(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163744
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ユーザインタフェースシステム、制御装置、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
B60H 1/00 20060101AFI20241115BHJP
B60K 35/00 20240101ALI20241115BHJP
G06F 3/0484 20220101ALI20241115BHJP
G06F 3/0488 20220101ALI20241115BHJP
【FI】
B60H1/00 103S
B60K35/00 Z
B60H1/00 103Z
G06F3/0484
G06F3/0488
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079599
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】妻鹿 晋
(72)【発明者】
【氏名】森 創来
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴幸
【テーマコード(参考)】
3D344
3L211
5E555
【Fターム(参考)】
3D344AA05
3D344AA16
3D344AA19
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD05
3D344AD11
3D344AD13
3L211BA43
3L211DA82
3L211DA83
3L211GA82
5E555AA22
5E555AA25
5E555AA28
5E555BA23
5E555BB23
5E555BC08
5E555CA12
5E555CA15
5E555CB14
5E555CB16
5E555CB33
5E555DB20
5E555DB32
5E555DB53
5E555DB56
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC31
5E555DC35
5E555FA00
(57)【要約】 (修正有)
【課題】移動体に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性を高めるユーザインタフェースシステム、制御装置、プロセッサ及びプログラムを提供する。
【解決手段】入力装置、制御装置及び表示装置を有するユーザインタフェースシステムであって、制御装置は、車両の車室を正面から見た状態に対応する車室画像Cを表示装置23に表示させる。入力装置は、車両に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する第一操作を受け付ける。制御装置は、前記気流が到達する位置を示す目標画像T1~T3を車室画像C内に表示させ、前記第一操作に基づいて車室画像C内における目標画像T1~T3の少なくとも一つの位置を変更する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させる制御装置と、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する第一操作を受け付ける入力装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、前記第一操作に基づいて前記居室画像内における当該目標画像の位置を変更する、
ユーザインタフェースシステム。
【請求項2】
前記居室画像は、運転席と助手席を表す画像を含んでおり、
前記運転席を表す画像は、前記助手席を表す画像と区別可能な態様で表示される、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項3】
前記居室画像は、前記居室の鏡像に対応している、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項4】
前記入力装置は、前記気流の強さを変更する第二操作を受け付け可能であり、
前記制御装置は、前記気流の経路を表す経路画像を前記居室画像内に表示させ、前記第二操作に基づいて前記経路画像の表示態様を変更する、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項5】
前記入力装置は、前記表示装置の一部として機能するタッチパネル装置を含んでおり、
前記第一操作は、前記居室画像に対するタッチ操作である、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項6】
前記入力装置は、前記居室を眺める視点の位置を変更する第三操作を受け付け可能であり、
前記制御装置は、前記居室を前記正面とは別の視点から見た画像を前記表示装置に表示させる、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項7】
前記入力装置は、前記移動体の左右方向における運転席と助手席の間に配置される、
請求項1に記載のユーザインタフェースシステム。
【請求項8】
移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する操作に対応する操作信号を受け付けるインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、前記操作に基づいて前記居室画像内における当該目標画像の位置を変更する、
制御装置。
【請求項9】
