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特開2024-163977ハイパワースイッチ回路用の三次元グラフェンネットワーク電極
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163977
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】ハイパワースイッチ回路用の三次元グラフェンネットワーク電極
(51)【国際特許分類】
   H01T 15/00 20060101AFI20241119BHJP
   B63G 8/38 20060101ALN20241119BHJP
   B64G 1/66 20060101ALN20241119BHJP
【FI】
H01T15/00
B63G8/38
B64G1/66 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024032077
(22)【出願日】2024-03-04
(31)【優先権主張番号】18/179,129
(32)【優先日】2023-03-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLU―RAY DISC
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ハウ, ウェイン アール.
(72)【発明者】
【氏名】ハント, ジェフリー エイチ.
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カソードとアノードを含むハイパワースイッチ回路を提供する。
【解決手段】カソード304とアノード302のうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む。ハイパワースイッチ回路300は、カソード304とアノード302を分離する間隙306、カソード304とアノード302に電気的に接続されたハイパワー電圧源308、及びカソード304とアノード302との間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを更に含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カソード(302、404)とアノード(304、406)であって、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)のうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、カソード(302、404)とアノード(304、406)、
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)を分離する間隙(306、408)、
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)に電気的に接続されたハイパワー電圧源(308、410)、及び
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを含む、ハイパワースイッチ回路(300、400)。
【請求項2】
前記トリガデバイスは、パルスレーザー(310)を含む、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項3】
前記トリガデバイスは、トリガ電圧源(402)を含む、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項4】
前記トリガデバイスは、マイクロ波周波数でトリガするように構成されている、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項5】
前記トリガデバイスは、高周波でトリガするように構成されている、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項6】
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)の両方は、前記三次元グラフェンネットワークを含む、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項7】
前記間隙(306、408)は、ホールドオフガスを含む、請求項6に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項8】
前記トリガデバイスは、レーダー周波数でトリガするように構成されている、請求項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【請求項9】
ハイパワースイッチ回路(300、400)を含む機械(100、200)であって、前記ハイパワースイッチ回路(300、400)は、
カソード(302、404)とアノード(304、406)であって、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)のうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、カソード(302、404)とアノード(304、406)、
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)を分離する間隙(306、408)、
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)に電気的に接続されたハイパワー電圧源(308、410)、及び
前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを含む、機械(100、200)。
【請求項10】
前記機械(100、200)は、通信送信機(102、202)を含む、請求項9に記載の機械。
【請求項11】
前記通信送信機(102、202)は、高周波送信機として構成されている、請求項10に記載の機械。
【請求項12】
前記通信送信機(102、202)は、マイクロ波送信機として構成されている、請求項10に記載の機械。
【請求項13】
前記機械(100、200)は、センシングデバイス(104)を含む、請求項9に記載の機械。
【請求項14】
前記機械(100、200)は、宇宙環境、近宇宙環境、航空環境、陸上環境、又は海中環境のうちの1以上において使用されるように構成されている、請求項9に記載の機械。
