(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163783
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A63F7/02 304D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079661
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】599104196
【氏名又は名称】株式会社サンセイアールアンドディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】平 勇輝
(72)【発明者】
【氏名】加藤 哲平
(72)【発明者】
【氏名】大秋 善幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 健弘
(72)【発明者】
【氏名】山田 輝彦
(72)【発明者】
【氏名】吉川 真史
(72)【発明者】
【氏名】大内 章史
(72)【発明者】
【氏名】竹市 秀之助
(72)【発明者】
【氏名】盛 准一
(72)【発明者】
【氏名】林 敬祐
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA35
2C088AA36
2C088AA42
2C088BC15
2C088BC22
2C088BC25
2C088CA13
2C088DA07
2C088EB55
(57)【要約】
【課題】示唆演出に係る興趣の向上を図ることができる遊技機を提供する。
【解決手段】複数のLEDを一列に配置して発光演出を行う連鎖発光装置と、大当たりとなることを示唆する予告演出を実行する演出表示装置と、を有し、連鎖発光装置は、遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせてLEDを発光させる用途と、予告演出の実行態様に対応付けてLEDの発光態様を異ならせる用途と、を兼用する。予告演出の実行態様に対応付けてLEDの発光態様を異ならせる用途とは、予告演出が出現するタイミングを、複数のLEDの内で発光させるLEDの位置によって前もって知らせるものである。
【選択図】
図28
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機内で遊技球が循環する循環式の遊技機であって、
複数の発光部を一列に配置して発光演出を行う発光手段と、
遊技者に有利な有利状態となることを示唆する示唆演出を実行する演出実行手段と、を有し、
前記発光手段は、遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせて前記発光部を発光させる用途と、前記示唆演出の実行態様に対応付けて前記発光部の発光態様を異ならせる用途と、を兼用することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記有利状態とするか否かを抽選で決定する抽選手段と、
前記抽選の結果を示す図柄を停止表示させる図柄表示手段と、を有し、
前記発光手段は、
前記示唆演出の実行態様に対応付けて前記発光部の発光態様を異ならせる用途として、
前記示唆演出が出現するタイミングを、複数の発光部の内で発光させる発光部の位置によって前もって知らせることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記発光手段は、前記発光演出を行う前記発光部の発光色又は個数によって、前記示唆演出の有利状態期待度を示唆することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記示唆演出の有利状態期待度は、表示装置で前記示唆演出が実行されたときの表示色に応じて異なっており、
前記示唆演出の表示色と前記発光部の発光色が対応しない色関係である場合、対応する色関係である場合に比して有利状態期待度が向上することを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記示唆演出は、リーチ演出中に発生することで当たり抽選の結果が当たりとなる確率が高まったことを示唆するチャンスアップ演出であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のうち何れか一項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一種であるパチンコ遊技機では、遊技者に有利な有利状態(例えば大当たり)となることを示唆する示唆演出を実行するものが知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した示唆演出は、従来より行われている演出であるためマンネリ化しており、更なる改良による興趣の向上が求められていた。
本発明は、従来における問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、示唆演出に係る興趣の向上を図ることができる遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため本発明に係る遊技機は、遊技機内で遊技球が循環する循環式の遊技機であって、複数の発光部を一列に配置して発光演出を行う発光手段と、遊技者に有利な有利状態となることを示唆する示唆演出を実行する演出実行手段と、を有し、前記発光手段は、遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせて前記発光部を発光させる用途と、前記示唆演出の実行態様に対応付けて前記発光部の発光態様を異ならせる用途と、を兼用することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
前記構成を有する本発明に係る遊技機によれば、示唆演出に係る興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】パチンコ遊技機とカードユニットの正面図である。
【
図4】主制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図5】サブ制御基板及び周辺機器の電気的構成をブロックで示す説明図である。
【
図6】特図変動パターン選択テーブルの説明図である。
【
図7】メイン側主制御処理のフローチャートである。
【
図8】メイン側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図9】始動口センサ検出処理のフローチャートである。
【
図10】特別図柄待機処理のフローチャートである。
【
図11】特図大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図12】特図変動パターン選択処理のフローチャートである。
【
図14】特別図柄変動処理のフローチャートである。
【
図16】枠側タイマ割込処理のフローチャートである。
【
図17】遊技球数管理処理のフローチャートである。
【
図18】サブ側主制御処理のフローチャートである。
【
図19】1msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図20】10msタイマ割込処理のフローチャートである。
【
図21】受信コマンド解析処理のフローチャートである。
【
図22】変動演出開始処理のフローチャートである。
【
図23】変動演出パターン選択テーブルの説明図である。
【
図24】賞球払出中における連鎖発光装置の発光態様を示す模式図である。
【
図25】チャンスアップ演出選択テーブルの説明図である。
【
図26】チャンスアップ演出の実行態様を示す模式図である。
【
図28】(a),(b)は、連鎖発光装置によるチャンスアップ演出の出現タイミングの先告知の流れを示すタイミングチャートである。
【
図32】大当たり信頼度と発光部の発光個数の対応関係を説明する説明図である。
【
図33】(a),(b)は、連鎖発光装置による大当たり信頼度の報知の流れを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機について図を参照しつつ説明する。以下の説明において、パチンコ遊技機の各部の方向を説明する場合は、そのパチンコ遊技機と対向して遊技を行う遊技者から見た方向を基準とする。具体的には、パチンコ遊技機の各部の左右方向及び上下方向は、遊技者から見た左右方向及び上下方向とする。また、パチンコ遊技機を基準として遊技者に近づく方向を前方とし、遊技者から遠ざかる方向を後方とする。
【0009】
[パチンコ遊技機の主要構成]
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技機枠16を備える。遊技機枠16は、前方側から順に、前枠18、内枠24、外枠(図示せず)によって構成される。
【0010】
外枠は、縦長方形状の枠体であり、パチンコ遊技機1の外郭を形成する。内枠24は、外枠の内側に配置され、後述する遊技盤2が取り付けられる。前枠18は、外枠及び内枠24の前面側に配置されている。また、パチンコ遊技機1では、パチンコ遊技機1の左上部において、前枠18及び内枠24が、それぞれ回動可能となるよう図示しないヒンジで固定されている。
【0011】
また、パチンコ遊技機1の左側方には、外部ユニットであるカードユニット28が配置されている。カードユニット28には、記憶媒体であるプリペイドカードや会員カード(以下、単に遊技カードという)等のICカードが挿入される。また、カードユニット28は、遊技カードに記憶された情報の読み出し及び書き込みを行うとともにパチンコ遊技機1や遊技店に設置されたホールコンピュータ(図示せず)との間で通信を行う。
【0012】
パチンコ遊技機1は、機内部に封入された所定個数(例えば45個とする)の遊技球を内部の球循環機構(図示せず)により機内部で循環させて使用する、所謂「管理遊技機」である(「スマートパチンコ」とも言う)。このタイプの遊技機では、「持ち球数(遊技者が有する遊技媒体の数)」等を電磁的に記憶・管理するようになっており、遊技球の物理的な払い出しを行わない。例えばパチンコ遊技機1では、後述する球貸ボタン282や再プレイボタン284が操作されると、所定の遊技球数をデータ上で持ち球数に加算し、更新する。なお、持ち球数は後述する枠制御基板150の記憶領域(RAM(RWM))に記憶される。
【0013】
一方、パチンコ遊技機1では、遊技球が遊技に使用される(発射される)と、使用した遊技球数を持ち球数から減算し、更新する。また、賞球が付与される場合も同様に、その賞球分の遊技球数を持ち球数に加算し、更新する。
【0014】
このようにパチンコ遊技機1は、遊技者が遊技球を直接取り扱う必要がないため、遊技球を出し入れ可能に貯留する球受け皿を備えていない。
次に、
図1及び
図2に従って、操作台25について説明する。
【0015】
操作台25は、前枠18の下部において前方に張り出した形状で、つまり遊技者側に接近するように設けられている。操作台25には、ハンドル4と、演出レバー6と、演出ボタン9と、計数ボタン251と、十字キー252と、遊技球数表示器26と、連鎖発光装置253と、が設けられている。
【0016】
ハンドル4は、操作台25の右下部(前枠18のうち右下)、つまり、パチンコ遊技機1と対向して遊技を行う遊技者が右手で握ることができる位置に設けられている。ハンドル4は、タッチスイッチ92(
図4)と、発射レバー4aと、発射停止ボタン4bとを備えている。タッチスイッチ92は、遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を出力するものであり、ハンドル4を握った遊技者の右手が触れる部分に配置されている。発射レバー4aは、遊技球の発射強度を調整するためのものであり、ハンドル4に回動可能に設けられている。発射停止ボタン4bは、遊技球が発射されているときに遊技球の発射を停止するためのものであり、ハンドル4を握った右手の親指により操作可能な位置に設けられている。
【0017】
演出レバー6は、操作台25の左下部(前枠18のうち下側の左端寄り)、つまり、パチンコ遊技機1と対向した遊技者が左手で操作可能な位置に設けられている。演出レバー6は、左手で把持できる形状とされており、右回転又は左回転の回転操作の他、上下左右の4方向に傾倒操作可能としている。また、演出レバー6には、演出レバー振動モータ6c(
図5)が設けられている。演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させるものであり、演出レバー6の操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。遊技者が、演出レバー6の操作が有効な期間に演出レバー6を操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出レバー6の操作を契機として行われる特定の演出のことをレバー演出という。なお、演出レバー6は省略してもよい。
【0018】
演出ボタン9は、操作台25の上面に設けられている。換言すると、演出ボタン9は、パチンコ遊技機1と対向する遊技者が右手又は左手で押圧操作可能な位置に設けられている。また、演出ボタン9は、遊技者が右手でハンドル4を操作している状態で、左手で押下操作可能な位置に設けられている。演出ボタン9は、例えばプッシュオン式のボタンスイッチを採用することができる。演出ボタン9には、演出ボタン振動モータ9b(
図5)と、演出ボタンランプ9c(
図5)とが内蔵されている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させるものであり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間において所定のタイミングで振動する。本実施形態では、演出ボタンランプ9cはLEDである。演出ボタンランプ9cは、複数色を発光可能であり、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9が押圧操作されたときや演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。演出ボタン9の表面は透光性材料によって形成されており、演出ボタンランプ9cが発した光を遊技者が視認できるように工夫されている。
【0019】
演出ボタン9には、押圧操作された演出ボタン9を押圧操作前の位置に復帰させるためのバネ等の弾性部材(図示せず)が内蔵されており、演出ボタン9は、押圧操作状態が解除されると、弾性部材の復元力によって押圧操作前の状態に復帰する。遊技者が、演出ボタン9の押圧操作が有効な期間に演出ボタン9を押圧操作すると、特定の演出が行われる。以下、演出ボタン9の操作を契機として行われる特定の演出のことをボタン演出という。
【0020】
十字キー252は、操作台25の上面であって、演出ボタン9の左方に設けられている。十字キー252では上下左右の各方向を指定する操作が可能であり、例えば遊技中に加えて非遊技中に各種設定を行う為のメニュー画面等が演出表示装置7に表示された状態でも操作可能である。
【0021】
計数ボタン251は、操作台25の上面であって、演出ボタン9の右方に設けられている。計数ボタン251は、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)で記憶する持ち球(データ)を、遊技カード等の記憶媒体に移動させる際、遊技者によって操作されるボタンである。パチンコ遊技機1(枠制御基板150)は、計数ボタン251が操作されると、その時点で記憶している持ち球(データ)から、操作態様に応じた値を減算する。そして、持ち球(データ)の減算分がカードユニット28によってカウント(計数)され、その球数が遊技カードに記憶(加算)される。このように、計数ボタン251を操作することにより、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)から遊技カードへと持ち球(データ)が移動する。なお、持ち球数は、遊技カードに直接記憶するのではなく、遊技カードの識別情報と紐づけて外部サーバに記憶されてもよい。
【0022】
ちなみに、パチンコ遊技機1では、計数ボタン251の短押し操作(例えば1000ms未満の押下操作)が検出された場合、1個の持ち球(データ)を遊技カードに移動させる。一方、計数ボタン251の長押し(例えば1000msの押下操作)が検出された場合、250個の持ち球(データ)を遊技カードに移動させる。
【0023】
遊技球数表示器26は、操作台25の上面であって、演出ボタン9の右方に設けられている。遊技球数表示器26には持ち球数が表示される。
連鎖発光装置253は、操作台25の上面であって、遊技球数表示器26の右隣に設けられている。連鎖発光装置253は、複数のLED(発光部に相当)を透光性を有する円形状の部材でそれぞれ覆って構成された発光部の集合体の総称である。具体的に説明すると、遊技球数表示器26の右隣に複数(この例では10個)のLEDが横一列に配置されており、各LEDが透光性を有する円形部材で覆われている。連鎖発光装置253を構成する各発光部は、左から順に、第1発光部253a、第2発光部253b、第3発光部253c、第4発光部253d、第5発光部253e、第6発光部253f、第7発光部253g、第8発光部253h、第9発光部253i、第10発光部253jである。連鎖発光装置253を構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて発光し、さらに発光色を変化させる。
【0024】
(カードユニット)
次に、
図1に従ってカードユニット28について説明する。
前述したように、パチンコ遊技機1の側方(左方)にはカードユニット28が配置されており、カードユニット28はパチンコ遊技機1と電気的に接続されている。また、カードユニット28は、紙幣を投入する投入口281と、遊技者が操作可能な球貸ボタン282と、返却ボタン283と、再プレイボタン284と、遊技カードを挿脱する挿脱口286と、を備えている。また、カードユニット28の内部には、貸出基板(SC基板、貸出制御基板:図示せず)が配置されている。貸出基板は、パチンコ遊技機1(枠制御基板150)と電気的に接続されている。カードユニット28(貸出基板)は、遊技者の金額情報を管理してパチンコ遊技機1へ貸球信号を出力(遊技者への遊技球の貸出)したり、計数ボタン251の操作に応じてパチンコ遊技機1から通知された持ち球(データ)を遊技カードに記憶したり、遊技状況に関する各種の情報をパチンコ遊技機1から取得して遊技店の管理装置(ホールコンピュータ)に出力する等の各種制御を実行する。
【0025】
また、カードユニット28は、投入口281に投入された紙幣に相当する金額情報を遊技カードに記憶し、遊技カードに記憶される金額情報に応じた個数まで遊技球の貸し出しを受け付ける。例えば、金額情報が1000円である場合、1000円に相当する遊技球数(例えば250個)の範囲で遊技球の貸し出しが許容される。このとき、遊技者が球貸ボタン282を操作して500円分の遊技球の貸し出しを要求したとすると、500円に相当する数の遊技球(例えば125個)を貸球情報としてパチンコ遊技機1に送信することで、持ち球数を増加させる。一方、遊技者が再プレイボタン284を操作すると、所定数の遊技球(例えば125個)を再プレイ情報(データ)としてパチンコ遊技機1に送信することで、持ち球数を増加させる。また、カードユニット28は、データ表示器285を有する。データ表示器285には、投入口281に投入された紙幣の残額、その他の各種情報が表示される。
【0026】
また、前枠18のうち、左方には左サイドランプ23aが設けられており、右方には右サイドランプ23bが設けられている。左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bが設けられている部分の前枠18は透光性を有し、その透光性を有する部分の内側には複数のLEDが配置されている。各LEDは、それぞれ複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。スピーカ8は、前枠18のうち上部の左右の隅部にそれぞれ設けられており、音楽、効果音及び報知音等の音を演出内容に応じて出力する。
【0027】
また、パチンコ遊技機1は、遊技盤2と、ガラス板5と、演出表示装置7とを備える。
遊技盤2は、パチンコ遊技機1の略中央、つまり、遊技者の顔と略正対する位置に配置されている。遊技盤2の盤面の前方は、透明のガラス板5によって覆われている。演出表示装置7は、遊技盤2の後方に配置されており、その画面が遊技盤2の略中央から露出している。
【0028】
遊技盤2の盤面には、遊技球が流下(転動)する遊技領域3が形成されている。遊技領域3は、演出表示装置7の画面の左方に形成された左遊技領域3Aと、演出表示装置7の画面の右方に形成された右遊技領域3Bとを有する。遊技盤2の盤面には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘(図示せず)が打ち込まれている。遊技盤2の複数箇所には、LEDが設けられており、
図5では、それら各LEDを総称して「盤ランプ2a」と示している。盤ランプ2aを構成する各LEDは、複数色を発光可能であり、演出内容に応じて点灯又は点滅し、さらに発光色を変化させる。
【0029】
遊技盤2は、固定入賞装置10と、ゲート12と、一般入賞口13と、センター装飾体14と、可動体15と、レール部材17と、普通可変入賞装置(電チューともいう)20と、大入賞装置30と、表示器類50とを備える。
【0030】
固定入賞装置10は、遊技盤2の略中央に配置されている。固定入賞装置10は、遊技球が1個ずつ入賞(入球)可能な第1始動口11を有する。第1始動口11は常時開口しており、遊技球が第1始動口11に入賞する確率は略変動しない。ゲート12は、右遊技領域3Bに配置されており、右遊技領域3Bを流下する遊技球が通過可能に構成されている。一般入賞口13は、左遊技領域3Aであって固定入賞装置10の左方に配置されている。
【0031】
センター装飾体14は、遊技盤2の上部に配置されている。センター装飾体14は透光性を有し、その内側には、演出内容に応じて点灯・点滅する複数のLEDが設けられている。可動体15は、センター装飾体14の後方に配置されている。
図1は、可動体15がセンター装飾体14に略隠れた状態を示す。可動体15は、演出内容に応じて所定のタイミングで下方に降下し、遊技者から視認可能な状態に変位する。
【0032】
レール部材17は、遊技盤2の周囲に沿って配置されている。レール部材17は、発射装置90(
図4)によって発射された遊技球を遊技領域3に案内する。遊技盤2の下部中央には、どこにも入賞しなかった遊技球を排出するためのアウト口19が開口している。
【0033】
普通可変入賞装置20は、右遊技領域3Bのうちゲート12の下方に配置されている。普通可変入賞装置20は、可動部材(電動チューリップ)21を備える。可動部材21は、基端を回動軸にして回動可能に構成されており、可動部材21が開閉動作することにより、第2始動口22が開閉する。可動部材21が開作動すると、第2始動口22が開口され、遊技球が第2始動口22に1個ずつ入賞(入球)し易い状態になる。また、可動部材21が閉作動すると、第2始動口22が閉口され、遊技球が第2始動口22に入賞することができない状態になる。なお、
図1に示す例では普通可変入賞装置20は遊技領域3の右方に配置されているが、遊技領域3の下方に配置してもよい。
【0034】
大入賞装置30は、右遊技領域3Bであって、固定入賞装置10の右方に配置されている。大入賞装置30は、大入賞口32を開閉する開閉部材31を備える。大入賞口32は、複数の遊技球が入賞(入球)可能な大きさに形成されている。開閉部材31は、左右方向に長い板状に形成されており、左右の下端を回動軸にして回動可能に構成されている。
【0035】
前述したように、パチンコ遊技機1では、ハンドル4の発射強度を調節することにより、遊技球の発射強度を調節できるようになっている。よって、パチンコ遊技機1では、左遊技領域3A又は右遊技領域3Bを流下するように遊技球を打ち分けることができる。左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、第1始動口11、一般入賞口13に入賞し得る。一方、右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射したときには、遊技球は、ゲート12、第2始動口22、大入賞口32に入賞し得る。
【0036】
なお、本実施形態では、右打ちをした場合、遊技球が第1始動口11に入賞し得ないよう、遊技釘等によって流路が形成されている。このため、右打ちをした場合、第1始動口11側に流れることなく、発射したほぼ全ての遊技球が、第2始動口22側に案内される。一方、第1始動口11の周辺には、遊技球の流下方向を変化させるための複数の遊技釘が打ち込まれている(図示せず)。このため、左打ちをした場合、発射した遊技球が全て第1始動口11に案内されることはなく、第1始動口11周辺の遊技釘に当接し、第1始動口11に入賞することなく、遊技領域3を流下する場合がある。
【0037】
また、パチンコ遊技機1では、遊技領域3の外側に排出経路29(
図3参照)が設けられている。この排出経路29は、パチンコ遊技機1における全ての入球口(第1始動口11、一般入賞口13、第2始動口22、大入賞口32、及びアウト口19)と連通している。よって、第1始動口11、一般入賞口13、第2始動口22、大入賞口32、又はアウト口19に入賞した遊技球は、必ず排出経路29を通過する。排出経路29を通過した遊技球は、後述する貯留部140に向かい、貯留部140で貯留される。なお、排出経路29には、該排出経路29を通過した遊技球を検知する排出口センサ29a(
図4)が設けられている。
【0038】
表示器類50は、遊技盤2のうち遊技領域3の外側であって大入賞装置30の下方に設けられている。
図4に示すように、表示器類50は、第1特別図柄(第1特図)を変動表示する第1特別図柄表示器51と、第2特別図柄(第2特図)を変動表示する第2特別図柄表示器52と、普通図柄(普図)を変動表示する普通図柄表示器53とを備える。さらに、表示器類50は、第1特図保留表示器51aと、第2特図保留表示器52aと、普図保留表示器53aとを備える。第1特図保留表示器51aは、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を表示する。第2特図保留表示器52aは、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を表示する。普図保留表示器53aは、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を表示する。以下、第1特別図柄及び第2特別図柄に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄という。また、第1特別図柄表示器51及び第2特別図柄表示器52に共通の事項を説明する場合は、単に特別図柄表示器という。
【0039】
各特別図柄表示器51,52は、それぞれ複数のLEDにより構成されている。各特別図柄表示器51,52を構成する各LEDは、それぞれ所定の点灯パターンにて点灯し、点灯・消灯するLEDの組み合わせが特別図柄を表しており、点灯・消灯するLEDの組み合わせが変化している状態が特別図柄の変動表示を表している。以下、特別図柄が変動表示を開始してから特別図柄が確定表示されるまでの特別図柄の変動パターンを特図変動パターンという。
【0040】
また、普通図柄表示器53は、複数(例えば2個)のLEDから構成されている。点灯・消灯するLEDが普通図柄を表しており、各LEDが交互に点灯する状態が普通図柄の変動表示を表している。また、遊技球がゲート12を通過すると、当たりか否かを判定する普通図柄の抽選が実行され、普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示する。そして、普通図柄表示器53は、普通図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、普通図柄の抽選結果に対応する普通図柄を確定表示する。普通図柄表示器53が確定表示した普通図柄が、当たりを示す普通図柄であった場合は、普通可変入賞装置20が作動して可動部材21が開動作し、第2始動口22が開口する。
