(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163672
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】調理器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A47J27/00 109P
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079489
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003702
【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 豪人
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA03
4B055BA42
4B055CA36
4B055CA65
4B055CD31
4B055CD41
4B055GC34
4B055GC36
4B055GD04
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、報知部による報知を確認した使用者に対して調理器の状態をできるだけ分かりやすく伝えることができる調理器を提供することである。
【解決手段】本発明に係る調理器100は、加熱部113,CH,HTと、報知要素による報知を行う報知部147,ALと、調理器の状態および前記報知要素に関する値を変更する制御部MCと、を備え、前記制御部は、前記調理器の状態に応じて、前記報知要素に関する値を変更する速度を変える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部と、
報知要素による報知を行う報知部と、
調理器の状態および前記報知要素に関する値を変更する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記調理器の状態に応じて、前記報知要素に関する値を変更する速度を変える
調理器。
【請求項2】
前記制御部は、前記調理器の状態に応じて、前記報知要素に関する値の可変範囲を変更する
請求項1に記載の調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
過去に「内部に中空部が形成された本体と、前記本体の前記中空部に着脱自在に収納され、内部に被加熱物を収容する内釜と、前記内釜を加熱する加熱手段と、前記本体の下方を照明する照明手段と、を備える炊飯器」が提案されている(例えば、特開2020-031965号公報等参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような炊飯器では、炊飯モードにおける各工程において照明手段が発する光の輝度等が変更される。そして、使用者は、照明手段が発する光を確認した上で炊飯器モードにおけるどの工程が実行されているかを判断する。しかし、使用者からは「上述のような炊飯器では、照明手段が発する光を確認したとしても炊飯器モードにおけるどの工程が実行されているかを感覚的に判断することが難しい。」との声があがっている。
【0005】
本発明の課題は、報知部による報知を確認した使用者に対して調理器の状態をできるだけ分かりやすく伝えることができる調理器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る調理器は、
加熱部と、
報知要素による報知を行う報知部と、
調理器の状態および前記報知要素に関する値を変更する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記調理器の状態に応じて、前記報知要素に関する値を変更する速度を変える。
【0007】
上記構成によれば、報知要素に関する値だけを変更する場合に比べて、報知部による報知を確認した使用者に対する感覚的な効果を高めることができる。このため、この調理器では、報知部による報知を確認した使用者に対して調理器の状態をできるだけ分かりやすく伝えることができる。なお、報知要素は、例えば、ヒトの感覚器を刺激する波動等であって、光や音等である。また、報知要素に関する値は、例えば、報知要素が光である場合は輝度等であり、報知要素が音である場合は音量等である。また、調理器は、例えば、炊飯器、電子レンジ、オーブントースター、ホームベーカリー、グリル鍋等の加熱機能を有するものである。また、調理器の状態は、例えば、工程の進捗度合いや加熱部の出力等である。制御部は、例えば、調理器が炊飯器である場合、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、追炊き工程、蒸らし工程および保温工程等の工程を実行する。
【0008】
本発明では、
前記制御部は、前記調理器の状態に応じて、前記報知要素に関する値の可変範囲を変更すると好適である。
【0009】
上記構成によれば、報知部による報知を確認した使用者に対する感覚的な効果をより高めることができる。このため、この調理器では、報知部による報知を確認した使用者に対して調理器の状態をより分かりやすく伝えることができる。なお、報知要素に関する値の可変範囲の変更には、例えば、可変範囲を狭めること、可変範囲を広げること、可変範囲における上限値と下限値との差が変わらないように可変範囲をシフトする(ずらす)こと等が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
【
図2】本発明の実施形態に係る炊飯器の平面図である。なお、本図では、蓋体が閉じられた状態が示されている。
【
図4】本発明の実施形態に係る炊飯器の斜視図である。なお、本図では、蓋体が開かれた状態が示されている。
【
