(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163980
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】半導体パッケージ、半導体パッケージの形成方法、及びパワーモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20241119BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20241119BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20241119BHJP
H01L 23/29 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L27/04 E
H01L27/06 102A
H01L27/088 E
H01L23/36 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024069984
(22)【出願日】2024-04-23
(31)【優先権主張番号】202310489424.8
(32)【優先日】2023-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】18/634,663
(32)【優先日】2024-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】524157291
【氏名又は名称】シェンチェン エスティーエス マイクロエレクトロニクス カンパニー,リミテッド
(71)【出願人】
【識別番号】312014443
【氏名又は名称】エスティーマイクロエレクトロニクス インターナショナル エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】リウ,チアン
(72)【発明者】
【氏名】ティツィアーニ,ロベルト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体パッケージ、半導体パッケージを形成する方法及びパワーモジュールを提供する。
【解決手段】半導体パッケージ200Aは、第1の面211及び第1の面の反対側の第2の面212を有し、第1の面にソース215及びゲート214を備える複数のパワートランジスタ213を有するチップレベル210と、第1の面に配置され、ゲートに電気的に接続されたゲート接続部221及びソースに電気的に接続されたソース接続部222を備える第1の導電レベル220と、ゲート接続部に電気的に接続されたゲート引き出し部231及びソース接続部に電気的に接続されたソース引き出し部232を備える第2の導電レベル230と、を備え、第1の導電レベルは、第2の導電レベルとチップレベルとの間に位置する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体パッケージであって、
第1の面及び前記第1の面の反対側の第2の面を有するチップレベルであって、前記チップレベルは複数のパワートランジスタを備え、各パワートランジスタは前記第1の面にソース及びゲートを有する、チップレベルと、
前記第1の面の第1の導電レベルであって、
前記ゲートに電気的に結合されたゲート接続部と、前記ソースに電気的に結合されたソース接続部と、を含む、第1の導電レベルと、
第2の導電レベルであって、
前記ゲート接続部に電気的に結合されたゲート引き出し部と、前記ソース接続部に電気的に結合されたソース引き出し部と、を含み、前記第1の導電レベルは、前記第2の導電レベルと前記チップレベルとの間にある、第2の導電レベルと、
を備える、半導体パッケージ。
【請求項2】
複数のヒートシンクを備えるヒートシンクレベルであって、各ヒートシンクは前記複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタに接触し、前記チップレベルは前記ヒートシンクレベルと前記第1の導電レベルとの間に配置される、ヒートシンクレベルを更に備える、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項3】
前記パワートランジスタの各々は、
少なくともゲート領域及びソース領域を有するパワートランジスタ本体と、
前記パワートランジスタ本体上の絶縁層と、
前記ゲート領域及び前記ソース領域上に位置する複数のスルーホールと、
前記複数のスルーホールを充填する導電片であって、前記ゲート領域は前記第1の導電レベルの前記ゲート接続部に電気的に結合され、前記ソース領域は前記第1の導電レベルの前記ソース接続部に電気的に結合される、導電片と、を備える、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項4】
前記ゲート接続部は、
前記複数のパワートランジスタの幾何学的中心にある接続本体であって、前記ゲート引き出し部が前記接続本体上にある、接続本体と、
複数の接続分岐であって、前記複数の接続分岐の各々は、前記接続本体に結合された一端と、前記複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタのゲートに結合された他端とを有する、複数の接続分岐と、を備える、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項5】
前記複数の接続分岐は、前記複数のパワートランジスタのゲートから前記接続本体への一致した導電経路を有する、請求項4に記載の半導体パッケージ。
【請求項6】
前記ソース領域の面積は前記ゲート領域の面積より大きく、前記ソース接続部の面積は前記ソース領域の面積以上である、請求項3に記載の半導体パッケージ。
【請求項7】
前記複数のパワートランジスタの数は4個である、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項8】
前記第1の導電レベル及び前記第2の導電レベルは、
銅、
銀、
アルミニウム、及び
はんだスズ
のうちの少なくとも1つから選択される材料で作製される、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項9】
前記複数のパワートランジスタは、第1のセットのパワートランジスタ及び第2のセットのパワートランジスタを備え、前記第1の導電レベルは、
前記第1のセットのパワートランジスタのゲートに電気的に結合された第1のゲート接続部と、
前記第1のセットのパワートランジスタのソースに電気的に結合された第1のソース接続部と、
前記第2のセットのパワートランジスタのゲートに電気的に結合された第2のゲート接続部と、
前記第2のセットのパワートランジスタのソースに電気的に結合された第2のソース接続部と、を備え、
前記第2の導電レベルは、
前記第1のゲート接続部に電気的に結合された第1のゲート引き出し部と、
前記第1のソース接続部に電気的に結合された第1のソース引き出し部と、
前記第2のゲート接続部に電気的に結合された第2のゲート引き出し部と、
前記第2のソース接続部に電気的に結合された第2のソース引き出し部と、を備える、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項10】
前記第1のソース引き出し部と前記第2のセットのパワートランジスタのドレインとに電気的に結合された相互接続と、を更に備える、請求項9に記載の半導体パッケージ。
【請求項11】
前記複数のパワートランジスタの各パワートランジスタの対応する位置にあるパワートランジスタコネクタであって、前記パワートランジスタコネクタは、パワートランジスタのゲートが前記第1の導電レベルの対応するゲート接続部に電気的に結合され、パワートランジスタのソースが前記第1の導電レベルの対応するソース接続部に電気的に結合されるように、導電片で充填された複数のスルーホールを備える、パワートランジスタコネクタを更に備える、請求項1に記載の半導体パッケージ。
【請求項12】
半導体パッケージを形成する方法であって、
第1の面及び前記第1の面の反対側の第2の面を有しかつ複数のパワートランジスタを備えるチップレベルを形成することであって、各パワートランジスタは、前記第1の面にソース及びゲートが設けられる、チップレベルを形成することと、
前記チップレベルの前記第1の面に、第1の導電レベルを形成することであって、前記第1の導電レベルは、前記ゲートに電気的に結合されたゲート接続部と、前記ソースに電気的に結合されたソース接続部とを備える、第1の導電レベルを形成することと、
