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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163843
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】LED赤外線照射器
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/06 20060101AFI20241115BHJP
   A61F 7/00 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
A61N5/06 A
A61N5/06 Z
A61N5/06 B
A61F7/00 320Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214683
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2023-0061460
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523478883
【氏名又は名称】ビオシン コリア カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523478894
【氏名又は名称】ボジョン グローバル ヘルス ケア カンパニー リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】523478908
【氏名又は名称】ボジョン エムシー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】カン,ジョンオク
(72)【発明者】
【氏名】イム,ジョンス
【テーマコード(参考)】
4C082
4C099
【Fターム(参考)】
4C082PA01
4C082PA02
4C082PA03
4C082PC04
4C082PC09
4C082PE10
4C082PJ01
4C099AA01
4C099CA01
4C099EA08
4C099GA30
4C099JA01
4C099TA02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ユーザの深部体温を集中的に上昇させるLED赤外線照射器を提供する。
【解決手段】LED赤外線照射器であって、上板10と、下板20と、PC板と、取っ手部30と、ヘッド部40と、カバー部60と、酸素発生器70と、制御部100とで構成され、下板の電源は、チャンバ電源部と、下板LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、上板の電源は、上板LED電源部と、上板UVC LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、上板および下板の材質は、ABS樹脂であり、上板および下板は、二重壁体で構成され、上板と下板との壁体中間に醗酵型グラファイト断熱材を内蔵することを特徴とする。近赤外線が人体の肌の最も奥深くまで透過して深部体温を上昇させるとともに加温することができる効果があり、多数のLEDから発生する対流熱を効果的に遮断してユーザが快適な環境で全身に赤外線を照射されることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上板と、ユーザが横になることができる空間を有する下板と、前記下板の上端面に配置され、ユーザの全身を収容することができる大きさを有するPC板と、取っ手部と、ヘッド部と、カバー部と、酸素発生器と、前記上板の側面の上端に設けられた制御部とで構成され、前記下板の電源は、チャンバ電源部と、下板LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、前記上板の電源は、上板LED電源部と、上板UVC LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、前記上板および下板の材質は、ABS樹脂であり、前記上板および下板は、二重壁体で構成されている、LED赤外線照射器において、
前記上板と前記下板との壁体中間に環境にやさしい醗酵型グラファイト断熱材を内蔵し、前記下板は、ブラケット、下板本体部、ユーザの頭を乗せる枕、コップなどを置く保管台、携帯電話保管台、緩衝器、汗排出口、ヒンジ、移動用ホイール及びユーザが点滴注射を打つ場合、輸液を供給する輸液ラインを含み、
前記制御部は、電源部、作動モード操作部、センサ部、タイマー部、警報音発生部、チャンバ開閉部、ディスプレイ駆動部、換気部、情報処理部、及びメモリ部を含み、
前記電源部は、チャンバ電源部と、下板LED電源部と、上板LED電源部と、上板UVC LED電源部と、遠赤外線発熱体とを含み、
前記センサ部は、温度センサと、湿度センサと、人体感知センサとを含み、
前記下板LED電源部は、600nm可視光線LEDを複数個配置したA型LEDユニットと、810nmLED、940nmLED及び1,200nmLEDを混合して配置したB型LEDユニットとで構成され、
前記下板LED電源部は、AC120~220VをAC/DCコンバータで12V直流に変換して供給し、前記A型LEDユニット及びB型LEDユニットの電力をそれぞれ制御し、
