IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大島 勇飛の特許一覧

特開2024-163974室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム
<>
  • 特開-室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム 図1
  • 特開-室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム 図2
  • 特開-室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム 図3
  • 特開-室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム 図4
  • 特開-室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163974
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241119BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20241119BHJP
   G03B 7/00 20210101ALI20241119BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241119BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20241119BHJP
【FI】
H04N23/63
H04N23/60 100
G03B7/00
G03B17/18
G03B15/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079747
(22)【出願日】2023-05-14
(71)【出願人】
【識別番号】523177791
【氏名又は名称】大島 勇飛
(74)【代理人】
【識別番号】100140866
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武史
(72)【発明者】
【氏名】大島 勇飛
【テーマコード(参考)】
2H002
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H002GA66
2H102AA41
2H102AB23
5C122EA42
5C122EA45
5C122EA48
5C122FK08
5C122FK37
5C122FK41
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することを可能とする。
【解決手段】室内撮影装置1は、室内を撮影して、室内画像Pを取得する画像取得手段20と、室内画像を表示する入出力手段10と、室内撮影装置1又は室内画像Pの水平又垂直方向に対する傾きを検知する検知手段30と、傾きの大きさに応じて回動する回動線Rを生成する回動線生成手段42と、室内画像Pに対して、入出力手段10の横方向に延びる横基準線K1と、回動線Rと、を配置したプレビュー画面PRを、入出力手段10に表示させる表示制御手段44と、を備え、表示制御手段44は、室内撮影装置1又は室内画像Pが水平である場合に、プレビュー画面PRにおいて、横基準線K1と、回動線Rと、を重ねて配置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の室内を撮影する室内撮影装置であって、
前記室内を撮影して、室内画像を取得する画像取得手段と、
前記室内画像を表示する表示手段と、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知する検知手段と、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する回動線生成手段と、
前記室内画像に対して、前記表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とする室内撮影装置。
【請求項2】
前記回動線生成手段は、前記傾きの大きさに応じて異なる表示態様で、前記回動線を生成することを特徴とする請求項1に記載の室内撮影装置。
【請求項3】
前記室内に設けられた設備を基準とした、前記室内撮影装置の高さ方向の位置に関するアドバイスを生成するアドバイス生成手段を、更に、備え、
前記表示制御手段は、前記プレビュー画面に、前記アドバイスを配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の室内撮影装置。
【請求項4】
建物の室内を撮影する室内撮影装置が実行する方法であって、
前記室内を撮影して、室内画像を取得するステップと、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知するステップと、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成するステップと、
前記室内画像に対して、表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、表示手段に表示させるステップと、を含み、
前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とする室内撮影方法。
