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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163812
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/00 20060101AFI20241115BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B41J29/393 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079713
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 直人
(72)【発明者】
【氏名】熊倉 望
(72)【発明者】
【氏名】前原 隆
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061KK04
2C061KK18
2C061KK26
2C061KK28
2H270LA22
2H270LD03
2H270MB13
2H270MB16
2H270MB19
2H270MB25
2H270MB27
2H270MC23
2H270MC24
2H270MD02
2H270MD05
2H270MD06
2H270MD07
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】 毎回決まった枚数のシートに調整用画像を形成する場合、シートの消費量が増大してしまう。
【解決手段】 プリンタ150と、読取装置160と、プリンタ150を制御して調整用画像70-1~70-5が形成された複数の調整用シートを出力し、読取装置160に複数の調整用シートを読み取らせ、複数の調整用シートの読取結果に基づき印刷ジョブに基づくプリント動作中に形成する調整用画像を複数の調整用画像から選択し、プリント動作中に読取装置160によって読み取られた調整用画像の読取結果に基づき幾何特性を制御するCPU114を有することを特徴とする。
【選択図】 図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が調整用画像を形成したシートを読み取る読取手段と、
前記画像形成手段に前記調整用画像とパターン画像とを該パターン画像に付着するトナーの量を変えて複数の第1シートに形成させ、前記読取手段に前記複数の第1シートを読み取らせ、前記画像形成手段が複数のシートに画像を形成する場合に前記調整用画像と共に形成するパターン画像を前記読取手段により読み取られた前記複数の第1シートの読取結果に基づき複数のパターン画像から選択する選択手段と、
前記画像形成手段が前記複数のシートに画像を形成している間に、前記画像形成手段に前記調整用画像と前記選択手段により選択されたパターン画像とを複数の第2シートに形成させ、前記読取手段により読み取られた前記複数の第2シートの読取結果に基づき、前記画像形成手段によりシートに形成される画像の幾何特性を制御する制御手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記幾何特性は、前記画像形成手段により画像が形成される画像形成領域の直角補正、前記画像形成領域の台形補正、前記画像形成装置がシートを搬送する搬送方向の前記画像形成領域のリード位置の補正、前記画像形成領域の前記搬送方向の長さの補正、前記搬送方向に直交する方向の前記画像形成領域のサイド位置の補正、及び前記画像形成領域の前記搬送方向に直交する前記方向の長さの補正を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記選択手段は、前記複数の第1シートに含まれる、前記調整用画像と第1パターン画像が形成されたシートの読取結果に基づき、前記幾何特性を補正するための第1補正データを生成し、前記複数の第1シートに含まれる、前記調整用画像と前記第1パターン画像とトナーの付着する量が異なる第2パターン画像が形成されたシートの読取結果に基づき、前記幾何特性を補正するための第2補正データを生成し、前記第1補正データと前記第2補正データに基づいて補正量の差を算出し、
前記選択手段は、前記差が許容値以内となる場合、前記複数の第2シートに形成するパターン画像として、前記第2パターン画像を選択せず、前記第1パターン画像を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記第1パターン画像は前記第2パターン画像よりもトナーが付着する量が少ないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシートに形成される画像の画像形成位置を調整する制御に関する。
【背景技術】
【0002】
商用の画像形成装置で印刷される印刷物には、表裏の印刷位置精度の安定化が求められる。そのため、両面印刷においては、印刷位置を調整することによって、用紙の表面の画像と用紙の裏面の画像との印刷位置を揃える機能(以後、表裏位置補正機能)を有するものがある。例えば、罫線などが予め印刷されたプレプリント紙に画像を印刷する場合、印刷位置を調整することによって、罫線と重ならないように画像を印刷することができる。
【0003】
表裏位置補正機能は、画像が印刷される用紙の種類毎に実行する必要がある。これは、用紙のサイズ、坪量、材質などが原因で用紙の伸縮量が異なってしまうからである。表裏位置補正機能は、対象の用紙にマークを印刷した調整用画像を読取装置に読み取らせ、調整用画像の読取結果に基づいて印刷位置のずれを検知する画像形成装置が知られている。画像形成装置は、例えば、調整用画像の基準位置からマークまでの長さに基づいて印刷位置のずれを検知し、検知結果に基づいて印刷位置を補正するための補正量を決定する。そして、画像形成装置は、対象の用紙と同じ種類の用紙を用いて印刷処理を行う場合、補正量に基づいて印刷位置を補正する。
【0004】
印刷した時の表面と裏面の画像位置のずれの要因は、前述した用紙種類の違い以外に用紙に印刷されるトナー画像の載り量が関係することがわかっている。このトナー載り量の違いは中間転写ベルト上の画像を用紙に転写する際の用紙搬送力に影響を与え、トナー載り量が多いとトナーによる滑りが発生することで用紙搬送力が低下して画像が用紙搬送方向に対して縮む方向になることがわかっている。
【0005】
このトナー載り量による影響を解決するため、特許文献1で開示されている画像形成装置では、トナー載り量の異なる複数の調整用画像を用いてトナー載り量に対応する補正量を決定している。トナー載り量の異なる印刷物であってもトナー載り量に対応する補正を行うことで表裏位置補正機能の補正精度を向上することを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-135466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、トナー載り量に対応する補正量を決定するために毎回決まった枚数のシートに調整用画像を形成する場合、シートの消費量が増大してしまうという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、調整作業に用いるシートの消費量を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、トナーを用いてシートに画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段が調整用画像を形成したシートを読み取る読取手段と、前記画像形成手段に前記調整用画像とパターン画像とを該パターン画像に付着するトナーの量を変えて複数の第1シートに形成させ、前記読取手段に前記複数の第1シートを読み取らせ、前記画像形成手段が複数のシートに画像を形成する場合に前記調整用画像と共に形成するパターン画像を前記読取手段により読み取られた前記複数の第1シートの読取結果に基づき複数のパターン画像から選択する選択手段と、前記画像形成手段が前記複数のシートに画像を形成している間に、前記画像形成手段に前記調整用画像と前記選択手段により選択されたパターン画像とを複数の第2シートに形成させ、前記読取手段により読み取られた前記複数の第2シートの読取結果に基づき、前記画像形成手段によりシートに形成される画像の幾何特性を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、調整作業に用いるシートの消費量を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】印刷システムの制御ブロック図
