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特開2024-163827ベースプレート、スピンドルモータ、ディスク駆動装置及びベースプレートの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163827
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】ベースプレート、スピンドルモータ、ディスク駆動装置及びベースプレートの製造方法
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/12 20060101AFI20241115BHJP
   G11B 19/20 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G11B33/12 313C
G11B19/20 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023106524
(22)【出願日】2023-06-28
(31)【優先権主張番号】P 2023079560
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】板垣 元也
(72)【発明者】
【氏名】三好 健太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 通浩
(72)【発明者】
【氏名】光成 貴士
(72)【発明者】
【氏名】古谷 涼
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 精二
(72)【発明者】
【氏名】今堀 正博
(57)【要約】      (修正有)
【課題】引け巣を低減可能なベースプレート及びそのようなベースプレートの製造方法、スピンドルモータ並びにディスク駆動装置を提供する。
【解決手段】ディスク駆動装置において、ベースプレート41は、ディスク駆動装置の筐体の一部となり、金属製のダイカスト部材から成り、底壁部411と、筒状の筒壁部414と、を備える。底壁部は、上下方向に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がり、筒壁部は、回転軸に沿って底壁部の上面から上方に突出し、内部にシャフトが挿通されるシャフト貫通孔415と、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部414aと、を有する。段差部の外周面の少なくとも一部において、加工面Aが、形成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク駆動装置の筐体の一部となり、金属製のダイカスト部材から成るベースプレートであって、
上下方向に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がる底壁部と、
前記回転軸に沿って前記底壁部の上面から上方に突出し、内部にシャフトが挿通されるシャフト貫通孔を有した筒状の筒壁部と、を備え、
前記筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部を有し、
前記段差部の外周面の少なくとも一部において、加工面が、形成されている、ベースプレート。
【請求項2】
前記段差部の外周面において前記加工面と周方向に隣接して鋳造面を有し、
前記加工面における面粗度は、前記鋳造面における面粗度よりも小さい、請求項1に記載のベースプレート。
【請求項3】
前記加工面の上端は、前記段差部の外周面の上端に位置し、
前記加工面の下端は、前記段差部の外周面の下端に位置する、請求項1又は請求項2に記載のベースプレート。
【請求項4】
軸方向から視て、前記加工面の上端における周方向両端が成す中心角は、90°以上110°以下である、請求項3に記載のベースプレート。
【請求項5】
軸方向から視て、前記加工面の上端における周方向両端を通る直線は、前記筒壁部の内周面よりも径方向外側に位置する、請求項3に記載のベースプレート。
【請求項6】
前記段差部及び前記底壁部を軸方向に貫通して周方向に複数並んで配置され、モータに接続されるワイヤ線が挿通されるワイヤ貫通孔をさらに有し、
前記ワイヤ貫通孔の少なくとも一つは、前記回転軸を挟んで前記加工面と径方向に対向する、請求項1又は請求項2に記載のベースプレート。
【請求項7】
前記底壁部は、下面が軸方向上側に凹んで形成されるとともに複数の前記ワイヤ貫通孔が内部に配置される凹部を有する、請求項6に記載のベースプレート。
【請求項8】
請求項1に記載のベースプレートと、
前記回転軸に沿って延び、下端部が前記シャフト貫通孔に挿通される前記シャフトと、
前記ベースプレートの上面に配置されて前記シャフトを囲む環状のステータコアと、
前記回転軸周りに回転するロータと、
前記シャフトを前記回転軸として前記ロータを回転可能に支持する軸受ユニットと、を備え、
前記シャフトは、
下端部に配置され、軸方向下側に向かうに従って外径が小さく形成されたシャフト傾斜部を有する、スピンドルモータ。
【請求項9】
前記シャフトを前記シャフト貫通孔に挿通する前の状態において、
前記シャフト貫通孔の最小内径は、前記シャフト傾斜部上端の外径よりも小さく、前記シャフト傾斜部下端の外径よりも大きい、請求項8に記載のスピンドルモータ。
【請求項10】
前記シャフトは、
前記シャフト傾斜部よりも軸方向上側に配置され、前記シャフト貫通孔の内周面と接触するシャフト接触部を有し、
前記シャフト接触部の軸方向の長さは、前記シャフト傾斜部の軸方向の長さよりも長い、請求項8又は請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項11】
前記シャフト傾斜部は、前記回転軸を含む断面において、前記回転軸に対する傾斜角が、10°以下である、請求項8又は請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項12】
前記シャフト傾斜部は、前記回転軸を含む断面において、前記回転軸に対する傾斜角が、5°以上である、請求項11に記載のスピンドルモータ。
【請求項13】
前記シャフト傾斜部と前記シャフト貫通孔の内周面との間に接着剤が配置されている、請求項8又は請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項14】
前記シャフト貫通孔は、
前記回転軸と平行に延びて前記シャフトの外周面と接触する柱体部と、
前記柱体部の軸方向下側に配置され、前記柱体部の内径よりも大きい内径を有する孔拡径部と、を有し、
前記孔拡径部の上端は、前記シャフト傾斜部の上端よりも軸方向上側に位置する、請求項8又は請求項9に記載のスピンドルモータ。
【請求項15】
前記孔拡径部は、軸方向下側に向かうに従って内径が大きく形成されている、請求項14に記載のスピンドルモータ。
【請求項16】
前記シャフト貫通孔は、
前記柱体部と前記孔拡径部とを連結する連結部を有し、
前記連結部は、軸方向下側に向かうに従って内径が大きく形成されている、請求項14に記載のスピンドルモータ。
【請求項17】
請求項8に記載のスピンドルモータと、
前記スピンドルモータにより前記回転軸を中心として回転するディスクと、
前記ディスクに対して情報の読み取り又は書き込みを行うヘッドと、を備えるディスク駆動装置。
【請求項18】
前記筐体の内部に空気よりも低密度の気体が充填されている、請求項17に記載のディスク駆動装置。
【請求項19】
ディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートの製造方法であって、
上下に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がり、軸方向から見て矩形状の底壁部と、前記回転軸に沿って前記底壁部の上面から上方に突出して内部にシャフトが配置される筒状の筒壁部と、を金型により一体に鋳造する鋳造工程と、
前記筒壁部の一部を切削する切削工程と、を順に有し、
前記鋳造工程において、前記筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部が一体に形成され、
前記段差部は、外周面の少なくとも一部から突出して上面に跨って形成される肉厚部を有し、
前記切削工程において、前記肉厚部は、切削加工され、前記段差部の外周面の少なくとも一部において、切削加工された加工面が、形成される、ベースプレートの製造方法。
【請求項20】
前記段差部の上面に跨る前記肉厚部の上端は、前記筒壁部の上端よりも軸方向下側に位置する、請求項19に記載のベースプレートの製造方法。
【請求項21】
前記段差部の上面に跨る前記肉厚部の上端は、前記筒壁部の上端よりも軸方向上側に位置する、請求項19に記載のベースプレートの製造方法。
【請求項22】
前記肉厚部は、前記段差部の外周面の全周から径方向に突出する、請求項19に記載のベースプレートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースプレート、スピンドルモータ、ディスク駆動装置及びベースプレートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートは、金属製のダイカスト部材から成り、底壁部と、筒状の筒壁部と、を備える。底壁部は、上下方向に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がる。筒壁部は、回転軸に沿って底板部の上面から上方に突出し、内部にシャフトが挿通されるシャフト貫通孔を有する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-112016号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたベースプレートは、鋳造成形時に筒壁部に引け巣が生じる可能性があった。これにより、筐体の内部に充填された気体が筒壁部に生じた引け巣を介して外部に漏洩する可能性があった。また、引け巣が、シャフト貫通孔の周面に露出してシャフト貫通孔の面精度が低下する可能性があった。これにより、シャフトが回転軸に対して傾いて圧入され、シャフト貫通孔の周面の一部が削れる可能性があった。このとき、シャフトが筒壁部内から抜けやすくなるとともに、削り屑が筒壁部とシャフトの間に介在して筐体の内部に充填された気体が外部に漏洩する可能性があった。また、シャフトが回転軸に対して傾くことにより、ディスクとヘッドとの距離がズレる可能性があった。これにより、ディスクの読み出しエラー又はディスクへの書き込みエラーが、生じる可能性もあった。
【0005】
本発明は、引け巣を低減可能なベースプレート及びベースプレートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なベースプレートは、ディスク駆動装置の筐体の一部となり、金属製のダイカスト部材から成る。ベースプレートは、底壁部と、筒状の筒壁部と、を備える。底壁部は、上下方向に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がる。筒壁部は、回転軸に沿って底壁部の上面から上方に突出し、内部にシャフトが挿通されるシャフト貫通孔を有する。筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部を有する。段差部の外周面の少なくとも一部において、加工面が、形成されている。
【0007】
本発明の例示的なベースプレートの製造法は、ディスク駆動装置の筐体の一部となるベースプレートの製造方法であって、鋳造工程と、切削工程と、を順に有する。鋳造工程は、底壁部と、筒状の筒壁部と、を金型により一体に鋳造する。底壁部は、上下に延びるディスクの回転軸に対して垂直に拡がり、軸方向から見て矩形状である。筒壁部は、回転軸に沿って底壁部の上面から上方に突出して内部にシャフトが配置される。切削工程は、筒壁部を切削して整形する。鋳造工程において、筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部が一体に形成される。段差部は、外周面の少なくとも一部から径方向に突出して上面に跨って形成される肉厚部を有する。切削工程において、肉厚部は、切削加工され、段差部の外周面の少なくとも一部において、切削加工された加工面が、形成される。
【発明の効果】
【0008】
例示的な本発明によれば、引け巣を低減可能なベースプレート及びベースプレートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るディスク駆動装置の縦断面図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るベースプレートを模式的に示す斜視図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るベースプレートの一部を拡大して示す斜視図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るベースプレートの一部を拡大して示す斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るベースプレートの一部を拡大して示す上面図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るベースプレートの一部を拡大して示す縦断面である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るベースプレートの一部を拡大して示す縦断面である。
図8図8は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図11図11は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図12図12は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図14図14は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
図15図15は、本発明の実施形態に係るベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書では、ディスク50の回転軸Jに平行な方向を「軸方向」、回転軸Jに直交する方向を「径方向」、回転軸Jを中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、軸方向を上下方向とし、ベースプレート41に対してカバー42側を上として、各部の形状および位置関係を説明する。ただし、この上下方向の定義により、本発明に係るベースプレート41及びディスク駆動装置1の使用時の向きを限定する意図はない。
【0011】
(1.ディスク駆動装置の構成)
本発明の例示的な一実施形態のディスク駆動装置1について説明する。図1は本発明の実施形態に係るディスク駆動装置1の縦断面図である。
