第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、第1検出線425及び第2検出線426に設けられており、電力出力部441とモータ171とに接続された電力線443,444には設けられていない。このため、電力供給部440は、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態とは無関係にモータ171へ電力を供給可能になっている。したがって、電力出力部441が電力を出力すれば、モータ171は、作動することができる。
【0095】
上述の実施形態では、第1スイッチ421は、第1カム411によって開閉され、第2スイッチ422は、第2カム412によって開閉されている。代替的に、図13に示すように、切替部410は、単一のカム431によって構成されてもよい。カム431は、平面視において略円形の外周面432と、周方向において互いに間隔を空けて凹設された3つの凹部433~435と、を有している。
【0096】
図13は、第1スイッチ421及び第2スイッチ422が凹部433,435に入り込んで、ともに開いた第1開閉状態を示している。この状態から、カム431が反時計回りに90°回転すると、第1スイッチ421が凹部434に入り込んで開いている一方で、第2スイッチ422が外周面432に接触して閉じている第2開閉状態が得られる。カム431が反時計回りに90°更に回転すると、第1スイッチ421が凹部435に入り込んで開き、第2スイッチ422が凹部433に入り込んで開く。すなわち、図13に示す状態から180°カム431が回転すると、再度、第1開閉状態が得られる。カム431が反時計回りに90°更に回転すると、第1スイッチ421が外周面432に接触して閉じている一方で第2スイッチ422が凹部434に入り込んで開いている第3開閉状態が得られる。第1開閉状態から第3開閉状態になるまでの間、第3開閉状態から第1開閉状態になるまでの間及び第1開閉状態から第2開閉状態になるまでの間、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じたベース状態が得られる。
【0097】
このように、第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、ベース状態、第1開閉状態乃至第3開閉状態の4つの状態になり得る。しかし、カム431が一回転する間に、第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、2回、第1開閉状態になり得る。
【0098】
位置判定部430は、第1開閉状態が得られる2つの回転位置のうち一方を第1回転位置として判定できるように構成され得る。たとえば、位置判定部430は、第1スイッチ421及び第2スイッチ422の開閉状態の変化の順序に基づいて、回転シャフト173が第1回転位置に到達したと判定するように構成されてもよい。詳細には、第3開閉状態及びベース状態が得られた後に第1開閉状態が得られた場合には、位置判定部430は、回転シャフト173が第1回転位置に到達したと判定してもよい。一方、第2開閉状態及びベース状態が得られた後に第1開閉状態が得られた場合には、位置判定部430は、回転シャフト173が第1回転位置に到達したと判定しない。
【0099】
図13に示すように切替部410を構成した場合には、切替部410は比較的簡素な構造を有し得る一方で、位置判定部430の判定処理が複雑化し得る。一方、図11に示すように、切替部410が第1カム411と第2カム412とによって構成されれば、切替部410が一回転する間に、ベース状態から第1開閉状態乃至第3開閉状態への切替はそれぞれ1回ずつ生ずる。このため、位置判定部430の判定処理は、比較的簡素化される。
【0100】
図1乃至図13に示す実施形態では、第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、開状態になるように付勢されている。しかし、第1スイッチ421及び第2スイッチ422のうち少なくとも一方が閉状態になるように付勢されていてもよい。例えば、図14に示すように、第1スイッチ421が閉状態になるように付勢されており、第2スイッチ422が開状態になるように付勢されていてもよい。第1スイッチ421が閉状態になるように付勢される場合、第1スイッチ421は、第1接点423に対して径方向における外側に配置される。また、第1カム411には、第1外周面413から径方向に突出した第1凸部436及び第2凸部437が設けられる。なお、第1凸部436は、図11に示す第1凹部414に対応する位置に設けられており、第2凸部437は、図11に示す第2凹部415に対応する位置に設けられている。また、図14に示す第2カム412及び第2スイッチ422は、図11に示すものと同一である。
【0101】