図2】画像形成装置の概略断面図
図3】画像形成装置が印刷データに基づいて画像形成する印刷処理をフローチャート図
図4】用紙ライブラリの編集画面
図5】用紙に関する情報の編集画面
図6】調整用画像の模式図
図7】印刷位置ずれ量の算出方法を示したリスト
図8】用紙種類の設定画面
図9】印刷位置調整の設定画面
図10】トナー載り量の違う調整用画像の模式図
図11】初期表裏位置調整を示すフローチャート図
図12】プリント表裏位置調整を示すフローチャート図
図13】位置ずれ特性区分判定処理を示すフローチャート図
図14】位置ずれ特性区分判定結果と調整用画像の関係を示した模式図
図15】プリント表裏位置調整の印刷位置ずれ量の更新処理を示すフローチャート図
図16】プリント表裏位置調整実行時の課題説明図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(印刷システムの構成)
図1は、画像形成装置100を有する印刷システムの全体構成図である。印刷システムは、画像形成装置100及びホストコンピュータ101を備える。画像形成装置100とホストコンピュータ101とは、ネットワーク105を介して通信可能に接続される。ネットワーク105は、例えばLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信回線である。なお、画像形成装置100及びホストコンピュータ101は、ネットワーク105にそれぞれ複数接続されていてもよい。
【0013】
ホストコンピュータ101は、例えばサーバであり、ネットワーク105を介して、画像形成装置100へ印刷ジョブを送信する。印刷ジョブには、画像データ、印刷に使用される用紙の種類、印刷枚数、両面又は片面印刷の指示等の、印刷に必要な各種の情報が含まれる。
【0014】
画像形成装置100は、コントローラ110、操作パネル120、給紙装置140、プリンタ150、及び読取装置160を備える。画像形成装置100は、ホストコンピュータ101から取得された印刷ジョブに基づいて、用紙に画像を形成する。コントローラ110、操作パネル120、給紙装置140、プリンタ150、及び読取装置160は、システムバス116を介して相互に通信可能に接続される。
【0015】
コントローラ110は画像形成装置100の各ユニットを制御する。操作パネル120は、ユーザインタフェースであり、操作ボタン、テンキー、LCD(Liquid Crystal Display)を備える。オペレータは、操作パネル120により画像形成装置100に印刷ジョブ、コマンド、及び印刷設定等を入力することができる。操作パネル120は、設定画面や画像形成装置100の状態をLCDに表示する。
【0016】
給紙装置140は用紙を収容する複数の給紙段を備える。給紙装置140は、給紙段に積載された用紙束の最も上の用紙から1枚ずつ順番に給紙する。給紙装置140は、給紙段から給紙した用紙をプリンタ150へ搬送する。
【0017】
プリンタ150は、画像データに基づいて、給紙装置140から供給された用紙に画像を形成する。プリンタ150の具体的な構成については図2を用いて後述する。読取装置160は、プリンタ150によって生成された印刷物を読み取って、読取結果をコントローラ110に転送する。読取装置160の具体的な構成については図2を用いて後述する。
【0018】
コントローラ110の構成について説明する。コントローラ110は、ROM(Read Only Memory)112、RAM(Random Access Memory)113、及びCPU(Central Processing Unit )114を備える。さらに、コントローラ110は、I/O制御部111、及びHDD(Hard Disk drive)115を備える。
【0019】
I/O制御部111は、ネットワーク105を介して、ホストコンピュータ101及び他の装置との通信制御を行うインタフェースである。ROM112は、各種制御プログラムを記憶する記憶装置である。RAM113はROM112に記憶された制御プログラムを読み出して記憶するシステムワークメモリとして機能する。CPU114は、RAM113に読み出された制御プログラムを実行して、画像形成装置100を統括的に制御する。HDD115は大容量記憶装置である。HDD115は、制御プログラムや画像形成処理(印刷処理)に用いる画像データ等の各種データを格納する。各モジュールはシステムバス116を介して互いに接続される。
【0020】
図2は、画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は給紙装置140、プリンタ150、読取装置160、及びフィニッシャ190を備える。ここで、フィニッシャ190は、プリンタ150の印刷物に後処理を行う後処理装置である。フィニッシャ190は、例えば、複数枚の印刷物にステイプル処理を行ったり、印刷物にソート処理を行う。
【0021】
図1に示すように、プリンタ150は4つの画像形成部を備える。複数の画像形成部は、イエローの画像を形成する画像形成部、マゼンタの画像を形成する画像形成部、シアンの画像を形成する画像形成部、及びブラックの画像を形成する画像形成部を含む。各画像形成部の構成はほぼ共通である。
【0022】
画像形成部は、感光ドラム153、帯電器220、露光装置223、現像器152を備える。感光ドラム153はモータ(不図示)によって矢印R1方向に回転する。帯電器220は感光ドラム153の表面を帯電する。露光装置223は感光ドラム153へ露光する。これによって、感光ドラム153には静電潜像が形成される。現像器152は現像剤(トナー)を用いて静電潜像を現像する。これによって、感光ドラム153上の静電潜像が顕像化されて、感光ドラム153には画像が形成される。
【0023】
プリンタ150は画像形成部により形成された画像が転写される中間転写ベルト154と、給紙装置140とを備える。給紙装置140は用紙を収容する給紙段140a、140b、140c、140d、及び140eを含む。プリンタ150は、画像形成部により形成されたイエロー、マゼンタ、シアン、及びブラックの画像が中間転写ベルト154に重なるように転写される。これによって、中間転写ベルト154にはフルカラーの画像が形成される。中間転写ベルト154上の画像は矢印R2方向へ搬送される。そして、中間転写ベルト154に形成された画像は、中間転写ベルト154と転写ローラ221とのニップ部において、給紙装置140から搬送された用紙に転写される。
【0024】
プリンタ150は、用紙に転写された画像を加熱および加圧して、用紙に画像を定着させる第1定着器155および第2定着器156を有する。第1定着器155は内部にヒータを有する定着ローラと、用紙を定着ローラに圧接させるための加圧ベルトとを備える。これらローラは不図示のモータにより駆動されて用紙を搬送する。第2定着器156は用紙の搬送方向において第1定着器よりも下流に配置される。第2定着器156は第1定着器155を通過した用紙上の画像に対してグロスを増加させたり、定着性を担保する。第2定着器156は内部にヒータを有する定着ローラと、内部にヒータを有する加圧ローラとを備える。用紙の種類によっては第2定着器156を使用する必要がない。この場合、第2定着器156を経由せずに用紙は搬送経路130へ搬送される。フラッパ131は用紙を搬送経路130へ誘導するか、第2定着器156へ誘導するかを切りかえる。
【0025】
フラッパ132は、用紙を搬送経路135へ誘導するか、排出経路139へ誘導するかを切りかえる。フラッパ132は、例えば、両面印刷モードにおいて、第1面に画像が形成された用紙を搬送経路135へ誘導する。フラッパ132は、例えば、フェイスアップ排紙モードにおいて、第1面に画像が形成された用紙を排出経路139へ誘導する。フラッパ132は、例えば、フェイスダウン排紙モードにおいて、第1面に画像が形成された用紙を搬送経路135へ誘導する。また、フラッパ132は、用紙の第1面に調整用画像が印刷された後、用紙の第2面に調整用画像を印刷するために用紙を搬送経路135へ誘導する。
