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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163975
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】記憶装置の接続装置
(51)【国際特許分類】
   G11B 33/02 20060101AFI20241119BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
G11B33/02 501M
G11B33/12 313C
G11B33/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023141854
(22)【出願日】2023-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2023079748
(32)【優先日】2023-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023141608
(32)【優先日】2023-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】396014636
【氏名又は名称】株式会社ワイ・イー・シー
(74)【代理人】
【識別番号】100095289
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100103687
【弁理士】
【氏名又は名称】百瀬 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100101166
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 理絵
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 文一郎
(72)【発明者】
【氏名】平方 友朗
(57)【要約】
【課題】大きさの異なる複数の記憶装置を接続可能で、脱着操作が容易である記憶装置の接続装置を提供する。
【解決手段】記憶装置7に対して揺動部材を揺動付勢することでガイド及び保持する付勢部4と、記憶部材7の直交する2平面に沿ってガイドし、記憶装置7を保持するガイド部3を設けることによって、異なる大きさの記憶装置を接続することができる構成とした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側の筐体が略直方体形状を有する記憶装置を保持する本体と、
前記本体に保持された状態の記憶装置の接続端子に対向する位置に設けられた接続部と、を有する接続装置であって、
前記本体は、前記記憶装置を前記接続端子の脱着方向に沿って配置され、前記記憶装置の筐体の最も面積の広い第1の面に接触して案内する第1案内部と、前記第1の面に直交する第2の面に接触して案内する第2案内部とを有するガイド部と、
前記第1案内部又は第2案内部の一方の方向に前記記憶装置を付勢する付勢部とを有する記憶装置の接続装置。
【請求項2】
前記付勢部は、前記本体側に揺動支点を有する揺動部材と、
前記揺動部の揺動端を前記記憶装置の方向に付勢する付勢部材と、
前記揺動部に設けられ、前記記憶装置の接続方向への接続移動に際して、前記記憶装置の表面に接触しつつ前記第1の案内部又は前記第2の案内部へ向けて付勢する付勢案内部とを有する請求項1に記載の記憶装置の接続装置。
【請求項3】
前記揺動部材の揺動端部には、前記記憶装置の筐体に接触して転動するローラが回動自在に設けられ、前記記憶装置の筐体に接触する前記ローラの外周面には、前記ローラの軸方向の滑りを抑制する滑り止め層が設けられている請求項2に記載の記憶装置の接続装置。
【請求項4】
前記接続部は、前記本体側に取り付けられた接続基台に取り付けられており、
前記接続基台は、前記本体に対して、接続方向に対して直交する平面内でスライド可能に支持されており、
接続時において、前記接続部の先端と、前記記憶装置の接続端子の接続口とが接触すると、前記接続部の先端が、前記接続口の位置に合致する方向に前記接続基台がスライドする請求項1に記載の記憶装置の接続装置。
【請求項5】
前記本体に対して、前記記憶装置が接続されている保持部とは反対側に設けられた離脱操作部を有し、
該離脱操作部は、
前記記憶装置の脱着方向に沿って、取り外し操作方向が設定された解除操作部材と、
