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特開2024-16387移動制御方法、プログラム及び移動制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016387
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】移動制御方法、プログラム及び移動制御システム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240131BHJP
【FI】
G05D1/02 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118455
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼尾 健司
【テーマコード(参考)】
5H301
【Fターム(参考)】
5H301AA01
5H301BB05
5H301BB07
5H301CC03
5H301CC04
5H301CC06
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD07
5H301DD15
5H301GG08
5H301GG09
(57)【要約】
【課題】異常が発生した移動体を所定の場所に適切に移動させる。
【解決手段】移動制御方法は、第1移動体に異常が発生した際に、撮像装置を有する第2移動体を、第1移動体に向けて第1位置まで移動させるステップと、第2移動体が第1位置に到達したら、第1移動体を第2位置に移動させるステップと、を含む。第1移動体を第2位置に移動させるステップにおいては、第1移動体が第2位置に到達するまで、第2移動体を第1移動体の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、撮像装置に周囲を撮像させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1移動体に異常が発生した際に、撮像装置を有する第2移動体を、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動させるステップと、
前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、前記第1移動体を第2位置に移動させるステップと、を含み、
前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第1移動体が第2位置に到達するまで、前記第2移動体を前記第1移動体の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる、
移動制御方法。
【請求項2】
前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、
前記第2移動体を、前記第1移動体との間の距離を前記所定距離範囲内に保ちつつ、前記第2位置に向けて移動させ、
前記第2移動体を前記第2位置に向けて移動させている最中に、前記撮像装置に周囲を撮像させ、
前記第1移動体を、前記第2移動体の後を追うように移動させる、請求項1に記載の移動制御方法。
【請求項3】
前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第2移動体を、前記第2位置に向かっている前記第1移動体上の固定位置に位置させつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる、請求項1又は請求項2に記載の移動制御方法。
【請求項4】
前記第1移動体が前記第2位置に移動している最中に、前記撮像装置が撮像した画像データに基づく画像と、前記第2移動体の位置を示す画像とを表示させるステップを更に含む、請求項1又は請求項2に記載の移動制御方法。
【請求項5】
前記画像を表示させるステップにおいては、前記撮像装置が撮像した画像データに基づく画像に、前記第2移動体が移動する経路を示す情報を重畳して表示させる、請求項4に記載の移動制御方法。
【請求項6】
前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第1移動体から離れた位置に設けられた遠隔制御装置により、前記第1移動体を移動させる、請求項1又は請求項2に記載の移動制御方法。
【請求項7】
第1移動体に異常が発生した際に、撮像装置を有する第2移動体を、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動させるステップと、
前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、前記第1移動体を第2位置に移動させるステップと、をコンピュータに実行させ、
前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第1移動体が第2位置に到達するまで、前記第2移動体を前記第1移動体の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる、
プログラム。
【請求項8】
第1移動体と、撮像装置を有する第2移動体とを有する移動制御システムであって、
前記第2移動体は、前記第1移動体に異常が発生した際に、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動し、
前記第1移動体は、前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、第2位置に移動し、
前記第2移動体は、前記第1移動体が前記第2位置に到達するまで、前記第1移動体の所定距離範囲内に位置し続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる、
移動制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動制御方法、プログラム及び移動制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動で移動する移動体の移動を制御する移動システムが知られている。このような移動体は、異常発生により目標の経路に従った移動が継続できなくなる場合がある。例えば特許文献1には、無人車両が異常により停止した際に、ドローンを無人車両まで飛行させて、ドローンが撮像した無人車両の画像データから、無人車両が目標走行データに基づいて走行可能な状態であるかを判定する旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/130973号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、異常が発生した移動体を、例えば退避場所などの所定の場所に適切に移動させることが求められている。
【0005】
本開示は、上述した課題を解決するものであり、異常が発生した移動体を所定の場所に適切に移動可能な移動制御方法、プログラム及び移動制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る移動制御方法は、第1移動体に異常が発生した際に、撮像装置を有する第2移動体を、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動させるステップと、前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、前記第1移動体を第2位置に移動させるステップと、を含み、前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第1移動体が第2位置に到達するまで、前記第2移動体を前記第1移動体の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる。
【0007】
本開示に係るプログラムは、第1移動体に異常が発生した際に、撮像装置を有する第2移動体を、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動させるステップと、前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、前記第1移動体を第2位置に移動させるステップと、をコンピュータに実行させ、前記第1移動体を前記第2位置に移動させるステップにおいては、前記第1移動体が第2位置に到達するまで、前記第2移動体を前記第1移動体の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる。