【0041】
遊技球が第1始動口11に入賞すると大当たりか否かを判定する大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示する。そして、第1特別図柄表示器51は、第1特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第1特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第1特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞を契機とする第1特別図柄表示器51の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第1特図保留表示器51aによって表示される。以下、第1特別図柄表示器51の作動保留の記憶数を第1特図保留数という。
【0042】
また、遊技球が第2始動口22に入賞すると大当たり判定(大当たり抽選ともいう)が実行され、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示する。そして、第2特別図柄表示器52は、第2特別図柄の変動表示を開始してから所定時間経過後に、大当たり判定の結果に対応する第2特別図柄を確定表示する。ここで、確定表示された第2特別図柄が、大当たりを示す特別図柄であった場合は、大当たりが発生し、大入賞装置30が作動して開閉部材31が開閉し、大入賞口32が開閉する。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞を契機とする第2特別図柄表示器52の作動が保留される。そして、その作動保留の数を示す記憶数が第2特図保留表示器52aによって表示される。以下、第2特別図柄表示器52の作動保留の記憶数を第2特図保留数という。また、第1特図保留数及び第2特図保留数に共通の事項を説明する場合は、単に特図保留数という。以下、特別図柄表示器が特別図柄の変動表示を開始してから特別図柄を確定表示するまでを特別図柄の1回の変動という。また、特別図柄が1回変動される毎に特図保留数が1個ずつ減少することを特図保留数の消化という。
【0043】
次に、演出表示装置7について説明する。
演出表示装置7は、演出画像、メッセージ画像、デモンストレーション画像(デモ画像)等の動画像及び静止画像を表示する。遊技者は、それらの画像をパチンコ遊技機1の前方から見ながら遊技を行う。演出表示装置7では、特別図柄の変動表示と同期させるように、演出図柄の変動表示が行われる。演出図柄は、算用数字(例えば、1~10)を表した図柄である。なお、演出図柄には、アルファベットや特別なキャラクタ等、数字以外を表した図柄を含めてもよいし、数字以外を表した図柄と組み合わせてもよい。演出表示装置7が演出図柄を変動表示する領域として、左から順に、左演出図柄表示領域、中演出図柄表示領域、右演出図柄表示領域が設定されている。左演出図柄表示領域では左演出図柄7Lが、中演出図柄表示領域では中演出図柄7Cが、右演出図柄表示領域では右演出図柄7Rがそれぞれ変動表示される。
【0044】
各演出図柄の主な変動パターン(変動態様)は、演出図柄が表す数字が昇順となるように画面の上から下に移動する変動パターン、つまり、縦方向にスクロールする変動パターンである。なお、変動パターンとして、演出図柄が画面の左右の一方から他方へ移動する横スクロール方式、演出図柄が同じ表示位置にて数字の昇順に順番に表示される方式等を用いることもできる。また、演出表示装置7は、演出画像として各演出図柄の背景に背景画像を表示する。例えば、背景画像は、テレビドラマや映画等の動画像、その動画像をアニメ化した動画像、アニメーション、パチンコ遊技機メーカーオリジナルの動画像等である。演出表示装置7は、液晶表示装置である。なお、演出表示装置7として、有機EL表示装置、ドットマトリクスLEDを使った表示装置等を用いることもできる。
【0045】
演出表示装置7は、特別図柄の変動表示と同期させて各演出図柄を変動表示し、特別図柄が確定表示されると同時に各演出図柄を確定表示し、大当たり判定結果を表示する。ここで、確定表示とは、演出図柄が上下に揺れたり、再変動したりすることなく、完全に停止した停止表示状態のことである。
【0046】
以下、大当たり判定の結果が大当たりであったことを表す演出図柄の組み合わせを大当たり演出図柄の組み合わせといい、大当たり判定の結果がハズレであったことを表す演出図柄の組み合わせをハズレ演出図柄の組み合わせという。大当たり演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃った状態、いわゆる、ぞろ目の状態である。例えば、
図1に示すように、確定表示された左演出図柄7L、中演出図柄7C及び右演出図柄7Rがそれぞれ「7」で揃った状態である。また、ハズレ演出図柄の組み合わせは、各演出図柄が同じ数字を表す演出図柄で揃っていない状態、つまり、ぞろ目ではない状態の図柄である。例えば、確定表示された左演出図柄7Lが「7」、中演出図柄7Cが「6」、右演出図柄7Rが「7」の状態である。以下、演出表示装置7が特別図柄と同期させて変動表示する演出図柄の変動パターンを演出図柄変動パターンといい、その演出図柄変動パターンの背景に表示される画像を背景画像という。背景画像は、静止画像又は動画像である。
【0047】
また、パチンコ遊技機1では、演出図柄による大当たり判定の結果の報知に加えて、演出表示装置7に表示される背景画像、スピーカ8から出力される音、盤ランプ2aの点灯等を複合的に用いて、大当たり判定の結果の報知を行う。具体的には、予告演出、リーチ演出等の各種演出が該当する。
【0048】
(球循環機構)
次に、
図3に従って、球循環機構について説明する。
図3は、球循環機構の概略図である。
【0049】
前述したように、パチンコ遊技機1は所定個数(例えば45個)の遊技球を循環させて使用する管理遊技機である。また、前述したように、パチンコ遊技機1に設けられた排出経路29は、パチンコ遊技機1における全ての入球口と連通しているため、入球口に入球した遊技球は、排出経路29を通過して貯留部140で貯留される。
【0050】
貯留部140で貯留される遊技球は、揚送装置130によって発射装置90の発射位置に揚送される。揚送装置130は研磨機構を有しており、貯留部140に貯留されている遊技球を研磨しながら1球ずつ上方へと揚送する。揚送装置130より揚送された遊技球は発射装置90が有する通路に一列に並べられ、先頭の球から順に1球ずつ発射位置に運ばれ、セットされる。
【0051】
そして、ハンドル4が回動作されると、発射位置にセットされた遊技球が発射槌90aによって打ち出され、発射経路94を通って遊技領域3に向けて発射される。発射経路94の途中には戻り流路95が分岐形成されている。ハンドル4の回動量が十分であれば、遊技球は発射経路94を通過して遊技領域3へ打ち出されるが、ハンドル4の回動量が十分でなければ、遊技球は戻り流路95を通過し貯留部140に戻される。遊技球の付勢力が足りずに遊技領域3へ進入できなかった遊技球(所謂「ファール球」)は、必ず戻り流路95を通過し、再び貯留部140へ戻る。
【0052】
次に、遊技球数表示器26(
図2)で表示される遊技球数の増減について説明する。
図3に示すように、発射経路94の途中には、発射経路94を通過する遊技球を検知する発射球センサ94aが配置されている。このため、遊技球が発射される度に、発射球センサ94aによって遊技球が検知される。このとき、遊技球数表示器26で表示される遊技球数は、遊技球の発射に伴って「1」ずつ減少する。
【0053】
また、前述したように、パチンコ遊技機1では、ファール球が発生し得る。ファール球は、遊技領域3に到達していない球であるが、一度、発射経路94を通過して発射球センサ94aで検知された遊技球であるため、遊技に関与しない遊技球であるにもかかわらず、遊技球数が1減少された状態となる。そこで、パチンコ遊技機1では、戻り流路95の途中に、戻り流路95を通過する遊技球を検知する戻り球センサ95aを配置している。このため、発射経路94を通過したが遊技領域3に到達せず、戻り流路95に戻った遊技球は、戻り球センサ95aによって検知される。そして、遊技球が戻り球センサ95aによって検知されると、遊技球数表示器26で表示される遊技球数が「1」増加する。
【0054】
一方、パチンコ遊技機1では、特定の入賞口に遊技球が入賞すると、入賞口に応じた数の遊技球を遊技者は獲得可能である。ただし、パチンコ遊技機1は、管理遊技機であるため、遊技球の物理的な払い出しが行われるわけではない。例えば、第1始動口11に遊技球が入賞すると、遊技球数表示器26で表示される遊技球数が「3」増加する。また、以下の説明では、入賞口への入賞によって遊技者が賞球を獲得することを「賞球の払い出し」と示す場合があるが、パチンコ遊技機1は管理遊技機であるため、持ち球数が数値的に増加することを意味する。
【0055】
[パチンコ遊技機の主な電気的構成]
次に、
図4及び
図5に従って、パチンコ遊技機1の主な電気的構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、主制御基板60(
図4)と、枠制御基板150(
図4)と、サブ制御基板100(
図5)と、画像制御基板200(
図5)と、音声制御基板78(
図5)と、ランプ制御基板79(
図5)とを備えている。
【0056】
図4に示すように、主制御基板60には、遊技制御用ワンチップマイコン(以下、遊技制御用マイコンという)61が実装されている。遊技制御用マイコン61は、CPU62と、ROM63と、RAM64とを備えている。また、主制御基板60は、入出力回路65を備えている。遊技制御用マイコン61は、大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数等、各種の判定(抽選)にて使用する乱数を発生させる。CPU62は、入賞の検知、大当たり判定、各種乱数の更新等を実行する。ROM63には、CPU62が実行するコンピュータプログラム、大当たり判定テーブル、大当たり種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン選択テーブル等の各種のテーブルが記憶されている。
【0057】
RAM64は、CPU62がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM64には、第1特図保留記憶部64aと、第2特図保留記憶部64bと、普図保留記憶部64cと、が設けられている。
【0058】
第1特図保留記憶部64aは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第1特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第1始動口11に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第1特別図柄表示器51が第1特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第1始動口11に入賞したときは、その入賞に起因する第1特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第1特図保留記憶部64aに記憶される。
【0059】
第2特図保留記憶部64bは、第1乃至第4記憶領域を備えている。つまり、記憶可能な第2特図保留数は最大4個である。各記憶領域には、遊技球が第2始動口22に入賞したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数が記憶される。第2特別図柄表示器52が第2特別図柄を変動表示しているときに遊技球が第2始動口22に入賞したときは、その入賞に起因する第2特別図柄の変動表示は一旦保留(作動保留)され、その入賞に起因して取得された大当たり乱数等は第2特図保留記憶部64bに記憶される。
【0060】
大当たり乱数等は、作動保留の発生順、つまり、遊技制御用マイコン61による取得順に第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bの各第1記憶領域から順番に記憶される。このため、大当たり乱数等が第1乃至第4記憶領域まで記憶されている場合は、第4記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も新しい情報であり、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等が時間的に最も古い情報である。各記憶領域に記憶されている大当たり乱数等は、特別図柄の変動表示が1回終了する毎に、記憶の順番が古い方の記憶領域に1つずつシフトする。例えば、第2記憶領域に記憶されていた大当たり乱数等は第1記憶領域にシフトする。また、第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数等に基づく判定(抽選)は、特別図柄表示器による特別図柄の当該変動表示が終了し、次の変動表示が始まる前に実行される。
【0061】
普図保留記憶部64cには、遊技球がゲート12を通過したことに起因して遊技制御用マイコン61が取得した普通当たり乱数(普通図柄が当たりか否かを判定(抽選)するための乱数)が記憶される。普通図柄表示器53が普通図柄を変動表示しているときに遊技球がゲート12を通過したときは、その通過に起因する普通図柄表示器53の作動は一旦保留(作動保留)され、その通過に起因して取得された普通当たり乱数は普図保留記憶部64cに記憶される。普通図柄の保留された変動表示は、現在行われている普通図柄の変動表示が終了した次に行われる。パチンコ遊技機1では、普図保留記憶部64cは、計4個の保留を行うための記憶領域を有し、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数は最大4個である。以下、普通図柄表示器53の作動保留の記憶数を普図保留数という。
【0062】
入出力回路65は、主制御基板60に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
また、主制御基板60には、表示器類50が電気的に接続されている。さらに、主制御基板60には、中継基板74を介して第1始動口センサ11aと、第2始動口センサ22aと、ゲートセンサ12aと、大入賞口センサ32aと、一般入賞口センサ13aと、電チューソレノイド20aと、大入賞口ソレノイド30aと、排出口センサ29aと、が電気的に接続されている。
【0063】
第1始動口センサ11aは、第1始動口11の直下に設けられており、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22の直下に設けられており、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。ゲートセンサ12aは、ゲート12のうち遊技球の通過領域に設けられており、遊技球がゲート12を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。大入賞口センサ32aは、大入賞口32の直下に設けられており、遊技球が大入賞口32に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。一般入賞口センサ13aは、一般入賞口13の直下に設けられており、遊技球が一般入賞口13に入賞したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0064】
電チューソレノイド20aは、普通可変入賞装置20の可動部材21を開閉駆動する。大入賞口ソレノイド30aは、大入賞装置30の開閉部材31を開閉駆動する。
排出口センサ29aは、遊技領域3の外側に設けられている排出経路29(
図3)内に設けられており、遊技球が排出経路29を通過したことを示す信号を主制御基板60へ出力する。
【0065】
また、主制御基板60には、枠制御基板150を介してカードユニット28が電気的に接続されている。また、枠制御基板150には、遊技球数表示器26が電気的に接続されている。
【0066】
枠制御基板150は、遊技制御用マイコン61からの信号(データ・情報)、発射球センサ94a、戻り球センサ95a、計数ボタンセンサ251aによる検知信号、カードユニット28からの各種信号等に基づいて遊技球数を管理する。また、枠制御基板150は、持ち球数を遊技球数表示器26に表示させる。また、枠制御基板150には発射制御回路75を介して発射装置90が接続されている。その他、枠制御基板150は、発射装置90の制御やカードユニット28との通信等も実行する。また、本実施形態において枠制御基板150は、内枠24の下方に配置されており、遊技盤2に取り付けられていない。なお、主制御基板60は、枠制御基板150との信号(データ・情報)の送信の他、遊技球数の監視(払い出しの監視)のために枠制御基板150から信号(データ・情報)を受信する。
【0067】
また、枠制御基板150には、枠制御用ワンチップマイコン(以下、枠制御用マイコンという)151が実装されている。枠制御用マイコン151は、CPU152と、ROM153と、RAM154と、を備えている。また、枠制御基板150は、入出力回路155と、RAMクリアスイッチ156と、を備えている。枠制御用マイコン151は、プログラムに従って遊技球数の表示制御を実行する。CPU152は、プログラムを実行する。ROM153には、遊技球数の表示を制御するためのプログラムが記憶されている。RAM154は、CPU152がプログラムを実行するときのワークメモリ等として使用される。また、RAM154には、持ち球数を記憶するための持ち球数記憶部154aが設けられている。
【0068】
入出力回路155は、枠制御基板150に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。本実施形態では、枠制御基板150と主制御基板60が電気的に接続されているため、遊技制御用マイコン61は、枠制御基板150に信号(データ・情報)を送信するとともに、遊技球数の増減監視のために枠制御基板150から信号を受信することが可能となる。同様に、枠制御基板150とカードユニット28が電気的に接続されているため、枠制御用マイコン151は、カードユニット28に信号(データ・情報)を送信するとともに、カードユニット28から信号を受信することが可能となる。同様に、枠制御基板150とサブ制御基板100が電気的に接続されているため、枠制御用マイコン151は、サブ制御基板100に信号(データ・情報)を送信するとともに、サブ制御基板100から信号を受信することが可能となる。
【0069】
RAMクリアスイッチ156は、枠制御基板150上に操作可能に設けられている。パチンコ遊技機1は、RAMクリアスイッチ156が押下された状態で起動すると、主制御基板60のRAM64及びサブ制御基板100のRAM120を初期化する。なお、RAMクリアスイッチ156は主制御基板60に設けてもよい。
【0070】
カードユニット28は、投入口281に投入された紙幣を識別し、あるいは挿脱口286に挿入された遊技カード等の記憶媒体を読み込むことで、金額(残高)を特定し、その金額情報をパチンコ遊技機1に出力する。この金額情報は、枠制御用マイコン151に入力される。枠制御用マイコン151は、カードユニット28から入力した金額情報より金額(残高)を特定し、その金額に相当する遊技球数の範囲で、遊技者による球貸ボタン282の操作に応じた遊技球の貸出しを制御するとともに、貸球数を持ち球数記憶部154aの持ち球数に加算する。また、再プレイボタン284が操作された場合も同様に、枠制御用マイコン151は、再プレイボタン284の操作に応じた遊技球の移動を制御するとともに、所定の遊技球数(例えば125個)を持ち球数記憶部154aの持ち球数に加算する。また、枠制御用マイコン151は、計数ボタン251が操作された場合、計数ボタン251の操作対応に応じた球数を、持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数から減算する。そして、枠制御用マイコン151は、減算した持ち球数をカードユニット28に出力する。これにより、カードユニット28によって持ち球の減算分がカウント(計数)され、その球数が遊技カードに記憶(加算)される。前述したように、計数ボタン251の短押し操作(例えば1000ms未満の押下操作)が検出されると1個の持ち球(データ)を遊技カードに移動させる。一方、計数ボタン251の長押し(例えば1000msの押下操作)が検出された場合、250個の持ち球(データ)を遊技カードに移動させる。
【0071】
また、枠制御基板150には、発射制御回路75を介して発射装置90が電気的に接続されている。発射装置90は、発射モータ91と、タッチスイッチ92と、発射ボリューム93とを備えている。発射制御回路75は、遊技を行うことが可能な状態においてタッチスイッチ92から遊技者がハンドル4に触れたことを示す信号を入力すると、球送りソレノイド90bを駆動させて遊技球を1球ずつ発射位置に送る。また、発射制御回路75は、発射ボリューム93の変位量に応じた打撃強度で発射槌90aを駆動するように発射モータ91を制御して、定期的に(例えば0.6秒間隔で)遊技球を発射させる。
【0072】
また、枠制御基板150には、発射球センサ94a、戻り球センサ95a、計数ボタンセンサ251a、遊技球数クリアスイッチSW1、及び連鎖発光装置253が電気的に接続されている。
【0073】
発射球センサ94aは、発射経路94内に設けられており、遊技球が発射経路94を通過したことを示す信号を枠制御基板150へ出力する。戻り球センサ95aは、戻り流路95内に設けられており、遊技球が戻り流路95を通過したこと、すなわち、ファール球となったことを示す信号を枠制御基板150へ出力する。
【0074】
計数ボタンセンサ251aは、計数ボタン251に設けられており、計数ボタン251が押下操作されたことを示す信号を枠制御基板150へ出力する。枠制御基板150は、計数ボタン251からの検知信号の長さ等から、計数ボタン251の操作態様、すなわち持ち球数から減算すべき球数を把握することができる。
【0075】
遊技球数クリアスイッチSW1は、RAM154の持ち球数記憶部154aに記憶されている持ち球数を初期化して「0」とする際に操作されるスイッチである。遊技球数クリアスイッチSW1が操作されると、遊技球数のクリアを指示する信号を枠制御基板150へ出力する。遊技球数クリアスイッチSW1は、RAMクリアスイッチ156同様、電源投入時に操作可能である。
【0076】
連鎖発光装置253は、前述したように第1~第10発光部253a~253jの集合体の総称である。詳細は後述するが、枠制御用マイコン151は、特定タイミングで連鎖発光装置253の発光制御を実行するようになっている。具体的には、枠制御基板150のROM153には発光制御を行うための各種データが記憶されており、枠制御用マイコン151は、これらのデータを用いて連鎖発光装置253(第1~第10発光部253a~253j)の発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータに従って発光部253a~253jの発光制御を行う。
【0077】
また、パチンコ遊技機1は、電源基板70を備えている。電源基板70は、主制御基板60及び枠制御基板150に電力を供給する。電源基板70は、枠制御基板150に電気的に接続された各装置及び各センサに対して、枠制御基板150を介して電力を供給する。また、電源基板70は、中継基板74に電気的に接続された各センサ及びソレノイドに対して、主制御基板60から中継基板74を介して電力を供給する。また、電源基板70は、主制御基板60に電気的に接続された表示器類50に対して、主制御基板60を介して電力を供給する。
【0078】
電源基板70には、バックアップ電源回路71が設けられている。バックアップ電源回路71は、パチンコ遊技機1に対して外部から電力が供給されていない場合に、主制御基板60のRAM64等に対して情報の保持に必要な電力を供給する。電源基板70には、電源基板70へ電力を供給する主電源をON/OFFするための電源スイッチ72が電気的に接続されている。
【0079】
主制御基板60は、サブ制御基板100に対して各種コマンドを送信する。主制御基板60は、コマンドをサブ制御基板100へ送信することはできるが、サブ制御基板100は、主制御基板60へコマンドを送信することができない。つまり、主制御基板60とサブ制御基板100との通信は、主制御基板60からサブ制御基板100へ送信することのみが可能な単方向通信となっている。一方、主制御基板60と枠制御基板150は、双方向通信可能に構成されている。同様に、枠制御基板150とサブ制御基板100も、双方向通信可能に構成されている。
【0080】
なお、主制御基板60と枠制御基板150は、主制御基板60から枠制御基板150への単方向通信可能な構成としてもよい。また、枠制御基板150からサブ制御基板100への単方向通信可能な構成としてもよい。また、枠制御基板150とサブ制御基板100間で通信可能に構成せず、枠制御基板150の情報をサブ制御基板100に送信するためには、主制御基板60を介させるようにしてもよい。また、各種入賞口センサは、主制御基板60ではなく、枠制御基板150に対して電気的に接続されてもよい。
【0081】
(サブ制御基板)
図5に示すように、サブ制御基板100には、演出制御用ワンチップマイコン(以下、演出制御用マイコンという)101が実装されている。演出制御用マイコン101は、CPU102と、ROM110と、RAM120とを備えている。また、サブ制御基板100は、入出力回路103を備えている。CPU102は、遊技に伴って演出を制御する。ROM110には、CPU102が演出を制御するためのコンピュータプログラムの他、各種のテーブルが記憶されている。RAM120は、CPU102がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。また、RAM120には、第1特図保留演出記憶部121と、第2特図保留演出記憶部122と、当該変動用演出記憶部123とが設けられている。
【0082】
第1特図保留演出記憶部121は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第1始動入賞コマンド等を記憶する。第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0083】
第2特図保留演出記憶部122は、第1乃至第4記憶領域から成る4つの記憶領域を有し、各記憶領域は、主制御基板60から出力される第2始動入賞コマンド等を記憶する。第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを契機として、遊技制御用マイコン61が取得した大当たり乱数、大当たり種別乱数、変動パターン乱数及びリーチ乱数を含むコマンドである。
【0084】
当該変動用演出記憶部123は、変動演出パターンの当該変動に用いる第1始動入賞コマンド又は第2始動入賞コマンドを記憶する。
入出力回路103は、サブ制御基板100に接続された各基板等との間でデータの送信又は受信を行う。
【0085】
サブ制御基板100には、画像制御基板200が電気的に接続されている。画像制御基板200には、演出表示装置7が電気的に接続されている。画像制御基板200には、VDP201(Video Display Processor)と、画像制御用CPU202と、制御用ROM203とが実行されている。さらに、画像制御基板200には、制御用RAM204と、CGROM(Character Generator Read Only Memory)205と、VRAM(Video Random Access Memory)206とが実装されている。画像制御用CPU202は、変動演出パターン、ボタン演出画像、及び予告画像等の演出画像を表示するよう演出表示装置7を制御する。制御用ROM203には、画像制御用CPU202が演出表示装置7を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。制御用RAM204は、画像制御用CPU202がコンピュータプログラムを実行するときのワークメモリとして使用される。CGROM205には、演出表示装置7が演出画像を表示するための画像データが記憶されている。VDP201は、画像制御用CPU202によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM205から画像データを読み出し、その読み出した画像データをVRAM206内の展開領域に展開する。そして、VDP201は、VRAM206内に展開した画像データを合成し、その合成した画像データをVRAM206内のフレームバッファに記憶する。そして、VDP201は、VRAM206内のフレームバッファに記憶した画像データをRGB信号に変換して演出表示装置7に出力する。これにより、演出表示装置7は演出画像を表示する。