図14の第1接点423及び第1スイッチ421は、回転シャフト173が一回転する間において第1カム411の第1外周面413と非接触状態を保つように配置されている。また、第1接点423は、図14(c)及び図14(j)に示すように、第1凸部436及び第2凸部437が第1接点423の上側と通過できるように、第1スイッチ421よりも背が低くなっている。第1凸部436及び第2凸部437は、第1接点423の上側を通過しているとき、第1スイッチ421に接触して、第1スイッチ421を径方向に押し出す。この結果、第1スイッチ421は、第1接点423から離れるように弾性変形し、開状態になる。
【0102】
第1凸部436及び第2凸部437が第1スイッチ421から離れると、第1スイッチ421は、第1接点423に接触する位置に復元する。このとき、第1カム411は、第1スイッチ421に接触していない。このため、第1スイッチ421の摩耗が抑制される。また、第1凸部436及び第2凸部437は、図11に示す第1凹部414及び第2凹部415に対応する位置に設けられているので、図14の第1スイッチ421は、図11に示す第1スイッチ421と同じタイミングで開閉することができる。
【0103】
図14の第2カム412は、図6の第2カム412と同様に、第3凹部417及び第4凹部418を有している。代替的に、第3凹部417に対応する位置において第3凸部が設けられ、第4凹部418に対応する位置において第4凸部が設けられていてもよい。
【0104】
この場合、第2スイッチ422は、第2接点424の外側に配置されるとともに閉状態になるように付勢される。また、第2カム412は、回転シャフト173が一回転する間に第2外周面416が第2スイッチ422に対して非接触状態を保つように形成される。第3凸部及び第4凸部は、第2スイッチ422を径方向に押し出すように第2外周面416から突出される。
【0105】
第3凸部及び第4凸部が図6の第3凹部417及び第4凹部418に対応する位置に設けられれば、第2スイッチ422は、図6の第2スイッチ422と同じタイミングで開閉する。なお、第2カム412が第3凸部及び第4凸部を有している場合、第1カム411は、図6に示す形状を有していてもよい。この場合、開状態になるように付勢された第1スイッチ421が用いられる。あるいは、第1カム411は、図14に示す形状を有していてもよい。この場合、閉状態になるように付勢された第1スイッチ421が用いられる。
【0106】
図1乃至図14では、検出回路420は、給電回路442に接続されている。代替的に、検出回路420は、電力出力部441に接続されていてもよい。この場合、電力出力部441は、給電回路442だけでなく検出回路420にも電力を出力するように構成される。
【0107】
図1乃至図14では、切替部410は、第1スイッチ421及び第2スイッチ422に接触しながら第1スイッチ421及び第2スイッチ422を開閉しているが、磁力を用いて、第1スイッチ421及び第2スイッチ422を開閉してもよい。たとえば、図11に示す第1凹部414~第4凹部418に対応する位置に磁石が設けられてもよい。この場合、第1スイッチ421及び第2スイッチ422は、この磁石の磁力によって吸着される磁性体を用いて構成され得る。
【0108】
図1乃至図14では、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに閉じた状態がベース状態として用いられている。しかし、第1カム411及び第2カム412の形状を変更して、第1スイッチ421及び第2スイッチ422がともに開いた状態がベース状態として用いられてもよい。あるいは、第1スイッチ421及び第2スイッチ422のうち一方が開いている状態がベース状態として用いられてもよい。
【0109】
図1乃至図14では、第1カム411及び第2カム412は、排水弁130及びクラッチ機構300に接続された回転シャフト173に取り付けられている。代替的に、第1カム411及び第2カム412は、回転シャフト173と同じ回転速度で回転する他の回転シャフトに取り付けられていてもよい。
【0110】
図1乃至図14では、洗濯機100が、アクチュエータ170によって動作される動作対象装置である。しかし、回転シャフト173が3つの回転位置にあるときに、互いに異なる動作をするように構成された他の装置が動作対象装置であってもよい。
【0111】
(効果等)
上述の実施形態に係る技術は、以下の特徴を有しているとともに、以下の効果を奏する。
【0112】
上述の実施形態に係る一の局面に係る位置検出装置は、所定の動作対象装置を動作させるアクチュエータの回転シャフトの回転位置を検出するように構成されている。アクチュエータは、回転シャフトを第1回転位置、第2回転位置及び第3回転位置に角変位させることによって、動作対象装置に所定の動作をさせるように構成されている。位置検出装置は、電圧が印加される第1検出線及び第2検出線と、第1検出線が接続された第1端子と、第2検出線が接続された第2端子と、を有している位置判定部と、第1検出線に設けられた第1スイッチと、第2検出線に設けられた第2スイッチと、回転シャフトとともに回転しながら第1スイッチ及び第2スイッチを開閉することにより、第1スイッチと第2スイッチとがともに閉じた状態、第1スイッチと第2スイッチとがともに開いた状態、第1スイッチが閉じている一方で第2スイッチが開いた状態及び第1スイッチが開いている一方で第2スイッチが閉じた状態の4つの組み合わせが得られるように構成された切替部と、を備えている。切替部は、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置に到達したときに4つの組み合わせのうち1つであるベース状態から残りの3つの組み合わせである第1開閉状態乃至第3開閉状態にそれぞれ切り替えるように構成されている。位置判定部は、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置のいずれに到達したか否かを判定するように構成されている。
