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  • -撮影画像表示システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163677
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】撮影画像表示システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241115BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/63 310
H04N7/18 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079498
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】横山 亜紗実
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054EA05
5C054EA07
5C054FE16
5C054FE18
5C054GB02
5C054GB05
5C054HA14
5C122EA55
5C122EA69
5C122FK28
5C122FK35
5C122FK37
5C122FK39
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA75
5C122HA86
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】アトラクション体験中の顧客を撮影した撮影画像を、アトラクションを終えた顧客にタイミング良く提示する。
【解決手段】撮影画像表示システムは、撮影装置1が撮影した撮影画像を受信する画像受信部31と、通常モードと混雑モードの各々について、前記撮影装置による撮影から、前記撮影画像を表示部に表示するまでの待ち時間を規定した設定情報を格納する記憶部30と、前記通常モード又は前記混雑モードの設定を受け付ける設定受付部32と、前記設定情報を参照し、前記設定受付部が設定を受け付けたモードに対応する待ち時間の経過後に前記撮影画像を表示部4に表示させる表示処理部33と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影装置が撮影した撮影画像を受信する画像受信部と、
通常モードと混雑モードの各々について、前記撮影装置による撮影から、前記撮影画像を表示部に表示するまでの待ち時間を規定した設定情報を格納する記憶部と、
前記通常モード又は前記混雑モードの設定を受け付ける設定受付部と、
前記設定情報を参照し、前記設定受付部が設定を受け付けたモードに対応する待ち時間の経過後に前記撮影画像を表示部に表示させる表示処理部と、
を備える撮影画像表示システム。
【請求項2】
前記混雑モードの前記待ち時間は、前記通常モードの前記待ち時間より長い、請求項1に記載の撮影画像表示システム。
【請求項3】
前記画像受信部は複数の撮影画像を受信し、
前記設定情報には、前記通常モードと前記混雑モードの各々について、前記表示部における複数の撮影画像の表示レイアウトが規定されており、
前記表示処理部は、前記設定受付部が設定を受け付けたモードに対応する表示レイアウトに基づいて、複数の撮影画像を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の撮影画像表示システム。
【請求項4】
前記混雑モードの前記表示レイアウトは、前記通常モードの前記表示レイアウトより表示する撮影画像の数が多い、請求項3に記載の撮影画像表示システム。
【請求項5】
前記表示部が設置された通路の通行人数をカウントするセンサと、
一定時間内の前記通行人数が所定値以上となった場合に、前記通常モードから前記混雑モードへの切り替えを促すアラートを報知する報知部と、
をさらに備える、請求項1に記載の撮影画像表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影画像表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テーマパーク等では、顧客(入園客)を撮影し、プリントした写真をオリジナルの台紙に貼り付けて、顧客に販売するサービスが行われている。また、アトラクションにカメラを設置し、アトラクション体験中の瞬間を自動撮影するサービスが提供されている。例えば、ジェットコースターの落ちる瞬間など、盛り上がる瞬間を自動撮影するライドフォトが知られている。
