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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163787
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】電極付きヘッド部交換式美容装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20241115BHJP
   A61N 1/44 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
A61N1/36
A61N1/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079666
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】511152049
【氏名又は名称】株式会社ユニッシュ
(74)【代理人】
【識別番号】100115842
【弁理士】
【氏名又は名称】秦 正則
(72)【発明者】
【氏名】中西 博文
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB32
4C053JJ02
4C053JJ04
4C053JJ15
4C053JJ24
4C053JJ32
4C053JJ33
4C053JJ36
(57)【要約】
【課題】エレクトロポレーションを実施する刺激信号を含む複数の刺激信号を出力することができ、片手で把持可能なコンパクトな構造でありながら、複数種のヘッド部の交換により、複数の部位にも1台で対応可能な美容装置を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、片手で把持可能な本体部2に複数種のヘッド部3を交換して使用する美容装置1であり、かかる複数のヘッド部3が、エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、EMS、RF、マイクロカレントについてそれぞれ異なる種類の組み合わせとして出力可能とする2種以上のものとされているので、使用者が、複数種のヘッド部のうち所望のヘッド部3を選択して、かかるヘッド部3が操作部6の操作で選択された1種の刺激信号を適用することが可能な美容装置1となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面に操作部を配し、片手で把持可能な形状の本体部と、
前記本体部の一端に交換可能に取り付けられ、前記本体部に取り付けられることにより刺激信号が出力可能となる複数の電極を適用面に配設したヘッド部と、を含み、
前記本体部と前記ヘッド部は、前記本体部に前記ヘッド部が取り付けられた際に接触して、電気的接続を行う端子がそれぞれ配設され、
前記ヘッド部が、前記電極から出力される刺激信号として、
EMS、RF及びマイクロカレントよりなる群から選択される1種以上と、
エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、
から選択する前記刺激信号の種類をそれぞれ異なるように選択する2種以上のヘッド部となり、
使用者が、前記2種以上の前記ヘッド部のうち1種を選択して前記本体部に取り付けて使用し、
前記ヘッド部が、前記操作部の操作で選択された1種の刺激信号を前記電極から出力することを特徴とする美容装置。
【請求項2】
前記2種以上の前記ヘッド部が、
前記電極から出力される前記刺激信号として、
前記エレクトロポレーションを実施可能とするパルス、前記EMS、前記RF及び前記マイクロカレントを出力可能な第1ヘッド部と、
前記エレクトロポレーションを実施可能なパルス及び前記RFを出力可能な第2ヘッド部と、
前記エレクトロポレーションを実施可能なパルス、前記RF及び前記マイクロカレントを出力可能な第3ヘッド部と、
よりなる群のうち2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の美容装置。
【請求項3】
前記2種以上の前記ヘッド部が、前記第1ヘッド部、第2ヘッド部及び第3ヘッド部を含むことを特徴とする請求項2に記載の美容装置。
【請求項4】
前記本体部の内部に、前記刺激信号を前記電極から発生させるための刺激信号発生部と電気的に接続される制御部を備え、
前記制御部は、前記ヘッド部が取り付けられた際に、取り付けられた前記ヘッド部の種類を判定するヘッド部判定部と、取り付けられた前記ヘッド部に対応して適用できる前記刺激信号の種類を保存するメモリを備え、
前記ヘッド部判定部により判定された前記ヘッド部に応じた前記刺激信号の種類を前記電極から出力可能とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の美容装置。
【請求項5】
前記ヘッド部判定部による取り付けられた前記ヘッド部の判定が、前記本体部に配設された前記端子と、前記ヘッド部に配設された前記端子の接触度合いを変えることにより実施されることを特徴とする請求項4に記載の美容装置。
【請求項6】
前記第1ヘッド部、前記第2ヘッド部及び前記第3ヘッドの形状がそれぞれ異なり、
前記第2ヘッド部の適用面が前記第1ヘッド部の適用面より面積が広く形成され、
前記第3ヘッド部の形状が、櫛状(ブラシ状)であり、
前記適用面に櫛歯形状(ブラシ歯形状)に立設して形成される複数の柱状部材の先端に前記電極が現れていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の美容装置。
【請求項7】
前記第1ヘッド部が顔用、
前記第2ヘッド部が体用、
前記第3ヘッド部が頭皮用、
として適用されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の美容装置。
【請求項8】
前記ヘッド部の前記適用面に、発光ダイオードが配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の美容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、美容装置に関する。さらに詳しくは、アタッチメントとなるヘッド部の交換(付け替え)が可能であり、電極が配設された複数種のヘッド部を交換して、ヘッド部に対応した種々の刺激信号を適用できる美容装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人々の美容への意識の高まりにより、美容効果を目的とした種々の美容装置(美容器、美容機器等。)が検討されている。美容装置としては、肌(皮膚を含む。以下同じ。)に刺激信号として電圧や電流(電圧等。)を印加することにより、化粧料や薬剤等を、肌の表面から内部に浸透させる方法が知られており、例えば、細胞を懸濁した溶液(細胞懸濁液)に高電圧の電気パルスを短時間印加することにより、細胞膜上に微小孔をあけ、その微小孔を通して導入しようとする物質を細胞内へ送り込みやすくするエレクトロポレーション(電気穿孔法)が用いられている。