【0113】
上述の構成では、切替部は、回転シャフトとともに回転しながら、第1スイッチ及び第2スイッチを開閉する。この結果、第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態について、以下の4つの組み合わせが得られる。
・第1スイッチ及び第2スイッチがともに閉じた状態。
・第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いた状態。
・第1スイッチが閉じている一方で第2スイッチが開いた状態。
・第1スイッチが開いている一方で第2スイッチが閉じた状態。
【0114】
第1スイッチ及び第2スイッチがともに閉じた状態では、第1端子及び第2端子の両方について、電圧が印加されたオン状態が得られる。第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いた状態では、第1端子及び第2端子の両方について、電圧が印加されていないオフ状態が得られる。第1スイッチが閉じている一方で第2スイッチが開いた状態では、第1端子はオン状態になるが、第2端子は、オフ状態になる。逆に、第1スイッチが開いている一方で第2スイッチが閉じた状態では、第1端子はオフ状態になるが、第2端子は、オン状態になる。このように、切替部が第1スイッチ及び第2スイッチを開閉すると、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態が変化する。
【0115】
第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態は、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置に到達したときに、切替部によって切り替えられる。すなわち、第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態は、上述の4つの組み合わせのうち1つであるベース状態から残りの3つの組み合わせである第1開閉状態乃至第3開閉状態に切り替わる。このため、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態も、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置に到達したときに変化する。したがって、位置判定部は、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトが第1回転位置乃至第3回転位置のいずれに到達したか否かを判定することができる。このように、位置検出装置は、3以上のスイッチを用いることなく、回転シャフトの3つの回転位置を検出することができる。
【0116】
上述の構成において、切替部は、回転シャフトが一回転する間において、ベース状態から第1開閉状態乃至第3開閉状態への切替をそれぞれ1回だけ行うように構成されていてもよい。
【0117】
仮に、回転シャフトが一回転する間に、ベース状態から第1開閉状態への変化が2回生じたとしたら、位置判定部は、これらの変化のうちいずれにおいて、回転シャフトが第1回転位置に到達したかを判定する処理をする必要がある。このような処理を省略するために、上述の構成では、切替部は、回転シャフトが一回転する間において、ベース状態から第1開閉状態乃至第3開閉状態への切替がそれぞれ1回だけ行われるように構成されている。
【0118】
上述の構成において、切替部は、回転シャフトの軸方向において並んで回転シャフトに取り付けられた第1カム及び第2カムにより構成されていてもよい。第1カムは、第1スイッチにのみ接触しながら第1スイッチを開閉するように構成されていてもよい。第2カムは、第2スイッチにのみ接触しながら第2スイッチを開閉するように構成されていてもよい。
【0119】
上述の構成では、第1カム及び第2カムは、回転シャフトの軸方向において並んで回転シャフトに取り付けられているので、回転シャフトとともに回転することができる。第1カムは、第1スイッチにのみ接触するので、第1スイッチの開閉タイミングは、第1カムによって専ら決定される。すなわち、第1スイッチが開くタイミング及び閉じるタイミングは、第2カムに影響されることなく決定され得る。また、第2カムは、第2スイッチにのみ接触するので、第2スイッチが開くタイミング及び閉じるタイミングは、第1カムに影響されることなく決定され得る。
