(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016395
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】駐車場管理システム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20240131BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118468
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109221
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 充広
(74)【代理人】
【識別番号】100181146
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 啓
(72)【発明者】
【氏名】市川 光
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA03
3E127BA07
3E127BA28
3E127CA15
3E127CA16
3E127CA21
3E127CA22
3E127CA24
3E127CA25
3E127CA40
3E127CA47
3E127CA50
3E127CA51
3E127DA20
3E127EA18
3E127EA30
3E127EA33
3E127EA45
3E127EA46
3E127FA09
3E127FA18
3E127FA20
3E127FA23
3E127FA24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】駐車場の利用開始を簡易にしつつ、車室への駐車を円滑に行うことができる駐車場管理システムを提供すること。
【解決手段】駐車場管理システムは、車両MOを撮影する撮像装置61と、撮影した画像から車番情報を取得する車番認識装置30と、予約車室RP又は近傍を含む表示領域に予約車室RPの案内情報GAを表示する表示装置63とを有する駐車場装置10と、車番情報を登録情報と照合する管理装置80と、を備え、管理装置80は、車番情報が予約の登録情報中の登録車番と一致する場合、予約車室RPの利用開始を記録する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を撮影する撮像装置と、撮影した画像から前記車番情報を取得する車番認識装置と、予約車室又は近傍を含む表示領域に前記予約車室の案内情報を表示する表示装置とを有する駐車場装置と、
前記車番情報を登録情報と照合する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、前記車番情報が予約の前記登録情報中の登録車番と一致する場合、前記予約車室の利用開始を記録する駐車場管理システム。
【請求項2】
前記表示装置は、投影装置であり、
前記表示領域は、前記予約車室及び前記予約車室前の路上のいずれかである、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項3】
前記撮像装置と前記投影装置とは、一体化した装置である、請求項2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記撮像装置は、各車室に設けられている、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記表示装置は、前記予約車室に前記車番情報が予約の前記登録車番と異なる前記車両が駐車した場合、前記案内情報に代えて警告を表示する、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項6】
前記登録情報は、決済情報を含み、前記管理装置は、出庫時に自動決済する、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、車室の予約がなく、前記車番情報が前記登録車番と一致する場合、利用者端末に自動決済方式の利用確認を通知する、請求項1に記載の駐車場管理システム。
【請求項8】
前記登録情報は、決済情報を含み、出庫までに前記自動決済方式を選択した場合、前記管理装置は、出庫時に自動決済する、請求項7に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場の利用を管理する駐車場管理システムに関し、特に提携店舗で提供される割引券に相当するサービスを利用可能にする駐車場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