前記第1の導電レベルの前記チップレベルから離れた側に、第2の導電レベルを形成することであって、前記第2の導電レベルは、前記ゲート接続部に電気的に結合されたゲート引き出し部と、前記ソース接続部に電気的に結合されたソース引き出し部とを備える、第2の導電レベルを形成することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記チップレベルの前記第2の面に、ヒートシンクレベルを形成することであって、前記ヒートシンクレベルは複数のヒートシンクを備え、各ヒートシンクは前記複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタに接触する、ヒートシンクレベルを形成することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記チップレベルを形成することは、
少なくともゲート領域及びソース領域を有するパワートランジスタ本体を形成することと、
前記パワートランジスタ本体上に絶縁層を形成することと、
前記絶縁層に、前記ゲート領域及び前記ソース領域にそれぞれ対応する複数のスルーホールを形成することと、
導電片で前記複数のスルーホールを充填することであって、前記ゲート領域は前記第1の導電レベルの前記ゲート接続部に電気的に結合され、前記ソース領域は前記第1の導電レベルの前記ソース接続部に電気的に結合される、前記複数のスルーホールを充填することと、を少なくとも含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ゲート接続部は、
前記複数のパワートランジスタの幾何学的中心にある接続本体であって、前記ゲート引き出し部が前記接続本体上に位置する、接続本体と、
複数の接続分岐であって、前記複数の接続分岐の各々は、前記接続本体に接続された一端と、前記複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタのゲートに接続された他端とを有する、複数の接続分岐と、を備える、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ソース領域の面積は前記ゲート領域の面積より大きく、前記ソース接続部の面積は前記ソース領域の面積以上である、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記ヒートシンクレベルを形成することは、
TiCuを使用して前記チップレベルの前記第2の面をスパッタリングすることと、
前記スパッタリングされた第2の面の所定の位置に、前記複数のヒートシンクのうちの対応するヒートシンクを形成することと、
前記TiCuをエッチングにより除去することと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のスルーホールを前記導電片で充填することは、
TiCuを用いて少なくとも前記複数のスルーホールをスパッタリングすることと、
前記複数のスパッタリングされたスルーホール内に前記導電片を充填することと、
前記TiCuをエッチングにより除去することと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
パワーモジュールであって、
ゲート配線板及びソース配線板を有する基板と、
前記基板上に配置された半導体パッケージと、
を備え、前記パッケージは、
第1の面及び前記第1の面の反対側の第2の面を有するチップレベルであって、前記チップレベルは、ゲート及びソースを有する複数のパワートランジスタを備える、チップレベルと、
前記第1の面の第1の導電レベルであって、
前記ゲートに電気的に結合されたゲート接続部と、前記ソースに電気的に結合されたソース接続部と、を含む、第1の導電レベルと、
第2の導電レベルであって、
前記ゲート接続部に電気的に結合されたゲート引き出し部と、前記ソース接続部に電気的に結合されたソース引き出し部と、を含み、前記第1の導電レベルは、前記第2の導電レベルと前記チップレベルとの間にあり、前記ゲート引き出し部は、ゲート線を介して前記ゲート配線板に電気的に結合され、前記ソース引き出し部は、ソース線を介して前記ソース配線板に電気的に結合されている、第2の導電レベルと、
を含む、パワーモジュール。
【請求項20】
前記ゲート配線板及び前記ソース配線板は、それぞれリードフレームの対応する部分を介して駆動モジュールに結合される、請求項19に記載のパワーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、半導体の分野に関し、より具体的には、半導体パッケージ、半導体パッケージを形成する方法、及びパワーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
パワーモジュールとは、パワートランジスタを特定の機能に応じて組み合わせて接続することによって形成されるモジュールを指す。適用分野に応じて、パワーモジュールは、周波数変換、増幅、電圧安定化、整流、及び反転機能などを実装することができる。複数のパワートランジスタ(2つ以上)を並列に接続したパワーモジュールにおいて、各パワートランジスタのソースをモジュールのKS信号端子に一様に接続し、更にドライブプレートに接続する。また、KS信号端子は1つしかない。各パワートランジスタのゲートは、モジュールのゲート信号端子に一様に接続され、次いでドライブプレートに接続される。更に、ゲート信号端子は1つである。KS信号はドライブプレートによって読み取られる信号であり、ゲート信号はドライブプレートによって送信される制御信号である。各パワートランジスタのオン/オフは、ゲートとKSとの間の電圧差によって決定される。パワーモジュールの小型化傾向及び既存のパッケージ製造プロセスの制限に伴い、複数のパワートランジスタが並列に構成されるパワーモジュールにおいて、各パワートランジスタの電極(ソース又はゲート)は、まず、リード又は銅クリップを介して基板に電気的に接続され、次に、基板を介してモジュールの信号端子に電気的に接続され得る。それぞれのパワートランジスタの電極(ソース又はゲート)からモジュール検出の対応する信号端子までの物理的経路が異なるので、ドライブプレートによって読み取られ、及び/又は送信される信号は不正確であり、パワーモジュールのスイッチ制御の性能が低くなる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の例示的な実施形態によれば、新しい半導体パッケージ解決策が提供される。
【0004】
本開示の第1の態様では、半導体パッケージが提供される。半導体パッケージは、第1の面及び第1の面の反対側の第2の面を有するチップレベルであって、チップレベルは複数のパワートランジスタを備え、各パワートランジスタは第1の面にソース及びゲートを備える、チップレベルを備える。更に、半導体パッケージはまた、第1の面に配置され、ゲートに電気的に接続されたゲート接続部と、ソースに電気的に接続されたソース接続部とを備える第1の導電レベルを備えることができる。半導体パッケージは、ゲート接続部に電気的に接続されたゲート引き出し部と、ソース接続部に電気的に接続されたソース引き出し部と備える第2の導電レベルを更に備え、第1の導電レベルは、第2の導電レベルとチップレベルとの間に位置する。
【0005】
本開示の第2の態様では、半導体パッケージを形成する方法が提供される。方法は、第1の面及び第1の面の反対側の第2の面を有し、複数のパワートランジスタを備えるチップレベルを形成することであって、各パワートランジスタは、第1の面にソース及びゲートが設けられる、チップレベルを形成することと、チップレベルの第1の面に、第1の導電レベルを形成することであって、第1の導電レベルは、ゲートに電気的に接続されたゲート接続部と、ソースに電気的に接続されたソース接続部とを備える、第1の導電レベルを形成することと、第1の導電レベルのチップレベルから離れた側に、第2の導電レベルを形成することであって、第2の導電レベルは、ゲート接続部に電気的に接続されたゲート引き出し部と、ソース接続部に電気的に接続されたソース引き出し部とを備える、第2の導電レベルを形成することと、を含み得る。
【0006】
本開示の第3の態様によれば、パワーモジュールであって、ゲート配線板及びソース配線板が少なくとも配置された基板と、本開示の第1の態様に記載の半導体パッケージと、を備え、半導体パッケージは、基板上に位置し、ゲート引き出し部は、ゲート線を介してゲート配線板に電気的に接続され、ソース引き出し部は、ソース線を介してソース配線板に電気的に接続される、パワーモジュールが提供される。
【0007】
