(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163810
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/447 20060101AFI20241115BHJP
B41J 2/45 20060101ALI20241115BHJP
G03G 15/04 20060101ALI20241115BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20241115BHJP
H04N 1/036 20060101ALI20241115BHJP
【ＦＩ】
B41J2/447 101F
B41J2/45
G03G15/04
G03G21/16
H04N1/036
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023079711
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】小島 信久
(72)【発明者】
【氏名】阿部 遼
【テーマコード（参考）】
2C162
2H171
5C051
【Ｆターム（参考）】
2C162AE21
2C162AE28
2C162AE47
2C162AE93
2C162FA17
2C162FA44
2C162FA55
2C162FA59
2C162FA67
2H171FA12
2H171FA17
2H171GA11
2H171JA28
2H171JA48
2H171JA52
2H171KA22
2H171QB16
2H171QC24
5C051AA02
5C051CA08
5C051DA03
5C051DB02
5C051DB04
5C051DB22
5C051DB29
5C051DB35
5C051DC07
5C051EA08
(57)【要約】
【課題】 ＬＥＤアレイ及びレンズアレイを備える露光ヘッドを備えた画像形成装置では、感光ドラムの近傍で流動しているトナーが光出射面に付着し、出射される光量が低下する場合がある。清掃部材を用いて光出射面に付着した異物を除去する手法もあるが、清掃部材と光出射面との距離によっては異物を十分に除去できない虞がある。
【解決手段】 長手方向における清掃棒の異なる位置に第１の清掃部材と第２の清掃部材とを設ける。第１の清掃部材及び第２の清掃部材はそれぞれ光軸方向においてレンズアレイの光出射面に向けて突出している。第１の清掃部材の突出量と第２の清掃部材の突出量とはそれぞれ異なる。
【選択図】 図１６
【解決手段】 長手方向における清掃棒の異なる位置に第１の清掃部材と第２の清掃部材とを設ける。第１の清掃部材及び第２の清掃部材はそれぞれ光軸方向においてレンズアレイの光出射面に向けて突出している。第１の清掃部材の突出量と第２の清掃部材の突出量とはそれぞれ異なる。
【選択図】 図１６
【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体と、
前記感光体を露光する光を発する複数の発光部と、前記複数の発光部が実装された発光チップを有する基板と、前記複数の発光部が発した光を前記感光体の表面に集光するレンズアレイと、を有する光プリントヘッドと、
前記感光体と前記光プリントヘッドとを内部に収容する筐体と、
前記筐体に挿入される清掃棒であって、棒状の棒状体と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第１の清掃部と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第２の清掃部と、を有する清掃棒と、
を備え、
前記第１の清掃部及び前記第２の清掃部は前記棒状体の長手方向において異なる位置に設けられ、
前記第１の清掃部は、前記清掃棒が前記筐体に挿入されている場合に、前記複数の発光部が発する光の光軸方向において、前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第１の突出量で突出し、
前記第２の清掃部は、前記光軸方向において前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第２の突出量で突出し、
前記第１の突出量は前記第２の突出量よりも長い、
ことを特徴とする画像形成装置。
前記感光体を露光する光を発する複数の発光部と、前記複数の発光部が実装された発光チップを有する基板と、前記複数の発光部が発した光を前記感光体の表面に集光するレンズアレイと、を有する光プリントヘッドと、
前記感光体と前記光プリントヘッドとを内部に収容する筐体と、
前記筐体に挿入される清掃棒であって、棒状の棒状体と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第１の清掃部と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第２の清掃部と、を有する清掃棒と、
を備え、
前記第１の清掃部及び前記第２の清掃部は前記棒状体の長手方向において異なる位置に設けられ、
前記第１の清掃部は、前記清掃棒が前記筐体に挿入されている場合に、前記複数の発光部が発する光の光軸方向において、前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第１の突出量で突出し、
前記第２の清掃部は、前記光軸方向において前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第２の突出量で突出し、
前記第１の突出量は前記第２の突出量よりも長い、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記清掃棒は、前記レンズアレイの長手方向に沿って前記筐体に挿入され、
前記清掃棒が前記筐体に挿入される挿入方向において、前記第１の清掃部は前記第２の清掃部よりも上流側に設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
前記清掃棒が前記筐体に挿入される挿入方向において、前記第１の清掃部は前記第２の清掃部よりも上流側に設けられている、
ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記清掃棒を前記レンズアレイの長手方向に沿って案内し、前記清掃部の前記光軸方向における位置を前記レンズアレイの長手方向にわたって規制する案内部を有する、
ことを特徴とする請求項１に画像形成装置。
ことを特徴とする請求項１に画像形成装置。
【請求項4】
前記案内部材は、前記光軸方向において、前記清掃棒を前記レンズに近づける方向に案内し、前記第１の清掃部を前記レンズアレイに接触させる第１のガイド部と、前記第１の清掃部の前記光軸方向における位置を、前記レンズアレイの長手方向にわたって規制する第２のガイド部と、を有する、
ことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
ことを特徴とする請求項３に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第１の清掃部材及び前記第２の清掃部材は、断面が長方形の弾性体である、
ことを特徴とする請求項１に画像形成装置。
ことを特徴とする請求項１に画像形成装置。
【請求項6】
前記複数の発光部は有機ＥＬである、
ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
ことを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体露光ヘッドを用いた複写機やプリンタなどの画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式の画像形成装置としてはＬＥＤアレイ及びレンズアレイを備えた露光ヘッドを用いて感光体の表面に静電潜像を形成し、該静電潜像にトナーを付着させることでトナー像を現像する方式が広く普及している。
【0003】
上述の画像形成装置においては露光ヘッドの光出射面が感光ドラムの表面に近接した位置に設けられる。感光ドラム表面の近傍には現像装置から供給されたトナーが流動しているため、該トナーが露光ヘッドの光出射面に付着し、出射される光量が低下する場合がある。
【0004】
特許文献１では、棒状体の先端に設けられた可撓性を有するクリーニングブレードを光出射面に接触させ、光出射面に付着した異物を除去する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開２０２１－９１１９１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献１では、ユーザーが棒状体を操作することでクリーニングブレードが光出射面に接触する。ユーザーの操作方法によっては光の出射方向におけるクリーニングブレードと光出射面との距離が変化し、該距離によっては光出射面に付着した異物を十分に除去できない虞がある。
【0007】
上記課題に鑑み、本発明では、清掃部材と光出射面との距離が変化した場合でも光出射面に付着した異物を効果的に除去することができる画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る画像形成装置は、
感光体と、
前記感光体を露光する光を発する複数の発光部と、前記複数の発光部が実装された発光チップを有する基板と、前記複数の発光部が発した光を前記感光体の表面に集光するレンズアレイと、を有する光プリントヘッドと、
前記感光体と前記光プリントヘッドとを内部に収容する筐体と、
前記筐体に挿入される清掃棒であって、棒状の棒状体と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第１の清掃部と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第２の清掃部と、を有する清掃棒と、
