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2024-163984分析物データをクラスタに分類するための方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163984
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】分析物データをクラスタに分類するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/1429 20240101AFI20241119BHJP
   G01N 15/1433 20240101ALI20241119BHJP
【FI】
G01N15/1429 200
G01N15/1433
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024076706
(22)【出願日】2024-05-09
(31)【優先権主張番号】63/465057
(32)【優先日】2023-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】スプリア バラジ ラマチャンドラン
(72)【発明者】
【氏名】アーロン ジェイコブ ミドルブロック
(57)【要約】      (修正有)
【課題】望ましくない分析物(例えば、デブリ、マルチプレットなど)に関連付けられたデータを除去する。
【解決手段】分析物データを分類するコンピュータ実装方法が提供される。対象となる方法は、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することと、を含む。主題の方法を実行するように構成されたシステム及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物データをクラスタに分類するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、プロセッサを介して、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記分析物データが、フローサイトメータデータである、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記クラスタ基準が、前記分析物データとシングレットとの関連付けである、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記分析物特徴が、画像化特徴を含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記分類モデルが、混合モデル、好ましくは、ガウス混合モデル、又はノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズム、若しくは階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズム、若しくはK平均クラスタリングアルゴリズム、若しくはスペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記分析物データを分類することが、前記クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、前記クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備えるシステムであって、前記メモリが、前記メモリに記憶された命令を含み、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
分析物データをクラスタに分類するために、前記分類モデルを適用させる、システム。
【請求項14】
方法によって分析物データをクラスタに分類するための命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
分析物データをクラスタに分類するコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
(a)分析物データを、命令が記憶されたシステムに提供することであって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用させる、提供することと、
(b)前記プロセッサから、分類された前記分析物データを受信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
生体流体中の分析物の特性評価は、患者の健康全般及びウエルネスの生体研究、医学的診断、及び評価の重要な部分になっている。ヒト血液又は血液由来生成物などの生体流体中の分析物を検出することは、様々な疾患状態を有する患者の治療プロトコルを決定する上で、役割を果たし得る結果を提供することができる。
【0002】
フローサイトメトリは、血液試料の細胞、又は別のタイプの生体試料若しくは化学試料内の対象となる粒子など、生体材料の特性評価を行い、しばしばソートするために使用される技法である。フローサイトメータは、血液試料などの流体試料を受容するための試料リザーバ、及びシース流体を収容するシースリザーバを典型的には含む。フローサイトメータは、シース流体をフローセルに方向付けながら、流体試料中の粒子(細胞を含む)をセルストリームとしてフローセルに移送する。フローストリームの成分の特性評価を行うために、光がフローストリームに照射される。形態又は蛍光標識の存在などのフローストリーム中の材料の変動は、観察される光の変動を引き起こし得、これらの変動により、特性評価及び分離が可能になる。フローストリーム中の成分の特性評価を行うために、光は、フローストリームに衝突し、収集されなくてはならない。フローサイトメータ内の光源は様々であり得、1つ以上の広域スペクトルランプ、発光ダイオード、並びに単一波長レーザが含まれ得る。光源は、フローストリームと整列し、照射された粒子からの光学応答が、収集され、定量化される。
【0003】
生物学的粒子の単離は、フローサイトメータにソーティング又は収集能力を付加することによって達成されている。1つ以上の所望の特性を有するものとして検出された分離ストリーム中の粒子は、機械的又は電気的除去によって試料ストリームから個々に単離される。一般的なフローソーティング技術は、直線的に分離された粒子を含有する流体ストリームが液滴に分解される液滴ソーティングを利用する。対象となる粒子を含む液滴は、電気的に帯電され、電界を通過することによって収集チューブに偏向される。典型的には、ストリーム中の直線的に分離された粒子は、それらがノズル先端のすぐ下に位置する観察点を通過するときに特性評価される。いったん粒子が1つ以上の所望の基準を満たすと識別されると、粒子が分裂ポイントに到達し、ストリームから液滴で分裂する時間を予測することができる。理想的には、選択された粒子を含有する液滴がストリームから分裂する直前に、わずかな電荷が流体ストリームに印加され、液滴が分裂する直後に接地される。ソートされるべき液滴は、流体ストリームから分裂するときに電荷を維持し、他の全ての液滴は非帯電のままである。
【0004】
フローサイトメータを使用して測定されるパラメータには、典型的には、前方散乱(FSC)と称される、ほぼ前方方向に沿った狭い角度で粒子によって散乱された励起波長の光、側方散乱(SSC)と称される、励起レーザに対して直交方向に粒子によって散乱される励起光、及びある範囲のスペクトル波長にわたって信号を測定する1つ以上の検出器において蛍光分子から、又はその特定の検出器又は検出器アレイにおいて主に検出される蛍光色素によって放出された光が含まれる。様々な細胞タンパク質又は他の成分を蛍光色素標識抗体又は他の蛍光プローブで標識することから生じる光散乱特性及び蛍光放射によって、異なる細胞のタイプを識別することができる。
【0005】
フローサイトメータは、測定されたデータを記録し、データを分析するための手段を更に含み得る。例えば、データの記憶及び分析は、検出エレクトロニクスに接続されたコンピュータを使用して実行され得る。例えば、データは、表形式で記憶することができ、各行は、1つの粒子に関するデータに対応し、列は、測定された特徴の各々に対応する。粒子分析器からのデータを記憶するための「FCS」ファイル形式などの標準ファイル形式の使用は、別個のプログラム及び/又は機械を使用してデータを分析することを容易にする。現行の分析方法を使用して、データは、典型的には、視覚化を容易にするために一次元ヒストグラム又は二次元(2D)プロットで表示されるが、他の方法を使用して、多次元データを視覚化してもよい。
【0006】
フローサイトメータデータは、一般に、多数のデータポイント(すなわち、イベント)を含むが、多くの場合、フローサイトメータデータの特定の部分のみがユーザに関心のあるものである。例えば、単一細胞及びマルチプレットからデブリ/小さい粒子を区別するための最良のパラメータを識別することが望ましい場合がある。デブリは、本質的には、処理中に破損した細胞片である。マルチプレットは、一緒に結合される2つ以上の細胞である。細胞デブリは、ユーザが収集したくない、又は更なる分析で処理したくない「ジャンク」又はデータとみなすことができる。マルチプレットはまた、これらから得られる蛍光信号が、単一細胞から観察されるであろうものの2倍であるため、すなわち、それらが異常イベントであるため、分析から除去することが望ましいイベントである。そのようなデブリ及びマルチプレットの除去は、多くの場合、フローデータの分析において実行される最初のステップである。言い換えれば、ダブレットと集塊の除外は、純粋なソートを確立するための重要な予備ステップである。ダブレットは、純度を混乱させ、下流の機能及び/又はゲノム分析を実施するときに、望ましくない結果又は不要な費用をもたらし得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、例えば、望ましくない分析物(例えば、デブリ、マルチプレットなど)に関連付けられたデータを除去するプロセスにおいて、分析物データ(例えば、フローサイトメータデータ)が分類されるプロセスを改善することを提供する。シングレットの手動ゲーティング(SSC-A対FSC-A)は、真の非シングレットの40%がシングレットとして誤って分類されることをもたらし得ることが見出された。更に、分析物の分類は、異なるユーザ間で大きく変わることが多く、それによって、結果の一般化可能性及び再現性を妨げる。したがって、データクリーンアップのための簡素化されたプロセスが望ましい。特に、手動ゲートの描画から生じ得る対象となるイベントの除去を最小限に抑えるクリーニングデータのために、自動化されたプロセスが必要である。本開示の実施形態は、これら及び他の必要性を満たす。
【0008】
本開示の態様は、分析物データを分類するコンピュータ実装方法を含む。対象となる方法は、プロセッサを介して、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することと、を含む。いくつかの実施形態では、分析物データは、フローサイトメータデータである。いくつかのこのような実施形態では、クラスタ基準は、分析物データとシングレットとの関連付けである。ある特定の場合では、クラスタは、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む。いくつかのバージョンでは、分析物特徴は、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの場合では、分類モデルは、ガウス混合モデルなどの混合モデルを含む。他の場合では、分類モデルは、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む。なおも他の場合では、分類モデルは、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(balanced iterative reducing and clustering using hierarchies)(BIRCH)アルゴリズムを含む。更に他の場合では、分類モデルは、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む。更なる場合では、分類モデルは、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む。いくつかの場合では、分析物特徴の初期セットは、5~20個の分析物特徴(例えば、9~11個の分析物特徴)を含む。ある特定のバージョンでは、分析物特徴の疎セットは、2~10個の分析物特徴(例えば、2~4個の分析物特徴)を含む。ある特定のバージョンでは、分析物データを分類することは、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上(例えば、97%以上)を含めることを含む。いくつかの場合では、分析物データを分類することは、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上(例えば、92%以上)を除外することを含む。
【0009】
本開示の態様は、追加的に、システムを含む。対象となるシステムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを含み、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに(例えば、上記及び本明細書に記載されたように)本開示の方法を実行させる。言い換えれば、プロセッサは、分析物の特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、関係に基づいて、分析物の特徴の初期セットの最大でも一部から疎セットを生成し、疎セットに基づいて、分類モデルを生成し、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用するように構成されている。いくつかの事例では、システムは、フローサイトメータであるか、又はフローサイトメータを備える(例えば、フローサイトメータと動作可能に接続されている)。いくつかのバージョンでは、フローサイトメータは、画像化対応フローサイトメータである。本開示の方法は、いくつかの場合では、分析物データを本開示のシステムに提供することと、該システムから、分類された分析物データを受信することと、を伴い得る。
【0010】
本開示の態様は、本開示の方法によって分析物データを分類するために、命令が記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体も含む。言い換えれば、命令は、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を決定するために、回帰モデルを適用することと、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、分析物データをクラスタに分類することと、によって、分析物データを分類するために、分類モデルを適用するものである。
【0011】
本開示は、添付の図面と併せて読み取るときに、以下の詳細な説明から最もよく理解することができる。図面には、以下の図が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ある特定の実施形態による分析物データを分類する方法を実践するためのフローチャートを提示する。
図2】ある特定の実施形態によるフローサイトメトリシステムを提示する。
図3-1】ある特定の実施形態による画像化対応粒子ソータを描画する。
図3-2】ある特定の実施形態による画像化対応粒子ソータを描画する。
図4】ある特定の実施形態による粒子分析システムの機能ブロック図を描画する。
図5】ある特定の実施形態による制御システムの一実施例のための機能ブロック図を描画する。
図6A】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を描画する。
図6B】ある特定の実施形態による粒子ソータシステムの概略図を描画する。
図7】ある特定の実施形態によるコンピュータ制御システムの態様を描画する。
図8A】特徴選択を実施するためのフローチャートを描画する。
図8B】ガウス混合モデリングを実施するためのフローチャートを描画する。
図9】手動ゲーティング方法で使用される画像化特徴、並びにリンパ球、単球及び高分散イベントの分布を描画する。
図10A】画像化単独の非シングレット除外法からの結果を描画する。
図10B】画像化単独の非シングレット除外法からの結果を描画する。
図11A】高さ対幅+画像化非シングレット除外法による結果を描画する。
図11B】高さ対幅+画像化非シングレット除外法による結果を描画する。
図12A】高さ対面積+画像化非シングレット除外法による結果を描画する。
図12B】高さ対面積+画像化非シングレット除外法による結果を描画する。
図13A】異なる方法の間で、非シングレット除外とシングレット保存を比較する。
図13B】異なる方法の間で、非シングレット除外とシングレット保存を比較する。
図14A】クラスタリング結果を提示する。
図14B】クラスタリング結果を提示する。
図15】シングレット包含と非シングレット除外の箱ひげ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
分析物データを分類するコンピュータ実装方法が提供される。対象となる方法は、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、関係に基づいて分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することと、を含む。主題の方法を実行するように構成されたシステム及び非一時的コンピュータ可読記憶媒体も提供される。
【0014】
本開示がより詳細に説明される前に、本開示は、説明される特定の実施形態に限定されるものではなく、したがって、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみについて記載することを目的とし、本開示の範囲が、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、限定することを意図するものではないことが理解される。
【0015】
値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示をしない限り、その範囲の上限と下限との間の、下限の単位の10分の1までの各中間値、及びこの記載の範囲内の任意の他の記載される値又は中間値が本開示に包含されることが理解されるべきである。これらのより小さい範囲の上限及び下限は、独立して、より小さい範囲に含まれ得、また、記述の範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として、本開示内に包含される。記載された範囲が限界の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれか又は両方を除外する範囲も、同様に本開示に含まれる。
【0016】
ある特定の範囲は、「約」という用語によって先行される数値を伴って本明細書において提示される。「約」という用語は、本明細書では、それが先行する正確な数、並びにその用語が先行する数に近いか又はほぼそれである数に文字通りの支持を提供するために使用される。ある数が、具体的に列挙された数に近いか又はほぼその数であるかを決定する際に、列挙されていない数に近いか又はほぼその数は、提示される文脈において、具体的に列挙された数の実質的な同等性を提供する数であり得る。
【0017】
別段の定義のない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。また、本明細書に記載のものと同様の又は同等な任意の方法及び材料が、本開示の実施又は試験に使用され得るが、代表的な例解的な方法及び材料が以下に記載される。
【0018】
本明細書で引用される全ての刊行物及び特許は、あたかも各個々の刊行物又は特許が参照によって組み込まれるように具体的かつ個々に示されているかのように、参照によって本明細書に組み込まれ、参照によって本明細書に組み込まれることによって、それらの刊行物が引用される関連した方法及び/又は材料を開示及び記載する。任意の刊行物の引用は、出願日以前のその開示についてのものであり、本開示が、先行開示の特色によってそのような刊行物に先行する権利がないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、提供される刊行物の日付は、独立して確認する必要があり得る実際の公開日とは異なり得る。
【0019】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに示さない限り、複数の指示物を含むことに留意されたい。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択的な要素を排除するように起草され得ることに更に留意されたい。したがって、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙に関連する「単独で」、「のみ」などのそのような排他的な用語の使用、又は「否定的」限定の使用の先行詞として機能することが意図される。
【0020】
本開示を読むと当業者には明らかであるように、本明細書に説明及び例解される個々の実施形態の各々は、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、他のいくつかの実施形態のいずれかの特徴から容易に分離され得るか、又は組み合わされ得る個別の要素及び特徴を有する。任意の列挙された方法は、列挙されたイベントの順序、又は論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0021】
システム及び方法は、機能的な説明を伴う文法的流動性のために記載されている、又は記載されるが、特許請求の範囲は、米国特許法第112条下で明示的に策定されない限り、「手段」又は「ステップ」制限の構築によって必ずしも制限されるものと解釈されるべきではなく、均等物の法制定基礎原則の下で特許請求の範囲によって提供される定義の意味及び均等物の完全な範囲を付与されるべきであり、特許請求の範囲が米国特許法第112条下で明示的に策定される場合、米国特許法第112条下で完全な法定同等物が付与されるべきであることを明示的に理解されたい。
【0022】
分析物データを分類する方法
本開示の態様は、分析物データをクラスタに分類するコンピュータ実装方法を含む。「分析物データ」とは、特定の分析物をある特定の特性について評価することによって得られるデータを意味する。分析物データを「分類する」とは、分析物データ(例えば、分析物データのグループ)を、データが属することができる1つ以上の可能な異なるタイプのうちの特定のタイプに属するものとして指定することを意味する。本開示の方法は、いくつかの場合では、分析物データがユーザによって(例えば、フローサイトメータデータ上でゲートを描画することによって)手動で分類される場合など、従来の分類方法と比較して分析物データ分類を改善するのに十分であり得る。例えば、主題の方法は、ある特定の実施形態では、分類精度を増加させ得る。精度は、それに関連付けられた各分析物又はデータポイント/イベントが、実際には、それが分類される特定のタイプに属するかどうかを評価することによって判定され得る。ある特定の場合では、本開示の方法は、従来の方法(例えば、手動ゲートを描画すること)と比較して、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、15%以上及び20%以上を含む1%以上で分類精度を増加させ得る。実施形態では、本発明の方法を実施することは、従来の方法(例えば、手動ゲートを描画すること)と比較して、例えば、5%以上、例えば、10%以上、例えば、15%以上及び20%以上を含む1%以上などで、分析物データが分類される速度及び/又は効率を増加させるのに十分である。上で述べたように、本開示の方法は、コンピュータ実装方法である。言い換えれば、本明細書で説明される方法ステップは、コンピュータシステムに関連付けられたプロセッサを介して実行され得る。本開示のシステムに関して以下に記載されるものなどの主題の方法では、任意の好適なプロセッサが使用され得る。
