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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163825
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ポリウレア樹脂の不燃化方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 175/02 20060101AFI20241115BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20241115BHJP
   C09D 5/18 20060101ALI20241115BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20241115BHJP
   C09D 1/00 20060101ALI20241115BHJP
   B05D 1/36 20060101ALI20241115BHJP
   B05D 5/00 20060101ALI20241115BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20241115BHJP
   C09K 21/02 20060101ALN20241115BHJP
【FI】
C09D175/02
C09D201/00
C09D5/18
C09D7/61
C09D1/00
B05D1/36 Z
B05D5/00 E
B05D7/24 302T
B05D7/24 301P
C09K21/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2023089198
(22)【出願日】2023-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】523199999
【氏名又は名称】浅川 武彦
(71)【出願人】
【識別番号】594052515
【氏名又は名称】石沢 美樹男
(72)【発明者】
【氏名】石沢 美樹男
【テーマコード(参考)】
4D075
4H028
4J038
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AC57
4D075AE03
4D075BB16X
4D075BB60Z
4D075CA18
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA06
4D075DC01
4D075DC05
4D075EA06
4D075EA35
4D075EB01
4D075EB02
4D075EB07
4D075EB11
4D075EB15
4D075EB31
4D075EB38
4D075EB45
4D075EC01
4D075EC03
4D075EC07
4D075EC11
4D075EC24
4D075EC33
4H028AA05
4H028AA09
4H028BA04
4J038AA011
4J038CD021
4J038DG001
4J038DL021
4J038HA446
4J038KA21
4J038KA22
4J038NA15
4J038PB05
4J038PC06
(57)【要約】
【課題】 本発明は、ポリウレア樹脂等の表面に、難燃性や不燃性の接着性組成物を塗布したり吹付けたりして前記ポリウレア樹脂を難燃化及び不燃化させる方法の提供を目的とする。
【解決の手段】 任意形状の物体や任意寸法の物体にポリウレア樹脂をコーティングして、前記ポリウレア樹脂の表面を難燃化させる合成樹脂難燃化組成物を所定量塗布し十分に乾燥させた後に、前記合成樹脂難燃化組成物の内部や表面を不燃化させる水性不燃化接着組成物を所定量塗布することで、前記ポリウレア樹脂表面を不燃化させることを特徴とする、ポリウレア樹脂の不燃化方法を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意形状の物体や任意寸法の物体にポリウレア樹脂を塗布した後に硬化させ、前記ポリウレア樹脂塗布面を難燃化させる難燃化接着組成物を所定量塗布し十分に乾燥させた後に、前記難燃化接着組成物塗布体の内部や表面を不燃化させる不燃化接着組成物を所定量塗布することで、前記難燃化接着組成物塗布体内部や前記難燃化接着組成物塗布体表面部を不燃化させることを特徴とする、ポリウレア樹脂の不燃化方法。
【請求項2】
前記難燃化接着組成物が、合成樹脂系バインダー、無機系多孔質粉体、助剤物質、で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法。
【請求項3】
前記不燃化接着組成物が、水性無機バインダー、無機系多孔質粉体や有機系粉体、助剤物質、で構成されることを特徴とする、請求項1に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法。
【請求項4】
前記無機系多孔質粉体が、珪藻土、モンモリロナイト、ゼオライト、火山灰、パーライト、発泡ガラス、セメント、石炭灰、バーミキュライト、貝殻焼成体、等の粉末の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項2及び請求項3に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法。
【請求項5】