【請求項15】
ハイパワースイッチ回路(300、400)を動作させるための方法(500)であって、
前記ハイパワースイッチ回路(300、400)のカソード(302、404)とアノード(304、406)との間にハイパワー電圧源(308、410)を適用すること(502)であって、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)のうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、ハイパワー電圧源(308、410)を適用すること(502)、及び
トリガデバイスからの信号を使用して、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間の電流をトリガすること(504)を含む、方法。
【請求項16】
前記電流をトリガすること(504)は、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間の間隙(306、408)の絶縁破壊状態を誘起するためにレーザーをパルス化すること(506)を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記電流をトリガすること(504)は、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間の間隙(306、408)の絶縁破壊状態に到達するために、前記カソード(302、404)と前記アノード(304、406)との間にトリガ電圧源(402)を適用すること(508)を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
トリガされた前記電流に基づいて、電磁波を送信すること(510)を更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記電磁波を送信すること(510)は、高周波で送信すること(512)を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記電磁波を送信すること(510)は、マイクロ波周波数で送信すること(514)を含む、請求項18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 開示される実施例は、ハイパワースイッチ回路及びハイパワースイッチ回路を利用する機械に関する。開示される実施例は、陸上環境、航空環境、宇宙環境、近宇宙環境、及び/又は海中環境におけるハイパワー電磁用途に使用され得る。例示的なハイパワー電磁用途は、スイッチ素子の劣化を最小限に抑えた通信、電極、及びセンシングなどを含む。
【背景技術】
【0002】
[0002] 電磁用途のための電気システムは、高電圧を周期的又は非周期的に切り替えるために、ハイパワースイッチを採用し得る。例えば、ハイパワーマイクロ波アンテナや高周波アンテナは、長距離送信用の信号を生成するために、ハイパワースイッチを使用し得る。このような用途では、立ち上がり時間や立ち下がり時間が速いハイパワースイッチが所望される。というのも、立ち上がり時間や立ち下がり時間が遅いと、使用可能な切り替え周波数が低下し得るからである。更に、立ち上がり時間や立ち下がり時間が遅いと、ハイパワースイッチによって発生する電磁波の使用可能な帯域幅も狭くなり得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003] 開示される一実施例は、カソードとアノードを含むハイパワースイッチ回路を提供する。カソードとアノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む。ハイパワースイッチ回路は、カソードとアノードを分離する間隙、カソードとアノードに電気的に接続されたハイパワー電圧源、及びカソードとアノードとの間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを更に含む。
【0004】
[0004] 別の開示される一実施例は、ハイパワースイッチ回路を含む機械を提供する。ハイパワースイッチ回路は、カソードとアノードを含む。カソードとアノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む。ハイパワースイッチ回路は、カソードとアノードを分離する間隙、カソードとアノードに電気的に接続されたハイパワー電圧源、及びカソードとアノードとの間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを更に含む。
【0005】
[0005] 別の開示される一実施例は、ハイパワースイッチ回路を動作させるための方法を提供する。該方法は、ハイパワースイッチ回路のカソードとアノードとの間に高電圧電源を適用することを含む。カソードとアノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む。該方法は、トリガデバイスからの信号を使用して、カソードとアノードとの間の電流をトリガすることを更に含む。
【0006】
[0006] この概要は、以下の詳細な説明で更に説明される単純化された形態を採る概念のうちの選ばれたものを導入するために提供されている。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものではなく、特許請求される主題の範囲を限定することを意図するものでもない。更に、特許請求される主題は、本開示のいずれかの部分において記述される任意の又は全ての欠点を解決する複数の実施態様に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007] 宇宙環境において動作する例示的な機械を示す。
図2】[0008] 海中環境において動作する例示的な機械を示す。
図3】[0009] 図1及び図2の機械において使用される例示的なハイパワースイッチ回路を概略的に示す。
図4】[0010] 図1及び図2の機械において使用される別の例示的なハイパワースイッチ回路を概略的に示す。
図5】[0011] ハイパワースイッチ回路を動作させるための例示的な方法のフロー図を示す。