【0086】
サブ制御基板100には、ランプ制御基板79を介して盤ランプ2a、演出ボタンランプ9c、左サイドランプ23a、右サイドランプ23bが電気的に接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて各ランプの発光態様を決める発光パターンデータを作成し、その発光パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、ランプ制御基板79は、受信した発光パターンデータに従って各ランプの発光制御を行う。前述したように、連鎖発光装置253を構成する各発光部253a~253jは、枠制御基板150に対して電気的に接続されているため、盤ランプ2aのようなランプ類とは、発光制御の主体となる基板が異なっている。なお、連鎖発光装置253を構成する各発光部253a~253jもその他のランプ類と同じく、ランプ制御基板79を介してサブ制御基板100に電気的に接続されていてもよい。
【0087】
ランプ制御基板79には、中継基板77を介して可動体15が電気的に接続されている。可動体15は、可動体15を動作させるための装置(図示せず)が接続されており、その装置には、その装置を駆動するための可動体モータ(図示せず)が接続されている。演出制御用マイコン101は、ROM110に記憶されているデータを用いて可動体15の動作パターンを決める動作パターンデータを作成し、その動作パターンデータをランプ制御基板79に送信する。そして、動作パターンデータを受信したランプ制御基板79は、その動作パターンに従って中継基板77を介して可動体モータを駆動し、可動体15の動作制御を行う。
【0088】
サブ制御基板100には、音声制御基板78を介して各スピーカ8が電気的に接続されている。音声制御基板78には、音声制御用CPU(図示せず)と、音声データROM(図示せず)と、音声合成回路(図示せず)と、アンプ(図示せず)とが搭載されている。音声データROMには、各スピーカ8が音楽や効果音等の音を出力するための音声データが記憶されている。音声制御用CPUは、サブ制御基板100から受信したコマンドに基づいて音声データROMから音声データを読み出し、その読み出した音声データを音声合成回路に出力する。音声合成回路は、入力した音声データを合成するとともに、その合成した合成音声データをアナログの音声信号に変換してアンプに出力する。アンプは、入力した音声信号を増幅して各スピーカ8に出力する。そして、各スピーカ8は、入力した音声信号により示される音を出力する。
【0089】
また、サブ制御基板100には、演出レバー押込検出スイッチ6aと、演出レバー回転検出スイッチ6bと、演出ボタン検出スイッチ9aと、十字キー検出スイッチ252aと、演出レバー振動モータ6cと、演出ボタン振動モータ9bとが電気的に接続されている。
【0090】
演出レバー押込検出スイッチ6aは、演出レバー6が押込操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー押込検出スイッチ6aから入力した信号に基づいて、演出レバー6が押込操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出レバー回転検出スイッチ6bは、演出レバー6が回転操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出レバー回転検出スイッチ6bから入力した信号に基づいて、演出レバー6が回転操作されたときに行うレバー演出を実行する。演出ボタン検出スイッチ9aは、演出ボタン9が押下操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。演出制御用マイコン101は、演出ボタン検出スイッチ9aから入力した信号に基づいて、ボタン演出を実行する。十字キー検出スイッチ252aは、十字キー252が操作されたことを示す信号をサブ制御基板100に出力する。
【0091】
演出レバー振動モータ6cは、演出レバー6を振動させる部材であり、演出レバー6と接する部位又は演出レバー6の内部に設けられている。演出ボタン振動モータ9bは、演出ボタン9を振動させる部材であり、演出ボタン9の内部に収容されている。ROM110には、演出レバー振動モータ6cの動作パターンを決める動作パターンデータと、演出ボタン振動モータ9bの動作パターンを決める動作パターンデータとが記憶されている。演出制御用マイコン101は、演出レバー6を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読出した動作パターンデータに基づいて演出レバー振動モータ6cを駆動制御する。また、演出制御用マイコン101は、演出ボタン9を振動させる演出タイミングになったときに、ROM110から動作パターンデータを読み出し、その読み出した動作パターンデータに基づいて演出ボタン振動モータ9bを駆動制御する。
【0092】
なお、
図4及び
図5は、あくまでパチンコ遊技機1の電気的構成を説明するためのブロック図であり、
図4及び
図5に示す基板だけが設けられているわけではない。よって、主制御基板60を除くその他の複数の基板を1つの基板として構成してもよい。
【0093】
[遊技状態の説明]
次に、パチンコ遊技機1の遊技状態について説明する。
パチンコ遊技機1の特別図柄表示器及び普通図柄表示器53には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能とが備わっている。特別図柄表示器の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(低確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。高確率状態と通常確率状態のどちらに移行するかは、大当たり時の抽選によって基本的に決定される。本実施形態のパチンコ遊技機1は、いわゆる確変機と呼ばれる機種である。
【0094】
また、特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始から確定表示までに要する時間)が、非時短状態よりも短くなっている。特別図柄表示器の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して特別図柄の変動時間として短い変動時間が選択され易くなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化ペースを早め、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生し易くなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たり当選を狙うことができる。
【0095】
特別図柄表示器の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、特別図柄表示器の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。したがって、時短状態では、普通図柄の抽選において当たりと判定される確率が非時短状態よりも高くなっている。つまり、普通図柄表示器53の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器53に確定表示する普通図柄が、普通当たり図柄(普通図柄の抽選において当たりと判定されたことを示す普通図柄)となる確率が高くなる。
【0096】
また、時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。例えば、普通図柄の変動時間は非時短状態では10秒であるが、時短状態では1秒である。さらに時短状態では、普通可変入賞装置20の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における普通可変入賞装置20の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。つまり、普通可変入賞装置20の開放回数増加機能が作動している。補助遊技とは、確定表示された普通図柄が予め定めた特定の普通図柄である場合に、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口22を開閉させる遊技のことである。
【0097】
普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、普通可変入賞装置20が頻繁に開放され、第2始動口22へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合が高くなるため、遊技者は、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、このように、普通図柄表示器53の確率変動機能及び変動時間短縮機能と、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能及び開放回数増加機能とが作動している状況下で、普通可変入賞装置20により第2始動口22への入賞をサポートする制御を電サポ制御という。また、電サポ制御が行われている状態を「高ベース状態」といい、電サポ制御が行われていない状態を「低ベース状態」という。なお、「高ベース状態」は、所謂、電サポ制御が実行されている状態であるため、「高ベース状態」を「電サポ制御状態」や「入球容易状態」ということがある。一方、「低ベース状態」を「非電サポ制御状態」や「非入球容易状態」ということがある。また、「高ベース状態」は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器53の確率変動機能、変動時間短縮機能、普通可変入賞装置20の開放時間延長機能、開放回数増加機能のうち1つ以上の機能が作動することによって、その機能が作動していないときよりも普通可変入賞装置20が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態は、時短状態に付随せずに独立して制御されるものであってもよい。
【0098】
パチンコ遊技機1では、後述する確変大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。本実施形態においてこの遊技状態は、次回大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されるまで継続する。「大当たり遊技」は、大当たり判定で大当たりと判定された場合に、確定表示された特図の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンで大入賞口32を開放させるものである。
【0099】
また、パチンコ遊技機1では、後述する通常大当たりに当選した場合、大当たり遊技終了後の遊技状態は、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」となる。この遊技状態は、所定回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、あるいは、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」である。以下、「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「高確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」を「低確高ベース状態」といい、「通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態」を「低確低ベース状態」又は「通常遊技状態」という。
【0100】
「高確高ベース状態」や「低確高ベース状態」のような「高ベース状態」では、電サポ制御によって普通可変入賞装置20が開放され易くなっており、第1始動口11よりも第2始動口22の方が入賞し易い。このため、右打ちにより右遊技領域3Bに向かって遊技球を発射させた方が遊技を有利に進行することができる。
【0101】
一方、「低ベース状態」では、電サポ制御が実行されず、普通可変入賞装置20が開放され難いため、第2始動口22よりも第1始動口11の方が入賞し易い。このため、左打ちにより左遊技領域3Aに向かって遊技球を発射させた方が、遊技が進行し易い。
【0102】
[大当たり判定テーブル]
大当たり判定テーブル(図示せず)は、遊技制御用マイコン61が大当たりか否かの大当たり判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり判定テーブルは、遊技状態と、大当たり乱数値(大当たり判定値)とを対応付けて構成されている。大当たり乱数値は、大当たり乱数カウンタが発生する大当たり乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり乱数カウンタが動作して大当たり乱数が発生する。大当たり乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では遊技状態が高確率状態のときの大当たり乱数と通常確率状態のときの大当たり乱数とを設定している。大当たりと判定される大当たり乱数は、通常確率状態よりも高確率状態の方が多く設定されている。これにより、高確率状態では大当たりと判定される確率が通常確率状態よりも高くなる。また、大当たりと判定されなかった場合、遊技制御用マイコン61は、ハズレと判定する。大当たり判定テーブルは第1特図の抽選と第2特図の抽選で共通とする。
【0103】
[大当たり種別判定テーブル]
大当たり種別判定テーブル(図示せず)は、大当たりと判定された場合に遊技制御用マイコン61が大当たりの種別判定を実行する際に参照するテーブルである。大当たり種別判定テーブルは、抽選の種類(第1特図の抽選か第2特図の抽選か)に応じ、大当たり種別(大当たり図柄種別)毎に所定個数の大当たり種別乱数値(大当たり種別判定値)をそれぞれ対応付けて構成されている。大当たり種別乱数値は、大当たり種別乱数カウンタが発生する大当たり種別乱数の中から所定の乱数を選択したものである。大当たり種別乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、大当たり種別乱数カウンタが動作して大当たり種別乱数が発生する。大当たり種別乱数カウンタは、カウンタIC等の乱数生成回路を利用したものでもよい。パチンコ遊技機1では、大当たりの種別として「10R通常大当たり」と「10R確変大当たり」が設定されている。
【0104】
10R通常大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、通常確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とする大当たり種別である。ただし、時短状態かつ高ベース状態とされる特別図柄の変動表示の上限回数は「100回」とされ、当該上限回数を超えると、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態となる。10R確変大当たりは、大当たり遊技を構成するラウンド数が「10」であって、大当たり遊技終了後の遊技状態を、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とする大当たり種別である。10R確変大当たりが決定された場合、次回大当たり抽選に当選するまで、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態とされる。
【0105】
パチンコ遊技機1では、第1特図大当たり判定又は第2特図大当たり判定かによって、特定の大当たり種に対応付ける大当たり種別乱数の個数を異ならせることも可能である。また、大当たりに関し、大入賞口が開口してから閉口するまでに要する期間を大入賞口の開口期間といい、大入賞口が開口してから次回開口するまでの期間をラウンドという。また、最初のラウンド開始から最終ラウンドが終了するまでの遊技を大当たり遊技という。なお、大当たりの種類、ラウンド遊技数、電サポ制御が行われる上限回数等は、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。
【0106】
[リーチ判定テーブル]
リーチ判定テーブル(図示せず)は、遊技制御用マイコン61が大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定する際に参照するテーブルである。ここで、リーチとは、複数の特別図柄のうち変動表示されている特別図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている特別図柄がどの特別図柄で確定表示されるか次第で大当たりを示す特別図柄の組み合わせとなる状態のことである。また、リーチとは、演出表示装置7の複数の表示領域においてそれぞれ変動表示されている演出図柄のうち、変動表示されている演出図柄が残り1つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの演出図柄で確定表示されるか次第で大当たり演出図柄の組み合わせとなる状態のことである。
【0107】
例えば、大当たり演出図柄の組み合わせの1つが「777」である場合に、左演出図柄として「7」が確定表示されており、右演出図柄として「7」が確定表示されており、中図柄列が変動表示されている状態のことである。なお、リーチの概念には、中図柄列がスクロールしている状態の他、揺れている状態、拡大と縮小を繰り返す状態等が含まれる。
【0108】
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がハズレであった場合に、リーチが出現する特図変動パターンを選択するか否かを判定するための乱数である。リーチ判定テーブルは、遊技状態とリーチ乱数値(リーチ判定値)とを対応付けて構成されている。リーチ乱数値は、リーチ乱数カウンタが発生するリーチ乱数の中から所定の乱数を選択したものである。リーチ乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、リーチ乱数カウンタが動作してリーチ乱数が発生する。パチンコ遊技機1では、遊技状態が非時短状態のときのリーチ乱数と、時短状態のときのリーチ乱数とを設定している。
【0109】
リーチ有りと判定されるリーチ乱数は、非時短状態よりも時短状態の方が少なく設定されている。これにより、時短状態ではリーチ有りと判定される確率が非時短状態よりも低くなる。つまり、リーチ無しと判定される確率が高くなるため、その分、特図変動パターンを選択する際に、リーチ無しの特図変動パターンを選択する確率が高くなる。このため、時短状態では、特図保留数の消化のペースが速くなる。なお、パチンコ遊技機1におけるリーチ判定テーブルは、第1特図の抽選と第2特図の抽選で同一としてもよいし、異ならせてもよい。
【0110】
[特図変動パターン選択テーブル]
図6に示す特図変動パターン選択テーブルT1は、遊技制御用マイコン61が特図変動パターンを抽選により決定する際に参照するテーブルである。特図変動パターン選択テーブルT1は、遊技状態と、判定(大当たり判定及びリーチ判定)結果と、特図保留数と、変動パターン乱数値(変動パターン判定値)と、特図変動パターンと、変動時間と、を対応付けて構成されている。大当たり種別について対応付けてもよい。また、特図変動パターン選択テーブルT1に示す「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定する変動演出パターン(サブ制御基板100側で決定)を指しており、参考のために記載してある。変動パターン乱数値は、変動パターン乱数カウンタが発生する変動パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。パチンコ遊技機1の変動パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動パターン乱数をカウントする。つまり、0~99の計100個の変動パターン乱数を発生する。変動パターン乱数カウンタを動作させるためのコンピュータプログラムは、ROM63に記憶されており、そのコンピュータプログラムをCPU62が実行することにより、変動パターン乱数カウンタが動作して変動パターン乱数が発生する。
【0111】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定において大当たりと判定され、変動パターン乱数カウンタから取得した変動パターン乱数が0~94の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP1が選択される。また、変動パターン乱数が95~99の範囲内の値であった場合は、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP2が選択される。特図変動パターンP1の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP2の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP1に対応する変動演出パターンには、SP(スーパー)リーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP2に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。スーパーリーチ演出は、通常変動とノーマルリーチ演出を経て発展的にリーチ演出が実行される演出であり、ノーマルリーチ演出よりもリーチ後の変動時間が長い。ノーマルリーチ演出は、複数列で変動する演出図柄のうち所定列の演出図柄が一旦停止してリーチを形成した後、当該リーチを形成する演出図柄が一旦停止した状態で、残り1つの演出図柄が変動する演出である。
【0112】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数が0~4の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP3が選択される。取得した変動パターン乱数が5~99の範囲内の値であるならば、特図保留数に関係なく、特図変動パターンP4が選択される。特図変動パターンP3の変動時間は70,000msであり、特図変動パターンP4の変動時間は30,000msである。特図変動パターンP3に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。特図変動パターンP4に対応する変動演出パターンには、ノーマルリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0113】
遊技状態が非時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~2個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP5が選択される。また、特図保留数が3~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP6が選択される。特図変動パターンP5の変動時間は10,000msであり、特図変動パターンP6の変動時間は5,000msである。特図変動パターンP5,P6に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。
【0114】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定で大当たりと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP7が選択される。特図変動パターンP7の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP7に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0115】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつリーチ判定でリーチ有りと判定された場合、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP8が選択される。特図変動パターンP8の変動時間は50,000msである。特図変動パターンP8に対応する変動演出パターンには、スーパーリーチ演出を実行させる内容が対応付けられている。
【0116】
遊技状態が時短状態のときに大当たり判定でハズレと判定され、かつ、リーチ判定でリーチ無しと判定された場合、特図保留数が0~1個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP9が選択される。また、特図保留数が2~4個であるならば、取得した変動パターン乱数の値に関係なく、特図変動パターンP10が選択される。特図変動パターンP9の変動時間は5,000msであり、特図変動パターンP10の変動時間は2,500msである。特図変動パターンP9,P10に対応する変動演出パターンには、通常変動を表示させる内容が対応付けられている。なお、この特図変動パターン選択テーブルT1は、第1特図及び第2特図で共通としているが、第1特図と第2特図で分けて設定してもよい。
【0117】
[遊技制御用マイコン61の主な処理]
次に、遊技制御用マイコン61が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(メイン側主制御処理)
最初に、
図7に従って、メイン側主制御処理の内容について説明する。
【0118】
遊技制御用マイコン61は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、ROM63からメイン側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。遊技制御用マイコン61は、最初に初期設定を行う(ステップ(以下、Sと略す)1)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU62の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割込時間を管理するための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、割込禁止を実行し(S2)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S3)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理では、前述した大当たり乱数、大当たり種別乱数、リーチ乱数及び変動パターン乱数を発生する各乱数カウンタの初期値をそれぞれ「1」加算して更新する。各乱数カウンタのカウント値は上限値に到達すると「0」に戻って再び「1」加算される。なお、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また、各乱数カウンタのカウント値にそれぞれ「2」以上の数値を加算して更新してもよい。また、各乱数は、カウンタIC等から成る公知の乱数生成回路を利用して生成される、いわゆるハードウェア乱数であってもよい。このハードウェア乱数を用いる場合は、ソフトウェアによる乱数の更新処理(S3)は必要ない。
