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▶ グァンチョウ チャイナスター オプトエレクトロニクス セミコンダクター ディスプレイ テクノロジー カンパニー リミテッドの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163840
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】液晶表示パネル
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1337 20060101AFI20241115BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241115BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
G02F1/1337
G02F1/1333 505
G02F1/1335 500
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023202809
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】202310537782.1
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523439149
【氏名又は名称】グァンチョウ チャイナスター オプトエレクトロニクス セミコンダクター ディスプレイ テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ シュエアー
【テーマコード(参考)】
2H190
2H290
2H291
【Fターム(参考)】
2H190HA03
2H190HA08
2H190HB08
2H190HC05
2H190HD06
2H190LA21
2H290BB23
2H290BB40
2H290BB44
2H290BD21
2H290BE03
2H291FA13Y
2H291FB02
2H291GA08
2H291LA24
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本願の実施例は、液晶表示パネルを開示し、この液晶パネルは、アレイ基板と、カラーフィルム基板と、液晶分子とを含み、アレイ基板は、第1の配向層を含み、カラーフィルム基板は、第1の配向層に対向して設置される第2の配向層を含み、液晶表示パネルは、少なくとも第1の領域と、透光効率が第1の領域よりも小さい第2の領域とを含み、ここで、膜厚さ方向に、第1の領域の第1の配向層と第2の配向層との厚さの和は、第2の領域の第1の配向層と第2の配向層との厚さの和よりも大きい。
【効果】透光効率の異なる領域に、厚さの異なる配向層を位置合わせて設置することで、透光効率の高い第1の領域の配向層厚さを透光効率の低い第2の領域の配向層厚さよりも大きくし、配向層厚さが大きいほど、配向層自体の透光率が低くなることによって、異なる領域の表示輝度が一致する傾向にし、液晶表示パネルの異なる領域の表示輝度の均一性を高めた。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含む液晶表示パネルであって、前記液晶表示パネルは、
第1のサブストレートと、前記第1のサブストレートのカラーフィルム基板に向かう側に位置する第1の配向層とを含むアレイ基板と、
第2のサブストレートと、前記第2のサブストレートの前記アレイ基板に向かう側に位置する第2の配向層とを含むカラーフィルム基板であって、前記第2の配向層と前記第1の配向層とが対向して設置されるカラーフィルム基板と、
前記アレイ基板と前記カラーフィルム基板との間に設置される液晶分子とを含み、
ここで、膜厚さ方向に、前記第1の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和は、前記第2の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和よりも大きい、ことを特徴とする液晶表示パネル。
【請求項2】
前記アレイ基板は、画素電極層をさらに含み、前記画素電極層に、間隔をおいて設置される第1の突起が設置されており、隣接する前記第1の突起の間に第1の凹溝が形成されており、前記第1の突起における前記第1の配向層の厚さは、前記第1の凹溝における前記第1の配向層の厚さよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項3】
前記第1の突起と前記第2の領域は、位置合わせて設置され、前記第1の凹溝と前記第1の領域は、位置合わせて設置される、ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示パネル。
