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特開2024-163987航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法
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  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図1
  • 特開-航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024163987
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/42 20060101AFI20241119BHJP
   B64F 5/10 20170101ALI20241119BHJP
   B64C 1/00 20060101ALI20241119BHJP
   B64C 5/02 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B29C70/42
B64F5/10
B64C1/00 B
B64C5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024077309
(22)【出願日】2024-05-10
(31)【優先権主張番号】102023000009465
(32)【優先日】2023-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】518160436
【氏名又は名称】レオナルド・エッセ・ピ・ア
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファノ・ジュゼッペ・コルヴァグリア
(72)【発明者】
【氏名】ニコラ・ガッロ
(72)【発明者】
【氏名】モレノ・コルテルッチ
(72)【発明者】
【氏名】アルフレド・リチャルディ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法および構造体を提供する。
【解決手段】構造体は、第1及び第2の長手方向端部(1a)との間において長手方向(A)に沿って延在し、第1及び第2の長手方向壁部(5、6)であって、第2の長手方向壁部(6)は、第1の壁部(5)に面し、非ゼロで第1の壁部(5)から間隔を置いて配置され、複数のスパー(7)が前記第1及び第2の壁部(5、6)との間に延在し、第1及び第2の長手方向端部との間の横断方向セクター(S1)で横断方向に配置されている補強リブ(23)とを含み、スパーキャビティー(21)を有し、スパーキャビティー(21)は、横断方向セクター(S1)に対応する軸線方向座標(X)から第2の長手方向端部まで長手方向に延在する材料の欠如を画定している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化ポリマーマトリックスプリプレグ複合材料を使用して、航空機(4)のための、および、とりわけ水平方向スタビライザー(2)のための、ボックス形状の構造体(1)を製造するための方法であって、前記構造体(1)は、第1の長手方向端部(1a)と第2の長手方向端部(1b)との間において長手方向(A)に沿って延在しており、前記構造体(1)は、
- 第1の長手方向壁部(5)と;
- 第2の長手方向壁部(6)であって、前記第2の長手方向壁部(6)は、前記第1の壁部(5)に面しており、非ゼロの量だけ前記第1の壁部(5)自体から間隔を置いて配置されている、第2の長手方向壁部(6)と;
- 複数のスパー(7)であって、前記複数のスパー(7)は、長手方向に、および、前記第1の壁部(5)と第2の壁部(6)との間に延在しており、これらの前記第1の壁部(5)および第2の壁部(6)に接続されており、前記第1の壁部(5)および前記第2の壁部(6)とともに、それぞれの長手方向キャビティー(8)の境界を定めている、複数のスパー(7)と;
- 少なくとも1つの補強リブ(23)であって、前記少なくとも1つの補強リブ(23)は、前記第1の長手方向端部(1a)と第2の長手方向端部(1b)との間に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の横断方向セクター(S1)において、前記スパー(7)に対して横断方向に配置されている、少なくとも1つの補強リブ(23)と;
を含み、
前記方法は、
a) 前記第1の壁部(5)を画定する複合材料の第1のスキンを形成するように、形成モールド(11)の第1の形成プレート(10a)の上に前記プリプレグ複合材料の第1の複数の層を積層するステップと;
b) 前記第2の壁部(6)を画定する複合材料の第2のスキンを形成するように、前記形成モールド(11)の第2の形成プレート(10b)の上に前記プリプレグ複合材料の第2の複数の層を積層するステップと;
c) 複数の細長い支持ツール(15)を配置するステップであって、前記複数の細長い支持ツール(15)は、中心軸線(B)、および、前記構造体(1)の中に形成されることとなる前記長手方向キャビティー(8)のプロファイルに相補的な多角形の外部プロファイルを有する断面をそれぞれ有している、ステップと;
d) 前記複合材料から作製された細長いプロファイル(12)を取得するように、それぞれの支持ツール(15)の3つの連続する壁部の上に前記プリプレグ複合材料の第3の複数の層を積層するステップであって、それぞれのプロファイルは、長手方向軸線(C)およびC字形状の断面を有しており、中央フランジ(13)、および、前記フランジ(13)から横断方向に突き出ている2つのウィングレット(14)を含む、ステップと;
e) 中央ウェブ(7a)および2つの反対側の端部ウィング(7b)によって画定されるダブルT字断面を有するそれぞれのスパー(7)を取得するように、前記プロファイル(12)自体が反対側の凹面を有するように、支持ツール(15)のそれぞれの対に隣り合って隣接するそれぞれの前記フランジ(13)に沿って2つずつ前記プロファイル(12)を接合するステップと;
f) 前記スパー(7)のそれぞれの第1のウィング(7b)が前記第1の壁部(5)と接触して同一平面上にあるように、および、前記スパー(7)の前記ウェブ(7a)が前記長手方向(A)に沿って配向されるように、以前に取得された前記第1の壁部(5)の上に、隣接された前記支持ツール(15)および以前に取得された前記スパー(7)を長手方向に配置するステップと;
g) 前記第2の壁部(6)が前記第1のウィング(7b)の反対側の前記スパー(7)のそれぞれの第2のウィング(7b)と接触して同一平面上にあるように、ステップf)において取得されたアッセンブリの上に前記第2の壁部(6)を配置し、したがって、前記長手方向キャビティー(8)の境界を定め、したがって、前記第1の壁部(5)、前記第2の壁部(6)、および前記スパー(7)を含む、前記ボックス形状の構造体(1)の第1のアッセンブリ(16)を画定するステップと;
を含み、
前記第3の複数の層を積層する前記ステップd)は、それぞれのプロファイル(12)に関して:
d1) 前記プロファイル(12)の一方の軸線方向端部(12a)から前記プロファイル(12)の前記他方の軸線方向端部(12b)へ前記相対的なウィングレット(14)を積層するステップと;
d2) 前記一方の軸線方向端部(12a)から、前記プロファイル(12)の所定の軸線方向座標(X)まで、前記フランジ(13)の第1の部分(17)を積層するステップであって、前記所定の軸線方向座標(X)は、前記プロファイル(12)自体の前記長手方向軸線(C)に沿って前記軸線方向端部(12a、12b)間に間置されており、前記第1の部分(17)は、前記長手方向に、および、前記相対的な長手方向軸線(C)に対して横断方向に、ならびに、前記相対的なフィン(14)間に、実質的に完全になっている、ステップと;
d3) 前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12b)へ前記フランジ(13)の第2の部分(18)を積層するステップであって、前記第2の部分(18)は、貫通スロット(19)を有しており、前記貫通スロット(19)は、前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12b)まで長手方向に延在しており、相対的な横方向開口部(20)によって前記他方の軸線方向端部(12b)において横方向に開口しており、前記長手方向において前記相対的なフランジ(13)の上の材料の欠如またはボイドを画定するようになっており、接合する前記ステップe)によって取得されたそれぞれのスパー(7)が、前記それぞれのウェブ(7a)において、順に長手方向スパーキャビティー(21)を有するようになっており、前記長手方向スパーキャビティー(21)は、横方向に開口しており、前記相対的なスロット(19)の統合によって決定されている、ステップと;
を含み、
配置する前記ステップf)は、
f1) 前記相対的なスパーキャビティー(21)がすべて前記ボックス形状の構造体(1)の前記長手方向(A)に対して横断方向に互いに向かい合い、前記ボックス形状の構造体(1)の前記第1の長手方向端部(1a)にすべて配置されるように、前記スパー(7)を配向させるステップと;
f2) 前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)が前記第1の長手方向端部(1a)に配置されるように、前記スパー(7)を配向させるステップと;
を含み、
前記方法は、
h) 配置する前記ステップg)の後に、前記スパーキャビティー(21)に係合するように、前記第1の長手方向端部(1a)から出発して、前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)を通して、前記第1のアッセンブリ(16)の中へ前記補強リブ(23)を挿入するステップと;
