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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163737
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】表示器、及び、車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20241115BHJP
   B60K 35/23 20240101ALI20241115BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
H04N5/64 541J
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079590
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】三好 勇気
(72)【発明者】
【氏名】勝亦 康裕
(72)【発明者】
【氏名】山中 晶
(72)【発明者】
【氏名】佐野 裕史
(72)【発明者】
【氏名】菅沼 哲哉
(72)【発明者】
【氏名】小林 裕
(72)【発明者】
【氏名】椿原 直登
【テーマコード(参考)】
2H199
3D344
【Fターム(参考)】
2H199DA03
2H199DA13
2H199DA15
2H199DA48
3D344AA03
3D344AA27
3D344AB01
3D344AC25
(57)【要約】
【課題】簡素な構造で表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減可能な表示器、及び、車両用表示装置を提供すること。
【解決手段】車両用表示装置1に搭載されて、車両用表示装置1の外部に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光Lとして出射する表示器5であって、光源からの光に基づいて表示画像を表示する表示パネル11と、表示パネル11を支持するケース10と、表示器に蓄積した熱を放熱する放熱部材18と、を備えて、ケース10を構成するシールドケース12と放熱部材18とが接続される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用表示装置に搭載されて、前記車両用表示装置の外部に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器であって、
光源からの光に基づいて前記表示画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルを支持するケースと、
当該表示器に蓄積した熱を放熱する放熱部材と、を備えて、
前記ケースを構成するシールドケースと前記放熱部材とが接続される、
表示器。
【請求項2】
請求項1に記載の表示器であって、
当該表示器と当該表示器を制御する前記車両用表示装置の制御部との接続を中継するとともに、前記シールドケースと前記放熱部材との接続を中継する中継部材を更に備える、
表示器。
【請求項3】
請求項2に記載の表示器であって、
前記中継部材と前記放熱部材とは、接続部材を介して接続される、
表示器。
【請求項4】
請求項2に記載の表示器であって、
前記中継部材と前記放熱部材とは、接触して接続される、
表示器。
【請求項5】
車両のインストルメントパネルに設けられる車両用表示装置であって、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の表示器と、
前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路上に少なくとも1つ配置され、前記表示光を反射する反射ミラーと、
前記表示器を制御する制御部と、を備える、
車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示器、及び、車両用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車等の車両には、ヘッドアップディスプレイ(HUD:Head Up Display)等の車両用表示装置を搭載するものがある。従来の車両用表示装置は、例えば、表示器(バックライトユニット)に表示される表示画像を、反射ミラー等の光学系を介してウインドシールドやコンバイナ等に投影することで、ドライバに虚像として視認させるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-160754号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の車両用表示装置において、バックライトユニットは、外部からのノイズによって、当該バックライトユニットの表示パネルで表示画像が乱れるおそれがあった。ノイズ対策として、例えば、バックライトユニットの筐体(シールドケース等)と、車両用表示装置におけるバックライトユニットを制御する制御部と、を接続することで、上記筐体(シールドケース等)から制御部にノイズを流す、という方法がある。しかしながら、上記方法では、バックライトユニットの構造が複雑化したり、車両用表示装置の設計自由度が低下したりする等の懸念があった。
【0005】