を備え、
前記第１の清掃部及び前記第２の清掃部は前記棒状体の長手方向において異なる位置に設けられ、
前記第１の清掃部は、前記清掃棒が前記筐体に挿入されている場合に、前記複数の発光部が発する光の光軸方向において、前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第１の突出量で突出し、
前記第２の清掃部は、前記光軸方向において前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第２の突出量で突出し、
前記第１の突出量は前記第２の突出量よりも長い、
ことを特徴とする。
感光体と、
前記感光体を露光する光を発する複数の発光部と、前記複数の発光部が実装された発光チップを有する基板と、前記複数の発光部が発した光を前記感光体の表面に集光するレンズアレイと、を有する光プリントヘッドと、
前記感光体と前記光プリントヘッドとを内部に収容する筐体と、
前記筐体に挿入される清掃棒であって、棒状の棒状体と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第１の清掃部と、前記棒状体に設けられ、前記レンズアレイの表面を摺擦することで前記レンズアレイの表面を清掃する第２の清掃部と、を有する清掃棒と、
を備え、
前記第１の清掃部及び前記第２の清掃部は前記棒状体の長手方向において異なる位置に設けられ、
前記第１の清掃部は、前記清掃棒が前記筐体に挿入されている場合に、前記複数の発光部が発する光の光軸方向において、前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第１の突出量で突出し、
前記第２の清掃部は、前記光軸方向において前記棒状体から前記レンズアレイに向かって第２の突出量で突出し、
前記第１の突出量は前記第２の突出量よりも長い、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、清掃部材と光出射面との距離が変化した場合でも光出射面に付着した異物を効果的に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】画像形成装置の断面図
【図2】画像形成部と、それを支持する枠体部を示す図
【図3】ドラムユニットおよび現像ユニットを示す図
【図4】ドラムユニットが画像形成装置に挿入中の状態を示す図
【図5】画像形成装置の全体を示す斜視図
【図6】画像形成装置の全体を示す斜視図
【図7】カートリッジカバーを開状態とした際の画像形成装置の斜視図
【図8】ドラムユニットあるいは現像ユニットを取り出した事を示す斜視図
【図9】画像形成装置が備える光プリントヘッドの概略斜視図
【図10】（ａ）、（ｂ）、（ｃ）基板の概略構成を示す図、（ｄ）、（ｅ）レンズアレイの概略構成を示す図
【図11】（ａ）（ｂ）（ｃ）実施例１に係る清掃棒の構成を示す図
【図12】（ａ）（ｂ）（ｃ）実施例１に係る清掃棒の案内構成を示す図
【図13】（ａ）（ｂ）実施例１に係る第１の案内部材の構成を示す図
【図14】（ａ）（ｂ）実施例１に係る第２の案内部材の構成を示す図
【図15】実施例１に係る清掃棒の清掃部を示す図
【図16】実施例１に係る清掃部の変型を示す図
【図17】（ａ）（ｂ）（ｃ）実施例２に係る清掃棒の構成を示す図
【図18】（ａ）（ｂ）（ｃ）実施例２に係る清掃棒の案内構成を示す図
【図19】実施例２に係る第２の案内部材の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔実施例１〕
（画像形成装置）
まず、画像形成装置１の概略構成を説明する。図１は画像形成装置１の概略断面図である。図１に示す画像形成装置１は読取装置を備えたカラープリンタ（ＭＦＰ：Ｍｕｌｔｉ Ｆｕｎｃｔｉｏｎ Ｐｒｉｎｔｅｒ）であるが、実施の形態は読取装置を備えていないプリンタなど、他の画像形成装置であってもよい。また、実施の形態は、図１に示すような複数の感光ドラム１０３を備える所謂タンデム方式のカラー画像形成装置に限られず、１つの感光ドラム１０３を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
（画像形成装置）
まず、画像形成装置１の概略構成を説明する。図１は画像形成装置１の概略断面図である。図１に示す画像形成装置１は読取装置を備えたカラープリンタ（ＭＦＰ：Ｍｕｌｔｉ Ｆｕｎｃｔｉｏｎ Ｐｒｉｎｔｅｒ）であるが、実施の形態は読取装置を備えていないプリンタなど、他の画像形成装置であってもよい。また、実施の形態は、図１に示すような複数の感光ドラム１０３を備える所謂タンデム方式のカラー画像形成装置に限られず、１つの感光ドラム１０３を備えるカラー画像形成装置やモノクロ画像を形成する画像形成装置でも良い。
【0013】
図１に示す画像形成装置１は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像を形成する４基の画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋ（以下、総称して単に「画像形成部１０２」とも称する）を備える。
【0014】
また、画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋは、それぞれ感光ドラム（感光体）１０３Ｙ、１０３Ｍ、１０３Ｃ、１０３Ｋ（以下、総称して単に「感光ドラム１０３」とも称する）を備える。これらの感光ドラムは、それぞれ離間して配列されている。
【0015】
また、画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋは、感光ドラム１０３Ｙ、１０３Ｍ、１０３Ｃ、１０３Ｋをそれぞれ帯電させる帯電器１０４Ｙ、１０４Ｍ、１０４Ｃ、１０４Ｋ（以下、総称して単に「帯電器１０４」とも称する）を備える。
【0016】
また、画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋは、感光ドラム１０３Ｙ、１０３Ｍ、１０３Ｃ、１０３Ｋを露光する光を出射する露光光源としてのＬＥＤ（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ、以下ＬＥＤと記載）露光ユニット５００Ｙ、５００Ｍ、５００Ｃ、５００Ｋ（以下、総称して単に「露光ユニット５００」とも称する）を備える。
【0017】
さらに、画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋは、感光ドラム１０３上の静電潜像をトナーによって現像し、感光ドラム１０３上に各色のトナー像を現像する現像器１０６Ｙ、１０６Ｍ、１０６Ｃ、１０６Ｋ（以下、総称して単に「現像器１０６」とも称する）を備える。なお、符号に付されたＹ、Ｍ、Ｃ、Ｋはトナーの色を示している。
【0018】
図１に示す画像形成装置１は感光ドラム１０３を下方から露光する、すなわち感光ドラム１０３の下方に露光ヘッドが配置される、所謂「下面露光方式」を採用する画像形成装置である。以下、下面露光方式を採用する画像形成装置を前提として説明を進める。なお、図示していないが、実施の形態としては感光ドラムを上方から露光する「上面露光方式」を採用する画像形成装置でも構わない。
【0019】
画像形成装置１は、感光ドラム１０３に形成されたトナー像が転写される中間転写ベルト１０７と、感光ドラム１０３に形成されたトナー像を当該中間転写ベルトに順次転写させる一次転写ローラ１０８（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）を備える。中間転写ベルト９は、画像形成部１０２の上部に配置される。なお、中間転写ベルト９を用いた中間転写方式以外に、感光ドラム２から用紙に直接転写する直接転写方式を用いても構わない。
【0020】
また、画像形成装置１は、中間転写ベルト１０７上のトナー像を給紙部１０１から搬送されてきた記録材Ｓに転写させる二次転写ローラ１０９と、二次転写された画像を記録材Ｓに定着させる定着器１００を備える。
【0021】
一次転写後の感光ドラム１０３Ｙ、１０３Ｍ、１０３Ｃ、１０３Ｋの表面にはトナーが残留している。これら残留トナーはドラムクリーニング装置（第１清掃装置）８Ｙ、８Ｍ、８Ｃ、８Ｋ（以下、総称して単に「ドラムクリーニング装置８」とも称する）によって除去され、回収トナー容器５に回収される。
【0022】
また、二次転写後の中間転写ベルト１０７の表面にもトナーが残留している。この残留トナーはベルトクリーニング装置（第２清掃装置）７によって除去され、回収トナー容器５に回収される。
【0023】
（画像形成プロセス）
次に画像形成装置１の画像形成プロセスについて簡単に説明する。帯電器１０４Ｙは、感光ドラム１０３Ｙの表面を帯電する。露光ユニット５００Ｙは帯電器１０４Ｙによって帯電された感光ドラム１０３Ｙの表面を露光する。これにより、感光ドラム１０３Ｙには静電潜像が形成される。次に、現像器１０６Ｙは感光ドラム１０３Ｙに形成された静電潜像をイエローのトナーによって現像する。感光ドラム１０３Ｙの表面に現像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ１０８Ｙによって中間転写ベルト１０７上に転写される。マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様の画像形成プロセスで中間転写ベルト１０７に転写される。