図5】本発明の実施形態に係るLED、LED基板および導光部材の斜視図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る炊飯器の制御ブロック図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る制御基板のマイクロコンピュータが吸水工程を実行しているときの時間およびLEDが発する光の輝度の推移を示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る制御基板のマイクロコンピュータが昇温工程を実行しているときの時間およびLEDが発する光の輝度の推移を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る制御基板のマイクロコンピュータが蒸らし工程を実行しているときの時間およびLEDが発する光の輝度の推移を示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る制御基板のマイクロコンピュータが異常報知処理を実行しているときの時間およびLEDが発する光の輝度の推移を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<本発明の実施形態に係る炊飯器の構成>
本発明の実施形態に係る炊飯器100は、
図1~
図4に示されるように、主に、本体110、内鍋130、蓋体140およびヒンジ機構150等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0012】
(1)本体
本体110は、
図1~
図4に示されるように、主に、筐体111、第1パッキンPK1、第2パッキンPK2、鍋載置部112、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、センターセンサ114、スピーカーAL、送風ファン115、ヒートシンク116、制御基板118、自動巻取式電源コードユニット120およびレバー機構119等から構成される。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0013】
(1-1)筐体
筐体111は、
図1~
図4に示されるように、主に、収容体111a、肩部材111cおよび保護枠111d等から構成されている。以下、これらの構成要件について詳述する。なお、筐体111は、
図3に示されるように、第1パッキンPK1、第2パッキンPK2、誘導加熱コイル113、センターセンサ114、スピーカーAL、送風ファン115、ヒートシンク116、制御基板118および自動巻取式電源コードユニット120等を収容している。
【0014】
(1-1-1)収容体
収容体111aは、
図1~
図4に示されるように、主に、側壁Aa、底壁Abおよびカバー部材Ac等から構成されている。
【0015】
側壁Aaは、平面視において略角丸長方形を呈する囲い壁部位であって、ABS樹脂等から形成されており、
図1~
図4に示されるように、本体110の側面の大部分(後端下部以外の部分)を形成している。なお、
図3に示されるように、側壁Aaの前端の上部には、レバー機構119のレバー本体LBを挿通させるための開口Aa1が形成されている。また、
図3に示されるように、側壁Aaの上端部には内方に延びる突起部Aa2が形成されている。
【0016】
底壁Abは、
図3に示されるように、側壁Aaの下側の開口を送風ファン115の直下を除いて覆っている。底壁Abには、筐体111の内部の空気を外部に排出するための排気口(図示せず)が形成されている。また、
図3に示されるように、底壁Abには、下方に延びる脚部Ab1が4つ形成されている。また、
図3に示されるように、底壁Abの前端部の上側にはスピーカーALが配置される。
【0017】
カバー部材Acは、
図3に示されるように、主に、下側カバー部Ac1および後側カバー部Ac2等から形成されている。下側カバー部Ac1は、平面視において略方形状を呈しており、
図3に示されるように、底壁Abに取り付けられて送風ファン115を下側から覆っている。
図3に示されるように、下側カバー部Ac1には、筐体111の外部の空気を内部に吸い込むための吸気口Ac1aが形成されている。送風ファン115が駆動されると、吸気口Ac1aを通って外部の空気が筐体111の内部に吸い込まれ、それによって生じる空気流れにより内部の加熱空気が排気口から系外に排出される。後側カバー部Ac2は、
図3に示されるように、下側カバー部Ac1の後端部から上方に延びている。なお、
図3に示されるように、後側カバー部Ac2は、本体110の側面の後端下部を形成しており、自動巻取式電源コードユニット120を後側から覆っている。
【0018】
(1-1-2)肩部材
肩部材111cは、ステンレス等の金属で形成される部材であって、
図3および
図4に示されるように、主に、底壁部Ca、湾曲部Cbおよびフランジ部Cc等から形成されている。底壁部Caは、平面視において略角丸長方形状を呈している。
図3に示されるように、底壁部Caの下面には、保護枠111dのフランジ部材Daが取り付けられている。また、底壁部Caの中央部には、内鍋130の挿入口が形成されている(
図3および
図4参照)。また、底壁部Caの前端部の左右部には、レバー機構119のストッパーLDの上延設壁部および爪部LD1を挿通させるための開口が形成されている(
図4参照)。湾曲部Cbは、
図3および
図4に示されるように、底壁部Caの外端から湾曲しながら上方に延びている。フランジ部Ccは、
図3に示されるように、湾曲部Cbの上端から外方に延びている。本体110が組立てられた状態において、フランジ部Ccは、
図3に示されるように、側壁Aaの突起部Aa2の下側に位置して側壁Aaの突起部Aa2と接触する。
【0019】
(1-1-3)保護枠
保護枠111dは、内鍋130を収容する役目等を担っており、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等から形成されている。また、保護枠111dは、