前記解除操作部材の取り外し操作によって、前記接続部に前記接続端子が接続されている前記記憶装置を、取り外し方向へ押し出す解除部材とを備えている請求項1に記載の記憶装置の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、記憶装置の接続部にコネクタを接続する接続装置に関し、詳しくは異なる大きさを有する記憶装置を接続可能な接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータなどに内蔵されるハードディスクドライブ装置のような記憶装置を複数台接続して、接続された複数の記憶装置に対して一時にデータを読み書きする制御装置が存在する。このような記憶装置の制御装置には、記憶装置の接続部に接続される接続部が複数設けられた接続装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-079384
【特許文献2】特開2015-228272
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の接続装置は、複数の記憶装置を接続する装置であり、1つの種類の、例えば、ハードディスクドライブ装置に代表される記憶装置を接続するものである。多数の記憶装置を接続する装置の場合、イニシャルコストが高額であることと、制作期間が長期間に渡ることから、複数の記憶装置の接続が可能な接続装置の開発が望まれていた。
【0005】
また、このような接続装置を用いて多数の記憶装置を制御する場合には、多数の記憶装置を1つづつ接続装置に接続する作業が必要であることから、1つ記憶装置の接続作業を出来る限り効率よく行えることが必要である。また、記憶装置を交換する場合には、処理の終わった記憶装置と取り外す作業と、新たに記憶装置を接続する作業が必要となり、両作業を効率よく実行できる必要がある。
【0006】
特許文献1に記載の発明は、複数の記憶装置を接続する装置ではあるが、1種類のハードディスクドライブ装置に対応した構成となっており、汎用性に乏しい。特許文献2に記載の発明は、厚さ方向のサイズの異なるハードディスクドライブ装置には対応できる構造にはなっているが、サイズが大きく異なるハードディスクドライブ装置、例えば、3.5インチ(プラッタの直径が3.5インチ)ハードディスクドライブ装置と、2.5インチ(プラッタの直径が2.5インチ)ハードディスクドライブ装置の両方を接続できる構成ではない。
【0007】
この発明は、大きさの異なる複数の記憶装置を接続可能で、脱着操作が容易である記憶装置の接続装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上のような問題を解決する本発明は以下の構成を備える。
(1) 外側の筐体が略直方体形状を有する記憶装置を保持する本体と、
前記本体に保持された状態の記憶装置の接続端子に対向する位置に設けられた接続部と、を有する接続装置であって、
前記本体は、前記記憶装置を前記接続端子の脱着方向に沿って配置され、前記記憶装置の筐体の最も面積の広い第1の面に接触して案内する第1案内部と、前記第1の面に直交する第2の面に接触して案内する第2案内部とを有するガイド部と、
前記第1案内部又は第2案内部の一方の方向に前記記憶装置を付勢する付勢部とを有する記憶装置の接続装置。
【0009】
(2) 前記付勢部は、前記本体側に揺動支点を有する揺動部材と、
前記揺動部の揺動端を前記記憶装置の方向に付勢する付勢部材と、
前記揺動部に設けられ、前記記憶装置の接続方向への接続移動に際して、前記記憶装置の表面に接触しつつ前記第1の案内部又は前記第2の案内部へ向けて付勢する付勢案内部とを有する上記(1)に記載の記憶装置の接続装置。
【0010】
(3) 前記揺動部材の揺動端部には、前記記憶装置の筐体に接触して転動するローラが回動自在に設けられ、前記記憶装置の筐体に接触する前記ローラの外周面には、前記ローラの軸方向の滑りを抑制する滑り止め層が設けられている上記(2)に記載の記憶装置の接続装置。
【0011】
(4) 前記接続部は、前記本体側に取り付けられた接続基台に取り付けられており、
前記接続基台は、前記本体に対して、接続方向に対して直交する平面内でスライド可能に支持されており、
接続時において、前記接続部の先端と、前記記憶装置の接続端子の接続口とが接触すると、前記接続部の先端が、前記接続口の位置に合致する方向に前記接続基台がスライドする上記(1)に記載の記憶装置の接続装置。
【0012】
(5) 前記本体に対して、前記記憶装置が接続されている保持部とは反対側に設けられた離脱操作部を有し、
該離脱操作部は、
前記記憶装置の脱着方向に沿って、取り外し操作方向が設定された解除操作部材と、
