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特開2024-163777空間制御システム、空間制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163777
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】空間制御システム、空間制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/65 20180101AFI20241115BHJP
   F24F 11/64 20180101ALI20241115BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20241115BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20241115BHJP
   F24F 110/20 20180101ALN20241115BHJP
   F24F 110/30 20180101ALN20241115BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20241115BHJP
   F24F 140/60 20180101ALN20241115BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20241115BHJP
【FI】
F24F11/65
F24F11/64
F24F11/46
F24F110:10
F24F110:20
F24F110:30
F24F140:00
F24F140:60
F24F120:12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079654
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】松本 貴也
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260BA75
3L260CA03
3L260CA11
3L260CB86
3L260EA02
3L260EA03
3L260EA04
3L260EA09
3L260EA19
3L260GA15
(57)【要約】
【課題】空間の使用状況に合わせて空間の空質制御を行う空間制御システム等を提供する。
【解決手段】空間制御システム1は、建物内の空間10を仮想的に分割することで形成された複数のエリア11~14の空質制御の優先度に関する優先度情報ipを取得する優先度取得部520と、空間10の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報を取得する運転パターン取得部530と、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する演算部550と、を備える。演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物内の空間を仮想的に分割することで形成された複数のエリアの空質制御の優先度に関する優先度情報を取得する優先度取得部と、
前記空間の空質制御を行う制御機器の複数の運転パターンに関する情報を取得する運転パターン取得部と、
前記複数の運転パターンで前記空間の空質制御のシミュレーションを行う際に、前記複数のエリアに対応するシミュレーション結果を導出する演算部と、
を備え、
前記演算部は、前記複数の運転パターンの中から、前記優先度情報に合致する前記シミュレーション結果を有する運転パターンを抽出する
空間制御システム。
【請求項2】
さらに、前記空間の状態量に関する情報を取得する状態量取得部を備え、
前記演算部は、前記シミュレーションを行う際に、前記空間の状態量に関する情報を用いて同化処理を行うことで前記シミュレーション結果を導出する
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項3】
前記シミュレーション結果は、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果を含み、
前記演算部は、前記それぞれに対するシミュレーションの結果が前記優先度情報に合致するか否かを判断することで、前記運転パターンを抽出する
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項4】
前記評価項目は、前記エリアにて目標とする状態量を達成する時間、当該状態量を達成するために必要な消費エネルギー、および、当該状態量を達成するための快適指数の少なくとも1つである
請求項3に記載の空間制御システム。
【請求項5】
前記状態量は、温度、湿度、風量および風向きのうちの少なくとも1つである
請求項4に記載の空間制御システム。
【請求項6】
前記複数の運転パターンに関する情報は、前記制御機器から送り出される空気の温度、湿度、風量および風向きの少なくとも1つの情報を含む
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項7】
前記優先度情報が、前記複数のエリアにおいて目標とする状態量を達成する順位を示す情報である場合、前記演算部は、前記順位に合致する前記シミュレーション結果を有する前記運転パターンを抽出する
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項8】