図3に示されるように、主に、フランジ部材Da、中間部材Dbおよび底部材Dcの3つの部材から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0020】
フランジ部材Daは、平面視において略角丸長方形状を呈しており、
図3に示されるように、保護枠111dの上側部分を構成し、中間部材Dbと連結される。また、フランジ部材Daの中央部には、内鍋130の挿入口が形成されている(
図3参照)。また、フランジ部材Daには、平面視において肩部材111cの底壁部Caにおけるレバー機構119のストッパーLDの上延設壁部および爪部LD1を挿通させるための開口と重なる部分にレバー機構119のストッパーLDの上延設壁部および爪部LD1を挿通させるための開口が形成されている(
図4参照)。また、フランジ部材Daの前端部の下側部分には、レバー機構119の第1回動軸LEを取り付けるための第1軸受部(図示せず)が形成されると共に、レバー機構119の第2回動軸LFを取り付けるための第2軸受部(図示せず)が形成される(
図3参照)。
【0021】
中間部材Dbは、略円筒状の部材であって、
図3に示されるように、保護枠111dの中間部分を構成し、フランジ部材Daおよび底部材Dcと連結される。
図3に示されるように、中間部材Dbの内側には保温ヒータHTが配置されている。
【0022】
底部材Dcは、上方に開口する椀状部材であり、
図3に示されるように、保護枠111dの下側部分を構成し、中間部材Dbと連結される。また、また、底部材Dcの底壁の中央部には、センターセンサ114を通すための開口が形成されている(
図3参照)。
【0023】
(1-2)第1パッキン
第1パッキンPK1は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、略円環状を呈している(
図3参照)。また、第1パッキンPK1は、
図3に示されるように、フランジ部材Daと中間部材Dbとの間に配置され、フランジ部材Daと中間部材Dbとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ役目を担っている。
【0024】
(1-3)第2パッキン
第2パッキンPK2は、ゴムやエラストマー等の弾性材料から形成されており、略円環状を呈している(
図3参照)。また、第2パッキンPK2は、中間部材Dbと底部材Dcとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ役目を担っている(
図3参照)。
【0025】
(1-4)鍋載置部
鍋載置部112は、樹脂等から形成される略円環形状の部材であって、
図3に示されるように、肩部材111cの底壁部Caにおける内鍋130の挿入口および保護枠111dのフランジ部材Daにおける内鍋130の挿入口に嵌められている。また、鍋載置部112は、主に、高段部112a(
図3参照)および低段部(図示せず)等から形成されている。高段部112aは、低段部より一段高く、
図3に示されるように、鍋載置部112の前部および後部に形成されると共に、肩部材111cの底壁部Caの上側に配置される。内鍋130が保護枠111dに収容された時、内鍋130のフランジ部133は、高段部112aに載置される。このため、内鍋130が金属製の肩部材111cに接触しないようにすることができる。低段部は、鍋載置部112の左右部に形成されると共に、肩部材111cの底壁部Caの上側に配置される。内鍋130が保護枠111dに収容された時、内鍋130のフランジ部133は、低段部に載置されない。このため、低段部と内鍋130のフランジ部133との間には隙間が形成され、この隙間に指を入れることで保護枠111dに収容された内鍋130を容易に取り出すことができる。
【0026】
(1-5)誘導加熱コイル
誘導加熱コイル113は、内鍋130を誘導加熱する誘導加熱源であって、
図3に示されるように保護枠111dの底部材Dcの底壁および湾曲壁部の外側に配設されている。
【0027】
(1-6)保温ヒータ
保温ヒータHTは、保温運転時に使用される円環状のヒータであって、上述の通り保護枠111dの中間部材Dbの内側に配置されると共に、
図3に示されるように内鍋130が保護枠111dに収容された状態において内鍋130の筒壁部132の外側に配置される。なお、保温ヒータHTは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよい。
【0028】
(1-7)センターセンサ
センターセンサ114は、温度センサであって、
図3に示されるように、保護枠111dの底部材Dcの開口を通って、上方に向かって突出している。なお、このセンターセンサ114は、コイルバネ等の付勢部材によって上方に付勢されている。すなわち、このセンターセンサ114は、上下方向に沿って出没自在な状態とされている。そして、センターセンサ114は、内鍋130が保護枠111dに収容された状態では内鍋130の底壁部131に接触して内鍋130の温度を測定する。
【0029】
(1-8)スピーカー
スピーカーALは、炊飯開始時や炊飯終了時等において使用者に対して音で報知する役目を担っており、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて音を出力する。また、スピーカーALは、上述の通り、収容体111aの底壁Abの前端部の上側に配置される。
【0030】
(1-9)送風ファン
送風ファン115は、収容体111aのカバー部材Acの下側カバー部Ac1の吸気口Ac1aの直上において、回転軸が略上下方向に沿うように配設されている(
図3参照)。この送風ファン115が駆動されると、外部の空気が収容体111aのカバー部材Acの下側カバー部Ac1の吸気口Ac1aから吸い込まれて筐体111内に流入し、そのまま上方に向かって送られる。上方に向かって送られた外部の空気は、ヒートシンク116を通って制御基板118等に供給され、それらを冷却する。