移動体に搭載される制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させ、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する操作に対応する操作信号を受け付け、
前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、
前記操作に基づいて前記居室画像内における前記目標画像の位置を変更する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムに関連する。本開示は、当該システムに搭載されうる制御装置、および当該制御装置に搭載されたプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムにも関連する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、移動体の一例としての車両に搭載された空調機器の動作を制御するためのユーザインタフェースシステムを開示している。当該装置は、当該空調機器により生成された気流がいずれの吹出口から送出されているのかを表示する表示装置を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
移動体に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性を高めることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示により提供される態様例の一つは、移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させる制御装置と、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する第一操作を受け付ける入力装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、前記第一操作に基づいて前記居室画像内における当該目標画像の位置を変更する。
【0006】
本開示により提供される態様例の一つは、移動体に搭載される制御装置であって、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させるプロセッサと、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する操作に対応する操作信号を受け付けるインタフェースと、
を備えており、
前記プロセッサは、前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、前記操作に基づいて前記居室画像内における当該目標画像の位置を変更する。
【0007】
本開示により提供される態様例の一つは、移動体に搭載される制御装置のプロセッサにより実行可能なコンピュータプログラムであって、
実行されることにより、前記制御装置は、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させ、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する操作に対応する操作信号を受け付け、
前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、
前記操作に基づいて前記居室画像内における前記目標画像の位置を変更する。
【0008】
上記の各態様例に係る構成によれば、移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像が提供されるので、移動体の乗員は、空調機器により生成された気流の到達位置を居室を正面から見る視点で確認できる。これにより、特に移動体の左右方向についてより詳細かつ正確な気流の到達位置の把握が可能であり、到達位置の変更に乗員の意志を反映しやすくなる。したがって、移動体に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係るユーザインタフェースシステムの構成を例示している。
【
図2】
図1のユーザインタフェースシステムが搭載される車両を例示している。
【
図3】
図1の表示装置に表示される車室画像の一例を示している。
【
図4】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図5】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図6】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図7】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図8】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図9】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【
図10】
図1の表示装置に表示される車室画像の別例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照しつつ、実施形態例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いられる各図面においては、各要素を認識可能な大きさとするために縮尺が適宜変更されている。
【0011】
図1は、一実施形態に係るユーザインタフェースシステム10の機能構成を例示している。本例に係るユーザインタフェースシステム10は、
