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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163711
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】タッチ入力装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
G06F3/041 500
G06F3/041 522
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079555
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】冨浪 数正
(57)【要約】
【課題】故障検知用のセンサを新たに設けることなく、ユーザーのタッチ操作の有無を検出して操作パネルの故障を適切に判定することが可能なタッチ入力装置を提供する。
【解決手段】ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出するカメラと、前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、前記タッチパネル、前記カメラおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記カメラが前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とするタッチ入力装置。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出するカメラと、
前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、
前記タッチパネル、前記カメラおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記カメラが前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、
前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とするタッチ入力装置。
【請求項2】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定した場合、予め定められたキャリブレーションを実施するため前記タッチパネルに手を触れないよう警告メッセージを前記表示部に表示させた後、前記タッチパネルのキャリブレーションを実施する請求項1に記載のタッチ入力装置。
【請求項3】
ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
予め定められた範囲内に前記ユーザーを検出する人感センサと、
前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、
前記タッチパネル、前記人感センサおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記人感センサが前記範囲内にユーザーを検出した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、
前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とするタッチ入力装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のタッチ入力装置と、
前記タッチ入力装置から入力された画像形成指令に基づき、画像データを処理して画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置。
【請求項5】
原稿を載置する原稿載置台と、
前記原稿を検知する原稿検知センサと、
前記原稿から画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、
ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、
前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、
前記原稿載置台、前記原稿検知センサ、前記画像データ取得部、前記画像形成部、前記タッチパネルおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記原稿検知センサが原稿を検知した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、
前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、タッチ入力装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタやスキャナなどの画像形成装置は、インターフェースとして、出力装置に液晶パネル、入力装置にタッチパネル方式を採用したものが多く用いられている。
【0003】
タッチパネルは、物理キーのように押し込む動作を行う必要がなく、パネルに指を触れるだけで入力操作が検知されるため、利便性が高い。
また、入力インターフェースをタッチパネル方式とすることで、物理キー等の物理的な機構によって制限されることがなく、出力装置の表示画像に合わせて入力エリアを設定できるため、自由度の高い入力インターフェースを構築できる。
【0004】
例えば、ユーザーが指をパネルの表面に近づけると、指を近づけた部分の電極に静電容量の変化が生じ、静電容量の変化に起因する電流量の比率を測定することで、タッチ位置を検出することができる静電容量方式のタッチパネルが用いられている。
【0005】
このような静電容量方式のタッチパネルは、環境ノイズの影響を受けてタッチ入力を受け付けなくなることがある。このような場合、タッチパネルの入力を検出できない事態が生じているにもかかわらず、ユーザーが気づかずにタッチし続けてしまうことがある。
【0006】
ユーザーがタッチパネルに対してタッチ操作を行っても、タッチ操作が検出されないという問題に対して、従来、タッチパネルに対する接触体の接触位置、タッチパネルに対する接触体の接触サイズおよびタッチパネルに対する接触体の接触圧力を検知し、接触位置、接触サイズおよび接触圧力に基づき、タッチパネルのキャリブレーションが必要か否かを判断し、キャリブレーションが必要と判断した場合にキャリブレーションを行う表示入力装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2020‐194256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、タッチパネルに対する接触体の接触圧力を検知するには、圧力センサが別途必要である。そこで、圧力センサを備えていないタッチパネルに対しても、タッチ操作の有無を検出してキャリブレーションを実施することが可能なタッチ入力装置が求められていた。
【0009】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、ユーザーのタッチ操作の有無を適切に検出してタッチパネルの故障を判定することが可能なタッチ入力装置および画像形成装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示は、ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出するカメラと、前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、前記タッチパネル、前記カメラおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記カメラが前記タッチパネルへのユーザーのタッチ操作を検出した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とするタッチ入力装置を提供するものである。