【0003】
ジェットコースターから降車した顧客は、所定のルートを通ってアトラクション出口へ向かう。このルート上にディスプレイが設置され、自動撮影した画像及び画像番号が表示される。顧客は、自分が写った画像を確認し、気に入った場合は、隣接するカウンターで店員に画像番号を伝え、プリントした写真を購入する。従来のライドフォトでは、盛り上がる瞬間を自動撮影した後、一定時間経過後に撮影画像をディスプレイに表示していた。
【0004】
テーマパークでは、アトラクション待ちの人数が多い場合に、ライド走行間隔を短縮することがある。この場合、降車場所からアトラクション出口までのルートが混雑し、ディスプレイ設置場所に到達するまでに時間がかかる。従来のように、自動撮影してから一定時間経過後に撮影画像をディスプレイに表示する運用では、顧客に撮影画像をタイミング良く提示できないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004-228637号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、撮影画像をタイミング良く顧客に提示できる撮影画像表示システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の撮影画像表示システムは、撮影装置が撮影した撮影画像を受信する画像受信部と、通常モードと混雑モードの各々について、前記撮影装置による撮影から、前記撮影画像を表示部に表示するまでの待ち時間を規定した設定情報を格納する記憶部と、前記通常モード又は前記混雑モードの設定を受け付ける設定受付部と、前記設定情報を参照し、前記設定受付部が設定を受け付けたモードに対応する待ち時間の経過後に前記撮影画像を表示部に表示させる表示処理部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、アトラクション体験中の顧客を撮影した撮影画像を、アトラクションを終えた顧客にタイミング良く提示できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る撮影画像表示システムの概略構成図である。
図2図2aは通常時の移動ルートを示す図であり、図2bは混雑時の移動ルートを示す図である。
図3】管理サーバの機能ブロック図である。
図4図4aは通常時の表示レイアウトを示す図であり、図4bは混雑時の表示レイアウトを示す図である。
図5】レイアウト設定情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る撮影画像表示システムの概略構成図である。図1に示すように、撮影画像表示システムは、撮影装置1、転送装置2、管理サーバ3、表示部4、販売制御装置5、及びプリンタ6を備える。撮影画像表示システムは、アトラクションを楽しんでいる顧客Cを撮影装置1で撮影し、撮影画像を表示部4に表示し、顧客Cが撮影画像を購入できるようにするものである。表示部4は、例えば液晶ディスプレイである。
【0012】
例えば、顧客Cが乗車したジェットコースター等の乗り物(ライドR)の接近をセンサ(図示略)で検知し、検知信号に基づいて、撮影装置1が自動撮影し、撮影画像を生成する。撮影装置1は、例えばデジタルカメラである。撮影装置1が動画を撮影し、センサ検知をトリガーにして静止画をキャプチャしてもよい。
【0013】
転送装置2は、撮影装置1から撮影画像を取得し、取得した撮影画像を管理サーバ3へ転送する。転送装置2は、撮影装置1から取得した撮影画像に識別番号を付与してもよい。管理サーバ3は、転送装置2から撮影画像を受信すると、所定時間経過後に、撮影画像を識別番号と共に表示部4に表示する。また、管理サーバ3は、撮影画像を販売制御装置5へ送信する。
【0014】
アトラクションでは、撮影装置1が、ライドRの通過毎に自動撮影を行うため、撮影画像が次々に生成される。表示部4に表示可能な撮影画像の数には上限があり、表示される撮影画像は随時更新される。すなわち、各撮影画像は、表示部4に一定時間表示されると、新しい撮影画像に置き換わる。
【0015】
アトラクションを楽しんだ顧客Cは、ライドRから降車し、アトラクション出口へ向かって通路10を進む。通路10の途中に表示部4を含むフォトカウンタが設けられており、顧客Cは、表示部4に表示されている撮影画像を確認する。