次に画像形成装置１の画像形成プロセスについて簡単に説明する。帯電器１０４Ｙは、感光ドラム１０３Ｙの表面を帯電する。露光ユニット５００Ｙは帯電器１０４Ｙによって帯電された感光ドラム１０３Ｙの表面を露光する。これにより、感光ドラム１０３Ｙには静電潜像が形成される。次に、現像器１０６Ｙは感光ドラム１０３Ｙに形成された静電潜像をイエローのトナーによって現像する。感光ドラム１０３Ｙの表面に現像されたイエローのトナー像は、一次転写ローラ１０８Ｙによって中間転写ベルト１０７上に転写される。マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像も同様の画像形成プロセスで中間転写ベルト１０７に転写される。
【0024】
中間転写ベルト１０７上に転写された各色のトナー像は、中間転写ベルト１０７によって二次転写部Ｔ２まで搬送される。二次転写部Ｔ２に配置された二次転写ローラ１０９にはトナー像を記録材Ｓに転写するための転写バイアスが印加されている。二次転写部Ｔ２まで搬送されたトナー像は、二次転写ローラ１０９の転写バイアスによって、給紙部（給紙カセット）１０１から搬送されてきた記録材Ｓに転写される。
【0025】
記録材Ｓは給紙部１０１内に積載される形で収納されており、画像形成タイミングに合わせて搬送路２０へと給紙される。給紙方法は、まず給紙ローラ８０の摩擦で記録材Ｓの先端が跳ね上げられ、記録材Ｓの二重送りを防止するための用紙分離用搬送ローラ対９ａ・９ｂにより記録材Ｓが１枚のみ搬送路２０へ搬送される。その後、搬送ローラ対１０ａ・１０ｂで引き抜かれた記録材Ｓは、搬送路２０を通りレジストローラ対１１ａ・１１ｂまで搬送され一旦停止される。なお、レジストローラ対１１ａ・１１ｂでは斜行補正やタイミング補正が行われた後、二次転写部Ｔ２へと搬送される。
【0026】
二次転写部Ｔ２にてトナー像が転写された記録材Ｓは定着器１００に搬送される。定着器１００は、熱と圧力によって記録材Ｓにトナー像を定着させる。定着器１００によって定着処理がなされた記録材Ｓは、排紙部１１１に排出される。
【0027】
また、図１に示すように画像形成装置１はトナー容器４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋ（以下、総称して単に「トナー容器４」とも称する）を備える。画像形成を行うことにより、現像ユニット６４１（後述）内のトナー量が減少する。その際には、トナーが、各画像形成部１０２Ｙ、１０２Ｍ、１０２Ｃ、１０２Ｋに対応して設けられたトナー容器４Ｙ、４Ｍ、４Ｃ、４Ｋから不図示のパイプを介して現像ユニット６４１（後述）に供給される。すなわち、本実施例に記載の画像形成装置１が備える現像ユニット６４１（後述）では、トナー容器４から新たなトナーを補給しつつ、過剰となったトナーの一部は残留トナーとして回収トナー容器５へ搬送する。
【0028】
（ドラムユニットおよび現像ユニット）
本実施例の画像形成装置１には交換可能な交換ユニットの一例であるドラムユニット５１８が取り付けられる。ドラムユニット５１８は、ユーザやメンテナンス者等の作業者によって交換されるカートリッジである。本実施例のドラムユニット５１８（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）はドラムユニット５１８の枠体に対して回転可能に支持された感光ドラム１０３（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）を備える。
本実施例の画像形成装置１には交換可能な交換ユニットの一例であるドラムユニット５１８が取り付けられる。ドラムユニット５１８は、ユーザやメンテナンス者等の作業者によって交換されるカートリッジである。本実施例のドラムユニット５１８（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）はドラムユニット５１８の枠体に対して回転可能に支持された感光ドラム１０３（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）を備える。
【0029】
また、本実施例の画像形成装置１にはドラムユニット５１８とは別体の現像ユニット６４１が取り付けられている。本実施例の現像ユニット６４１は、図１に示す現像器１０６とトナー収容部とが一体化されたカートリッジである。現像器１０６は、現像剤を担持する現像剤担持体であるところの現像スリーブを備える。現像ユニット６４１にはトナーとキャリアを攪拌するためのスクリューを回転させるためのギアが複数設けられている。これらのギアが経年劣化等した際には、作業者が現像ユニット６４１を画像形成装置１の装置本体から取り外して交換する。また、現像ユニット６４１からは一定数のトナーが残留トナーとして除去され、回収トナー容器５へと搬送されている。なお、ドラムユニット５１８および現像ユニット６４１の実施の形態は、上記ドラムユニット５１８と現像ユニット６４１が一体化されたプロセスカートリッジでも構わない。
【0030】
図２は画像形成装置１において、画像形成部１０２の周囲部品と、それを支持する枠体部のみを抽出した斜視図である。
【0031】
さらに図２の画像形成部１０２を拡大した斜視図を図３に示す。図３には、画像形成装置１が備えるドラムユニット５１８および現像ユニット６４１が示されている。また図４はドラムユニット５１８が装置本体の外側から画像形成装置１に挿入中の状態を示す図である。
【0032】
図３に示すように画像形成装置１は、板金で形成される前側板６４２と、同じく板金で形成される後側板６４３を備える。前側板６４２は画像形成装置１の前側に設けられた側壁である。後側板６４３は画像形成装置１の後側に設けられた側壁である。図３に示すように、前側板６４２と後側板６４３は対面して配置され、両者の間には梁としての不図示の板金が橋架されている。前側板６４２と後側板６４３と不図示の梁とはそれぞれ画像形成装置１の枠体８００の一部を構成する（図２参照）。
【0033】
画像形成装置１の前側からドラムユニット５１８、および現像ユニット６４１を挿抜できるように、前側板６４２には開口が形成されている。ドラムユニット５１８、および現像ユニット６４１は、開口を介して画像形成装置１本体の所定の位置に装着される（装着位置）。
【0034】
次に、定期的に交換が必要な部品であるドラムユニット５１８、および現像ユニット６４１の、画像形成装置１からの挿抜方法について、より詳しく説明する。
【0035】
図５は画像形成装置１の全体を示す斜視図である。画像形成装置１本体の前側の側面にはフロントカバー６が設けられている。ユーザやサービスマン等の作業者は、メンテナンス時に当該フロントカバー６を開けて作業を開始する。
【0036】
図６はフロントカバー６を開状態とした時の画像形成装置１の斜視図である。画像形成装置１は、装着位置に装着されたドラムユニット５１８と現像ユニット６４１の双方の前側を覆うカートリッジカバー５５８（Ｙ、Ｍ、Ｃ、Ｋ）を備える。カートリッジカバー５５８は、一端がヒンジによって画像形成装置１本体に固定されており、ヒンジによって画像形成装置１本体に対して回動可能となっている。
【0037】
図７は図６に示す状態からさらにカートリッジカバー５５８を開状態とした際の画像形成装置１の斜視図である。メンテナンスを行う作業者がカートリッジカバー５５８を開いて本体内のドラムユニット５１８あるいは現像ユニット６４１を取り出す。
【0038】
図８は図７に示す状態から、ドラムユニット５１８と現像ユニット６４１を取り出した事と取り出した状態を示す斜視図である。この状態から、新しいドラムユニット５１８あるいは現像ユニット６４１を挿入してカートリッジカバー５５８を閉じることによって交換作業が完了する。
【0039】
尚、以降の説明では、前側板６４２側を前側、後側板６４３側を後側と定義する。また、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム１０３Ｋを基準としたとき、イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム１０３Ｙが配置されている側を左側と定義する。イエローのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム１０３Ｙを基準としたとき、ブラックのトナー像に関する静電潜像が形成される感光ドラム１０３Ｋが配置されている側を右側と定義する。さらに、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向上向きを上方向、また、ここで定義した前後方向および左右方向に垂直な方向であって鉛直方向下向きを下方向と定義する。定義した前方向Ｆ、後方向Ｂ、右方向Ｒ、左方向Ｌ、上方向Ｕ、下方向Ｄを図２、図３、図５に示す。
【0040】
また、以下の説明で記載する感光ドラム１０３の回転軸線方向における一端側はここで定義する前側を意味し、他端側はここで定義する後側を意味する。前後方向における一端側および他端側に関してもここで定義する前側および後側に対応する。左右方向における一端側はここで定義する右側を意味し、他端側はここで定義する左側を意味する。
【0041】
ここで、本実施形態においてトナー容器（現像容器）内に収容されるトナー（現像剤）は、負帯電性の非磁性トナーと、磁性キャリアとが混合される二成分現像剤である。非磁性トナーは、ポリエステル、スチレン等の樹脂に着色料、ワックス成分などを内包し、粉砕あるいは重合によって粉体としたものである。本実施形態では、平均粒径が５μｍのものを用いた。磁性キャリアは、フェライト粒子や磁性粉を混錬した樹脂粒子からなるコアの表層に樹脂コートを施したものである。
【0042】
（光プリントヘッドの基本構成）
次に、露光ユニット５００が備える光プリントヘッド（露光ヘッド）１０５について説明する。ここで、電子写真方式の画像形成装置に採用される露光方式の一例として、半導体レーザの照射ビームを回転するポリゴンミラーなどで走査しｆ－θレンズ等を介して感光ドラムを露光するレーザビーム走査露光方式がある。本実施例で説明する「光プリントヘッド１０５」は、感光ドラム１０３の回転軸線方向に沿って配列されたＬＥＤ等の発光素子を用いて感光ドラム１０３を露光するＬＥＤ露光方式に用いられるものであって、上記に言うレーザビーム走査露光方式には用いられない。