i) 前記第1のアッセンブリ(16)の中に以前に挿入された前記補強リブ(23)を、前記第2の長手方向端部(1b)に向けて、前記横断方向セクター(S1)まで、前記スパーキャビティー(21)の内側で前記長手方向に前進させるステップと;
をさらに含む、方法。
【請求項2】
配置する前記ステップf)は、
f3) 前記それぞれのプロファイル(12)の前記軸線方向座標(X)が前記横断方向セクター(S1)と対応するように、前記スパー(7)を配置するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップd3)は、前記第2の部分(18)が互いに向かい合う1対の長手方向リブ(22)も含むように実施され、前記1対の長手方向リブ(22)は、それぞれのウィングレット(14)から片持ち梁状の様式で横断方向に、および、前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12b)まで長手方向にそれぞれ延在しており、前記スロット(19)の境界を長手方向に定めており、それぞれの前記スパーキャビティー(21)がそれぞれの前記リブ(22)によって長手方向に境界を定められるようになっており;
前記ステップh)は、
- 前記補強リブ(23)を前記リブ(22)にスライド様式で連結するステップ
を含み、
前記ステップi)は、
- 前記リブ(22)に沿って前記補強リブ(23)をスライドさせるステップ
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、
l) 配置する前記ステップg)の後に、および、挿入する前記ステップh)の前に、複合材料の前記第1の複数の、第2の複数の、および第3の複数のそれぞれ積層された層に、所定の温度および圧力を印加することによって、前記第1のアッセンブリ(16)を硬化させるステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、
m) 前進させる前記ステップi)の後に、前記第1の壁部(5)と第2の壁部(6)との間の少なくとも1つとのリジッドの連結によって、前記横断方向セクター(S1)において前記補強リブ(23)を固定するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
固定する前記ステップm)は、
- 前記補強リブ(23)の締結部分(23b)を前記第1の壁部(5)および第2の壁部(6)のうちの前記1つに釘打ちまたはリベット打ちするステップ
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記補強リブ(23)は、中央コア(25)と、前記中央コア(25)から片持ち梁状の様式で直交方向に突き出ている少なくとも1つの長手方向リブレット(26)とを含み、前記リブレット(26)は、前記中央コア(25)とは個別および別個である、前記中央コア(25)にリジッドに連結可能なピースで作製されており;
挿入する前記ステップh)は、
h1) 前記第1の長手方向端部(1a)から出発して、前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)を通して、前記第1のアッセンブリ(16)の中へ前記リブレット(26)を挿入し、前記スパーキャビティー(21)に係合させるステップと;
h2) 挿入された前記リブレット(26)を前記サイドスパーキャビティー(21)に沿って前記横断方向セクター(S1)まで前進させるステップと;
h3) 前記横断方向セクター(S1)において前記リブレット(26)を固定するステップと;
h4) 前記補強リブ(23)の前記中央コア(25)を、前記第1の長手方向端部(1a)から出発して、前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)を通して、前記第1のアッセンブリ(16)の中へ挿入するステップと;
h5) 以前に固定された前記リブレット(26)に対抗して前記補強リブ(23)の前記中央コア(25)を設置するステップと;
h6) 前記中央コア(25)を前記リブレット(26)に固定するステップと;
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記リブレット(26)は、L字形状の断面を有しており、前記第1の壁部(5)または第2の壁部(6)のうちの1つに固定されるように適合されている第1のセクション(26a)と、第2のセクション(26b)とを含み、前記第2のセクション(26b)は、前記第1のセクション(26a)に対して横断方向になっており、前記中央コア(25)と固定されるように適合されており;
固定するステップh3)は、前記リブレット(26)の前記第1のセクション(26a)を前記第1の壁部(5)または第2の壁部(6)のうちの前記1つに固定することによって実施され;
固定する前記ステップh6)は、前記中央コア(25)を前記リブレット(26)の前記第2のセクション(26b)に固定することによって実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記横断方向セクター(S1)は、前記ボックス形状の構造体(1)の第1の横断方向セクター(S1)を画定しており;
前記ボックス形状の構造体(1)は、少なくとも1つのさらなる補強リブ(29)を含み、前記少なくとも1つのさらなる補強リブ(29)は、前記スパー(7)に対して横断方向に配置されており、前記第1の横断方向セクター(S1)と前記第1の長手方向端部(1a)との間に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の第2の横断方向セクター(S2)に配置されており;
前記方法は、
n) 前進させる前記ステップi)の後に、前記スパーキャビティー(21)に係合するように、前記第1の長手方向端部(1a)から出発して、前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)を通して、前記第1のアッセンブリ(16)の中へ前記さらなる補強リブ(29)を挿入するステップと;
o) 前記第1のアッセンブリ(16)の中に以前に挿入された前記さらなる補強リブ(29)を、前記第2の長手方向端部(1b)に向けて、前記第2の横断方向セクター(S2)まで、前記スパーキャビティー(21)の内側で長手方向に前進させるステップと;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、
p) 前進させるステップi)の後に、前記第1のアッセンブリ(16)および前記少なくとも1つの補強リブ(23)を含むアッセンブリの横方向に最も外側の前記スパー(7)の前記スパーキャビティー(21)に、および、それをカバーするように、少なくとも2つの成形閉鎖エレメント(30)を配置するステップと;
q) 前記相対的なスパーキャビティー(21)をカバーするように、および、そのように取得された前記ボックス形状の構造体(1)を横方向に閉鎖するように、前記相対的なプロファイル(12)の前記フランジ(13)の前記第2の部分(18)において、前記少なくとも2つの成形エレメント(30)のそれぞれを前記それぞれのスパー(7)の前記中央ウェブ(7a)に固定するステップと;
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
それぞれの前記支持ツール(15)は、2つの軸線方向端部(15a、15b)の間に延在しており、2つの成形突出部分(27)を含み、前記2つの成形突出部分(27)は、それ自身の外側表面から突出しており、前記2つの軸線方向端部(15a、15b)の間に軸線方向に間置されている所与の軸線方向座標(15c)から出発して、前記2つの軸線方向端部(15b)のうちの1つ(15b)まで、前記支持ツール(15)自体の少なくとも2つの反対側の壁部にわたって延在しており、それぞれの突出部分(27)は、前記スロット(19)に相補的な形状を有しており;
それぞれのプロファイル(12)に関して、積層する前記ステップd)は、前記スロット(19)を画定するように、前記突出部分(27)のうちの1つの縁部を取り囲むことによって実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
- 前記支持ツール(15)は、内部が中空になっており、加熱アクションおよび冷却アクションにそれぞれ応答して、リジッドの状態から可撓性エラストマー状態への移行およびその逆の移行を可能にする傾向がある補強材料およびポリマーに基づく組成を有しており;
- 前記支持ツール(15)は、硬化温度よりも低く50℃よりも高い温度で、前記可撓性エラストマー状態を設定するように構成されており;
- 前記ステップd)は、これらの前記支持ツール(15)がそのリジッドの状態にある間に、前記第3の複数の層を構成する前記プリプレグ材料を前記支持ツール(15)の壁部の外側表面の上に直接的に積層することによって実施され;
- 前記第1のアッセンブリを硬化させるステップl)の間に、硬化圧力が、前記形成モールド(11)の内側と前記支持ツール(15)の内側の両方に印加され、その壁部は、前記リジッドの状態から前記可撓性エラストマー状態への通過によって可撓性にされており、したがって、前記硬化圧力自体によって押され、前記プロファイル(12)に、前記第1の壁部(5)に、および前記第2の壁部(6)に付着する、請求項4に記載の方法。
【請求項13】
前記支持ツール(15)は、それぞれ加熱および冷却に応答して変形不可能なリジッドのエレメントによって画定されており;
前記方法は、積層する前記ステップd)、配置する前記ステップf)、および、硬化させる前記ステップl)の前に、
r1) 前記それぞれのキャビティー(8)からの前記支持ツール自体のその後の抽出を促進させるために、それぞれの支持ツール(15)の上に分離剤の層を適用するステップと;