【0008】
本開示に係る移動制御システムは、第1移動体と、撮像装置を有する第2移動体とを有する移動制御システムであって、前記第2移動体は、前記第1移動体に異常が発生した際に、前記第1移動体に向けて第1位置まで移動し、前記第1移動体は、前記第2移動体が前記第1位置に到達したら、第2位置に移動し、前記第2移動体は、前記第1移動体が前記第2位置に到達するまで、前記第1移動体の所定距離範囲内に位置し続けつつ、前記撮像装置に周囲を撮像させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、異常が発生した移動体を所定の場所に適切に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。
図2図2は、移動体の構成の模式図である。
図3図3は、第1制御装置の模式的なブロック図である。
図4図4は、第2制御装置の模式的なブロック図である。
図5図5は、第2移動体の模式的なブロック図である。
図6図6は、遠隔制御装置の模式的なブロック図である。
図7図7は、第1位置及び第2位置の設定を説明するための模式図である。
図8図8は、第1移動体及び第2移動体の移動を説明する模式図である。
図9図9は、遠隔制御装置に表示される画像の一例を示す模式図である。
図10図10は、遠隔制御装置に表示される画像の一例を示す模式図である。
図11図11は、第1移動体が第2位置に到達した例を説明する模式図である。
図12図12は、第1実施形態に係る移動制御システムの処理フローを説明するフローチャートである。
図13図13は、第2移動体を第1移動体上に留まらせる場合を説明する模式図である。
図14図14は、第2実施形態に係る移動制御システムの処理フローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、本開示の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本開示が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0012】
(第1実施形態)
(移動制御システム)
図1は、本実施形態に係る移動制御システムの模式図である。図1に示すように、本実施形態に係る移動制御システム1は、第1移動体10と、第1移動体10の移動を補助する第2移動体12と、設備Wを管理する管理装置14と、第1移動体10の移動を管理する情報処理装置16と、第1移動体10を遠隔制御する遠隔制御装置18とを含む。移動制御システム1は、設備Wに所属する第1移動体10の移動を制御するシステムである。設備Wは、例えば倉庫など、物流管理される設備であるが、第1移動体10を運用する任意の設備であってよい。移動制御システム1においては、第1移動体10は、設備Wの領域AR内に配置された目標物をピックアップして搬送させる。領域ARは、例えば設備Wの床面であり、目標物が設置されたり第1移動体10が移動したりする領域である。第1移動体10が搬送する目標物は、本実施形態では、パレット上に荷物が積載された搬送対象物である。ただし、目標物は、パレット上に荷物が積載されたものに限られず任意の形態であってよく、例えばパレットを有さず荷物のみであってもよい。また、第1移動体10は、目標物を搬送するものにも限られず、設備W内を任意の目的で移動する装置であってよい。
【0013】
以降において、領域ARに沿った一方向をX方向とし、領域ARに沿った方向であって方向Xに交差する方向を、Y方向とする。本実施形態では、Y方向は、X方向に直交する方向である。X方向、Y方向は、水平面に沿った方向といってもよい。また、X方向、Y方向に直交する方向を、より詳しくは鉛直方向の上方に向かう方向を、Z方向とする。また、本実施形態においては、「位置」とは、特に断りのない限り、領域AR上の二次元面における座標系(領域ARの座標系)における位置(座標)を指す。また、第1移動体10などの「姿勢」とは、特に断りのない限り、領域ARの座標系における第1移動体10などの向きであり、Z方向から見た場合に、X方向を0°とした際の第1移動体10のヨー角(回転角度)を指す。
【0014】
(第1移動体)
図2は、移動体の構成の模式図である。第1移動体10は、自動で移動可能であり目標物Qを搬送可能な装置である。さらに言えば、本実施形態では、第1移動体10は、フォークリフトであり、より詳しくはいわゆるAGV(Automated Guided Vehicle)やAGF(Automated Guided Forklift)である。ただし、第1移動体10は、目標物Qを搬送するフォークリフトであることに限られず、自動で移動可能な任意な装置であってよい。設備W内における第1移動体10の数は任意であってよいが、例えば複数台配備されていることが好ましい。
【0015】
図2に示すように、第1移動体10は、車体20と、車輪20Aと、ストラドルレッグ21と、マスト22と、フォーク24と、センサ26Aと、第1制御装置28Aと、第2制御装置28Bとを備えている。ストラドルレッグ21は、車体20の前後方向における一方の端部に設けられて、車体20から突出する一対の軸状の部材である。車輪20Aは、それぞれのストラドルレッグ21の先端と、車体20とに設けられている。すなわち、車輪20Aは、合計3個設けられているが、車輪20Aの設けられる位置や個数は任意であってよい。マスト22は、ストラドルレッグ21に移動可能に取り付けられ、車体20の前後方向に移動する。マスト22は、前後方向に直交する上下方向(ここでは方向Z)に沿って延在する。フォーク24は、マスト22に方向Zに移動可能に取付けられている。フォーク24は、マスト22に対して、車体20の横方向(上下方向及び前後方向に交差する方向)にも移動可能であってよい。フォーク24は、一対のツメ24A、24Bを有している。ツメ24A、24Bは、マスト22から車体20の前方向に向けて延在している。ツメ24Aとツメ24Bとは、マスト22の横方向に、互いに離れて配置されている。以下、前後方向のうち、第1移動体10においてフォーク24が設けられている側の方向を、前方向とし、フォーク24が設けられていない側の方向を、後方向とする。
【0016】
(第1制御装置)
図3は、第1制御装置の模式的なブロック図である。第1制御装置28Aは、第1移動体10を制御する装置である。第1制御装置28Aは、第1移動体10が移動する経路の情報を取得して、第1移動体10を自律移動させる。第1制御装置28Aは、コンピュータであり、図3に示すように、通信部30と記憶部32と制御部34とを含む。通信部30は、制御部34に用いられて、情報処理装置16や遠隔制御装置18などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部30による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部32は、制御部34の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0017】
制御部34は、演算装置であり、例えばCPU(Central Processing Unit)などの演算回路を含む。制御部34は、経路取得部40と自己位置取得部42と移動制御部44とを含む。制御部34は、記憶部32からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、経路取得部40と自己位置取得部42と移動制御部44とを実現して、その処理を実行する。なお、制御部34は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、経路取得部40と自己位置取得部42と移動制御部44との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部32が保存する制御部34用のプログラムは、第1制御装置28Aが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0018】