【0119】
続いて、遊技制御用マイコン61は、割込許可を実行する(S4)。割込許可中は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行が可能となる。メイン側タイマ割込処理(S5)は、例えば、4msec周期でCPU62に対して入力される割込パルスに基づいて実行される。つまり、4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割込処理(S5)が終了してから、次にメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタの初期値更新処理が実行される。なお、割込禁止状態のときにCPU62に割込パルスが入力された場合は、メイン側タイマ割込処理(S5)は直ぐには開始されず、割込許可(S4)が実行されてから開始される。
【0120】
(メイン側タイマ割込処理)
次に、
図8に従って、メイン側タイマ割込処理(S5)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、出力処理を実行する(S10)。この出力処理では、以下に説明する各処理において主制御基板60のRAM64に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等をサブ制御基板100や枠制御基板150等に出力する。遊技制御用マイコン61は、普通図柄が変動を開始した場合に普通図柄が変動を開始したことを示す普図用の変動開始コマンド、及び特別図柄が変動を開始した場合に特別図柄が変動を開始したことを示す特図用の変動開始コマンドについても出力する。続いて、遊技制御用マイコン61は、入力処理を実行する(S11)。この入力処理では、主にパチンコ遊技機1に取付けられている各種センサ(第1始動口センサ11a、第2始動口センサ22a、大入賞口センサ32a、ゲートセンサ12a等)が検出した各検出信号を読み込む。続いて、遊技制御用マイコン61は、タイマ更新処理を実行する(S12)。このタイマ更新処理では、タイマとして作動している減算カウンタの更新(減算)を行う。続いて、遊技制御用マイコン61は、賞球制御処理を実行する(S13)。この賞球制御処理では、入力処理(S11)において読み込んだ各種センサの検出信号に基づいて、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払出コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。払出コマンドは、枠制御基板150に対して出力されるコマンドである。ただし、本実施形態のパチンコ遊技機1は、所謂「管理遊技機」であるため、遊技球の物理的な払い出しを行わずに賞球数に相当する遊技球数を持ち球数に加算する。続いて、遊技制御用マイコン61は、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S14)。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理は、
図7のメイン側主制御処理で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同じである。つまり、各乱数カウンタの初期値の更新処理は、メイン側タイマ割込処理(S5)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割込処理(S5)の終了後、次のメイン側タイマ割込処理(S5)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
【0121】
続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する始動口センサ検出処理(S15)、普通動作処理(S16)、特別図柄待機処理(S17)、特別図柄変動処理(S18)、その他の処理(S19)を実行して、本処理を終了する。その他の処理(S19)は、不正入賞を検知して報知するセキュリティ制御処理、磁気を利用した不正行為を検知して報知する磁気検出処理、前枠18や内枠の開放を検知して報知する扉開放処理、電波を利用した不正行為を検知して報知する不正電波検出処理、パチンコ遊技機1を振動させる不正行為を検知して報知する衝撃検出処理等である。また、その他の処理では、第1特図保留数に基づいて第1特図保留表示器51aをその数を示す表示態様に制御したり、第2特図保留数に基づいて第2特図保留表示器52aをその数を示す表示態様に制御したりする。そして、次にCPU62に割込パルスが入力されるまではメイン側主制御処理(
図7)のS2~S4の処理が繰り返し実行され、割込パルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割込処理(S5)が実行される。再び実行されたメイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)においては、前回のメイン側タイマ割込処理(S5)にてRAM64の出力バッファにセットされたコマンド等が所定の基板へ出力される。
【0122】
(始動口センサ検出処理)
次に、
図9に従って、始動口センサ検出処理(S15)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、遊技球がゲート12を通過したか否かを判定する(S20)。遊技球がゲート12を通過したことはゲートセンサ12aによって検出される。遊技球がゲート12を通過したと判定した場合(S20:Yes)、遊技制御用マイコン61は、ゲート通過処理を実行する(S21)。このゲート通過処理では、普図保留数が4以上であるか否か判定し、普図保留数が4以上でなければ、普図保留数に「1」を加算し、普通図柄の抽選を行うための当たり乱数を取得して記憶する処理を行う。
【0123】
S21の終了後、又は遊技球がゲート12を通過していないと判定した場合(S20:No)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第2始動口22に入賞したか否かを判定する(S22)。遊技球が第2始動口22に入賞したことは第2始動口センサ22aによって検出される。遊技球が第2始動口22に入賞したと判定した場合(S22:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S23)。第2特図保留数U2が「4」に達していないと判定した場合(S23:No)、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2に1を加算する(S24)。これにより、第2特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図関係乱数取得処理を実行する(S25)。この第2特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数カウンタがカウントする大当たり乱数と、大当たり種別乱数カウンタがカウントする大当たり種別乱数と、リーチ乱数カウンタがカウントするリーチ乱数と、変動パターン乱数カウンタがカウントする変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第2特図保留記憶部64bのうち、現在の第2特図保留数に応じた記憶領域に記憶する。例えば、現在の第2特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0124】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第2始動入賞コマンド作成処理を実行する(S26)。この第2始動入賞コマンド作成処理では、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数群に基づいて第2始動入賞コマンドを作成する。この第2始動入賞コマンドは、遊技球が第2始動口22に入賞したことを示すデータ、S25において第2特図保留記憶部64bに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S26において作成した第2始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S27)。このセットされた第2始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第2始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。
【0125】
S27の終了後、遊技球が第2始動口22に入賞していないと判定した場合(S22:No)、又は第2特図保留数U2が「4」に達していると判定した場合(S23:Yes)、遊技制御用マイコン61は、遊技球が第1始動口11に入賞したか否かを判定する(S28)。遊技球が第1始動口11に入賞したことは第1始動口センサ11aによって検出される。遊技球が第1始動口11に入賞したと判定した場合(S28:Yes)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1が上限値の「4」に達しているか否かを判定する(S29)。第1特図保留数U1が「4」に達していないと判定した場合(S29:No)、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1に1を加算する(S30)。これにより、第1特別図柄の変動保留条件が成立する。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図関係乱数取得処理を実行する(S31)。この第1特図関係乱数取得処理では、大当たり乱数と、大当たり種別乱数と、リーチ乱数と、変動パターン乱数とを取得し、それら取得した各乱数を第1特図保留記憶部64aのうち、現在の第1特図保留数に応じた記憶領域に格納する。例えば、現在の第1特図保留数が「3」であった場合は、各乱数を第4記憶領域に記憶する。
【0126】
続いて、遊技制御用マイコン61は、第1始動入賞コマンド作成処理を実行する(S32)。この第1始動入賞コマンド作成処理では、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数群に基づいて第1始動入賞コマンドを作成する。この第1始動入賞コマンドは、遊技球が第1始動口11に入賞したことを示すデータ、S31において第1特図保留記憶部64aに格納した各乱数を示すデータ等により構成されている。続いて、遊技制御用マイコン61は、S32において作成した第1始動入賞コマンドをRAM64の出力バッファにセットする(S33)。このセットされた第1始動入賞コマンドは、出力処理(S10)においてサブ制御基板100に出力され、演出制御用マイコン101が第1始動入賞コマンドに含まれる各乱数に基づいて演出を実行する。S33の終了後、遊技球が第1始動口11に入賞していないと判定した場合(S28:No)、又は第1特図保留数U1が「4」に達していると判定した場合(S29:Yes)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0127】
(普通動作処理)
次に、普通動作処理(S16)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、普図保留数の加算、普通図柄表示器53による普通図柄の変動表示、普通図柄が当たりか否かの当たり判定、当たり判定の結果が当たりであった場合の普通可変入賞装置20の開閉動作等の処理を行う。
【0128】
(特別図柄待機処理)
次に、
図10に従って、特別図柄待機処理(S17)の内容について説明する。
遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であるか否かを判定する(S40)。「0」ではないと判定した場合(S40:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図大当たり判定処理(
図11)を実行する(S41)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第2特図変動パターン選択処理(
図12,
図13)を実行する(S42)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2から「1」を減算し(S43)、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S44)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第2特図変動開始処理を実行する(S45)。つまり、第2特別図柄表示器52は、遊技制御用マイコン61が第2特図保留記憶部64bに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第2特別図柄の変動表示を行う。また、第2特別図柄表示器52が第2特別図柄の変動表示を行う毎に、第2特図保留記憶部64bの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0129】
この第2特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第2特図大当たり判定処理(
図11)においてセットされた特図停止図柄のデータや第2特図変動パターン選択処理(
図12,
図13)においてセットされた特図変動パターンのデータが含まれている。S45の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0130】
また、遊技制御用マイコン61は、第2特図保留数U2が「0」であると判定した場合(S40:Yes)、第1特図保留数U1が「0」であるか否かを判定する(S46)。「0」ではないと判定した場合(S46:No)、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図大当たり判定処理(
図11)を実行する(S47)。続いて、遊技制御用マイコン61は、後述する第1特図変動パターン選択処理(
図12,
図13)を実行する(S48)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図保留数U1から「1」を減算し(S49)、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に格納されている各データを、記憶の順番が古い方の記憶領域、つまり、読み出される側に1つずつシフトする(S50)。続いて、遊技制御用マイコン61は、第1特図変動開始処理を実行する(S51)。つまり、第1特別図柄表示器51は、遊技制御用マイコン61が第1特図保留記憶部64aに記憶されている大当たり乱数に基づいて当否判定を実行する順に第1特別図柄の変動表示を行う。また、第1特別図柄表示器51が第1特別図柄の変動表示を行う毎に、第1特図保留記憶部64aの各記憶領域に記憶されている各データは、記憶の順番が古い方の記憶領域にシフトされる。
【0131】
この第1特図変動開始処理では、特図用の変動開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。RAM64の出力バッファにセットする特図用の変動開始コマンドには、後述する第1特図大当たり判定処理(
図11)においてセットされた特図停止図柄のデータや第1特図変動パターン選択処理(
図12,
図13)においてセットされた変動パターンのデータが含まれている。S51の実行後、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0132】
また、遊技制御用マイコン61は、S46において、第1特図保留数U1が「0」であると判定した場合(S46:Yes)、待機状態中であるか否かを判定する(S52)。待機状態は、大当たり遊技中でなく、特別図柄の変動中ではなく、かつ特図保留数が零である状態を指す。より詳しくは、待機状態は、前述の条件に加え、特別図柄(又は演出図柄)の確定表示後に、図柄が停止した状態が一定時間以上経過したことを契機に生起される状態である。ここで、待機状態中であると判定した場合(S52:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄待機処理を終了し、待機状態中ではないと判定した場合(S52:No)、待機画面設定処理を実行する(S53)。この待機画面設定処理では、所定の待機時間(前述の一定時間に相当)の経過を待って、客待ち用のデモ画面である待機画面を表示させるための客待ち待機コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。その後、遊技制御用マイコン61は本処理を終了する。なお、遊技制御用マイコン61は、例えば、客待ち用のデモ画面表示フラグのON/OFFによって待機状態であるか否かを判定するようにしてもよい。また、本実施形態では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留数U2が「0」の場合(S40:Yesの場合)に限って行われる。つまり、第2特図保留の消化は、第1特図保留の消化に優先して実行される。
【0133】
(第2特図大当たり判定処理(第1特図大当たり判定処理))
次に、
図11に従って、第2特図大当たり判定処理(S41)及び第1特図大当たり判定処理(S47)の内容について説明する。なお、第2特図大当たり判定処理(S41)と第1特図大当たり判定処理(S47)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。また、第1特図保留記憶部64a及び第2特図保留記憶部64bに共通の事項を説明する場合は、単に特図保留記憶部という。
【0134】
遊技制御用マイコン61は、RAM64の特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり乱数を読み出し(S60)、大当たり判定テーブルを参照する(S61)。続いて、遊技制御用マイコン61は、確変フラグがONであるか否か、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S62)。確変フラグは、本実施形態においては10R確変大当たりに当選したときにONにされ、10R通常大当たりに当選したときにOFFにされる。ここで、確変フラグがONではない、つまり、通常確率状態であると判定した場合(S62:No)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、通常確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数が存在するか否か、つまり、大当たりか否かの大当たり判定を行う(S63)。
【0135】
一方、S62において確変フラグがONである、つまり、現在の遊技状態が高確率状態であると判定した場合(S62:Yes)、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定テーブルのうち、高確率状態の大当たり乱数を参照し、S60において読み出した大当たり乱数と同じ乱数があるか否か、つまり、大当たりか否かの大当たり判定を行う(S64)。
【0136】
S63で大当たりと判定した場合(S63:Yes)又はS64で大当たりと判定した場合(S64:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている大当たり種別乱数を読み出し、大当たり種別判定テーブルを参照して大当たりの種別を判定する(S65)。
【0137】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり判定において、大当たりと判定したことを示す大当たりフラグをONにする(S66)。S63で大当たりと判定しなかった場合(S63:No)、S66の終了後、又はS64で大当たりと判定しなかった場合(S64:No)、遊技制御用マイコン61は、S67に移行する。大当たりと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、S65で判定した大当たりの種別に応じた特図の大当たり図柄を確定表示するための特図停止図柄データをRAM64に設けた特図バッファにセットし、本処理を終了する。また、大当たりではない、つまり、ハズレと判定した場合、遊技制御用マイコン61は、特図のハズレ図柄を確定表示するための特図停止図柄データを特図バッファにセットし、本処理を終了する。本実施形態では、大当たりに当選することが「遊技者に有利な有利状態」に相当する。また、S63及びS64の処理、及びS63,S64の処理を実行する遊技制御用マイコン61は、本発明の抽選手段の一例である。
【0138】
(第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理))
次に、
図12及び
図13に従って、第2特図変動パターン選択処理(S42)及び第1特図変動パターン選択処理(S48)の内容について説明する。なお、第2特図変動パターン選択処理(S42)と第1特図変動パターン選択処理(S48)とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0139】
遊技制御用マイコン61は、遊技状態が時短状態中であるか否かを判定する(S70)。時短状態中であるか否かは、時短状態中であるか否かを特定可能な情報(時短フラグ)がONである否かによって判定することができる。時短フラグは、時短状態に制御されるときにONにされる一方、時短状態が終了するときにOFFにされる。
【0140】
時短フラグがONではない、つまり、時短状態中ではないと判定した場合(S70:No)、遊技制御用マイコン61は、S71に移行する。一方、時短フラグがONである、つまり、時短状態中であると判定した場合(S70:Yes)、遊技制御用マイコン61は、S77に移行する。S71又はS77に移行した遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定する(S71,S77)。大当たりフラグがONであると判定した場合(S71,S77:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特図変動パターン選択テーブル(この例では特図変動パターン選択テーブルT1)を参照して特図変動パターンを選択する(S72,S78)。例えば、非時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、非時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。同様に、時短状態中であれば、遊技制御用マイコン61は、時短状態で大当たりの場合の変動パターン乱数を参照する。そして、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されている変動パターン乱数を取得し、その取得した変動パターン乱数と同じ変動パターン乱数と対応付けられている特図変動パターンを選択する。
【0141】
また、S71又はS77において大当たりフラグがONではない、つまり、ハズレと判定した場合(S71,S77:No)、遊技制御用マイコン61は、特図保留記憶部の第1記憶領域に記憶されているリーチ乱数を取得し、その取得したリーチ乱数がリーチ成立乱数であるか否かを判定する(S73,S79)。非時短状態である場合、取得したリーチ乱数が、リーチ判定テーブルのうち非時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S73:Yes)。同様に、時短状態である場合、取得したリーチ乱数がリーチ判定テーブルのうち時短状態用のリーチ乱数の中に存在するならば、遊技制御用マイコン61は、リーチ成立乱数であると判定する(S79:Yes)。
【0142】
その後、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S74)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ有りハズレ用の特図変動パターンを選択する(S80)。
【0143】
また、S73又はS79においてリーチ乱数がリーチ成立乱数ではないと判定した場合(S73,S79:No)、遊技制御用マイコン61は、非時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、非時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S75)。同様に、遊技制御用マイコン61は、時短状態であれば、特図変動パターン選択テーブルを参照し、時短状態に対応付けられているリーチ無しハズレ用の特図変動パターンを選択する(S81)。
【0144】
S72,S74,S75,S78,S80,S81の終了後、遊技制御用マイコン61は、選択した変動パターンを示す変動パターンデータをRAM64に設けた特図変動パターンバッファにセットし(S76)、本処理を終了する。S76において特図変動パターンバッファにセットした変動パターンデータは、前述した特別図柄待機処理のS45,S51においてセットされる特図用の変動開始コマンドに含められ、メイン側タイマ割込処理の出力処理(S10)により、サブ制御基板100へ出力される。
【0145】
(特別図柄変動処理)
次に、
図14に従って、特別図柄変動処理(S18)の内容について説明する。なお、第2特図の特別図柄変動処理と第1特図の特別図柄変動処理とは、処理の流れが同じであるため、まとめて説明する。
【0146】
遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動時間(S42,S48で選択された特図変動パターンに応じて決まる変動時間)が終了したか否かを判定する(S90)。特別図柄の変動時間が終了していないと判定した場合(S90:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。特別図柄の変動時間が終了したと判定した場合(S90:Yes)、遊技制御用マイコン61は、特別図柄の変動表示を停止させるための特図用の変動停止コマンドをRAM64に設けた出力バッファにセットする(S91)。続いて、遊技制御用マイコン61は、特別図柄表示器で実行中である特別図柄の変動表示を、特図変動パターンに定められた変動時間の経過後に、特図大当たり判定処理でセットした特図停止図柄データに応じた図柄(特図の大当たり図柄又は特図のハズレ図柄)で停止させる特別図柄停止処理を実行する(S92)。
【0147】
続いて、遊技制御用マイコン61は、遊技状態管理処理を実行する(S93)。具体的には、遊技制御用マイコン61は、時短フラグがONになっているか否か判定し、ONになっていると判定した場合は、時短状態中における特別図柄の変動回数を減算方式でカウントする時短カウンタの値を1減算し、時短カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。そして、「0」であると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。遊技制御用マイコン61は、各フラグの情報を含む遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットし、遊技状態管理処理を終了する。なお、パチンコ遊技機1では、確変大当たりに当選した場合、次回大当たりに当選するまで高確率状態が継続されるため、遊技状態管理処理として、確変フラグをOFFにしたり、確変状態中における特別図柄の変動回数をカウントする確変カウンタを設ける必要はない。
【0148】
その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグがONであるか否かを判定し(S94)、ONであると判定した場合(S94:Yes)、遊技状態リセット処理を実行する(S95)。この遊技状態リセット処理では、確変フラグがONであるか否かを判定し、ONであると判定した場合は、確変フラグをOFFにする。また、時短フラグがONであるか否かを判定し、ONになっていると判定した場合は、時短フラグをOFFにする。つまり、大当たり遊技の実行中は、通常確率状態かつ非時短状態に制御される。一方、大当たりフラグがOFFであると判定した場合(S94:No)、遊技制御用マイコン61は、本処理を終了する。