この概要は、以下の発明を実施するための形態で更に説明される選定された概念を簡略化された形式で紹介するために提供される。この概要は、特許請求される主題の主要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求される主題の範囲を制限するために使用されることも意図していない。本開示の他の特徴は、以下の説明を通してより容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図面及び以下の詳細な説明を参照すると、本開示の様々な実施形態の上記及び他の特徴、利点及び態様がより明らかになるであろう。図面において、同一又は類似の参照符号は同一又は類似の要素を示す。
【
図1】複数のパワートランジスタを含む従来のパワーモジュールの概略図である。
【
図2A】本開示の実施形態による半導体パッケージの分解図を示す。
【
図2B】本開示の実施形態による組み立てられた半導体パッケージの概略図を示す。
【
図3】本開示の実施形態による半導体パッケージにおける単一のパワートランジスタの構造の側断面図を示す。
【
図4】本開示の実施形態による半導体パッケージにおける複数のパワートランジスタ及び第1の導電レベルのゲート接続部の配置の概略図を示す。
【
図5】本開示の実施形態による半導体パッケージを形成する手順のフローチャートを示す。
【
図6A】本開示の実施形態による半導体パッケージの形成の各段階の概略図を示す。
【
図6B】本開示の実施形態による半導体パッケージの形成の各段階の概略図を示す。
【
図6C】本開示の実施形態による半導体パッケージの形成の各段階の概略図を示す。
【
図6D】本開示の実施形態による半導体パッケージの形成の各段階の概略図を示す。
【
図7A】本開示の実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュールの概略図を示す。
【
図8A】本開示の更なる実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュールの分解図を示す。
【
図8B】この実施形態におけるパワーモジュールの上面図を示す。
【
図9A】本開示の別の実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュールの分解図を示す。
【
図9B】この実施形態におけるパワーモジュールの上面図を示す。
【
図10A】本開示の更なる実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュールの概略図を示す。
【
図10B】半導体パッケージの前部の概略図である。
【
図10C】半導体パッケージの後部の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本開示のいくつかの実施形態が図面に示されているが、本開示は様々な方式で実施することができ、本明細書で説明される実施形態に限定されるべきではないことを理解されたい。逆に、実施形態は、本開示のより徹底的かつ完全な理解のために提供される。本開示の図面及びそれらの実施形態は例示的なものに過ぎず、本開示の保護範囲を限定するものではないことを理解されたい。
【0010】
本開示の実施形態の説明全体を通して、用語「備える」及びその変形は、「備えるが、それに限定されない」を意味するオープンエンドの用語として読まれるべきである。「に基づいて」という用語は、「に少なくとも部分的に基づいて」と読まれるべきである。「一実施形態」又は「この実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」として読まれるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、同じ物体又は異なる物体を指すことができる。以下のテキストは、他の明示的及び暗黙的定義を含むことができる。
【0011】
方向の用語(「上部」、「底部」、「上」、「下」、「前部」、「後部」、「頭部」、「尾部」、「上方」、「下方」など)は、記載された図面及び/又は要素の方向を参照して使用され得る。実施形態は様々な方向に配置され得るので、方向の用語は、限定的なものではなく、説明のために提供される。いくつかの実施形態では、上記方向の用語は、要素間の一般的な方向関係及びその一般的な目的が維持される限り、実施形態の向きに基づいて同等の方向の用語に置き換えられてもよい。
【0012】
本開示において、通し番号を含む表現(「第1」、「第2」など)は、様々な要素を修正することができる。ただし、要素は、上記式に限定されるものではない。例えば、上記の表現は、要素の順序及び/又は重要性を限定しない。上記の表現は、単に1つの要素を別の要素から区別するために提供される。
【0013】
1つの要素が更なる要素に「接続」又は「結合」されるとき、それは更なる要素に直接接続又は結合されてもよく、又は中間要素がそれらの間に提供されてもよいことを理解されたい。対照的に、1つの要素が更なる要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と知られている場合、中間要素は存在しない。要素間の関係を説明する他の表現(「間に」、「直接間に」、「隣接して」、「直接隣接して」など)も同様に解釈され得る。
【0014】
本明細書に記載されるか、又は図面によって示される実施形態では、接続又は結合の一般的な目的が基本的に維持される限り、任意の直接的な電気接続又は結合(すなわち、追加の中間要素を伴わない任意の接続又は結合)は、間接的な接続又は結合(すなわち、1つ以上の中間要素との接続又は結合)によって実装されてもよく、その逆も同様である。
【0015】
上述したように、各パワートランジスタのソースを駆動回路に接続するために、モジュールKS検出ポイントは、通常、複数のパワートランジスタの近傍領域に配置される。ケルビンソース(KS)電圧は、検出ポイントを介して検出され得る。しかしながら、各パワートランジスタのソースから検出ポイントへの導電経路は変化する可能性があり、異なる導電経路は、異なるソースからモジュール検出ポイントへの寄生容量及び寄生インダクタンスなどの別個の電気的パラメータをもたらす可能性がある。この場合、パワートランジスタのターンオンプロセス及びターンオフプロセスで検出されるKS電圧値は、各パワートランジスタの実際のソース電圧値と異なる。これに対応して、各パワートランジスタのゲートを駆動回路に接続するために、モジュールゲート検出ポイントは、通常、複数のパワートランジスタの近傍領域に配置される。しかしながら、各パワートランジスタのゲートから検出ポイントへの導電経路は変化する可能性があり、異なる導電経路は、異なるゲートからモジュールゲート検出ポイントへの寄生容量及び寄生インダクタンスなどの別個の電気的パラメータをもたらす可能性がある。この場合、駆動モジュールから各並列パワートランジスタへのゲート制御信号の波形が異なる場合がある。したがって、従来の解決策は、パワーモジュールの信頼性を低下させる。
【0016】
上述したように、従来のパワーモジュールでは、複数のパワートランジスタのソースから検出ポイントまでの導電経路が変化する場合がある。しかしながら、様々な導電経路に起因する電気的特性の差は、パワーモジュール内の少なくとも一部のパワートランジスタの検出されたKS値と実際の値との間に比較的大きな誤差を生じさせる可能性がある。この誤差により、駆動モジュールから送信される制御信号が一部のパワートランジスタの実際のKS値と一致しなくなり、パワーモジュールの信頼性が更に低下する。
【0017】
具体的には、
図1は、複数のパワートランジスタを含む従来のパワーモジュール100の概略図を示す。
図1において、パワーモジュール100は複数のパワートランジスタからなり、パワートランジスタは少なくともパワートランジスタ110とパワートランジスタ120とを含む。駆動モジュールと電気的に接続するために、パワーモジュール100にはまた、モジュールゲート検出ポイントG及びモジュールKS検出ポイントが配置される。
図1に示すように、パワートランジスタ110のソース111からモジュールKS検出ポイントまでの導電経路113は、パワートランジスタ120のソース121からモジュールKS検出ポイントまでの導電経路123とは異なる。なお、
図1に示す導電経路113及び123は、実際に電気信号が通過する経路ではなく、簡略化のためにシミュレーションによって得られた等価な経路として認識され得ることを理解されたい。これに対応して、パワートランジスタ110のゲート112からモジュールゲート検出ポイントGまでの導電経路114は、パワートランジスタ120のゲート122からモジュールゲート検出ポイントGまでの導電経路124とは異なる。
【0018】