経路取得部40は、第1移動体10が移動する経路の情報を取得し、自己位置取得部42は、第1移動体10の位置の情報を取得し、移動制御部44は、第1移動体10の駆動部やステアリングなどの移動機構を制御して、第1移動体10の移動を制御する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0019】
(第2制御装置)
図4は、第2制御装置の模式的なブロック図である。第2制御装置28Bは、第1移動体10を制御する装置である。第2制御装置28Bは、遠隔制御装置18からの遠隔制御用の信号を受信して、遠隔制御装置18からの信号に従って第1移動体10を移動させる。第2制御装置28Bは、コンピュータであり、図3に示すように、通信部50と記憶部52と制御部54とを含む。通信部50は、制御部54に用いられて、遠隔制御装置18などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部50による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部52は、制御部54の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0020】
制御部54は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部54は、移動制御部58を含む。制御部54は、記憶部52からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、移動制御部58を実現して、その処理を実行する。なお、制御部54は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、移動制御部58の少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部52が保存する制御部54用のプログラムは、第2制御装置28Bが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0021】
移動制御部58は、遠隔制御装置18から、第1移動体10を遠隔制御するための信号を取得し、信号取得部56が取得した信号が示す制御内容で、第1移動体10の移動機構を制御して、第1移動体10を移動させる。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0022】
このように、本実施形態においては、第1移動体10を自律制御する第1制御装置28Aと、第1移動体10を遠隔制御する第2制御装置28Bとは、別々のハードウェアである。このように、第1制御装置28Aと第2制御装置28Bとを別のハードウェアとすることで、例えば第1制御装置28Aに完全に動作不能となるような異常が生じた場合でも、第2制御装置28Bを正常のまま保つことができる可能性が高くなり、第1移動体10を適切に遠隔制御できる。ただし、第1制御装置28Aと第2制御装置28Bとは、別のハードウェアであることに限られず、1つのハードウェアであってもよい。すなわち例えば、第1制御装置28Aが、移動制御部58の機能を兼ね備えていてもよい。
【0023】
(第2移動体)
第2移動体12は、自動で移動可能な装置である。本実施形態の例では、第2移動体12は、例えばドローンなどの、空中を飛行可能な飛行体である。ただしそれに限られず、第2移動体12は、地上を移動する車両やロボットなどであってもよい。設備W内における第2移動体12の数は任意であってよいが、例えば第1移動体10の数より少ないことが好ましい。
【0024】
図5は、第2移動体の模式的なブロック図である。図5に示すように、第2移動体12は、通信部60と記憶部62と駆動部64と撮像装置66と制御部68とを有する。通信部60は、制御部68に用いられて、遠隔制御装置18などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部60による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部62は、制御部68の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0025】
駆動部64は、第2移動体12を移動させる駆動装置である。撮像装置66は、周囲を撮像するカメラである。第2移動体12に設けられる撮像装置66の数及び位置は任意である。例えば、本実施形態では、撮像装置66として、第2移動体12の進行方向側を撮像する撮像装置(第1撮像装置)と、第2移動体12の進行方向と反対側を撮像する撮像装置(第2撮像装置)とが設けられることが好ましい。さらに言えば、撮像装置66として、第1撮像装置及び第2撮像装置に加えて、第2移動体12の進行方向及び上下方向に直交する左右方向の一方側を撮像する撮像装置(第3撮像装置)と、左右方向の他方側を撮像する撮像装置(第4撮像装置)とが設けられることがより好ましい。
【0026】
制御部68は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部68は、自己位置取得部70と移動制御部72と撮像制御部74とを含む。制御部68は、記憶部52からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、自己位置取得部70と移動制御部72と撮像制御部74とを実現して、その処理を実行する。なお、制御部68は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、自己位置取得部70と移動制御部72と撮像制御部74との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部62が保存する制御部68用のプログラムは、第2移動体12が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0027】
自己位置取得部70は、第2移動体12の位置の情報を取得し、移動制御部72は、駆動部64を制御して、第2移動体12の移動を制御し、撮像制御部74は、撮像装置66を制御して、撮像装置66に撮像を行わせる。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0028】
(管理装置)
管理装置14は、設備Wにおける物流を管理するシステムである。管理装置14は、例えば、第1移動体10の作業内容や、設備Wに設けられる第1移動体10以外の機構(例えばエレベータや扉など)の制御内容を設定する。管理装置14は、本実施形態ではWCS(Warehouse Control System)やWMS(Warehouse Management System)であるが、WCS及びWMSに限られず任意のシステムであってよく、例えば、その他の生産管理系システムのようなバックエンドシステムでも構わない。管理装置14が設けられる位置は任意であり、設備W内に設けられてもよいし、設備Wから離れた位置に設けられて、離れた位置から設備Wを管理するものであってもよい。
【0029】
(情報処理装置)
情報処理装置16は、設備Wにおける物流を管理するシステムである。情報処理装置16は、第1移動体10の移動に関する情報などを処理する装置である。情報処理装置16は、例えばFCS(Fleet Control System)であるが、それに限られず、第1移動体10の移動に関する情報を処理する任意の装置であってよい。情報処理装置16は、本実施形態では設備Wに設けられるが、設けられる位置は任意であってよい。
【0030】
情報処理装置16は、第1移動体10の基準経路を設定する。基準経路とは、位置が既知の箇所同士を繋ぐ経路である。例えば、領域ARには、位置(座標)毎にウェイポイントが設定されており、基準経路は、ウェイポイントを繋ぐように設定される。ウェイポイントは、設備Wのレイアウトに応じて設定される。
【0031】
(遠隔制御装置)
遠隔制御装置18は、第1移動体10とは離れた位置に設けられており、第1移動体10を遠隔制御する装置である。遠隔制御装置18は、複数の第1移動体10を遠隔制御するものであるが、それに限られず、第1移動体10毎に遠隔制御装置18が備えられていてもよい。
【0032】