【0031】
(1-10)ヒートシンク
ヒートシンク116は、外部の空気と効率よく熱交換を行わせるための部品であって、
図3に示されるように、送風ファン115の上側に配置されている。
【0032】
(1-11)制御基板
制御基板118は、電源回路を構成する基板であって、いくつかの発熱部品を実装している。また、制御基板118は、
図3に示されるように筐体111の後側空間に収容され、マイコン基板CBに通信接続される。
【0033】
(1-12)自動巻取式電源コードユニット
自動巻取式電源コードユニット120は、電源コード(図示せず)および自動巻取機構(図示せず)等から構成されており、
図3に示されるように筐体111の後側空間に収容されている。電源コードは、差込プラグおよび電気線等から構成されている。差込プラグは、電気線の先端に配設されている。電気線は、伸展自在に自動巻取機構に巻回されている。
【0034】
(1-13)レバー機構
レバー機構119は、蓋体140を閉状態から開状態にするためのものであって、
図1~
図4に示されるように、主に、操作部LA、レバー本体LB、伝達部材LC、ストッパーLD、第1回動軸LE、第2回動軸LF、第1トーションバネLGおよび第2トーションバネLH等から構成されている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0035】
操作部LAは、
図1~
図4に示されるように、収容体111aの側壁Aaの前側に配置され、使用者によって操作される部材である。また、操作部LAは、
図3に示されるように、ビス等によってレバー本体LBに締結される。なお、使用者は、圧力炊飯運転がされていないときに操作部LAを押し下げることで、蓋体140を閉状態から開状態にすることができる。
【0036】
レバー本体LBは、
図3に示されるように、前後方向に延びる板部材である。また、レバー本体LBは、
図3に示されるように、収容体111aの側壁Aaの開口Aa1を挿通し、前部が収容体111aの側壁Aaから突出するように配置される。なお、上述の通り操作部LAがレバー本体LBに締結され、この状態においてはレバー本体LBの前部は操作部LAによって覆い隠される。また、
図3に示されるように、レバー本体LBの後端部は、伝達部材LCの部位のうち第2回動軸LFより前側の部位に接触している。なお、レバー本体LBは、第1回動軸LEを中心に回動可能であり、第1トーションバネLGによって右側面視において第1回動軸LEを中心とした時計回り方向に向かって付勢されている。
【0037】
伝達部材LCには、第2回動軸LFを通すための軸受け孔が形成されている(
図3参照)。そして、レバー本体LBが、第1回動軸LEを中心として第1トーションバネLGの付勢力に逆らって回動したときに、伝達部材LCは、レバー本体LBによって右側面視において第2回動軸LFを中心とした時計回り方向に回動させられ、ストッパーLDに力を加える。なお、蓋体140が閉状態であると共に圧力炊飯運転がされていないときは、伝達部材LCが回動することによってストッパーLDに力が加えられると、ストッパーLDが第2トーションバネLHの付勢力に逆らって第2回動軸LFを中心として回動する。そして、ストッパーLDの爪部LD1が蓋体140の被係止部149に対して係止されている状態が解除され、蓋体140が開状態となる。また、蓋体140が閉状態であると共に圧力炊飯運転がされているときは、伝達部材LCが回動することによってストッパーLDに力が加えられても、ストッパーLDは第2回動軸LFを中心として回動しない。このため、圧力炊飯運転がされているときは、蓋体140の閉状態、すなわちストッパーLDの爪部LD1が蓋体140の被係止部149に対して係止されている状態が維持される。
【0038】
ストッパーLDは、金属等から形成される部材であって、主に、基体部(図示せず)、上延設壁部(図示せず)、爪部LD1(
図4参照)および前延設壁部(図示せず)等から形成されている。基体部は、略長方形状の板部材である。上延設壁部は、基体部の左右端部から上方に延びている。爪部LD1は、
図4に示されるように、上延設壁部の上端部から前側に延びている。爪部LD1は、蓋体140が閉じられている状態において、蓋体140の被係止部149に対して係止される。前延設壁部は、基体部の左右端部から前方に延びている。なお、前延設壁部には、第2回動軸LFを通すための軸受け孔が形成されている。この軸受け孔に第2回動軸LFが通されることで、ストッパーLDは、第2回動軸LFを中心として回動可能になる。なお、ストッパーLDは、第2トーションバネLHによって、右側面視において第2回動軸LFを中心とした反時計回り方向に向かって付勢されている。
【0039】
第1回動軸LEは、上述の通り、保護枠111dのフランジ部材Daの第1軸受部に取り付けられる。なお、このとき、第1回動軸LEは、
図3に示されるように、第1トーションバネLGのコイル部分の内側に挿通されている。
【0040】
第2回動軸LFは、上述の通り、保護枠111dのフランジ部材Daの第2軸受部に取り付けられる。なお、このとき、第2回動軸LFは、
図3に示されるように、第2トーションバネLHのコイル部分の内側に挿通されると共に、伝達部材LCの軸受け孔に挿通されている。
【0041】
第1トーションバネLGは、上述の通り、レバー本体LBを付勢するための部材である。第1トーションバネLGのコイル部分の内側には上述の通り第1回動軸LEが挿通され、第1トーションバネLGの一端はレバー本体LBに取り付けられ、第1トーションバネLGのもう一端は保護枠111dのフランジ部材Daに取り付けられる。
【0042】
第2トーションバネLHは、上述の通り、ストッパーLDを付勢するための部材である。第2トーションバネLHのコイル部分の内側には上述の通り第2回動軸LFが挿通され、第2トーションバネLHの一端は伝達部材LCに取り付けられ、第2トーションバネLHのもう一端はストッパーLDに取り付けられる。
