IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ レオナルド・エッセ・ピ・アの特許一覧

特開2024-163986航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法
<>
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図1
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図1a
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図2
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図3
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図4
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図5
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図6
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図7
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図8
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図9
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図10
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図11
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図12
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図13
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図14
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図15
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図16
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163986
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/42 20060101AFI20241119BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20241119BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20241119BHJP
   B64C 5/02 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B29C70/42
B64F5/10
B64C1/00 B
B64C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077308
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】102023000009456
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ジュゼッペ・コルヴァグリア
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ガッロ
(72)【発明者】
【氏名】モレノ・コルテルッチ
(72)【発明者】
【氏名】アルフレド・リチャルディ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非常に信頼性が高く、コスト効率が良く、複合材料ボックス形状の構造体を製造方法を提供する。
【解決手段】構造体(1)は第1及び第2の軸線方向端部との間で長手方向に延在し、第1及び第2長手方向壁部(5、6)と第1及び第2の壁部(5、6)との間に長手方向に延在する複数のスパー(7)と、スパーと横断方向で、第1壁部と第2の壁部との間において、第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間に間置されている横断方向セクター(S)のエリアに挿入されている、補強リブ(21)とを有しており、第2の壁部(6)は、メイン部分および閉鎖部分を含み、それらは、互いに同一平面上にあり、不連続性を伴って2つの個別のピースを画定しており、横断方向セクター(S)のエリアにおいて分離されており、ボックス形状の構造体(1)の構造的特性を危機にさらすことなく、補強リブの挿入を促進させるようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化ポリマーマトリックスプリプレグ複合材料を使用して、航空機(4)のための、および、とりわけ水平方向スタビライザー(2)のための、ボックス形状の構造体(1)を製造するための方法であって、前記構造体(1)は、第1の軸線方向端部(1a)と第2の軸線方向端部(1b)との間において長手方向に延在する長手方向軸線(A)を有しており、前記構造体(1)は、
- 第1の長手方向壁部(5)と、
- 前記第1の壁部(5)に面しており、非ゼロの量だけ前記第1の壁部(5)自体から間隔を置いて配置されている、第2の長手方向壁部(6)と、
- 長手方向に、および、前記第1の壁部(5)と第2の壁部(6)との間に延在しており、これらの前記第1の壁部(5)および第2の壁部(6)に接続されており、前記第1の壁部(5)および前記第2の壁部(6)とともに、それぞれの長手方向キャビティー(8)の境界を定めている、複数のスパー(7)と、
を含み、
前記方法は、
a) 前記第1の壁部(5)を画定する複合材料の第1のスキン(5a)を形成するように、形成モールド(11)の第1の形成プレート(10)の上に前記プリプレグ複合材料の第1の複数の層を積層するステップと、
b) 複数の細長い支持ツール(15)を配置するステップであって、前記複数の細長い支持ツール(15)は、前記構造体(1)の中に形成されることとなる前記長手方向キャビティー(8)のプロファイルに相補的な多角形の外部プロファイルを有する断面をそれぞれ有している、ステップと、
c) 前記複合材料から作製された細長いプロファイル(12)を取得するように、それぞれの支持ツール(15)の3つの連続する壁部の上に前記プリプレグ複合材料の第2の複数の層を積層するステップであって、それぞれのプロファイル(12)は、C字形状の断面を有しており、フランジ(13)、および、前記フランジ(13)から横断方向に突き出ている2つのウィングレット(14)を含む、ステップと、
d) 前記スパー(7)を取得するように、前記プロファイル(12)自体が反対側の凹面を有するように、支持ツール(15)のそれぞれの対に隣り合って隣接するそれぞれの前記フランジ(13)に沿って2つずつ前記プロファイル(12)を接合するステップと、
e) 前記スパー(7)のそれぞれの第1のウィングレット(14a)が前記第1の壁部(5)と接触して同一平面上にあるように、以前に取得された前記第1の壁部(5)の上に、隣接された前記支持ツール(15)および以前に取得された前記スパー(7)を長手方向に配置し、したがって、前記構造体(1)の第1のアッセンブリ(16)を画定するステップと、
f) 複合材料の第2のスキン(6a)のメイン部分(17)を形成するように、前記形成モールド(11)の第2の形成プレート(19)の上に前記プリプレグ複合材料の第3の複数の層(17a)を積層するステップであって、前記第2のスキン(6a)は、前記第2の壁部(6)を画定する、ステップと、
g) 前記第2のスキン(6a)の閉鎖部分(18)を形成するように、前記第2のプレート(19)の上に、または、前記第2のプレート(19)とは別個のおよび個別の前記形成モールド(11)の第3の形成プレート(20)の上に、前記プリプレグ複合材料の第4の複数の層(18a)を積層するステップであって、前記閉鎖部分(18)は、前記メイン部分(17)とは個別のおよび別個のものであり、前記第2の壁部(6)を画定するために、前記メイン部分(17)自体に連結可能である、ステップと、
h) 前記第1のアッセンブリ(16)の上に少なくとも前記メイン部分(17)を設置するステップであって、前記メイン部分(17)が、前記第1のウィングレット(14a)の反対側の前記スパー(7)のそれぞれの第2のウィングレット(14b)と接触しているようになっており、前記長手方向軸線(A)に対して、前記第1の軸線方向端部(1a)または第2の軸線方向端部(1b)のうちの1つから、前記第1の軸線方向端部(1a)と第2の軸線方向端部(1b)との間に軸線方向に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の所定の横断方向セクター(S)まで延在する前記第2の壁部(6)の一部を画定するようになっており、前記第1のアッセンブリ(16)および前記メイン部分(17)を含むグループが、前記ボックス形状の構造体(1)の第2のアッセンブリ(23)を画定している、ステップと、
i) 設置する前記ステップh)の後に、前記横断方向セクター(S)に配置された前記ボックス形状の構造体(1)の補強リブ(21)を画定するために、前記キャビティー(8)の中に、および、前記スパー(7)間に、一連の横断方向補強エレメント(22)を挿入するステップであって、前記一連の横断方向補強エレメント(22)は、前記長手方向軸線(A)に対して横断方向に、および、前記横断方向セクター(S)において、互いに整合されている、ステップと、
l) 挿入する前記ステップi)の後に、前記第2のアッセンブリ(23)および前記補強リブ(21)を含む前記ボックス形状の構造体(1)の第3のアッセンブリの上に前記閉鎖部分(18)を設置し、前記閉鎖部分(18)が前記横断方向セクター(S)から前記第1の軸線方向端部(1a)または第2の軸線方向端部(1b)のうちの他方へ延在するように、前記閉鎖部分(18)を前記メイン部分(17)に連結するステップであって、前記閉鎖部分(18)が前記スパー(7)の前記第2のウィングレット(14b)と接触するようになっており、前記ボックス形状の構造体(1)を閉鎖するための前記第2の壁部(6)の残りのパーツを画定するようになっている、ステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記方法は、
