(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163758
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A61B5/055 355
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079627
(22)【出願日】2023-05-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB43
4C096AB44
4C096AC01
4C096AC04
4C096AC06
4C096AC08
4C096AD10
4C096CD10
(57)【要約】
【課題】コイル装置の消費電力を抑えつつ、フェージングによるクロック位相ずれを低減し、再構成画像の精度を向上すること。
【解決手段】実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置は、メイン装置と、前記メイン装置とは別体のコイル装置とを備える。前記メイン装置は、第一のシステムクロックから生成した第一のクロック信号に基づいてバイナリ信号を周波数変調した無線信号を送信する。前記コイル装置は、受信した前記無線信号を分周して第二のクロック信号を生成し、生成した前記第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成する。前記第二のシステムクロックと前記第一のシステムクロックとは、周波数が等しい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン装置と、
前記メイン装置とは別体のコイル装置と
を備え、
前記メイン装置は、第一のシステムクロックから生成した第一のクロック信号に基づいてバイナリ信号を周波数変調した無線信号を送信し、
前記コイル装置は、受信した前記無線信号を分周して第二のクロック信号を生成し、生成した前記第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成し、
前記第二のシステムクロックと前記第一のシステムクロックとは、周波数が等しい、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項2】
前記バイナリ信号は、少なくとも前記無線信号の送信期間において直流バランスが略0である、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項3】
前記バイナリ信号は、ランレングスが5以下のランダム信号である、
請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項4】
前記メイン装置は、前記バイナリ信号の周期毎に前記直流バランスを補正するビットを追加する、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項5】
前記メイン装置は、電源投入後に前記バイナリ信号を初期化する、
請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項6】
前記メイン装置は、前記コイル装置の動作状態を定義した制御信号を前記無線信号に重畳する、
請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項7】
前記コイル装置は、前記無線信号を復調して前記制御信号を抽出する、
請求項6に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項8】
前記メイン装置は、
前記第一のシステムクロックから前記第一のクロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記第一のクロック信号に基づいて前記バイナリ信号を周波数変調した第一の電気信号を前記無線信号として前記コイル装置に無線通信で送信するクロック送信部と、
被検体から電磁波として放射された磁気共鳴信号を前記第二のシステムクロックに基づいてデジタル化した第二の電気信号を前記コイル装置から受信する第一のデータ通信部と
を有する、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項9】
前記コイル装置は、
前記無線信号を分周して前記第二のクロック信号を生成し、前記第二のクロック信号から前記第二のシステムクロックを生成するクロック受信部と、
被検体から電磁波として放射された磁気共鳴信号を第二の電気信号として出力する磁気共鳴信号検出部と、
前記第二のシステムクロックに基づいて前記第二の電気信号をデジタル化するアナログデジタル変換部と、
前記デジタル化した前記第二の電気信号を前記メイン装置に無線通信で送信する第二のデータ通信部と
を有する、請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【請求項10】
メイン装置と、
前記メイン装置とは別体のコイル装置と
を備え、
前記メイン装置は、
第一のシステムクロックから第一のクロック信号を生成するクロック信号生成部と、
前記第一のクロック信号に基づいてバイナリ信号を周波数変調した第一の電気信号を前記コイル装置に第一の無線通信で送信するクロック送信部と、