【請求項5】
建物の室内を撮影する室内撮影装置を、
前記室内を撮影して、室内画像を取得する画像取得手段、
前記室内画像を表示する表示手段、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知する検知手段、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する回動線生成手段、
前記室内画像に対して、前記表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の室内を撮影する室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物を利用したビジネス(宿泊業や、不動産業等)においては、建物の室内の写真を撮影し、この写真を用いて集客されている。宿泊施設や賃貸物件を探す需用者は、このような室内の写真を参考に、利用する物件を検討する。このため、室内の写真の出来映えは、集客に大きな影響を与える。
【0003】
ところで、室内に配置された設備には、水平方向又は垂直方向に配置されたものが多数有る。このような設備が、写真において、水平方向又は垂直方向に対して傾いて写っていると、写真の出来映えが低下する。
【0004】
特許文献1では、被写体像が傾斜した第一撮影画像の構図を補正する場合は、まず、第一撮影画像撮影時のカメラ姿勢に基づいて、被写体像が正立するべく第一撮影画像を回転させ、この回転処理に伴い、記録画像範囲に生じる画像欠落部分に相当する画像を、第二撮影画像から補填画像として抽出し、第二撮影画像は、第一撮影画像と同一被写体を異なる画角および異なるカメラ姿勢で撮影して得られる画像であり、この第二撮影画像から抽出した補填画像を第一撮影画像の画角に応じて拡大した画像を、回転処理後の第一撮影画像と合成する構図補正装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-258989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の構図補正装置は、被写体像が正立した画像を得るために複数の画像を合成する必要があり、第一撮影画像の傾きの大きさや、抽出した補填画像によっては、合成が不自然となり、宿泊施設や賃貸物件を探す需用者に不信感を与えるおそれがある。
【0007】
一方、写真撮影に慣れていない者は、建物の室内の写真を撮影すると、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影するのは困難である。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが可能な室内撮影装置、室内撮影方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1) 建物の室内を撮影する室内撮影装置であって、
前記室内を撮影して、室内画像を取得する画像取得手段と、
前記室内画像を表示する表示手段と、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知する検知手段と、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する回動線生成手段と、
前記室内画像に対して、前記表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とする室内撮影装置。
【0010】
(1)の発明では、建物の室内を撮影する室内撮影装置は、画像取得手段と、表示手段と、検知手段と、回動線生成手段と、表示制御手段と、を備える。
画像取得手段は、室内を撮影して、室内画像を取得する。
表示手段は、室内画像を表示する。
検知手段は、室内撮影装置又は室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知する。
回動線生成手段は、傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する。
表示制御手段は、室内画像に対して、表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、回動線と、を配置したプレビュー画面を、表示手段に表示させる。
そして、表示制御手段は、室内撮影装置又は室内画像が水平である場合に、プレビュー画面において、基準線の少なくとも一部と、回動線と、を重ねて配置する。
【0011】
(1)の発明によれば、建物の室内を撮影する場合に、プレビュー画面において、室内撮影装置又は室内画像の水平又垂直方向に対する傾きの大きさに応じて回動線が回動し、室内撮影装置又は室内画像が水平になると、プレビュー画面において、基準線の少なくとも一部と回動線とが重なる。これにより、撮影者は、回動線により、どの方向に室内撮影装置を回動すれば、室内撮影装置が水平になるかが分かり、そして、基準線の少なくとも一部と回動線とが重なったタイミングで、室内画像を保存する(写真を撮る)ことで、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することができる。
したがって、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが可能となる。
【0012】
(2) 前記回動線生成手段は、前記傾きの大きさに応じて異なる表示態様で、前記回動線を生成することを特徴とする(1)に記載の室内撮影装置。