【0012】
ディスク駆動装置1は、ハードディスクドライブである。ディスク駆動装置1は、スピンドルモータ2と、ディスク50と、ヘッド31と、アーム32と、揺動機構33と、筐体40と、を備える。
【0013】
筐体40は、内部にスピンドルモータ2と、ディスク50と、ヘッド31と、アーム32と、揺動機構33と、を収容する。
【0014】
筐体40の内部には、空気よりも低密度の気体が充填されている。これにより、筐体40内部の気流抵抗を減らしてディスク50の振動を低減できる。具体的には、ヘリウムガスが、充填される。なお、ヘリウムガスの代わりに水素ガス等を充填してもよい。
【0015】
筐体40は、アルミニウム合金を材料とするダイカスト部材により形成される。なお、ダイカスト部材はアルミニウム合金以外の金属を用いてもよい。
【0016】
筐体40は、ベースプレート41と、カバー42と、を有する。筐体40の内部には、ベースプレート41上にディスク50、スピンドルモータ2及び揺動機構33が配置される。ベースプレート41の上部の開口は、カバー42により塞がれる。ベースプレート41については後で詳細に説明する。
【0017】
スピンドルモータ2は、ディスク50を支持しながら、回転軸Jを中心としてディスク50を回転させる。すなわち、ディスク50は、スピンドルモータ2により上下方向に延びる回転軸Jを中心として回転する。スピンドルモータ2は、静止部10と回転部20とを有する。静止部10は、筐体40に対して静止する。回転部20は、静止部10に対して回転可能に支持される。
【0018】
静止部10は、シャフト21及びステータ12を有する。また、ベースプレート41の一部は静止部10を構成する。すなわち、スピンドルモータ2は、ベースプレート41を備える。ベースプレート41は、回転部20の下側において回転軸Jに対して垂直に拡がる。ベースプレート41は、スピンドルモータ2の一部であるとともに、筐体40の一部でもある。ステータ12及び軸受ユニット13は、ベースプレート41に固定される。
【0019】
シャフト21は、軸方向に延びる柱状の金属部材である。シャフト21の下端部はベースプレート41に固定されている。本実施形態では、ベースプレート41は、筒状の筒壁部414を有する。筒壁部414は、回転軸Jに沿ってベースプレート41の底壁部411の上面から上方に突出する。シャフト21は、筒壁部414の内部に圧入して固定されている。すなわち、筒壁部414の内部にシャフト21が配置されている。
【0020】
ステータ12は、磁性体であるステータコア121と複数のコイル122とを有する。ステータコア121は、環状のコアバック121a及び複数のティース121bを有する。コアバック121aは、回転軸Jを囲んで配置され、ベースプレート41に固定されるティース121bは、コアバック121aの外周面から径方向外側へ向けて突出し、周方向に複数配置される。複数のコイル122は、ティース121bに巻かれた導線により構成される。
【0021】
軸受ユニット13は、シャフト21の外周部に配置され、回転部20側のハブ(ロータ)22を回転可能に支持する。軸受ユニット13には、例えば、流体動圧軸受機構が用いられる。
【0022】
回転部20は、ハブ22及びマグネット23を有する。ハブ22は、天面部22aと、筒面部22bと、を有する。天面部22aは、軸受ユニット13の外周部に配置され、径方向外側へ向けて拡がる。筒面部22bは、軸方向に延びて筒状に形成され、下端部から径方向外側に延びるフランジ部22cを有する。筒面部22bの外周面に複数のディスク50が軸方向に並んで配置される。
【0023】
マグネット23は、筒面部22bの内周面に固定され、ステータ12の径方向外側に所定距離離れて対向して配置される。マグネット23は、円環状であり、マグネット23の内周面には、N極とS極とが周方向に交互に着磁されている。
【0024】
コイル122に駆動電流が供給されると、複数のティース121bに磁束が生じる。このとき、ティース121bとマグネット23との間で磁束が相互作用し、周方向のトルクが発生する。これにより、静止部10に対して回転部20が、回転軸Jを中心として回転する。ハブ22に支持されたディスク50は、回転部20とともに、回転軸Jを中心として回転する。
【0025】
ディスク50は、中央部に孔を有する円板状の情報記録媒体である。ディスク50は、スピンドルモータ2に装着され、スペーサ24を介して軸方向に互いに平行且つ等間隔に配置されている。
【0026】
ヘッド31は、ディスク50に対して情報の読み出し及び書き込みを磁気的に行う。アーム32は、ピボットポスト413の先端部に、軸受(不図示)を介して取り付けられる。アーム32の先端部には、ヘッド31が配置される。
【0027】
ピボットポスト413は、揺動軸Hに沿って後述するベースプレート41の底壁部411の上面から上方に突出し、円柱状に形成される。
【0028】
揺動機構33は、アーム32及びヘッド31を揺動させるための機構である。揺動機構33を駆動させると、ヘッド31は、アーム32を介して、揺動軸Hを中心に揺動する。このとき、ヘッド31は、ディスク50に対して相対的に移動し、回転するディスク50に近接してアクセスする。
【0029】
(2.ベースプレートの詳細な構成)
図2はベースプレート41を模式的に示す斜視図である。ベースプレート41は、底壁部411と、周壁部412と、ピボットポスト413と、筒壁部414と、シャフト貫通孔415と、を備える。
【0030】
本実施形態では、底壁部411と、周壁部412と、ピボットポスト413と、筒壁部414とは、一体に形成された鋳造品である。なお、底壁部411と周壁部412とは、一体に形成された鋳造品だが、別部材でそれぞれ鋳造された底壁部411及び周壁部412を組み立ててベースプレート41を構成してもよい。
【0031】
底壁部411は、軸方向から見て矩形状であり、上下方向に延びる回転軸J及び揺動軸Hに対して垂直に拡がる。筒壁部414は、回転軸Jに沿って底壁部411の上面から上方に突出し、内部にシャフト21が配置されるシャフト貫通孔415を有する。シャフト貫通孔415は、回転軸J上に配されて底壁部411を軸方向に貫通する。シャフト貫通孔415にはシャフト21が圧入されて底壁部411とシャフト21とが固定される。このとき、筒壁部414は、シャフト21を保持する。
【0032】
周壁部412は、底壁部411の外周縁から軸方向上側に延びて底壁部411の周囲を囲む。周壁部412の上端面にはカバー42がネジ止めされる。
【0033】
ピボットポスト413は、揺動軸Hに沿って底壁部411の上面から上方に突出する。揺動機構33は、ピボットポスト413を介して底壁部411に支持される。
【0034】
図3図4はベースプレート41の筒壁部414の周囲を拡大して示す斜視図である、図3は、ベースプレート41を上方から視た状態であり、図4は、ベースプレート41を下方から視た状態である。図5は、ベースプレート41の筒壁部414の周囲を拡大して示す上面図であり、図6は、ベースプレート41の筒壁部414の周囲を拡大して示す縦断面図である。なお、図3では、説明のために加工面Aと鋳造面Bにハッチングを付して示し、加工痕418を図示しない。一方、図5では、説明のために加工面Aと鋳造面Bにハッチングを付していないが、加工痕418を図示する。
【0035】
筒壁部414は、段差部414aを有する。段差部414aは、筒壁部414の根元部の外周面から径方向外側に突出して環状に形成されている。段差部414aの底部は、底壁部411の上部と一体に形成されている。
【0036】