【請求項4】
前記第1の突起と前記画素電極層は一体的に設置され、前記第1の突起の製造材料と前記画素電極層の製造材料とは同じである、ことを特徴とする請求項3に記載の液晶表示パネル。
【請求項5】
前記画素電極層は、複数の画素電極をさらに含み、画素電極は、本体部分と、前記本体部分の間に位置するスリット部分と、前記本体部分と前記スリット部分の外周エッジに位置するスリット末端とを含み、前記スリット末端における前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H1であり、前記本体部分の前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H2であり、前記スリット部分の前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H3であり、ここで、H1<H2<H3である、ことを特徴とする請求項2に記載の液晶表示パネル。
【請求項6】
いずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極に対応する前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和は、等しくない、ことを特徴とする請求項5に記載の液晶表示パネル。
【請求項7】
いずれか一つの前記画素電極に少なくとも一つの前記第1の突起が位置合わせて設置されており、且ついずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極の前記第1の突起の高さは異なる、ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示パネル。
【請求項8】
前記カラーフィルム基板は、間隔をおいて設置される第2の突起をさらに含み、隣接する前記第2の突起の間に第2の凹溝が形成されており、前記第2の突起における第2の配向層の厚さは、前記第2の凹溝における前記第2の配向層の厚さよりも小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示パネル。
【請求項9】
膜厚さ方向に、前記第2の突起と前記第1の突起とは、位置をずらして設置されるか又は対向して設置される、ことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示パネル。
【請求項10】
前記第2の突起と位置合わせて設置される前記液晶分子は、第1の偏向角度を有し、前記第2の突起が設置されていない領域に対応する他の前記液晶分子は、直立静止状態又は第2の偏向角度を呈し、ここで、前記第1の偏向角度は、前記第2の偏向角度よりも大きい、ことを特徴とする請求項8に記載の液晶表示パネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示技術分野に関し、具体的には、液晶表示パネルに関する。
【背景技術】
【0002】
広視野角の液晶表示パネルは、一般的にマルチドメイン垂直配向技術を採用しており、多重領域の設計により液晶が静止している時に直立静止状態ではなく偏向角度を有し、透過時間を大きく短縮するが、多重領域の液晶設計により、往々にして液晶ディスプレイの透過率が低くなることによって、色ずれ又は白飛びなどの画質問題を引き起こし、領域によって液晶設計が異なるため、色ずれ又は白飛びなどの画質問題を引き起こし、同時にスリット構造を有する透明電極について、そのスリット末端の透光効率と輝度がいずれも低く、表示輝度が不均一になる。
【0003】
そのため、従来の液晶表示パネルに表示輝度の均一性が悪いという技術的課題が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本願の実施例は、従来の液晶表示パネルに存在する表示輝度の均一性が悪いという技術的課題を緩和させることができる液晶表示パネルを提供する。
【0005】
本願の実施例は、液晶表示パネルを提供し、この液晶表示パネルは、少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含み、前記液晶表示パネルは、
第1のサブストレートと、前記第1のサブストレートのカラーフィルム基板に向かう側に位置する第1の配向層とを含むアレイ基板と、
第2のサブストレートと、前記第2のサブストレートの前記アレイ基板に向かう側に位置する第2の配向層とを含むカラーフィルム基板であって、前記第2の配向層と前記第1の配向層とが対向して設置されるカラーフィルム基板と、
前記アレイ基板と前記カラーフィルム基板との間に設置される液晶分子とを含み、