【0003】
エレクトロポレーションを美容装置に適用して、刺激信号として肌に短く強い特殊な電気パルスを与えることで、上皮細胞、特に肌に既存する毛穴や汗腺といった孔の内壁細胞に透過経路を形成し、通常では浸透しない親水性分子や、高分子薬剤等の有効成分を真皮層下まで導入することが可能とされている。そして、エレクトロポレーションを適用可能な美容装置として、種々の美容装置が提供されている(例えば、特許文献1等を参照。)。
【0004】
また、美容装置としては、エレクトロポレーションに加えて、RF(Radio Frequency:ラジオ波)を用いた美容装置や、EMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)を用いた美容装置も知られている(例えば、特許文献2を参照。)。
【0005】
RFを用いた美容装置によれば、分子振動によって生じさせるジュール熱を利用することによって、体内から体を温め、痩身効果等を発揮できるとされている。特に1MHz付近の周波数の電磁波はジュール熱(摩擦熱)を発生させ、この熱エネルギーにより、肌の深部を温め代謝を上げることで、顔(フェイス)、体(身体)(ボディ)、頭皮(スカルプ)に対する有効な美容効果が期待できる。
【0006】
EMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)等の電気的な刺激信号により、筋肉に微弱な電流を与えてリガメント等を強制的に動かして、リフトアップ等の顔のトリートメント等を図る美容装置も検討されている。
【0007】
さらに、近年、マイクロカレントを用いた美容装置も検討されている(例えば、特許文献3等を参照。)。マイクロカレントとは、マイクロアンペアレベルの極めて微弱な電流を肌に流して細胞に刺激を与えることで、眠っている細胞が活性化され、リンパの流れを良好にし、血行を促進し、新陳代謝の向上が期待できる。マイクロカレントは、肌に人工的に微弱電流を流すことができるのでスキンケアや美肌作りに効果があり、顔に使用し続けることで肌の細胞を復活させて、肌のハリを取り戻すことが期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第5397974号公報
【特許文献2】実用新案登録第3192971号公報
【特許文献3】特表2022-537091号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方、従来の美容装置について、使用者は、顔、体、頭皮等といった複数の部位に対して適用するに際し、それぞれの部位や美容効果に適合した美容装置を複数台所有し、適宜選択して用いていたのが実情であった。
【0010】
また、複数のアタッチメントを備えた美容装置も提供されてはいたが、適用部位を変えて適用できるものは皆無であった。加えて、複数の機能を備えるようにした場合は、装置が大型化することも多いため、片手で把持が可能なコンパクトな構造の美容装置の提供が望まれていた。
【0011】
本発明は、前記の課題に鑑みてなされたものであり、エレクトロポレーションを実施する刺激信号を含む複数の刺激信号を出力することができ、片手で把持可能なコンパクトな構造でありながら、複数種のヘッド部の交換により、複数の部位にも1台で対応可能な美容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記の課題を解決するために、本発明に係る美容装置は、
外面に操作部を配し、片手で把持可能な形状の本体部と、
前記本体部の一端に交換可能に取り付けられ、前記本体部に取り付けられることにより刺激信号が出力可能となる複数の電極を適用面に配設したヘッド部と、を含み、
前記本体部と前記ヘッド部は、前記本体部に前記ヘッド部が取り付けられた際に接触して、電気的接続を行う端子がそれぞれ配設され、
前記ヘッド部が、前記電極から出力される刺激信号として、
EMS、RF及びマイクロカレントよりなる群から選択される1種以上と、
エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、
から選択する前記刺激信号の種類をそれぞれ異なるように選択する2種以上のヘッド部となり、
使用者が、前記2種以上の前記ヘッド部のうち1種を選択して前記本体部に取り付けて使用し、
前記ヘッド部が、前記操作部の操作で選択された1種の刺激信号を前記電極から出力することを特徴とする。
【0013】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記2種以上の前記ヘッド部が、
前記電極から出力される前記刺激信号として、
前記エレクトロポレーションを実施可能とするパルス、前記EMS、前記RF及び前記マイクロカレントを出力可能な第1ヘッド部と、
前記エレクトロポレーションを実施可能なパルス及び前記RFを出力可能な第2ヘッド部と、
前記エレクトロポレーションを実施可能なパルス、前記RF及び前記マイクロカレントを出力可能な第3ヘッド部と、
よりなる群のうち2種以上を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記2種以上の前記ヘッド部が、前記第1ヘッド部、第2ヘッド部及び第3ヘッド部を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記本体部の内部に、前記刺激信号を前記電極から発生させるための刺激信号発生部と電気的に接続される制御部を備え、
前記制御部は、前記ヘッド部が取り付けられた際に、取り付けられた前記ヘッド部の種類を判定するヘッド部判定部と、取り付けられた前記ヘッド部に対応して適用できる前記刺激信号の種類を保存するメモリを備え、
前記ヘッド部判定部により判定された前記ヘッド部に応じた前記刺激信号の種類を前記電極から出力可能とすることを特徴とする。
【0016】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記ヘッド部判定部による取り付けられた前記ヘッド部の判定が、前記本体部に配設された前記端子と、前記ヘッド部に配設された前記端子の接触度合いを変えることにより実施されることを特徴とする。