r2) そのように準備されたそれぞれの支持ツール(15)の上に、後続のシーリング動作のために前記支持ツール(15)自体のそれぞれの端部において前記セパレーターフィルムの余分な部分を残した状態で、チューブ状のセパレーターフィルムをフィットさせるステップと;
r3) それぞれの支持ツール(15)の上に、および、前記チューブ状バッグの外側に、ベンチレーションファブリックを巻き、シーラントによって縁部を固定するステップと;
r4) そのように準備されたそれぞれの支持ツール(15)の上に、後続のシーリング動作のために前記支持ツール(15)自体のそれぞれの端部において前記セパレーターフィルムの余分な部分を残した状態で、チューブ状のセパレーターフィルムをフィットさせるステップと;
r5) シーラントを使用して前記チューブ状バッグの端部および前記チューブ状のセパレーターフィルムの端部をシールするステップと;
r6) 前記真空を印加し、前記チューブ状のセパレーターフィルムが前記相対的な支持ツールの上でそのように準備されたコーティング全体を締め付けるのを待つステップと;
の連続的なステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、
s1) 前記真空を印加する前記ステップr6)の後に、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、および外側バギングフィルムを、前記第2のアッセンブリ(23)の周りに連続して配置するステップと;
s2) 前記第2のアッセンブリ(23)が前記外側バギングフィルムの内側に収容されるように、前記外側バギングフィルムをシールするステップと;
s3) 前記外側バギングフィルムの材料が前記第2のアッセンブリ(23)の前記外側表面に対抗して締め付けられるまで、前記外側バギングフィルムの内側に真空を印加するステップと;
をさらに含み、
硬化させる前記ステップl)に関係する上述の所定の圧力および温度が、前記外側バギングフィルムの内側およびそれぞれの前記チューブ状バッグの内側に印加される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
繊維強化ポリマーマトリックスプリプレグ複合材料から作製された、航空機(4)のための、および、とりわけ水平方向スタビライザー(2)のための、ボックス形状の構造体(1)であって、前記構造体(1)は、第1の長手方向端部(1a)と第2の長手方向端部(1b)との間において長手方向(A)に沿って延在しており、前記構造体(1)は、
- 第1の長手方向壁部(5)と;
- 第2の長手方向壁部(6)であって、前記第2の長手方向壁部(6)は、前記第1の壁部(5)に面しており、非ゼロの量だけ前記第1の壁部(5)自体から間隔を置いて配置されている、第2の長手方向壁部(6)と;
- 複数のスパー(7)であって、前記複数のスパー(7)は、長手方向に、および、前記第1の壁部(5)と第2の壁部(6)との間に延在しており、これらの前記第1の壁部(5)および第2の壁部(6)に接続されており、前記第1の壁部(5)および前記第2の壁部(6)とともに、それぞれの長手方向キャビティー(8)の境界を定めている、複数のスパー(7)と;
- 少なくとも1つの補強リブ(23)であって、前記少なくとも1つの補強リブ(23)は、前記第1の長手方向端部(1a)と第2の長手方向端部(1b)との間に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の横断方向セクター(S1)において、前記スパー(7)に対して横断方向に配置されている、少なくとも1つの補強リブ(23)と;
を含み、
それぞれのスパー(7)は、長手方向軸線(C)およびC字形状の断面を有する2つのプロファイル(12)を含み、前記2つのプロファイル(12)は、中央フランジ(13)と、前記フランジ(13)から横断方向に突き出ている2つの長手方向のウィングレット(14)とそれぞれを含み、前記それぞれのフランジ(13)において接合されており、それぞれのスパー(7)が、中央ウェブ(7a)および2つの反対側の端部ウィング(7b)によって画定されたダブルT字断面を有するようになっており;
それぞれのプロファイル(12)の前記フランジ(13)は、
- 前記プロファイル(12)の軸線方向端部(12a)から前記プロファイル(12)の所定の軸線方向座標(X)まで延在する第1の部分(17)であって、前記所定の軸線方向座標(X)は、前記プロファイル(12)の前記一方の軸線方向端部(12a)と他方の軸線端部方向の(12b)との間に軸線方向に間置されており、前記第1の部分(17)は、前記長手方向に、および、前記相対的な長手方向軸線(C)に対して横断方向に、ならびに、前記相対的なウィングレット(14)間に、完全になっている、第1の部分(17)と;
- 第2の部分(18)であって、前記第2の部分(18)は、前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12b)まで延在しており、貫通スロット(19)を含み、前記貫通スロット(19)は、前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12b)まで長手方向に延在しており、相対的な横方向開口部(20)によって前記他方の軸線方向端部(12b)において横方向に開口しており、前記長手方向において前記相対的なフランジ(13)の上の材料の欠如を画定するようになっており、それぞれのスパー(7)が順に長手方向スパーキャビティー(21)を有するようになっており、前記長手方向スパーキャビティー(21)は、横方向に開口しており、前記相対的なスロット(19)の統合によって決定されている、第2の部分(18)と;
を有しており、
前記スパー(7)は、前記相対的なスパーキャビティー(21)がすべて前記ボックス形状の構造体(1)の前記長手方向(A)に対して横断方向に互いに向かい合い、前記ボックス形状の構造体(1)の前記第1の長手方向端部(1a)にすべて配置されるように配向されており;
前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)は、前記第1の長手方向端部(1a)に配置されており;
前記少なくとも1つの補強リブ(23)は、前記スパーキャビティー(21)に係合するように、前記スロット(19)の前記横方向開口部(20)を通して、前記第1の壁部(5)と前記第2の壁部(6)との間に横断方向に挿入されている、構造体(1)。
【請求項16】
それぞれのフランジ(13)の前記第2の部分(18)は、また、1対の対面する長手方向リブ(22)を有しており、前記1対の対面する長手方向リブ(22)は、それぞれのウィングレット(14)から片持ち梁状の様式で横断方向に、および、前記軸線方向座標(X)から前記他方の軸線方向端部(12a)まで長手方向にそれぞれ延在しており、前記スロット(19)の境界を長手方向に定めており、それぞれの前記スパーキャビティー(21)は、それぞれの前記リブ(22)によって長手方向に境界を定められており;
前記少なくとも1つの補強リブ(23)は、前記リブ(22)とスライド可能に連結されている、請求項15に記載の構造体。
【請求項17】
前記補強リブ(23)は、とりわけ釘打ちまたはリベット打ちによって、前記第1の壁部(5)または第2の壁部(6)のうちの少なくとも1つに固定されている、請求項15に記載の構造体。
【請求項18】
前記横断方向セクター(S1)は、前記ボックス形状の構造体(1)の第1の横断方向セクター(S1)を画定しており;
前記ボックス形状の構造体(1)は、少なくともさらなる補強リブ(29)を含み、前記少なくともさらなる補強リブ(29)は、前記スパー(7)に対して横断方向に配置されており、前記第1の横断方向セクター(S1)と前記第1の長手方向端部(1a)との間に間置されている前記ボックス形状の構造体(1)の第2の横断方向セクター(S2)に配置されている、請求項15に記載の構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本特許出願は、2023年5月11日に出願されたイタリア特許出願第102023000009465号からの優先権を主張し、その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本発明は、航空機のための(とりわけ、飛行機の水平方向スタビライザーのための)複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法に関し、以下の説明は、一般性を失うことなく明示的にそれに言及することとなる。
【背景技術】
【0003】
航空分野において使用される、複合材料から作製された構造的コンポーネント(たとえば、胴体およびそのパーツ)が知られている。
【0004】
背景技術において、軽合金で(ひいては、金属材料で)生産される航空構造的コンポーネントが存在しており、それは、次いで、航空機の胴体を形成することとなる。
【0005】
知られているように、胴体は、ペイロード(乗員、乗客、貨物など)に対して十分な保護を提供しなければならないが、同時に、既定の重量制限を超過してはならない。
【0006】
そのうえ、金属コンポーネントの使用は、より高い強度の見返りに、合計コストの増加につながる。
【0007】
したがって、飛行機の全体的な重量を低減させるために複合材料から作製された構造的コンポーネントを製造する必要性が生じている。
【0008】
実際に、複合材料の使用は、航空機の全体的な重量を低減させることを可能にし、同時に、非常に強力な構造体を取得することを可能にする。
【0009】
そのうえ、金属製エレメントの使用、および、構造体と接触したそれらの組み立ては、金属の腐食の関連リスクを伴うガルバニックカップリングの問題を引き起こし、検査レベルを向上させる必要性を引き起こす。これは、これらのコンポーネントの生産者にとって(ひいては、航空会社にとって)合計コストの増加につながる。