【0120】
上述の構成において、第1スイッチは、開状態になるように付勢されていてもよい。第1カムは、第1スイッチに接触して第1スイッチを閉じる第1外周面と、周方向において互いに離間した位置において第1外周面に対して凹設されて第1スイッチが入り込んで開くことを許容する第1凹部及び第2凹部と、を有していてもよい。
【0121】
上述の構成では、第1カムの第1外周面が第1スイッチに接触しているとき、第1スイッチは、閉じられている。その後、第1カムが回転シャフトとともに回転すると、第1スイッチは、開状態になるように付勢されているので、第1凹部又は第2凹部に入り込む。第1凹部及び第2凹部は、周方向において互いに離間した位置に設けられているので、第1カムが一回転する間に、第1スイッチは、閉状態から開状態に2回変化する。これらの変化のタイミングは、第1スイッチが第1カムにのみ接触するので、第2カムに影響されない。
【0122】
上述の構成において、第2スイッチは、開状態になるように付勢されていてもよい。第2カムは、第2スイッチに接触して第2スイッチを閉じる第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において第2外周面に対して凹設されて第2スイッチが入り込んで開くことを許容する第3凹部及び第4凹部と、を有していてもよい。第1外周面及び第2外周面は、第1スイッチが第1凹部に入り込む直前、第1スイッチが第2凹部に入り込む直前、第2スイッチが第3凹部に入り込む直前及び第4凹部に入り込む直前において、第1スイッチ及び第2スイッチにそれぞれ接触して、第1スイッチ及び第2スイッチをともに閉じた状態にするように構成されていてもよい。第3凹部は、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開くのと同期して、第2スイッチが第3凹部に入り込んで開くことを許容するように、第2外周面に凹設されていてもよい。第4凹部は、第1スイッチが第2凹部に入り込んで開くタイミングとは異なるタイミングで、第2スイッチが第4凹部に入り込んで開くことを許容するように、第2外周面に凹設されていてもよい。
【0123】
上述の構成では、第1スイッチが第1凹部に入り込む直前、第1スイッチが第2凹部に入り込む直前、第2スイッチが第3凹部に入り込む直前及び第4凹部に入り込む直前のいずれにおいても、第1スイッチ及び第2スイッチは、閉じられている。その後、第1スイッチが第1凹部又は第2凹部に入り込んで開けば、あるいは、第2スイッチが第3凹部又は第4凹部に入り込んで開けば、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態が変化する。このため、第1スイッチ及び第2スイッチが閉じられた状態がベース状態として利用され得る。また、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開くタイミングは、第2スイッチが第3凹部に入り込んで開くタイミングと同期しているので、第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いた状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち1つとして利用され得る。第1スイッチが第2凹部に入り込んで開くタイミングは、第2スイッチが第4凹部に入り込んで開くタイミングとは相違しているので、第1スイッチが開いている一方で、第2スイッチが閉じている状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち他のもう1つとして利用され得る。また、第2スイッチが第4凹部に入り込んで開くとき、第1スイッチが第1外周面によって閉じられている状態も得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち残りの1つとして利用され得る。
【0124】
上述の構成において、第2スイッチは、閉状態になるように付勢されていてもよい。第2カムは、回転シャフトが一回転する間に第1スイッチ及び第2スイッチに対して非接触状態を保つ第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において第2外周面から凸設されて第2スイッチを径方向に押し出して開く第3凸部及び第4凸部と、を有していてもよい。
【0125】
上述の構成では、第2カムの第2外周面は、回転シャフトが一回転する間に第2スイッチに対して非接触状態を保つので、第2スイッチの摩耗が抑制される。また、第2カムの第3凸部及び第4凸部は、第2スイッチを径方向に押し出して開き、第3凸部及び第4凸部が第2スイッチから離れると、第2スイッチは、閉状態になるように付勢されているので閉状態になる。第3凸部及び第4凸部は、周方向において互いに離間した位置に設けられているので、第2カムが一回転する間に、第2スイッチは、閉状態から開状態に2回変化する。これらの変化のタイミングは、第2スイッチが第2カムにのみ接触するので、第1カムに影響されない。