並列の複数のパワートランジスタによって実施されるスイッチ制御に関して、各パワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの異なる導電経路のために、各パワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの、他の電気的パラメータの中でも寄生容量及び寄生インダクタンスが異なる可能性があり、その結果、パワートランジスタのターンオン及びターンオフプロセス中に検出されるKS電圧値が、各パワートランジスタの実際のソース電圧値から変化する、すなわち、モジュールによって測定されるKS電圧値が、各パワートランジスタの瞬時ソース電圧値を正確に反映することができない。同様に、各パワートランジスタのゲートからモジュールゲート検出ポイントまでの異なる導電経路のために、他の電気的パラメータの中でも、それぞれのパワートランジスタのゲートからモジュールゲート検出ポイントまでの寄生容量及び寄生インダクタンスが異なり得る。駆動回路が、測定されたKS電圧値に基づいてゲート制御信号を生成する場合、駆動モジュールから各並列パワートランジスタへのゲート制御信号の波形が異なり得る。上記の重畳誤差により、並列パワートランジスタのスイッチ制御は、駆動モジュールの理論上の設定からずれ、重畳誤差が大きいほど、ずれが大きくなる。結局、並列パワートランジスタのスイッチ制御の性能、すなわちスイッチ制御一貫性及び並列チップ動的電流共有などは、理想的ではない。
【0019】
本開示の実施形態によれば、新しい半導体パッケージ解決策が提供される。したがって、パワーモジュール内の各パワートランジスタは、ゲートからモジュールゲート検出ポイントGまでの距離が一定であり、ソースからモジュールKS検出ポイントまでの距離がほぼ一定であるようにパッケージ化され、それによって上記及び/又は他の潜在的な問題を解決する。本開示の様々な実施形態は、上記の例示的なシナリオを参照して以下で詳細に説明される。これは単に説明のためのものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0020】
図2Aは、本開示の実施形態による半導体パッケージ200Aの分解図を示し、
図2Bは、本開示の実施形態による組み立てられた半導体パッケージ200Bの概略図を示す。
図2A及び
図2Bに示される半導体パッケージ200A及び200Bは、本開示の実施形態が実装され得る例に過ぎず、本開示の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。
【0021】
図2Aに示すように、半導体パッケージ200Aは、
図2Aにおいて第1の面211と、第1の面211の反対側の第2の面212とを有するチップレベル210を備えてもよい。
図2Aに示されるチップレベル210は、4つのパワートランジスタを備え、パワートランジスタの各々は、第1の面211にゲート電極及びソース電極を備えて配置されることを理解されたい。ソースが配置される領域は、より大きな面積を有し得ることを理解されたい。例えば、ゲートが位置する領域の面積よりも大きくてもよい。一例として、チップレベル210内のパワートランジスタ213は、面211にゲート214及びソース215を備える。更に、パワートランジスタ213はまた、図示されていないが、面212にドレインを備えていることが当業者には理解されよう。
図2Aは4つのパワートランジスタを示しているが、他の数のパワートランジスタがチップレベル120に設けられてもよいことを理解されたい。
【0022】
更に、半導体パッケージ200Aはまた、チップレベル210の第1の面211に設けられた第1の導電レベル220を備えてもよい。
図2Aによれば、第1の導電レベル220は、チップレベル210内のパワートランジスタのゲート(例えば、パワートランジスタ213のゲート214)に電気的に接続されたゲート接続部221と、パワートランジスタのソース(パワートランジスタ213のソース215など)に電気的に接続されたソース接続部222とを含み得る。ソース接続部222は、より大きな面積で設計されてもよい。例えば、面積は、チップレベル210におけるパワートランジスタのソースの面積の合計以上であってもよい。より大きな面積を有するソース接続部222は、それぞれのパワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの導電経路の差を最小限に抑えるのに役立ち得ることを理解されたい。ゲート接続部221の詳細な説明は、
図4を参照して以下の文を参照することができる。
【0023】
半導体パッケージ200Aは、第1の導電レベル220上に配置された第2の導電レベル230を更に備えることができる。言い換えれば、第1の導電レベル220は、第2の導電レベル230とチップレベル210との間に配置される。
図2Aに示すように、第2の導電レベル230は、ゲート接続部221に電気的に接続されたゲート引き出し部231と、ソース接続部222に電気的に接続されたソース引き出し部232とを含んでもよい。ゲート引き出し部231及びソース引き出し部232は、いずれも半導体パッケージ220と外部回路との電気的コネクタである。具体的な接続形態については、
図7Aを用いて以下に詳細に説明する。
【0024】
第1の導電レベル220及び第2の導電レベル230は両方とも、満足のいく導電性能を実現するために、銅、銀などの導電性金属で作られてもよいことを理解されたい。
【0025】
更に、半導体パッケージ200Aはまた、チップレベル210の下に配置されたヒートシンクレベル240を備えることができる。言い換えれば、チップレベル210は、ヒートシンクレベル240と第1の導電レベル220との間に配置される。
図2Aによれば、ヒートシンクレベル240は、4つのヒートシンクを含むことができ、各ヒートシンクは、チップレベル210内の複数のパワートランジスタのそれぞれのパワートランジスタに接触する。例えば、ヒートシンク241は、その上の電力管213と接触している。
【0026】
上記の実施形態を通して、チップレベル210内の各パワートランジスタのゲートは各々、ゲート接続部221及びゲート引き出し部231を通してモジュールゲート検出ポイントGに接続され得る。また、チップレベル210の各パワートランジスタのソースは、ソース接続部222及びソース引き出し部232を介してモジュールKS検出ポイントに接続されてもよい。
【0027】
更に、
図2Bに示すように、チップレベル210、第1の導電レベル220、第2の導電レベル230、及びヒートシンクレベル240は、半導体パッケージ200Bに組み合わされてもよい。
図2Bに示すように、半導体パッケージ200Bは、露出したゲート引き出し部231及びソース引き出し部232を含むことができ、半導体パッケージ200Bの上面の残りの部分は、電気的に絶縁されたプラスチックパッケージ部233として構成することができる。
【0028】
半導体パッケージ200A及び200B内の各パワートランジスタの主要構造をより明確に示すために、
図3は、本開示の実施形態による半導体パッケージ内の単一のパワートランジスタの構造300の側断面を示す。
図3に示すように、構造300は、パワートランジスタ213と、第1の導電レベル220と、第2の導電レベル230と、ヒートシンク部240と、プラスチックパッケージ部340とを備えてもよい。
図3に示される第1の導電レベル220及び第2の導電レベル230は、実際には、レベル全体の一部に過ぎないことを理解されたい。
【0029】
図3において、パワートランジスタ213は、パワートランジスタ本体310を備えてもよい。なお、
図3には示されていないが、パワートランジスタ本体310の上側には、ソース領域及びゲート領域が形成されていることを理解されたい。ソース領域は
図2Aのソース215に対応し、ゲート領域は
図2Aのゲート214に対応する。更に、パワートランジスタ213は、パワートランジスタ本体310の上に配置された絶縁層320を備える。
図3に示すように、ソース領域及びゲート領域上に複数のスルーホールが形成されている。また、パワートランジスタ本体310のソース領域が第1の導電レベル220のゲート接続部に電気的に接続され、パワートランジスタ本体310のゲート領域が第1の導電レベル220のソース接続部に電気的に接続されるように、例えば銅で作られた導電片330がスルーホールに充填される。更に、第2の導電レベル230は、対応するゲート引き出し部及びソース引き出し部を形成するように、第1の導電レベル220上に形成することができる。
【0030】
図4は、本開示の実施形態による半導体パッケージにおける複数のパワートランジスタ及び第1の導電レベルのゲート接続部の配置400の概略図を示す。示されるように、配置400において、ゲート接続部は、4つのパワートランジスタの幾何学的中心に配置され得る。具体的には、