前記コイル装置により送信された第二の電気信号を受信する第一のデータ通信部と
を有し、
前記コイル装置は、
前記メイン装置により送信された前記第一の電気信号を分周して第二のクロック信号を生成し、生成した前記第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成するクロック受信部と、
被検体から電磁波として放射された磁気共鳴信号を前記第二の電気信号として出力する磁気共鳴信号検出部と、
前記第二のシステムクロックに基づいて前記第二の電気信号をデジタル化するアナログデジタル変換部と、
前記デジタル化した前記第二の電気信号を前記メイン装置に第二の無線通信で送信する第二のデータ通信部と
を有し、
前記第一のシステムクロックと前記第二のシステムクロックとは、周波数が等しい、
磁気共鳴イメージング装置。
【請求項11】
前記第一の無線通信と前記第二の無線通信とは、周波数が異なる、
請求項10に記載の磁気共鳴イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)装置は、静磁場中に置かれた被検体の原子核スピンをラーモア周波数のRF(Radio Frequency)信号で励起し、励起に伴って被検体から発生する磁気共鳴(Magnetic Resonance:MR)信号を再構成して画像を生成する撮像装置である。
【0003】
MRI装置では、メインユニットから被検体に向けてRFパルスを送信する。この送信に応じて被検体から放出されるMR信号を、コイルユニットで受信する。コイルユニットは、被検体から放出されるMR信号を被検体に近い位置で受信する。コイルユニットは、被検体の撮像部位に応じて、頭部用、胸部用、脊椎用、下肢用など種々のタイプがある。
【0004】
従来から、受信したMR信号を有線でメインユニットに伝送する有線型のコイルユニットが多く用いられている。これに対して、受信したMR信号をADC(Analog to Digital Converter)でアナログ信号からデジタル信号に変換し、デジタル化されたMR信号を無線でメインユニットに伝送する無線型のコイルユニットが提案されている。
【0005】
有線型のコイルユニットを使用する際には、コイルユニットからメインユニットにアナログ信号として送られてきたMR信号を、メインユニット側のシステムクロックから生成したサンプリングクロックを用いてメインユニット側でアナログデジタル変換する。
【0006】
一方、無線型のコイルユニットを使用する際には、MR信号をアナログデジタル変換するためのサンプリングクロックがコイルユニット側で必要であり、サンプリングクロックを生成するためのシステムクロックがコイルユニット側にも必要となる。
【0007】
ここで、コイルユニット側のシステムクロックとメインユニット側のシステムクロックは互いに同期している必要があり、これらのクロックに位相ずれが生じている場合、再構成される画像の精度が低下してしまう恐れがある。
【0008】
例えば、従来技術として、無線通信を用いてクロックを同期させる方法も提案されている。しかしながら、この方法では、無線伝搬路で発生するフェージングの影響によって、コイルユニット側のシステムクロックとメインユニット側のシステムクロックに位相ずれが生じうる。また、無線型のコイルユニットはバッテリ駆動となるため、低消費電力であることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、コイル装置の消費電力を抑えつつ、フェージングによるクロック位相ずれを低減し、再構成画像の精度を向上することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置付けることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
実施形態に係るMRI装置は、メイン装置と、前記メイン装置とは別体のコイル装置とを備える。前記メイン装置は、第一のシステムクロックから生成した第一のクロック信号に基づいてバイナリ信号を周波数変調した無線信号を送信する。前記コイル装置は、受信した前記無線信号を分周して第二のクロック信号を生成し、生成した前記第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成する。前記第二のシステムクロックと前記第一のシステムクロックとは、周波数が等しい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、MRI装置の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、コイルユニットと無線部の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、クロック伝送部の機能構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、符号信号生成部の機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、クロック送信部の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、クロック受信部の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、クロック伝送部によるクロックの制御を示す図である。