さらに、前記複数のエリアの構造に関するエリア構造情報を取得するエリア構造取得部を備え、
前記演算部は、前記シミュレーションを行う際に、前記エリア構造情報を用いて前記シミュレーション結果を導出する
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項9】
さらに、前記演算部にて抽出した前記運転パターンに関する情報を表示させるための信号を出力する信号出力部を備える
請求項1に記載の空間制御システム。
【請求項10】
建物内の空間を仮想的に分割することで形成された複数のエリアの空質制御の優先度に関する優先度情報を取得する優先度取得ステップと、
前記空間の空質制御を行う制御機器の複数の運転パターンに関する情報を取得する運転パターン取得ステップと、
前記複数の運転パターンで前記空間の空質制御のシミュレーションを行う際に、前記複数のエリアに対応するシミュレーション結果を導出する演算ステップと、
を含み、
前記演算ステップは、前記複数の運転パターンの中から、前記優先度情報に合致する前記シミュレーション結果を有する運転パターンを抽出する
空間制御方法。
【請求項11】
請求項10に記載の空間制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物内の空間の空質制御を行う空間制御システム、空間制御方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の空間の空質制御を行う制御システムが知られている。この種の制御システムの一例として特許文献1には、空間内を伝搬する音波の伝搬特性に基づいて、空間の空気特性を計測し、計測された空気特性に基づいて空間内の空調機器を制御するシステムが開示されている。このシステムでは、空間を仮想的に分割することで複数の領域を形成し、複数の領域のうちの温度計測を行う領域の温度が目標温度に近づくように、空調機器を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2021/199877号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、空間を使用する人の使用状況に合わせて空間の空質制御を行うことが困難な場合がある。
【0005】
そこで本開示は、空間の使用状況に合わせて空間の空質制御を行うことができる空間制御システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様における空間制御システムは、建物内の空間を仮想的に分割することで形成された複数のエリアの空質制御の優先度に関する優先度情報を取得する優先度取得部と、前記空間の空質制御を行う制御機器の複数の運転パターンに関する情報を取得する運転パターン取得部と、前記複数の運転パターンで前記空間の空質制御のシミュレーションを行う際に、前記複数のエリアに対応するシミュレーション結果を導出する演算部と、を備え、前記演算部は、前記複数の運転パターンの中から、前記優先度情報に合致する前記シミュレーション結果を有する運転パターンを抽出する。
【0007】
本開示の一態様における空間制御方法は、建物内の空間を仮想的に分割することで形成された複数のエリアの空質制御の優先度に関する優先度情報を取得する優先度取得ステップと、前記空間の空質制御を行う制御機器の複数の運転パターンに関する情報を取得する運転パターン取得ステップと、前記複数の運転パターンで前記空間の空質制御のシミュレーションを行う際に、前記複数のエリアに対応するシミュレーション結果を導出する演算ステップと、を含み、前記演算ステップは、前記複数の運転パターンの中から、前記優先度情報に合致する前記シミュレーション結果を有する運転パターンを抽出する。
【0008】
本開示の一態様におけるプログラムは、上記の空間制御方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
なお、本開示の全般的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本開示の空間制御システム等によれば、空間の使用状況に合わせて空間の空質制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態における空間制御システムの構成を示す図である。
図2】空間制御システムに含まれる空間制御装置を構成するコンピュータを示す図である。
図3】建物内の空間において仮想的に形成された複数のエリアの一例を示す図である。
図4】複数のエリアの空質制御の優先度に関する優先度情報の一例を示す図である。
図5】制御機器の複数の運転パターンに関する情報の一例を示す図である。
図6】複数のエリアに対応するシミュレーション結果の一例を示す図である。
図7】優先度情報に合致する運転パターンの提示例を示す図である。
図8】運転パターンの提示例の他の例を示す図である。
図9】実施の形態における空間制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態等について、図面を参照しながら説明する。以下で説明する実施の形態等は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態等で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態等における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。また、各図において、同一の物体を図示している場合であっても、便宜上、縮尺を変更している場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[空間制御システムの構成]