【0010】
したがって、複合材料の使用は、飛行機の全体的な重量を低減させる必要性、および、航空構造体の腐食問題を排除または最小化する必要性、および、その疲労強度を増加させる必要性によって決定付けられる。
【0011】
知られているように、水平方向スタビライザーは、一般的に飛行機の胴体のテール部分の一部である、固定された表面を備えた構造的コンポーネントである。
【0012】
とりわけ、スタビライザーは、ピッチ軸に沿って飛行機を精密に安定化させる機能を有する空気力学的表面である。
【0013】
特に、典型的な飛行機は、2つの水平方向スタビライザーを含み、水平方向スタビライザーは、通常は飛行機の主翼よりもサイズがはるかに小さい一種の翼によってそれぞれ画定されており、それは、胴体のテール部分から片持ち梁状に延在している。
【0014】
スタビライザーは、一般的に翼の平面に対して実質的に平行な平面に沿って、胴体の反対側から延在している。
【0015】
より詳細には、2つのスタビライザーは、それらのインターロッキング端部において、中央のボックス形状のエレメント(「センターボックス」として知られ、胴体の端部パーツの中に組み込まれている)に連結されている。
【0016】
換言すれば、センターボックスは、2つのスタビライザーの間に置かれている。
【0017】
それぞれのスタビライザーは、複合材料から作製されたボックス形状の構造体をその中に有している。
【0018】
とりわけ、そのようなボックス形状の構造体は、一般的にモノリシックであり、
- 上側壁部と;
- 下側壁部であって、下側壁部は、上側壁部に面しており、上側壁部から非ゼロの量だけ離れるように間隔を置いて配置されている、下側壁部と;
- 複数のスパーであって、複数のスパーは、上側壁部と下側壁部との間に延在しており、それらの間に相互接続エレメントを画定しており、それらの間に、および、前述の上側壁部および下側壁部とともに、それぞれの細長いキャビティーの境界を定めており、それぞれの細長いキャビティーは、壁部自体に対しておよびスパーに対して横断方向の平面に配置されている前方開口部と後方開口部との間にそれぞれ延在している、複数のスパーと、
を本質的に含む。
【0019】
述べられているように、複合材料の使用は、構造的コンポーネントの(ひいては、航空機の)全体的な重量を低減させること、および、同時に、非常に強力な構造体を取得することを可能にする。
【0020】
上側壁部および下側壁部は、おおよそ平行であり、より正確には、前方開口部に向けてまたは後方開口部に向けて、それらの間でわずかに収束している。
【0021】
スパーは、横断方向のパーティションから構成されており、特に、上側壁部および下側壁部に実質的に直交している。
【0022】
とりわけ、それぞれのスパーは、2つの細長いプロファイルから構成されており、2つの細長いプロファイルは、一般的にC字形状プロファイルを有しており、バックまたはフランジと、フランジの反対側の端部縁部から直交方向に突き出ている2つのウィングとを含む。
【0023】
代替的な構成によれば、前述のプロファイルは、J字形状のプロファイルを有することが可能である。
【0024】
スパーを形成するために、2つのC字形状プロファイルが、対向する凹面を有するように、それぞれのフランジに沿って一緒に接合される。
【0025】
上記に説明されているモノリシックのボックス形状の構造体は、異なる性質の繊維(たとえば、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維など)によって補強された熱硬化性マトリックス(樹脂)を備えたプリプレグから出発して、下記に示されているステップを含む公知の方法によって製造される。
【0026】
同じ出願人による特許文献1は、上記のような飛行機の水平方向スタビライザーのためのモノリシックのボックス形状の構造体を製造するための方法を説明している。
【0027】
特に、特許文献1に説明されている方法によれば、前述のC字形状プロファイルは、それぞれの細長いおよび実質的に平行六面体のプロファイル形成および支持ツールの上に積層され、それらは、その後に、製造されているボックス形状の構造体の内側のそれぞれの予め定義された位置にスパーを保持するように意図されている。
【0028】
それぞれのツールは、実質的に平行六面体の細長い本体部から構成されており、それは、平坦な面によって境界を定められており、製造されることとなる構造体の前述の細長いキャビティーの形状に対応する断面を有している。
【0029】
とりわけ、それぞれのC字形状プロファイルは、好ましくは、樹脂ベースの接着剤(「タッキファイヤー」として知られる)の塗布の後に、形成および支持ツールの3つの平坦な面の上に積層される。
【0030】
ツールの第1の面は、プリプレグによって完全にコーティングされ、一方では、第1の面に対して直交し、互いに平行である、第1の面に隣接するツールの2つの他の面は、所定のストレッチのみにわたってコーティングされる。
【0031】
したがって、それぞれのツールは、2つのプリプレグC字形状プロファイルを反対側に支持することが可能である。
【0032】
ツールの組成に応じて、プロファイルを積層する前に、特殊な分離フィルム、チューブ状バッグ、ベンチレーションファブリックを適用することによって、ツールを「ドレッシングする(dress)」ことが必要である可能性がある。
【0033】
真空下での所定の温度における圧密の後に、C字形状プロファイルは、所望の数のスパーを形成するように、上記に説明されている様式で2つずつ接合される。
【0034】
詳細には、それぞれのスパーは、
- それを構成する相対的な1対のC字形状プロファイルのフランジが、2つの相互に隣接するツールの2つの向かい合う平坦な面に間置されるように配置されており;ならびに、
- それぞれのプロファイルのウィングが、互いに平行に、および、プロファイル自体のフランジを支持する平坦な面に対して実質的に直交して、相対的なツールのそれぞれの平坦な面の上に載るようにされている。
【0035】
スパーおよびツール(および、場合によっては、「ヌードル」として知られるさらなるフィラーエレメント)から構成されるアッセンブリが、下側プレートと、上側プレートと、下側プレートおよび上側プレートを接続する2つの対向するサイドプレートとを含む形成モールドの中へ挿入される。
【0036】
とりわけ、2つの上側プレートおよび下側プレートのそれぞれの上に、プリプレグ複合材料の1つまたは複数の層(「プライ」)が積層され、それらは、硬化ステップの後に、製造されることとなるボックス形状の構造体の上側壁部および下側壁部を構成することとなる上側スキンおよび下側スキンを画定するように用途を定められている。
【0037】
上側スキンおよび下側スキンが積層されると、下側スキンを担持する形成モールドの下側プレートの上に、それぞれの形成および支持ツールによって適切な位置に保持されたプリフォームされたスパーが位置決めされ、その後に、上側スキンを担持する形成モールドの上側プレートが、モールド自体の側壁部の上に、ならびに、プリフォームされたスパーおよびツールによって構成されるアッセンブリの上に閉鎖される。
【0038】
このポイントにおいて、ベンチレーションファブリックおよびチューブ状バッグは、それぞれのツール(それは、長さ方向に中空になっている)の内側に詰め込まれる。
【0039】
そのうえ、公知のコンポーネント(たとえば、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、およびバギングフィルム(bagging film)など)は、モールドの外側に配置され、前方および後方のシールされたバギングとして知られるものを作製する。
【0040】
また、隣接するチューブ状バッグの端部も、一緒に閉鎖およびシールされる。
【0041】
このポイントにおいて、そのように準備された形成モールドは、オートクレーブの内側に配置され、所定の圧力および温度値(たとえば、エポキシ樹脂に関して、硬化温度は、おおよそ180℃であり、硬化圧力は、6barから7barの間にある)において硬化動作を実施する。
【0042】
硬化圧力は、形成されている構造体の外側と中空ツールの内側(ひいては、構造体自体のキャビティーの内側)の両方に、チューブ状バッグを通して作用する。
【0043】
硬化が完了すると、バッグならびに形成および支持ツールが除去され、モノリシックのボックス形状の構造体が取得され、それは、上側壁部および下側壁部(スキン)と、それらの間に横断方向に配置されているスパーとから構成されている。
【0044】
それぞれのスタビライザーを画定するそれぞれのボックス形状の構造体は、次いで、前述のセンターボックスに接合される。
【0045】
コンポーネントの合計数を低減させ、飛行機の全体的な重量をさらに低減させる必要性がますます高まっている。
【0046】
たとえば、センターボックスの使用は、特に小型航空機のケースでは、水平方向スタビライザーを形成する2つの半翼を組み立てる際に特定の困難性を伴う。
【0047】
上記によれば、センターボックス(それは、複雑で比較的に重いボックス形状のエレメントによって画定される)が簡単なビームジョイントエレメント(たとえば、比較的に細いダブルT字プロファイル)によって交換される構造上の解決策が普及している。
【0048】
この目的のために、上記に説明されているそれぞれのボックス形状の構造体は、その長手方向に沿ってさらに延在させられ、センターボックスの除去から結果として生じる材料の欠如を補償しなければならない(その理由は、スタビライザーの延在が、それにかかわらず、同じままでなければならないからである)。
【0049】
しかし、ボックス形状の構造体の伸長は、とりわけ、水平方向スタビライザーの公称使用性能を確保するために必要とされる構造的なリジッド性および安定性に関して、スタビライザーの中の構造的な臨界を伴う。
【0050】