【0023】
いくつかの場合では、分析物データは、フローサイトメータデータである。「フローサイトメータデータ」とは、粒子分析器内の任意の数の検出器によって収集されている試料粒子の特性に関する情報を意味する。本明細書で考察される場合、「粒子分析器」は、ある特定の(例えば、光学的)パラメータに基づいて粒子の特性評価を可能にする分析ツール(例えば、フローサイトメータ)である。「粒子」とは、分子、分析物結合ビーズ、個々の細胞などの生体試料の別個の構成要素を意味する。本開示は、主にフローサイトメータデータに関して記載されているが、本開示の適用可能性は、フローサイトメータデータに限定されない。ある特定の場合では、本開示は、核酸データなどの他のタイプのデータに適用可能であり得る。
【0024】
フローサイトメータデータは、任意の好適なソースから受信され得る。いくつかの実施形態では、フローサイトメータデータは、記憶デバイスのメモリから受信される。そのような実施形態では、フローサイトメータデータは、その後のリコール及び分析のために、事前に生成され、記憶デバイスのメモリに保存されていてもよい。他の実施形態では、フローサイトメータデータは、リアルタイムで受信される。別の言い方をすれば、フローサイトメータの動作中に生成されたフローサイトメータデータは、その後(例えば、直ちに)データ空間(例えば、二次元プロット)に投入され得る。実施形態では、フローサイトメータデータは、前方散乱検出器から受信される。前方散乱検出器は、いくつかの事例では、粒子の全体的なサイズに関する情報をもたらし得る。実施形態では、フローサイトメータデータは、側方散乱検出器から受信される。いくつかの事例では、側方散乱検出器は、粒子の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成され、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある。
【0025】
ある特定の実施形態では、粒子は、必要に応じて、粒子を励起光にさらし、1つ以上の検出チャネル内の各粒子の蛍光を測定することによって検出され、一意に識別される。粒子及びそれに関連付けられた結合複合体を識別するために使用される検出チャネルで放出される蛍光は、単一の光源での励起後に測定され得、又は別個の光源での励起後に個別に測定され得る。粒子標識を励起するために個別の励起光源が使用される場合、標識は、全ての標識が使用される励起光源の各々によって励起可能であるように選択され得る。実施形態では、フローサイトメータデータは、蛍光検出器から受信される。蛍光検出器は、いくつかの事例では、蛍光分子、例えば、フローセル内の粒子に関連付けられた標識された特異的結合メンバー(対象となるマーカに特異的に結合する標識された抗体など)からの蛍光放出を検出するように構成され得る。ある特定の実施形態では、方法は、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上、例えば、7個以上、例えば、8個以上、例えば、9個以上、例えば、10個以上、例えば、15個以上及び25個以上の蛍光検出器を含む、1つ以上の蛍光検出器を用いて、試料から蛍光を検出することを含む。実施形態では、蛍光検出器の各々は、蛍光データ信号を生成するように構成されている。試料からの蛍光は、各蛍光検出器によって、独立して、200nm~1200nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって検出され得る。いくつかの事例では、方法は、例えば、200nm~1200nm、例えば、300nm~1100nm、例えば、400nm~1000nm、例えば、500nm~900nm及び600nm~800nmを含む波長範囲にわたって、試料から蛍光を検出することを含む。他の事例では、方法は、1つ以上の特定の波長で各蛍光検出器を用いて蛍光を検出することを含む。例えば、蛍光は、主題の光検出システムにおける異なる蛍光検出器の数に応じて、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で検出され得る。ある特定の実施形態では、方法は、試料中に存在するある特定の蛍光団の蛍光ピーク波長に対応する光の波長を検出することを含む。実施形態では、フローサイトメータデータは、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、6個以上及び8個以上の光検出器を含む(例えば8個以上の検出チャネル)、1つ以上の光検出器(例えば、1つ以上の検出チャネル)から受信される。
【0026】
いくつかの場合では、方法は、例えば、2つ以上のセット、3つ以上のセット、4つ以上のセット、5つ以上のセット、7つ以上のセット、8つ以上のセット、9つ以上のセット、及び10個以上のセットを含む、複数の分析物データのセットを分類することを含み得る。そのような場合では、セットは、同じソースから、又は異なるソースからのものであり得る。主題の方法によって分類されたデータポイント(例えば、イベント、観察結果)の数も変化し得る。いくつかの場合では、データポイントの数は、例えば、10k~80k、例えば、20k~60k及び25k~50kを含む、1k~100kの範囲である。いくつかの実施形態では、データポイントの数は、例えば、5k以上、例えば、10k以上、例えば、15k以上、例えば、20k以上、例えば、25k以上、例えば、30k以上、例えば、35k以上、例えば、40k以上、例えば、45k以上、例えば、50k以上、例えば、55k以上、例えば、60k以上、例えば、65k以上、例えば、70k以上、例えば、75k以上、例えば、80k以上、例えば、85k以上、例えば、90k以上、例えば、95k以上及び100k以上を含む1k以上である。
【0027】
いくつかの場合では、分析物データをクラスタリングする前に、方法は、例えば、データが異なるモデルによる操作のためにより好適な形態になるように、データを前処理することを含む。任意の好適な前処理プロトコルが用いられ得る。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、それらが平均を中心とし、単位分散にスケーリングされるように、分析物特徴を標準化することを含む。
【0028】
本開示の方法は、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することを含む。「分析物特徴」とは、各分析物がデジタル化された特徴値のセットとして分析物データ内に存在するように、各個々の分析物(例えば、粒子)に関連付けられた1つ以上の特性(例えば、光学特性、インピーダンス特性、及び/又は時間特性)を意味する。所与の実験の要件に応じて、データ内に存在する分析物特徴の数は、変化し得、例えば、20個以上の特徴、例えば、30個以上の特徴、例えば、40個以上の特徴、例えば、50個以上の特徴及び60個以上の特徴を含むなど10個以上を含むことができる。ある特定の事例では、分析物特徴は、サイズ特徴、画像化特徴、及び散乱特徴から選択される。いくつかのこのような事例では、分析物特徴は、側方散乱(SSC)特徴及び順方向散乱(FSC)特徴から選択される散乱特徴である。分析物データがフローサイトメータデータである場合、分析物特徴はまた、蛍光、軸方向光損失(ALL)などに関連付けられ得、及び/又はそれらから取得され得る。例示的な特徴として、サイズ、質量中心、短軸モーメント、拡散率、長軸モーメント、半径方向モーメント、最大強度、及び偏心が挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、分析物特徴は、画像化特徴を含む。
【0029】
本明細書で考察される「クラスタ基準」は、分析物データが評価され、クラスタに分類され得る任意の好適な標準であり得る。例えば、クラスタ基準は、対象となるある特定のパラメータとの分析物データの関連付けであり得る。分析物データは、データに対応する分析物が該パラメータに対応すると言える場合、すなわち、それが肯定的である場合、対象となるパラメータに「関連付けられている」とみなされ得る。そのような分析物データは、特定のクラスタに分類され得、その一方で、クラスタ基準に対応しない分析物データは、1つ以上の他のクラスタ(例えば、対象となるパラメータに対して否定的であるクラスタ)に分類され得る。いくつかの実施形態では、クラスタ基準に対応しない分析物データは、単一のクラスタに分類され得る(すなわち、2つの合計クラスタが存在するように)。代替的に、クラスタ基準に対応しない分析物データは、例えば、2つ以上のクラスタ、3つ以上のクラスタ、4つ以上のクラスタ、5つ以上のクラスタ、6つ以上のクラスタ、7つ以上のクラスタ、8つ以上のクラスタ、9つ以上のクラスタ、及び10個以上のクラスタを含む、いくつかの他の基準に従って、複数のクラスタに分類され得る。クラスタ基準は、観察される分析物の性質及び/又は実施される実験の性質に応じて変化し得る。いくつかの場合では、クラスタ基準は、分析物データとシングレットとの関連付けである。そのような場合では、シングレットに関連付けられたフローサイトメータデータは、シングレットクラスタに分類され得、その一方で、シングレットに関連付けられていないフローサイトメータは、1つ以上の非シングレットクラスタに分類され得る。非シングレットクラスタに分類され得る非シングレットは、マルチプレット/集合体(例えば、ダブレット、トリプレット、クアドラプレット、クインタプレットなど)、デブリ(例えば、溶解細胞の構成要素)などを含み得るが、これらに限定されない。上記に従って、非シングレットは、単一の非シングレットクラスタに分類され得、又は複数の非シングレットクラスタ(例えば、1つのクラスタがダブレットに対応し、1つがデブリに対応するなど、必要に応じて)に更にセグメント化され得る。いくつかの場合では、非シングレットクラスタは、ダブレット又は集合体を含む。他のクラスタ基準は、実施される実験の性質に応じて、それ自体が分析物の特定の表現型に関連付けられ得る特定の蛍光マーカとの関連付けを含み得る。いくつかの実施形態では、クラスタ基準は、分析物のサイズ又は形状である。
【0030】
分析物特徴の「初期」セットは、可能な分析物特徴の母集団(例えば、特定の制約を有する実験において所与のフローサイトメータから得ることができるもの)からの分析物特徴のサブセットであり、この可能な分析物特徴は、初期セットが、可能な分析物特徴の母集団における他の分析物特徴と比較して、クラスタ基準に従って分析物データのクラスタへの分類を予測するためにより有用であるように、回帰モデルを介してクラスタ基準との関係を有することが見出されている。いくつかの場合では、初期セット内の分析物特徴は、全体として1%以上、例えば5%以上、例えば10%以上、例えば15%以上、例えば20%以上、例えば25%以上、例えば30%以上、例えば35%以上、例えば40%以上、及び50%以上を含むとみなされる場合、可能性のある分析物特徴の母集団よりも予測的である。回帰モデルは、分析物特徴とクラスタ基準との間の関係を推定するように構成された任意のモデルであり得る。いくつかの場合では、回帰モデルは、線形回帰を用いる。他の場合では、回帰モデルは、非線形回帰を用いる。回帰モデルは、いくつかの事例では、例えば、ベイズ法、パーセンテージ回帰、シナリオ最適化、最小絶対偏差、ノンパラメトリック回帰、シナリオ最適化、距離メトリック学習などを含み得る。
【0031】
初期セット内の分析物特徴の数は、変化し得る。いくつかの場合では、分析物特徴の初期セットは、5~20個の分析物特徴、例えば、7~15個の分析物特徴、及び9~11個の分析物特徴などを含む。いくつかの場合では、分析物特徴の初期セットは、5個の分析物特徴、6個の分析物特徴、7個の分析物特徴、8個の分析物特徴、9個の分析物特徴、10個の分析物特徴、11個の分析物特徴、12個の分析物特徴、13個の分析物特徴、14個の分析物特徴、15個の分析物特徴、16個の分析物特徴、17個の分析物特徴、18個の分析物特徴、19個の分析物特徴、又は20個の分析物特徴を含む。分析物特徴の数はまた、可能な分析物特徴の母集団における分析物特徴の数のパーセンテージとして説明され得る。いくつかの場合では、分析物特徴の初期セットは、例えば、11%以上、12%以上、13%以上、14%以上、15%以上、16%以上、17%以上、18%以上、19%以上、20%以上、21%以上、22%以上、23%以上、24%以上、及び25%以上を含む、可能な分析物特徴の10%以上を含む。いくつかの実施形態では、初期セットは、画像化分析物特徴及び非画像化分析物特徴の両方を含む。
【0032】
本開示の方法は、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することを更に含む。「疎セット」とは、クラスタ基準に対する予測性に基づいて更に洗練されている分析物特徴の初期セットのサブセットを意味する。言い換えると、疎セットは、クラスタ基準に関連付けられた分析物データ(例えば、シングレット)のクラスタからの包含の割合と、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データ(例えば、非シングレット)の除外の割合と、を最適化する。疎セット内の分析物特徴の数は、いくつかの事例では、変化し得、例えば、2~5個の分析物特徴、及び2~4個の分析物特徴を含むなど、2~10個の分析物特徴の範囲であり得る。いくつかの場合では、疎セットは、2つの分析物特徴、3つの分析物特徴、4つの分析物特徴、5つの分析物特徴、6つの分析物特徴、7つの分析物特徴、8つの分析物特徴、9つの分析物特徴、又は10の分析物特徴を含む。いくつかの場合では、疎セットは、例えば、15%以上、例えば、20%以上、例えば、25%以上、例えば、30%以上、35%以上、及び40%以上を含む、初期セットからの分析物特徴の10%以上を含む。
【0033】
疎セットが生成されるプロトコルは、いくつかの場合では、変化する。いくつかの事例では、分析物特徴の疎なセットを生成することは、初期セットの分析物特徴を反復的にチューニングすることを含む。実施形態では、反復チューニングは、クラスタ基準に対して実験的な包含率及び除外率を推定することを伴う。別の言い方をすれば、反復チューニングは、クラスタ基準に関連付けられたクラスタ内の分析物データの真の包含率、及び同じクラスタからのクラスタ基準に関連付けられていない分析物データの除外を推定することを伴う。シングレット及び非シングレットを伴う特定の例では、反復チューニングは、実験的な真のシングレット包含率及び真の非シングレット除外率を推定することを伴う。最適なレートが見つかるまで、チューニングを繰り返してもよい。いくつかの場合では、疎セットの生成は、(例えば、真のシングレット包含率及び真の非シングレット除外率に関する)精度について分析物特徴の異なる組み合わせを反復的にテストすることを伴い、最高の精度を有する組み合わせが最適とみなされる。いくつかの実施形態では、疎セットは、画像化分析物特徴及び非画像化分析物特徴の両方を含む。
【0034】
実施形態では、分析物特徴の疎セットは、訓練データに基づいて生成され得る。いくつかの場合では、訓練データは、回帰モデルの適用、反復チューニング、又はその両方の間に使用される。訓練データは、任意の好適なソースから受信され得る。いくつかの実施形態では、訓練データは、記憶デバイスのメモリから受信される。そのような実施形態では、訓練データは、その後のリコール及び分析のために、事前に生成され、記憶デバイスのメモリに保存されていてもよい。実施形態では、訓練データセット内の分析物データは、既知の分類である。例えば、訓練データセットがフローサイトメータデータを含むいくつかの場合では、各個々の分析物は、いくつかの他の手段によって、1つのクラス又は別のクラスに対応することが確認されていてもよい。ある特定の事例では、エキスパートユーザは、訓練データセットへの分類を手動で提供する。これは、例えば、フローサイトメータデータの二次元プロット上に手動でゲートを描画することを含むことができる。訓練データセットからの分析物の特徴、並びにこれらの分類は、訓練目的のために提供され得る。言い換えれば、訓練データは、「グラウンドトゥルース」データとみなされ得る。いくつかのバージョンでは、そのようなグラウンドトゥルースデータは、対象となる分析物特性に対応することが知られているフローサイトメータ実験で特定の染色又は染料を用いることによって取得される。染色又は染料は、該特性の性質に応じて選択され得る。例えば、シングレット及び非シングレットをクラスタリングすることが望ましい場合、グラウンドトゥルースデータは、DNAインターカレーション染料を使用して取得され得る。細胞(少なくとも真核生物品種)は、一般に、DNAを含有する単一の核を有する。したがって、該DNAを染色することで、ユーザは、所与のイベント/観察が1つの細胞(すなわち、シングレット)を含むか、又は複数の細胞(すなわち、非シングレット)を含むかを確実に判定することができる。用いられ得るDNAインターカレーション染料として、臭化エチジウム、SYBRグリーン、ヨウ化プロピジウム、アクリジンオレンジ、DAPI、及びDRAQ5が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、方法は、例えば、2つ以上の訓練データセット、例えば、3つ以上の訓練データセット、例えば、4つ以上の訓練データセット、及び5つ以上の訓練データセットを含む、複数の訓練データセットを使用する訓練を含む。
【0035】
上記に加えて、方法は、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することを含む。分析物データをクラスタリングするのに好適な任意の分類モデルを用いてもよい。いくつかの場合では、分類モデルは、機械学習アルゴリズムである。いくつかのバージョンでは、分類モデルは、混合モデルであるか、又は混合モデルを含む。混合モデルは、確率分布の組み合わせを表す。各分布は、データ内の異なるサブグループ又はクラスタであり得る。これらの成分分布は、モデル化されるデータの性質に応じて、ガウス(正規分布)、指数分布、又は他のような異なるタイプであり得る。混合モデルでは、各データポイントは、成分分布のうちの1つによって生成されていると想定され、モデルのパラメータによって判定された各成分によって生成される尤度を伴う。パラメータは、典型的には、各成分の重み(又は比率)及び各成分分布のパラメータ(例えば、平均(μ)、共分散(Σ))を含む。混合モデルに関する詳細は、例えば、McNicholas,P.D.(2016)、混合モデルベースの分類に見出され得、参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
ある特定の実施形態では、混合モデルは、ガウス混合モデルを含む。そのような実施形態では、方法は、分析物データがガウス分布(すなわち、ガウス分布)の混合物を含むと仮定することを伴う。1つの例示的なバージョンでは、方法は、平均μ、共分散Σ、及びクラスタ当たりの割合Πを初期化することと、以下のように、分析物データ内の各データポイントがクラスタcに属する確率を計算することと、を含む。
【0037】
【数1】
【0038】
式中、N(x|μ,Σ)は、以下の多変量ガウスを記述する:
【0039】
【数2】
【0040】
各クラスタcについて、方法は、総重量mを計算することと、パラメータ平均μ、共分散Σ、及びクラスタあたりの割合Πを更新することと、を含み得る。各データポイントがクラスタcに属する確率は、次の式を使用して計算され得る。
【0041】
【数3】
【0042】
いくつかの実施形態による方法はまた、以下のモデルの対数尤度関数が収束するまで、上記のステップを反復的に繰り返すことを含む。
【0043】
【数4】
【0044】
したがって、各データポイントは、クラスタに割り当てられる。
【0045】
いくつかの場合では、分類モデルは、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む。DBSCANは、密度によってデータポイントをグループ化し、より高い密度を有する点がクラスタを形成する。DBSCANに関する詳細は、例えば、Ester et al.(1996)Proceedings of the Second International Conference on Knowledge Discovery and Data.96(34):226-231に見出され得、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの場合では、分類モデルは、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む。K平均クラスタリングは、観察を、各観察が最も近い平均(例えば、重心)を有するクラスタに属するクラスタに分割することを伴う。K平均クラスタリングに関する詳細は、例えば、Lloyd,Stuart P.(1967)IEEE Transactions on Information Theory.28(2):129-137に見出され得、参照により本明細書に組み込まれる。他の場合では、分類モデルは、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズムを含む。BIRCHは、階層的なクラスタリングに使用される教師なしデータマイニングアルゴリズムである。BIRCHに関する詳細は、例えば、Zhang et al.(1996)ACM sigmod record.25(2):103-114に見出され得る。ある特定の実装形態では、BIRCHは、本明細書で考察される他のアルゴリズムのうちの1つ以上を補完するために用いられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、BIRCHは、K平均クラスタリングを加速するために使用される。更なる実施形態では、BIRCHは、本明細書に記載されるガウス混合物モデリングを加速するために使用される。ある特定のバージョンでは、分類モデルは、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む。スペクトラルクラスタリングは、類似性行列の固有値の使用を伴う。スペクトラルクラスタリングに関する詳細は、例えば、Von Luxburg,U.(2007)Statistics and computing 17: 395-416に見出され得、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
