(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163770
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】放射能汚染分布測定装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01T 1/167 20060101AFI20241115BHJP
G01T 1/169 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G01T1/167 C
G01T1/167 H
G01T1/169 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079644
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001380
【氏名又は名称】弁理士法人東京国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大甕 舜一朗
(72)【発明者】
【氏名】上野 聡一
(72)【発明者】
【氏名】炭谷 誠
(72)【発明者】
【氏名】高木 純一
(72)【発明者】
【氏名】宮原 康文
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188AA15
2G188AA23
2G188BB04
2G188BB05
2G188DD18
2G188DD20
2G188DD31
2G188EE01
2G188EE02
2G188EE14
2G188EE28
2G188FF02
2G188FF11
(57)【要約】
【課題】遠隔測定を可能にすることで、作業員の被爆リスク及びβ汚染の拡大リスクを低減するとともに、作業管理の負担も低減させる放射能汚染分布測定技術を提供する。
【解決手段】放射能汚染分布測定装置10は、測定対象26の汚染源20(20a,20b)から放出されたβ線の通過方向21を規定するコリメータ32と、コリメータ32を通過したβ線の検出値25を出力する放射線検出器31と、コリメータ32に規定されるβ線の通過方向21を可変的に設定する設定部と、通過方向21に対応する測定対象26の位置27を収集する収集部12と、位置27の各々に検出値25を反映させ汚染源20(20a,20b)の分布16を生成する生成部15と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象の汚染源から放出されたβ線の通過方向を規定するコリメータと、
前記コリメータを通過した前記β線の検出値を出力する放射線検出器と、
前記コリメータに規定される前記β線の前記通過方向を可変的に設定する設定部と、
前記通過方向に対応する前記測定対象の位置を収集する収集部と、
前記位置の各々に前記検出値を反映させ前記汚染源の分布を生成する生成部と、を備える放射能汚染分布測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記検出値は前記β線の計数率である放射能汚染分布測定装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記検出値は前記β線のエネルギースペクトルである放射能汚染分布測定装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記測定対象の位置は、光学カメラで撮像した画像から収集される放射能汚染分布測定装置。
【請求項5】
請求項1又は請求項2に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記放射線検出器には、前記β線をγ線から弁別する波形弁別器が設けられている放射能汚染分布測定装置。
【請求項6】
請求項1又は請求項2に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記放射線検出器は、入射面に前記β線を遮蔽しγ線を通過させる遮蔽板が設けられ、
γ線による環境放射線を推定する推定部が備えられる放射能汚染分布測定装置。
【請求項7】
請求項1又は請求項2に記載の放射能汚染分布測定装置において、
前記コリメータの入射面に前記β線を通過させα線を遮蔽する遮蔽膜が設けられる放射能汚染分布測定装置。
【請求項8】
測定対象の汚染源から放出されたβ線の通過方向を規定するコリメータを配置するステップと、
前記コリメータを通過した前記β線の検出値を放射線検出器から受信するステップと、
前記コリメータに規定される前記β線の前記通過方向を可変的に設定するステップと、
前記通過方向に対応する前記測定対象の位置を収集するステップと、
前記位置の各々に前記検出値を反映させ前記汚染源の分布を生成するステップと、を含む放射能汚染分布測定方法。
【請求項9】
コンピュータに、
測定対象の汚染源から放出されたβ線の通過方向を規定するコリメータを通過した前記β線の検出値を放射線検出器から受信するステップ、
前記コリメータに規定される前記β線の前記通過方向を可変的に設定するステップ、
前記通過方向に対応する前記測定対象の位置を収集するステップ、
