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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163898
(43)【公開日】2024-11-22
(54)【発明の名称】半導体パッケージ及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/12 20060101AFI20241115BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20241115BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H01L23/12 501B
H01L25/08 C
H01L23/14 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024077563
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】10-2023-0061663
(32)【優先日】2023-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100229448
【弁理士】
【氏名又は名称】中槇 利明
(72)【発明者】
【氏名】鄭 ▲きょん▼玉
(72)【発明者】
【氏名】具 慈慶
(72)【発明者】
【氏名】劉 聖賢
(57)【要約】
【課題】工程が簡素化され、歩留りが向上した半導体パッケージ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の一実施形態は、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップに対向する前面に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び、上記第2パッドと電気的に連結され、上記前面の反対である後面に延長される貫通電極を含む、第2半導体チップと、上記第2半導体チップの上記後面、及び、上記貫通電極の側面のそれぞれの一部分を覆う第1誘電層と、上記第2半導体チップの側面を取り囲む第2誘電層と、上記第1誘電層及び上記第2誘電層によって定義される平坦面上に配置され、上記貫通電極に電気的に連結されたバンプ構造物と、を含み、上記第1誘電層は、無機化合物を含み、上記第2誘電層は、上記無機化合物よりも熱膨張係数(CTE)が低い有機-無機複合材料を含む、半導体パッケージを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
第1パッドを含む、第1半導体チップと、
前記第1半導体チップに対向する前面に配置され、前記第1パッドに接する第2パッド、及び、前記第2パッドと電気的に連結され、前記前面の反対である後面に延長される貫通電極を含む、第2半導体チップと、
前記第2半導体チップの前記後面及び前記貫通電極の側面のそれぞれの一部分を覆う、第1誘電層と、
前記第2半導体チップの側面を取り囲む、第2誘電層と、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層によって定義される平坦面上に配置され、前記貫通電極に電気的に連結された、バンプ構造物と、
を含み、
前記第1誘電層は、無機化合物を含み、
前記第2誘電層は、前記無機化合物よりも熱膨張係数(CTE)が低い有機-無機複合材料を含む、
半導体パッケージ。
【請求項2】
前記有機-無機複合材料は、架橋結合された感光性作用基を有するシラン系化合物、及び、シロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記感光性作用基は、エポキシ(epoxy)基、アクリレート(acrylate)基、又は、メタクリレート(methacrylate)基を含む、
請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記シロキサン系化合物は、ポリシルセスキオキサン(polysilsesquioxane)を含む、
請求項2に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記無機化合物は、シリコン酸化物(SiO)、及び、シリコン窒化物(SiN)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記有機-無機複合材料の前記熱膨張係数は、60ppm/℃以下である、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記第1誘電層は、前記第2半導体チップの側面、及び、前記第1半導体チップの下面に延長される、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第2誘電層は、前記第2半導体チップの前記側面、及び、前記第1半導体チップの前記下面と離隔される、
請求項7に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記第1半導体チップは、さらに、前記第1パッドを取り囲む第1絶縁層を含み、
前記第2半導体チップは、さらに、前記第2パッドを取り囲み、かつ、前記第1絶縁層と接する、第2絶縁層を含む、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記第1絶縁層及び前記第2絶縁層は、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及び、シリコン炭窒化物(SiCN)のうちの少なくとも1つを含む、
請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記第1半導体チップの幅は、前記第2半導体チップの幅よりも大きい、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
前記半導体パッケージは、さらに、
前記バンプ構造物と前記貫通電極とを電気的に連結する再配線パターン層、及び、前記再配線パターン層を覆う絶縁性物質層を含む、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項13】
前記絶縁性物質層は、感光性樹脂を含む、
請求項12に記載の半導体パッケージ。
【請求項14】
前記バンプ構造物の少なくとも一部のバンプ構造物は、前記第2半導体チップと重ならない、
請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項15】
前記半導体パッケージは、さらに、
前記第2誘電層を貫通し、かつ、前記少なくとも一部のバンプ構造物と前記第1パッドの一部の第1パッドとを電気的に連結する、貫通ビア構造物を含む、
請求項14に記載の半導体パッケージ。
【請求項16】
半導体パッケージであって、
第1パッドを含む、第1半導体チップと、