駐車場管理システムとして、事前に車番情報の登録及び定期利用を管理装置に申請し、入庫時及び出庫時にカメラで撮影した画像から車番を取得し、利用者が表示部の表示に応じて利用のための操作を行い、管理装置において登録した車番情報と照合するものが公知となっている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1のシステムの場合、定期利用していない場合には、精算機での精算が必要となり、精算機に設けられた表示部での操作が必要となる。
【0004】
駐車場システムとして、事前に車番情報を駐車場側サーバに登録し、かつ料金決済に関する利用者識別情報をプラットフォーム側サーバに登録し、入庫時及び出庫時にカメラで撮影した画像から車番を取得し、駐車場側サーバにおいて登録した車番情報と照合し、出庫後に登録した利用者識別情報に基づいて自動決算するものが公知となっている(特許文献2)。
【0005】
特許文献2のシステムの場合、入口近傍の表示部に予約内容、具体的には予約日時及び駐車区画情報を表示するが、駐車時に、利用者が駐車区画情報の確認をする際に、予約駐車区画か否かの確認がしづらく、特に、駐車区画の数が多い場合、目的の区画を探しづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-87246号公報
【特許文献1】特開2021-111180号公報
【発明の概要】
【0007】
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、駐車場の利用開始を簡易にしつつ、車室への駐車を円滑に行うことができる駐車場管理システムを提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る駐車場管理システムは、車両を撮影する撮像装置と、撮影した画像から車番情報を取得する車番認識装置と、予約車室又は近傍を含む表示領域に予約車室の案内情報を表示する表示装置とを有する駐車場装置と、車番情報を登録情報と照合する管理装置と、を備え、管理装置は、車番情報が予約の登録情報中の登録車番と一致する場合、予約車室の利用開始を記録する。
【0009】
上記駐車場管理システムによれば、車番情報が予約の登録車番と一致すれば予約車室の利用をそのまま開始させるので、利用開始操作が不要となる。また、予約車室又は近傍を含む表示領域に予約車室の案内情報を表示するので、予約車室を見つけやすくなるとともに、間違い駐車を防ぐことができ、利用者の利便性が高まる。
【0010】
本発明の具体的な側面によれば、上記駐車場管理システムにおいて、表示装置は、投影装置であり、表示領域は、予約車室及び予約車室前の路上のいずれかである。この場合、予約車室を発見しやすくすることができる。また、投影装置を用いることにより、表示内容に変化を持たせることができる。
【0011】
本発明の別の側面によれば、撮像装置と投影装置とは、一体化した装置である。この場合、撮像装置及び投影装置の設置スペースを縮小することができる。
【0012】
本発明のさらに別の側面によれば、撮像装置は、各車室に設けられている。この場合、車室ごとに駐車状況を管理することができる。
【0013】
本発明のさらに別の側面によれば、表示装置は、予約車室に車番情報が予約の登録車番と異なる車両が駐車した場合、案内情報に代えて警告を表示する。この場合、間違い駐車を防ぎ、予約車室を確保することができる。
【0014】
本発明のさらに別の側面によれば、登録情報は、決済情報を含み、管理装置は、出庫時に自動決済する。この場合、出庫時における駐車料金の支払処理を省略することができる。
【0015】
本発明のさらに別の側面によれば、管理装置は、車室の予約がなく、車番情報が登録車番と一致する場合、利用者端末に自動決済方式の利用確認を通知する。この場合、予約していない利用者でも自動決済を利用することができる。
【0016】
本発明のさらに別の側面によれば、登録情報は、決済情報を含み、出庫までに自動決済方式を選択した場合、管理装置は、出庫時に自動決済する。自動決済方式を選択した場合、出庫時における駐車料金の支払処理を省略することができる。自動決済方式を選択しなかった場合、精算機による精算となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態の駐車場管理システムを説明する全体的な概念図である。
【