【0126】
上述の構成において、第1外周面は、第3凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前及び第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前において、第1スイッチに接触して、第1スイッチを閉じた状態にするように構成されていてもよい。第3凸部及び第4凸部は、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開状態になる直前及び第1スイッチが第2凹部に入り込んで開状態になる直前において、第2スイッチに対して非接触状態になるように構成されていてもよい。第3凸部は、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開状態になるのと同期して、第2スイッチを径方向に押し出して開くように設けられていてもよい。第4凸部は、第1スイッチが第2凹部に入り込んで開状態になるタイミングとは異なるタイミングで、第2スイッチを径方向に押し出して開くように設けられていてもよい。
【0127】
上述の構成では、第3凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前及び第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前では、第2スイッチは、第3凸部及び第4凸部に接触しておらず、閉状態になっている。このとき、第1スイッチは、第1カムの第1外周面に接触して閉状態になっている。また、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開状態になる直前及び第1スイッチが第2凹部に入り込んで開状態になる直前においても、第3凸部及び第4凸部は、第2スイッチに対して非接触状態になっている。このため、第1スイッチ及び第2スイッチがともに閉じた状態が得られる。その後、第1スイッチが第1凹部又は第2凹部に入り込んで開けば、あるいは、第2スイッチが第3凸部又は第4凸部に接触して開けば、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態が変化する。このため、第1スイッチ及び第2スイッチが閉じられた状態がベース状態として利用され得る。また、第1スイッチが第1凹部に入り込んで開くタイミングは、第3凸部が第2スイッチを押し出して開くタイミングと同期しているので、第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いた状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち1つとして利用され得る。第1スイッチが第2凹部に入り込んで開くタイミングは、第4凸部が第2スイッチを押し出して開くタイミングとは相違しているので、第1スイッチが開いている一方で、第2スイッチが閉じている状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち他のもう1つとして利用され得る。また、第4凸部が第2スイッチを押し出して開くとき、第1スイッチが閉じられている状態も得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち残りの1つとして利用され得る。
【0128】
上述の構成において、第1スイッチ及び第2スイッチは、閉状態になるように付勢されていてもよい。第1カムは、回転シャフトが一回転する間に第1スイッチ及び第2スイッチに対して非接触状態を保つ第1外周面と、周方向において互いに離間した位置において第1外周面から凸設されて第1スイッチを径方向に押し出して開く第1凸部及び第2凸部と、を有していてもよい。第2カムは、回転シャフトが一回転する間に第1スイッチ及び第2スイッチに対して非接触状態を保つ第2外周面と、周方向において互いに離間した位置において第2外周面から凸設されて第2スイッチを径方向に押し出して開く第3凸部及び第4凸部と、を有していてもよい。
【0129】
上述の構成では、第1カムの第1外周面及び第2カムの第2外周面は、回転シャフトが一回転する間に第1スイッチ及び第2スイッチに対して非接触状態を保つので、第1スイッチ及び第2スイッチの摩耗が抑制される。また、第1カムは、第1スイッチにのみ接触するので、第1スイッチが開くタイミングは、第1カムの第1凸部及び第2凸部によって決定され、第2カムに影響されない。同様に、第2カムは、第2スイッチにのみ接触するので、第2スイッチが開くタイミングは、第2カムの第3凸部及び第4凸部によって決定され、第1カムに影響されない。
【0130】