前記第1半導体チップに対向する前面に配置され、前記第1パッドに接する第2パッド、及び、前記第2パッドと電気的に連結され、前記前面の反対である後面に延長される貫通電極を含む、第2半導体チップと、
前記第2半導体チップの前記後面、及び、前記貫通電極の側面のそれぞれの一部分を覆う、第1誘電層と、
前記第2半導体チップの側面を取り囲む、第2誘電層と、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層の上に配置され、前記貫通電極に電気的に連結されたバンプ構造物と、
を含み、
前記第2誘電層は、架橋結合された感光性作用基を有する有機-無機複合材料を含む、
半導体パッケージ。
【請求項17】
半導体パッケージであって、
第1パッドを含む、第1半導体チップと、
前記第1半導体チップの下に配置され、前記第1パッドに接する第2パッド、及び、前記第2パッドと電気的に連結される貫通電極を含む、第2半導体チップと、
前記第2半導体チップの後面に突出した前記貫通電極の一部分を取り囲む、第1誘電層と、
前記第1半導体チップの下で前記第2半導体チップを取り囲む、第2誘電層と、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層の上に配置され、前記貫通電極に電気的に連結されたバンプ構造物と、
を含み、
前記第1誘電層及び前記第2誘電層は、互いに異なる物質を含み、
前記第1誘電層及び前記貫通電極によって定義される第1平坦面と、前記第2誘電層によって定義される第2平坦面とは、共面にある、
半導体パッケージ。
【請求項18】
前記第1誘電層は、シリコン酸化物(SiO)、及び、シリコン窒化物(SiN)のうちの少なくとも1つを含み、
前記第2誘電層は、架橋結合された感光性作用基を有するシラン系化合物、及び、シロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含む、
請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項19】
前記半導体パッケージは、さらに、
前記バンプ構造物と前記貫通電極とを電気的に連結する再配線パターン層、及び、前記再配線パターン層を覆う絶縁性物質層を含む、
請求項17に記載の半導体パッケージ。
【請求項20】
前記貫通電極のそれぞれの下面、前記第1誘電層の下面、及び、前記第2誘電層の下面は、共面にある、
請求項17に記載の半導体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器に装着される半導体装置は、小型化とともに高性能及び大容量化が求められる。これを実現するために、貫通電極(例えば、Through Silicon Via)を用いて、垂直方向に積層された半導体チップを相互連結する、半導体パッケージの開発が進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題の一つは、工程が簡素化され、歩留りが向上した半導体パッケージ及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述した課題の解決手段として、本発明の一実施形態は、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップに対向する前面に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び、上記第2パッドと電気的に連結され、上記前面の反対である後面に延長される貫通電極を含む、第2半導体チップと、上記第2半導体チップの上記後面及び上記貫通電極の側面のそれぞれの一部分を覆う、第1誘電層と、上記第2半導体チップの側面を取り囲む、第2誘電層と、上記第1誘電層及び上記第2誘電層によって定義される平坦面上に配置され、上記貫通電極に電気的に連結された、バンプ構造物と、を含み、上記第1誘電層は無機化合物を含み、上記第2誘電層は上記無機化合物よりも熱膨張係数(CTE)が低い有機-無機複合材料を含む、半導体パッケージを提供する。
【0005】
また、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップに対向する前面に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び、上記第2パッドと電気的に連結され、上記前面の反対である後面に延長される貫通電極を含む、第2半導体チップと、上記第2半導体チップの上記後面及び上記貫通電極の側面のそれぞれの一部分を覆う、第1誘電層と、上記第2半導体チップの側面を取り囲む、第2誘電層と、上記第1誘電層及び上記第2誘電層上に配置され、上記貫通電極に電気的に連結された、バンプ構造物と、を含み、上記第2誘電層は架橋結合された感光性作用基を有する有機-無機複合材料を含む、半導体パッケージを提供する。
【0006】
また、第1パッドを含む第1半導体チップと、上記第1半導体チップの下に配置され、上記第1パッドに接する第2パッド、及び、上記第2パッドと電気的に連結される貫通電極を含む、第2半導体チップと、上記第2半導体チップの後面に突出した上記貫通電極の一部分を取り囲む、第1誘電層と、上記第1半導体チップの下で上記第2半導体チップを取り囲む、第2誘電層と、上記第1誘電層及び上記第2誘電層上に配置され、上記貫通電極に電気的に連結された、バンプ構造物と、を含み、上記第1誘電層及び上記第2誘電層は互いに異なる物質を含み、上記第1誘電層及び上記貫通電極によって定義される第1平坦面と上記第2誘電層によって定義される第2平坦面は共面にある、半導体パッケージを提供する。
【0007】
また、第1パッドを含む半導体ウェハを準備する段階と、前面に配置された第2パッド及び予備基板に埋め込まれた複数の予備貫通電極を含む予備半導体チップを、上記半導体ウェハに付着する段階と、上記予備半導体チップの後面に上記複数の予備貫通電極のそれぞれの少なくとも一部が露出するように、上記予備基板をエッチングする段階と、上記予備半導体チップの上記後面及び上記予備基板から露出した上記複数の予備貫通電極のそれぞれの上記少なくとも一部を覆う、第1予備誘電層を形成する段階と、上記第1予備誘電層上に有機-無機複合材料層を形成する段階と、上記有機-無機複合材料層の一部を除去して、第2予備誘電層を形成する段階と、上記第1予備誘電層、上記第2予備誘電層、及び、上記複数の予備貫通電極を研磨する段階-第1誘電層、第2誘電層、及び、複数の貫通電極からなる平坦面が形成される-と、上記平坦面上にバンプ構造物を形成する段階と、を含む、半導体パッケージの製造方法を提供する。
【0008】