図2に例示される車両20に搭載されるように構成されている。ユーザインタフェースシステム10は、車両20に搭載された空調機器の動作を制御するために使用される。車両20は、移動体の一例である。
【0012】
車両20の車室21内には、複数の吹出口22が設けられている。空調機器により生成された気流は、複数の吹出口22の少なくとも一つから車室21内へ送出される。
【0013】
車室21内には、表示装置23が設置されている。表示装置23は、
図3に例示される車室画像Cを表示するように構成されている。車室画像Cは、車室21を車両20の正面から見た状態に対応している。車室画像Cは、運転席を表す運転席画像Dと助手席を表す助手席画像Pを含んでいる。車室21は、居室の一例である。車室画像Cは、居室画像の一例である。
【0014】
加えて、車室画像Cは、空調機器により生成された気流が到達する位置を示す三つの目標画像T1~T3を含んでいる。目標画像T1~T3の各々は、複数の吹出口22の対応する一つから送出される気流が到達する位置を示している。
【0015】
図1に例示されるように、ユーザインタフェースシステム10は、入力装置11を含んでいる。入力装置11は、空調機器により生成される気流の向きを変更する第一操作を受け付けるように構成されている。
【0016】
入力装置11は、表示装置23の一部として機能するタッチパネル装置を含むように構成されうる。あるいは、
図2に例示されるように、表示装置23とは独立した入力装置11が、車両20のセンタクラスタ24に配置されうる。その場合、入力装置11は、レバースイッチ、ダイヤルスイッチのような機械式スイッチにより実現されてもよいし、乗員の手指の接近または接触に伴う静電容量の変化を検出するスイッチにより実現されてもよい。
【0017】
入力装置11は、第一操作に対応する第一操作信号S1を出力するように構成されている。第一操作信号S1は、入力装置11の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。
【0018】
図1に例示されるように、ユーザインタフェースシステム10は、制御装置12を含んでいる。制御装置12は、入力インタフェース121、プロセッサ122、および出力インタフェース123を備えている。
【0019】
入力インタフェース121は、第一操作信号S1を受け付けるハードウェアインタフェースとして構成されている。第一操作信号S1がアナログ信号である場合、入力インタフェース121は、A/Dコンバータを含む適宜の変換回路を備える。この説明は、後述する入力インタフェース121が受け付け可能な他の信号についても、同様に適用される。
【0020】
プロセッサ122は、前述した目標画像T1~T3を表示装置23に表示させる表示制御信号DCを、ハードウェアインタフェースとして構成された出力インタフェース123から出力するように構成されている。表示制御信号DCは、表示装置23の仕様に応じてアナログ信号であってもよいし、デジタル信号であってもよい。表示制御信号DCがアナログ信号である場合、出力インタフェース123は、D/Aコンバータを含む適宜の変換回路を備える。
【0021】
プロセッサ122は、入力インタフェース121が第一操作信号S1を受け付けると、表示装置23に車室画像C内における目標画像T1~T3の少なくとも一つの位置を変更させる表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力するように構成されている。
【0022】
図3に例示される車室画像C内に表示されている目標画像T3の位置の変更を車両20の乗員が希望している場合を例に、具体的な処理の流れを説明する。本例においては、入力装置11は、表示装置23の一部として機能するタッチパネル装置を含んでいる。
【0023】
図4に例示されるように、乗員は目標画像T3に手指を接近または接触させ、希望する位置まで手指を移動させる。第一操作としてのこのタッチ操作により、移動後の目標画像T3の位置を指定する第一操作信号S1が生成される。
【0024】
入力装置11としてのタッチパネル装置から出力された第一操作信号S1が制御装置12の入力インタフェース121により受け付けられると、プロセッサ122は、第一操作信号S1により指定された位置へ目標画像T3を移動させる表示制御信号DCを、出力インタフェース123から出力する。これにより、乗員のタッチ操作に追随して目標画像T3が移動する。
【0025】
図示を省略するが、他の目標画像T1、T2についても同様にして、対応する吹出口22から送出された気流の到達位置を変更する操作がなされうる。
【0026】
本実施形態例に係る構成によれば、車両20の車室21を正面から見た状態に対応する車室画像Cが提供されるので、車両20の乗員は、空調機器により生成された気流の到達位置を車室21を正面から見る視点で確認できる。これにより、特に車両20の左右方向についてより詳細かつ正確な気流の到達位置の把握が可能であり、到達位置の変更に乗員の意志を反映しやすくなる。したがって、車両20に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性を高めることができる。
【0027】
加えて、本実施形態例においては、気流の到達位置を変更する第一操作を受け付けるための入力装置11が、表示装置23の一部として機能するタッチパネル装置を含むように構成されているので、より直感的な操作感を乗員に提供できる。これにより、車両20に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性をさらに高めることができる。
【0028】