次に、露光ユニット５００が備える光プリントヘッド（露光ヘッド）１０５について説明する。ここで、電子写真方式の画像形成装置に採用される露光方式の一例として、半導体レーザの照射ビームを回転するポリゴンミラーなどで走査しｆ－θレンズ等を介して感光ドラムを露光するレーザビーム走査露光方式がある。本実施例で説明する「光プリントヘッド１０５」は、感光ドラム１０３の回転軸線方向に沿って配列されたＬＥＤ等の発光素子を用いて感光ドラム１０３を露光するＬＥＤ露光方式に用いられるものであって、上記に言うレーザビーム走査露光方式には用いられない。
【0043】
本実施例で説明する光プリントヘッド１０５は、感光ドラム１０３の回転軸線よりも鉛直方向下側に設けられており、光プリントヘッド１０５が有するＬＥＤ５０３から射出された光線により感光ドラム１０３を下方から露光する。図９は、本実施例の画像形成装置１が備える光プリントヘッド１０５の概略斜視図である。
【0044】
図９に示すように、光プリントヘッド（露光ヘッド）１０５は、感光ドラム１０３の回転軸線方向に延びる長尺の形状（長手形状）をなす。光プリントヘッド１０５は、基板５０２と、基板５０２に実装された発光素子と、レンズアレイ５０６と、基板５０２とレンズアレイ５０６とを保持する保持体５０５と、を備える。ここでは、光プリントヘッド１０５は、光を出射する発光素子として、ＬＥＤ５０３（Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）を備えている（図１０（ｃ）参照）。基板５０２は、保持体５０５の内部に設置される。保持体５０５には、レンズアレイ５０６を取り付けるためのレンズ取付部７０１が設けられている。
【0045】
次に、保持体５０５に保持される基板５０２について説明する。図１０（ａ）は基板５０２の概略斜視図である。図１０（ｂ）は基板５０２に複数個設けられたＬＥＤ５０３の基板５０２上での配列を示す。図１０（ｃ）は図１０（ｂ）の拡大図である。
【0046】
基板５０２にはＬＥＤチップ６３９が実装されている。図１０（ａ）に示すように、基板５０２の一方の面にはＬＥＤチップ６３９が設けられ、他方の面（発光素子が並べられている側とは反対側の面）には長尺のＦＦＣコネクタ５０４が設けられている。ＦＦＣコネクタ５０４は、その長手方向が基板５０２の長手方向に沿うように基板５０２の下側の面に取り付けられている。基板５０２には各ＬＥＤチップ６３９に信号を供給するための配線が設けられている。ＦＦＣコネクタ５０４には、ケーブルの一例としてのフレキシブルフラットケーブル（不図示、以下ＦＦＣと称する）の一端が接続される。
【0047】
画像形成装置１本体には、制御部とコネクタとを備える基板（不図示）が設けられている。ＦＦＣの他端は、当該コネクタに接続されている。すなわち、ＦＦＣは画像形成装置１本体の基板と光プリントヘッド１０５の基板５０２とを電気的に接続している。基板５０２には、画像形成装置１本体の制御部からＦＦＣおよびＦＦＣコネクタ５０４を介して制御信号（駆動信号）が入力される。ＬＥＤチップ６３９は、基板５０２に入力された制御信号によって駆動される。
【0048】
基板５０２に実装されたＬＥＤチップ６３９についてさらに詳しく説明する。図１０（ｂ）および図１０（ｃ）に示すように、基板５０２の一方の面には複数のＬＥＤ５０３（発光素子の一例）が配置された複数のＬＥＤチップ６３９－１～６３９－２９（２９個）が配列されている。各ＬＥＤチップ６３９－１～６３９－２９はそれぞれ、その長手方向に５１６個のＬＥＤ５０３が一列に配列されている。ＬＥＤチップ６３９の長手方向において、隣り合うＬＥＤ５０３の中心間距離ｋ２は画像形成装置１の解像度に対応している。本実施例の画像形成装置１の解像度は１２００ｄｐｉであるので、ＬＥＤチップ６３９－１～６３９－２９の長手方向において、ＬＥＤ５０３は隣接するＬＥＤ５０３の中心間距離ｋ２が２１．１６μｍとなるように一列に配列されている。そのため、本実施例の光プリントヘッド１０５の露光範囲は約３１４ｍｍとなる。感光ドラム１０３の感光層は３１４ｍｍ以上の幅で形成されている。Ａ４サイズの記録紙の長辺の長さおよびＡ３サイズの記録紙の短辺の長さは２９７ｍｍであるため、本実施例の光プリントヘッド１０５は、Ａ４サイズの記録紙およびＡ３サイズの記録紙に画像形成可能な露光範囲を有している。
【0049】
ＬＥＤチップ６３９－１から６３９－２９は、感光ドラム１０３の回転軸線方向に沿って二列となるよう交互に配置されている。すなわち、図１０（ｂ）に示すように、左側から数えて、奇数番目のＬＥＤチップ６３９－１、６３９－３、・・・６３９－２９が基板５０２の長手方向に一列に実装されている。また左側から数えて、偶数番目のＬＥＤチップ６３９－２、６３９－４、・・・６３９－２８が基板５０２の長手方向に一列に実装されている。ＬＥＤチップ６３９をこのように配置することで、図１０（ｃ）に示すように、ＬＥＤチップ６３９の長手方向において、隣り合う異なるＬＥＤチップ６３９における一方のＬＥＤチップ６３９の一端と他方のＬＥＤチップ６３９の他端とに配置されたＬＥＤ５０３の中心間距離ｋ１を一つのＬＥＤチップ６３９上における隣り合うＬＥＤ５０３の中心間距離ｋ２と等しくすることができる。
【0050】
なお、本実施例において発光素子（露光光源）は発光ダイオードである半導体ＬＥＤであるが、例えばＯＬＥＤ（Ｏｒｇａｎｉｃ Ｌｉｇｈｔ Ｅｍｉｔｔｉｎｇ Ｄｉｏｄｅ）でも構わない。このＯＬＥＤは、有機ＥＬ（Ｏｒｇａｎｉｃ Ｅｌｅｃｔｒｏ－Ｌｕｍｉｎｅｓｃｅｎｃｅ）とも呼ばれており、電流駆動型の発光素子である。ＯＬＥＤは例えばＴＦＴ（Ｔｈｉｎ Ｆｉｌｍ Ｔｒａｎｓｉｓｔｅｒ）基板上で主走査方向（感光ドラム２の軸線方向）に沿ってライン上に配置され、同じく主走査方向に沿って設けられた電源配線によって電気的に並列に接続される。
【0051】
次に、レンズ集合体であるレンズアレイ５０６について説明する。図１０（ｄ）はレンズアレイ５０６を感光ドラム１０３側から見た時の概略図である。また、図１０（ｅ）はレンズアレイ５０６の概略斜視図である。図１０（ｄ）に示すように、レンズアレイ５０６は、発光素子から出射された光を感光ドラム１０３に集光する。レンズアレイ５０６は、複数のレンズを有するレンズ集合体である。これらの複数のレンズは、複数のＬＥＤ５０３の配列方向に沿って二列に並べられている。各レンズは、一方の列のレンズの配列方向において隣り合うレンズの両方に接するように他方の列のレンズの一つが配置されるよう交互に配置されている。各レンズは、円柱状の硝子製のロッドレンズである。各レンズは、ＬＥＤ５０３から出射された光が入射する光入射面５０６ｂと、光入射面から入射した光が出射する光出射面５０６ａとを有する（図１４（ｂ）参照）。なお、レンズの材質は硝子製に限らず、プラスチック製でも構わない。レンズの形状についても円柱状に限らず、例えば六角柱等の多角柱でも構わない。
【0052】
図１０（ｅ）に示す点線Ｚはレンズの光軸を示す。光プリントヘッド１０５は不図示の移動機構によって点線Ｚで示すレンズの光軸に概ね沿った方向（以下、光軸方向とも称する）に移動可能である。ここで言うレンズの光軸とは、レンズの光出射面の中心と当該レンズの焦点とを結ぶ線を意味する。レンズアレイ５０６は複数のレンズを有するレンズ集合体であり、前述した「光軸」はこれら複数のレンズのうちの任意のレンズの光軸である。ここで、厳密にはレンズアレイ５０６が有する複数のレンズはそれぞれ互いに若干傾いていることがある。これは組み立て時の公差によるものである。しかしながら、ここで言う公差程度のずれは光軸の方向を定義する場合には考慮しないこととする。よって、複数のレンズそれぞれの光軸はいずれも同じ方向であると考える。レンズアレイ５２はＬＥＤ５１から出射された光を感光ドラム２の表面に集光する役割をもつ。すなわち、ＬＥＤ５０３から出射された放射光はレンズアレイ５０６が備えるレンズに入射する。レンズは入射した放射光を感光ドラム１０３の表面上に集光させる機能を有する。
【0053】
レンズアレイ５０６は、ＬＥＤ５０３の発光面とレンズの光入射面との距離と、レンズの光出射面と感光ドラム１０３の表面との距離とが略等しくなるように光プリントヘッド１０５の組み立て時において、レンズ取付部７０１（図９参照）に対する取付位置が調整される。
【0054】
画像形成装置の内部において、光プリントヘッド１０５は、感光ドラム１０３を露光する露光位置と、前記露光位置よりも感光ドラム１０３から離れた退避位置との間を移動可能に設けられている。光プリントヘッド１０５は、露光位置にて感光ドラム１０３を露光する。露光ヘッド５０１は、移動機構（不図示）により前記露光位置と前記退避位置との間を移動される。
【0055】
光プリントヘッド１０５の保持体５０５には、位置決めピン５０７と、位置決めピン５０８とが設けてある。位置決めピン５０７は感光ドラム１０３の回転軸線方向の一方側（レンズアレイ５０６よりも前側の端部）において保持体５０５に設けられている。位置決めピン５０８は感光ドラム１０３の回転軸線方向の他方側（レンズアレイ５０６よりも後側の端部）において保持体５０５に設けられている。
【0056】
位置決めピン５０７，５０８は、レンズアレイ５０６の光軸方向において保持体５０５の両側から突き出している。位置決めピン５０７と位置決めピン５０８がドラムユニット５１８に突き当たることでレンズアレイ５０６と感光ドラム１０３との間に間隙が形成される。こうして、感光ドラム１０３に対する露光ヘッド５０１の位置（露光位置）が決まる。
【0057】
（清掃棒の構成）
画像形成装置１において、光プリントヘッド（露光ヘッド）１０５は、帯電器１０４や現像器１０６との間に設けられる。光プリントヘッド１０５が備えるレンズアレイ５０６の光出射面にトナーなどの異物が付着すると、発光素子から出射される光を部分的に遮光する可能性があり、出力画像の画質低下を生む一原因となる。そのため、光プリントヘッド１０５の光出射面は定期的に清掃されることが望ましい。