また、第1パッドを含む半導体ウェハを準備する段階と、前面に配置された第2パッド及び予備基板に埋め込まれた複数の予備貫通電極を含む、予備半導体チップを、上記半導体ウェハに付着する段階と、上記予備半導体チップの後面に上記複数の予備貫通電極のそれぞれの少なくとも一部が露出するように、上記予備基板をエッチングする段階と、上記半導体ウェハ及び上記予備半導体チップを覆う、有機-無機複合材料層を形成する段階と、上記予備半導体チップの上記後面が露出するように、上記有機-無機複合材料層の一部を除去して第2予備誘電層を形成する段階と、上記予備半導体チップの上記後面及び上記予備基板から露出した上記複数の予備貫通電極のそれぞれの上記少なくとも一部を覆う、第1予備誘電層を形成する段階と、上記第1予備誘電層、上記第2予備誘電層、及び、上記複数の予備貫通電極を研磨する段階-第1誘電層、第2誘電層、及び、複数の貫通電極からなる平坦面が形成される-と、上記平坦面上にバンプ構造物を形成する段階と、を含む、半導体パッケージの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態によると、有機-無機複合材料を含む誘電層を導入することにより、工程が簡素化され、歩留まりが向上した半導体パッケージ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1a】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
図1b図1aのI-I’線に沿った切断面を示した平面図である。
図2a図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2b図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2c図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2d図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2e図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2f図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図2g図1aに示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図3】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
図4a図3に示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図4b図3に示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図4c図3に示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図4d図3に示した半導体パッケージの製造方法を工程順に示した断面図である。
図5】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
図6】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
図7】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
図8】本発明の一実施形態による、半導体パッケージを示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について次のように説明する。
【0012】
図1aは、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Aを示した断面図であり、図1bは、図1aのI-I’線に沿った切断面を示した平面図である。
【0013】
図1a及び図1bを参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Aは、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、第1誘電層310、及び第2誘電層320を含むことができる。実施形態によって、半導体パッケージ10Aは、バンプ構造物412をさらに含むことができる。
【0014】
本発明は、第1半導体チップ100の活性面と第2半導体チップ200の活性面とを互いに接合させて、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間の信号伝送経路を最小化することができる。すなわち、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間の信号伝送経路の長さを最小化することができる。第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200のそれぞれは、セントラルプロセッサ(CPU)、グラフィックプロセッサ(GPU)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、アナログ-デジタルコンバータなどを含むロジックチップ、及び/又は、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM及びフラッシュメモリ)などを含むメモリチップであるか、又は、これを含むことができる。一例として、第1半導体チップ100は、注文型半導体(ASIC)のようにロジック回路を含み、第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100にキャッシュ(cache)情報を提供するキャッシュメモリ回路を含むことができる。第2半導体チップ200の大きさは、第1半導体チップ100の大きさより小さくてもよい。例えば、第1側面方向又は第1水平方向における第1半導体チップ100の幅は、第1側面方向又は第1水平方向における第2半導体チップ200の幅より大きくてもよい。
【0015】
また、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200は、別途の連結部材(例えば、ソルダーバンプ、銅ポストなど)なしに、直接接合及び結合されることができる。このような構造としては、互いに接合されたパッドによる金属ボンディング、及び、互いに接合された絶縁層による誘電体ボンディングからなるハイブリッドボンディング(hybrid bonding)、又は、ダイレクトボンディング(direct bonding)などが挙げられる。
【0016】
また、有機-無機複合材料を含む第2誘電層320を用いて第2半導体チップ200の両側を満たすことにより、平坦化工程の難易度を低くし、歩留まりを改善することができる。さらに、第2誘電層320と異なる物質からなる第1誘電層310を用いて貫通電極240を取り囲むことにより、平坦化工程時に、貫通電極140を保護及び支持することができる。「平坦化工程」は、貫通電極240及び第1誘電層310によって定義される第1平坦面310S、及び、第2誘電層330によって定義される第2平坦面320Sを形成する化学的・機械的研磨(chemical mechanical polishing、CMP)工程を含むことができる。従って、貫通電極240のそれぞれの下面、第1誘電層310の下面、及び、第2誘電層320の下面は、実質的に共面にあることができる。
