(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163839
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
H02J 3/38 20060101AFI20241115BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20241115BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H02J3/38 180
H02J3/38 170
H02J3/38 130
H02J3/32
H02J7/35 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194845
(22)【出願日】2023-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2023079095
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【弁理士】
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA10
5G066HB06
5G066HB07
5G066HB09
5G066JA02
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA05
5G503AA06
5G503BA01
5G503BB01
5G503CC02
5G503GB06
(57)【要約】
【課題】 簡単に商用電源と負荷の間に発電装置などを設けることが可能な電力供給システムを提供する。
【解決手段】 電力供給システムは、第1発電部と、パワーコンディショナーと、制御部と、を有する第1電力供給部と、第1双投スイッチと、を備える。前記第1双投スイッチの共通接点は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、負荷に接続される。前記第1双投スイッチの常閉接点は、前記パワーコンディショナーを介して、前記第1発電部に接続される。前記第1双投スイッチの常開接点は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、商用電源に接続される。前記第1発電部から供給される電力に関する情報に基づいて、前記制御部は、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常閉接点とが接続した状態を、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー由来電力発生装置を含む第1発電部と、パワーコンディショナーと、制御部と、を有する第1電力供給部と、
第1双投スイッチと、を備え、
前記第1双投スイッチの共通接点は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、負荷に接続され、
前記第1双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記パワーコンディショナーを介して、前記第1発電部に接続され、
前記第1双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、商用電源に接続され、
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記制御部は、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常閉接点とが接続した状態を、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替える、電力供給システム。
【請求項2】
前記第1発電部で得られた電力に基づいて水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置で得られた水素に基づいて発電する燃料電池を含む第2発電部と、を有する第2電力供給部と、
第2双投スイッチと、を更に備え、
前記第1双投スイッチの共通接点は、前記第2双投スイッチを介して、前記負荷に接続され、
前記第2双投スイッチの共通接点は、前記負荷に接続され、
前記第2双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記第1双投スイッチの共通接点に接続され、
前記第2双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第2発電部に接続され、
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記水素発生装置で得られた水素に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記制御部は、前記第2双投スイッチの共通接点と前記第2双投スイッチの常閉接点とが接続した状態を、前記第2双投スイッチの共通接点と前記第2双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替える、請求項1に記載の電力供給システム。
【請求項3】
前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有し、
前記第1発電部からの電力及び前記蓄電部からの電力が、前記第1双投スイッチと前記第2双投スイッチを介して、前記負荷に供給され、前記第1双投スイッチと前記第2双投スイッチを介さずに、前記第2電力供給部に供給される、請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項4】
内燃機関若しくは外燃機関で得られた運動エネルギーに基づいて発電する発電装置を含む第3発電部と、前記第3発電部で使用する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、を有する第3電力供給部と、
第3双投スイッチと、を備え、
前記第3双投スイッチの共通接点は、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、負荷に接続され、
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記商用電源に接続され、
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第3発電部に接続され、
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常閉接点とが接続した状態が、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替えられる、請求項1または請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項5】
内燃機関若しくは外燃機関で得られた運動エネルギーに基づいて発電する発電装置を含む第3発電部と、前記第3発電部で使用する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、を有する第3電力供給部と、
第3双投スイッチと、を備え、