図2】特定の駐車場に設置される駐車場装置を説明する概念図である。
【
図3】(A)は、個々の車室に設置される車室装置を説明する斜視図であり、(B)は、車室装置の構造を説明する概念図であり、(C)は、車室装置の動作を制御する回路部分の概略構成を説明する概念的なブロック図である。
【
図4】(A)及び(B)は、駐車場装置の表示装置で表示する案内情報の具体例を説明する図である。
【
図5】駐車場装置に設置される車番認識装置を説明する概念的なブロック図である。
【
図6】駐車場装置に設置される精算機を説明する概念的なブロック図である。
【
図7】管理装置の概略構成を説明するブロック図である。
【
図8】(A)~(D)は、管理装置の記憶装置の各領域に記憶される内容の具体例を説明する図である。
【
図9】携帯端末の概略構成を説明するブロック図である。
【
図10】携帯端末、管理サーバ等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
【
図11】携帯端末、管理サーバ等の間で行われる一連の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
〔実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明に係る駐車場管理システムの実施形態について説明する。
【0019】
図1に示す実施形態の駐車場管理システム100は、駐車場PAを管理するとともに駐車場PAの利用を自動的に開始させる。また、駐車場管理システム100は、駐車場PAの予約車室RP付近に案内表示をする。駐車場管理システム100は、管理対象である駐車場PAに設置される駐車場装置10と、駐車場PAの利用者が所持する携帯端末50と、駐車場PAから離れた場所に設置される管理装置80とを備える。説明の便宜上、
図1では単一の駐車場PAを示しているが、本実施形態の駐車場管理システム100は、図示の駐車場PAを含む複数の駐車場PAについて並列的に運用管理を行うものである。携帯端末50は、管理装置80を管理する事業者と契約した複数の利用者がそれぞれ所持する。また、駐車場管理システム100は、管理装置80とは別に設けられた決済サーバ90を備える。決済サーバ90は、駐車料金の決済を行う。なお、決済サーバ90は、管理装置80に含めることもできる。
【0020】
以上の駐車場管理システム100において、管理装置80は、通信ネットワークNTを介して、駐車場装置10、携帯端末50、及び決済サーバ90と通信可能に接続される。この通信ネットワークNTは、具体的にはインターネットである。携帯端末50は、駐車場PAの利用者の操作に応じて動作し、通信ネットワークNTを介して管理装置80にシステムの利用登録、駐車場PAの予約、決済設定等を送信することにより、管理装置80に駐車場PAの利用に関する各種処理を行わせる。
【0021】
以下、駐車場管理システム100を構成する、駐車場装置10、管理装置80、携帯端末50、及び決済サーバ90について、順に説明する。
【0022】
図2を参照して、駐車場装置10は、車室装置20と、車番認識装置30と、精算機40とを有する。車室装置20は、駐車場PAにおいて車室SP単位で設置される。精算機40は、複数の車室装置20を一括管理する。車番認識装置30は、精算機40に組み込まれてもよく、精算機40の一機能として実施されるものであってもよい。
【0023】
車室装置20は、主に車室管理端末60からなる。車室管理端末60は、車番認識装置30及び精算機40と連携して動作する。精算機40は、一般的な時間貸駐車場の精算機として車両MOによる車室SPの利用及び利用料金の支払を管理する。駐車場管理システム100では、駐車場の自動利用管理及び駐車料金の自動決済が可能であり、当該システムを利用する場合、精算機40は補助的な管理を行う。
【0024】
図3(A)及び3(B)に示すように、各車室SPには、車両検知装置70と、車室管理端末60とを一組とする車室装置20が設けられている。車両検知装置70は、輪留めブロック21よりも車室SPの入口側に配置されている。車室管理端末60は、車室SPの奥に配置されている。
【0025】
車両検知装置70は、車室管理端末60の制御下で動作し、これを設置した車室SPに車両が存在するか否かを検出する。車両検知装置70は、詳細な説明を省略するが、ループコイル等を含むセンサ71、検出回路72等を有し、車室管理端末60から給電されて動作する。車両検知装置70は、駐車場PAに車両が入庫された状態か否かを判定し、判定結果を入出庫検出情報として車室管理端末60に送信する。
【0026】