【0017】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記第1ヘッド部、前記第2ヘッド部及び前記第3ヘッドの形状がそれぞれ異なり、
前記第2ヘッド部の適用面が前記第1ヘッド部の適用面より面積が広く形成され、
前記第3ヘッド部の形状が、櫛状(ブラシ状)であり、
前記適用面に櫛歯形状(ブラシ歯形状)に立設して形成される複数の柱状部材の先端に前記電極が現れていることを特徴とする。
【0018】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記第1ヘッド部が顔用、
前記第2ヘッド部が体用、
前記第3ヘッド部が頭皮用、
として適用されることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る美容装置は、前記した本発明において、
前記ヘッド部の前記適用面に、発光ダイオードが配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、片手で把持可能な本体部に複数種のヘッド部を交換して使用する美容装置であり、かかる複数のヘッド部が、エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、EMS、RF、マイクロカレントについてそれぞれ異なる種類の組み合わせとして出力可能とする2種以上のものとされているので、使用者が、複数種のヘッド部のうち所望のヘッド部を選択して、かかるヘッド部が操作部の操作で選択された1種の刺激信号を適用することで、複数の部位に対して1台で適用可能な美容装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る美容装置の一態様を示した図である。
図2】本発明に係る美容装置の一態様を示した図である。
図3】本発明に係る美容装置の一態様を示した図である。
図4】本発明に係る美容装置の一態様を示した正面図である。
図5】第1ヘッド部の一態様を示した斜視図である。
図6】第2ヘッド部の一態様を示した斜視図である。
図7】第3ヘッド部の一態様を示した斜視図である。
図8】本体部の一態様を示した斜視図である。
図9】美容装置の本体部から第1ヘッド部を取り外した状態を示した図である。
図10】美容装置の本体部から第1ヘッド部を取り外した状態を示した図である。
図11】第1ヘッド部及び第2ヘッド部に配設されている電極の一態様を示した図である。
図12】第3ヘッド部に配設されている電極の一態様を示した図である。
図13】操作パネルによる制御の概要を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(I)本発明に係る美容装置1の構成:
以下、図面を用いて、本発明に係る美容装置1の一態様について説明する。
【0023】
図1ないし図3は、本発明に係る美容装置1(電極5付きヘッド部3交換式美容装置1)の一態様を示した図である。なお、図1には、美容装置1を構成する本体部2に顔用のヘッド部3である第1ヘッド部31を取り付けて美容装置1としたもの、図2は、本体部2に体用のヘッド部3である第2ヘッド部32を取り付けて美容装置1としたもの、図3は、本体部2に頭皮用のヘッド部3である第3ヘッド部33を取り付けて美容装置1としたもの、をそれぞれ示している。
【0024】
また、図4は、本発明に係る美容装置1の一態様を示した正面図であり、本体部2に頭皮(スカルプ)用のヘッド部3である第3ヘッド部33を取り付けて美容装置1としたものを示している。
【0025】
本発明に係る美容装置1は、人体の肌に適用可能であり、第1ヘッド部31は、主として顔(フェイス)、第2ヘッド部32は主として体(身体)(ボディ)、第3ヘッド部33は主として頭皮(スカルプ)に適用することが好ましく、後記するように、ヘッド部3の形状や、電極5のサイズや配置、個数等も、それらの適用部位を考慮して配設されている。
【0026】
なお、ヘッド部3について、「顔用のヘッド部3」については、主たる適用部分が人体の顔となる一方、「体用のヘッド部3」とは、顔や頭皮は基本的に体に含まれる一方で、主として人体の顔や頭皮以外の体の部位(例えば、腹、太もも等。)に適用され、「頭皮用のヘッド部3」とは、主として人体の頭皮(頭)に適用されることを想定している。
【0027】
図5は、第1ヘッド部31の一態様を示した斜視図、図6は、第2ヘッド部32の一態様を示した斜視図、図7は、第3ヘッド部33の一態様を示した斜視図、をそれぞれ示す。図8は、本体部2の一態様を示した斜視図であり、図9及び図10は、美容装置1の本体部2から第1ヘッド部31を取り外した状態を示した図である。なお、図9及び図10は、本体部2から取り外されたヘッド部3の例として第1ヘッド部31を載せているが、他のヘッド部3(第2ヘッド部32,第3ヘッド部33。)でも取り外しについては共通する。
【0028】
本発明に係る美容装置1は、
外面に操作部6(操作パネル6)を配し、片手で把持可能な形状の本体部2と、
前記本体部2の一端に交換可能に取り付けられ、前記本体部2に取り付けられることにより刺激信号が出力可能となる複数の電極5を適用面41(正面部41)に配設したヘッド部3と、を含み、
前記本体部2と前記ヘッド部3は、前記本体部2に前記ヘッド部3が取り付けられた際に接触して、電気的接続を行う端子T1,T2がそれぞれ配設されること、
を基本構成として備える。
【0029】
また、前記ヘッド部3が、前記電極5から出力される刺激信号として、
EMS、RF及びマイクロカレントよりなる群から選択される1種以上と、
エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、
から選択する前記刺激信号の種類をそれぞれ異なるように選択する2種以上のヘッド部3となり、
使用者が、前記2種以上の前記ヘッド部3のうち1種を選択して前記本体部2に取り付けて使用し、
前記ヘッド部3が、前記操作部6(操作パネル6)の操作で選択された1種の刺激信号を前記電極5から出力するものである。
【0030】
(II)ヘッド部3:
美容装置1を構成するヘッド部3の外面には、複数の電極5が配設され、本実施形態にあっては、使用者の肌に対面して適用面41(使用者の肌に適用される面のこと。以下同じ。)となる、ヘッド部3(ヘッド本体4)の正面部41(適用面41となる。以下同じ。)に電極5が配設されている態様を示している。ヘッド部3に形成された正面部41は、本実施形態にあっては、図4ないし図7に示すように、角を丸くした略矩形状(略正方形状を含む。)とした態様を示している。