図6】[0012] 例示的なコンピューティングシステムのブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0013] 前述されたように、周波数で高電圧を切り替える電磁用途では、立ち上がり時間と立ち下がり時間が速いハイパワースイッチが所望され得る。立ち上がり時間と立ち下がり時間が速いと、立ち上がり時間と立ち下がり時間が遅い場合に比べて、ハイパワースイッチを含む切り替えデバイスの動作周波数及び/又は帯域幅が広くなる。本明細書で使用されるときに、「立ち上がり時間」は、概して、電圧がより低い特定の値からより高い特定の値まで上昇する時間を表す。立ち上がり時間が短いほど高速であると考えられるため、より高い周波数では望ましい。
【0009】
[0014] しかし、現在利用可能な高電圧スイッチは、煩雑で信頼性が低い場合がある。現在入手可能なハイパワースイッチのひとつに、クライトロンスイッチがある。クライトロンスイッチは、間隙によって分離された2つの電極を含む。クライトロンスイッチは、キロボルトレベルへの電圧の速い立ち上がり時間を可能にするために、電極同士の間に小さなプラズマのプールを維持するように構成されたアルファ粒子放出放射性物質を更に含む。クライトロンスイッチのガス管から放射線が出ることはないが、放射性物質は特別な取り扱いを必要とする。更に、クライトロンスイッチのガス管は、内部が複雑になっている。内部が複雑なため、クライトロンスイッチは製造コストが高くなり、及び/又は大規模生産が困難になり得る。
【0010】
[0015] 別の現在入手可能なハイパワースイッチは、火花間隙スイッチである。火花間隙スイッチは、間隙によって分離された2つの導電性電極を含む。間隙の絶縁破壊条件が満たされると、火花が間隙内に生成され、電極間に電流が流れることをトリガする。火花間隙スイッチの間隙の間の距離は、所望の切り替え時間に到達する前に自発的絶縁破壊が生じることを防止するように選択される。しかし、火花サイクルの間に間隙内に電荷が蓄積すると、不必要なキャパシタンス及び/又はインダクタンスが発生し得る。キャパシタンス及び/又はインダクタンスは、火花間隙スイッチの切り替え時間を制限し得る。このような切り替え時間は、マイクロ秒又はミリ秒の立ち上がり時間を含み得る。これは、特定の電磁用途には遅過ぎる。更に、火花間隙スイッチは、大きくなる可能性があり、電気切り替え特性に関連したかなりのジッターを伴い得る。ジッターは、概して、典型的には、時間領域において推定される周期的な信号の真の周期性からの逸脱を表す。ハイパワースイッチの大きなジッターは、切り替え周波数を低下させ及び/又は帯域幅に影響を与え得る。
【0011】
[0016] 火花間隙スイッチの2つの導電性電極の間の前述されたアーク放電は、電極スパッタリングにより、一方の電極から他方の電極への金属堆積を更にもたらし得る。そのような金属堆積は、導電性電極したがって火花間隙スイッチの使用可能寿命を短くし得る。しかし、火花間隙スイッチを遠隔環境で交換するのは、困難で高価であり得る。遠隔環境の例としては、宇宙環境、近宇宙環境、及び海中環境が挙げられる。そのような場所で、部品を配送したり及び/又は保守を実行したりすることは、困難又は不可能であり得る。
【0012】
[0017] 火花間隙スイッチの使用可能寿命を延ばすための1つの可能な解決策は、導電性電極をグラフェンで被覆することである。しかし、被覆されたグラフェンは、電極から剥離し、脱落し得る。更に、切り替え周波数が高くなると、電極が加熱し、被覆されたグラフェンの剥離速度が増加し得る。
【0013】
[0018] したがって、ハイパワースイッチ回路の電極のための材料として三次元グラフェンネットワークを使用することに関する複数の実施例が開示される。簡単に説明すると、ハイパワースイッチ回路は、カソード、アノード、及びカソードとアノードを分離する間隙を含む。カソードとアノードのうちの一方又は両方は、三次元グラフェンネットワークを含む。三次元グラフェンネットワークは、グラファイトの層構造とは異なる構造である。例えば、グラファイトは、複数のグラフェンシートであって、各々が弱いファンデルワールス力によって隣接するグラフェンシートに結合された複数のグラフェンシートから形成される。個々のグラフェンシートであって、各々が長距離非局在sp2π軌道結合によって特徴付けられる炭素環のネットワークを含む個々のグラフェンシートは、高い機械的強度を有する。しかし、グラファイトは、ファンデルワールス結合によって、各グラフェンシートの平面に垂直な方向には弱く結合している。したがって、複数のシートは、互いから容易に分離され得る。このため、ハイパワースイッチの周期的な切り替えによって損傷を受ける可能性がある。
【0014】
[0019] 対称的に、三次元グラフェンネットワークは、平面的なシートとは異なる方向に、炭素環の非局在π結合を含む。三次元グラフェンネットワークは、例えば、多孔質の三次元テンプレートの上にグラフェン層を化学気相成長させ、その後、テンプレート材料を除去することによって形成され得る。結果として生じる三次元グラフェンネットワークは、グラファイトの弱い結合の層状構造を示さない。したがって、三次元グラフェンネットワークを含む電極は、層状のグラファイトと比較して、剥離による故障により強くなり得る。同様に、三次元グラフェンネットワークから形成された電極は、金属基材を被覆したグラフェンの層よりも強くなり得る。というのも、このようなグラフェン層は、例えば、ハイパワースイッチのサイクルによってもたらされる熱応力に起因して金属基材から剥離し得るからである。
【0015】
[0020] 三次元グラフェンネットワークから形成された電極は、非局在sp2π軌道結合を持つ炭素環の三次元ネットワークにより、金属電極よりも高い機械的強度を有し得る。更に、グラフェンは、高度に導電性でもあり、したがって、スイッチの電極同士の間のアーク放電及び電流の流れをサポートし得る。更に、グラフェンは、金属よりも自由電子の数が少ない。これにより、三次元グラフェンネットワークから形成されたカソードとアノードとの間の間隙の距離を短くすることができると同時に、通常のスイッチ絶縁破壊条件から外れた自発的絶縁破壊を抑えることができる。間隙の距離を短くすることによって、金属電極を有する火花間隙スイッチにわたる立ち上がり時間とジッターを小さくすることができる。したがって、三次元グラフェンネットワークを含む電極の使用により、カソード及び/又はアノード(及びしたがってハイパワースイッチ回路)の使用可能寿命を、グラフェンの層が被覆された金属電極よりも長くすることが可能にしながら、立ち上がり時間及びジッターを小さくするのに役立つ。
【0016】