【0011】
また、この開示は、ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、予め定められた範囲内に前記ユーザーを検出する人感センサと、前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、前記タッチパネル、前記人感センサおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記人感センサが前記範囲内にユーザーを検出した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とするタッチ入力装置を提供するものである。
【0012】
また、この開示は、原稿を載置する原稿載置台と、前記原稿を検知する原稿検知センサと、前記原稿から画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データに基づく画像を形成する画像形成部と、ユーザーのタッチ操作を受け付けるタッチパネルと、前記タッチ操作による入力信号を検出するタッチ入力検出部と、前記原稿載置台、前記原稿検知センサ、前記画像データ取得部、前記画像形成部、前記タッチパネルおよび前記タッチ入力検出部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記原稿センサが原稿を検知した場合、前記タッチ入力検出部に前記タッチ操作による入力信号を検出させ、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出した場合は、前記タッチパネルが正常であると判定し、一方、前記タッチ入力検出部が前記入力信号を検出していない場合は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定することを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
【発明の効果】
【0013】
この開示によれば、故障検知用のセンサを新たに設けることなく、ユーザーのタッチ操作の有無を検出して操作パネルの故障を適切に判定することが可能なタッチ入力装置および画像形成装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この開示のタッチ入力装置を備えたデジタル複合機の外観を示す説明図である。
図2図1に示すデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図3図1に示すデジタル複合機の操作パネルの故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
図4図1に示すデジタル複合機の操作パネルにおけるユーザーのタッチ操作のカメラによる検出の一例を示す説明図である。
図5図1に示すデジタル複合機の操作パネルにおけるユーザーのタッチ操作の一例を示す説明図である。
図6】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の外観を示す説明図である。
図7】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図8】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機の操作パネルの故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
図9図1に示すデジタル複合機のユーザーの人感センサによる検出の一例を示す説明図である。
図10】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
図11】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機の操作パネルの故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この開示において、「タッチ入力装置」は、タッチパネルを備え、ユーザーの指先やペン等で画面上をタッチし、画面上の位置を指定することによって操作する入力装置である。
【0016】
「画像形成装置」は、トナーによる像形成に電子写真方式を用いるプリンタなどの複写(コピー機能)機能を有する複写機や複合機、または複写以外の機能をも含むMFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)など、画像を形成して出力する装置である。
【0017】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0018】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記タッチパネルが故障した可能性があると判定した場合、予め定められたキャリブレーションを実施するため前記タッチパネルに手を触れないよう警告メッセージを前記表示部に表示させた後、前記タッチパネルのキャリブレーションを実施するものであってもよい。
【0019】
「キャリブレーション」は、タッチパネルで検出されたタッチ位置の補正である。
【0020】
このようにすれば、故障検知用のセンサを新たに設けることなく、ユーザーのタッチ操作の有無を検出して操作パネルの故障が判定された場合に適切にキャリブレーションを実施することが可能なタッチ入力装置を実現できる。
【0021】
前記タッチ入力装置から入力された画像形成指令に基づき、画像データを処理して画像を形成する画像形成部とを備えた画像形成装置であってもよい。
【0022】
このようにすれば、故障検知用のセンサを新たに設けることなく、ユーザーのタッチ操作の有無を検出して操作パネルの故障を適切に判定することが可能なタッチ入力装置を備えた画像形成装置が実現される。
【0023】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0024】
〔実施形態1〕
図1および図2に基づき、この開示のタッチ入力装置の一実施形態である操作パネル17を備えたデジタル複合機1について説明する。
図1は、この開示の操作パネル17を備えたデジタル複合機1の外観を示す説明図である。
【0025】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、複写機能やスキャナ機能、ファクシミリ機能を有する複合機やMFPなどの装置である。
【0026】
なお、この開示のタッチ入力装置は、デジタル複合機1に搭載されたものに限定されるものではなく、例えば、スマートフォンやタブレット等の携帯端末、パーソナルコンピュータ、乗車券や食券等を販売する自動券売機、病院や銀行等の精算機、セルフのガソリンスタンド、キャッシュレジスタなどのタッチ入力装置を用いたすべての機器に適用可能である。
【0027】
図1に示すように、デジタル複合機1は、操作パネル17およびカメラ19を備える。
【0028】
<デジタル複合機1の概略構成>
図2は、図1に示すデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、計時部16、操作パネル17、タッチ入力検出部18およびカメラ19を備える。
【0029】
以下、デジタル複合機1の各構成要素を説明する。