m) 前記メイン部分を設置する前記ステップh)の後に、複合材料の前記第1の複数の、第2の複数の、および第3の複数のそれぞれ積層された層(17a)に、所定の温度および圧力を印加することによって、前記第2のアッセンブリ(23)を硬化させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第4の複数の層を積層する前記ステップg)は、前記第2の形成プレート(19)とは別個のおよび個別の前記第3の形成プレート(20)の上で実施され、
前記方法は、また、
n) 前記第3の形成プレート(20)の上に以前に積層された前記第4の複数の層(18a)に所定の温度および圧力を印加することによって、前記閉鎖部分(18)を硬化させるステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記閉鎖部分(18)を設置する前記ステップl)は、前記閉鎖部分(18)を硬化させる前記ステップn)に続いて実施される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第4の複数の層を積層する前記ステップg)は、前記第2の形成プレート(19)の上で実施され、前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)が、前記第2の形成プレート(19)自体と同一平面上に、それに隣接して配置されるようになっており、
前記方法は、また、
o) 前記メイン部分(17)と前記閉鎖部分(18)との間に、セパレーターフィルム(26)、たとえば、テフロン(登録商標)コーティングされた材料のフィルムを提供するステップと、
p) 前記以前に積層された閉鎖部分(18)の外側表面を前記セパレーターフィルム(26)によってカバーするステップと、
q) 前記第3の複数の層を積層する前記ステップf)、前記第4の複数の層を積層する前記ステップg)、および、カバーする前記ステップp)の後に、前記第3(17a)のおよび第4(18a)の複数の以前に積層された層に所定の温度および圧力を印加することによって、前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)を同時に一緒に硬化させるステップと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記方法は、
r) カバーする前記ステップp)の後に、および、硬化させる前記ステップq)の前に、前記メイン部分(17)および閉鎖部分(18)のそれぞれの外側表面が前記スパー(7)の前記第2のウィングレット(14b)と接触するように、前記メイン部分(17)および閉鎖部分(18)を前記第1のアッセンブリ(16)の上に設置するステップと、
s) 設置する前記ステップr)の後に、硬化させる前記ステップq)を実施するステップと、
t) 前記セパレーターフィルム(26)によって、前記メイン部分(17)からおよび前記スパー(7)から、前記閉鎖部分(18)を切り離すステップと、
u) 前記閉鎖部分を切り離す前記ステップt)の後に、前記補強エレメント(22)を挿入する前記ステップi)、および、前記閉鎖部分(18)を設置する前記ステップl)を実施するステップと、
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記閉鎖部分を設置する前記ステップl)は、前記メイン部分(17)に横方向に隣接して前記閉鎖部分(18)を配置することによって実施され、接合領域(G)が前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)の間に画定されるようになっており、
前記方法は、また、
v) 前記閉鎖部分を設置する前記ステップl)の後に、前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)を一緒に接合するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
接合する前記ステップv)は、
- 前記横断方向セクター(S)において、および、前記接合領域(G)の上方に、スプライシング本体部(25)を配置するステップと、
- 前記メイン部分(17)におよび前記閉鎖部分(18)に前記スプライシング本体部(25)を釘打ちまたはリベット打ちするステップと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
接合する前記ステップv)は、
- 前記横断方向セクター(S)に、および、前記接合領域(G)の上方に、プリプレグ複合材料から作製されたスプライシング本体部(25)を配置するステップ
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
- 前記支持ツール(15)は、内部が中空になっており、加熱アクションおよび冷却アクションにそれぞれ応答して、リジッドの状態から可撓性エラストマー状態への移行およびその逆の移行を可能にする傾向がある補強材料およびポリマーに基づく組成を有しており、
- 前記支持ツール(15)は、硬化温度よりも低く50℃よりも高い温度で、前記可撓性エラストマー状態をとるように構成されており、
- 前記ステップc)は、これらの前記支持ツール(15)がそのリジッドの状態にある間に、前記第2の複数の層を構成する前記プリプレグ材料を前記支持ツール(15)の壁部の外側表面の上に直接的に積層することによって実施され、
- 前記第2のアッセンブリを硬化させる前記ステップm)の間に、硬化圧力が、前記形成モールド(11)の内側と前記支持ツール(15)の内側の両方に印加され、その壁部は、前記リジッドの状態から前記可撓性エラストマー状態への通過によって可撓性にされており、したがって、前記硬化圧力自体によって押され、前記セクション(12)に、前記第1の壁部(5)に、および少なくとも前記メイン部分(17)に付着する、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記支持ツール(15)の前記ポリマーは、形状記憶熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーであり、
および/または、前記支持ツール(15)の前記補強材料は、1つまたは複数の弾性的な繊維を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記支持ツール(15)は、それぞれ加熱および冷却に応答して変形不可能なリジッドのエレメントによって画定されており、
前記方法は、積層する前記ステップc)、配置する前記ステップe)、および、硬化させる前記ステップm)の前に、
z1) 前記それぞれのキャビティー(8)からの前記支持ツール自体のその後の抽出を促進させるために、それぞれの支持ツール(15)の上にセパレーター剤の層を適用するステップと、
z2) そのように準備されたそれぞれの支持ツール(15)の上に、後続のシーリング動作のために前記支持ツール(15)自体のそれぞれの端部において前記チューブ状バッグの余分な部分を残した状態で、チューブ状バッグをフィットさせるステップと、
z3) それぞれの支持ツール(15)の上に、および、前記チューブ状バッグの外側に、ベンチレーションファブリックを巻き、シーラントによって縁部を固定するステップと、
z4) そのように準備されたそれぞれの支持ツール(15)の上に、後続のシーリング動作のために前記支持ツール(15)自体のそれぞれの端部において前記セパレーターフィルムの余分な部分を残した状態で、チューブ状のセパレーターフィルムをフィットさせるステップと、
z5) シーラントを使用して前記チューブ状バッグの端部および前記チューブ状のセパレーターフィルムの端部をシールするステップと、
z6) 真空を印加し、前記チューブ状のセパレーターフィルムが前記相対的な支持ツールの上でそのように準備されたコーティング全体を締め付けるのを待つステップと、
の連続するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、
y) 前記真空を印加する前記ステップz6)の後に、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、および外側バギングフィルムを、前記第2のアッセンブリ(23)の周りに連続して配置するステップと、
w) 前記第2のアッセンブリ(23)が前記外側バギングフィルムの内側に収容されるように、前記外側バギングフィルムをシールするステップと、
x) 前記外側バギングフィルムの材料が前記第2のアッセンブリ(23)の前記外側表面に対抗して締め付けられるまで、前記外側バギングフィルムの内側に真空を印加するステップと、
をさらに含み、
硬化させる前記ステップm)に関係する上述の所定の圧力および温度が、前記外側バギングフィルムの内側およびそれぞれの前記チューブ状バッグの内側に印加される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
繊維強化ポリマーマトリックスプリプレグ複合材料から作製された、航空機(4)のための、および、とりわけ水平方向スタビライザー(2)のための、ボックス形状の構造体(1)であって、前記構造体(1)は、第1の軸線方向端部(1a)と第2の軸線方向端部(1b)との間において長手方向に延在する長手方向軸線(A)を有しており、前記構造体(1)は、
- 第1の長手方向壁部(5)と、
- 前記第1の壁部(5)に面しており、非ゼロの量だけ前記第1の壁部(5)自体から間隔を置いて配置されている、第2の長手方向壁部(6)と、
- 長手方向に、および、前記第1の壁部(5)と第2の壁部(6)との間に延在しており、前記第1の壁部(5)および第2の壁部(6)に接続されており、前記第1の壁部(5)および前記第2の壁部(6)とともに、それぞれの長手方向キャビティー(8)の境界を定めている、複数のスパー(7)と、