前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有し、
前記第1発電部からの電力及び前記蓄電部からの電力が、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、前記負荷に供給され、
前記第3双投スイッチの共通接点は、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、負荷に接続され、
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記商用電源に接続され、
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第3発電部に接続され、
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常閉接点とが接続した状態が、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替えられ、
前記蓄電部は、前記第3発電部の負荷試験のために、前記第3発電部からの電力を蓄積する、請求項1または請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項6】
前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有し、
前記第1電力供給部は、前記パワーコンディショナーと前記第1双投スイッチの間に、単投スイッチを有し、
前記制御部は、前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記蓄電部の充電率に関する情報の少なくとも一方に基づいて、前記単投スイッチのオンオフ状態を切り替える、請求項1または請求項2に記載の電力供給システム。
【請求項7】
前記単投スイッチは、常開接点を含む単極単投式スイッチで構成される、請求項6に記載の電力供給システム。
【請求項8】
前記第1発電部から供給される電力が、第1電力閾値以上に多い場合、若しくは、前記蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも高い場合、前記制御部は、第1発電機若しくは蓄電部から前記負荷に電力供給されるように、前記第1双投スイッチを制御し、
前記第1発電部から供給される電力が、前記第1電力閾値よりも少ない第2電力閾値よりも少なく、前記蓄電部の前記充電率が第2充電率閾値よりも低い場合、前記制御部は、前記商用電源からの電力が前記負荷に供給されるように、第1双投スイッチを制御し、
前記第1発電部から供給される電力が、前記第2電力閾値よりも少なく、前記蓄電部の充電率が第3充電率閾値よりも低い場合、前記制御部は、前記第3単投スイッチをオフ状態にし、
前記第1発電部から供給される電力が、前記第1電力閾値以上に多い、若しくは前記蓄電部の前記充電率が第4充電率閾値以上に高い場合、前記制御部は、前記第3単投スイッチをオン状態にし、
前記第1充電率閾値は、前記第2充電率閾値以上に大きい値であり、
前記第3充電率閾値は、前記第2充電率閾値よりも大きい値であり、
前記第4充電率閾値は、前記第3充電率閾値以上に大きい値である、請求項6に記載の電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、電力を蓄積し、蓄積した電力を電気自動車などに供給するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発電装置などの他の電源と商用電源との切り替えの際の逆流防止などの構成が複雑になるおそれがあった。
【0005】
したがって本発明の目的は、簡単に商用電源と負荷の間に発電装置などを設けることが可能な電力供給システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電力供給システムは、再生可能エネルギー由来電力発生装置を含む第1発電部と、パワーコンディショナーと、制御部と、を有する第1電力供給部と、第1双投スイッチと、を備える。
前記第1双投スイッチの共通接点は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、負荷に接続される。
前記第1双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記パワーコンディショナーを介して、前記第1発電部に接続される。
前記第1双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、他のスイッチを介して、若しくは、他のスイッチを介さずに、商用電源に接続される。
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記制御部は、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常閉接点とが接続した状態を、前記第1双投スイッチの共通接点と前記第1双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0007】
第1双投スイッチの常閉接点側の電源(第1発電部など)からの電力と、第1双投スイッチの常開接点側の電源(商用電源など)からの電力のいずれか一方だけが、負荷への電力供給に用いられる。
第1双投スイッチの常閉接点側の電源(第1発電部など)からの電力供給と、第1双投スイッチの常開接点側の電源(商用電源など)からの電力供給とが混在することはなく、第1双投スイッチの常閉接点側の電源(第1発電部など)からの電力が、商用電源に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源と負荷の間に、第1電力供給部などを設けて運用することが出来る。
【0008】
好ましくは、電力供給システムは、第1発電部で得られた電力に基づいて水素を発生させる水素発生装置と、前記水素発生装置で得られた水素に基づいて発電する燃料電池を含む第2発電部と、を有する第2電力供給部と、第2双投スイッチと、を更に備える。
前記第1双投スイッチの共通接点は、前記第2双投スイッチを介して、前記負荷に接続される。
前記第2双投スイッチの共通接点は、前記負荷に接続される。
前記第2双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記第1双投スイッチの共通接点に接続される。
前記第2双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第2発電部に接続され、
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記水素発生装置で得られた水素に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記制御部は、前記第2双投スイッチの共通接点と前記第2双投スイッチの常閉接点とが接続した状態を、前記第2双投スイッチの共通接点と前記第2双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0009】
第2双投スイッチの常閉接点側の電源(商用電源など)からの電力と、第2双投スイッチの常開接点側の電源(第2発電部)からの電力のいずれか一方だけが、負荷への電力供給に用いられる。
