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特開2024-163858電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ
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  • 特開-電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ 図1
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  • 特開-電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ 図9
  • 特開-電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ 図10
  • 特開-電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ 図11
  • 特開-電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ 図12
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163858
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して製作された電子パッケージ
(51)【国際特許分類】
   B29C 63/04 20060101AFI20241115BHJP
   B29C 65/70 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
B29C63/04
B29C65/70
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072003
(22)【出願日】2024-04-26
(31)【優先権主張番号】10-2023-0061695
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】592045430
【氏名又は名称】コリア アドヴァンスト インスティテュート オブ サイエンス アンド テクノロジー
【氏名又は名称原語表記】KOREA ADVANCED INSTITUTE OF SCIENCE AND TECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソンス
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】オン,スンユン
【テーマコード(参考)】
4F211
【Fターム(参考)】
4F211AH42
4F211SA02
4F211SC05
4F211SD01
4F211SN05
4F211SP18
4F211SP34
4F211TA08
4F211TC20
4F211TD18
4F211TN07
4F211TN46
4F211TN81
4F211TQ07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】費用と時間および材料とエネルギーを節約できる電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して制作された電子パッケージモジュールを提供する。
【解決手段】電子パッケージモールディング装置は、電子パッケージの一側面に接近して前記電子パッケージの一側面に配置されたモールディング剤を溶融させ、前記電子パッケージに密着するように圧力を加えて前記電子パッケージをモールディングするための面状発熱体、および前記電子パッケージと前記面状発熱体間のガス圧力を調節するガス圧力調節部、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子パッケージの一側面に接近して前記電子パッケージの一側面に配置されたエポキシモールディングコンパウンドを溶融させ、前記電子パッケージに密着するように圧力を加えて前記電子パッケージをモールディングするための面状発熱体と、
前記電子パッケージと前記面状発熱体間のガス圧力を調節するガス圧力調節部と、を含み、
前記エポキシモールディングコンパウンドは、シリカ(SiO)、熱硬化性エポキシ、無水酸、フェノール、アミン類、カップリング、シランカップリング剤およびワックスを含んで構成されたもので、約80℃以上で溶融され、約0.5W/Mk~2W/Mkの熱伝導率を有し、25℃で約3.4GPaの誤差範囲内で約30.71GPaの弾性率を有し、150℃で約0.26GPaの誤差範囲内で約1.85GPaの弾性率を有し、145℃未満で約0.78×10-6/℃の誤差範囲内で約8.2×10-6/℃の熱膨張係数を有し、145℃超過で0.63×10-6/℃の誤差範囲内で約26.5×10-6/℃の熱膨張係数を有する、
電子パッケージモールディング装置。
【請求項2】
前記面状発熱体の下側面に付着されて前記面状発熱体から熱の伝達を受ける伝導体プレートをさらに含み、
前記伝導体プレートは、下側面が前記電子パッケージの上側面と平行に対向するように前記電子パッケージの上側に配置され、
前記電子パッケージの上側面に前記エポキシモールディングコンパウンドが供給され、前記面状発熱体が下降し、前記伝導体プレートの下側面が前記エポキシモールディングコンパウンドに密着して熱と圧力を加えて、前記電子パッケージのモールディング工程が遂行される、
請求項1に記載の電子パッケージモールディング装置。
【請求項3】
前記ガス圧力調節部は、
基板と前記面状発熱体とを囲んで密閉空間を形成する空間袋と、
前記空間袋内部のガスの流出入を制御するガス流出入器と、を含む、
請求項1に記載の電子パッケージモールディング装置。
【請求項4】
前記面状発熱体は、CNT、カーボンファイバ及びカーボンブロックのうち少なくとも一つを含んで構成された、請求項1に記載の電子パッケージモールディング装置。
【請求項5】