図5は、表示装置23に表示される車室画像Cの別例を示している。本例に係る車室画像Cは、空調機器により生成された気流の経路を表す三つの経路画像F1~F3を含んでいる。経路画像F1~F3の各々は、複数の吹出口22の対応する一つから送出される気流がそれぞれ目標画像T1~T3に対応する位置へ到達するまでの経路を表している。
【0029】
図1に例示されるように、入力装置11は、空調機器により生成される気流の強さを変更する操作に対応する第二操作信号S2を出力するように構成されうる。第二操作信号S2は、制御装置12の入力インタフェース121により受け付けられる。
【0030】
この場合、制御装置12のプロセッサ122は、経路画像F1~F3を車室画像C内に表示させるとともに、第二操作信号S2に基づいて経路画像F1~F3の少なくとも一つの表示態様を変更させる表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力するように構成される。
【0031】
図5に例示される車室画像C内に表示されている目標画像T3に関連付けられた気流の強さの変更を車両20の乗員が希望している場合を例に、具体的な処理の流れを説明する。本例においては、タッチパネル装置とは別の入力装置11に第二操作が入力される。
【0032】
目標画像T3に関連付けられた気流を強くする第二操作を入力装置11が受け付けると、当該操作に対応する第二操作信号S2が出力される。プロセッサ122は、第二操作信号S2に基づいて、経路画像F3の幅を広げる変更を表示装置23に行なわせる表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力する。これにより、
図6に例示されるように、車室画像C内に表示される経路画像F3の幅が広くなる。
【0033】
反対に目標画像T3に関連付けられた気流を弱くする第二操作を入力装置11が受け付けると、当該操作に対応する第二操作信号S2が出力される。プロセッサ122は、第二操作信号S2に基づいて、経路画像F3の幅を狭める変更を表示装置23に行なわせる表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力する。これにより、車室画像C内に表示される経路画像F3の幅が狭くなる。
【0034】
図示を省略するが、他の経路画像F1、F2についても同様にして、対応する吹出口22から送出される気流の強さを変更する操作がなされうる。
【0035】
第二操作に基づいて変更される表示態様は、各経路画像の幅に限られない。各経路画像の長さ、各経路画像の色が第二操作に基づいて変更されてもよい。
【0036】
このような構成によれば、車両20の乗員は、空調機器により生成された気流の強さを車室21を正面から見る視点で確認できる。これにより、特に車両20の左右方向についてより詳細かつ正確な気流の強さの把握が可能であり、強さの変更に乗員の意志を反映しやすくなる。したがって、車両20に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性をさらに高めることができる。
【0037】
第二操作は、表示装置23の一部として機能するタッチパネル装置により受け付けられてもよい。
【0038】
図7は、表示装置23に表示される車室画像Cの別例を示している。本例においては、本例に係る車室画像Cは、運転席を表すマーク画像Mを含んでいる。マーク画像Mは、運転席画像Dに重なるように表示されている。運転席の形状と助手席の形状は一致しているが、マーク画像Mが表示されることにより、運転席画像Dが強調されて助手席画像Pとの区別が可能とされる。
【0039】
一例として運転席が車室21の右部に配置されている車両の場合、運転席画像Dは、車室21を前方から見た状態に対応する車室画像Cの左部に位置する。車両の右部に着座している意識が強い運転者の場合、視点の切り替えに伴って運転席画像Dが画面の左部に位置していることに違和感を覚える虞がある。本例に係る構成によれば、車室画像C内で左右方向に並んでいる二つの座席画像のいずれが運転席に対応しているかの理解を促すことができる。これにより、気流の到達位置などを変更する操作に誤りが生じることを抑制できる。したがって、車両20に搭載された空調機器の動作制御に係る利便性をさらに高めることができる。
【0040】
運転席画像Dを助手席画像Pと区別できるのであれば、運転席を強調するための表示態様は適宜に選択されうる。一例として、運転席画像Dの色を助手席画像Pと異ならせてもよい。別例として、運転者を表すアイコン画像やアバター画像が運転席画像Dと重なるように表示されてもよい。
【0041】
図8は、表示装置23に表示される車室画像Cの別例を示している。本例においては、車室画像Cは、車室21の鏡像に対応している。したがって、運転席画像Dが車室画像Cの右部に位置しており、助手席画像Pが車室画像Cの左部に位置している。
【0042】
本例に係る構成によっても、視点の切り替えに伴う車室画像Cにおける左右方向の反転を意識的に行なう必要がないので、車室画像C内で左右方向に並んでいる二つの座席画像のいずれが運転席に対応しているかの理解を促すことができる。
【0043】
図9は、表示装置23に表示される車室画像Cの別例を示している。本例に係る車室画像Cは、視点変更ボタン画像Vを含んでいる。視点変更ボタン画像Vが選択状態とされると、
図10に例示されるように、車室21を眺める視点が変更された車室画像C’が表示される。視点変更ボタン画像Vは、タッチパネル装置に対するタッチ操作により選択状態とされてもよいし、タッチパネル装置とは独立した入力装置11に対する適宜の操作入力により選択状態とされてもよい。
【0044】
図1に例示されるように、入力装置11は、車室21を眺める視点を変更する第三操作を受け付けると、第三操作信号S3を出力するように構成されうる。この場合、制御装置12にプロセッサ122は、入力インタフェース121が第三操作信号S3を受け付けると、表示装置23に車室画像C’を表示させる表示制御信号DCを出力インタフェース123から出力するように構成される。