前記有機系粉体が、植物、植物焼結炭、パルプ、食物繊維、プラスチック、等の粉末の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする、請求項3に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法。
【請求項6】
前記助剤物質が、粘度調節剤、硬化剤、着色剤の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項2及び請求項3に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレア樹脂及びポリウレア発泡体の不燃化方法及びこれに使用する接着性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、任意形状の物体や任意寸法の物体にポリウレア樹脂をコーティングして、前記物体の防水性、耐薬品性、耐摩耗性、耐熱性、防食性を向上させる、ライニング材としてのポリウレア樹脂が一般的に知られるようになってきた。
ポリウレア樹脂とは、イソシアネートとポリアミンの化学反応で生成されるウレア結合を基本とした樹脂化合物であり、数秒から数分で硬化する速乾性はあらゆる状況での使用を可能にし、施工の幅を広げてきたことも市場に指示される理由の一つとされる。
また、グレードによっては900%以上の伸長率を有することが一般的に知られており、その柔軟性がもたらす強度は軍事施設の防爆対策としても使用されるほどであると報告されている。
【0003】
上述したように優れたライニング材としてのポリウレア樹脂の唯一の弱点として、若干の耐熱性はあるものの、火災には耐えないとされていて、その為に関連する業界の開発者によって、耐火性や防火性や防炎性や難燃性を向上させるための開発が為されるようになってきた。
例えば、ポリウレア発泡体の難燃剤が、リン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする、「ポリウレア発泡体」の開発案件が知られている。詳細は特許文献1を参照すること。
【0004】
また例えば、二重船底構造の台船の上に、集成材と断熱材と金属板を接合した複層板を接着剤と連結金物で施工した強固な船室を設置し、複層ポリウレア樹脂と断熱不燃塗料で被覆して衝撃性能と環境性能と耐火性能を強化し、地震や火災に耐える防災シエルターとして使用し、水害の被災時は水面には浮揚して、国民の生命と財産を守ることを目的にした「息災延命浮揚箱」の開発案件が知られている。詳細は特許文献2を参照すること。
【0005】
また例えば、コンテナ養殖施設用不燃・断熱構造体の外壁・屋根材は、板状再生多孔質軽量発泡資材板と発泡樹脂断熱材を接着剤で貼り合わせ表面にポリウレア樹脂を吹付けコーティングして形成され壁面用・屋根用のポリウレア樹脂複合材の繋ぎ目にガラス繊維ネットバンドが形成され、この表面全体にガラス塗料を塗布して成る事を特徴とするコンテナ養殖施設用不燃・断熱化囲い壁構造体であることを特徴とする「再生多孔質軽量発泡資材を使った養殖施設の断熱と不燃化」の開発案件が知られている。詳細は特許文献3を参照すること。
【0006】
また例えば、不燃能力と断熱能力に優れた発泡ガラス材料が板状に形成された再生多孔質軽量発泡資材板と発泡樹脂断熱材板を接着剤で張り合わせて形成される複合板材を所定の寸法に切り出し接着剤で複数張り合わせて作った水槽で再生多孔質軽量発泡資材板が外側に発泡樹脂断熱材板が内側に配置し、複合板材の一部または全部の表面にポリウレア樹脂を吹付けコーティングし、表面防火に不燃ガラス塗料を表面に塗布したことを特徴とした不燃・床置き水槽であることを特徴とする「火災時の燃料補充役に繋がらない為に再生多孔質軽量発泡資材を板状に成形して製造、それを用いて水槽や設備を造り提供する養殖飼育システム」の開発案件が知られている。詳細は特許文献4を参照すること。
【0008】
【特許文献1】特許登録第6925554号公報
【特許文献2】登録実用新案第3216207号公報
【特許文献3】特許登録第6629953号公報
【特許文献4】特許登録第6564969号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところが、特許文献1の「ポリウレア発泡体」の開発案件は、ポリウレア発泡体の難燃剤であるリン酸塩含有難燃剤、臭素含有難燃剤、ホウ素含有難燃剤、アンチモン含有難燃剤及び金属水酸化物から選ばれる少なくとも一つを、ポリウレア発泡体を現場で吹き付ける時に原料に混合させることを特徴とするが、現場での作業性や混合時のバラツキの問題が指摘されている。
また例えば、ポリウレア発泡体を現場で吹き付ける場合には、専用の吹付け塗布機が必要であり、さらに「適切な電力の供給」や「塗布機の圧力管理」や「塗布機の温度管理」や「使用するガンの種類」や「使用するミックスチャンバーの選択」等の確認が非常に大切であり、誤った認識での使用は塗膜の混合不良や施工不良につながり、非常に危険であると言う指摘を受けている。
【0010】
また、特許文献2の「息災延命浮揚箱」の開発案件は、例えば当該明細書中の段落(0015)で記載された「~一層目のポリウレア樹脂又はウレタンウレア樹脂と一体となって硬化した、複層ポリウレア樹脂又はウレタンウレア樹脂の塗膜上に、断熱不燃塗料を塗装して保護」すると記載されているが、断熱不燃塗料に関しての詳細な記載がなく、一般的に知られた「不燃塗料」は水性である場合が多く、水性の断熱不燃塗料では複層ポリウレア樹脂又はウレタンウレア樹脂の塗膜上に対しての付着性や密着性や係着性に対して問題点があるという指摘を受けている。
【0011】