【
図8】
図8は、グラジエントエコー法のパルスシーケンスを示したタイミング図である。
【
図9】
図9は、クロック受信部の機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施形態)
以下、図面を参照して本実施形態におけるMRI装置について説明する。
【0014】
【0015】
MRI装置は、メインユニット101と、コイルユニット102とを備える。メインユニット101は、静磁場磁石103、傾斜磁場コイル104、傾斜磁場電源105、寝台106、寝台制御部107、送信コイル108、RFパルス生成部109、RFパルス・傾斜磁場制御部110、クロック生成部111、無線部112、データ解析部113、記憶部114、表示部115、入力部116及び撮像制御部117を有する。なお、メインユニット101は、ガントリと処理ユニットとに分けられることもある。この場合は、例えば、静磁場磁石103、傾斜磁場コイル104、傾斜磁場電源105、寝台106、寝台制御部107、送信コイル108、RFパルス生成部109、RFパルス・傾斜磁場制御部110及び無線部112がガントリに備えられ、クロック生成部111、データ解析部113、記憶部114、表示部115、入力部116及び撮像制御部117が処理ユニットに備えられる。ここで、メインユニット101は、メイン装置の一例である。また、コイルユニット102は、コイル装置の一例である。
【0016】
静磁場磁石103は、中空の円筒形をなし、内部の空間に一様な静磁場を発生する。この静磁場磁石103としては、例えば常電導磁石、超電導磁石等が使用される。
【0017】
傾斜磁場コイル104は、中空の円筒形をなし、静磁場磁石103の内側に配置される。傾斜磁場コイル104は、互いに直交するX,Y,Zの各軸に対応する3種のコイルが組み合わされている。傾斜磁場コイル104は、上記の3種のコイルが傾斜磁場電源105から個別に電流供給を受けて、磁場強度がX,Y,Zの各軸に沿って傾斜する傾斜磁場を発生する。なお、Z軸方向は、例えば静磁場方向と同方向とする。X,Y,Z各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス選択用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Ge及びリードアウト用傾斜磁場Grにそれぞれ対応される。スライス選択用傾斜磁場Gsは、任意に撮影断面を決めるために利用される。位相エンコード用傾斜磁場Geは、空間的位置に応じてMR信号の位相を変化させるために利用される。リードアウト用傾斜磁場Grは、空間的位置に応じてMR信号の周波数を変化させるために利用される。
【0018】
寝台106は、寝台制御部107の制御の下に、天板106aをその長手方向(
図1中における左右方向)及び上下方向に移動させる。通常、この長手方向が静磁場磁石103の中心軸と平行になるように寝台106が設置される。天板106aには、被検体118が載置される。寝台106は、天板106aの移動によって、被検体118を傾斜磁場コイル104の内部の空間(撮像空間)内に挿入する。
【0019】
送信コイル108は、1つ又は複数のコイルを円筒状のケースに収容して構成される。送信コイル108は、傾斜磁場コイル104の内側に配置される。送信コイル108は、RFパルス生成部109からRFパルス信号の供給を受けてRFパルスを放射する。
【0020】
RFパルス生成部109は、RFパルス信号を生成する。
【0021】
RFパルス・傾斜磁場制御部110は、撮像制御部117から入力されるパルスシーケンス情報に従って、傾斜磁場電源105とRFパルス生成部109を制御する。ここで、パルスシーケンス情報とは、各傾斜磁場とRFパルスの印加タイミングなどを規定した情報である。
【0022】
コイルユニット102は、天板106a上に載置されたり、天板106aに内蔵されたり、或いは、被検体118に装着される。そして、撮影時には、コイルユニット102は、被検体118とともに撮像空間内に挿入され、被検体118から放射された磁気共鳴エコーを受けて電気的なエコー信号を得る。コイルユニット102は、エコー信号をデジタル化して得られるエコーデータを無線部112に無線送信する。また、コイルユニット102は、無線部112から無線クロック信号を受信することで、互いのシステムクロックを同期させる。
【0023】
クロック生成部111は、所定周波数の第一のシステムクロックから第一のクロック信号を生成する。この第一のクロック信号は、無線部112に与えられ、更にMRI装置全体の動作タイミングの基準となるシステムクロックとしても使用される。ここで、クロック生成部111は、クロック信号生成部の一例である。
【0024】
データ解析部113は、エコーデータを解析し、被検体118に関する画像を再構成する。
【0025】
記憶部114は、データ解析部113で再構成された画像を示す画像データなどの各種のデータを記憶する。
【0026】
表示部115は、データ解析部113で再構成された画像や、MRI装置をユーザが操作するための各種の操作画面などの各種の情報を撮像制御部117の制御の下に表示する。表示部115としては、液晶表示器などの表示デバイスを利用可能である。
【0027】