[0021] 開示される例示的なハイパワースイッチ回路は、カソードとアノードと電気的に接続されたハイパワー電圧源を更に含む。トリガデバイスが、カソードとアノードとの間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されている。以下でより詳細に説明されるように、トリガデバイスは、電流をトリガするために、カソードとアノードとの間の間隙の絶縁破壊条件を満たすために使用される。概して、絶縁破壊状態を除去することによって、カソードとアノードとの間の電流を素早く停止させることができるので、電流の立ち下がり時間は速くなる傾向がある。
【0017】
[0022] 開示される実施例のハイパワースイッチ回路を詳細に説明する前に、図1は、ハイパワースイッチ回路を使用する例示的な機械100を示す。機械100は、宇宙環境における様々な電磁用途を実行するように構成された人工衛星の形態で示されている。機械100は、通信送信機102を含む。本明細書で、通信送信機102は、地上基地局106との通信を生成するために、ハイパワースイッチ回路を使用する。ハイパワー電磁波を生成することによって、通信送信機102は、より低い電力の送信機システムよりも長い距離にわたり、生成された電磁波を送信することができる。通信は、キャリア信号及び/又はメッセージ信号を含み得る。ハイパワースイッチ回路の複数の実施例が、図3及び図4を参照しながら以下で説明される。通信送信機102は、高周波送信機及び/又はマイクロ波送信機として構成され得る。他の複数の実施例では、通信送信機102が、別の適切な周波数で送信し得る。
【0018】
[0023] 機械100は、アクティブセンシングデバイスとして構成されたセンシングデバイス104を更に含む。描写されている一実施例では、センシングデバイス104が、電磁波を送信し、雲108から反射された電磁波を受信する。このような構成は、センシングデバイス104が、反射された電磁波に基づいて、雲108に関連するデータを特定するの役立つ。他の複数の実施例では、センシングデバイス104は、他の適切なエンティティに関連するデータを特定するために、別の適切なやり方で構成され得る。通信送信機102と同様に、センシングデバイス104は、電磁波を生成するためのハイパワースイッチ回路を含む。他の複数の実施例では、機械100が、ハイパワー長距離レーダーなどの別の適切なハイパワー切り替え用途のためのハイパワースイッチ回路を使用し得る。
【0019】
[0024] 機械100は、宇宙環境において動作するように構成されているので、機械100の保守は、困難であり高価であり得る。したがって、ハイパワースイッチ回路のより長い使用可能寿命が所望される。上述されたように、ハイパワースイッチ回路の電極用に三次元グラフェンネットワークを使用することにより、グラフェンで被覆された金属電極よりもハイパワースイッチ回路の使用可能寿命を延ばすことができる。図1は例示的なものである。他の複数の実施例では、機械100は、宇宙環境、近宇宙環境、航空環境、陸上環境、又は有意な高度及び/若しくは高さを有する別の適切な環境において使用される他の適切な複数の形態を採り得る。他の適切な複数の形態の例としては、飛行船、ドローン、他の適切な無人航空機、及び山頂デバイスが挙げられる。更なる複数の実施例では、機械100が、通信送信機102又はセンシングデバイス104を省略し得る。更に他の複数の実施例では、機械100が、地上又はその近傍に配置された第2の機械と通信し得る。第2の機械は、通信送信機、レーダー送信機、及びセンシングデバイスのうちの1以上を含み得る。このような複数の実施例では、第2の機械が、第2の機械から機械100への方向において及び/又は他の地上基地局と、通信したり又はリモートセンシングを実行したりし得る。
【0020】
[0025] 地表又は海中環境において機械が動作することも、ハイパワースイッチ回路の使用可能寿命の延長から利益を受け得る。図2は、潜水艦の形態を採る例示的な機械200を示す。図示されているように、機械200は、装備の修理が困難及び/又は高価であり得る海中環境において動作する。機械200は、通信送信機202を含む。本明細書で、通信送信機202は、通信ブイ204と通信する。通信送信機102と同様に、通信送信機202は、通信を行うためにハイパワースイッチ回路を使用する。通信は、高周波、マイクロ波周波数、レーダー周波数、及び/又は別の適切な周波数を含み得る。機械200は、潜水艦の形態を採るように描写されているが、他の複数の実施例では、機械200が、遠隔動作又は自律動作する有人又は無人のビークルとして構成された潜水艦又は潜水艇の他の適切な形態であり得る。更なる複数の実施例では、機械200が、水面で第2の機械と通信し得る。第2の機械は、通信送信機、レーダー送信機、及びセンシングデバイスのうちの1以上を含み得る。幾つかのこのような実施例では、第2の機械が、第2の機械よりも高い高度に配置された第3の機械と通信するように更に構成され得る。
【0021】
[0026] 図1及び図2は、高周波数の電磁波を生成するためにハイパワースイッチ回路を使用するが、本明細書で開示されるハイパワースイッチ回路は、以下のためにも使用され得ることが当業者には自明である。すなわち、例えば、ハイパワー送信ラインなどの通信又はセンシングに使用されない非高周波回路の電力制御用の標準的なハイパワー低周波数(例えば、60ヘルツ)又は直流(DC)ハイパワー回路を制御することである。
【0022】
[0027] 図1及び図2の複数の実施例は、電磁波を生成するためにハイパワースイッチ回路を使用する。図3は、例示的なハイパワースイッチ回路300を概略的に示す。ハイパワースイッチ回路300は、例えば、通信送信機102、センシングデバイス104、及び通信送信機202において使用され得る。ハイパワースイッチ回路300は、カソード302、アノード304、及びカソード302とアノード304を分離する間隙306を含む。本明細書では、カソード302とアノード304の両方が、三次元グラフェンネットワークを含む。上述されたように、三次元グラフェンネットワークは、グラフェンで被覆された金属電極よりもカソード302とアノード304の寿命を延ばし、劣化を抑えるのに役立ち得る。更に、三次元グラフェンネットワークは、カソード302とアノード304との間の距離を縮めるのに役立ち得る。このような構成により、グラフェンで被覆された金属電極を有する火花間隙スイッチよりも立ち上がり時間及びジッターの大きさを小さくすることができる。他の複数の実施例では、カソード302又はアノード304のいずれかが、三次元グラフェンネットワークを含み得る。
【0023】