【0031】
ヘッド部3は、使用者の肌に対面して適用面41となり、複数(複数個、複数本。)の電極5が間隔を空けて配設される面となる平坦な正面部41が形成されたヘッド本体4と、かかるヘッド本体4に配設される複数の電極5を基本構成として有する、ハウジングからなる筐体である。なお、かかる筐体は、ABS樹脂やポリスチレン樹脂等の合成樹脂により形成されることができる(後記する本体部2を構成する筐体についても同様。)。
【0032】
本実施形態にあっては、第1ヘッド部31及び第2ヘッド部32にあっては、共通する形状の電極5を配設している。図11は、第1ヘッド部31及び第2ヘッド部32に配設されている電極5の一態様を示した図である。図5図6図11に示すように、第1ヘッド部31等は、正面視がボタン状の電極5を、ヘッド本体4の正面部41に配設している。電極は、本実施形態にあっては、第1ヘッド部31は4個(2×2)、第2ヘッド部32は12(2×6)個配設した態様をそれぞれ示している。電極5の個数(第3ヘッド部33であれば本数としてもよい。)は、第1ヘッド部31であれば2~4個、第2ヘッド部32であれば6~12個、後記する第3ヘッド部33であれば9~21個(本)とすることが好ましいが、これらの範囲には限定されない。
【0033】
図1図2図5図6等に示すように、顔用のヘッド部3となる第1ヘッド部31と体用のヘッド部3となる第2ヘッド部32は、本体部2に取り付けられる底面42(後記する図10参照。)付近の形状を共通とする一方、ヘッド部3の正面部41の面積が異なるようにされている。具体的には、広い部位に適用可能なように、第2ヘッド部32の正面部41の方が第1ヘッド部31の正面部41より面積が広く形成されている。
【0034】
また、第1ヘッド部31及び第2ヘッド部32の正面部41は、人体の肌に対して適用しやすくするように、美容装置1の正面となる面(ヘッド部3の正面部41や、後記する本体部2に取り付けられた際に、本体部2の操作パネル6が配設される面。以下同じ。)に対して、上方より下方(上方や下方は、図5ないし図7を参照。)が手前に出るように角度が付けられて傾けられている。特に、図5及び図6等に示すように、顔用のヘッド部3となる第1ヘッド部31は、顔の肌面(皮膚面)にフィットするように、第2ヘッド部32より角度が付けられている。
【0035】
なお、第2ヘッド部32は、体に対して適用しやすくなるように、美容装置1の正面となる面に対して、第2ヘッド部32の正面部41が手前(使用者側)に出る(張り出る)ような形状とされている。以上のようにして、第1ヘッド部31と第2ヘッド部32の形状は、適用される部位に対応するように、形状が異なるようにされている。
【0036】
次に、第3ヘッド部33は、頭皮用のヘッド部3であり、図3図4及び図7等に示すように、形状として櫛状(ブラシ状)となるものを示しており、櫛歯形状(ブラシ歯形状(ブラシ歯のような形状。))に形成される電極胴部52の先端に、図12に示す形状の電極5の先端51が現れる態様を示している。
【0037】
第3ヘッド部33は、正面部41の形状は第2ヘッド部32とほぼ共通するものの、頭皮用のヘッド部3として、形状として櫛状(ブラシ状)となり、この点、第2ヘッド部32と異なる形状となり、また、後記するように、電極5の形状も、図12に示すように、第1ヘッド部31及び第2ヘッド部32に適用した、図11に示した形状の電極5を異なるものを用いている。
【0038】
以上より、本実施形態にあっては、3種のヘッド部3(第1ヘッド部31、第2ヘッド部32及び第3ヘッド部33。)は、適用する部位(顔、体、頭皮。)に合わせて、は、それぞれ異なる形状となるものを例として挙げて示している。
【0039】
図12は、第3ヘッド部33に配設されている電極5の一態様を示した図である。図12に示すように、第3ヘッド部33に配設される電極5は、側面視で略T字形状(キノコ形状)の棒状部材であり、正面部41に櫛歯形状に立設される複数の略円筒形状の柱状部材である電極胴部52の内部に形成されている穴に棒状の軸部53を挿入し、先端51が外部に現れるようにして立設されている。
【0040】
略円筒形状の柱状部材である電極胴部52は、熱可塑性エラストマーやシリコーンゴム等の、比較的軟らかい材料で構成され、可撓性を備えることが好ましい。また、かかる材料から構成される電極胴部52は絶縁体ともなる。
【0041】
第3ヘッド部33における電極5は、先端51(略T字形状の横線部分。)を電極胴部52から外部に露出して、それ以外の部分(略T字形状の縦線部分。)となる軸部53を電極胴部52の内部に挿入することにより、第3ヘッド部33に立設されて連接・一体化されている。本実施形態にあっては、第3ヘッド部33における電極5は、21(3×7)個(本)配設した態様を示している。
【0042】
また、図1等に示すように、ヘッド部3には、正面部41に発光ダイオード8(Light-Emitting Diode:LED)が埋め込まれて配設されている。発光ダイオード8は、色によってスペクトル波長が違い、適用される肌にダメージを与えることなく、種々の美容効果が期待できる。
【0043】
発光ダイオード8の照射により、赤色の発光ダイオード8はコラーゲン生成やターンオーバーを活性化し、肌の弾力や血行を促進することが期待できる。また、青色の発光ダイオード8は過剰な皮脂分泌をコントロールして毛穴を引き締め、殺菌作用により肌の環境を整える効果が期待できるとされている。
【0044】
発光ダイオード8は、ヘッド部3の正面部41に配設され、電極5の間に配置されることが好ましい。本実施形態にあっては、第1ヘッド部31には5個、第2ヘッド部32には10個、第3ヘッド部33には10個配設した例を示している。
【0045】
電極5は、刺激信号や電流等を出力し、人体の肌等に印加可能なように、導電性を有する必要があり、例えば、導電性材料としては、例えば、ステンレス(SUS)、銀、白金、アルミニウム、ジュラルミン、銅、あるいはこれらの材料で形成された成形体にクロムメッキ等のメッキ加工を施して電極5としたもの等が挙げられるが、これらには限定されない。また、ABS等の合成樹脂等で形成された成形体にクロムメッキ加工を施して電極5としてもよい。
【0046】
また、電極5は、使用者の肌と接触することにより、使用者の肌に電気的な刺激信号が印加されることになる。電極5のサイズや形状は、適用される人体の部位(顔、体、頭皮等。)や、適用する刺激信号等、負荷すべき電場の強さ、電圧の高さ、及び使用者への負担などを考慮して決定すればよい。
【0047】
(III)本体部2:
図8等に示すように、美容装置1を構成する本体部2は、本実施形態にあっては、片手で把持可能な略棒形状(略柱形状、有天面有底面略筒形状と解釈もできる。)とされており、天面21と底面22を備え、断面が角を丸めた略矩形状とした略角柱形状(ないし略角筒形状。)のハウジングからなる筐体であり、載置する部分である底面22の面積がやや広くされた載置部20が下面に形成されている。
【0048】
また、本体部2の天面21は、図8ないし図10に示すように、前記したヘッド部3の底面42(図10参照。)を取り付け可能とされている。本実施形態にあっては、本体部2の天面21について、凹形状とされた取付凹部23を形成し、かかる取付凹部23の両端の溝24に、ヘッド部3の底面42について、凸形状とされた取付凸部43の両端44を引っ掛けながら図9の矢印方向に移動させることにより、容易に取り付けることができる。
【0049】
ヘッド部3を図9の矢印方向に移動させた際には、本体部2の天面21に形成された凹み25と、ヘッド部3の底面42に形成された突起45が嵌合して、両者が固定される。なお、本体部2からヘッド部3を取り外すときは、これらの逆の操作を行えばよい。
【0050】
なお、本体部2の天面21に形成された取付凹部23の内面と、ヘッド部3の底面42に形成された取付凸部43の外面には、それぞれ端子T1,T2が配設されている。本体部2にヘッド部3を取り付けて固定した際には、かかる端子T1,T2同士が接触して(例えば、凸状とされたヘッド部3の端子T2と、凹状とされた本体部2の端子T1が嵌め合って接触する等。)、本体部2とヘッド部3が電気的に接続されることになる。
【0051】
このようにして本体部2とヘッド部3が電気的に接続することにより、本体部2からの指示がヘッド部3の電極5に伝達され、かかる電極5から刺激信号等が発されることになる。ここで、本体部2からの指示は、本体部2の外面に配設される操作パネル6により実施され、図1図8等に示すように、本実施形態にあっては、本体部2の正面に操作パネル6が配設されている態様を示している。
【0052】
操作部6となる操作パネル6は、操作するためのボタンとして、電源ボタン(スタート/ストップボタン)61、エレクトロポレーション(EP)モードボタン62、RFモードボタン63、EMSモードボタン64、マイクロカレント(MC)モードボタン65、LEDボタン67がそれぞれ形成されている。また、レベル表示ランプ66、バッテリーランプ68がそれぞれ形成されている。なお、これらのボタンは、図示しないランプが内蔵され、適宜点灯、点滅及び消灯させることができるが、詳しくは後記する。
【0053】
操作パネル6は、刺激機能(刺激信号(電気信号)の印加による電気刺激機能のこと。)のモードであるエレクトロポレーション(EP)モード、RFモード、EMSモード及びマイクロカレント(MC)モードを備え、かかるEPモード、RFモード、EMSモード及びMCモードを操作するボタンとしてEPモードボタン62、RFモードボタン63、EMSモードボタン64及びMCモードボタン65が形成された態様を示しており、刺激機能のモードもEPモード、RFモード、EMSモード及びMCモードとして説明する。
【0054】
人体の肌に対して刺激信号(電気信号)の印加による電気刺激機能を効率よく発揮するためには、低周波ないし高周波の電気的な刺激信号(低周波パルス、中周波パルス、高周波パルス等。)を印加することが好ましい。
【0055】
刺激機能のうち、エレクトロポレーションは、肌に短く強い特殊な電気パルスを与えることで、上皮細胞、特に肌に既存する毛穴や汗腺といった孔の内壁細胞に透過経路を形成し、通常では浸透しない高分子薬剤等の有効成分を真皮層下まで導入することが可能となる。刺激信号となるエレクトロポレーションを実施可能なパルスとしては、例えば、特許第5397974号公報に開示される電気パルス等を用いることができる。
【0056】
また、刺激機能として、例えば、RF(Radio Frequency:ラジオ周波数)(RF波とも呼ばれる。)やEMS(Electrical Muscle Stimulation:電気的筋肉刺激)による機能等が知られている。EMSは、直接筋肉に電気刺激を与えて筋肉を収縮させることが可能であり、顔の筋肉が収縮することで肌のハリやリフトアップなど引き締め効果が期待できる。
【0057】
EMS機能やRF機能は、人間に電気を流し、細胞や筋肉を刺激するものであり、美容装置1にあっては、電極5が人体の肌等と接触することにより、肌等に電極5から出力される刺激信号(低周波ないし高周波の刺激信号)が印加され、刺激を与えることができる。
【0058】
電気的な刺激信号として、RF(RF波、RFによる信号。)を用いる場合には、例えば、高周波(例えば、10000~1000000Hz等。)等の周波数域から刺激信号を選択して使用すればよいと考えられる。電気的な刺激信号として、EMS(EMSによる信号。)を用いる場合は、低周波(例えば、1~1000Hz等。)、中周波(例えば、1000~2000Hz等。)や高周波(例えば、3000Hz以上とされ、3000~100000Hz等。)の周波数域から刺激信号を選択して使用すればよいと考えられる。なお、刺激信号となるRFやEMSについては、例えば、特許第7106167号公報に開示される内容を適用することができる。
【0059】
また、刺激機能のうち、マイクロカレント(特殊超微弱電流)による機能とは、人体の生体電流に似た極めて特殊な微弱電流のことを指し、細胞賦活作用といわれており、新陳代謝を高め、肌を健やかに保つ効果が期待できる。
【0060】
前記したように、マイクロカレントは、マイクロアンペアレベルの極めて微弱な電流を肌に流して細胞に刺激を与えることで、眠っている細胞が活性化され、リンパの流れを良好にしたり、血行を促進し、新陳代謝の向上が期待できるものである。
【0061】
また、マイクロカレントは、肌に人工的に微弱電流を流すことができるのでスキンケアや美肌作りに効果があり、顔に使用し続けることで肌の細胞を復活させてハリを取り戻せることが期待できる。マイクロカレントの刺激信号は、例えば、特開2021-122428号公報に開示されるマイクロカレントモードにおいて挙げられる電圧(パルス)の波形図等を参照することができる。
【0062】
なお、刺激信号の波形は、美容に適する種々の波形を適用することができ、適する場合には、いわゆるドレナージュモード等を使用するようにしてもよいが、特に制限はなく、従来公知の波形を用いるようにすればよい。
【0063】