前記エポキシモールディングコンパウンドの変形率を測定する変形率計測センサと、
前記エポキシモールディングコンパウンドの温度を測定する温度センサと、をさらに含む、
請求項1に記載の電子パッケージモールディング装置。
【請求項6】
前記変形率計測センサは、ストレインゲージ及び光ファイバーセンサのうちいずれか一つを含み、前記温度センサは、サーモカップルを含む、請求項5に記載の電子パッケージモールディング装置。
【請求項7】
電子パッケージおよび前記電子パッケージの一側面に熱を伝達するための面状発熱体間のガス圧力を調節するガス圧力調節段階と、
前記電子パッケージの一側面に前記面状発熱体が接近して前記電子パッケージの一側面に配置されたエポキシモールディングコンパウンドに熱を加えるとともに、前記エポキシモールディングコンパウンドが前記電子パッケージに密着するように圧力を加えるモールディング段階と、を含み、
前記エポキシモールディングコンパウンドは、シリカ(SiO)、熱硬化性エポキシ、無水酸、フェノール、アミン類、カップリング、シランカップリング剤およびワックスを含んで構成されたもので、約80℃以上で溶融され、約0.5W/mk~2W/mkの熱伝導率を有し、25℃で約3.4GPaの誤差範囲内で約30.71GPaの弾性率を有し、150℃で約0.26GPaの誤差範囲内で約1.85GPaの弾性率を有し、145℃未満で約0.78×10-6/℃の誤差範囲内で約8.2×10-6/℃の熱膨張係数を有し、145℃超過で0.63×10-6/℃の誤差範囲内で約26.5×10-6/℃の熱膨張係数を有する、
電子パッケージモールディング方法。
【請求項8】
前記面状発熱体の下側面に付着された伝導体プレートの下側面と前記電子パッケージの上側面とが上下に平行に対向するように配置され、前記電子パッケージの上側面に前記エポキシモールディングコンパウンドが供給され、
前記モールディング段階は、前記面状発熱体が下降し、前記伝導体プレートの下側面が前記エポキシモールディングコンパウンドに密着して熱と圧力を加える段階である、
請求項7に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項9】
前記ガス圧力調節段階は、空間袋が基板と前記面状発熱体を囲む密閉空間が設けられ、ガス流出入器によって前記空間袋内部のガス圧力が調節される段階である、請求項7に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項10】
前記モールディング段階は、前記エポキシモールディングコンパウンドの温度を175℃まで次第に上昇させた後、約175℃で約2時間の間維持して前記エポキシモールディングコンパウンドを硬化させる段階である、請求項7に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項11】
前記面状発熱体は、CNT、カーボンファイバ及びカーボンブロックのうち少なくとも一つを含んで構成されたもので設けられる、請求項7に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項12】
前記モールディング段階で、前記エポキシモールディングコンパウンドの変形率および前記エポキシモールディングコンパウンドの温度をリアルタイムで測定してモールディングの進行程度を把握する、請求項7に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項13】
前記エポキシモールディングコンパウンドの変形率を測定する変形率計測センサは、ストレインゲージ及び光ファイバーセンサのうちいずれか一つを含み、前記エポキシモールディングコンパウンドの温度を測定する温度センサは、サーモカップルを含む、請求項12に記載の電子パッケージモールディング方法。
【請求項14】
請求項7~13のいずれか一項に記載された電子パッケージモールディング方法で製作された半導体パッケージモジュール。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子パッケージモールディング装置、電子パッケージモールディング方法および電子パッケージモールディング方法を利用して製作された電子パッケージに関し、より詳細には、面状発熱体を利用した電子パッケージモールディング装置、電子パッケージモールディング方法および電子パッケージモールディング方法を利用して製作された電子パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
最近情報通信分野の急速な発達と、コンピュータのような情報媒体の大衆化により半導体装置も飛躍的に発展している。
【0003】
機能的な面において、半導体装置の高集積化の傾向により基板に配置される個別半導体チップの大きさを縮小するとともに性能を最大化させ、チップとチップまたは他の周辺装置間の信号処理をはやくするために種々の方法が研究されている。
【0004】
特に、半導体チップの縮小および回路設計技術が限界にぶつかるにつれて、半導体の軽薄短小化とともに、高性能、多機能のために電子パッケージモールディング技術が急浮上している。
【0005】
一般的に電子パッケージモールディングの主な材料は熱硬化性高分子基盤の複合素材であるエポキシモールディングコンパウンド(EMC、Epoxy molding compound)であって、半導体チップとワイヤが配置された基板をEMCで覆って圧力を加えて電子パッケージをモールディングすることになる。
【0006】
このような電子パッケージモールディング方法としては、Transfer moldingとCompression moldingがある。
【0007】
Transfer moldingは、半導体チップとワイヤが配置された基板上に熱を加えて溶融させたEMCを一定の圧力で供給してモールディングする方式である。
【0008】
Transfer moldingによると、チップの多層構成またはワイヤボンディングなどで電子パッケージの構造が複雑になるにつれて、EMCモールディング層が不均一に形成されたり気孔(Void)が容易に発生したりすることがあり、半導体パッケージモールディングの形状および厚さに応じて内部金型を製作しなければならないという短所がある。