ここで、膜厚さ方向に、前記第1の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和は、前記第2の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和よりも大きい。
【0006】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記アレイ基板は、画素電極層をさらに含み、前記画素電極層に、間隔をおいて設置される第1の突起が設置されており、隣接する前記第1の突起の間に第1の凹溝が形成されており、前記第1の突起における前記第1の配向層の厚さは、前記第1の凹溝における前記第1の配向層の厚さよりも小さい。
【0007】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第1の突起と前記第2の領域は、位置合わせて設置され、前記第1の凹溝と前記第1の領域は、位置合わせて設置される。
【0008】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第1の突起と前記画素電極層は一体的に設置され、前記第1の突起の製造材料と前記画素電極層の製造材料とは同じである。
【0009】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記画素電極層は、複数の画素電極をさらに含み、画素電極は、本体部分と、前記本体部分の間に位置するスリット部分と、前記本体部分と前記スリット部分の外周エッジに位置するスリット末端とを含み、前記スリット末端における前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H1であり、前記本体部分の前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H2であり、前記スリット部分の前記第1の配向層と前記第2の配向層との間の層ピッチは、H3であり、ここで、H1<H2<H3である。
【0010】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、いずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極に対応する前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和は、等しくない。
【0011】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、いずれか一つの前記画素電極に少なくとも一つの前記第1の突起が位置合わせて設置されており、且ついずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極の前記第1の突起の高さは異なる。
【0012】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記カラーフィルム基板は、間隔をおいて設置される第2の突起をさらに含み、隣接する前記第2の突起の間に第2の凹溝が形成されており、前記第2の突起における第2の配向層の厚さは、前記第2の凹溝における前記第2の配向層の厚さよりも小さい。
【0013】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、膜厚さ方向に、前記第2の突起と前記第1の突起とは、位置をずらして設置されるか又は対向して設置される。
【0014】
好ましくは、本願のいくつかの実施例では、前記第2の突起と位置合わせて設置される前記液晶分子は、第1の偏向角度を有し、前記第2の突起が設置されていない領域に対応する他の前記液晶分子は、直立静止状態又は第2の偏向角度を呈し、ここで、前記第1の偏向角度は、前記第2の偏向角度よりも大きい。
【0015】
有益な効果は以下のとおりである。初期透光効率の異なる第1の領域と第2の領域に対して、厚さの異なる配向層を設置することで、初期透光効率の高い第1の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和を初期透光効率の低い第2の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和よりも大きくし、第1の領域の最終的な透光効率と第2の領域の最終的な透光効率とが一致する傾向にすることによって、異なる領域の表示輝度が一致する傾向にし、液晶表示パネルの異なる領域の表示輝度の均一性を高めた。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例の記載に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下の記載における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者であれば、創造的な労働をしない前提で、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0017】