図4において、ゲート接続部は、接続本体410と、接続分岐421、422、423及び424とを備えてもよく、パワートランジスタ(パワートランジスタ213など)の各々は、ゲート214とソース215とを備えてもよい。接続本体410はパワートランジスタの幾何学的中心に配置されており、図示しないが、ゲート引き出し部は接続本体410の上方に配置されていてもよい。また、各接続分岐421、422、423、424は、接続本体410に接続される一端と、これらのパワートランジスタのうち対応するパワートランジスタのゲートに接続される他端とを有してもよい。一例として、
図4の接続分岐422は、パワートランジスタ213のゲート214と接続するように構成され得る。上記の実施形態を通して、これらのパワートランジスタのゲートは全て、接続ビーチ及び接続本体からなるゲート接続部、並びに対応するゲート引き出し部を介してモジュールゲート検出ポイントGに接続され得る。各パワートランジスタのゲートは、モジュールゲート検出ポイントGに向かって同じ導電経路をたどる。したがって、各パワートランジスタのゲートからモジュールゲート検出ポイントGまでの他の電気的パラメータのうち寄生容量及び寄生インダクタンスが一致したものとなり、パワートランジスタのスイッチング動作を時間レベルで厳密に統一することが容易になる。
【0031】
上述した技術的解決策は単なる例示であり、本開示を限定するものではない。半導体パッケージ全体は、他の方法及び接続に従って配置されてもよいことを理解されたい。上記解決策の原理をより明確に説明するために、本開示の上記半導体パッケージを形成するプロセスは、
図5を参照して以下により詳細に説明される。更に、半導体パッケージの形成の各段階は、
図6A~
図6Dを参照して以下に詳細に説明される。
【0032】
図5は、本開示の実施形態による半導体パッケージを形成する手順500のフローチャートを示す。
図6A~
図6Dは、本開示の実施形態による半導体パッケージの形成の各段階の概略図を示す。理解のために、以下の説明において言及される特定の例は例示的なものであり、本開示の保護範囲を限定するものではない。
【0033】
ブロック502において、チップレベル210が形成され、このチップレベル210は、
図2Aにおいて第1の面211と、第1の面211の反対側の第2の面212とを有する。
図2Aに示されるチップレベル210は、4つのパワートランジスタを備え、パワートランジスタの各々は、第1の面211にゲート電極及びソース電極を備えて配置されることを理解されたい。ソースが配置される領域は、より大きな面積を有し得ることを理解されたい。例えば、ゲートが位置する領域の面積よりも大きくてもよい。
【0034】
具体的には、
図6Aに示すように、チップレベル210を形成するために、少なくともゲート領域とソース領域とを有するパワートランジスタ本体610が形成され得る。一例として、複数のパワートランジスタ本体が配置されたウェハを形成することができる。パワートランジスタ本体610のゲート領域及びソース領域の詳細な位置は、
図2Aを参照して決定することができ、以下では繰り返さないことを理解されたい。
【0035】
その後、パワートランジスタ本体610を含むウェハの上側に絶縁層620を形成することができ、絶縁層620は、ABFキャリアプレートとして実装することができる。更に、絶縁層620には、ゲート領域及びソース領域にそれぞれ対応する複数のスルーホールが形成されてもよい。一例として、スルーホールは、ウェハダイシングを介して複数の未完成のパワートランジスタを形成するために、レーザ穿孔、プラズマエッチング及び研削プロセスなどを介して絶縁層620の指定された位置に形成され得る。
【0036】
更に、
図6Bに示されるように、ヒートシンクレベルにおけるヒートシンク630は、未完成のパワートランジスタを裏返すことによって、チップレベルにおける各未完成のパワートランジスタの第2の面に形成され得る。
図2Aに示されるように、ヒートシンクレベル240は、4つのヒートシンクを備えてもよく、4つのヒートシンクの各々は、チップレベル210の複数のパワートランジスタにおけるそれぞれのパワートランジスタと接触する。具体的には、チップレベルの第2の面は、TiCuを使用してスパッタリングすることができる。金属としてのヒートシンクは、チップレベルとの不十分な接続を有し得るので、接続性能は、チップレベル上にTiCu層をスパッタリングすることによって向上され得る。次に、対応するヒートシンク例えば、ヒートシンク630が、スパッタリングされたチップレベルの第2の面の所定の位置に形成される。スパッタリング目的のTiCu層及びヒートシンクの形成のための他の材料層は全て、当技術分野における1つ以上の既存のエッチング又は洗浄プロセスによって除去され得ることを理解されたい。
【0037】
また、
図6Cに示すように、ヒートシンク630の周囲にプラスチックパッケージ部650が形成されてもよい。プラスチックパッケージ部650は、ヒートシンク630と同じ層に形成されてもよく、ヒートシンク630が露出されることを理解されたい。また、パワートランジスタ本体610及び絶縁層620と同一層のプラスチックパッケージ部は、パワートランジスタ本体610及び絶縁層620の形成時に形成されてもよく、ヒートシンク630と同一層のプラスチックパッケージ部は、ヒートシンク630の形成時に形成されてもよい。しかしながら、2つのプラスチックパッケージ部は、異なる材料で作られてもよい。
【0038】
次に、形成された構成要素を裏返すことによって、導電片640を複数のスルーホールに充填することができる。
図3Cに示すように、パワートランジスタ本体610のゲート領域は、第1の導電レベル220のゲート接続部に電気的に接続されてもよく、パワートランジスタ本体610のソース領域は、第1の導電層220のソース接続部に電気的に接続されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数のスルーホール内に導電片640を充填するために、スルーホールは、TiCu層をスパッタリングすることによって導電片640、第1の導電レベル220、及び他の層の間の接続性能を向上させるように、TiCuでスパッタリングされてもよい。更に、複数のスパッタリングされたスルーホールに導電片640を充填し、TiCu層をエッチングにより除去してもよい。スパッタリング目的のTiCu層及びヒートシンクの形成のための他の材料層は全て、当技術分野における1つ以上の既存のエッチング又は洗浄プロセスによって除去され得ることを理解されたい。
【0040】
ブロック504において、第1の導電レベル220はまた、チップレベル210の第1の面に形成され得る。いくつかの実施形態では、第1の導電レベル220は、
図3Cに示すように、パターニング層660を構成することによって導電片640と一緒に形成されてもよい。したがって、導電片640の形成前に実施されるスパッタリングプロセスの例と同様に、パターニング層660を構成することによって導電片640及び第1の導電レベル220をワンステップで形成する前に、パターニング層660のスルーホール及び露出部分にスパッタリングを実行することができ、それによって、TiCu層をスパッタリングすることによって、導電片640、第1の導電レベル220及び他の層の間の接続性能を向上させる。導電片640が複数のスパッタリングされたスルーホール内に充填され、第1の導電レベル220がパターニング層660の露出部分上に形成された後、TiCu層がエッチングによって除去される。更に、レーザは、例えば、チップレベルの樹脂成形された側に適用されて、照射部位において材料を変形し、更に、変形した部位において第1の導電レベル(例えば、銅めっき)を形成してもよい。変形した材料は、第1の導電レベルとの接触面積が増加するので、接続性能が向上する。
【0041】
いくつかの実施形態では、
図2A及び
図4に示すように、導電経路の一貫性を実現するために、第1の導電レベル220のゲート接続部221は、接続本体410並びに接続分岐421、422、423及び424を備えるように形成されてもよい。接続本体410は、チップレベル210の複数のパワートランジスタの幾何学的中心に配置される。また、各接続分岐421、422、423、424は、接続本体410に接続される一端と、これらのパワートランジスタのうち対応するパワートランジスタのゲートに接続される他端とを有してもよい。
【0042】
ブロック506において、
図6Dに示されるように、第2の導電レベル230は、チップレベル210から離れた第1の導電レベル220の側に形成され得る。
図2Aに示すように、第2の導電レベル230は、第1の導電レベル220のゲート接続部221に電気的に接続されたゲート引き出し部231と、第1の導電レベル220のソース接続部222に電気的に接続されたソース引き出し部232とを含んでもよい。
【0043】
上記の手順は、任意の妥当なシーケンスに従った順序で、又は並行して完了され得ることを理解されたい。
【0044】