入力部116は、オペレータからの各種指令や情報入力を受け付ける。入力部116としては、マウスやトラックボールなどのポインティングデバイス、モード切り替えスイッチ等の選択デバイス、或いは、キーボード等の入力デバイスを適宜に利用可能である。
【0028】
撮像制御部117は、図示していないCPU(Central Processing Unit)やメモリ等を有しており、MRI装置の総括的な撮像制御を行う。
【0029】
図2は、コイルユニット102と無線部112の機能構成を示すブロック図である。なお、
図2において
図1と同一部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0030】
コイルユニット102は、RF受信コイル201、RF受信部202、ADC203、データ通信部204、データ通信用アンテナ205、クロック伝送部206、クロック伝送用アンテナ207、制御部208を含む。
【0031】
RF受信コイル201は、被検体118から放射されたMR信号を受けて電気的なエコー信号を得る。
【0032】
RF受信部202は、RF受信コイル201で得られたエコー信号を増幅する。具体的には、RF受信部202は、不図示の可変増幅器により構成され、ADC203の前段でエコー信号を適切なレベルに増幅することにより、量子化誤差の影響を抑制する。ここで、RF受信部202は、磁気共鳴信号検出部の一例である。
【0033】
ADC203は、RF受信部202が出力するアナログ信号としてのエコー信号を、制御部208から供給されるサンプリングクロックに基づいてアナログデジタル変換し、デジタル信号としてのエコーデータを得る。ここで、ADC203は、アナログデジタル変換部の一例である。
【0034】
データ通信部204は、ADC203から入力されるエコーデータに対してヘッダ等を付加することで通信フレームを生成する。具体的には、データ通信部204は、不図示の変復調回路や周波数変換回路、電力増幅回路等により構成される。そして、データ通信部204は、この通信フレームに対して変調処理、周波数変換処理等を行うことで無線通信信号を生成し、データ通信用アンテナ205から送信する。また、データ通信部204は、データ通信用アンテナ205を介してデータ通信部222が送信する無線通信信号を受信する。そして、受信した無線通信信号に対して周波数変換処理、復調処理等を行うことで受信データを得る。なお、データ通信部204は、IEEE802.11規格に準拠した無線通信の制御を行うように構成されてもよい。また、データ通信部204は、Bluetooth(登録商標)、NFC、UWB、Zigbee、MBOA等の通信規格に準拠した無線通信の制御を行うように構成されてもよい。なお、UWBはUltra Wide Bandの略語であり、MBOAはMulti Band OFDM Allianceの略語である。ここで、OFDMはOrthogonal Frequency Division Multiplexingの略語である。また、NFCは、Near Field Communicationの略語である。UWBには、ワイヤレスUSB、ワイヤレス1394、Winetなどが含まれる。ここで、データ通信部204は、第二のデータ通信部の一例である。
【0035】
クロック伝送部206は、クロック伝送用アンテナ207を介してクロック伝送部224が送信する無線クロック信号を受信する。ここで、無線クロック信号は、メインユニット101とコイルユニット102のシステムクロックを同期させるための無線信号である。また、クロック伝送部206は、クロック伝送用アンテナ207により受信した無線クロック信号からシステムクロックを生成し、制御部208に出力する。ここで、クロック伝送部206は、クロック受信部の一例である。
【0036】
制御部208は、クロック伝送部206が出力するシステムクロックに基づいてコイルユニット102の動作を制御する。また、制御部208は、不図示のPLL(Phase Locked Loop)回路により、システムクロックからサンプリングクロックを生成し、ADC203に出力する。
【0037】
コイルユニット102と対向する無線部112は、制御部221、データ通信部222、データ通信用アンテナ223、クロック伝送部224、クロック伝送用アンテナ225を含む。
【0038】
制御部221は、撮像制御部117から入力されるパルスシーケンス情報をデータ通信部222からコイルユニット102に無線送信する。また、制御部221は、パルスシーケンス情報に基づき、クロック伝送部224の動作を制御する。
【0039】
データ通信部222及びデータ通信用アンテナ223の構成は、データ通信部204及びデータ通信用アンテナ205と同様である。データ通信部222は、データ通信用アンテナ223を介してデータ通信部204が送信する無線通信信号を受信する。そして、受信した無線通信信号からエコーデータを取得し、データ解析部113に出力する。また、データ通信部222は、制御部221から入力されるパルスシーケンス情報から無線通信信号を生成し、コイルユニット102に送信する。ここで、データ通信部222は、第一のデータ通信部の一例である。
【0040】
クロック伝送部224は、クロック生成部111及び制御部221からの入力に基づいて無線クロック信号を生成し、クロック伝送用アンテナ225から送信する。ここで、クロック伝送部224は、クロック送信部の一例である。
【0041】