本実施形態では、段差部414aが外周面に、加工面Aと鋳造面Bとを有する。すなわち、段差部414aの外周面の少なくとも一部において、切削加工された加工面Aが、形成されている。なお、加工面Aは、段差部414aの外周面全体に形成されていてもよい。
【0037】
加工面Aは、後述するベースプレート41の製造方法の第2切削工程(切削工程)において切削加工された領域である。加工面Aは、加工痕418が形成されている。加工痕418は、シャフト貫通孔415を中心とし、周方向に線状に延びるとともに、径方向に複数並んで形成される。鋳造面Bは、段差部414aの外周面において加工面Aと周方向に隣接して鋳造後に切削加工されていない未加工の領域である。加工面A及び鋳造面Bは、後述する電着塗装膜41aにより覆われている。また、加工面Aにおける面粗度は、鋳造面Bにおける面粗度よりも小さい。例えば、鋳造面Bの面粗度は、Ra1.5以上1.8以下であり、加工面Aの面粗度は、Ra0.5以上0.6以下である。
【0038】
また、本実施形態では、段差部414aの外周面は、軸方向上側に向かうに従って径が小さくなるように傾斜しているが(図6参照)、段差部414aの外周面は、底壁部411の上面に対して直立して形成されてもよい。
【0039】
加工面Aは、後述するベースプレート41の製造方法において、段差部414aの外周面の一部から径方向に突出した肉厚部414bを切削加工した際に残った切削痕である(図10参照)。加工痕418も肉厚部414bを切削加工した際に残った切削痕の一部である。本実施形態では、肉厚部414bは、筒壁部414を鋳造する際に、段差部414aの外周面の一部から径方向に突出して段差部414aの上面に跨って形成される。肉厚部414bを形成することにより、段差部414aの一部が、径方向及び軸方向に肉厚になる。引け巣は、鋳造時に溶融金属が冷却されて凝固収縮する際に生じる。このとき、段差部414aにおいて、肉厚部414bと肉厚部414bが形成されていない領域との間で凝固時間に差が生じる。
【0040】
具体的には、肉厚部414bの凝固時間が、肉厚部414bが形成されていない領域の凝固時間よりも長くなり、肉厚部414bに引け巣が生じやすくなる。これにより、引け巣は、筒壁部414の肉厚部414b側に集中して生じ易くなる。従って、筒壁部414の肉厚部414b側に引け巣を発生させることで、引け巣をシャフト貫通孔415から遠ざけて発生させることができる。これにより、引け巣がシャフト貫通孔415から露出することを防止できる。また、肉厚部414bを切削加工した後の筒壁部414に引け巣が残ることを低減できる。従って、引け巣によるシャフト21の傾きを抑制し、筒壁部414を介して筐体40の内部に充填された気体が外部に漏洩することを抑制できる。
【0041】
また、加工面Aの上端は、段差部414aの外周面の上端に位置し、加工面Aの下端は、段差部414aの外周面の下端に位置する。これにより、段差部414aの外周面において、加工面Aが軸方向に広く形成される。従って、筒壁部414を鋳造する際に、段差部414aにおける肉厚部414bの占める領域を大きくし、引け巣をシャフト貫通孔415からより遠ざけて発生させることができる。
【0042】
また、軸方向から視て、加工面Aの上端における周方向両端が成す中心角θは、90°以上110°以下である(図5参照)。中心角θが、90°より小さい場合に、段差部414aにおける肉厚部414bの占める領域が小さくなる。これにより、引け巣は、筒壁部414の肉厚部414b側へシフトして発生し難くなり、引け巣をシャフト貫通孔415から遠ざけて発生させ難くなる。一方、中心角θが、110°より大きい場合に、段差部414aにおける肉厚部414bの占める領域が大きくなるが、引け巣は、筒壁部414の肉厚部414b側へシフトして発生し難くなる。また、引け巣が、大型化し易くなる。これにより、肉厚部414bを切削加工した後の筒壁部414に引け巣が残り、引け巣がシャフト貫通孔415から露出し易くなる。
【0043】
また、軸方向から視て、加工面Aの上端における周方向両端を通る直線Lは、筒壁部414の内周面よりも径方向外側に位置する。これにより、筒壁部414の肉厚部414b側に引け巣を発生させ易くなり、引け巣をシャフト貫通孔415から遠ざけて発生させることができる。これにより、引け巣がシャフト貫通孔415から露出することを防止できる。
【0044】
なお、中心角θが110°よりも大きくてもよく、直線Lが筒壁部414の内周面よりも径方向内側に位置してもよい。また、肉厚部414bを段差部414aの外周面の全周から径方向に突出させてもよい。このとき、肉厚部414bの径方向の厚みを大きく生成することにより、引け巣は、肉厚部414bの径方向外側へさらにシフトして発生し易くなる。これにより、シャフト貫通孔415から遠ざけて発生させることができる。
【0045】
また、段差部414aの上面は、精密加工面Cを有する。精密加工面Cは、後述するベースプレート41の製造方法の整形工程において、加工面Aよりも高精度に切削加工された領域である。精密加工面Cは、後述する含浸剤が浸潤し得る。なお、精密加工面Cの面粗度は、加工面A及び鋳造面Bの面粗度と異なる。
【0046】
また、本実施形態では、段差部414aの上面に跨る肉厚部414bの上端は、筒壁部414の上端よりも軸方向下側に位置する。段差部414aの上面に跨る肉厚部414bは、外周面から突出する段差部414aと一緒に切削される。段差部414aの上面に跨る肉厚部414bを形成することにより、引け巣をシャフト貫通孔415から軸方向に遠ざけて発生させることができる。なお、段差部414aの上面に跨る肉厚部414bの切削痕は、精密加工面Cを形成する際に消える。
【0047】
また、筒壁部414は、段差部414aにより剛性が高くなり、筒壁部414の内部へ圧入されたシャフト21の圧入強度の低下を低減できる。また、筒壁部414の変形を抑制できるため、回転軸Jに対してシャフト21が傾くことを抑制できる。また、鋳造後に肉厚部414bを切削加工して段差部414aの径方向の厚みを周方向において均一にすることにより、筒壁部414が周方向に亘って均一に補強される。これにより、シャフト21が、回転軸Jに対して傾くことをより抑制できる。従って、切削加工後の筒壁部414において引け巣が残ることを低減しながらシャフト21が軸方向に対して傾くことを抑制できる。これにより、スピンドルモータ2は、筒壁部414を介して底壁部411に安定して支持される。
【0048】
ワイヤ貫通孔417は、段差部414a及び底壁部411を軸方向に貫通して周方向に複数並んで配置され、ワイヤ線(不図示)が挿通される。ワイヤ線は、ステータ12から延び、筐体40の外部に引出される。ワイヤ貫通孔417の少なくとも一つは、回転軸Jを挟んで加工面Aと径方向に対向する。本実施形態では、ワイヤ貫通孔417は、周方向に3箇所形成され、2個のワイヤ貫通孔417が、回転軸Jを挟んで加工面Aと径方向に対向する。貫通孔は実施例に限定されず、単数でも必要応じた個数を配置しても良い。
【0049】
これにより、筒壁部414を鋳造する際に、ワイヤ貫通孔417から回転軸Jを挟んで径方向反対側に配置される肉厚部414bに引け巣が生じ易くなる。従って、引け巣をワイヤ貫通孔417から径方向に遠ざけて発生させることができる。これにより、ワイヤ貫通孔417の周囲から筐体40の内部に充填された気体が外部に漏洩することを抑制できる。
【0050】
また、底壁部411は、凹部411aを有する。凹部411aは、底壁部411の下面が軸方向上側に凹んで形成されるとともに複数のワイヤ貫通孔417が内部に配置される。
【0051】