図6は、遠隔制御装置の模式的なブロック図である。遠隔制御装置18は、コンピュータであり、図6に示すように、入力部80と表示部82と通信部84と記憶部86と制御部88とを含む。入力部80は、オペレータの操作を受け付ける機構であり、例えばマウス、キーボード、タッチパネルなどを含んでもよいし、第1移動体10を遠隔操作するコントローラを含んでもよい。表示部82は、画像を表示するディスプレイである。通信部84は、制御部88に用いられて、第1移動体10などの外部の装置と通信するモジュールであり、例えばアンテナなどを含んでよい。通信部84による通信方式は、本実施形態では無線通信であるが、通信方式は任意であってよい。記憶部86は、制御部88の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAMと、ROMのような主記憶装置と、HDDなどの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。
【0033】
制御部88は、演算装置であり、例えばCPUなどの演算回路を含む。制御部88は、情報取得部90と、第2移動体指令部92と、表示制御部94と、第1移動体制御部96とを含む。制御部88は、記憶部86からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、情報取得部90と第2移動体指令部92と表示制御部94と第1移動体制御部96とを実現して、その処理を実行する。なお、制御部88は、1つのCPUによって処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、処理を実行してもよい。また、情報取得部90と第2移動体指令部92と表示制御部94と第1移動体制御部96との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。また、記憶部86が保存する制御部88用のプログラムは、遠隔制御装置18が読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
情報取得部90は、外部の装置(例えば第1移動体10や第2移動体12)から、通信部84を介して各種情報を取得する。第2移動体指令部92は、第2移動体12に対する指令信号を生成して、第2移動体12に送信することで、第2移動体12に移動などの動作を行わせる。表示制御部94は、第2移動体12の撮像装置66が撮像した画像などを、表示部82に表示させる。第1移動体制御部96は、第1移動体10を遠隔制御する信号を生成して、第1移動体10に送信することで、第1移動体10を遠隔制御する。これらの具体的な処理内容については後述する。
【0035】
本実施形態においては、遠隔制御装置18は、第1移動体制御部96及び第2移動体指令部92を含むことで、第1移動体10と第2移動体12との両方を遠隔制御する。ただし、1つのハードウェアで第1移動体10と第2移動体12との両方を遠隔制御することに限られず、遠隔制御装置18は、第1移動体10を遠隔制御する第1移動体制御部96の機能を有するハードウェアと、第2移動体12を遠隔制御する第2移動体指令部92の機能を有するハードウェアと、を備えるシステムであってよい。
【0036】
また、本実施形態では、管理装置14と情報処理装置16と遠隔制御装置18とが別のハードウェアであったが、管理装置14と情報処理装置16と遠隔制御装置18との少なくとも2つを、一体のハードウェアとしてもよい。すなわち、管理装置14が、情報処理装置16及び遠隔制御装置18の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよいし、情報処理装置16が、管理装置14及び遠隔制御装置18の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよいし、遠隔制御装置18が、管理装置14及び情報処理装置16の少なくとも一部の機能を兼ね備えてよい。
【0037】
(移動制御システムの処理)
移動制御システム1による処理内容を、以下で説明する。
【0038】
(経路の取得)
第1移動体10の第1制御装置28Aは、経路取得部40により、第1移動体10が移動する経路の情報を取得する。経路取得部40は、目標地点まで到達する第1移動体10の経路の情報を取得する。ここでの目標地点は、任意に設定されてよいが、例えば、第1移動体10の作業内容に基づき設定されてよい。経路取得部40は、任意の方法で経路を取得してよい。例えば、情報処理装置16により、目標地点までの各ウェイポイントを示す基準経路の情報が設定されて、経路取得部40、情報処理装置16により設定された基準経路の情報を、経路の情報として取得してよい。また例えば、経路取得部40は、目標地点の情報に基づいて、自身で経路を設定してよい。
【0039】
(第1移動体の移動)
第1移動体10の第1制御装置28Aは、移動制御部44により、取得した経路に従って第1移動体10を移動させる。この場合、第1制御装置28Aは、自己位置取得部42により、第1移動体10の位置情報(例えば第1移動体10の位置及び姿勢)を逐次把握することで、経路(ここでは経路として設定されたウェイポイント)を通るように、第1移動体10を移動させる。第1移動体10の位置情報の取得方法は任意であるが、例えば本実施形態では、設備Wに図示しない検出体が設けられており、自己位置取得部42は、検出体の検出に基づき第1移動体10の位置及び姿勢の情報を取得する。具体的には、第1移動体10は、検出体に向けてレーザ光を照射し、検出体によるレーザ光の反射光を受光して、設備Wにおける自身の位置及び姿勢を検出する。第1移動体10の位置及び姿勢の情報の取得方法は、検出体を用いることに限られず、例えば、SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)を用いてもよい。
【0040】
なお、第1移動体10は、ウェイポイントに従って移動することに限られない。例えば、移動制御部44は、ウェイポイントに従って移動した第1移動体10が目標物の近傍に到達したら、センサ26Aによって目標物の位置及び姿勢を検出させて、その検出結果に基づき、目標物までの経路を設定して、その経路に従って目標物にアプローチしてもよい。
【0041】
(第1移動体の異常)
ここで、第1移動体10は、異常が発生することにより、経路に従った自律移動が継続できなくなる場合がある。本実施形態における第1移動体10の異常とは、第1移動体10の駆動系が故障することによりその場から移動できなくなる事象を指すのではなく、その場からは移動できるが、経路に従った自律移動ができなくなる事象を指す。第1移動体10の異常としては、例えば、第1制御装置28Aの異常により、第1制御装置28Aによる第1移動体10の自律移動制御ができなくなる事象や、第1制御装置28Aによる第1移動体10の移動制御はできるが、第1移動体10の位置検出ができなくなるため経路に従った自律移動ができなくなる事象などを指す。
【0042】
本実施形態においては、第1移動体10が経路に従って自律移動できなくなった場合に、第2移動体12を第1移動体10の近傍まで移動させて、第2移動体12により第1移動体10の移動を補助することで、第1移動体10を適切に所定の移動先(第2位置)まで移動させる。具体的には、第1移動体10に異常が発生したら、第2移動体12を第1移動体10に向けて第1位置Aまで移動させて、その後、第1移動体10が第2位置Bに到達するまで、第2移動体12を第1移動体10の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。これにより、第1移動体10を第2位置Bまで適切に移動(誘導)することができる。以下、第1移動体10を第2位置Bに移動させる処理の詳細を説明する。
【0043】
(異常情報の取得)
第1移動体10は、異常が発生したら、第1移動体10に異常が発生した旨を示す異常情報を、遠隔制御装置18に送信する。異常情報は、異常が発生した旨を示す内容に加えて、異常の種類を示す内容も含んでいてよい。第1移動体10は、異常が発生したら移動を停止し、移動を停止した状態で、異常信号を遠隔制御装置18に送信してよい。異常情報は、第1制御装置28A又は第2制御装置28Bにより、通信部50を介して送信される。遠隔制御装置18の情報取得部90は、第1移動体10から異常情報を取得する。
【0044】
(第1位置の設定)