図1】本願による液晶表示パネルの第1の断面模式図である。
図2】本願による液晶表示パネルの第2の断面模式図である。
図3】本願による液晶表示パネルにおける画素電極層の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られる他の全ての実施例は、いずれも本願の保護範囲に属するものである。なお、理解すべきこととして、ここで記載された具体的な実施形態は、本願を説明し解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものではない。本願では、逆の説明をしない場合、使用された方位用語、例えば「上」、「下」は、通常、装置が実際の使用中又は作動状態での上と下を指し、具体的には図面における図面方向であるが、「内」と「外」は装置の輪郭についていうものである。
【0019】
図1図2を参照すると、本願による液晶表示パネル1は、アレイ基板2と、カラーフィルム基板3と、液晶分子4とを含み、前記アレイ基板2は、第1のサブストレート10と、前記第1のサブストレート10のカラーフィルム基板3に向かう側に位置する第1の配向層30とを含み、前記カラーフィルム基板3は、第2のサブストレート40と、前記第2のサブストレート40の前記アレイ基板2に向かう側に位置する第2の配向層50とを含み、前記第1の配向層30と前記第2の配向層50とが対向して設置され、前記液晶分子4は、前記アレイ基板2と前記カラーフィルム基板3との間に設置され、前記液晶表示パネル1は、少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含み、ここで、膜厚さ方向に、前記第1の領域の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和は、前記第2の領域の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和よりも大きい。
【0020】
ここで、前記第1の領域の初期透光効率は、前記第2の領域の初期透光効率よりも大きい。
【0021】
ここで、前記第1の領域の最終的な透光効率と前記第2の領域の最終的な透光効率とが一致する傾向にある。
【0022】
理解できるように、前記第1の領域の前記初期透光効率が前記第2の領域の前記初期透光効率よりも大きいため、前記第1の領域、前記第2の領域のバックライト輝度が同じである場合、前記第1の領域と前記第2の領域に表示輝度が不均一であるという問題があり、前記第1の領域と前記第2の領域の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和を異ならせることによって、前記第1の領域の最終的な透光効率と前記第2の領域の最終的な透光効率とが一致する傾向にし、さらに前記第1の領域と前記第2の領域の表示輝度が同じ傾向にすることを実現する。
【0023】
本実施例では、初期透光効率の異なる第1の領域と第2の領域に対して、厚さの異なる配向層を設置することで、初期透光効率の高い第1の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和を初期透光効率の低い第2の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和よりも大きくし、第1の領域の最終的な透光効率と第2の領域の最終的な透光効率とが一致する傾向にすることによって、異なる領域の表示輝度が一致する傾向にし、液晶表示パネルの異なる領域の表示輝度の均一性を高めた。
【0024】
ここで具体的な実施例を結び付けながら、本願の技術案を説明する。
【0025】
本願の上記及び下記において配向層厚さを複数回言及しており、前記配向層厚さとは、前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和を指す。
【0026】
一実施例では、前記アレイ基板2は、画素電極層20をさらに含み、前記画素電極層20に、間隔をおいて設置される第1の突起60が設置されており、隣接する前記第1の突起の間に第1の凹溝が形成されており、前記第1の突起60における前記第1の配向層30の厚さは、前記第1の凹溝における前記第1の配向層30の厚さよりも小さい。
【0027】
ここで、前記第1の突起60における前記第1の配向層30の厚さは、前記第1の突起60、前記第1の凹溝が設置されていない箇所における前記第1の配向層30の厚さよりも小さく、前記第1の凹溝における前記第1の配向層30の厚さよりも小さい。
【0028】
ここで、前記第1の配向層30の製造材料は、ポリイミド材料であってもよい。