そのような問題を解決するために、いくつかの公知の解決策は、ボックス形状の構造体の所与の長手方向位置(または、ボックス形状の構造体の長手方向軸線に関して、軸線方向座標)において、補強リブの挿入を伴う。
【0051】
より詳細には、補強リブは、上側壁部および下側壁部およびスパーに対して、一連の横断方向の(より具体的には、実質的に直交する)パーティションから構成されており、次々に直列に配置されている。
【0052】
換言すれば、補強リブは、ボックス形状の構造体の長手方向の延在方向に対して、その所与の軸線方向座標において横断方向に延在している。
【0053】
背景技術において、補強リブの挿入は、かなり複雑である。公知の解決策によれば、上述のモノリシックのボックス形状の構造体が完成されると、材料の一部分が、スキンの上でおよび/またはスパーのフランジにおいて除去され、前述のキャビティーの内部へのアクセスを得るようになっている。
【0054】
そのような手順は、疑う余地なく、スタビライザー製造プロセスの中へ複雑さを導入する。その理由は、かなり狭くて窮屈な凹部での作業によって、および、組み立て部位を適正に見ることができない状態で、補強リブを組み立てる必要があるからである。さらに、繊維の中の複合材料のまさにその性質に起因して、さまざまなコンポーネント間の(たとえば、スパーとスキンとの間の)寸法公差に誤差が生じる可能性がある。
【0055】
そのうえ、補強リブの組み立てプロセスは、飛行機の(ひいては、製造されることとなるスタビライザーの)サイズが小さくなればなるほど、ますます複雑になる。
【0056】
したがって、本出願人は、製造プロセスに過度の複雑さを導入することを回避しながら、とりわけ、ボックス形状の構造体を強化するために、説明されている方法およびその手段によって取得されるボックス形状の構造体が改善を受けやすいということに注目した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3871869号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0058】
本発明の目的は、非常に信頼性が高く、限られたコストのものであり、上記に特定される、および、公知のタイプの複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法に接続される、要件のうちの少なくとも1つを満たすことを可能にする、航空機のための複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法、および、ボックス形状の構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0059】
本発明によれば、この目的は、それぞれの独立請求項に特許請求されているような、複合材料のボックス形状の構造体を製造するための方法、および、ボックス形状の構造体によって実現される。
【0060】
本発明のより良好な理解のために、いくつかの好適な非限定的な実施形態が、純粋に例として、および、添付の図面の助けを借りて、下記に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】明確化のためにパーツが除去された状態の、航空機の後方パーツまたはテールパーツの斜視図であり、テールパーツは、2つの水平方向スタビライザーを含み、2つの水平方向スタビライザーは、本発明による製造方法によって取得されるボックス形状の構造体をそれぞれ含む、図である。
図1a】拡大された縮尺で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、本発明による製造方法によって取得されるボックス形状の構造体を斜視図で図示する図である。
図2】明確化のためにパーツが除去された状態の、ボックス形状の構造体のいくつかのコンポーネントが概略的に見える、図1のテールセクションの平面図である。
図3】ボックス形状の構造体のスパーの一部の積層動作の間の連続的なステップにおける支持ツールを斜視図で図示する図である。
図4】拡大された縮尺で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体のスパーの製造を斜視図で概略的に図示する図である。
図5】拡大された縮尺で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体のスパーの製造を斜視図で概略的に図示する図である。
図6】形成モールドの分解斜視図であり、形成モールドは、ボックス形状の構造体を製造するために使用され、そのような目的のために、図3の一連の支持ツールは、形成モールドの中に挿入されるように用途が定められている、図である。
図7】概略斜視図で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体の組み立てに関する本発明による方法の特定のステップをシーケンシャルに図示する図である。
図8】概略斜視図で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体の組み立てに関する本発明による方法の特定のステップをシーケンシャルに図示する図である。
図9】概略斜視図で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体の組み立てに関する本発明による方法の特定のステップをシーケンシャルに図示する図である。
図10】概略斜視図で、および、明確化のためにパーツが除去された状態で、ボックス形状の構造体の組み立てに関する本発明による方法の特定のステップをシーケンシャルに図示する図である。
図11】それぞれのスパーがそれから取得されるC字形状プロファイルの拡大された縮尺での側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1図1a、および図2を参照すると、複合材料から作製された航空機のためのボックス形状の構造体は、集合的に1と称される。
【0063】
とりわけ、構造体1は、航空機(たとえば、飛行機4)の胴体3の水平方向スタビライザー2において使用するための(より正確には、水平方向スタビライザー2を製造するための)ものであり、本明細書は、それによって一般性を失うことなく、それに言及することとなる。
【0064】
図1aおよび図2において分かるように、構造体1は、第1の長手方向端部1aと第2の長手方向端部1bとの間に長手方向Aに沿って延在している。
【0065】
説明されている例では、第1の端部1aは、スタビライザー2の固定されて動かせない端部(すなわち、胴体3に固定されて動かせない)を表しており、一方では、第2の端部1bは、スタビライザー2の自由端部を表している。
【0066】
構造体1は、
- 第1の長手方向壁部5、とりわけ、下側壁部と;
- 第2の長手方向壁部6、とりわけ、上側壁部であって、第2の長手方向壁部6は、より大きな延在のその表面に沿って、第1の壁部5のより大きな延在の表面に面しており、非ゼロの量だけ第1の壁部5から間隔を置いて配置されている、第2の長手方向壁部6と;
- 複数の相互接続エレメントまたはスパー7であって、複数の相互接続エレメントまたはスパー7は、下側壁部5と上側壁部6との間に長手方向におよび横断方向に延在しており、それらの間に、ならびに、前記下側壁部5および上側壁部6とともに、第1の軸線方向端部1aと第2の軸線方向端部1bとの間に長手方向にそれぞれ延在する一連の細長いキャビティー8の境界を定めている、複数の相互接続エレメントまたはスパー7と;
を含む。
【0067】
下側壁部5および上側壁部6は、図示されている例では、互いに対しておおよそ平行である。図示されていない可能な代替例によれば、壁部5および壁部6は、第1の端部1aまたは第2の端部1bに向けて互いにわずかに収束していることも可能である。
【0068】
スパー7は、パーティションから構成されており、パーティションは、下側壁部5および上側壁部6に対して実質的に直交しており、または、より一般的には、下側壁部5および上側壁部6に対して横断しており、長手方向Aに細長くなっている。
【0069】
構造体1は、異なる性質を有することが可能である繊維(たとえば、炭素繊維および/またはアラミド繊維および/またはガラス繊維など)によって補強された、(たとえば、熱硬化性樹脂から作製された)ポリマーマトリックスを有するプリプレグから作製されている。
【0070】
代替的に、構造体1は、上記に示されているタイプの繊維によって補強された、熱可塑性樹脂から作製されたマトリックスプリプレグから作製されることも可能である。
【0071】
本発明による構造体1を製造するための方法が、下記に図示されることとなる。
【0072】
図6を参照すると、第1の壁部(すなわち、底部壁部)5は、下側壁部5を画定する複合材料の第1のスキンを形成するように、形成モールド11の第1の形成プレート10aの上に前記プリプレグ複合材料の第1の複数の層を積層することによって作製される。
【0073】
同様に、第2の壁部(すなわち、上側壁部)6は、上側壁部6を画定する複合材料の第2のスキンを形成するように、形成モールド11の第2の形成プレート10bの上に前記プリプレグ複合材料の第2の複数の層を積層することによって作製される。
【0074】
図3図4、および図5を参照すると、スパー7は、以下の通りに取得される。
【0075】
詳細には、それぞれのスパー7が、2つのプロファイル12から取得され、2つのプロファイル12は、長手方向軸線C(図11)をそれぞれ有しており、長手方向に細長くなっており、C字形状の断面を有しており、中央フランジ13および2つの端部付属物またはウィングレット14をそれぞれ含み、2つの端部付属物またはウィングレット14は、フランジ13自体の反対側の端部縁部から横断方向に(とりわけ実質的に直交して)突き出ており、フランジ13の同じ側に配置されている。
【0076】