分類モデルが生成された後、本開示の方法は、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することを含む。分析物データの分類に続いて、いくつかのバージョンによる方法は、例えば、分類をグラウンドトゥルースデータと比較することによって、分類モデルを評価することを含み得る。いくつかの場合では、本明細書に記載の方法を介して分析物データを分類することは、例えば、90%以上、及び97%以上を含む、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む。加えて、本明細書に記載の方法を介して分析物データを分類することは、例えば、90%以上、及び92%以上を含む、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上を除外することを伴い得る。いくつかの実施形態では、方法は、試料内の分析物特徴に基づいて、1つ以上の母集団クラスタを生成することを含む。本明細書で使用される場合、細胞、核酸又は他の粒子などの、分析物の「母集団」、又は「部分母集団」は、測定されたパラメータデータがデータ空間内でクラスタを形成するように、概して、1つ以上の測定されたパラメータに関して特性(例えば、光学特性、インピーダンス特性、時間特性など)を所有する分析物のグループを指す。実施形態では、データは、例えば、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、6個以上、7個以上、8個以上、9個以上、10個以上、及び20個以上を含むなど、任意の所与の数の異なるパラメータからの信号から構成される。したがって、母集団は、データ内のクラスタとして認識される。逆に、ノイズ又はバックグラウンドに対応するクラスタも典型的には観察されるが、各データクラスタは、概して、特定のタイプの細胞又は分析物の母集団に対応するとして解釈される。クラスタは、次元のサブセット内で、例えば、細胞、粒子又は核酸の測定値から抽出された、測定されたパラメータ又は特徴のサブセット内のみで異なる母集団に対応する、測定されたパラメータのサブセットに関して、定義され得る。
【0047】
実施形態では、方法は、データを受信することと、各分析物のパラメータを計算することと、計算されたパラメータに基づいて、分析物を一緒にクラスタリングすることと、を含む。例えば、データがフローサイトメータデータである場合、実験は、いくつかのフルオロフォア又は蛍光標識抗体によって標識された粒子を含み得、粒子のグループは、1つ以上の蛍光測定に対応する母集団によって定義され得る。実施例では、第1のグループは、第1のフルオロフォアについてのある範囲の光散乱によって定義され、第2のグループは、第2のフルオロフォアについてのある範囲の光散乱によって定義され得る。第1及び第2のフルオロフォアが、それぞれ、x軸及びy軸上に表されるとすると、情報がグラフィカルに表示される場合、2つの異なる色分けされた母集団が粒子の各グループを定義するように表示され得る。任意の数の分析物を、例えば、10個以上の分析物、例えば、50個以上の分析物、例えば、100個以上の分析物、例えば、500個以上の分析物、及び1000個以上の分析物を含む、5個以上の分析物を含むクラスタに割り当てられ得る。ある特定の実施形態では、方法は、試料内で検出されたレアイベント(例えば、がん細胞などの試料内のレア細胞)をクラスタ内で一緒にグループ化する。これらの実施形態では、生成された分析物クラスタは、例えば、9個以下及び5個以下の割り当てられた分析物を含む、10個以下の割り当てられた分析物を含み得る。
【0048】
図1は、本開示の実施形態による方法を実践するためのフローチャートを提示する。図1に示されるように、ステップ101は、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することを含む。ステップ102は、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することを伴う。ステップ103は、疎セットに基づいて、分類モデルを生成することを含む。ステップ104は、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することを伴う。
【0049】
ある特定の場合では、本開示の方法は、2024年3月25日に出願された米国仮特許出願第63/569,559号に記載されている方法(Atty.Dkt.No.BECT-367PRV)と併せて実施され得、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。そのような場合では、コンピュータ実装方法は、決定木アンサンブルを使用して、分析物データの予測されたクラスを生成することによって、それに関連付けられた分析物特徴に基づいて、分析物データを分類することと、距離ベース分類モデルを使用して分析物データを分類するために、分析物特徴及び予測されたクラスに基づいて、分類された分析物データを洗練することと、を含み得る。
【0050】
いくつかの事例では、本方法で分析される試料は、生体試料である。「生体試料」という用語は、全生物、植物、菌類、又は、ある特定の事例では、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、気管支肺胞洗浄、羊水、羊膜臍帯血、尿、膣液、及び精液中に見られ得る動物の組織、細胞、又は構成要素のサブセットを指すために、その従来の意味で使用される。したがって、「生体試料」は、天然生物又はその組織のサブセットの両方、並びに、以下に限定されないが、例えば、血漿、血清、脊髄液、リンパ液、皮膚の切片、呼吸管、胃腸管、心血管、及び泌尿器管、涙液、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、臓器を含む、生物又はその組織のサブセットから調製されたホモジネート、溶解物、又は抽出物を指す。生体試料は、健康組織及び疾患組織(例えば、がん性、悪性、壊死性など)の両方を含む、任意のタイプの生体組織であり得る。ある特定の実施形態では、生体試料は、血液又はその誘導体、例えば、血漿、涙液、尿、精液などの液体試料であり、いくつかの事例では、試料は、静脈穿刺又はフィンガースティックから取得された血液など、全血を含む血液試料である(血液は、アッセイの前に、防腐剤、抗凝固剤などの任意の試薬と組み合わされてもよく、組み合わされなくてもよい)。
【0051】
ある特定の実施形態では、試料源は、「哺乳類」又は「哺乳類の動物」であり、これらの用語は、肉食類(例えば、イヌ及びネコ)、げっ歯類(例えば、マウス、モルモット、及びラット)、及び霊長類(例えば、ヒト、チンパンジー、及びサル)を含む、哺乳類内の生物を記載するために広く使用される。いくつかの事例では、被験体はヒトである。方法は、両方の性別のヒト被験体から、発達の任意の段階(すなわち、新生児、乳幼児、年少者、青年、成人)で取得された試料に適用され得、ある特定の実施形態では、ヒト被験体は、年少者、青年、又は成人である。本開示は、ヒト被験体からの試料に適用され得るが、以下に限定されないが、鳥、マウス、ラット、イヌ、ネコ、家畜、及びウマなどの他の動物被験体からの(すなわち、「非ヒト被験体」の)試料に対しても実施され得ることを理解されたい。
【0052】
対象となる細胞は、特定の蛍光標識を対象となる細胞に付着させることを介して識別される表現型特性など、様々なパラメータに従って特性評価されるための標的にされ得る。いくつかの実施形態では、システムは、標的細胞を含むと判定される分析された液滴を偏向させるように構成される。様々な細胞が、主題の方法を使用して特性評価され得る。対象となる標的細胞としては、以下に限定されないが、幹細胞、T細胞、樹状細胞、B細胞、顆粒球、白血病細胞、リンパ腫細胞、ウイルス細胞(例えば、HIV細胞)NK細胞、マクロファージ、単球、線維芽細胞、上皮細胞、内皮細胞、及び赤血球細胞が挙げられる。対象となる標的細胞としては、好都合な親和性剤又はその複合体によって捕捉又は標識され得る好都合な細胞表面マーカ又は細胞表面抗原を有する細胞が挙げられる。例えば、標的細胞は、CD11b、CD123、CD14、CD15、CD16、CD19、CD193、CD2、CD25、CD27、CD3、CD335、CD36、CD4、CD43、CD45RO、CD56、CD61、CD7、CD8、CD34、CD1c、CD23、CD304、CD235a、T細胞受容体アルファ/ベータ、T細胞受容体ガンマ/デルタ、CD253、CD95、CD20、CD105、CD117、CD120b、Notch4、Lgr5(N末端)、SSEA-3,TRA-1-60抗原、ジシアロガングリオシドGD2、及びCD71などの細胞表面抗原を含み得る。いくつかの実施形態では、標的細胞は、全血、骨髄又は臍帯血からのHIV含有細胞、Treg細胞、抗原特異的T細胞集団、腫瘍細胞、又は造血前駆細胞(CD34+)から選択される。
【0053】
主題の方法を実践する際に、ある量の初期流体試料が、フローサイトメータ内に注入される。粒子ソーティングモジュール内に注入される試料の量は、例えば、0.005mL~900mL、例えば、0.01mL~800mL、例えば、0.05mL~700mL、例えば、0.1mL~600mL、例えば、0.5mL~500mL、例えば、1mL~400mL、例えば、2mL~300mL、及び5mL~100mLの試料を含むなど、0.001mL~1000mLの範囲で変化し得る。
【0054】
本開示の実施形態による方法は、試料内の標識された粒子(例えば、標的細胞)を計数し、任意選択的にソートすることを含む。主題の方法を実践する際に、粒子を含む流体試料は、最初にシステムのフローノズルに導入される。フローノズルから出ると、粒子は、試料検査領域を通して実質的に1つずつ通過し、この試料検査領域で、粒子の各々が光源に照射され、いくつかの事例では、必要に応じて、光散乱パラメータ及び蛍光放射の測定値(例えば、2つ以上の光散乱パラメータ及び1つ以上の蛍光放射の測定値)が粒子ごとに別々に記録される。検査されるフローストリームの特性に応じて、フローストリームの0.001mm以上が光を照射され得、例えば、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、及びフローストリームの1mm以上が、光を照射され得ることを含む。ある特定の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、フローストリームの平面断面を、(上述のように)レーザを用いてなどで照射することを含む。他の実施形態では、方法は、試料検査領域内で、例えば、拡散レーザビーム又はランプの照射プロファイルに対応する、所定の長さのフローストリームに照射することを含む。
【0055】
ある特定の実施形態では、方法は、フローセルノズルオリフィスにおいて又はフローセルノズルオリフィスの近くでフローストリームに照射することを含む。例えば、方法は、例えば、ノズルオリフィスから、0.005mm以上、例えば、0.01mm以上、例えば、0.05mm以上、例えば、0.1mm以上、例えば、0.5mm以上、及び1mm以上を含むノズルオリフィスから約0.001mm以上の位置でフローストリームに照射することを含み得る。ある特定の実施形態では、方法は、フローセルノズルオリフィスに直接隣接するフローストリームに照射することを含む。
【0056】
方法の実施形態では、光電子増倍管(PMT)などの検出器を使用して、粒子が感知領域を通過し、エネルギー源によって照射されるときに、各粒子を通過する光(ある特定の場合では、前方光散乱と称される)、感知領域を通過する粒子の流れの方向に直交して反射される光(場合によっては、直交又は側方光散乱と称される)、及び蛍光マーカで標識される場合、粒子から放出される蛍光を記録する。前方光散乱(forward light scatter:FSC)、側方光散乱(side-scatter:SSC)、及び蛍光放射の各々は、粒子(又は各「イベント」)ごとに別々のパラメータを含む。したがって、例えば、2つの異なる蛍光マーカで標識された粒子から、2つ、3つ、又は4つのパラメータが収集(及び記録)され得る。粒子ごとに記録されたデータは、必要に応じて、リアルタイムで分析されるか、又はコンピュータなどのデータ記憶及び分析手段に記憶される。
【0057】
ある特定の実施形態では、粒子は、必要に応じて、粒子を励起光にさらし、1つ以上の検出チャネル内の各粒子の蛍光を測定することによって検出され、一意に識別される。粒子及びそれに関連付けられた結合複合体を識別するために使用される検出チャネルで放出される蛍光は、単一の光源での励起後に測定され得、又は別個の光源での励起後に個別に測定され得る。粒子標識を励起するために個別の励起光源が使用される場合、標識は、全ての標識が使用される励起光源の各々によって励起可能であるように選択され得る。
【0058】
ある特定の実施形態における方法はまた、コンピュータを用いてなどでのデータの取得、分析、及び記録を含み、複数のデータチャネルが、各粒子が粒子ソーティングモジュールの試料検査領域を通過するときに、各粒子によって放射される光散乱及び蛍光のための各検出器からのデータを記録する。これらの実施形態では、分析は、各粒子が、デジタル化されたパラメータ値のセットとして存在するように、粒子を分類し、計数することを含む。主題のシステムは、対象となる粒子を背景及びノイズから区別するために、選択されたパラメータでトリガするように設定され得る。「トリガ」は、パラメータを検出するための事前設定された閾値を指し、光源を通る粒子の通過を検出するための手段として使用され得る。選択されたパラメータの閾値を超えるイベントの検出によって、粒子の光散乱及び蛍光データの取得がトリガされる。閾値未満の応答を引き起こす、分析されている媒体内の粒子又は他の成分については、データは取得されない。トリガパラメータは、粒子が光ビームを通過することによって引き起こされる前方散乱光の検出であり得る。次いで、フローサイトメータが、粒子の光散乱及び蛍光データを検出し、収集する。
【0059】
次いで、対象となる特定の部分集団が、集団全体について収集されたデータに基づいて、「ゲーティング」によって更に分析される。適切なゲートを選択するために、部分集団のできる限り最良の分離を得るように、データがプロットされる。この手順は、前方光散乱(FSC)対側方(すなわち、直交)光散乱(SSC)を二次元ドットプロット上にプロットすることによって実行され得る。次いで、粒子の部分集団(すなわち、ゲート内のそれらの細胞)が選択され、ゲート内にない粒子が除外される。必要に応じて、コンピュータ画面上のカーソルを使用して、所望の部分集団の周りにラインを描くことによって、ゲートが選択され得る。次いで、ゲート内のそれらの粒子のみが、例えば、蛍光など、これらの粒子の他のパラメータをプロットすることによって、更に分析される。必要に応じて、上記の分析は、試料内の対象となる粒子の計数をもたらすように構成され得る。
【0060】
対象となる方法は、研究、実験室試験、又は療法に粒子を用いることを更に含み得る。いくつかの実施形態では、主題の方法は、標的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞を取得することを含む。例えば、主題の方法は、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。同様に、主題の方法は、療法に使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを含む。細胞療法プロトコルは、例えば、細胞及び組織を含む生存細胞材料を調製し、治療処置として被検体に導入し得るプロトコルである。フローサイトメトリでソートされた試料の投与によって治療され得る状態としては、以下に限定されないが、血液障害、免疫系障害、臓器損傷などが挙げられる。
【0061】
典型的な細胞療法プロトコルは、試料収集、細胞単離、遺伝子組換え、培養、及びインビトロでの増殖、細胞収穫、試料容量の低減及び洗浄、生物保存、保管、並びに被検体への細胞の導入のステップを含み得る。プロトコルは、被検体のソース組織から生存細胞及び組織を収集して、細胞及び/又は組織の試料を生成することから開始し得る。試料は、例えば、細胞動員剤を被検体に投与すること、被検体から血液を採取すること、被検体から骨髄を除去することなどを含む任意の好適な手順を介して収集され得る。試料を収集した後、細胞濃縮は、例えば、遠心分離ベースの方法、フィルタベースの方法、溶出、磁気分離方法、蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)などを含むいくつかの方法を介して生じ得る。いくつかの場合では、濃縮された細胞は、任意の好都合な方法、例えば、ヌクレアーゼ媒介遺伝子編集によって遺伝子組換えされ得る。遺伝子組換えされた細胞は、インビトロで培養、活性化、及び増殖することができる。いくつかの場合では、細胞は、保存され、例えば凍結保存され、及び将来の使用のために保持され、そこで細胞は、解凍され、次いで患者に投与され、例えば細胞は患者内に注入され得る。
【0062】
システム
本開示の態様は、システムも含む。対象となるシステムは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを含み、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに本開示の方法、すなわち、分析物の特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用し、関係に基づいて、分析物の特徴の初期セットの最大でも一部から疎セットを生成し、疎セットに基づいて、分類モデルを生成し、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用する、方法を実行させる。
【0063】
システムは、ディスプレイ及びオペレータ入力デバイスを含み得る。オペレータ入力デバイスは、例えば、キーボード、マウスなどであってもよい。処理モジュールは、主題の方法のステップを実行するために記憶された命令を有するメモリにアクセスするプロセッサを含む。処理モジュールは、オペレーティングシステム、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラ、システムメモリ、メモリ記憶デバイス、及び入出力コントローラ、キャッシュメモリ、データバックアップユニット、並びに多くの他のデバイスを含み得る。プロセッサは、市販のプロセッサであり得るか、又は利用可能であるか、若しくは利用可能になる他のプロセッサのうちの1つであり得る。プロセッサは、オペレーティングシステムを実行し、オペレーティングシステムは、周知の方法でファームウェア及びハードウェアとインターフェース接続し、当技術分野で既知であるように、Java、Perl、C++、Python、他の高級言語又は低級言語、並びにそれらの組み合わせなどの様々なプログラミング言語で記述され得る様々なコンピュータプログラムの機能を、プロセッサが連携及び実行するのを容易にする。オペレーティングシステムは、典型的には、プロセッサと協調して、コンピュータの他のコンポーネントの機能を調整し、実行する。オペレーティングシステムはまた、全て既知の技術に従って、スケジューリング、入出力制御、ファイル及びデータ管理、メモリ管理、並びに通信制御及び関連サービスを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、負帰還制御などのフィードバック制御を提供するアナログ電子機器を含む。
【0064】
システムメモリは、様々な既知又は将来のメモリ記憶デバイスのいずれかであり得る。例としては、任意の一般的に入手可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、常駐ハードディスク若しくはテープなどの磁気媒体、リードライトコンパクトディスクなどの光学媒体、フラッシュメモリデバイス、又は他のメモリ記憶デバイスが挙げられる。メモリ記憶デバイスは、コンパクトディスクドライブ、テープドライブ、又はディスクドライブを含む、様々な既知又は将来のデバイスのいずれかであり得る。そのようなタイプのメモリ記憶デバイスは、通常、コンパクトディスクなどのプログラム記憶媒体(図示せず)から読み出し、及び/又はプログラム記憶媒体に書き込む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、コンピュータプログラム製品とみなされ得る。理解されるように、これらのプログラム記憶媒体は、通常、コンピュータソフトウェアプログラム及び/又はデータを記憶する。コンピュータ制御ロジックとも呼ばれるコンピュータソフトウェアプログラムは、通常、システムメモリ、及び/又はメモリ記憶デバイスと併せて使用されるプログラム記憶デバイスに記憶される。
【0065】
いくつかの実施形態では、制御ロジック(プログラムコードを含むコンピュータソフトウェアプログラム)が記憶されているコンピュータ使用可能媒体を備えるコンピュータプログラム製品が記載される。制御ロジックは、コンピュータのプロセッサによって実行されるとプロセッサに、本明細書に記載された機能を実行させる。他の実施形態では、いくつかの機能は、例えば、ハードウェアステートマシンを使用して、主にハードウェア内に実装される。本明細書に記載される機能を実行するためのハードウェアステートマシンの実装形態は、関連技術分野の当業者には明らかであろう。
【0066】
主題のプログラマブルロジックは、特別にプログラムされたイベント処理コンピュータ、無線通信デバイス、又は集積回路デバイスなどの様々なデバイスのうちのいずれかにおいて実装され得る。いくつかの実施形態では、プログラム可能なロジックは、1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)、コンフィギュラブルマイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他の等価の集積若しくは離散論理回路などの1つ以上のプロセッサを含み得る、特別にプログラムされたプロセッサによって実行され得る。コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと併せた1つ以上のマイクロプロセッサ、又は少なくとも部分的なデータ接続状態にある任意の他のそのような構成が、本明細書に記載された特徴部のうちの1つ以上を実装し得る。
【0067】
メモリは、磁気、光学、又はソリッドステート記憶デバイス(磁気若しくは光学ディスク、又はテープ、又はRAM、又は固定型若しくは携帯型のいずれかの任意の他の好適なデバイスを含む)などの、プロセッサがデータを記憶し、取り出すことができる任意の好適なデバイスであり得る。プロセッサは、必要なプログラムコードを担持するコンピュータ可読媒体から好適にプログラムされた汎用デジタルマイクロプロセッサを含み得る。プログラミングは、通信チャネルを介してプロセッサにリモートで提供され得るか、又はメモリ又は何らかの他の携帯型若しくは固定型のコンピュータ可読記憶媒体などのコンピュータプログラム製品に、メモリと一緒にそれらのデバイスのいずれかを使用して、あらかじめ保存され得る。例えば、磁気又は光学ディスクは、プログラミングを担持し得、ディスクライタ/リーダによって読み取ることができる。本開示のシステムは、例えば、コンピュータプログラム製品の形態のプログラミング、上記の方法を実施する際に使用するためのアルゴリズムも含む。本開示によるプログラミングは、コンピュータ可読媒体、例えば、コンピュータによって直接読み取り及びアクセスすることができる任意の媒体に記録され得る。そのような媒体としては、以下に限定されないが、フロッピーディスク、ハードディスク記憶媒体、及び磁気テープなどの磁気記憶媒体、CD-ROMなどの光学記憶媒体、RAM及びROMなどの電気記憶媒体、ポータブルフラッシュドライブ、並びに磁気/光学記憶媒体などのこれらのカテゴリのハイブリッドが挙げられる。
【0068】
