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  • 特開-まつ毛用パーマロッド 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163803
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】まつ毛用パーマロッド
(51)【国際特許分類】
   A45D 2/48 20060101AFI20241115BHJP
【FI】
A45D2/48
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079700
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】523181891
【氏名又は名称】株式会社グレース
(74)【代理人】
【識別番号】100148792
【弁理士】
【氏名又は名称】三田 大智
(72)【発明者】
【氏名】新倉 幸加
(57)【要約】
【課題】 まつ毛の生え位置の上下のバラツキに適切に対応することができる、まつ毛用パーマロッドの提供。
【解決手段】 本発明に係るまつ毛用パーマロッドは、被施術者の上瞼の下縁に沿って生えているまつ毛にパーマを施術するためのまつ毛用パーマロッドであって、該まつ毛をカールさせるための施術面を底面側及び正面側に連続して有すると共に上記上瞼に背面側が固定される施術部を備え、該施術部は上記上瞼の下縁に沿うように設けられる複数の第一施術部と、該第一施術部よりも上方にセットバックして設けられる複数の第二施術部を有し、該第一施術部と該第二施術部とを左右方向に沿って交互に配する構成を有すると共に、上記第一施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第一施術面とし、上記第二施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第二施術面とする構成を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施術者の上瞼の下縁に沿って生えているまつ毛にパーマを施術するためのまつ毛用パーマロッドであって、該まつ毛をカールさせるための施術面を底面側及び正面側に連続して有すると共に上記上瞼に背面側が固定される施術部を備え、該施術部は上記上瞼の下縁に沿うように設けられる複数の第一施術部と、該第一施術部よりも上方にセットバックして設けられる複数の第二施術部を有し、該第一施術部と該第二施術部とを左右方向に沿って交互に配する構成を有すると共に、上記第一施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第一施術面とし、上記第二施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第二施術面とすることを特徴とするまつ毛用パーマロッド。
【請求項2】
上記第一施術部と上記第二施術部の横断面形状を同一にすることを特徴とする請求項1記載のまつ毛用パーマロッド。
【請求項3】
上記第一施術部の下端部の左右幅を下方に向かって先細り形状とすることを特徴とする請求項1記載のまつ毛用パーマロッド。
【請求項4】
上記第一施術面は下向きに膨出する第一膨出部を有すると共に、上記第二施術面は下向きに膨出する第二膨出部を有することを特徴とする請求項1記載のまつ毛用パーマロッド。
【請求項5】
上記施術部の左右端にはそれぞれ上記第一施術部を配することを特徴とする請求項1記載のまつ毛用パーマロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上瞼の下縁に沿って生えているまつ毛にパーマネント・ウェーブ(permanent wave:以下、略して「パーマ」という。)を施す際に、当該上瞼に固定して、まつ毛をカールさせるために用いられる、まつ毛用パーマロッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、頭髪と同様にまつ毛、特に上瞼のまつ毛にパーマを施すことが一般的に行われており、まつ毛用のパーマロッドを上瞼に固定し、該パーマロッドが有する施術面上にまつ毛を沿わせて接着等することにより、まつ毛に所望のカール形状を付与することが行われている。
【0003】
ただし、まつ毛は、上瞼の下縁において、目頭側から目尻側へ一列に生えているわけではなく、上下に多少ばらついて生えているため、そのバラツキに適切に対応することができるパーマロッドが切望されている。
【0004】
そこで、本願発明の発明者(以下、「本発明者」という。)は、既に下記特許文献1乃至6に示すように、上下にばらついたまつ毛の生え位置に対応可能なまつ毛用パーマロッドを開発している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6762639号公報
【特許文献2】意匠登録第1680041号公報
【特許文献3】意匠登録第1680042号公報
【特許文献4】意匠登録第1680043号公報
【特許文献5】意匠登録第1680044号公報