第2双投スイッチの常閉接点側の電源(商用電源)からの電力供給と、第2双投スイッチの常開接点側の電源(第2発電部)からの電力供給とが混在することはなく、第2双投スイッチの常開接点側の電源(第2発電部)からの電力が、商用電源に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源と負荷の間に、第1電力供給部と第2電力供給部などを設けて運用することが出来る。
【0010】
さらに好ましくは、前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有する。
前記第1発電部からの電力及び前記蓄電部からの電力が、前記第1双投スイッチと前記第2双投スイッチを介して、前記負荷に供給され、前記第1双投スイッチと前記第2双投スイッチを介さずに、前記第2電力供給部に供給される。
【0011】
第1発電部からの電力供給が十分でない時間帯などに、蓄電部に蓄積した電力を負荷に供給することが可能になる。
【0012】
また、好ましくは、電力供給システムは、内燃機関若しくは外燃機関で得られた運動エネルギーに基づいて発電する発電装置を含む第3発電部と、前記第3発電部で使用する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、を有する第3電力供給部と、第3双投スイッチと、を備える。
前記第3双投スイッチの共通接点は、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、負荷に接続される。
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記商用電源に接続される。
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第3発電部に接続される。
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常閉接点とが接続した状態が、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替えられる。
【0013】
第3双投スイッチの常閉接点側の電源(商用電源)からの電力と、第3双投スイッチの常開接点側の電源(第3発電部)からの電力のいずれか一方だけが、負荷への電力供給に用いられる。
第3双投スイッチの常閉接点側の電源(商用電源)からの電力供給と、第3双投スイッチの常開接点側の電源(第3発電部)からの電力供給とが混在することはなく、第3双投スイッチの常開接点側の電源(第3発電部)からの電力が、商用電源に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源と負荷の間に、第1電力供給部と第3電力供給部などを設けて運用することが出来る。
【0014】
また、好ましくは、電力供給システムは、内燃機関若しくは外燃機関で得られた運動エネルギーに基づいて発電する発電装置を含む第3発電部と、前記第3発電部で使用する燃料を貯蔵する燃料貯蔵部と、を有する第3電力供給部と、第3双投スイッチと、を備える。
前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有する。
前記第1発電部からの電力及び前記蓄電部からの電力が、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、前記負荷に供給される。
前記第3双投スイッチの共通接点は、少なくとも前記第1双投スイッチを介して、負荷に接続される。
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の一方は、前記商用電源に接続される。
前記第3双投スイッチの常閉接点と常開接点の他方は、前記第3発電部に接続される。
前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記パワーコンディショナーを介して供給される電力に関する情報と、前記商用電源から供給される電力に関する情報の少なくとも1つに基づいて、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常閉接点とが接続した状態が、前記第3双投スイッチの共通接点と前記第3双投スイッチの常開接点とが接続した状態に切り替えられる。
前記蓄電部は、前記第3発電部の負荷試験のために、前記第3発電部からの電力を蓄積する。
【0015】
第1発電部からの電力供給が十分でない時間帯などに、蓄電部に蓄積した電力を負荷に供給することが可能になる。
また、電力を蓄積しながら、蓄電部を第3発電部の負荷試験に活用することも出来る。
【0016】
また、好ましくは、前記第1電力供給部は、前記第1発電部からの電力を蓄積する蓄電部を有する。
前記第1電力供給部は、前記パワーコンディショナーと前記第1双投スイッチの間に、単投スイッチを有する。
前記制御部は、前記第1発電部から供給される電力に関する情報と、前記蓄電部の充電率に関する情報の少なくとも一方に基づいて、前記単投スイッチのオンオフ状態を切り替える。
【0017】
第1発電部が殆ど発電しておらず、蓄電部が十分に充電出来ていない場合に、蓄電部に繋がるスイッチ(単投スイッチなど)を開状態(オフ状態)にする。
これにより、パワーコンディショナーの内部の設定を変えずに、充電が十分でない蓄電部の更なる放電を少なくすることが出来る。
【0018】
さらに好ましくは、前記単投スイッチは、常開接点を含む単極単投式スイッチで構成される。
【0019】
蓄電部が十分に充電出来ていない場合に、単投スイッチは開状態で維持される。
このため、単投スイッチが常閉接点を含む単極単投式スイッチで構成される形態と比べて、蓄電部が十分に充電出来ていない場合に、更なる蓄電部の放電を少なくすることが出来る。
【0020】
また、好ましくは、前記第1発電部から供給される電力が、第1電力閾値以上に多い場合、若しくは、前記蓄電部の充電率が第1充電率閾値よりも高い場合、前記制御部は、第1発電機若しくは蓄電部から前記負荷に電力供給されるように、前記第1双投スイッチを制御する。
前記第1発電部から供給される電力が、前記第1電力閾値よりも少ない第2電力閾値よりも少なく、前記蓄電部の前記充電率が第2充電率閾値よりも低い場合、前記制御部は、前記商用電源からの電力が前記負荷に供給されるように、第1双投スイッチを制御する。
前記第1発電部から供給される電力が、前記第2電力閾値よりも少なく、前記蓄電部の充電率が第3充電率閾値よりも低い場合、前記制御部は、前記第3単投スイッチをオフ状態にする。
前記第1発電部から供給される電力が、前記第1電力閾値以上に多い、若しくは前記蓄電部の前記充電率が第4充電率閾値以上に高い場合、前記制御部は、前記第3単投スイッチをオン状態にする。
前記第1充電率閾値は、前記第2充電率閾値以上に大きい値である。
前記第3充電率閾値は、前記第2充電率閾値よりも大きい値である。
前記第4充電率閾値は、前記第3充電率閾値以上に大きい値である。
【発明の効果】
【0021】
以上のように本発明によれば、簡単に商用電源と負荷の間に発電装置などを設けることが可能な電力供給システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本実施形態における電力供給システムの構成図である。
【
図2】第2電力供給部を省略した電力供給システムの構成図である。
【
図3】第3電力供給部を省略した電力供給システムの構成図である。