【0013】
(2)の発明によれば、撮影者は、回動線の表示態様により、室内撮影装置又は室内画像の水平又垂直方向に対する傾きの大きさを認識できるので、回動線の表示態様の変化により、室内画像を保存する(写真を撮る)タイミングを図ることができる。
したがって、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが容易になる。
【0014】
(3) 前記室内に設けられた設備を基準とした、前記室内撮影装置の高さ方向の位置に関するアドバイスを生成するアドバイス生成手段を、更に、備え、
前記表示制御手段は、前記プレビュー画面に、前記アドバイスを配置することを特徴とする請求項1又は2に記載の室内撮影装置。
【0015】
(3)の発明では、室内撮影装置は、更に、アドバイス生成手段を備える。
アドバイス生成手段は、室内に設けられた設備を基準とした、室内撮影装置の高さ方向の位置に関するアドバイスを生成する。
そして、表示制御手段は、プレビュー画面に、アドバイスを配置する。
【0016】
ここで、写真撮影に慣れていない者は、室内の写真を撮る場合に、室内撮影装置の高さによって、室内画像の印象が大きく変わることを認識していない。また、写真撮影に慣れていない者は、室内撮影装置をどのくらいの高さに配置して写真を撮れば、意図した室内写真になるかが分からない場合が多い。
【0017】
(3)の発明によれば、室内に設けられた設備を基準とした、室内撮影装置の高さ方向の位置に関するアドバイスを、プレビュー画面に配置する。これにより、撮影者に室内撮影装置の高さに留意することを報知できる。また、室内に設けられた設備を基準としたアドバイスとすることで、写真撮影に慣れていない者であっても、容易に対応することができる。
【0018】
(4) 建物の室内を撮影する室内撮影装置が実行する方法であって、
前記室内を撮影して、室内画像を取得するステップと、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知するステップと、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成するステップと、
前記室内画像に対して、前記表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、表示手段に表示させるステップと、を含み、
前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とする室内撮影方法。
【0019】
(5) 建物の室内を撮影する室内撮影装置を、
前記室内を撮影して、室内画像を取得する画像取得手段、
前記室内画像を表示する表示手段、
前記室内撮影装置又は前記室内画像の水平又垂直方向に対する傾きを検知する検知手段、
前記傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する回動線生成手段、
前記室内画像に対して、前記表示手段の横方向及び/又は縦方向に延びる基準線と、前記回動線と、を配置したプレビュー画面を、前記表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させ、
前記表示制御手段は、前記室内撮影装置又は前記室内画像が水平である場合に、前記プレビュー画面において、前記基準線の少なくとも一部と、前記回動線と、を重ねて配置することを特徴とするコンピュータプログラム。
【0020】
(4)及び(5)の発明によれば、(1)の発明と同様の作用効果を奏する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る室内撮影装置の概要を説明する図である。
図2】本発明の実施形態に係る室内撮影装置の機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る室内撮影装置が実行する室内撮影処理フローを示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る室内撮影装置により表示される撮影対象選択画面の一例を示す図である。
図5】本発明の実施形態に係る室内撮影装置により表示される種類選択画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ又は同類の要素には同じ番号または符号を付している。
【0024】
[基本概念/基本構成]
室内撮影装置1は、建物の室内を撮影する装置であり、例えば、室内を撮影するためのアプリケーションがインストールされたスマートフォン等の端末である。具体的には、室内撮影装置1は、例えば、ホテル等の宿泊業を行う建物における各部屋や、賃貸や販売物件等の不動産業に関する建物の各部屋の内観を撮影する装置である。
【0025】
図1は、本発明の実施形態に係る室内撮影装置の概要を説明する図である。
図1では、表示手段としての入出力手段(タッチパネル等)10に、プレビュー画面PRが表示された室内撮影装置1を示している。
【0026】
室内撮影装置1は、内蔵されたカメラにより、図1に示す面の裏面側に配置されたレンズを介して、室内を撮影して、室内画像Pを取得する。
【0027】
また、室内撮影装置1は、入出力手段10の画面において、横方向及び/又は縦方向に延びる基準線を取得する。図1に示す例において、基準線は、長方形形状の画面の上下の側縁と平行に延びる複数(2本)の横基準線K1と、画面の左右の側縁と平行に延び、横基準線K1と直交する複数(2本)の縦基準線K2と、である。