図7は、第1位置及び第2位置の設定を説明するための模式図である。遠隔制御装置18は、情報取得部90により第1移動体10から異常情報を取得したら、第2移動体指令部92により、第1位置Aを設定する。第1位置Aとは、図7に示すように、第2移動体12が向かう行き先であり、異常が発生した第1移動体10に対して所定の位置を指す。第1位置Aは、異常が発生した第1移動体10の近傍の位置といえ、例えば、異常が発生した第1移動体10に対して所定の距離範囲内の位置であってよく、さらに言えば、第2移動体12の撮像装置66により第1移動体10を撮像可能な位置であってよい。この場合例えば、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第1移動体10の位置情報を取得し、第1移動体10の位置情報が示す第1移動体10の位置に対する所定の位置(例えば所定の距離範囲内の位置)を、第1位置Aとして設定する。第2移動体指令部92は、第1移動体10の位置情報を任意の方法で取得してよい。例えば、第2移動体指令部92は、異常が発生した第1移動体10が自己位置を取得できる場合には、異常が発生した状態での第1移動体10の位置情報を、第1移動体10から取得してよい。また、第1移動体10が自己位置を取得できなくなっている場合には、第2移動体指令部92は、最後に第1移動体10により取得された第1移動体10の位置情報を取得してよい。
【0045】
第1位置Aは、オペレータにより設定されてもよいし、遠隔制御装置18により自動設定されてもよい。第1位置Aがオペレータに設定される場合には、例えば、第1移動体10の位置情報に基づいて、第1移動体10の位置が表示部82に表示される。オペレータは、第1移動体10の位置を確認して、第1位置Aを指定する操作を入力部80に入力する。第2移動体指令部92は、入力部80に入力された第1位置Aを、第1位置Aとして設定する。また、第1位置Aが自動設定される場合には、第2移動体指令部92は、第1移動体10の位置情報に基づいて、第1移動体10に対する所定の位置を、第1位置Aとして設定する。
【0046】
(第2位置の設定)
本実施形態では、遠隔制御装置18は、第1移動体10から異常情報を取得したら、第2移動体指令部92により、第2位置Bも設定する。第2位置Bとは、異常が発生した第1移動体10が向かう移動先である。第2移動体指令部92は、任意の位置を第2位置Bとして設定してよいが、例えば、異常が発生した第1移動体10の退避先として予め設定されていた位置を、第2位置Bとして設定してよい。この場合例えば、退避先の候補が複数設定されており、第2移動体指令部92は、それらの退避先のいずれかを、第2位置Bとして設定してよい。ただし、第2位置Bは、退避先と同じ位置であることに限られず、第2移動体指令部92は、退避先に対して所定の距離範囲内の位置を、第2位置Bとして設定してよい。
【0047】
第2位置Bは、オペレータにより設定されてもよいし、遠隔制御装置18により自動設定されてもよい。第2位置Bがオペレータに設定される場合には、例えば、オペレータは、第2位置Bを指定する操作を入力部80に入力する。第2移動体指令部92は、入力部80に入力された第2位置Bを、第2位置Bとして設定する。
【0048】
(第2移動体の第1位置への移動)
遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第1位置A及び第2位置Bの情報を、第2移動体12に送信する。第2移動体12は、第1位置A及び第2位置Bの情報を取得したら、図7に示すように、移動制御部72により、第1位置Aまでの移動を開始する。図7の例では、第2移動体12は、所定の待機位置AR1に位置しており、第1位置A及び第2位置Bの情報を取得したら、待機位置AR1から第1位置Aに向けて移動する。なお、第2移動体12も、自己位置取得部70により、第2移動体12の位置情報(例えば第2移動体12の位置及び姿勢)を逐次把握しつつ、第2移動体12を移動させる。第2移動体12の位置情報の取得方法は任意であるが、例えば第1移動体10と同じ方法を用いてよい。
【0049】
第2移動体12の第1位置Aへの移動経路は任意に設定されてよい。例えば、第2移動体12は、待機位置AR1から第1位置Aまでの最短経路(例えば直線状の経路)を、第1位置Aへの移動経路として設定して、その移動経路に従って移動してよい。また例えば、第2移動体12は、例えば情報処理装置16から、第1移動体10用の基準経路を取得して、取得した基準経路を第1位置Aへの移動経路としてよい。この場合例えば、第2移動体12は、待機位置AR1に対応するウェイポイントから第1位置Aに対応するウェイポイントまでの基準経路を、移動経路として取得する。また例えば、第1位置Aがウェイポイントからずれている場合には、第1位置Aの直近のウェイポイントまで基準経路に従って移動して、そのウェイポイントから第1位置Aまでの経路を設定して、第1位置Aまで移動してよい。
【0050】
第2移動体12は、第1位置Aに到達したら、第1位置Aに到達した旨を示す情報を、遠隔制御装置18に送信する。遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第2移動体12が第1位置Aに到達した旨を示す情報を取得したら、第2移動体12に、第1移動体10の移動の補助作業を開始する旨を示す開始指令を出力する。
【0051】
なお、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第1位置Aに到達した第2移動体12の位置及び姿勢の少なくとも一方を遠隔制御してもよい。この場合例えば、第1位置Aに到達した第2移動体12は、撮像制御部74により、撮像装置66に撮像を行わせて、撮像装置66が撮像した画像を、遠隔制御装置18に送信する。遠隔制御装置18の表示制御部94は、撮像装置66が撮像した画像に基づき、第2移動体12の位置及び姿勢の少なくとも一方を遠隔制御する。第2移動体指令部92は、オペレータの操作により第2移動体12を遠隔制御してもよいし、第2移動体12を自動で遠隔制御してもよい。オペレータにより遠隔制御する場合、例えば、遠隔制御装置18の表示制御部94は、撮像装置66が撮像した画像を、表示部82に表示させる。そして、オペレータは、表示部82に表示された撮像装置66の撮像画像を視認しつつ、第2移動体12の位置及び姿勢の少なくとも一方を制御する操作を、入力部80に入力する。第2移動体指令部92は、オペレータによって入力された第2移動体12の操作内容を示す制御信号を生成して、第2移動体12に送信する。第2移動体12の移動制御部72は、この制御信号を受信して、制御信号に応じた位置や姿勢となるように、第2移動体12の移動を制御する。また、遠隔制御装置18により第2移動体12を自動で遠隔制御する場合、例えば、第2移動体指令部92は、撮像装置66の画像に基づいて、第2移動体12の操作内容を示す制御信号を生成して、第2移動体12を制御する。この場合例えば、第2移動体指令部92は、撮像装置66の画像に第1移動体10が写るような位置及び姿勢となるような制御信号を生成して、第2移動体12を制御することが好ましい。
【0052】
また、上述は、第1位置Aに到達した第2移動体12を遠隔制御する旨を説明していたが、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92により、第2移動体12の第1位置Aへの移動を遠隔制御してよい。第1位置Aへ移動させる遠隔制御の方法は、第1位置Aまで移動させる以外の点で、第1位置Aに到達した第2移動体12を遠隔制御する方法と同様であるため、説明を省略する。また例えば、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第2移動体12の第1位置Aまでの移動経路を設定して、第2移動体12に、設定した移動経路を移動させてもよい。第2移動体指令部92による移動経路の設定方法は任意であってよく、例えば第2移動体指令部92が自動設定してもよいし、オペレータにより設定されてもよい。
【0053】
(第2移動体の第2位置への移動)
図8は、第1移動体及び第2移動体の移動を説明する模式図である。第2移動体12は、遠隔制御装置18から開始指令を受信したら、図8に示すように、撮像装置66により撮像させつつ、第2位置Bに向けた移動を開始する。第2移動体12は、第2位置Bに向けた移動中に撮像装置66によって撮像された画像データを、遠隔制御装置18に逐次送信する。なお、第2移動体12は、第2位置Bを目的位置とすることに限られず、例えば第2位置Bに対して所定の距離範囲内の位置を目的位置として、第2位置Bに向けて移動してもよい。
【0054】