画像形成装置１において、光プリントヘッド（露光ヘッド）１０５は、帯電器１０４や現像器１０６との間に設けられる。光プリントヘッド１０５が備えるレンズアレイ５０６の光出射面にトナーなどの異物が付着すると、発光素子から出射される光を部分的に遮光する可能性があり、出力画像の画質低下を生む一原因となる。そのため、光プリントヘッド１０５の光出射面は定期的に清掃されることが望ましい。
【0058】
【0059】
図１１（ａ）は、光プリントヘッド１０５のレンズアレイ５０６の表面（光出射面）を清掃する清掃棒８０１の概略斜視図である。図１１（ｂ）は、清掃棒８０１の長手方向における一端側（先端側）を示す図である。図１１（ｃ）は、清掃棒８０１の先端側を下側から見た図である。ここで、光プリントヘッド１０５の長手方向は、感光ドラム１０３の回転軸線方向に沿った方向であり、回転軸線方向に平行な方向である。光プリントヘッド１０５の長手方向の前側は前後方向における前側を意味し、長手方向の奥側は前後方向における後側を意味する。また光プリントヘッド１０５の長手方向に直交する幅方向を第１の方向と定義する。また光プリントヘッド１０５の長手方向と前記長手方向に直交する幅方向（第１の方向）の両方向に直交する光軸方向を第２の方向と定義する。定義した長手方向Ｙ、幅方向（第１の方向）Ｘ、光軸方向（第２の方向）Ｚを図１１、図１２、図１３、図１４に示す。
【0060】
清掃棒８０１は、光プリントヘッド１０５のレンズアレイ５０６を清掃する。清掃棒８０１は、全体として細長い棒状であり、感光ドラム１０３の回転軸線方向に沿った長手方向に延伸された形状である。清掃棒８０１は、清掃部８０３と、把持部８０２と、突出部８０６と、弾性部８０５と、ガイド部材８０７と、を有する。
【0061】
把持部８０２は、清掃棒８０１の長手方向の他端（後端）に設けられ、清掃時にその作業者が把持する部分である。
【0062】
清掃部８０３は、清掃棒８０１の長手方向の一端（先端）に設けられ、レンズアレイ５０６に当接してレンズアレイ５０６を清掃する。詳細は後述するが、清掃部８０３は清掃棒８０１の下側に設けられている。清掃棒８０１は、清掃部８０３を長手方向に移動させてレンズアレイ５０６を清掃する。清掃棒８０１の長手方向における先端側には、清掃部８０３を固定するための押さえ部材８０４が設けられている。
【0063】
清掃棒８０１には、幅方向の一方側に弾性部８０５が設けられている。弾性部８０５は、長手方向に直交する幅方向の剛性と、長手方向と幅方向に直交する光軸方向の剛性とが異なっており、幅方向の剛性が光軸方向の剛性よりも低くなっている。さらに詳しくは、弾性部８０５は、弾性部８０５の長手方向から見た断面は長方形（幅方向が短辺、光軸方向が長辺の長方形）であり、幅方向（第１の方向）の厚みｔ１が光軸方向（第２の方向）の厚みｔ２より薄くなっている。この構成により、弾性部８０５は、幅方向の剛性が光軸方向の剛性よりも低くなっている。
【0064】
清掃棒８０１には、幅方向の一方側に突出した突出部８０６が設けられている。突出部８０６は、第１の案内部材８０８（図１３（ｂ）参照）よりも幅方向の外側に突出して、第２の案内部材８０９（図１４（ｂ）参照）に当接可能な位置に設けられている。突出部８０６は、第１の案内部材８０８よりも幅方向の外側に突出した位置と、前記突出した位置よりも第１の案内部材８０８の幅方向の内側に向けて退避した位置との間を移動可能に設けられている。突出部８０６は、前記突出した位置で第２の案内部材８０９に案内される。なお、第１の案内部材８０８および第２の案内部材８０９については後述する。
【0065】
突出部８０６は、弾性部８０５に設けられており、弾性部８０５が幅方向に弾性変形することで幅方向に移動する。言い換えれば、突出部８０６は、幅方向に移動可能に設けられている。
【0066】
また突出部８０６は、清掃部８０３の近傍（長手方向の直後）に設けられている、ここでは、突出部８０６は、清掃部８０３の長手方向の直後に設けられている。
【0067】
さらに清掃棒８０１は、前記弾性部８０５の光軸方向（第２の方向）の位置を規制するガイド部材８０７を備えている。ガイド部材８０７は、光軸方向への予期せぬ外力による弾性部８０５の変形を所定の範囲内に規制している。ガイド部材８０７の材質は、金属材料であり、例えば金属材料からなる板金である。
【0068】
（清掃棒の案内構成）
次に図１２（ａ）～図１２（ｃ）を用いて、清掃棒８０１の案内構成について説明する。図１２（ａ）は清掃棒８０１の案内構成を示す斜視図である。図１２（ｂ）は第１の案内部材の斜視図である。図１２（ｃ）は第２の案内部材の斜視図である。
次に図１２（ａ）～図１２（ｃ）を用いて、清掃棒８０１の案内構成について説明する。図１２（ａ）は清掃棒８０１の案内構成を示す斜視図である。図１２（ｂ）は第１の案内部材の斜視図である。図１２（ｃ）は第２の案内部材の斜視図である。
【0069】
画像形成装置１は、筐体としての枠体８００（図２参照）を有する。枠体８００には、図１２（ａ）に示すように、第１の案内部材８０８と第２の案内部材８０９が設けられている。第１の案内部材８０８と第２の案内部材８０９とは、画像形成装置１の前後方向において前側と奥側でずれて配置され、前側に第１の案内部材８０８が、奥側に第２の案内部材８０９が配置されている。
【0070】
第１の案内部材８０８は、レンズアレイ５０６の長手方向の延長線上に設けられている。第１の案内部材８０８は、レンズレンズの長手方向の手前側に、光プリントヘッド１０５とは別に設けられている。第１の案内部材８０８は、感光ドラム１０３と光プリントヘッド１０５との間に清掃棒８０１を案内する。
【0071】
第１の案内部材８０８は、図１２（ｂ）に示すように、清掃棒８０１を載置する載置部８１４と、第１の規制部８１０と、第２の規制部８１３と、を有する。
【0072】
第１の案内部材８０８は、清掃棒８０１の長手方向に直交する幅方向の位置を規制する第１の規制部８１０を有する。第１の規制部８１０は、幅方向の両側に対向して設けられている。清掃棒８０１は、幅方向の両側に対向して設けられた第１の規制部８１０、８１０の間で幅方向の位置が規制される。
【0073】
第１の案内部材８０８は、清掃棒８０１の光軸方向の位置を規制する第２の規制部８１３を有する。第２の規制部８１３は、光軸方向において載置部８１４に対向するように設けられている。
【0074】
第２の規制部８１３は、第１の規制部８１０よりも長手方向の奥側に設けられ、第２の規制部８１３の長手方向の手前側の端部８１３ａは、第１の規制部８１０の長手方向の手前側の端部８１０ａよりも長手方向の奥側に位置している。第２の規制部８１３は、第１の規制部８１０により幅方向の規制がされた清掃棒８０１の光軸方向の位置を規制する。これにより、清掃棒８０１を第１の案内部材８０８に挿入する操作性が向上する。
【0075】
突出部８０６を含む清掃棒８０１の幅方向の幅ｈ１は、第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０の内側の幅方向の幅ｈ２よりも広くなっている（図１３（ｂ）参照）。突出部８０６は、前述したように弾性部８０５に設けられ、幅方向に移動可能（弾性変形可能）となっている。突出部８０６は、第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０の間に侵入すると、弾性部８０５の弾性変形により、第１の案内部材８０８の幅ｈ２より突出した位置よりも第１の案内部材８０８の幅方向の内側に向けて退避した位置に移動する。そして、突出部８０６は、第１の案内部材８０８を通過すると、弾性部８０５の復元力により、前記退避した位置から前記突出した位置に移動し、すなわち元の位置である第２の案内部材８０９に当接可能な位置に戻る。
【0076】
なお、図示していないが、第１の案内部材８０８は、挿入された清掃棒８０１を所定の位置にて停止させるためのストッパ（不図示）を有している。これにより、清掃棒８０１は、第１の案内部材８０８に挿入した際に、ストッパによって所定の位置で停止される。
【0077】
第２の案内部材８０９は、前述したように第１の案内部材８０８よりも前記長手方向の奥側に設けられている。第２の案内部材８０９は、光プリントヘッド１０５の長手方向に直交する幅方向（第１の方向）の外側に、光プリントヘッド１０５とは別に設けられている。第２の案内部材８０９は、感光ドラム１０３と光プリントヘッド１０５との間に案内された清掃棒８０１を光プリントヘッド１０５の長手方向に沿って案内する。
【0078】
第２の案内部材８０９は、図１２（ｃ）に示すように、第１のガイド部（傾斜部）８１２と、第２のガイド部（規制部）８１１と、を有する。第１のガイド部８１２は、光軸方向において清掃部８０３をレンズアレイ５０６の光照射面に近づける方向に、清掃棒８０１を誘導する傾斜を有する。第１のガイド部８１２は、第２の案内部材８０９の第１の案内部材８０８側の端部に設けられている。
【0079】
第１のガイド部８１２は、清掃棒８０１の突出部８０６が当接することで、清掃部８０３をレンズアレイ５０６の光照射面に近づける方向に案内し、清掃部８０３をレンズアレイ５０６の光出射面に当接させる。
【0080】
第２のガイド部８１１は、第１のガイド部８１２よりも長手方向の奥側に設けられている。第２のガイド部８１１は、レンズアレイ５０６に沿って長手方向に設けられている。第２のガイド部８１１は、清掃棒８０１の突出部８０６が当接することで、レンズアレイ５０６の光照射面に当接された清掃部８０３の前記光軸方向の位置をレンズアレイ５０６の長手方向にわたって規制する。
【0081】