【0009】
Compression moldingは、EMCを枠組みの中に入れて熱を加えて溶融させた後EMCの上側でチップと基板を下降させてモールディングする方式である。
【0010】
Compression moldingによると、EMCを流動させる必要がないためTransfer moldingに比べて材料およびエネルギー浪費を減らし、パッケージ内気泡発生率を顕著に減らすことができ、EMCの量で電子パッケージモールディングの厚さを調節できるため工程費用を節約することができる。
【0011】
ところで、このようなCompression molding方式の工程で主に利用されるホットプレス工程装備は、価格が高価であり維持および補修に相当な費用と時間が要求される問題点がある。
【0012】
また、電子パッケージの面積がホットプレス工程装備の大きさに制限され、工程の遂行に相当な電力が必要であるため、半導体パッケージの生産率が低下し価格が上昇する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は前記のような問題点を解決するためのもので、面状発熱体を利用してEMCを溶融させ、圧力を加えてモールディングを進めることによって費用と時間および材料とエネルギーを節約できる電子パッケージモールディング装置とモールディング方法およびこれを利用して制作された電子パッケージモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前述した目的を達成するための本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置は、電子パッケージの一側面に接近して電子パッケージの一側面に配置されたエポキシモールディングコンパウンドを溶融させ、電子パッケージに密着するように圧力を加えて電子パッケージをモールディングするための面状発熱体;および電子パッケージと面状発熱体間のガス圧力を調節するガス圧力調節部;を含む。
【0015】
ここで、エポキシモールディングコンパウンドは、シリカ(SiO)、熱硬化性エポキシ、無水酸、フェノール、アミン類、カップリング、シランカップリング剤およびワックスを含んで構成されたもので、約80℃以上で溶融され、約0.5W/Mk~2W/Mkの熱伝導率を有し、25℃で約3.4GPaの誤差範囲内で約30.71GPaの弾性率を有し、150℃で約0.26GPaの誤差範囲内で約1.85GPaの弾性率を有し、145℃未満で約0.78×10-6/℃の誤差範囲内で約8.2×10-6/℃の熱膨張係数を有し、145℃超過で0.63×10-6/℃の誤差範囲内で約26.5×10-6/℃の熱膨張係数を有するものである。
【0016】
また、面状発熱体の下側面に付着されて面状発熱体から熱の伝達を受ける伝導体プレート;をさらに含み、伝導体プレートは下側面が電子パッケージの上側面と平行に対向するように電子パッケージの上側に配置され、電子パッケージの上側面にエポキシモールディングコンパウンドが供給され、面状発熱体が下降し伝導体プレートの下側面がエポキシモールディングコンパウンドに密着して熱と圧力を加えて電子パッケージのモールディング工程が遂行され得る。
【0017】
また、ガス圧力調節部は、基板と面状発熱体を囲んで密閉空間を形成する空間袋;および空間袋内部のガスの流出入を制御するガス流出入器;を含むことができる。
【0018】
また、面状発熱体は、CNT、カーボンファイバ(carbon fiber)、カーボンブロック(carbon black)のうち少なくとも一つを含んで構成されたものであり得る。
【0019】
また、エポキシモールディングコンパウンドの変形率を測定する変形率計測センサ;およびエポキシモールディングコンパウンドの温度を測定する温度センサ;をさらに含むことができる。
【0020】
また、変形率計測センサはストレインゲージ(Strain Gage)と光ファイバーセンサ(Fiber Optic Sensor)のうちいずれか一つを含み、温度センサは、サーモカップル(熱電対)(Thermocouple)を含むことができる。
【0021】
本発明に係る電子パッケージモールディング方法は、電子パッケージおよび電子パッケージの一側面に熱を伝達するための面状発熱体間のガス圧力を調節するガス圧力調節段階;および電子パッケージの一側面に面状発熱体が接近して電子パッケージの一側面に配置されたエポキシモールディングコンパウンドに熱を加えるとともに、エポキシモールディングコンパウンドが電子パッケージに密着するように圧力を加えるモールディング段階;を含む。
【0022】
ここで、エポキシモールディングコンパウンドは、シリカ(SiO)、熱硬化性エポキシ、無水酸、フェノール、アミン類、カップリング、シランカップリング剤およびワックスを含んで構成されたもので、約80℃以上で溶融され、約0.5W/mk~2W/mkの熱伝導率を有し、25℃で約3.4GPaの誤差範囲内で約30.71GPaの弾性率を有し、150℃で約0.26GPaの誤差範囲内で約1.85GPaの弾性率を有し、145℃未満で約0.78×10-6/℃の誤差範囲内で約8.2×10-6/℃の熱膨張係数を有し、145℃超過で0.63×10-6/℃の誤差範囲内で約26.5×10-6/℃の熱膨張係数を有するものである。
【0023】
また、面状発熱体の下側面に付着された伝導体プレートの下側面と電子パッケージの上側面が上下に平行に対向するように配置され、電子パッケージの上側面にエポキシモールディングコンパウンドが供給され、モールディング段階は、面状発熱体が下降し伝導体プレートの下側面がエポキシモールディングコンパウンドに密着して熱と圧力を加える段階であり得る。
【0024】
また、ガス圧力調節段階は、空間袋が基板と面状発熱体を囲む密閉空間が設けられ、ガス流出入器によって空間袋内部のガス圧力が調節される段階であり得る。
【0025】
また、モールディング段階は、エポキシモールディングコンパウンドの温度を175℃まで次第に上昇させた後、約175℃で約2時間の間維持してエポキシモールディングコンパウンドを硬化する段階であり得る。