【0017】
以下、一実施形態の半導体装置10Aの各構成要素について、詳細に説明する。
【0018】
第1半導体チップ100は、第1基板110、第1回路層120、第1絶縁層131、及び、第1パッド132を含むことができる。第1半導体チップ100は、第1絶縁層131及び第1パッド132によって提供される、平坦な下面を有することができる。第1絶縁層131及び第1パッド132は、第1ボンディング層130の一部であることができる。
【0019】
第1基板110は、シリコン(silicon)、ゲルマニウム(germanium)のような半導体元素、又は、SiC(silicon carbide)、GaAs(gallium arsenide)、InAs(indium arsenide)、及び、InP(indium phosphide)のような化合物半導体を含む、半導体ウェハであることができる。第1基板110は、不純物がドーピングされた活性領域を有する活性面(例えば、第1回路層120に対向する面)と、その反対の非活性面を有することができる。
【0020】
第1回路層120は、第1基板110の活性面に配置されることができる。第1回路層120は、第1基板110の活性面に形成された個別素子(図示せず)、及び、個別素子(図示せず)を第1パッド132に電気的に連結する配線構造物(図示せず)で構成される集積回路を含むことができる。個別素子(図示せず)は、planar FETやFinFETなどのFET、フラッシュ(flash)メモリ、DRAM、SRAM、EEPROM、PRAM、MRAM、FeRAM、RRAMなどのメモリ素子、AND、OR、NOTなどのロジック素子、システムLSI、CIS、MEMSのような様々な能動素子及び/又は受動素子を含むことができる。配線構造物(図示せず)は、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、コバルト(Co)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、タンタル(Ta)、テルル(Te)、チタン(Ti)、タングステン(W)、又は、これらの組み合わせからなる配線パターンと、ビアを含む多層構造で形成されることができる。
【0021】
第1絶縁層131は、第1回路層120の下に配置され、第1パッド132を取り囲むように形成されることができる。第1絶縁層131は、第2半導体チップ200の第2絶縁層231と互いに接合して、接合されることができる物質、例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及び、シリコン炭窒化物(SiCN)のうちの少なくとも1つを含むことができる。すなわち、第1絶縁層131の少なくとも一部は、第2絶縁層231と接合され、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。
【0022】
第1パッド132は、第1回路層120の集積回路と電気的に連結された接続端子であることができる。第1パッド132は、第2半導体チップ200の第2パッド232と連結されることができる。第1パッド132は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)のうちのいずれか1つ、又は、これらの合金を含むことができる。第1パッド132は、第1絶縁層131と共に、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。第1絶縁層131と第1パッド132との間には、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、及び、タンタル窒化物(TaN)のうちの少なくとも1つを含むバリア層が形成されることができる。
【0023】
第2半導体チップ200は、第2基板210、第2回路層220、第2絶縁層231、第2パッド232、及び、貫通電極240を含むことができる。第2半導体チップ200は、第2絶縁層231及び第2パッド232によって提供され、第1半導体チップ100の下面と接する、平坦な上面を有することができる。第2半導体チップ200は、第2絶縁層231と第2パッド232を含む、第2ボンディング層230を含むことができる。実施形態によって、第2半導体チップ200は、図面に示されたものよりも少ないか又は多い数で提供されることができる。例えば、第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100の下に配列された2以上の半導体チップとして提供されることができる。2以上の半導体チップは、水平方向に互いに直接的に隣接するか又は互いに側方向に離隔されることができる。また、実施形態によって、第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100の下に垂直方向(Z軸方向)に積層された複数の半導体チップとして提供されることもできる。
【0024】
第2半導体チップ200は、第1半導体チップ100と実質的に同一又は類似の構造を有することができるため、同一又は類似の構成要素は、同一又は類似の参照符号で示し、以下において、同一の構成要素に関する繰り返し説明は省略している。例えば、第2基板210及び第2回路層220は、上述した第1基板110、及び、第1回路層120と同一又は類似の特徴を有するため、互いに対応する構成要素を類似の参照番号で示し、重複する説明は省略している。
【0025】
第2絶縁層231は、第2回路層220上に配置され、第2パッド232を取り囲むように形成されることができる。第2絶縁層231は、第1絶縁層131に接合して結合されることができる物質、例えば、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、及び、シリコン炭窒化物(SiCN)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0026】
第2パッド232は、第1半導体チップ100に対向する前面S1に配置され、第2回路層220の集積回路に電気的に連結された接続端子であることができる。第2パッド232は、第2絶縁層231と共に、第1半導体チップ100と第2半導体チップ200との間のボンディング面を形成することができる。第2パッド232は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)のうちのいずれか1つ、又は、これらの合金を含むことができる。一例として、第2パッド232は、第1パッド132と接合及び結合されることができる。
【0027】