【0043】
(2)内鍋
内鍋130は、
図3および
図4に示されるように、肩部材111cの底壁部Caの挿通口および保護枠111dのフランジ部材Daの挿通口に挿通され、保護枠111dに所定の隙間をもって収容される。なお、内鍋130は、種々のアルミニウム合金およびステンレス合金の多層体(クラッド材)であって、誘導加熱コイル113によって誘導加熱される。また、内鍋130は、
図3および
図4に示されるように、底壁部131、筒壁部132およびフランジ部133から形成されている。底壁部131は、平面視において略円盤形状を呈している。筒壁部132は、
図3および
図4に示されるように、略円筒形状を呈しており、底壁部131の外端から上方に延びている。フランジ部133は、
図3および
図4に示されるように、筒壁部132の上端から外方に延びている。上述の通り、内鍋130が保護枠111dに所定の隙間をもって収容された時、フランジ部133は、鍋載置部112の高段部112aに載置される。
【0044】
(3)蓋体
蓋体140は、
図1~
図3に示されるように、本体110の保護枠111dに収容された内鍋130の開口を上側から覆うためのものであって、本体110の上側に配設されており、主に、外装体141、マイコン基板CB、操作ボタン群BT、情報表示パネルDI、圧力調整機構143、補強部材(図示せず)、流路形成部144、内蓋145、蒸気センサSS、LED147、LED基板FP、導光部材148、被係止部149および蓋ヒータCHなどから構成されており、ヒンジ機構150を介して本体110に回動自在に取り付けられている。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0045】
(3-1)外装体
外装体141は、
図1~
図4に示されるように、主に上側外装部材141aおよび下側外装部材141b等から構成される略直方体状の樹脂製の部材である。以下、これらの構成要素について詳述する。
【0046】
上側外装部材141aは、
図2に示されるように、平面視において略角丸長方形状の部材である。また、上側外装部材141aは、
図3および
図4に示されるように、下側外装部材141bを上側から覆うように下側外装部材141bに取り付けられる。なお、
図3に示されるように、上側外装部材141aが下側外装部材141bに取り付けられた状態において、上側外装部材141aの前端部と下側外装部材141bの前端部との間には僅かに隙間が形成される。
図3および
図5に示されるように、この隙間には、導光部材148の前端部148aが配置される。また、
図1~
図3に示されるように、上側外装部材141aの前部には、操作ボタン群BTの各操作ボタンの上面を露出させるための開口が形成され、上側外装部材141aの後部には、流路形成部144の一部(排気口BOを形成する部分)を嵌めるための開口が形成されている。
【0047】
下側外装部材141bは、平面視において略角丸方形状の板部材である。また、下側外装部材141bの上面には補強部材が取り付けられ、下側外装部材141bの下面には内蓋145が取り付けられる(
図3および
図4参照)。
【0048】
(3-2)マイコン基板
マイコン基板CBは、
図6に示されるように、マイクロコンピュータMC等の電子部品を実装しており、センターセンサ114、蒸気センサSS、誘導加熱コイル113、保温ヒータHT、スピーカーAL、情報表示パネルDI、蓋ヒータCH、および、LED147と電気的に接続されるLED基板FP等に通信接続されている。なお、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCにはメモリが搭載されており、炊飯制御や保温制御などの制御を実行するための各種プログラムや各種データ等がメモリに格納されている。そして、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程を実行したり、誘導加熱コイル113や保温ヒータHTや蓋ヒータCHの出力を制御したり、LED基板FPに対して炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じてLED147が発する光の輝度を変更させたり、LED基板FPに対して炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じてLED147が発する光の輝度を変更する速度を変えさせたり、LED基板FPに対してLED147が発する光の色を変えさせたり、スピーカーALに音を出力させたり、時間を計測したりする。
【0049】
(3-3)操作ボタン群
操作ボタン群BTは、例えば、炊飯開始ボタンや取り消しボタン等から成るものである。また、操作ボタン群BT中の各操作ボタンの上面は、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの開口によって露出している。
【0050】
(3-4)情報表示パネル
情報表示パネルDIは、
図1~
図3に示されるように操作ボタン群BTの後側に配置されている。また、情報表示パネルDIは、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCからの指令に基づいて、炊飯メニュー情報や炊飯経過情報等の各種情報を表示する。
【0051】
(3-5)圧力調整機構
圧力調整機構143は、蓋体140が閉状態とされ圧力炊飯運転されている状態において、内鍋130の内部の圧力を1気圧以上(例えば、1.03~1.3気圧など)に調整する。
【0052】
(3-6)補強部材
補強部材は、外装体141の剛性を高めるためのものであって、例えば、溶融亜鉛メッキ鋼板(SGCC)等の板金や、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のエンジニアリングプラスチック等から形成されている。
【0053】
(3-7)流路形成部