図1は、実施の形態における空間制御システム1の構成を示す図である。
【0015】
実施の形態における空間制御システム1は、建物内の空間の状態量を制御するシステムである。
【0016】
建物内の空間とは、例えば、住宅、オフィス、店舗、公共施設、娯楽施設、美術館、博物館、工場、倉庫等の建物において、壁またはパーティションによって仕切られた空間である。空間の状態量とは、空間の状態を示す物理量であり、例えば、空間の温度、湿度、風速(風向きを含む)、ガス濃度、PM2.5(微小粒子状物質)の量である。
【0017】
図1に示すように、空間制御システム1は、空間制御装置500と、センサ200と、制御機器600と、を備えている。空間制御装置500と、センサ200および制御機器600とは、通信ネットワークを介して通信接続されている。
【0018】
センサ200は、空間の状態量等を検知する装置であり、空間内に設けられる。センサ200は、例えば、温度計、湿度計、風速計、濃度計、PM2.5測定器などである。センサ200は、画像センサまたは人感センサなどのように、空間内における人の有無および人の位置に関する情報を検知する装置であってもよい。センサ200によって検知された空間の状態量に関する情報、または、人の有無に関する情報は、通信ネットワークを介して空間制御装置500へ送信される。
【0019】
制御機器600は、建物内の空間の空質制御を行う機器である。具体的には、制御機器600は、空調機器、扇風機、送風機、空気清浄機、換気扇、ヒーター、加湿器等のように、空間の温度、湿度、風速、気圧、音、光、または、CO、PM、ウイルスなど物質濃度といった要素について変化を与え得る機器である。制御機器600は、建物の空間内、または、空間と外部との境界に設けられる。制御機器600は、空間制御装置500にて決定された制御機器600の運転パターンに基づく制御指令に基づいて稼働する。
【0020】
また、空間制御装置500は、通信ネットワークを介して情報端末310に通信接続されている。
【0021】
情報端末310は、建物の空間を使用するユーザーが所有する端末装置であり、例えばスマートフォンまたはタブレット端末である。情報端末310は、ユーザーが希望する空間の状態量に関する情報を受け付け、受け付けた情報を空間制御装置500へ送信する。空間制御装置500は、情報端末310から送信されたユーザーが希望する空間の状態量を、当該システムにおいて制御目標とする空間の状態量とする。
【0022】
空間制御装置500は、後述するコンピュータ100に設けられる。なお、空間制御装置500は、クラウド上のコンピュータに設けられてもよい。空間制御装置500は、シミュレーションを行うための各種情報が保存される記憶部105を有している。空間制御装置500は、記憶部105に保存された各種情報、および、センサ200から取得した情報等に基づいて空間10の空質制御のシミュレーションを行う。
【0023】
図2は、空間制御システム1に含まれる空間制御装置500を構成するコンピュータ100を示す図である。
【0024】
コンピュータ100は、入力部101、演算回路102、メモリ103、出力部104、記憶部(データベースを含む)105および通信部107を備えている。
【0025】
通信部107は、ネットワークを介してセンサ200、制御機器600および情報端末310と無線または有線で通信する。無線通信の通信方式は、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、またはZigBee(登録商標)であってもよく、その他の方式であってもよい。
【0026】
入力部101は、ユーザーによる入力操作を受け付けるHMI(Human Machine Interface)としての機能を有し、例えばキーボード、マウス、タッチセンサ、タッチパッドなどを備える。空間10のレイアウト情報の一部は、入力部101を介してコンピュータ100に入力されてもよい。
【0027】
出力部104は、画像または文字などを表示するディスプレイを有し、そのディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。なお、出力部104は、画像または文字などを印刷するプリンタを有していてもよく、演算回路102から出力されるデータをファイル形式で記憶部105に格納する機能を有していてもよい。
【0028】
記憶部105は、演算回路102への各命令が記述されたプログラム(すなわちコンピュータプログラム)105aを格納している。プログラム105aは、例えば、リムーバブルメディアまたはネットワークを介して記憶部105に格納される。リムーバブルメディアは、例えばCD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、フラッシュメモリなどである。このため、通信部107は、リムーバブルメディアのプログラム105aを読み込むインターフェースを備えていてもよい。
【0029】
また、記憶部105には、数値解析を行うためのシミュレーションソフトが格納される。シミュレーションソフトとしては、例えば、CFD(Computational Fluid Dynamics)またはBIM(Building Information Modeling)などが挙げられる。
【0030】