【
図4】第3単投スイッチを追加した電力供給システムの構成図である。
【
図5】第1検知部と第2検知部を省略し、第6検知部を追加した電力供給システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0024】
(電力供給システム1)
本実施形態における電力供給システム1は、第1電力供給部10、第2電力供給部20、第3電力供給部30、切り替えスイッチ(第1双投スイッチS11、第1単投スイッチS12、第2双投スイッチS21、第3双投スイッチS31、第2単投スイッチS42)を備える(
図1参照)。
【0025】
電力供給システム1は、空調機器などの負荷100に電力を供給する。
第1発電部11の発電状態などに基づいて、電力供給源を第1電力供給部10と第2電力供給部20と第3電力供給部30と商用電源200とで切り替えながら、負荷100への電力供給が行われる。
【0026】
(第1電力供給部10)
第1電力供給部10は、第1発電部11、パワーコンディショナー13、蓄電部15、制御部17を有する。
【0027】
(第1発電部11)
第1発電部11は、太陽光発電装置、風力発電装置など、自然エネルギー(再生可能エネルギー)に基づいて発電する発電装置(再生可能エネルギー由来電力発生装置)を含む。
第1発電部11の発電装置は、常時、発電が可能な状態にされる。
ただし、第1発電部11の発電装置が風力発電装置であって、且つ、第1発電部11が受ける風力が所定の風力を超える場合には、第1発電部11の発電装置は、発電が出来ない状態にされる。
第1発電部11の発電装置は、第1電力供給部10の筐体の上部などに設置される。
第1発電部11で得られた電力は、パワーコンディショナー13などを介して、蓄電部15、第2電力供給部20、負荷100に供給される。
【0028】
(パワーコンディショナー13)
パワーコンディショナー13は、第1発電部11で得られた電力を、蓄電部15の蓄電装置に蓄電可能な電力(直流)に変換したり、負荷100を駆動可能な電力(交流)に変換したりする。
第1発電部11の発電装置が太陽光発電装置である場合、第1発電部11で得られた直流電力を、蓄電部15の蓄電装置に蓄電可能な電力に変換したり、負荷100を駆動可能な電力に変換したりする。
また、第3電力供給部30の第3発電部31で得られた交流電力を、蓄電部15の蓄電装置に蓄電可能な電力に変換したり、負荷100を駆動可能な電力に変換したりする。
また、パワーコンディショナー13が、後述する制御部17の一部又は全部と一体的に構成され、制御部17の一部又は全部の機能を実行してもよい。
【0029】
(蓄電部15)
蓄電部15は、バッテリー、コンデンサーなど、第1発電部11で得られた電力、及び第3発電部31で得られた電力を蓄積する蓄電装置を含む。
蓄電部15の蓄電装置に蓄積した電力は、パワーコンディショナー13を介して、負荷100、及び第2電力供給部20に供給される。
また、蓄電部15の蓄電装置に蓄積した電力は、パワーコンディショナー13など第1電力供給部10の各部に供給される。
また、蓄電部15の蓄電装置に蓄積した電力は、第2電力供給部20と第3電力供給部30の各部に供給されてもよい。
【0030】
(制御部17)
制御部17は、第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)、蓄電部15の充電率R1、商用電源200から供給される電力(第4電力P4)、水素貯蔵部25の水素充填率R2、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3に基づいて、切り替えスイッチ(第1双投スイッチS11、第1単投スイッチS12、第2双投スイッチS21、第3双投スイッチS31、第2単投スイッチS42)を制御する。
【0031】
このため、第1発電部11、若しくは、第1発電部11とパワーコンディショナー13の間には、第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)を検知する第1検知部d1が設けられる。
蓄電部15、若しくは、蓄電部15とパワーコンディショナー13の間には、蓄電部15の充電率R1を検知する第2検知部d2が設けられる。
商用電源200と第3双投スイッチS31の間には、商用電源200からの電力(第4電力P4)を検知する第3検知部d3が設けられる。
水素貯蔵部25には、水素貯蔵部25の水素充填率R2を検知する第4検知部d4が設けられる。
燃料貯蔵部32には、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3を検知する第5検知部d5が設けられる。
【0032】
ただし、第2双投スイッチS21の切り替え制御は、第2電力供給部20の内部の制御装置などで行われてもよい。
また、第3双投スイッチS31の切り替え制御は、第3電力供給部30の内部の制御装置などで行われてもよい。
【0033】
また、制御部17は、第1双投スイッチS11などを制御するための閾値(第1電力閾値Thp1、第2電力閾値Thp2、第1充電率閾値Thr11、第2充電率閾値Thr12、第1水素充填率閾値Thr21、第2水素充填率閾値Thr22、第1燃料充填率閾値Thr31、第2燃料充填率閾値Thr32)を記録する。
【0034】
(各閾値のヒステリシス)
第1電力閾値Thp1は、第2電力閾値Thp2以上に大きい値である。
第1充電率閾値Thr11は、第2充電率閾値Thr12以上に大きい値である。
第1水素充填率閾値Thr21は、第2水素充填率閾値Thr22以上に大きい値である。
第1燃料充填率閾値Thr31は、第2燃料充填率閾値Thr32以上に大きい値である。
【0035】
(第1双投スイッチS11)
第1双投スイッチS11は、単極双投式スイッチで構成される。
第1双投スイッチS11は、機械式のスイッチで構成される。
第1双投スイッチS11の共通接点は、第2双投スイッチS21を介して、負荷100に接続される。
第1双投スイッチS11の常閉接点は、パワーコンディショナー13に接続される。
第1双投スイッチS11の常開接点は、第3双投スイッチS31を介して、商用電源200及び第3発電部31に接続される。
第1双投スイッチS11は、負荷100への電力供給源を、常閉接点側の電源(第1発電部11、蓄電部15)と、常開接点側の電源(第3発電部31、商用電源200)とで切り替えるために使用される。
第1双投スイッチS11は、第1電力供給部10の筐体の内部に配置される。
【0036】
(第1単投スイッチS12)
第1単投スイッチS12は、常開接点を含む単極単投式スイッチで構成される。
第1単投スイッチS12の一方の端子は、パワーコンディショナー13及び第1双投スイッチS11に接続される。
第1単投スイッチS12の他方の端子は、AC/DCコンバーター21に接続される。
第1単投スイッチS12は、第1発電部11若しくは蓄電部15から第2電力供給部20への電力供給のオンオフ切り替えのために使用される。
第1単投スイッチS12は、第1電力供給部10の筐体、若しくは、第2電力供給部20の筐体の内部に配置される。
【0037】
(第2電力供給部20)
第2電力供給部20は、AC/DCコンバーター21、水素発生装置23、水素貯蔵部25、第2発電部27、DC/ACインバーター29を有する。
【0038】
(AC/DCコンバーター21)
AC/DCコンバーター21は、パワーコンディショナー13を介して供給された電力(第1電力P1など)を交流から直流に変換する。