【0016】
撮影画像が気に入った顧客Cは、店員Tに撮影画像の識別番号を伝える。店員Tは、販売制御装置5を操作し、顧客Cから伝えられた識別番号の撮影画像をプリンタ6からプリント出力させる。店員Tは、顧客Cから料金の支払いを受け付けると、プリント物をオリジナルの台紙に差し込んで、顧客Cに提供する。
【0017】
アトラクションでは、土日祝や平日昼間などの待ち人数が多い混雑時に、平日午前や夜間などの待ち人数が多くない通常時よりもライド走行間隔を短縮している。ライド走行間隔を短縮すると、通路10を歩く顧客Cが増加し、顧客Cの移動速度が遅くなるため、ライドRを降車してからフォトカウンタに到達するまでに要する時間が長くなる。
【0018】
また、図2a、図2bに示すように、通常時と混雑時とでライドRを降車してから出口へ向かうルートを変えて、ライド走行間隔を短縮した混雑時の移動ルートを長くすることで、フォトカウンタ前の混雑を緩和させる手法を採ることもある。この場合も、ライドRを降車してからフォトカウンタに到達するまでに要する時間が長くなる。
【0019】
撮影装置1が自動撮影してから撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間を単一の設定時間にした場合、ライドRを降車してからフォトカウンタに到達するまでに要する時間が長くなる混雑時において、顧客Cが表示部4に到達したときには、自身が写った撮影画像の表示が終了してしまっているおそれがある。
【0020】
そこで、本実施形態では、通常時と、ライド走行間隔を短縮した混雑時とで、撮影装置1が自動撮影してから撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間の設定を変更可能にする。これにより、通常時及び混雑時の両方で、顧客Cの到達に合わせて撮影画像をタイミング良く表示部4に表示することが可能となる。
【0021】
次に、管理サーバ3の構成について説明する。管理サーバ3は、通信部、記憶部、CPU等を備えたコンピュータであり、CPUが撮影表示プログラムを実行することで、図3に示すように、画像受信部31、設定受付部32、表示処理部33及び画像送信部34の機能が実現される。
【0022】
画像受信部31は、有線又は無線ネットワークを介して、転送装置2から撮影画像及び識別番号を受信する。撮影画像及び識別番号は記憶部30に格納される。
【0023】
記憶部30には、通常時と混雑時の各々に対応する、撮影装置1が自動撮影してから(又は画像受信部31が撮影画像を受信してから)、撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間の設定情報が格納されている。例えば、待ち時間として、通常モードは3分、混雑モードは5分が設定されている。
【0024】
設定受付部32は、撮影装置1が自動撮影してから撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間を通常モードにするか、又は混雑モードにするかの設定を受け付ける。設定モードは、アトラクションのスタッフが切り替えることができる。例えば、スタッフは、土日祝など、ライド走行間隔を短縮する日に管理サーバ3を操作し、待ち時間を混雑モードに設定する。待ち時間の数値を入力するのではなく、通常モードか、又は混雑モードかを選択するだけなので、設定が容易である。
【0025】
表示処理部33は、記憶部30に格納されている各撮影画像を、撮影装置1が自動撮影してから、設定情報に規定された待ち時間の経過後に、表示部4に表示する。例えば、混雑モードが設定されている場合、撮影画像の撮影時刻を基準に、混雑モードに対応する待ち時間の経過後に、撮影画像を表示部4に表示する。このとき、表示部4に表示中の画像のうち、最も撮影時刻が古い画像と置き換えて、表示画面を更新する。撮影画像の撮影時刻は、撮影画像のEXIF情報に登録されている。あるいはまた、撮影装置1又は転送装置2が撮影時刻を撮影画像のファイル名に付与するようにし、その撮影時刻を基準に判断してもよい。
【0026】
画像送信部34は、記憶部30に格納されている撮影画像及び識別番号を販売制御装置5へ送信する。画像受信部31が撮影画像を受信してすぐに販売制御装置5へ撮影画像を送信してもよいし、表示部4への表示に伴い販売制御装置5へ撮影画像を送信してもよい。
【0027】