また、上述したプロセスを通じて製造された半導体パッケージは、例えば、自動車システムの電子制御ユニットのパワーモジュールに適用されることができることを理解されたい。いくつかの実施形態では、パワーモジュールは、上記の複数の実施形態において説明された半導体パッケージのうちの少なくとも1つ、及びそれらの組み合わせを備え得る。
【0045】
図7Aは、本開示の実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュール700の概略図を示し、
図7Bは、パワーモジュール700の等価回路図を示す。
図7Aに示すように、パワーモジュール700は、上記のプロセスに従って製造された基板710及び半導体パッケージ720を備えてもよい。
図7Aにおいて、基板710は、ゲート配線板711と、ソース配線板712と、ドレイン配線板713とを含んでもよい。
【0046】
上述したように、半導体パッケージ720の複数のパワートランジスタの各々のゲートは、半導体パッケージ720の第1の導電レベルにあるゲート接続部(
図7Aには図示せず、
図2Aのゲート接続部221を参照)に電気的に接続されており、ゲート接続部はゲート引き出し部721と電気的に接続されている。更に、
図7Aに示すように、パワーモジュール700におけるゲート引き出し部721は、ゲート線730を介してゲート配線板711に電気的に接続されており、ゲート配線板711は、リードフレームのゲート部741に電気的に接続されている。
【0047】
言い換えれば、半導体パッケージ720の複数のパワートランジスタの各々のゲートは、半導体パッケージ720内の第1の導電レベルのゲート接続部(
図7Aには図示せず、
図2Aのゲート接続部221参照)、第2の導電レベルのゲート引き出し部721、ゲート線730及びゲート配線板711を介してリードフレームのゲート部741に電気的に接続される。ゲート部741は、駆動モジュールに接続されたモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続されていることを理解されたい。したがって、半導体パッケージ720における各パワートランジスタのゲートからモジュールゲート検出ポイントGまでの導電経路は、実質的に同一である。
【0048】
更なる態様において、上述したように、半導体パッケージ720の複数のパワートランジスタの各々のソースは、半導体パッケージ720の第1の導電レベルにあるソース接続部(
図7Aには図示せず、
図2Aのソース接続部222を参照)に電気的に接続されており、ソース接続部はソース引き出し部722と電気的に接続されている。更に、
図7Aに示すように、パワーモジュール700におけるソース引き出し部722は、ソース線740を介してソース配線板712に電気的に接続されており、ソース配線板712は、リードフレームのソース部744に電気的に接続されている。
【0049】
言い換えれば、半導体パッケージ720の複数のパワートランジスタの各々のソースは、半導体パッケージ720内の第1の導電レベルのソース接続部(
図7Aには図示せず、
図2Aのソース接続部222参照)、第2の導電レベルのソース引き出し部722、ソース線740及びソース配線板712を介してリードフレームのソース部744に電気的に接続される。ソース部744は、駆動モジュールに接続されたモジュールKS検出ポイントと電気的に接続されていることを理解されたい。ソース接続部222及びソース引き出し部722の両方がより大きな面積及びより大きな厚さを有するように設計され、半導体パッケージ720における各パワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの導電経路が実質的に同一であるので、各パワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの導電経路の差が最小限に抑えられる。
【0050】
図7Bに示されるように、パワーモジュール700は、並列の4つのパワートランジスタを有する単一のスイッチングパワーモジュールであることを理解されたい。本開示によって提供される半導体パッケージを使用して、他のタイプのパワーモジュールを実装することもできることを理解されたい。
【0051】
図8Aは、本開示の更なる実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュール800の分解図を示し、
図8Bは、この実施形態におけるパワーモジュールの上面図を示し、
図8Cは、パワーモジュールの等価回路図を示す。本実施形態において、パワーモジュール800は、本開示によって提供される4つの半導体パッケージによって実装されるハーフブリッジパワーモジュールであり、半導体パッケージのうちの2つは、上部ブリッジ回路を実装するために提供され、他の2つは、下部ブリッジ回路を実装するために提供される。更に、各半導体パッケージは、ハーフブリッジパワーモジュールの対応するポイントに接続するために、そのゲート引き出し部及びソース引き出し部を利用することができる。
【0052】
図8Aに示すように、パワーモジュール800は、上述のプロセスに従って製造された基板810及び半導体パッケージ820を備えてもよい。
図8Aにおいて、基板は、上部ブリッジ回路のためのドレイン接続プレート811と、下部ブリッジ回路のためのドレイン接続プレート812とを備え得る。4つの半導体パッケージ820は、2つの半導体パッケージのドレイン(半導体パッケージの裏面から露出した上述のヒートシンクに相当)が上部ブリッジ回路用ドレイン接続プレート811に電気的に接触し、他の2つの半導体パッケージのドレインが下部ブリッジ回路用ドレイン接続プレート812に電気的に接触するように、基板810上に配置されている。
【0053】
半導体パッケージ820の上部には、上部ブリッジ回路用導電クリップ831と下部ブリッジ回路用導電クリップ832とが更に設けられている。
図8Aによれば、導電クリップ831及び導電クリップ832の両方に、各半導体パッケージ820のゲート引き出し部を露出させるための開口部が設けられている。また、導電クリップ831及び導電クリップ832の両方は、それぞれの半導体パッケージ820のソース引き出し部に電気的に接触するように成形される。なお、導電クリップ831の少なくとも1つの面には、下部ブリッジ回路のドレイン接続プレート812と電気的に接続するための段差が設けられている。
【0054】
図8B及び
図8Cに示すように、上部ブリッジ回路の半導体パッケージのドレインは、ドレインポイント836を介してハーフブリッジパワーモジュールのDC正入力(以下、DC+と示す)に接続される。2つのゲートはいずれも、ゲートポイント837及び対応するゲート線を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、2つのソースはいずれも、ソースポイント838を介してハーフブリッジパワーモジュールのAC出力(以下、ACと示す)ポイント843に接続される。これに対応して、下部ブリッジ回路用の半導体パッケージのソースは、ソースポイント833を介してハーフブリッジパワーモジュールのDC負入力(以下、DC-と示す)ポイント842に接続される。2つのゲートはいずれも、ゲートポイント834及び対応するゲート線を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、2つのドレインはいずれも、ドレインポイント835を介してハーフブリッジパワーモジュールのACポイント843に接続される。上記の導電クリップ831の段差は、ソースポイント838がドレインポイント835と電気的に接続することを可能にすることを理解されたい。
【0055】
上記の実施形態を通して、ハーフブリッジパワーモジュールは、本開示による複数の半導体パッケージを使用して組み立てられてもよく、各パワートランジスタのソースの導電経路は、実質的に同じ長さを有するように作製され、各パワートランジスタのゲートの導電経路は、実質的に同じ長さを有するように作製される。したがって、パワーモジュールのスイッチ制御を改善するために、ドライブプレートによって読み取られ、及び/又は送信される信号は、より正確である。
【0056】
図9Aは、本開示の別の実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュール900の分解図を示し、
図9Bは、この実施形態におけるパワーモジュールの上面図を示し、
図9Cは、パワーモジュールの等価回路図を示す。本実施形態では、パワーモジュール900は、本開示によって提供される半導体パッケージのうちの2つによって実装されるハーフブリッジパワーモジュールであり、2つの半導体パッケージは、それぞれ上部ブリッジ回路及び下部ブリッジ回路を実装する。更に、各半導体パッケージは、ハーフブリッジパワーモジュールの対応するポイントに接続するために、そのゲート引き出し部及びソース引き出し部を利用することができる。