【0026】
また、面状発熱体は、CNT、カーボンファイバ(carbon fiber)、カーボンブロック(carbon black)のうち少なくとも一つを含んで構成されたもので設けられ得る。
【0027】
また、モールディング段階で、エポキシモールディングコンパウンドの変形率およびエポキシモールディングコンパウンドの温度をリアルタイムで測定してモールディングの進行程度を把握できる。
【0028】
また、エポキシモールディングコンパウンドの変形率を測定する変形率計測センサはストレインゲージ(Strain Gage)と光ファイバーセンサ(Fiber Optic Sensor)のうちいずれか一つを含み、エポキシモールディングコンパウンドの温度を測定する温度センサはサーモカップル(熱電対)(Thermocouple)を含むことができる。
【0029】
本発明に係る半導体パッケージモジュールは、電子パッケージモールディング方法で製作されたものである。
【発明の効果】
【0030】
本電子パッケージモールディング装置と方法およびこれを利用して製作された電子パッケージによると、面状発熱体を利用してEMCを溶融させ圧力を加えてモールディングを進めることによって費用と時間および材料とエネルギーを節約することができる。
【0031】
本発明の効果は以上で言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は請求の範囲の記載から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者(「通常の技術者」という)に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本発明の実施例は、以下で説明する添付図面を参照して説明され、ここで類似する参照番号は類似する要素を示すがこれに限定されはしない。
図1】本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置の構成が簡略に図示された断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置の斜視図である。
図3】本発明の一実施例によって上部モールドに面状発熱体が付着された図面である。
図4】本発明の一実施例によって下部モールドに内部と外部を連結するモールドホールが設けられた図面である。
図5】既存の技術によるホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進行する場合、装備内部の時間(min)-温度(℃)グラフである。
図6】本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進行する場合、装備内部の時間(min)-温度(℃)グラフである。
図7】ホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合の実験例による時間(min)-電力Wグラフである。
図8】ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドと本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドの実験例による弾性率が示された図面である。
図9】ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドと本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドの実験例による硬化度が示された図面である。
図10】ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドと本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンドの実験例による表面写真と内部写真である。
図11】ホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合の実験例による温度(℃)-曲率(m-1)グラフである。
図12】本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用した電子パッケージモールディング方法が図示されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の実施のための具体的な内容を添付された図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の説明では本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがある場合、広く知られている機能や構成に関する具体的な説明は省略することにする。
【0034】
添付された図面で、同一または対応する構成要素には同じ参照符号が付与されている。また、以下の実施例の説明において、同一または対応する構成要素を重複して記述することが省略され得る。しかし、構成要素に関する技術が省略されても、そのような構成要素がある実施例に含まれないものと意図されはしない。
【0035】
本明細書に開示された実施例の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面と共に後述されている実施例を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施例は本発明に関連した通常の技術者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものに過ぎない。
【0036】
他の定義がない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通的に理解され得る意味で使われ得るであろう。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0037】
例えば、「技術」という用語はシステム、方法、コンピュータ読み取り可能命令語、モジュール、アルゴリズム、ハードウェアロジックおよび/または前述された文脈によって許容され文書全体に亘って動作を指称し得る。