【0026】
搬送経路135へ搬送された用紙は反転部136へ搬送される。反転部136に搬送された用紙は、搬送動作が一旦停止した後、用紙の搬送方向を反転するためにスイッチバックする。次に、フラッパ133が用紙を搬送経路138へ誘導するか搬送経路135へ誘導するかを切り替える。フラッパ133は、例えば、両面印刷モードにおいて、スイッチバックした用紙を搬送経路138へ誘導する。フラッパ133は、例えば、フェイスダウン排紙モードにおいて、スイッチバックした用紙を搬送経路135へ誘導する。フラッパ133により搬送経路135へ搬送された用紙はフラッパ134によって排出経路139へ誘導される。また、フラッパ133は、用紙の第2面に調整用画像を印刷するために、スイッチバックした用紙を搬送経路138へ誘導する。
【0027】
フラッパ133により搬送経路138へ搬送された用紙は、中間転写ベルト154と転写ローラ221とのニップ部へ向けて搬送される。これによって、ニップ部を通過するときの用紙の表裏が反転される。
【0028】
用紙の搬送方向においてプリンタ150の下流には、用紙上の調整用画像を読み取る読取装置160が接続されている。プリンタ150から読取装置160へ供給された用紙は搬送経路313に沿って搬送される。読取装置160は、さらに、シート検出センサ311とラインセンサ312a、及び312bとを備える。読取装置160は、プリンタ150により調整用画像が印刷された用紙を、搬送経路313に沿って搬送しながら、ラインセンサ312a及び312bによって読み取る。調整用画像の詳細は図6を用いて後述する。なお、以下の説明において調整用画像が印刷された用紙は調整用シートと称する。また、調整用画像以外の画像も搬送経路313に沿ってフィニッシャ190へ搬送される。
【0029】
シート検出センサ311は、例えば、発光素子と受光素子とを有する光学センサである。シート検出センサ311は、搬送経路313に沿って搬送される調整用シートの、搬送方向における先端を検出する。なお、コントローラ110は、シート検出センサ311による用紙先端の検出タイミングに基づいて用紙の斜行量を求める。
【0030】
ラインセンサ312a、及び312bは調整用シート上の調整用画像を読み取る。調整用画像は、例えば、用紙の表面と裏面との両方に印刷される。ラインセンサ312a、及び312bは、調整用シートの両面を一度に読み取るため、搬送経路313を挟むような位置に設けられる。印刷位置調整が実行された場合、画像形成装置100はラインセンサ312a、及び312bによる調整用画像の読取結果に基づいて、調整用画像の印刷位置(画像形成位置)のずれ量を検知する。そして、コントローラ110は、用紙に対する印刷位置(画像形成位置)が理想的な位置となるように、印刷位置(画像形成位置)のずれ量に基づいて画像形成処理を制御する。
【0031】
(調整用画像)
図6は調整用画像の模式図である。プリンタ150は用紙の第1面に調整用画像700を印刷し、用紙の第2面に調整用画像701を印刷する。調整用画像700、及び701には補正用マーク720が含まれる。補正用マーク720は調整用画像の四隅に位置する。補正用マーク720は黒色のトナーを用いて形成される。これによって、補正用マーク720からの反射光強度と用紙の反射光強度との差が増加するので、読取装置160の読取結果において補正用マーク720の輪郭を高精度に検知できる。
【0032】
印刷位置が理想的な位置ならば、用紙端から補正用マーク720までの距離が所定距離となる。コントローラ110は、印刷位置のずれ量を検知するために、用紙上の補正用マーク720の位置を測定する。コントローラ110は、図6において、長さ(A)~長さ(V)を、読取装置160の読取結果に基づいて測定する。コントローラ110は、ラインセンサ312a、及び312bに調整用画像を読み取らせる。続いて、コントローラ110は、調整用画像のスキャン画像の濃度差に基づいて、用紙端と補正用マーク720のエッジ(用紙と補正用マーク720との境界)を検出する。そして、コントローラ110は、検出された用紙端から補正用マーク720のエッジまでの読取画素数をカウントし、カウント値に基づいて長さ(A)~(V)を求める。これらの長さ(A)~(V)はシートに形成される画像の幾何特性に相当する。
【0033】
なお、長さ(A)および長さ(B)は、調整用画像の短手方向の長さ、及び長手方向の長さである。長さ(A)及び長さ(B)の理想的な長さは用紙のサイズによって規定された用紙長に相当する。長さ(C)~長さ(V)は、用紙端から近傍の補正用マーク720までの距離(長さ)に相当する。
【0034】
印刷位置ずれ量は、以上説明した長さ(A)~長さ(V)に基づいて計算する。しかし、発明者の実験によって、図6に示す調整用画像に生じる用紙の変形量は、実際に出力画像が形成された用紙の変形量と異なっていることがわかった。これは、トナー載り量によって用紙の変形量が異なっているからであった。出力画像が印刷された用紙のトナー載り量は、出力画像の種類によって異なってしまう。例えば、用紙の全面に写真画像が印刷される場合、用紙のトナー載り量は調整用シートのトナー載り量に比べて多い。そのため、補正用マーク720だけ印刷された調整用シートを用いて印刷位置ずれ量を求めても、出力画像の印刷位置が理想的な印刷位置とはならない可能性があった。
【0035】
そこで、画像形成装置100は、補正用マーク720と重ならない位置に他のマークを形成して、実際に出力画像が形成された用紙のトナー載り量に適した調整用画像を用いて印刷位置調整を実行する。本実施例では、用紙のトナー載り量を5つの区分に区分けして、それぞれのトナー載り量区分に属する画像を調整用シートに印刷する。なお、補正用マーク720に重ならない位置に他のマークが印刷されても、印刷位置ずれ量は算出することができる。
【0036】
図10は、トナー載り量の違いによって生じる用紙の縮みを再現する調整用画像の模式図である。画像形成装置100は、図10に示す5種類の調整用画像70‐1、70‐2、70‐3、70‐4、及び70‐5の中から、出力画像のトナー載り量に適した調整用画像を用いて印刷位置調整を実行する。調整用画像70‐1から70‐5のトナー載り量は、それぞれトナー載り量区分1から5に属するトナー載り量である。プリンタ150に調整用画像70‐1、70‐2、70‐3、70‐4、及び70‐5を印刷させるための調整用画像データはHDD115に予め記憶されている。
【0037】
調整用画像70‐1は補正用マークのみが形成される。調整用画像70‐2は補正用マークと四角形のパターン画像730とを含む。パターン画像730は補正用マークとは異なる位置に形成される。さらに、パターン画像730は画像信号値25%に基づいて形成されたトナー像である。調整用画像70‐3は補正用マークと四角形のパターン画像731とを含む。パターン画像731は補正用マークとは異なる位置に形成される。さらに、パターン画像731は画像信号値50%に基づいて形成されたトナー像である。調整用画像70‐4は補正用マークと四角形のパターン画像732とを含む。パターン画像732は補正用マークとは異なる位置に形成される。さらに、パターン画像732は画像信号値75%に基づいて形成されたトナー像である。調整用画像70‐5は補正用マークと四角形のパターン画像733とを含む。パターン画像733は補正用マークとは異なる位置に形成される。さらに、パターン画像733は画像信号値100%に基づいて形成されたトナー像である。パターン画像730、731、732、及び733は同じ面積のトナー像である。しかし、パターン画像730、731、732、及び733はそれぞれ異なる画像信号値に基づいて形成され、それぞれのマークのトナー濃度はパターン画像730を最小に、マーク741、パターン画像732、パターン画像733の順で高くなる。そのため、調整用画像70‐5は調整用画像70‐1、70‐2、70‐3、70‐4、及び70‐5の中で最もトナー載り量が多く、調整用画像70‐1は調整用画像70‐1、70‐2、70‐3、70‐4、及び70‐5の中で最もトナー載り量が少ない。