【0028】
また、室内撮影装置1は、室内撮影装置1又は室内画像Pの水平又垂直方向に対する傾きを検知し、この傾きの大きさに応じて回動する回動線Rを生成する。図1に示す例では、回動線Rを、左右方向に延びる点線で表示している。室内撮影装置1は、プレビュー画面PRにおいて、傾きの検知に応じて、リアルタイムで回動線Rを、回動線Rの中心を中心として回動する。
【0029】
室内撮影装置1は、室内画像Pに対して、基準線(横基準線K1、縦基準線K2)と、回動線Rと、を配置したプレビュー画面PRを、入出力手段10に表示する。
【0030】
そして、室内撮影装置1は、室内撮影装置1又は室内画像Pが水平である場合に、プレビュー画面PRにおいて、基準線(横基準線K1、縦基準線K2)の少なくとも一部(図1に示す例では、横基準線K1)と、回動線Rと、を重ねて配置し、入出力手段10に表示する。
【0031】
これにより、室内の写真を撮る撮影者は、このようなプレビュー画面PRを確認しながら、基準線(横基準線K1、縦基準線K2)の少なくとも一部(図1に示す例では、横基準線K1)と、回動線Rと、が重なったタイミングで、シャッターボタンSを操作することで、室内において水平方向又は垂直方向に配置された設備(図1に示す例では、窓等)を、室内写真において、水辺又は垂直に配置された写真を得ることができる。
したがって、室内撮影装置1によれば、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが可能となる。
[機能構成]
図2は、本発明の実施形態に係る室内撮影装置の機能構成を示す図である。
室内撮影装置1は、建物の室内を撮影する装置であり、例えば、室内を撮影するためのアプリケーションがインストールされたスマートフォン等の端末で構成されている。
【0032】
具体的には、室内撮影装置1は、入出力手段10と、画像取得手段20と、検知手段30と、撮影制御手段40と、記憶手段50と、を備える。
【0033】
入出力手段10は、例えば、ディスプレイやタッチパネルで構成され、撮影制御手段40の制御により、表示領域にプレビュー画面PR(図1参照)を表示し、撮影者による操作(例えば、シャッターボタンS(図1参照)を操作する)を受け付ける。
【0034】
画像取得手段20は、例えば、カメラで構成され、レンズと、レンズで集光した像を記録するセンサ等を備え、撮影者の操作に基づき、撮影制御手段40の制御により、室内画像P(図1参照)を取得し、記憶手段50に記憶する。
【0035】
検知手段30は、例えば、加速度センサで構成され、室内撮影装置1の水平又垂直方向に対する傾きの大きさを検知し、当該傾きの大きさを示す傾き情報を、撮影制御手段40に送信する。
【0036】
また、検知手段30は、AI(Artificial Intelligence)により、室内画像P(図1参照)を解析し、横方向又は縦方向に延びる線(図1に示す例では、窓枠等)を抽出し、抽出した線の水平又垂直方向に対する傾きの大きさを検知し、当該傾きの大きさを示す傾き情報を、撮影制御手段40に送信してもよい。
【0037】
撮影制御手段40は、撮影者の操作に基づき、画像取得手段20を制御し、室内写真を撮影し、室内写真のデータを、記憶手段50に記憶し、入出力手段10に表示する。詳細には、撮影制御手段40は、基準線取得手段41と、回動線生成手段42と、アドバイス生成手段43と、表示制御手段44と、を備える。
【0038】
基準線取得手段41は、入出力手段10の画面において、横方向及び/又は縦方向に延びる基準線を取得する。具体的には、基準線取得手段41は、基準線が配置された基準線レイヤーを記憶手段50から読み出す。
【0039】
基準線レイヤーは、建物の室内である部屋の種類毎に、基準線の配置(例えば、基準線の本数や、互いに隣接する基準線の間隔等)が異なる基準線レイヤーを、それぞれ設けてもよい。この場合、基準線取得手段41は、撮影者の操作に基づき選択された部屋の種類(例えば、和室、洋室等)に応じた基準線レイヤーを、記憶手段50から読み出す。
【0040】
本実施形態の基準線は、入出力手段10の表示領域における写真撮影可能な範囲を等分割してもよいし、例えば、図1に示すように、横基準線K1、縦基準線K2をそれぞれ2本配置する場合に、互いの間(写真撮影可能な範囲の中心部分)を、基準線から写真撮影可能な範囲の端部までの間より広くしてもよい。
【0041】
また、基準線は、図1に示すように、写真撮影可能な範囲の中心を囲うように基準線を配置する場合、写真撮影可能な範囲の中心に、室内の設備を配置し、この設備を基準に配置を決定してもよい。例えば、洋室用の基準線レイヤーに配置する基準線であれば、設備の一例であるベッドのヘッドボードの幅と高さを基準に、写真撮影可能な範囲の中心を挟む2本の基準線の間隔を決定してもよい。
【0042】
回動線生成手段42は、傾きの大きさに応じて回動する回動線を生成する。詳細には、回動線生成手段42は、写真撮影可能な範囲において、基準性が延びる方向に延びる回動線を生成し、この回動線を、検知手段30から受信した傾き情報に応じた角度に、基準線の中心を中心に回動させる。
【0043】