続いて、クロック伝送部206とクロック伝送部224の構成と動作について説明する。
【0042】
図3は、クロック伝送部206及び224の機能構成を示すブロック図である。
【0043】
クロック伝送部224は、クロック生成部111によって第一のシステムクロックから生成された第一のクロック信号に基づいてバイナリ信号を周波数変調した無線信号を送信する。ここで、バイナリ信号は、少なくとも無線信号の送信期間において直流バランスが略0である。また、バイナリ信号は、ランレングスが5以下のランダム信号である。
【0044】
具体的には、クロック伝送部224は、符号信号生成部301、クロック送信部302を含む。
【0045】
符号信号生成部301は、クロック生成部111から入力される第一のクロック信号に基づいて符号化した符号信号を生成し、クロック送信部302に出力する。
【0046】
クロック送信部302は、符号信号生成部301から入力される符号信号に基づいて無線クロック信号を生成し、クロック伝送用アンテナ225から送信する。
【0047】
クロック伝送部206は、クロック伝送部224から受信した無線信号を分周して第二のクロック信号を生成し、生成した第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成する。ここで、第二のシステムクロックと第一のシステムクロックとは、周波数が等しい。
【0048】
具体的には、クロック伝送部206は、クロック受信部303を含む。
【0049】
クロック受信部303は、クロック伝送用アンテナ207を介してクロック伝送部224から送信された無線クロック信号を受信する。そして、クロック受信部303は、この無線クロック信号から第二のクロック信号を生成し、さらに第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成して制御部208に出力する。この時、第二のクロック信号は第一のクロック信号と等しく、MRI装置全体のシステムクロックが同期する。ただし、制御部208で分周などを実施する場合は、第二のクロック信号と第一のクロック信号が整数倍又は整数分の1の関係にあっても良い。
【0050】
図4は、符号信号生成部301の機能構成を示すブロック図である。
【0051】
符号信号生成部301は、PN9生成部401、調整データ付加部402、送信バッファ403、8B10B変換部404を含む。
【0052】
PN9生成部401は、クロック生成部111から入力される第一のクロック信号に基づいて、511ビットの信号を周期としたPN9符号を生成し、調整データ付加部402に出力する。また、PN9生成部401は、制御部221から入力されるパルスシーケンス情報に基づいてPN9符号の生成タイミングを制御する。例えば、PN9生成部401は、電源投入後にPN符号を初期化する。例えば、PN9生成部401は、MRI装置の電源投入時や測定開始時を示すリセット信号をトリガとして、PN9符号を初期化する。
【0053】
調整データ付加部402は、PN9符号の周期毎に直流(Direct Current :DC)バランスを補正するビットを追加する。具体的には、調整データ付加部402は、PN9生成部401から入力されるPN9符号の511ビットの信号毎に1ビットの「0」又は「1」を追加し、データ長が512ビットとなる信号を送信バッファ403へ出力する。この時、PN9符号長は奇数のため「0」と「1」のどちらかが1ビット少なくなるが、補正ビットによって「0」の数と「1」の数とが一致する。
【0054】
送信バッファ403は、調整データ付加部402が生成した補正ビット付きPN9符号を、8ビットを1フレームとして格納する。
【0055】
8B10B変換部404は、規定の変換表に従い、送信バッファ403からの8ビットの入力信号を10ビットの出力信号に変換してクロック送信部302へ出力する。この時、8B10B符号化では、ランニングディスパリティ(Running Disparity:RD)値に基づいた制御により、出力データ列のDCバランスが維持される。すなわち、この制御により、出力データ列に現れる「0」の数と「1」の数とが一致又はほぼ一致する。また、8B10B符号の特徴として、「0」と「1」の値は5つ以上連続して表れない。
【0056】
図5は、クロック送信部302の機能構成を示すブロック図である。
【0057】
クロック送信部302は、変調部501、増幅部502を含む。
【0058】
変調部501は、2値の位相連続周波数シフトキーイング(Continuous Phase Frequency Shift Keying:CPFSK)方式により、PN9符号のフレームを周波数変調する。具体的には、変調部501は、不図示のミキサ回路や帯域制限フィルタ、PLL回路により構成され、符号信号生成部301から入力される符号信号を、所定周波数の無線周波数信号へと変換する。ここで、無線信号の中心周波数をf1[Hz]、CPFSK変調による周波数偏移を±f2[Hz]とした場合、変調部501から出力される無線信号の周波数は、f1-f2[Hz]又はf1+f2[Hz]のいずれかとなる。そして、符号信号生成部301の動作により、フレーム毎のディスパリティは0か±2のどちらかに調整される。したがって、f1-f2[Hz]の無線信号期間とf1+f2[Hz]の無線信号期間の時間長は、複数フレームを含む中長期に渡って観測することで安定的に一致する。ここで、CPFSK変調の変調指数mは0.5が望ましいが、限定されない。