第2移動体12の第2位置Bへの移動経路は任意に設定されてよい。例えば、第2移動体12は、第2位置Bまでの最短経路(例えば直線状の経路)を、第2位置Bへの移動経路として設定して、その移動経路に従って移動してよい。また例えば、第2移動体12は、例えば情報処理装置16から、第1移動体10用の基準経路を取得して、取得した基準経路を第2位置Bへの移動経路としてよい。この場合例えば、第2移動体12は、第1位置Aに対応するウェイポイントから第2位置Bに対応するウェイポイントまでの基準経路を、移動経路として取得する。また例えば、第2位置Bがウェイポイントからずれている場合には、第2位置Bの直近のウェイポイントまで基準経路に従って移動して、そのウェイポイントから第2位置Bまでの経路を設定して、第2位置Bまで移動してよい。さらに言えば、第2移動体12は、第1移動体10を誘導しつつ第2位置Bへ移動するため、できるだけ広い通路を移動することが好ましい場合がある。そのため例えば、第2位置Bに到達可能な基準経路のうちで、経路が通る通路の幅が広い基準経路を、第2位置Bへの移動経路として設定してもよい。通路の幅が広い基準経路の選択方法は任意であってよいが、例えば、第2位置Bに到達可能な基準経路のうちで通路幅の平均値が最大となる基準経路を選択してもよいし、通る通路の幅の最小値が閾値以上となる基準経路を選択してもよい。この場合、距離が長くなったとしても、通路の幅が広い基準経路が選択されることが好ましい。なお、通路の幅は、例えば地図情報として、予め情報処理装置16などに記憶されていてもよい。また、ここでは基準経路のうちから、通路幅の広い経路を選択していたが、基準経路を用いることに限られず、例えば地図情報から、通路の幅が広い経路を設定してもよい。
【0055】
(画像の表示)
図9及び図10は、遠隔制御装置に表示される画像の一例を示す模式図である。遠隔制御装置18の表示制御部94は、第2位置Bに向けて移動中に撮像装置66によって撮像された画像データを取得し、表示部82に画像Pを表示させる。表示制御部94は、表示部82に表示させる画像Pとして、画像P1と画像P2とを表示させることが好ましい。画像P1は、撮像装置66によって撮像された画像データに基づいた画像であり、撮像装置66から画像を取得する毎に、更新される。本実施形態においては、第2移動体12の進行方向側とその反対側とを撮像する撮像装置66がそれぞれ設けられているため、図9に示すように、表示制御部94は、撮像装置66によって撮像された第2移動体12の進行方向側の撮像画像P1aと、撮像装置66によって撮像された進行方向と反対側の撮像画像P1bとを、画像P1として表示してよい。なお、第2移動体12は、第1移動体10より先に、第1位置Aから第2位置Bに向けて移動するので、進行方向と反対側の撮像画像P1bには、第1移動体10が写る。また、図10に示すように、表示制御部94は、第1移動体10とその周囲とを示す俯瞰画像(Z方向から第1移動体10とその周囲を見た画像)を、画像P1として表示させてもよい。この場合例えば、表示制御部94は、異なる位置を撮像したそれぞれの撮像装置66(例えば第1~第4撮像装置)によって撮像された画像データから、第1移動体10とその周囲とを示す俯瞰画像を生成して、画像P1として表示させてもよい。なお、図9及び図10に示すように、表示制御部94は、第2移動体12の第2位置Bまでのルートを示す画像Wも、画像P1に重畳するように、表示させてよい。また、進行方向を前方向とした場合の、前方向、後方向、左方向、及び右方向を示す画像や、東西南北それぞれの方向を示す画像なども、画像P1に重畳するように表示してよい。このような画像を重畳表示することで、オペレータによる操作をより好適に補助できる。
【0056】
また、画像P2は、第2移動体12の位置を示す画像である。例えば、表示制御部94は、第2移動体12から、第2移動体12の位置情報を逐次取得して、X方向及びY方向における2次元座標系における、第2移動体12の位置を示す画像を、画像P2として表示する。この場合、画像P2に示される第2移動体12の位置は、第2移動体12の位置情報に応じて逐次更新される。なお、図9及び図10の例では、X方向及びY方向における2次元座標における、それぞれのウェイポイントWPの位置と第2移動体12の位置とが、画像P2として表示される。また、第1移動体10が自己位置を取得可能である場合には、表示制御部94は、第1移動体10から、第1移動体10の位置情報を逐次取得して、第1移動体10の位置を示す画像も、画像P2に表示させてよい。
【0057】
(第1移動体の移動)
第2移動体12が第2位置Bに向けて移動を開始したら、第1移動体10は、第2移動体12の後を追うように移動を開始して、第2位置Bに向けて移動する。本実施形態においては、第1移動体10は、遠隔制御装置18の遠隔制御により、第2位置Bに向けて移動する。この場合例えば、オペレータは、表示部82に表示された画像Pを視認しつつ、第1移動体10が第2移動体12の後を追って第2位置Bに移動するように、第1移動体10の位置及び姿勢の少なくとも一方を制御する操作を、入力部80に入力する。遠隔制御装置18の第1移動体制御部96は、オペレータによって入力された第1移動体10の操作内容を示す制御信号を生成して、第1移動体10に送信する。第1移動体10の移動制御部58は、この制御信号を受信して、制御信号に応じた位置や姿勢となるように、第1移動体10の移動を制御する。
【0058】
具体的には、オペレータは、画像Pを視認しつつ、第2位置Bに向けて移動している第2移動体12に追従するように(後を追うように)、第1移動体10を遠隔操作する。例えば、撮像装置66が撮像した画像が画像P1として表示されるため、画像P1に第1移動体10が写り続けるように第1移動体10を遠隔操作することで、第2移動体12に適切に追従させることができる。また例えば、第2移動体12の進行方向の画像P1や、第2移動体12の位置を示す画像P2や、ルートを示す画像Wなどが表示されるため、オペレータは、第2移動体12に追従する第1移動体10のおおよその位置を認識しつつ遠隔操作することで、目的の移動先まで、第1移動体10を適切に移動させることができる。
【0059】
また、遠隔制御装置18の第1移動体制御部96は、第1移動体10を自動で遠隔制御してもよい。この場合例えば、第1移動体制御部96は、第2移動体12に追従するように、すなわち例えば第2移動体12との距離が所定距離範囲内に保たれるように、制御信号を生成して、第1移動体10を制御することが好ましい。なお、第1移動体10と第2移動体12との距離との測定方法は任意であってよいが、例えば、撮像装置66が撮像した第1移動体10の画像に基づき算出してもよい。
【0060】
(第2移動体の挙動)
ここで、第2移動体12は、第1移動体10が第2位置Bに到達するまでの間、第1移動体10と第2移動体12との距離が所定距離範囲内を保ち続けるように、撮像装置66に撮像させつつ、第2位置Bに向けて移動する。例えば、第2移動体12は、第1移動体10と第2移動体12との距離を逐次測定して、その距離が所定距離範囲外になった場合には、第2位置Bに向けた移動を停止させる。例えば、第2移動体12は、第1移動体10と第2移動体12との距離が所定距離範囲外になった場合には、その場で停止(例えばホバリング)する。ただしそれに限られず、例えば、第2移動体12は、第2位置Bに向けた移動を停止して、第1移動体10と第2移動体12との距離が所定距離範囲内となるまで第1位置A側に移動してもよい。なお、第1移動体10と第2移動体12との距離との測定方法は任意であってよいが、例えば、撮像装置66が撮像した第1移動体10の画像に基づき、画像解析により算出してもよいし、第2移動体12にLiDARなどの距測センサを設けておき、その距測センサにより距離を測定してもよい。また例えば、第2移動体12の飛行高さと、所定距離(第1移動体10に対して離れることが許容される距離)と、第2移動体12の撮像装置66の撮像方向と、撮像装置66の画角との、少なくとも1つを、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92によって調整してもよい。すなわち、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第2移動体12の飛行高さと、所定距離と、撮像装置66の撮像方向と、撮像装置66の画角との少なくとも1つを変更する指令を第2移動体12に出力して、第2移動体12にそれを変更させてもよい。この変更指令は、第2移動体指令部92によって自動で行われてもよいし、遠隔制御装置18へのオペレータの操作によって行われてもよい。