[0028] ハイパワースイッチ回路300は、カソード302とアノード304とに電気的に接続されたハイパワー電圧源308を更に含む。ハイパワー電圧源308は、間隙306の絶縁破壊電圧の下で、5から20ボルトのオーダーになるように構成されている。幾つかの実施例では、ハイパワー電圧源308が、数百ボルトから数千ボルトの範囲の電圧を含み得る。ハイパワースイッチ回路300は、トリガデバイスとしてパルスレーザー310を更に含む。トリガデバイスは、カソード302とアノード304との間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されている。より具体的には、パルスレーザー310からのレーザー光312が、カソード302及び/又はアノード304内の電子を伝導帯に励起する。十分な数の電子が伝導帯に励起されて、ハイパワー電圧源308の存在下で電子の局所的なプールを生成すると、電子の局所的なプールは、間隙306を介して電流を駆動し得る。そのようなやり方で、パルスレーザー310は、カソード302とアノード304との間の絶縁破壊を光学的に誘起し得る。幾つかの実施例では、パルスレーザー310が、平方センチメートル当たりキロワットのオーダーの高いピーク強度を含み得る。光学的な破壊は、間隙306の絶縁破壊電圧に到達するまで電圧を上昇させるよりも、立ち上がり時間を短くすることができる。したがって、パルスレーザー310は、電流をトリガするための時間を短縮するのに役立ち得る。更に、レーザー光312がオフにされると、電流をトリガする電子が励起されなくなる。このようなやり方で、電流の立ち下がり時間は十分である。
【0024】
[0029] コントローラ314が、電流のトリガを選択的に制御するために、パルスレーザー310を動作させるように構成されている。コントローラ314及びパルスレーザー310は、マイクロ波周波数、高周波、又は別の適切な周波数で、周期的又は非周期的に電流をトリガするように構成され得る。このような構成は、送信機が、ハイパワースイッチ回路300を使用して、マイクロ波及び/又は高周波の電磁波を生成するのに役立ち得る。他の複数の実施例では、コントローラ314が省略され得る。このような複数の実施例では、ハイパワースイッチ回路300が、パルスレーザー310の選択的な制御を示す入力を受け取るように構成されている。
【0025】
[0030] ハイパワースイッチ回路300は、ホールドオフガスを保持する任意選択的なチューブ316を更に含む。間隙306内のホールドオフガスは、所望の工学的な時間の前に、間隙306内に自発的絶縁破壊が生じることを減らすのに役立つ。更に、ホールドオフガスはまた、間隙306の距離を更に短くするのにも役立ち得る。幾つかの実施例では、間隙306が、端点を含んで5ミクロンから5mmの範囲の距離を有し得る。他の複数の実施例では、間隙306が、この範囲の外側の距離を有し得る。幾つかの実施例では、ホールドオフガスが、フッ化キセノンを含み得る。他の複数の実施例では、別の適切なガスが使用され得る。他の複数の実施例では、間隙306が、低減された圧力環境を含み得る。
【0026】
[0031] 間隙306の距離を選択することにより、様々な要因をバランスさせることができる。例えば、ハイパワー電圧源308の電圧が比較的高い場合、比較的広い間隙が使用され得る。他の要因は、チューブ316内のホールドオフガスを選択すること、及びカソード302とアノード304の形状を選択することを含む。例えば、カソード302及び/又はアノード304の尖った先端は、より高い局所的な電界を有することになる。したがって、比較的尖っていない電極におけるよりも比較的尖っている電極において、より広い間隙306が使用され得る。
【0027】
[0032] このようなやり方で、ハイパワースイッチ回路300は、速い立ち上がり時間及び小さいジッターを有しながら、ハイパワースイッチ回路300の使用可能寿命を延ばすのに役立ち得る。幾つかの実施例では、速い立ち上がり時間が、数ナノ秒以下のオーダーであり得る。図3は例示的なものである。他の複数の実施例では、カソード302とアノード304の一方又は両方が、異なる形状を採り得る。複数の例には、丸められた端部、平面的な端部、及び/又は他の適切な形状を有する電極が含まれる。
【0028】
[0033] 図3の一実施例は、トリガデバイスとしてパルスレーザーを利用する。他の複数の実施例では、トリガデバイスが、トリガ電圧源を含み得る。図4は、トリガ電圧源402を有する例示的なハイパワースイッチ回路400を概略的に示す。ハイパワースイッチ回路300と同様に、ハイパワースイッチ回路400は、カソード404、アノード406、間隙408、及びハイパワー電圧源410を含む。対照的に、ハイパワースイッチ回路400は、トリガデバイスとしてトリガ電圧源402を使用する。トリガ電圧源402は、カソード404とアノード406との間の絶縁破壊を制御可能にトリガするために、ハイパワー電圧源410の電圧に十分な電圧を選択的に追加するように構成されている。特に、コントローラ412が、トリガ電圧源402の切り替えを選択的に制御する。トリガ電圧源402のオン状態への切り替えは、ハイパワー電圧源410の電圧と直列にトリガ電圧源402の電圧を印加する。トリガ電圧源402とハイパワー電圧源410からの組み合わされた電圧は、間隙408にわたる電圧を増加させる。それによって、間隙408の絶縁破壊条件が満たされる。絶縁破壊条件が満たされると、カソード404とアノード406との間に電気的なアークが発生し、電流の流れがトリガされる。トリガ電圧源402は、ハイパワー電圧源410の電圧よりもかなり低い。幾つかの実施例では、トリガ電圧源402が、5ボルト、10ボルト、又は20ボルトの電圧を有する。一方で、ハイパワー電圧源410は、数百から数千ボルトのオーダーの電圧を有する。より小さい電圧は、より大きい電圧よりも速い立ち上がり時間を有するので、トリガ電圧源402の立ち下がり時間は、同様な開始電圧レベルからのハイパワー電圧源410の立ち下がり時間よりも速くなり得る。したがって、トリガ電圧源402の使用は、より速い電流の立ち上がり時間を可能にするのに役立つ。図4は例示的なものである。他の複数の実施例では、ハイパワースイッチ回路300について上述されたように、カソード404とアノード406の一方又は両方が、異なる形状を採り得る。更なる複数の実施例では、コントローラ412が省略され得る。そのような複数の実施例では、ハイパワースイッチ回路400が、トリガ電圧源402の選択的な制御を示す入力を受け取るように構成され得る。
【0029】