プロファイル12が取得されると、スパー7を形成するために、2つのプロファイル12が、それらのそれぞれのフランジ13に沿って一緒に接合され、反対側の凹面を有するようになっている(図4および図5)。
【0077】
より詳細には、プロファイル12が取得される(図3):
- 複数の細長い支持ツール15を配置するステップであって、複数の細長い支持ツール15のそれぞれは、中心軸線B、および、構造体1の中に形成されることとなるキャビティー8のプロファイルに相補的な多角形の外部プロファイルを有する断面を有しており、複数の細長い支持ツール15は、その後に、製造されている構造体1の中の予め定義された位置にスパー7を保持するように意図されている、ステップ;ならびに、
- それぞれの支持ツール15の3つの連続する壁部の上に前記プリプレグ複合材料の第3の複数の層をそれぞれ積層するステップ。
【0078】
上記に述べられている第2の複数の層の積層に関係する「積層する」という用語は、本明細書において、以下のものを含むことが可能であるか、または、以下のものを参照することが可能であるということが留意されるべきである:
- 支持ツール15の上における前記第2の複数の層の「直接的な」積層と、
- 支持ツール15の上における前記第2の複数の層の簡単な配置、および、前述の3つの連続する壁部の上でのその後の折り畳みの両方であって、それによって、層は、別の補助ツールの上にすでに積層されている(図3に示されている例と同様)。
【0079】
図示されている例では、それぞれの支持ツール15は、2つの軸線方向端部15aおよび15bの間に延在しており、平行六面体形状を有しており、平行六面体形状は、軸線Bに沿って細長く、同じ方向に中空である。
【0080】
図示されていない実施形態において、それぞれの支持ツール15は、より複雑な幾何学形状を有することが可能であり、横断方向と長手方向の両方において、スタビライザー2の中に存在する可能性のある厚さの違いに対処するようになっている。
【0081】
好都合なことには、支持ツール15は、それぞれ加熱および冷却に応答して(すなわち、温度刺激に応答して)、リジッドの状態から可撓性エラストマー状態への通過、および、その逆の通過を可能にする傾向がある補強材料およびポリマーに基づく組成を有している。
【0082】
支持ツール15を構成するポリマーは、有利には、公知のタイプの形状記憶を有する熱硬化性ポリマーまたは熱可塑性ポリマーである。ポリマーは、たとえば、形状記憶を有するエポキシポリマー、形状記憶を有するシアネートエステルポリマー、形状記憶を有するポリウレタンポリマー、形状記憶を有するビニールポリマー、形状記憶を有するポリイミドポリマー、形状記憶を有するマレイミドポリマー、または、コポリマーを含むそれらの組み合わせであることが可能である。
【0083】
形状記憶を有するポリマーの特性のおかげで、支持ツール15は、広範囲に繰り返される使用にかかわらず、ならびに、多数の加熱および冷却サイクルの後に、そのオリジナルのリジッドの形状を回復することが可能である。
【0084】
支持ツール15の補強材料は、1つまたは複数の弾性的な繊維を含むことが可能である。
【0085】
とりわけ、補強材料は、ナイロン繊維、ライクラ繊維、ポリエステル繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ホウ素繊維、玄武岩繊維、ポリマー繊維、チョップド繊維、メッシュ、3次元繊維プリフォーム、通常のウェフトファブリック、ツイルファブリック、または、他のタイプのファブリック、および、それらの組み合わせを含有することも可能である。ナイロン繊維の適切な市販の例は、Invista (Wichita, Kans.)製のナイロンである。
【0086】
支持ツール15は、いくつかの実施形態において、2つ以上の異なるタイプの補強材料を含有することが可能である。
【0087】
次いで、それぞれのプロファイル12は、好ましくは、樹脂ベースの接着剤(「タッキファイヤー」として知られる)の塗布の後に、リジッドの状態で、相対的な支持ツール15の3つの連続する壁部の上に外部から積層される(ここで、「積層される」は、上記に特定されるように意味することが理解できる)。したがって、それぞれの支持ツール15は、反対側において、2つのプリプレグC字形状プロファイル12(図4)を支持することが可能である。
【0088】
積層の後に、特許文献1に説明されているように、プロファイル12のコンパクト化が実施される。
【0089】
コンパクト化が完了すると、スパー7を形成するために、プロファイル12は、プロファイル12自体が反対側の凹面を有するように、それぞれの1対の支持ツール15(図5)と並んで、または互いの隣にそれらに隣接するそれぞれのフランジ13に沿って2つずつ接合される。次いで、スパー7は、支持ツール15によって互いから所望の距離に保持される。
【0090】
したがって、そのように取得されるスパー7は、中央ウェブ7aおよび2つの反対側の端部ウィング7b(1つは下側のものであり、1つは上側のものである)によって画定されるダブルT字断面を有している。
【0091】
詳細には、それぞれのウェブ7aは、上記に説明されているように、2つのフランジ13の統合によって画定されており、それぞれのウィング7bは、2つのウィングレット14の統合によって画定されている。
【0092】
スパー7の中の任意の凹所またはギャップは、本出願人による特許文献1に説明されているように、フィラーまたはヌードルと呼ばれるものによって充填される。
【0093】
代替的な実施形態によれば、支持ツール15は、特許文献1の説明の導入部に説明されているタイプのリジッドのエレメント(たとえば、金属製のエレメント)(すなわち、それは、温度刺激に応答して、リジッドの状態から可撓性エラストマー状態への移行およびその逆の移行をも可能にしない)によって画定されている。
【0094】
とりわけ、後者のケースでは、それぞれの支持ツールは、製造されることとなる構造体1の細長いキャビティー8のものに形状に関して対応する断面を有する細長いリジッドで固体、実質的に平行六面体の本体部から構成されている。依然としてプリフォームされたプリプレグの形態のそれぞれのスパーを2つの支持ツールの間に位置決めする前に、後者は、以下の連続的なステップから構成されるドレッシング動作に曝される:
- それぞれの細長いキャビティーからの支持ツール自体のその後の抽出を促進させるために、(たとえば、フィルムの形態の)分離剤の層をそれぞれの支持ツールに適用するステップ;
- そのように準備されたそれぞれの支持ツールの上に、後続のシーリング動作のために支持ツール自体のそれぞれの端部においてチューブ状バッグの余分な部分を残した状態で、チューブ状バッグをフィットさせるステップ;
- それぞれの支持ツールの上に、および、チューブ状バッグの外側に、ベンチレーションファブリックを巻き、そのフラップをシーラントによって固定するステップ;
- そのように準備されたそれぞれの支持ツールの上に、チューブ状のセパレーターフィルムをフィットさせるステップであって、このケースでも、後続のシーリング動作のために支持ツール自体のそれぞれの端部においてチューブ状のセパレーターフィルムの余分な部分を残す、ステップ;
- シーラントによってチューブ状バッグの端部およびチューブ状のセパレーターフィルムの端部をシールするステップ;
- 真空を印加し、チューブ状のセパレーターフィルムが相対的な支持ツールの上でドレッシング全体を収縮させるのを待つステップ。
【0095】
スパー7、支持ツール15、および、任意のさらなる構造体、支持体、またはフィラーエレメント(および、支持ツール15の前述の代替的な実施形態のケースでは、場合によってはドレッシング)から構成されている、そのように形成されたアッセンブリが、(図6に図解されているように)形成モールド11の中へ挿入される。
【0096】
とりわけ、隣り合ってそのように設置された支持ツール15、および、以前に取得されたスパー7は、図6に示されているように、第1のプレート10の上にすでに置かれている下側壁部5の上に長手方向に配置される。
【0097】
特に、スパー7は、スパー7のそれぞれの第1の(下側)ウィング7bが下側壁部5自体と接触して同一平面上にあるように、および、スパー7のウェブ7aが長手方向Aに沿って配向されるように、下側壁部5の上に置かれる。
【0098】
その後に、上側壁部6が、以前に取得されたアッセンブリの上に配置され、上側壁部6が、前記第1のウィング7bの反対側において、スパー7のそれぞれの第2の(上側)ウィング7bと接触して同一平面上にあるようになっており、したがって、長手方向キャビティー8の境界を定め、下側壁部5と、上側壁部6と、スパー7とを含む構造体1の第1のアッセンブリ16(図7)を画定する。
【0099】
支持ツール15がリジッドのエレメント(たとえば、金属)によって画定される前述の代替的な実施形態のケースでは、セパレーターフィルム、ベンチレーションファブリック、およびバギングフィルムが、形成モールド全体の上に連続的に配置され、形成モールドは、形成モールドのベースにおいて、シーラントによってシールされる。
【0100】
それぞれの支持ツールの上に配置されている前述のチューブ状のセパレーターフィルムは、端部において開口されており、相対的な支持ツールに対して長さの余分な部分がカットされる。
【0101】
それぞれの支持ツールの上の前述のチューブ状バッグは、端部において巻きをほどかれてシールされる。
【0102】
形成モールドの上に配置されている外部バッグフィルムの縁部を支持ツールのチューブ状バッグの端部とシールすることによって、および、また、隣接するチューブ状バッグの端部をシールすることによって、「エンベロープバッグ」として知られるものが、そのように形成される。
【0103】
このポイントにおいて、外部バッグの材料が形成モールドの外部表面に向けて収縮されるまで、真空がエンベロープバッグの内側に印加される。
【0104】
次いで、チューブ状バッグの端部が開口され、また、真空を印加し続けることによって、チューブ状バッグ自体は、それぞれの支持ツールから取り外され、エンベロープバッグの内側に囲まれた体積を最小化することを意図している。