【0061】
また、第1移動体10と第2移動体12との距離を測定する際には、第2移動体12は、対象となる第1移動体10を特定する処理を行ってもよい。この場合例えば、第2移動体12は、第1移動体10に設けられた識別子を撮像装置66により撮像して、その識別子を読み込むことで第1移動体10を特定してよい。これにより、第2移動体12は、特定した第1移動体10に対して、距離が所定距離範囲内を保ち続けるように、第2位置Bまで移動することが可能となるため、例えば対象となる第1移動体10を見失うことなく適切に誘導できる。
【0062】
第2移動体12は、目的位置(第2位置B又は第2位置Bから所定距離内の位置)に到達したら、その場で停止してもよい。
【0063】
(第2位置への到着)
図11は、第1移動体が第2位置に到達した例を説明する模式図である。遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第1移動体10が第2位置Bに到達したら、第2移動体12の補助作業を終了する旨の終了指令を、第2移動体12に出力する。図11に示すように、第2移動体12は、終了指令を受信したら、待機位置AR1に戻ってよい。なお、第2移動体指令部92は、第1移動体10が第2位置Bに到達したかを判断する基準は任意であってよい。例えば、オペレータが、画像Pなどを確認することで第1移動体10が第2位置Bに到着したと判断したら、終了する旨を示す操作を入力部80に入力してよい。第2移動体指令部92は、終了する旨を示す操作が入力されたら、第1移動体10が第2位置Bに到達したとして、終了指令を第2移動体12に出力する。また例えば、第2移動体指令部92は、第2移動体12の位置に基づいて、第1移動体10が第2位置Bに到達したかを判断してもよい。例えば、第2移動体12は、第1移動体10に対して所定距離範囲内にあるため、第2移動体12が目的位置に到達したら、第1移動体10も第2位置Bの近傍にあると想定できる。そのため例えば、第2移動体指令部92は、第2移動体12が目的位置に到達した場合に、第1移動体10が第2位置Bに到達したと判断してよい。
【0064】
(処理フロー)
以上説明した移動制御システム1の処理の処理フローを説明する。図12は、第1実施形態に係る移動制御システムの処理フローを説明するフローチャートである。図12に示すように、第1移動体10に異常が発生したら、遠隔制御装置18は、情報取得部90により、第1移動体10から異常情報を取得し(ステップS10)、第2移動体指令部92により、第1位置A及び第2位置Bを設定し(ステップS12)、第1位置A及び第2位置Bの情報を第2移動体12に送信する。第2移動体12は、第1位置A及び第2位置Bの情報を取得したら、第1位置Aに向けて移動し(ステップS14)、第1位置Aに到達した旨の情報を、遠隔制御装置18に送信する。遠隔制御装置18は、第1位置Aに到達した旨を示す情報を取得したら、第2移動体12に開始指令を出力する(ステップS16)。第2移動体12は、開始指令を取得したら、撮像装置66により撮像させつつ、第2位置Bに移動する(ステップS18)。遠隔制御装置18は、第2移動体12によって第2位置Bに移動しつつ撮像された画像データを逐次取得して、取得した画像データに基づく画像Pを、表示部82に表示させる(ステップS20)。遠隔制御装置18は、表示部82の画像Pを視認するオペレータの操作を受け付け、オペレータの操作により、第1移動体10を遠隔制御して(ステップS22)、第1移動体10を第2位置Bに向けて移動させる(ステップS24)。なお、第2移動体12は、第1移動体10との距離が所定距離範囲内となるように、第2位置Bに向けて移動する。第1移動体10が第2位置Bに到達したら、遠隔制御装置18は、第2移動体12に終了指令を出力し(ステップS26)、第2移動体12は、終了指令を取得したら、作業を終了して、待機位置AR1に戻る(ステップS28)。
【0065】
以上説明したように、第1実施形態においては、第2移動体12は、第1移動体10との間の距離を所定距離範囲内に保ちつつ、撮像装置66に周囲を撮像させて、第1移動体10は、第2移動体12の後を追うように、第2位置Bに向けて移動する。このように、第1実施形態においては、第2移動体12は、第1移動体10の近傍に位置しつつ、第1移動体10を先導するため、第1移動体10を適切に第2位置Bまで退避させることができる。さらに言えば、第2移動体12に周囲の画像を撮像させつつ第2位置Bまで先導させるため、その画像により、第1移動体10が第2位置Bまで退避する際の遠隔制御を補助することができ、第1移動体10を適切に第2位置Bまで退避させることができる。さらに言えば、それぞれの第1移動体10に、遠隔制御用の撮像装置を設けたり、設備Wに、遠隔制御用の撮像装置を設けたりすることも考えられる。しかしながら、それぞれの第1移動体10に遠隔制御用の撮像装置を設けると、第1移動体10の配備数に応じた数の撮像装置が必要になり、高コストとなる。また、設備Wに撮像装置を設ける場合にも、第1移動体10がどの位置で異常となるかを事前に想定できないため、全ての領域をカバーするためには多くの撮像装置を設ける必要がある。それに対して、本実施形態においては、遠隔制御用の撮像装置を備えた第2移動体12を配備するだけで、複数の第1移動体10の遠隔制御を補助できるため、多くの撮像装置が不要となり、高コスト化を抑えられる。
【0066】
なお、以上の説明では、遠隔制御装置18により、第1移動体10の第2位置Bへの移動を遠隔制御していたが、例えば第1移動体10の自律移動が可能である場合には、遠隔制御装置18による遠隔制御を行うことなく、第1移動体10の第1制御装置28Aにより、第1移動体10を第2位置Bまで自律移動させてもよい。すなわち例えば、第1移動体10の異常モードとして、第1制御装置28Aによる第1移動体10の移動制御はできるが、第1移動体10の位置検出ができない場合には、第1制御装置28Aにより、第1移動体10を第2位置Bまで自律移動させてもよい。この場合、第1制御装置28Aは、第2位置Bに向けて移動する第2移動体12に追従するように、すなわち例えば第2移動体12との距離が所定距離範囲内に保たれるように、第1移動体10を自律移動させることが好ましい。なお、第1移動体10と第2移動体12との距離との測定方法は任意であってよいが、例えば、撮像装置66が撮像した第1移動体10の画像に基づき算出してもよいし、センサ26Aにより第2移動体12までの距離を測定してもよい。
【0067】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、第2移動体12により第1移動体10を先導させずに、第2移動体12を、第1移動体10上に留まらせつつ第1移動体10を移動させる点で、第1実施形態とは異なる。第2実施形態において、第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
【0068】
図13は、第2移動体を第1移動体上に留まらせる場合を説明する模式図である。図13に示すように、第2移動体12は、第1位置Aに移動したら、第1移動体10上の固定位置A1に移動して、固定位置A1に留まる。固定位置A1とは、領域ARの座標系における位置ではなく、第1移動体10の座標系における位置であり、第1移動体10の基準位置に対して固定された位置といえる。固定位置A1は、第1移動体10上の任意の位置であってよい。例えば、第2移動体12は、第1位置Aに到達したら、第2移動体12上に留まることができる位置を固定位置A1として検出して、固定位置A1に移動してその場で留まってよい。
【0069】
なお、遠隔制御装置18の第2移動体指令部92は、第1位置Aに到達した第2移動体12の位置及び姿勢の少なくとも一方を遠隔制御してもよい。第2移動体12は、遠隔制御装置18の遠隔制御により、固定位置A1に移動してもよいし、自律移動で固定位置A1まで移動し、固定位置A1上において、位置及び姿勢の少なくとも一方を遠隔制御されてもよい。
【0070】
第2移動体12は、固定位置A1に留まっている状態で、撮像装置66により周囲を撮像させて、撮像した画像データを遠隔制御装置18に送信する。遠隔制御装置18は、第2移動体12から取得した画像データに基づく画像Pを表示部82に表示させつつ、第1移動体10を第2位置Bに向けて移動させる。具体的には、オペレータは、画像Pを視認しておおよその第1移動体10の位置を確認しつつ、第1移動体10を第2位置Bに到達するように遠隔操作する。