上述の構成において、第1凸部及び第2凸部は、第3凸部が第2スイッチを径方向に押し出す直前及び第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出す直前において、第1スイッチに対して非接触状態になるように構成されていてもよい。第3凸部及び第4凸部は、第1凸部が第1スイッチを径方向に押し出す直前及び第2凸部が第1スイッチを径方向に押し出す直前において、第2スイッチに対して非接触状態になるように構成されていてもよい。第3凸部は、第1凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開くのと同期して、第2スイッチを径方向に押し出して開くように、第2外周面から凸設されていてもよい。第4凸部は、第2凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開くタイミングとは異なるタイミングで、第2スイッチを径方向に押し出して開くように、第2外周面から凸設されていてもよい。
【0131】
上述の構成では、第1凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開く直前及び第2凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開く直前において、第3凸部及び第4凸部は、第2スイッチに対して非接触状態になっている。このため、第1スイッチ及び第2スイッチがともに閉じた状態が得られる。また、第3凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前及び第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開く直前においても、第1スイッチ及び第2スイッチがともに閉じた状態が得られる。その後、第1凸部又は第2凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開けば、あるいは、第3凸部又は第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開けば、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態が変化する。このため、第1スイッチ及び第2スイッチが閉じられた状態がベース状態として利用され得る。また、第1凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開くタイミングは、第3凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開くタイミングと同期しているので、第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いた状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち1つとして利用され得る。第2凸部が第1スイッチを径方向に押し出して開くタイミングは、第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開くタイミングとは相違しているので、第1スイッチが開いている一方で、第2スイッチが閉じている状態が得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち他のもう1つとして利用され得る。また、第4凸部が第2スイッチを径方向に押し出して開くとき、第1スイッチが閉じられている状態も得られる。この状態は、第1開閉状態乃至第3開閉状態のうち残りの1つとして利用され得る。
【0132】
上述の実施形態に係る他の局面に係る制御装置は、上述の位置検出装置と、動作対象装置の動作の内容に応じて、第1回転位置乃至第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定する目標設定部と、目標回転位置に向けて回転シャフトが角変位するようにアクチュエータを制御するアクチュエータ制御部と、を備えている。位置判定部は、第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて、回転シャフトが目標回転位置に到達したか否かを判定するように構成されている。アクチュエータ制御部は、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定したことを条件としてアクチュエータを停止させるように構成されている。
【0133】
上述の構成では、目標設定部は、動作対象装置の動作の内容に応じて、第1回転位置乃至第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定する。アクチュエータの回転シャフトは、アクチュエータ制御部によって目標回転位置に向けて角変位される。回転シャフトが目標回転位置に到達したことを、位置判定部が第1端子及び第2端子への電圧の印加状態の変化に基づいて判定すると、アクチュエータは、アクチュエータ制御部によって停止される。この状態で、動作対象装置は、目標回転位置に対応する動作の内容に適合した動作を実行することができる。
【0134】