【0039】
(水素発生装置23)
水素発生装置23は、パワーコンディショナー13を介して供給された電力(第1電力P1など)に基づいて、電気分解などを行って、水素を発生させる。
【0040】
(水素貯蔵部25)
水素貯蔵部25は、水素発生装置23で発生した水素を貯蔵する。
水素の貯蔵は、水素吸蔵合金への吸蔵、液化した水素の貯蔵、圧縮した気体の水素の貯蔵などが考えられる。
【0041】
(第2発電部27)
第2発電部27は、水素に基づいて発電する発電装置(燃料電池)を含む。
第2発電部27は、第1発電部11から負荷100への電力供給と、蓄電部15から負荷100への電力供給のいずれもが十分に行えない場合に、負荷100への電力供給のために、オン状態にされる。
【0042】
(DC/ACインバーター29)
DC/ACインバーター29は、第2発電部27から供給された電力(第2電力P2)を直流から交流に変換する。
【0043】
(第2双投スイッチS21)
第2双投スイッチS21は、単極双投式スイッチで構成される。
第2双投スイッチS21は、機械式のスイッチで構成される。
第2双投スイッチS21の共通接点は、負荷100に接続される。
第2双投スイッチS21の常閉接点は、第1双投スイッチS11の共通接点に接続される。
第2双投スイッチS21の常開接点は、DC/ACインバーター29を介して、第2発電部27に接続される。
第2双投スイッチS21は、負荷100への電力供給源を、常閉接点側の電源(第1発電部11、蓄電部15、第3発電部31、商用電源200)と、常開接点側の電源(第2発電部27)とで切り替えるために使用される。
第2双投スイッチS21は、第2電力供給部20の筐体の内部に配置される。
【0044】
(第3電力供給部30)
第3電力供給部30は、第3発電部31、燃料貯蔵部32を有する。
【0045】
(第3発電部31)
第3発電部31は、LPガス発電装置など、内燃機関若しくは外燃機関で得られた運動エネルギーに基づいて発電する発電装置(非常用発電装置)を含む。
第3発電部31は、第1発電部11から負荷100への電力供給と、蓄電部15から負荷100への電力供給と、第2発電部27から負荷100への電力供給と、商用電源200から負荷100への電力供給のいずれもが十分に行えない場合に、負荷100への電力供給のために、オン状態にされる。
第3発電部31は、第1発電部11から負荷100への電力供給と、蓄電部15から負荷100への電力供給と、第2発電部27から負荷100への電力供給のいずれもが十分に行えず、商用電源200から負荷100への電力供給が十分に行える場合に、蓄電部15若しくは第2電力供給部20への電力供給のために、オン状態にされる。
【0046】
(燃料貯蔵部32)
燃料貯蔵部32は、第3発電部31で使用する燃料(例えば、LPガス)を貯蔵する。
【0047】
(第3双投スイッチS31)
第3双投スイッチS31は、単極双投式スイッチで構成される。
第3双投スイッチS31は、機械式のスイッチで構成される。
第3双投スイッチS31の共通接点は、第1双投スイッチS11の常開接点に接続される。
第3双投スイッチS31の常閉接点は、商用電源200に接続される。
第3双投スイッチS31の常開接点は、第3発電部31に接続される。
第3双投スイッチS31は、負荷100への電力供給源を、常閉接点側の電源(商用電源200)と、常開接点側の電源(第3発電部31)とで切り替えるために使用される。
第3双投スイッチS31は、第3電力供給部30の筐体の内部に配置される。
【0048】
(第2単投スイッチS42)
第2単投スイッチS42は、常開接点を含む単極単投式スイッチで構成される。
第2単投スイッチS42の一方の端子は、第3発電部31及び第3双投スイッチS31の常閉接点に接続される。
第2単投スイッチS42の他方の端子は、パワーコンディショナー13に接続される。
【0049】
(制御部17のスイッチ制御)
例えば、制御部17は、以下のように第1双投スイッチS11などを制御する。
【0050】
(第1双投スイッチS11の制御)
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)に関する情報と、商用電源200から供給される電力(第4電力P4)に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17は、第1双投スイッチS11の共通接点と第1双投スイッチS11の常閉接点とが接続した状態を、第1双投スイッチS11の共通接点と第1双投スイッチS11の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0051】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第1電力閾値Thp1以上に多い場合、制御部17は、第1電力P1が負荷100に供給されるように、第1双投スイッチS11を制御する。
具体的には、第1双投スイッチS11の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされる。
このとき、第1電力P1の余剰電力は、蓄電部15、及び第2電力供給部20に供給される。
また、蓄電部15の充電率R1が第1充電率閾値Thr11よりも高い場合、制御部17は、蓄電部15からの電力が負荷100に供給されるように、第1双投スイッチS11を制御する。
具体的には、第1双投スイッチS11の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされる。
【0052】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低い場合、制御部17は、第3発電部31からの電力(第3電力P3)若しくは商用電源200からの電力(第4電力P4、電力会社から供給される電力)が負荷100に供給されるように、第1双投スイッチS11を制御する。
具体的には、第1双投スイッチS11の共通接点と常開接点とが接続した状態にされる。
【0053】
(第1単投スイッチS12の制御)
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)に関する情報と、蓄電部15の充電率R1に関する情報と、水素貯蔵部25の水素充填率R2に関する情報の少なくとも1つに基づいて、制御部17は、第1単投スイッチS12の開状態(オフ状態)を閉状態(オン状態)に切り替える。
【0054】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第1電力閾値Thp1以上に多く、蓄電部15の充電率R1が第1充電率閾値Thr11以上に高く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低い場合、制御部17は、第1電力P1が第2電力供給部20に供給されるように、第1単投スイッチS12を制御する。
具体的には、第1単投スイッチS12が閉状態(オン状態)にされる。
【0055】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少ない場合、若しくは、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第1水素充填率閾値Thr21以上に高い場合、制御部17は、第1電力P1が第2電力供給部20に供給されないように、第1単投スイッチS12を制御する。