流路形成部144は、蓋体140内における気体流路の一部を形成するためのものである。また、
図3に示されるように、流路形成部144には排気口BOが形成されている。流路形成部144における排気口BOを形成する部分は、上述の通り、外装体141の上側外装部材141aの後部の開口に嵌められ、排気口BOは、流路形成部144の内部に流入した気体を蓋体140の外部に排出する。
【0054】
(3-8)内蓋
内蓋145は、
図3に示されるように、蓋体140が閉状態である時に内鍋130の上部を覆って内鍋130を密閉するための部材である。なお、内蓋145には流入口が形成されており、この流入口により、気体(例えば、内鍋130内で発生した蒸気や、蓋体140が開状態である場合には外気等)等を蓋体140の内部に流入させることができる。
【0055】
(3-9)蒸気センサ
蒸気センサSSは、蓋体140内部の温度、より詳細には蓋体140内部の気体流路を流れる気体の温度を測定するための温度センサである。
【0056】
(3-10)LED
LED147は、光を発することで、炊飯器100における各工程の進捗度合い等を使用者に伝える役目を担っている。なお、LED147が発する光の輝度の範囲は、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCによって変更される。マイクロコンピュータMCは、光の輝度の範囲を狭める(例えば、0以上20以下である範囲を、10以上15以下の範囲や、0以上15以下の範囲や、10以上20以下の範囲に狭める)ことができる。また、マイクロコンピュータMCは、光の輝度の範囲を広げる(例えば、10以上15以下である範囲を、0以上20以下の範囲や、10以上20以下の範囲や、0以上15以下の範囲に広げる)ことができる。また、マイクロコンピュータMCは、光の輝度の範囲をシフトする(例えば、10以上15以下である範囲を、15以上20以下の範囲や、5以上10以下の範囲にシフトする)ことができる。
【0057】
(3-11)LED基板
LED基板FPは、
図3および
図5に示されるようにLED147を取り付けるための基板であって、
図6に示されるようにLED147と電気的に接続される。また、LED基板FPは、
図3に示されるように外装体141の上側外装部材141aの前端部の内側に配置されると共に、上述の通りマイコン基板CBに通信接続される。LED基板FPは、上述の通り、マイコン基板CBからの指令を受信して、LED147の輝度等を制御している。
【0058】
(3-12)導光部材
導光部材148は、アクリル樹脂製の板部材であって、
図3および
図5に示されるように、前方に向かうに従って下方に傾斜するように配置されている。また、
図3および
図5に示されるように、導光部材148の後端(上端)の上側にはLED147が配置されている。上述の通り、導光部材148の前端部148a(
図3および
図5参照)は、外装体141の上側外装部材141aの前端部と下側外装部材141bの前端部との間の隙間に配置される。また、
図5に示されるように、導光部材148には、第1溝部148b、第2溝部148cおよび第3溝部148dが形成されている。これらの溝部により、LED147が発した光を導光部材148の前端部148aまで十分に導くことができ、LED147が発した光を使用者に視認させることができる。第1溝部148bは、
図5に示されるように、前後方向に延びる中心線付近を始点として前方に向かうに従って外方に傾斜しており、導光部材148の後端から前後方向中間部にかけて形成されている。第2溝部148cは、
図5に示されるように、前方に向かうに従って外方に傾斜しており、隣接する第1溝部148b同士の間に位置するように導光部材148の前後方向中間部に形成されている。第3溝部148dは、
図5に示されるように、前方に向かうに従って外方に傾斜しており、第1溝部148bおよび第2溝部148cの前側に位置するように導光部材148の前端部の左右部に形成されている。
【0059】
(3-13)被係止部
被係止部149は、
図3および
図4に示されるように、外装体141の下側外装部材141bの前端部の下面に取り付けられる。蓋体140が閉じられている状態において、この被係止部149に対して本体110のレバー機構119のストッパーLDの爪部LD1が係止される。
【0060】
(3-14)蓋ヒータ
蓋ヒータCHは、保温運転時に使用されるヒータであって、内蓋145の上側に配置されている。なお、蓋ヒータCHは、保温運転時だけではなく炊飯運転時に使用されてもよいし、内蓋145の上側以外の箇所に配置されてもよい。
【0061】
(4)ヒンジ機構
ヒンジ機構150は、蓋体140が本体110に対してヒンジ機構側回動軸151(
図3参照)を中心として回動自在となるように蓋体140を本体110に取り付けている。なお、ヒンジ機構150は、ヒンジ機構側トーションバネ152(
図3参照)によって蓋体140を開方向に向かって付勢している。
【0062】
<本発明の実施形態に係る炊飯器におけるLEDに対するマイクロコンピュータの制御態様>
上述の通り、マイコン基板CBのマイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えることができる。なお、炊飯器100における各工程は、例えば、吸水工程、昇温工程、沸騰維持工程、追炊き工程、蒸らし工程、保温工程などである。また、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100において異常が検知された場合には、異常があったことを使用者に伝えるための異常報知処理を優先的に実行すると共に、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えることができる。以下、本発明の実施形態に係る炊飯器100におけるLED147に対するマイクロコンピュータMCの制御態様について、吸水工程、昇温工程、蒸らし工程および異常報知処理を例にして説明する。なお、以下で示される時間(秒)およびLED147が発する光の輝度については説明のための具体例を示しているに過ぎないことに留意されたい。