【0038】
本明細書で使われる用語について簡略に説明し、開示された実施例について具体的に説明することにする。本明細書で使われる用語は、本発明での機能を考慮しつつ、できる限り現在広く使われる一般的な用語を選択したが、これは、関連分野に従事する技術者の意図、判例、または新しい技術の出現などにより変わり得る。また、特定の場合は出願人が任意に選定した用語もあり、この場合、該当する発明の説明部分で詳細にその意味を記載するであろう。したがって、本発明で使われる用語は単純な用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般にわたった内容に基づいて定義されるべきである。
【0039】
本明細書での単数の表現は文脈上明白に単数であると特定しない限り、複数の表現を含む。また、複数の表現は文脈上明白に複数であるものと特定しない限り、単数の表現を含む。明細書全体で或る部分が何らかの構成要素を含むとする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0040】
本発明で、「含む」、「含む」等の用語は特徴、段階、動作、要素および/または構成要素が存在することを表すことができるが、このような用語が一つ以上の他の機能、段階、動作、要素、構成要素および/またはこれらの組み合わせが追加されることを排除しはしない。
【0041】
本発明で、特定構成要素が任意の他の構成要素に「結合」、「組み合わせ」、「連結」、「関連」したり、「反応」するものとして言及された場合、特定構成要素は他の構成要素に直接結合、組み合わせ、連結および/または関連したり、反応することができるが、これに限定されない。例えば、特定構成要素と他の構成要素の間に一つ以上の中間構成要素が存在することができる。また、本発明で「および/または」は列挙された一つ以上の項目のそれぞれまたは一つ以上の項目の少なくとも一部の組み合わせを含むことができる。
【0042】
本発明で、「第1」、「第2」等の用語は特定構成要素を他の構成要素と区別するために使われるもので、このような用語によって前述した構成要素が制限されはしない。例えば、「第1」構成要素は「第2」構成要素と同一または類似する形態の要素を指称するために使われ得る。
【0043】
以下に記述されたシステムは、一つの実施例を構成し、請求の範囲を任意の一つの特定運営環境に制限しようとするものではない。請求された要旨の技術的思想および範囲を逸脱することなく他の環境でも使われ得る。
【0044】
以下、図1図4を参照して本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置について説明する。
【0045】
図1には、本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置の構成が簡略に図示された断面図が示されている。
【0046】
図1を参照すると、本発明に係る電子パッケージモールディング装置は、電子パッケージWの一側面に接近して前記電子パッケージWの一側面に配置されたモールディング剤200を溶融させ、前記電子パッケージWに密着するように圧力を加えて前記電子パッケージWをモールディングするための面状発熱体110を含む。
【0047】
前記電子パッケージWは基板の上に半導体チップとワイヤが配置されたものであり得る。前記基板は半導体基板となるシリコンウェハであり得、LCD(liquid crystal display)、PDP(plasma display panel)のような平板ディスプレイ装置用として使うガラスなどの透明基板であり得、これに限定されず多様な種類の基板であり得る。また、前記基板の形状および大きさは本発明の図面によって限定されるものではなく、円形および四角形プレートなどの実質的に多様な形状と大きさを有することができる。
【0048】
前記モールディング剤200はエポキシモールディングコンパウンド(EMC、Epoxy Molding Compound)で備えられ得る。
【0049】
前記エポキシモールディングコンパウンドは、一例として、シリカ(SiO)、熱硬化性エポキシ、無水酸、フェノール、アミン類、カップリング、シランカップリング剤およびワックスを含んで構成されたものであり得る。ここで、充填剤として入るシリカは、約70wt%~90wt%、基本樹脂として入る熱硬化性エポキシは、10wt%~15wt%、硬化剤として入る無水酸とフェノールおよびアミン類は、5wt%~10wt%、触媒として入るカップリングは、0.5wt%、カップリング剤として入るシランカップリング剤は、0.5wt%~1wt%、離型剤として入るワックスは、0.5wt%~1wt%程度含まれ得る。また、着色体としてカーボンブラックが、約0.5wt%程度さらに含まれ得る
【0050】
また、前記エポキシモールディングコンパウンドは、約0.5W/mk~2W/mkの熱伝導率を有し、約80℃以上で溶融するものであり得る。
【0051】
また、前記エポキシモールディングコンパウンドは、25℃で約3.4GPaの誤差範囲内で約30.71GPaの弾性率を有し、150℃で約0.26GPaの誤差範囲内で約1.85GPaの弾性率を有するものであり得る。
【0052】
また、前記エポキシモールディングコンパウンドは、145℃未満で約0.78×10-6/℃の誤差範囲内で約8.2×10-6/℃の熱膨張係数を有し、145℃超過で約0.63×10-6/℃の誤差範囲内で約26.5×10-6/℃の熱膨張係数を有するものであり得る。
【0053】
前記面状発熱体110は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換して提供する発熱体であり得、薄い平面状で設けられ得る。
【0054】
前記面状発熱体110は一定の抵抗と高い熱効率を有する炭素基盤構成からなり得、CNT、カーボンファイバ(carbon fiber)、カーボンブロック(carbon black)のうち少なくとも一つを含んで構成されたものであり得る。
【0055】