【0030】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御するものであって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0031】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0032】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
【0033】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0034】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0035】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0036】
画像処理部14は、画像データ取得部11によって取得された画像データを適正な電気信号に変換して画像データを生成し、操作部172からの指令に従い、拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0037】
通信部15は、有線または無線のネットワークを介して、外部の機器と通信を行い、これらの外部の機器とデータを送受信する部分である。
【0038】
計時部16は、時間を計測する部分であり、例えば、内蔵時計やネットワークを通じて時刻を取得する。
操作部172は、計時部16が取得した時間を参照して、タッチ操作等の時間を検知する。
【0039】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0040】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0041】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0042】
タッチ入力検出部18は、操作部172の入力信号に基づき、ユーザーのタッチ入力を検出する部分である。
【0043】
カメラ19は、操作パネル17を含む予め定められた撮影範囲内のユーザーの動きを撮影して画像データを取得する。
【0044】
なお、カメラ19は、デジタル複合機1に設けられたカメラに限られず、室内の防犯用のカメラなど、デジタル複合機1の外部に設けられたカメラであってもよい。
【0045】
<デジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法>
次に、図3図5に基づき、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法について説明する。
【0046】
図3は、図1に示すデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
【0047】
図3のステップS1において、デジタル複合機1の制御部10は、ユーザーの操作パネル17のタッチ操作をカメラ19で検出する(ステップS1)。
【0048】
図4は、図1に示すデジタル複合機1の操作パネル17におけるユーザーのタッチ操作のカメラ19による検出の一例を示す説明図である。
【0049】
図4に示すように、カメラ19は、操作パネル17の画面を含むように撮影範囲191が設定され、ユーザーの手が予め定められた時間(例えば1秒以上)、操作パネル17上にあるか否かを検出する。
【0050】
なお、図14の例では、操作パネル17の画面のみが撮影範囲191に含まれるが、ユーザーの顔などの他の対象も撮影範囲191に含むようにしてもよい。
また、操作パネル17の画面全体でなく、操作ボタンを含む一部の画面のみが撮影範囲191に含まれるようにしてもよい。
【0051】
次に、図3のステップS2において、制御部10は、タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出したか否かを判定する(ステップS2)。
【0052】
図5は、図1に示すデジタル複合機1の操作パネル17におけるユーザーのタッチ操作の一例を示す説明図である。
【0053】
図5に示すように、タッチ入力検出部18は、指がタッチされた位置の静電容量の変化から入力信号の有無を検出する。
【0054】
図3のステップS2において、タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出した場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部10は、操作パネル17が正常であるものと判断して、ステップS1に処理を戻す。
【0055】
一方、タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出していない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部10は、操作パネル17が故障した可能性があるものと判断して、予め定められたキャリブレーションを実施する。
【0056】
この場合、ステップS3において、制御部10は、キャリブレーションを実施するため、操作パネル17に手を触れない旨のメッセージを表示部171に表示させる(ステップS3)。
【0057】
続くステップS4において、制御部10は、操作パネル17にユーザーの手が触れているか否かを、カメラ19を通じて取得した画像データによって判定する(ステップS4)。
【0058】
操作パネル17にユーザーの手が触れている場合(ステップS4の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS3に処理を戻す。
【0059】
一方、操作パネル17にユーザーの手が触れていない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、ステップS5において、制御部10は、操作パネル17のキャリブレーションを実施する(ステップS5)。
【0060】
キャリブレーションの完了後、ステップS6において、制御部10は、ユーザーの操作パネル17のタッチ操作をカメラ19で検出する(ステップS6)。
【0061】
次に、ステップS7において、制御部10は、タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出したか否かを判定する(ステップS7)。
【0062】
タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出した場合(ステップS7の判定がYesの場合)、制御部10は、操作パネル17が正常になったものと判断して処理を終了する。
【0063】
一方、タッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出していない場合(ステップS7の判定がNoの場合)、ステップS8において、制御部10は、操作パネル17が故障した可能性がある旨を表示部171に表示した後(ステップS8)、処理を終了する。
【0064】
(変形例)
実施形態1の変形例として、キャリブレーションを予め定められた回数分実施してもタッチ入力検出部18がユーザーのタッチ操作による入力信号を検出できない場合に、制御部10は、操作パネル17が故障した可能性がある旨を判定するようにしてもよい。
【0065】
このようにして、カメラ19の検出結果と操作部172のタッチ入力信号の有無に基づき、ユーザーのタッチ操作に異常がないかを適切に検出することにより、タッチパネルの故障を判定することが可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0066】
〔実施形態2〕