また、記憶部105には、演算回路102の処理によって一時的に生成される各テンポラリーデータ105bが格納される。このような記憶部105は、不揮発性の記録媒体であって、例えば、ハードディスクなどの磁気記憶装置、光ディスク、半導体メモリなどである。本実施の形態では、記憶部105に、後述する空間10の構造情報および制御機器600の運転パターンPに関する情報が保存されている。
【0031】
メモリ103には、演算回路102によって読み出されて展開されたプログラム105aが一時的に保存される。このようなメモリ103は、例えば揮発性のRAM(Random Access Memory)である。
【0032】
演算回路102は、メモリ103に展開されたプログラム105aを実行する回路であって、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などである。演算回路102は、プログラム105aを実行するときには、記憶部105に格納されている各テンポラリーデータ105bを用いてもよい。
【0033】
演算回路102は、空間制御装置500の機能を実現するための回路である。演算回路102は、シミュレーションソフトを用いて空間10の空質制御のシミュレーションを行う。以下、演算回路102を備える空間制御装置500の構成について、より具体的に説明する。
【0034】
[空間制御装置の構成]
空間制御装置500は、建物内の空間に形成された複数のエリアに対して空質制御のシミュレーションを行う。
【0035】
図3は、建物内の空間10において仮想的に形成された複数のエリア11、12、13および14の一例を示す図である。同図には、空間10を上から見た模式図が示されている。
【0036】
複数のエリア11~14は、建物内の空間10を仮想的に分割することで得られた仮想空間である。言い換えると、複数のエリア11~14は、シミュレーション解析を行う際に予めメッシュによって区分けされた空間である。同図では、空間10が4つのエリアによって構成されているが、それに限られず、空間10は、2つ、3つまたは5つ以上など、2以上のエリアによって構成されてもよい。エリアの分割数は、シミュレーション解析を行う際に事前に設定される。同図では、各エリア11~14が2次元平面で示されているが、実際の各エリア11~14は3次元空間である。
【0037】
なお、図3には、エリア12に2人の人が存在し、エリア14に1人の人が存在し、エリア11および13に人が存在していない例が示されている。また、図3には、空間10の状態量を検知するセンサ200として、温度計が設けられ、空間10の空質制御を行う制御機器600として、空調機器が設けられている例が示されている。空間制御装置500によるシミュレーションは、例えば、図3に示した構造をモデルとして実行される。
【0038】
図1に示すように、空間制御装置500は、エリア構造取得部510と、優先度取得部520と、運転パターン取得部530と、状態量取得部540と、演算部550と、信号出力部560と、記憶部105と、を備える。空間制御装置500が備えるこれらの機能的な構成は、メモリ103に保存されたプログラム105aを実行することで実現される。
【0039】
状態量取得部540は、空間10の状態量に関する情報を取得する。例えば、状態量取得部540は、センサ200から出力された空間10の状態量に関する情報を取得する。状態量取得部540で取得した空間10の状態量に関する情報は、演算部550へ出力される。
【0040】
記憶部105には、空間10内に存在する複数のエリア11~14の構造に関するエリア構造情報が予め保存されている。
【0041】
エリア構造情報は、エリアの形状、大きさ、配置に関する情報、および、机、パーティションなどエリア内に配置されている物、物の位置に関する情報を含む。エリアの形状に関する情報は、例えば、解析対象であるエリアを3Dモデリングした後、有限体積法によって点群に変換したデータである。空間10内のエリア構造情報は、空間10を使用するユーザー等によって予め空間制御装置500に入力される。エリア構造情報は、情報端末310または制御機器600に設けられたカメラを用いて建物内の空間10を撮像することで得られてもよい。
【0042】
また、記憶部105には、制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報が保存されている。制御機器600が空調機器である場合、複数の運転パターンPに関する情報は、制御機器600から送り出される空気の温度、湿度、風量および風向きの少なくとも1つの情報を含む。複数の運転パターンPは、20パターン以上であってもよいし、100パターン以上であってもよい。複数の運転パターンPに関する情報は、制御機器600の仕様情報または制御機器600の製造業者から提示された情報に基づいて、予め空間制御装置500に入力される。
【0043】
エリア構造取得部510は、複数のエリア11~14の構造に関するエリア構造情報を取得する。エリア構造取得部510は、記憶部105に保存された複数のエリア11~14のエリア構造情報を読み出すことで、当該エリア構造情報を取得する。エリア構造取得部510で取得したエリア構造情報は、演算部550へ出力される。
【0044】
優先度取得部520は、複数のエリア11~14の空質制御の優先度に関する優先度情報ipを取得する。
【0045】
図4は、複数のエリア11~14の空質制御の優先度情報ipの一例を示す図である。
【0046】
優先度情報ipは、複数のエリア11~14の優劣の順位を示す情報である。優先度情報ipには、優先度が1位となるエリアの情報に限られず、優先度が2位または3位となるエリアの情報が含まれる。また、優先度情報ipには、優先度が1位(最優先)になる複数のエリアからなるグループの情報も含まれる。優劣の順位は、例えば、各エリアの目標とする状態量を達成する達成時間の順位である。