これにより、凹部411a上において、段差部414aが軸方向に薄肉化されるため引け巣が生じ難くなる。これにより、ワイヤ貫通孔417の周囲から筐体40の内部に充填された気体が外部に漏洩することをより抑制できる。なお、凹部411aにはモールド樹脂が充填される。これにより、ワイヤ貫通孔417を介してベースプレート41の気密性が低下することを低減できる。
【0052】
(3.シャフトの詳細な構成)
図7は、ベースプレート41のシャフト21の下端部を拡大して示す縦断面図である。本実施形態では、コアバック121aは、筒壁部414に圧入されてベースプレート41に固定される(図1参照)。また、コアバック121aをベースプレート41に固定した後に、シャフト21は、シャフト貫通孔415に挿入される。コアバック121aを筒壁部414の外周部に圧入したとき、ベースプレート41にはシャフト貫通孔415を小径化する力が働く。このため、コアバック121aをベースプレート41に固定した後に、シャフト21のシャフト貫通孔415への圧入荷重が増大する。
【0053】
従って、圧入時にシャフト21が、回転軸Jに対して傾いたり、変形する虞がある。シャフト21が、回転軸Jに対して傾いた場合に、ヘッド31とディスク50との距離がズレて読み書きエラーが生じる虞がある。また、シャフト21自体が傾いて圧入されることで、シャフト21の下端部とシャフト貫通孔415の内面とにかじりを発生し、圧入強度が低下する虞がある。また、パーティクルが発生し、ディスク駆動装置1が汚染される虞がある。
【0054】
これに対して本実施形態では、シャフト21は、シャフト傾斜部211と、シャフト接触部212と、を有する。シャフト傾斜部211は、シャフト21の下端部に配置され、軸方向下側に向かうに従って外径が小さく形成されている。
【0055】
シャフト21をシャフト貫通孔415に圧入する際に、シャフト傾斜部211が、シャフト貫通孔415を囲む周壁の上端内周縁(本実施形態では、筒壁部414の上端内周縁)に接触する。これにより、シャフト21がシャフト貫通孔415の内部に案内され、シャフト21を回転軸Jに対して傾くことなくシャフト貫通孔415に圧入し易くなる。従って、シャフト21とシャフト貫通孔415とのかじりの発生を抑制しながら、シャフト21の圧入荷重を低減できる。これにより、シャフト21を回転軸に沿って精度よく取付けることができる。
【0056】
また、シャフト貫通孔415の内周面に接着剤220を塗布してシャフト21を圧入する際に、接着剤220が潤滑剤となる。これにより、シャフト21の圧入荷重をより低減できる。シャフトを圧入した状態において、接着剤220は、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト傾斜部211との隙間に溜まる。すなわち、シャフト傾斜部211とシャフト貫通孔415の内周面との間には接着剤220が配置されている。これにより、接着剤220を介してシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部に強固に固定される。
【0057】
また、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト傾斜部211との隙間は、軸方向上側に向かうに従って径方向に狭く形成される。これにより、接着剤220は、毛細管現象により、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト21とが接触する圧入部に吸い上げられる。これにより、接着剤220を介してシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0058】
このとき、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト傾斜部211との隙間に溜まる接着剤220に含まれる気泡は、圧入部に吸い上げられない。また、圧入時に、圧入部の接着剤220に混入した気泡は、圧入部に吸い上げられた接着剤220に押し出されて排出される。これにより、接着剤220を介してシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0059】
また、スピンドルモータ2の駆動による温度上昇又はスピンドルモータ2の使用環境温度の上昇により、シャフト21が加熱される。このとき、圧入部の接着剤220に混入した気泡が、熱膨張する可能性がある。本実施形態では、圧入部の接着剤220に混入した気泡は、排出されており、接着剤220にクラックが発生することを防止できる。これにより、シャフト貫通孔415を介してベースプレート41の気密性が低下することを低減できる。
【0060】
シャフト傾斜部211は、回転軸Jを含む断面において、回転軸Jに対する傾斜角θ1が、5°以上10°以下である。傾斜角θ1が、5°未満の場合に、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト傾斜部211との隙間が径方向に狭くなり、隙間に配置される接着剤の220充填量が減少する。これにより、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト21との接着強度が低下する。
【0061】
また、傾斜角θ1が、10°以下の場合に、シャフト貫通孔415の内周面とシャフト傾斜部211との間に溜まった接着剤220が、毛細管現象により圧入部側に吸い上げられ易くなる。これにより、圧入部の接着剤220に混入した気泡が、排出され易くなる。従って、接着剤220を介してシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0062】
シャフト接触部212は、シャフト傾斜部211よりも軸方向上側に配置され、シャフト貫通孔415の内周面と接触する。シャフト接触部212の軸方向の長さは、シャフト傾斜部211の軸方向の長さよりも長い。これにより、圧入されたシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0063】
シャフト貫通孔415は、柱体部415aと、孔拡径部415bと、連結部415cと、を有する。柱体部415aは、回転軸Jと平行に延びてシャフト21の外周面(シャフト接触部212)と接触する。
【0064】
シャフト21をシャフト貫通孔415に挿通する前の状態において、柱体部415aの内径(シャフト貫通孔415の最小内径)D1は、シャフト傾斜部211上端の外径D2よりも小さく、シャフト傾斜部211下端の外径D3よりも大きい。これにより、シャフト21はシャフト傾斜部211上端よりも軸方向上側で締まり嵌め状態になる。従って、圧入されたシャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0065】
孔拡径部415bは、柱体部415aの軸方向下側に配置され、柱体部415aの内径よりも大きい内径を有する。また、孔拡径部415bの上端は、シャフト傾斜部211の上端よりも軸方向上側に位置する。孔拡径部415bとシャフト傾斜部211との隙間が広がり、隙間に配置される接着剤の220充填量が増加する。これにより、シャフト21が、シャフト貫通孔415の内部により強固に固定される。
【0066】
また、本実施形態では、孔拡径部415bは、軸方向下側に向かって内径が大きく形成されている。これにより、孔拡径部415bとシャフト傾斜部211との間に溜まった接着剤220が、毛細管現象により圧入部側により吸い上げられ易くなる。また、圧入部の接着剤220に混入した気泡が、排出され易くなる。
【0067】