上述の構成において、アクチュエータは、回転シャフトを回転駆動するモータを有していてもよい。制御装置は、モータへ電力を供給する電力供給部を更に備えていてもよい。アクチュエータ制御部は、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定したことを条件として、電力供給部からモータへの電力供給が停止されるように電力供給部を制御してもよい。
【0135】
上述の構成では、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定すると、電力供給部からモータへの電力供給が停止される。これにより、モータによって回転駆動されている回転シャフトは、目標回転位置で停止する。
【0136】
上述の構成において、アクチュエータは、回転シャフトを回転駆動するモータを有していてもよい。制御装置は、電力を出力する電力出力部と、第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態が4つの組み合わせのいずれになっても電力出力部から出力された電力をモータへ伝達可能に構成された給電回路と、を更に備えていてもよい。アクチュエータ制御部は、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定したことを条件として電力出力部からの電力の出力が停止するように電力出力部を制御してもよい。
【0137】
上述の構成では、第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態が4つの組み合わせのいずれになっても、給電回路を通じてモータへ電力を供給することは可能である。このため、たとえば、第1スイッチ及び第2スイッチがともに開いていても、電力出力部から電力を出力することにより、モータは、給電回路を通じて電力供給を受けることができる。電力出力部が給電回路を通じてモータへ電力を供給すると、回転シャフトは、目標回転位置に向けて角変位する。回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置検出装置の位置判定部が判定すると、電力出力部は、電力の出力を停止する。この結果、回転シャフトは、目標回転位置で停止する。
【0138】
上述の構成において、アクチュエータは、回転シャフトを回転駆動するモータを有していてもよい。制御装置は、電力を出力する電力出力部と、電力出力部からモータに接続された一対の電力線と、を更に備えていてもよい。第1検出線及び第2検出線は、一対の電力線のうち一方から分岐して延設されていてもよい。位置検出装置は、一対の電力線のうち他方から分岐して延設された第3検出線を有していてもよい。位置判定部は、第3検出線が接続された第3端子を有しており、第3端子と第1端子との間の電位差と、第3端子と第2端子との間の電位差と、に基づいて、回転シャフトが目標回転位置に到達したか否かを判定するように構成されていてもよい。
【0139】
上述の構成では、電力出力部が電力を出力すると、電力は、一対の電力線を通じて電力出力部からモータに供給される。第1スイッチ及び第2スイッチは、これらの電力線には設けられておらず、これらの電力線のうち一方から分岐して延設された第1検出線及び第2検出線に設けられているので、モータへの電力供給は、第1スイッチ及び第2スイッチの開閉状態に影響されない。
【0140】
モータへ電力が供給されているとき、一対の電力線の間には、電位差が生じている。第1スイッチ及び第2スイッチが設けられた第1検出線及び第2検出線は、一対の電力線のうち一方から分岐している一方で、第3検出線は、一対の電力線のうち他方から分岐している。このため、第3検出線が接続された第3端子の電位は、第1検出線及び第2検出線が接続された第1端子及び第2端子の電位とは相違する。したがって、位置判定部は、第3端子の電位を基準とした第1端子及び第2端子の電位(すなわち、第3端子と第1端子との間の電位差及び第3端子と第2端子との間の電位差)を把握することができる。これらの電位差は、第1端子及び第2端子に印加される電圧と言い換えることができるので、位置判定部は、これらの電位差に基づいて、回転シャフトが目標回転位置に到達したか否かを判定することができる。
【0141】
上述の実施形態に係る更に他の局面に係る洗濯機は、上述の制御装置と、制御装置によって制御されるアクチュエータと、アクチュエータによって動作される排水弁及びクラッチ機構と、を備えている。洗濯機は、排水弁によって開閉される排水口が形成されているとともに、水を貯留可能に形成された水槽と、水槽内で衣類を収容しながら回転することにより衣類を攪拌する回転槽と、回転槽内で回転することにより衣類を攪拌するパルセータと、回転槽及びパルセータを回転駆動する駆動力を発生する主モータと、を備えている。クラッチ機構は、主モータが発生した駆動力を回転槽に伝えることなくパルセータに伝えて回転槽に対してパルセータを相対的に回転させる第1伝達経路と、回転槽及びパルセータの両方に伝えて回転槽及びパルセータを一体的に回転させる第2伝達経路と、の間で駆動力の伝達経路を切り替えるように構成されている。アクチュエータは、回転シャフトが第1回転位置に到達したときに、排水弁が排水口を閉じつつ、主モータが発生した駆動力の伝達経路を第1伝達経路に設定し、回転シャフトが第2回転位置に到達したときに、排水弁が排水口を閉じつつ、主モータが発生した駆動力の伝達経路を第2伝達経路に設定する。回転シャフトが第3回転位置に到達したときに、主モータが発生した駆動力の伝達経路を第2伝達経路に設定しつつ、排水弁が排水口を開くように構成されている。