【0059】
増幅部502は、変調部501から入力される信号を増幅し、無線クロック信号としてクロック伝送用アンテナ225から送信する。
【0060】
図6は、クロック受信部303の機能構成を示すブロック図である。
【0061】
クロック受信部303は、可変利得増幅部601、分周部602、波形整形部603を含む。
【0062】
可変利得増幅部601は、クロック伝送用アンテナ207にて受信された無線クロック信号のレベル調整を行う。具体的には、可変利得増幅部601は、不図示のAGC(Automatic Gain Control)回路や帯域制限フィルタにより構成され、クロック伝送用アンテナ207から入力する信号を適切なレベルの信号に調整する。
【0063】
分周部602は、可変利得増幅部601から入力される信号からクロック信号を生成し、波形整形部603を経て制御部208に出力する。具体的には、分周部602は、不図示のPLL回路やプリスケーラ回路により構成され、波形整形部603は、ジッタクリーナ機能を有するPLL回路により構成される。
【0064】
図7は、クロック伝送部206及び224によるクロックの制御を示す図である。
【0065】
図7の(A)に示すように、以上の構成では、メインユニット101に含まれるクロック伝送部224が、符号信号生成部301により、第一のシステムクロックから生成された第一のクロック信号に基づいて符号信号を生成し(
図7に示す「符号化」)、クロック生成部302により、当該符号信号を周波数変調した無線クロック信号を送信する(
図7に示す「周波数変調」)。
【0066】
ここで、符号信号生成部301によって生成される符号情報は、
図7の(B)の上段に示すように、DCバランスが略0となるように、すなわち、信号に含まれる「0」の数と「1」の数とが一致又はほぼ一致し、かつ、「0」又は「1」が長期間連続しないように符号化されている。そして、クロック生成部302によって送信される無線クロック信号は、
図7の(B)の中段に示すように、DCバランスが略0であり、かつ、周波数がf1-f2[Hz]又はf1+f2[Hz]のいずれかとなるように周波数変調されている。
【0067】
そして、コイルユニット102に含まれるクロック伝送部206が、クロック受信部303により、クロック伝送部224から受信した無線クロック信号を分周して第二のクロック信号を生成し(
図7に示す「分周」)、クロック受信部303に含まれるPLL回路により、第二のクロック信号から第二のシステムクロックを生成して制御部208に出力する(
図7に示す「PLL」)。
【0068】
ここで、仮に、メインユニット101のクロック伝送部224によって送信される無線クロック信号のDCバランスが0でなかった場合、すなわち、無線クロック信号に含まれる「0」の数と「1」の数とが一致していない、又は、「0」又は「1」が長期間連続していた場合、それに伴い、コイルユニット102のクロック受信部303に含まれるPLL回路から出力される第二のシステムクロックに周波数の揺らぎが生じることになる。
【0069】
これに対し、以上の構成では、クロック生成部302によって送信される無線クロック信号は、DCバランスが略0であり、かつ、周波数がf1-f2[Hz]又はf1+f2[Hz]のいずれかとなるように周波数変調されているため、
図7の(B)の下段に示すように、PLL回路から出力される第二のシステムクロックの周波数がf1[Hz]で略一定となる。この結果、第二のシステムクロックの周波数と第一のシステムクロックの周波数とが等しくなり、フェージングによるクロック位相ずれを低減することが可能となる。
【0070】
また、以上の構成では、変調されたクロック信号を復調によって生成する手段を有しないため、バッテリ駆動時の消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0071】
続いて、本実施形態のMRI装置におけるメインユニット101とコイルユニット102の動作について説明する。
【0072】
図8は、本実施形態の動作の一例として、グラジエントエコー法のパルスシーケンスを示したタイミング図である。
【0073】
図8において、最上段はRFパルス、上から2番目はスライス選択用傾斜磁場Gs、上から3番目は位相エンコード用傾斜磁場Ge、上から4番目はリードアウト用傾斜磁場Gr、上から5番目はMR信号、上から6番目は無線クロック信号をそれぞれ示す。
【0074】
グラジエントエコー法のパルスシーケンスでは、まず、例えば極性が正のスライス選択用傾斜磁場パルスGs701の印加と同時に、フリップ角が例えば90°の励起RFパルス702を撮像領域に送信する。次に、励起RFパルス702の送信が停止すると共に、極性を反転したスライス選択用傾斜磁場パルスGs703を印可する。スライス選択用傾斜磁場パルスGs703は、リフェージングローブと呼ばれ、その印加期間は、極性反転前のスライス選択用傾斜磁場パルスGs701の印加期間のおよそ半分となる。次に、位相エンコード用傾斜磁場Ge704、及び、極性が例えば負の読み出し用傾斜磁場Gr705を印加する。次に、極性を反転した読み出し用傾斜磁場Gr706を印可する。そして、エコー時間TEのタイミングを中心にMR信号707が被検体118から放射されるので、読み出し用傾斜磁場Gr706の印加の下、MR信号707をRF受信コイル201により検出する。次に、読み出し用傾斜磁場Gr706の印加終了後、先に印加された位相エンコード用傾斜磁場Ge704とは極性が逆の位相エンコード用傾斜磁場Ge708を印加する。これにより、MR信号707の検出前に印加された位相エンコード用傾斜磁場Ge704の影響が、次の位相エンコードステップのMR信号の収集の前に消去される。ここまでが位相エンコードステップ1つ分のMR信号の収集(1サイクル)であり、