具体的には、第1単投スイッチS12が開状態(オフ状態)にされる。
【0056】
(第2双投スイッチS21の制御)
第1発電部11から供給される電力に関する情報と、水素発生装置23で得られた水素に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17(若しくは第2電力供給部20の制御装置など)は、第2双投スイッチS21の共通接点と第2双投スイッチS21の常閉接点とが接続した状態を、第2双投スイッチS21の共通接点と第2双投スイッチS21の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0057】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第1水素充填率閾値Thr21以上に高い場合、制御部17は、第2発電部27からの電力(第2電力P2)が負荷100に供給されるように、第2双投スイッチS21を制御する。
具体的には、第2双投スイッチS21の共通接点と常開接点とが接続した状態にされる。
【0058】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第1電力閾値Thp1よりも多い場合、若しくは、蓄電部15の充電率R1が第1充電率閾値Thr11以上に高い場合、若しくは、第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低い場合、制御部17は、第1発電部11からの電力(第1電力P1)、若しくは、蓄電部15からの電力、若しくは、第3発電部31からの電力(第3電力P3)、若しくは、商用電源からの電力(第4電力P4)が負荷100に供給されるように、第2双投スイッチS21を制御する。
具体的には、第2双投スイッチS21の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされる。
【0059】
(第3双投スイッチS31の制御)
第1発電部11から供給される電力に関する情報と、商用電源200から供給される電力に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17(若しくは第3電力供給部30の制御装置など)は、第3双投スイッチS31の共通接点と第3双投スイッチS31の常閉接点とが接続した状態が、第3双投スイッチS31の共通接点と第3双投スイッチS31の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0060】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低く、商用電源200からの電力(第4電力P4)が、第2電力閾値Thp2よりも少ない場合、制御部17は、第3発電部31からの電力(第3電力P3)が負荷100に供給されるように、第3発電部31と第3双投スイッチS31を制御する。
具体的には、第3発電部31はオン状態にされ、第3双投スイッチS31の共通接点と常開接点とが接続した状態にされる。
【0061】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低く、商用電源200からの電力(第4電力P4)が、第1電力閾値Thp1以上に多い場合、制御部17は、商用電源200からの電力(第4電力P4)が負荷100に供給されるように、第3発電部31と第3双投スイッチS31を制御する。
具体的には、第3発電部31はオフ状態にされ、第3双投スイッチS31の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされる。
【0062】
(第2単投スイッチS42の制御)
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)に関する情報と、蓄電部15の充電率R1に関する情報と、水素貯蔵部25の水素充填率R2に関する情報と、商用電源200から供給される電力に関する情報と、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3に関する情報に基づいて、制御部17は、第2単投スイッチS42の開状態(オフ状態)を閉状態(オン状態)に切り替える。
【0063】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低く、商用電源200からの電力(第4電力P4)が、第1電力閾値Thp1以上に多く、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3が第1燃料充填率閾値Thr31以上に高い場合、制御部17は、第3発電部31からの電力(第3電力P3)が蓄電部15若しくは第2電力供給部20に供給されるように、第3発電部31と第2単投スイッチS42を制御する。
具体的には、第3発電部31はオン状態にされ、第2単投スイッチS42が閉状態(オン状態)にされる。
【0064】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第2充電率閾値Thr12よりも低く、水素貯蔵部25の水素充填率R2が第2水素充填率閾値Thr22よりも低く、商用電源200からの電力(第4電力P4)が、第1電力閾値Thp1以上に多く、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3が第2燃料充填率閾値Thr32よりも低い場合、制御部17は、第3発電部31からの電力(第3電力P3)が蓄電部15及び第2電力供給部20に供給されないように、第3発電部31と第2単投スイッチS42を制御する。
具体的には、第3発電部31はオフ状態にされ、第2単投スイッチS42が開状態(オフ状態)にされる。
【0065】
なお、第3発電部31の間欠運転時に、第2単投スイッチS42が閉状態(オン状態)にされてもよい。
また、第3発電部31からの電力(第3電力P3)を蓄電部15に蓄積させながら、第3発電部31の負荷試験を行うことが出来る。すなわち、蓄電部15は、第3発電部31の負荷試験にも使用されてもよい。
【0066】
(第1双投スイッチS11で切り替えを行うことの効果)
第1双投スイッチS11の常閉接点側の電源(第1発電部11など)からの電力と、第1双投スイッチS11の常開接点側の電源(商用電源200など)からの電力のいずれか一方だけが、負荷100への電力供給に用いられる。
第1双投スイッチS11の常閉接点側の電源(第1発電部11など)からの電力供給と、第1双投スイッチS11の常開接点側の電源(商用電源200など)からの電力供給とが混在することはなく、第1双投スイッチS11の常閉接点側の電源(第1発電部11など)からの電力が、商用電源200に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源200と負荷100の間に、第1電力供給部10などを設けて運用することが出来る。
【0067】
(第2双投スイッチS21で切り替えを行うことの効果)
第2双投スイッチS21の常閉接点側の電源(商用電源200など)からの電力と、第2双投スイッチS21の常開接点側の電源(第2発電部27)からの電力のいずれか一方だけが、負荷100への電力供給に用いられる。