- 一連の横断方向補強エレメント(22)を含む補強リブ(21)であって、前記一連の横断方向補強エレメント(22)は、前記キャビティー(8)のうちの1つの中に、および、2つの隣接する前記スパー(7)の間にそれぞれ挿入されており、前記横断方向エレメント(22)は、前記長手方向軸線(A)に対して横断方向に、および、前記第1の軸線方向端部(1a)と第2の軸線方向端部(1b)との間に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の横断方向セクター(S)において、2つの前記隣接するスパー(7)の間に整合されている、補強リブ(21)と、
を含み、
前記第2の壁部(6)は、メイン部分(17)および閉鎖部分(18)を含み、前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)は、互いに同一平面上にあり、連続性の解を伴って2つの個別のピースを画定しており、前記横断方向セクター(S)において分離されている、構造体(1)。
【請求項15】
前記閉鎖部分(18)は、スプライシング本体部(25)によって前記メイン部分(17)に連結されており、
前記スプライシング本体部(25)は、前記メイン部分(17)および前記閉鎖部分(18)に同時に釘打ちされるまたはリベット打ちされる、請求項14に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2023年5月11日に出願されたイタリア特許出願第102023000009456号からの優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、航空機のための(とりわけ、飛行機の水平方向スタビライザーのための)複合材料から作製されたボックス形状の構造体を製造するための方法に関し、これに起因して一般性を欠如することなく、下記の説明において、それに明示的に言及することとなる。
【背景技術】
【0003】
航空産業において使用される構造的コンポーネント(たとえば、胴体およびそのパーツ)が知られており、それは、複合材料から作製されている。
【0004】
背景技術において、軽合金から(ひいては、金属材料から)作製されている航空構造的コンポーネントが存在しており、それは、次いで、航空機の胴体の一部を構築することとなる。
【0005】
知られているように、胴体は、ペイロード(乗員、乗客、商品など)の十分な保護を確保するように設計されているが、同時に、それらは、設定された重量制限を超過することができない。
【0006】
そのうえ、金属コンポーネントの使用は、より大きな抵抗を確保することにかかわらず、全体的なコストの増加につながる。
【0007】
したがって、航空機の全体的な重量を低減させるために、複合材料から作製された構造的コンポーネントが必要とされている。
【0008】
実際のところ、複合材料の使用は、航空機の全体的な重量を低減させ、同時に、非常に耐性のある構造体を確保する。
【0009】
そのうえ、金属エレメントの使用、および、構造体と接触したその据え付けは、ガルバニックカップリングの問題を決定し、金属の腐食の結果として生じるリスクを伴い、検査レベルを向上させる必要性を伴う。これは、前記コンポーネントの製造業者にとって(ひいては、航空会社にとって)全体的なコストの増加につながる。
【0010】
したがって、複合材料の使用は、航空機の全体的な重量を低減させる必要性、航空構造体に影響を与える腐食問題を排除または最小化する必要性、および、その疲労に対する抵抗を増加させる必要性から生じる。
【0011】
知られているように、水平方向スタビライザーは、一般的に飛行機の胴体のテール部分の一部である、固定された表面を備えた構造的コンポーネントである。
【0012】
とりわけ、スタビライザーは、ピッチ軸に沿って飛行機を安定化させる機能を有する空気力学的表面である。
【0013】
とりわけ、典型的な飛行機は、2つの水平方向スタビライザーを含み、水平方向スタビライザーは、通常は飛行機の主翼よりもはるかに小さな寸法を有する一種の翼によってそれぞれ画定されており、それは、胴体のテール部分から突き出ている。
【0014】
スタビライザーは、一般的に翼の平面に対して実質的に平行な平面に沿って、胴体の反対側に延在している。
【0015】
より詳細には、2つのスタビライザーは、それらのロックされた端部において、中央のボックス形状のエレメント(「センターボックス」として知られ、胴体の端部パーツの中に組み込まれている)に連結されている。
【0016】
換言すれば、センターボックスは、2つのスタビライザーの間に間置されている。
【0017】
それぞれのスタビライザーは、内側において、複合材料から作製されたボックス形状の構造体を担持している。
【0018】
とりわけ、前記構造体は、
- 上側壁部と、
- 上側壁部に面しており、上側壁部から非ゼロの量だけ間隔を離して配置されている、下側壁部と、
- 上側壁部と下側壁部との間に延在しており、それらの間に接続エレメントを画定しており、前述の上側壁部および下側壁部とともに、それぞれの細長いキャビティーの境界を定めており、それぞれの細長いキャビティーは、壁部に対しておよびスパーに対して横断方向になっている平面の中に配置されている前方開口部と後方開口部との間にそれぞれ延在している、複数のスパーと、
を基本的に含む。
【0019】
上記に述べられているように、複合材料の使用は、構造的コンポーネントの(ひいては、航空機の)全体的な重量を低減させ、同時に、非常に耐性のある構造体を確保する。
【0020】
上側壁部および下側壁部は、おおよそ平行であり、より正確には、前方開口部に向けてまたは後方開口部に向けてわずかに収束している。
【0021】
スパーは、パーティションから構成されており、パーティションは、上側壁部および下側壁部に対して横断方向になっており、とりわけ、実質的に直交している。
【0022】
とりわけ、それぞれのスパーは、2つの細長いセクションバーまたはプロファイルビームまたはプロファイルから構成されており、それは、一般的にC字形状プロファイルを有しており、バックまたはフランジと、フランジの反対側の端部縁部から直交方向に突き出ている2つのウィングとを含む。
【0023】
代替的な実施形態によれば、前述のセクションバーまたはプロファイルビームまたはプロファイルは、J字形状のプロファイルを有することが可能である。
【0024】
スパーを形成するために、2つのC字セクションプロファイルが、反対側の凹面を有するように、それぞれのフランジに沿って互いに接合される。
【0025】
上記に説明されているモノリシックのボックス形状の構造体は、異なる性質の繊維(たとえば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維など)によって補強された熱硬化性(樹脂)マトリックスプリプレグから出発して、下記に示されているステップを含む公知の方法によって製造される。
【0026】
本出願人によって出願された特許文献1は、上記に説明されているタイプの飛行機の水平方向スタビライザーのためのボックス形状のモノリシックの構造体を製造するための方法を開示している。
【0027】
とりわけ、特許文献1に説明されている方法によれば、前述のC字セクションプロファイルは、実質的に平行六面体形状のプロファイルを有するそれぞれの細長い形成および支持ツールの上に積層され、それらは、その後に、製造ステップの間に、ボックス形状の構造体の中のそれぞれの予め定義された位置にスパーを保持するために使用される。
【0028】
それぞれのツールは、実質的に平行六面体形状の細長い本体部から構成されており、それは、平坦な面によって境界を定められており、製造されることとなる構造体の前述の細長いキャビティーのうちの1つに形状の観点から対応する断面を有している。
【0029】
とりわけ、それぞれのC字セクションプロファイルは、好ましくは、樹脂ベースの接着剤(「タッキファイヤー」として知られる)の塗布の後に、形成および支持ツールの3つの平坦な面の上に積層される。
【0030】
ツールの第1の面は、プリプレグによって完全にコーティングされ、一方では、第1の面に対して直交し、互いに平行である、第1の面に隣接するツールの他の2つの面は、セグメントに沿ってのみコーティングされる。
【0031】
したがって、それぞれのツールは、プリプレグから作製された2つのC字セクションプロファイルを反対側に支持することが可能である。
【0032】
ツールの組成に応じて、適切なセパレーターフィルム、チューブ状バッグ、ベンチレーションファブリックの適用を通して、セクションバーの積層の前に、いわゆるその「コスト計算(costing)」が実施されなければならない可能性がある。
【0033】
所定の温度における真空圧密の後に、C字セクションプロファイルは、所望の数のスパーを形成するように、上記に説明されている方式で2つずつ接合される。
【0034】
詳細には、それぞれのスパーは、
- それを構成する相対的な1対のC字セクションプロファイルのフランジが、互いに隣接する2つのツールの互いに向かい合う2つの平坦な面の間に間置されるように配置されており、ならびに、
- それぞれのプロファイルのウィングが、互いに平行に、および、セクションプロファイルのフランジを支持する平坦な面に対して実質的に直交して、相対的なツールのそれぞれの平坦な面の上に載るように配置されている。
【0035】
スパーおよびツール(および、場合によっては、「ヌードル」として知られる追加的な充填エレメント)から構成されるアッセンブリが、下側プレートと、上側プレートと、上側プレートおよび底部プレートを接続する2つの反対側のサイドプレートとを含む形成モールドの中へ挿入される。
【0036】
とりわけ、プリプレグ複合材料の1つまたは複数の層(プライ)は、2つの上側プレートおよび下側プレートのそれぞれの上に積層され、上側スキンおよび下側スキンを画定し、それらは、硬化ステップの後に、製造されることとなるボックス形状の構造体の上側壁部および下側壁部を構成することとなる。
【0037】
上側スキンおよび下側スキンが積層されると、それらのそれぞれの形成および支持ツールによって適切な位置に保持されたプリフォームされたスパーは、下側スキンを担持する形成モールドの下側プレートの上に設置され、その後に、上側スキンを担持する形成モールドの上側プレートが、モールド自体の側壁部の上に、ならびに、プリフォームされたスパーおよびツールから構成されるアッセンブリの上に閉鎖される。
【0038】
このポイントにおいて、ベンチレーションファブリックおよびチューブ状バッグは、それぞれのツール(それは、長手方向に中空になっている)の中へ挿入される。