前記上板LED電源部は、600nm可視光線LEDが複数個配置したA型LEDユニットと、810nmLED、940nmLED及び1,200nmLEDを混合して配置したB型LEDユニットと、深紫外UVC LEDとで構成され、前記A型LEDユニットは4~8個であり、前記B型LEDユニットは4~8個であり、前記深紫外UVC LEDは2~3個であり、
前記下板LED電源部は、AC120/220VをAC/DCコンバータで12V直流に変換してA型LEDユニット及びB型LEDユニットにそれぞれ電力を供給し、AC120/220VをAC/DCコンバータで48V直流に変換して2個の紫外線LEDに供給して、これをそれぞれ制御することを特徴とする、LED赤外線照射器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED赤外線照射器に関し、より詳しくは、本発明は、治療対象(ユーザ)の深部体温を上昇させて各種疾患及び痛症を予防することができるLED赤外線照射器に関する。
【背景技術】
【0002】
人体は深部体温の影響を多く受ける。深部体温が0.5~1℃だけが高くなったり低くなったりすると、エネルギを放出し変換して保存する活動に影響を受ける。
【0003】
深部体温が1℃上がると、基礎代謝率は15%上昇すると知られている。逆に、体温が下がると、血液循環がまともに行われなくて血液が運搬する酸素や栄養素、免疫物質が身体のあちこちにまともに運搬されないことから、体内バランスが崩れて、各種疾病に露出しやすい。このように深部体温は我々の体において、体温を調節して免疫力を育てる重要な役割を果たしている。
【0004】
赤外線光は、一般に、波長が短ければ反射しやすく、波長が長ければ物体に到逹した時によく吸収される性質があるので、浸透力が強くて人間の体もこの赤外線を浴びると暖かくなる。日光を浴びながら座っていれば暑さが感じられるが、その理由は日光の中に含まれた赤外線が肌深く侵透して熱を作るからである。
【0005】
赤外線は、大きく近赤外線、中赤外線、遠赤外線に分けられる。その中で近赤外線は780nm~1,200nm領域範囲内の光であって可視光線と中赤外線との間に位置する。
【0006】
可視光線は、肉眼で見られる光であり、波長は380~780nmである。近赤外線は、波長が780~2,500nmの電磁波において、赤色の可視光線に近い波長を有し、性質も可視光線に近い特性を有しているため「見えない光」と呼び、赤外線カメラ、赤外線通信または家電用のリモコンなどに応用されている。
【0007】
近赤外線は、遠赤外線よりも波長が非常に短い光であって、浸透力は遠赤外線よりも10倍以上深い。近赤外線の特徴は、発熱体の温度が1,800~2,200℃の太陽熱に最も近似する短波長の光線である。光を発生させる光源として発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」という)は、発光効率が高く、寿命が長く、消費電力が低く、環境にやさしいという多くの長所を持っている。今日LEDを使用する技術分野が増加し続けている。
【0008】
特許文献1(韓国登録特許第10-1942547号「LED全身治療器」)(以下、従来の技術)という。)が公開されている。図1は、従来の技術の図である。
【0009】
図1に示されている従来の技術は、ユーザが位置する上板を含む本体部1と、前記本体部1に結合され、前記上板を覆うカバー部5と、前記本体部1に配置され、前記上板の下側から前記上板に向かって光を照射する第1光照射部2と、前記カバー部5の内側に配置され、前記上板に向かって光を照射する第2光照射部6とを含み、前記第1光照射部2及び前記第2光照射部6は、複数個の光源が一列に配置されたバー(bar)状の複数個の光モジュールと、を含んでなる。また、第1光照射部2及び第2光照射部6で発生する熱を外部へ放出させる換気装置8と、前記本体部1の一側面の上部に設置される側板7と、ユーザの足の温度を保温する赤外線ランプとが配置される。
【0010】
従来の技術は、近赤外線LEDを用いないので、人体に有益な治療効果が期待できないという問題点がある。光照射器は、光源の特定の波長帯域を利用した照射装置であって、人体に治癒効果のある一定した波長を発生させる光源から発生した光を皮膚に照射してあらゆる肌タイプ(skin type)や人種を問わず皮膚細胞の活性、しわ緩和、にきびの除去、アトピー症状の緩和などの皮膚治療に副作用なしに用いられる。
【0011】
このようなLED光源を利用した光照射器は、病院やスキンケアショップで使う据え置き式光治療器と、家庭で使う携帯用光治療器などが挙げられ、最近は多様な光治療効果の確認及び肌への関心が高まることで、皮膚治療用光照射器に対して多様な研究開発が行われつつある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1942547号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-2431396号公報
【特許文献3】韓国登録特許第10-14330701号公報