それぞれのヘッド部3が電極5から出力される刺激信号としては、EMS、RF及びマイクロカレントよりなる群から選択される1種以上と、必須となるエレクトロポレーションを実施可能なパルスと、から選択される。ヘッド部3は、電極5から出力される刺激信号の種類をそれぞれ異なるように選択する2種以上(本実施形態にあっては、第1ヘッド部31、第2ヘッド部32及び第3ヘッド部33の3種類。)となる。
【0064】
また、本実施形態にあっては、刺激信号に対応する機能として、顔に適用される第1ヘッド部31を使用する場合は、エレクトロポレーション(EP)、EMS、RF及びマイクロカレント(MC)の全てが使用可能として、体に適用される第2ヘッド部32は、EP及びRFが使用可能となり、頭皮に適用される第3ヘッド部33は、EP、RF及びMCが使用可能となるようにしてもよい。以上をまとめて表1に示す。
【0065】
(ヘッド部3が出力可能な機能の例)
【表1】
【0066】
適用部位を顔、体、頭皮と考えた場合、エレクトロポレーション(EP)やRFは、これらの全部位に適用しても問題ない(美容効果がある。)と考えられる。EMSは、筋肉に直接はたらきかける刺激信号となる一方、基本的には、筋肉の端と端(起始と停止。)に電極5を固定させることで効果が出やすいと考えられる。美容装置1は、片手で把持が可能であるサイズを考慮すると、EMSは、美容装置1を動かさずに固定して使用することが多い体(ボディ)には適さないと考えられる。
【0067】
一方、顔(フェイス)の場合は、体に比べて筋肉が小さく特殊であり、装置を動かしながら(滑らしながら)使用してもリフトアップ等の顔のトリートメント効果等が見込まれる。一方、このような効果は顔以外の部位では期待することが難しいと考えられ、表1にあるように、本実施形態にあっては、EMSは、顔に適用される第1ヘッド部31を取り付けた場合に使用することが好ましいと考えられる。
【0068】
また、マイクロカレント(MC)は、人体の生体電流に似た極めて特殊な微弱電流なので、皮膚が顔や頭皮より厚い体に適用しても効果が期待できないと考えられるため、表1にあるように、本実施形態にあっては、顔に適用される第1ヘッド部31及び頭皮に適用される第3ヘッド部33を取り付けた場合に使用することが好ましいと考えられる。
【0069】
本体部2に対して第1ヘッド部31、第2ヘッド部32及び第3ヘッド部33(以下、「第1ヘッド部31等。」とする場合もある。)のいずれかを取り付けた場合、本体部2は、使用者がどのヘッド部3を取り付けたかを認識し、適用する機能を決定する。
【0070】
第1ヘッド部31、第2ヘッド部32及び第3ヘッド部33のそれぞれは、ヘッド部3の底面42に形成された取付凸部43の形状や、取付凸部43の外面に形成された端子T2の形状は共通する。一方、本実施形態にあっては、第1ヘッド部31等に形成されたそれぞれの端子T2と、本体部2に配設された端子T1の接触の程度(接触する程度)を変える等することにより、本体部2は、使用者がどのヘッド部3を取り付けたかを認識する。端子T1,T2同士が接触の程度を変えることによりどのヘッド部3を取り付けたかを認識するようにするには、例えば、ヘッド部3によって接触する端子T2の高さを変えたり、図10に示すように、ヘッド部3に複数の端子T2を配設し、ヘッド部3によって、本体部2に配設される端子T1と接触する端子T2を異なるようにする(例えば、図10には、端子T1,T2が横並びに6個配設されているが、両端の端子T1,T2(2個)は第1ヘッド部31だけに接触し、その内側の端子T1,T2(2個)は第1ヘッド部321だけに接触し、そのさらに内側の端子T1,T2(2個)は第3ヘッド部33だけに接触する等。)等が考えられる。
【0071】
また、本体部2にヘッド部3を取り付けて固定し、端子T1,T2同士が接触して、本体部2とヘッド部3が電気的に接続された際には、本体部2の内部に配設される制御部7(後記する図13を参照。)は、どのヘッド部3が取り付けられたかを認識し、制御部7が、認識したヘッド部3に応じて、制御部7に予め保存される(プリセットされた。)プログラムに従い、かかるヘッド部3に適用可能な刺激信号の種類を選択・決定し、電極5から出力可能とすることになる。
【0072】
以下、各ボタンの操作や役割等を説明する。電源ボタン61は、いわゆるスタンバイマークであり、美容装置1の電源の入/切(オン(ON)/オフ(OFF))、各モードの開始、停止、一時停止等について操作する。例えば、電源ボタン61を数秒(2秒程度)長押しして押圧すると電源が「入」となり、スタンバイ状態となるようにしてもよい。
【0073】
電源が「入」となった場合、例えば、全てのモードのボタンのランプが一度点灯した後、表1に従うヘッド部3の機能について、取り付けられたヘッド部3で使用可能な刺激信号のモードが点滅し、使用できないモードが消灯するようにしてもよい。なお、使用可能なモードはボタンの押圧により実施可能とされ、使用できないモードはボタンを押圧しても実施されない。
【0074】
かかる状態で、操作パネル6における使用可能なモード(点滅している。)のうち、使用を希望する1つのモードのボタンを押すことにより、かかるモードにおける刺激信号の出力が開始される。
【0075】
レベル表示ランプ66は、前記した操作の状態にあわせて、各モードの出力レベルを表示するものであり、出力レベルは、本実施形態にあっては、図1等に示すように、6段階に分かれて設定され、ボタンを一度押圧するごとにモードの出力が1段階上昇され、レベルが1(一番低い。)→2→3→4→5→6(一番高い。)→1→……、と切り替わる(「6」の次は「1」に戻る。)ようにされる。なお、出力レベルは、安全等を考慮して、前記したように、1(出力が一番小さい。)から始めることが好ましい。
【0076】
また、出力レベルは、モードによって異なるようにしてもよい。例えば、同じエレクトロポレーションを実施する刺激信号であっても、顔用のヘッド部3である第1ヘッド部31を使用した場合の出力レベルと、体用のヘッド部3である第2ヘッド部32の出力レベルを同じとした場合は、適用面積が狭い前者の方が高い負荷となってしまう場合がある。よって、相対的に、顔に適用する(第1ヘッド部31を使用する。)場合より、体に適用する(第2ヘッド部32を使用する。)場合の方が高い出力とする(例えば、「1」等、同じレベルでも、出力の高さを第2ヘッド部32>第1ヘッド部31とする。)ことが好ましい。
【0077】
なお、LEDボタン67は、電源が入(オン)の状態で、使用可能なモードと同様に、点滅するようにしてもよく、また、ヘッド部3に配設される発光ダイオード8(LED)は、いずれかのモードボタンを選択して押圧した場合に、ヘッド部3の正面部41に配設された発光ダイオード8が、赤(点滅)→青(点滅)→消灯→赤(点滅)→青(点滅)→……、となるようにして、発光ダイオード8の使用の可否や、使用する場合はその色を選択できるようにしてもよい。なお、発光ダイオード8は、各モードの刺激信号が出力されている間は、選択した色の発光ダイオード8が照射される(消灯を選択した場合は、そのまま照射されない。)ようにしてもよい。