本発明は、上述した状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、簡素な構造で表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減可能な表示器、及び、車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述した目的を達成するために、本発明に係る表示器は、下記を特徴としている。
【0007】
車両用表示装置に搭載されて、前記車両用表示装置の外部に設けられた被投影部材に投影される表示画像を表示光として出射する表示器であって、
光源からの光に基づいて前記表示画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルを支持するケースと、
当該表示器に蓄積した熱を放熱する放熱部材と、を備えて、
前記ケースを構成するシールドケースと前記放熱部材とが接続される、
表示器であること。
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る車両用表示装置は、下記を特徴としている。
【0009】
車両のインストルメントパネルに設けられる車両用表示装置であって、
上記表示器と、
前記表示器から前記被投影部材までの前記表示光の光路上に少なくとも1つ配置され、前記表示光を反射する反射ミラーと、
前記表示器を制御する制御部と、を備える、
車両用表示装置であること。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、中継部材と放熱部材とが接続されることで、外部からのノイズがシールドケースから中継部材に、中継部材から放熱部材及び制御部に流れる。つまり、シールドケースから中継部材に流れたノイズが、制御部のみならず、放熱部材にも流れることで、表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減できる。また、本発明によれば、中継部材と放熱部材とを接続すればよく、表示パネルへの外部からのノイズの影響の低減を、簡素な構造で実現できる。
このように、本発明によれば、簡素な構造で表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減可能な表示器、及び、車両用表示装置を提供できる。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る車両用表示装置を搭載した車両の概略構成を示す模式図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る車両用表示装置の概略構成を示す模式図である。
図3図3は、本発明の第1実施形態に係るバックライトユニットにおける外観の概略構成を示す斜視図である。
図4図4は、図3に示すバックライトユニットにおけるノイズ対策の概略構成を示す模式図である。
図5図5は、図4の変形例を示す模式図である。
図6図6は、本発明の第2実施形態に係るバックライトユニットにおける外観の概略構成を示す斜視図である。
図7図7は、図6に示すバックライトユニットにおけるノイズ対策の概略構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<実施形態>
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る車両用表示装置1、及び、バックライトユニット5(本発明の「表示器」に対応)について説明する。
【0014】
<車両用表示装置1の概略構成>
以下、車両用表示装置1の概略構成について説明する。図1に示すように、車両用表示装置1は、例えば自動車等の車両100に搭載されるヘッドアップディスプレイ装置である。車両用表示装置1は、車両100において、インストルメントパネル102の内側に配置され、被投影部材であるウインドシールド103に表示画像を投影する。
【0015】
ウインドシールド103は、入射する光の一部を反射し、残りを透過させる半透過性を有することから、車両100の前景を透過させながら、車両用表示装置1から出射された表示光Lを表示画像としてドライバDのアイポイントEPに向けて反射する。ドライバDは、ウインドシールド103によって反射された表示画像を虚像Sとして認識する。虚像Sは、ドライバDに対してウインドシールド103よりも前方に認識される。
【0016】
本実施形態の車両用表示装置1は、図2に示すように、筐体2と、2つの反射ミラー3と、バックライトユニット5と、制御部7とを含んで構成される。
【0017】
筐体2は、例えば、合成樹脂等で成形され、車体(図示省略)に固定される。図2に示すように、筐体2は、内部空間2bに、バックライトユニット5、2つの反射ミラー3、及び制御部7を収容し、これらを支持している。筐体2は、外部と内部空間2bとを連通する開口2aを有する。
【0018】
開口2aは、筐体2において、ウインドシールド103に対向する位置に設けられ、透明のカバー部材6で閉塞されている。カバー部材6は、バックライトユニット5から出射し、2つの反射ミラー3を反射した表示光Lを透過する。カバー部材6を透過した表示光Lは、ウインドシールド103に向かう。
【0019】
2つの反射ミラー3は、図2に示すように、バックライトユニット5からウインドシールド103までの表示光Lの光路上に配置され、バックライトユニット5から出射された表示光Lをウインドシールド103に向けて反射する。2つの反射ミラー3は、平面ミラー8と、凹面ミラー9とで構成される。
【0020】
図2に示すように、2つの反射ミラー3は、バックライトユニット5からウインドシールド103までの表示光Lの光路上に配置され、バックライトユニット5から出射された表示光Lをウインドシールド103に向けて反射する。2つの反射ミラー3は、平面ミラー8と、凹面ミラー9とで構成される。