【0071】
次に、第2実施形態における移動制御システム1の処理の処理フローを説明する。図14は、第2実施形態に係る移動制御システムの処理フローを説明するフローチャートである。図14のステップS14までは第1実施形態と共通するため説明を省略する。図14のステップS14において第2移動体12が第1位置Aに到達したら、第2移動体12は、第1移動体10上の固定位置A1に移動して留まり、撮像装置66により撮像させる(ステップS18A)。遠隔制御装置18は、第2移動体12によって固定位置A1上で撮像された画像データを逐次取得して、取得した画像データに基づく画像Pを、表示部82に表示させる(ステップS20)。遠隔制御装置18は、表示部82の画像Pを視認するオペレータの操作を受け付け、オペレータの操作により、第1移動体10を遠隔制御して(ステップS22)、第1移動体10を第2位置Bに向けて移動させる(ステップS24)。第1移動体10が第2位置Bに到達したら、遠隔制御装置18は、第2移動体12に終了指令を出力し(ステップS26)、第2移動体12は、終了指令を取得したら、作業を終了して、待機位置AR1に戻る(ステップS28)。
【0072】
以上説明したように、第2実施形態においては、第2移動体12を、第2位置Bに向かっている第1移動体10上の固定位置A1に位置させつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。従って、第2移動体12に第1移動体10の周囲の画像を撮像させつつ、第1移動体10を第2位置Bまで移動させることが可能となるため、第2移動体12の画像により、第1移動体10の第2位置Bまでの移動を適切に補助することができる。
【0073】
なお、第2実施形態においても、遠隔制御装置18は、第1移動体10を自動で遠隔制御してもよい。この場合例えば、第1移動体制御部96は、第1移動体10の固定位置A1上に留まる第2移動体12の位置情報から、第1移動体10の位置情報を算出して、第1移動体10が第2位置Bに到達するように、第1移動体10を遠隔制御により移動させてよい。また、第2実施形態においても、第1移動体10の自律移動が可能である場合には、遠隔制御装置18による遠隔制御を行うことなく、第1移動体10の第1制御装置28Aにより、第1移動体10を第2位置Bまで自律移動させてもよい。この場合、第1制御装置28Aは、第1移動体10の固定位置A1上に留まる第2移動体12の位置情報から、第1移動体10の位置情報を算出して、第1移動体10が第2位置Bに到達するように、第1移動体10を移動させてよい。なお、これらの制御においては、第2移動体12の位置情報を第1移動体10の位置情報として扱ってよい。
【0074】
また、第1実施形態と第2実施形態とを組み合わせてもよい。すなわち例えば、第2移動体12を一旦固定位置A1に留まらせた後、第2移動体12を第2位置Bに向けて移動させてもよい。
【0075】
(効果)
本開示の第1態様に係る移動制御方法は、第1移動体10に異常が発生した際に、撮像装置66を有する第2移動体12を、第1移動体10に向けて第1位置Aまで移動させるステップと、第2移動体12が第1位置Aに到達したら、第1移動体10を第2位置Bに移動させるステップと、を含む。本制御方法においては、第1移動体10が第2位置Bに到達するまで、第2移動体12を第1移動体10の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。本開示によると、第1移動体10が経路に従って自律移動できなくなった場合に、第2移動体12を第1移動体10の近傍まで移動させて、第1移動体10が第2位置Bまで移動する間、第2移動体12を第1移動体10の近傍に位置させつつ、周囲を撮像させる。そのため、本開示によると、第2移動体12が撮像した画像により、第1移動体10の周囲を確認しつつ、第1移動体10を第2位置Bまで移動させることが可能となるため、第1移動体10を第2位置Bまで適切に移動(誘導)することができる。
【0076】
本開示の第2態様に係る移動制御方法は、第1態様に係る移動制御方法であって、第1移動体10を第2位置Bに移動させるステップにおいては、第2移動体12を、第1移動体10との間の距離を所定距離範囲内に保ちつつ、第2位置Bに向けて移動させ、第2移動体12を第2位置Bに向けて移動させている最中に、撮像装置66に周囲を撮像させ、第1移動体10を、第2移動体12の後を追うように移動させる。そのため、本開示によると、第2移動体12を、第1移動体10の近傍に位置させつつ先導させることが可能となるため、第1移動体10を適切に第2位置Bまで退避させることができる。
【0077】
本開示の第3態様に係る移動制御方法は、第1態様又は第2態様に係る移動制御方法であって、第1移動体10を第2位置Bに移動させるステップにおいては、第2移動体12を、第2位置Bに向かっている第1移動体10上の固定位置A1に位置させつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。本開示によると、第2移動体12に第1移動体10の周囲の画像を撮像させつつ、第1移動体10を第2位置Bまで移動させることが可能となるため、第2移動体12の画像により、第1移動体10の第2位置Bまでの移動を適切に補助することができる。
【0078】
本開示の第4態様に係る移動制御方法は、第1態様から第3態様のいずれかに係る移動制御方法であって、第1移動体10が第2位置Bに移動している最中に、撮像装置66が撮像した画像データに基づく画像P1と、第2移動体12の位置を示す画像P2とを表示させるステップを更に含む。本開示によると、画像P1、P2を表示させるため、第1移動体10の移動を適切に補助できる。
【0079】
本開示の第5態様に係る移動制御方法は、第4態様に係る移動制御方法であって、画像を表示させるステップにおいては、撮像装置66が撮像した画像データに基づく画像P1に、第2移動体12が移動する経路を示す情報を重畳して表示させる。本開示によると、第2移動体12が移動する経路を示す情報を重畳表示することで、第1移動体10の第2位置Bまでの移動をより適切に補助できる。
【0080】
本開示の第6態様に係る移動制御方法は、第1態様から第5態様のいずれかに係る移動制御方法であって、第1移動体10を第2位置Bに移動させるステップにおいては、第1移動体10から離れた位置に設けられた遠隔制御装置18により、第1移動体10を移動させる。本開示によると、遠隔制御装置18により、異常が発生した第1移動体10を、第2位置Bまで適切に移動させることができる。
【0081】
本開示の第7態様に係るプログラムは、第1移動体10に異常が発生した際に、撮像装置66を有する第2移動体12を、第1移動体10に向けて第1位置Aまで移動させるステップと、第2移動体12が第1位置Aに到達したら、第1移動体10を第2位置Bに移動させるステップと、コンピュータに実行させる。本プログラムにおいては、第1移動体10が第2位置Bに到達するまで、第2移動体12を第1移動体10の所定距離範囲内に位置させ続けつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。本開示によると、異常が発生した第1移動体10を、第2位置Bまで適切に移動させることができる。
【0082】
本開示の第7態様に係る移動制御システム1は、第1移動体10と、撮像装置66を有する第2移動体12を有する。第2移動体12は、第1移動体10に異常が発生した際に、第1移動体10に向けて第1位置Aまで移動し、第1移動体10は、第2移動体12が第1位置Aに到達したら、第2位置Bに移動する。第2移動体12は、第1移動体10が第2位置Bに到達するまで、第1移動体の所定距離範囲内に位置し続けつつ、撮像装置66に周囲を撮像させる。本開示によると、異常が発生した第1移動体10を、第2位置Bまで適切に移動させることができる。
【0083】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0084】
1 移動制御システム
10 第1移動体
12 第2移動体
18 遠隔制御装置
28A 第1制御装置
28B 第2制御装置
A 第1位置
B 第2位置
図1
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