【特許文献4】韓国登録特許番号第10-1506075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、人体の肌の最も奥まで透過して入り込んで温度を上昇させる近赤外線波長でユーザの深部体温を集中的に上昇させるLED赤外線照射器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のLED赤外線照射器は、上板と、ユーザが横になることができる空間を有する下板と、下板の上端面に配置され、ユーザの全身を収容することができる大きさを有するPC板と、取っ手部と、ヘッド部と、カバー部と、酸素発生器と、板の側面の上端に設けられた制御部とで構成され、下板の電源は、チャンバ電源部と、下板LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、上板の電源は、上板LED電源部と、上板UVC LED電源部と、遠赤外線発熱体とで構成され、上板および下板の材質は、ABS樹脂であり、上板および下板は、二重壁体で構成されており、上板と下板との壁体中間に環境にやさしい醗酵型グラファイト断熱材を内蔵することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のLED赤外線照射器の下板は、支持台、下板本体部、ユーザの頭を乗せる枕、コップなどを置く保管台、携帯電話保管台、緩衝器、汗排出口、ヒンジ、移動用ホイール及びユーザが点滴注射を打つ場合、輸液を供給する輸液ラインを含むことを特徴とする。
【0016】
また、LED赤外線照射器の制御部は、電源部と、作動モード操作部と、センサ部と、タイマー部と、警報音発生部と、チャンバ開閉部と、ディスプレイ駆動部と、換気部と、情報処理部と、メモリ部と、を含むことを特徴とする。また、LED赤外線照射器の電源は、チャンバ電源部と、下板LED電源部と、上板LED電源部と、上板UVC LED電源部と、遠赤外線発熱体と、を含み、センサ部は、温度センサと、湿度センサと、チャンバの内部にユーザがいるかどうかを感知する人体感知センサと、を含むことを特徴とする。
【0017】
また、本発明のLED赤外線照射器の下板LED電源部は、600nm可視光線LEDを複数個配置したA型LEDユニットと、810nmLED、940nmLED及び1,200nmLEDを混合して配置したB型LEDユニットとで構成され、A型LEDユニットは5~10個であり、B型LEDユニットは5~10個であることを特徴とし、下板LED電源部は、AC120~220VをAC/DCコンバータで12V直流に変換して供給し、A型LEDユニット及びB型LEDユニットの電力をそれぞれ制御することを特徴とする。
【0018】
また、本発明のLED赤外線照射器の上板LED電源部は、600nm可視光線LEDを複数個配置したA型LEDユニットと、810nmLED、940nmLED及び1,200nmLEDを混合して配置したB型LEDユニットと、深紫外UVC LEDとで構成され、A型LEDユニットは4~8個であり、B型LEDユニットは4~8個であり、深紫外UVC LEDは2~3個であることを特徴とし、
下板LED電源部は、AC120/220VをAC/DCコンバータで12V直流に変換してA型LEDユニット及びB型LEDユニットにそれぞれ電力を供給し、AC120/220VをAC/DCコンバータで48V直流に変換して2個の紫外線LEDに供給して、これをそれぞれ制御することを特徴とする。
【0019】
また、本発明のLED赤外線照射器の緩衝器は、上部は上板に取り付けられた第1固定部に結合され、下部は下板に取り付けられた第2固定部に結合されるアクチュエータと、上板と下板とを結合し、上板が上下に作動できるように支持する1つ以上のヒンジと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、近赤外線が人体の肌の最も奥まで透過して深部体温を上昇させるとともに加温することができる効果があり、多数のLEDから発生する対流熱を効果的に遮断してユーザが快適な環境で全身に赤外線を照射されることができる。
【0021】
また、本発明によれば、LEDから放射される近赤外線は、酸化窒素(NO)の生成を促進し、血液循環、痛症緩和、老廃物除去及び殺菌効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来のLED赤外線照射器の斜視図である。
図2】本発明の実施形態による全身温熱治療器の斜視図である
図3】本発明の実施形態による下板の構成図である。
図4】本発明の実施形態による下板LED電源部の構成図である。
図5】本発明の実施形態による下板のヒーターブラケットを取り外した図である。
図6】本発明の実施形態による上板の構成図である。
図7】本発明の実施形態による上板に配置された遠赤外線発熱体の構成図である。
図8】本発明の実施形態による制御部のブロック図である。
図9】本発明の実施形態による電源部の構成図である。
図10】本発明の実施形態によるセンサ部の構成図である。
図11】本発明の実施形態によるLEDユニットの構成図である。
図12】多数波長帯のLEDを組み合わせた図である。
図13】近赤外線LEDと遠赤外線発熱体を組み合わせた図である。
図14】下板LED電源部の構成図である。
図15】上板LED電源部の構成図である。
図16】本発明のLED赤外線照射器の作動を示す流れ図である。
図17】本発明のチャンバ内の消毒方法を示す流れ図である。
図18】上板に設置したアクチュエータ(Actuator)の構造図である。
図19】アクチュエータ作動で上板が開かれることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
【0024】