前記解除操作部材の取り外し操作によって、前記接続部に前記接続端子が接続されている前記記憶装置を、取り外し方向へ押し出す解除部材とを備えている上記(1)に記載の記憶装置の接続装置。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、記憶装置の筐体の第1の面にと、これに直交する第2の面を案内するガイド部よって、脱着時の記憶装置の位置決めが行われる。このガイド部に沿って記憶装置を移動させることにより、接続端子と接続部との接続の脱着が容易かつ安全に行うことができる。直交する第1の面と第2の面を案内することによって、記憶装置の大きさに制限されず、接続方向への移動を案内することができる。
また、付勢部によって、記憶装置にはいずれかの案内部へ向けて付勢されているので、ガイド部内において、記憶装置を押し込む際に、位置がブレることなく、接続端子を正確に接続部へ導くことが可能となる。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、接続部に向けて接続操作される記憶装置の接続方向に対して、傾斜する姿勢で揺動部材が待機し、接続操作される記憶装置に対して傾斜する揺動部材の側面が接触して、付勢部材に対向する案内部へ向けて記憶装置を付勢する。さらに記憶部材を押し込むと、最終的に揺動部材の揺動端部が記憶部材に接触し、これを付勢する。
【0015】
請求項3に記載の発明によれば、揺動する揺動端部か最終的に記憶装置を付勢するので、大きさの異なる記憶装置に対しても筐体を付勢し、これ保持することが可能となる。また、ローラが転動しつつ揺動端部が接触するので、滑らかに記憶装置を移動させることができる。
ローラの外周面に滑り止め層が設けられているので、ローラの軸方向への記憶装置の移動が抑制され、接続端子と接続部との接続を確実に行うことができ、接続装置と記憶装置とが接続されている状態においても、確実に記憶装置を保持することができる。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、接続方向に押し込まれた記憶装置の接続端子の接続口の位置、接続部との位置の間に、若干の隔たりがあった場合にも、接続基台の取付部が、位置の隔りに合わせて移動可能であるため、接続端子と接続部との接続を容易にできる。
【0017】
請求項5に記載の発明によれば、記憶装置を取り外す場合において、解除操作部材の操作方向が、記憶装置の接続操作方向(つまり、取り外し方向)に沿っているので、無駄な動作をせずに、接続装置から記憶装置を取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の接続装置の記憶装置を接続した状態においける全体斜視図であって、2.5インチハードディスクドライブ装置を装着し、カバー板を外した状態を示すものである。
図2】本発明の接続装置において、本体と付勢部の一部分解斜視図を含むものである。
図3】本発明の接続装置の斜視図であって、接続部の分解斜視図を含むものである。
図4】本発明の接続装置の斜視図であって、離脱操作部と付勢部の分解斜視図を含むものである。
図5】本発明の接続部の拡大側面図である。
図6】本発明の全体側面図であって、3.5インチハードディスクドライブ装置を接続部に接続する直前の状態を示すものである。
図7】本発明の全体側面図であって、離脱操作部を示す図である。
図8】揺動部材の先端部における案内部材と付勢ローラとの位置関係を示す部分側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の記憶装置の接続装置の好適実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の記憶装置の接続装置1の全体斜視図であって、2.5インチハードディスクドライブ装置を装着し、カバー板を外した状態を示すものである。
【0020】
接続装置1は、本体2と、ガイド部3と、付勢部4と、接続部5と、離脱操作部6(図1では、図示外)とを備えている。図2に示されているように、本体2は、基板21と、基板21の上端を直角に折り曲げて形成された上板22と、上板22と同じ側に、基板21に対して直角に折り曲げて形成された底板23と、図3に示されているように、上板22、底板23に対して反対側に、直角に折り曲げて形成された取付部24、25とを備えている。また、上板22の先端辺と底板23の先端辺の間の開放部には、カバー板27が取り付けられる。以後の説明では、理解を容易とするために、カバー板27が取り外された状態を示して説明を行う。
【0021】
相互に平行な上板22と底板23の間に記憶装置7が収容されて、その収容された記憶装置の接続端子部に、接続部5が接続される。記憶装置7が収容される上板22と底板23で画成された収容空間内には、ガイド部3が配置される。