連結部415cは、柱体部415aと孔拡径部415bとを連結する。連結部415cは、軸方向下側に向かうに従って内径が大きく形成されている。これにより、孔拡径部415bとシャフト傾斜部211との間に溜まった接着剤220が、毛細管現象により連結部415cを介して圧入部側により吸い上げられ易くなる。た、圧入部の接着剤220に混入した気泡が、排出され易くなる。
【0068】
(4.ベースプレートの製造方法)
図8は、ベースプレート41の製造工程を示すフローチャートである。図9図15は、ベースプレートの製造工程を説明する説明図である。
【0069】
ステップS1では、図9に示すように、金型202の周縁部と、金型201の周縁部と、を上下方向に接触させて金型201と金型202との間に空洞210が形成される。空洞210は、ベースプレート41の形状に対応する形状を有する。また、空洞210は、金型201及び金型202の対向面に沿って延びるゲート214と連通する。ゲート214の外端部は、金型201及び金型202の外部に開口する。
【0070】
また、金型201及び金型202の対向面には、ゲート214とは別に空洞210内の空気を抜くためのエア抜き流路(不図示)が設けられている。エア抜き流路の外端部は、金型201及び金型202の外部に開口している。
【0071】
金型201は、第1凹部201aと、第2凹部201bを有する。第1凹部201aは、金型201の下面が揺動軸Hに沿って軸方向上側に凹み形成される。第1凹部201aの内部は、空洞210と連通している。第1凹部201aの内部に溶融金属が流入してピボットポスト413が形成される。
【0072】
第2凹部201bは、金型201の下面が回転軸Jに沿って軸方向上側に凹み形成される。第2凹部201bの内部は、空洞210と連通している。第2凹部201bの天面には下方に突出する突出部201eが形成されている。また、第2凹部201bには拡径部201cが形成されている。第2凹部201bの内周面の下端部には、拡径部201cが形成されている。拡径部201cは、第2凹部201bの内周面の上端部よりも径が大きい。
【0073】
拡径部201cは、拡径凹部201dを有する。拡径凹部201dは、拡径部201cの天面の一部及び内周面の一部に跨って配置され、拡径部201cの天面及び内周面から外側に凹んで形成される。第1凹部201aの内部に溶融金属が流入して筒壁部414が形成される。筒壁部414には、突出部201eが配置されていた箇所に凹部414fが形成される(図11参照)。凹部414fは、筒壁部414の上面から軸方向下側に凹んで形成される。拡径部201cの内部に溶融金属が流入して段差部414aが形成される。拡径凹部201dの内部に溶融金属が流入して肉厚部414bが形成される。
【0074】
ステップS2では、図10に示すように、ゲート214を介して空洞210に溶融金属を注入する。溶融金属は、例えば、溶融されたアルミニウム合金である。空洞210に溶融金属が注入されると、空洞210内の空気、又は溶融金属から発生するガスが、エア抜き流路から金型201及び金型202の外部に押し出される。これにより、溶融金属が、空洞210全体に行き渡る。
【0075】
ステップS3では、空洞210に溶融金属が行き渡った後に、溶融金属を冷却して硬化させる。これにより、空洞210内にベースプレート41が形成される。ベースプレート41の表面にはチル層(不図示)が形成される。チル層は、溶融金属が硬化する際に、金型201及び金型202と接して硬化が早い場所に形成される。溶融金属の硬化が他の部分より早いチル層は、不純物が少なく、金属密度が高い。また、溶融金属が硬化する際に、肉厚部414bで凝固収縮する際に、引け巣が発生する。
【0076】
ステップS4では、図11に示すように、ベースプレート41を一対の金型201、202から離型させる。このとき。周壁部412は、外面から突出するゲート痕部41dを有する。ゲート痕部41dは、ゲート214及びエア抜き流路(不図示)に溜まった溶融金属が硬化して形成される。
【0077】
ステップS5では、図12に示すように、ゲート痕部41dをカットする。ゲート痕部41dをカットした痕跡Gは(図13参照)、周壁部412の外面から僅かに突出して残る。
【0078】
ステップS6では、図13に示すように、切削装置300を用いて周壁部412の外周面を切削する(第1切削加工)。切削装置300は、筒状の切削部301と、切削部301を回転させる駆動部302と、を有する。切削部301は、回転軸Jと平行に延びる中心軸Nを中心に回転する。本実施形態では、切削部301の軸方向の長さは、周壁部412の軸方向の長さよりも短い。また、切削部301は、上面視において時計回り又は反時計回りに回転可能である。
【0079】
切削部301は、周壁部412の外周面において、周方向に延びる。パーティングライン部Kを軸方向に跨って配置される。パーティングライン部Kは、軸方向に対向する金型201及び金型202の対向面に沿って形成される。ベースプレート41を一対の金型201、202から離型させた際に(図11参照)、周壁部412は。パーティングライン部Kに沿ってバリが発生する。このため、。パーティングライン部Kに沿って周壁部412の外周面を切削することにより、バリを取り除くことができる。
【0080】
なお、サーバー等のディスク駆動装置18ハードディスクドライブ)が搭載されるシステムにおいて、周壁部412を削り過ぎた場合、システム内でベースプレート41の周りに隙間が生じる可能性がある。これにより、システム内の振動が、大きくなる可能性がある。本実施形態では、切削部301の軸方向の長さが、周壁部412の軸方向の長さよりも短い。これにより、周壁部412の削り過ぎを防止できる。切削部301による切削後、周壁部412の外周面には切削面(不図示)が形成される。切削面には、周方向に沿って帯状に延びる切削痕(不図示)が形成される。切削痕は、軸方向の幅が、4mm~8mmに形成される。
【0081】
切削部30は、直方体状のベースプレート41の外周面において、ゲート痕跡41dの痕跡Gが残る一面を除く三面を切削する。例えば、切削部301は、矢印X1、矢印X2及び矢印X3の順に周壁部412の外周面を切削する。なお、矢印X1、矢印X2及び矢印X3の向きを反転させて矢印X3、矢印X2及び矢印X1の順に周壁部412の外周面を切削してもよい。
【0082】
ステップS7では、肉厚部414bを切削加工する(第2切削加工)。より詳細には、第2切削加工では、肉厚部414bを切削加工して段差部414aの径方向の厚みを周方向に亘って均一にする。また、段差部414aの上面に跨る肉厚部414bを切削加工して段差部414aの軸方向の厚みを周方向において均一にする。このとき、段差部414aの外周面の一部に加工面Aが形成される。加工面Aには、シャフト貫通孔415を中心とし、周方向に線状に延びる加工痕418が、径方向に複数並んで形成される(図5参照)。
【0083】
なお、金型201、202から離型したベースプレート41の表面にはチル層(不図示)が形成されている。チル層は、溶融金属が硬化する際に、金型201及び金型202と接して硬化が早い場所に形成される。溶融金属の硬化が他の部分より早いチル層は、不純物が少なく、金属密度が高い。本実施形態では、切削加工された加工面A上にはチル層が残らないが、切削加工されていない鋳造面Bにはチル層が残る。また、ステップS7の第2切削加工で用いられる切削装置は、ステップS6の第1切削加工で用いられる切削装置300とは異なる。ステップS7の第2切削加工の方が、ステップS6の第1切削加工よりも精度が必要な領域における切削加工であある。従って、加工面Aの面粗度と、ステップS6の第1切削加工により形成された切削面(不図示)の面粗度と、は異なる。