車室管理端末60は、車両の入庫或いは車両の出庫といった車室SPの状態変化を監視する。つまり、車室SPごとに駐車状況を管理することができる。車室管理端末60は、撮像装置61、表示装置63、及び情報処理装置68を含む。撮像装置61と表示装置63とは、一体化した装置である。これにより、撮像装置61及び表示装置63の設置スペースを縮小することができる。情報処理装置68は、撮像装置61を動作させて、車両のナンバープレートを撮影してナンバープレートの画像を車番認識装置30に送信する。情報処理装置68は、表示装置63を動作させて、各種表示を行わせる。情報処理装置68は、車両検知装置70から入出庫検出情報を受け取って、課金開始の時間判定等に利用する。
【0027】
撮像装置61は、カメラであり、車両MO、具体的には、ナンバープレートを撮影する。撮影された画像は、情報処理装置68により車番認識装置30に送信される。
【0028】
表示装置63は、予約車室RP又は近傍を含む表示領域ARに予約車室RPの案内情報GA(
図4(A)等参照)を表示する。表示装置63は、投影装置64であり、表示領域ARは、予約車室RP及び予約車室RP前の路上のいずれかである。これにより、予約車室RPを発見しやすくすることができる。表示領域ARは、予約車室RP又は近傍の全体であってもよいし、これらの双方の一部又は一方の一部であってもよい。投影装置64は、表示領域ARの所定範囲に画像を投影するものであり、例えばプロジェクター等が用いられる。投影装置64を用いることにより、表示内容に変化を持たせることができる。
図4(A)及び4(B)に示すように、表示装置63は、表示領域ARの所定範囲に「予約中/車番」、「予約中のため利用禁止」等の各種表示を行う。
【0029】
表示装置63は、予約車室RPに車番情報が予約の登録車番と異なる車両が駐車した場合、案内情報GAに代えて警告を表示する。これにより、間違い駐車を防ぎ、予約車室RPを確保することができる。
【0030】
なお、車室装置20において、車室管理端末60の撮像装置61によって車両MOを撮影させ入庫や出庫を検出させる場合、車両検知装置70を省略することができる。つまり、撮像装置61、情報処理装置68等を車両検知装置70として機能させることができる。
【0031】
図3(C)は、情報処理装置68を説明する概念的なブロック図である。情報処理装置68は、主制御回路68aと、記憶回路68bと、通信回路68cとを有する。主制御回路68aは、記憶回路68bに格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、通信回路68cを介して撮像装置61、表示装置63等を動作させる機能、車両検知装置70の検出結果を監視する機能が含まれるとともに、通信回路68cを介して撮像装置61によって撮影した画像を車番認識装置30に送信する機能、通信回路68cを介して複数の車室装置20を束ねる精算機40と通信して指令を受け付け情報を送信する機能を有する。
【0032】
図5は、車番認識装置30を説明する概念的なブロック図である。車番認識装置30は、車室管理端末60の撮像装置61で撮影したナンバープレートの画像から車番情報を取得する。車番認識装置30は、管理下にある複数の車室装置20(
図2参照)を構成する複数の車室管理端末60と通信しており、各車室装置20から画像を受信し、画像処理を行う。車番認識装置30は、主制御装置31と、記憶装置32と、画像処理装置33と、通信装置34とを有する。主制御装置31は、記憶装置32に格納されたプログラムに基づいて動作する。画像処理装置33は、撮像装置61によって撮影した車両MOのナンバープレートの画像から、車室SPに入庫した車両MOの車両登録番号を決定する。車両登録番号は、車室IDに紐づけられて精算機40に送信される。なお、車両登録番号は、管理装置80に直接送信してもよい。
【0033】
図6は、精算機40を説明する概念的なブロック図である。精算機40は、管理下にある複数の車室装置20(
図2参照)を構成する複数の車室管理端末60と通信しており、各車室装置20に関して車両の入出庫を個別に管理することで、駐車料金の支払に関する精算処理を可能にする。精算機40は、主制御装置41と、記憶装置42と、通信装置44と、対人処理部46とを有する。主制御装置41は、記憶装置42に格納されたプログラムに基づいて動作する。このプログラムには、精算機40自体の動作を可能にする機能だけでなく、車室装置20の管理を可能にする機能等が含まれている。利用者は、自動精算を利用しない場合、精算機40によって駐車料金の支払いを行う。
【0034】