プロセッサはまた、リモート位置でユーザと通信するための通信チャネルへのアクセスを有し得る。リモート位置とは、ユーザがシステムと直接接触せず、広域ネットワーク(「WAN」)、電話ネットワーク、衛星ネットワーク、又は携帯電話(すなわち、スマートフォン)を含む任意の他の好適な通信チャネルに接続されたコンピュータなど、外部デバイスから入力マネージャに入力情報を中継することを意味する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本開示によるシステムは、通信インターフェースを含むように構成され得る。いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、ネットワーク及び/又は別のデバイスと通信するための受信機及び/又は送信機を含む。通信インターフェースは、無線周波数(RF)通信(例えば、無線周波数特定(RFID)、ジグビー通信プロトコル、Wi-Fi、赤外線、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、超広帯域(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコル、及び符号分割多元接続(CDMA)又はモバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)などのセルラー通信を含むが、これらに限定されない、有線又は無線通信のために構成され得る。
【0070】
一実施形態では、通信インターフェースは、主題のシステムと、同様の補完的データ通信のために構成される(例えば、診療所又は病院環境における)コンピュータ端末などの他の外部デバイスとの間のデータ通信を可能にするために、例えば、USBポート、USB-Cポート、RS-232ポート、又は任意の他の好適な電気接続ポートなどの物理ポート又はインターフェースなど、1つ以上の通信ポートを含むように構成される。
【0071】
一実施形態では、通信インターフェースは、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)通信、又は任意の他の好適な無線通信プロトコルのために構成され、主題のシステムが、コンピュータ端末及び/又はネットワーク、通信可能な携帯電話、パーソナルデジタルアシスタント、又はユーザが併せて使用し得る任意の他の通信デバイスなど、他のデバイスと通信することを可能にする。
【0072】
一実施形態では、通信インターフェースは、携帯電話ネットワーク、ショートメッセージサービス(SMS)、インターネットに接続されたローカルエリアネットワーク(LAN)上のパーソナルコンピュータ(PC)への無線接続、又はWi-FiホットスポットでのインターネットへのWi-Fi接続を介して、インターネットプロトコル(IP)を利用するデータ転送のための接続を提供するように構成される。
【0073】
一実施形態では、主題のシステムは、例えば、802.11若しくはBluetooth(登録商標)RFプロトコル、又はIrDA赤外線プロトコルなどの共通標準を使用して、通信インターフェースを介してサーバデバイスと無線で通信するように構成される。サーバデバイスは、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)若しくはノートブックコンピュータなどの別のポータブルデバイス、又はデスクトップコンピュータ、アプライアンスなどのより大きいデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、サーバデバイスは、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイ、並びにボタン、キーボード、マウス、又はタッチスクリーンなどの入力デバイスを有する。
【0074】
いくつかの実施形態では、通信インターフェースは、上述の通信プロトコル及び/又は機構のうちの1つ以上を使用して、ネットワーク又はサーバデバイスと、主題のシステム内、例えば、任意選択的なデータ記憶ユニット内に記憶されたデータを自動的に又は半自動で通信するように構成される。
【0075】
出力コントローラは、人間であろうと機械であろうと、ローカルであろうとリモートであろうと、ユーザに情報を提示するための様々な既知の表示デバイスのいずれかのためのコントローラを含み得る。表示デバイスのうちの1つが視覚情報を提供する場合、この情報は、通常、ピクセルのアレイとして論理的及び/又は物理的に編成され得る。グラフィカルユーザインターフェース(GUI)コントローラは、システムとユーザとの間にグラフィカル入力及び出力インターフェースを提供するための、及びユーザ入力を処理するための、様々な既知又は将来のソフトウェアプログラムのいずれかを含み得る。コンピュータの機能要素は、システムバスを介して互いに通信し得る。これらの通信のいくつかは、ネットワーク又は他のタイプのリモート通信を使用する代替の実施形態で達成され得る。出力マネージャはまた、既知の技術に従って、例えば、インターネット、電話、又は衛星ネットワークを介して、リモート位置でユーザに、処理モジュールによって生成された情報を提供し得る。出力マネージャによるデータの提示は、様々な既知の技術に従って実施され得る。いくつかの実施例として、データは、SQL、HTML、若しくはXMLドキュメント、電子メール若しくは他のファイル、又は他の形態のデータを含み得る。データは、ユーザが追加のSQL、HTML、XML、又は他のドキュメント若しくはデータをリモートソースから取り出すことができるように、インターネットURLアドレスを含み得る。主題のシステム内に存在する1つ以上のプラットフォームは、通常、一般的にサーバと称されるコンピュータのクラスのものであろうが、任意のタイプの既知のコンピュータプラットフォーム又は将来開発されるタイプであってもよい。しかしながら、それらは、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、又は他のコンピュータタイプであってもよい。それらは、任意の既知若しくは将来のタイプのケーブル配線、又はネットワーク化されているか、若しくはされていないかのいずれかの無線システムを含む、他の通信システムを介して接続されてもよい。それらは、同一場所に配置され得るか、又は物理的に分離され得る。場合により、選択されたコンピュータプラットフォームのタイプ及び/又は構成に応じて、様々なオペレーティングシステムが、コンピュータプラットフォームのいずれかで用いられ得る。適切なオペレーティングシステムとしては、Windows(登録商標)NT(登録商標)、Windows(登録商標)XP、Windows(登録商標)7、Windows(登録商標)8、Windows(登録商標)10、iOS(登録商標)、macOS(登録商標)、Linux(登録商標)、Ubuntu(登録商標)、Fedora(登録商標)、OS/400(登録商標)、i5/OS(登録商標)、IBM i(登録商標)、Android(商標)、SGI IRIX(登録商標)、Oracle Solaris(登録商標)などが挙げられる。
【0076】
実施形態では、システムは、プロセッサに動作可能に接続されたフローサイトメータを更に備える。主題のフローサイトメータは、概して、フローセルを含む。対象となるフローセルは、フローストリーム内の粒子を輸送するように構成されたキュベットを含む。本明細書で考察されるように、「フローセル」は、その従来の意味で、シース流体中の粒子を移送するための液体フローストリームのフローチャネルを含むコンポーネントを指すように説明される。対象となるキュベットは、そこを通って流れる通路(すなわち、フローチャネル)を有する。フローチャネルが構成されるフローストリームは、試料チューブから注入された液体試料を含み得る。ある特定の事例では、フローセルは、光アクセス可能なフローチャネルを含む。キュベットは、例えば、石英、ガラス、透明プラスチックなどから構成され得る。いくつかの実施形態では、キュベットは、融合シリカなどのシリカから形成される。いくつかの場合では、フローセルは、1つ以上の検査ポイントでの光源からの光で照射されるように構成される。本明細書で考察される「検査ポイント」は、例えば、分析のために、粒子が光源から光によって照射されるフローセル内の領域を指す。検査ポイントのサイズは、所望に応じて様々であり得る。例えば、0μmが光源によって放出される光の軸を表す場合、検査ポイントは、例えば、-25μm~40μm、及び-15μm~30μmを含む-50μm~50μmの範囲であり得る。ある特定の考慮事項(例えば、レーザの数及び配置)に応じて、複数の照射点がフローセル内に存在し得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、フローセルは、試料をフローセルに提供するように構成された試料注入ポートを含む、又は試料注入ポートを使用するために構成される。実施形態では、試料注入システムは、フローセル内部チャンバ(すなわち、フローチャネル)に試料の好適なフローを提供するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、2μL/分以上など、3μL/分以上など、5μL/分以上など、10μL/分以上など、15μL/分以上など、25μL/分以上など、50μL/分以上など及び100μL/分以上を含む1μL/分以上であってもよく、いくつかの事例では、試料注入ポートによってフローセルチャンバに伝達される試料の速度は、2μL/秒以上など、3μL/秒以上など、5μL/秒以上など、10μL/秒以上など、15μL/秒以上など、25μL/秒以上など、50μL/秒以上など及び100μL/秒以上を含む、1μL/秒以上である。
【0078】
試料注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスであってもよく、又は、内部チャンバの近位端に位置付けられた導管であってもよい。試料注入ポートが内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである場合、試料注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であってもよく、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。ある特定の実施形態では、試料注入ポートは、円形オリフィスを有する。試料注入ポートオリフィスのサイズは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0079】
ある特定の事例では、試料注入ポートは、フローセル内部チャンバの近位端に位置付けられた導管である。例えば、試料注入ポートは、フローセルオリフィスに沿った試料注入ポートのオリフィスを有するように配置された導管であってもよい。試料注入ポートが、フローセルオリフィスに沿って配置された導管である場合、試料注入チューブの断面形状は、任意の好適な形状であってもよく、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形である曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部分に結合されている放物線状の底部分などの不規則形状が挙げられる。導管のオリフィスは、形状に応じて変わり得、ある特定の事例では、例えば、0.2~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm、及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む、0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。試料注入ポートの先端部の形状は、試料注入管の断面形状と同じであるか、又は異なってもよい。例えば、試料注入ポートのオリフィスは、例えば、2°~9°、例えば、3°~8°、例えば、4°~7°、及び5°のベベル角を含む、1°~10°の範囲のベベル角を有する傾斜した先端部を含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、フローセルはまた、フローセルにシース流体を提供するように構成されたシース流体注入ポートも含む。実施形態では、シース流体注入システムは、例えば、試料と併せて、フローセル内部チャンバにシース流体のフローを提供して、試料フローストリームを取り囲むシース流体の積層フローストリームを生成するように構成される。フローストリームの所望の特性に応じて、フローセルチャンバに伝達されるシース流体の速度は、例えば、50μL/秒以上、例えば、75μL/秒以上、例えば、100μL/秒以上、例えば、250μL/秒以上、例えば、500μL/秒以上、例えば、750μL/秒以上、例えば、1000μL/秒以上及び2500μL/秒以上を含む25μL/秒以上であり得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、シース流体注入ポートは、内部チャンバの壁に位置付けられたオリフィスである。シース流体注入ポートオリフィスは、任意の好適な形状であり得、対象となる断面形状としては、以下に限定されないが、例えば、正方形、長方形、台形、三角形、六角形などの直線断面形状、例えば、円形、楕円形などの曲線断面形状、並びに、例えば、平面状の上部に結合された放物線状の底部などの不規則形状が挙げられる。シース流体注入ポートオリフィスのサイズは、形状によって異なり得、ある特定の事例では、例えば、0.2mm~3.0mm、例えば、0.5mm~2.5mm、例えば、0.75mm~2.25mm、例えば、1mm~2mm及び1.25mm~1.75mm、例えば、1.5mmを含む0.1mm~5.0mmの範囲の開口部を有する。
【0082】
本開示のフローサイトメータは、フローセル内の検査ポイントでフローストリーム内の粒子に照射するように構成された光源を含む。フローサイトメータ内の光源の数は、変化し得る。いくつかの実施形態では、フローサイトメータは、単一の光源を含む。代替的に、フローサイトメータは、いくつかの事例では、複数の光源を含み得る。いくつかのそのような事例では、光源の数は、例えば、2~5個及び2~4個を含む2~10個の範囲である。任意の好都合な光源を、本明細書に記載の光源として用いることができる。いくつかの実施形態では、光源は、レーザである。実施形態では、レーザは、連続波レーザなどの任意の好都合なレーザであり得る。例えば、レーザは、紫外線ダイオードレーザ、可視ダイオードレーザ、及び近赤外線ダイオードレーザなどのダイオードレーザであり得る。他の実施形態では、レーザは、ヘリウムネオン(HeNe)レーザであり得る。いくつかの事例では、レーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴン-フッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトン-フッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ、又はキセノン-フッ素(XeF)エキシマレーザ、若しくはそれらの組み合わせなどのガスレーザである。他の事例では、主題のフローサイトメータは、スチルベンレーザ、クマリンレーザ、又はローダミンレーザなどの色素レーザを含む。更に他の例では、対象となるレーザは、ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-銀(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン-銅(NeCu)レーザ、銅レーザ、又は金レーザ、及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザを含む。なおも他の事例では、主題のフローサイトメータは、ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4 O(BO3 3 レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、スリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2 3 レーザ、又はセリウムドープレーザ、及びそれらの組み合わせなどの固体レーザを含む。
【0083】
ある特定の実施形態によるレーザ光源はまた、1つ以上の光学調整部品を含み得る。ある特定の実施形態では、光学調節部品は、光源とフローセルとの間に位置し、照射の空間幅、又は、例えば、照射方向、波長、ビーム幅、ビーム強度、及び焦点などの、光源からの照射のいくつかの他の特性を変更することができる任意のデバイスを含み得る。光学調整プロトコルは、以下に限定されないが、レンズ、ミラー、フィルタ、光ファイバ、波長セパレータ、ピンホール、スリット、コリメーティングプロトコル、及びそれらの組み合わせを含む、光源の1つ以上の特性を調整する任意の好都合なデバイスを含み得る。ある特定の実施形態では、対象となるフローサイトメータは、1つ以上の集束レンズを含む。集束レンズは、一実施例では、非拡大レンズであり得る。なおも他の実施形態では、対象となるフローサイトメータは、光ファイバを含む。
【0084】
光源とフローセルとが、0.01mm以上など、0.05mm以上など、0.1mm以上など、0.5mm以上など、1mm以上など、5mm以上など、10mm以上など、25mm以上など及び100mm以上の距離においてを含む、0.005mm以上で分離されている場合など、光源は、フローセルから任意の好適な距離に位置付けられ得る。加えて、光源は、15度~85度など、20度~80度など、25度~75度など及び30度~60度を含む例えば、90度の角度において、10度~90度の範囲の角度においてなど、フローセルに対して任意の好適な角度で位置付けられ得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、対象となる光源は、フローストリームの離散照射のためのレーザ光を提供するように構成された、2つ以上のレーザなど、3つ以上のレーザなど、4つ以上のレーザなど、5つ以上のレーザなど、10個以上のレーザなど、及び15個以上のレーザを含む、フローストリームの離散照射のためのレーザ光を提供するように構成された複数のレーザを含む。フローストリームに照射するための光の所望の波長に応じて、各レーザは、250nm~1250nmなど、300nm~1000nmなど、350nm~900nmなど及び400nm~800nmを含む、200nm~1500nmで変化する特定の波長を有してもよい。ある特定の実施形態では、対象となるレーザは、405nmレーザ、488nmレーザ、561nmレーザ、及び635nmレーザのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0086】
ある特定の実施形態では、光源は、周波数シフトされた光の2つ以上のビームを生成するように構成される光ビーム生成器である。いくつかの事例では、光ビーム生成器は、レーザと、高周波駆動信号を音響光学デバイスに印加して2つ以上の角度偏向レーザビームを生成するように構成された高周波生成器と、を含む。これらの実施形態では、レーザは、パルスレーザ又は連続波レーザであり得る。例えば、対象となる光ビーム発生器内のレーザは、ヘリウムネオンレーザ、アルゴンレーザ、クリプトンレーザ、キセノンレーザ、窒素レーザ、CO2 レーザ、COレーザ、アルゴンフッ素(ArF)エキシマレーザ、クリプトンフッ素(KrF)エキシマレーザ、キセノン塩素(XeCl)エキシマレーザ若しくはキセノンフッ素(XeF)エキシマレーザ又はそれらの組み合わせなどのガスレーザ;スチルベン、クマリン又はローダミンレーザなどの染料レーザ;ヘリウム-カドミウム(HeCd)レーザ、ヘリウム-水銀(HeHg)レーザ、ヘリウム-セレン(HeSe)レーザ、ヘリウム-シルバー(HeAg)レーザ、ストロンチウムレーザ、ネオン銅(NeCu)レーザ、銅レーザ又は金レーザ及びそれらの組み合わせなどの金属蒸気レーザ;ルビーレーザ、Nd:YAGレーザ、NdCrYAGレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:YVO4 レーザ、Nd:YCa4 O(BO3 3 レーザ、Nd:YCOBレーザ、チタンサファイアレーザ、ツリムYAGレーザ、イッテルビウムYAGレーザ、イッテルビウム2 3 レーザ、又はセリウムドープレーザ及びそれらの組み合わせなどの固体レーザ、であり得る。
【0087】
音響光学デバイスは、適用された音波を使用して、レーザ光を周波数シフトするように構成された任意の便利な音響光学プロトコルであり得る。ある特定の実施形態では、音響光学デバイスは、音響光学偏向器である。主題のシステム内の音響光学デバイスは、レーザからの光及び印加された高周波駆動信号から、角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。高周波駆動信号は、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)、任意の波形生成器(AWG)、又は電気パルス生成器など、任意の好適な高周波駆動信号源を有する音響光学デバイスに印加され得る。
【0088】
実施形態では、コントローラは、例えば、3個以上の高周波駆動信号、例えば、4個以上の高周波駆動信号、例えば、5個以上の高周波駆動信号、例えば、6個以上の高周波駆動信号、例えば、7個以上の高周波駆動信号、例えば、8個以上の高周波駆動信号、例えば、9個以上の高周波駆動信号、例えば、10個以上の高周波駆動信号、例えば、15個以上の高周波駆動信号、例えば、25個以上の高周波駆動信号、例えば、50個以上の高周波駆動信号及び100個以上の高周波駆動信号を印加するように構成されていることを含む、出力レーザビーム内に所望の数の角度偏向レーザビームを生成するように構成されている。
【0089】
いくつかの事例では、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームの強度プロファイルを生成するために、コントローラは、例えば、約0.005V~約400V、例えば、約0.01V~約300V、例えば、約0.05V~約200V、例えば、約0.1V~約100V、例えば、約0.5V~約75V、例えば、約1V~50V、例えば、約2V~40V、例えば、3V~約30V及び約5V~約25Vを含む約0.001V~約500Vなど、変化する振幅を有する高周波駆動信号を印加するように構成されている。印加される各高周波駆動信号は、いくつかの実施形態では、例えば、約0.005MHz~約400MHz、例えば、約0.01MHz~約300MHz、例えば、約0.05MHz~約200MHz、例えば、約0.1MHz~約100MHz、例えば、約0.5MHz~約90MHz、例えば、約1MHz~約75MHz、例えば、約2MHz~約70MHz、例えば、約3MHz~約65MHz、例えば、約4MHz~約60MHz及び約5MHz~約50MHzを含む約0.001MHz~約500MHzの周波数を有する。
【0090】
ある特定の実施形態では、コントローラは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、これにより、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、所望の強度プロファイルを有する角度偏向レーザビームを有する出力レーザビームを生成させる。例えば、メモリは、同じ強度の2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、10個以上、例えば、25個以上、例えば、50個以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリが、同じ強度の100以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得ることを含む。他の実施形態では、メモリは、異なる強度の2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、例えば、5個以上、例えば、10個以上、例えば、25個以上、例えば、50個以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得、メモリが、異なる強度の100以上の角度偏向レーザビームを生成するための命令を含み得ることを含む。