【0084】
また、ステップS7では、凹部414fを軸方向に切削して底壁部411を軸方向に貫通させる。これにより、シャフト貫通孔415が切削加工により形成される。このとき、シャフト貫通孔415の周面には引け巣が露出しない。
【0085】
ステップS8では、図14に示すように、ベースプレート41の表面に、電着塗装膜41aを形成する。電着塗装膜41aは、例えば、エポキシ系樹脂の塗装材料中にベースプレート41を浸漬させ、塗装材料とベースプレート41との間に電流を流す。これにより塗装材料が、ベースプレート41の表面に付着して電着塗装膜41aが形成される。このとき、加工面Aの外面も電着塗装膜41aに覆われる。ベースプレート41を電着塗装膜41aで覆うことにより、ベースプレート41の絶縁性が向上するとともにベースプレート41を透過する気体のリークを低減できる。
【0086】
ステップS9では、図15に示すように、ベースプレート41の表面のうち、精度が必要な領域を切削により精密加工して整形する。具体的には、ピボットポスト413の外周面、筒壁部414及びシャフト貫通孔415の周面、筒壁部414の外周面及び段差部414aの上面が整形される。また、ワイヤ貫通孔417が形成される。このとき、段差部414aの上面には、精密加工面Cが形成される(図3参照)。なお、シャフト貫通孔415の周面を成形した際に、シャフト貫通孔415の周面には引け巣が露出しない。なお、段差部414aの加工面Aを含む外周面は切削加工されておらず電着塗装膜41aで覆われている。
【0087】
このとき、ベースプレート41の表面の切削により、電着塗装膜41aも切削され、電着塗装膜41aが設けられていない非塗膜領域Dが形成される。また、精密加工面Cは、非塗膜領域Dが形成される。
【0088】
ステップS9では、ベースプレート41を含浸剤に浸漬する。これにより、非塗膜領域Dに含浸剤が浸潤される。このとき、精密加工面Cにも含浸剤が浸潤される。含浸剤は、例えば、エポキシ樹脂又はアクリル樹脂が用いられる。これにより、非塗膜領域Dにおいて、鋳造時に形成された微小な空洞が、含浸剤で封止される。これにより、筒壁部414を介して筐体40の内部に充填された気体が外部に漏洩することをより抑制できる。
【0089】
以上より、ディスク駆動装置1の筐体40の一部となる鋳造品のベースプレート41の製造方法は、鋳造工程と、第1切削工程と、第2切削工程と、電着塗装工程と、整形工程と、含浸工程と、を順に有する。鋳造工程は、底壁部411と、筒壁部414と、を金型によりより一体に鋳造する(ステップS1~S4)。第1切削工程は、周壁部412の外周面を切削してバリを取り除く(ステップS6)。第2切削工程(切削工程)は、筒壁部414の一部を切削する(ステップS7)。電着塗装工程は、ベースプレート41の表面に電着塗装膜41aを形成する(ステップS8)。整形工程は、ベースプレート41の表面のうち、精度が必要な領域を切削により精密加工して整形する(ステップS9)。含浸工程は、ベースプレート41の表面において、電着塗装膜41aから露出した領域に含浸剤を含浸させる(ステップS10)。
【0090】
また、鋳造工程において、筒壁部414は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部414aが一体に形成さる。また、段差部414aは、外周面の少なくとも一部から突出して上面に跨って形成される肉厚部414bを有する。また、第2切削工程(切削工程)において、肉厚部414bは、切削加工され、段差部414aの外周面の少なくとも一部において、切削加工された加工面Aが、形成される。
【0091】
鋳造工程において、肉厚部414bを形成することにより、段差部414aの一部が、径方向及び軸方向に肉厚になる。これにより、引け巣は、筒壁部414の肉厚部414b側に集中して生じ易くなる。従って、筒壁部414の肉厚部414b側に引け巣を発生させることで、引け巣をシャフト貫通孔415から遠ざけて発生させることができる。これにより、引け巣がシャフト貫通孔415から露出することを防止できる。
【0092】
また、第2切削工程(切削工程)において、肉厚部414bは、切削加工されて段差部414aの外周面に加工面Aが形成される。このとき、段差部414aの径方向の厚みを周方向において均一にすることにより、筒壁部414が周方向に亘って均一に補強される。これにより、シャフト21が、回転軸Jに対して傾くことをより抑制できる。従って、切削加工後の筒壁部414において引け巣が残ることを低減しながらシャフト21が軸方向に対して傾くことを抑制できる。
【0093】
(4.その他)
上記実施形態は、本発明の例示にすぎない。実施形態の構成は、本発明の技術的思想を超えない範囲で適宜変更されてもよい。また、実施形態は、可能な範囲で組み合わせて実施されてよい。例えば、本実施形態では、ピボットポスト413を底壁部411と一体に鋳造したが、ピボットポスト413をベースプレート41と別部材としてもよい。
【0094】
ピボットポスト413は、例えば、アルミニウム合金よりも剛性が高いステンレス等の金属から成り、ベースプレート41を構成する金属よりも剛性が高い。ピボットポスト413をベースプレート41と別部材で形成することにより、ピボットポスト413の剛性が向上するとともに、ピボットポスト413における引け巣の発生を防止できる。従って、ピボットポスト413を介して筐体40の内部に充填された気体が外部に漏洩することを抑制できる。
【0095】
また、本実施形態では、段差部414aの上面に跨る肉厚部414bの上端は、筒壁部414の上端よりも軸方向下側に位置するが、筒壁部414の上端よりも軸方向上側に配置してもよい。これにより、引け巣をシャフト貫通孔415から軸方向により遠ざけて発生させることができる。
【0096】
(5.付記)
以上のように、本開示の一態様に係るベースプレート(41)は、ディスク駆動装置(1)の筐体(40)の一部となり、金属製のダイカスト部材から成るベースプレートであって、上下方向に延びるディスクの回転軸(J)に対して垂直に拡がる底壁部(411)と、前記回転軸に沿って前記底壁部の上面から上方に突出し、内部にシャフトが挿通されるシャフト貫通孔(415)を有した筒状の筒壁部(414)と、を備え、前記筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部(414a)を有し、前記段差部の外周面の少なくとも一部において、加工面(A)が、形成されている(第1の構成)。
【0097】
また、上記第1の構成において、前記段差部の外周面において前記加工面と周方向に隣接して鋳造面(B)を有し、前記加工面における面粗度は、前記鋳造面における面粗度よりも小さい(第2の構成)。
【0098】
また、上記第1又は第3の構成において、前記加工面の上端は、前記段差部の外周面の上端に位置し、前記加工面の下端は、前記段差部の外周面の下端に位置する構成としてもよい(第3の構成)。
【0099】
また、上記第1から第3のいずれかの構成において、軸方向から視て、前記加工面の上端における周方向両端が成す中心角(θ)は、90°以上110°以下である構成としてもよい(第4の構成)。
【0100】
また、上記第1から第4のいずれかの構成において、軸方向から視て、前記加工面の上端における周方向両端を通る直線(L)は、前記筒壁部の内周面よりも径方向外側に位置する構成としてもよい(第5の構成)。
【0101】