[0034] 図5は、ハイパワースイッチ回路を動作させるための例示的な方法500のフロー図を示す。方法500を使用して、例えば、ハイパワースイッチ回路300又はハイパワースイッチ回路400を動作させることができる。方法500の部分は、コントローラ314、コントローラ412、又は別の適切なコンピューティングシステムによって実行され得る。方法500は、502において、ハイパワースイッチ回路のカソードとアノードとの間にハイパワー電圧源を適用することを含む。様々な実施例では、カソードとアノードのうちの一方又は両方が、三次元グラフェンネットワークを含む。前述されたように、三次元グラフェンネットワークは、ハイパワースイッチ回路の立ち上がり時間とジッターを小さくするのに役立ちながら、被覆された電極を有する火花間隙スイッチよりもハイパワースイッチ回路の使用可能寿命を延ばすことができる。
【0030】
[0035] 方法500は、504において、トリガデバイスからの信号を使用して、カソードとアノードとの間の電流をトリガすることを更に含む。カソードとアノードとの間の間隙を横切る電気的なアークを生成することによって、電流が間隙にわたってトリガされ得る。様々な実施例では、トリガデバイスが、トリガ電圧源、パルスレーザー、又は別の適切なトリガデバイスを含む。
【0031】
[0036] トリガデバイスがパルスレーザーを含む複数の実施例では、電流をトリガすることが、506において図示されているように、カソードとアノードとの間の間隙の絶縁破壊状態を誘起するために、レーザーをパルス化することを含む。前述されたように、電流が流れるのに十分な数の電子がレーザーによって伝導帯に励起されると、絶縁破壊条件が満たされる。幾つかの実施例では、高いピーク強度を有するパルスレーザーを使用して、カソードとアノードとの間の電流をトリガすることができる。高いピークの強度は、平方センチメートル当たりキロワットのオーダーであり得る。
【0032】
[0037] トリガデバイスがトリガ電圧源を含む複数の実施例では、電流をトリガすることが、508において図示されているように、カソードとアノードとの間の間隙の絶縁破壊状態に到達するように、カソードとアノードとの間にトリガ電圧源を適用することを含む。絶縁破壊条件は、カソードとアノードとの間の間隙の絶縁破壊電圧に達するか、又はそれを超えることを含み得る。より具体的には、カソードとアノードとの間にトリガ電圧源の電圧とハイパワー電圧源のより高い電圧とを直列に印加することによって、間隙にわたる電圧が電気的なアークを生成するように増加される。幾つかの実施例では、トリガ電圧源は、端点を含んで5ボルトから20ボルトの範囲内の電圧を提供し得る。他の複数の実施例では、トリガ電圧源が、この範囲の外側の電圧を提供し得る。
【0033】
[0038] 引き続き、幾つかの実施例では、方法500は、510において、トリガされた電流に基づいて、電磁波を送信することを更に含む。幾つかの実施例では、電磁波が通信用に使用され得る。他の複数の実施例では、電磁波が、センシング又は他の適切なハイパワー切り替え用途に使用され得る。電磁波は、512で示されているように高周波、514で示されているようにマイクロ波、又は別の適切な周波数を含み得る。
【0034】
[0039] 本明細書で説明されるような三次元グラフェンネットワークを含む電極を含むハイパワースイッチ回路は、被覆された金属電極を有する火花間隙よりも、ハイパワースイッチ回路の使用可能寿命を延ばすのに役立ち得る。このような使用可能寿命は、保守を行うことが困難及び/又は高価な動作環境においてハイパワースイッチ回路を配備するのに役立ち得る。更に、ハイパワースイッチ回路は、火花間隙スイッチよりも立ち下がり時間が速く、ジッターが小さくなり得る。
【0035】
[0040] 幾つか実施形態では、本明細書で説明される方法及びプロセスが、1以上のコンピューティングデバイスのコンピューティングシステムに結び付けられ得る。特に、そのような方法及びプロセスは、コンピュータアプリケーションプログラム若しくはサービス、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)、ライブラリー、及び/又は他のコンピュータプログラム製品として、上述されたようなハードウェア内に実装され得る。
【0036】
[0041] 図6は、本明細書で説明されるコンピュート機能のいずれかから全てを提供するように構成された、例示的なコンピューティングシステム600の簡略化された表現を概略的に示す。コンピューティングシステム600は、複数の例として、1以上のパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、及び航空機又は他の適切な機械に統合されたコンピュータの形態を採り得る。センシングデバイス104、コントローラ314、及びコントローラ412は、コンピューティングシステム600の複数の例である。更に、通信送信機102及び通信送信機202は、コンピューティングシステム600に動作可能に結合され得る。方法500は、コンピューティングシステム600によって実行され得る。
【0037】
[0042] コンピューティングシステム600は、ロジックサブシステム602及びストレージサブシステム604を含む。コンピューティングシステム600は、任意選択的に、ディスプレイサブシステム606、入力サブシステム608、通信サブシステム610、及び/又は図6で示されていない他のサブシステムを含み得る。
【0038】
[0043] ロジックサブシステム602は、指示命令を実行するように構成された1以上の物理デバイスを含む。例えば、ロジックサブシステムは、指示命令を実行するように構成され得る。該指示命令は、1以上のアプリケーション、サービス、プログラム、ルーチン、ライブラリー、オブジェクト、コンポーネント、データ構造、又は他のロジック構成の一部である。このような指示命令は、作業を実行し、データタイプを実装し、1以上の構成要素の状態を変換し、技術的効果を実現し、又は他の方法で所望の結果に到達するように実装されてよい。
【0039】
[0044] ロジックサブシステム602は、ソフトウェア指示命令を実行するように構成された1以上のハードウェアプロセッサを含み得る。更に又は代替的に、ロジックサブシステム602は、ハードウェア又はファームウェア指示命令を実行するように構成された1以上のハードウェア又はファームウェアデバイスを含み得る。ロジックサブシステム602のプロセッサは、シングルコアであっても、マルチコアであってもよく、プロセッサで実行される指示命令は、シーケンシャル処理、並列処理、及び/又は分散処理されるように構成され得る。ロジックサブシステム602の個々の構成要素は、任意選択的に、2つ以上の別個のデバイスに分散され得る。これらのデバイスは、遠隔に配置され、及び/又は調整された処理のために構成され得る。ロジックサブシステム602の複数の態様は、仮想化され、クラウドコンピューティング構成として構成されたリモートアクセス可能なネットワークコンピューティングデバイスによって実行され得る。