図2は、本発明の実施形態による全身温熱治療器の斜視図であり、図3は、本発明の実施形態による下板の構成図であり、図4は、本発明の実施形態による下板LED電源部の構成図であり、図5は、本発明の実施形態による下板のヒーターブラケットを取り外した図であり、図6は、本発明の実施形態による上板の構成図であり、図7は、本発明の実施形態による上板に配置された遠赤外線発熱体の構成図であり、図8は、本発明の実施形態による制御部のブロック図であり、図9は、本発明の実施形態による電源部の構成図であり、図10は、本発明の実施形態によるセンサ部の構成図であり、図11は、本発明の実施形態によるLEDユニットの構成図であり、図12は、多数波長帯のLEDを組み合わせた図であり、図13は、近赤外線LEDと遠赤外線発熱体を組み合わせた図であり、図14は、下板LED電源部の構成図であり、図15は、上板LED電源部の構成図であり、図16は、本発明のLED赤外線照射器の作動を示す流れ図であり、図17は、本発明のチャンバ内の消毒方法を示す流れ図であり、図18は、上板に設置したアクチュエータ(Actuator)の構造図であり、図19は、アクチュエータ作動で上板が開かれることを示す図である。
【0025】
<赤外線の種類>
【0026】
赤外線は波長によって近赤外線、中赤外線及び遠赤外線に分けられる。
【0027】
人体の肌は、角質、表皮、真皮、皮下脂肪及び筋肉からなっている。4mm以上の深さから皮下脂肪と呼び、皮下脂肪の厚さは約2mmである。
【0028】
本発明では前記皮下脂肪層を加熱することで最も効果的に短時間で加温することによりユーザの深部体温を上昇させることができる。
【0029】
本発明で使用する700nm~1,200nmの近赤外線波長は、肌の深さ5mm地点以上を透過して人体を加温することができる。
【0030】
近赤外線の波長は、熱伝逹が既存の熱帯類方式ではなくて、光エネルギが10秒以内に2,200℃を瞬間的に発熱することで、別途の予熱時間が不要な直接熱伝逹方式なので熱エネルギを90%以上の熱効率で伝達する。
【0031】
近赤外線は、NASA(米国航空宇宙局)で長い間植物成長及び人体治療の実験において、1,000余種の効果があると2006年に世界的な科学学術誌たるネイチャーに発表した。
【0032】
発表したNASA論文において、太陽から来る光の中で唯一に近赤外線のみが細胞活性化と生体治癒の効果があり、塗ったり食べたりしなくとも万病を治せる生命の光であると主張した。その後、多くの医療機関及び科学者らが研究して見た結果、近赤外線の範囲は700nm~1,200nmの範囲内において領域別にそれぞれ異なる数多くの効果・効能が見出されることにより、奇跡の光と呼ばれ、いくら過多に使用しても副作用がないとして
夢の光とも呼ばれる。
【0033】
癌のような腫瘍があって、最も奥まで透過させるためには波長を調節する必要がある。肌深さ5mm以上透過する最適の近赤外線領域は、850nmまたは1,200nmである。これらの両領域の間にある波長が最も効率的に肌に深く入り込んで人体の深部体温を上昇させるようになる。したがって、本発明の一実施形態において、LEDで発生する近赤外線領域と肌5mm以上の深さの領域にある700nm~1,200nmの波長を用いる。
【0034】
図2は、本発明の実施形態による全身温熱治療器の斜視図である。
【0035】
本発明で使用する用語「チャンバ(Chamber)」とは、近赤外線の治療のための空間を持つ円筒状の筒と定義する。前記チャンバは、上板と下板とで構成される。
【0036】
チャンバ開閉部を「ON」すれば、上板チャンバが上に開かれ、「OFF」すれば上板チャンバが下に閉まる。説明の便宜上、上板チャンバは「上板」といい、下板チャンバは「下板」という。
【0037】
本発明のLED赤外線照射器は、治療対象の人を「ユーザ」と定義する。
【0038】
本発明のチャンバの一方は開口しており、ユーザが下板のPC板に横になって、ユーザの頭は下板の外側に位置づけられる。
【0039】
図2に示されている本発明のLED赤外線照射器は、上板10と、下板20と、取っ手部30と、ヘッド部40と、カバー部60と、酸素発生器70と、制御部100とからなる。
【0040】
前記上板20の側面上端に制御部100が設けられ、前記制御部100は、前記上板10及び前記下板20に装着された構成部品を制御する。前記制御部100は、ディスプレイ(display)であって、12.1インチのタッチパネル(touch panel)である。
【0041】
管理者が取っ手部30を取って前記上板10を開くことができる。あるいは、管理者が前記制御部100のチャンバ開閉部160を操作すると、上板20を開閉することができる。
【0042】
前記カバー部16は、ユーザの頭が見えないようにヘッド部40をカバーする。
【0043】
チャンバの上板及び下板の材質は、ABS樹脂であり、二重に構成されている。二重になっている上板と下板の中間に環境にやさしい断熱材を内蔵する。
【0044】
本発明の一実施形態で用いる断熱材は、環境にやさしい醗酵型グラファイトパッドである。より詳しくは、フレオンガスなどを使わない環境にやさしい断熱材である。
【0045】
本発明の他の実施形態として、断熱材の材質は発泡プラスチック系であって、押出発泡スチロール(XPS)、発泡スチロール(EPS)、発泡ポリプロピレン(EPP)、及び発泡ポリエチレン(EPE)などを使い分けられる。
【0046】
チャンバ内の温度は80℃である。ABS樹脂は、250℃まで熱に耐えられる合成樹脂である。
【0047】
前記環境にやさしい断熱材は、内部で発生する熱による上板と下板の温度上昇に起因する熱を遮断する。
【0048】
前記酸素発生器70は、上板10の一方のヘッド部40の上端部に取り付ける。ユーザに酸素供給が必要な場合、すぐホースをユーザ鼻に連結して酸素を供給する。
【0049】
図3は、本発明の実施形態による下板の構成図である。
【0050】