【0105】
本発明によれば、それぞれのプロファイル12のフランジ13は、以下を有している(図11):
- プロファイル12の軸線方向端部12aから、プロファイル12の前記一方の軸線方向端部12aと他方の軸線方向端部12bとの間に軸線方向に間置されている、プロファイル12の所与の軸線方向座標(または、軸線方向位置)Xまで延在する第1の部分17であって、第1の部分17は、長手方向に、および、長手方向軸線Cに対して横断する方向横断方向に、ならびに、相対的なウィングレット14の間に、実質的に完全になっている(とりわけ、継ぎ目なく完全になっており、特に、完全なスペースにわたって無視できるパーセンテージの空のスペースを有するか、または、それにかかわらず、20%未満の空のスペースを有する)、第1の部分17;ならびに、
- 前記軸線方向座標Xから前記他方の軸線方向端部12bまで延在する第2の部分18であって、前記第2の部分18は、貫通スロット19を有しており、貫通スロット19は、軸線方向座標Xから前記他方の軸線方向端部12bまで長手方向に延在しており、相対的な横方向開口部20によって、前記他方の軸線方向端部12bにおいて横方向に開口しており、長手方向において相対的なフランジ13の上の材料の欠如またはボイドを画定するようになっており、それぞれのスパー7が順に長手方向スパーキャビティー21(図7図10)を有するようになっており、長手方向スパーキャビティー21は、横方向に開口しており、相対的なスロット19の統合によって決定されている、第2の部分18。
【0106】
したがって、本発明による製造方法によれば、プリプレグ複合材料の第3の複数の層の積層(すなわち、積層するステップ)は、それぞれのC字形状プロファイル12に関して、以下を含む:
- プロファイル12の一方の軸線方向端部12aからプロファイル12の他方の軸線方向端部12bまで相対的なウィングレット14を積層するステップ(図3);
- 前記軸線方向端部12aから軸線方向座標Xまで第1の部分17を積層するステップ;
- 軸線方向座標Xから前記他方の軸線方向端部12bまで第2の部分18を積層するステップであって、第2の部分18は、貫通スロット19を有しており、貫通スロット19は、軸線方向座標Xから前記他方の軸線方向端部12bまで長手方向に延在しており、相対的な横方向開口部20によって、前記他方の軸線方向端部12bにおいて横方向に開口しており、長手方向において相対的なフランジ13の上の材料の欠如またはボイドを画定するようになっており、それぞれのスパー7が、それぞれのウェブ7aの上において、順に長手方向スパーキャビティー21を有するようになっており、長手方向スパーキャビティー21は、横方向に開口しており、それぞれのスロット19の統合によって決定されている、ステップ。
【0107】
説明されている例では、それぞれのスロット19は、本質的に長方形の形状を有しており、内部頂点は、丸められた軸線方向座標Xに配置されている。
【0108】
好都合なことには、第2の部分18は、1対の対面する長手方向リブ22を有するように積層されており、1対の対面する長手方向リブ22は、それぞれのウィングレット14から片持ち梁状に横断方向に(とりわけ直交方向に)、内向きに、および、軸線方向座標Xから前記他方の軸線方向端部まで長手方向にそれぞれ延在している。
【0109】
リブ22は、それぞれのプロファイル12のフランジ13の一体的なパーツであり、スロット19によって互いから間隔を置いて配置されている。
【0110】
リブ22は、図11に示されているように、相対的なスロット19の境界を長手方向に定めており、それぞれのスパーキャビティー21が、一緒に接合されたリブ22のそれぞれの対によって長手方向に境界を定められている。
【0111】
実際には、それぞれのスパー7が2つのプロファイル12から作製されると、スパー7の第1の軸線方向パーツ(2つのプロファイル12の第1の部分17の統合に対応する)は、ダブルT字断面を有しており、スパー7の第2の軸線方向パーツ(2つのプロファイル12の第2の部分18の統合に対応する)は、ダブルT字断面を有しているが、スパーキャビティー21によって中断されている。より正確には、スパー7の第2の軸線方向パーツの断面は、2つのTを有しており、2つのTは、互いに対してミラー対称に配置されており、キャビティー21によって散在させられている。
【0112】
有利には、上記に説明されているタイプのスロット19をそれぞれ有するプロファイル12を取得するために、それぞれの支持ツール15は、2つの成形突出部分27を含み、突出部分27は、それ自身の外側表面から突出しており、前記2つの軸線方向端部15aおよび15bの間に軸線方向に間置されている所与の軸線方向座標15cから出発して、前記2つの軸線方向端部のうちの1つまで、支持ツール15自体の少なくとも2つの反対側の壁部にわたって延在している。
【0113】
適切には、それぞれの突出部分27は、スロット19に相補的な形状を有している。
【0114】
結果的に、それぞれのプロファイル12の積層は、前記スロット19および前記リブ22を画定するように、前記突出部分27のうちの1つの縁部を取り囲むことによって実施される。
【0115】
したがって、リブ22は、それぞれのスパー7によって画定される構造的な補強の一種の「延長部」を形成している。換言すれば、それぞれのスパー7は、2つの隣り合ったスロット19によって画定されるスパーキャビティー21を有しているが、スパーキャビティー21が始まるポイントからスパー7自体の反対側の軸線方向端部まで継続するリブ22も有している。それによって、それぞれのスパー7は、その延在全体に沿って有効な構造的支持を画定しながら、下記に説明されている利益を実現することを可能にする。
【0116】
本発明による構造体1は、少なくとも1つの補強リブ23をさらに含み、補強リブ23は、構造体1の横断方向セクターS1においてスパー7に対して横断方向に配置されており、構造体1の横断方向セクターS1は、第1の長手方向端部1aと第2の長手方向端部1bとの間に間置された、構造体1自体に沿った所与の長手方向位置(または、「長手方向座標」)を画定している。
【0117】
換言すれば、補強リブ23は、長手方向Aに対して横断方向に延在している。
【0118】
長手方向リブ23の存在は、前述の「センターボックス」の除去の観点から、構造体1を強化すること、ならびに、その安定性およびリジッド性を増加させることを可能にする。
【0119】
そのうえ、補強リブ23の存在は、横断方向セクターS1において、(それ自体は公知であり、詳細には図示または説明されていない)スタビライザー2のティルティング(すなわち、半翼の入射)のための制御システム(たとえば、空気圧式の、オレオダイナミック式の(oleodynamic)、油圧式の、または電気式のピストン)のカップリングを想定することを可能にする。そのような構成は、前述の制御システムからの応力の一部を構造体1の上に(とりわけ補強リブ23の上に)負荷しないことを可能にし、それによって、構造体1の構造的特性および応力に対する抵抗を改善する。
【0120】
本発明によれば、形成モールド11の中のスパー7の配置は、以下によって行われる:
- 相対的なスパーキャビティー21がすべて長手方向Aに対して横断方向に互いに向かい合い、前記第1の長手方向端部1aにすべて配置されるように、スパー7を配向させること;
- スロット19の横方向開口部20が前記第1の長手方向端部1aに配置されるように、スパー7を配向させること;および、とりわけ、
- それぞれのプロファイル12のそれぞれの軸線方向座標Xが(図7から図10に図示されているように)横断方向セクターS1と対応するように、スパー7を配置すること。
【0121】
図示されていない代替的な実施形態において、それぞれのプロファイル12の軸線方向座標Xは、横断方向セクターS1に沿って互いに整合されなくてもよく、したがって、長手方向により細長いまたはより細長くないスロット19を結果として生じさせる。
【0122】
図7および図8を参照すると、本発明による構造体1の中に補強リブ23を実装するプロセスが、ここで説明されることとなる。
【0123】
とりわけ、補強リブ23は、スパーキャビティー21に係合するように、スロット19の横方向開口部20を通して、下側壁部5と上側壁部6との間において、(長手方向Aに対して)横断方向に挿入される。
【0124】
したがって、本発明による方法は、
- スパーキャビティー21に係合するように、第1の長手方向端部1aから出発して、スロット19の横方向開口部20を通して、以前に取得された第1のアッセンブリ16の中へ、補強リブ23を挿入するステップ(図7)と;
- 以前に挿入された補強リブ23を、第2の長手方向端部1bに向けて、横断方向セクターS1まで、キャビティー21の内側で長手方向に前進させるステップ(図8)と;
を含む。
【0125】
好ましくは、補強リブ23の挿入は、補強リブ23をリブ22にスライド様式に連結することによって実施され、一方では、補強リブ23がスライドすることは、補強リブ23自体をリブ22に沿ってスライドさせることによって実施される。
【0126】
この目的のために、補強リブ23は、開口部24を含み、開口部24は、ガイド-スライドシステムを画定するように、リブ22によってスライド式に係合されることが可能である。
【0127】
したがって、補強リブ23は、リブ22とスライド式に連結されている。
【0128】
リブ22(開口部24に係合する傾向がある)の存在は、補強リブ23をアッセンブリ16に位置決めし、連結し、および固定する際に、より高い精度を結果として生じさせる。
【0129】
好都合なことには、補強リブ23は、下側壁部5および上側壁部6のうちの1つとのリジッドの連結によって、横断方向セクターS1において固定される。
【0130】