【0021】
平面ミラー8は、反射面が平面で形成され、バックライトユニット5と対向する位置に配置される。平面ミラー8は、バックライトユニット5から出射された表示光Lを反射面で凹面ミラー9に向けて全反射させる。
【0022】
凹面ミラー9は、反射面が凹状曲面で形成され、平面ミラー8と対向する位置に配置される。凹面ミラー9は、平面ミラー8で反射した表示光Lを、カバー部材6を介してウインドシールド103に向けて全反射させる。凹面ミラー9は、例えば、拡大ミラーとしての機能を有する。凹面ミラー9は、当該凹面ミラー9にて反射する前の表示光Lが表す表示画像と比較して当該凹面ミラー9にて反射した後の表示光Lが表す表示画像が相対的に大きくなるように当該表示画像を拡大して反射する。
【0023】
バックライトユニット5は、表示器の一例であり、車両100のドライバDに虚像Sとして視認させる表示画像を表示光Lとして出射するものである。バックライトユニット5についての具体的な説明は後述する。
【0024】
制御部7は、図2に示すように、任意の接続部材(本例では、ケーブルC)によってバックライトユニット5に接続され、バックライトユニット5を制御する。制御部7は、例えば、基板に実装されたICチップ等で構成され、車両100に搭載されたバッテリーから得られる電力により駆動する。
【0025】
<第1実施形態に係るバックライトユニット5の概略構成>
以下、本発明の第1実施形態に係るバックライトユニット5の概略構成について説明する。バックライトユニット5は、シールドケース12及びバックライトケース13を有するケース10と、ケース10に支持される表示パネル11と、少なくともシールドケース12に接続される中継部材17と、ケース10(本例では、バックライトケース13)に組み付けられる放熱部材18(図3参照)と、を含んで構成される。
【0026】
ケース10は、図3に示すように、例えば箱形状に成形され、光軸方向に沿って表示パネル11を支持している。本例では、ケース10は、上述したように、箱形状のバックライトケース13と、表示パネル11近傍にてバックライトケース13に組み付けられるシールドケース12と、を有しており、バックライトケース13は樹脂製であっても金属製であってもよい。また、本例では、ケース10は2つの部材から構成されるが、1つの部材から構成されてもよく、この場合のケース10とは、「シールドケース12」の機能を有するバックライトケース13である。また、バックライトケース13についても、1つ以上の部材から構成されてもよい。
【0027】
表示パネル11は、図3に示すように、矩形状に形成され、光源(図示省略)からの光に基づいて表示画像を表示する。具体的には、表示パネル11は、ウインドシールド103に投影される表示画像を、光源から入射する光により表示光Lとして出射する。表示パネル11は、いわゆる液晶パネルであり、例えば光透過型または光半透過型のTFT液晶(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)等から成る。
【0028】
表示パネル11は、複数の画素を含む表示エリア(図示量略)を有する。表示エリアにおいて、複数の画素は、マトリクス状に配列されている。表示パネル11は、例えば制御部7の制御信号に応じて数字や文字、図形等を含む表示画像を表示する。表示エリアは、表示画像が表示される領域である。表示パネル11は、光源から出射された光の光路上に配置され、光源側から照明されることで、光軸方向における光源と反対側の表示面が発光する。
【0029】
中継部材17は、例えば基板等であって、図3に示すように、例えばシールドケース12に接続されて、ケース10(本例では、バックライトケース13)の内部機器や表示パネル11にケーブルC1(図4参照)等によって接続される。つまり、中継部材17は、当該バックライトユニット5と制御部7との接続を中継する機能を有する。中継部材17には、ケーブルCの一端が接続され、当該ケーブルCの他端が制御部7に接続されることで、バックライトユニット5と制御部7とが接続される(図2及び図4参照)。なお、ケーブルC,C1は、公知のケーブルであってもよいし、FPC(Flexible printed circuits)であってもよく、特に限定されない。
【0030】
また、中継部材17は、ノイズ対策の観点から(これについては後述する。)、放熱部材18に接続されている。本例では、図3及び図4に示すように、中継部材17と放熱部材18とは、接続部材19によって接続されている。なお、接続部材19としては、リード線、ケーブル、バスバやFPC等を用いてもよく、特に限定されるものではない。
【0031】
放熱部材18は、例えばヒートシンク等であって、図3に示すように、例えばケース10(バックライトケース13)の外部に取り付けられて、中継部材17と接続されている。放熱部材18は、バックライトユニット5に蓄積される熱を外部に放出する機能を有する。
【0032】
<車両用表示装置1における虚像表示動作>
以下、車両用表示装置1における虚像表示動作について説明する。まず、バックライトユニット5(又は、後述するバックライトユニット5A)において、光源から出射した光は、公知のバックライトユニットと同様に表示パネル11に向けて出射される。表示パネル11は、表示エリアに表示された表示画像を、内部を透過した光により表示光Lとして出射する。
【0033】