【0045】
図10に例示されるように、車室画像C’もまた目標画像T1~T3を含んでいる。したがって、車両20の乗員は、空調機器により生成された気流の到達位置を別の角度から確認できる。これにより、正確な気流の到達位置の把握および変更が可能とされうる。第三操作により提供される別視点の数は、複数であってもよい。
【0046】
これまでに説明した各種の機能を有する制御装置12のプロセッサ122は、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムがプリインストールされた記憶素子を備えたマイクロコントローラ、ASIC、FPGAなどの専用集積回路によって実現されうる。この場合、当該記憶素子は、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0047】
あるいは、プロセッサ122は、汎用メモリと協働して動作する汎用マイクロプロセッサにより実現されうる。汎用マイクロプロセッサとしては、CPU、MPU、GPUが例示されうる。汎用メモリとしては、ROMやRAMが例示されうる。この場合、ROMには、当該機能を実現するためのコンピュータプログラムが記憶されうる。汎用マイクロプロセッサは、ROM上に記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上述した処理を実行する。この場合、当該汎用メモリは、コンピュータプログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読媒体の一例である。
【0048】
プロセッサ122は、汎用マイクロプロセッサと専用集積回路の組合せによって実現されてもよい。
【0049】
これまで説明した各構成は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。各構成例は、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜の変更および他の構成例との組み合わせがなされうる。
【0050】
上記の実施形態例においては、入力装置11は、車両20のセンタクラスタ24に配置されている。すなわち、入力装置11は、車両20の左右方向における運転席と助手席の間に配置されている。このような構成によれば、運転者だけでなく助手席に着座した乗員からも入力装置11へのアクセスが容易になるので、ユーザインタフェースシステム10の操作性を高めることができる。
【0051】
しかしながら、上記の入力装置11に加えてあるいは代えて、車室21内の適宜の箇所に同様の機能を有する入力装置11が設けられてもよい。例えば、
図2に示されるように、ステアリングホイール25などに入力装置11が設けられうる。
【0052】
ユーザインタフェースシステム10は、車両20以外の移動体にも搭載されうる。そのような移動体の例としては、鉄道、航空機、船舶などが挙げられる。当該移動体は、運転者を必要としなくてもよい。当該移動体の乗員が着座する座席は一つでもよい。
【0053】
以下に列挙される各構成もまた、本開示の一部を構成する。
項目1:
移動体に搭載されるユーザインタフェースシステムであって、
前記移動体の居室を正面から見た状態に対応する居室画像を表示装置に表示させる制御装置と、
前記移動体に搭載された空調機器により生成される気流の向きを変更する第一操作を受け付ける入力装置と、
を備えており、
前記制御装置は、前記気流が到達する位置を示す目標画像を前記居室画像内に表示させ、前記第一操作に基づいて前記居室画像内における当該目標画像の位置を変更する、
ユーザインタフェースシステム。
項目2:
前記居室画像は、運転席と助手席を表す画像を含んでおり、
前記運転席を表す画像は、前記助手席を表す画像と区別可能な態様で表示される、
項目1に記載のユーザインタフェースシステム。
項目3:
前記居室画像は、前記居室の鏡像に対応している、
項目1または2に記載のユーザインタフェースシステム。
項目4:
前記入力装置は、前記気流の強さを変更する第二操作を受け付け可能であり、
前記制御装置は、前記気流の経路を表す経路画像を前記居室画像内に表示させ、前記第二操作に基づいて前記経路画像の表示態様を変更する、
項目1から3のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。
項目5:
前記入力装置は、前記表示装置の一部として機能するタッチパネル装置を含んでおり、
前記第一操作は、前記居室画像に対するタッチ操作である、
項目1から4のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。
項目6:
前記入力装置は、前記居室を眺める視点の位置を変更する第三操作を受け付け可能であり、
前記制御装置は、前記居室を前記正面とは別の視点から見た画像を前記表示装置に表示させる、
項目1から5のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。
項目7:
前記入力装置は、前記移動体の左右方向における運転席と助手席の間に配置される、
項目1から6のいずれか一項に記載のユーザインタフェースシステム。
【符号の説明】
【0054】
10:ユーザインタフェースシステム、11:入力装置、12:制御装置、121:入力インタフェース、122:プロセッサ、20:車両、21:車室、23:表示装置、24:センタクラスタ、C、C’:車室画像、D:運転席画像、F1~F3:経路画像、P:助手席画像、T1~T3:目標画像