【0029】
理解できるように、前記アレイ基板2に前記第1の突起60が設置され、前記第1の突起60の上方の前記第1の前記配向層厚さが他の領域の前記第1の前記配向層厚さよりも小さく、前記第1の突起60がその上方の厚さの小さい前記第1の配向層30と協働することで、画素透過率を高めるという効果を実現することができる。
【0030】
理解できるように、前記画素電極層20の前記カラーフィルム基板3に向かう側に前記第1の突起60、前記第1の凹溝が設置され、それによって凹凸のある地形を形成し、前記第1の配向層30の製造材料が流動性を有し、第1の凹溝内に集まるため、前記第1の凹溝には、厚さの大きい第1の配向層30が形成されるが、前記第1の突起60における前記第1の配向層30の製造材料が材料のレベリング性に応じて他の領域へ流動することによって、前記第1の突起60に厚さの小さい前記第1の配向層30が形成される。
【0031】
本実施例では、前記アレイ基板2に前記第1の突起60、前記第1の凹溝が設置され、前記アレイ基板2に凹凸のある地形を形成することで、異なる領域の前記第1の配向層厚さを異ならせ、初期透光効率の低い領域の透光効率を高め、異なる領域の最終的な透光効率を等しくすることによって、異なる領域の表示輝度が一致する傾向にする。
【0032】
一実施例では、前記第1の突起60と前記第2の領域120は、位置合わせて設置され、前記第1の凹溝と前記第1の領域110は、位置合わせて設置される。
【0033】
ここで、前記第1の領域110の前記第2の配向層50の厚さは、前記第2の領域120の前記第2の配向層50の厚さに等しくてもよい。
【0034】
理解できるように、前記第2の領域120の透光効率が低く、前記第2の領域120の表示輝度を向上させるために厚さの小さい前記第1の配向層30を必要とするため、前記第2の領域120と前記第1の突起60を位置合わせて設置してもよく、同時に、前記第1の領域110の透光効率が高く、前記第2の領域120の表示輝度を低減させるために厚さの大きい前記第1の配向層30を必要とするため、前記第1の領域110と前記第1の凹溝を位置合わせて設置してもよく、それによって前記第1の領域110と前記第2の領域120の表示輝度が一致する傾向にし、異なる領域の表示輝度の均一性を向上させた。
【0035】
なお、本実施例では主に前記アレイ基板2に前記第1の突起60、前記第1の凹溝を設置することで前記第1の配向層30の厚さを調節することによって、異なる領域の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和を異ならせる。
【0036】
本実施例では、前記第1の突起60が前記第2の領域120に対応して設置され、前記第1の凹溝が前記第1の領域110に対応して設置され、それによって前記第1の領域110の前記第1の前記配向層厚さが前記第2の領域120の前記第1の前記配向層厚さよりも大きいことを実現し、前記第1の前記配向層厚さにより、異なる領域の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和を調節し、前記第1の領域110と前記第2の領域120の表示輝度が一致する傾向にし、異なる領域の表示輝度の均一性を向上させた。
【0037】
一実施例では、前記第1の突起60、前記第2の突起70の製造材料は、フォトレジスト、窒化ケイ素などの非金属透明材料であってもよい。
【0038】
一実施例では、前記第1の配向層30及び/又は前記第2の配向層50の少なくとも一側の表面は、不平坦な表面として設置される。
【0039】
一実施例では、前記第1の突起60と前記画素電極層20は一体的に設置される。
【0040】
ここで、前記第1の突起60の製造材料と前記画素電極層20の製造材料とは同じである。
【0041】
ここで、前記画素電極層20の製造材料は、酸化インジウムスズ、酸化インジウムガリウム亜鉛、酸化インジウム亜鉛のうちのいずれか一つであってもよい。
【0042】
理解できるように、前記第1の突起60は、前記画素電極層20と一体的に設置されてもよく、前記第1の突起60は、前記画素電極層20と同一のフォトマスクを用いて製造されることができ、第1の突起60の製造に追加のフォトマスクを必要としないため、前記第1の突起60を製造するためのフォトマスクを省略する。
【0043】
本実施例では、前記第1の突起60と前記画素電極層20は一体的に設置され、工程の点では、前記第1の突起60と前記画素電極層20が同一のフォトマスクを用いて製造され、一つのフォトマスクを省略し、コストを低減させた。
【0044】