前記位置の各々に前記検出値を反映させ前記汚染源の分布を生成するステップ、を実行させる放射能汚染分布測定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、汚染源から放出されるβ線を検出することで放射能汚染分布を測定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
管理区域において非密封β線源が漏洩した場合、放射線管理の観点から、その汚染分布の測定が重要である。一般に、β線を検出するには、汚染が疑われる箇所にサーベイメーター等の検出器を近づけて測定する。
【0003】
放射能汚染分布を測定する公知技術として、X方向及びY方向にファイバーシンチレータを配置し、二次元イメージングを行うオートラジオグラフィ装置がある。この装置において、ファイバーシンチレータの近傍にコリメータが配置されている。このコリメータの作用により、隣接するファイバーに入射したり斜め方向から入射したりするβ線の影響が抑制され、高解像度のオートラジオグラフィが実現される。
【0004】
その他の公知技術として、ウエブと呼ばれる膜状の物体の厚みや形状を計測するため、β線源を利用する技術が開示されている。その際に、格子状のコリメータをβ線源側に配置することで、検出されるβ線の放出方向を制限している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2568438号公報
【特許文献2】特許第4845731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、汚染が広範囲に及ぶ場合、β線を全面にわたり検出する必要があるため、時間を要する。ところで、β線は空気中において多重散乱しながら数m程度の飛程を持つ。このため、β汚染が広範囲に及ぶ場合、検出器が向く方向とは異なる方向から到来するβ線が検出される可能性がある。したがって、放射能汚染分布を十分な分解能で測定することが困難であった。
【0007】
最初に上述した公知技術では、β線源に密着して測定する必要があるため、遠隔測定を行うことができない。このため作業員がβ汚染領域に深く侵入する必要があり、作業員の被爆リスクだけでなくβ汚染の拡大リスクまで高まる懸念がある。
【0008】
次に上述した公知技術では、β線源にコリメータを設置している。このため、この公知技術を管理区域内の放射能汚染分布測定に応用しようとすると、β汚染面にコリメータを設置する必要性が生じるため、放射性廃棄物が増えてしまう。また、状況に応じてコリメータの最適形状が異なるため汎用性に欠ける。
【0009】
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、遠隔測定を可能にすることで、作業員の被爆リスク及びβ汚染の拡大リスクを低減するとともに、作業管理の負担も低減させる放射能汚染分布測定技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る放射能汚染分布測定装置において、測定対象の汚染源から放出されたβ線の通過方向を規定するコリメータと、前記コリメータを通過した前記β線の検出値を出力する放射線検出器と、前記コリメータに規定される前記β線の前記通過方向を可変的に設定する設定部と、前記通過方向に対応する前記測定対象の位置を収集する収集部と、前記位置の各々に前記検出値を反映させ前記汚染源の分布を生成する生成部と、を備える放射能汚染分布測定装置。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施形態により、遠隔測定が可能となり、作業員の被爆リスク及びβ汚染の拡大リスクが低減し作業管理の負担も低減する、放射能汚染分布測定技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る放射能汚染分布測定装置を示すブロック図。
【
図2】β線の通過方向を可変的に設定するコリメータの動作説明図。
【
図4】第2実施形態において放射線検出器の入射面に取り付けた遮蔽板を示す図。
【
図5】第3実施形態においてコリメータの入射面に取り付けた遮蔽膜を示す図。
【
図6】実施形態に係る放射能汚染分布測定方法の工程及び放射能汚染分布測定プログラムのアルゴリズムを説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態に係る放射能汚染分布測定装置10A(10)を示すブロック図である。このように放射能汚染分布測定装置10Aは、測定対象26の汚染源20(20a,20b)から放出されたβ線の通過方向21を規定するコリメータ32と、コリメータ32を通過したβ線の検出値25を出力する放射線検出器31と、コリメータ32に規定されるβ線の通過方向21を可変的に設定する設定部と、通過方向21に対応する測定対象26の位置27を収集する収集部12と、測定対象26の位置27の各々に検出値25を反映させ汚染源20(20a,20b)の分布16を生成する生成部15と、を備えている。
【0014】
原子力施設において、放射線被ばくのおそれのある放射線管理区域は、他の一般区域から物理的に隔離されている。これにより、関係者以外の者の無用な放射線被ばくを防止するとともに、施設内で作業する人の放射線被ばく管理を適正に行う。このような放射線被ばくの管理は、体表面汚染検査と空間線量率測定がある。前者の体表面汚染検査用には、β線に対し感度が高い放射線検出器31が用いられ、発光作用によるシンチレーション検出器や電離作用によるGM検出管等が利用される。
【0015】