また、上記第1から第5のいずれかの構成において、前記段差部及び前記底壁部を軸方向に貫通して周方向に複数並んで配置され、スピンドルモータに接続されるワイヤ線が挿通されるワイヤ貫通孔(417)をさらに有し、前記ワイヤ貫通孔の少なくとも一つは、前記回転軸を挟んで前記加工面と径方向に対向する構成としてもよい(第6の構成)。
【0102】
また、上記第6の構成において、前記底壁部は、下面が軸方向上側に凹んで形成されるとともに複数の前記ワイヤ貫通孔が内部に配置される凹部(411a)を有する構成としてもよい(第7の構成)。
【0103】
また、本開示の一態様に係るスピンドルモーター(2)は、上記第1から第7のいずれかの構成のベースプレート41と、前記回転軸に沿って延び、下端部が前記シャフト貫通孔に挿通される前記シャフトと、前記ベースプレートの上面に配置されて前記シャフトを囲む環状のステータコアと、前記回転軸周りに回転するロータ(22)と、前記シャフトを前記回転軸として前記ロータを回転可能に支持する軸受ユニット(13)と、を備え、前記シャフトは、下端部に配置され、軸方向下側に向かうに従って外径が小さく形成されたシャフト傾斜部211を有する構成としてもよい(第8の構成)。
【0104】
また、上記第8の構成において、前記シャフトを前記シャフト貫通孔に挿通する前の状態において、前記シャフト貫通孔の最小内径(D1)は、前記シャフト傾斜部上端の外径(D2)よりも小さく、前記シャフト傾斜部下端の外径(D3)よりも大きい構成としてもよい(第9の構成)。
【0105】
また、上記第8又は9の構成において、前記シャフトは、前記シャフト傾斜部よりも軸方向上側に配置され、前記シャフト貫通孔の内周面と接触するシャフト接触部を有し、前記シャフト接触部の軸方向の長さは、前記シャフト傾斜部の軸方向の長さよりも長い構成としてもよい(第10の構成)。
【0106】
また、上記第8~第10のいずれかの構成において、前記シャフト傾斜部は、前記回転軸を含む断面において、前記回転軸に対する傾斜角が、10°以下である構成としてもよい(第11の構成)。
【0107】
また、上記第8~第11のいずれかの構成において、前記シャフト傾斜部は、前記回転軸を含む断面において、前記回転軸に対する傾斜角が、5°以上である構成としてもよい(第12の構成)。
【0108】
また、上記第8~第12のいずれかの構成において、前記シャフト傾斜部と前記シャフト貫通孔の内周面との間に接着剤が配置されている構成としてもよい(第13の構成)。
【0109】
また、上記第8~第13のいずれかの構成において、前記シャフト貫通孔は、前記回転軸と平行に延びて前記シャフトの外周面と接触する柱体部415aと、前記柱体部の軸方向下側に配置され、前記柱体部の内径よりも大きい内径を有する孔拡径部415bと、を有し、前記孔拡径部の上端は、前記シャフト傾斜部の上端よりも軸方向上側に位置する構成としてもよい(第14の構成)。
【0110】
また、上記第8~第14のいずれかの構成において、前記孔拡径部は、軸方向下側に向かうに従って内径が大きく形成されている構成としてもよい(第15の構成)。
【0111】
また、上記第8~第15のいずれかの構成において、前記シャフト貫通孔は、前記柱体部と前記孔拡径部とを連結する連結部を有し、前記連結部は、軸方向下側に向かうに従って内径が大きく形成されている構成としてもよい(第16の構成)。
【0112】
また、本開示の一態様に係るディスク駆動装置(1)は、上記第8~第16のいずれかの構成のスピンドルモータ(2)と、前記スピンドルモータにより前記回転軸を中心として回転するディスク(50)と、前記ディスクに対して情報の読み取り又は書き込みを行うヘッド(31)と、を備える構成としてもよい(第17の構成)。
【0113】
また、上記第17の構成において、前記筐体の内部に空気よりも低密度の気体が充填されている構成としてもよい(第18の構成)。
【0114】
また、本開示の一態様に係るベースプレートの製造方法は、ディスク駆動装置(1)の筐体(40)の一部となるベースプレート(41)の製造方法であって、上下に延びるディスク(50)の回転軸(J)に対して垂直に拡がり、軸方向から見て矩形状の底壁部(411)と、前記回転軸に沿って前記底壁部の上面から上方に突出して内部にシャフト(21)が配置される筒状の筒壁部(411)と、を金型により一体に鋳造する鋳造工程と、前記筒壁部の一部を切削する切削工程(第2切削工程)と、を順に有し、前記鋳造工程において、前記筒壁部は、根元部の外周面から径方向外側に突出する環状の段差部(411a)が一体に形成され、前記段差部は、外周面の少なくとも一部から突出して上面に跨って形成される肉厚部(411b)を有し、前記切削工程(第2切削工程)において、前記肉厚部は、切削加工され、前記段差部の外周面の少なくとも一部において、切削加工された加工面Aが、形成される(第19の構成)。
【0115】
また、上記第19の構成において、前記段差部の上面に跨る前記肉厚部の上端は、前記筒壁部の上端よりも軸方向下側に位置する構成としてもよい(第20の構成)。
【0116】
また、上記第20の構成において、前記段差部の上面に跨る前記肉厚部の上端は、前記筒壁部の上端よりも軸方向上側に位置する構成としてもよい(第21の構成)。
【0117】
また、上記第21の構成において、前記肉厚部は、前記段差部の外周面の全周から径方向に突出する構成としてもよい(第22の構成)。
【0118】
また、本開示の一態様に係るスピンドルモータは、上下方向に延びる回転軸(J)に沿って延びるシャフト(21)と、前記シャフトの下端部が固定されるベースプレート(41)と、前記ベースプレートの上面に配置されて前記シャフトを囲む環状のステータコア(121)と、前記中心軸周りに回転するロータ(22)と、前記シャフトを前記回転軸として前記ロータを回転可能に支持する軸受ユニット(13)と、を備え、前記ベースプレートは、内部に前記シャフトが挿通されるシャフト貫通孔(415)を有し、前記シャフトは、下端部に配置され、軸方向下側に向かうに従って外径が小さく形成されたシャフト傾斜部(211)を有する(第23の構成)。
【産業上の利用可能性】
【0119】
本発明によると、ハードディスクドライブ等のディスク駆動装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0120】
1 ディスク駆動装置
2 スピンドルモータ
10 静止部
12 ステータ
13 軸受ユニット
14 シャフト
20 回転部
21 シャフト
22 ハブ(ロータ)
22a 天面部
22b 筒面部
22c フランジ部
23 マグネット
24 スペーサ
31 ヘッド
32 アーム
33 揺動機構
40 筐体
41 ベースプレート
41a 電着塗装膜
41d ゲート痕部
42 カバー
50 ディスク
121 ステータコア
121a コアバック
121b ティース
122 コイル
201、202 金型
201a 第1凹部
201b 第2凹部
201c 拡径部
201d 拡径凹部
201e 突出部
210 空洞
211 シャフト傾斜部
212 シャフト接触部
214 ゲート
300 切削装置
301 切削部
302 駆動部
411 底壁部
411a 凹部
412 周壁部
413 ピボットポスト
414 筒壁部
414a 段差部
414b 肉厚部
414f 凹部
415 シャフト貫通孔
415a 柱体部
415b 孔拡径部
415c 連結部
417 ワイヤ貫通孔
A 加工面
B 鋳造面
C 精密加工面
D 非塗膜領域
J 回転軸
H 揺動軸
K パーティングライン部
L 直線
θ 中心角
X1、X2、X3 矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15