また特許文献3の「再生多孔質軽量発泡資材を使った養殖施設の断熱と不燃化」の開発案件は、例えば明細書中の段落(0045)で記載された「~さらに表面に不燃ガラス塗料を塗布する事により表面で火災を防ぎ、深部まで進ませないためである。」と記載されているが、不燃ガラス塗料に関しての詳細な記載がなく、一般的に知られた「不燃ガラス塗料」は水性である場合が多く、水性の不燃ガラス塗料ではポリウレア樹脂複合材の上に対しての付着性や密着性や係着性に問題点があるという指摘を受けている。
【0012】
また特許文献4の「火災時の燃料補充役に繋がらない為に再生多孔質軽量発泡資材を板状に成形して製造、それを用いて水槽や設備を造り提供する養殖飼育システム」の開発案件は、例えば明細書中の段落(0024)で記載された「~さらに、ガラス繊維ネット及びネットバンドの上からセメントモルタル二次の仕上げ塗りが行われます、そして最後の仕上げは不燃ガラス塗料が塗布されます」と記載されているが、不燃ガラス塗料に関しての詳細な記載がなく、一般的に知られた「不燃ガラス塗料」は水性である場合が多く、水性の不燃ガラス塗料ではポリウレア樹脂の上に対しての付着性や密着性や係着性に問題点があるという指摘を受けている。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するために成されたものであり、本明細書で記載された、ポリウレア樹脂、ポリウレア発泡体、複層ポリウレア樹脂、ポリウレア樹脂複合材、等の表面に、難燃性や不燃性の接着性組成物を塗布したり吹付けたりして前記ポリウレア樹脂を難燃化や不燃化させる方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
課題を解決するための第1の手段(請求項1)は、任意形状の物体や任意寸法の物体にポリウレア樹脂を塗布した後に硬化させ、前記ポリウレア樹脂塗布面を難燃化させる難燃化接着組成物を所定量塗布し十分に乾燥させた後に、前記難燃化接着組成物塗布体の内部や表面を不燃化させる不燃化接着組成物を所定量塗布することで、前記難燃化接着組成物塗布体内部や前記難燃化接着組成物塗布体表面部不燃化させると言う現象を本願発明者が見出し本発明に至ったことを特徴とする、ポリウレア樹脂の不燃化方法を提供することである。
【0015】
また、前記ポリウレア樹脂に関しては、一般的によく知られた材料であるため市場で入手可能なタイプであれば何を用いても構わない。
また、本明細書でポリウレア樹脂に関する記述は、ポリウレア発泡体、複層ポリウレア樹脂、ポリウレア樹脂複合材、等も含むものとする。
また前記難燃化接着組成物を構成する接着組成物に関しては、前記ポリウレア樹脂塗布面に接着すると考えられる接着材料であれば何を用いても構わないものとする。例えば、フェノール樹脂や、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニール樹脂、シリコン樹脂、変成シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、シリコンゴム、等が一般的に知られており、これらの中から少なくとも一つを選択して用いればよい。
また前記不燃化接着組成物を構成する接着組成物に関しては、一般的にその一部として、一般的に市販されている水性不燃性接着剤や水性不燃性塗料も含むものと考えても構わない。この場合、水性不燃性接着剤の主なる成分の一つとしては水ガラス系接着組成物やシラノール系接着組成物やコロイダルシリカ系接着組成物等から選択して用いても構わない。また、水性不燃性塗料の主なる成分の一つとしては水ガラス系接着組成物やシラノール系接着組成物やコロイダルシリカ系接着組成物等から選択して用いても構わない。
【0016】
課題を解決するための第2の手段(請求項2)は、前記難燃化接着組成物が、合成樹脂系バインダー、無機系多孔質粉体、助剤物質、で構成されることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段(請求項1)に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法を提供することである。
【0017】
前記合成樹脂系バインダーに関しては、一般的に市販されている熱硬化性樹脂や難燃性樹脂の中から少なくとも一つを選択して用いることが好ましい。例えば前記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂や、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、などが一般的に入手しやすい材料として知られており、これらの中から少なくとも一つを選択して用いればよい。また例えば前記難燃性樹脂としては、フェノール樹脂や、メラミン樹脂、塩化ビニール樹脂、シリコン樹脂、変成シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、シリコンゴム、等が一般的に知られており、これらの中から少なくとも一つを選択して用いればよい。
前記無機系多孔質粉体に関しては、本発明での用途の一つに、無機系多孔質粉体が有する物質吸着効果を利用することであり、前記無機系多孔質粉体に所定量の前記合成樹脂系バインダーを吸着させ十分に乾燥させた後に、前記無機系多孔質粉体と前記合成樹脂との混合物が形成されることで前記合成樹脂系バインダーの難燃化が可能になると言う現象を本願発明者が見出し本発明に至ったので、前記難燃化現象の効果を発揮可能な無機系で多孔質な材料であれば何を用いても構わないものとする。