図示において、放射線検出器31の測定対象26の表面は、放射線核種に汚染された汚染源20(20a,20b)が形成されている。そしてこの汚染源20(20a,20b)からは、α線、β線、γ線といった放射線が放出されている。本実施形態では、測定対象26の体表面汚染検査が主目的であるため、β線に着目している。
【0016】
図1及び
図2に基づいて、コリメータ32が可変的にβ線の通過方向21を設定する動作を説明する。コリメータ32は、一つの設定に対し、測定対象26の汚染源20(20a,20b)から放出されたβ線の通過方向21を一つ規定する。
図1に示すように、コリメータ32の通過方向21を設定することで、正面の汚染源20aから放出されるβ線が検出される。この
図1の設定では、斜め前方の汚染源20bから放出されるβ線の検出は少なくなる。
【0017】
その一方で、
図2に示すように、汚染源20bを測定するときには、コリメータ32の通過方向21を再設定し、斜め前方からのβ線を測定するようにする。この
図2の設定では、正面の汚染源20aから放出されるβ線の検出は少なくなる。このようにβ線の通過方向21をコリメータ32で可変的に規定することにより、放射線検出器31を動かさずに、測定対象26の体表面を広範囲に亘り放射能汚染分布測定できる。
【0018】
図3はコリメータ32の分解図である。このようにコリメータ32は、周期的な構造を持った構造体33(33
1,33
2,33
3)の複数が、放射線検出器31の有感部34を覆うように構成されている。駆動部35が構造体33(33
1,33
2,33
3)の重なり具合を調整することで、β線の通過方向21が制御される。このコリメータ32の構造体33の材質は、特に限定されないが、複数を組み合わせることで設定した通過方向21以外の方向のβ線を遮蔽する性能を持つものとする。なお駆動部35による構造体33(33
1,33
2,33
3)の駆動方向は、測定対象26に対して水平方向や鉛直方向など任意である。
【0019】
放射線検出器31は、設けられた波形弁別器(図示略)による波形解析により、β線をγ線及びノイズ成分から弁別することができる。フォスイッチ型シンチレータのような放射線検出器31を利用すれば、β線とγ線の検出波形が異なるために両者の弁別が可能である。そして、放射線検出器31は、コリメータ32を通過したβ線とγ線のうち、β線の検出値25を出力する。これにより、γ線による環境放射線の影響を排除して正確な汚染源20(20a,20b)の分布16を生成できる。
【0020】
放射線検出器31から出力される検出値25としては、単位時間当たりのβ線の計測数を示した計数率であったり、エネルギーを区別して計測したβ線のエネルギースペクトルであったりする。β線の計数率の検出値25からは、放射性物質の存在やその濃度を推定できる。β線のエネルギースペクトルの検出値25からは、さらに放射性核種の種類を推定できる。
【0021】
設定部11でコリメータ32に規定されるβ線の通過方向21を可変的に設定することで、設定した通過方向21における検出値25が受信される。さらにこのβ線の通過方向21は、光学カメラ36で測定対象26の表面を撮像した画像22の位置に対応付けできる。
【0022】
生成部15は、測定対象26の位置27の各々に検出値25を反映させ汚染源20(20a,20b)の分布16を生成し、表示部17に表示させる。このようにして、光学カメラ36で撮像した画像22に、検出値25をマッピングし、β汚染の分布16を把握することができる。また、光学カメラ36が撮像した画像22から放射線検出器31と測定対象26との距離が得られる。この距離で到来したβ線の減衰を考慮し、検出値25を補正できる。
【0023】
本実施形態によれば、汚染源20(20a,20b)である測定対象26の表面から距離をとって放射能汚染分布測定装置10を配置することができる。これにより、作業者は、遠隔操作で汚染源20(20a,20b)の分布16を生成することができ、被ばくが低減されるだけでなく、作業時に誤ってβ汚染を拡大させてしまう事象も防止される。
【0024】
(第2実施形態)
次に
図4を参照して本発明における第2実施形態について説明する。
図4は放射線検出器31の入射面に取り付けた遮蔽板38を示す図である。第2実施形態の放射能汚染分布測定装置10B(10)は、遮蔽板38及び推定部(図示略)が追加された以外、上述した第1実施形態(
図1)と共通の構成を持つ。この共通の構成について、既にした説明を引用することとして、第2実施形態における重複説明を省略する。
【0025】
この遮蔽板38は、放射線検出器31の入射面に設けられ、β線を遮蔽しγ線を通過させる機能を持つ。これにより、β線の通過が物理的に排除され、γ線のみに基づく検出値25が、放射線検出器31から出力されることになる。推定部(図示略)は、このγ線の検出値25に基づいて、γ線による環境放射線を推定する。
【0026】
このように遮蔽板38が設けられることで、β線を遮蔽し、γ線の環境放射線によるノイズのみが検出される。次に遮蔽板38を外し、β線とγ線が混在した状態で検出する。最後に、β線とγ線の検出結果からγ線のノイズを差し引くことで、正味のβ線の検出値25が得られる。γ線の線量率が高い環境において、このようにγ線によるノイズを低減させ、β線の検出値25の感度を高めることができる。なお、遮蔽板38は、機構部(図示略)により放射線検出器31の前方から着脱可能とする。
【0027】