【特許文献6】意匠登録第1740434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1乃至6のまつ毛用パーマロッドは、何れも、下向きに膨出する施術面を有することにより、カール対象のまつ毛の生え位置が上下にばらついていても、それぞれのまつ毛を同様のカール箇所でカールさせることができ、見栄えの良いカール状態を付与することができる。
【0007】
本発明者は、鋭意研究した結果、施術面の形状のみならず、上下に位置の異なる二種類の施術面を交互に配することにより、さらに適切にまつ毛の生え位置のバラツキに対応することが可能であることを見出し、本発明を想到するに至ったものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、まつ毛の生え位置の上下のバラツキに適切に対応することができる、まつ毛用パーマロッドを提供する。
【0009】
要述すると、本発明に係るまつ毛用パーマロッドは、被施術者の上瞼の下縁に沿って生えているまつ毛にパーマを施術するためのまつ毛用パーマロッドであって、該まつ毛をカールさせるための施術面を底面側及び正面側に連続して有すると共に上記上瞼に背面側が固定される施術部を備え、該施術部は上記上瞼の下縁に沿うように設けられる複数の第一施術部と、該第一施術部よりも上方にセットバックして設けられる複数の第二施術部を有し、該第一施術部と該第二施術部とを左右方向に沿って交互に配する構成を有すると共に、上記第一施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第一施術面とし、上記第二施術部の底面側及び正面側に連続する露出面を第二施術面とする構成を有する。これにより、まつ毛の生え位置の上下のバラツキに適切に対応して、まつ毛にパーマを施すことができる。
【0010】
好ましくは、上記第一施術部と上記第二施術部の横断面形状を同一にすることにより、上記第一施術面と上記第二施術面とを同一形状とし、同様のカール状態をまつ毛に付与できるようにする。
【0011】
また、上記第一施術部の下端部の左右幅を下方に向かって先細り形状とすることにより、当該第一施術部に隣接する上記第二施術部の上記第二施術面にまつ毛を誘導することができ、当該第二施術面でまつ毛を束状にして施術することができる。
【0012】
好ましくは、上記第一施術面は下向きに膨出する第一膨出部を有すると共に、上記第二施術面は下向きに膨出する第二膨出部を有することにより、上記第一施術面と上記第二施術面の上下の位置ズレのみならず、それぞれの施術面の形状においても、カール対象のまつ毛の上下の生え位置のバラツキに対して適切に対応することができる。
【0013】
また、上記施術部の左右端にはそれぞれ上記第一施術部を配することにより、他のまつ毛よりも下方に生えている目尻付近のまつ毛及び目頭付近のまつ毛に対応すると共に、上記施術部を上記上瞼に安定して固定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るまつ毛用パーマロッドによれば、上下方向に異なる生え位置のまつ毛に適切に対応することができ、各まつ毛に所望のカール状態を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施例1に係るまつ毛用パーマロッドの正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】実施例1に係るまつ毛用パーマロッドの部分拡大斜視図である。
図5】実施例1に係るまつ毛用パーマロッドの使用状態を示す断面図である。
図6】実施例1に係るまつ毛用パーマロッドの使用状態を示す正面図である。
図7】施術部の断面形状(施術面の形状)の他例を示す断面図である。
図8】実施例2に係るまつ毛用パーマロッドの正面図である。
図9】実施例2に係るまつ毛用パーマロッドの使用状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るまつ毛用パーマロッドの最良の形態について、図1乃至図9に基づき、説明する。
【0017】
<基本構成>
本発明に係るまつ毛用パーマロッド1は、図6図9に示すように、被施術者の上瞼11の下縁に沿って生えているまつ毛10にパーマを施術するために用いるものである。
【0018】
本発明に係るまつ毛用パーマロッド1は、図1乃至図5図8等に示すように、被施術者の上瞼に背面側が固定されると共にカール対象のまつ毛を施術するための施術面3を底面側及び正面側に連続して有する施術部2を備える。
【0019】
好ましくは、施術部2の上位に該施術部2と一体に設けられる固定片部4を備える。該固定片部4は、施術部2の上瞼への固定を補完するものであり、スリット4aを介して複数片として設けることにより、上瞼の凹凸に追従して施術部2の固定を補完することができる。なお、図中の5は施術部2及び固定片部4の背面側に一体に設けられる貼着面であり、この面を必要に応じて接着剤を介して上瞼に貼着することにより、施術部2を上瞼上に固定する。また、施術部2及び固定片部4は、ゴム、シリコン等の可撓性及び弾性を有する材で成形することが望ましい。
【0020】
本発明にあっては、図1図4図8に示すように、施術部2は、被施術者の上瞼の下縁に沿うように設けられる複数の第一施術部2aと、該第一施術部2aよりも上方にセットバックして設けられる複数の第二施術部2bを有し、該第一施術部2aと該第二施術部2bとを左右方向に沿って交互に配する構成となっている。
【0021】