【0039】
そのうえ、公知のコンポーネント(たとえば、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、およびバッグフィルムなど)は、形成モールドの外側に設置され、いわゆる前方および後方のシールされたエンベロープバッグを生成させるようになっている。
【0040】
また、連続するチューブ状バッグの端部は、互いに閉鎖およびシールされる。
【0041】
このポイントにおいて、準備された形成モールドは、オートクレーブの内側に設置され、所定の圧力および温度値(たとえば、エポキシ樹脂に関して、硬化温度は、およそ180℃であり、硬化圧力は、6barから7barの間にある)において硬化動作を実施する。
【0042】
硬化圧力は、製造されている構造体の外側と中空ツールの内側(ひいては、構造体自体のキャビティーの内側)の両方に、チューブ状バッグを通して作用する。
【0043】
硬化が完了すると、バッグならびに形成および支持ツールが除去され、ボックス形状のモノリシックの構造体を結果として生じさせ、それは、上側壁部および下側壁部(スキン)と、それらの間に横断方向に配置されているスパーとから構成されている。
【0044】
それぞれのスタビライザーを画定するそれぞれのボックス形状の構造体は、次いで、上述のセンターボックスに接合される。
【0045】
コンポーネントの合計数を低減させ、飛行機の全体的な重量をさらに低減させる必要性がますます高まっている。
【0046】
たとえば、センターボックスの使用は、特に小さなサイズの航空機のケースでは、水平方向スタビライザーを構成する2つの半翼の中心において、特定の組み立ての困難性をもたらす。
【0047】
上記によれば、センターボックス(それは、複雑で比較的に重いボックス形状のエレメントによって画定される)が簡単なビームジャンクションエレメント(たとえば、比較的に細いダブルT字セクションプロファイルビームまたはプロファイル)によって交換される構造上の解決策が普及している。
【0048】
この目的のために、それぞれの上記に説明されたボックス形状の構造体は、その長手方向に沿ってさらに細長くなっていなければならず、センターボックスの除去から結果として生じる材料損失を補償するようになっている(その理由は、スタビライザーの延在が、同じままでなければならないからである)。
【0049】
しかし、ボックス形状の構造体を伸長させることは、とりわけ、水平方向スタビライザーの公称使用性能を確保するために必要なリジッド性および構造的な安定性に関して、スタビライザーの中の構造的な課題を伴う。
【0050】
この問題を解決するために、いくつかの公知の解決策は、ボックス形状の構造体の所定の長手方向位置において(または、ボックス形状の構造体の長手方向軸線に関して、軸線方向座標において)、補強リブの挿入を伴う。
【0051】
より詳細には、補強リブは、一連の横断方向パーティションから構成されており、それは、とりわけ、上側壁部および下側壁部に対してならびにスパーに対して実質的に直交しており、次々に直列に整合されている。
【0052】
換言すれば、補強リブは、ボックス形状の構造体の延在の長手方向に対して、その所与の軸線方向座標において横断方向に延在している。
【0053】
背景技術において、リブの挿入は、かなり複雑である。公知の解決策によれば、上記に説明されたボックス形状のモノリシックの構造体が完成されると、上述のキャビティーの内側にアクセスするために、スキンの上のおよび/またはスパーのフランジにおける材料の一部分が除去される。
【0054】
この手順は、疑う余地なく、スタビライザーを製造するプロセスの中に複雑さを導入する。その理由は、組み立て場所を適正に見ることができない状態で、極めて狭くて限られたスペースの中でリブを組み立てることが必要であるからである。そのうえ、複合繊維材料の性質を所与として、さまざまなコンポーネント間の(たとえば、スパーとスキンとの間の)寸法公差誤差が存在する可能性がある。
【0055】
そのうえ、補強リブの組み立てプロセスは、航空機の(ひいては、製造されることとなるスタビライザーの)のサイズが減少するにつれて、ますます複雑になる。
【0056】
したがって、本出願人は、製造プロセスの中の過度の複雑さを回避しながら、とりわけ、ボックス形状の構造体を強化するために、それによって取得される説明された方法およびボックス形状の構造体が、改善の余地があることを観察した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3871869号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0058】
本発明の目的は、非常に信頼性が高く、コスト効率が良く、上記に特定される、および、複合材料ボックス形状の構造体を製造するための公知の方法に関連付けられる必要性のうちの少なくとも1つを満たす、航空機のための複合材料から作製されたボックス形状の構造体を製造する方法、およびボックス形状の構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0059】
本発明によれば、この目的は、それぞれの独立請求項に特許請求されているような、複合材料から作製されたボックス形状の構造体を製造するための方法によって、および、ボックス形状の構造体によって実現される。
【0060】
本発明は、添付の図面を参照して、単なる例として議論されているそのいくつかの好適な非限定的な実施形態の以下の説明を熟読すると、最良に理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】明確化のためにパーツが除去された状態の、航空機の後方部分またはテール部分の概略平面図であり、前記テール部分は、2つの水平方向スタビライザーを含み、2つの水平方向スタビライザーは、本発明による製造方法によって取得されるボックス形状の構造体をそれぞれ含む、図である。
図1a】拡大された縮尺で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、図1のスタビライザーのボックス形状の構造体の一部を斜視図で示す図である。
図2】拡大された縮尺で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体のスパーの製造を斜視図で概略的に示す図である。
図3】拡大された縮尺で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体のスパーの製造を斜視図で概略的に示す図である。
図4】さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法による、ボックス形状の構造体のスパーと第1の(下側)壁部との連結を概略的に示す分解斜視図である。
図5】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第1の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図6】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第1の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図7】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図8】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図9】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図10】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図11】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図12】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明の方法の第2の実施形態による、ボックス形状の構造体の第2の(上側)壁部の製造を示す図である。
図13】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による、スパーおよび第1の壁部から構成されるアッセンブリに対する第2の壁部の配置、ボックス形状の構造体の中への補強リブの挿入、ならびに、前述の第2の壁部を画定する2つの個別のおよび別個の部分の接合に関する、本発明による方法のいくつかのステップをシーケンシャルに示す図である。
図14】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による、スパーおよび第1の壁部から構成されるアッセンブリに対する第2の壁部の配置、ボックス形状の構造体の中への補強リブの挿入、ならびに、前述の第2の壁部を画定する2つの個別のおよび別個の部分の接合に関する、本発明による方法のいくつかのステップをシーケンシャルに示す図である。
図15】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による、スパーおよび第1の壁部から構成されるアッセンブリに対する第2の壁部の配置、ボックス形状の構造体の中への補強リブの挿入、ならびに、前述の第2の壁部を画定する2つの個別のおよび別個の部分の接合に関する、本発明による方法のいくつかのステップをシーケンシャルに示す図である。
図16】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による、スパーおよび第1の壁部から構成されるアッセンブリに対する第2の壁部の配置、ボックス形状の構造体の中への補強リブの挿入、ならびに、前述の第2の壁部を画定する2つの個別のおよび別個の部分の接合に関する、本発明による方法のいくつかのステップをシーケンシャルに示す図である。
図17】概略斜視図で、および、さらなる明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による、スパーおよび第1の壁部から構成されるアッセンブリに対する第2の壁部の配置、ボックス形状の構造体の中への補強リブの挿入、ならびに、前述の第2の壁部を画定する2つの個別のおよび別個の部分の接合に関する、本発明による方法のいくつかのステップをシーケンシャルに示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1および図1aを参照すると、番号1は、全体として、複合材料から作製された航空機のためのボックス形状の構造体を示している。