【0149】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たり遊技を開始するために、大当たりオープニング設定を行い(S96)、大当たりオープニングを実行させるためのオープニングコマンドをセットする(S97)。大当たりオープニングとは、大当たりの発生を祝う演出画像を演出表示装置7に表示したり、大当たりの発生を祝う楽曲を各スピーカ8から再生したりする演出のことである。オープニング設定では、大当たりオープニングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。
【0150】
続いて、遊技制御用マイコン61は、大当たりオープニングが終了すると、特別電動役物処理を実行する(S98)。まず、遊技制御用マイコン61は、特別電動役物処理において、特別電役作動有効カウンタの値をセットする。特別電役作動有効カウンタは、大当たり遊技におけるラウンド遊技数の残回数をカウントするカウンタである。そして、ラウンド開始時期に到達すると、遊技制御用マイコン61は、ラウンド開始コマンドをRAM64の出力バッファにセットする。そして、遊技制御用マイコン61は、大当たりの種類に応じた開放パターンで大入賞口32を開閉させる。そして、ラウンド遊技中、大入賞口32が開状態となってから上限個数の遊技球が入賞するか、あるいは所定の開放時間が経過すると、遊技制御用マイコン61は、開閉部材31の閉動作により大入賞口32を閉状態としてラウンド遊技を終了する。遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別毎に定められたラウンド回数分、大入賞口32の開閉動作を行う。また、遊技制御用マイコン61は、ラウンド遊技を開始させる度に特別電役作動有効カウンタの値を1減算し、特別電役作動有効カウンタの値が「0」となった場合、大当たり遊技を終了させる。具体的には、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングを実行させるためのエンディングコマンドをRAM64の出力バッファにセットする。また、遊技制御用マイコン61は、大当たりエンディングの実行時間を所定のタイマにセットし、計測する。大当たりエンディングの終了により大当たり遊技が終了すると、その後、遊技制御用マイコン61は、大当たりフラグをOFFとする。
【0151】
S98の終了後、遊技制御用マイコン61は、遊技状態設定処理(S99)を実行する。遊技状態設定処理において遊技制御用マイコン61は、大当たりの種別として通常大当たり(実施形態の例では「10R通常大当たり」)を決定している場合、時短フラグをONにし、時短カウンタに大当たり種別に応じた回数(実施形態の例では100)をセットする。遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、本処理を終了する。遊技状態指定コマンドには、設定した遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)に関する情報が含まれている。一方、大当たりの種別として確変大当たり(実施形態の例では「10R確変大当たり」)を決定している場合、遊技制御用マイコン61は、確変フラグ及び時短フラグをONにする。なお、本実施例における確変大当たりでは、大当たり遊技終了後、次回大当たりに当選するまで時短状態に制御されるため、時短回数として時短カウンタに特定の値をセットしなくてもよい。そして、遊技制御用マイコン61は、遊技状態指定コマンドをRAM64の出力バッファにセットして、遊技状態設定処理を終了する。
【0152】
本実施形態では、特図を表示する特別図柄表示器51,52が、本発明における図柄表示手段の一例である。また、S92の処理を実行する遊技制御用マイコン61も、本発明における図柄表示手段の一例である。また、S96~S98の大当たり遊技に係る処理、及び遊技状態設定処理(S99)を実行する遊技制御用マイコン61が、本発明における状態制御手段の一例である。
【0153】
[枠制御用マイコン151の主な処理]
次に、枠制御用マイコン151が実行する主な処理について図を参照しつつ説明する。
(枠側主制御処理)
最初に、
図15に従って、枠側主制御処理の内容について説明する。
【0154】
メイン側主制御処理(
図7)と同じように、パチンコ遊技機1の電源がオンされて電源基板70より電力供給を受けると、枠制御用マイコン151は、ROM153から枠側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。枠制御用マイコン151は、最初に枠側初期設定処理を行う(S100)。S100の処理は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0155】
枠側初期設定処理では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU152の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。
【0156】
次に、枠制御用マイコン151は、遊技球数クリアスイッチSW1が操作された状態で電源が投入されたか否かを判定する(S101)。遊技球数クリアスイッチSW1が操作された状態で電源が投入されたと判定した場合(S101:Yes)、枠制御用マイコン151は、持ち球数をクリアする(S102)。その後、枠制御用マイコン151は、その他の処理を行う(S103)。その他の処理では、例えば、球循環機構のメンテナンスや遊技台の入れ替え等で遊技機内に封入された遊技球を取り出すためのメンテナンス処理等が行われる。
【0157】
一方、遊技球数クリアスイッチSW1が操作されずに電源が投入されたと判定した場合(S101:No)、枠制御用マイコン151は、S102の処理を実行することなくS103に移行する。
【0158】
枠制御用マイコン151は、S100~S103の処理の終了後、ループし、一定の間隔毎(例えば、300ms毎)に発生する割込処理(枠側タイマ割込処理:S104)を実行する状態へと移行する。
【0159】
(枠側タイマ割込処理)
次に、
図16に従って、枠側タイマ割込処理(S104)の内容について説明する。
まず、枠制御用マイコン151は、入力処理を実行する(S110)。入力処理では、遊技制御用マイコン61、演出制御用マイコン101及びカードユニット28から出力されたコマンドに基づいて、各種の遊技情報を取得する。例えば、賞球数に関する情報、現在の遊技状態に関する情報、特図変動表示または普図変動表示が行われたことに関する情報、大当たり遊技状態の発生回数に関する情報等である。枠制御用マイコン151は、取得した遊技情報をRAM154に記憶する。
【0160】
次に、枠制御用マイコン151は、遊技球数管理処理を実行する(S111)。遊技球数管理処理は、遊技球数を制御・管理するための処理である。詳細は後述する。その後、枠制御用マイコン151は、球循環駆動処理(S112)、遊技球数表示器制御処理(S113)、その他の処理(S114)を実行し、枠側タイマ割込処理を終了する。
【0161】
球循環駆動処理(S112)において、枠制御用マイコン151は、球送りソレノイド90bを駆動させて遊技球を1球ずつ発射位置に送り、発射ボリューム93の変位量に応じた打撃強度で発射槌90aを駆動するように発射モータ91を制御して、定期的に(例えば0.6秒間隔で)遊技球を発射させる。その他の処理(S114)では、例えばエラー報知等を行う。
【0162】
(遊技球数管理処理)
次に、
図17に従って、遊技球数管理処理(S111)について説明する。
まず、枠制御用マイコン151は、カードユニット28から球貸ボタン282又は再プレイボタン284が操作されたことを示す信号を受信したか否かを判定する(S120)。球貸ボタン282又は再プレイボタン284が操作されたことを示す信号を受信している場合(S120:Yes)、枠制御用マイコン151は、その信号に応じた遊技球数(例えば125個)を持ち球数に加算する(S121)。
【0163】
S121の実行後、又は球貸ボタン282及び再プレイボタン284が操作されたことを示す信号を受信していない場合(S120:No)、枠制御用マイコン151は、計数ボタン251が操作されたことを示す信号を受信したか否かを判定する(S122)。計数ボタン251が操作されたことを示す信号を受信している場合(S122:Yes)、枠制御用マイコン151は、その信号に応じた遊技球数を持ち球数から減算する(S123)。前述したように、計数ボタン251が短押し操作された場合、1球を減算する一方、長押し操作された場合、250球をまとめて減算する。そして、枠制御用マイコン151は、持ち球数記憶部154aに記憶された持ち球数から計数ボタン251の操作態様に応じた球数を減算し、減算数をカードユニット28に送信する(S124)。
【0164】
S124の実行後、又は計数ボタン251が操作されたことを示す信号を受信していない場合(S122:No)、枠制御用マイコン151は、遊技制御用マイコン61から払出コマンドを受信したか否かを判定する(S125)。払出コマンドを受信している場合(S125:Yes)、賞球が発生したことになる。枠制御用マイコン151は、払出コマンドで指示される賞球数を持ち球数に加算する(S126)。
【0165】
S126の実行後、又は払出コマンドを受信していない場合(S125:No)、枠制御用マイコン151は、遊技球が発射されたか否かを判定する(S127)。遊技球が発射されたか否かは、発射球センサ94aからの検出信号の有無によって判定可能である。遊技球が発射された場合(S127:Yes)、枠制御用マイコン151は、発射球センサ94aで検出された球数(1個)を持ち球数から減算する(S128)。
【0166】
S128の実行後、又は遊技球が発射されていない場合(S127:No)、枠制御用マイコン151は、ファール球が検出されたか否か(戻り球センサ95aで遊技球が検出されたか否か)を判定する(S129)。ファール球が検出された場合(S129:Yes)、枠制御用マイコン151は、戻り球センサ95aで検出された球数(1個)を持ち球数に加算する(S130)。
【0167】
S130の実行後、又はファール球が検出されていない場合(S129:No)、枠制御用マイコン151は、その他の処理を実行する(S131)。その他の処理では、例えばエラー報知等を行う。
【0168】
(サブ側主制御処理)
次に、
図18に従って、サブ側主制御処理について説明する。
パチンコ遊技機1の電源がオンされて電源基板70より電力供給を受けると、演出制御用マイコン101は、ROM110からサブ側主制御処理のコンピュータプログラムを読み出して実行する。
【0169】
そして、演出制御用マイコン101は、サブ側初期設定処理を実行する(S140)。この初期設定では、例えば、スタックの設定、定数の設定、割込時間の設定、CPU102の設定、SIO、PIO、CTCの設定、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等のリセット等を行う。続いて、演出制御用マイコン101は、電源断信号がオンであり、かつ、RAM120の内容が正常であるか否かを判定し(S141)、否定判定した場合(S141:No)、RAM120を初期化し(S142)、S143に進む。また、S141において肯定判定した場合(S141:Yes)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化しないでS143に進む。つまり、電源断信号がオンではない場合、または、電源断信号がオンであるがRAM120の内容が正常でない場合には(S141:No)、演出制御用マイコン101は、RAM120を初期化するが、停電等で電源断信号がオンとなったがRAM120の内容が正常に保たれている場合には(S141:Yes)、RAM120を初期化しない。なお、演出制御用マイコン101も、遊技制御用マイコン61と同様、停電等で電源断信号がオンになると、その時点での演出制御に係るデータがRAM120に記憶(バックアップ)されるものとなっている。つまり、サブ制御基板100においても、復電時にRAM120の初期化が行われない限り、電源断前の状態に復帰する。なお、RAM120を初期化すれば、各種のフラグ、カウンタ及びタイマ等の値はリセットされる。また、このS140~S142は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
【0170】
続いて、演出制御用マイコン101は、割込禁止を行い(S143)、乱数更新処理を実行する(S144)。この乱数更新処理では、種々の演出選択乱数カウンタの初期値を更新する。なお、演出選択乱数には、変動演出パターンを決定するための変動演出パターン乱数、種々の予告演出を決定するための予告演出乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の遊技制御用マイコン61が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。前述したように「変動演出パターン」は、選択された特図変動パターンに対応して演出表示装置7等で行われる演出内容を特定するパターンである。続いて、演出制御用マイコン101は、コマンド送信処理を実行する(S145)。このコマンド送信処理では、演出制御用マイコン101のRAM120内の送信バッファに格納されている各種のコマンドを、画像制御基板200、音声制御基板78及びランプ制御基板79等に送信する。続いて、演出制御用マイコン101は割込許可を実行する(S146)。以降、S143~S146を繰り返し実行する。また、割込許可中においては、受信割込処理(S147)、1msタイマ割込処理(S148)及び10msタイマ割込処理(S149)の実行が可能となる。
【0171】
(受信割込処理)
次に、受信割込処理(S147)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から、演出制御用マイコン101の外部INT(割込)入力部に与えられるストローブ信号(STB信号)の信号レベルが変化したか否か、つまり、コマンドを受信するタイミングであるか否かを判定する。例えば、ストローブ信号の信号レベルがハイレベルからローレベルに変化したか否かを判定する。そして、受信するタイミングではないと判定した場合、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。一方、受信するタイミングであると判定した場合、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から送信されてきた各種のコマンドを受信し、それら受信した各種のコマンドをRAM120の受信バッファに格納する。この受信割込処理は、他の割込処理(S148,S149)に優先して実行される処理である。
【0172】
(1msタイマ割込処理)
次に、
図19に従って、1msタイマ割込処理(S148)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に1msec周期の割込パルスが入力される度に、この1msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、入力処理を実行する(S150)。この入力処理では、演出制御用マイコン101が、演出レバー押込検出スイッチ6a、演出レバー回転検出スイッチ6b、演出ボタン検出スイッチ9a、十字キー検出スイッチ252aからの検出信号に基づいて、スイッチがONしたことを示すスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
【0173】
続いて、演出制御用マイコン101は、出力処理を実行する(S151)。この出力処理では、RAM120の送信バッファにセットされる変動演出開始コマンドを画像制御基板200に出力する。変動演出開始コマンドとは、選択した演出図柄と変動演出パターンの表示を演出表示装置7に開始させるためのコマンドである。また、演出表示装置7の表示に合わせて盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを発光させるために、後述する10msタイマ割込処理におけるランプ処理(S163)等で作成したランプデータをランプ制御基板79に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23bを所定の発光態様で発光させる。また、演出表示装置7の表示に合わせてスピーカ8から音声を出力させるために、後述する10msタイマ割込処理における音声制御処理(S164)等で作成した音声データを音声制御基板78に出力する。つまり、音声データに従ってスピーカ8から音声を出力させる。また、演出表示装置7の表示に合わせて可動体15を駆動させるために、駆動データ(可動体15を駆動するためのデータ)を作成し、その作成した駆動データを出力する。つまり、駆動データにしたがって可動体15を所定の動作パターンで駆動させる。
【0174】
続いて、演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したか否かを判定する(S152)。演出制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドを出力したと判定した場合(S152:Yes)、変動演出パターンの変動時間の計測を開始する(S153)。続いて、演出制御用マイコン101は、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S154)。S154の終了後、又は変動演出開始コマンドを出力していないと判定した場合(S152:No)、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。
【0175】
(10msタイマ割込処理)
次に、
図20に従って、10msタイマ割込処理(S149)について説明する。
演出制御用マイコン101は、サブ制御基板100に10msec周期の割込パルスが入力される度に、この10msタイマ割込処理を実行する。演出制御用マイコン101は、後述する受信コマンド解析処理(
図21)を実行し(S160)、スイッチ状態取得処理を実行する(S161)。このスイッチ状態取得処理では、1msタイマ割込処理の入力処理(S150)において作成したスイッチデータを10msタイマ割込処理用のスイッチデータとしてRAM120に格納する。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて、演出表示装置7が表示するボタン演出等の表示内容を設定するスイッチ処理を実行する(S162)。続いて、演出制御用マイコン101は、ランプ処理を実行する(S163)。このランプ処理では、演出表示装置7の表示に合わせて各ランプ(盤ランプ2a、左サイドランプ23a及び右サイドランプ23b等)の発光を制御するためのランプデータの作成や発光演出の時間管理等を行う。これにより、各ランプは、演出表示装置7の表示に合った発光演出を行う。
【0176】
続いて、演出制御用マイコン101は、音声制御処理を実行する(S164)。この音声制御処理では、音声データ(各スピーカ8からの音声の出力を制御するためのデータ)の作成、その作成した音声データの音声制御基板78への出力、音声演出の時間管理等を行う。これにより、演出表示装置7の表示に合わせて音声が各スピーカ8から出力される。続いて、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S165)、本処理を終了する。その他の処理(S165)では、演出選択乱数である変動演出パターン乱数、予告演出を決定するための予告演出乱数等を更新する等の処理を実行する。
【0177】
(受信コマンド解析処理)
次に、
図21に従って、受信コマンド解析処理(S160)について説明する。
演出制御用マイコン101は、主制御基板60から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判定する(S170)。遊技状態指定コマンドを受信したと判定した場合(S170:Yes)、演出制御用マイコン101は、サブ側遊技状態設定処理を実行する(S171)。遊技状態指定コマンドには、遊技状態(時短フラグ、時短カウンタ、確変フラグ等)を示す情報等が含まれている。このサブ側遊技状態設定処理では、受信した遊技状態指定コマンドを解析し、遊技状態指定コマンドに含まれている情報に基づき、遊技状態フラグを設定する。遊技状態フラグは、現時点で設定されている遊技状態を示すフラグである。
【0178】
S171の終了後、又は遊技状態指定コマンドを受信していないと判定した場合(S170:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する(S172)。オープニングコマンドを受信したと判定した場合(S172:Yes)、演出制御用マイコン101は、オープニング演出選択処理を実行する(S173)。このオープニング演出選択処理では、大当たり遊技のオープニング中に実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、オープニングコマンド毎にオープニング演出が対応付けられたオープニング演出選択テーブル(図示せず)を参照し、受信したオープニングコマンドと対応付けられているオープニング演出を選択する。そして、選択した内容のオープニング演出を開始するためのオープニング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0179】
S173の終了後、又はオープニングコマンドを受信していないと判定した場合(S172:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からラウンド指定コマンドを受信したか否かを判定する(S174)。ラウンド指定コマンドを受信したと判定した場合(S174:Yes)、演出制御用マイコン101は、ラウンド演出選択処理を実行する(S175)。このラウンド演出選択処理では、大当たり遊技の各ラウンドにおいて実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、ラウンド指定コマンド毎にラウンド演出が対応付けられたラウンド演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したラウンド指定コマンドと対応付けられているラウンド演出を選択する。そして、選択した内容のラウンド演出を開始するためのラウンド演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0180】
S175の終了後、又はラウンド指定コマンドを受信していないと判定した場合(S174:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S176)。主制御基板60からエンディングコマンドを受信したと判定した場合(S176:Yes)、演出制御用マイコン101は、エンディング演出選択処理を実行する(S177)。このエンディング演出選択処理では、実行中の大当たり遊技の契機となった大当たりの種類に応じて、大当たりの終了時において実行する演出の種類を選択する。この演出は、演出表示装置7が表示する画像及び盤ランプ2a等の発光、各スピーカ8が出力する音声等による演出であり、大当たりの種類によって異なる。詳しくは、エンディングコマンド毎にエンディング演出が対応付けられたエンディング演出テーブル(図示せず)を参照し、受信したエンディングコマンドと対応付けられているエンディング演出を選択する。そして、選択した内容のエンディング演出を開始するためのエンディング演出コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。
【0181】
S177の終了後、又は主制御基板60からエンディングコマンドを受信していないと判定した場合(S176:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S178)。特図用の変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S178:Yes)、演出制御用マイコン101は、後述する変動演出開始処理(
図22)を実行する(S179)。
【0182】
S179の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S178:No)、演出制御用マイコン101は、主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S180)。主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S180:Yes)、演出制御用マイコン101は、変動演出終了処理を実行する(S181)。この変動演出終了処理では、演出制御用マイコン101は、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM120の出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S145)によって画像制御基板200に送信されると、画像制御基板200は、演出表示装置7において左演出図柄、中演出図柄及び右演出図柄を所定の停止パターンを経て確定表示する。
【0183】
S181の終了後、又は主制御基板60から特図用の変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S180:No)、演出制御用マイコン101は、その他の処理を実行し(S182)、本処理を終了する。その他の処理(S182)では、上記各コマンド以外のコマンド(例えば、普図用の変動開始コマンドや普図用の変動停止コマンド)に基づく処理等を行う。
【0184】
(変動演出開始処理)
次に、
図22に従って、変動演出開始処理(S179)について説明する。
演出制御用マイコン101は、受信した特図用の変動開始コマンドを解析する(S190)。特図用の変動開始コマンドには、第2特図変動パターン選択処理(第1特図変動パターン選択処理)でセットされた第2特図変動パターン(第1特図変動パターン)の情報、特図停止図柄(大当たり種別判定結果)等が含まれている。続いて、演出制御用マイコン101は、S190において解析した特図用の変動開始コマンドが第1特図用の変動開始コマンドである場合は、第1特図保留数と同期するよう、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図用の変動開始コマンドである場合は、第2特図保留数と同期するよう、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算する(S191)。第1特図保留演出カウンタは、第1始動入賞コマンドの受信に基づいて第1特図保留数に対応する数をカウントするカウンタであり、第2特図保留演出カウンタは、第2始動入賞コマンドの受信に基づいて第2特図保留数に対応する数をカウントするカウンタである。続いて、演出制御用マイコン101は、特図保留演出記憶部に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする(S192)。詳しくは、S190にて解析した変動開始コマンドが第2特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第2特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第2特図保留演出記憶部122に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする。同様に、S190にて解析した変動開始コマンドが第1特図変動開始コマンドである場合、演出制御用マイコン101は、第1特図保留演出カウンタの値を「1」減算し、第1特図保留演出記憶部121に記憶されている始動入賞コマンド等の各データを古い記憶領域の方にシフトする。