第2双投スイッチS21の常閉接点側の電源(商用電源200など)からの電力供給と、第2双投スイッチS21の常開接点側の電源(第2発電部27)からの電力供給とが混在することはなく、第2双投スイッチS21の常開接点側の電源(第2発電部27)からの電力が、商用電源200に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源200と負荷100の間に、第1電力供給部10と第2電力供給部20などを設けて運用することが出来る。
【0068】
ただし、第2電力供給部20を設けずに、商用電源200と負荷100の間に第1電力供給部10だけ、若しくは第1電力供給部10と第3電力供給部30だけが設けられる形態であってもよい(
図2参照)。この場合、第1単投スイッチS12が省略されてもよい。
【0069】
(蓄電部15を設けたことの効果)
第1発電部11からの電力供給が十分でない時間帯などに、蓄電部15に蓄積した電力を負荷100に供給することが可能になる。
【0070】
ただし、蓄電部15を省略してもよい。
【0071】
(第3双投スイッチS31で切り替えを行うことの効果)
第3双投スイッチS31の常閉接点側の電源(商用電源200)からの電力と、第3双投スイッチS31の常開接点側の電源(第3発電部31)からの電力のいずれか一方だけが、負荷100への電力供給に用いられる。
第3双投スイッチS31の常閉接点側の電源(商用電源200)からの電力供給と、第3双投スイッチS31の常開接点側の電源(第3発電部31)からの電力供給とが混在することはなく、第3双投スイッチS31の常開接点側の電源(第3発電部31)からの電力が、商用電源200に逆流することを抑制出来る。
従って、電力会社との系統連系協議などを行う必要もなく、簡単に、商用電源200と負荷100の間に、第1電力供給部10と第3電力供給部30などを設けて運用することが出来る。
【0072】
(第3発電部31からの電力を蓄電部15が蓄積することの効果)
電力を蓄積しながら、蓄電部15を第3発電部31の負荷試験に活用することも出来る。
【0073】
ただし、第3電力供給部30を設けずに、商用電源200と負荷100の間に第1電力供給部10だけ、若しくは第1電力供給部10と第2電力供給部20だけが設けられる形態であってもよい(
図3参照)。この場合、第2単投スイッチS42が省略される。
【0074】
(常閉接点と常開接点の応用例)
本実施形態では、第1双投スイッチS11の常閉接点がパワーコンディショナー13を介して第1発電部11に接続され、第1双投スイッチS11の常開接点が第3双投スイッチS31を介して、商用電源200に接続される例を説明した。
しかしながら、第1双投スイッチS11の常開接点がパワーコンディショナー13を介して第1発電部11に接続され、第1双投スイッチS11の常閉接点が第3双投スイッチS31を介して、商用電源200に接続されてもよい。
この場合、商用電源200から供給される電力(第4電力P4)に関する情報に基づいて、第1双投スイッチS11の切り替え制御が行われてもよい。
【0075】
また、第2双投スイッチS21の常閉接点が第1双投スイッチS11の共通接点に接続され、第2双投スイッチS21の常開接点がDC/ACインバーター29を介して第2発電部27に接続される例を説明した。
しかしながら、第2双投スイッチS21の常開接点が第1双投スイッチS11の共通接点に接続され、第2双投スイッチS21の常閉接点がDC/ACインバーター29を介して第2発電部27に接続されてもよい。
【0076】
また、第3双投スイッチS31の常閉接点が商用電源200に接続され、第3双投スイッチS31の常開接点が第3発電部31に接続される例を説明した。
しかしながら、第3双投スイッチS31の常閉接点が商用電源200に接続され、第3双投スイッチS31の常開接点が第3発電部31に接続されてもよい。
【0077】
(第1電力供給部10の応用例)
第1電力供給部10における、第1双投スイッチS11とパワーコンディショナー13の間に、オンオフスイッチ(第3単投スイッチS13)を設けてもよい(
図4参照)。
【0078】
この場合、制御部17は、第3単投スイッチS13を制御するための閾値(第3充電率閾値Thr13、第4充電率閾値Thr14)を更に記録する。
第3充電率閾値Thr13は、第2充電率閾値Thr12よりも大きい値である。
第4充電率閾値Thr14は、第3充電率閾値Thr13以上に大きい値である。
【0079】
(第3単投スイッチS13)
第3単投スイッチS13は、常開接点を含む単極単投式スイッチで構成される。
第3単投スイッチS13の一方の端子は、パワーコンディショナー13及び第1単投スイッチS12の一方の端子に接続される。
第3単投スイッチS13の他方の端子は、第1双投スイッチS11の常閉接点に接続される。
【0080】
第3単投スイッチS13を設けた場合、第1双投スイッチS11の常閉接点は、第3単投スイッチS13を介して、パワーコンディショナー13に接続される。また、第3単投スイッチS13を設けた場合、第1単投スイッチS12の一方の端子は、パワーコンディショナー13及び第3単投スイッチS13に接続される。
【0081】
制御部17における、第1双投スイッチS11のオンオフ制御を行う部位と、第3単投スイッチS13のオンオフ制御を行う部位とは、一体で構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
【0082】
(第3単投スイッチS13の制御)
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)に関する情報と、蓄電部15の充電率R1に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17は、第3単投スイッチS13の開状態(オフ状態)を閉状態(オン状態)に切り替える。
【0083】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第1電力閾値Thp1以上に多い、若しくは蓄電部15の充電率R1が第4充電率閾値Thr14以上に高い場合、制御部17は、第1電力P1若しくは蓄電部15からの電力が、第1双投スイッチS11を介して負荷100に供給されるように、第3単投スイッチS13を制御する。
具体的には、第3単投スイッチS13が閉状態(オン状態)にされる。
【0084】
第1発電部11から供給される電力(第1電力P1)が、第2電力閾値Thp2よりも少なく、蓄電部15の充電率R1が第3充電率閾値Thr13よりも低い場合、制御部17は、蓄電部15からの電力が第1双投スイッチS11を介して負荷100に供給されないように、第3単投スイッチS13を制御する。
具体的には、第3単投スイッチS13が開状態(オフ状態)にされる。
【0085】
また、この場合に、制御部17は、蓄電部15からの電力が、水素発生装置23に供給されないように、第1単投スイッチS12を制御するのが望ましい。
具体的には、第1単投スイッチS12が開状態(オフ状態)にされる。
また、この場合に、制御部17は、蓄電部15からの電力が、第3発電部31に供給されないように、第2単投スイッチS42を制御するのが望ましい。
具体的には、第2単投スイッチS42が開状態(オフ状態)にされる。
【0086】
また、この場合、負荷100への電力供給は、第2発電部27からの電力(第2電力P2)、第3発電部31からの電力(第3電力P3)、商用電源200から供給される電力(第4電力)のいずれかに基づいて行われる。