【0063】
とりわけ、構造体1は、航空機胴体3の(たとえば、飛行機4の)水平方向スタビライザー2における使用(より正確には、その製造)を意図しており、これに起因して一般性を欠くことなく、この説明において、それへの言及が行われることとなる。
【0064】
図1および図1aにおいて見ることができるように、構造体1は、第1の軸線方向端部1aと第2の軸線方向端部1bとの間に長手方向に延在する長手方向軸線Aを有しており、
- 第1の壁部5、とりわけ、下側壁部と、
- 第2の壁部6、とりわけ、上側壁部であって、そのより大きな延在表面に沿って、第1の壁部5のより大きな延在表面に面しており、非ゼロの量だけ第1の壁部5から間隔を離して配置されている、第2の壁部6、とりわけ、上側壁部と、
- 複数の相互接続エレメントまたはスパー7であって、複数の相互接続エレメントまたはスパー7は、下側壁部5と上側壁部6との間に長手方向におよび横断方向に延在しており、互いの間に、および、前述の上側壁部5および下側壁部6とともに、一連の細長いキャビティー8の境界を定めており、一連の細長いキャビティー8は、第1の軸線方向端部1aと第2の軸線方向端部1bとの間に長手方向にそれぞれ延在している、複数の相互接続エレメントまたはスパー7と、
を含む。
【0065】
本明細書で説明されている例では、第1の軸線方向端部1aは、スタビライザー2のロックされた端部を表しており、一方では、第2の軸線方向端部1bは、スタビライザー2の自由端部を表している。
【0066】
下側壁部5および上側壁部6は、本明細書で示されているケースでは、互いにおおよそ平行である。本明細書で示されていない可能な代替例によれば、壁部5および6は、第1の端部1aまたは第2の端部1bに向けてわずかに収束していることも可能である。
【0067】
スパー7は、パーティションから構成されており、パーティションは、下側壁部5および上側壁部6に対して実質的に直交しており、または、より一般的には、下側壁部5および上側壁部6に対して横断方向になっており、長手方向に細長くなっている。
【0068】
構造体1は、さまざまな種類の繊維(たとえば、炭素繊維および/またはアラミド繊維および/またはガラス繊維など)によって補強されたポリマーマトリックスプリプレグ(たとえば、熱硬化性樹脂)から出発して製造されている。
【0069】
代替的に、構造体1は、上記に示されているタイプの繊維によって補強されている熱可塑性樹脂マトリックスプリプレグから出発して製造されることも可能である。
【0070】
本発明による構造体1を製造するための方法が、下記に開示されることとなる。
【0071】
図4を参照すると、および、とりわけ、その図の下側部分を参照すると、第1の壁部(すなわち、下側壁部)5は、下側壁部5を画定する第1の複合材料スキン5aを形成するように、形成モールド11の第1の形成プレート10の上に前記プリプレグ複合材料の第1の複数の層を積層することによって製造される。
【0072】
図2および図3を参照すると、スパー7は、本出願人によって出願された特許文献1に説明されているのと同じ様式で実質的に取得される。
【0073】
詳細には、それぞれのスパー7は、2つのプロファイルまたはプロファイルバー12から出発して取得され、2つのプロファイルまたはプロファイルバー12は、上述の長手方向に細長くなっており、C字形状の断面を有しており、フランジ13および2つの端部付属物またはウィングレット14からそれぞれ構成されており、2つの端部付属物またはウィングレット14は、フランジ13の反対側の端部縁部から実質的に直交する方向に横断方向に突き出ており、その同じ側に配置されている。とりわけ、スパー7を形成するために、2つのプロファイル12が、それぞれのフランジ13に沿って互いに接合され、反対側の凹面を有するようになっている(図2および図3)。
【0074】
より詳細には、プロファイル12は、以下によって取得される:
- 複数の支持ツール15を提供するステップであって、複数の支持ツール15は、上述の長手方向に沿って細長くなっており、複数の支持ツール15は、構造体1の中に形成されることとなるキャビティー8のプロファイルに相補的な多角形の外部プロファイルを有する断面をそれぞれ有しており、複数の支持ツール15は、その後に、製造ステップの間に構造体1の中の予め定義された位置にスパー7を保持するように意図されている、ステップ、および、
- それぞれの支持ツール15の3つの連続する壁部の上に前記プリプレグ複合材料のそれぞれの第2の複数の層を積層するステップ。
【0075】
上記に述べられている第2の複数の層の積層との相関関係において「積層する」という用語は、この説明の目的のために、以下を含む:
- 支持ツール15の上における前記第2の複数の層の「直接的な」積層と、
- 支持ツール15の上における前記第2の複数の層の簡単な配置、および、前述の3つの連続する壁部の上でのその後の曲げであって、層は、別の補助ツールの上にすでに積層されている、簡単な配置およびその後の曲げ。
【0076】
本明細書で示されている例では、それぞれの支持ツール15は、平行六面体状の形状を有しており、平行六面体状の形状は、上述の長手方向に細長く、同じ方向に中空である。
【0077】
本明細書で示されていない実施形態において、それぞれの支持ツール15は、横断方向と長手方向の両方においてスタビライザー2の中に存在し得る厚さの差を調節するために、より複雑な幾何学形状を有することが可能である。
【0078】
好都合なことには、支持ツール15は、それぞれ加熱および冷却に応答して(すなわち、温度刺激に応答して)、リジッドの状態から可撓性エラストマーのような状態へのシフトおよびその逆のシフトに適した補強材料およびポリマーに基づく組成を有している。
【0079】
支持ツール15を構成するポリマーは、有利には、公知の種類の形状記憶熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーである。ポリマーは、たとえば、形状記憶エポキシポリマー、形状記憶シアネートエステルポリマー、形状記憶ポリウレタンポリマー、形状記憶ビニールポリマー、形状記憶ポリイミドポリマー、形状記憶マレイミドポリマー、または、コポリマーを含むそれらの組み合わせであることが可能である。
【0080】
形状記憶ポリマーの特性のおかげで、支持ツール15は、広範囲に繰り返される使用にかかわらず、ならびに、多数の加熱および冷却サイクルの後に、そのオリジナルのリジッドの形状を取り戻すことが可能である。
【0081】
前記支持ツール15の補強材料は、1つまたは複数の弾性的な繊維を含むことが可能である。
【0082】
とりわけ、補強材料は、ナイロン繊維、ライクラ繊維、ポリエステル繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、玄武岩繊維、ポリマー繊維、チョップド繊維、メッシュ、3次元繊維プリフォーム、平織ファブリック、綾織ファブリック、または、他のタイプのファブリック、および、それらの組み合わせを含有することも可能である。ナイロン繊維の適切な市販の例は、Invista (Wichita, Kans.)製のナイロンである。
【0083】
いくつかの実施形態において、支持ツール15は、2つ以上の異なるタイプの補強材料を含有することが可能である。
【0084】
次いで、それぞれのプロファイル12は、好ましくは、樹脂ベースの接着剤(「タッキファイヤー」として知られる)の塗布の後に、リジッドの状態で、それぞれの支持ツール15の3つの連続する壁部の上に外部から積層される。
【0085】
とりわけ、リジッドの状態における支持ツール15の壁部は、それぞれのプロファイル12のプリプレグによって完全にコーティングされており、一方では、他の2つの隣接する壁部は、(図2に示されているように)予め定義されたセグメントに沿ってのみコーティングされている。
【0086】
したがって、それぞれの支持ツール15は、反対側において、2つのプリプレグC字セクションプロファイル12を支持することが可能である。
【0087】
したがって、プロファイル12の積層は、前記第2の複数の層を構成するプリプレグ材料をリジッドの状態におけるツール15の壁部の外側表面の上に直接的に積層することによって実施される。
【0088】
積層に続いて、特許文献1に説明されているように、プロファイル12がコンパクト化される。
【0089】
コンパクト化が完了すると、スパー7を形成するために、プロファイル12は、プロファイル12が反対側の凹面を有するように、それぞれの1対の支持ツール15(図3)を隣り合ってまたは互いの隣に設置することによって、それぞれのフランジ13に沿って2つずつ接合される。したがって、スパー7は、支持ツール15によって互いから所望の距離に維持される。
【0090】
スパー7の中の起こり得る凹部またはギャップは、特許文献1に説明されているように、いわゆるフィラーまたはヌードルによって充填される。
【0091】
代替的な実施形態によれば、支持ツール15は、特許文献1の説明への導入において説明されているように、リジッドのエレメント(たとえば、金属エレメント)(すなわち、温度刺激に応答して、リジッドの状態から可撓性エラストマーのような状態へのシフトおよびその逆のシフトを可能にしないエレメント)によって画定されている。
【0092】
とりわけ、この最後のケースでは、それぞれの支持ツールは、細長いリジッドで中実の本体部から構成されており、それは、平行六面体のように実質的に形状決めされており、製造されることとなる構造体1の細長いキャビティー8のものに形状の観点から対応する断面を有している。依然としてプリフォームされたプリプレグ形態のそれぞれのスパーを2つの支持ツールの間に設置する前に、後者には、以下の連続的なステップから構成されるコーティング動作が実施される:
- それぞれの細長いキャビティーからの支持ツールのその後の抽出を促進させるために、それぞれの支持ツールの上に(たとえば、フィルムの形態の)セパレーター剤の層を適用するステップ、
- それを行うことによって準備されたそれぞれの支持ツールの上に、その後のシーリング動作のために支持ツールのそれぞれの端部にチューブ状バッグの余分な部分を残した状態で、チューブ状バッグをフィットさせるステップ、