次に、図6図9に基づき、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法について説明する。
【0067】
実施形態1では、カメラ19によって、操作パネル17上のユーザーのタッチ操作の有無を検出する点に特徴があった。
一方、実施形態2では、人感センサ20によって、操作パネル17を操作するユーザーの有無を検出する点に特徴がある。
【0068】
図6は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の外観を示す説明図である。
実施形態1(図1)と異なる点は、カメラ19を備える代わりに、所定の検知範囲201内にいるユーザーの有無を検知する人感センサ20を備えている点である。
【0069】
なお、人感センサ20は、デジタル複合機1に設けられた人感センサに限られず、室内の防犯用のカメラなど、デジタル複合機1の外部に設けられた人感センサであってもよい。
【0070】
図7は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0071】
図7に示すように、デジタル複合機1は、カメラ19の代わりに人感センサ20を備える。
人感センサ20は、予め定められた検知範囲内にある人体を検知するセンサである。
【0072】
なお、その他の構成要素は、実施形態1(図2)と同じであるため、説明を省略する。
【0073】
<この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法>
次に、図8および図9に基づき、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法について説明する。
【0074】
図8は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
【0075】
図8のステップS11において、制御部10は、予め定められた時間(例えば20~30秒以上)継続してユーザーを人感センサで検出したか否かを判定する(ステップS11)。
【0076】
図9は、図1に示すデジタル複合機1のユーザーの人感センサ20による検出の一例を示す説明図である。
【0077】
図9に示すように、人感センサ20は、検知範囲201内にいるユーザーを検知する。
【0078】
図8のステップS11において、予め定められた時間継続してユーザーを人感センサで検出した場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、操作部172に入力信号があるか否かを判定する(ステップS12)。
【0079】
操作部172に入力信号がある場合(ステップS12の判定がYesの場合)、制御部10は、操作パネル17が正常であるものと判断して、処理を終了する。
【0080】
一方、操作パネル17に入力信号がない場合(ステップS12の判定がNoの場合)、制御部10は、操作パネル17が故障した可能性があるものと判断して、キャリブレーションを実施する。
【0081】
この場合、ステップS13において、制御部10は、キャリブレーションを実施するため、操作パネル17に手を触れない旨のメッセージを表示部171に表示させる(ステップS13)。
【0082】
次に、ステップS14において、制御部10は、操作パネル17のキャリブレーションを実施し(ステップS14)、キャリブレーションの完了後、処理を終了する。
【0083】
このようにして、人感センサ20の検出結果と操作部172のタッチ入力信号の有無に基づき、ユーザーのタッチ操作に異常がないかを適切に検出することにより、タッチパネルの故障を判定することが可能なデジタル複合機1を実現することが可能となる。
【0084】
〔実施形態3〕
次に、図10および図11に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法について説明する。
【0085】
実施形態3では、デジタル複合機1が備えた原稿検知センサ21によって、操作パネル17を操作するユーザーの有無を検出する点に特徴がある。
【0086】
図10は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0087】
図10に示すように、デジタル複合機1は、カメラ19の代わりに原稿検知センサ21を備える。
原稿検知センサ21は、デジタル複合機1の載置台に設置された原稿の有無を検知するセンサである。
【0088】
なお、その他の構成要素は、実施形態1(図2)と同じであるため、説明を省略する。
【0089】
<この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法>
次に、図11に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出およびキャリブレーションの実施方法について説明する。
【0090】
図11は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1の操作パネル17の故障検出とその対応の流れを示すフローチャートである。
【0091】
図11のステップS21において、制御部10は、原稿検知センサ21で原稿を検知したか否かを判定する(ステップS21)。
【0092】
原稿検知センサ21で原稿を検知した場合(ステップS21の判定がYesの場合)、ステップS22において、制御部10は、操作部172に入力信号があるか否かを判定する(ステップS22)。
【0093】
操作部172に入力信号がある場合(ステップS22の判定がYesの場合)、制御部10は、操作パネル17が正常であるものと判断して、処理を終了する。
【0094】
一方、操作パネル17に入力信号がない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、制御部10は、操作パネル17が故障した可能性があるものと判断して、キャリブレーションを実施する。
【0095】
この場合、ステップS23において、制御部10は、キャリブレーションを実施するため、操作パネル17に手を触れない旨のメッセージを表示部171に表示させる(ステップS23)。
【0096】
次に、ステップS24において、制御部10は、操作パネル17のキャリブレーションを実施し(ステップS24)、キャリブレーションの完了後、処理を終了する。
【0097】
このようにして、原稿検知センサ21の検出結果と操作部172のタッチ入力信号の有無に基づき、ユーザーのタッチ操作に異常がないかを適切に検出することにより、タッチパネルの故障を判定することが可能なデジタル複合機1を実現することが可能となる。
【0098】
(変形例)
実施形態3の変形例として、原稿検知センサ21の代わりに、原稿台の開閉動作を検知するセンサや物理的な操作キーの操作等を検知した場合にユーザーのタッチ操作の有無を検出するようにしてもよい。
【0099】
また、カメラ19、人感センサ20、原稿検知センサ21、原稿台の開閉検知センサ、物理的な操作キー等の任意の組み合わせと、ユーザーのタッチ操作の有無に基づいて操作パネル17の故障の有無を検出するようにしてもよい。
【0100】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0101】
1:デジタル複合機、 10:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:計時部、 17:操作パネル、 18:タッチ入力検出部、 19:カメラ、 20:人感センサ、 21:原稿検知センサ、 171:表示部、 172:操作部、 191:撮影範囲、 201:検知範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11