精算機40のうち対人処理部46は、表示部46a、操作キー46b、金銭処理部46c等を有する。対人処理部46は、表示部46aを介して駐車場PAの利用者に対して精算に関連する情報を提供するとともに、操作キー46bを介して利用者の応答を操作信号として受け取る。また、対人処理部46は、金銭処理部46cを介して利用者から硬貨や紙幣を受け取って種類や枚数を識別し、適切な種類及び枚数の硬貨や紙幣を返却する。
【0035】
図7は、管理装置80を説明する概念図である。管理装置80は、システム管理者の管理下で動作するコンピュータであり、駐車場の利用又は運用を管理する。管理装置80は、主制御装置81と、記憶装置82と、通信装置84とを有する。管理装置80は、通信装置84により、
図1に示す通信ネットワークNTを経由して駐車場装置10、携帯端末50、及び決済サーバ90と通信する。記憶装置82には、管理装置80を動作させるプログラムが格納され、駐車場管理システム100の運用を可能にする。駐車場PAの利用者が駐車場管理システム100の利用登録をしている場合、管理装置80は、駐車場装置10から取得した車番情報の照合により、駐車場PAの利用開始、自動精算等の処理を行う。記憶装置82には、以上のような動作を可能にするため、駐車場管理データベース82aが格納されている。駐車場管理データベース82aには、駐車場情報領域82d、利用者情報領域82e、予約情報領域82f、決済情報領域82g等が設けられている。
図8(A)に例示するように、駐車場情報領域82dには、駐車場PAに関する情報として、各駐車場PAの各車室SPを特定する車室情報(駐車場名、車室ID等)、車番情報、各車室IDに対応する車両MOの入庫時刻及び出庫時刻等が記録されている。特に、入庫時刻と車室IDとを組み合わせたものを入庫情報と呼び、出庫時刻と車室IDとを組み合わせたものを出庫情報と呼ぶ。車番情報は、駐車場装置10から取得した車両MOの車両登録番号を含む。
図8(B)に例示するように、利用者情報領域82eには、利用者に関する登録情報として、氏名等の個人情報、車両MOの車両登録番号(登録車番)、車種、色等の車両情報、自動精算の支払い方法等の決済情報等が記録されている。利用者には、利用者によるシステムの事前登録により個人認識番号が付与され、これも記録される。また、利用者情報領域82eには、個人認識番号に対応して利用履歴が記録されている。管理装置80は、駐車場装置10から取得した車番情報の照合の際に、利用者情報領域82eを参照して管理装置80に接続した携帯端末50が適正な会員のものであるか否かを判断することができる。上述のように、登録情報は、決済情報を含み、主制御装置81は、出庫時に自動決済する。これにより、出庫時における駐車料金の支払処理を省略することができる。本実施形態において、管理装置80側での自動決済は、自動決済の開始を意味し、実際の決済処理は、管理装置80の要求により決済サーバ90が行う。
図8(C)に例示するように、予約情報領域82fには、予約情報が記録されている。予約情報は、個人認識番号、予約した車両MOの車両登録番号(予約車番)、予約車室RPの車室ID、駐車日時、駐車予定時間(具体的には、入庫時刻、出庫時刻等)等を含む。なお、予約車番は、個人認識番号に基づき利用者情報領域82eから読み出してもよい。
図8(D)に例示するように、決済情報領域82gには、車室ID、料金情報、精算情報等が記録されている。管理装置80は、決済情報領域82gにより、車室IDに紐づく車番、入庫時刻、出庫時刻、料金情報等から駐車料金を算出する。決済情報領域82gには、自動決済又は精算機40での精算等の精算結果を含む精算情報が記録される。
【0036】
主制御装置81は、照合装置83を有する。照合装置83は、車番情報を登録情報と照合する。具体的には、照合装置83は、車番情報として駐車場装置10から取得した車番と、登録情報のうち利用者が予め登録した登録車番(予約車番を含む)とを照合する。
【0037】
主制御装置81は、照合装置83において車番情報が予約の登録情報中の登録車番と一致する場合、予約車室RPの利用開始(具体的には、入庫時刻)を記憶装置82の駐車場情報領域82dに記録する。
【0038】
主制御装置81は、車室SPの予約がなく、照合装置83において車番情報が登録車番と一致する場合、利用者端末に自動決済方式の利用確認を通知する。これにより、予約していない利用者でも自動決済を利用することができる。利用者が出庫までに自動決済方式を選択した場合、主制御装置81は、出庫時に自動決済する。自動決済方式を選択した場合、出庫時における駐車料金の支払処理を省略することができる。自動決済方式を選択しなかった場合、精算機による精算となる。