【0057】
図9Aに示すように、パワーモジュール900は、上述のプロセスに従って製造された基板910と、半導体パッケージ920とを備えてもよい。
図9Aにおいて、基板910は、
図8Aと同様に、上部ブリッジ回路のためのドレイン接続プレートと、下部ブリッジ回路のためのドレイン接続プレートとを備えてもよい。2つの半導体パッケージ920は、一方の半導体パッケージのドレインが上部ブリッジ回路用のドレイン接続プレートに電気的に接触し、他方の半導体パッケージのドレインが下部ブリッジ回路用のドレイン接続プレートに電気的に接触するように、基板910上に配置される。
【0058】
半導体パッケージ920の上部には、エッチング又はハーフエッチングされた基板940が更に設けられている。基板940の半導体パッケージ920に面する側には、一方の半導体パッケージのゲートを上部ブリッジ回路用のゲートポイント932に電気的に接続し、他方の半導体パッケージのゲートを下部ブリッジ回路用のゲートポイント935に電気的に接続するためのカスタマイズされた導電経路がそれぞれ形成され、一方の半導体パッケージのソースを上部ブリッジ回路用のソースポイント933に電気的に接続し、他方の半導体パッケージのソースを下部ブリッジ回路用のソースポイント936に電気的に接続するためのカスタマイズされた導電経路がそれぞれ形成される。
【0059】
図9B及び
図9Cに示すように、上部ブリッジ回路の半導体パッケージのドレインは、ドレインポイント931を介してハーフブリッジパワーモジュールのDC+ポイント941に接続され、ゲートは、ゲートポイント932及び対応するゲート線を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、ソースは、ソースポイント933を介してハーフブリッジパワーモジュールのACポイント943に接続される。これに対応して、下部ブリッジ回路用の半導体パッケージのソースは、ソースポイント936を介してハーフブリッジパワーモジュールのDC-ポイント942に接続され、ゲートは、ゲートポイント935及び対応するゲート線を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、ドレインは、ドレインポイント934を介してハーフブリッジパワーモジュールのACポイント943に接続される。
【0060】
上記の実施形態を通して、ハーフブリッジパワーモジュールは、本開示による複数の半導体パッケージを使用して組み立てられてもよく、各パワートランジスタのソースの導電経路は、実質的に同じ長さを有するように作製され、各パワートランジスタのゲートの導電経路(例えば、
図9Bにおいて点線によって示される経路)は、実質的に同じ長さを有するように作製される。したがって、異なる電気的パラメータから生じるクロストーク又は他の問題を可能な限り回避することができる。更に、上記の実施形態は、両側に基板を有する両面冷却を達成することができる。
【0061】
図10Aは、本開示の更なる実施形態による半導体パッケージを含むパワーモジュール1000の概略図を示し、
図10Bは、半導体パッケージの前部の概略図であり、
図10Cは、半導体パッケージの後部を示す概略図であり、
図10Dは、パワーモジュールの等価回路図を示す。この実施形態では、パワーモジュール1000は、半導体パッケージ内の4つのパワートランジスタを利用してハーフブリッジパワーモジュールを実装し、パワートランジスタのうちの2つは上部ブリッジ回路を実装するために提供され、他の2つは下部ブリッジ回路を実装するために使用される。更に、各パワートランジスタは、各半導体パッケージは、ハーフブリッジパワーモジュールの対応するポイントに接続するために、そのゲート引き出し部及びソース引き出し部を利用することができる。
【0062】
図10Aに示すように、パワーモジュール1000は、上述のプロセスに従って製造された基板1010と、半導体パッケージ1020とを備えてもよい。
図10Bは、半導体パッケージ1020の前部配置の詳細を示す。
図10Bによれば、上部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのゲートは、ゲート引き出し部1021と電気的に接続するように構成され、上部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのソースは、ソース引き出し部1022と電気的に接続するように構成される。それに対応して、下部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのゲートは、ゲート引き出し部1026と電気的に接続するように構成され、下部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのソースは、ソース引き出し部1025と電気的に接続するように構成される。また、半導体パッケージ1020の前部から露出し、上部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタと電気的に接続する接続領域1023が形成されている。接続領域1023はまた、半導体パッケージ1020の前部から後部に延びる接続ストリップを含む。
図10Cに示すように、接続ストリップは、接続領域1029を形成するために後部から露出する。すなわち、接続領域1029は、上部ブリッジ回路の2つのパワートランジスタのソースと電気的に接続されている。加えて、半導体パッケージ1020の4つのパワートランジスタのドレイン1028は全て後部から露出し、半導体パッケージ1020の前部及び後部の残りの部分は、電気的に絶縁されたプラスチックパッケージ部1027として配置され得る。
【0063】
したがって、
図10A及び
図10Dに示すように、パワーモジュール1000内の上部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのドレインは、ドレインポイント1031を介してパワーモジュール1000のDC+ポイント1042に接続され、ゲートは、対応するゲート線及びゲートポイント1032を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、ソースポイント1033は、接続領域1023、接続領域1029及び基板1010を介してパワーモジュール1000のACポイント1043及びパワーモジュール1000内の下部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのドレインに電気的に接続される。それに対応して、下部ブリッジ回路用の2つのパワートランジスタのソース及びそれに接続されたソースポイント1034は、両方とも導電クリップ1050を介してパワーモジュール1000のDC-ポイント1041に接続され、ゲートは、対応するゲート線及びゲートポイント1035を介してモジュールゲート検出ポイントGに電気的に接続され、ドレインは、ドレインポイント1036を介してハーフブリッジパワーモジュールのACポイント1043に接続される。
図10Aの接続領域1023は、図示のように上面から露出しているが、この設定は、特定の設計ニーズに従って、絶縁材料による被覆で置き換えることもできることを理解されたい。
【0064】
上記の実施形態を通して、ハーフブリッジパワーモジュールは、本開示による1つの半導体パッケージを使用して組み立てられてもよく、2つのパワートランジスタごとのソースの導電経路は、実質的に同じ長さを有するように作製され、2つのパワートランジスタごとのゲートの導電経路は、実質的に同じ長さを有するように作製される。したがって、異なる電気的パラメータから生じるクロストーク又は他の問題を可能な限り回避することができる。
【0065】
要約すると、本開示は、並列の複数のパワートランジスタを含む半導体パッケージの電気接続モードを再設計する。具体的には、本開示は、マルチレベル電気接続層を利用して、それぞれのパワートランジスタのゲート及びソースが、実質的に同じ経路に沿って電気接続層を介して半導体パッケージの外部のモジュールゲート検出ポイントG及びモジュールKS検出ポイントにそれぞれ電気的に接続され得るようにする。このようにして、本開示は、各パワートランジスタの対応する端子からそれぞれのポイントまでの経路の長さの差を回避し、それにより、他の電気的パラメータの中でも特に、それぞれのパワートランジスタのソースからモジュールKS検出ポイントまでの寄生容量及び寄生インダクタンスが実質的に同じになる。したがって、モジュールKS検出ポイントで測定されたKS電圧値は、各パワートランジスタのソース電圧値をリアルタイムで正確に反映することができる。更に、駆動モジュールからそれぞれのパワートランジスタのゲートによって受信される制御信号も、一致した波形を有する。
【0066】