- それぞれの支持ツールの上に、および、チューブ状バッグの外側に、ベンチレーションファブリックを巻き、縁部をシーラントによって固定するステップ、
- それを行うことによって準備されたそれぞれの支持ツールの上に、チューブ状のセパレーターフィルムをフィットさせるステップであって、このケースでも、その後のシーリング動作のために支持ツールのそれぞれの端部にセパレーターフィルムの余分な部分を残す、ステップ、
- シーラントを使用して、チューブ状バッグの端部およびチューブ状のセパレーターフィルムの端部をシールするステップ、
- 真空を印加し、チューブ状のセパレーターフィルムが、相対的な支持ツールの上で、それを行うことによって準備されたコーティング全体を収縮させるのを待つステップ。
【0093】
それを行うことによって形成されたアッセンブリ(それは、スパー7、支持ツール15、および、任意の可能な追加的な構造的な支持体またはフィラーエレメント(支持ツール15の上述の代替的な実施形態のケースでは、必要な場合には、コーティングエレメント)から構成されている)が、形成モールド11の中へ挿入される。
【0094】
とりわけ、製造方法によれば、隣り合った支持ツール15および以前に取得されたスパー7は、図4に示されているように、第1のプレート10の上にすでに置かれている下側壁部5の上に長手方向に設置される。
【0095】
とりわけ、スパー7は、スパー7のそれぞれの第1のウィングレット14a(図3)が下側壁部5自体と同一平面上にありそれと接触しているように、下側壁部5の上に置かれる。
【0096】
それを行うことによって、構造体1の第1のアッセンブリ16が画定され、それは、下側壁部5と、下側壁部5の上に配置されているスパー7とを含む。
【0097】
支持ツール15がリジッドのエレメント(たとえば、金属エレメント)によって画定される上述の代替的な実施形態のケースでは、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、およびバッグフィルムが、形成モールド全体の上にシーケンシャルに配置され、バッグフィルムは、形成モールドのベースにおいて、シーラントによってシールされる。
【0098】
それぞれの支持ツールの上に配置されている上述のチューブ状のセパレーターフィルムは、端部において開口されており、それぞれの支持ツールに対する余分な長さが切り落とされる。
【0099】
それぞれの支持ツールの上に存在している上述のチューブ状バッグは、端部において折り畳まれてシールされる。
【0100】
したがって、形成モールドの上に配置されている外部バッグフィルムの縁部を支持ツールのチューブ状バッグの端部にシールすることによって、および、連続するチューブ状バッグの端部を互いにさらにシールすることによって、いわゆる「エンベロープバッグ」が取得される。
【0101】
このポイントにおいて、外部バッグの材料が形成モールドの外部表面に向けて収縮するまで、真空がエンベロープバッグの内側に印加される。
【0102】
次いで、チューブ状バッグの端部が開口され、真空を印加し続けることによって、チューブ状バッグは、それぞれの支持ツールからそれ自身を取り外し、エンベロープバッグの内側に囲まれた体積を最小化することを意図している。
【0103】
図5および図6を参照すると、上側壁部6を製造するために使用されるプロセスは、本発明の第1の実施形態にしたがって、下記に説明されることとなる。
【0104】
本発明によれば、上側壁部または第2の壁部6は、メイン部分17および閉鎖部分18を含み、それらは、互いに同一平面上にあり、不連続性を伴って2つの個別のピースを画定している。
【0105】
換言すれば、壁部6は、2つの個別のおよび別個のパーツによって画定されており、それは、同時に、より良好に下記に説明されているように、互いに連結されることが可能である。
【0106】
本発明による方法は、形成モールド11の第2の形成プレート19の上にプリプレグ複合材料の第3の複数の層17aを積層し、したがって、第2の複合材料スキン6aのメイン部分17を取得するステップを伴い、前記第2のスキン6aは、上側壁部6を画定している(図5および図6)。
【0107】
この第1の好適な実施形態によれば、本発明による方法は、形成モールド11の第3の形成プレート20の上にプリプレグ複合材料の第4の複数の層18aを積層するステップをさらに伴い、それは、第2のプレート19(図5)とは別個のおよび個別のものであり、第2のスキン6aの閉鎖部分18を形成するようになっており、それは、メイン部分17(図6)とは個別のおよび別個のものであり、メイン部分17に連結され、その全体において第2の壁部6を画定することが可能である。
【0108】
本説明への導入において特定されているものによれば、および、図1a、図14図15、および図16を参照すると、構造体1は、また、本発明によれば、一連の横断方向補強エレメント22を含む補強リブ21を含み、一連の横断方向補強エレメント22は、上述のキャビティー8のうちの1つの中へ、および、2つの隣接するスパー7の間にそれぞれ挿入される。
【0109】
詳細には、補強リブ21は、一連の横断方向パーティション22から構成されており、一連の横断方向パーティション22は、とりわけ、壁部5および6に実質的に直交しており、スパー7に対して横断方向になっており、次々に直列に整合されている。
【0110】
より詳細には、リブ21は、構造体1の横断方向セクターSのエリアに位置付けされており、それは、第1の端部1aと第2の端部1bとの間に間置されている、構造体1に沿った所与の長手方向位置(または、「軸線方向座標」)を画定している。
【0111】
補強エレメント22は、軸線Aに対して横断方向に、および、横断方向セクターSのエリアにおいて(すなわち、横断方向セクターSに沿って)、互いに整合されている。
【0112】
補強エレメント22は、複合材料と金属材料の両方から作製されることが可能である。
【0113】
本明細書で示されていない実施形態において、リブ21は、軸線Aに対して直交方向に配向されることが可能である。
【0114】
そのうえ、本明細書で示されていない実施形態によれば、補強エレメント22は、異なる幾何学形状を有することが可能であり、それは、本明細書で示されておらず、たとえば、それは、C字形状のセクション、ダブルT字形状のセクションなどを有することが可能である。
【0115】
換言すれば、補強リブ21は、ボックス形状の構造体1の延在の長手方向に対して横断方向に延在している。
【0116】
リブ21の存在は、上述の「センターボックス」の除去を考慮して、構造体1を強化し、その安定性およびリジッド性を増加させる。
【0117】
そのうえ、リブ21の存在は、横断方向セクターSのエリアにおいて、製造業者がスタビライザー2の傾斜(すなわち、半翼の入射)のための制御システム(たとえば、空気圧式の、油圧式の、または電気式のピストン)を提供することを可能にし、それは、それ自体は公知であり、詳細には示されておらずまたは説明されていない。この構成は、上述の制御システムから生じる応力のいくらかが構造体1の上に(とりわけ、補強リブ21の上に)負荷軽減されることを可能にし、それによって、構造体1の構造的特性および応力に対する抵抗を改善する。
【0118】
図13から図16を参照すると、本発明による構造体1の中にリブ21を実装するためのプロセスが、以降で説明されることとなる。
【0119】
図13から図16は、構造体1の概略的な表現であり、それは、構造体1自体の可能な実際の構造(それは、図1に示されているように、かなり通常に形状決めされている)を考慮に入れていないということが指摘されるべきである。
【0120】
とりわけ、本発明の上述の第1の実施形態による方法は、上述の第1のアッセンブリ16の上に(すなわち、スパー7および第1の壁部5から構成されるアッセンブリの上に)メイン部分17(それは、以前に積層された)を設置するステップ(図13)を伴い、メイン部分17が第1のウィングレット14aの反対側のスパー7のそれぞれの第2のウィングレット14bと接触しているようになっており、第1の端部1aおよび第2の端部1bのうちの1つから(とりわけ、端部1bから)横断方向セクターSへ延在する第2の壁部6の一部を画定するようになっている。
【0121】
第1のアッセンブリ16およびメイン部分17を含むグループは、構造体1の第2のアッセンブリ23を画定している。
【0122】
この条件において、閉鎖部分18は、第2のアッセンブリ23から分離されたままであり、それは、たとえば、第3のプレート20によって支持されている。
【0123】
それを行うことによって取得される第2のアッセンブリ23は、次いで、上側壁部6のエリアの中に開口部24(図13)を有しており、それは、横断方向セクターSから第1の端部1aへ延在している。
【0124】
この第1の実施形態によれば、第1のアッセンブリ16の上へのメイン部分17の設置に続いて、第2のアッセンブリ23の硬化が、上記に説明されている方式でそれぞれ積層された第1の複数の、第2の複数の、および第3の複数の複合材料層17aに、所定の温度および圧力を印加することによって、公知の様式(それは、詳細には説明されていない)で実施される。
【0125】
換言すれば、第2のアッセンブリ23を構成する層は、一緒に硬化される。
【0126】
図13に概略的に示されているように、支持ツール15は、好ましくは、このステップの間にモールド11の内側に維持され、キャビティー8を画定するために、および、第1の壁部5と第2の壁部6のメイン部分17との間に正しい間隔を決定するために、スパー7に支持を提供するようになっている。
【0127】
より正確には、第2のアッセンブリ23を硬化させるステップの間に、硬化圧力が、形成モールド11の内側と支持ツール15の内側の両方に印加され、その壁部は、リジッドの状態から可撓性エラストマーのような状態へのシフトによって可撓性にされており、したがって、硬化圧力自体によって押され、前記プロファイル12にならびに前記第1の壁部5およびメイン部分17に付着する。
【0128】
好都合なことには、支持ツール15は、硬化温度よりも低く50℃よりも高い温度で、可撓性エラストマーのような状態をとるように構成されている。
【0129】
上記に議論されている代替的な実施形態のケースでは、支持ツール15は、リジッドであり、温度刺激に応答して変形可能であるポリマーから作製されておらず、いわゆるエンベロープバッグが、上記に述べられているように製造される。次いで、外部バッグの材料が形成モールドの外部表面に向けて収縮するまで、真空がエンベロープバッグの内側に印加される。したがって、このケースでは、硬化圧力は、チューブ状バッグを通して印加され、支持ツール15の変形を通して印加されるのではない。