【0039】
図9は、携帯端末50を説明する概念図である。携帯端末50は、
図1に示す駐車場管理システム100の利用者が所持する利用者端末である。携帯端末50は、主制御装置51と、記憶装置52と、インターフェース装置53と、ネットワーク通信装置54とを有する。携帯端末50は、ネットワーク通信装置54により、
図1に示す通信ネットワークNTを経由して管理装置80と通信する。記憶装置52のソフトウェア格納部52aには、携帯端末50を動作させる基本的なプログラム上で動作するアプリケーションソフトとして駐車場利用アプリケーション等が格納されている。駐車場利用アプリケーションは、通信ネットワークNTを介して、駐車場管理システム100の登録、駐車場PAの予約、及び駐車料金の自動決済の設定を行う。つまり、駐車場利用アプリケーションは、管理装置80に接続してシステムの登録、駐車場の利用や精算を可能にする。なお、駐車場利用アプリケーションは、すべてが記憶装置52に保持されている必要はなく、ウェブアプリケーションやクラウドアプリケーションであってもよい。
【0040】
図10等を参照して、駐車場装置10、携帯端末50、管理装置80、決済サーバ90等の間で行われる駐車場の利用及び精算に関する一連の動作について説明する。
【0041】
(予約がある場合)
図10の例では、利用者が事前に駐車場管理システム100に登録し、かつ駐車場PAを予約している場合を想定している。
【0042】
まず、登録及び予約の場面SC0では、利用者は、駐車場PAの利用に際して、駐車場管理システム100を利用するための登録と駐車場PAの予約とを行う。具体的には、利用者は、携帯端末50を用いて、駐車場利用アプリケーションの操作により管理装置80と通信を行い、駐車場管理システム100を利用するための登録を行う(ステップS11)。システムの登録により、利用者は、ログインIDを取得する。携帯端末50は、登録の際に、利用者の管理下で要求された登録情報を送信する(ステップS12)。登録情報は、例えば氏名等の個人情報、駐車場PAに駐車する車両MOの車両登録番号(車番)、決済情報を含む。管理装置80は、登録情報を記憶装置82の利用者情報領域に記録する(ステップS13)。登録情報のうち車番は、登録車番として記録する。決済情報は、駐車料金の支払いに関する情報であり、プリペイドカード、クレジットカード、その他オンライン決済等を選択することができる。駐車場管理システム100を利用するための登録は、最初の利用時に行えばよく、2回目以降ではシステムにログインすることで予約を行うことができる。この場合、ステップS11~S13を省略し、ステップS14の予約から始める。
【0043】
システムの登録後、利用者は、携帯端末50を用いて、駐車場利用アプリケーションの操作により管理装置80と通信を行い、駐車場PAの予約を行う(ステップS14)。利用者は、駐車場利用アプリケーションの操作により、例えば特定の駐車場PAを検索したり、所定地域に存在する駐車場PA、希望日時に空いている駐車場PA等を検索したりすることができる。利用者は、駐車場利用アプリケーションの操作により、駐車日時や駐車予定時間(入庫予定時刻及び出庫予定時刻)を指定する。携帯端末50は、管理装置80に予約情報を送信する(ステップS15)。予約情報は、駐車場PA、駐車日時、駐車予定時間等を含む。管理装置80は、予約情報に基づいて駐車場PAの空き情報を検索し(ステップS16)、空いている場合には予約を受け付ける(ステップS17)。管理装置80は、携帯端末50に予約完了通知を送信する(ステップS18)。管理装置80は、予約受付の際に、登録情報のうち個人識別番号に紐づけて予約情報を記憶装置82の予約情報領域82fに記録する。
【0044】
次に、入庫の場面SC1では、管理装置80は、例えば当日に駐車場PAの予約があるか否かを検索する(ステップS21)。駐車場PAの予約がある場合、該当する駐車場PAの駐車場装置10に予約情報を送信する(ステップS22)。なお、予約の検索は、当日に限らず、数日、1週間等所定の期間で行ってもよい。また、ステップS21は省略してもよく、この場合、予約受付後、該当する駐車場PAの駐車場装置10に予約情報を送信する。駐車場装置10は、管理装置80から受信した予約情報に基づき、表示装置63によって予約車室RPに対して案内情報GAを表示する(ステップS23)。具体的には、表示装置63は、予約日に、予約車室RPの前の通路上に、案内情報GAとして、「予約中のため利用禁止」を表示する。また、表示装置63は、予約時間の例えば10分前に、予約車室RPの前の通路上に、案内情報GAとして、「予約中/予約車番」を表示する。また、駐車場PAの入口等で予約車番の車両MOを検知してもよく、この場合、車両検知後に案内情報GAを表示する。なお、案内情報GAのタイミングは適宜変更することができる。また、他の予約を知らせるため、案内情報GAとして、例えば「予約中/利用予定時間/利用予定時間内利用禁止」等を表示して利用予定時間外の利用を許容する案内をしてもよい。