【0091】
ある特定の実施形態では、コントローラは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、これにより、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿った出力レーザビームの縁端部からその中心まで強度が増加する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームの中心における角度偏向レーザビームの強度は、水平軸に沿った出力レーザビームの縁端部における角度偏向レーザビームの強度の、例えば、0.5%~約95%、例えば、1%~約90%、例えば、約2%~約85%、例えば、約3%~約80%、例えば、約4%~約75%、例えば、約5%~約70%、例えば、約6%~約65%、例えば、約7%~約60%、例えば、約8%~約55%及び約10%~約50%を含む水平軸に沿った出力レーザビームの縁端部における角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。他の実施形態では、コントローラは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、これにより、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿った出力レーザビームの縁端部からその中心まで強度が増加する出力レーザビームを生成させる。これらの事例では、出力ビームの縁端部における角度偏向レーザビームの強度は、水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の、例えば、0.5%~約95%、例えば、1%~約90%、例えば、約2%~約85%、例えば、約3%~約80%、例えば、約4%~約75%、例えば、約5%~約70%、例えば、約6%~約65%、例えば、約7%~約60%、例えば、約8%~約55%及び約10%~約50%を含む水平軸に沿った出力レーザビームの中心における角度偏向レーザビームの強度の0.1%~約99%の範囲であり得る。更に他の実施形態では、コントローラは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、これにより、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ったガウス分布を有する強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。なおも他の実施形態では、コントローラは、プロセッサに動作可能に結合されたメモリを有するプロセッサを有し、これにより、メモリは、メモリに記憶された命令を含み、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、水平軸に沿ったトップハット強度プロファイルを有する出力レーザビームを生成させる。
【0092】
実施形態では、対象となる光ビーム生成器は、空間的に分離された出力レーザビーム内で角度偏向レーザビームを生成するように構成され得る。出力レーザビームの印加された高周波駆動信号及び所望の照射プロファイルに応じて、角度偏向レーザビームは、例えば、0.005μm以上、例えば、0.01μm以上、例えば、0.05μm以上、例えば、0.1μm以上、例えば、0.5μm以上、例えば、1μm以上、例えば、5μm以上、例えば、10μm以上、例えば、100μm以上、例えば、500μm以上、例えば、1000μm以上及び5000μm以上を含む0.001μm以上によって分離され得る。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、出力レーザビームの水平軸に沿った隣接する角度偏向レーザビームと部分的に重複する、出力レーザビーム内の角度偏向レーザビームを生成するように構成される。隣接する角度偏向レーザビーム間の重複(ビームスポットの重複など)は、例えば、0.005μm以上の重複、例えば、0.01μm以上の重複、例えば、0.05μm以上の重複、例えば、0.1μm以上の重複、例えば、0.5μm以上の重複、例えば、1μm以上の重複、例えば、5μm以上の重複、例えば、10μm以上の重複及び100μm以上の重複を含む0.001μm以上の重複であり得る。
【0093】
ある特定の事例では、周波数シフトした光の2つ以上のビームを生成するように構成された光ビーム生成器は、米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、及び同第10,006,852号、並びに米国特許公開第2017/0133857号及び同第2017/0350803号に記載されるようなレーザ励起モジュールを含み、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0094】
加えて、フローサイトメータは、照射された粒子によって放出された光を収集するように構成された検出器を含む。光検出器は、光ファイバ集光素子によって伝達される粒子変調光を検出し、かつその光の特性(例えば、強度)に基づいて信号を生成するように構成される。例えば、1つ以上の粒子変調光検出器は、光の側方散乱波長(すなわち、粒子の表面及び内部構造から屈折及び反射された光)を検出するための1つ以上の側方散乱光検出器を含み得る。いくつかの実施形態では、フローサイトメータは、単一の側面散乱光検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、例えば、2個以上、例えば、3個以上、例えば、4個以上、及び5個以上を含む複数の側面散乱光検出器、を含む。
【0095】
収集された光を検出するための任意の便利な検出器が、本明細書に記載の側面散乱光検出器で使用され得る。対象となる検出器としては、以下に限定されないが、他の検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの光学センサ又は光検出器が挙げられ得る。ある特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある特定の実施形態では、検出器は、例えば、0.05cm~9cm、例えば、0.1cm~8cm、例えば、0.5cm~7cm及び1cm~5cmを含む0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0096】
実施形態では、主題のフローサイトメータはまた、光の1つ以上の蛍光波長を検出するように構成された蛍光検出器を含む。他の実施形態では、フローサイトメータは、例えば、2つ以上、例えば、3つ以上、例えば、4つ以上、5つ以上、10個以上、15個以上、及び20個以上を含む複数の蛍光灯検出器を含む。
【0097】
収集された光を検出するための任意の便利な検出器が、本明細書に記載の蛍光検出器で使用され得る。対象となる検出器としては、以下に限定されないが、他の検出器の中でも、アクティブピクセルセンサ(APS)、アバランシェフォトダイオード、画像センサ、電荷結合素子(CCD)、強化電荷結合素子(ICCD)、発光ダイオード、フォトンカウンタ、ボロメータ、焦電検出器、フォトレジスタ、太陽電池、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、フォトトランジスタ、量子ドット光伝導体、又はフォトダイオード、並びにこれらの組み合わせなどの光学センサ又は光検出器が挙げられ得る。ある特定の実施形態では、収集された光は、電荷結合素子(CCD)、半導体電荷結合素子(CCD)、アクティブピクセルセンサ(APS)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)画像センサ、又はN型金属酸化物半導体(NMOS)画像センサで測定される。ある特定の実施形態では、検出器は、例えば、0.05cm~9cm、例えば、0.1cm~8cm、例えば、0.5cm~7cm及び1cm~5cmを含む0.01cm~10cmの範囲の各領域の活性検出表面積を有する光電子増倍管などの光電子増倍管である。
【0098】
主題のフローサイトメータが複数の蛍光検出器を含む場合、各蛍光検出器は、同じであり得、又は蛍光検出器の集合は、異なるタイプの検出器の組み合わせであり得る。例えば、主題のフローサイトメータが2つの蛍光検出器を含む場合、いくつかの実施形態では、第1の蛍光検出器が、CCD型デバイスであり、第2の蛍光検出器(又はイメージングセンサ)が、CMOS型デバイスである。他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方が、CCD型デバイスである。更に他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方が、CMOS型デバイスである。なおも他の実施形態では、第1の蛍光検出器が、CCD型デバイスであり、第2の蛍光検出器が、光電子増倍管(PMT)である。なおも他の実施形態では、第1の蛍光検出器が、CMOS型デバイスであり、第2の蛍光検出器が、光電子増倍管である。更に他の実施形態では、第1及び第2の蛍光検出器の両方が、光電子増倍管である。
【0099】
本開示の実施形態では、対象となる蛍光検出器は、例えば、2つ以上の波長、例えば、5つ以上の異なる波長、例えば、10個以上の異なる波長、例えば、25個以上の異なる波長、例えば、50個以上の異なる波長、例えば、100個以上の異なる波長、例えば、200個以上の異なる波長、例えば、300個以上の異なる波長及び400個以上の異なる波長にあるフローストリーム中の試料により放出された光を測定することを含む、1つ以上の波長において収集された光を測定するように構成される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のモジュール内の2つ以上の検出器は、収集された光の同じ、又は重複する波長を測定するように構成される。
【0100】
いくつかの実施形態では、対象となる蛍光検出器は、波長の範囲(例えば、200nm~1000nm)にわたって収集された光を測定するように構成される。ある特定の実施形態では、対象となる検出器は、ある波長の範囲にわたって光のスペクトルを収集するように構成される。例えば、フローサイトメータは、200nm~1000nmの波長範囲のうちの1つ以上にわたって光のスペクトルを収集するように構成された1つ以上の検出器を含み得る。更に他の実施形態では、対象となる検出器は、1つ以上の特定の波長でフローストリーム内の試料によって放出された光を測定するように構成される。例えば、モジュールは、450nm、518nm、519nm、561nm、578nm、605nm、607nm、625nm、650nm、660nm、667nm、670nm、668nm、695nm、710nm、723nm、780nm、785nm、647nm、617nm、及びこれらの任意の組み合わせのうちの1つ以上で光を測定するように構成された1つ以上の検出器を含み得る。ある特定の実施形態では、1つ以上の検出器は、蛍光アッセイで試料と共に使用されるものなどの特定のフルオロフォアと対になるように構成され得る。
【0101】
フローサイトメータは、試料流体入力カプラ及びシース流体入力カプラにシース流体及び試料流体を提供するための任意の好適な機構を含み得る。例えば、試料流体入力カプラは、試料流体リザーバに流体的に接続された試料流体ライン(例えば、チューブ)に流体的に接続され得る。同様に、シース流体入力カプラは、シース流体リザーバに流体的に接続されたシース流体ラインに流体的に接続され得る。同様に、フローサイトメータは、フローストリームからの廃棄物を管理するための任意の好適な機構を含み得る。流体出力カプラは、廃棄物リザーバに流体的に接続された廃棄物ラインに流体的に接続され得る。主題のフローサイトメータでの使用に適合され得る流体管理システムは、米国特許出願公開第2022/0341838号に提供され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0102】
好適なフローサイトメトリシステムは、これらに限定されないが、Ormerod(ed.)、フローサイトメトリ:A Practical Approach,Oxford Univ.Press(1997)、Jaroszeski et al.(eds.),Flow Cytometry Protocols,Methods in Molecular Biology No.91,Humana Press(1997)、Practical Flow Cytometry,3rd ed.,Wiley-Liss(1995)、Virgo,et al.(2012)Ann Clin Biochem.Jan;49(pt 1):17-28、Linden,et.al.,Semin Throm Hemost.2004 Oct;30(5):502-11、Alison,et al.J Pathol,2010 Dec;222(4):335-344、及びHerbig,et al.(2007)Crit Rev Ther Drug Carrier Syst.24(3):203-255に記載されているものが挙げられ、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。ある特定の事例では、対象となるフローサイトメトリシステムは、BD Biosciences FACSCanto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSCanto(商標)IIフローサイトメータ、BD Accuri(商標)フローサイトメータ、BD Accuri(商標)C6 Plusフローサイトメータ、BD Biosciences FACSCelesta(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVerse(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences LSRFortessa(商標)X-20フローサイトメータ、BD Biosciences FACSPresto(商標)フローサイトメータ、BD Biosciences FACSVia(商標)フローサイトメータ並びにBD Biosciences FACSCalibur(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSCount(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSLyric(商標)セルソータ及びBD Biosciences Via(商標)セルソータ、BD Biosciences Influx(商標)セルソータ、BD Biosciences Jazz(商標)セルソータ、BD Biosciences Aria(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)IIIセルソータ、BD Biosciences FACSAria(商標)Fusionセルソータ、及びBD Biosciences FACSMelody(商標)セルソータ、BD Biosciences FACSymphony(商標)S6セルソータ、BD Biosciences FACSDiscover(商標)セルソータなどを含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、米国特許第10,663,476号、同第10,620,111号、同第10,613,017号、同第10,605,713号、同第10,585,031号、同第10,578,542号、同第10,578,469号、同第10,481,074号、同第10,302,545号、同第10,145,793号、同第10,113,967号、同第10,006,852号、同第9,952,076号、同第9,933,341号、同第9,726,527号、同第9,453,789号、同第9,200,334号、同第9,097,640号、同第9,095,494号、同第9,092,034号、同第8,975,595号、同第8,753,573号、同第8,233,146号、同第8,140,300号、同第7,544,326号、同第7,201,875号、同第7,129,505号、同第6,821,740号、同第6,813,017号、同第6,809,804号、同第6,372,506号、同第5,700,692号、同第5,643,796号、同第5,627,040号、同第5,620,842号、同第5,602,039号、同第4,987,086号、同第4,498,766号に記載されているものなどのフローサイトメトリックシステムであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0104】
いくつかの実施形態では、フローサイトメータは、画像化フローサイトメータとして構成される。例えば、ある特定の事例では、主題のシステムは、Diebold,et al.Nature Photonics Vol.7(10);806-810(2013)に記載されているもの、並びに米国特許第9,423,353号、同第9,784,661号、及び同第10,006,852号、並びに米国特許公開第2017/0133857号及び同第2017/0350803号に記載されているものなど、FIRE()によってフローストリーム中の粒子を画像化するように構成されたフローサイトメトリシステムであり、これらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。フローサイトメータが粒子ソータであるいくつかの実施形態では、粒子ソータは、画像対応粒子ソータである。画像対応粒子ソータは、米国仮特許出願第63/431,803号及び同第63/465,057号に記載されており、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0105】
図2は、本開示の例解的な実施形態による、フローサイトメトリのためのシステム200を示す。システム200は、フローセル210内の検査ポイント215でフローストリーム214内の粒子211に照射するように構成されたレーザ201を含む。図2の例は、単一のレーザを示すが、複数のレーザも使用され得ることが理解される。次いで、レーザ201からのレーザビームは、集束レンズ202へと誘導され、集束レンズ202は、フローセル210内で、試料の粒子211が位置する流体ストリームの部分上にビームを集束させる。フローセル210は、検査のために、典型的には一度に1つ、ストリーム中の粒子を集束レーザビームに誘導する流体工学システムの一部である。代替的に、フローサイトメータがストリームインエアサイトメータである場合、ノズルトップが用いられ得る。
【0106】
図2に示されるように、フローセル210は、シース流体を備えるシース流体リザーバ203及び試料流体を備える試料流体リザーバ204に流体的に接続されている。シース流体リザーバ203からのシース流体は、導管(すなわち、シース流体ライン)207を介して少なくとも1つのシース流体注入ポート208に提供される。加えて、試料流体リザーバ204からの粒子211を含有する試料流体は、導管(すなわち、試料流体ライン)205を介して試料注入ポート206に提供される。試料注入ポート206は、粒子211をフローセル210の内部に導入するように構成される試料注入器213(例えば、試料注入針)に流体的に接続されている。粒子211は、フローストリーム214がフローセル210のテーパー部分212の下流に形成されるように、シース流体注入ポート208から入るシース流体を介して流体力学的に集束される。フローセル210の遠位端で放出される粒子は、任意の好適なプロトコルを介して処分及び/又は収集され得る。例えば、実施されるフローサイトメトリのタイプに応じて、粒子は、例えば、廃棄物ラインを介して、フローセル210の遠位端で収集され得る。代替的に、粒子をソートしてもよい。
【0107】
レーザビームからの光は、粒子のサイズ、内部構造、及び粒子の上若しくは中に付属されるか若しくは自然に存在する1つ以上の蛍光分子の存在などの粒子の特性に応じて、様々な異なる波長での再放出を伴う回折、屈折、反射、散乱、及び吸収によって、試料内の粒子211と相互作用する。蛍光放出、並びに回折光、屈折光、反射光、及び散乱光は、1つ以上の検出器に経路設定され得る。特に、前方散乱光(FSC)は、前方散乱光検出器223に経路設定される。前方散乱光検出器223は、フローセルを通る直接ビームから軸外にわずかに離れて位置付けられ、回折光、粒子を通って又はその周りをほとんど前方方向に移動する励起光を検出するように構成されている。前方散乱光検出器223によって検出された光の強度は、粒子のサイズ全体に依存する。前方散乱検出器は、例えば、フォトダイオードを含むことができる。前方散乱光検出器223の間に配置されたのは、光学フィルタ221a及び散乱バー222である。光学フィルタ221aは、少なくとも1つの波長の非FSC光をフィルタリングするように構成され得、その一方で、散乱バー222は、レーザ201からの入射ビーム(すなわち、非散乱光)が前方散乱光検出器223によって検出されるのを防止するように構成され得る。
【0108】
加えて、側方散乱光(SSC)は、側方散乱光検出器224によって検出される。言い換えれば、側方散乱光検出器224は、粒子構造が複雑になるにつれて増加する傾向がある、粒子211の表面及び内部構造からの回折光及び反射光を検出するように構成されている。図2の例では、フローサイトメータ200は、非SSC(例えば、蛍光)光を通過させながら、SSC光を側方散乱光検出器224に反射するように構成されたダイクロイックミラー220aを含む。光学フィルタ221bは、少なくとも1つの波長の非SSC光が側方散乱光検出器224によって検出されることを防止するように構成される。異なる波長の蛍光を検出するように各々構成された蛍光検出器225a~225cも示されている。例えば、ダイクロイックミラー220bは、他の波長の光を通過させながら、第1の波長(又は波長の範囲)に対応する蛍光(FL)を蛍光検出器225aに反射するように構成され得る。光学フィルタ221cは、第1の波長(又は波長の範囲)に対応しない少なくとも1つの波長の光が蛍光検出器225aによって検出されるのを防止するように構成され得る。同様に、ダイクロイックミラー220cは、蛍光検出器225cによる検出のために第3の波長(又は波長の範囲)の光を通過させながら、第2の波長(又は波長の範囲)に対応するFL光を蛍光検出器225bに反射するように構成される。光学フィルタ221dは、第2の波長(又は波長の範囲)に対応しない少なくとも1つの波長の光が蛍光検出器225bによって検出されることを防止するように構成される。加えて、光学フィルタ221eは、第3の波長(又は波長の範囲)に対応しない少なくとも1つの波長の光が蛍光検出器225cによって検出されるのを防止するように構成される。
【0109】
当業者は、本開示の一実施形態によるフローサイトメータが、図2に描画されるフローサイトメータに限定されず、当技術分野で既知の任意のフローサイトメータを含み得ることを認識するであろう。例えば、フローサイトメータは、様々な波長で、かつ様々な異なる構成で、任意の数のレーザ、ビームスプリッタ、フィルタ、及び検出器を有してもよい。例えば、図2の実施形態は、例解目的のための3つの蛍光検出器を示すが、任意の好適な数の蛍光検出器が用いられ得ることが理解される。
【0110】