【0078】
美容装置1による操作を一時停止させる場合には、例えば、動作中に電源ボタン61を押圧することにより、モードが使用しているレベルのまま動作が一時停止されるようにしてもよい。また、電源ボタン61を数秒押圧することにより、電源が「切」となるようにしてもよい。
【0079】
なお、かかる一時停止中は、電源ボタン61、選択しているモードのボタン、レベル表示ランプ66(一時停止前の設定が維持される。)、及び配設される発光ダイオード8(一時停止前の設定が維持される。)が点滅するようにしてもよい。また、一時停止中、ヘッド部3に配設された発光ダイオード8が、仮に一時停止となった時点で「赤」の場合は、LEDボタン67を押すと、赤→青→消灯→赤→青→……、となるようにしてもよい。
【0080】
バッテリーランプ68は、内蔵される図示しないバッテリー(充電池)の残量を表示し、例えば、バッテリー残量が30%を超える状態(使用に問題ない。)であれば点灯しないが、バッテリー残量が30%以下(そろそろ充電の必要があり。)になった場合は赤く点灯し、バッテリー残量が10%以下(すぐに充電の必要があり。)になった場合は赤く点滅する、等のように表示することができる。なお、前記した30%や10%やバッテリーランプ68の色や挙動等は、任意に決定することができる。
【0081】
美容装置1の本体部2に内蔵される図示しないバッテリー(充電池)の充電は、例えば、図示しない充電器の充電用端子を、美容装置1の外部に配設された図示しない差込口に接続することにより、簡便に実施することができる。なお、かかる図示しない差込口は、図示しない充電器の形状に対応して、美容装置1の任意の位置(例えば、本体部2の後方側等。)に形成してもよい。
【0082】
図13は、操作パネル6による制御の概要を示した説明図である。操作パネル6は、図13に制御の概要を示すように、美容装置1を構成する、ハウジングからなる筐体である本体部2に内蔵される制御部7を介して、図示しない超音波発振回路を設けた電子回路基板70(電気回路基板)を含んだ刺激信号発生部71と、端子T1,T2が接触することによりヘッド部3の電極5と電気的に接続され、モードの選択や出力レベルの操作等を可能とする。なお、図13において、太線の枠で囲まれたものはヘッド部3を構成し、それ以外は本体部2を構成する。
【0083】
刺激信号発生部71は、エレクトロポレーション(EP)信号発生部72、RF信号発生部73、EMS信号発生部74、マイクロカレント(MC)信号発生部75を備え、電子回路基板70に接続される。また、電気回路基板70は、ヘッド部3に配設された発光ダイオード8(LED)の照射を選択するLED照射部76とも接続される。
【0084】
電極5が電気的に接続され、制御部7と電気的に接続される刺激信号発生部71(ないしは電気回路基板70)は、制御部7を介した操作パネル6からの操作により、出力レベルの調整も含め、図示しない超音波発振回路からの信号をもとに、取り付けられたヘッド部3に配設される電極5を出力源(発生源)として刺激信号を印加させることができる。また、制御部7は、操作パネル6からの操作により、LED照射部76を介して、LEDに対して点灯、点滅及び消灯を決定する。
【0085】
制御部7は、ヘッド部判定部77を備え、ヘッド部3が取り付けられた際に、取り付けられたヘッド部3の種類を判定(認識)する。本実施形態にあっては、前記したように、ヘッド部3に配設された端子T2と、本体部2に配設された端子T1の接触の程度を変える等することにより、本体部2は、使用者がどのヘッド部3を取り付けたかを判定する。
【0086】
また、制御部7は、取り付けられたヘッド部3に対応して適用できる刺激信号の種類を保存するメモリ78(保存部)を備え、判定・認識されたヘッド部3に応じた刺激信号の種類(表1参照。)のうち操作パネル6から指示した使用者が選択した1つを、ヘッド部3に配設された電極5から出力可能とする。
【0087】
(IV)美容装置1の使用方法:
本実施形態に係る美容装置1を使用するには、まず、使用者が所望のヘッド部3を選択し(ヘッド部3の選択が、適用する部位と機能の選択にもなる。)、本体部2に取り付ける。
【0088】
ヘッド部3を本体部2に取り付け、操作部6となる操作パネル6の電源ボタン61を押して電源を「入」にすると、(III)に載せたように、取り付けたヘッド部3を識別・判定し、使用可能なモードが点滅する。使用者は、使用したいモードの1つを選択して(ボタンを押圧。)、操作パネル6の操作により、適用する刺激信号のモードの出力レベルを調整した上で、ヘッド部3の電極5が配設される面であり正面部41(適用面41)を使用者の適用する部位(例えば、第1ヘッド部31を適用する場合は、使用者の顔等。)に接触させ、選択した1種の刺激信号を出力することになる。なお、エレクトロポレーションモードを適用する場合は、後記するように、あらかじめ適用部位に所望の薬剤等を塗布した状態で実施することが好ましい。
【0089】
電極5が配設された正面部41を適用したい部位に接触させることにより、例えば、エレクトロポレーションであれば、第1ヘッド部31を用いた顔への適用や第2ヘッド部32を用いた体への適用であれば、洗浄した後の清潔な肌に薬剤を軽く塗布し、これらヘッド部3でマッサージするように肌の上を滑らせて美容ケアを行うようにする(心地よいと感じるレベルが最適である。)。
【0090】
第3ヘッド部33を用いた頭皮の美容ケアの場合、例えば、エレクトロポレーションであれば、洗髪後の清潔な頭皮に薬剤を塗布し、第3ヘッド部33の櫛歯の先端に形成された電極5が頭皮に密着するように、毛髪をかき分けながらゆっくり滑らせて動かして、美容ケアを行うようにすることが好ましい。
【0091】
所望の実施が終わったら、同じヘッド部3で他のモードを使用したり、ヘッド部3を交換して他の部位について美容ケアを実施するようにしてもよい。美容装置1の使用を終了する場合には、電極5を使用者の適用部位から離して、操作パネル6の電源ボタン61の「切」を押して電源を切るようにする。
【0092】
なお、美容装置1の使用の前には、使用者の肌等に潤滑剤等となるジェルを塗布することが好ましい。ジェルの塗布により、美容装置1の電極5が肌等の上を滑りやすくなり、赤みや内出血等の発生を防止することができる。また、刺激機能によるエレクトロポレーションを実施するパルスにより電気刺激や、EMS、RF、マイクロカレントといった電気刺激を、肌等に導電させる媒質の役割も兼ねることになる。