また、前記電子パッケージモールディング装置100は、前記面状発熱体110の一側面に付着されて前記面状発熱体から熱の伝達を受ける伝導体プレート140をさらに含むことができる。
【0056】
前記伝導体プレート140は前記モールディング剤200に接して熱を伝達するとともに、圧力を加えてモールディングの気孔(void)を除去し表面粗さを下げるためのもので、熱伝導率が高い金属材料で設けられ得る。一例として、前記伝導体プレート140は銅(Copper)、アルミニウム(Aluminum)等で製作されたものであり得る。
【0057】
また、前記電子パッケージモールディング装置100は、前記電子パッケージWが支持される支持台を含むことができる。
【0058】
前記支持台は前記電子パッケージWのモールディング工程中に前記モールディング剤200が漏洩することを防止するために、クローズモールド130の形態で製作され得る。
【0059】
前記クローズモールド130は漏電および熱消散を防止するために断熱材で設けられ得る。一例として、前記クローズモールド130は、絶縁および断熱性能が優秀なグラスウール、ミネラルウール、シリカ、エアロゲル、ポリウレタン、EPS(Expanded Polystyrene)、XPS(Extruded Polystyrene)、フェノールなどの材料のうち少なくとも一つを利用して構成されたものであり得る。
【0060】
前記クローズモールド130は、前記電子パッケージWが引き込まれる内部空間が形成された下部モールド131と、前記下部モールド131の開放された一側を覆うように設けられた上部モールド132を含むことができる。
【0061】
ここで、前記下部モールド131に前記面状発熱体110および前記伝導体プレート140が付着されて共に移動されるように形成され得る。
【0062】
本発明の一実施例で、前記下部モールド131は内部底面が水平面に平行な状態を維持するように位置が固定され、前記上部モールド132が前記下部モールド131の上側から下降して前記下部モールド131の開放された上側を覆うように設けられ得る。
【0063】
ここで、前記面状発熱体110は、前記下部モールド131の下側面に付着され、前記伝導体プレート140は、前記面状発熱体110の下側面に付着され得る。また、前記電子パッケージWの上側面に前記モールディング剤200が供給され、前記上部モールド132は、前記伝導体プレート140の下側面が前記下部モールド131に引き込まれた前記電子パッケージWの上側面と平行に対向する状態で下降するように設けられ得る。
【0064】
これに伴い、前記伝導体プレート140の下側面が前記モールディング剤200に密着して熱と圧力を加えて前記電子パッケージWのモールディング工程が遂行され得る。
【0065】
ここで、前記伝導体プレート140から前記モールディング剤200に加えられる圧力は、前記伝導体プレート140と前記面状発熱体110および前記上部モールド132の重さの和であり得る。
【0066】
すなわち、外部の圧力伝達装置を使わずに前記モールディング剤200に一定の圧力を与えることができるため、外部圧力伝達装置の利用時に消耗するエネルギーと費用および時間と努力を節約することができる。
【0067】
また、前記モールディング剤200に加えられる圧力が加減されるように圧力を調節できる多様な手段が追加で設けられ得る。
【0068】
また、前記電子パッケージモールディング装置100は、前記電子パッケージWと前記面状発熱体110の間のガス圧力を調節するガス圧力調節部160を含む。
【0069】
前記ガス圧力調節部160は、前記基板Wと前記面状発熱体110を囲んで密閉空間Sを形成する空間袋162および前記空間袋162の内部のガス流出入を制御するガス量制御器163を含んだものであり得る。
【0070】
前記ガス流出入器163は、真空発生器であり得、前記空間袋162の内部のガスを吸入して前記密閉空間Sに真空を形成することができる。ここで、前記真空とは、大気圧(1atm)未満の圧力状態を意味するものであり得、圧力が0に近い高真空状態を意味するものであり得る。
【0071】
使用者は、前記ガス流出入器163を調節して前記空間袋162の内部のガス圧力状態を調節することができ、前記空間袋162の内部のガス圧力を低くすることによって前記モールディング剤200の内部に気孔(void)が発生することを防止することができる。
【0072】
また、前記下部モールド131が支持されるモールディング工程台120が備えられ、前記空間袋162の縁が前記モールディング工程台120に連結され、シーリング剤163を利用して前記真空バッグ162と前記モールディング工程台120の間が密封されて前記密閉空間Sが形成され得る。ここで、前記モールディング工程台120は、前記下部モールド131が延びた構造であり得る。また、前記密閉空間Sはこれに限定されず多様な方法で形成され得る。
【0073】
また、前記モールディング剤200と前記伝導体プレート140の間にはコーティングフィルムが挿入され得る。
【0074】
前記コーティングフィルムは、パッケージモールディングの表面光沢およびモールディング工程後の安定した脱型のためのものであって、耐化学性が優秀で安定した性能維持が可能なPI(Polyimide)、PTFE(Polytetrafluoroethylene)、PEN(Polyethylene Naphthalate)およびPET(Polyester)等を利用した構成で設けられ得る。
【0075】
図2には、本発明の一実施例に係る電子パッケージモールディング装置の斜視図が簡略に図示されている。以下、図2を参照して図3図4を説明する。
【0076】
図3には、本発明の一実施例によって前記上部モールド132に前記面状発熱体110が付着された図面が図示されている。
【0077】
本発明の一実施例によると、前記面状発熱体110には外部の電源供給装置(DC Power supply、図2参照)から電気エネルギーを伝達するための導線111が連結され得る。
【0078】
また、前記面状発熱体110はテープ112を利用して前記上部モールド132に固定され得、前記導線111はテープ113を利用して前記面状発熱体110に固定され得る。