案内部3は、基板21の収容空間側に付設された第1案内部材31と、底板23の上面に付設された第2案内部材32と、底板23の端部フランジ部231と、基板21との間に架設された案内ローラ33、34とを有している。案内ローラ33、34は、フランジ部231と基板21との間に架設された回動軸331、341によって、回動自在に支持されており、その周面には、接触する記憶装置7の側面が軸方向に滑らないようにするために、滑り止め面となっている。この滑り止め面の具体的な例としては、ウレタンなどのスポンジ素材、シリコンゴム等の軟質樹脂、その他軟質材料が外周面に被覆されたもの、或いは、軟質でない材料であっても、表面に凹凸を設けて、摩擦係数を大きくしたもの、などが挙げられる。
【0022】
この案内ローラ33、34の外周面は、第2案内部材32の案内面321aよりも上側に(保持される記憶装置側に)若干突出して、記憶装置7の筐体側面に接触できるように構成されており、ローラの表面を滑り止め面とすることで、保持された記憶装置7が、ローラ33、34の軸方向に滑らないように構成されている。
案内ローラ33、34の回動軸は、記憶装置7の接続方向に対して直交する方向に配置されているので、記憶装置7を接続方向に脱着移動させる場合には、ローラ自体が回動するので、滑らかに移動を案内することができる。
【0023】
第1の案内部材31と第2の案内部材32は、表面が平滑面で、かつ表面が滑りやすい材料、例えばプラスチック樹脂で構成されている。第2の案内部材32は、記憶装置7の接続方向に沿って溝321が形成され、この溝幅Wは、この接続装置1が接続可能とする記憶装置7の内、最も大きな記憶装置の厚さと同じ幅となっている。この実施形態では、3.5インチハードディスクドライブ装置の厚さとなっており、3.5インチハードディスクドライブ装置を立てた状態で溝321内に端部が収まる構成となっている。
【0024】
第1の案内部材31の表面と、第2の案内部材32の案内面321aとが直交するように構成されており、第1の案内部材31の表面でX軸方向(図1)、第2の案内部材32の案内面321aでZ軸方向(図1)の位置がそれぞれ位置決めされ、これらの案内面に沿って、Y軸方向(図1)に記憶装置7を正確に移動させることができる。また、直交する2面で位置決めと案内をするので、対象とする記憶装置の大きさを幅広く設定できる。
【0025】
上板22の先端辺に形成させたフランジ部221と基板21との間には、揺動軸410が架設され、この揺動軸410には、揺動部材41が揺動自在に支持されている。板状の揺動部材41は、両側端において、下側(記憶装置7側)に折り曲げられたフランジ部411a、411b、411cを有し、そのフランジ部411aと、フランジ部411b、411cの間には、平滑面421を有する第3の案内部材42が収容されている。フランジ部411bは、揺動部材41の揺動基端側(揺動軸側)に設けられ、フランジ部411cは、揺動先端側に設けられている。
【0026】
第3の案内部材42は、第1及び第2の案内部材31、32と同じ材料で構成されている。また、揺動部材41の揺動端部43には、フランジ部411a、411bの間に、架設された回動軸441によって、付勢ローラ44が回動自在に支持されている。付勢ローラ44の周面は、ローラ33、34と同様の滑り止め面となっている。
揺動部材41は、図3に示されているように、記憶装置7が装着されていない状態では、上板22から離れて下側に垂れ下がった状態となっており、この状態で、記憶装置7が接続部5へ向けて挿入されると、最初に第3の案内部材42の平滑面421が、記憶装置7の角部に当接し、記憶部材7を第2の案内部材32の方向へ付勢する。さらに記憶装置7を押し込むと、記憶装置7は、揺動部材41を押し上げつつ前進し、記憶装置7の角部が第3の案内部材42の揺動端まで到達すると、揺動端部43のローラ44が記憶装置7の側面74に転接するように構成されている。ローラ44は、ローラ33の回動軸が含まれる鉛直平面と、ローラ34の回動軸が含まれる鉛直平面との、2つの鉛直平面の間で移動し、常に2つの鉛直平面の間に位置するように構成されている。これにより、3つのローラ33、34、44の位置が3角形の頂点位置となり、より安定的に記憶装置7を保持できるように構成されている。
【0027】
図4に示されているように、本体2において、収容空間の外側には、基板21に沿って離脱操作部6と、付勢部4が有する付勢部材45が設けられている。付勢部材45は、揺動端部43側のフランジ部411cに設けられた、スプリング係止部材としてのビス412に一端が、基板21の下部に設けられた、スプリング係止部材としてのビス211に他端が接続された、引張りスプリングにより構成されている。この付勢部材45によって、揺動端部43は常時下方へ付勢されている。つまり、保持されている記憶装置7を第2の案内部材32の方向へ常時付勢している。