また、回動線生成手段42は、傾きの大きさに応じて異なる表示態様で、回動線を生成してもよい。例えば、回動線生成手段42は、水平又垂直方向に対する傾きの大きさが0°である場合には、基準線と同じ表示態様で生成し、水平又垂直方向に対する傾きの大きさが0°でない場合には、基準線と異なる態様(例えば、基準線が白色であれば、赤色)で生成する。また、回動線生成手段42は、水平又垂直方向に対する傾きの大きさが大きいほど、より目立つ表示態様(例えば、線の太さを太くしたり、線の色の輝度を大きくしたりする態様等)としてもよい。
【0044】
具体的には、回動線生成手段42は、図1に示すように、2本の横基準線K1が配置される位置に、2本の横基準線K1に沿って、それぞれ回動線Rを生成する。そして、回動線生成手段42は、検知手段30から受信した傾き情報に応じて、横基準線K1の中心を中心に、回動線Rを回動させる。また、回動線生成手段42は、回動線Rが横基準線K1と平行の状態(水平又垂直方向に対する傾きの大きさが0°である場合)では、回動線Rを横基準線K1と同じ表示態様とし、回動線Rが横基準線K1に対して傾斜している場合(水平又垂直方向に対する傾きの大きさが0°以外である場合)では、回動線Rを横基準線K1と異なる表示態様(図1に示す例では、横基準線K1が実線であるのに対して、回動線Rが破線)とする。
【0045】
図2に戻って、アドバイス生成手段43は、室内に設けられた設備を基準とした、室内撮影装置1の高さ方向の位置に関するアドバイスを生成する。詳細には、アドバイス生成手段43は、記憶手段50に記憶されたアドバイス情報を読み出し、入出力手段10に文字列であるアドバイスとして表示可能なオブジェクトを生成する。なお、アドバイス生成手段43は、撮影者の操作に基づき選択された部屋の種類(例えば、和室、洋室等)に応じた設備(例えば、選択された部屋の種類が和室であれば、「障子の取手」等)を基準としたアドバイスを生成してもよい。
【0046】
図1に示す例において、アドバイス生成手段43が生成した高さに関するアドバイスは、設備の一例である「扉の取手」を基準とした、室内撮影装置1の高さ方向の位置に関するアドバイスとして、「扉の取手の高さにスマホを構える」との文字列を表示したオブジェクトである。
【0047】
また、アドバイス生成手段43は、回動線生成手段42が生成した回動線Rの角度又は検知手段30から受信した傾き情報に応じて、室内撮影装置1の角度に関するアドバイスを生成してもよい。例えば、図1に示す例において、アドバイス生成手段43が生成した室内撮影装置1の角度に関するアドバイスは、「左に傾いてます」との文字列を表示したオブジェクトである。
【0048】
図2に戻って、表示制御手段44は、画像取得手段20が取得した室内画像P(図1参照)に対して、基準線取得手段41が取得した基準線(図1に示す横基準線K1や縦基準線K2等)と、回動線生成手段42が生成した回動線R(図1参照)と、を配置したプレビュー画面PR(図1参照)を、入出力手段10の画面に表示させる。
【0049】
そして、表示制御手段44は、室内撮影装置1又は室内画像Pが水平である場合(検知手段30から受信した傾き情報が、水平又垂直方向に対する傾きの大きさが0°を示す場合)に、プレビュー画面PRにおいて、基準線の少なくとも一部(図1に示す例では、横基準線K1)と、回動線Rと、を重ねて配置する。
【0050】
また、表示制御手段44は、更に、プレビュー画面PRに、アドバイス生成手段43が生成した、室内撮影装置1の高さ方向の位置に関するアドバイスや、室内撮影装置1の角度に関するアドバイスを配置する。
【0051】
上記の室内撮影装置1の機能構成は、あくまで一例であり、1つの機能ブロック(データベース及び機能処理部)を分割したり、複数の機能ブロックをまとめて1つの機能ブロックとして構成したりしてもよい。各機能処理部は、装置や端末に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)、ハードディスク等の記憶装置(記憶部)に格納されたコンピュータプログラム(例えば、基幹ソフトや上述の各種処理をCPUに実行させるアプリ等)を読み出し、CPUにより実行されたコンピュータプログラムによって実現される。すなわち、各機能処理部は、このコンピュータプログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信装置(例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi対応デバイス、第3世代、第4世代及び第5世代移動通信システム等の国際電気通信連合の規格に準拠した無線デバイス等))を制御することによって実現される。また、本発明の実施形態におけるデータベース(DB)は、商用データベースであってよいが、単なるテーブルやファイルの集合体をも意味し、データベースの内部構造自体は問わないものとする。
【0052】
[処理フロー]
図3は、本発明の実施形態に係る室内撮影装置が実行する室内撮影処理フローを示す図である。
【0053】
室内撮影装置1は、例えば、撮影者の操作(例えば、室内撮影アプリの起動)に基づき、入出力手段10の表示領域に、撮影対象を撮影者に選択させるための撮影対象選択画面を表示する。
図4は、本発明の実施形態に係る室内撮影装置により表示される撮影対象選択画面の一例を示す図である。
【0054】
撮影対象選択画面PSには、撮影対象として、建物における場所(客室、外観、施設等)や、建物の室内で提供される物(料理、商品等)等が一覧的に表示される。
【0055】
そして、撮影対象選択画面PSに一覧的に表示された複数の撮影対象のいずれかが撮影者に選択操作(例えば、タップ等)された場合、室内撮影装置1は、入出力手段10の表示領域における表示を、撮影対象選択画面PSから、種類選択画面KSに遷移させる。