【0130】
第2のアッセンブリ23が硬化されると、支持ツール15は、除去されることが可能であり、したがって、上述のキャビティー8を画定する。
【0131】
上記によれば、本発明のこの第1の実施形態によれば、閉鎖部分18を構成する層は、メイン部分17および第2のアッセンブリ23とは別個に硬化される。
【0132】
とりわけ、閉鎖部分18の硬化は、詳細には説明されていない公知の手順にしたがって、第3のプレート20の上に設置された(および、以前に積層された)第4の複数の層18aに所定の温度および圧力を印加することによって実施される。
【0133】
リブ21を実装するために、第1のアッセンブリ16の上へのメイン部分17の設置に続いて、および、とりわけ、第2のアッセンブリ23の硬化に続いて、本発明の上述の第1の実施形態による方法は、キャビティー8の中へ、および、横断方向セクターS(図14)のエリアの中のスパー7間に、上述の補強エレメント22を挿入するステップを伴う。
【0134】
より正確には、それぞれの補強エレメント22は、開口部24のエリアにおいて、または、第1の端部1aのエリアにおいて、それぞれのキャビティー8の中へ挿入され、図15に概略的に示されているように、それが横断方向セクターSに到達するまで、(軸線Aに沿って)長手方向にスライドすることを引き起こされる。
【0135】
それぞれの補強エレメント22は、好ましくは、バック22aおよび2つのウィングレット22b(上側のものおよび下側のもの)を含み、2つのウィングレット22bは、バック22aから横断方向に(とりわけ、直交方向に)突き出ている。
【0136】
補強エレメント22が挿入されると、ウィングレット22bは、それぞれ、第1の壁部5およびメイン部分17と同一平面上にあり、第1の壁部5およびメイン部分17と接触している。
【0137】
それぞれの補強エレメント22は、1対のサイドフランジ22cをさらに含み、1対のサイドフランジ22cは、互いに反対側にあり、バック22aおよびウィングレット22bに対して直交している。
【0138】
フランジ22cは、図15に示されているように、リブ21が横断方向セクターSのエリアにおいて適切な位置になると、スパー7のフランジ13と接触して設置されるように構成されている。
【0139】
このポイントまで、閉鎖部分18は、図13から図15に概略的に示されているように、第2のアッセンブリ23から分離されたままである。たとえば、閉鎖部分18は、それが積層および硬化された第3のプレート20に取り付けられたままである。
【0140】
これは、完成した構造体の内側を見るためにプローブを使用する必要なしに、ならびに、完成した構造体の中に孔部をドリル加工する必要なしにおよび/または開口部を作製する必要なしに、補強エレメント22(ひいては、リブ21)が簡単で滑らかな様式で挿入されることを可能にする。これは、著しい時間の節約を結果として生じさせ、組み立てエラーの大幅な低減を結果として生じさせ、それによって、アッセンブリの品質を改善し、構造体1に対する損傷を回避する。
【0141】
リブ21の挿入に続いて、本発明の上述の第1の実施形態による方法は、次いで、第2のアッセンブリ23および補強リブ21を含む構造体1の第3のアッセンブリの上に閉鎖部分18を設置するステップと、閉鎖部分18が横断方向セクターSから前記第1の端部1aおよび第2の端部1bのうちの他方の1つへ(とりわけ、端部1aへ)延在するように、閉鎖部分18をメイン部分17に連結するステップであって、閉鎖部分18がスパー7の第2のウィングレット14bと接触するようになっており、ボックス形状の構造体1を閉鎖するための第2の壁部6の残りのパーツを画定するようになっている、ステップとを伴う(図16)。
【0142】
とりわけ、閉鎖部分18は、また、リブ21を構成するそれぞれの補強エレメント22のウィングレット22bと同一平面上にあり、それと接触するように設置される。
【0143】
したがって、リブ21は、(上側)ウィングレット22bによって、閉鎖部分18とメイン部分17の両方と同時に接触している。
【0144】
上記に照らして、閉鎖部分18は、図16に概略的に示されているように、上述の開口部24を閉鎖するように設計された一種の「キャプ」部分を画定する。
【0145】
アッセンブリ23の上への閉鎖部分18の上述の設置は、第3のプレート20の上での第4の複数の複合材料層18aの上述の硬化に続いて適当に実施される。
【0146】
上記に照らして、第2の壁部または上側壁部6は、横断方向セクターSのエリアにおいて互いに分離されている2つのパーツで製造されており、前記2つのパーツのうちの第1のもの(メイン部分17)の設置と前記2つのパーツのうちの第2のもの(閉鎖部分18)の設置との間に、前記横断方向セクターSのエリアの中へのリブ21の挿入を伴う。
【0147】
上記に説明されている方法のおかげで、構造体1の内側にリブ21を設置することは、壁部5および6ならびにスパー7の構築および強固で一体的な連結の後にリブが挿入されるケースと比較して容易となる。
【0148】
図16に示されているように、上記に説明されている方法によれば、閉鎖部分18は、メイン部分17に隣接して横方向に配置されており、接合領域Gがそれらの間に画定されるようになっている。
【0149】
したがって、本発明による方法は、閉鎖部分18の設置に続いて、メイン部分17および閉鎖部分18を一緒に接合するステップを伴う。
【0150】
とりわけ、図17に概略的に示されているように、方法は、横断方向セクターSのエリアに、および、接合領域の少なくとも一部の上方に、および、リブ21を構成するエレメント22のウィングレット22bの少なくとも一部に重なるように(第2の壁部6の間置を伴う)、スプライシング本体部25を設置するステップを伴う。
【0151】
ある実施形態において、スプライシング本体部25は、金属材料から作製されている。
【0152】
一旦位置決めされると、スプライシング本体部25は、壁部6に(すなわち、メイン部分17および閉鎖部分18(図17)に)釘打ちまたはリベット打ちされ、それらを接合する。
【0153】
適切には、スプライシング本体部25は、また、その下に横たわっているウィングレット22bに釘打ちまたはリベット打ちされ、リブ21が横断方向セクターSのエリアにおいてその位置に固定されるようになっている。
【0154】
代替的な実施形態において、スプライシング本体部25は、プリプレグ複合材料から作製されており、たとえば、上述の複数の複合材料層の層を構成する同じ材料から作製されている。
【0155】
このケースでは、複合材料から作製されたスプライシング本体部25は、好ましくは、別個に製造および硬化され、次いで、上記に説明されているように接合される。
【0156】
代替的に、横断方向セクターSのエリアにおいて、および、接合領域Gの少なくとも一部の上方に、スプライシング本体部25を設置した後に、スプライシング本体部25、メイン部分17、および閉鎖部分18によって画定されるアッセンブリは、所定の温度および圧力を印加することによって硬化される(すなわち、複合材料から作製されたスプライシング本体部25は、すでに硬化されたメイン部分17および閉鎖部分18と「共結合」される)。
【0157】
スプライシング本体部25の性質がどのようなものであれ、これは、メイン部分17を閉鎖部分18に恒久的に接合することによって、第2の壁部または上側壁部6のその全体としての生成につながる。
【0158】
ボックス形状の構造体1は、そのように取得される。
【0159】
本発明のこの第1の好適な実施形態による構成のおかげで、補強リブ21を含み、上述の「センターボックス」を欠いた飛行機4のスタビライザー2のためのボックス形状の構造体1を簡単で迅速な様式で取得することが可能であり、それによって、製造プロセスの中へ過度の複雑さを導入することを回避しながら、構造体1を強化する。これは、著しい時間の節約、および、組み立てエラーの大幅な低減を結果として生じさせ、それによって、アッセンブリの品質を改善し、構造体1に対する損傷を回避する。そのうえ、製造プロセスに関与するオペレーターの全体的な人間工学が改善され、したがって、彼らの安全を強化する。
【0160】
図7から図12を参照すると、本発明による方法の第2の好適な実施形態が、下記に説明されることとなる。
【0161】
とりわけ、第1の実施形態による方法と第2の実施形態による方法との間の相違のみが、下記に明示的に説明されることとなる。明示的に示されていない限り、2つの方法は、同一と考えられるべきである。
【0162】
とりわけ、上側壁部6を製造するための代替的なプロセスが、本発明の上述の第2の実施形態にしたがって説明されることとなる。
【0163】
前記第2の好適な実施形態によれば、本発明による方法は、プリプレグ複合材料の第4の複数の層18aを上述の第2の形成プレート19の上に(すなわち、メイン部分17を構成する第3の複数の層17aがその上に積層されている同じプレートの上に)積層するステップを伴い、メイン部分17および閉鎖部分18が第2のプレート19と同一平面上にあり、第2のプレート19に隣接しているようになっている(図12)。
【0164】
好ましくは、第2のプレート19は、長手方向軸線Bを有している。
【0165】
より正確には、本発明の第2の実施形態によれば、以下の動作ステップが、次々に実施される:
- 第3の複数の層17aが、第2のプレート19の上に積層され(図7)、第2のプレート19の軸線方向端部のうちの1つから出発して、第2のプレート19の軸線方向端部間に間置されている軸線Bに対する特定の軸線方向座標まで、第2のプレート19の上にメイン部分17を形成するようになっている(図8)、
- セパレーターフィルム26(たとえば、テフロン(登録商標)材料から作製されたフィルム)が、以前に積層されたメイン部分17(図9)の隣に、および、上述の軸線方向座標のエリアにおいて、前記セパレーターフィルム26が第2のプレート19の積層表面19aから横断方向に延在するように、第2のプレート19の上に設置される、
- 第4の複数の層18aが、セパレーターフィルム26から出発して、および、軸線方向座標から出発して、前記軸線方向端部の他方の1つに向けて、セパレーターフィルム26がメイン部分17と閉鎖部分18との間に間置されるように、第2のプレート19の上に積層される(図9および図10)、