(第3実施形態)
次に
図5を参照して本発明における第3実施形態について説明する。
図5は、コリメータ32の入射面に取り付けた遮蔽膜39を示す図である。第3実施形態の放射能汚染分布測定装置10C(10)は、遮蔽膜39が追加された以外、上述した第1実施形態(
図1)又は第2実施形態(
図4)と共通の構成を持つ。この共通の構成について、同一の符号を付して既にした説明を引用し、第3実施形態における重複説明を省略する。
【0028】
この遮蔽膜39は、コリメータ32の入射面に設けられ、β線を通過させα線を遮蔽する機能を持つ。これによりα線の通過が物理的に排除され、α線の影響が排除された検出値25が、放射線検出器31から出力されることになる。
【0029】
このように遮蔽膜39が設けられることで、粉塵やα線を放出するダストによる影響を低減させることができる。この遮蔽膜39は、測定対象26側のコリメータ32の面に配置される。これにより、ダストが飛散している環境においても、ダストから放出されるα線やダストがコリメータ32に詰まる阻害要因が排除され、汚染源20(20a,20b)の分布16が高精度に生成される。
【0030】
図6のフローチャートに基づいて(適宜、
図1参照)、実施形態に係る放射能汚染分布測定方法の工程及び放射能汚染分布測定プログラムのアルゴリズムを説明する。まず、汚染源20(20a,20b)を持つ測定対象26に対向するように放射線検出器31とコリメータ32を配置する(S11)。
【0031】
次に、コリメータ32に規定されるβ線の通過方向21を設定する(S12)。そして、汚染源20(20a,20b)から放出されたβ線のうちコリメータ32の通過方向21における放射線検出器31の検出値25を受信する(S13)。
【0032】
次に、測定対象26の画像22等に基づいて、コリメータ32の通過方向21に対応する測定対象26の位置27を収集し(S14)、対応する検出値25と組み合わせてデータ保持する(S15)。
【0033】
そして、コリメータ32に規定されるβ線の通過方向21を可変的に設定し(S16;No、S12)、全ての通過方向21が設定されるまで、(S12)から(S15)までのフローを繰り返す(S16;Yes)。さらに、放射線検出器31及びコリメータ32の配置を変えて測定対象26の全面を網羅するまで(S17;No)、(S11)から(S16)までのフローを繰り返し(S17;Yes)、位置27に検出値25を組み合わせてデータ保持する。
【0034】
次に、測定対象26の位置27に検出値25を反映させ汚染源20(20a,20b)の分布16を生成する(S18、END)。
【0035】
このように、β線を測定可能な放射線検出器31に、コリメータ32の通過方向21を遠隔で設定し、β線の到来方向を規定して検出させる。そして、コリメータ32の通過方向21及び放射線検出器31の配置から測定対象26の位置27と検出値25を関連付けることで、汚染源20(20a,20b)の分布16を遠隔操作で生成することが可能となる。
【0036】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の放射能汚染分布測定装置によれば、β線の通過方向を可変できるコリメータを持つ。これにより、遠隔測定が可能となり、作業員の被爆リスク及びβ汚染の拡大リスクを低減するとともに、作業管理の負担も低減することが可能となる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0038】
以上説明した放射能汚染分布測定装置は、専用のチップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、又はCPU(Central Processing Unit)などのプロセッサを高集積化させた制御装置と、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの外部記憶装置と、ディスプレイなどの表示装置と、マウスやキーボードなどの入力装置と、通信I/Fとを、備えており、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成で実現できる。このため放射能汚染分布測定装置の構成要素は、コンピュータのプロセッサで実現することも可能であり、放射能汚染分布測定プログラムにより動作させることが可能である
【0039】
また放射能汚染分布測定プログラムは、ROM等に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。
【0040】
また、本実施形態に係る放射能汚染分布測定プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。また、放射能汚染分布測定装置は、構成要素の各機能を独立して発揮する別々のモジュールを、ネットワーク又は専用線で相互に接続し、組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0041】
10(10A,10B,10C)…放射能汚染分布測定装置、11…設定部、12…収集部、15…生成部、16…分布、17…表示部、20(20a,20b)…汚染源、21…通過方向、22…画像、25…検出値、26…測定対象、27…位置、31…放射線検出器、32…コリメータ、33…構造体、34…有感部、35…駆動部、36…光学カメラ、38…遮蔽板、39…遮蔽膜。