下板20は、ブラケット21、下板本体部22、ユーザの頭を乗せる枕23、コップなどを置く保管台24、携帯電話保管台25、緩衝器26、汗排出口27、ヒンジ28、移動用ホイール29、及びユーザが点滴注射を打つ場合、輸液を供給する輸液ライン32で構成される。
【0051】
下板20に、光を通過させることができるように透明なプラスチック材質であるPC(polycarbonate)板を具備する。ユーザはPC板(図示せず)上に横になるようになる。
【0052】
前記枕23の材質は、柔らかい医療用シリコーン(medical silicon)である。
【0053】
本発明の一実施形態で、上板10と下板20とは2つのヒンジ28で結合される。前記上板10を開閉する手段は緩衝器26である。
【0054】
前記緩衝器26は、空圧緩衝器、油圧ショックアブソーバーまたはアクチュエータ(Actuator)が挙げられる。前記緩衝器26は、図3図4及び図5に示されているように、前記下板20の内部に2つの油圧ショックアブソーバーを設置してもよい。
【0055】
本発明の他の実施形態として、アクチュエータを前記上板10の外部に設置する。
【0056】
図18及び図19に示されているアクチュエータ300により上板10を開閉することができる。前記アクチュエータ300を使用すると、騷音がなく安全である。
【0057】
本発明の実施形態における遠赤外線発熱体116は、発熱効率が良いイライト発熱体を用いる。イライトは、遠赤外線放射エネルギが人体の波長と同一である。韓国の忠北永同のイライトは代表的な粘土鉱物質であって、多孔性(カリウム成分が少ない)黒雲母系鉱物を含み、板状構造である。
【0058】
イライト発熱体は、弾性と吸着性が他の鉱物に比べて優れる。同量の熱を投入しても体内深部におけるイライトの温熱が遥かに大きいそうである。
【0059】
研究報告によれば、イライトの遠赤外線は、血液循環、細胞活性化、免疫力強化、深部浸透温熱、抗菌、脱臭、及び癌細胞増殖を低下させることができるとされる。
【0060】
図4は、本発明の実施形態による下板LED電源部の構成図である。
【0061】
下板20に下板LED電源部113及び遠赤外線発熱体116が配置される。
【0062】
下板LED電源部113が搖れないように固定するブラケット31が鉄板上に一定した間隔で複数個設置される。
【0063】
図5は、本発明の実施形態による下板のヒーターブラケットを取り外した図である。
【0064】
図5に示されている下板20のヒーターブラケットを取り外した図において、前記下板20の内部40に換気ファン41及び駆動用モータなどが内蔵される。汗排出口27は、前記下板20の底にたまるユーザの汗を集めて排出する。
【0065】
図6は、本発明の実施形態による上板の構成図である。
【0066】
上板の電源は、上板LED電源部114と、上板UVC LED電源部115と、遠赤外線発熱体116とからなり、光を通過させることができるPC板が上板LED電源部に結合される。前記上板LED電源部114及びUVC LED電源部115が搖れないように固定する役割をするブラケット117が一定した間隔で複数個配置される。
【0067】
図7は、本発明の実施形態による上板に配置された遠赤外線発熱体の構成図である。
【0068】
上板の電源は、上板LED電源部114と、上板UVC LED電源部115と、遠赤外線発熱体116とからなる。上板10と下板20とは2つのヒンジで結合される。前記上板10を開閉する手段は緩衝器26である。
【0069】
本発明の実施形態による前記遠赤外線発熱体116は、発熱効率が良いイライト発熱体を用いる。イライトは、代表的な粘土鉱物質であって、多孔性(カリウム成分が少ない)黒雲母系鉱物を含み、板状構造である。
【0070】
図8は、本発明の実施形態による制御部のブロック図である。
【0071】
本発明の制御部100は、電源部110、作動モード操作部120、センサ部130、タイマー部140、警報音発生部150、チャンバ開閉部160、ディスプレイ駆動部170、換気部180、情報処理部190、及びメモリ部200で構成される。
【0072】
前記ディスプレイ駆動部170は、現在時刻、チャンバ内への入室時間及び残余時間などをLCDなど表示装置に表示することができる。
【0073】
前記タイマー部140は、遠赤外線及び近赤外線の電源供給時間を点検する。
【0074】
前記警報音発生部150は、深部体温が40℃以上であればアラーム音を発生する。
【0075】
前記センサ部130は、チャンバ内の温度、湿度及び人体を感知する。
【0076】
図9は、本発明の実施形態による電源部の構成図である。
【0077】
電源部110は、チャンバ電源部112と、下板LED電源部113と、上板LED電源部114と、上板UVC LED電源部115と、遠赤外線発熱体116とで構成される。
【0078】
本発明の説明において、下板の電源は、チャンバ電源部112と、下板LED電源部113と、遠赤外線発熱体116とで構成される。
【0079】
上板の電源は、上板LED電源部114と、上板UVC LED電源部115と、遠赤外線発熱体116とで構成される。
【0080】
電源は、120V/220V、50~60Hzである。AC/DCコンバータによって変換される直流は、12V、24V及び48Vである。下板LED電源部113及び上板LED電源部114に前記12Vが供給される。ショックアブソーバー、モータまたはその他装備などの駆動に24V直流電気が使われる。
【0081】
前記上板UVC LED電源部115に48Vが使われる。
【0082】