【0040】
[0045] ストレージサブシステム604は、ロジックサブシステム602によって実行可能なデータ及び指示命令などのコンピュータ情報を一時的及び/又は恒久的に保持するように構成された1以上の物理デバイスを含む。ストレージサブシステム604が、2つ以上のデバイスを含むときに、これらのデバイスは、同じ位置に配置され得るか及び/又は遠隔に配置され得る。ストレージサブシステム604は、揮発性デバイス、不揮発性デバイス、動的デバイス、静的デバイス、読み出し/書き込みデバイス、読取り専用デバイス、ランダムアクセスデバイス、シーケンシャルアクセスデバイス、ロケーションアドレス指定可能デバイス、ファイルアドレス指定可能デバイス、及び/又はコンテンツアドレス指定可能デバイスを含み得る。ストレージサブシステム604は、着脱可能及び/又は内臓デバイスを含み得る。ロジックサブシステム602が指示命令を実行すると、ストレージサブシステム604の状態が、例えば、異なるデータを保持するように変換され得る。
【0041】
[0046] ストレージサブシステム604は、着脱可能及び/又は内臓デバイスを含み得る。ストレージサブシステム604は、他のものの中でとりわけ、光メモリ(例えば、CD、DVD、HD-DVD、Blu-Ray Discなど)、半導体メモリ(例えば、RAM、EPROM、EEPROMなど)、及び/又は磁気メモリを含み得る。ストレージサブシステム604は、揮発性デバイス、不揮発性デバイス、動的デバイス、静的デバイス、読み出し/書き込みデバイス、読取り専用デバイス、ランダムアクセスデバイス、シーケンシャルアクセスデバイス、ロケーションアドレス指定可能デバイス、ファイルアドレス指定可能デバイス、及び/又はコンテンツアドレス指定可能デバイスを含み得る。
【0042】
[0047] ロジックサブシステム602とストレージサブシステム604は、1以上のハードウェアロジック構成要素の中に統合され得る。そのようなハードウェアロジック構成要素は、特定プログラム及び用途向け集積回路(PASIC/ASIC)、特定プログラム及び用途向け標準製品(PSSP/ASSP)、システムオンチップ(SOC)、及びコンプレックスプログラマブル論理デバイス(CPLD)を含み得る。
【0043】
[0048] ロジックサブシステム602とストレージサブシステム604は、1以上のロジックマシンをインスタンス化するために協働し得る。本明細書で使用されるときに、「ロジックマシン」は、コンピュータ機能を提供するために協働するハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、指示命令、及び/又は任意の他のコンポーネントの組み合わせを集合的に指す。言い換えると、「ロジックマシン」は、決して抽象的なアイデアではなく、常に具体的な形態を持つ。ロジックマシンは、単一のコンピューティングデバイスによってインスタンス化することができ、又は、ロジックマシンは、2つ以上の異なるコンピューティングデバイスによってインスタンス化された2つ以上のサブコンポーネントを含み得る。幾つかの実施態様では、ロジックマシンが、リモートコンポーネント(例えば、サーバコンピュータのネットワークによって提供されるクラウドコンピューティングサービス)と協働するローカルコンポーネント(例えば、コンピュータプロセッサによって実行されるソフトウェアアプリケーション)を含む。特定のロジックマシンにその機能を与えるソフトウェア及び/又は他の指示命令は、任意選択的に、1以上の適切なストレージデバイス上の1以上の未実行モジュールとして保存され得る。
【0044】
[0049] 含まれているときに、ディスプレイサブシステム606を使用して、ストレージサブシステム604によって保持されているデータの視覚的表現を提示することができる。この視覚的表現は、グラフィカルユーザー・インターフェース(GUI)の形態を採り得る。本明細書で説明されるように、方法及びプロセスは、ストレージサブシステムによって保持されているデータを変化させ、したがって、ストレージサブシステム604の状態を変換し、ディスプレイサブシステム606の状態は、基礎をなすデータの変化を視覚的に表現するように同様に変換され得る。ディスプレイサブシステム606は、事実上あらゆる種類の技術を利用する1以上のディスプレイデバイスを含み得る。このようなディスプレイデバイスは、共有筐体内のロジックサブシステム602及びストレージサブシステム604と組み合わされ得る。或いは、そのようなディスプレイデバイスは、周辺ディスプレイデバイスであり得る。
【0045】
[0050] 含まれているときに、入力サブシステム608は、キーボードやタッチスクリーンなどの1以上の入力デバイスを含み、又はそれらと相互作用し得る。幾つかの実施形態では、入力サブシステムが、選択された自然なユーザ入力(NUI)構成要素を含み、又はそれらと相互作用し得る。このような構成要素は、統合されてよく又は周辺的なものであってよく、入力行為の伝達及び/又は処理は、オンボードでもオフボードでも取り扱われ得る。NUI構成要素の例としては、音声データを収集するためのマイクロフォンと、マシンビジョン用の赤外線カメラ、カラーカメラ、立体カメラ、及び/又は深度カメラとが挙げられる。
【0046】
[0051] 含まれているときに、通信サブシステム610は、コンピューティングシステム600を、1以上の他のコンピューティングデバイスと通信可能に結合するように構成され得る。通信サブシステム610は、1以上の異なる通信プロトコルと互換性のある有線及び/又は無線通信デバイスを含み得る。非限定的な例として、通信サブシステムは、無線電話網、電磁波、又は有線若しくは無線のローカル若しくはワイドエリアネットワークを介して通信するように構成され得る。幾つかの実施形態では、通信サブシステムが、コンピューティングシステム600がインターネットなどのネットワークを介して他のデバイスとの間でメッセージを送信及び/又は受信することを可能にし得る。
【0047】
[0052] 更に、本開示は、以下の条項による複数の構成を含む。
【0048】
[0053] 条項1.