前記助剤物質に関しては、本明細書で記載された前記無機系多孔質粉体の効果が向上できるように判断された材料であれば何を用いても構わないものとする。
【0018】
課題を解決するための第3の手段(請求項3)は、前記不燃化接着組成物が、水性無機バインダー、無機系多孔質粉体、有機系粉体、助剤物質、で構成されることを特徴とする、課題を解決するための第1の手段(請求項1)に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法を提供することである。
【0019】
前記水性無機バインダーに関しては、一般的にその一部として、一般的に市販されている水性不燃性接着剤や水性不燃性塗料も含むものと考えても構わない。この場合、水性不燃性接着剤の主なる成分の一つとしては水ガラス系接着組成物やシラノール系接着組成物やコロイダルシリカ系接着組成物等から選択して用いても構わない。また、水性不燃性塗料の主なる成分の一つとしては水ガラス系接着組成物やシラノール系接着組成物やコロイダルシリカ系接着組成物等から選択して用いても構わない。
前記無機系多孔質粉体に関しては、本発明での用途の一つに、無機系多孔質粉体が有する物質吸着効果を利用することであり、前記無機系多孔質粉体に所定量の前記水性無機バインダーを吸着させ十分に乾燥させた後に、前記無機系多孔質粉体と前記水性不燃性接着剤や前記水性不燃性塗料との混合物を生成させることで難燃性を有しない物質や不燃性を有しない物質を不燃化させる水性不燃化混合物を得ることが可能なれば無機系で多孔質な材料であれば何を用いても構わないものとする。
前記助剤物質に関しては、本明細書で記載された前記不燃化接着組成物の効果が向上できるように判断された材料、例えば粘度の向上が可能、不燃性や難燃性が向上する材料、接着性が向上する材料、耐火性や断熱性が向上する材料、であれば何を用いても構わないものとする。
【0020】
なお、前記水ガラス系接着組成物の水ガラスに関しては、一般的には珪酸カリウムや珪酸ナトリウム等の濃厚水溶液のことを示し、一般的に市販されている水ガラスは水を100重量部であるとすると、前記珪酸カリウムや珪酸ナトリウムは10~30重量部位であり、本発明では珪酸ナトリウムの水溶液を用いるのが好ましい。また、珪酸ナトリウムは、化学式:NaSiO・nHOで表される珪酸塩の一つであり、それ自体は粉末状固体であるが、多くの場合、水溶液として市販されていて、入手しやすい材料の一つである。
また、前記シラノール系接着組成物のシラノールに関しては、金属シリコンの水和反応により得られるシロキサン骨格を有する構造であればどんなタイプでもよい。
さらに、前記コロイダルシリカ系接着組成物のコロイダルシリカに関しては、水系塗料に多く使用されており、入手しやすいタイプのもの(粒子径5~300μm)でよいが、好ましくは、その粒度を調整する必要がある。好ましい粒子径の範囲は、一般的に10~20μmであり、粒子径が10μm未満であると、コロイダルシリカはゲル化が起こりやすくなり、高濃度のものが得られにくいため、接着剤として使用すると接着部に亀裂が入りやすくなる。なお、コロイダルシリカは他の水ガラス系接着組成物やシラノール系接着組成物に比べ、結合力が小さいため通常の条件下できるだけ高濃度の液、好ましくは35~40重量%のものが用いられる。一方、粒子径が20μmを超えると接着強度が小さくなるので好ましくない。特に好ましい粒子径の範囲は、15~20μmである。
なお、コロイダルシリカは負に帯電した無定型シリカ粒子が水中に分散したコロイド溶液で、加熱すると大部分の結晶水は200℃で失われ表面のシラノール基が脱水縮合して粒子間にシロキサン結合を形成し耐水性を持った構造に変化するので、耐水性を要求する部位の使用には好ましい。
【0021】
課題を解決するための第4の手段(請求項4)は、珪藻土、モンモリロナイト、ゼオライト、火山灰、パーライト、発泡ガラス、セメント、石炭灰、バーミキュライト、貝殻焼成体、等の粉末の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする、課題を解決するための第2の手段(請求項2)及び課題を解決するための第3の手段(請求項3)に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法を提供することができる。
【0022】
前記珪藻土に関しては、産地によって成分や色や比重がバラつく傾向のある材料であることが知られており、利用する用途によっては敬遠される場合があるため、珪藻土を原料にして作られたセライトが利用される場合が多い。セライトは珪藻土に比べ比重が0.2~0.3で軽く多孔質のために断熱性に優れる白色の粉体で安定性に優れ、主成分は二酸化ケイ素で耐熱温度は約1700℃であることから本発明ではセライトの利用が好ましい。また本発明では前記セライトの断熱性や吸着作用に着目して本発明に至った。
前記モンモリロナイトに関しては、層間に水を取入れ著しく膨潤する性質がありイオン交換性が高い。含水量150%で粘着力を生じ、鋳物砂型の結合剤、肥料分を吸着させるための客土などに用いられる。本発明では前記モンモリロナイトの結合剤としての機能や吸着作用に着目して本発明に至った。
前記ゼオライトに関しては、沸石とも呼ばれミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩であり、細孔径は0.3~1nmである。一般的には、イオン交換材料、触媒および吸着材料として利用され、工業的に重要な物質であることから、現在では自然界から採掘されるもの以外に様々な構造および物性を持つ合成ゼオライトが工業的に利用されている。本発明では前記ゼオライトの吸着材料としての機能に着目して本発明に至った。