【0063】
まず、
図7を参照して、マイクロコンピュータMCが吸水工程を実行しているときの時間およびLED147が発する光の輝度の推移について説明する。吸水工程では、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を0以上15以下の範囲内で変更する。そして、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値15まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで到達するように周期的に変更する。なお、マイクロコンピュータMCは、この1周期に3秒かけている。
【0064】
次に、
図8を参照して、マイクロコンピュータMCが昇温工程を実行しているときの時間およびLED147が発する光の輝度の推移について説明する。昇温工程では、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を0以上20以下の範囲内で変更する。そして、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値20まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで到達するように周期的に変更する。なお、マイクロコンピュータMCは、この1周期に1秒かけるように、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えている。
【0065】
次に、
図9を参照して、マイクロコンピュータMCが蒸らし工程を実行しているときの時間およびLED147が発する光の輝度の推移について説明する。蒸らし工程では、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を10以上15以下の範囲内で変更する。そして、マイクロコンピュータMCは、蒸らし工程実行開始直後においては、LED147が発する光の輝度を、最小値10で維持してから直線的に増加させて最大値15まで到達するように変更する。その後、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最大値15から直線的に減少させて最小値10まで到達した後に最小値10を維持してから直線的に増加させて最大値15まで到達するように周期的に変更する。なお、マイクロコンピュータMCは、この1周期に2秒かけるように、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えている。
【0066】
最後に、
図10を参照して、マイクロコンピュータMCが異常報知処理を実行しているときの時間およびLED147が発する光の輝度の推移について説明する。異常報知処理では、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を0以上15以下の範囲内で変更する。そして、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最小値0から指数関数的に増加させて最大値15まで到達した後に指数関数的に減少させて最小値0まで到達するように周期的に変更する。なお、マイクロコンピュータMCは、この1周期に1秒かけるように、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えている。
【0067】
<本発明の実施形態に係る炊飯器の特徴>
(1)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えることができる。このため、この炊飯器100では、LED147が発する光の輝度だけを変更する場合に比べて、LED147が発する光の輝度を視認した使用者に対する感覚的な効果を高めることができる。したがって、この炊飯器100では、LED147が発する光を視認した使用者に対して炊飯器100における各工程の進捗度合いをできるだけ分かりやすく伝えることができる。
【0068】
(2)
本発明の実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度の範囲を変更することができる。このため、この炊飯器100では、LED147が発する光の輝度を視認した使用者に対する感覚的な効果をより高めることができる。したがって、この炊飯器100では、LED147が発する光を視認した使用者に対して炊飯器100における各工程の進捗度合いをより分かりやすく伝えることができる。
【0069】
<変形例>
(A)
先の実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度の範囲していた。しかし、LED147が発する光の輝度の範囲は、炊飯器100における全工程で固定されてもよい。例えば、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における全工程において、LED147が発する光の輝度の範囲を0以上20以下の範囲内で変更してもよい。
【0070】
(B)