一実施例では、図3を参照すると、前記画素電極層20は、複数の画素電極をさらに含み、前記画素電極は、本体部分80と、前記本体部分80の間に位置するスリット部分90と、前記本体部分80と前記スリット部分90のエッジに位置するスリット末端100とを含み、前記スリット末端100における前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和は、前記本体部分80の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和よりも小さく、前記スリット部分90の前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和よりも小さい。
【0045】
ここで、前記スリット部分90のエッジの前記スリット末端100とは、前記スリット部分90の画素電極中心線から離れるエッジに位置する前記スリット末端100を指す。
【0046】
ここで、前記本体部分80は、前記画素電極の電極自体であり、前記本体部分80は、主幹電極801と、分岐電極802とを含み、複数の前記分岐電極802は、一つの前記主幹電極801と接続され、且つ前記分岐電極802は、前記主幹電極801に関して対称に設置されてもよい。
【0047】
ここで、前記分岐電極802は、前記主幹電極801に関して位置をずらして設置されてもよい。
【0048】
理解できるように、前記スリット部分90は、隣接する前記分岐電極802の間の隙間であり、前記スリット末端100は、前記画素電極のエッジ領域であり、前記スリット末端100が電場から離れて設置されるため、前記スリット末端100の液晶が不十分に偏向されることにより、前記スリット末端100における透光効率が前記本体部分80の透光効率よりも低くなり、なお、前記本体部分80の透光効率は、前記スリット部分90の透光効率よりも低い。
【0049】
本実施例では、透光効率の大きさに応じて、前記スリット部分90>前記本体部分80>前記スリット末端100の順にソートされると、前記スリット末端100における前記配向層厚さ<前記本体部分80の前記配向層厚さ<前記スリット部分90の前記配向層厚さとする必要があり、一つの前記画素電極内に、前記スリット、前記本体部分80、前記スリット末端100における最終的な透過効率を同じにし、さらに前記スリット、前記本体部分80、前記スリット末端100の表示輝度が一致する傾向にし、いずれか一つの画素電極内の各領域の表示輝度の均一性を高めた。
【0050】
一実施例では、いずれか一つの前記画素電極は、電場に近接して設置される液晶分子4と、電場から離れて設置される液晶分子4とを更に含み、電場に近接して設置される液晶分子4、電場から離れて設置される液晶分子4における前記配向層厚さは、前記画素電極の他の領域よりも小さい。
【0051】
ここで、電場に近接して設置される液晶分子4は過剰に偏向され、電界から離れて設置される液晶分子4は、不十分に偏向される。
【0052】
理解できるように、電界が強すぎると液晶の偏向が大きくなりすぎ、又は、電界が弱すぎると液晶の偏向が不十分となり、いずれもこの領域の透光効率が低いことを引き起こし、電界に近接して設置される液晶分子4、電界から離れて設置される液晶分子4における第1の配向層30と前記第2の配向との厚さの和を、画素電極の他の領域の第1の配向層30と前記第2の配向層との厚さの和よりも小さくすることで、電界に近接して設置される液晶分子4、電界から離れて設置される液晶分子4における表示輝度を調節し、前記画素電極内の各領域の表示輝度の均一性を向上させた。
【0053】
本実施例では、電場との距離に基づいて液晶分子4が過剰に偏向され又は不十分に偏向されるかどうかを判断し、透光効率の低い領域に、より小さい前記配向層厚さを設置することによって、透光効率の低い領域の表示輝度を増大し、画素電極内の各領域の表示輝度の均一性を向上させた。
【0054】
一実施例では、いずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極に対応する前記第1の配向層30と前記第2の配向層50との厚さの和は、等しくない。
【0055】
理解できるように、隣接する異なる画素電極にとって、異なる画素電極の透光効率が異なることがあり、異なる画素電極に対応する前記配向層厚さを異なるように調節することで、透光効率の高い画素電極に対応する前記配向層厚さをより大きくし、透光効率の低い画素電極に対応する前記配向層厚さをより小さくすることによって、異なる画素セルの表示輝度の均一性を高めることができる。
【0056】
本実施例では、異なる画素電極にとって、それに対応する前記配向層厚さを調節することで、前記配向層厚さを透光効率に反比例させ、さらに異なる画素電極に対応する表示輝度が一致する傾向にし、異なる画素電極間の表示輝度の均一性を高めた。
【0057】
一実施例では、いずれか一つの前記画素電極に少なくとも一つの前記第1の突起60が位置合わせて設置されており、且ついずれか二つの透光効率が異なる前記画素電極の前記第1の突起60の高さは異なる。
【0058】