【0185】
次に、演出制御用マイコン101は、演出表示装置7が変動演出パターンを表示する際に最終的に確定表示する左演出図柄、中演出図柄及び右演出図柄の組み合わせを、演出図柄選択テーブル(図示せず)を参照して選択する(S193)。
【0186】
続いて、演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理を実行する(S194)。演出制御用マイコン101は、演出内容選択処理として、指示された特図変動パターンに基づいて、変動演出パターン選択テーブル(例えば
図23)の中から、演出図柄の変動に伴って行われる演出内容(変動演出パターン)を選択する。演出制御用マイコン101は、選択した演出図柄と変動演出パターンの表示を演出表示装置7に開始させるための変動演出開始コマンドをRAM120の出力バッファにセットする(S195)。変動演出開始コマンドには、演出図柄を演出表示装置7に表示させるための演出画像データも含まれている。そして、その演出画像データを含む変動演出開始コマンドが、RAM120の出力バッファにセットされることで、1msタイマ割込処理の出力処理(S151)において、演出画像データが画像制御基板200に出力される。これにより、演出画像データに基づく演出図柄や演出画像が演出表示装置7に表示される。その後、演出制御用マイコン101は、本処理を終了する。本実施形態では、演出図柄を表示する演出表示装置7が、本発明における図柄表示手段の一例である。また、画像制御基板200に対して演出図柄の表示を指示する演出制御用マイコン101は、本発明における図柄表示手段の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7で演出図柄の変動表示を実行させる画像制御基板200も、本発明における図柄表示手段の一例である。
【0187】
(変動演出パターン選択テーブル)
図23は、変動演出パターンを選択するときに参照される変動演出パターン選択テーブルT2である。
【0188】
変動演出パターン選択テーブルT2は、特図変動パターンと、判定結果と、変動演出パターン乱数値(変動演出パターン判定値)と、変動演出パターン(演出内容)とを対応付けて構成されている。特図変動パターン及び判定結果は、特図変動パターン選択テーブルT1に設定されている特図変動パターン及び判定結果と対応しており、実行される演出時間は、前述の特図変動パターンの変動時間と同一である。変動演出パターン乱数値は、演出選択乱数カウンタの一種である変動演出パターン乱数カウンタが発生する変動演出パターン乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、変動演出パターン乱数カウンタは、0~99の計100個の変動演出パターン乱数をカウントする。なお、
図23では、各変動演出パターンに対応付けられている変動演出パターン乱数値の具体的な個数の記載を省略している。
【0189】
例えば、特図変動パターンP1(大当たり)が選択された場合、変動演出パターンEP1,EP2,EP3のうち何れかを選択し得るよう、これらの変動演出パターンに対して変動演出パターン乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、変動演出パターンEP1は「SPリーチR1」の演出内容を特定し、変動演出パターンEP2は「SPリーチR2」の演出内容を特定し、変動演出パターンEP3は「SPリーチR3」の演出内容を特定するものである。
【0190】
同様に、特図変動パターンP3(リーチ有りハズレ)が選択された場合、変動演出パターンEP4,EP5,EP6のうち何れかを選択し得るよう、これらの変動演出パターンに対して変動演出パターン乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、変動演出パターンEP4は「SPリーチR1」の演出内容を特定し、変動演出パターンEP5は「SPリーチR2」の演出内容を特定し、変動演出パターンEP6は「SPリーチR3」の演出内容を特定するものである。
【0191】
なお、SPリーチ演出の演出内容毎に大当たりに当選する信頼度(大当たり信頼度、大当たり期待度、大当たりとなる可能性、大当たり遊技の実行可能性)を異ならせるべく、各変動演出パターンに対応付ける変動演出パターン乱数値の個数を異ならせてもよい。
【0192】
例えば、本実施形態では、特図変動パターンP1,P3において選択され得るSPリーチ演出の種類を同一(SPリーチR1~R3)としている。このとき、大当たり変動用の特図変動パターンP1では「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP1に対して70個の変動演出パターン乱数を対応付け、リーチ有りハズレ変動用の特図変動パターンP3では「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP4に対して10個の変動演出パターン乱数を対応付けてもよい。また、大当たり変動用の特図変動パターンP1では「SPリーチR2」を特定する変動演出パターンEP2に対して25個の変動演出パターン乱数を対応付け、リーチ有りハズレ変動用の特図変動パターンP3では「SPリーチR2」を特定する変動演出パターンEP5に対して40個の変動演出パターン乱数を対応付けてもよい。
【0193】
このような乱数設定により、大当たりの場合にSPリーチR1が選択される割合とハズレの場合にSPリーチR1が選択される割合の合算値に占める大当たりの割合が高くなる。また、「SPリーチR2」よりも「SPリーチR1」の方が、大当たり信頼度が高くなる。本実施形態では、大当たり用の特図変動パターンが選択された場合、ハズレ用の特図変動パターンが選択された場合に比して、高信頼度の変動演出パターンが高確率で選択される。一方、大当たり用の特図変動パターンが選択された場合、ハズレ用の特図変動パターンが選択された場合に比して、低信頼度の変動演出パターンが低確率で選択される。言い換えると、ハズレ用の特図変動パターンが選択された場合、大当たり用の特図変動パターンが選択された場合に比して、高信頼度の変動演出パターンが低確率で選択される。一方、ハズレ用の特図変動パターンが選択された場合、大当たり用の特図変動パターンが選択された場合に比して、低信頼度の変動演出パターンが高確率で選択される。
【0194】
なお、変動演出パターン選択テーブルT2では、一部の特図変動パターンを抜粋して説明したが、その他の特図変動パターンに対しても変動演出パターンが対応付けられている。また、これらの変動演出パターンの選択割合や演出内容等は、前述の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更されてもよい。
【0195】
<連鎖発光装置の発光態様について>
前述したように、パチンコ遊技機1は所謂「管理遊技機」であるため、例え大当たりに当選したとしても遊技球の物理的な払い出しが行われない。持ち球が増加していることは遊技球数表示器26に表示される数値によって確認できるようになっている。本実施形態では、賞球の払い出し中であることを演出すべく、大当たり遊技中、大入賞口32への遊技球の入球によって持ち球が増加している(遊技球数表示器26の数値が増加している)期間中、車両に搭載されているシーケンシャルウィンカーのように、発光部253a~253jを外側(この例では第10発光部253j)から内側に向かって1つずつ順番に発光させるようになっている(
図24参照)。具体的に説明すると、ある発光部が一定時間発光すると、その発光部の左隣に位置する発光部が発光を開始するタイミングで、先に発光していた発光部が消灯する。このような態様で1つずつ発光する発光部が左隣に移動し、最左に位置する第1発光部253aが一定時間発光した後に消灯すると、再度、最右に位置する第10発光部253jから始まる発光が繰り返し実行される。
【0196】
前述したように、連鎖発光装置253は遊技球数表示器26の右隣に設けられているため、前述したような態様で発光する発光部が徐々に内側に向かって移動すると、発光部253a~253jが円形であることも相まって、あたかも遊技球が遊技球数表示器26に吸収されて持ち球が増加したかのように見せることが可能となる。
【0197】
本実施形態のパチンコ遊技機1では、賞球の払い出し中であることを報知する態様に限らず、その他の用途でも連鎖発光装置253が用いられる。つまり、連鎖発光装置253は、遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせて発光する用途と、その他の用途とを兼用する。「その他の用途」とは、例えば、予告演出の実行態様に対応付けて連鎖発光装置253の発光態様を異ならせたりするものである。
【0198】
以下、「その他の用途」について詳細に説明する。
(チャンスアップ発生タイミングの先告知)
パチンコ遊技機1では、大当たりとなることを示唆する予告演出(示唆演出)の一種として、リーチ演出中に発生することで大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が高まったことを示唆するチャンスアップ演出が実行可能とされている。チャンスアップ演出は、当該チャンスアップ演出が登場する図柄変動の大当たり信頼度を示唆する演出でもある。なお、パチンコ遊技機1におけるチャンスアップ演出は、何らかの文字が記載された赤色又は青色のテロップを演出表示装置7に表示させる態様で実行される(
図26参照)。また、パチンコ遊技機1におけるチャンスアップ演出は、SPリーチ演出中に実行されるが、図柄変動中であれば、どの段階で実行されてもよい。
【0199】
チャンスアップ演出は、チャンスアップ演出の発生によって大当たりとなる確率が高まったことを示唆したり、チャンスアップ演出が登場する図柄変動の大当たり信頼度を示唆する演出であるため、遊技者は、リーチ演出中、チャンスアップ演出が出現するか否かに注目する。すなわち、同じ内容のリーチ演出であっても、チャンスアップ演出が出現するか否かによって大当たりに期待を持つことができるか否かが異なるため、チャンスアップ演出の有無は遊技者が知りたい事項の一つである。
【0200】
そこで、本実施形態のパチンコ遊技機1では、連鎖発光装置253のうちで発光する発光部(第1~第10発光部253a~253j)の位置によって、チャンスアップ演出が出現するタイミングを前もって知らせるようになっている。「前もって知らせる」とは、図柄変動中であって、チャンスアップ演出が実行されるよりも前のタイミングで何れかの発光部を発光させることを指す。
【0201】
(チャンスアップ演出選択テーブル)
図25は、チャンスアップ演出の演出内容及び出現タイミングを決定する際に参照されるチャンスアップ演出選択テーブルT3である。当該テーブルT3は、サブ制御基板100のROM110に記憶されている。
【0202】
チャンスアップ演出選択テーブルT3は、変動演出パターンと、チャンスアップ演出パターン(図中、「CU演出P」と示す)と、演出乱数値(演出判定値)と、を対応付けて構成されている。チャンスアップ演出パターンには、チャンスアップ演出の内容と、チャンスアップ演出の出現タイミングと、が対応付けられている。演出乱数値は、演出選択乱数カウンタが発生するチャンスアップ演出用の演出乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、演出選択乱数カウンタは、0~99の計100個のチャンスアップ演出用の演出乱数をカウントする。なお、
図25では、各CU演出(チャンスアップ演出)パターンに対応付けられている演出乱数値の具体的な個数の記載を省略している。
【0203】
例えば、変動演出パターンEP1(大当たり)が選択された場合、CU演出パターンCP1,CP2を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP1には「セリフS1が記載された青色のテロップを表示させる(図中、「セリフS1・青」と表記)」ことと、CU演出の出現タイミングを「SPリーチに発展してから10秒後」とすることが対応付けられている。CU演出パターンCP2には「セリフS1が記載された赤色のテロップを表示させる(図中、「セリフS1・赤」と表記)」ことと、出現タイミングを「SPリーチに発展してから10秒後」とすることが対応付けられている。以降の説明では、例えば「セリフS1が記載された青色のテロップを表示させる」内容と、CU演出の出現タイミングを「SPリーチに発展してから10秒後」とする内容と、を合わせて「セリフS1・青・10秒後」と示す場合がある。
【0204】
変動演出パターンEP2(大当たり)が選択された場合、CU演出パターンCP3,CP4を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP3には「セリフS2・青・15秒後」とする内容が対応付けられている。CU演出パターンCP4には「セリフS2・赤・15秒後」とする内容が対応付けられている。
【0205】
変動演出パターンEP3(大当たり)が選択された場合、CU演出パターンCP5,CP6を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP5には「セリフS3・青・20秒後」とする内容が対応付けられている。CU演出パターンCP6には「セリフS3・赤・20秒後」とする内容が対応付けられている。
【0206】
同様に、変動演出パターンEP4(リーチ有りハズレ)が選択された場合、CU演出パターンCP7,CP8を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP7には「セリフS1・青・10秒後」とする内容が対応付けられている。CU演出パターンCP8には「セリフS1・赤・10秒後」とする内容が対応付けられている。
【0207】
変動演出パターンEP5(リーチ有りハズレ)が選択された場合、CU演出パターンCP9,CP10を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP9には「セリフS2・青・15秒後」とする内容が対応付けられている。CU演出パターンCP10には「セリフS2・赤・15秒後」とする内容が対応付けられている。
【0208】
変動演出パターンEP6(リーチ有りハズレ)が選択された場合、CU演出パターンCP11,CP12を選択し得るよう、これらのCU演出パターンに対して乱数値が所定個数ずつ対応付けられている。ちなみに、CU演出パターンCP11には「セリフS3・青・20秒後」とする内容が対応付けられている。CU演出パターンCP12には「セリフS3・赤・20秒後」とする内容が対応付けられている。
【0209】
本実施形態では、変動演出パターンEP1,EP4、変動演出パターンEP2,EP5、変動演出パターンEP3,EP6においてSPリーチ演出の種類をそれぞれ同一としている(
図23参照)。例えば、変動演出パターンEP1用のCU演出パターンCP1(セリフS1・青・10秒後)に対して40個の演出乱数を、CU演出パターンCP2(セリフS1・赤・10秒後)に対して60個の演出乱数をそれぞれ対応付けてもよい。一方、変動演出パターンEP4用のCU演出パターンCP7(セリフS1・青・10秒後)に対して70個の演出乱数を、CU演出パターンCP8(セリフS1・赤・10秒後)に対して30個の演出乱数をそれぞれ対応付けてもよい。
【0210】
同様に、変動演出パターンEP3用のCU演出パターンCP5(セリフS3・青・20秒後)に対して10個の演出乱数を、CU演出パターンCP6(セリフS3・赤・20秒後)に対して90個の演出乱数をそれぞれ対応付けてもよい。一方、変動演出パターンEP6用のCU演出パターンCP11(セリフS3・青・20秒後)に対して80個の演出乱数を、CU演出パターンCP12(セリフS3・赤・20秒後)に対して20個の演出乱数をそれぞれ対応付けてもよい。
【0211】
このような乱数設定により、例えば大当たりの場合に「セリフS1・赤・10秒後」が選択される割合とハズレの場合に「セリフS1・赤・10秒後」が選択される割合の合算値に占める大当たりの割合が高くなる。その一方で、大当たりの場合に「セリフS1・青・10秒後」が選択される割合とハズレの場合に「セリフS1・青・10秒後」が選択される割合の合算値に占めるハズレの割合が高くなる。すなわち、同じセリフS1であっても、テロップの色に応じて大当たり信頼度が異なる。また、「セリフS1・赤・10秒後」よりも「セリフS3・赤・20秒後」の方が、大当たり信頼度が高い。
【0212】
なお、チャンスアップ演出選択テーブルT3では、一部の変動演出パターンを抜粋して説明したが、その他の変動演出パターンに対してもCU演出パターンが対応付けられている。また、CU演出パターンの選択割合や演出内容、CU演出の実行タイミング等は、前述の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更されてもよい。また、
図25では、CU演出パターンに対してCU演出の出現タイミングも対応付けていたが、CU演出の出現タイミングは、演出内容の決定とは別に複数のタイミングの中から抽選で決定されるようにしてもよい。また、どのSPリーチ演出が決定された場合であっても、選択対象となるCU演出の種類は同一としてもよい。ちなみに、先の説明では予告演出の一種であるチャンスアップ演出について具体的に説明したが、パチンコ遊技機1ではその他の予告演出も設定されている。
【0213】
そして、演出制御用マイコン101は、チャンスアップ演出選択テーブルT3における乱数振分に従って何れかのCU演出パターンを選択すると、当該CU演出パターンを指示するコマンドを、画像制御基板200及び枠制御基板150に送信する。
【0214】
前述したように、枠制御基板150のROM153には発光制御を行うための各種データが記憶されている。演出制御用マイコン101からCU演出パターンを指示するコマンドを受信すると、枠制御用マイコン151は、ROM153に記憶されたデータを参照し、発光させる発光部253a~253jを特定する。本実施形態では、横一列に配置されている10個の発光部253a~253jを図柄変動の時間経過に見立て、特図変動パターンで特定される変動時間を連鎖発光装置253を構成する発光部の個数で等分し、CU演出パターンを指示するコマンドで特定されるCU演出の出現タイミングに相当する発光部のみを発光させるようになっている。例えば、本実施形態では、「セリフS1・青・10秒後」を指示するコマンドを入力したとすると、枠制御用マイコン151は、左から6番目に位置する第6発光部253fを一定時間発光させる。また、「セリフS1・青・15秒後」を指示するコマンドを入力したとすると、枠制御用マイコン151は、左から7番目に位置する第7発光部253gを一定時間発光させる。また、「セリフS1・青・20秒後」を指示するコマンドを入力したとすると、枠制御用マイコン151は、左から8番目に位置する第8発光部253hを一定時間発光させる。
【0215】
なお、枠制御用マイコン151による連鎖発光装置253の発光タイミングは、当該図柄変動中であって、かつ演出表示装置7でチャンスアップ演出が開始されるよりも前としている。例えば、図柄変動開始直後であってもよいし、ノーマルリーチ中としてもよいし、SPリーチ発展直後としてもよい。また、連鎖発光装置253の発光期間は、一定時間(例えば1000ms)としてもよいし、チャンスアップ演出が開始される直前まで発光していてもよいし、図柄変動が確定表示されるまで継続して発光していてもよい。また、先の説明では、特図変動パターンで特定される変動時間を連鎖発光装置253を構成する発光部の個数で等分し、CU演出パターンを指示するコマンドで特定されるCU演出の出現タイミングに相当する発光部を発光させるようにした。これに代えて、発光部1つを変動時間「5秒」の経過に見立て、SPリーチ発展後にCU演出が出現するタイミングに相当する発光部を発光させるようにしてもよい。例えば、「セリフS1・青・10秒後」の場合、左から2番目に位置する第2発光部253bを発光させることになる。同様に、「セリフS1・青・20秒後」の場合、左から4番目に位置する第4発光部253dを発光させることになる。なお、この例では、演出表示装置7におけるチャンスアップ演出の出現タイミングを前もって知らせることを目的としており、テロップの色に関わらず同一色(白色)で連鎖発光装置253を発光させるようになっている。
【0216】
本発明の「発光手段」は、少なくとも発光制御を行う制御部(実施形態では枠制御用マイコン151)を含むが、「発光手段」は実際に発光演出を行う発光部材(実施形態では連鎖発光装置253又は連鎖発光装置253を構成する各発光部253a~253j)を含んでもよい。なお、「発光制御を行う制御部」と「実際に発光演出を行う発光部材」を合わせたものを「発光手段」とする場合、「制御部」と「発光部材」を同一基板に搭載してもよいし、他基板に分けてもよい。
【0217】
また、CU演出パターンを指示するコマンドを受信した画像制御基板200は、当該コマンドで特定される内容のテロップを、当該コマンドで特定されるタイミングで、演出表示装置7に表示させる。本実施形態では、チャンスアップ演出を表示する演出表示装置7が、本発明における演出制御手段の一例である。また、演出表示装置7は、本発明における演出実行手段の一例である。また、画像制御基板200に対してチャンスアップ演出の表示を指示する演出制御用マイコン101は、本発明における演出制御手段の一例である。また、演出制御用マイコン101は、本発明における演出実行手段の一例である。また、演出制御用マイコン101からの指示を受け、演出表示装置7でチャンスアップ演出を表示させる画像制御基板200も、本発明における演出制御手段の一例である。また、画像制御基板200は、本発明における演出実行手段の一例である。
【0218】
その他、チャンスアップ演出の出現タイミングの先告知だけでなく、連鎖発光装置253を構成する発光部253a~253jの発光色とチャンスアップ演出の色(テロップの色)との組み合わせにより、当該図柄変動の信頼度を示唆してもよい。
【0219】
(発光色選択テーブル)
図27は、連鎖発光装置253を構成する発光部253a~253jの発光色を決定する際に参照される発光色選択テーブルT4である。当該テーブルT4は、サブ制御基板100のROM110に記憶されている。なお、チャンスアップ演出選択テーブルT3と同一の構成又は同様に対応する構成については同一の符号及び用語を用い、一部の説明を割愛する。
【0220】
発光色選択テーブルT4では、チャンスアップ演出パターンの種類に応じて、連鎖発光装置253を構成する発光部253a~253jの発光色として何れかの色を選択し得るよう、演出乱数値(演出判定値)が対応付けられている。本実施形態では、演出選択乱数カウンタは、0~99の計100個の演出乱数をカウントする。なお、
図27では、各発光色に対応付けられている演出乱数値の具体的な個数の記載を省略している。
【0221】
例えば、「セリフS1・青・10秒後」を特定するCU演出パターンCP1が選択された場合、対応する発光部(この例では第6発光部253f)の発光色として「青色」又は「赤色」の何れかが選択されるよう、演出乱数を対応付けている。発光色「青色」は、CU演出パターンCP1で特定されるテロップの色(青色)と同一色であるため、対応する色関係に相当する。一方、発光色「赤色」は、CU演出パターンCP1で特定されるテロップの色(青色)と異なる色であるため、対応しない色関係に相当する。また、CU演出パターンCP1が選択された場合、発光色「青色」に対して40個の演出乱数を対応付け、発光色「赤色」に対して60個の演出乱数を対応付けてもよい。
【0222】
同様に、「セリフS1・赤・10秒後」を特定するCU演出パターンCP2が選択された場合、対応する発光部(この例では第6発光部253f)の発光色として「赤色」又は「青色」の何れかが選択されるよう、演出乱数を対応付けている。発光色「赤色」は、CU演出パターンCP2で特定されるテロップの色(赤色)と同一色であるため、対応する色関係に相当する。一方、発光色「青色」は、CU演出パターンCP2で特定されるテロップの色(赤色)と異なる色であるため、対応しない色関係に相当する。また、CU演出パターンCP2が選択された場合、発光色「赤色」に対して40個の演出乱数を対応付け、発光色「青色」に対して60個の演出乱数を対応付けてもよい。
【0223】
また、「セリフS1・青・10秒後」を特定するCU演出パターンCP7が選択された場合、対応する発光部(この例では第6発光部253f)の発光色として「青色」又は「赤色」の何れかが選択されるよう、演出乱数を対応付けている。発光色「青色」は、CU演出パターンCP7で特定されるテロップの色(青色)と同一色であるため、対応する色関係に相当する。一方、発光色「赤色」は、CU演出パターンCP7で特定されるテロップの色(青色)と異なる色であるため、対応しない色関係に相当する。また、CU演出パターンCP7が選択された場合、発光色「青色」に対して60個の演出乱数を対応付け、発光色「赤色」に対して40個の演出乱数を対応付けてもよい。
【0224】
同様に、「セリフS1・赤・10秒後」を特定するCU演出パターンCP8が選択された場合、対応する発光部(この例では第6発光部253f)の発光色として「赤色」又は「青色」の何れかが選択されるよう、演出乱数を対応付けている。発光色「赤色」は、CU演出パターンCP8で特定されるテロップの色(赤色)と同一色であるため、対応する色関係に相当する。一方、発光色「青色」は、CU演出パターンCP8で特定されるテロップの色(赤色)と異なる色であるため、対応しない色関係に相当する。また、CU演出パターンCP8が選択された場合、発光色「赤色」に対して60個の演出乱数を対応付け、発光色「青色」に対して40個の演出乱数を対応付けてもよい。なお、ここでは全てのCU演出パターンに対応付けられた発光色についての詳細な説明は控えるが、何れのCU演出パターンに対しても、当該パターンで特定されるテロップの色と同じ発光色又は当該パターンで特定されるテロップの色と異なる発光色の何れかが選択されるようにしている。
【0225】
このような乱数設定により、本実施形態では、発光演出を行う発光部の発光色によって、チャンスアップ演出の信頼度を示唆することが可能となる。さらに、大当たりの場合、ハズレの場合に比してテロップの色と発光部の発光色が対応しない色関係となる確率が高く、ハズレの場合、大当たりの場合に比してテロップの色と発光部の色が対応する色関係となる確率が高くなる。言い換えると、大当たりの場合、ハズレの場合に比して高信頼度となる組み合わせ(この例ではテロップの色と発光色が対応しない色関係)が高確率で選択される。一方、大当たりの場合、ハズレの場合に比して低信頼度となる組み合わせ(この例ではチャンスアップ演出パターンで特定されるテロップの色と同じ発光色)が低確率で選択される。言い換えると、ハズレの場合、大当たりの場合に比して高信頼度となる組み合わせ(この例ではテロップの色と発光色が対応しない色関係)が低確率で選択される。一方、ハズレの場合、大当たりの場合に比して低信頼度となる組み合わせ(この例ではテロップの色と発光部の発光色が対応する色関係)が高確率で選択される。つまり、テロップの色と発光色が対応しない色関係となる場合、対応する色関係となる場合に比して大当たり信頼度が高くなる。
【0226】
なお、発光色選択テーブルT4における発光色や選択割合等は前述の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更されてもよい。例えば、大当たりの場合、テロップの色と対応する発光部の発光色が高確率で選択されるようにしてもよい。また、本実施形態では、発光色選択テーブルT4はサブ制御基板100のROM110に記憶されるものとしたが、枠制御基板150のROM153で記憶されるものとしてもよい。すなわち、演出制御用マイコン101の指示を受け、枠制御用マイコン151が発光色を決定してもよい。
【0227】
図27の説明に戻り、演出制御用マイコン101は、発光色選択テーブルT4における乱数振分に従って何れかの発光色を選択すると、当該発光色を指示するコマンドを枠制御基板150に送信する。発光色を指示するコマンドを受信した枠制御用マイコン151は、チャンスアップ演出パターンに対応付けられたチャンスアップ演出の出現タイミングを参照し、対応する発光部253a~253jを、コマンドで特定される色で発光させるよう制御する。