前記火山灰に関しては、一般的にはシラスやシラスバルーンと呼ばれ、工業的には耐火材料・耐熱材料・断熱材料として利用され、多孔質材料であることから水はけも良く農業用には土壌改良剤として活用されている。本発明では前記火山灰が多孔質材料であり耐火性や耐熱性や断熱性にも優れていることに着目して本発明に至った。
前記パーライトに関しては、ガラス質の火山岩を高温で加熱し、急激に水分を蒸発させることで内部の構造を多孔質化させていることから、比重が軽く、排水性や保水性、通気性に優れながら断熱性にも優れている。本発明では前記パーライトが多孔質材料であり通気性に優れながら断熱性にも優れていることに着目して本発明に至った。
前記発泡ガラスに関しては、廃ガラス100%を原料とする軽量発泡材料であり、軽量、多孔質で透水性、保水性に優れていることから、その用途は幅広く、土木、緑化、建築、農業、水質浄化などに用いられている。本発明では前記発泡ガラスが軽量、多孔質で透水性、に優れていることに着目して本発明に至った。
前記セメントに関しては、前記水性不燃性接着剤や前記水性不燃性塗料との反応性に優れ化合物を生成し硬化剤として利用される。ただ耐火性が弱いため、耐火性や耐熱性が要求される場合はアルミナセメントを利用する。従って本発明ではアルミナセメントの利用が好ましい。また本発明では前記水性不燃性接着剤や前記水性不燃性塗料との反応性に優れ化合物を生成し硬化剤として機能することに着目して本発明に至った。
前記石炭灰に関しては、別名フライアッシュとも呼ばれ、主成分は二酸化ケイ素や酸化アルミニウムなので耐熱温度は約1700~約2000℃であることを特徴とする。比重は1.0で比較的軽く、多孔質なので断熱性を有する。本発明では前記石炭灰が多孔質で断熱性を有することに着目して本発明に至った。
前記バーミキュライトに関しては、二酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムを主成分としているので、耐熱温度は約1700~約2000℃で耐火材として優れ、比重は約0.1と軽く多孔質材料であり、断熱性が高いため断熱材料として優れている。本発明では前記バーミキュライトの耐熱性や耐火性や耐熱性や吸着作用に着目してに着目して本発明に至った。
前記貝殻焼成体に関しては、一般的には焼成ホタテガイ貝殻が知られており、抗菌・抗カビ効果があることが特徴である。本発明では前記貝殻焼成体の抗菌・抗カビ効果に着目して本発明に至った。
【0023】
課題を解決するための第5の手段(請求項5)は、前記有機系多孔質粉体が、植物の粉末、植物焼結炭粉末、パルプの粉末、食物繊維の粉末、発泡プラスチックの粉末、の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする、課題を解決するための第3の手段(請求項3)に記載のポリウレア樹脂の不燃化方法を提供できる。
【0024】
前記植物の粉末が、植物のどの部分でも乾燥させて粉状にしたものであれば何を用いても構わない。例えば、植物の果実、花、葉、枝、幹、根などを乾燥させて粉状にしたものであれば何を用いても構わない。また前記植物の粉末は、市販されている食品乾燥機や粉砕機などの機器を用いて作ることは可能である。
また前記植物の粉末には様々な種類があるが、例えば、でん粉(植物が光合成で作ったグルコースを蓄えるために形成する粉末)は、米、小麦、とうもろこし、じゃがいもなどに含まれているが、これらを単独で用いても任意で組み合わせて用いても構わないものとする。また、米粉、小麦粉、とうもろこし粉末、じゃがいも粉末などを単独で用いても任意で組み合わせて用いても構わない。
前記植物焼結炭粉末に関しては、植物のどの部分でも炭化させて粉状にしたものであれば何を用いても構わない。例えば、植物の果実、花、葉、枝、幹、根などを炭化させて粉状にしたものであれば何を用いても構わない。
前記パルプの粉末に関しては、木材などの植物体を機械的・化学的に処理してほぐし、セルロース繊維を分離し水に懸濁した状態や厚紙状にしたものをいい、製造法により化学パルプと機械パルプの二種に大別され、紙・人造繊維などの原料となるものであれば、何を用いても構わない。なお、前記パルプに関しては、バージンパルプでも古紙パルプどちらでも使用可能である。
食物繊維の粉末に関しては、まず食物繊維に関しては、(a)水溶性食物繊維、(b)海藻に含まれる水溶性食物繊維、(c)不溶性食物繊維、(d)不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の特性をあわせ持つもの、(e)粘性食物繊維、(f)非粘性食物繊維、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
また(a)水溶性食物繊維に関しては、ペクチン(植物の細胞壁における細胞間接着物質であり、果物に多く含まれる)、グアー豆酵素分解物(増粘安定剤として用いられる)、グルコマンナン(コンニャク芋の貯蔵炭水化物であり、こんにゃくの原料)、βグルカン(キノコ類に多く含まれる)、ポリデキストロース(化学的に合成された人工の水溶性食物繊維)、フルクタン(ラッキョウ、キクイモ、アーティチョークなどに含まれるフルクトース分子の重合体である。イヌリン、レバン、グラミナンもフルクタンに含まれる。)、イヌリン(ゴボウやキクイモなどキク科植物の根や地下茎に含まれる貯蔵炭水化物)、アラビアガム(アカシア属アラビアゴムノキ、またはその同属近縁植物の樹皮の傷口からの分泌物を乾燥させたもの)、マルチトール、サイリウム、難消化性オリゴ糖、難消化性デキストリン、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