【0038】
(用紙ライブラリ)
画像形成装置100が使用可能な用紙はデータベースによって管理されている。このデータベースは用紙ライブラリと称す。用紙ライブラリは、例えば、画像形成装置100とネットワークを介して接続されたホストコンピュータ101(サーバ)に記憶されている。あるいは、用紙ライブラリは、例えば、HDD115に記憶されている。用紙ライブラリに記憶されたデータは必要に応じて読み出し、及び書き込みが実行される。
【0039】
図4はオペレータが用紙ライブラリに記憶されたデータの編集を行うためのインタフェース画面である。このインタフェース画像は、画像形成装置100の操作パネル120に表示される。インタフェース画面400は、用紙リスト410、新規追加ボタン420、編集ボタン421、削除ボタン422、選択ボタン423を含む。
【0040】
用紙リスト410には用紙ライブラリにおいて管理される用紙のリストが表示される。列411~417には用紙の属性情報が表示される。列411には用紙の名称が表示される。用紙の名称は、オペレータが用紙の種類を識別できるように、オペレータによって設定された情報である。列412、413には用紙のサイズが表示される。列412は短手方向の用紙長を表し、列413は長手方向の用紙長を表す。列414には用紙の坪量が表示される。
【0041】
列415には用紙の表面性をオペレータが識別するための情報が表示される。なお、用紙の表面性をオペレータが識別するための情報とは、用紙表面の物理特性に関する情報である。例えば、列415に「コート」と表示された用紙は、光沢性を上げるための表面処理が施されている用紙を指す。また、例えば、列415に「エンボス」と表示された用紙は、凹凸加工が施されている用紙を指す。また、例えば、列415に「普通紙」と表示された用紙は、特殊な加工が施されていない用紙を指す。また、列416には用紙の色が表示される。
【0042】
オペレータは、操作パネル120に表示された用紙リスト410において、任意の用紙が表示された箇所に触れて用紙を選択する。選択された用紙は、選択されていない用紙と区別できるように表示方法が変化する。例えば、選択された用紙は選択されていない用紙よりも明るく表示される。「XYZ製紙カラー81」が選択された場合、図4に示すように、「XYZ製紙カラー81」の各列が、選択されていない他の用紙とは異なる表示方法となる。なお、用紙ライブラリに管理された用紙の数が用紙リスト410に一度に表示可能な数よりも多い場合、オペレータはスクロールバー417を操作して他の用紙を選択することができる。
【0043】
新規追加ボタン420は、用紙ライブラリに新しく用紙を追加するためのボタンである。編集ボタン421は、用紙リスト410においてオペレータによって選択された用紙の情報を編集するためのボタンである。削除ボタン422は、用紙リスト410においてオペレータによって選択された用紙を用紙ライブラリから削除するためのボタンである。選択ボタン423は、用紙リスト410において選択された用紙と給紙段との対応付けを行うためのボタンである。
【0044】
新規追加ボタン420又は編集ボタン421が押下されることで、操作パネル120には用紙の情報を入力するためのインタフェース画面(図5)が表示される。インタフェース画面500は、テキストボックス501~504、コンボボックス505、506、チェックボックス507、編集終了ボタン520、及びキャンセルボタン521を含む。
【0045】
テキストボックス501は用紙名称の入力領域である。テキストボックス502は短手方向の用紙長の入力領域である。テキストボックス503は長手方向の用紙長の入力領域である。テキストボックス504は用紙の坪量の入力領域である。各テキストボックス501~504への入力は、ソフトウェアキーボードや操作パネル120に設けられた入力キー等により行われる。
【0046】
コンボボックス505は用紙の表面性を指定するための領域である。オペレータは複数種類の表面性の中から用紙の表面性を指定する。なお、複数種類の表面性の情報は予め登録されている。コンボボックス506は用紙の色を指定するための領域である。オペレータは複数の色の中から用紙の色を指定する。なお、複数の色に関する情報は予め登録されている。チェックボックス507は、用紙がプレプリント紙であるか否かを指定するための指定領域である。オペレータは、用紙がプレプリント紙である場合、チェックボックス507をチェックする。
【0047】
編集終了ボタン520はインタフェース画面500に入力された用紙の情報を用紙ライブラリへ保存するためのボタンである。編集終了ボタン520が押下された場合、その時点で入力されている用紙に関する情報が用紙ライブラリに保存される。用紙の情報が用紙ライブラリへ保存された後、インタフェース画面500は図4のインタフェース画面400へ切り替わる。キャンセルボタン521はインタフェース画像に入力された用紙の情報を用紙ライブラリへ保存せずに、図4のインタフェース画面400へ遷移するためのボタンである。キャンセルボタン521が押下された場合には用紙の情報の編集が中止される。
【0048】
用紙ライブラリはデジタル情報として保存されている。デジタル情報とは、例えば、XML(Extensible Markup Language)を用いて記述された情報である。
【0049】
用紙ライブラリには、用紙の物理的特性、用紙の色、用紙がプレプリント紙等の情報が用紙の名称に紐づいて記録される。ここで、用紙の物理的特性は、用紙の短手方向の用紙長(幅)、用紙の長手方向の用紙長(長さ)、用紙の坪量、用紙の表面性(表面処理の種類)の情報を含む。
【0050】
用紙ライブラリには、さらに、表面及び裏面における印刷位置ずれ量が用紙の名称に紐づいて記憶される。印刷位置ずれ量とは、調整用画像の読取結果から生成された画像形成領域と理想の画像形成領域とのずれを定量的に表した値である。本実施例では、用紙に形成する画像のトナー載り量(付着量)を5つのトナー載り量区分に区分けし、それぞれのトナー載り量区分に属する画像を形成する際の印刷位置ずれ量を記憶する。そのため、印刷位置ずれ量は、トナー載り量区分ごとのずれ量を有する。なお、理想的な画像形成領域は、4辺の長さが予め決まった長さの長方形であり、画像形成領域の一辺が用紙の所定辺と平行であり、且つ、用紙の所定辺と当該所定辺に平行な画像形成領域の一辺との距離が所定距離となっている。
【0051】
印刷位置ずれ量は、例えば、直角補正量、台形補正量、リード位置、サイド位置、長手方向の倍率、短手方向の倍率というパラメータによって表される。これらパラメータは幾何特性を補正するために用いる補正データに相当する。直角補正量は画像形成領域の任意の角が直角に対してずれている量を表す。例えば、直角補正量は、画像形成領域の長手方向に印刷された直線に対して理想的な垂線を算出し、その理想垂線と短手方向に印刷された直線とのずれ量である。台形補正量は、用紙の伸縮のずれ量を表す。例えば、台形補正量は、用紙に対する印刷開始位置から短手方向に短手後端まで印刷された直線と、用紙の長手後端の位置から短手方向に短手後端まで印刷された直線とのずれ量である。リード位置及びサイド位置は、それぞれ用紙に対する短手方向と長手方向との印刷位置ずれ量を表す。
【0052】
リード位置は、搬送方向において用紙先端を起点とした画像の印刷開始位置を変更することで調整される。サイド位置は、搬送方向に平行な用紙端部を起点とした画像の印刷開始位置を変更することで調整される。具体的には、露光装置223が感光ドラム153へ照射するレーザ光の照射開始タイミングを調整することで、リード位置及びサイド位置が調整される。例えば、CPU114は露光装置223を制御してレーザ光の照射開始タイミングを調整する。
【0053】