動作中、フローサイトメータの動作は、コントローラ/プロセッサ290によって制御され、検出器からの測定データは、メモリ295内に記憶されて、コントローラ/プロセッサ290によって処理され得る。明示的には示されていないが、コントローラ/プロセッサ290は、検出器に結合されて、その検出器から出力信号を受信し、また、フローサイトメータの電気部品及び電気機械部品に結合されて、レーザ201、流体流パラメータなどを制御することができる。入力/出力(I/O)機能部297は、システム内にも提供され得る。メモリ295、コントローラ/プロセッサ290、及びI/O297は、全体的に、フローサイトメータの不可欠な部分として提供され得る。そのような実施形態では、ディスプレイはまた、フローサイトメータ200のユーザに実験的なデータを提示するための、I/O機能部297の一部も形成し得る。代替的に、メモリ295及びコントローラ/プロセッサ290及びI/O機能部の一部又は全ては、汎用コンピュータなどの1つ以上の外部デバイスの一部であってもよい。いくつかの実施形態では、メモリ295及びコントローラ/プロセッサ290の一部又は全ては、フローサイトメータ210と無線又は有線で通信することができる。メモリ295及びI/O297と併せて、コントローラ/プロセッサ290は、フローサイトメータ実験の調製及び分析に関連する様々な機能を実行するように構成され得る。
【0111】
フローサイトメータ実験に使用される蛍光色素パネル内の様々な蛍光分子は、それら独自の特性波長帯域の光を放出するであろう。実験に使用される特定の蛍光標識、及びそれらの関連する蛍光放出帯域は、検出器のフィルタウィンドウと概ね一致するように、選択され得る。I/O297は、蛍光標識のパネルを有するフローサイトメータ実験、及び複数のマーカを有する複数の細胞母集団に関係するデータを受信するように構成され得、各細胞母集団は、複数のマーカのサブセットを有する。I/O297はまた、1つ以上のマーカを1つ以上の細胞母集団に割り当てる生体データ、マーカ濃度データ、発光スペクトルデータ、1つ以上のマーカに標識を割り当てるデータ、及びサイトメータ構成データも受信するように構成され得る。標識スペクトル特性及びフローサイトメータ構成データなどのフローサイトメータ実験データもまた、メモリ295内に記憶され得る。コントローラ/プロセッサ290は、マーカに対する標識の1つ以上の割り当てを評価するように構成され得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、主題のシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、密閉された粒子ソーティングモジュールを用いて粒子をソートするように構成される粒子ソーティングシステムであり、その開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、試料の粒子(例えば、細胞)は、2019年12月23日に出願された米国特許公開第2020/0256781号に記載されているものなどの、複数のソート判定ユニットを有するソート判定モジュールを使用してソートされ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、試料の成分をソートするためのシステムは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、偏向板を有する粒子ソーティングモジュールを含み、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0113】
ある特定の実施形態では、システムは、図3に描画されるような高周波タグ付き発光画像対応粒子ソータを使用する蛍光画像化である。粒子ソータ300は、ビームスプリッタ302によってビーム302a及び302bに分割される光の出力ビーム301aを生成する光源301(例えば、488nmレーザ)を含む光照射コンポーネント300aを含む。光ビーム302aは、音響光学デバイス(例えば、音響光学偏向器、AOD)303を通して伝播されて、1つ以上の角度偏向光ビームを有する出力ビーム303aを生成する。いくつかの事例では、音響光学デバイス303から生成された出力ビーム303aは、局部発振器ビーム及び複数の高周波コームビームを含む。光ビーム302bは、音響光学デバイス(例えば、音響光学偏向器、AOD)304を通して伝播されて、1つ以上の角度偏向光ビームを有する出力ビーム304aを生成する。いくつかの事例では、音響光学デバイス304から生成された出力ビーム304aは、局部発振器ビーム及び複数の高周波コームビームを含む。それぞれ、音響光学デバイス303及び304から生成された出力ビーム303a及び304aは、ビームスプリッタ305と組み合わされて、フローセル307内の粒子に照射するために光学部品306(例えば、対物レンズ)を介して伝達される出力ビーム305aを生成する。ある特定の実施形態では、音響光学デバイス303(AOD)は、単一のレーザビームを、各々が異なる光学周波数及び角度を有するビームレットのアレイに分割する。第2のAOD304は、基準ビームの光学周波数をチューニングし、次いで、基準ビームは、ビームコンバイナ305でビームレットのアレイと重複する。ある特定の実施形態では、光源及び音響光学デバイスを有する光照射システムはまた、Schraivogel,et al.(「High-speed fluorescence image-enabled cell sorting」Science(2022),375(6578):315-320)及び米国特許公開第2021/0404943号に記載されたものを含み、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0114】
出力ビーム305aは、照射領域310において(例えば、シース流体309を伴って)フローセル307を通って伝播する試料粒子308に照射する。照射領域310に示されるように、複数のビーム(例えば、照射領域310を横切るドットとして描画される角度偏向された高周波シフト光ビーム)は、基準局部発振器ビーム(照射領域310を横切る影付き線として描画される)と重複する。それらの異なる光学周波数のために、重複するビームは、ビート挙動を示し、これにより、各ビームレットは、異なる周波数f1-nで正弦波変調を伝達する。
【0115】
照射された試料からの光は、複数のフォトディテクタを含む光検出システム300bに伝達される。光検出システム300bは、前方散乱画像311aを生成するための前方散乱光フォトディテクタ311、及び側方散乱画像312aを生成するための側方散乱光フォトディテクタ312を含む。光検出システム300bはまた、光損失画像313aを生成するための明視野フォトディテクタ313を含む。いくつかの実施形態では、前方散乱検出器311及び側方散乱検出器312は、フォトダイオード(例えば、アバランシェフォトダイオード、APD)である。いくつかの事例では、明視野フォトディテクタ313は、光電子増倍管(PMT)である。照射された試料からの蛍光はまた、蛍光フォトディテクタ314~317で検出される。いくつかの事例では、フォトディテクタ314~317は、光電子増倍管である。照射された試料からの光は、ビームスプリッタ320を通して側面散乱検出チャネル312及び蛍光検出チャネル314~317に向けられる。光検出システム300bは、所定の波長の光をフォトディテクタ314~317に伝播するためのバンドパス光学部品321、322、323、及び324(例えば、ダイクロイックミラー)を含む。いくつかの事例では、光学部品321は、534nm/40nmのバンドパスである。いくつかの事例では、光学部品322は、586nm/42nmのバンドパスである。いくつかの事例では、光学部品323は、700nm/54nmのバンドパスである。いくつかの事例では、光学部品324は、783nm/56nmのバンドパスである。第1番目の数字は、スペクトル帯域の中心を表す。第2番目の数字は、スペクトル帯域の範囲を提供する。したがって、510/20フィルタは、スペクトル帯域の中心の各側面上に10nm、又は500nm~520nmに広がる。
【0116】
散乱光検出チャネル311及び312、明視野光検出チャネル313、及び蛍光検出チャネル314~317で検出された光に応答して生成されたデータ信号は、プロセッサ350及び351によるリアルタイムデジタル処理によって処理される。画像311a~317aは、プロセッサ350及び351で生成されたデータ信号に基づいて、各光検出チャネルで生成することができる。画像対応ソーティングは、ソートトリガ352で生成されたソート信号に応答して実行される。ソーティングコンポーネント300cは、粒子を試料容器332内又は廃棄物ストリーム333に偏向させるための偏向板331を含む。いくつかの事例では、ソーティングコンポーネント300cは、2017年3月28日に出願された米国特許公開第2017/0299493号に記載されているものなどの、密閉された粒子ソーティングモジュールを用いて、粒子をソーティングするように構成されており、その開示は、参照により、本明細書に組み込まれる。ある特定の実施形態では、ソーティングコンポーネント300cは、米国特許公開第2020/0256781号に記載されたものなどの、複数のソート判定ユニットを有するソート判定モジュールを使用してソーティングされ、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0117】
いくつかの実施形態では、システムは、粒子分析システム401(図4)を使用して、粒子を収集容器中に物理的にソートすることの有無にかかわらず、粒子を分析及び特性評価することができる、粒子分析器である。図4は、計算ベースの試料分析及び粒子特性評価のための粒子分析システムの機能ブロック図を示す。いくつかの実施形態では、粒子分析システム401は、フローシステムである。粒子分析システム401は、流体工学システム402を含む。流体工学システム402は、試料管405と、試料の粒子403(例えば、細胞)が共通試料経路409に沿ってその中を移動する試料管内の移動流体カラムと、を含むか又はそれらと連結することができる。
【0118】
粒子分析システム401は、各粒子が共通試料経路に沿って1つ以上の検出ステーションを通過するときに、各粒子から信号を収集するように構成された検出システム404を含む。検出ステーション408は、概して、共通試料経路の監視エリア407を指す。いくつかの実装形態では、検出は、粒子403が監視エリア407を通過するときに、それらの粒子の光、又は1つ以上の他の特性を検出することを含み得る。図4では、1つの監視エリア407を有する1つの検出ステーション408が示されている。粒子分析システム401のいくつかの実装形態は、複数の検出ステーションを含むことができる。更に、いくつかの検出ステーションは、2つ以上のエリアを監視することができる。
【0119】
各信号には、各粒子に対してデータポイントを形成するための信号値が割り当てられる。上述したように、このデータは、イベントデータと称され得る。データポイントは、粒子に対して測定されたそれぞれの特性の値を含む多次元データポイントとすることができる。検出システム404は、一連のそのようなデータポイントを第1の時間間隔で収集するように構成されている。
【0120】
粒子分析システム401はまた、制御システム406も含むことができる。制御システム406は、1つ以上のプロセッサ、振幅制御回路、及び/又は周波数制御回路を含むことができる。示された制御システムは、流体工学システム402に動作可能に関連付けられ得る。制御システムは、ポアソン分布、及び第1の期間中に検出システム404によって収集されたデータポイントの数に基づいて、第1の期間の少なくとも一部分について計算された信号周波数を生成するように構成され得る。制御システム406は、第1の期間の一部分におけるデータポイントの数に基づいて、実験的な信号周波数を生成するように更に構成され得る。制御システム406は、追加的に、実験的な信号周波数を、計算された信号周波数又は所定の信号周波数のそれと比較することができる。
【0121】
図5は、生物学的イベントを分析及び表示するための、分析コントローラ(すなわち、プロセッサ)500などの、粒子分析器制御システムの一実施例の機能ブロック図を示す。分析コントローラ500は、生物学的イベントのグラフィック表示を制御するための様々なプロセスを実施するように構成され得る。
【0122】
粒子分析器又はソーティングシステム502は、生物学的イベントデータを取得するように構成され得る。例えば、フローサイトメータは、フローサイトメトリックイベントデータを生成することができる。粒子分析器502は、生物学的イベントデータを分析コントローラ500に提供するように構成することができる。データ通信チャネルを、粒子分析器又はソーティングシステム502と分析コントローラ500との間に含めることができる。生物学的イベントデータは、データ通信チャネルを介して、分析コントローラ500に提供することができる。分析コントローラ500は、例えば、分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用し、関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成し、疎セットに基づいて、分類モデルを生成し、分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することによって、本発明の方法を実行するように構成されたプロセッサであり得る。
【0123】
分析コントローラ500は、粒子分析器又はソーティングシステム502から生物学的イベントデータを受信するように構成することができる。粒子分析器又はソーティングシステム502から受信した生物学的イベントデータは、フローサイトメトリックイベントデータを含むことができる。分析コントローラ500は、生物学的イベントデータの第1のプロットを含むグラフィカル表示を表示デバイス506に提供するように構成することができる。分析コントローラ500は、対象となる領域を、表示デバイス506によって示される生物学的イベントデータの母集団の周辺のゲートとして、例えば、第1のプロット上に重ねられて、レンダリングするように更に構成することができる。いくつかの実施形態では、そのゲートは、単一パラメータのヒストグラム又は二変量プロット上に描かれる、対象となる1つ以上のグラフィカル領域の論理結合とすることができる。いくつかの実施形態では、そのディスプレイを使用して、粒子パラメータ又は飽和した検出器データを表示することができる。
【0124】
分析コントローラ500は、ゲート内の表示デバイス506上に生物学的イベントデータを、ゲートの外側の生物学的イベントデータ内の他のイベントとは異なって表示するように更に構成することができる。例えば、分析コントローラ500は、ゲート内に含まれる生物学的イベントデータの色を、ゲートの外側の生物学的イベントデータの色とは区別するためにレンダリングするように構成することができる。表示デバイス506は、モニタ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、又はグラフィカルインターフェースを提示するように構成された他の電子デバイスとして、実装することができる。
【0125】
分析コントローラ500は、第1の入力デバイスからゲートを識別するゲート選択信号を受信するように構成することができる。例えば、第1の入力デバイスは、マウス510として実装することができる。このマウス510は、表示デバイス506を介して表示又は操作されるゲートを識別する分析コントローラ500に対して、(例えば、カーソルをそこに位置決めするときに、所望のゲートをクリックすることによって)ゲート選択信号を始動させることができる。いくつかの実装形態では、第1のデバイスは、キーボード508、又はタッチスクリーン、入力用ペン、光検出器、若しくは音声認識システムなどの、入力信号を分析コントローラ500に提供するための他の手段として実装することができる。いくつかの入力デバイスは、複数の入力機能を含むことができる。そのような実装形態では、入力機能は、各々、入力デバイスとみなすことができる。例えば、図5に示されるように、マウス510は、右マウスボタン及び左マウスボタンを含むことができ、それらの各々は、起動イベントを生成することができる。
【0126】
この起動イベントは、分析コントローラ500に、データが表示される方法、データのどの部分が実際に表示デバイス506上に表示されるかを変更させ、かつ/又は粒子ソーティングの対象の母集団の選択などの更なる処理への入力を提供することができる。
【0127】
いくつかの実施形態では、分析コントローラ500は、ゲート選択がマウス510によっていつ始動されたかを検出するように構成することができる。分析コントローラ500は、プロットの視覚化を自動的に修正して、ゲート制御プロセスを容易にするように更に構成することができる。この修正は、分析コントローラ500によって受信された生物学的イベントデータの特定の分布に基づくことができる。
【0128】
分析コントローラ500は、記憶デバイス504に接続することができる。記憶デバイス504は、分析コントローラ500から生物学的イベントデータを受信及び記憶するように構成することができる。記憶デバイス504はまた、分析コントローラ500からフローサイトメトリックイベントデータも受信及び記憶するように構成することができる。記憶デバイス504は、分析コントローラ500によって、フローサイトメトリックイベントデータなどの生物学的イベントデータの検索を可能にするように更に構成することができる。
【0129】
表示デバイス506は、分析コントローラ500から表示データを受信するように構成することができる。表示データは、生物学的イベントデータのプロット、及びそのプロットの区画の輪郭を描くゲートを含むことができる。表示デバイス506は、粒子分析器502、記憶デバイス504、キーボード508、及び/又はマウス510からの入力と併せて、分析コントローラ500から受信した入力に従って提示された情報を変更するように更に構成することができる。
【0130】
いくつかの実装形態では、分析コントローラ500は、ユーザインターフェースを生成して、ソーティングのための例示的なイベントを受信することができる。例えば、このユーザインターフェースは、例示的なイベント又は例示的な画像を受信するための制御を含むことができる。例示的なイベント若しくは画像、又は例示的ゲートは、試料についてのイベントデータの収集前に、又は試料の一部分についてのイベントの初期セットに基づいて提供することができる。
【0131】
図6Aは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステム600(例えば、粒子分析器又はソーティングシステム502)の概略図である。いくつかの実施形態では、粒子ソータシステム600は、細胞ソータシステムである。図6Aに示すように、液滴形成トランスデューサ602(例えば、圧電発振器)は、流体導管601に結合され、流体導管601は、ノズル603に結合することができるか、ノズル603を含むことができるか、ノズル603とすることができる。流体導管601内で、シース流体604が、粒子609を含む試料流体606を移動流体カラム608(例えば、ストリーム)に流体力学的に集束させる。移動流体カラム608内で、粒子609(例えば、細胞)は、1列縦隊に並べられて、モニタリングされるエリア611(例えば、レーザストリームが交差する場所)を横切り、照射源612(例えば、レーザ)によって照射される。液滴形成トランスデューサ602の振動によって、移動流体カラム608は複数の液滴610に分裂し、そのうちのいくつかが、粒子609を含有する。
【0132】
動作中、検出ステーション614(例えば、イベント検出器)は、対象となる粒子(又は対象となる細胞)がモニタリングされたエリア611を横切るときを識別する。検出ステーション614は、タイミング回路628に入力供給し、次いで、タイミング回路628は、フラッシュ電荷回路630に入力供給する。液滴分裂ポイントでは、時限液滴遅延(Δt)によって通知されて、フラッシュ電荷は、対象となる液滴が電荷を担うように、移動流体カラム608に印加され得る。対象となる液滴は、ソートされるべき1つ以上の粒子又は細胞を含み得る。次いで、帯電した液滴は、偏向板(図示せず)を作動させることによってソートして、液滴を、収集管、又はウェル若しくはマイクロウェルが特定の対象となる液滴に関連付けられ得るマルチウェル又はマイクロウェル試料プレートなどの容器内に偏向させることができる。図6Aに示すように、液滴は、ドレイン容器638内に収集することができる。
【0133】
検出システム616(例えば、液滴境界検出器)は、対象となる粒子がモニタリングされるエリア611を通過するときに、液滴駆動信号の位相を自動的に決定する役割を果たす。例示的な液滴境界検出器が、米国特許第7,679,039号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。検出システム616により、機器が、液滴中の検出された各粒子の位置を正確に計算することが可能になる。検出システム616は、振幅信号620及び/又は位相618信号に入力供給し得、それらは、次いで、振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624に(増幅器622を介して)入力供給する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、次いで、液滴形成トランスデューサ602を制御する。振幅制御回路626及び/又は周波数制御回路624は、制御システム内に含まれ得る。
【0134】
いくつかの実装形態では、ソートエレクトロニクス(例えば、検出システム616、検出ステーション614、及びプロセッサ640)は、検出されたイベントとそれに基づくソート意思決定とを記憶するように構成されたメモリと結合され得る。ソート意思決定は、粒子のイベントデータに含まれ得る。いくつかの実装形態では、検出システム616及び検出ステーション614は、単一の検出ユニットとして実装されてもよいか、又はイベント測定値が、検出システム616若しくは検出ステーション614のうちの一方によって収集され、非収集要素に提供され得るように、通信可能に結合されてもよい。
【0135】
図6Bは、本明細書に提示される一実施形態による、粒子ソータシステムの概略図である。図6Bに示す粒子ソータシステム600は、偏向板652及び654を含む。バーブ内のストリーム帯電ワイヤを介して電荷を印加することができる。これにより、分析のために粒子610を含有する液滴610のストリームが作成される。粒子は、光散乱及び蛍光情報を生成するために、1つ以上の光源(例えば、レーザ)で照射され得る。粒子についての情報は、ソーティングエレクトロニクス又は他の検出システム(図6Bには図示せず)によるなどで分析される。偏向板652及び654は、独立して制御されて、帯電した液滴を引き付けるか又は反発させて、液滴を目的の収集容器(例えば、672、674、676、又は678のうちの1つ)に向かって誘導することができる。図6Bに示すように、偏向板652及び654は制御されて、粒子を第1の経路662に沿って容器674に向かって、又は第2の経路668に沿って容器678に向かって誘導することができる。粒子が対象とならない(例えば、指定されたソート範囲内の散乱又は照明情報を呈さない)場合、偏向板は、粒子がフロー経路664に沿って進み続けることを可能にし得る。そのような非荷電の液滴は、吸引器670を介してなど、廃棄物容器内に移行し得る。
【0136】
ソーティングエレクトロニクスは、測定値の収集を始動し、粒子に関する蛍光信号を受信し、粒子のソーティングを引き起こすために偏向板をどのように調整するかを決定するために含まれ得る。図6Bに示す実施形態の例示的な実装形態としては、Becton,Dickinson and Company(Franklin Lakes,NJ)によって市販されているBD FACSAria(商標)系のフローサイトメータが挙げられる。
【0137】