【0045】
利用者が利用を希望する駐車場PAまで乗車し、特定の車室SPに車両MOを入庫させる。この車室SPの車両検知装置70は、車両MOを検出する(ステップS24)。車室管理端末60は、撮像装置61によって車両MOのナンバープレートを撮影する(ステップS25)。ナンバープレートの画像は、車番認識装置30に送信される。車番認識装置30は、撮像装置61によって得た画像を利用して入庫された車両MOの車両登録番号を検出する(ステップS26)。駐車場装置10は、管理装置80に駐車情報として、車室ID、車番情報、入庫情報(入庫時刻)等を送信する(ステップS27)。車室情報は、車室ID等を含む。
【0046】
管理装置80は、駐車場装置10から受信した駐車情報のうち車番情報と、事前登録されている登録車番(ここでは、予約車番)とを照合する(ステップS28)。車番情報と予約車番とが一致する場合(ステップS29のYes)、管理装置80は、予約車番に対して駐車場PAの利用を開始させ、携帯端末50に利用開始通知を送信する(ステップS30)。管理装置80は、駐車場装置10から取得した車室IDと通信開始時刻に対応する入庫時刻とを組み合わせた入庫情報を、車番情報と紐づけて記憶装置82の駐車場情報領域82dに記録する。利用者は、携帯端末50で利用開始通知を受信することで、駐車場PAの利用を確認することができる。車番情報と予約車番とが一致しない場合(ステップS29のNo)、管理装置80は、保守対応を行う(ステップS31)。具体的には、管理装置80は、駐車場装置10に間違い駐車である旨を通知する。駐車場装置10は、表示装置63によって、車室SPは予約中であり、駐車できない旨を表示する。また、駐車場装置10は、車室SPに対し間違い駐車である旨の警告音を発生させてもよい。また、管理装置80において保守会社に通知を行い、他の空き車室への割り当て、駐車車両の移動対応等を実施してもよい。なお、予約した車両MOが予約時間よりも早く入庫した場合、管理装置80は、許容時間内であれば、入庫を許可してもよい。
【0047】
出庫の場面SC2では、利用者が駐車場PAに戻って、車両MOを出庫させる。駐車場装置10の車両検知装置70は、車両MOの出庫を検出する(ステップS41)。駐車場装置10は、出庫情報等を管理装置80に送信する(ステップS42)。管理装置80は、駐車情報、入庫情報、出庫情報、決済情報に基づいて自動決済を開始させる(ステップS43)。管理装置80は、駐車料金を算出し、利用者が設定する決済方法とともに、決済サーバ90に決済処理の要求を行う。図示を省略するが、決済サーバ90は、管理装置80から取得した料金情報に基づき決済処理を行う。決済サーバ90は、管理装置80に決済完了報告を行う。管理装置80は、決済サーバ90での決済処理後、携帯端末50に決済通知を送信する(ステップS44)。利用者は、携帯端末50で決済通知を受信することで、駐車料金の決済完了を確認することができる。
【0048】
(予約なしの場合)
図11の例では、利用者が事前に駐車場管理システム100に登録しているが、駐車場PAを予約していない場合を想定している。
【0049】
まず、登録の場面SC0では、利用者は、駐車場PAの利用に際して、駐車場管理システム100を利用するための登録を行う(ステップS11)。携帯端末50は、登録の際に、登録情報を送信する(ステップS12)。管理装置80は、登録情報を記憶装置82の利用者情報領域に記録する(ステップS13)。
【0050】
次に、入庫の場面SC1では、予約車室RP以外の空き状態の車室SPに車両MOを入庫させる。この車室SPの車両検知装置70は、車両MOを検出する(ステップS24)。車室管理端末60は、撮像装置61によって車両MOのナンバープレートを撮影する(ステップS25)。ナンバープレートの画像は、車番認識装置30に送信される。車番認識装置30は、撮像装置61によって得た画像を利用して入庫された車両MOの車両登録番号を検出する(ステップS26)。駐車場装置10は、管理装置80に駐車情報として、車室ID、車番情報、入庫情報(入庫時刻)等を送信する(ステップS27)。車室情報は、車室ID等を含む。
【0051】