短手方向の倍率は、短手方向の理想的な長さに対する短手方向における実際の画像形成領域の長さのずれ(倍率)を表す。短手方向の倍率は、具体的には、感光ドラム153の回転速度、又は、中間転写ベルト154の回転速度を制御することで調整される。例えば、CPU114は、感光ドラム153を回転するモータ(不図示)の回転速度を調整する。あるいは、例えば、CPU114は、中間転写ベルト154を回転するモータ(不図示)の回転速度を調整する。長手方向の倍率は、長手方向の理想的な長さに対する長手方向における実際の画像形成領域の長さのずれ(倍率)を表す。長手方向の倍率は、具体的には、露光装置223において、画像データに基づくレーザ光の変調の際に、レーザ光のクロック周波数を制御することで調整される。例えば、CPU114は露光装置223を制御してクロック周波数を制御する。あるいは、CPU114が、出力画像の印刷位置が理想的な印刷位置となるように、画像データに画像処理を実行する構成としてもよい。出力画像の印刷位置を理想的な印刷位置にするための画像処理は、例えば、アフィー変換などの画像処理である。
【0054】
コントローラ110は、印刷ジョブに基づいて用紙に出力画像を形成する場合、印刷位置ずれ量に基づいて、用紙上の理想的な印刷位置に画像が形成されるように印刷位置を調整する。コントローラ110は、用紙ライブラリ600の印刷位置ずれ量を参照して、印刷位置が理想的な印刷位置となるように、画像データに画像処理を行う。そして、コントローラ110は、プリンタ150を制御して、画像処理された画像データに基づいて画像を対象の用紙へ印刷させる。
【0055】
印刷位置ずれ量の各項目の初期値は0である。用紙ライブラリ600に用紙が新規登録された場合や、用紙が登録されていても印刷位置調整が行われていない場合には、初期値が印刷位置ずれ量として用いられる。
【0056】
(印刷位置ずれ量の決定方法)
図7は、長さ(A)~長さ(V)の実測値から印刷位置ずれ量を算出する方法を表した模式図である。項目801~812は、印刷位置ずれ量を表す各項目である。調整用画像700のパラメータは、リード位置801、サイド位置802、長手方向の倍率803、短手方向の倍率804、直角補正量805、及び台形補正量806を含む。調整用画像701のパラメータは、リード位置807、サイド位置808、長手方向の倍率809、短手方向の倍率810、直角補正量811、及び台形補正量812を含む。
【0057】
調整用画像700、及び701の測定値820、及び印刷位置ずれ量822は、同じ計算式に基づいて算出される。さらに調整用画像700、及び701の同じ種類のパラメータには同じ理想値が設定される。測定値820は、図6に示す長さ(A)~(V)の実測値から、項目毎に設定された計算式に基づいて算出される。
【0058】
リード位置801(807)の測定値820は、用紙の搬送方向先頭の端部から、近傍の補正用マーク720までの距離C、E(K、M)の平均値に相当する。サイド位置802(808)の測定値820は、用紙の搬送方向に対して図6において左側の端部から、近傍の補正用マーク720までの距離F、J(N、R)の平均値に相当する。長手方向の倍率803(809)の測定値820は、長手方向において同一線上に並ぶ補正用マーク720間の距離の平均値に相当する。短手方向の倍率804(810)の測定値820は、短手方向において同一線上に並ぶ補正用マーク720間の距離の平均値に相当する。直角補正量805(811)の測定値820は、用紙の搬送方向先端側の補正用マーク720を結んだ直線の垂線を基準線とした場合に、用紙の搬送方向後端側の補正用マークの前述の基準線に対する短手方向のずれ量S、T(U、V)に相当する。台形補正量806(812)の測定値820は、用紙の搬送方向先端側に並んだ補正用マーク720間の距離と、用紙の搬送方向後端側に並んだ補正用マーク720間の距離との差分に相当する。
【0059】
列821は、対応する各項目の理想値である。補正用マーク720は、理想的にはそれぞれ対応する用紙端から理想値だけ離れた位置に印刷される。リード位置、及びサイド位置の理想値は、例えば1[cm]である。長手方向の倍率の理想値は、用紙ライブラリ600に登録された前記用紙の長手方向の用紙長から、例えば2[cm]短い長さである。短手方向の倍率の理想値は、用紙ライブラリ600に登録された前記用紙の短手方向の用紙長から、例えば2[cm]短い長さである。
【0060】
列822は、測定値820と理想値821とに基づいて、各項目の最終的な印刷位置ずれ量を算出する計算式を表す。リード位置、及びサイド位置の印刷位置ずれ量は、測定値から理想値を減算することで算出される(単位はmm)。長手方向の倍率、及び短手方向の倍率の印刷位置ずれ量は、測定値から理想値を減算したものを理想値で除算することで算出される(単位は%)。直角補正量、及び台形補正量は測定値がそのまま補正量として用いられる。算出された各印刷位置ずれ量は用紙ライブラリ600に保存される。
【0061】
(操作パネル)
図8は、操作パネル120に表示される用紙種類の設定画面900である。用紙種類の設定画面900には、給紙段の設定状況901、印刷位置調整ボタン902、用紙登録ボタン903が表示される。給紙段の設定状況901は、給紙段に登録された用紙種類を表示する。なお、図8において、給紙段1は給紙段140a(図1)に対応し、給紙段2は給紙段140b(図1)に対応し、給紙段3は給紙段140c(図1)に対応し、給紙段4は給紙段140d(図1)に対応し、給紙段5は給紙段140e(図1)に対応する。
【0062】
図8においては、5つの給紙段のそれぞれに、ABC製紙 リサイクル1、ABC製紙 リサイクル2、DEF製紙 エンボス紙A-1、DEF製紙 コート紙P-1、XYZ製紙 カラー81が登録されている。印刷位置調整ボタン902は後述の図9(A)に示す画面へ遷移するためのボタンである。用紙登録ボタン903は、選択した給紙段に用紙種類を登録するためのボタンである。用紙登録ボタン903が押下されると、図4の用紙ライブラリ編集画面が表示される。そして、選択ボタン423が押下されると、用紙ライブラリ編集画面において選択された用紙が、オペレータによって選択された給紙段に登録される。なお、印刷位置調整ボタン902、および用紙登録ボタン903は、給紙段の用紙設定状況901において給紙段が選択されていない場合は押下できない。
【0063】
図9(A)は、操作パネル120に表示される印刷位置調整画面1000である。印刷位置調整画面1000は、印刷位置調整ボタン902(図8)が押下されると表示される。印刷位置調整画面1000は、初期調整ボタン1001、プリント調整ボタン1002、戻るボタン1003により構成される。初期調整ボタン1001は、後述の図9(B)の初期調整画面1010に遷移するためのボタンである。プリント調整ボタン1002は、後述の図9(C)のプリント調整画面1020に遷移するためのボタンである。戻るボタン1003は、用紙種類の設定画面900(図8)に遷移するためのボタンである。
【0064】
図9(B)は、操作パネル120に表示される初期調整画面1010である。初期調整画面1010は、初期調整ボタン1001が押下されると表示される。給紙段の選択1011は、給紙段を指定するためのコンボボックスである。コンボボックスでは、図8に示した給紙段1から給紙段5までの5つの給紙段が選択可能であり、給紙段に登録された用紙種類も表示される。コンボボックスでは、実行ボタン1012は、給紙段の選択1011で選択した給紙段の用紙に対して、図10の調整用画像を使って、初期表裏位置調整(後述)を行うためのボタンである。コントローラ110は実行ボタン1012が押下されると初期表裏位置調整の処理を開始する。キャンセルボタン1013は、初期表裏位置調整をキャンセルするためのボタンであり、ボタンが押下されると初期表裏位置調整の処理をキャンセルし印刷位置調整画面1000に戻る。
【0065】
図9(C)は、操作パネル120に表示されるプリント調整画面1020である。プリント調整画面1020は、プリント調整ボタン1002が押下されると表示される。プリント調整有効チェックボックス1021は、プリント表裏位置調整(後述)の有効/無効を切り替えるチェックボックスである。枚数設定ボックス1022は、プリント表裏位置調整を実施する間隔の印刷枚数を入力するテキストボックスである。枚数毎設定1021にレ点がチェックされている場合、枚数設定ボックス1022に入力されている枚数が印刷される毎に調整が実施される。枚数毎設定1021にレ点がチェックされていない場合、プリント表裏位置調整は実施しない。枚数設定ボックス1022に入力された枚数設定はRAM113上のプリント調整実行間隔枚数の情報として記憶される。OKボタン1023を押下すると、プリント調整の設定をRAM113に保存し印刷位置調整画面1000に戻る。キャンセルボタン1024を押下すると、プリント調整の設定を保存せず印刷位置調整画面1000に戻る。