貫通電極240は、第2パッド232と電気的に連結され、前面S1の反対である後面S2に延長されることができる。貫通電極240は、第2基板210を貫通して、第2基板210の後面S2に突出することができる。すなわち、貫通電極240のそれぞれの縦長は、第2基板210の縦方向の厚さより長くてもよい。貫通電極240は、バンプ構造物412と電気的に連結されることができる。貫通電極240は、ビアプラグとビアプラグの側面を取り囲む側面バリア膜(図示せず)を含むことができる。ビアプラグは、例えば、タングステン(W)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、又は、銅(Cu)を含むことができ、めっき工程、PVD工程、又は、CVD工程で形成されることができる。側面バリア膜は、チタン(Ti)、チタン窒化物(TiN)、タンタル(Ta)、又は、タンタル窒化物(TaN)を含み、めっき工程、PVD工程、又は、CVD工程で形成されることができる。貫通電極240と第2基板210との間には、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの絶縁物質(例えば、HARP(High Aspect Ratio Process)酸化物)を含む、側面絶縁膜(図示せず)が形成されることができる。
【0028】
第1誘電層310は、第2半導体チップ200の後面S2、及び、貫通電極240の側面のそれぞれの一部分を覆うように形成されることができる。例示的な実施形態において、第1誘電層310は、第2半導体チップ200の側面及び第1半導体チップ100の下面に延長されることができる。この場合、第2誘電層320は、第2半導体チップ200の側面及び第1半導体チップ100の下面と離隔されることができる。
【0029】
第2誘電層320は、第1半導体チップ100の下で、第2半導体チップ200の側面を取り囲むように形成されることができる。第2誘電層320は、第2平坦面320Sを定義することができる。第2平坦面320Sは、第1誘電層310及び貫通電極240によって定義される第1平坦面310Sと、共面にあることができる。
【0030】
第1誘電層310及び第2誘電層320は、互いに異なる物質を含むことができる。第1誘電層310は、平坦化工程(例えば、CMP工程)において、貫通電極240を保護するために適用された無機化合物を含むことができる。例えば、上記無機化合物は、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0031】
第2誘電層320は、反り制御のために、第1誘電層310に対して相対的に熱膨張係数(CTE)の低い有機-無機複合材料を含むことができる。上記「有機-無機複合材料」の熱膨張係数(CTE)は、約60ppm/℃以下、例えば、約1ppm/℃~約60ppm/℃、約1ppm/℃~約30ppm/℃、約1ppm/℃~約10ppm/℃などの範囲であることができるが、これに限定されない。
【0032】
第2誘電層320は、平坦化工程(例えば、CMP工程)時間を短縮するために適用された、有機-無機複合材料を含むことができる。例示的な実施形態においては、フォトリソグラフィ工程を行って、第2半導体チップ200の真上を覆う有機-無機複合材料の一部分を除去し、第2半導体チップ200を取り囲む第2誘電層320を形成することができる(図2d~2f参照)。従って、第2半導体チップ200を覆う誘電物質(例えば、シリコン酸化物)に研磨工程(例えば、CMP工程)を適用して第2半導体チップ200を露出させる場合よりも、研磨工程の適用時間が短縮され、工程の難易度が低下することができる。すなわち、第2誘電層320は、露光(exposure)によって架橋結合された感光性作用基を有する、有機-無機複合材料を含むことができる。上記「有機-無機複合材料」は、感光性作用基を有する、シラン系化合物及びシロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0033】
上記感光性作用基を有するシラン系化合物は、例えば、(メタ)アクリルアミドプロピルアルコキシシラン系、(メタ)アクリロキシメチルアルコキシシラン系、(メタ)アクリロキシフェニルアルコキシシラン系、又は、これらのオリゴマー、重合体などを含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、上記「有機-無機複合材料」は、以下の[化1]の構造を有するシラン系化合物を含むことができる。[化1]において、「R」は、エポキシ(epoxy)、アクリレート(acrylate)、メタクリレート(methacrylate)のような感光性作用基を含むことができる。例えば、上記「有機-無機複合材料」は、[化1]にエポキシが結合されたsilylated epoxyであることができる。但し、上記感光性作用基は上述した物質に限定されるものではない。
【0034】
【化1】
【0035】
上記感光性作用基を有するシロキサン系化合物は、例えば、(メタ)アクリル-POSS、スチリル-POSSなどを含むことができる。上記シロキサン系化合物は、例えば、以下の[化2-1]、[化2-2]、[化2-3]、[化2-4]、[化2-5]、及び[化2-6]の構造を有するポリシルセスキオキサン(polysilsesquioxane)であることができる。[化2-1]はPartial cage構造、[化2-2]はLadder構造、[化2-3]はRandom構造、[化2-4]はT cage構造、[化2-5]はT10 cage構造、及び、[化2-6]はT12 cage構造を示す。[化2-1]、[化2-2]、[化2-3]、[化2-4]、[化2-5]、及び[化2-6]において、「R」は、エポキシ(epoxy)、アクリレート(acrylate)、メタクリレート(methacrylate)のような感光性作用基を含むことができるが、これに限定されるものではない。例えば、上記感光性作用基は、上述した物質以外にスチリル(styryl)などを含むことができる。
【0036】
【化2-1】
【0037】
【化2-2】
【0038】
【化2-3】
【0039】
【化2-4】
【0040】
【化2-5】
【0041】
【化2-6】
【0042】
バンプ構造物412は、第1誘電層310及び第2誘電層320の上に配置され、貫通電極240に電気的に連結されることができる。バンプ構造物240は、第1誘電層310及び第2誘電層320によって定義される平坦面310S及び320S上に配置されることができる。半導体パッケージ10Aは、バンプ構造物412を介して、モジュール基板、メインボードなどの外部装置に連結されることができる。一例として、バンプ構造物412は、ピラー(pillar)部分412P及びソルダー部分412Sを含むことができる。ピラー部分412Pは、銅(Cu)又は銅(Cu)の合金を含み、ソルダー部分412Sは、低融点金属、例えば、スズ(Sn)やスズ(Sn)を含む、合金(Sn-Ag-Cu)を含むことができる。例示的な実施形態によって、バンプ構造物412は、ピラー部分412Pのみを含むか、又は、ソルダー部分412Sのみを含むこともできる。第2誘電層320の下には、バンプ構造物412を取り囲む保護層411が形成されることができる。保護層411は、バンプ構造物412を外部の物理的/化学的損傷から保護することができる。保護層411は、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)、PID(Photo-Imageable Dielectric)、フォトソルダーレジスト(Photo Solder Resist)などを用いて形成することができる。実施形態によって、保護層411は、ピラー部分412Pの下面を覆う形態で形成されるか、又は、省略されることができる。