管理装置80は、駐車場装置10から受信した駐車情報のうち車番情報と、事前登録されている登録車番とを照合する(ステップS28)。車番情報と登録車番とが一致する場合(ステップS129のYes)、管理装置80は、携帯端末50に自動決済を利用するか否かの確認を送信する(ステップS32)。利用者は、システムの自動決済を利用する場合、携帯端末50を操作することにより、自動決済の利用を選択する(ステップS33)。携帯端末50は、管理装置80に自動決済を利用する旨の回答を送信する(ステップS34)。利用者が自動決済の利用を選択しない場合、返信を行わない、又は管理装置80に利用しない旨の回答を送信する。管理装置80は、駐車場装置10から取得した車室IDと通信開始時刻に対応する入庫時刻とを組み合わせた入庫情報を、車番情報と紐づけて記憶装置82の駐車場情報領域82dに記録する。管理装置80は、自動決済利用が選択された場合(ステップS35のYes)、携帯端末50にシステムの利用開始を通知する(ステップS30)。利用者は、携帯端末50で利用開始通知を受信することで、駐車場PAの利用を確認することができる。
【0052】
出庫の場面SC2では、利用者が駐車場PAに戻って、車両MOを出庫させる。駐車場装置10の車両検知装置70は、車両MOの出庫を検出する(ステップS41)。駐車場装置10は、出庫情報等を管理装置80に送信する(ステップS42)。管理装置80は、出庫した車両MOがシステムの自動決済を利用しているか否かを確認する(ステップS48)。自動決済を利用している場合(ステップS48のYes)、管理装置80は、駐車情報、入庫情報、出庫情報、決済情報に基づいて自動決済を開始させる(ステップS43)。管理装置80は、駐車料金を算出し、利用者が設定する決済方法とともに、決済サーバ90に決済処理の要求を行う。決済サーバ90は、管理装置80から取得した料金情報に基づき決済処理を行う。決済サーバ90は、管理装置80に決済完了報告を行う。管理装置80は、決済サーバ90での決済処理後、携帯端末50に決済通知を送信する(ステップS44)。利用者は、携帯端末50で決済通知を受信することで、駐車料金の決済完了を確認することができる。自動決済を利用しない場合(ステップS48のNo)、管理装置80は、駐車料金を算出し、精算機40に精算情報を送信する(ステップS49)。この際、利用者は、精算機40の対人処理部46を操作し、精算機40に精算処理を要求する。精算機40は、利用者に駐車料金を提示し、支払いを要求する。精算機40は、利用者が精算機40を利用して支払を行うのを待つ(ステップS50)。精算機40は、所定時間内に適正な駐車料金が支払われた場合、精算処理を完了し、所定時間内に適正な駐車料金が支払われなかった場合、不正出庫として記録や通報を行う。
【0053】
以上において、車番情報と登録車番とが一致しない場合(ステップS129のNo)、及び自動決済利用が選択されない場合(ステップS48のNo)、精算機40による精査となり、ステップS49に進む。
【0054】
以上で説明した実施形態の駐車場管理システム100では、車番情報が予約の登録車番と一致すれば予約車室RPの利用をそのまま開始させるので、利用開始操作が不要となる。また、予約車室RPを含む表示領域ARに予約車室RPの案内情報GAを表示するので、予約車室RPを見つけやすくなるとともに、間違い駐車を防ぐことができ、利用者の利便性が高まる。
【0055】
この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。
【0056】
例えば、自動決済を利用する利用者のみ駐車を許可する専用駐車場であれば、駐車場装置10において、精算機40を省略してもよい。精算機40を設けない場合、車室装置20の全体的な管理を行う制御装置を設ける。
【0057】
駐車場装置10の表示装置63は、投影装置64に限らず、利用者が視認可能な位置にパネル等を設けて案内情報を表示してもよい。
【0058】
駐車場PAの入口にも表示装置を設置し、予約車室RPの案内情報を表示してもよい。
【符号の説明】
【0059】
10…駐車場装置、20…車室装置、30…車番認識装置、31…主制御装置、32…記憶装置、33…画像処理装置、34…通信装置、40…精算機、50…携帯端末、60…車室管理端末、61…撮像装置、63…表示装置、64…投影装置、68…情報処理装置、70…車両検知装置、80…管理装置、83…照合装置、90…決済サーバ、100…駐車場管理システム、AR…表示領域、GA…案内情報、MO…車両、NT…通信ネットワーク、PA…駐車場、RP…予約車室、SP…車室