【0142】
上述の構成では、回転シャフトが第1回転位置に到達すると、排水口が排水弁によって閉じられるので、水槽に貯水することが可能になる。このとき、主モータの駆動力は、回転槽に伝達されることなくパルセータに伝達され、パルセータは、回転槽に対して相対的に回転され得る。水槽に水が貯まった状態で、パルセータが回転槽に対して相対的に回転されれば、回転槽に収容された衣類は、パルセータと回転槽とが一体的に回転する場合と比べて強い力で攪拌され得る。
【0143】
回転シャフトが第2回転位置に到達したときも、排水口は、排水弁によって閉じられており、水槽に貯水することが可能になる。このとき、主モータの駆動力は、回転槽及びパルセータの両方に伝達され、回転槽及びパルセータは、一体的に回転され得る。水槽に水が貯まった状態で、パルセータと回転槽とが一体的に回転されれば、回転槽に収容された衣類は、比較的弱い力で攪拌される。すなわち、衣類にかかる負荷を軽減しつつ、衣類を攪拌することが許容される。
【0144】
回転シャフトが第3回転位置に到達すると、排水弁が排水口を開くので、水槽内の水は、排水口を通じて排出される。このとき、クラッチ機構は、主モータが発生した駆動力の伝達経路を第2伝達経路に設定しているので、主モータの駆動力は、回転槽及びパルセータの両方に伝達され、回転槽及びパルセータの両方が回転し得る。回転槽の回転により、回転槽内の衣類に含まれる水が遠心分離される。このとき、パルセータは、回転槽と一体的に回転するので、衣類を損傷させにくくなる。
【0145】
上述の構成において、洗濯機は、洗濯機の動作の内容を設定する動作設定部を更に備えていてもよい。目標設定部は、動作設定部が設定した動作の内容に応じて、第1回転位置乃至第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定してもよい。アクチュエータ制御部は、目標設定部が目標回転位置を設定すると、目標回転位置への回転シャフトの角変位が開始するようにアクチュエータを制御してもよい。
【0146】
上述の構成では、動作設定部が洗濯機の動作の内容を設定すると、目標設定部は、洗濯機の動作の内容に応じて、第1回転位置乃至第3回転位置のうちいずれか1つを目標回転位置に設定する。目標回転位置が設定されると、アクチュエータ制御部は、目標回転位置への回転シャフトの角変位が開始するようにアクチュエータを制御する。そして、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定すると、アクチュエータ制御部は、アクチュエータを停止させる。この状態で、排水弁又はクラッチ機構のうち少なくとも一方は、動作設定部が設定した動作の内容に適合した動作を実行することができる。
【0147】
上述の構成において、洗濯機は、主モータを制御するモータ制御部を更に備えていてもよい。モータ制御部は、回転シャフトが目標回転位置に到達したことを位置判定部が判定すると、主モータの駆動を開始するように構成されていてもよい。
【0148】
上述の構成では、回転シャフトが目標回転位置に到達して排水弁又はクラッチ機構が目標回転位置に対応する動作をした状態で、主モータの駆動が開始される。
【産業上の利用可能性】
【0149】
上述の実施形態の技術は、アクチュエータの回転シャフトの回転位置を利用して様々な動作をするように構成された様々な動作対象装置に好適に利用される。
【符号の説明】
【0150】
170・・・・・アクチュエータ
171・・・・・モータ
173・・・・・回転シャフト
192・・・・・制御装置
193・・・・・目標設定部
194・・・・・アクチュエータ制御部
400・・・・・位置検出装置
410・・・・・切替部
411・・・・・第1カム
412・・・・・第2カム
413・・・・・第1外周面
414・・・・・第1凹部
415・・・・・第2凹部
416・・・・・第2外周面
417・・・・・第3凹部
418・・・・・第4凹部
421・・・・・第1スイッチ
422・・・・・第2スイッチ
425・・・・・第1検出線
426・・・・・第2検出線
427・・・・・第3検出線
430・・・・・位置判定部
436・・・・・第1凸部
437・・・・・第2凸部
440・・・・・電力供給部
441・・・・・電力出力部
442・・・・・給電回路
443・・・・・電力線
444・・・・・電力線
451・・・・・第1端子
452・・・・・第2端子
453・・・・・第3端子
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
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図15