- セパレーターフィルム26が、以前に積層された閉鎖部分18の上に折り畳まれ、図11に示されているように、その外部表面(すなわち、第2のプレート19の反対側の表面)をカバーするようになっている、
- メイン部分17および閉鎖部分18が、詳細には説明されていない公知の様式で、第2のプレート19の上に以前に積層された前記第3の複数の層17aおよび第4の複数の層18aに、所定の温度および圧力を印加することによって、同時に硬化される。
【0166】
好ましくは、セパレーターフィルム26の一部は、また、その少なくとも一部が第2のプレート19と積層された閉鎖部分18との間に間置されるように折り畳まれ、メイン部分17から閉鎖部分18への起こり得る樹脂移動が、積層の間の閉鎖部分18の層の望ましくない「スティッキング」をいくらか引き起こすことを防止するようになっている。
【0167】
好ましくは、メイン部分17および閉鎖部分18の上述の硬化は、(図12に概略的に示されているように)メイン部分17および閉鎖部分18を上述の第1のアッセンブリ16の上に設置した後に実施され、前記部分17、18の外部表面(すなわち、第2のプレート19の反対側の表面)が、スパー7の第2のウィングレット14bと接触するようになっている。
【0168】
より詳細には、メイン部分17および閉鎖部分18は、第1のアッセンブリ16の上に設置されると、メイン部分17が第2の端部1bから横断方向セクターSへ延在するように、および、閉鎖部分18が横断方向セクターSから第1の端部1aへ延在するようになっている、寸法を有する。
【0169】
この硬化ステップの間に、ツール15は、第1の実施形態にしたがってすでに説明されているように、形成モールド11の内側にあるままである。
【0170】
ツール15は、硬化ステップが終了すると、好ましくは除去される。
【0171】
上述の硬化が実施されると、第2の好適な実施形態による方法は、セパレーターフィルム26を使用して、メイン部分17からおよびスパー7から閉鎖部分18を切り離し、したがって、上述の開口部24を画定するステップを伴う。
【0172】
実際に、セパレーターフィルム26の存在のおかげで、閉鎖部分18は、それがこれらのコンポーネント(それは、第1の壁部5とともに、上述の第2のアッセンブリ23を画定する)とともに硬化されたとしても、メイン部分17からおよびスパー7から容易に分離されることが可能である。
【0173】
閉鎖部分18の一時的な切り離しに続いて、リブ21を挿入するための上述の手順が実施される(図14および図15)。
【0174】
その後に、閉鎖部分18は、開口部24をカバーするように再び位置決めされ、リブ21が内側にある状態のボックス形状の構造体1を取得する(図16)。
【0175】
その後に、メイン部分17と閉鎖部分18との上述の最終的な恒久的な接合が、スプライシング本体部25を使用して実施される(図17)。
【0176】
本発明の第2の実施形態による構成のおかげで、以前に説明されたケースと比較してわずかにより複雑な積層にもかかわらず、最小公差誤差を有する構造体1を取得することが可能である。
【0177】
実際に、メイン部分17、閉鎖部分18、およびスパー7が一緒に硬化されるので、スパー7と前記部分17および18との間の、ならびに、部分17および18自体の間の形状連結は、以前に説明されたケースよりも精密である。
【0178】
実際に、メイン部分17および閉鎖部分18は、それらが同じツール(すなわち、第2のプレート19)の上に積層されるため、以前に説明されたケースと比較してわずかにより複雑な積層にもかかわらず、(以前のケースと同様に)それらが2つの個別のプレートの上に積層されるケースと比較して、最適にフィットする。
【0179】
上記の説明に基づいて、本発明による方法(第1の実施形態による方法と第2の実施形態による方法の両方)は、胴体および航空機翼のための(とりわけ、水平方向スタビライザーのための)ボックス形状の構造体を結果として生じさせ、それは、繊維強化ポリマーマトリックスプリプレグ複合材料から作製されており、前記構造体は、第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間において長手方向に延在する長手方向軸線を有しており、構造体は、
- 第1の長手方向壁部と、
- 第1の壁部に面しており、非ゼロの量だけ第1の壁部から間隔を離して配置されている、第2の長手方向壁部と、
- 前記第1の壁部と第2の壁部との間において長手方向におよび横断方向に延在しており、それらに接続されており、第1の壁部および第2の壁部とともに、それぞれの長手方向キャビティーの境界を定めている、複数のスパーと、
- 一連の横断方向補強エレメントを含む補強リブであって、一連の横断方向補強エレメントは、前記キャビティーのうちの1つの中に、および、2つの隣接するスパーの間にそれぞれ挿入されており、横断方向エレメントは、前記長手方向軸線に対して横断方向に、および、前記第1の軸線方向端部と第2の軸線方向端部との間に間置されている前記ボックス形状の構造体の横断方向セクターのエリアにおいて、互いに整合されている、補強リブと、
を含み、
第2の壁部は、メイン部分および閉鎖部分を含み、メイン部分および閉鎖部分は、互いに同一平面上にあり、不連続性を伴って2つの個別のピースを画定しており、前記横断方向セクターのエリアにおいて互いに分離されている。
【0180】
好ましくは、閉鎖部分は、スプライシング本体部によってメイン部分に連結されている、
前記スプライシング本体部は、メイン部分および閉鎖部分に同時に釘打ちまたはリベット打ちされる。
【0181】
代替的に、スプライシング本体部は、プリプレグ複合材料から作製されており、上記に説明されているように、別個に製造されて硬化されるか、または、すでに硬化されたメイン部分17および閉鎖部分18と共結合して硬化される。
【0182】
構造体1を製造するための方法の特徴、および、本発明による構造体1の特徴は、それらによって取得され得る明白な利点を明らかにする。
【0183】
とりわけ、補強リブ21を含み、上述の「センターボックス」を欠いた飛行機4のスタビライザー2のためのボックス形状の構造体1を簡単で迅速な様式で取得することが可能であり、それによって、製造プロセスの中へ過度の複雑さを導入することを回避しながら、構造体1を強化する。
【0184】
実際に、本発明による製造方法のおかげで、完成したボックス形状の構造体の内側の検出および/または測定の複雑で高価で長いプロセスを実施する必要はない。
【0185】
そのうえ、一般的に組み立て動作を実施するために、または、検出プローブおよび補強エレメントを挿入するために(閉鎖部分18の設置および最終的な接合の前に、これらが挿入されるとき)、完成した構造体の中に孔部または開口部などを作製する必要はない。
【0186】
したがって、本発明による方法は、著しい時間の節約、および、組み立てエラーの大幅な低減を結果として生じさせ、それによって、アッセンブリの品質を改善し、構造体1に対する損傷を回避する。そのうえ、製造プロセスに関与するオペレーターの全体的な人間工学が改善され、したがって、彼らの安全を強化する(追加的な孔部および/または開口部が、完成した構造体1の中に作製される必要がないので、この目的のために設計されたツールは必要とされない)。
【0187】
したがって、本発明による方法および構造体1のおかげで、「センターボックス」の排除、および、それと簡単なビーム状の接合エレメント(たとえば、比較的に細いダブルT字セクションプロファイル)との交換は、スタビライザー2の中に構造的に重要なエレメントを導入しないことの他に、実施されるのがより容易で簡単である。
【0188】
この点に関して、前記ビーム状の接合エレメント(図1に概略的に示されている)の組み立ては、閉鎖部分18の設置および最終的な連結の前に、容易に実施されることが可能であるということが指摘されるべきである。代替的に、ビーム状の接合エレメントのこの組み立ては、閉鎖部分18の最終的な連結に続いて実施される。
【0189】
上記に照らして、「センターボックス」の除去から結果として生じる材料損失を補償するために、しかし、スタビライザー2の製造プロセスの中へ過度の複雑さを導入することなく、構造体1は、長手方向軸線Aに沿って細長くなっていることが可能である。
【0190】
そのうえ、リブ21の存在は、横断方向セクターSのエリアにおいて、製造業者がスタビライザー2の傾斜のための制御システム(たとえば、空気圧式の、油圧式のまたは電気式のピストン)を提供することを可能にし、それは、それ自体は公知であり、詳細には示されておらずまたは説明されていない。この構成は、上述の制御システムから生じる応力のいくらかが構造体1の上に(とりわけ、補強リブ21の上に)負荷軽減されることを可能にし、それによって、構造体1の構造的特性および応力に対する抵抗を改善する。
【0191】
したがって、閉鎖部分18は、一種の構造的な「キャップ」を画定しており、使用時にスタビライザー2に対して働かせられ荷重および応力が、「キャップ」を通過して分配される。
【0192】
本明細書に開示されて示されている方法および構造体2は、この理由のために、添付の特許請求の範囲に記載されている保護の範囲を超えることなく、変更および変形に曝されることが可能である。
【符号の説明】
【0193】
1 ボックス形状の構造体
1a 第1の軸線方向端部
1b 第2の軸線方向端部
2 水平方向スタビライザー
3 航空機胴体
4 飛行機
5 第1の壁部、下側壁部
5a 第1の複合材料スキン
6 第2の壁部、上側壁部
6a 第2の複合材料スキン
7 相互接続エレメント、スパー
8 キャビティー
6a 第2の複合材料スキン
10 第1のプレート
11 形成モールド
12 プロファイル
13 フランジ
14 ウィングレット
14a 第1のウィングレット
14b 第2のウィングレット
15 支持ツール
16 第1のアッセンブリ
17 メイン部分
17a 第3の複数の層
18 閉鎖部分
18a 第4の複数の層
19 第2の形成プレート
19a 積層表面
20 第3のプレート
21 補強リブ
22 横断方向補強エレメント
22a バック
22b ウィングレット
22c サイドフランジ
23 第2のアッセンブリ
24 開口部
25 スプライシング本体部
26 セパレーターフィルム
A 長手方向軸線
B 長手方向軸線
G 接合領域
S 横断方向セクター
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【外国語明細書】