【0043】
図2a~2gは、図1aに示した半導体パッケージ10Aの製造方法を工程順に示した断面図である。
【0044】
図2aを参照すると、第1半導体チップ100のための半導体ウェハ100Wを準備することができる。半導体ウェハ100Wは、スクライブラインSLによって区分される、複数の第1半導体チップ100を含むことができる。半導体ウェハ100Wは、第1基板110上に第1半導体チップ100のための第1回路層120、及び、第1ボンディング層130が形成された状態であることができる。第1ボンディング層130は、第1絶縁層131及び第1パッド132を含むことができる。半導体ウェハ100Wは、第1パッド132が配置された第1活性面AS1が上部を向くように、キャリアCR上に配置されることができる。
【0045】
次に、予備半導体チップ200pを半導体ウェハ100Wに付着することができる。予備半導体チップ200pは、バックグラインディング工程で厚さが調節される前の予備基板210p、予備基板210pの前面に配置された第2回路層220及び第2ボンディング層230、予備基板210pに埋め込まれた複数の予備貫通電極240pを含むことができる。予備半導体チップ200pは、第2パッド232が配置された第2活性面AS2が下部を向くように、半導体ウェハ100W上に配置されることができる。予備半導体チップ200pは、第2活性面AS2が第1活性面AS1に接するように、配置されることができる。
【0046】
その後、熱圧着(thermal compression)工程を行うことで、第1半導体チップ100と予備半導体チップ200pとを結合させることができる。熱圧着工程は、約100℃~約300℃の範囲の熱雰囲気で行われることができる。但し、熱雰囲気の温度は、上述した範囲に限定されず、様々に変更されることができる。
【0047】
図2bを参照すると、予備半導体チップ200pの後面S2に複数の予備貫通電極240pのそれぞれの少なくとも一部が露出するように、予備基板210pをエッチングすることができる。予備基板210pにバックグラインディング工程及びエッチバック(etch-back)工程を適用して、所望の厚さを有する基板210を形成することができる。例えば、バックグラインディング工程を行うことで、予備基板210pを一定の厚さに減少させ、適切な条件のエッチバックを適用して、複数の予備貫通電極240pを十分に露出させることができる。
【0048】
図2cを参照すると、予備半導体チップ200pの後面S2及び予備基板210pから露出した複数の予備貫通電極240のそれぞれの少なくとも一部を覆う、第1予備誘電層310pを形成することができる。第1予備誘電層310pは、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のうちの少なくとも1つを含むことができる。第1予備誘電層310pは、PVD又はCVD工程を用いて形成することができる。
【0049】
図2dを参照すると、第1予備誘電層310pの上に有機-無機複合材料層320’を形成することができる。有機-無機複合材料層320’は、感光性作用基を有するシラン系化合物及びシロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。例えば、有機-無機複合材料層320’は、上述した[化1]、[化2-1]、[化2-2]、[化2-3]、[化2-4]、[化2-5]、及び[化2-6]のうちの少なくとも1つの化合物にエポキシ(epoxy)基、アクリレート(acrylate)基、又は、メタクリレート(methacrylate)基が結合された、感光性有機-無機複合材料を含むことができる。感光性有機-無機複合材料は、例えば、ゾル-ゲル工程によって製造されることができるが、これに限定されるものではない。有機-無機複合材料層320’は、感光性作用基間の架橋結合及び/又は硬化反応を開始する物質であって、光開始剤(例えば、PAG、Photoinitiator)をさらに含むことができる。また、有機-無機複合材料層320’は、熱膨張係数を調節するためのフィラー(例えば、silica)をさらに含むことができる。
【0050】
図2eを参照すると、有機-無機複合材料層320’の一部を除去して、第2予備誘電層320pを形成することができる。予備半導体チップ200pの後面S2を覆う有機-無機複合材料層320’の一部分は、露光工程及び現像工程によって、除去されることができる。例えば、有機-無機複合材料層320’の露光部分は、架橋結合及び/又は硬化され、露光されていない部分(未露光部)は、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)や有機溶媒などの現像液によって、除去されることができる。その結果、第2予備誘電層320pは、架橋結合された感光性作用基を有する、シラン系化合物及びシロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0051】
図2fを参照すると、第1予備誘電層310p、第2予備誘電層320p、及び、複数の予備貫通電極240pに研磨工程を適用して、第1誘電層310、第2誘電層320、及び、複数の貫通電極240からなる平坦面を形成することができる。研磨工程は、化学的・機械的研磨(chemical mechanical polishing、CMP)工程を含むことができる。研磨工程によって、第1平坦面310Sを定義する第1誘電層310、及び、第2平坦面320Sを定義する第2半導体チップ200(又は、第2誘電層320)が形成されることができる。第1平坦面310S及び第2平坦面320Sは、実質的に共面にあることができる。研磨工程が適用される時点で、第2半導体チップ200の後面S2を覆っていた有機-無機複合材料層320’の一部分が既に除去されているため、研磨工程時間が短縮され、工程の難易度が低くなることができる。
【0052】
図2gを参照すると、研磨工程で形成された平坦面上に保護層411及びバンプ構造物412を順次形成することができる。保護層411は、例えば、PID又はPSRのような感光性樹脂を用いて形成することができる。バンプ構造物412は、ピラー部分412P及びソルダー部分412Sを含むことができる。その後、スクライブラインSLに沿って切断工程を行うことで、半導体パッケージをそれぞれ分離することができる。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Bを示した断面図である。
【0054】