理解できるように、一つの前記画素電極内に、前記第1の突起60は、前記画素電極内の異なる領域の前記配向層厚さを調節し、いずれか一つの画素電極内の異なる領域の表示輝度の均一性を高めることを実現するためのものである。
【0059】
理解できるように、異なる前記画素電極にとって、高さの異なる前記第1の突起60を設置することによって、異なる前記画素電極に対応する前記配向層厚さが異なることを実現することができ、さらに異なる画素電極間の表示輝度の均一性を高めた。
【0060】
なお、本実施例では主に前記アレイ基板2の第1の突起60により前記配向層厚さの調節を実現し、ここで、第2の配向層50の厚さは、どこでも等しくてもよく、前記第2の突起70は主に液晶分子4の偏向角度を調節することによって、第2の突起70における液晶分子4の応答時間がより短いという技術的効果を実現するためのものである。
【0061】
本実施例では、いずれか一つの前記画素電極を少なくとも一つの前記第1の突起60に対応させ、且つ異なる画素電極内の第1の突起60の高さを異ならせることで、いずれか一つの画素電極内の各領域の表示輝度の均一性を高めることができるだけでなく、異なる画素電極の表示輝度の均一性を高めることもできる。
【0062】
一実施例では、図2を参照すると、前記カラーフィルム基板3は、間隔をおいて設置される第2の突起70、第2の凹溝をさらに含み、前記第2の突起70における第2の配向層の厚さd2は、前記第2の凹溝における前記第2の配向層50の厚さd4よりも小さい。
【0063】
ここで、前記第2の配向層50の製造材料は、前記第1の配向層30の製造材料と同じであってもよい。
【0064】
ここで、前記第2の配向層50の製造材料は、ポリイミド材料であってもよい。
【0065】
理解できるように、第2の突起70、第2の凹溝により、前記第2の配向層50の厚さを調節し、さらに第1の突起60、第1の凹溝により前記第1の配向層30の厚さを調節することによって、異なる領域の前記配向層厚さの調節を実現する。
【0066】
なお、一実施例では、前記カラーフィルム基板3上に設置される第2の突起70のみが液晶分子4の偏向角度に影響を与えることができ、具体的には、前記第2の突起70は、液晶分子4により大きい偏向角度を有させることができ、それによって液晶応答時間、即ちMVA技術(Multi-domain Vertical Alignment、マルチドメイン垂直配向)を向上させることができる。
【0067】
本実施例では、カラーフィルム基板3に間隔をおいて設置される第2の突起70、第2の凹溝が設置され、それによって第2の突起70、第2の凹溝における第2の配向層50の厚さを調節し、さらに異なる領域の前記配向層厚さを調節することができると同時に、第2の突起70における液晶分子4により大きい偏向角度を有させることもでき、それによって液晶分子4が水平状態に変わる時間を短縮して、バックライトの透過時間を減少させ、バックライトの透過速度を向上させる。
【0068】
一実施例では、前記第2の突起70は、独立した部材である。
【0069】
理解できるように、前記第2の突起70は、追加のフォトマスクを用いて製造され、前記第2の突起70は、前記第2のサブストレート40の上方のいずれか一つの膜層表面に設置されてもよい。
【0070】
一実施例では、図1を参照すると、膜厚さ方向に、前記第2の突起70と前記第1の突起60とは、位置をずらして設置される。ここで、前記第2の突起70と前記第1の突起60は、透光効率の低い領域に設置される。
【0071】
ここで、前記第1の厚さd1は、前記第2の領域120における前記第1の配向層の厚さであり、前記第2の厚さd2は、前記第2の領域120における前記第2の配向層の厚さであり、前記第3の厚さd3は、前記第1の領域110における前記第1の配向層の厚さであり、前記第4の厚さは、前記第1の領域110における前記第2の配向層の厚さである。
【0072】
ここで、d1<d3であり、d2<d4である。
【0073】
ここで、前記第1の凹溝と前記第2の凹溝とは、位置をずらして設置されてもよく、前記第1の凹溝と前記第2の凹溝は、透光効率の高い領域に設置される。
【0074】
理解できるように、前記第1の凹溝の深さが前記第2の凹溝の深さよりも大きい場合、前記第1の突起60の高さは、前記第2の突起70の高さよりも小さく、前記第2の突起70と前記第1の凹溝を位置合わせて設置し、前記第1の突起60と前記第2の凹溝を位置合わせて設置することによって、第1の突起60、第2の突起70に対応する領域の表示輝度が一致する傾向にする。
【0075】
本実施例では、前記第2の突起70と前記第1の突起60を位置をずらして設置し、前記第2の突起70と前記第1の凹溝を位置合わせて設置し、前記第1の突起60と前記第2の凹溝を位置合わせて設置することによって、第1の突起60、第2の突起70に対応する領域の発光輝度が一致する傾向にする。