【0228】
(演出の流れ)
以下、
図28に従って、連鎖発光装置253によるチャンスアップ演出の出現タイミングの先告知の流れについて、その作用とともに詳しく説明する。
【0229】
図28(a)は、「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP4(リーチ有りハズレ)が選択され、かつ「セリフS1・赤・10秒後」を特定するCU演出パターンCP8が選択されたことを前提とする(
図25)。なお、
図28(a)の例では、チャンスアップ演出のテロップの色に関わらず、単に連鎖発光装置253を発光させるだけ(白色)としている。
【0230】
この例では、図柄変動の開始後、演出表示装置7でチャンスアップ演出が実行される前である時点t1において、連鎖発光装置253が発光する(色なし)。時点t1は、演出表示装置7でチャンスアップ演出が実行されるよりも前のタイミング(例えばノーマルリーチ中など)である。また、前提より、SPリーチに発展してから10秒後にチャンスアップ演出が実行されるため、図柄変動が開始してからチャンスアップ演出が出現するタイミングに相当する発光部(この例では、例えば左から6番目に位置する第6発光部253f)が一定時間発光する。この発光態様を視認した遊技者は、連鎖発光装置253を構成する10個の発光部253a~253jが図柄変動の時間経過と連動しており、かつ真ん中以降の発光部が発光したことで、図柄変動の中盤を過ぎた辺りで何か起こるかもしれないと期待を抱き易くなる。
【0231】
その後、ノーマルリーチからSPリーチに発展し、前提よりSPリーチに発展してから10秒が経過すると、発光によって先予告されたとおり、演出表示装置7において「セリフS1が記載された赤色のテロップ」を表示するチャンスアップ演出が行われる。このチャンスアップ演出を視認した遊技者は、ノーマルリーチ中における連鎖発光装置253の発光は、チャンスアップ演出が出現すること、及びチャンスアップ演出の出現タイミングを前もって知らせるものであったのかもしれないと認識することになる。その後、選択された特図変動パターンに定められた変動時間の経過に伴って図柄変動が終了する。
【0232】
図28(b)は、「SPリーチR1」を特定する変動演出パターンEP1(大当たり)が選択され、かつ「セリフS1・赤・10秒後」を特定するCU演出パターンCP2が選択されたことを前提とする(
図25)。また、
図28(b)の例では、連鎖発光装置253の発光色として「青色」が決定されたことを前提とする(
図27)。なお、
図28(b)では、
図28(a)の説明と重複する内容についてはその説明を一部割愛する。
【0233】
図28(b)では、図柄変動の開始後、演出表示装置7でチャンスアップ演出が実行される前である時点t1において、連鎖発光装置253が青色に発光する。また、前提より、SPリーチに発展してから10秒後にチャンスアップ演出が実行されるため、図柄変動が開始してからチャンスアップ演出が出現するタイミングに相当する発光部(この例では、例えば左から6番目に位置する第6発光部253f)が一定時間青色に発光する。この発光態様を視認した遊技者は、図柄変動の中盤を過ぎた辺りで何か起こるかもしれないと期待を抱き易くなる。ただし、その発光色が一般的に大当たり信頼度の低い「青色」であるため、何か起こるかもしれないがあまり期待を持てないという印象を抱き易い。
【0234】
その後、ノーマルリーチからSPリーチに発展し、前提よりSPリーチに発展してから10秒が経過すると、発光によって先告知されたとおり、演出表示装置7において「セリフS1が記載された赤色のテロップ」を表示するチャンスアップ演出が行われる。このチャンスアップ演出を視認した遊技者は、ノーマルリーチ中における連鎖発光装置253の発光は、チャンスアップ演出が出現すること、及びチャンスアップ演出の出現タイミングを前もって知らせるものであったのかもしれないと認識することになる。その後、選択された特図変動パターンに定められた変動時間の経過に伴って図柄変動が終了し、前提より大当たりの図柄が確定表示される。
【0235】
この大当たり結果を視認した遊技者は、「連鎖発光装置253の発光色が「青色」であったためあまり期待を持つことができないと思っていたが、「連鎖発光装置253の発光色(青色)」と「チャンスアップ演出のテロップの色(赤色)」が対応しない色関係となると、大当たり期待度が向上するという印象を受けることになる(所謂、法則崩れ)。
【0236】
(連鎖発光装置による信頼度の報知)
連鎖発光装置253によるチャンスアップ発生タイミングの先告知の他、連鎖発光装置253のその他の用途について、以下詳細に説明する。
【0237】
パチンコ遊技機1では、大当たりへの信頼度が異なる複数種類の予告演出が実行可能とされている。また、パチンコ遊技機1では、1回の大当たり判定につき実行可能な予告演出の数を「1」としておらず、1回の大当たり判定の結果に対して、複数種類の予告演出が実行可能とされている。
【0238】
そして、パチンコ遊技機1では、1回の大当たり判定の結果に対する予告演出が実行される度に、複数個(この例では10個)の発光部で構成される連鎖発光装置253のうち、その予告演出の大当たり信頼度に応じた個数の発光部を発光させるようになっている。発光部253a~253jの発光個数により、遊技者は、実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度を知ることが可能となる。本実施形態では、予告演出が実行される度に大当たり信頼度の平均値を発光数を決定するための演算値として算出し、その演算値に応じた個数の発光部を発光させている。つまり、1回の大当たり判定の結果に対して現時点までに実行された予告演出の大当たり信頼度に基づき、当該判定結果に対する現時点での大当たり信頼度が発光部の発光個数という形で遊技者に知らされることになる。本実施形態では、連鎖発光装置253、及び連鎖発光装置253を発光させる枠制御用マイコン151が、本発明の「報知手段」の一例である。
【0239】
(予告演出決定テーブル)
図29は、1回の大当たり判定の結果に対して実行させる予告演出の種類を決定する際に参照される予告演出決定テーブルT5である。当該テーブルT5は、サブ制御基板100のROM110に記憶されている。
【0240】
予告演出決定テーブルT5は、特図変動パターンと、判定結果と、パチンコ遊技機1で設定されている全予告演出の種類と、予告演出乱数値(予告演出判定値)と、を対応付けて構成されている。予告演出乱数値は、予告演出選択乱数カウンタが発生する予告演出乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、予告演出選択乱数カウンタは、0~99の計100個の予告演出乱数をカウントする。
【0241】
例えば、大当たり用の特図変動パターンP1が選択された場合、「予告A」の「実行」に対して70個の乱数値が、「予告A」の「非実行」に対して30個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。また、「予告B」の「実行」に対して60個の乱数値が、「予告B」の「非実行」に対して40個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告C」の「実行」に対して50個の乱数値が、「予告A」の「非実行」に対して50個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告D」の「実行」に対して40個の乱数値が、「予告D」の「非実行」に対して60個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。ここでは記載を省略しているが、特図変動パターンP1が選択された場合、パチンコ遊技機1で設定されているその他の予告演出の実行可否も抽選で決定される。
【0242】
大当たり用の特図変動パターンP2が選択された場合、「予告A」には乱数値が対応付けられていない。すなわち、特図変動パターンP2が選択された場合、「予告A」が実行されることがない。また、「予告B」の「実行」に対して55個の乱数値が、「予告B」の「非実行」に対して45個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告C」の「実行」に対して45個の乱数値が、「予告C」の「非実行」に対して55個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。なお、「予告D」には乱数値が対応付けられていない。すなわち、特図変動パターンP2が選択された場合、「予告D」が実行されることがない。ここでは記載を省略しているが、特図変動パターンP2が選択された場合、パチンコ遊技機1で設定されているその他の予告演出の実行可否も抽選で決定される。
【0243】
リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3が選択された場合、「予告A」の「実行」に対して30個の乱数値が、「予告A」の「非実行」に対して70個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。また、「予告B」の「実行」に対して40個の乱数値が、「予告B」の「非実行」に対して60個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告C」の「実行」に対して50個の乱数値が、「予告C」の「非実行」に対して50個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告D」の「実行」に対して60個の乱数値が、「予告D」の「非実行」に対して40個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。ここでは記載を省略しているが、特図変動パターンP3が選択された場合、パチンコ遊技機1で設定されているその他の予告演出の実行可否も抽選で決定される。
【0244】
リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP4が選択された場合、「予告A」には乱数値が対応付けられていない。また、「予告B」の「実行」に対して45個の乱数値が、「予告B」の「非実行」に対して55個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。「予告C」の「実行」に対して55個の乱数値が、「予告C」の「非実行」に対して45個の乱数値がそれぞれ対応付けられている。なお、「予告D」には乱数値が対応付けられていない。ここでは記載を省略しているが、特図変動パターンP4が選択された場合、パチンコ遊技機1で設定されているその他の予告演出の実行可否も抽選で決定される。
【0245】
このような乱数設定により、本実施形態では、1回の大当たり判定の結果に対して複数種類の予告演出が実行可能となるとともに、予告演出の演出内容毎に大当たり信頼度が異なっている。この例では、予告A>予告B>予告C>予告Dの順に大当たり信頼度が高くなっている。なお、1回の大当たり判定の結果に対して実行させる予告演出の決定方法はこの限りでない。例えば、特図変動パターンではなく演出変動パターン毎に、実行させる予告演出の種類を決定するようにしてもよい。また、特図変動パターン毎に選択可能とする予告演出の種類を限定し、その種類の中で予告演出毎に実行可否を抽選で決めるようにしてもよい。また、予告演出の実行可否を決定した後に具体的な演出内容を決めるのではなく、演出内容を決定すると必然的に予告演出の実行が決定されてもよい。また、予告演出決定テーブルT5における予告演出の選択割合や演出内容等は、前述の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更されてもよい。
【0246】
図29の説明に戻り、演出制御用マイコン101は、予告演出決定テーブルT5における乱数振分に従って予告演出の実行可否を決定し、「実行」を決定した予告演出については、その詳細な演出内容を決定する。
【0247】
図30は、「予告A」の実行が決定された場合において演出内容を決定する際に参照される演出内容決定テーブルT6である。なお、
図30では予告Aに対する演出内容決定テーブルを例示したが、その他の予告演出の実行が決定された場合に参照される演出内容決定テーブルもROM110に記憶されている。
【0248】
演出内容決定テーブルT6は、特図変動パターンと、判定結果と、予告演出乱数値(予告演出判定値)と、予告Aの演出内容と、を対応付けて構成されている。予告演出乱数値は、予告演出選択乱数カウンタが発生する予告演出乱数の中から所定の乱数を選択したものである。本実施形態では、予告演出選択乱数カウンタは、0~99の計100個の予告演出乱数をカウントする。
【0249】
例えば、大当たり用の特図変動パターンP1が選択された場合、キャラAが登場する演出内容を特定する「キャラA」に対して20個の乱数値が、キャラBが登場する演出内容を特定する「キャラB」に対して30個の乱数値が、キャラCが登場する演出内容を特定する「キャラC」に対して50個の乱数値が、それぞれ対応付けられている。また、リーチ有りハズレ用の特図変動パターンP3が選択された場合、「キャラA」に対して50個の乱数値が、「キャラB」に対して30個の乱数値が、「キャラC」に対して20個の乱数値が、それぞれ対応付けられている。
【0250】
このような乱数設定により、「予告A」では、登場するキャラクタ毎に大当たり信頼度が異なるとともに、キャラA<キャラB<キャラCの順に大当たり信頼度が高くなっている。なお、演出内容決定テーブルT6における演出内容の選択割合や演出内容等は、前述の例に限られず、遊技性等に応じて適宜変更されてもよい。
【0251】
予告演出の演出内容を決定した演出制御用マイコン101は、決定した予告演出の演出内容、及び当該予告演出の大当たり信頼度を指示する予告演出指示コマンドを画像制御基板200及び枠制御基板150に送信する。前述したように、大当たり信頼度は、大当たりの場合に算出対象となる予告演出が選択される割合とハズレの場合に算出対象となる予告演出が選択される割合の合算値に占める大当たりの割合によって求められる。そして、当該コマンドを受信した枠制御用マイコン151は、指示される大当たり信頼度に基づいて所定の演算値を算出し、当該演算値に応じた個数の発光部を発光させるよう、連鎖発光装置253の発光制御を行う。なお、予告演出指示コマンドは、予告演出毎に都度送信されてもよい。また、1回の大当たり判定の結果に対して実行が決定された全予告演出を特定可能な予告演出指示コマンドを、図柄変動の開始時に一度だけ送信するようにしてもよい。このような予告演出指示コマンドには、各予告演出の演出内容に加え、各予告演出の実行タイミングも指示内容に含む。また、大当たり判定の結果に基づいて決定される予告演出は、図柄変動中に行われるものだけに限らず、所謂、先読み演出を含めてもよい。この先読み演出も、図柄変動中に行われるその他の予告演出の決定契機となった同一の大当たり判定結果に基づいて決定されるものであるため、「1回の大当たり判定の結果に基づいて決定される予告演出」に含まれることになる。つまり、始動口に遊技球が入賞してから大当たり判定の結果を示す図柄の変動が確定するまでの間に実行される全予告演出の大当たり信頼度に基づき、予告演出が実行される度に、発光数を決定するための演算処理が行われ、発光数によってリアルタイムでの大当たり信頼度が都度報知される。なお、画像制御基板200に送信される予告演出指示コマンドでは、予告演出の演出内容のみ指示され、大当たり信頼度に係る情報は特定されなくてもよい。
【0252】
図31は、サブ制御基板100から予告演出指示コマンドを受信した際に枠制御用マイコン151が実行する発光制御処理を示すフローチャートである。
まず、枠制御用マイコン151は、サブ制御基板100から予告演出指示コマンドを受信したか否かを判定する(S200)。予告演出指示コマンドを受信していない場合(S200:No)、枠制御用マイコン151は、本処理を終了する。一方、予告演出指示コマンドを受信している場合(S200:Yes)、枠制御用マイコン151は、当該コマンドで特定される大当たり信頼度に基づき、RAM154における所定の演算領域で演算値を算出する(S201)。前述したように、この演算値は、発光させる発光部の個数を決定するために参照される値である。また、詳細は後述するが、本実施形態における「演算値」は、各予告演出の大当たり信頼度の平均値より算出される。
【0253】
そして、枠制御用マイコン151は、S201で算出した演算値に対応する個数の連鎖発光装置253を発光させるよう、連鎖発光装置253の発光制御を行う(S202)。
具体例を挙げて説明すると、本実施形態では、ROM153において、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて算出した演算値に応じて発光させる発光部の個数が予め定められている。
【0254】
例えば、
図32に示すように、演算値が「0~9」の範囲の値である場合、発光数として「0」が対応付けられている。すなわち、どの発光部も発光しない。演算値が「10~19」の範囲の値である場合、発光数として「1」が対応付けられている。この例では、第1発光部253aが発光する。演算値が「20~29」の範囲の値である場合、発光数として「2」が対応付けられている。この例では、第1,第2発光部253a,253bが発光する。演算値が「30~39」の範囲の値である場合、発光数として「3」が対応付けられている。この例では、第1~第3発光部253a~253cが発光する。演算値が「40~49」の範囲の値である場合、発光数として「4」が対応付けられている。この例では、第1~第4発光部253a~253dが発光する。演算値が「50~59」の範囲の値である場合、発光数として「5」が対応付けられている。この例では、第1~第5発光部253a~253eが発光する。演算値が「60~69」の範囲の値である場合、発光数として「6」が対応付けられている。この例では、第1~第6発光部253a~253fが発光する。演算値が「70~79」の範囲の値である場合、発光数として「7」が対応付けられている。この例では、第1~第7発光部253a~253gが発光する。演算値が「80~89」の範囲の値である場合、発光数として「8」が対応付けられている。この例では、第1~第8発光部253a~253hが発光する。演算値が「90~99」の範囲の値である場合、発光数として「9」が対応付けられている。この例では、第1~第9発光部253a~253iが発光する。演算値が「100」である場合、発光数として「10」が対応付けられている。この例では、第1~第10発光部253a~253jが発光する。なお、この数値と発光数の組み合わせはあくまで一例であり、遊技性等に応じて適宜変更してもよい。また、この例では、発光数を増やす場合、左端の発光部(第1発光部253a)から順に増やしていたが、個数さえ一致していれば、10個中どの発光部を発光させてもよい。
【0255】
図31の説明に戻り、このような演算値と発光数との対応付けにより、枠制御用マイコン151は、S202において、演算値に対応する個数の発光部253a~253jを発光させる。
【0256】
例えば、1回の大当たり判定の結果に基づき3種類の予告演出の実行が決定され、かつ予告演出毎に都度予告演出指示コマンドが送信されるとする。
1つ目の予告演出を指示する予告演出指示コマンドを受信すると、枠制御用マイコン151は、当該予告演出指示コマンドで特定される大当たり信頼度の値をRAM154における演算領域に記憶する。この例は、1回の大当たり判定の結果に基づき実行が決定された予告演出のうち最初の予告演出であるため、演算領域に記憶した値そのものが演算値となる。そして、枠制御用マイコン151は、演算領域での演算結果である演算値に対応する発光数を特定する(
図32参照)。そして、枠制御用マイコン151は、1つ目の予告演出に係る所定のタイミング(例えば、1つ目の予告演出の終了タイミング等)で、演算値に対応する個数の発光部を発光させる(例えば5個)。
【0257】
その後、2つ目の予告演出を指示する予告演出指示コマンドを受信したとすると、枠制御用マイコン151は、当該予告演出指示コマンドで特定される大当たり信頼度の値を演算領域に記憶していた数値に加算して平均値を算出したものを演算値とする。そして、枠制御用マイコン151は、演算領域での演算結果である演算値に対応する発光数を特定する(
図32参照)。そして、枠制御用マイコン151は、2つ目の予告演出に係る所定のタイミング(例えは、2つ目の予告演出の終了タイミング等)で、演算値に対応する個数の発光部を発光させる(例えば3個)。
【0258】
その後、3つ目の予告演出を指示する予告演出指示コマンドを受信したとすると、枠制御用マイコン151は、当該予告演出指示コマンドで特定される大当たり信頼度の値を演算領域に記憶していた数値に加算して平均値を算出したものを演算値とする。そして、枠制御用マイコン151は、演算領域での演算結果である演算値に対応する発光数を特定する(
図32参照)。そして、枠制御用マイコン151は、3つ目の予告演出に係る所定のタイミング(例えば、3つ目の予告演出の終了タイミング等)で、演算値に対応する個数の発光部を発光させる(例えば2個)。
【0259】
つまり、枠制御用マイコン151は、1回の大当たり判定の結果に対して現時点までに実行された予告演出の大当たり信頼度に基づき、現時点までの大当たり信頼度を「演算値」という形で都度算出していることになる。そして、その演算値に基づいて発光数を決定することで、発光状態にある発光部の数より、実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度が示唆されていることになる。遊技者は発光を視認することができるため、連鎖発光装置253は、演算結果(リアルタイムでの大当たり信頼度)を報知していることになる。
【0260】
ちなみに、この例では、予告演出毎に予告演出指示コマンドが都度送信される態様について説明したが、1回の大当たり判定の結果に対して実行が決定された全予告演出を特定可能な予告演出指示コマンドが図柄変動の開始時に一度だけ送信される場合、枠制御用マイコン151は、例えば、予告演出毎の演算値を一斉に算出する。そして、枠制御用マイコン151は、各予告演出の終了タイミング等で各演算値に対応する個数の発光部を発光させることになる。ちなみに、報知対象となる予告演出を特定することができれば、発光タイミングは先の例(予告演出の終了タイミング)に限られない。例えば、予告演出の実行中であってもよいし、予告演出終了後であって1000ms以内等としてもよい。
【0261】
次に、枠制御用マイコン151は、特図変動パターンに定められた変動時間が経過したか否か、すなわち演出制御用マイコン101から変動演出終了コマンドを入力したか否かを判定する(S203)。変動時間が経過したと判定した場合(S203:Yes)、終了条件が成立したことになるため、枠制御用マイコン151は、RAM154の演算領域で記憶していた演算値をリセットする(S204)。その後、枠制御用マイコン151は、発光状態にあった発光部を消灯させるよう、連鎖発光装置253を制御し(S205)、本処理を終了する。つまり、連鎖発光装置253の発光によるリアルタイムでの大当たり信頼度の示唆は、1回の大当たり判定の結果に基づく図柄変動の終了によって終了する。
【0262】
一方、変動時間が経過していないと判定した場合(S203:No)、図柄変動中、再度、予告演出が実行される可能性があるため、枠制御用マイコン151は、S204以降の処理を実行することなく本処理を終了する。これにより、再度、予告演出指示コマンドを受信した場合、S201では、演算領域で既に算出されていた演算値と、新たな予告演出指示コマンドで指示される予告演出の大当たり信頼度と、に基づき、次に実行される予告演出で発光させる発光部の個数を決定することになる。
【0263】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機1では、チャンスアップ演出の出現タイミングの先告知だけでなく、演出表示装置7で実行された予告演出をもとにした実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度の報知にも、連鎖発光装置253が用いられている。
【0264】
本実施形態では、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて発光数を決定するための演算値を算出する枠制御用マイコン151が、本発明における算出手段の一例である。そして、本実施形態では、大当たり信頼度をもとに算出した演算値に基づいて、当該大当たり判定の結果に対する現時点での大当たり信頼度を報知するための発光数が決定される。つまり、演算値を算出することは、当該大当たり判定の結果に対する現時点での大当たり信頼度を算出することでもある。
【0265】
ちなみに、演出制御用マイコン101が、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて演算値を算出し、当該演算値を枠制御基板150に送信するようにしてもよい。この演算値を受信した枠制御用マイコン151は、当該値に対応付けられた発光数を特定し、該当する発光部を発光させることになる。また、演出制御用マイコン101が、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて演算値を算出するとともに、該演算値に対応する発光数を決定し、発光させる発光部の個数を枠制御基板150に送信するようにしてもよい。また、枠制御基板150ではなくランプ制御基板79に対して連鎖発光装置253を電気的に接続してもよい。
【0266】
(演出の流れ)
以下、
図33に従って、連鎖発光装置253による大当たり信頼度の報知の流れについて、その作用とともに詳しく説明する。
【0267】
図33(a)は、大当たり用の特図変動パターンが選択され、かつ1回の大当たり判定の結果に基づき、4種類の予告演出(予告A~D)の実行が決定されたことを前提とする。
【0268】
図柄変動が開始した後、予め定めたタイミングに到達すると(時点t1)、前提より1回目の予告演出が開始される(予告A)。この予告Aの大当たり信頼度が45%であるとすると、予告Aが終了するタイミングで、当該大当たり信頼度より算出した演算値(45)に対応する個数(4個)の発光部が発光する(第1~第4発光部253a~253d)。
【0269】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t2)、前提より2回目の予告演出が開始される(予告B)。この予告Bの大当たり信頼度が13%であるとすると、RAM154における演算領域での演算値(予告Aの大当たり信頼度及び予告Bの大当たり信頼度の平均値)は「29」となる。これにより、予告Bが終了するタイミングで、当該演算値(29)に対応する個数(2個)の発光部が発光する(第1,第2発光部253a,253b)。つまり、2回目の予告演出が1回目の予告演出に比して相対的に大当たり信頼度が低い内容であったことにより、発光部の発光数が減少したことになる。
【0270】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t3)、前提より3回目の予告演出が開始される(予告C)。この予告Cの大当たり信頼度が79%であるとすると、RAM154における演算領域での演算値(予告Aの大当たり信頼度、予告Bの大当たり信頼度及び予告Cの大当たり信頼度の平均値)は「45.7」となる。これにより、予告Cが終了するタイミングで、当該演算値(45.7)に対応する個数(4個)の発光部が発光する(第1~第4発光部253a~253d)。つまり、3回目の予告演出が2回目の予告演出に比して相対的に大当たり信頼度が高い内容であったことにより、発光部の発光数が増加したことになる。
【0271】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t4)、前提より4回目の予告演出が開始される(予告D)。この予告Dの大当たり信頼度が94%であるとすると、RAM154における演算領域での演算値(予告Aの大当たり信頼度、予告Bの大当たり信頼度、予告Cの大当たり信頼度及び予告Dの大当たり信頼度の平均値)は「57.8」となる。これにより、予告Dが終了するタイミングで、当該数値(57.8)に対応する個数(5個)の発光部が発光する(第1~第5発光部253a~253e)。そして、変動中の図柄が確定表示されると、発光していた発光部が消灯する。