また(b)海藻に含まれる水溶性食物繊維に関しては、アガロース(海藻のうち紅藻の細胞壁の主要構成要素であり、紅藻から抽出される寒天の主成分)、アルギン酸ナトリウム(海藻のうち褐藻の細胞壁の主要構成要素であり、コンブなどに含まれる)、カラギーナン(ヤハズツノマタやスギノリなどの紅藻類に多く含まれる多糖類)、フコイダン、ポルフィラン、ラミナラン、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
また(c)不溶性食物繊維に関しては、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等は、植物の細胞壁の主要構成要素で、野菜など植物性食品から多く得られる。キチン、キトサン等は、甲殻類の殻や菌類の細胞壁などの主成分である。等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
また(d)不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の特性をあわせ持つものに関しては、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)が知られている。
また(e)粘性食物繊維(溶けるとゲル状となり栄養吸収をゆっくりとさせる。)に関しては、ペクチン、βグルカン、グアーガム、サイリウム、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
また(f)非粘性食物繊維(溶けるとゲル状となり栄養吸収をゆっくりとさせる。)に関しては、セルロース、リグニン、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
前記発泡プラスチックの粉末に関しては、まず発泡プラスチックは、合成樹脂中にガスを細かく分散させて発泡状(フォーム)または多孔質形状に成形されたものを指し、固体である合成樹脂と気体の不均一分散系とも定義できるものであれば何を用いても構わない。発泡プラスチックは、軽量で断熱性や緩衝性に優れるなどの特徴を持つことが知られている。また発泡プラスチックの種類には、ポリウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォーム、ポリプロピレンフォーム、等が知られており、これらを単独で用いても任意に組み合わせて用いても構わないものとする。
【0025】
また、前記有機系多孔質粉体の粉末の粒子径に関しては、約0.1μm~1mmで使用可能であるが、好ましくは約1~100μmであるが、前記有機系多孔質粉体の粒子径が100μm以上の場合、レオロジー特性が強すぎて実用的ではないし、前記有機系多孔質粉体の粉末の粒子径が1μm以下であればコストが高くなり実用的ではないが、付加価値の高い成型品に応用する場合はこの限りではない。
また、前記有機系多孔質粉体の添加量は、前記水性不燃性接着剤100重量部に対して0.1~50重量部が好ましいが、好適には1~20重量部が好ましい。例えば、前記水性不燃性接着剤が100重量部の場合、前記パルプの粉末が0.1重量部以下であればレオロジー特性は弱すぎて実用的ではないし、前記有機系多孔質粉体の粉末が20重量部以上であればコストが高くなり実用的ではないが、付加価値の高い成型品に応用する場合はこの限りではない。
【0026】
課題を解決するための第6の手段(請求項6)は、前記助剤物質が、粘度調節剤、硬化剤、着色剤の中から選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする課題を解決するための第2の手段及び課題を解決するための第3の手段(請求項3)に記載の繊維粉末含有無機系接着性組成物を提供できる。
【0027】
前記着色剤に関しては、酸化チタン(白)や酸化鉄(赤)や酸化銅(緑)などの金属酸化物系の無機系着色剤や一般的に市販されている顔料系の着色剤であれば何を用いても構わない。また、前記無機系着色剤の添加量は前記水性不燃性接着剤100重量部に対して0~50重量部が可能であるが、好適には約1~約20重量部の使用が好ましい。また、前記水性不燃性接着剤が100重量部であるとすると、前記無機系着色剤が1重量部以下であれば着色効果は弱すぎて実用的ではないし、前記無機系着色剤が20重量部以上であればコストが高くなり実用的ではない。また、前記無機系着色剤は、前記水性不燃性接着剤に対し、製造工程の前、製造工程の間または製造工程の後であれば、いずれの時点でも、添加することができる。
【0028】
前記硬化剤に関しては、珪藻土、セライト、カオリナイト、イライト、タルク、モンモリロナイト、コージェライト、ムライト、セピオライト、貝殻焼結体粉末、等から選択して用いれば良い。
前記粘度調節剤としては、小麦粉、米粉、澱粉、ゼラチン、寒天、カラギーナン、コラーゲン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニールアルコールなどから選択して用いればよい。
また、前記硬化剤や前記粘度調節剤の添加量は前記繊維粉末含有無機系接着性組成物100重量部に対して0~50重量部が可能であるが、好適には約1~約20重量部の使用が好ましい。また、前記水性不燃性接着剤が100重量部であるとすると、前記硬化剤や前記粘度調節剤が1重量部以下であれば硬化性や増粘効果は弱すぎて実用的ではないし、前記硬化剤や前記粘度調節剤が20重量部以上であればコストが高くなり実用的ではない。