【0028】
離脱操作部6は、解除操作部材61と、操作伝達部材62と、解除部材63とを有している。解除操作部材61は、記憶装置7を接続部に接続する方向に沿って配置されている。詳しくは、記憶装置7を第1及び第2の案内部材31、32に沿って押し込む方向に対して平行に配置され、解除操作部材61の解除操作方向と、記憶装置7を装着及び取り外す方向とが平行となるように構成されている。
【0029】
解除操作部材61は、真っ直ぐな棒状に構成され、両端の円筒状部61Sa、61Sbと、円筒状部61Sa、61Sbの間に設けられた角筒状部61Na、61Nbとを有している。両端の円筒状部61Sa、61Sbは、解除操作部材61は、基板21に設けられた取付部24、25の間に架設されている。円筒状部61Saは、取付部25に形成された挿通孔251内を挿通し、61Sbは、取付部24に形成された挿通孔241内を挿通し、それぞれスライド自在となっている。そして、角筒状部61Na、61Nbの断面において、最も幅の広い部分は、挿通孔241、251の内径よりも大きく形成されており、取付部24、25の間に角筒状部61Na、61Nbが位置することから、解除操作部材61が挿通孔241、251から抜け落ちない構成となっており、かつ所定範囲で軸方向にスライド自在に構成されている。
【0030】
円筒状部61Sの外周にスプリング612が外装され、円筒状部61Sの先端には、スプリング受け部611が接続されている。スプリング612の一端は、スプリング受け部611に、他端は取付部25に対向しており、スプリング受け部611を、記憶部材7の接続方向に押し込むと、スプリング612がスプリング受け部611と取付部25の間で圧縮されて、解除操作部材61を元の位置へ復帰するように作用する。
【0031】
角筒状部61Nbの先端には、細径の連結挿入部61Nb1が設けられ、角筒状部61Naの基端に形成された連結穴(図示外)に嵌入又は螺入される。連結挿入部61Nb1の径は、連結部材64の連結部640に形成された連結孔64hの径と同じ径に形成され、この連結孔64hを挿通した連結挿入部61Nb1が角筒状部61Naの連結穴に接続固定される。これにより、連結部640が、角筒状部61Naと角筒状部61Nbとの間に挟まれて、解除操作部材61に固定される。つまり、連結部材64は、解除操作部材61の軸方向移動と一体として移動する。
【0032】
また、連結部材64は、ビス642によって操作伝達部材62の一端部(操作側端)に、回動自在に接続されている。連結部材61に形成された、ビス642の挿通孔641は、解除操作部材61の軸方向に対して直交する方向が長軸となる、長穴となっており、ビス642の上下方向の移動が許容できるように構成されている。
操作伝達部材62は、長尺の板状体であって、中央部において、基板21側に揺動自在に支持されている。操作伝達部材62の他端部(解除作用側端)には、解除部材63が固定されている。解除部材63は、操作伝達部材62から、基板21に形成された長孔631を介して、記憶装置7の収容空間側に突出している。操作伝達部材62は、ビス621を中心として揺動し、解除操作部材61が、記憶装置7の接続方向に押し込まれると、連結部材64を介して、(図4において、)右回転方向に揺動し、解除部材62を右方向に移動させる。この解除部材62の移動によって、接続部5に接続されている記憶装置7は、接続部5から離脱する方向に押し出され、接続部5との接続が解除される。
【0033】
接続部5は、接続基台51と、接続基台51に取り付けられた接続コネクタ53とを有している。接続基台51は、基板側接続部511と、基板側接続部511に対して直角に屈曲したコネクタ取付部512とを有している。基板側接続部511は、基板21の取付部24に固定されるビス等の固定具52a、52bを介して、基板21側に取り付けられている。基板側接続部511には、前記固定具52a、52bが挿通する孔である挿通部511a、511bが形成されている。
【0034】
挿通部511a、511bの孔径は、固定具52a、52bの横断径よりも若干大きく構成されており、固定具52a、52bは、挿通部511a、511bとの間に遊びが生じている状態で、接続基台51を支持している。そして、固定具52a、52bと挿通部511a、511bとの間に設けられた遊びによって、ZX平面内で、コネクタ53が微小距離移動可能となっている。このように支持することで、コネクタ53の接続側端530を、記憶装置7の接続端子に接続する際に、接続基台51に取り付けられているコネクタ53を、相互の位置の間に存在する微妙な隔たりを、遊びが吸収して(ZX平面内で、コネクタ53が微小距離移動して)、容易に接続することが可能となる。