前記第１のガイド部８１２および前記第２のガイド部８１１は、光プリントヘッド１０５の幅方向の外側に設けられており、光軸方向に沿って露光位置と退避位置とに移動する光プリントヘッド１０５の移動を妨げることがない。また、清掃棒８０１の突出部８０６は、光プリントヘッド１０５よりも幅方向の外側に突出して、第２の案内部材８０９に当接可能な位置に設けられている（図１４（ｂ）参照）。前記第１のガイド部８１２および前記第２のガイド部８１１は、光プリントヘッド１０５よりも幅方向の外側に突出した突出部８０６に当接することで、前述したように清掃部８０３の光軸方向の位置を規制する。
【0082】
（清掃動作）
次に、清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の清掃時の動作について説明する。
次に、清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の清掃時の動作について説明する。
【0083】
前述したように、光プリントヘッド１０５は、感光ドラム１０３を露光する露光位置と、露光位置よりも感光ドラム１０３から離れる方向に退避する退避位置と移動可能に支持されている。光プリントヘッド１０５は、不図示の移動機構により、光軸方向に沿って前記露光位置と前記退避位置との間を移動される。
【0084】
清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の光出射面の清掃は、不図示の移動機構により光プリントヘッド１０５を露光位置よりも感光ドラム１０３から離れた退避位置に移動させた状態で行う。すなわち、ここで言う退避位置は、レンズアレイ５０６の光出射面を清掃するための清掃位置を意味する。作業者は、清掃棒８０１の後端側に設けられた把持部８０２を把持して操作することで、レンズアレイ５０６の光出射面を清掃する。
【0085】
図１１（ｃ）に示すように、清掃部８０３は、清掃棒８０１の先端側（感光ドラム１０３の回転軸線方向における他端側）であって下側に設けられている。清掃部８０３は、例えば、スポンジやエラストマーのようなゴム製の弾性変形可能な部材であり、レンズアレイ５０６の光出射面に落下したトナー等の汚れを掻き取り清掃する。また、清掃部８０３は弾性変形可能な部材に限らず、例えば綿やナイロン、ポリエステル等の繊維で構成された不織布であって、レンズアレイ５０６の光出射面に落下したトナー等の汚れを拭き取ることで清掃しても構わない。
【0086】
図１３（ａ）は清掃棒８０１が画像形成装置１に設けられた第１の案内部材８０８に挿入された状態を示す。また、図１３（ｂ）は第１の案内部材８０８の機能について説明する図（本体上方から見た図）である。第１の案内部材８０８は、光プリントヘッド１０５よりも装置本体前側に設けられている。第１の案内部材８０８は、図１３（ｂ）に示すように、第１の方向の両側に第１の規制部８１０、８１０を有する。作業者によって清掃棒８０１が第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０間に挿入されると、清掃棒８０１から第１の方向に突出した突出部８０６が、一方の第１の規制部８１０に当接する。この時、第１の方向において、第１の規制部８１０、８１０間の幅よりも、突出部８０６を含めた清掃棒８０１の幅が広いため、さらに差し込むと、弾性部８０５の第１の方向への弾性変形により突出部８０６が退避し、第１の規制部８１０に当接しながら進む。これにより、作業者は清掃棒８０１の第１の方向の位置を規制しながら清掃棒８０１を挿入することができる。突出部８０６は、清掃棒８０１の先端側が第１の案内部材８０８を通過した後、前記一方の第１の規制部８１０による規制（当接）が解除されると、弾性部８０５の第１の方向への復元力により弾性変形前の位置に戻る。すなわち、突出部８０６は、第２の案内部材８０９の第１のガイド部８１２および第２のガイド部８１１に対して当接可能な位置に戻る。
【0087】
図１４（ａ）は清掃棒８０１が画像形成装置１に設けられた第２の案内部材８０９に差し込まれる直前の状態を示す。また、図１４（ｂ）は第２の案内部材８０９の機能について説明するための装置本体前側から見た断面図である。第２の案内部材８０９は、第１の案内部材８０８よりも奥側に設けられている。また、第２の案内部材８０９は光プリントヘッド１０５に沿って長手方向に配置されている。第２の案内部材８０９の、第１の案内部材８０８側の端部には第１のガイド部８１２が設けられている。第１のガイド部８１２は、図１４（ａ）に示すように、長手方向の一端側である前側から他端側である奥側に向かうにつれて下方に傾斜している。これにより、作業者によって清掃棒８０１が第２の案内部材８０９に差し込まれる際に、突出部８０６が第１のガイド部８１２によって、下方に進行するように誘い込まれる。よって、作業者は、突出部８０６が第２の案内部材８０９の上方に逸れることなく、より容易に清掃棒８０１を第２の案内部材８０９に挿入することができる。言い換えれば、光プリントヘッド１０５に対して安定して清掃棒８０１を案内することができ、清掃時の作業性が向上する。また、清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面に確実に当接し、清掃を開始することが可能な状態となる。
【0088】
また第２の案内部材８０９は、図１４（ｂ）に示すように、断面がコの字の形状であって、第２の方向の上方に第２のガイド部８１１を有する。清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面を清掃する際、清掃部８０３にはレンズアレイ５０６からの反発力が働き、清掃棒８０１の先端側が第２の方向の上方に浮き上がろうとする。この時、清掃棒８０１は、第１の案内部材８０８に設けられた第２の規制部８１３（図１２（ｂ）参照）により、第２の方向の位置が規制されている。しかし、清掃棒８０１は、奥側に挿入されるにつれ、清掃部８０３が第２の規制部８１３から遠ざかるため、第２の規制部８１３のみでは規制が不十分となる。そこで、清掃棒８０１の清掃部８０３近傍に設けた突出部８０６が、光プリントヘッド１０５に沿って長手方向に設けられた第２のガイド部８１１に当接する。この清掃棒８０１の突出部８０６と第２の案内部材８０９の第２のガイド部８１１との当接により、清掃部８０３に対するレンズアレイ５０６からの反発力を受けることができ、清掃棒８０１の先端側の第２の方向の位置が規制され、奥側での浮き上がりを防止する。これによって、清掃棒８０１の清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面から離れることなく、奥側まで清掃棒８０１を挿入することができ、レンズアレイ５０６の光出射面を長手方向全域に渡って確実に清掃することができる。
【0089】
本実施例によれば、第２の案内部材８０９の第１のガイド部（傾斜部）８１２により、光プリントヘッド１０５に対して安定して清掃棒８０１（清掃部８０３）を案内することができる。第２の案内部材８０９の第２のガイド部（規制部）８１１により、光プリントヘッド１０５のレンズアレイ５０６の光出射面を確実に清掃することができる。
【0090】
また、第１の案内部材８０８と第２の案内部材８０９により、挿入時と清掃時の清掃棒８０１の位置を規制することで、作業者が想定外の力を加えた場合でも、清掃部８０３がレンズ面から外れることなく、確実に清掃することが可能となる。
【0091】
また、第１の規制部８１０の開口を小さくすることで、省スペースとなり、各色の感光ドラム１０３の間の距離が狭くなった場合にも、第１の案内部材８０８を各色に配置することができる。また、作業者が清掃棒８０１を挿入するときの、第１の方向への振れを規制することができる。
【0092】
〔清掃部の詳細な説明〕
図１５に本実施例における清掃棒８０１の左右方向における断面図を示す。
図１５に本実施例における清掃棒８０１の左右方向における断面図を示す。
【0093】
本実施例では清掃部材８０３として清掃部材８０３ａ（第１の清掃部）と清掃部８０３ｂ（第２の清掃部）を有する。清掃部材８０３ａ及び清掃部材８０３ｂはそれぞれ光軸方向であるレンズアレイ５０６の光の出射方向において清掃棒８０１から離れる方向に向かって突出して設けられる。清掃部材８０３ａ及び清掃部材８０３ｂはそれぞれ可撓性を有する部材であり、例えばウレタンゴムなどの素材が用いられる。清掃部材８０３ａ及び８０３ｂは清掃棒８０１の長手方向における位置が異なる場所に設けられ、前記光軸方向における突出量が異なるように設けられる。本実施例では前記長手方向において清掃部材８０３ａよりも端部に近い位置に清掃部材８０３ｂが設けられ、清掃部材８０３ａの方が清掃部材８０３ｂよりも前記光軸方向における突出量が大きい。詳細は後述するが清掃部材８０３ａ及び清掃部材８０３ｂはそれぞれ長方形の断面形状を有し、レンズアレイ５０６の光出射面に接触した際に前記長手方向に変形する。なお、本実施例では清掃部材８０３の突出量は、前記光軸方向において清掃部材８０３が清掃棒８０１から突出し、かつ、清掃部材８０３が清掃棒８０１から露出する部分であって、前記長手方向において清掃部材８０３が変形可能な部分を示す。なお、本実施例では清掃棒８０１から突出している清掃棒８０３を突出部とする。図１５に清掃部材８０３ａの突出量Ｌ１及び清掃部材８０３ｂの突出量Ｌ２をそれぞれ示す。なお、清掃部材８０３ａ及び清掃部材８０３ｂは前記長手方向における側面である側面９０１ａ及び側面９０１ｂをそれぞれ有する。
【0094】
図１６はレンズアレイ５０６に対向する清掃棒８０１を左右方向における側面から見た図である。図１６に示すように前記光軸方向において、清掃部材８０３の突出部の清掃棒８０１に最も近い部分からレンズアレイ５０６までの距離を矢印Ｚで示す。図１６（ａ）において清掃棒８０１は第１の案内部材８０８に接触している状態を示す。図１６（ａ）では清掃部材８０３（ａ）の突出量と清掃棒８０１からレンズアレイ５０６までの距離が等しい。このため清掃部材８０３（ａ）は変形せず、清掃部材８０３（ｂ）も変形しない。
【0095】