【0066】
(初期表裏位置調整)
画像形成装置100のCPU114が実行する初期表裏位置調整を図11のフローチャートに基づいて説明する。フローチャートの各ステップにおける制御は、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0067】
図11に示す初期表裏位置調整においては、オペレータが印刷する出力画像に適した調整用シートを、図10に示した予め決められたトナー載り量の異なる5種類の調整用画像を使用して、各トナー載り量に対応する補正値を算出する。これによって、実際の出力物に生じる印刷位置ずれ量を高精度に求めることができ、オペレータが実際に印刷したい出力画像に適した印刷位置の補正値を求めることができる。
【0068】
オペレータが操作パネル120から設定画面900(図8)の表示を要求すると、CPU114は操作パネル120に設定画面900を表示させる(S1201)。CPU114は、オペレータが印刷位置調整ボタン902を押下するまで待機する(S1202)。印刷位置調整ボタン902が押下されると、CPU114は操作パネル120に印刷位置調整画面1000(図9(A))を表示させる(S1203)。そして、CPU114は、初期調整ボタン1001、プリント調整ボタン1002、あるいは戻るボタン1003のいずれかが押下されるまで待機する(S1204)。
【0069】
次に、CPU114は、ステップS1204において押下されたボタンが初期調整ボタン1001であるか否かを判定する(S1205)。ステップS1205において、初期調整ボタン1001が押下された場合、CPU114はステップS1206へ処理を移行する。一方、押下されたのが初期調整ボタン1001以外の場合はステップS1207に移行する。ステップS1207では、ステップS1204において押下されたボタンがプリント調整ボタン1002であるか否かを判定する。プリント調整ボタン1002が押下された場合、CPU114はステップS1209へ処理を移行する。一方、押下されたのが戻るボタン1003の場合はステップS1203へ処理を移行する。
【0070】
ステップS1209のプリント調整設定については後述するためここでの説明は省略する。
【0071】
初期調整ボタン1001が押下されると、CPU114は操作パネル120に初期調整画面1010(図9(B))を表示させる(S1206)。ステップS1206において、オペレータは、初期表裏位置調整を行う用紙が収容された給紙段を選択する。CPU114は、実行ボタン1012、あるいはキャンセルボタン1013のいずれかが押下されるまで待機する。
【0072】
次に、CPU114は、ステップS1206において押下されたボタンが実行ボタン1012であるか否かを判定する(S1210)。CPU114は、ステップS1206において、キャンセルボタン1013が押下された場合、CPU114はステップS1203へ処理を移行する。
【0073】
一方、実行ボタン1012が押下された場合、CPU114は、プリンタ150を制御して、オペレータによって選択された給紙段に収容された用紙に、調整用画像を印刷させる(S1211~S1212)。例えば、オペレータが給紙段3のDEF製紙 エンボス紙A‐1を選択した場合、CPU114はHDD115から調整用画像70‐1を読み出す(S1211)。次に、プリンタ150は給紙段140cから給紙した用紙に読み出した調整用画像70‐1を印刷する(S1212)。プリンタ150は用紙の表面に調整用画像70‐1を印刷した後、フラッパ132と搬送ローラによって反転部136へ向けて調整用シートを搬送する。プリンタ150は反転部136において調整用シートを反転させた後、フラッパ133と搬送ローラによって調整用シートを搬送経路138へ搬送し、この調整用シートの裏面に再び調整用画像70‐1を印刷する。その後、プリンタ150は調整用シートを読取装置160へ搬送する。
【0074】
そして、CPU114は、読取装置160を制御して、調整用シートの調整用画像700、及び701を読み取る(S1213)。CPU114は、読取装置160の搬送ローラによって調整用シートを搬送しながら、ラインセンサ312a、及び312bによって調整用画像を読み取る。読取装置160から排紙された調整用シートはフィニッシャ190の排紙トレイに排出される。
【0075】
CPU114は、ステップS1213において読取装置160が調整用シートを読み取った結果を取得し、読取結果を図7に示す算出方法に基づいて印刷位置ずれ量を算出する(S1214)。CPU114は、ステップS1214において計算された印刷位置ずれ量を、オペレータによって選択された給紙段の印刷用紙に対応させて用紙ライブラリ600に保存する(S1215)。次に、CPU114は全ての調整用画像についての初期表裏位置調整が終了したか否かを判定する(S1216)。まだ終了していない場合、ステップS1211に移行し、次の調整用画像(ここでは70-2)をHDD115から読み出して初期表裏位置調整を実施する。一方、全ての調整用画像について初期表裏位置調整が終了していた場合、初期表裏位置調整の処理を終了する。
【0076】
(画像形成処理)
次に、画像形成装置100のCPU114が実行する画像形成処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。図3に示すフローチャートの各ステップは、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0077】
先ず、CPU114は、ホストコンピュータ101から印刷ジョブが入力されると、印刷ジョブに含まれる用紙の種類に関する情報を取得する(S100)。次に、CPU114は、印刷ジョブのページ単位の画像データから求められるトナー載り量情報を取得する(S101)。CPU114は、ステップS100、ステップ101において取得された情報に基づいて、印刷ジョブにおいて指定された用紙の印刷位置ずれ量が保存されているか否かを判定する(S102)。ステップS102において、CPU114は、用紙ライブラリ600を参照して、指定された用紙の印刷位置ずれ量が初期値0以外の値であるか否かを判定する。
【0078】
ステップS102において指定された用紙の印刷位置ずれ量が初期値0以外の値ならば、CPU114は、指定された用紙の印刷位置ずれ量を読み出す(S103)。CPU114は、印刷ジョブに含まれる画像データをビットマップ画像に展開し、印刷位置ずれ量に基づいてビットマップ画像をアフィー変換する(S104)。CPU114は、プリンタ150を制御して、指定された用紙を給紙装置140から給紙し、ビットマップ画像に基づいて給紙された用紙に出力画像を形成する(S105)。そして、CPU114は画像形成処理を終了する。
【0079】
また、ステップS102において指定された用紙の印刷位置ずれ量が初期値0ならば、CPU114は、ステップS105へ移行する。このとき、画像データには、印刷位置ずれ量に基づくアフィー変換が実行されない。そして、CPU114は、プリンタ150を制御して指定された用紙を給紙し、画像データに基づいて指定された用紙に出力画像を形成し、画像形成処理を終了する。
【0080】
以上、上記で説明した制御フローを印刷ページ単位で実行することで、印刷するページ毎のトナー載り量に対応する印刷位置ずれ量から画像位置の補正を行うことが出来る。
【0081】
(プリント表裏位置調整)
次に、プリント表裏位置調整について説明する。
【0082】
まず、プリント表裏レジ補正の実施間隔設定について、図12に基づいて説明する。フローチャートの各ステップにおける制御は、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0083】
ステップS1207(図11)において、プリント調整ボタン1002が押下されステップS1209へ処理を移行すると、ステップS1301においてCPU114は操作パネル120にプリント調整画面1020(図9(C))を表示させる。
【0084】