【0079】
ここで、前記テープ112、113は前記伝導体プレート140への漏電を防止するために絶縁性質があるもので設けられ得、PTFE(Polytetrafluorothylene)、ゴム、Epoxy、ガラス繊維、PET(Polyester)、PI(Polyimide)等を利用した構成またはメタルテープで備えられ得、これに限定されず多様な構成で備えられ得る。
【0080】
図4には、本発明の一実施例によって前記下部モールド131に内部と外部を連結するモールドホール130Hが設けられた図面が図示されている。
【0081】
本発明の一実施例によると、前記クローズモールド130の内部にモールディング工程が遂行される間前記モールディング剤200の変形率を測定する変形率計測センサ(図示されず)および前記モールディング剤200の温度を測定する温度センサ(図示されず)が設けられ得る。
【0082】
本発明の一実施例によると、前記変形率計測センサはストレインゲージ(Strain Gage)または光ファイバーセンサ(Fiber Optic Sensor)であり得、前記温度センサはサーモカップル(熱電対)(Thermocouple)であり得る。また、前記変形率計測センサと前記温度センサは本発明の実施例に限定されず多様な種類で備えられ得る。
【0083】
前記変形率計測センサおよび前記温度センサは、前記モールドホール130Hを通じて前記クローズモールド130の内部に引き込まれ得る。一例として、前記変形率計測センサおよび前記温度センサは前記電子パッケージWの基板上に付着されるか前記電子パッケージW上の側面を覆ったモールディング剤200の中間に引き込まれ得、これに限定されず多様な位置に引き込まれて前記モールディング剤200の変形率および温度を測定することができる。
【0084】
また、前記モールドホール130Hは、前記変形率計測センサおよび前記温度センサが外部の電源供給装置(図示されず)およびデータ収集部(DAQ、図4参照)に連結される導線171、172が通過する通路として利用され得る。
【0085】
前記データ収集部DAQはセンサと信号処理および保存装置を含むハードウェアと、データサンプリングと分析および制御を遂行するソフトウェアで構成されたものであり得、前記変形率計測センサおよび前記温度センサを含んでもよい。
【0086】
前記変形率計測センサおよび前記温度センサは前記モールディング剤200の変形率および温度をリアルタイムで測定するものであり得、前記データ収集部DAQは測定された前記モールディング剤200の変形率と前記モールディング剤200の温度を分析してモールディングの進行程度を把握することができる。
【0087】
図5は、既存の技術によるホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合、装備内部の時間(min)-温度(℃)グラフであり、一般的な硬化周期(Conventional cure cycle)とホットプレス装備による実験例(Measurement(Hot Press))がそれぞれ図示されている。
【0088】
図6は、本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合、装備内部の時間(min)-温度(℃)グラフであり、一般的な硬化周期(Conventional cure cycle)と本発明の電子パッケージモールディング装置による実験例(Measurement(Heating Element))がそれぞれ図示されている。
【0089】
図5図6で、前記装備内部の温度は前記モールディング剤200として利用された前記エポキシモールディングコンパウンドの温度であり得る。
【0090】
前記エポキシモールディングコンパウンドを利用したモールディング工程で、前記エポキシモールディングコンパウンドは温度が約175℃まで上昇した後、該当温度で約2時間程度維持されて硬化する。本明細書の図面で、一般的な硬化周期(Conventional cure cycle)で前記エポキシモールディングコンパウンドの温度が175℃まで上昇するまでの経過時間がT(A)で表現された。
【0091】
図5図6を参照すると、図5の実験例(Measurement(Hot Press))は温度上昇率が約7.5℃/minであり、一般的な硬化周期(Conventional cure cycle)と比較して温度上昇速度が遅いことを見ることができ、図6の実験例(Measurement(Heating Element))は温度上昇率が約10℃/minであり、一般的な硬化周期(Conventional cure cycle)と温度上昇速度が略一致することを見ることができる。
【0092】
すなわち、本発明の電子パッケージモールディング装置による内部温度上昇速度がホットプレス工程装備を利用した内部温度上昇速度よりはやいことが分かり、エネルギー損失もほとんど発生しなかったことが分かる。
【0093】
また、図7にはホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合(Heating Element)の実験例による時間(min)-電力Wグラフが図示されている。
【0094】
図7(a)と図7(b)は、グラフの電力W軸の範囲を異ならせたものであって、これを参照すると、ホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合(Hot press)に比べて本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合、電力消費が1/100以下に低減することが分かる。
【0095】
また、図8には、ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Heating Element)の実験例による弾性率(Gpa)が図示されている。
【0096】
また、図9には、ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Heating Element)の実験例による硬化度が示されている。
【0097】