【0035】
コネクタ取付部512にはコネクタ53が固定される。コネクタ53は、記憶装置7を制御する制御装置に電気的に接続されている。コネクタ53の接続側端530は、記憶装置7の接続口72内に挿入され、電気的に接続される。接続側端530の両端部531a、531bの先端は、先端に向けて断面積が漸減するように構成された傾斜面532a、532bが設けられており、この傾斜面と接続口の開口端とが接触して、コネクタ53の位置が接続口に対して適切な位置となるように、コネクタ53(接続基台51)の位置を微調整する。
【0036】
なお、挿通部511a、511bの内壁と固定具52a、52bとの間には、円筒状の滑り部材522a、522bが介挿されており、更に挿通部511a、511bと、固定具52a、52bのヘッドとの間には、挿通部511a、511bよりも十分大きなワッシャ521a、521bが介挿されているので、基板21と接続基台51との間の滑りを良好とし、接続時のコネクタ53側の位置調整が円滑にできるように構成されている。部材522a、522bは、円筒状又は環状の弾性材料で構成されていてもよい。部材522a、522bの弾性変形によって、接続基台51の微移動を許容する構成とできる。また、弾性材料で構成することによって、接続基台51の接続方向(Y軸方向)の移動も可能とできる。
このように、部材522a、522bを弾性材料で構成すると、接続基台51がZX平面内で移動しつつ、かつY軸方向にも移動できるので、コネクタ53の接続側端530と記憶装置7の接続口72とを接続する際、接続基台51が適正な接続位置に移動し易くなり、より滑らかな接続をすることができる。
【0037】
図6は、3.5インチハードディスクドライブ装置8を装填する際の状態を示す全体側面図である。2.5インチハードディスクドライブ装置7よりも幅の広い筐体においては、揺動部材41の揺動端部43が、上板22の近くまで移動することによって、サイズの大きな記憶装置についても保持することができ、接続端子の接続口82をコネクタ53に接続することが可能となる。
【0038】
以上のよう構成において、図1及び図7に示されているように、接続装置1内に接続保持されている記憶装置7を、接続装置1から取り外す場合には、右手の親指の先端を、解除操作部材61のスプリング受け部611に当て、同時に、右手の人差し指から小指までを、記憶装置7の上面73aに添わせる。そして、親指を記憶装置7の接続方向(図7において、矢印Aの方向)、つまり解除操作部材61の軸方向に押し込むと、操作伝達部材62が右に回動(図7において、矢印Bの方向)して、解除部材63を接続離脱方向に動かし、記憶装置7を接続部5から離脱させる。このような操作によって、記憶装置7が接続装置1から後ろに下がると(図7において矢印Aの方向に移動)、解除操作した親指と、その他の人差し指から小指までの指との間に、離脱した記憶装置7が収まり、親指で記憶装置7の底面73bを、人差し指から小指までの指で記憶装置7の上面73aを挟んで、容易かつ迅速に記憶装置7を取り出すことができる。
【0039】
図8に示されているように、第3の案内部材42とローラ44の配置関係は、以下のような関係であるとよい。第2の案内部材32上に記憶装置7を載置して、接続方向(矢印D方向)に移動させ、記憶装置7の角部Kが第3の案内部材42の揺動側端に到達した位置において、平滑面421の揺動端方向への延長線L2と、記憶装置7の側面74の接続方向への延長線L1とによって画成された3角形領域の内側に、ローラ44の外周端が位置するように、配置されている。
【0040】
この様な位置関係とすることによって、記憶装置7の角部Kが平滑面42からローラ44へと滑らかに移動できる。ローラ44の外周が延長線L1よりも上方に位置していると、ローラ44が側面74に接触できず、記憶装置7を十分に保持することができない。ローラ44の外周が延長線L2よりも下方に突出した位置にあると、記憶装置7の角部Kの進行方向と、角部Kがローラ44外周面に接触する点とローラ中心とを結ぶ線との成す角が鈍角となり、ローラ44を側面74に乗り上げるために、接続方向に押し込む力がより多く必要となる。このため、記憶装置7の角部Kは、平滑面421との接触状態からローラ44との転接状態へ滑らかに移動できない。
【符号の説明】
【0041】
1 記憶装置の接続装置
2 本体
21 基板
22 上板
23 底板
24、25 取付部
27 カバー板
3 ガイド部
31 第1の案内部
32 第2の案内部
33、34 ローラ
4 付勢部
41 揺動部材
44 ローラ
45 付勢部材
5 接続部
6 離脱操作部
7、8 記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8