直流(DC)を電源として使用することは、電磁波が発生しないようにするためである。チャンバ内にユーザが横になって1時間の間滞留するから電磁波があってはならない。
【0083】
本発明の一実施形態における電力消費(power consumption)は2.5Kwである。
【0084】
予熱時(preheating)は、最大1.5Kwであり、運転時(operating)は、最大2.0Kwである。
【0085】
図10は、本発明の実施形態によるセンサ部の構成図である。
【0086】
センサ部130は、温度センサ131と、湿度センサ132と、人体感知センサ133とで構成される。
【0087】
前記温度センサ131は、ユーザが横になる下板の底面に3つを一定した間隔で離隔して内蔵し、上板に2つを取り付ける。前記湿度センサ132及び人体感知センサ133は、上板に取り付ける。前記湿度センサ132は、チャンバ内の湿度を感知するセンサである。
【0088】
前記人体感知センサ133は、チャンバ内にユーザがいるかどうかを感知するセンサである。
【0089】
UVC LED電源部115で発生する紫外線は人体に有害なので、前記人体感知センサ133でユーザがいる時はUVC LED電源部115をOFFする。
【0090】
<深部体温の測定方法>
【0091】
イ.深部体温は、身体内部の温度をいう。人体の深部体温は37゜C前後であり、肌表面では平均34~35℃であり、四肢末梢では環境温度よりもかなり低下する場合がある。健康な大人の体温は36.5℃内外であるものの、年寄りはこれよりもやや低く、乳児はやや高い(出処:ソウル牙山病院)。
【0092】
ロ.深部体温は、四肢末梢体温とは区分される心臓や膀胱のような身体内部機関の温度をいう。手術時に進められる痲酔は、深部体温を調節する能力を抑えることができるから繰り返して深部体温を点検することが望ましい。
【0093】
3MTM(米国)社製のBair Hugger Control Unitで深部体温を測定することができる。
【0094】
ハ.本発明における深部体温は、ユーザの頭、胸及び腹部の体温をいう。多様な臨床で深部体温をモニターして維持するために、非侵襲式を主にする正確な測定方法が必要である。ドイツのドラッガー(Drager)社が開発したTcore温度モニタリングシステムが安全で正確な非侵襲方式である。本発明の一実施形態で前記Tcore温度モニターをユーザの額に付着して、深部体温を測定することができる。
【0095】
ニ.スイスのGreenTEG社で開発したgSKIN&reg; CBTセンサを用いて体内に侵透しないで肌の上で正確な深部温度を測定することができる。gSKIN&reg;CBTセンサは、2mm×2mmの超小型であって、腕時計型のようなウェアラブル機器に容易に適用可能であり、日常生活に大きい影響なしに深部温度をリアルタイムで測定することができる。
【0096】
ホ.本発明の一実施形態において、下板LED電源部113及び上板LED電源部114の電源をONした後、経時(分)によってチャンバの内部に設置した温度センサによってPC板表面温度、PC板下部温度及びチャンバ内部温度を測定した。
【0097】
測定した温度データに基づいて深部体温を計算することができる、次のような計算式で深部体温を計算し、深部体温を決定した。
【0098】
TBは、深部の体温を示し、T1、T2、T3は、図2に示されているチャンバ内のPC板の表面温度T1、PC板の下部温度T2及びチャンバの内部温度T3を示す。
【0099】
前記のような条件値によってユーザの深部の体温TBを計算して測定し、次のような仮定下で測定する。
仮定1:熱は、垂直方向にのみ流れ、測定地域の熱的条件が一定すると仮定する。
仮定2:フーリエの熱伝導式(Fourier’s law of heat conduction)を電気的観点から見れば、熱伝導材料の熱伝導性、厚さと面積は熱流れに対する抵抗と考慮される。
【0100】
したがって、フーリエの熱伝導式は次のように式1で表されることができる。
【0101】
【数1】
【0102】
PC板の表面温度T1、PC板の下部温度T2及びチャンバの内部温度T3が、表1のように測定される。次の式2、3のように表されることができる。
【0103】
【数2】
【0104】
【数3】
【0105】
ここで、条件値TB、T1、T2、T3の意味は、前記と同様である。
【0106】
したがって、式2と式3の連立方程式を解けば、最終的に条件値T1、T2、T3、TAを利用して深部体温であるTBを定める式4及び式5は次の通りである。
【0107】
【数4】
【0108】
【数5】

【0109】
温度推定補正係数であるK値を持って、前記したような式を利用して深部体温を計算して測定するようになる。
【0110】
<実験例1>
本発明の一実施形態によって3つの温度センサを利用してPC板の表面温度T1、PC板の下部温度T2チャンバの内部温度T3を測定した結果は、次の表1に示した。
【0111】
【表1】
LED赤外線照射器の深部体温測定データ
(単位:℃)
【0112】
図11は、本発明の実施形態によるLEDユニットの構成図である。
【0113】
本発明の実施形態による下板LED電源部と、上板LED電源部とは、LEDユニットを組み合わせる。LEDユニット(unit)は、長尺のフレームに複数個のLEDチップ(chip)を配置したものを言う。
【0114】
本発明の一実施形態で適用するLEDは、600nmの可視光線LEDと、近赤外線LEDであり、810nm、940nm、及び1,200nm波長の光を発生する4種である。
【0115】