【0093】
ジェルを構成する成分としては、特に制限はないが、水を溶媒として、例えば、グリセリン、BG(ブチレングリコール)、DPG(ジプロピレングリコール)、カルボマー、キサンタンガム、アルギニン、アルゲエキス、イチョウ葉エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウアカマツ球果エキス、アシタバ葉/茎エキス、マテ茶葉エキス、コーヒー種子エキス、PEG-60アーモンド脂肪酸グリセリル、セチルヒドロキシエチルセルロース、メチルパラベン、アラントイン、グリチルリチン酸2K、フェノキシエタノール、水酸化カリウム、加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン、オトギリソウエキス、アルニカ花エキス、シナノキエキス、ゼニアオイエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セージ葉エキス、トウキンセンカ花エキス等の各成分を含有するものを用いるようにしてもよい。
【0094】
また、エレクトロポレーションを実施する場合、薬剤として、特に制限はないが、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、ホスファチジルコリン、ヒトオリゴペプチド-13等を使用することができる。
【0095】
また、第3ヘッド部33を用いて、美容装置1を頭皮に適用する場合、育毛剤を用いてもよく、育毛剤としては、特に制限はないが、従来公知の育毛剤、例えば、ケラチノサイト増殖因子(FGF-7)等の従来公知の育毛剤を使用することができる。
【0096】
(V)本発明の効果:
以上説明した本発明によれば、片手で把持可能な本体部2に複数種のヘッド部3を交換して使用する美容装置1であり、かかる複数のヘッド部3が、エレクトロポレーションを実施可能なパルスと、EMS、RF、マイクロカレントについてそれぞれ異なる種類の組み合わせとして出力可能とする2種以上のものとされているので、使用者が、複数種のヘッド部3のうち所望のヘッド部を選択して、かかるヘッド部3が操作部6の操作で選択された1種の刺激信号を適用することで、複数の部位に対して1台で適用可能な美容装置1となる。
【0097】
特に、複数のヘッド部3として、顔用の第1ヘッド部31、体用の第2ヘッド部32、頭皮用の第3ヘッド部33を用いて、ヘッド部3により適用される刺激信号を表1のようにしているので、適用したい部位に適するヘッド部3を選択することにより、それぞれの部位に適する刺激信号による顔(フェイス)、体(ボディ)及び頭皮(スカルプ)を適用することができ、全身にわたる美容ケアを実施可能な美容装置1となる。
【0098】
(VI)実施形態の変形:
なお、以上説明した態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の構成を備え、目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。また、本発明を実施する際における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内において、他の構造や形状等としても問題はない。本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良は、本発明に含まれるものである。
【0099】
例えば、前記した実施形態では、ヘッド部3として、顔用の第1ヘッド部31、体用の第2ヘッド部32、頭皮用の第3ヘッド部33を用いて、適用できる刺激信号の種類の選択パターンとして表1に示した種類ないしは組み合わせを用いて説明した。表1に示した刺激信号の種類の選択パターンは、顔、体及び頭皮に適用するに際して好適と考えられるが、異なる刺激信号の種類を選択しても構わない。
【0100】
また、ヘッド部3の形状についても、顔用の第1ヘッド部31、体用の第2ヘッド部32、頭皮用の第3ヘッド部33として、図6ないし図8等に示した形状を例として説明したが、ヘッド部3の形状は、図1等に示したものには限定されず、それぞれの部位に適すると考えられる任意の形状を用いることができる。
【0101】
前記した実施形態では、本体部2が備えるヘッド部判定部77について、取り付けたヘッド部3の種類を判定する手段として、本体部2とヘッド部3に配設され、ヘッド部3を本体部2に取り付けた際に接触する端子T1,T2の接触の程度を変えた例を挙げて説明した。一方、かかる判定手段に特に制限はなく、ヘッド部3が取り付けられた際にヘッド部3のID信号を制御部7(ヘッド部判定部77)に送信する等、取り付けたヘッド部3の種類を判定する任意の手段を用いることができる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、ヘッド部を交換するだけで、適用部位に適する刺激信号を適用可能とする美容装置を提供する手段として美容分野はもちろんのこと、医療分野、衛生分野等で広く適用可能であり、産業上の利用可能性は高いものである。
【符号の説明】
【0103】
1 …… 美容装置
2 …… 本体部
20 …… 載置部
21 …… 天面
22 …… 底面
23 …… 取付凹部
24 …… 溝
25 …… 凹み
3 …… ヘッド部
31 …… 第1ヘッド部
32 …… 第2ヘッド部
33 …… 第3ヘッド部
4 …… ヘッド本体
41 …… 正面部(適用面)
42 …… ヘッド部の底面
43 …… 取付凸部
44 …… 両端
45 …… 突起
5 …… 電極
51 …… 先端
52 …… 電極胴部
53 …… 軸部
6 …… 操作パネル(操作部)
61 …… 電源ボタン(スタート/ストップボタン)
62 …… エレクトロポレーション(EP)モードボタン
63 …… RFモードボタン
64 …… EMSモードボタン
65 …… マイクロカレント(MC)モードボタン
66 …… レベル表示ランプ
67 …… LEDボタン
68 …… バッテリーランプ
7 …… 制御部
70 …… 電子回路基板(電気回路基板)
71 …… 刺激信号発生部
72 …… エレクトロポレーション(EP)信号発生部
73 …… RF信号発生部
74 …… EMS信号発生部
75 …… マイクロカレント(MC)信号発生部
76 …… LED照射部
77 …… ヘッド部判定部
78 …… メモリ(保存部)
8 …… 発光ダイオード
T1 …… 端子(本体部側)
T2 …… 端子(ヘッド部側)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13