このように、本実施形態では、顧客CがライドRを降車してからフォトカウンタに到達するまでの時間を考慮して、撮影装置1が自動撮影してから撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間を切り替えることができるため、アトラクション体験中の顧客Cを撮影した撮影画像を、アトラクションを終えた顧客Cにタイミング良く提示できる。
【0028】
ライド走行間隔を短縮した混雑時は、通常時よりも、撮影装置1による撮影間隔が短くなり、一定時間内に撮影される画像数が多くなる。表示部4に表示する撮影画像の数を一定とすると、混雑時は通常時よりも撮影画像1枚当たりの表示時間が短くなり、顧客Cは撮影画像を十分に確認できなくなるおそれがある。
【0029】
そのため、図4a、図4bに示すように、混雑時は通常時よりも表示部4に表示する撮影画像の数(上限値)を多くし、撮影画像1枚当たりの表示時間が短くならないようにすることが好ましい。
【0030】
表示部4に表示する撮影画像の数を増やすと、撮影画像の表示サイズが小さくなる。そのため、撮影画像の拡大及びトリミングを行い、人物領域が視認しやすくなるように加工して、表示部4に表示してもよい。
【0031】
この場合、管理サーバ3の記憶部30には、図5に示すような表示レイアウトに関する設定情報が格納される。
【0032】
縦分割数、横分割数は、表示部4に縦方向に並べる画像数、横方向に並べる画像数を示す。
【0033】
撮影画像オフセットx、yは、トリミング位置の調整値を示す。
【0034】
更新マーク位置x、yは、表示部4に新たに表示された撮影画像であることを示す更新マークを、撮影画像のどこに付けるかを示す。更新マークは、例えば「NEW」などの文字である。
【0035】
アトラクションのスタッフは、土日祝など、ライド走行間隔を短縮する日に管理サーバ3を操作し、待ち時間及び表示レイアウトを混雑モードに設定する。表示処理部33は、混雑モードに対応するレイアウト設定情報の拡縮率、回転角度、オフセット等の情報に基づいて、撮影画像の拡大及びトリミングを含む加工を行い、加工した撮影画像を表示部4に表示する。撮影画像の画像解析を行って人物を抽出し、抽出した人物が含まれる領域を切り抜き、所定サイズとなるように拡大してもよい。
【0036】
上記実施形態において、表示部4を構成するディスプレイの台数は1台でもよいし、複数台でもよい。
【0037】
通路10に人感センサを設置して通行人数をカウントしてもよい。管理サーバ3は、一定時間内の通行人数が所定値以上となった場合にアラートを出力し、スタッフに待ち時間の設定モードの切り替えを促すようにしてもよい。アラート報知部は、ディスプレイでもよいし、スピーカでもよい。あるいはまた、一定時間内の通行人数に応じて、管理サーバ3(設定受付部32)が通常モードと混雑モードとを自動で切り替えてもよい。
【0038】
通路10に設置した監視カメラの映像から、人物を検出し、通行人数をカウントしてもよい。
【0039】
管理サーバ3に、通常モード/混雑モードの切り替え日時の予約設定ができるようにしてもよい。
【0040】
表示部4に表示する撮影画像は、撮影時刻の新しいものほど、表示サイズを大きくしてもよい。すなわち、表示部4に表示している撮影画像の表示サイズを、時間経過に伴い徐々に小さくしてもよい。撮影時刻の古い撮影画像は、画像に写っている顧客が既に確認を終えている可能性が高いためである。
【0041】
撮影画像は、プリント物による販売に限定されず、画像データの販売でもよい。例えば、表示部4に撮影画像と共に、この撮影画像を購入するウェブサイトのURLを示す二次元コードを表示する。顧客は、自身のスマートフォンで二次元コードを撮影してURLを取得し、画像販売サイトにアクセスして、画像データを購入・ダウンロードする。
【0042】
上記実施形態では、管理サーバ3が撮影画像の保管、モード切り替え、表示部4での撮影画像の表示処理を行う構成について説明したが、モード切り替え及び表示部4での撮影画像の表示処理を、管理サーバ3とは別のコンピュータで行ってもよい。
【0043】
上記実施形態では、撮影装置1が自動撮影してから撮影画像を表示部4に表示するまでの待ち時間の設定を通常モードと混雑モードの2つのモードとする例について説明したが、設定できるモードの数は3つ以上であってもよい。
【0044】
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
【符号の説明】
【0045】
1 撮影装置
2 転送装置
3 管理サーバ
4 表示部
5 販売制御装置
6 プリンタ
図1
図2
図3
図4
図5