図3を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Bは、第2誘電層320が第1半導体チップ100の下面及び第2半導体チップ200の側面に接することを除いて、図1a及び図1bを参照して説明したものと同一又は類似の特徴を有することができる。一実施形態の第1誘電層310は、第2半導体チップ200の後面S2にのみ、配置されることができる。第2誘電層320は、第1誘電層310の側面、第2半導体チップ200の側面、及び、第1半導体チップ100の下面に直接的に接触することができる。この場合も、第1誘電層310によって定義される第1平坦面310Sと、第2誘電層320によって定義される第2平坦面320Sとは、実質的に共面にあることができる。本実施形態の半導体パッケージ10Bは、図4a~図4dを参照して後述する製造方法によって、製造されることができる。
【0055】
図4a~図4dは、図3に示した半導体パッケージ10Bの製造方法を工程順に示した断面図である。
【0056】
図4aを参照すると、半導体ウェハ100W及び予備半導体チップ200pを覆う有機-無機複合材料層320’を形成することができる。半導体ウェハ100W及び予備半導体チップ200pは、図2aを参照して説明したものと類似の方法で接合及び結合されることができる。複数の予備貫通電極240pは、図2bを参照して説明したものと類似の方法で露出することができる。但し、例示的な実施形態によって、複数の予備貫通電極240pは、後述する第1予備誘電層310pを形成する直前に露出することもできる。例えば、図4aに示した予備基板210pは、複数の予備貫通電極240pを覆うように、バックグラインディング工程が適用された状態であることができる。その後、フォトリソグラフィ工程を行って、有機-無機複合材料層320’の一部を除去することにより、露出した予備基板210pにエッチバック(etch-back)工程を適用して、複数の予備貫通電極240pを露出させることができる。
【0057】
図4bを参照すると、予備半導体チップ200pの後面S2が露出するように、有機-無機複合材料層320’の一部を除去し、第2予備誘電層320pを形成することができる。有機-無機複合材料層320’の一部分は、露光工程及び現像工程によって除去されることができる。その結果、第2予備誘電層320pは、架橋結合された感光性作用基を有する、シラン系化合物及びシロキサン系化合物のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0058】
その後、第2予備誘電層320p、予備半導体チップ200pの後面S2、及び、予備基板210pから露出した複数の予備貫通電極240pのそれぞれの少なくとも一部を覆う、第1予備誘電層310pを形成することができる。第1予備誘電層310pは、シリコン酸化物(SiO)及びシリコン窒化物(SiN)のうちの少なくとも1つを含むことができる。第1予備誘電層310pは、PVD又はCVD工程を用いて形成することができる。
【0059】
図4cを参照すると、第1予備誘電層310p、第2予備誘電層320p、及び、複数の予備貫通電極240pに研磨工程を適用して、第1誘電層310、第2誘電層320、及び、複数の貫通電極240からなる平坦面を形成することができる。研磨工程は、CMP工程を含むことができる。研磨工程により、第1平坦面310Sを定義する第1誘電層310、及び、第2平坦面320Sを定義する第2半導体チップ200(又は、第2誘電層320)が形成されることができる。第1平坦面310S及び第2平坦面320Sは、実質的に共面にあることができる。研磨工程が適用される時点で、第2半導体チップ200の後面S2を覆っていた有機-無機複合材料層320’の一部分が、既に除去されたため、研磨工程時間が短縮され、工程の難易度が低くなることができる。
【0060】
図4dを参照すると、研磨工程で形成された平坦面の上に保護層411及びバンプ構造物412を順次形成することができる。保護層411は、例えば、PID又はPSRのような感光性樹脂を用いて形成することができる。バンプ構造物412は、ピラー部分412P及びソルダー部分412Sを含むことができる。その後、スクライブラインSLに沿って切断工程を行うことで、半導体パッケージをそれぞれ分離することができる。
【0061】
図5は、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Cを示した断面図である。
【0062】
図5を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Cは、第2誘電層320を貫通する貫通ビア構造物330を、さらに含むことを除いて、図1a~図4dを参照して説明したものと同一又は類似の特徴を有することができる。
【0063】
貫通ビア構造物330は、第2半導体チップ200の周辺に配置され、第1半導体チップ100に電気的に連結されることができる。例えば、第2半導体チップ200の第2パッド232は、第1半導体チップ100の第1内側パッド132aに連結され、貫通ビア構造物330は、第1半導体チップ100の第1外側パッド132bに連結されることができる。第1内側パッド132aは、信号用パッドを含み、第1外側パッド132bは、パワー用及び/又はグラウンド用パッドを含むことができるが、これに限定されるものではない。例示的な実施形態によって、貫通ビア構造物330は、貫通電極240の幅よりも大きい幅を有することができるが、これに限定されるものではない。
【0064】
貫通ビア構造物330の下面は、第1平坦面310S及び第2平坦面320Sと共面にあることができる。貫通ビア構造物330は、第2半導体チップ200と垂直に重ならないところに位置した、少なくとも一部のバンプ構造物240と電気的に連結されることができる。貫通ビア構造物330は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)のうちのいずれか1つ、又は、これらの合金を含むことができる。
【0065】
図6は、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Dを示した断面図である。
【0066】
図6を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Dは、貫通電極240を再配線する、再配線構造物510をさらに含むことを除いて、図1a~図5を参照して説明したものと、同一又は類似の特徴を有することができる。再配線構造物510は、第1平坦面310S及び第2平坦面320Sの下に配置され、絶縁性物質層511、再配線パターン層512、及び再配線ビア513を含むことができる。
【0067】
本実施形態の再配線パターン層512は、第1平坦面310Sに直接的に配置されることができる。例えば、再配線パターン層512は、第1誘電層310に直接的に接して、絶縁性物質層511に埋め込まれた上部パターン層、及び、絶縁性物質層511の下に配置された下部パターン層を含むことができる。この場合、再配線ビア513は、絶縁性物質層511内において垂直に延長され、下部パターン層と上部パターン層とを連結することができる。このように、再配線構造物510を導入することにより、バンプ構造物412のレイアウトを多様にデザインすることができる。