【0087】
第2電力P2に基づいて負荷100への電力供給を行う場合、第2双投スイッチS21の共通接点と常開接点とが接続した状態にされる。
【0088】
第3電力P3に基づいて負荷100への電力供給を行う場合、第1双投スイッチS11の共通接点と常開接点とが接続した状態にされ、第2双投スイッチS21の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされ、第3双投スイッチS31の共通接点と常開接点とが接続した状態にされる。
【0089】
第4電力P4に基づいて負荷100への電力供給を行う場合、第1双投スイッチS11の共通接点と常開接点とが接続した状態にされ、第2双投スイッチS21の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされ、第3双投スイッチS31の共通接点と常閉接点とが接続した状態にされる。
【0090】
(第3単投スイッチS13を設けたことの効果)
第1発電部11が殆ど発電しておらず、蓄電部15が十分に充電出来ていない場合に、蓄電部15に繋がるスイッチ(第3単投スイッチS13など)を開状態(オフ状態)にする。
これにより、パワーコンディショナー13の内部の設定を変えずに、充電が十分でない蓄電部15の更なる放電を少なくすることが出来る。
第1発電部11が発電可能な状態である場合、若しくは、蓄電部15が十分に充電出来ている場合に、蓄電部15に繋がるスイッチ(第3単投スイッチS13など)を閉状態(オン状態)にする。
これにより、第1発電部11若しくは蓄電部15を使って、負荷100への電力供給が出来る。
【0091】
(第3単投スイッチS13が常開接点を含む単極単投式スイッチで構成されることの効果)
蓄電部15が十分に充電出来ていない場合に、第3単投スイッチS13は開状態で維持される。
このため、第3単投スイッチS13が常閉接点を含む単極単投式スイッチで構成される形態と比べて、蓄電部15が十分に充電出来ていない場合に、更なる蓄電部15の放電を少なくすることが出来る。
【0092】
なお、第1電力供給部10に第3単投スイッチS13が設けられる形態で、第2電力供給部20と第3電力供給部30の少なくとも一方が省略される形態であってもよい。
【0093】
(電力検知の応用例)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて若しくは加えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、パワーコンディショナー13を介して供給される電力を検知する第6検知部d6が設けられてもよい(
図5参照)。
【0094】
(第1双投スイッチS11の制御)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、第6検知部d6が設けられた場合、パワーコンディショナー13を介して供給される電力に関する情報と、商用電源200から供給される電力(第4電力P4)に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17は、第1双投スイッチS11の共通接点と第1双投スイッチS11の常閉接点とが接続した状態を、第1双投スイッチS11の共通接点と第1双投スイッチS11の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0095】
(第1単投スイッチS12の制御)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、第6検知部d6が設けられた場合、パワーコンディショナー13を介して供給される電力に関する情報と、水素貯蔵部25の水素充填率R2に関する情報の少なくとも1つに基づいて、制御部17は、第1単投スイッチS12の開状態(オフ状態)を閉状態(オン状態)に切り替える。
【0096】
(第2双投スイッチS21の制御)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、第6検知部d6が設けられた場合、パワーコンディショナー13を介して供給される電力に関する情報と、水素発生装置23で得られた水素に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17(若しくは第2電力供給部20の制御装置など)は、第2双投スイッチS21の共通接点と第2双投スイッチS21の常閉接点とが接続した状態を、第2双投スイッチS21の共通接点と第2双投スイッチS21の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0097】
(第3双投スイッチS31の制御)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、第6検知部d6が設けられた場合、パワーコンディショナー13を介して供給される電力に関する情報と、商用電源200から供給される電力に関する情報の少なくとも一方に基づいて、制御部17(若しくは第3電力供給部30の制御装置など)は、第3双投スイッチS31の共通接点と第3双投スイッチS31の常閉接点とが接続した状態が、第3双投スイッチS31の共通接点と第3双投スイッチS31の常開接点とが接続した状態に切り替える。
【0098】
(第2単投スイッチS42の制御)
第1検知部d1と第2検知部d2に代えて、パワーコンディショナー13と第1双投スイッチS11の間に、第6検知部d6が設けられた場合、パワーコンディショナー13を介して供給される電力に関する情報と、水素貯蔵部25の水素充填率R2に関する情報と、商用電源200から供給される電力に関する情報と、燃料貯蔵部32の燃料充填率R3に関する情報に基づいて、制御部17は、第2単投スイッチS42の開状態(オフ状態)を閉状態(オン状態)に切り替える。
【0099】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0100】
1 電力供給システム
10 第1電力供給部
11 第1発電部
13 パワーコンディショナー
15 蓄電部
17 制御部
20 第2電力供給部
21 AC/DCコンバーター
23 水素発生装置
25 水素貯蔵部
27 第2発電部
29 DC/ACインバーター
30 第3電力供給部
31 第3発電部
32 燃料貯蔵部
100 負荷
200 商用電源
d1 第1検知部(第1電力検知)
d2 第2検知部(充電率検知)
d3 第3検知部(第4電力検知)
d4 第4検知部(水素充填率検知)
d5 第5検知部(燃料充填率検知)
d6 第6検知部(パワーコンディショナーを介した電力検知)
P1 第1電力(第1発電部から)
P2 第2電力(第2発電部から)
P3 第3電力(第3発電部から)
P4 第4電力(商用電源から)
R1 蓄電部の充電率
R2 水素貯蔵部の水素充填率
R3 燃料貯蔵部の燃料充填率
S11 第1双投スイッチ
S12 第1単投スイッチ
S13 第3単投スイッチ
S21 第2双投スイッチ
S31 第3双投スイッチ
S42 第2単投スイッチ
Thp1 第1電力閾値
Thp2 第2電力閾値
Thr11 第1充電率閾値
Thr12 第2充電率閾値
Thr13 第3充電率閾値
Thr14 第4充電率閾値
Thr21 第1水素充填率閾値
Thr22 第2水素充填率閾値
Thr31 第1燃料充填率閾値
Thr32 第2燃料充填率閾値