【0047】
例えば、優先度情報ipは、複数のエリア11~14にて目標とする状態量を達成する順位を示す情報であってもよい。図4の(a)には、目標とする状態量がエリアの温度であり、その温度に達する時間の順位がエリア12→エリア14→エリア11および13の順である例が示されている。
【0048】
例えば、優先度情報ipは、複数のエリア11~14のうちの2以上のエリアからなるグループにて目標とする状態量を達成することであってもよい。図4の(b)には、目標とする状態量がエリアの温度であり、その温度に最も早く到達するのが2つのエリア12および14からなるグループである例が示されている。
【0049】
なお上記では、優先度の順位が目標とする温度に達する時間である例を示したが、それに限られない。例えば、環境意識の高いユーザーが空間10を使用する場合、制御機器600のエネルギーの消費量によって優先度が決まる。つまり、優先度情報ipは、目標とする状態量(例えば温度)に達するときの全てのエリア11~14の消費エネルギーが最も小さくなることであってもよい。
【0050】
優先度取得部520は、ユーザーが入力した情報すなわち情報端末310から送信された優先度に関する情報に基づいて、空質制御の優先度情報ipを取得する。なお、優先度取得部520は、センサ200で検知したエリア内の人の有無に関する情報を受け付け、当該人の有無に関する情報に基づいて優先度に関する情報を生成し、優先度情報ipを取得してもよい。優先度取得部520で取得した優先度情報ipは、演算部550へ出力される。
【0051】
運転パターン取得部530は、空間10の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンに関する情報を取得する。
【0052】
図5は、制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報の一例を示す図である。
【0053】
運転パターン取得部530は、記憶部105に保存された複数の運転パターンPを読み出すことで、複数の運転パターンPに関する情報を取得する。運転パターンPに関する情報は、制御機器600のオンおよびオフ、稼働の強弱、方向、角度など、制御量の多寡、作用する方向および範囲を示す情報である。同図には。複数の運転パターンPとして、制御機器600から送り出される空気の風量、風向き、温度に関する情報が示されている。運転パターン取得部530で取得した運転パターンPに関する情報は、演算部550へ出力される。
【0054】
演算部550は、エリア構造取得部510から出力されたエリア構造情報、および、運転パターン取得部530から出力された運転パターンPに関する情報を用いてシミュレーションを行う。また、演算部550は、シミュレーションを行う際に、状態量取得部540から出力された空間10の状態量に関する情報を用いて同化処理を行うことでシミュレーションを行う。この同化処理は少なくとも1回実行される。
【0055】
なお、演算部550は、エリア構造情報および複数の運転パターンPに関する情報に基づいてシミュレーションを行う前に、目標となる状態量を達成することが不可能な運転パターンを排除し、運転パターンPの絞り込みを行ってもよい。
【0056】
本実施の形態の演算部550は、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する。
【0057】
図6は、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsの一例を示す図である。
【0058】
同図には、目標とする状態量が温度であり、目標温度が29℃に設定された場合のシミュレーション結果Rsが示されている。また、同図には、複数の運転パターンPで空質制御のシミュレーションを行った場合の目標温度に到達する時間が、複数のエリア11~14ごとに示されている。
【0059】
シミュレーション結果Rsは、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果を含む。評価項目は、例えば、エリア11~14にて目標の状態量を達成する時間、当該状態量を達成するために必要な消費エネルギー、および、当該状態量を達成するための快適指数の少なくとも1つである。評価項目は、温度および湿度などの直接測定可能な数値であってもよいし、温熱快適性指標のような測定をもとにして決めた数値であってもよい。
【0060】
演算部550は、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果が、優先度情報ipに合致するか否かを判断する。そして、演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致したシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0061】
演算部550は、優先度情報ipが複数のエリア11~14において目標とする状態量を達成する順位を示す情報である場合、当該順位に合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0062】
例えば、優先度情報ipが図4の(a)に示す情報である場合、すなわち、優先度の順位がエリア12→エリア14→エリア11および13の順である場合、演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致する運転パターンP1およびP2を抽出する。演算部550は、運転パターンP1のほうが運転パターンP2よりも一番目の到達時間が短いので、運転パターンP1を第1候補として抽出し、運転パターンP2を第2候補として抽出してもよい。なおこの場合、演算部550は、優先度情報ipに合致しない運転パターンP3を抽出しない。