図8における1つの繰り返し時間TR内の処理である。この1サイクルが位相エンコードステップの数と同数だけ繰り返されることで、1画像分のMR信号が収集される。
【0075】
上述のパルスシーケンスにおいて、クロック伝送部224は、無線クロック信号709を連続的に送信する。コイルユニット102は、無線クロック信号709からシステムクロックを生成し、システムクロックから得られるサンプリングクロックに基づいてMR信号707をアナログデジタル変換する。
【0076】
なお、ここでは説明の簡単化のため、グラジエントエコー法のパルスシーケンスを用いて説明したが、スピンエコー法などの他のパルスシーケンスにおいても同様に適用可能である。
【0077】
また、本実施形態では、無線クロック信号としてCPFSK信号を用いる場合の例を説明したが、本願が開示する技術はこれに限定されるものではなく、位相連続でない周波数変調信号を用いるようにしてもよい。
【0078】
また、本実施形態では、無線クロック信号に制御信号を重畳することも可能である。この場合、符号信号生成部301が、コイルユニット102の動作状態を定義した制御信号を無線クロック信号に重畳する。また、クロック受信部303が、受信した無線クロック信号を復調して制御信号を抽出する。
【0079】
例えば、クロック受信部303は、受信した無線クロック信号からPN9符号のリセットタイミングを復調することで、制御信号のタイミングを取得する。又は、クロック受信部303は、受信した無線クロック信号から8B10B符号で制御信号を定義したKコードを抽出することで、制御信号のタイミングを取得する。
【0080】
図9は、PN9符号のリセットタイミングを復調するための、クロック受信部303の機能構成を示すブロック図である。なお、
図9において、
図6と同一部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
クロック受信部303は、更に、復調部801、自己相関取得部802を含む。
【0082】
復調部801は、可変利得増幅部601から入力される信号から復調処理によりPN9符号を生成する。具体的には、復調部801は、不図示のミキサ回路やADC、位相取得回路、アンラップ回路、周波数取得回路により構成され、可変利得増幅部601から入力される信号から所定周波数のクロック信号成分であるPN9符号を復調する。
【0083】
自己相関取得部802は、復調部801から入力されるPN9符号の自己相関を計算し、制御信号のタイミングを取得する。
【0084】
リセットタイミングを復調する場合は常時動作する必要がないため、変調されたクロック信号を復調によって生成する手段を有する場合と比較して、バッテリ駆動時の消費電力を低く抑えることが可能となる。
【0085】
図10は、8B10B符号で制御信号を定義したKコードを受信するための、符号信号生成部301の生成する制御フレームの構成例を示す図である。
【0086】
8B10B変換部404は、RD値の初期値をRD-とし、送信バッファ403から入力されるデータを8B10B符号化する際に、制御フレーム先頭にSOF(Start Of Frame)を示す符号によって、制御信号を重畳する。
【0087】
このSOF用の符号としては、8B10B符号化で定義されるKコードを用いる。
【0088】
制御フレームは、SOFフィールド901と、ペイロードフィールド902と、補正ビットフィールド903により構成される。前述の通り、SOFフィールド901は制御フレームの開始を示すフィールドであり、8B10B符号化で定義されるKコードが配置される。ペイロードフィールド902には、送信バッファ403から入力されるデータを8B10B符号化したデータが配置される。補正ビットフィールド903には、SOFフィールド901とペイロードフィールド902の8B10B変換結果を元に定まる補正用の「0」又は「1」が配置される。ここで、制御フレーム長は例えば、それぞれSOFフィールド901が10ビット、ペイロードフィールド902が501ビット、補正ビットフィールド903が1ビットの計512ビットである。
【0089】
また、本実施形態では、データ通信部204とデータ通信部222との間、クロック伝送部206とクロック伝送部224との間の2つのリンクで無線信号が送受信される。各リンクの無線信号は、互いに影響を与えないようアイソレーションされることが望ましい。例えば、各リンクで異なるキャリア周波数を用いることでアイソレーションを確保するFDM(Frequency Division Multiplexing)方式を用いることが可能である。また、各リンクのアンテナ指向性によりアイソレーションを確保するSDM(Space Division Multiplexing)方式を用いるようにしてもよい。また、FDM方式により、各リンクをアイソレーションする場合、ダイプレクサ等のフィルタ素子を用いることにより、各リンクのアンテナを共用するよう構成してもよい。