【0272】
つまり、枠制御用マイコン151は、1回の大当たり判定の結果に対して実行が決定された全予告演出に係る大当たり信頼度を用いた演算処理により、当該大当たり判定の結果に対する大当たり信頼度の平均値を算出したことになる。
【0273】
そして、この例では、最終演算値が「50」より大きな数値(57.8)であったため、連鎖発光装置253を構成する10個の発光部のうち半分が発光することになる。よって、その発光態様を視認した遊技者は、大当たり信頼度の大体の指標を知ることができるとともに大当たりに対してやや期待を持つことができる。また、このような実施態様とすることで、仮に変動途中における発光数が少なかったとしても、次に実行される予告演出の大当たり信頼度が高ければ発光数が増加する可能性があるため、最後まで継続して期待を持たせることができる。逆に、多くの発光部が発光している状態で大当たり信頼度の極めて低い予告演出が実行されたとしても、その予告演出の実行によって大当たりに期待を持つことができなくなってしまうことはない。すなわち、実行済みの予告演出の大当たり信頼度が高ければ、たとえ極めて信頼度の低い予告演出が実行されたとしても平均値に大きな影響を与えることがなく、発光数もさほど減少しないため、遊技者をあまり落胆させない。
【0274】
図33(b)は、連鎖発光装置253による大当たり信頼度の報知に関し、別の発光態様を示すタイミングチャートである。この例では、
図33(a)同様、大当たり用の特図変動パターンが選択され、かつ1回の大当たり判定の結果に基づき、4種類の予告演出(予告A~予告D)の実行が決定されたことを前提とする。また、
図33(b)に示す例では、枠制御用マイコン151は、各予告演出の大当たり信頼度の平均値を算出せず、各予告演出の大当たり信頼度をもとに算出した演算値に基づき、発光数を決定している。
【0275】
図柄変動が開始した後、予め定めたタイミングに到達すると(時点t1)、前提より1回目の予告演出が開始される(予告A)。この予告Aの大当たり信頼度が45%であるとすると、予告Aが終了するタイミングで、当該大当たり信頼度より算出した演算値(45)に対応する個数(4個)の発光部が発光する(第1~第4発光部253a~253d)。
【0276】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t2)、前提より2回目の予告演出が開始される(予告B)。この予告Bの大当たり信頼度が13%であるとすると、予告Bが終了するタイミングで、当該大当たり信頼度より算出した演算値(13)に対応する個数(1個)の発光部が発光する(第1発光部253a)。つまり、2回目の予告演出が1回目の予告演出に比して相対的に大当たり信頼度が低い内容であったことにより、発光数が減少したことになる。
【0277】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t3)、前提より3回目の予告演出が開始される(予告C)。この予告Cの大当たり信頼度が79%であるとすると、予告Cが終了するタイミングで、当該大当たり信頼度より算出した演算値(79)に対応する個数(7個)の発光部が発光する(第1~第7発光部253a~253g)。つまり、3回目の予告演出が2回目の予告演出に比して相対的に大当たり信頼度が高い内容であったことにより、発光数が増加したことになる。
【0278】
その後、所定のタイミングに到達すると(時点t4)、前提より4回目の予告演出が開始される(予告D)。この予告Dの大当たり信頼度が94%であるとすると、予告Dが終了するタイミングで、当該大当たり信頼度より算出した演算値(94)に対応する個数(9個)の発光部が発光する(第1~第9発光部253a~253i)。そして、変動中の図柄が確定表示されると、発光していた発光部が消灯する。
【0279】
この例では、前後の予告演出の大当たり信頼度を考慮することなく、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて算出された演算値に対応する個数の発光部が発光していた。この場合、先に実行された予告演出の大当たり信頼度(例えば91%)よりも、次に実行された予告演出の大当たり信頼度(例えば12%)が低ければ、発光数は減少することになる。しかし、次に実行される予告演出が、大当たり信頼度の高い演出内容である可能性も残っているため、発光数が減少したとしても、まだ大当たりに期待を持つことができる場合がある。
【0280】
また、一般的にパチンコ攻略サイトやパチンコ攻略雑誌では、当該パチンコ遊技機1における特徴的な予告演出を抜粋し、当該予告演出の信頼度等について特集されることが多い。すなわち、出現頻度の高い予告演出や大当たりに期待を持てない予告演出については特集されず、このような予告演出の大当たり信頼度等が不明であることが多い。しかしながら、このような発光態様を採用することで、パチンコ遊技機1に搭載されている全ての予告演出(攻略サイトや雑誌で特集されないような予告演出を含む)の大当たり信頼度の大体の指標を知ることが可能となる。
【0281】
[実施形態の効果]
(チャンスアップ演出の出現タイミングの先告知に係る効果)
(1)実施形態のパチンコ遊技機1を実施すれば、複数のLED(発光部)を一列に配置して発光演出を行う連鎖発光装置253(発光手段)と、大当たり(遊技者に有利な有利状態)となることを示唆する予告演出(示唆演出)を実行する演出表示装置7(演出実行手段)と、を有し、連鎖発光装置253は、遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせてLEDを発光させる用途と、予告演出の実行態様に対応付けてLEDの発光態様を異ならせる用途と、を兼用する。その結果、連鎖発光装置253の利用用途が限定的にならず、利用頻度が向上する。
【0282】
(2)また、大当たりとするか否かを抽選で決定する遊技制御用マイコン61(抽選手段)と、抽選の結果を示す図柄を停止表示させる特別図柄表示器51,52(図柄表示手段)と、を有し、連鎖発光装置253は、予告演出の実行態様に対応付けてLEDの発光態様を異ならせる用途として、予告演出が出現するタイミングを、複数のLEDの内で発光させるLEDの位置によって前もって知らせる。その結果、予告演出が開始されることを前もって知ることができるだけでなく、予告演出が出現するタイミングをも前もって知ることができるようになるため、遊技者に対して有益な情報となり得る。
【0283】
(3)発光するLEDの位置によって予告演出の出現タイミングを前もって知らせるようにすることで、あとどの程度時間が経過すれば予告演出が発生し得るかを知るための大体の指標とすることができる。
【0284】
(4)また、連鎖発光装置253は、LEDの発光色によって、予告演出の大当たり信頼度(大当たり期待度)を示唆する。その結果、発光するLEDの位置によって予告演出の出現タイミングが前もって知らされ、さらにLEDの発光色によって予告演出の大当たり信頼度が示唆されることになる。このため、予告演出の出現タイミングだけでなく、これから実行され得る予告演出が大当たりとなることに対して期待を持つことができるか否かを、前もって推測することが可能となる。
【0285】
(5)また、予告演出の大当たり信頼度は、演出表示装置7(表示装置)で予告演出が実行されたときの表示色(テロップの色)に応じて異なっており、予告演出の表示色とLEDの発光色が対応しない色関係である場合、対応する色関係である場合に比して大当たり期待度が向上する。その結果、演出表示装置7における予告演出の表示色と、LEDの発光色の組み合わせにも注目させることができる。また、仮にLEDの発光色が一般的に大当たり信頼度の低い色であっても、予告演出の表示色次第では大当たりに期待を持つことができるため、遊技者を落胆させない。
【0286】
(6)また、予告演出は、リーチ演出中に発生することで大当たり抽選の結果が大当たりとなる確率が高まったことを示唆するチャンスアップ演出である。大当たりに密接に関連するチャンスアップ演出の出現タイミングやチャンスアップ演出の期待度が、発光するLEDの位置、色等で示唆されるため、当該変動に注目させ易い。
【0287】
(連鎖発光装置による信頼度の報知に係る効果)
(1)実施形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技制御用マイコン61(抽選手段)による1回の抽選結果に対して複数の予告演出(示唆演出)が実行される場合がある。そして、1回の抽選結果に対して現時点までに実行された予告演出の大当たり信頼度に基づいて、当該抽選結果に対する大当たり信頼度を遊技者が視認可能な態様で報知する連鎖発光装置253(報知手段)をさらに有する。連鎖発光装置253による報知態様より、実行中の予告演出のリアルタイムでの大当たり信頼度が分かるため、信頼度把握のための参考にし易い。
【0288】
(2)また、1回の抽選結果に対して現時点までに実行された予告演出の大当たり信頼度に基づいて、当該抽選結果に対する大当たり信頼度を算出する枠制御用マイコン151(算出手段)を有し、連鎖発光装置253は、枠制御用マイコン151が算出した信頼度(演算値)を遊技者が視認可能な態様で報知する。当該判定結果に対する現時点での大当たり信頼度が発光部の発光個数という形で遊技者に知らされることで、攻略サイトや攻略雑誌等で特集されないようなマイナーな予告演出が実行されたとしても、遊技者は実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度を知ることができる。
【0289】
(3)仮に大当たり信頼度の高い予告演出の実行後に大当たり信頼度の低い予告演出が出現したとしても、実行済みの予告演出の大当たり信頼度の平均値が高ければ、その平均値は下がらないので、例え大当たり信頼度の低い予告演出が出現したとしても、遊技者を落胆させることがない。
【0290】
(4)仮に大当たり信頼度の高い予告演出の実行後に大当たり信頼度の低い予告演出が実行されたことで発光数が極端に減少してしまったとしても、以降に大当たり信頼度の高い予告演出が出現して発光数が極端に増加する可能性もあるので、変動が終了する最後の瞬間まで大当たりに対して期待を持たせることができる。
【0291】
(5)また、枠制御用マイコン151(算出手段)は、始動口に遊技球が入賞してから抽選結果を示す図柄の変動が確定するまでの間に実行された各予告演出の信頼度に基づいて、予告演出が実行される度に抽選結果に対する信頼度を都度算出する。その結果、図柄変動中に実行される予告演出だけでなく先読み演出も信頼度示唆の対象に含めることができるため、より正確なリアルタイムでの大当たり信頼度を知ることができる。
【0292】
(6)また、連鎖発光装置253(報知手段)は、複数のLED(発光部)を一列に配置して発光演出を行う第1~第10発光部253a~253jによって構成され、第1~第10発光部253a~253jの発光個数によって現時点における大当たり信頼度が報知される。発光演出を行う第1~第10発光部253a~253jの個数の変化により、大当たり信頼度の変化を視覚的に理解し易い。
【0293】
(7)また、連鎖発光装置253は、実行された予告演出が相対的に信頼度の低い内容であった場合、第1~第10発光部253a~253jの発光個数を減らす一方で、実行された示唆演出が相対的に信頼度の高い内容であった場合、第1~第10発光部253a~253jの発光個数を増やす。その結果、発光演出を行う第1~第10発光部253a~253jの個数の変化により、現時点における大当たり信頼度の変化を視覚的に理解し易い。
【0294】
(8)また、連鎖発光装置253(発光手段)は、抽選で有利状態とすることが決定されたことに基づく賞球の払い出し中にも発光するものである。つまり、賞球の払い出し中を報知する用途だけでなく、その他の用途でも使用されるため、連鎖発光装置253の利用用途が限定的にならず、利用頻度が向上する。
【0295】
<他の実施形態>
以下、変更例について説明する。なお、以下の変更例は、互いに適宜組み合わせることが可能である。
【0296】
(チャンスアップ演出の出現タイミングの先告知に係る変更例)
・実施形態では、横一列に配置されている10個の発光部253a~253jを図柄変動の時間経過に見立てて利用していた。これに代えて、横一列に配置されている10個の発光部253a~253jをSPリーチに発展してからの図柄変動の時間経過に見立てて利用してもよい。例えば、SPリーチ演出の変動時間が30秒であって、チャンスアップ演出がSPリーチ発展10秒後に実行されるとする。この場合、SPリーチ演出の変動時間を連鎖発光装置253を構成する発光部の個数で等分し、チャンスアップ演出の出現タイミングに相当する発光部を発光させることになる。この例では、発光部1つが変動時間「3秒」の経過に相当することになるので、SPリーチ発展10秒後にチャンスアップ演出が出現するならば、左から4番目に位置する発光部(第4発光部253d)が発光することになる。
【0297】
・実施形態では、チャンスアップ演出の出現タイミングに対応する1つの発光部のみ発光させていたが、当該発光部以前の発光部を全て発光させるようにしてもよい。例えば、実施形態では「セリフS1・赤・10秒後」を指示するコマンドを入力した場合、左から6番目に位置する第6発光部253fを発光させていたが、第1~第6発光部253a~253fの6つを発光させるようにしてもよい。
【0298】
・実施形態では、連鎖発光装置253の発光によって先告知する予告演出の対象をチャンスアップ演出としたが、その他の予告演出を対象としてもよい。ただし、遊技者の期待感向上を考慮すると、相対的に大当たり期待度の高い予告演出を先告知の対象とする方が好ましい。
【0299】
・実施形態では、連鎖発光装置253の発光色によって大当たり信頼度を示唆していたが、発光数によって予告演出の大当たり信頼度を示唆するようにしてもよい。例えば、SPリーチ発展20秒後にチャンスアップ演出が出現するとする。この場合、左から4番目に位置する発光部(第4発光部253d)が1つだけ発光するよりも、左から2~4番目に位置する発光部(第2~第4発光部253b~253d)が3つ発光した方が、高信頼度であるとしてもよい。また、発光色と発光数の組み合わせより、大当たり信頼度を示唆してもよい。
【0300】
・発光手段は、LEDのように物理的に発光するものでなく、演出表示装置7に表示されるゲージやランプを模した画像であってもよい。
・実施形態では、賞球獲得中であることを演出するための発光態様の一例として、大当たり時の賞球発生によって遊技球数表示器26に表示される数値が増加しているときに、発光部253a~253jを外側から内側に向かって1つずつ順番に発光させていた。遊技者が獲得した遊技球数の変化に合わせて連鎖発光装置253を発光させていれば、その発光態様は実施形態の例に限られない。例えば、大当たり遊技中に3000球の遊技球を獲得したことに基づき、連鎖発光装置253を構成する発光部のうち3つの発光部を発光させるようにしてもよい。また、現時点における持ち球数が5500球であることに基づき、連鎖発光装置253を構成する発光部のうち5つの発光部を発光させるようにしてもよい。
【0301】
・連鎖発光装置253は、実施形態に記載した例に限らずその他の用途で使用されてもよい。例えば、所謂裏ボタン演出の操作有効期間を、連鎖発光装置253の発光によって知らせるようにしてもよい。また、裏ボタン演出の成功率や裏ボタン演出成功後に発生する遊技演出の大当たり信頼度等を、連鎖発光装置253の発光色等によって示唆するようにしてもよい。また、発光する発光部の数を1つずつ増やしていき、全発光部が発光したことにより、裏ボタン演出の操作有効期間の開始タイミングに到達したことを知らせるようにしてもよい。同様に、発光する発光部の数を1つずつ減らしていき、全発光部が消灯したことにより、裏ボタン演出の操作有効期間の開始タイミングに到達したことを知らせるようにしてもよい。
【0302】
・また、複数個の発光部で構成される連鎖発光装置253のうち、左半分の発光部を用い、例えば発光色等によって当該変動の大当たり信頼度を示唆する一方で、右半分の発光部を用い、例えば発光色等によって保留内の大当たり信頼度を示唆するようにしてもよい。
【0303】
・連鎖発光装置253を構成する発光部の発光と発光色の変化が同時に起こってもよいし、予告演出の開始前に発光部の発光のみ行われ、発光色の色変化が遅れて行われてもよい。
【0304】
・発光部の発光数を、最大差玉数が基準値に到達して遊技不能状態に移行する迄の指標としてもよい。例えば、最大差玉数が増加する度に発光する発光部の数を1つずつ増やしていき、最大差玉数が基準値に到達した場合に連鎖発光装置253を構成する全発光部を発光させるようにしてもよい。ちなみに「最大差玉数」とは、当日の差玉数の推移において最低値と最高値の差分を指す。「差玉数」とは、パチンコ遊技機1における稼働開始から稼働終了までの間に行われる遊技による獲得球数の総数及び消費球数の総数の関係で、「獲得球数-消費球数」の計算式により算出されるものである。
【0305】
(連鎖発光装置による信頼度の報知に係る変更例)
・実施形態では、連鎖発光装置253が大当たり信頼度を報知する報知手段の一例であったが、その他の部材によって大当たり信頼度を報知するようにしてもよい。例えば、演出表示装置7に表示されるゲージによって実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度を報知するようにしてもよい。また、連鎖発光装置253を用いる場合、信頼度に関わらず発光部の発光数を同一とした上で、発光色によって信頼度を報知するようにしてもよい。また、演出表示装置7において、対応する予告演出の信頼度を数値表示(例えば「23%」のような数値表示)にて報知するようにしてもよい。
【0306】
・実施形態における連鎖発光装置253では、複数の発光部が横一列に配置されていたが、縦一列となるように配置されていてもよいし、円を形成するように配置されていてもよい。
【0307】
・演出表示装置7で実行される全ての予告演出の大当たり信頼度を報知するのではなく、例えば遊技者設定画面等において、大当たり信頼度を知りたい予告演出の種類を遊技者自身が取捨選択できるような仕様としてもよい。これによれば、遊技者が知りたい予告演出に係る大当たり信頼度のみ、連鎖発光装置253を構成する発光部の発光数によって報知されることになる。
【0308】
・実施形態では、各予告演出の大当たり信頼度に基づいて演算処理を行い、当該演算処理で得られた演算値に基づいて連鎖発光装置253の発光数を決定していたが、演算処理を経ず、各予告演出の内容に従って連鎖発光装置253の発光数が決定されるようにしてもよい。すなわち、連鎖発光装置253の発光数が予告内容に従ってパターン化されており、該パターンに従って発光するようにしてもよい。例えば、1回の大当たり判定の結果に基づいて決定され得る予告演出の組み合わせと、発光部の発光数と、発光部の発光タイミングと、を定めたパターンを予め記憶しておき、決定された予告演出の組み合わせよりパターンを特定し、そのパターンに定められた態様にて連鎖発光装置253を発光させるようにしてもよい。例えば、1回の大当たり判定の結果に基づいて、予告Aと予告Cと予告Eの実行が決定されたとする。この場合、枠制御用マイコン151は、決定された予告演出の組み合わせに対応するパターンを特定し、該パターンに従って、特定のタイミングで対応する発光部を発光させることになる。この場合、例えば、予告Aが終了するタイミングで、前述したパターンに従って3つの発光部を発光させ、予告Cが終了するタイミングで、前述したパターンに従って4つの発光部を発光させる等が考えられる。
【0309】
・1回の大当たり判定の結果に基づいて実行を決定した全ての予告演出の大当たり信頼度を都度累計し、その累計値(演算値)に対応する個数の発光部を、予告演出が実行される度に都度発光させるようにしてもよい。例えば、1回の大当たり判定の結果に基づき、4種類の予告演出の実行が決定されたとする。さらに、1つ目の予告演出の大当たり信頼度が20%、2つ目の予告演出の大当たり信頼度が40%、3つ目の予告演出の大当たり信頼度が20%、4つ目の予告演出の大当たり信頼度が30%であったとする。この場合、大当たり信頼度の累計値(演算値)は20+40+20+30=110となり、100%を超えることになる。しかしながら、4種類の予告演出の実行が決定された場合における大当たり信頼度の累計最大値は「400」である。この場合、累計値(演算値)「40」につき1つの発光部が発光されることになる。よって、前述した例では、1つ目の予告演出が終了するタイミングでは1つも発光部が発光せず(累計値20)、2つ目の予告演出が終了するタイミングで発光部が1つ発光することになる(累計値60(20+40))。さらに、3つ目の予告演出が終了するタイミングで発光部が2つ発光し(累計値80(20+40+20))、4つ目の予告演出が終了するタイミングで発光部が2つ発光した状態が維持されることになる(累計値110(20+40+20+30))。
【0310】
また、1つ目の予告演出の大当たり信頼度が50%、2つ目の予告演出の大当たり信頼度が40%、3つ目の予告演出の大当たり信頼度が60%、4つ目の予告演出の大当たり信頼度が70%であったとする。この場合、1つ目の予告演出が終了するタイミングでは発光部が1つ発光し(累計値50)、2つ目の予告演出が終了するタイミングでは発光部が2つ発光し(累計値90(50+40))、3つ目の予告演出が終了するタイミングでは発光部が3つ発光し(累計値150(50+40+60))、4つ目の予告演出が終了するタイミングでは発光部が5つ発光した状態となる(累計値220(50+40+60+70))。
【0311】
このように、1回の大当たり判定の結果に基づいて実行を決定した全ての予告演出の大当たり信頼度を都度累計し、その累積値(演算値)に対応する個数の発光部を、予告演出が実行される度に都度発光させる場合であっても、発光部の発光個数より、実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度を知らせることが可能となる。
【0312】
・実施形態では、予告演出に定められた大当たり信頼度に相当する数値を、発光数を決定するための演算値として用いていたが、大当たり信頼度を演算用の専用数値に置換し、その専用数値に対応する個数の発光部を発光させるようにしてもよい。例えば、大当たり信頼度が「25%」である場合、「25%」という数値が演算用の数値「2」に置換されるようにしてもよい。この「2」という数値が発光数「3」に対応付けられているとすると、枠制御用マイコン151は、3個の発光部を発光させることになる。
【0313】
・
図33(b)では、各予告演出の大当たり信頼度の平均値を算出せず、各予告演出に係る大当たり信頼度をもとに算出した演算値に基づき、発光数を決定する例について説明した。この例における発光数は、別の演算方法によっても決定することができる。具体的には、直前の予告演出の大当たり信頼度との差分を算出し、その差分を減算(又は加算)した後の数値に従って演算値を算出する方法である。例えば、1つ目の予告演出の大当たり信頼度が50%、2つ目の予告演出の大当たり信頼度が40%、3つ目の予告演出の大当たり信頼度が60%、4つ目の予告演出の大当たり信頼度が70%であったとする。この場合、1つ目の予告演出が終了するタイミングでは発光部が5つ発光する(演算値50)。前提より、2つ目の予告演出の大当たり信頼度は「40%」であって、1つ目の予告演出の大当たり信頼度との差分が「10%」であるため、直前の予告演出の大当たり信頼度(50%)から差分「10%」を減算した後の数値(40%)に従って、2つ目の予告演出に対応する個数(この例では4つ)の発光部を発光させることになる。
【0314】
その後、枠制御用マイコン151は、3つ目の予告演出が終了するタイミングで発光させる発光部の個数を決定する。前提より、3つ目の予告演出の大当たり信頼度は「60%」であって、2つ目の予告演出の大当たり信頼度との差分が「20%」であるため、直前の予告演出の大当たり信頼度(40%)に差分「20%」を加算した後の数値(60%)に従って、3つ目の予告演出に対応する個数(この例では6つ)の発光部を発光させることになる。
【0315】
その後、枠制御用マイコン151は、4つ目の予告演出が終了するタイミングで発光させる発光部の個数を決定する。前提より、4つ目の予告演出の大当たり信頼度は「70%」であって、3つ目の予告演出の大当たり信頼度との差分が「10%」であるため、直前の予告演出の大当たり信頼度(60%)に差分「10%」を加算した後の数値(70%)に従って、4つ目の予告演出に対応する個数(この例では7つ)の発光部を発光させることになる。
【0316】
このような演算方法より決定した発光部の発光数は、演算処理を経ず単に各予告演出の大当たり信頼度に基づいて決定した発光部の発光数と同一である。つまり、演算処理を経なくても発光部の発光数を決定することは可能であり、かつ演算処理を経て発光部の発光数を決定することも可能である。
【0317】
・実施形態では、1回の大当たり判定の結果に対して実行される全予告演出の大当たり信頼度を、連鎖発光装置253の発光態様によってリアルタイムに報知していた。これに代えて、例えば遊技店の稼働開始から稼働終了までを算出期間とし、当該算出期間中に出現した予告演出の種類毎に大当たり信頼度を算出し、その予告演出が実行される度に現時点における当該予告演出の大当たり信頼度を発光部の発光数によって報知するようにしてもよい。
【0318】
・実施形態では、連鎖発光装置253を構成する発光部の発光数によって実行中の図柄変動におけるリアルタイムでの大当たり信頼度を報知していたが、報知対象は大当たり信頼度以外であってもよい。例えば、いわゆる1種2種混合機における小当たり信頼度を報知してもよいし、転落機における転落抽選の結果、転落せずに高確率状態が維持される可能性の高低を報知してもよい。また、いわゆるc時短抽選の結果、c時短が付与される可能性の高低を報知してもよい。
【0319】
(その他)
・枠制御基板150を内枠24に配置したが、その配置箇所は内枠24に限られない。
・大入賞口(大入賞装置)は、複数(例えば2つ)あってもよい。
【0320】
・パチンコ遊技機1として、第1特別図柄のみを変動させて行うパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・また上記実施形態は、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機であってもよいし、いわゆるV確機(大入賞口内の特定領域(V領域)の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)や転落機(抽選結果によって高確率状態が終了する遊技機)として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。
【0321】
・上記実施形態は、管理式パチンコ遊技機を前提として説明したが、管理式スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)に適用してもよい。
・上記実施形態は、管理式パチンコ遊技機を前提として説明したが、従来通り、遊技球が物理的に払い出されるパチンコ遊技機に適用してもよい。
【0322】
以上、実施形態及び変更例に基づき、本発明に係る構成について説明したが、上述の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本実施形態の例に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0323】
1 パチンコ遊技機
7 演出表示装置
25 操作台
26 遊技球数表示器
28 カードユニット
30 大入賞装置
31 開閉部材
32 大入賞口
51 第1特別図柄表示器
52 第2特別図柄表示器
60 主制御基板
61 遊技制御用マイコン
100 サブ制御基板
101 演出制御用マイコン
150 枠制御基板
151 枠制御用マイコン
200 画像制御基板
202 画像制御用CPU
253 連鎖発光装置
253a~253j 第1~第10発光部