【0076】
一実施例では、図2を参照すると、膜厚さ方向に、前記第2の突起70と前記第1の突起60とは、対向して設置される。
【0077】
ここで、前記第1の厚さd1は、前記第2の領域120における前記第1の配向層の厚さであり、前記第2の厚さd2は、前記第2の領域120における前記第2の配向層の厚さであり、前記第3の厚さd3は、前記第1の領域110における前記第1の配向層の厚さであり、前記第4の厚さは、前記第1の領域110における前記第2の配向層の厚さである。
【0078】
ここで、d1+d4<d3+d4であり、d2+d3<d3+d4である。
【0079】
理解できるように、前記第2の突起70における液晶透過率が低く、前記第2の突起70における透光効率が低いため、前記第2の突起70に設置される必要のある前記配向層厚さが小さく、そのため、第1の突起60と第2の突起70とが対向して設置され、それによって前記第2の突起70における前記配向層厚さが小さいことを実現することができ、それによって第2の突起70における表示輝度と他の領域の表示輝度が一致する傾向にし、前記液晶表示パネル1の表示輝度の均一性を向上させる。
【0080】
一実施例では、図1図2を参照すると、前記第2の突起70と位置合わせて設置される前記液晶分子4は、第1の偏向角度α1を有し、前記第2の突起70が設置されていない領域に対応する他の前記液晶分子4は、直立静止状態又は第2の偏向角度α2を呈し、ここで、前記第1の偏向角度α1は、前記第2の偏向角度α2よりも大きい。
【0081】
理解できるように、液晶分子4が前記第1の偏向角度α1から水平状態まで変わるために回転する角度が、液晶分子4が前記第2の偏向角度α2から水平状態まで変わるために回転する角度よりも小さいため、前記第1の偏向角度α1の液晶分子4が水平状態に変わるために必要な時間を短縮することができる。
【0082】
なお、前記第1の偏向角度α1は、前記液晶分子4が直立静止状態から第1の偏向角度α1まで回転するために回転する角度であり、前記第2の偏向角度α2は、前記液晶分子4が直立静止状態から第2の偏向角度α2まで回転するために回転する角度である。
【0083】
本実施例では、カラーフィルム基板3に第2の突起70が設置され、それによって第2の突起70に対応する液晶分子4により大きい偏向角度を有させることによって、液晶分子4が水平状態に変わる時間を短縮して、バックライトの透過時間を減少させ、バックライトの透過速度を向上させる。
【0084】
本願は、表示モジュール、表示装置をさらに提供し、前記表示モジュールと前記表示装置はいずれも上記液晶表示パネルを含み、ここでこれ以上説明しない。
【0085】
本実施例による液晶表示パネルは、アレイ基板と、カラーフィルム基板と、液晶分子とを含み、前記アレイ基板は、第1のサブストレートと、前記第1のサブストレートのカラーフィルム基板に向かう側に位置する第1の配向層とを含み、前記カラーフィルム基板は、第2のサブストレートと、前記第2のサブストレートの前記アレイ基板に向かう側に位置する第2の配向層とを含み、前記液晶分子は、前記アレイ基板と前記カラーフィルム基板との間に設置され、前記液晶表示パネルは、少なくとも第1の領域と、第2の領域とを含み、前記第1の領域の透光効率は、前記第2の領域の透光効率よりも大きく、ここで、膜厚さ方向に、前記第1の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和は、前記第2の領域の前記第1の配向層と前記第2の配向層との厚さの和よりも大きく、前記第1の領域の最終的な透光効率と前記第2の領域の最終的な透光効率とが一致する傾向にあり、初期透光効率の異なる領域に、厚さの異なる配向層を設置することで、初期透光効率の高い第1の領域に設置される配向層厚さを初期透光効率の低い第2の領域の配向層厚さよりも大きくすることによって、異なる領域の最終的な透過効率が一致する傾向にし、さらに異なる領域の表示輝度が一致する傾向にし、異なる領域の表示輝度の均一性を高めた。
【0086】
上記実施例では、各実施例に対する説明は、いずれも重点を置き、ある実施例では詳述されない部分は、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0087】
以上は、本願の実施例による液晶表示パネルについて詳細に紹介した。本明細書において、具体的な例を用いて本願の原理及び実施形態を説明したが、以上の実施例の説明は、本願の方法及びそのコアとなる思想に対する理解を助けるためのものに過ぎず、同時に、当業者であれば、本願の思想に基づき、発明を実施するための形態及び適用範囲のいずれに対しても変更する可能性があり、以上を纏めると、本明細書の内容は、本願に対する制限として理解してはいけない。
【符号の説明】
【0088】
【表1】
図1
図2
図3