【0090】
また、本実施形態では、無線クロック信号の符号化方式としてPN9符号に補正ビットを付加した上で8B10B符号を実施する動作原理について説明したが、何れかの組み合わせは全て、本願が開示する技術に含まれる。
【0091】
また、符号化方法は入力データに応じてDCバランスを平衡とする8B10Bと同様の効果が得られる他の符号化、例えば64B66Bや128B130Bも使用可能である。
【0092】
また、本願が開示する技術は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又は、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等)がプログラムを読み出して実行する処理である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit))によって実行しても良い。
【0093】
上述した実施形態によれば、コイルユニット102の消費電力を抑えつつ、フェージングによるクロック位相ずれを低減し、再構成画像の精度を向上することができる。
【0094】
なお、上述した実施形態において、例えば、メインユニット101及びコイルユニット102に含まれる各処理部は、一つ又は複数の処理回路によって実現されてもよい。この場合に、各処理回路は、例えば、プロセッサによって実現される。この場合に、各処理回路が有する処理機能は、例えば、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路に記憶される。そして、各処理回路は、記憶回路から各プログラムを読み出して実行することで、各プログラムに対応する処理機能を実現する。
【0095】
ここで、例えば、各処理回路は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサがプログラムを実行することによって各処理機能を実現するものとしてもよい。また、各処理回路が有する処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。また、各処理機能に対応するプログラムが記憶される記憶回路は、単一の記憶回路であってもよいし、複数の記憶回路が処理回路ごとに分散して配置され、各処理回路が個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成とされてもよい。
【0096】
また、メインユニット101及びコイルユニット102に含まれる各処理部は、処理回路によって実現される他にも、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、又は、ハードウェアとソフトウェアとの混合によって実現されてもよい。
【0097】
また、上記説明では、「プロセッサ」が各処理機能に対応するプログラムを記憶回路から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することで、各処理機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該処理機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて一つのプロセッサとして構成し、その処理機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1における複数の構成要素を一つのプロセッサへ統合して、その処理機能を実現するようにしてもよい。
【0098】
ここで、プロセッサによって実行されるプログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶回路等に予め組み込まれて提供される。このプログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記憶媒体に記録されて提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、このプログラムは、上述した各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0099】
また、上述した実施形態において、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散又は統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0100】
また、上述した実施形態で説明した各処理のうち、自動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0101】
以上説明した少なくとも一つの実施形態によれば、コイル装置の消費電力を抑えつつ、フェージングによるクロック位相ずれを低減し、再構成画像の精度を向上することができる。
【0102】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0103】
101 メインユニット
102 コイルユニット
111 クロック生成部
202 RF受信部
203 ADC
204 データ通信部
206 クロック伝送部
222 データ通信部
224 クロック伝送部