図11(a)は一つのLEDユニットは600nmの可視光線LED(a)、810nmのLED(b)、940nmのLED(c)、及び1,200nmのLED(d)を混合して配置し、LEDユニットを3列に並べて配列されたことを示した図である。ここで、600nm可視光線LED(a)は、光を見ることができるから具備したものである。810nmのLED(b)、940nmのLED(c)、及び1,200nmのLED(d)は、光が発生したことを見られないから、ユーザが光を感じられる600nmの可視光線LED(a)を配置する。600nmの可視光線LED光は、目に有害ではない光である。
【0116】
可視光線は肉眼で見られる光であり、波長は380~780nmである。
【0117】
図11(b)は、一つのLEDユニットに複数個の600nmの可視光線LED(a)が配列され、もう一つのLEDユニットに複数個の810nmのLED(b)配列され、また一つのLEDユニットに940nmのLED(c)が配列され、更なる一つのLEDユニットに1,200nmのLED(d)が配列される。ここで、600nmの可視光線LED(a)は、光を見られるから配置したものである。
【0118】
図12は、多数波長帯のLEDを組み合わせた図である。
【0119】
図12に示されているLEDは、810nmのLED(a)、940nmのLED(b)、1,200nmのLED(c)、及び600nmの可視光線LED(d)である。ここで、600nmの可視光線LED(a)は、光を見られるから配置したものである。図12(a)は、前記4個のLEDを混合して、それぞれ遠赤外線を発熱体(e)上に積層結合してパネルに配置した場合である。
【0120】
図12(b)は、810nmのLED(a)、940nmのLED(b)、1,200nmのLED(c)、及び600nmの可視光線LED(d)をそれぞれ遠赤外線発熱体(e)上に積層結合して配列した場合である。
【0121】
図13は、近赤外線LEDと遠赤外線発熱体とを組み合わせた図である。
【0122】
図13に示されている前記3つのLEDと3つの遠赤外線発熱体(e)とを混合して配列した場合である。
【0123】
図14は、下板LED電源部の構成図である。
【0124】
下板の電源50は、AC120V/220VをAC/DCコンバータ51で12V直流に変換する。次いで、12V電源は、抵抗を通じてA型LEDユニット52及びB型LEDユニット53に供給される。A型LEDユニット52は、600nmの可視光線LEDが複数個配置される。
【0125】
B型LEDユニット53は、810nmのLED、940nmのLED、及び1,200のnmLEDを混合して配置される。下板20にA型LEDユニット5~10個及びB型LEDユニット5~10個が配置される。最良の実施形態は、下板20にA型LEDユニット9個及びB型LEDユニット9個が望ましい。
【0126】
本発明の一実施形態は、A型LEDユニット9個及びB型LEDユニット9個をそれぞれ制御することができる。また、各ラインに抵抗を設置するので、各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53に供給される電力(power)を把握することができる。
【0127】
各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53に供給される電力の変化を通じてLEDチップの寿命を予測でき、故障した場合、入れ替えやすい。
【0128】
すなわち、本発明によれば、各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53の電源を別々制御することができるので、各LEDユニットをアフターサービスを受けることができるという長所がある。
【0129】
図15は、上板LED電源部の構成図である。
【0130】
上板の電源50は、AC120V/220VをAC/DCコンバータ51で12V直流に変換する。次いで、12V電源は、抵抗を通じてA型LEDユニット52、B型LEDユニット53、及び深紫外UVC LED54に供給される。A型LEDユニット52は、600nmの可視光線LEDが複数個配置される。
【0131】
B型LEDユニット53は、810nmのLED、940nmのLED、及び1,200のnmLEDを混合して配置される。さらに、深紫外UVC LED54が2個具備される。
【0132】
深紫外UVC LED54は、波長が275nmであり、視野角が120°である。深紫外UVC LED54に供給される電源は48Vである。
【0133】
上板10に、A型LEDユニット4~8個及びB型LEDユニット4~8個が配置される。最良の実施形態は、下板20にA型LEDユニット8個及びB型LEDユニット8個が望ましい。
【0134】
各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53に供給される電力の変化を通じてLEDチップの寿命を予測でき、故障した場合、入れ替えやすい。
【0135】
すなわち、本発明によれば、各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53の電源を別々制御することができるので、各LEDユニットをアフターサービスを受けることができるという長所がある。
【0136】
本発明の一実施形態は、A型LEDユニット9個及びB型LEDユニット9個をそれぞれ制御することができる。また、各ラインに抵抗を設置するので、各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53に供給される電力(power)を把握することができる。