ステップS1302においてCPU114は、プリント調整有効チェックボックス1021がレ点有りの場合は、RAM113上のプリント表裏レジ実施フラグを1にし、レ点無しの場合は、プリント表裏レジ実施フラグを0にする。また、枚数設定ボックス1022に入力されている枚数の数値をRAM113上のパラメータであるプリント調整実行間隔枚数に保存する。OKボタン1023が押下された時に、プリント表裏レジ実施フラグが1であればステップS1303に進む。キャンセルボタン1024が押下されたらプリント表裏レジ実施フラグを0にして本フローチャートを終了する。
【0085】
ステップS1303においてCPU114は、プリント表裏位置調整の調整用シート削減機能の設定画面1030(図9(D))を表示する。ユーザーが設定した調整用シート枚数の削減機能のチェックボックス1031がレ点有りの場合は、RAM113上の調整用チャート枚数削減機能実施フラグを1にし、レ点無しの場合は、調整用シート枚数削減機能実施フラグを0にする。CPU114は、表裏ずれ許容量1032に入力されている許容値をRAM113上のパラメータである表裏位置ずれ許容値に保存する。OKボタン1033が押下された時に調整用シート枚数削減機能実施フラグが1であればステップS1304に進む。調整用シート枚数削減機能実施フラグが0であれば本フローチャートを終了する。戻るボタン1034が押下されたらプリント調整画面1020(図9(C))に戻る(図示せず)。
【0086】
ステップS1304においてCPU114は、前述した初期表裏位置調整によって算出されたトナー載り量の異なる調整用画像の印刷位置ずれ量の情報から、RAM113に記憶されている表裏位置ずれ許容値に収まるかを判定する。次に、同じ位置ずれの特性を持つ調整用チャートを同一の位置ずれ特性区分にまとめることを行う。位置ずれ特性区分判定処理についての詳細な説明は後ほど行う。
【0087】
ステップS1305においてCPU114は、同一の位置ずれ特性区分に分類された調整用画像から1つを選択して、調整用シート枚数削減機能により選択された調整用画像を表示し、ユーザーに報知する。具体的な例として図14の位置ずれ特性区分と調整用画像との関係を示す図を用いて説明する。用紙名称1501は2つの位置ずれ特性区分に分類され、位置ずれ特性区分1で選択する調整用画像は70-1~70―3から1つ、位置ずれ特性区分2で選択する調整用画像は70-4~70―5から1つを選択する。用紙名称1502は3つの位置ずれ特性区分に分類され、位置ずれ特性区分1で選択する調整用画像は70-1、位置ずれ特性区分2で選択する調整用画像は70-2~70―3、位置ずれ特性区分3で選択する調整用画像は70-4~70―5から1つを選択する。
【0088】
同じ位置ずれ特性区分に含まれる調整用画像が複数ある場合には、CPU114がトナー載り量の一番少ない調整用画像を選択することで調整用シートを印刷する際のトナー消費を低減する。あるいは、CPU114が同じ位置ずれ特性区分に含まれる調整用画像の各印刷位置ずれ量の平均値を算出し、各印刷位置ずれ量の平均値と比較して平均値に近い印刷位置ずれ量の数が一番多い調整用画像を選択することで補正精度を優先するようにしてもよい。
【0089】
ステップS1306においてCPU114は、OKボタン1041が押下されるとステップS1307へ進み、戻るボタン1042が押下されたらステップ1303へ戻る。
【0090】
ステップS1307においてCPU114は、位置ずれ特性区分に対応する調整用画像を確定し、用紙ライブラリには、各トナー載り量区分の調整画像に対応する位置ずれ特性区分の情報と位置ずれ特性区分に対応する調整画像が登録される(図示せず)。更に、同じ位置ずれ特性区分に含まれる調整用画像の印刷位置ずれ量を確定した調整用画像の印刷位置ずれ量に上書き更新を行う。
【0091】
次に、位置ずれ特性区分判定処理について図13のフローチャートを用いて説明する。フローチャートの各ステップにおける制御は、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0092】
ステップS1401においてCPU114は、RAM113上のパラメータである、判定面Fを表面、比較する基準画像となる基準画像番号Lを1、基準画像と比較する対象の比較画像番号Nを2、ズレ特性区分番号Mを1に初期化する。主走査方向ずれ残許容値Vm及び副走査方向ずれ残許容値Vsを設定画面1030(図9(D))で設定されRAM113上に記憶されている表裏位置ずれ許容値に初期化する。
【0093】
ステップS1402においてCPU114は、主走査方向の位置ずれ特性判定処理を開始する。ここで主走査方向とはシートが搬送される搬送方向に直交する方向である。
【0094】
ステップS1403においてCPU114は、用紙ライブラリ600に記憶された基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であれば直角補正量805、裏面であれば直角補正量811を読み出す。次に差分絶対値を算出して、主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっているかを判断する。主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっている場合にはステップS1404に進む。主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0095】
ステップS1404においてCPU114は、主走査ずれ残許容値Vmを差分絶対値を引いた値で更新する。
【0096】
ステップS1405においてCPU114は、基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であれば台形補正量806、裏面であれば台形補正量812を読みだして差分絶対値を算出する。次に算出した差分絶対値が主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっているかを判断する。主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっている場合にはステップS1406に進み、主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0097】
ステップS1406においてCPU114は、主走査ずれ残許容値Vmを差分絶対値を引いた値で更新する。
【0098】
ステップS1407においてCPU114は、基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であればサイド位置802、裏面であればサイド位置808を読みだして差分絶対値を算出する。次に算出した差分絶対値が主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっているかを判断する。主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっている場合にはステップS1408に進み、主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0099】
ステップS1408においてCPU114は、主走査ずれ残許容値Vmを差分絶対値を引いた値で更新する。
【0100】
ステップS1409においてCPU114は、基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であれば長手方向の倍率803、裏面であれば長手方向の倍率809の測定値820を読み出す。次に印刷ずれ量情報を算出する際に計算される長手理想値差(図7の長手方向倍率803の印刷位置ずれ量822の計算式の分子の値)の差分絶対値を算出する。次に算出した差分絶対値が主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっているかを判断し、主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっている場合にはステップS1410に進み、主走査ずれ残許容値Vm以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0101】