カソードとアノードであって、前記カソードと前記アノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、カソードとアノード、前記カソードと前記アノードを分離する間隙、前記カソードと前記アノードに電気的に接続されたハイパワー電圧源、及び前記カソードと前記アノードとの間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを含む、ハイパワースイッチ回路。
【0049】
[0054] 条項2.
前記トリガデバイスは、パルスレーザーを含む、条項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【0050】
[0055] 条項3.
前記トリガデバイスは、トリガ電圧源を含む、条項1に記載のハイパワースイッチ回路。
【0051】
[0056] 条項4.
前記トリガデバイスは、マイクロ波周波数でトリガするように構成されている、条項1から3のいずれか一項に記載のハイパワースイッチ回路。
【0052】
[0057] 条項5.
前記トリガデバイスは、高周波でトリガするように構成されている、条項1から3のいずれか一項に記載のハイパワースイッチ回路。
【0053】
[0058] 条項6.
前記カソードと前記アノードの両方は、前記三次元グラフェンネットワークを含む、条項1から5のいずれか一項に記載のハイパワースイッチ回路。
【0054】
[0059] 条項7.
前記間隙は、ホールドオフガスを含む、条項1から6のいずれか一項に記載のハイパワースイッチ回路。
【0055】
[0060] 条項8.
前記トリガデバイスは、レーダー周波数でトリガするように構成されている、条項1から7のいずれか一項に記載のハイパワースイッチ回路。
【0056】
[0061] 条項9.
ハイパワースイッチ回路を含む機械であって、前記ハイパワースイッチ回路は、カソードとアノードであって、前記カソードと前記アノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、カソードとアノード、前記カソードと前記アノードを分離する間隙、前記カソードと前記アノードに電気的に接続されたハイパワー電圧源、及び前記カソードと前記アノードとの間の電流のトリガを選択的に制御するように構成されたトリガデバイスを含む、機械。
【0057】
[0062] 条項10.
前記機械は、通信送信機を含む、条項9に記載の機械。
【0058】
[0063] 条項11.
前記通信送信機は、高周波送信機として構成されている、条項10に記載の機械。
【0059】
[0064] 条項12.
前記通信送信機は、マイクロ波送信機として構成されている、条項10に記載の機械。
【0060】
[0065] 条項13.
前記機械は、センシングデバイスを含む、条項9から12のいずれか一項に記載の機械。
【0061】
[0066] 条項14.
前記機械は、宇宙環境、近宇宙環境、航空環境、陸上環境、又は海中環境のうちの1以上において使用されるように構成されている、条項9から13のいずれか一項に記載の機械。
【0062】
[0067] 条項15.
ハイパワースイッチ回路を動作させるための方法であって、前記ハイパワースイッチ回路のカソードとアノードとの間にハイパワー電圧源を適用することであって、前記カソードと前記アノードのうちの1以上は、三次元グラフェンネットワークを含む、ハイパワー電圧源を適用すること、及び、トリガデバイスからの信号を使用して、前記カソードと前記アノードとの間の電流をトリガすることを含む、方法。
【0063】
[0068] 条項16.
前記電流をトリガすることは、前記カソードと前記アノードとの間の間隙の絶縁破壊状態を誘起するためにレーザーをパルス化することを含む、条項15に記載の方法。
【0064】
[0069] 条項17.
前記電流をトリガすることは、前記カソードと前記アノードとの間の間隙の絶縁破壊状態に到達するために、前記カソードと前記アノードとの間にトリガ電圧源を適用することを含む、条項15に記載の方法。
【0065】
[0070] 条項18.
トリガされた前記電流に基づいて、電磁波を送信することを更に含む、条項15から17のいずれか一項に記載の方法。
【0066】
[0071] 条項19.
前記電磁波を送信することは、高周波で送信することを含む、条項18に記載の方法。
【0067】
[0072] 条項20.
前記電磁波を送信することは、マイクロ波周波数で送信することを含む、条項18に記載の方法。
【符号の説明】
【0068】
100、200 機械
102、202 通信送信機
104 センシングデバイス
106 地上基地局
108 雲
204 通信ブイ
300、400 ハイパワースイッチ回路
302、404 カソード
304、406 アノード
306、408 間隙
308、410 ハイパワー電圧源
310 パルスレーザー
312 レーザー光
314、412 コントローラ
316 チューブ
402 トリガ電圧源
500 方法
502、504、506、508、510、512、514 ステップ
600 コンピューティングシステム
602 ロジックサブシステム
604 ストレージサブシステム
606 ディスプレイサブシステム
608 入力サブシステム
610 通信サブシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【外国語明細書】