【0068】
絶縁性物質層511は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物などの誘電物質、又は、PID(Photo-Imageable Dielectric)のような感光性樹脂を用いて、形成することができる。絶縁性物質層511は、再配線パターン層512の層数によって、複数の層で形成されることができる。工程によっては、複数の絶縁性物質層511の少なくとも一部の層間の境界は明確でないことがある。例示的な実施形態によって、バンプ構造物412のピラー部分412Pは、絶縁性物質層511から露出することができ、再配線構造物510の下には、バンプ構造物412を保護するための保護層(図1aの「411」)が形成されることができる。
【0069】
再配線パターン層512は、バンプ構造物412と貫通電極240とを電気的に連結することができる。再配線パターン層512は、例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又は、これらの合金を含む金属物質を含むことができる。再配線パターン層512は、例えば、グランドパターン、パワーパターン、信号パターンを含むことができる。信号パターンは、第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200から伝達されたデータ信号を外部に伝送するか、又は、外部から伝達されたデータ信号を第1半導体チップ100及び第2半導体チップ200に伝達することができる。再配線パターン層512は、図面に示したもの(2つの層)よりも多いか又は少ない層数で形成されることができる。
【0070】
再配線ビア513は、絶縁性物質層511内において垂直に延長され、再配線パターン層512に連結されることができる。再配線ビア513は、ビアホールの内部に金属物質が充填されたフィールド(filled)ビア、又は、ビアホールの内壁に沿って金属物質が形成されたコンフォーマル(conformal)ビアの形態を有することができる。再配線ビア513は、再配線パターン層512と一体化した形態であることができるが、本発明の実施形態は、これに限定されない。再配線ビア513は、再配線パターン層512に対応して、図面に示したものよりも多い層数で形成されることができる。
【0071】
図7は、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Eを示した断面図である。
【0072】
図7を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Eは、最上側の再配線パターン層512が第1誘電層310と離隔されたことを除いて、図6を参照して説明したものと同一又は類似の特徴を有することができる。本実施形態の再配線構造物510は、第1平坦面310S及び第2平坦面320Sに直接的に配置された絶縁性物質層511、絶縁性物質層511の下に配置された再配線パターン層512、及び、絶縁性物質層511内において再配線パターン層512及び貫通電極240に連結された再配線ビア513を含むことができる。このように、第1誘電層310と最上側の再配線層512とを離隔させることにより、再配線パターン層512の密着力を確保し、再配線パターン層512を微細ピッチで実現することができる。
【0073】
図8は、本発明の一実施形態による、半導体パッケージ10Fを示した断面図である。
【0074】
図8を参照すると、一実施形態の半導体パッケージ10Fは、ボンディング構造物BS、配線基板600、及び、放熱構造物630を含むことができる。ボンディング構造物BSは、第1半導体チップ100、第2半導体チップ200、第1誘電層310、第2誘電層320、などを含み、図1a~図7を参照して説明したものと、同一又は類似の特徴を有することができる。
【0075】
配線基板600は、ボンディング構造物BSが実装される支持基板であり、プリント回路基板PCB、セラミック基板、テープ配線基板などの半導体パッケージ用基板であることができる。配線基板600は、下部パッド612、上部パッド611、並びに、下部パッド612及び上部パッド611を電気的に連結する配線回路613を含むことができる。配線基板600の本体は、基板の種類によって異なる物質を含むことができる。例えば、配線基板600がプリント回路基板である場合には、本体の銅箔積層板又は銅箔積層板の断面や両面に配線層をさらに積層した形態であることができる。上部パッド611、下部パッド612、及び、再配線回路613は、配線基板600の下面と上面とを連結する電気的経路を形成することができる。配線基板600の下面には、下部パッド612と連結された外部連結バンプ620が配置されることができる。外部連結バンプ620は、スズ(Sn)、インジウム(In)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)及び/又は、これらの合金を含むことができる。
【0076】
放熱構造物630は、ボンディング構造物BSの上部を覆うように配置されることができる。放熱構造物630は、接着剤(図示せず)によって配線基板600上に付着されることができる。接着剤は、熱伝導性接着テープ、熱伝導性グリース、熱伝導性接着剤などを使用することができる。放熱構造物630は、熱伝達物質層631を介して、ボンディング構造物BSの上部に付着されることができる。熱伝達物質層631は、例えば、熱伝導性接着テープ、熱伝導性グリース、熱伝導性接着剤など、を含むことができる。
【0077】
放熱構造物630は、熱伝導性に優れた導電性物質を含むことができる。例えば、放熱構造物630は、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)などを含む金属又は金属合金、若しくは、グラファイト(Graphite)、グラフェン(Graphene)などのような導電性物質を含むことができる。放熱構造物630は、図面に示したものと異なる形状を有することができる。例えば、ボンディング構造物BSの上面のみをカバーする形態を有することができる。
【0078】
本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定される。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当技術分野の通常の知識を有する者によって、様々な形態の置換、変形、及び変更が可能であり、これも、本発明の範囲に属するといえる。
【符号の説明】
【0079】
100 第1半導体チップ
110 第1基板
120 第1回路層
130 第1ボンディング層
200 第2半導体チップ
210 第2基板
220 第2回路層
230 第2ボンディング層
240 貫通電極
310 第1誘電層
320 第2誘電層
412 バンプ構造物
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図5
図6
図7
図8