ステップS1410においてCPU114は、調整用画像NとLの主走査方向の位置ずれ量が表裏位置ずれ許容値以内に収まったので、次に副走査方向の位置ずれ特性判定処理を開始する。副走査方向とは主走査方向に直交する方向であり、搬送方向に平行な方向である。
【0102】
ステップS1411においてCPU114は、基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であればリード位置801、裏面であればリード位置807を読みだして差分絶対値を算出する。次に算出した差分絶対値が副走査ずれ残許容値Vs以内に収まっているかを判断する。副走査ずれ残許容値Vsに収まっている場合にはステップS1412に進み、副走査ずれ残許容値Vs以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0103】
ステップS1412においてCPU114は、副走査ずれ残許容値Vsを差分絶対値を引いた値で更新する。
【0104】
ステップS1413においてCPU114は、基準画像番号Lと比較画像番号Nのトナー載り量区分の印刷位置ずれ量から判定面Fが表面であれば短手方向の倍率804、裏面であれば短手方向倍率810の測定値820を読み出す。次に印刷すれ量情報を算出する際に計算される短手理想値差(図7の短手方向の倍率804の印刷位置ずれ量822の計算式の分子の値)の差分絶対値を算出する。次に算出した差分絶対値が副走査ずれ残許容値Vs以内に収まっているかを判断し、副走査ずれ残許容値Vs以内に収まっている場合にはステップS1415に進み、副走査ずれ残許容値Vs以内に収まっていない場合にはステップS1414に進む。
【0105】
ステップS1414においてCPU114は、表裏位置ずれ許容値に収まらなかったので基準画像番号NをL、位置ずれ特性区分番号Mに1を加算した値に更新する。
【0106】
ステップS1415においてCPU114は、判定面Fが裏面であればステップS1417に進み、表面であればステップS1416へ進む。
【0107】
ステップS1416においてCPU114は、判定面Fを裏面に更新してステップS1402へ戻り、表面と同様に裏面に対しても表裏位置ずれ許容値に収まるかを判断する。
【0108】
ステップS1417においてCPU114は、前ステップがS1415からの場合には比較画像番号Nと基準画像番号Lの調整用画像の印刷位置ずれ量が表裏位置ずれ許容値に収まっているので、同じ位置ずれ特性区分Mに確定する。前ステップがS1414である場合には比較画像番号Nと基準画像番号Lの調整用画像の印刷位置ずれ量が表裏位置ずれ許容値に収まらなかったので、比較画像番号Nの調整用画像は基準画像番号Lの位置ずれ区分に1加算した位置ずれ区分Mに確定する。
【0109】
ステップS1418においてCPU114は、全ての調整用画像の判定完了をチェックして全ての調整用画像の位置ずれ特性区分の判定が終わっていなければステップS1419に進む。全ての調整用画像の位置ずれ特性区分の判定が終われば本フローチャートを終了する。
【0110】
ステップS1419においてCPU114は、判定面Fを表面、比較画像番号Nを1加算した値に更新してステップS1402に戻る。
【0111】
以上説明した位置ずれ特性区分判定処理によって、先に説明した図14のように各調整用画像の位置ずれ特性区分が確定する。
【0112】
次に、プリント表裏位置調整が実行された時の印刷位置ずれ量の更新処理について図15のフローチャートを用いて説明する。フローチャートの各ステップにおける制御は、CPU114がROM112に格納されたプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0113】
ステップS1601においてCPU114は、印刷ジョブに基づきユーザコンテンツとしての出力画像を形成するプリント動作が開始されると両面印刷であるかを判断して、両面印刷である場合にはステップS1602に進む。
【0114】
ステップS1602においてCPU114は、プリント表裏位置調整の設定が有効であるかをチェックして、有効である場合にはステップS1603に進む。有効でない場合にはステップS1601に戻る。
【0115】
ステップS1603においてCPU114は、給紙段から給紙が実行されるのを待ち、給紙がされるとステップS1604へ進む。
【0116】
ステップS1604においてCPU114は、プリント調整カウンタを加算してステップS1605へ進む。
【0117】
ステップS1605においてCPU114は、プリント調整カウンタがプリント調整実行間隔枚数に到達したかを判定し、到達していたらステップS1606へ進む。到達していなければS1601に戻る。
【0118】
ステップS1606においてCPU114は、プリント調整カウンタを0クリアしてステップ1607に進む。
【0119】
ステップS1607においてCPU114は、RAM113上に確保したトナー載り量区分Nを1に初期化してステップS1608へ進む。
【0120】
ステップS1608においてCPU114は、RAM113に記憶されている調整用チャート枚数削減機能実施フラグから調整用シート枚数削減設定が有効であるかを判定する。有効である場合にはステップS1613へ進み、有効でない場合にはステップS1609へ進む。
【0121】
ステップS1609においてCPU114は、トナー載り量区分Nの調整用画像を印刷した調整用シートの印刷と読み取りを行いステップS1610へ進む。
【0122】
ステップS1610においてCPU114は、トナー載り量区分Nの調整用シートの読取結果から印刷位置ずれ量を算出して用紙ライブラリ600に記憶されている印刷位置ずれ量の情報を更新してステップ1611に進む。
【0123】
ステップS1611においてCPU114は、トナー載り量区分Nに1を加算してステップS1612へ進む。
【0124】
ステップS1612においてCPU114は、トナー載り量区分Nが5を超えているかをチェックして、5を超えていたら5種類の調整用画像の調整用シートの印刷と印刷位置ずれ量の情報更新が完了したと判断してステップS1618に進む。5を超えていなければステップS1609に戻る。
【0125】
ステップS1613においてCPU114は、トナー載り量区分Nの用紙ライブラリ600に記憶されている位置ずれ特性区分に対応する調整用画像の調整用シートの印刷と読み取りを行いステップS1614へ進む。
【0126】
ステップS1614においてCPU114は、トナー載り量区分Nの調整用シートの読取結果から印刷位置ずれ量を算出して用紙ライブラリ600に記憶されている印刷位置ずれ量の情報を更新してステップ1615に進む。
【0127】
ステップS1615においてCPU114は、トナー載り量区分Nに1を加算してステップS1616へ進む。
【0128】
ステップS1616においてCPU114は、トナー載り量区分Nが5を超えているかをチェックして、5を超えていたら5種類の調整用画像の調整用シートの印刷と印刷位置ずれ量の情報更新が完了したと判断してステップS1618に進む。5を超えていなければステップS1617に進む。
【0129】
ステップS1617においてCPU114は、用紙ライブラリ600に記憶されているトナー載り量区分N-1とトナー載り量区分Nの位置ずれ特性区分を比較する。位置ずれ特性区分に変化がなければステップS1614へ進み、トナー載り量区分N-1の印刷位置ずれ量の情報でトナー載り量区分Nの印刷位置ずれ量の情報を上書き更新する。位置ずれ特性区分に変化があればステップS1613へ進み、トナー載り量区分Nに対応する調整用画像の調整用シートの印刷と読み取りを行う。
【0130】
ステップS1618においてCPU114は、ユーザーが設定した印刷ジョブの印刷が全て終了したかをチェックして、印刷が終了していなければステップS1601へ進み、終了していれば本フローチャートを終了する。
【符号の説明】
【0131】
70-1~70-5 調整用画像
114 CPU
150 プリンタ
160 読取装置
図1
図2
図3
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図5
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図16