【0063】
例えば、優先度情報ipが図4の(b)に示す情報である場合、すなわち、優先度の最優先となるものがエリア12および14からなるグループの最短時間である場合、演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致する運転パターンP2およびP3を抽出する。演算部550は、運転パターンP2およびP3の両方を、運転パターンの候補として抽出してもよい。なおこの場合、演算部550は、優先度情報ipに合致しない運転パターンP1を抽出しない。
【0064】
演算部550は、抽出した運転パターンPを出力し、信号出力部560は、演算部550にて抽出した運転パターンPに関する情報を表示させるための信号を出力する。また、演算部550および信号出力部560は、運転パターンPに関する情報の他に、目標とする状態量の達成時間および消費エネルギーに関する情報を出力する。
【0065】
図7は、優先度情報ipに合致する運転パターンPの提示例を示す図である。図8は、運転パターンPの提示例の他の例を示す図である。図7および図8には、情報端末310の画面が示されている。
【0066】
図7に示すように、情報端末310には、ユーザーが希望する温度および空質制御の優先度に関する情報が表示される。また、情報端末310には、信号出力部560から送信された情報に基づいて、演算部550にて抽出された運転パターンP1が表示される。情報端末310には、さらに、希望温度の達成時間および消費エネルギーに関する情報が表示されてもよい。また、情報端末310には、別の画面として、お急ぎモード(時刻優先)、省エネモード(低消費エネルギー)、そよ風モード(体感風速低い)などの情報が表示されてもよい(図8参照)。
【0067】
情報端末310は、提示した運転パターンP1に対する選択入力を受け付けると、運転パターンP1が選択されたことを示す情報を空間制御装置500へ送信する。空間制御装置500は、選択された運転パターンP1に関する情報に基づいて制御機器600を稼働する。
【0068】
本実施の形態における空間制御システム1は、建物内の空間10を仮想的に分割することで形成された複数のエリア11~14の空質制御の優先度に関する優先度情報ipを取得する優先度取得部520と、空間10の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報を取得する運転パターン取得部530と、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する演算部550と、を備える。演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0069】
このように、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出することで、抽出された運転パターンPに基づいて、空間10の空質制御を行うことが可能となる。これにより、空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。
【0070】
[空間制御方法]
実施の形態における空間制御方法について説明する。
【0071】
図9は、実施の形態における空間制御方法を示すフローチャートである。
【0072】
以下では、制御機器600を実際に稼働させているときに、空間制御装置500にて実行されるステップが示されている。
【0073】
まず、空間制御装置500は、複数のエリア11~14の構造に関するエリア構造情報を取得する(ステップS110)。複数のエリア11~14は、建物内の空間10を仮想的に分割することで形成されたエリアである。エリア構造情報は、エリアの形状、大きさ、配置に関する情報、および、机、パーティションなどエリア内に配置されている物、物の位置に関する情報を含む。
【0074】
また、空間制御装置500は、複数のエリア11~14の空質制御の優先度情報ipを取得する(ステップS120)。優先度情報ipとは、複数のエリア11~14の優劣の順位を示す情報である。
【0075】
また、空間制御装置500は、空間の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報を取得する(ステップS130)。複数の運転パターンPに関する情報は、制御機器600から送り出される空気の温度、湿度、風量および風向きの少なくとも1つの情報を含む。
【0076】
また、空間制御装置500は、空間10の状態量に関する情報を取得する(ステップS140)。状態量は、温度、湿度、風量および風向きのうちの少なくとも1つである。なお、ステップS110、S120、S130およびS140は、順不同である。
【0077】
次に、空間制御装置500は、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する(ステップS150)。
【0078】
空間制御装置500は、ステップS110で取得したエリア構造情報、および、ステップS130で取得した運転パターンPに関する情報を用いてシミュレーションを行う。また、空間制御装置500は、シミュレーションを行う際に、ステップS140で取得した状態量に関する情報を用いて同化処理を行うことでシミュレーションを行う。
【0079】