図8図9を参照すると、ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Heating Element)の弾性率および硬化度が似ているように示されて、これによる機能の差がないことを確認することができる。
【0098】
また、図10には、ホットプレス工程装備を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディングが完了したエポキシモールディングコンパウンド(Heating Element)の実験例による表面写真(図10(a))と内部写真(図10(b))が示されている。
【0099】
前記図10の実験例で、ホットプレス工程装備と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用したモールディング時にそれぞれ同じコーティングフィルム150を利用したし、表面写真(図10(a))を通じて類似する光沢を確認することができる。
【0100】
また、内部写真(図10(a))を比較してみる時、内部空洞(void)および界面剥離の有無も似ているように確認されるので、これによる機能の差がないことを確認することができる。
【0101】
また、図11にはホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合(Heating Element)の実験例による温度(℃)-曲率(m-1)グラフが図示されている。
【0102】
図11を参照すると、ホットプレス工程装備を利用してモールディング工程を進める場合(Hot press)と本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用してモールディング工程を進める場合(Heating Element)の曲率グラフが似ているように示されて、これによる機能の差がないことを確認することができる。
【0103】
以下、図12を参照して本発明に係る電子パッケージモールディング装置を利用した電子パッケージモールディング方法を説明する。
【0104】
段階S10は、下段モールド131に電子パッケージWが支持されるモールディング準備段階である。
【0105】
段階S20は、前記電子パッケージWの上側面にモールディング剤200が供給され、前記モールディング剤200の上側にコーティングフィルム150が載置される段階である。
【0106】
段階S30は、前記電子パッケージWおよび面状発熱体110の間のガス圧力を調節するガス圧力調節段階である。
【0107】
一例として、ガス流出入器161が前記電子パッケージWと前記面状発熱体110を囲んだ空間袋162の内部のガスを吸入して前記空間袋162の内部に大気圧以下の真空環境を形成することができる。
【0108】
段階S40は、前記面状発熱体110に電気エネルギーが供給されて熱エネルギーに転換され、前記面状発熱体110が下降し伝導体プレート140の下側面が前記モールディング剤200に密着して熱と圧力を加える第1モールディング段階である。
【0109】
この時、前記伝導体プレート140の下側面と前記電子パッケージWの上側面が上下に平行に対向する状態を維持することができる。
【0110】
本段階S40で前記モールディング剤200の温度は次第に上昇し、本発明の説明で一例として挙げたエポキシモールディングコンパウンドの場合、約80℃で溶融して前記電子パッケージWの上端を均一に覆うことになる。
【0111】
段階S50は、前記モールディング剤200の温度が予め設定された硬化温度に到達して予め設定された硬化時間の間該当硬化温度を維持して前記モールディング剤200を硬化する第2モールディング段階である。
【0112】
本発明の説明で一例として挙げたエポキシモールディングコンパウンドの場合、前記硬化温度は175℃である。
【0113】
段階S60は、変形率計測センサ(図示されず)および温度センサ(図示されず)を通じて前記モールディング剤200の変形率および前記モールディング剤200の温度を測定する段階であって、前記段階S30~前記段階S40が遂行される間リアルタイムで遂行され得、これを通じてモールディングの進行程度を把握することができる。
【0114】
段階S70は、モールディング工程が完了した電子パッケージWをクローズモールド130から分離する段階である。
【0115】
前記の通り、本電子パッケージモールディング装置と方法およびこれを利用して製作された電子パッケージによると、面状発熱体を利用してモールディング剤を溶融させ、圧力を加えてモールディングを進めることによって費用と時間および材料とエネルギーを節約することができる。
【0116】
前述した本発明の説明は例示のためのものであり、本発明が属する技術分野の通常の知識を有する者は本願の技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で容易に変形が可能であることが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり限定的ではないものと理解されるべきである。例えば、単一形で説明されている各構成要素は分散されて実施されてもよく、同様に分散されたものとして説明されている構成要素も結合された形態で実施され得る。
【0117】
したがって、本発明の思想は前述された実施例に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等にまたは等価的に変形された全てのものは本発明の思想の範疇に属するものと言える。
【符号の説明】
【0118】
W:電子パッケージ
S:密閉空間
110:面状発熱体
111:導線
112、113:テープ
120:モールディング工程台
130:クロージングモールド
130H:モールドホール
131:上部モールド
132:下部モールド
140:伝導体プレート
150:コーティングフィルム
160:ガス圧力調節部
161:ガス流出入器
162:空間袋
163:シーリング剤
200:モールディング剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12