図１６（ｂ）は図１６（ａ）に対して光軸方向において清掃棒８０１とレンズアレイ５０６との距離が短い。図１６（ｂ）では８０３（ａ）が前記長手方向に変形した状態でレンズアレイ５０６に接触している。なお、図１６（ｂ）では清掃部材８０３（ａ）はレンズアレイ５０６に接触しているが清掃部材８０３（ａ）の側面９０１ａはレンズアレイに接触していない。即ち、図１６（ｂ）においては清掃部材８０３（ａ）のエッジがレンズアレイ５０６に接触する。
【0096】
図１６（ｃ）は図１６（ｂ）に対して光軸方向における清掃棒８０１とレンズアレイ５０６との距離が短い。図１６（ｃ）では図１６（ｂ）に対して清掃部材８０３（ａ）がさらに変形し、側面９０１（ａ）でレンズアレイ５０６の表面に接触している。図１６（ｂ）のように清掃部材のエッジでレンズアレイ５０６の表面と接触する場合と比較して、図１６（Ｃ）のように側面９０１（ａ）でレンズアレイ５０６の表面と接触する場合では、レンズアレイ５０６の表面との接触面積が大きくなる。このため、図１６（ｃ）のように清掃部材８０３（ａ）がレンズアレイ５０６の表面に接触する場合、図１６（ｂ）と比較して、清掃部材８０３（ａ）からレンズアレイ５０６の表面への接触圧が低下しレンズアレイ５０６の表面に付着した異物を十分に除去できない可能性がある。しかしながら図１６（ｃ）のように清掃部材８０３（ａ）が側面９０１（ａ）でレンズアレイ５０６の表面に接触する場合でも清掃部材８０３（ｂ）のエッジがレンズアレイ５０６の表面に接触する。このため、清掃部材８０３（ａ）がレンズアレイ５０６の表面に付着した異物を十分に除去できない場合でも、清掃部材８０３（ｂ）がレンズアレイ５０６の表面に付着した異物を除去することができる。
【0097】
上述のように本実施例では突出量の異なる清掃部材を複数設けることで光軸方向における清掃棒８０１とレンズアレイ５０６との距離が変化した場合でもレンズアレイ５０６の表面に付着した異物を効果的に除去することができる。
【0098】
なお、本実施例では突出量の異なる清掃部材を二つ清掃棒に設けたが、これに限らず３つ以上の清掃部材を設けても良い。また本実施例では突出量の異なる二つの清掃部材を設けたが、３つ以上の清掃部材を設ける場合は突出量の等しい清掃部材を含んでいても良い。
【0099】
また、本実施例では断面形状が同一である二つの清掃部材を用いたが、断面形状がそれぞれ異なる複数の清掃部材を用いても良い。
【0100】
〔実施例２〕
実施例２における清掃棒９０１を備える画像形成装置１について説明する。実施例１と同じ部品については、同じ番号を付することで説明を省略する。本実施例にかかる画像形成装置の構成は、清掃棒８０１と第２の案内部材８０９の構成を除き、前述した実施例１と同様のため、ここでは説明を省略する。本実施例では、実施例１と異なる清掃棒の構成、清掃棒の案内構成、および清掃動作について説明する。
実施例２における清掃棒９０１を備える画像形成装置１について説明する。実施例１と同じ部品については、同じ番号を付することで説明を省略する。本実施例にかかる画像形成装置の構成は、清掃棒８０１と第２の案内部材８０９の構成を除き、前述した実施例１と同様のため、ここでは説明を省略する。本実施例では、実施例１と異なる清掃棒の構成、清掃棒の案内構成、および清掃動作について説明する。
【0101】
【0102】
図１７（ａ）は、光プリントヘッド１０５のレンズアレイ５０６表面を清掃する清掃棒９０１の概略斜視図である。図１７（ｂ）は、清掃棒９０１の長手方向における先端側を示す図である。図１７（ｃ）は、清掃棒９０１の先端側を下側から見た図である。ここで、前述した実施例で定義した光プリントヘッド１０５の長手方向Ｙ、幅方向（第１の方向）Ｘ、光軸方向（第２の方向）Ｚを図１７、図１８、図１９に示す。
【0103】
本実施例に係る清掃棒８０１は、清掃部８０３と、把持部８０２と、突出部８０６ａ，８０６ｂと、弾性部８０５ａ，８０５ｂと、ガイド部材８０７と、を有する。清掃部８０３と、把持部８０２は、前述した実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
本実施例に係る清掃棒８０１は、幅方向の両側に弾性部８０５ａ，８０５ｂを有する。清掃棒８０１には、幅方向の一方側に弾性部８０５ａが、他方側に８０５ｂが設けられている。弾性部８０５ａ，８０５ｂは、長手方向に直交する幅方向の剛性と、長手方向と幅方向に直交する光軸方向の剛性とが異なっており、幅方向の剛性が光軸方向の剛性よりも低くなっている。さらに詳しくは、弾性部８０５ａ，８０５ｂは、弾性部８０５ａ，８０５ｂの長手方向から見た断面は長方形（幅方向が短辺、光軸方向が長辺の長方形）であり、幅方向（第１の方向）の厚みｔ１が光軸方向（第２の方向）の厚みｔ２より薄くなっている。この構成により、弾性部８０５ａ，８０５ｂは、幅方向の剛性が光軸方向の剛性よりも低くなっている。
【0105】
本実施例に係る清掃棒８０１は、幅方向の両側に突出部８０６ａ，８０６ｂを有する。清掃棒８０１には、幅方向の一方側に突出した突出部８０６ａ、他方側に突出した突出部８０６ｂが設けられている。突出部８０６ａ，８０６ｂは、第１の案内部材８０８よりも幅方向の外側に突出して、それぞれ第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂに当接可能な位置に設けられている。突出部８０６ａ，８０６ｂは、第１の案内部材８０８よりも幅方向の外側に突出した位置と、前記突出した位置よりも第１の案内部材８０８の幅方向の内側に向けて退避した位置との間を移動可能に設けられている。突出部８０６ａ，８０６ｂは、前記突出した位置で第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂに案内される。なお、第１の案内部材８０８は前述した実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂについては後述する。
【0106】
突出部８０６ａ，８０６ｂは、それぞれ弾性部８０５ａ，８０５ｂに設けられており、弾性部８０５ａ，８０５ｂが幅方向に弾性変形することで幅方向に移動する。言い換えれば、突出部８０６ａ，８０６ｂは、幅方向に移動可能に設けられている。
【0107】
さらに清掃棒８０１は、各弾性部８０５ａ，８０５ｂの光軸方向（第２の方向）の位置を規制するガイド部材８０７を備えている。ガイド部材８０７は、光軸方向への予期せぬ外力による弾性部８０５ａ，８０５ｂの変形を所定の範囲内に規制している。ガイド部材８０７の材質は、金属材料であり、例えば金属材料からなる板金である。
【0108】
（清掃棒の案内構成）
次に図１８（ａ）～図１８（ｃ）を用いて、清掃棒８０１の案内構成について説明する。図１８（ａ）は清掃棒８０１の案内構成を示す斜視図である。図１８（ｂ）は第１の案内部材の斜視図である。図１８（ｃ）は第２の案内部材の斜視図である。
次に図１８（ａ）～図１８（ｃ）を用いて、清掃棒８０１の案内構成について説明する。図１８（ａ）は清掃棒８０１の案内構成を示す斜視図である。図１８（ｂ）は第１の案内部材の斜視図である。図１８（ｃ）は第２の案内部材の斜視図である。
【0109】
画像形成装置１が有する筐体としての枠体８００（図２参照）には、図１８（ａ）に示すように、第１の案内部材８０８と第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂが設けられている。第１の案内部材８０８と第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂとは、画像形成装置１の前後方向において前側と奥側でずれて配置され、前側に第１の案内部材８０８が、奥側に第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂが配置されている。
【0110】
ここで、図１８（ｂ）に示す第１の案内部材８０８は、前述した実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0111】
突出部８０６ａ，８０６ｂを含む清掃棒８０１の幅方向の幅は、第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０の内側の幅方向の幅よりも広くなっている。突出部８０６ａ，８０６ｂは、前述したように弾性部８０５ａ，８０５ｂに設けられ、幅方向に移動可能（弾性変形可能）となっている。突出部８０６ａ，８０６ｂは、第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０の間に侵入すると、弾性部８０５ａ，８０５ｂの弾性変形により、第１の案内部材８０８の幅より突出した位置よりも第１の案内部材８０８の幅方向の内側に向けて退避した位置に移動する。そして、突出部８０６ａ，８０６ｂは、第１の案内部材８０８を通過すると、弾性部８０５ａ，８０５ｂの復元力により、前記退避した位置から前記突出した位置に移動し、すなわち元の位置である第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂに当接可能な位置に戻る。
【0112】
本実施例に係る第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、幅方向の両側にそれぞれ設けられている。幅方向一方側の第２の案内部材８０９ａは第１のガイド部８１２ａおよび第２のガイド部８１１ａを有し、他方側の第２の案内部材８０９ｂは第１のガイド部８１２ｂおよび第２のガイド部８１１ｂを有する。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、幅方向において対向して設けられ、光プリントヘッド１０５を介して両側にそれぞれ設けられている。
【0113】