【0137】
各A型LEDユニット52及び各B型LEDユニット53に供給される電力の変化を通じてLEDチップの寿命を予測でき、故障した場合、入れ替えやすい。
【0138】
すなわち、本発明によれば、各A型LEDユニット52と各B型LEDユニット53とが別々電源を制御することができるので、各LEDユニットをアフターサービスを受けることができるという長所がある。
【0139】
図16は、本発明のLED赤外線照射器の作動の流れ図である。
【0140】
本発明の一実施形態によるLED赤外線照射器作動は、次の順に進められる。
【0141】
チャンバ電源をONした後(S10)、遠赤外線発熱体の電源をONする(S20)。チャンバ内部温度が36℃以上及び湿度が50%以下であるか否かを判断する(S30)。
【0142】
もし温度が36℃以上にならなかったか、湿度が50%以下にならなかったら、遠赤外線発熱体電源を引き続きON状態で維持する(S20)。もし、温度が36℃以上になり、且つ湿度が50%以下になると、遠赤外線発熱体の電源はOFFする(S40)。
【0143】
次に、近赤外線LED電源をONする(S50)。その後、深部体温が40℃以上であるか否かを判断する(S60)。深部体温が40℃以上にならなかった場合、設定時間が経過したか否かを判断し(S61)、設定時間が経過していないと、近赤外線LED電源はONを維持する(S50)、もし設定時間が経過すると、近赤外線LED電源はOFF(S62)し、チャンバ電源をOFFする(S80)。
【0144】
深部体温が40℃以上である場合、近赤外線LED電源はOFFし(S70)、その後、設定時間が経過したか否かを判断し(S71)、設定時間が経過していないと、深部体温が40℃以上であるか否かを判断する(S60)。もし、設定時間が経過すると、チャンバ電源はOFFする(S80)。
【0145】
図17は、本発明のチャンバ内を消毒する方法を示す流れ図である。
【0146】
本発明の一実施形態によるチャンバ内を消毒する方法は次のような順に進める。図17に示されている流れ図によれば、まず、チャンバ電源をONする(S100)。その後、遠赤外線発熱体の電源をONし(S110)、設定時間が経過したか否かを判断し(S120)、設定時間が経過していないと、遠赤外線発熱体の電源はONを維持し(S110)、設定時間が経過すると、遠赤外線LED電源はOFFする(S130)。
【0147】
次いで、深紫外UVC LED電源をONし(S140)、設定時間が経過したか否か(S150)によって、設定時間が経過していないと、深紫外UVC LED電源をONで維持し、設定時間が経過すると、深紫外UVC LED電源をOFFする(S160)。それからチャンバ電源をOFFする(S170)。
【0148】
本発明の他の実施形態として、アクチュエータを前記上板10の外部に設置する。
【0149】
図18は、上板に設置したアクチュエータの構造図である。
【0150】
図18に示されているアクチュエータ300の上部は、上板10に取り付けられた第1固定部310に結合され、アクチュエータ300の下部は、下板20に取り付けられた第2固定部320に結合される。
【0151】
前記上板10と前記下板20とを結合して、前記上板10が上下に作動できるように支持するヒンジ330が一つまたは2つ以上設置される。
【0152】
図19は、アクチュエータ作動で上板が開かれることを示した図である。
【0153】
制御部100のチャンバ開閉部160で、前記上板10をオープン(open)しなさいと指示すれば、アクチュエータ300が作動して前記上板10をオープンする。逆に、チャンバ開閉部160で前記上板10をクローズ(close)しなさいと指示すると、前記アクチュエータ300が作動して前記上板10をクローズする。
【0154】
本発明において前記上板10を開閉する手段としてアクチュエータ300を用いたことは、上板10を開閉する過程で発生する騷音を減らし、ユーザの安全を図るためである。
【0155】
<実験例2>
【0156】
本発明のLED赤外線照射器によるユーザの老廃物(汗)排出特性を把握した結果である。本発明のLED赤外線照射器を用いて排出された患者の汗を分析したことである。
【0157】
下記表2及び表3は、ユーザの中で癌患者を対象としたLED赤外線照射器による老廃物排出特性に関する研究結果を示したものである。
【0158】
【表2】
【0159】
【表3】
【0160】
主な結果の内容は、ユーザの温熱治療時の老廃物(汗)から毒性物質(TOXIC ELEMENTS)である重金属(Al、As、Be、Cd、Ni、Pb、Tl)の中でBe、Ni及びTiの濃度が基準値を超えた。
【0161】
一部のユーザは、Al、Ni及びPbが高い濃度で排出されることを確認した。栄養物質の場合、温熱治療時の老廃物(汗)からCa、Fe及びMgが高い濃度で排出された。
【産業上の利用可能性】
【0162】
本発明のLED赤外線照射器は、遠赤外線で迅速にチャンバを加熱してユーザがチャンバ内にいる時間を減らし、チャンバ利用回転率を向上させるとともに、近赤外線波長中に人体の肌の最も奥深くまで透過して入り込んで温度を上昇させる近赤外線波長を提供することができるので、医学産業に有用な発明である。
【符号の説明】
【0163】
10 上板
20 下板
70 酸素発生器
100 制御部
110 電源部
113 下板LED電源部
114 上板LED電源部
115 上板UVC LED電源部


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19