したがって、第二施術部2bが第一施術部2aよりも上方に奥まって配置されており、その第一施術部2aと第二施術部2bが代わる代わる配置されることにより、第一施術部2aが櫛歯のように第二施術部2bよりも下方に突出する構成となっている。なお、第一施術部2aの数と、第二施術部2bの数には特に限定はなく、適宜変更することができるが、可及的に多数として細かい櫛歯状とすることが好ましい。
【0022】
なお、施術部2の左右方向の両端にはそれぞれ第一施術部2aを配することにより、他のまつ毛よりも下方に生えている目尻付近のまつ毛及び目頭付近のまつ毛に対応すると共に、当該施術部2を上瞼に安定して固定することができる。また、左右端の第一施術部2aのみを、それ以外の第一施術部2aよりも左右幅を幅広にすることにより、目尻付近及び目頭付近のまつ毛への対応と施術部2の安定固定をさらに効果的に行うことも、実施に応じ任意である。
【0023】
また、図2に示すように、第一施術部2aの底面側及び正面側に連続する露出面を第一施術面3aとし、図3に示すように、第二施術部2bの底面側及び正面側に連続する露出面を第二施術面3bとする構成となっている。すなわち、第一・第二施術部2a・2bにおいて、まつ毛の根元側をカールさせる面とまつ毛の自由端側を上方に延ばす面とが連なった面をそれぞれ第一・第二施術面3a・3bとする。
【0024】
好ましくは、図2乃至図4に示すように、第一施術面3aは下向きに膨出する第一膨出部7Aを有すると共に、第二施術面3bは下向きに膨出する第二膨出部7Bを有することにより、図5に示す如く、カール対象のまつ毛10が上段に生えているまつ毛10a、中段に生えているまつ毛10b、下段に生えているまつ毛10cのように、生え位置が異なっていても、これらまつ毛10の根元からカール箇所(第一・第二施術面3a・3b)までの長さを同一にすることができる。よって、カール対象のまつ毛10の生え位置にかかわらず、カール箇所を均一にすることができる。このように均一な箇所でカールさせることは、見栄えの良い仕上がりとなると共に、ボリューム感アップにもつながる。
【0025】
また、第一施術面3a,第二施術面3bの変形例として、図7に示すように、角部3cを設け、該角部3cにより、カール対象のまつ毛に確実にカール状態を付与することができる。
【0026】
<実施例1に係るまつ毛用パーマロッド>
本実施例に係るまつ毛用パーマロッド1は、図1図4に示すように、既述した基本構成たる施術部2(第一施術部2a及び第二施術部2b)、施術面3(第一施術面3a及び第二施術面3b)、固定片部4及び貼着面5を有する。
【0027】
加えて、本実施例にあっては特に、図2図3に示すように、第一施術部2aと第二施術部2bの横断面形状(施術部2の長手方向たる左右方向に対して垂直な断面)を同一にする構成となっている。よって、第一施術部2aが有する第一施術面3aと、第二施術部2bが有する第二施術面3bは、同一の形状となり、図6に示すように、上下に生え位置がバラついたまつ毛10のそれぞれに対して同様のカール状態を付与することができ、見栄えの良い仕上がりとなる。
【0028】
<実施例2に係るまつ毛用パーマロッド>
本実施例に係るまつ毛用パーマロッド1は、図8図9に示すように、また、実施例1と同様に、既述した基本構成たる施術部2(第一施術部2a及び第二施術部2b)、施術面3(第一施術面3a及び第二施術面3b)、固定片部4及び貼着面5を有する。
【0029】
本実施例にあっては、特に、図8に示すように、第一施術部2aの下端部の左右幅を下方に向かって先細り形状とすることにより、図9に示すように、当該第一施術部2aに隣接する第二施術部2bの第二施術面3bにまつ毛を誘導することができ、当該第二施術面3bでまつ毛10を束状にして施術することができる。
【0030】
なお、本実施例においても、第一施術面3aを施術に用いることも当然可能であるが、既述のように、まつ毛10を束状にして施術する場合には積極的に用いないことができる。また、本実施例においては、第一施術部2aと第二施術部2bの断面形状が異なる場合も包含する。
【0031】
また、本実施例においては、第一施術部2aの下端部に一対のテーパー部6を設けることによって、下端が鋭利な先細り構造としているが、本発明においてはこれに限らず、下端が尖っていない先細り形状とすることも実施に応じ任意である。
【0032】
以上のとおり、本発明に係るまつ毛用パーマロッド1によれば、上下方向に異なる生え位置のまつ毛に適切に対応することができ、カール対象の各まつ毛に所望のカール状態を付与することができる。
【0033】
本発明にあっては、特に二種類の施術面3(第一施術面3aと第二施術面3b)の上下の位置ズレによってまつ毛の生え位置に対応する他、施術面3(第一施術面3aと第二施術面3b)や施術部2(第一施術部2aと第二施術部2b)の形状によっても、カール対象のまつ毛の上下の生え位置のバラツキに対して適切に対応することができる。
【符号の説明】
【0034】
1…まつ毛用パーマロッド
2…施術部、2a…第一施術部、2b…第二施術部
3…施術面、3a…第一施術面、3b…第二施術面、3c…角部
4…固定片部、4a…スリット
5…貼着面
6…テーパー部
7A…第一膨張部、7B…第二膨張部
10…カール対象のまつ毛、10a…上段のまつ毛、10b…中段のまつ毛、10c…下 段のまつ毛
11…上瞼
12…鼻
13…下瞼
14…眉毛
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9