図7は、ある特定の実施形態による、例示的なコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャを描画する。図7に描画するコンピューティングデバイス700の一般的なアーキテクチャは、コンピュータハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの配置を含む。ただし、有効な開示を提供するためには、これらの一般的に伝統的な要素の全てが、必ずしも示される必要はない。例解されるように、コンピューティングデバイス700は、処理ユニット710、ネットワークインターフェース720、コンピュータ可読媒体ドライブ730、入力/出力デバイスインターフェース740、ディスプレイ750、及び入力デバイス760を含み、それらの全ては、通信バスを経由して互いに通信することができる。ネットワークインターフェース720は、1つ以上のネットワーク又はコンピューティングシステムへの接続を提供することができる。したがって、処理ユニット710は、ネットワークを介して、他のコンピューティングシステム又はサービスから情報及び命令を受信することができる。処理ユニット710はまた、メモリ770との間でも通信することができ、入力/出力デバイスインターフェース740を介して、任意選択的なディスプレイ750のための出力情報を更に提供することができる。例えば、分析システムの非一時的メモリ内に実行可能命令として記憶された分析ソフトウェア(例えば、FlowJo(登録商標)などのデータ分析ソフトウェア又はプログラム)は、フローサイトメトリイベントデータをユーザに表示することができる。入力/出力デバイスインターフェース740はまた、キーボード、マウス、デジタルペン、マイクロフォン、タッチスクリーン、ジェスチャー認識システム、音声認識システム、ゲームパッド、加速度計、ジャイロスコープ、又は他の入力デバイスなどの、任意選択的な入力デバイス760から入力を受信することもできる。
【0138】
メモリ770は、処理ユニット710が順番に実行して1つ以上の実施形態を実施するコンピュータプログラム命令(いくつかの実施形態では、モジュール又はコンポーネントとしてグループ化される)を含むことができる。メモリ770は、一般的に、RAM、ROM、及び/又は他の永続的、補助的、又は非一時的なコンピュータ可読媒体を含む。メモリ770は、コンピューティングデバイス700の一般的な管理及び動作において、処理ユニット710によって使用されるためのコンピュータプログラム命令を提供するオペレーティングシステム772を記憶することができる。データは、データ記憶デバイス790に記憶され得る。メモリ770は、本開示の態様を実装するためのコンピュータプログラム命令及び他の情報を更に含むことができる。
【0139】
キット
本開示の態様は、キットを更に含み、キットは、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROM、DVD-ROM、ブルーレイディスク、ソリッドステートディスク、及びネットワークアタッチド記憶装置(NAS)等の記憶媒体を含む。これらのプログラム記憶媒体のいずれか、又は現在使用されている、若しくは後に開発され得る他のものは、主題のキットに含まれ得る。実施形態では、プログラム記憶媒体は、フローサイトメータデータを分類するための命令を含む。実施形態では、主題のキットに提供されるコンピュータ可読媒体に含まれる命令、又はその一部分は、データを分析するためのソフトウェアのソフトウェアコンポーネントとして実装することができる。これらの実施形態では、本開示によるコンピュータ制御システムは、既存のソフトウェアパッケージ(例えば、FlowJo(登録商標))のソフトウェア「プラグイン」として機能し得る。
【0140】
上記のコンポーネントに加えて、主題のキットは、(いくつかの実施形態では)命令を更に含み得る。これらの命令は、様々な形態で主題のキット中に存在し得、そのうちの1つ以上は、キット中に存在し得る。これらの命令が存在し得る1つの形態は、好適な媒体又は基材、例えば、情報が印刷される紙片上、キットのパッケージ内、添付文書内などの印刷された情報としてである。これらの命令の更に別の形態は、情報が記録されているコンピュータ可読媒体、例えば、ディスケット、コンパクトディスク(CD)、ポータブルフラッシュドライブなどである。存在し得るこれらの命令の更に別の形態は、隔たったサイトで情報にアクセスするために、インターネットを介して使用され得るウェブサイトアドレスである。
【0141】
ユーティリティ
主題の粒子分析器、方法、及びコンピュータシステムは、生体試料など、流体媒体内の試料内の粒子成分を分析し、任意選択的に、ソートし、次いで、ソートされた生成物を、例えば、治療的使用など、後での使用のために保管することが望ましい、様々な用途での使用を見出す。本開示は、特に、フローサイトメータデータを分類することが望ましい場合の使用を見出す。例えば、主題の粒子分析器、方法、及びコンピュータシステムは、特に、そのような好適なゲートが容易に明らかではないデータセットにおいて、フローサイトメータデータの特定の母集団又は部分母集団のための好適なゲートの決定を容易にするために用いられ得る。本開示の実施形態はまた、改善された細胞ソーティング精度、向上した粒子収集、粒子帯電効率、より正確な粒子帯電、及び細胞ソーティング中の向上した粒子偏向を有するフローサイトメータを提供することが望ましい場合に使用される。
【0142】
本開示の実施形態は、生体試料から調製された細胞が、研究、実験室試験、又は治療での使用に望ましくあり得る用途における使用を見出す。いくつかの実施形態では、主題の方法及びデバイスは、標的の流体又は組織生体試料から調製された個々の細胞を取得及び/又は分析することを容易にし得る。例えば、主題の方法及びシステムは、がんなどの疾患の研究又は診断用標本として使用される、流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にする。同様に、主題の方法及びシステムは、治療で使用される流体又は組織試料から細胞を取得することを容易にし得る。
【0143】
以下は、例として提示されるものであって、限定として提示されるものではない。
【0144】
実験
実験1
標的化された単一細胞ソートにおける細胞ダブレットの包含は、非標的細胞がソート生成物を汚染し、下流用途において誤解を招く、又は望ましくない結果をもたらし得るという点で、明らかな結果をもたらす。細胞と、分解されていない赤血球、大きいエクソソーム、アポトーシス体又は血小板とからなるダブレットも、ソートの結果に影響を与え得る。ソートにおいてこれらのイベントの包含及び/又は除外、並びにソート生成物の品質に与え得る影響について検討した。
【0145】
要約すると、血液単核細胞(PBMC)を、5人の健康なドナーからのフィコール分離によって調製した。試料調製物を、BD CellView(商標)Image Technologyと適合する、膜透過性のDNAインターカレーティング色素であるDRAQ5で対比染色した。伝統的な散乱ベースのダブレット識別戦略を画像ベースのアプローチと比較したように、シングレット、ダブレット及び集塊周波数を、DNA含有量を介して追跡した。シングレットイベント対非シングレットイベントについてグラウンドトゥルースとしてDNA含有量を使用して、ワークフローに沿った各ゲートを比較した。幅対高さ及び面積対高さなどの従来の散乱ベースのアプローチを、偏心及びラジアルモーメントの特徴を使用する画像ベースのアプローチと併せて実施した。画像ベースのアプローチを、単独で、及び散布ベースの方法と併せて評価した。シングレット保存はまた、シングレットの著しい損失が、成功したダブレット除外戦略の望ましくない結果であるとして評価された。
【0146】
試料調製とデータ取得
全血を標準のEDTA試料収集チューブに収集した。末梢血単核細胞(PBMC)を、標準のficol密度勾配遠心プロトコルを使用して調製した。5人の健康なドナーからの血液を並列に処理した。PBMCを洗浄し、Draq5(BD Biosciencesカタログ番号564902)で染色した。細胞は、CellView(商標)Image Technologyプロトタイプを用いて、BD FACSDiscover(商標)S8で取得された。データをFlowJo(商標)ソフトウェア(BD Biosciences)で分析した。
【0147】
手動ゲーティング技法
散乱(SSC及びFSC)に基づくダブレット判定ゲーティングは、非画像化対応サイトメータ上でユーザによって用いられた実践をキャプチャしようとしたため、いかなる方式でも画像化を使用することなく行われた。画像化の使用は、数値画像由来の特徴に限定されず、また、ポップアップマウスオーバ画像化を用いてゲートの配置を誘導した。
【0148】
機械学習(ML)アルゴリズム技法
25Kイベントのある訓練データセットを使用して、予測因子と標的との間の回帰関係を見出した(DRAQ5 DNA染色インジケータ)。上位10の特徴リストを生成し、次いで、疎な3特徴セットに到達するように反復的に微調整した(図8A)。基礎となる分布は、マルチモーダルガウス混合であると仮定し、教師なしクラスタリングを375Kイベント(10データセット)上で行った(図8B)。
【0149】
結果
手動ゲーティング法で使用される画像化特徴は、偏心及びラジアルモーメントであった。偏心は、所与の散乱又は蛍光チャネル内の画像内の最短軸モーメントと最長軸モーメントの比であり、その一方で、ラジアルモーメントは、所与の散乱又は蛍光チャネル内の画像内の重心(相対中心)からの全ての信号正ピクセルの平均距離である。図9では、リンパ球、単球及び高散乱イベントの分布を散乱図及び画像化特徴図に示す。次に、画像特徴と散乱に基づく非シングレット除外法を比較した。図10Aに示すように、DRAQ5(DNA染色)の使用は、各ゲート内のシングレット及び非シングレットの絶対数の列挙を可能にした。各ゲート内外のグラウンドトゥルースシングレット及び非シングレット(DNA含有量に基づく)の数は、円グラフとして示される。図10Bに示されるように、非シングレットの83%が除外され、全シングレットの95%が、画像化のみを使用した非シングレット除外法を使用して保存された。画像化に加えて、高さ対幅を使用する非シングレット除外法からの結果を図11A~11Bに示す。そのようなワークフローは、ダブレット識別に対する散乱及び画像ベースのアプローチを組み合わせたものである。図11Aの最も右のプロットでは、より多くの非シングレットを除外するように構成されたよりアグレッシブなゲートも示される。このゲートからのメトリクスは、図11Bの下のプロットに示され、その一方で、他のゲートからの結果は、図11Bの上のプロットに示される。画像化を加えた高さ対面積を使用する非シングレット除外法からの結果を図12A~12Bに示す。このワークフローはまた、ダブレット識別に対する散乱及び画像ベースのアプローチを組み合わせたものである。図12Bに示されるように、非シングレットの91%が除外され、その一方で、全シングレットの92%が保存された。各方法によって除外された全非シングレットのパーセンテージの棒グラフを図13Aに示す(n=5ドナー)。各々によって保存されたシングレットの割合の棒グラフを図13Bに示す。各ドナーのデータを、DNA含有量によって測定される非シングレット/シングレットの絶対数に正規化した。
【0150】
機械学習ベースのアルゴリズム方法のクラスタリング結果をプロットした。図14Aは、GTシングレット(マゼンタ)、GT非シングレット(青)、アルゴリズム識別された非シングレット(真のシングレットである)(オレンジ)、及びアルゴリズム識別されたシングレット(真の非シングレットである)(ライトブルー)のクラスタリング結果を示す。図14Bは、全てのアルゴリズム識別されたシングレット(バイオレット)及びアルゴリズム識別された非シングレット(ライトブルー)を示す。図15に描画する箱ひげ図は、真のシングレット同定率の中央値が約97%(青)であり、真のダブレット除外率が約92%(オレンジ)であることを示す。シングレット分布のSDは、0.52であり、ダブレット分布のSDは、1.72である。
【0151】
結論
散乱に基づくダブレット識別は、ダブレットの約60%を除外し(H対W及びH対Aはほぼ同等であった)、シングレットの約95%を保存した。画像化特徴のみに基づくダブレット識別は、ダブレットの80%を除外し、シングレットの95%を保存した。画像化パラメータ及び散乱パラメータを組み合わせると、ダブレットの90%が除外され、シングレットの90%が保存された。アグレッシブな画像化ゲートは、ダブルレットの97%を除外することができたが、真のシングレットの78%のみを保存した。MLベースのアルゴリズムは、真のシングレットの97%を含むことができ、真の非シングレットの92%を除外することができる。画像化パラメータ及び非画像化パラメータの組み合わせは、シングレット対非シングレット区別のために強力であった。イベントの基礎となる分布は、マルチモーダルガウス仮定に密接に従っていた。ガウスクラスタリングは、本出願におけるK平均クラスタリング法、スペクトラルクラスタリング法、DBSCANクラスタリング法、及びBIRCHクラスタリング法よりも優れていた。
【0152】
実験2
初期特徴リストを、DRAQ5 DNA染色インジケータ、標的としてのR3(700)-Aチャネル、及び予測因子としての他の全ての非検出器チャネルを使用して生成した。予測因子と標的との間の回帰関係は、トップ10の特徴リストをもたらした。このリストは、3つのチャネル、すなわち、「偏心(光損失(画像化))」、「光損失(バイオレット)-A」及び「サイズ(光損失(画像化))」からなる。次いで、最終的な特徴リストを使用して、各々が5つの細胞ドナーからのデータを含む2つのグループ、すなわち、25kのイベント及び50Kのイベントからなる利用可能なデータセットをクラスタリングした。ガウス混合モデリングを、上述したクラスタデータセットに適用した。ガウス混合モデリングは、データ分布がガウス混合であると仮定する。この研究の目的のために、仮定は、各々がシングレット母集団及び非シングレット母集団についての2つのガウスモデルに限定された。DBSCAN、BIRCH、K平均、及びスペクトラムを含むいくつかのクラスタリング技法を適用したが、ガウス混合モデルはデータを最もよく説明し、高い特異性及び感度のために選択された。クラスタ化されたデータを、グラウンドトゥルースDRAQ5 DNA染色インジケータ、R3(700)-Aチャネル分布と比較した。測定されたパフォーマンスメトリクスは、a)シングレット包含率、及びb)非シングレット除外率であり、それぞれ、25kイベントでのデータ及び50kイベントでのデータについて、以下の表1及び表2に示される。
【0153】
【表1】
【0154】
【表2】
【0155】
添付の特許請求の範囲にかかわらず、本開示はまた、以下の項によって明確化される。
1. 分析物データをクラスタに分類するためのコンピュータ実装方法であって、プロセッサを介して、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することと、を含む、コンピュータ実装方法。
2. 分析物データが、フローサイトメータデータである、項1に記載のコンピュータ実装方法。
3. クラスタ基準が、分析物データとシングレットとの関連付けである、項2に記載のコンピュータ実装方法。
4. クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、項3に記載のコンピュータ実装方法。
5. 非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、項4に記載のコンピュータ実装方法。
【0156】
6. 分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、項2~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
7. 分析物特徴が、画像化特徴を含む、項6に記載のコンピュータ実装方法。
8. 分類モデルが、混合モデルを含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
9. 混合モデルが、ガウス混合モデルを含む、項8に記載のコンピュータ実装方法。
10. 分類モデルが、密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムを含む、項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0157】
11. 密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムは、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む、項10に記載のコンピュータ実装方法。
12. 分類モデルが、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズムを含む、項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
13. 分類モデルが、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む、項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
14. 分類モデルが、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、項1~7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
15. 分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0158】
16. 分析物特徴の初期セットが、7~15個の分析物特徴を含む、項15に記載のコンピュータ実装方法。
17. 分析物特徴の初期セットが、9~11個の分析物特徴を含む、項16に記載のコンピュータ実装方法。
18. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
19. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の15%以上を含む、項18に記載のコンピュータ実装方法。
20. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の20%以上を含む、項19に記載のコンピュータ実装方法。
【0159】
21. 分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
22. 分析物特徴の疎セットが、2~5個の分析物特徴を含む、項21に記載のコンピュータ実装方法。
23. 分析物特徴の疎セットが、2~4個の分析物特徴を含む、項22に記載のコンピュータ実装方法。
24. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
25. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの95%以上を含めることを含む、項24に記載のコンピュータ実装方法。
【0160】
26. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの97%以上を含めることを含む、先行項のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
27. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上を除外することを含む、項1~23のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
28. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの90%以上を除外することを含む、項27に記載のコンピュータ実装方法。
29. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの92%以上を除外することを含む、項28に記載のコンピュータ実装方法。
【0161】
30. プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備えるシステムであって、メモリが、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用させる、システム。
31. 分析物データが、フローサイトメータデータである、項30に記載のシステム。
32. クラスタ基準が、フローサイトメータデータとシングレットとの関連付けである、項31に記載のシステム。
33. クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、項32に記載のシステム。
34. 非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、項33に記載のシステム。
【0162】
35. 分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、項31~34のいずれか一項に記載のシステム。
36. 分析物特徴が、画像化特徴を含む、項35に記載のシステム。
37. 分類モデルが、混合モデルを含む、項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
38. 混合モデルが、ガウス混合モデルを含む、項37に記載のシステム。
39. 分類モデルが、密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムを含む、項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
【0163】
40. 密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムが、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む、項39に記載のシステム。
41. 分類モデルが、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズムを含む、項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
42. 分類モデルが、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む、項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
43. 分類モデルが、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、項30~36のいずれか一項に記載のシステム。
44. 分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、項30~43のいずれか一項に記載のシステム。
【0164】
45. 分析物特徴の初期セットが、7~15個の分析物特徴を含む、項44に記載のシステム。
46. 分析物特徴の初期セットが、9~11個の分析物特徴を含む、項45に記載のシステム。
47. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、項30~46のいずれか一項に記載のシステム。
48. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の15%以上を含む、項47に記載のシステム。
49. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の20%以上を含む、項48に記載のシステム。