詳細及び実施形態は、保護範囲から逸脱することなく、例としてすでに説明された内容に関して修正され、又は更に大幅に変更されてもよい。
【0067】
特許請求の範囲は、本文中の実施形態に提供される技術的教示の一部である。
【0068】
半導体パッケージは、第1の面及び第1の面の反対側の第2の面を有するチップレベルであって、チップレベルは、複数のパワートランジスタを備え、各パワートランジスタは、第1の面にソース及びゲートを備える、チップレベルと、第1の面に位置する第1の導電レベルであって、ゲートに電気的に接続されたゲート接続部と、ソースに電気的に接続されたソース接続部と、を備える、第1の導電レベルと、第2の導電レベルであって、ゲート接続部に電気的に接続されたゲート引き出し部と、ソース接続部に電気的に接続されたソース引き出し部と、を備え、第1の導電レベルは、第2の導電レベルとチップレベルとの間に位置する、第2の導電レベルと、を含むものとして要約され得る。
【0069】
半導体パッケージは、複数のヒートシンクを備えるヒートシンクレベルであって、各ヒートシンクは複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタに接触し、チップレベルはヒートシンクレベルと第1の導電レベルとの間に配置される、ヒートシンクレベルを更に含み得る。
【0070】
パワートランジスタの各々は、少なくともゲート領域及びソース領域を有するパワートランジスタ本体と、パワートランジスタ本体上に配置された絶縁層と、ゲート領域及びソース領域上に形成された複数のスルーホールと、複数のスルーホールを充填する導電片であって、ゲート領域は第1の導電レベルのゲート接続部に電気的に接続され、ソース領域は第1の導電レベルのソース接続部に電気的に接続されるような、導電片と、を含み得る。
【0071】
ゲート接続部は、複数のパワートランジスタの幾何学的中心に配置された接続本体であって、ゲート引き出し部が接続本体上に配置された、接続本体と、複数の接続分岐であって、複数の接続分岐の各々は、接続本体に接続された一端と、複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタのゲートに接続された他端とを有する、複数の接続分岐と、を含み得る。
【0072】
複数の接続分岐は、複数のパワートランジスタのゲートから接続本体への導電経路が一致するように形成され得る。
【0073】
ソース領域の面積はゲート領域の面積より大きくてもよく、ソース接続部の面積はソース領域の面積以上であってもよい。
【0074】
複数のパワートランジスタの数は、4個であってもよい。
【0075】
第1の導電レベル及び第2の導電レベルは、銅、銀、アルミニウム、はんだスズのうちの少なくとも1つから選択される材料で作製され得る。
【0076】
複数のパワートランジスタは、第1のセットのパワートランジスタ及び第2のセットのパワートランジスタを含み得、第1の導電レベルは、第1のセットのパワートランジスタのゲートに電気的に接続された第1のゲート接続部と、第1のセットのパワートランジスタのソースと電気的に接続された第1のソース接続部と、第2のセットのパワートランジスタのゲートに電気的に接続された第2のゲート接続部と、第2のセットのパワートランジスタのソースに電気的に接続された第2のソース接続部と、を含み得、第2の導電レベルは、第1のゲート接続部に電気的に接続された第1のゲート引き出し部と、第1のソース接続部に電気的に接続された第1のソース引き出し部と、第2のゲート接続部と電気的に接続された第2のゲート引き出し部と、第2のソース接続部と電気的に接続された第2のソース引き出し部と、を含み得る。
【0077】
半導体パッケージは、第1のソース引き出し部を第2のセットのパワートランジスタのドレインに電気的に接続するための相互接続を更に含むことができる。
【0078】
半導体パッケージは、複数のパワートランジスタの各パワートランジスタの対応する位置にあるパワートランジスタコネクタであって、パワートランジスタコネクタは、パワートランジスタのゲートが第1の導電レベルの対応するゲート接続部に電気的に接続され、パワートランジスタのソースが第1の導電レベルの対応するソース接続部に電気的に接続されるように、導電片で充填された複数のスルーホールを備える、パワートランジスタコネクタを更に含み得る。
【0079】
半導体パッケージを形成する方法は、第1の面及び第1の面の反対側の第2の面を有し、複数のパワートランジスタを備えるチップレベルを形成することであって、各パワートランジスタは、第1の面にソース及びゲートが設けられる、チップレベルを形成することと、チップレベルの第1の面に、第1の導電レベルを形成することであって、第1の導電レベルは、ゲートに電気的に接続されたゲート接続部と、ソースに電気的に接続されたソース接続部とを備える、第1の導電レベルを形成することと、第1の導電レベルのチップレベルから離れた側に、第2の導電レベルを形成することであって、第2の導電レベルは、ゲート接続部に電気的に接続されたゲート引き出し部と、ソース接続部に電気的に接続されたソース引き出し部とを備える、第2の導電レベルを形成することと、を含み得る。
【0080】
本方法は、チップレベルの第2の面に、ヒートシンクレベルを形成することであって、ヒートシンクレベルは複数のヒートシンクを備え、各ヒートシンクは複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタに接触する、ヒートシンクレベルを形成することを更に含み得る。
【0081】
チップレベルを形成することは、少なくともゲート領域及びソース領域を有するパワートランジスタ本体を形成することと、パワートランジスタ本体上に絶縁層を形成することと、絶縁層に、ゲート領域及びソース領域にそれぞれ対応する複数のスルーホールを形成することと、導電片で複数のスルーホールを充填することであって、その結果、ゲート領域は第1の導電レベルのゲート接続部に電気的に接続され、ソース領域は第1の導電レベルのソース接続部に電気的に接続される、複数のスルーホールを充填することと、を少なくとも含み得る。
【0082】
ゲート接続部は、複数のパワートランジスタの幾何学的中心に配置された接続本体であって、ゲート引き出し部が接続本体上に配置された、接続本体と、複数の接続分岐であって、複数の接続分岐の各々は、接続本体に接続された一端と、複数のパワートランジスタのうちの対応するパワートランジスタのゲートに接続された他端とを有する、複数の接続分岐と、を含むように形成されてもよい。
【0083】
ソース領域の面積はゲート領域の面積より大きくてもよく、ソース接続部の面積はソース領域の面積以上であってもよい。
【0084】
ヒートシンクレベルを形成することは、TiCuを使用してチップレベルの第2の面をスパッタリングすることと、スパッタリングされた第2の面の所定の位置に、複数のヒートシンクのうちの対応するヒートシンクを形成することと、TiCuをエッチングによって除去することと、を含み得る。
【0085】
複数のスルーホールを導電片で充填することは、少なくとも複数のスルーホールをTiCuを用いてスパッタリングすることと、複数のスパッタリングされたスルーホール内に導電片を充填することと、TiCuをエッチングにより除去することと、を含み得る。
【0086】
パワーモジュールは、少なくともゲート配線板及びソース配線板が配置された基板と、請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体パッケージであって、半導体パッケージは、基板上に配置され、ゲート引き出し部はゲート線を介してゲート配線板に電気的に接続され、ソース引き出し部はソース線を介してソース配線板に電気的に接続される、半導体パッケージと、を含むものとして要約され得る。
【0087】
ゲート配線板及びソース配線板は、それぞれリードフレームの対応する部分を介して駆動モジュールに接続されてもよい。
【0088】
上で説明される様々な実施形態を組み合わせて、更なる実施形態を提供することができる。実施形態の態様は、必要に応じて、様々な特許、出願、及び刊行物の概念を採用するように変更して、更なる実施形態を提供することができる。
【0089】
これらの変更及び他の変更は、上記の詳細な説明に照らして実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において、使用される用語は、特許請求の範囲を本明細書及び特許請求の範囲に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに全ての可能な実施形態を含むように解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は本開示によって限定されるものではない。
【外国語明細書】