先の実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えていた。しかし、マイクロコンピュータMCは、誘導加熱コイル113、保温ヒータHTまたは蓋ヒータCHの出力に応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えてもよい。ここで、例として、誘導加熱コイル113の出力に応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えるときのマイクロコンピュータMCの制御態様について説明する。例えば、誘導加熱コイル113の出力が最大出力の0%以上50%未満の範囲内である場合、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値20まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで到達するように、3秒かけて周期的に変更してもよい。そして、誘導加熱コイル113の出力が最大出力の50%以上100%以下の範囲内である場合、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値20まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで到達するように、1秒かけて周期的に変更してもよい。
【0071】
また、先の実施形態に係る炊飯器100では、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の輝度の範囲を変更していた。しかし、マイクロコンピュータMCは、誘導加熱コイル113、保温ヒータHTまたは蓋ヒータCHの出力に応じて、LED147が発する光の輝度の範囲を変更してもよい。ここで、例として、誘導加熱コイル113の出力に応じて、LED147が発する光の輝度の範囲を変更するときのマイクロコンピュータMCの制御態様について説明する。例えば、誘導加熱コイル113の出力が最大出力の0%以上50%未満の範囲内である場合、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度の範囲を0以上15以下の範囲に変更してもよい。そして、誘導加熱コイル113の出力が最大出力の50%以上100%以下の範囲内である場合、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度の範囲を0以上20以下の範囲に変更してもよい。
【0072】
なお、誘導加熱コイル113の出力が最大出力の何%であるかを判定するための範囲は2つに限られず、3つ以上あってもよい。
【0073】
また、マイクロコンピュータMCは、誘導加熱コイル113の出力を計算した上で、計算した誘導加熱コイル113の出力がどの出力範囲に収まっているかを判定し、判定結果に応じて、LED147が発する光の輝度を変更する速度を変えてもよいし、LED147が発する光の輝度の範囲を変更してもよい。例えば、誘導加熱コイル113の最大出力が1000Wであり、マイクロコンピュータMCが誘導加熱コイル113の出力を最大出力の40%に制御した場合は、誘導加熱コイル113の出力が400Wであることが計算される。そして、マイクロコンピュータMCは、計算した誘導加熱コイル113の出力が0W以上500W未満の範囲内である場合、LED147が発する光の輝度の範囲を0以上15以下の範囲に変更してもよい。
【0074】
(C)
先の実施形態に係る炊飯器100では言及しなかったが、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程を実行している間、スピーカーALに対して音を出力させてもよい。そして、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、例えば、スピーカーALが出力する音の音量等を変更する速度を変えてもよいし、スピーカーALが出力する音が鳴る間隔を変更する速度を変えてもよい。
【0075】
また、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程を実行している間、LED147が発する光の色を徐々に変更してもよい。そして、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、LED147が発する光の色を変更する速度を変えてもよい。
【0076】
(D)
先の実施形態に係る炊飯器100では言及しなかったが、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100における各工程の進捗度合いに応じて、情報表示パネルDIのバックライトが発する光の輝度を変更する速度を変えてもよい。
【0077】
(E)
先の実施形態に係る炊飯器100では言及しなかったが、マイクロコンピュータMCは、炊飯器100におけるいずれかの工程を実行している途中において、LED147が発する光の輝度を変更する速度、または、LED147が発する光の輝度の範囲を変更してもよい。例えば、
図7に示される吸水工程では、マイクロコンピュータMCは、LED147が発する光の輝度を0以上15以下の範囲内とし、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値15まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで3秒かけて到達するように周期的に変更していた。しかし、マイクロコンピュータMCは、吸水工程における10周期目以降については、LED147が発する光の輝度を0以上10以下の範囲内とし、LED147が発する光の輝度を、最小値0から直線的に増加させて最大値10まで到達した後に直線的に減少させて最小値0まで1秒かけて到達するように周期的に変更してもよい。
【0078】
(F)
先の実施形態では本発明が炊飯器100に適用されたが、本発明は、炊飯器以外の加熱機能を有する調理器(例えば、保温ジャー、グリル鍋、電子レンジ、オーブントースターなど)に適用されてもよい。
【0079】
なお、上記変形例は各例単独で適用されてもよいし、複数の例が組み合わされて適用さ
【符号の説明】
【0080】
100 炊飯器(調理器)
113 誘導加熱コイル(加熱部)
147 LED(報知部)
AL スピーカー(報知部)
CH 蓋ヒータ(加熱部)
MC マイクロコンピュータ(制御部)
HT 保温ヒータ(加熱部)