空間制御装置500は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する(ステップS160)。
【0080】
例えば、シミュレーション結果Rsは、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果を含んでいる。複数の評価項目には、各エリア11~14にて目標とする状態量を達成する時間、当該状態量を達成するために必要な消費エネルギー、および、当該状態量を達成するための快適指数などが含まれている。
【0081】
空間制御装置500は、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果が、優先度情報ipに合致するか否かを判断する。そして、空間制御装置500は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致したシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0082】
空間制御装置500は、優先度情報ipが複数のエリア11~14において目標とする状態量を達成する順位を示す情報である場合、当該順位に合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出してもよい。
【0083】
次に、空間制御装置500は、ステップS160にて抽出した運転パターンPに関する情報を表示させるための信号を出力する(ステップS170)。これにより、情報端末310に運転パターンPに関する情報を提示させる。
【0084】
なお上記では、制御機器600を実際に稼働させているときに、空間制御装置500にて実行されるステップを示したが、それに限られず、空間制御装置500は、制御機器600を稼働する前に上記に示すステップを実行してもよい。この場合、同化処理を行わないこととなるので、ステップS140の処理が省略される。
【0085】
(まとめ)
本実施の形態における空間制御システム等の構成について例示する。
【0086】
[例1]本実施の形態における空間制御システム1は、建物内の空間10を仮想的に分割することで形成された複数のエリア11~14の空質制御の優先度に関する優先度情報ipを取得する優先度取得部520と、空間10の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報を取得する運転パターン取得部530と、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する演算部550と、を備える。演算部550は、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0087】
このように、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出することで、抽出された運転パターンPに基づいて、複数のエリア11~14を含む空間10の空質制御を行うことが可能となる。これにより、空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。
【0088】
[例2]空間制御システム1は、さらに、空間10の状態量に関する情報を取得する状態量取得部540を備える。演算部550は、シミュレーションを行う際に、空間10の状態量に関する情報を用いて同化処理を行うことでシミュレーション結果Rsを導出する。
【0089】
このように、空間10の状態量に関する情報を用いて同化処理を行うことで、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空質制御を行うことが可能となる。例2の構成は、例1に適用可能である。
【0090】
[例3]シミュレーション結果Rsは、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーションの結果を含む。演算部550は、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーション結果Rsが優先度情報ipに合致するか否かを判断することで、運転パターンPを抽出する。
【0091】
このように、複数の評価項目のそれぞれに対するシミュレーション結果Rsが優先度情報ipに合致するか否かを判断することで、優先度情報ipに合致する精度の高い運転パターンPを抽出することができる。これにより、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例3の構成は、例1または例2に適用可能である。
【0092】
[例4]評価項目は、エリア11~14にて目標とする状態量を達成する時間、当該状態量を達成するために必要な消費エネルギー、および、当該状態量を達成するための快適指数の少なくとも1つである。
【0093】
この構成によれば、演算部550において、上記の評価項目を用いて優先度情報ipに合致する精度の高い運転パターンPを抽出することができる。これにより、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例4の構成は、例3に適用可能である。
【0094】
[例5]状態量は、温度、湿度、風量および風向きのうちの少なくとも1つである。
【0095】
この構成によれば、演算部550において、上記の状態量を含む評価項目を用いて優先度情報ipに合致する精度の高い運転パターンPを抽出することが可能となる。これにより、空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例5の構成は、例4に適用可能である。