また、前記液体成分分離防止物質は、前記繊維粉末含有無機系接着性組成物に対し、製造工程の前、製造工程の間または製造工程の後であれば、いずれの時点でも、添加することができるが、好適には、後の時期が、実用上、特に有利である。
【発明の効果】
【0030】
以上の構成からなる本発明のポリウレア樹脂の不燃化方法を提供できることで、以下のような優れた効果を奏することができる。
(1)本明細書で記載された課題を解決するための第1の手段(請求項1)から本明細書で記載された課題を解決するための第6の手段(請求項6)の発明により、前記ポリウレア樹脂塗布面に難燃化接着組成物を所定量塗布し十分に乾燥させた後には、前記難燃化接着組成物塗布体の内部や表面から合成樹脂無機混合組成物に含まれる有機系溶剤が除去され、その結果前記難燃化接着組成物塗布体内部や前記難燃化接着組成物塗布体表面部に合成樹脂組成物と無機系多孔質粉体の混合体が形成されることで、前記無機系多孔質粉体混合体が難燃化される。その結果難燃化されたポリウレア樹脂の提供が可能になる。
【0031】
(2)上述された発明の効果(1)によりさらなる発明の効果として、本発明の実施者が、本発明のポリウレア樹脂の不燃化に至らずとも、難燃化で充分であると判断した場合には、前記難燃化接着組成物を前記ポリウレア樹脂塗布面の難燃化接着剤としての利用が可能になる。
また例えば、前記難燃化接着剤は、本明細書で記載された合成樹脂系バインダーを利用することで、紙類や布類や合成樹脂系シート材を接着できるので、一例として、前記ポリウレア樹脂塗布面に、意匠性や抗菌性や遮光性や断熱性や遮音性や吸音性や脱臭性や防虫性等の中から任意に選択された機能性を単独で用いたり組み合わせて用いたりすることが可能なシート体を前記ポリウレア樹脂塗布面に係着させることが可能になる。
【0032】
(3)上述された発明の効果(1)によりさらなる発明の効果として、前記ポリウレア樹脂塗布面に難燃化接着組成物を所定量塗布し十分に乾燥させた後には、前記難燃化接着組成物塗布体の内部や表面から合成樹脂無機混合組成物に含まれる有機系溶剤が除去され、その結果前記難燃化接着組成物塗布体内部や前記難燃化接着組成物塗布体表面部に合成樹脂組成物と無機系多孔質粉体の混合体が形成されることで、前記合成樹脂無機混合体が難燃化された後に、前記合成樹脂無機混合体は本明細書で記載された前記難燃化接着組成物塗布体の内部や表面として、前記難燃化接着組成物塗布体内部及び前記難燃化接着組成物塗布体表面部に本明細書で記載された不燃化接着組成物を所定量塗布することで、前記難燃化接着組成物塗布体内部に所定量の不燃化接着組成物が浸透し前記難燃化接着組成物塗布体内部に不燃性の混合体が形成され不燃化接着組成物塗布体内部が形成されることを特徴とし、前記難燃化接着組成物塗布体表面部に所定量の不燃化接着組成物が付着し前記難燃化接着組成物塗布体表面部に不燃性の塗膜が形成され不燃化接着組成物塗布体塗膜部が形成されることを特徴とする。
その結果、不燃化されたポリウレア樹脂の提供が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例0035】
本発明は以上の構成によるがまず第1の実施の形態例としては、あらかじめ、ビーカーに日本工業規格JIS K1408に規定の水ガラス3号250gを用意しておく。この水ガラス溶液に乾燥バージンパルプを臼で約5μmの粉末にしたものを約50gを入れハンドミキサー(500回転/1分間)を用いて室温(約20℃)のもとで約3分間混練することで、不燃性水性接着剤300gを得た。
次に、ビーカーに市販されていて入手が容易な塩ビ樹脂接着剤140gを用意しておく。この塩ビ樹脂接着剤溶液に市販され入手が容易なシラスバルーン約60gを入れハンドミキサー(500回転/1分間)を用いて室温(約20℃)のもとで約3分間混練することで、合成樹脂無機混合組成物200gを得た。
次に、20cm×20cm×1cmの板材3枚の片面にポリウレアを乾燥時に2mmになるように吹き付けたポリウレア試験体を3体用意して、夫々ポリウレア試験体P1、ポリウレア試験体P2、ポリウレア試験体P3、とする。
【実施例0036】
次に第2の実施の形態例としては、実施例1のポリウレア試験体P1・P2・P3の表面に実施例1の合成樹脂無機混合組成物20gをハケで塗布し約12時間室温(約20℃)で放置した後に、ポリウレア試験体P1の表面に実施例1の合成樹脂無機混合組成物20gをハケで塗布し約12時間室温(約20℃)で放置した後に、社内実験室で下記のように燃焼実験を行った。
(A1)品 名:ポリウレア試験体P1
(A2)試験項目:燃焼性
(A3)試験方法:JIS L1091A-2法(45°メッケルバーナー法)準用
・評価基準(以下の基準を満たせば不燃性があるとの評価)
・残炎時間:10秒以下
⇒着炎してもバーナーを外して10秒以内に消炎すれば
問題無しと言う評価
・残じん時間:30秒以下
⇒くすぶりが生じても30秒以下であれば問題無しと言う評価
・炭化面積:70cm2以下
・加熱終了より15分後に発炎及びくすぶりが認められないこと。
(A4)試験項目 (A5)試験結果
・燃焼性(2分加熱:残炎時間[秒])────────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:残炎時間+残じん時間)────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:燃焼面積[cm2])──────────101cm2