第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、前述したように第１の案内部材８０８よりも前記長手方向の奥側に設けられている。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、光プリントヘッド１０５の長手方向に直交する幅方向（第１の方向）の外側に、光プリントヘッド１０５とは別に設けられている。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、感光ドラム１０３と光プリントヘッド１０５との間に案内された清掃棒８０１を光プリントヘッド１０５の長手方向に沿って案内する。
【0114】
第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、図１８（ｃ）に示すように、第１のガイド部（傾斜部）８１２ａ，８１２ｂと、第２のガイド部（規制部）８１１ａ，８１２ｂと、を有する。すなわち、一方の第２の案内部材８０９ａは、第１のガイド部（傾斜部）８１２ａと、第２のガイド部（規制部）８１１ａと、を有する。他方の第２の案内部材８０９ｂは、第１のガイド部（傾斜部）８１２ｂと、第２のガイド部（規制部）８１２ｂと、を有する。第１のガイド部（傾斜部）８１２ａ，８１２ｂと、第２のガイド部（規制部）８１１ａ，８１２ｂは、前述した実施例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0115】
（清掃動作）
次に、清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の清掃時の動作について説明する。
次に、清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の清掃時の動作について説明する。
【0116】
清掃棒８０１を用いたレンズアレイ５０６の光出射面の清掃は、不図示の移動機構により光プリントヘッド１０５を露光位置よりも感光ドラム１０３から離れた退避位置に移動させた状態で行う。すなわち、ここで言う退避位置は、レンズアレイ５０６の光出射面を清掃するための清掃位置を意味する。作業者は、清掃棒８０１の後端側に設けられた把持部８０２を把持して操作することで、レンズアレイ５０６の光出射面を清掃する。
【0117】
清掃部８０３については、前述した実施例と同様のため、ここでは説明を省略する。
【0118】
第１の案内部材８０８は、光プリントヘッド１０５よりも装置本体前側に設けられている。第１の案内部材８０８は、第１の方向の両側に第１の規制部８１０、８１０を有する。作業者によって清掃棒８０１が第１の案内部材８０８の第１の規制部８１０、８１０間に挿入されると、清掃棒８０１から第１の方向に突出した突出部８０６ａ，８０６ｂが、それぞれ第１の規制部８１０，８１０に当接する。この時、第１の方向において、第１の規制部８１０，８１０間の幅よりも、突出部８０６ａ，８０６ｂを含めた清掃棒８０１の幅が広い。そのため、清掃棒８０１をさらに差し込むと、弾性部８０５ａ，８０５ｂの第１の方向への弾性変形により突出部８０６ａ，８０６ｂが退避し、第１の規制部８１０，８１０に当接しながら進む。これにより、作業者は清掃棒８０１の第１の方向の位置を規制しながら清掃棒８０１を挿入することができる。突出部８０６ａ，８０６ｂは、清掃棒８０１の先端側が第１の案内部材８０８を通過した後、両方の第１の規制部８１０，８１０による規制（当接）が解除されると、弾性部８０５ａ，８０５ｂの第１の方向への復元力により弾性変形前の位置に戻る。すなわち、突出部８０６は、第２の案内部材８０９の第１のガイド部８１２および第２のガイド部８１１に対して当接可能な位置に戻る。
【0119】
図１９は第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの機能について説明するための装置本体前側から見た断面図である。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、第１の案内部材８０８よりも奥側に設けられている。また、第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは光プリントヘッド１０５に沿って長手方向に配置されている。第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの、第１の案内部材８０８側の端部には第１のガイド部８１２ａ，８１２ｂが設けられている。第１のガイド部８１２ａ，８１２ｂは、長手方向の一端側である前側から他端側である奥側に向かうにつれて下方に傾斜している。これにより、作業者によって清掃棒８０１が第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂに差し込まれる際に、突出部８０６ａ，８０６ｂが第１のガイド部８１２ａ，８１２ｂによって、下方に進行するように誘い込まれる。よって、作業者は、突出部８０６ａ，８０６ｂが第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの上方に逸れることなく、より容易に清掃棒８０１を第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂに挿入することができる。言い換えれば、光プリントヘッド１０５に対して安定して清掃棒８０１を案内することができ、清掃時の作業性が向上する。また、清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面に確実に当接し、清掃を開始することが可能な状態となる。
【0120】
また第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂは、図１９に示すように、断面がコの字の形状であって、第２の方向の上方に第２のガイド部８１１ａ，８１１ｂを有する。清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面を清掃する際、清掃部８０３にはレンズアレイ５０６からの反発力が働き、清掃棒８０１の先端側が第２の方向の上方に浮き上がろうとする。この時、清掃棒８０１は、第１の案内部材８０８に設けられた第２の規制部８１３（図１８（ｂ）参照）により、第２の方向の位置が規制されている。しかし、清掃棒８０１は、奥側に挿入されるにつれ、清掃部８０３が第２の規制部８１３から遠ざかるため、第２の規制部８１３のみでは規制が不十分となる。そこで、清掃棒８０１の清掃部８０３近傍に設けた突出部８０６ａ，８０６ｂが、光プリントヘッド１０５に沿って長手方向に設けられた第２のガイド部８１１ａ，８１１ｂに当接する。この清掃棒８０１の突出部８０６ａ，８０６ｂと第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの第２のガイド部８１１ａ，８１１ｂとの当接により、清掃部８０３に対するレンズアレイ５０６からの反発力を受けることができ、清掃棒８０１の先端側の第２の方向の位置が規制され、奥側での浮き上がりを防止する。これによって、清掃棒８０１の清掃部８０３がレンズアレイ５０６の光出射面から離れることなく、奥側まで清掃棒８０１を挿入することができ、レンズアレイ５０６の光出射面を長手方向全域に渡って確実に清掃することができる。
【0121】
本実施例によれば、幅方向両側の第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの第１のガイド部８１２ａ，８１２ｂにより、光プリントヘッド１０５に対して安定して清掃棒８０１（清掃部８０３）を案内することができる。幅方向両側の第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂの第２のガイド部８１１ａ，８１１ｂにより、光プリントヘッド１０５のレンズアレイ５０６の光出射面を確実に清掃することができる。
【0122】
また、第１の案内部材８０８と幅方向両側の第２の案内部材８０９ａ，８０９ｂにより、清掃棒８０１の位置を規制する効果が高まり、作業者がより大きな力を加えた場合でも、清掃部８０３がレンズ面から外れることなく、確実に清掃することが可能となる。
【0123】
〔他の実施例〕
なお、前述した実施例では、画像形成部を４つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
なお、前述した実施例では、画像形成部を４つ使用しているが、この使用個数は限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。
【0124】
また前述した実施例では、画像形成装置としてプリンタを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば複写機、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。また、中間転写体を使用し、該中間転写体に各色のトナー像を順次重ねて転写し、該中間転写体に担持されたトナー像を記録材に一括して転写する画像形成装置を例示したが、これに限定されるものではない。記録材担持体を使用し、該記録材担持体に担持された記録材に各色のトナー像を順次重ねて転写する画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0125】
１ 画像形成装置
１０３ 感光ドラム
１０５ 光プリントヘッド
５００ 露光ユニット
５０２ 基板
５０３ ＬＥＤ（発光素子、光源）
５０６ レンズアレイ
５０６ａ 光出射面
８００ 枠体（筐体）
８０１ 清掃棒（清掃部材）
８０２ 把持部
８０３ 清掃部
８０８ 第１の案内部材
１０３ 感光ドラム
１０５ 光プリントヘッド
５００ 露光ユニット
５０２ 基板
５０３ ＬＥＤ（発光素子、光源）
５０６ レンズアレイ
５０６ａ 光出射面
８００ 枠体（筐体）
８０１ 清掃棒（清掃部材）
８０２ 把持部
８０３ 清掃部
８０８ 第１の案内部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】