【0096】
[例6]複数の運転パターンPに関する情報は、制御機器600から送り出される空気の温度、湿度、風量および風向きの少なくとも1つの情報を含む。
【0097】
この構成によれば、演算部550において、制御機器600から送り出される空気の温度、湿度、風量および風向きの少なくとも1つを含む運転パターンPを抽出することができる。これにより、空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例6の構成は、例1~例5のいずれかに適用可能である。
【0098】
[例7]優先度情報ipが、複数のエリア11~14において目標とする状態量を達成する順位を示す情報である場合、演算部550は、当該順位に合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0099】
この構成によれば、複数のエリア11~14の優先度情報ipに合致した運転パターンPを抽出することが可能となる。これにより、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例7の構成は、例1~例6のいずれかに適用可能である。
【0100】
[例8]空間制御システム1は、さらに、複数のエリア11~14の構造に関するエリア構造情報を取得するエリア構造取得部510を備える。演算部550は、シミュレーションを行う際に、エリア構造情報を用いてシミュレーション結果Rsを導出する。
【0101】
このように、エリア構造情報に基づいてシミュレーションを行うことで、複数のエリア11~14の構造に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。例8の構成は、例1~例7のいずれかに適用可能である。
【0102】
[例9]空間制御システム1は、さらに、演算部550にて抽出した運転パターンPに関する情報を表示させるための信号を出力する信号出力部560を備える。
【0103】
この構成によれば、例えば、演算部550にて抽出した運転パターンPを外部の情報端末310に表示させることができる。これにより、空間10を使用する人の希望に合った空質制御を行うことが可能となる。これにより、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空質制御を行うことができる。例9の構成は、例1~例8のいずれかに適用可能である。
【0104】
[例10]本実施の形態における空間制御方法は、建物内の空間10を仮想的に分割することで形成された複数のエリア11~14の空質制御の優先度に関する優先度情報ipを取得する優先度取得ステップと、空間10の空質制御を行う制御機器600の複数の運転パターンPに関する情報を取得する運転パターン取得ステップと、複数の運転パターンPで空間10の空質制御のシミュレーションを行う際に、複数のエリア11~14に対応するシミュレーション結果Rsを導出する演算ステップと、を含む。演算ステップは、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出する。
【0105】
このように、複数の運転パターンPの中から、優先度情報ipに合致するシミュレーション結果Rsを有する運転パターンPを抽出することで、抽出された運転パターンPに基づいて、空間10の空質制御を行うことが可能となる。これにより、複数のエリア11~14を含む空間10の使用状況に合わせて空間10の空質制御を行うことができる。
【0106】
[例11]本実施の形態におけるプログラムは、上記の空間制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0107】
これにより、上記の空間制御方法をプログラムに従ってコンピュータに実行させることが可能になる。
【0108】
(その他の実施の形態)
以上、本開示における空間制御システム等について、各実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を各実施の形態に施したものや、各実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲内に含まれる。
【0109】
上記では、空間制御装置500と制御機器600とが通信ネットワークを介して接続されている例を示したが、それに限られない。例えば、空間制御装置500は、制御機器600の内部に設けられていてもよい。この場合、センサ200も制御機器600に設けられ、制御機器600の内部にて空間制御装置500に接続されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本開示の空間制御方法等は、建物に設けられた制御機器の稼働条件を制御することによって、建物内の空間の温度等の空間の状態量を制御する用途に適用できる。
【符号の説明】
【0111】
1 空間制御システム
10 空間
11、12、13、14 エリア
100 コンピュータ
101 入力部
102 演算回路
103 メモリ
104 出力部
105 記憶部
105a プログラム
105b テンポラリーデータ
107 通信部
200 センサ
310 情報端末
500 空間制御装置
510 エリア構造取得部
520 優先度取得部
530 運転パターン取得部
540 状態量取得部
550 演算部
560 信号出力部
600 制御機器
ip 優先度情報
P、P1、P2、P3、P4 運転パターン
Rs シミュレーション結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9