⇒70cm2以下と言う評価基準には至らなかったが、有機系材料
としては難燃性は認められた。
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間[秒])─────────0秒
⇒着炎は生じたが燃焼はしなかった。
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間+残じん時間)──────0秒
⇒着炎は生じたが燃焼はしなかった。
・燃焼性(着炎後6秒加熱:燃焼面積[cm2])───────23cm2
⇒70cm2以下と言う基準は達成した。
・燃焼性(加熱終了後のくすぶり(分))───────────60分
⇒加熱終了より15分後に発炎及びくすぶらない、と言う基準には至らなかった。
※総合評価
上記評価基準を全て満たすことは出来なかったがので、ポリウレア試験体P1は不燃材料とは評価されないが、上記4項目は不燃性が認められたので、有機系材料であることを勘案すると難燃性材料であると判断される。
【実施例0037】
次に第3の実施の形態例としては、実施例2のポリウレア試験体P2とポリウレア試験体P3の表面に、実施例1の不燃性水性接着剤30gをハケで塗布し約12時間室温(約20℃)で放置した後に、社内実験室で下記のように燃焼実験を行った。
(B1)品 名:ポリウレア試験体P2
(B2)試験項目:燃焼性
(B3)試験方法:JIS L1091A-2法(45°メッケルバーナー法)準用
・評価基準(以下の基準を満たせば不燃性があるとの評価)
・残炎時間:10秒以下
⇒着炎してもバーナーを外して10秒以内に消炎すれば問題無し
と言う評価
・残じん時間:30秒以下
⇒くすぶりが生じても30秒以下であれば問題無しと言う評価
・炭化面積:70cm2以下
・加熱終了より15分後に発炎及びくすぶりが認められないこと。
(B4)試験項目 (B5)試験結果
・燃焼性(2分加熱:残炎時間[秒])────────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:残炎時間+残じん時間)─────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:燃焼面積[cm2])──────────41cm2
⇒炭化面積が70cm2以下と言う基準は満たしている。
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間[秒])─────────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間+残じん時間)──────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(着炎後6秒加熱:燃焼面積[cm2])───────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(加熱終了後のくすぶり(分))───────────10分
⇒加熱終了より15分後に発炎及びくすぶらない、と言う基準は満たした。
※総合評価
上記評価基準を全て満たしているので、ポリウレア試験体P2は不燃材料であると判断される。
【実施例0038】
次に第4の実施の形態例としては、実施例3のポリウレア試験体P3の表面に、実施例1の不燃性水性接着剤30gをハケで塗布し約12時間室温(約20℃)で放置した後に、社内実験室で下記のように燃焼実験を行った。
(C1)品 名:ポリウレア試験体P3
(C2)試験項目:燃焼性
(C3)試験方法:JIS L1091A-2法(45°メッケルバーナー法)準用
・評価基準(以下の基準を満たせば不燃性があるとの評価)
・残炎時間:10秒以下
⇒着炎してもバーナーを外して10秒以内に消炎すれば問題無しの評価
・残じん時間:30秒以下
⇒くすぶりが生じても30秒以下であれば問題無しと言う評価
・炭化面積:70cm2以下
・加熱終了より15分後に発炎及びくすぶりが認められないこと。
(C4)試験項目 (C5)試験結果
・燃焼性(2分加熱:残炎時間[秒])────────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:残炎時間+残じん時間)─────────0秒
⇒燃焼はしなかった。
・燃焼性(2分加熱:燃焼面積[cm2])──────────41cm2
⇒炭化面積が70cm2以下と言う基準は満たしている。
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間[秒])─────────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(着炎後6秒加熱:残炎時間+残じん時間)──────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(着炎後6秒加熱:燃焼面積[cm2])───────着炎せず
⇒ほぼ不燃であったと言う評価
・燃焼性(加熱終了後のくすぶり(分))───────────5分
⇒加熱終了より15分後に発炎及びくすぶらない、と言う基準は満たした。
※総合評価
上記評価基準を全て満たしているので、ポリウレア試験体P3は不燃材料であると判断される。今回の3点の試験体の中では最も不燃性が高い。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明のポリウレア樹脂の不燃化方法で用いた材料は、他の燃焼しやすい材料の分野にも応用できるため、産業上の利用可能性は大きいと判断できる。