図5は、本発明の実施形態に係る室内撮影装置により表示される種類選択画面の一例を示す図である。
【0056】
種類選択画面KSには、撮影対象選択画面PSに表示される複数の撮影対象を更に細分した複数の種類が一覧的に表示される。
【0057】
図4及び図5に示す例では、室内撮影装置1は、入出力手段10において、図4に示す撮影対象選択画面PSにおいて、「客室を撮影」が選択操作されたことにより、「客室を撮影」に対応する図5に示す種類選択画面KSを表示する。
【0058】
そして、種類選択画面KSに一覧的に表示された複数種類の撮影対象のいずれかが撮影者に選択操作(例えば、タップ等)された場合、室内撮影装置1は、図3に示す室内撮影処理を開始する。
【0059】
室内撮影装置1により実行される室内撮影処理について説明する。
ステップS1において、撮影制御手段40は、画像取得手段20を制御して、室内画像を取得する。
【0060】
ステップS2において、基準線取得手段41は、入出力手段10の画面において、横方向及び/又は縦方向に延びる基準線(例えば、図1に示す横基準線K1、縦基準線K2等)を取得する。
【0061】
ステップS3において、撮影制御手段40は、検知手段30から、室内撮影装置1の水平又垂直方向に対する傾きの大きさを示す傾き情報を受信する。
【0062】
ステップS4において、回動線生成手段42は、写真撮影可能な範囲において、ステップS2で基準線取得手段41が取得した基準性が延びる方向に延びる回動線を生成する。また、回動線生成手段42は、室内撮影処理中、生成した回動線を、ステップS3で検知手段30から傾き情報を受信する毎に、傾き情報が示す角度に応じた角度に、基準線の中心を中心に回動させる。
【0063】
ステップS5において、アドバイス生成手段43は、室内に設けられた設備を基準とした、室内撮影装置1の高さ方向の位置に関するアドバイスや、ステップS3で検知手段30から受信した傾き情報に応じて、室内撮影装置1の角度に関するアドバイスを生成する。
【0064】
ステップS6において、表示制御手段44は、ステップS1で取得した室内画像に対して、ステップS2で基準線取得手段41が取得した基準線と、ステップS4で回動線生成手段42が生成した回動線と、ステップS5でアドバイス生成手段43が生成したアドバイスと、を配置したプレビュー画面を、入出力手段10の画面に表示させる。これにより、入出力手段10の画面に、例えば、図1に示すようなプレビュー画面PRが表示される。
【0065】
そして、室内の写真を撮る撮影者は、このようなプレビュー画面PRを確認しながら、基準線(横基準線K1、縦基準線K2)の少なくとも一部(図1に示す例では、横基準線K1)と、回動線Rと、が重なったタイミングで、シャッターボタンSを操作する。これにより、室内撮影装置1は、シャッターボタンSが操作されたタイミングの室内画像Pの静止画を、記憶手段50に記憶する。
【0066】
このような室内撮影装置1によれば、建物の室内を撮影する場合に、プレビュー画面PRにおいて、室内撮影装置1又は室内画像Pの水平又垂直方向に対する傾きの大きさに応じて回動線Rが回動し、室内撮影装置1又は室内画像Pが水平になると、プレビュー画面PRにおいて、横基準線K1と回動線Rとが重なる。これにより、撮影者は、回動線Rにより、どの方向に室内撮影装置1を回動すれば、室内撮影装置1が水平になるかが分かり、そして、横基準線K1と回動線Rとが重なったタイミングで、室内画像Pを保存する(写真を撮る)ことで、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することができる。
したがって、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが可能となる。
【0067】
また、室内撮影装置1によれば、撮影者は、回動線Rの表示態様により、室内撮影装置1又は室内画像Pの水平又垂直方向に対する傾きの大きさを認識できるので、回動線Rの表示態様の変化により、室内画像Pを保存する(写真を撮る)タイミングを図ることができる。
したがって、写真撮影に慣れていない者であっても、建物の室内において、水平方向又は垂直方向に配置された設備を適切に撮影することが容易になる。
【0068】
また、室内撮影装置1によれば、室内に設けられた設備を基準とした、室内撮影装置1の高さ方向の位置に関するアドバイスを、プレビュー画面PRに配置する。これにより、撮影者に室内撮影装置1の高さに留意することを報知できる。また、室内に設けられた設備を基準としたアドバイスとすることで、写真撮影に慣れていない者であっても、容易に対応することができる。
【0069】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。なお、上記の実施形態では、本発明を物の発明として、室内撮影装置について説明したが、本発明において室内撮影装置が実行する方法や、室内撮影装置を各種部として機能させるプログラムの発明と捉えることもできる。
【符号の説明】
【0070】
1 室内撮影装置
10 入出力手段
20 画像取得手段
30 検知手段
40 撮影制御手段
41 基準線取得手段
42 回動線生成手段
43 アドバイス生成手段
44 表示制御手段
50 記憶手段
K1 横基準線
K2 縦基準線
KS 種類選択画面
P 室内画像
PR プレビュー画面
PS 撮影対象選択画面
R 回動線
S シャッターボタン
図1
図2
図3
図4
図5