【0165】
50. 分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、項30~49のいずれか一項に記載のシステム。
51. 分析物特徴の疎セットが、2~5個の分析物特徴を含む、項50に記載のシステム。
52. 分析物特徴の疎セットが、2~4個の分析物特徴を含む、項51に記載のシステム。
53. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、項30~52のいずれか一項に記載のシステム。
54. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの95%以上を含めることを含む、項53に記載のシステム。
【0166】
55. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの97%以上を含めることを含む、項54に記載のシステム。
56. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上を除外することを含む、項30~52のいずれか一項に記載のシステム。
57. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの90%以上を除外することを含む、項56に記載のシステム。
58. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの92%以上を除外することを含む、項57に記載のシステム。
59. 分類された分析物データを出力するように構成されたディスプレイを更に備える、項30~58のいずれか一項に記載のシステム。
60. プロセッサに動作可能に接続されたフローサイトメータを更に備える、項30~59のいずれか一項に記載のシステム。
【0167】
61. 方法によって分析物データをクラスタに分類するための命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、方法が、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
62. 分析物データが、フローサイトメータデータである、項61に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
63. クラスタ基準が、分析物データとシングレットとの関連である、項62に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
64. クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、項63に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
65. 非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、項64に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0168】
66. 分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、項62~65のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
67. 分析物特徴が、画像化特徴を含む、項66に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
68. 分類モデルが、混合モデルを含む、項61~67のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
69. 混合モデルが、ガウス混合モデルを含む、項68に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
70. 分類モデルが、密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムを含む、項61~67のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0169】
71. 密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムが、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む、項70に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
72. 分類モデルが、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズムを含む、項61~67のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
73. 分類モデルが、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む、項61~67のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
74. 分類モデルが、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、項61~67のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
75. 分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、項61~74のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0170】
76. 分析物特徴の初期セットが、7~15個の分析物特徴を含む、項75に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
77. 分析物特徴の初期セットが、9~11個の分析物特徴を含む、項76に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
78. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、項61~77のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
79. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の15%以上を含む、項78に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
80. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の20%以上を含む、項79に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0171】
81. 分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、項61~80のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
82. 分析物特徴の疎セットが、2~5個の分析物特徴を含む、項81に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
83. 分析物特徴の疎セットが、2~4個の分析物特徴を含む、項82に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
84. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、項61~83のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
85. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの95%以上を含めることを含む、項84に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【0172】
86. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの97%以上を含めることを含む、項85に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
87. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上を除外することを含む、項61~83のいずれか一項に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
88. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの90%以上を除外することを含む、項87に記載の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
89. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの92%以上を除外することを含む、項88に記載の非一時的コンピュータ記憶媒体。
【0173】
90. 分析物データをクラスタに分類するコンピュータ実装方法であって、
(a)分析物データを、命令が記憶されたシステムに提供することであって、命令が、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
関係に基づいて、分析物特徴の初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
分析物データをクラスタに分類するために、分類モデルを適用させる、提供することと、
(b)プロセッサから、分類された分析物データを受信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
91. 分析物データが、フローサイトメータデータである、項90に記載のコンピュータ実装方法。
92. クラスタ基準が、分析物データとシングレットとの関連付けである、項91に記載のコンピュータ実装方法。
93. クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、項92に記載のコンピュータ実装方法。
94. 非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、項93に記載のコンピュータ実装方法。
【0174】
95. 分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、項91~94のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
96. 分析物特徴が、画像化特徴を含む、項95に記載のコンピュータ実装方法。
97. 分類モデルが、混合モデルを含む、項90~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
98. 混合モデルが、ガウス混合モデルを含む、項90~97のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
99. 分類モデルが、密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムを含む、項90~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0175】
100. 密度ベース空間クラスタリングアルゴリズムが、ノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズムを含む、項99に記載のコンピュータ実装方法。
101. 分類モデルが、階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズムを含む、項90~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
102. 分類モデルが、K平均クラスタリングアルゴリズムを含む、項90~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
103. 分類モデルが、スペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、項90~96のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
104. 分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、項90~103のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0176】
105. 分析物特徴の初期セットが、7~15個の分析物特徴を含む、項104に記載のコンピュータ実装方法。
106. 分析物特徴の初期セットが、9~11個の分析物特徴を含む、項105に記載のコンピュータ実装方法。
107. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、項90~106のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
108. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の15%以上を含む、項107に記載のコンピュータ実装方法。
109. 分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の20%以上を含む、項108に記載のコンピュータ実装方法。
【0177】
110. 分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、項90~109のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
111. 分析物特徴の疎セットが、2~5個の分析物特徴を含む、項110に記載のコンピュータ実装方法。
112. 分析物特徴の疎セットが、2~4個の分析物特徴を含む、項111に記載のコンピュータ実装方法。
113. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、項90~112のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
114. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの95%以上を含めることを含む、項113に記載のコンピュータ実装方法。
【0178】
115. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、クラスタ基準に関連付けられた分析物データの97%以上を含めることを含む、項114に記載のコンピュータ実装方法。
116. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの85%以上を除外することを含む、項90~112のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
117. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの90%以上を除外することを含む、項116に記載のコンピュータ実装方法。
118. 分析物データを分類することが、クラスタ基準に関連付けられたクラスタから、クラスタ基準に関連付けられていない分析物データの92%以上を除外することを含む、項117に記載のコンピュータ実装方法。
119. 方法は、ディスプレイ上で分類された分析物データを受信することを含む、項90~118のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【0179】
上記の開示は、明確な理解のために例解及び例によって多少詳しく説明されてきたが、本開示の教示に照らして、添付の特許請求の範囲の趣旨又は範囲から逸脱することなく、その開示に対して何らかの変更及び修正を行い得ることは、当業者に容易に明らかである。
【0180】
したがって、上記の説明は単に本開示の原理を例解するに過ぎない。当業者は、本明細書に明示的に記載又は示されていないが、本開示の原理を具現化し、その趣旨及び範囲内に含まれる様々な配置を考案することができることが理解されるであろう。更に、本明細書に列挙される全ての例及び条件付き言語は、主に、本開示の原理及び本開示によって当技術分野を促進するために寄与する概念を閲読者が理解するのを支援することを意図しており、そのような具体的に列挙される例及び条件に限定されるものではないと解釈されるものである。更に、本開示の原理、態様、及び実施形態を記載する、本明細書の全ての記述、並びにそれらの具体例は、それらの構造的及び機能的均等物の両方を包含することが意図されている。追加的に、かかる均等物は、現在既知の均等物及び将来開発される均等物の両方、すなわち、構造に関係なく、同じ機能を実施する開発される任意の要素を含むことが意図される。更に、本明細書に開示のいかなるものも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に列挙されているかどうかにかかわらず、公共に供することを意図しない。
【0181】
したがって、本開示の範囲は、本明細書に示され、説明された例示的な実施形態に限定されることを意図されていない。むしろ、本開示の範囲及び趣旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。特許請求の範囲において、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は、特許請求の範囲におけるそのような制限の開始時に正確な語句「のための手段」又は正確な語句「のためのステップ」が列挙されるときにのみ、特許請求の範囲における制限のために引用されるものとして明示的に定義され、そのような正確な語句が特許請求の範囲における制限で使用されない場合、米国特許法第112条(f)又は米国特許法第112条(6)は引用されない。
【0182】
関連出願の相互参照
米国特許法第119条(e)に従って、本出願は、2023年5月9日に出願された米国仮特許出願第63/465,057号の出願日の優先権を主張し、その出願は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析物データをクラスタに分類するためのコンピュータ実装方法であって、前記方法が、プロセッサを介して、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項2】
前記分析物データが、フローサイトメータデータである、請求項1に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項3】
前記クラスタ基準が、前記分析物データとシングレットとの関連付けである、請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項4】
前記クラスタが、シングレットクラスタ及び非シングレットクラスタを含む、請求項3に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項5】
前記非シングレットクラスタが、ダブレット又は集合体を含む、請求項4に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項6】
前記分析物特徴が、サイズ特徴、画像化特徴、散乱特徴、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項7】
前記分析物特徴が、画像化特徴を含む、請求項6に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項8】
前記分類モデルが、混合モデル、好ましくは、ガウス混合モデル、又はノイズを伴うアプリケーションの密度ベースの空間クラスタリング(DBSCAN)アルゴリズム、若しくは階層を使用したバランスのとれた反復的な低減及びクラスタリング(BIRCH)アルゴリズム、若しくはK平均クラスタリングアルゴリズム、若しくはスペクトラルクラスタリングアルゴリズムを含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項9】
前記分析物特徴の初期セットが、5~20個の分析物特徴を含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項10】
前記分析物特徴の初期セットが、可能な分析物特徴の10%以上を含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記分析物特徴の疎セットが、2~10個の分析物特徴を含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
前記分析物データを分類することが、前記クラスタ基準に関連付けられたクラスタに、前記クラスタ基準に関連付けられた分析物データの90%以上を含めることを含む、請求項1又は請求項2に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
プロセッサに動作可能に結合されたメモリを備えるシステムであって、前記メモリが、前記メモリに記憶された命令を含み、前記命令が、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
分析物データをクラスタに分類するために、前記分類モデルを適用させる、システム。
【請求項14】
方法によって分析物データをクラスタに分類するための命令が記憶された非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記方法が、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用することと、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成することと、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成することと、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用することと、を含む、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項15】
分析物データをクラスタに分類するコンピュータ実装方法であって、前記方法が、
(a)分析物データを、命令が記憶されたシステムに提供することであって、前記命令が、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
分析物特徴の初期セットとクラスタ基準との間の関係を判定するために、回帰モデルを適用させ、
前記関係に基づいて、前記分析物特徴の前記初期セットの最大でも一部分から疎セットを生成させ、
前記疎セットに基づいて、分類モデルを生成させ、
前記分析物データを前記クラスタに分類するために、前記分類モデルを適用させる、提供することと、
(b)前記プロセッサから、分類された前記分析物データを受信することと、を含む、コンピュータ実装方法。
【外国語明細書】
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15