バックライトユニット5(又は、後述するバックライトユニット5A)の表示パネル11から出射された表示光Lは、平面ミラー8に向かう。平面ミラー8は、バックライトユニット5から入射した表示光Lを凹面ミラー9に向けて反射する。凹面ミラー9は、平面ミラー8から入射する表示光Lを、凹状の反射面により、カバー部材6を介してウインドシールド103に向けて反射させる。これにより、ウインドシールド103に表示光Lに対応する表示画像が投影され、ドライバDのアイポイントEPの前方に虚像Sが表示される。
【0034】
<第1実施形態に係るバックライトユニット5のノイズ対策>
以下、バックライトユニット5のノイズ対策について説明する。一般に、バックライトユニット5は、外部からのノイズの影響によって表示パネル11の映像が乱れるおそれがある。このため、本例では、中継部材17と放熱部材18とを接続部材19によって接続している(図3及び図4参照)。これにより、図4に示すように、バックライトユニット5においては、外部からのノイズが、シールドケース12から中継部材17に流れ、そして、中継部材17から放熱部材18及び制御部7に流れる(図4の矢印参照)。
【0035】
つまり、本実施形態によれば、シールドケース12から中継部材17に流れたノイズが、制御部7のみならず、放熱部材18にも流れることで、表示パネル11へのノイズの影響を低減できる。また、中継部材17と放熱部材18とを接続すればよく、表示パネル11へのノイズの影響の低減を簡素な構造で実現できる。このように、本実施形態によれば、簡素な構造で表示パネル11への外部からのノイズの影響を低減できる。
【0036】
更に、本実施形態によれば、上述したようにバックライトユニット5単体でノイズ対策が行えるため、車両用表示装置1にノイズ対策用の部品を搭載することなく、部品点数の増大を抑制できる。
【0037】
更に、本実施形態によれば、上述したように部品点数の増大を抑制できることで、バックライトユニット5の大型化を抑制できる。
【0038】
更に、本実施形態によれば、中継部材17を設けることで、筐体2の内部空間2bにおいて、バックライトユニット5を制御部7の近傍に配置しなくてもよく、車両用表示装置1(特に、筐体2の内部空間2b)において設計自由度が向上される。
【0039】
(変形例)
図5に示すように、バックライトユニット5において、中継部材17と放熱部材18とは、接続部材19を介さずに接触等によって直接接続されていてもよい。この場合、ノイズ対策の観点から、例えば、放熱部材18に中継部材17を保持する機構が設けられていることが好ましい。
【0040】
<第2実施形態に係るバックライトユニット5Aの概略構成>
以下、本発明の第2実施形態に係るバックライトユニット5Aの概略構成について説明する。バックライトユニット5Aは、シールドケース12A及びバックライトケース13Aを有するケース10Aと、ケース10Aに支持される表示パネル11Aと、バックライトケース13Aに組み付けられ且つシールドケース12Aに接続される放熱部材18A(図6参照)と、を含んで構成される。
【0041】
ケース10Aは、図6に示すように、例えば箱形状に成形され、光軸方向に沿って表示パネル11Aを支持している。本例では、ケース10Aは、上述したように、箱形状のバックライトケース13Aと、表示パネル11A近傍にてバックライトケース13Aに組み付けられるシールドケース12Aと、を有しており、バックライトケース13Aは樹脂製であっても金属製であってもよい。また、本例では、ケース10Aは2つの部材から構成されるが、1つの部材から構成されてもよく、この場合のケース10Aとは、「シールドケース12A」の機能を有するバックライトケース13Aである。また、バックライトケース13Aについても、1つ以上の部材から構成されてもよい。
【0042】
表示パネル11Aは、図6に示すように、矩形状に形成され、光源(図示省略)からの光に基づいて表示画像を表示する。具体的には、表示パネル11Aは、ウインドシールド103に投影される表示画像を、光源から入射する光により表示光Lとして出射する。表示パネル11Aは、いわゆる液晶パネルであり、例えば光透過型または光半透過型のTFT液晶(Thin Film Transistor Liquid Crystal Display)等から成る。
【0043】
表示パネル11Aは、複数の画素を含む表示エリア(図示量略)を有する。表示エリアにおいて、複数の画素は、マトリクス状に配列されている。表示パネル11Aは、例えば制御部7の制御信号に応じて数字や文字、図形等を含む表示画像を表示する。表示エリアは、表示画像が表示される領域である。表示パネル11Aは、光源から出射された光の光路上に配置され、光源側から照明されることで、光軸方向における光源と反対側の表示面が発光する。
【0044】
放熱部材18Aは、例えばヒートシンク等であって、図6に示すように、バックライトケース13Aの外部に取り付けられて、シールドケース12Aと接続されている。放熱部材18Aは、バックライトユニット5Aに蓄積される熱を外部に放出する機能を有する。
【0045】
なお、ケース10A(本例では、バックライトケース13A)の内部機器は、ケーブルC(図7参照)やシールドケース12A等を介して制御部7に接続される。つまり、ケーブルCの一端が(上記内部機器や表示パネル11Aと接続された)シールドケース12Aに接続され、当該ケーブルCの他端が制御部7に接続されることで、バックライトユニット5Aと制御部7とが接続される(図7参照)。なお、ケーブルCは、公知のケーブルであってもよいし、FPC(Flexible printed circuits)であってもよく、特に限定されない。
【0046】
<第2実施形態に係るバックライトユニット5Aのノイズ対策>
以下、バックライトユニット5Aのノイズ対策について説明する。一般に、バックライトユニット5Aは、外部からのノイズの影響によって表示パネル11Aの映像が乱れるおそれがある。このため、本例では、シールドケース12Aと放熱部材18Aとが接続されている(図7参照)。これにより、図7に示すように、バックライトユニット5Aにおいては、外部からのノイズが、シールドケース12Aから放熱部材18A及び制御部7に流れる(図7の矢印参照)。
【0047】
つまり、本実施形態によれば、シールドケース12Aから制御部7のみならず、放熱部材18Aにもノイズが流れることで、表示パネル11Aへのノイズの影響を低減できる。このように、本実施形態では、表示パネル11Aへのノイズの影響の低減を簡素な構造で実現できる。即ち、本実施形態によれば、簡素な構造で表示パネル11Aへの外部からのノイズの影響を低減できる。
【0048】
更に、本実施形態によれば、上述したようにバックライトユニット5A単体でノイズ対策が行えるため、車両用表示装置1にノイズ対策用の部品を搭載することなく、部品点数の増大を抑制できる。
【0049】
更に、本実施形態によれば、上述したように部品点数の増大を抑制できることで、バックライトユニット5Aの大型化を抑制できる。
【0050】
<他の形態>
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0051】
ここで、上述した本発明に係る表示器、及び、車両用表示装置の実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
【0052】
[1]
車両用表示装置(1)に搭載されて、前記車両用表示装置(1)の外部に設けられた被投影部材(ウインドシールド103)に投影される表示画像を表示光(L)として出射する表示器(バックライトユニット5,5A)であって、
光源からの光に基づいて前記表示画像を表示する表示パネル(11,11A)と、
前記表示パネル(11,11A)を支持するケース(10,10A)と、
当該表示器(バックライトユニット5,5A)に蓄積した熱を放熱する放熱部材(18,18A)と、を備えて、
前記ケース(10,10A)を構成するシールドケース(12,12A)と前記放熱部材(18,18A)とが接続される、
表示器(バックライトユニット5,5A)。
【0053】
[2]
上記[1]に記載の表示器(バックライトユニット5)であって、
当該表示器(バックライトユニット5)と当該表示器(バックライトユニット5)を制御する前記車両用表示装置(1)の制御部(7)との接続を中継するとともに、前記シールドケース(12)と前記放熱部材(18)との接続を中継する中継部材(17)を更に備える、
表示器(バックライトユニット5)。
【0054】
[3]
上記[2]に記載の表示器(バックライトユニット5)であって、
前記中継部材(17)と前記放熱部材(18)とは、接続部材(19)を介して接続される、
表示器(バックライトユニット5)。
【0055】
[4]
上記[2]に記載の表示器(バックライトユニット5)であって、
前記中継部材(17)と前記放熱部材(18)とは、接触して接続される、
表示器(バックライトユニット5)。
【0056】
[5]
車両(100)のインストルメントパネル(102)に設けられる車両用表示装置(1)であって、
上記[1]から上記[4]の何れか一つに記載の表示器(バックライトユニット5)と、
前記表示器(バックライトユニット5,5A)から前記被投影部材(ウインドシールド103)までの前記表示光(L)の光路上に少なくとも1つ配置され、前記表示光(L)を反射する反射ミラー(3)と、
前記表示器(バックライトユニット5,5A)を制御する制御部(7)と、を備える、
車両用表示装置(1)。
【0057】
上記[1]~[5]の構成によれば、中継部材と放熱部材とが接続されることで、外部からのノイズがシールドケースから中継部材に、中継部材から放熱部材及び制御部に流れる。つまり、シールドケースから中継部材に流れたノイズが、制御部のみならず、放熱部材にも流れることで、表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減できる。また、本発明によれば、中継部材と放熱部材とを接続すればよく、表示パネルへの外部からのノイズの影響の低減を、簡素な構造で実現できる。このように、簡素な構造で表示パネルへの外部からのノイズの影響を低減できる。
【0058】
更に、上記構成によれば、上述したように表示器単体でノイズ対策が行えるため、車両用表示装置にノイズ対策用の部品を搭載することなく、部品点数の増大を抑制できる。
【0059】
更に、上記構成によれば、上述したように部品点数の増大を抑制できることで、表示器の大型化を抑制できる。
【0060】
更に、上記構成によれば、中継部材を設けることで、表示器を制御部の近傍に配置しなくてもよく、車両用表示装置の設計自由度が向上される。
【符号の説明】
【0061】
1 車両用表示装置
2 筐体
3 反射ミラー
5,5A バックライトユニット(表示器)
7 制御部
8 平面ミラー
9 凹面ミラー
10,10A ケース
11,11A 表示パネル
12,12A シールドケース
13,13A バックライトケース
17 中継部材
18,18A 放熱部材
19 接続部材
100 車両
102 インストルメントパネル
103 ウインドシールド
C ケーブル
C1 ケーブル
D ドライバ
EP アイポイント
L 表示光
S 虚像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7