とりわけ、補強リブ23は、固定部分を含み、固定部分は、釘打ちもしくはリベット打ちによって、または、本明細書では詳細に説明されていない何らかの他の手段によって(たとえば、好ましくは、一緒に連結されていることとなるパーツを適正に準備した後に、特殊な接着剤(たとえば、エポキシ接着剤)を使用した糊付けによって)、壁部5および壁部6のうちの前記1つに固定される。
【0131】
好ましくは、補強リブ23は、C字形状の断面を有しており、中央フランジ23aと、2列のウィングレット23bとを含み、ウィングレット23bは、フランジ23aから片持ち梁状に延在しており、開口部24によって散在させられている。
【0132】
補強リブ23が挿入されると、ウィングレット23bは、それぞれ壁部5および壁部6と接触して同一平面上にあり、補強リブ23は、前記ウィングレット23bにおいて釘打ちまたはリベット打ちされ、それは、したがって、前述の固定部分を画定する。
【0133】
好都合なことには、壁部5および/または壁部6への補強リブ23の前述の固定を実施する前に、連結パーツ間の残留スペースまたはギャップの存在をチェックおよび/または検出すること、そのようなギャップを測定すること、および、必要な場合には、固体または液体のシム(たとえば、塗布の後に固化するペースト)を使用してそれを充填することが可能である。
【0134】
本発明による方法によって取得されるプロファイル12の特異な形状、ひいては、スパー7の特異な形状のおかげで、補強リブ23の挿入は、スパー7を壁部5および壁部6に接合した後でも、ならびに、完成した構造体1の内側を見るためにプローブの使用を行う必要なしに、ならびに、完成した構造体1の中に孔部および/または開口部をドリルする必要なしに、(前述の可能な測定、検出、およびシムの適用と同様に(それも簡単化される))簡単で容易な様式で実施されることが可能である。これは、かなりの時間の節約、および、組み立てエラーの大幅な減少を結果として生じさせ、したがって、アッセンブリの品質を向上させ、構造体1に対する損傷を回避する。
【0135】
有利には、本発明による方法によれば、第1のアッセンブリ16を取得するのに続いて、および、補強リブ23の挿入の前に、第1のアッセンブリ16の硬化が、詳細には説明されていない公知の方法にしたがって実施され、以前に説明された様式にしたがってそれぞれ積層された第1の複数の、第2の複数の、および第3の複数の複合材料層に、所定の温度および圧力を印加する。
【0136】
換言すれば、第1のアッセンブリ16を形成する層は、一緒に硬化される。
【0137】
支持ツール15は、好ましくは、そのような硬化ステップ(図6)の間にモールド11の内側に維持され、キャビティー8を画定するために、および、第1の壁部5と第2の壁部6との間に正しい間隔を決定するために、スパー7に支持を提供するようになっている。
【0138】
より正確には、第1のアッセンブリ16の硬化ステップの間に、硬化圧力が、形成モールド11の内側と支持ツール15の内側の両方に印加され、その壁部は、リジッドの状態から可撓性エラストマー状態への通過によって可撓性にされており、したがって、硬化圧力自体によって押され、プロファイル12にならびに第1の壁部5および第2の壁部6に付着する。
【0139】
好都合なことには、支持ツール15は、硬化温度よりも低く50℃よりも高い温度で、可撓性エラストマー状態を設定するように構成されている。
【0140】
前述の代替的な実施形態のケースでは、それによれば、支持ツール15は、リジッドであり、温度刺激に応答して変形させられ得るポリマーから作製されておらず、上述のようにエンベロープバッグとして知られているものが作製される。したがって、外部バッグの材料が形成モールドの外部表面に向けて収縮されるまで、真空がエンベロープバッグの内側に印加される。したがって、このケースでは、硬化圧力は、チューブ状バッグによって印加され、支持ツール15自体の変形によって印加されるのではない。
【0141】
第1のアッセンブリ16が硬化されると、支持ツール15は、引っ張り抜かれる(除去される)ことが可能であり、したがって、前述のキャビティー8を画定する。
【0142】
補強リブ23は、別個に作製され、金属材料(たとえば、アルミニウム)または前記プリプレグ複合材料から作製されることが可能である。後者のケースでは、補強リブ23は、第1のアッセンブリ16とは別個に硬化される。
【0143】
代替的に、追加的な硬化ステップが、第1のアッセンブリ16および補強リブ23から構成されるアッセンブリに対して実施されることが可能である(すなわち、複合補強リブ23と第1のアッセンブリ16との「共結合(co-bonding)」動作として知られるものが実施される)。
【0144】
ある実施形態において、補強リブ23は、完全にワンピースで作製される。
【0145】
有利には、補強リブ23は、2つの別個のおよび個別のピースで作製されている。詳細には、補強リブ23は、有利には、中央コア25(図では灰色になっている)および長手方向リブレット26(図では白色になっている)を含み、長手方向リブレット26は、中央コア25から片持ち梁状の様式で直交方向に突き出ている。
【0146】
リブレット26は、中央コア25とは別個のおよび個別のピースで作製されており、中央コア25自体にリジッドに連結可能である。
【0147】
先述のものによれば、第1のアッセンブリ16の中での補強リブ23の挿入は、有利には、以下の通りに実施される:
- リブレット26(および、リブレット26のみ)が、第1の長手方向端部1aから出発して、スロット19の横方向開口部20を通して、第1のアッセンブリ16の中へ挿入され、スパーキャビティー21に係合する;
- リブレット26が、キャビティー21に沿って(とりわけ、対応する開口部24によってリブ22とスライド式に連結して)横断方向セクターS1までスライドされる;
- リブレット26が、横断方向セクターS1において固定される;
- 中央コア25が、第1の長手方向端部1aから出発して、スロット19の横方向開口部20を通して(とりわけ、対応する開口部24によってリブ22とスライド式に連結して)、第1のアッセンブリ16の中へ挿入される;
- 中央コア25が、以前に固定されたリブレット26に当接して配置される;および、
- 中央コア25が、(たとえば、リベット打ちもしくは釘打ちによって、または、接着剤による糊付けによって、または、先述のものの組み合わせによって)リブレット26に固定される。
【0148】
説明されている例では、リブレット26は、L字形状の断面を有しており、下側壁部5および/または上側壁部6に固定されるように適合されている第1のセクション26aと、第2のセクション26bとを含み、第2のセクション26bは、第1のセクション26aに対して横断方向(とりわけ直交方向)になっており、中央コア25と固定されるように適合されている。
【0149】
そのような場合では、中央コア25は、また、L字形状の断面を有している。
【0150】
より詳細には、第1のセクション26aは、2列のウィングレット23bのうちの一方を含み、一方では、中央コア25は、2列のウィングレット23bのうちの他方を含む。
【0151】
先述のものによれば、リブレット26は、第1のセクション26aを下側壁部5および/または上側壁部6に固定することによって固定され、中央コア25は、中央コア25を第2のセクション26bに固定することによってリブレット26に固定される。
【0152】
補強リブ23が2つの別個のおよび個別のピース(それらは、一緒に連結されることが可能である)で作製されているという事実のおかげで、補強リブ23の横断方向延在を第1の壁部5と第2の壁部6との間の実際の距離に適合させることが可能であり、その距離は、公称の距離とは異なる可能性がある。その理由は、それがプリプレグ複合材料での製造に固有の比較的に大きな公差誤差の影響を受けやすいからである。これは、補強リブ23と第1のアッセンブリ16との間でのフィラー(シム)の限られた使用(または、全く使用されないこと)を結果として生じさせ、したがって、かなり手間がかかり複雑で時間のかかるシミング動作を回避する。
【0153】
そのうえ、そのような構造上の解決策(2つの別個のおよび個別のピースでの補強リブ23)が技術的におよび/または構造的に有利でない特定のケースでは、補強リブ23は、(上記に述べられているように)完全にワンピースで作製されることが可能である。この後者のケースでは、本発明によるスパー7の特異な形状のおかげで、シムの可能な挿入のための前述のギャップの検出および/または測定が、スロット19、横方向開口部20、およびスパーキャビティー21の存在のおかげで、ならびに、そのような構造的な処置によって確保されるスペースのおかげで、かなり簡単化される。
【0154】
好都合なことには、構造体1は、外部補強エレメント28をさらに含み、外部補強エレメント28は、横断方向セクターS1において、下側壁部5および上側壁部6のうちの少なくとも1つに(たとえば、上側壁部6に)固定されており、下層の補強リブ23の少なくとも一部に重なるようになっている。
【0155】
ある実施形態において、補強エレメント28は、金属材料から作製されている。
【0156】
好ましくは、補強エレメント28は、成形プレート(たとえば、アルミニウムシート)を備えた本体部によって画定されている。
【0157】
補強エレメント28は、好ましくは、下側壁部5および上側壁部6のうちの前記1つに釘打ちまたはリベット打ちされる。
【0158】
ある実施形態において、補強エレメントは、好ましくは、一緒に連結されることとなるパーツが適切に準備された後に、本明細書では詳述されていない何らかの他の手段によって(たとえば、特殊な接着剤(たとえば、エポキシ接着剤)を使用した結合によって、)、下側壁部5および上側壁部6のうちの前記1つに固定される。
【0159】
ある実施形態において、補強エレメント28は、プリプレグ複合材料から作製されている。そのような場合では、補強エレメント28は、別個に硬化され、次いで、下側壁部5および上側壁部6のうちの前記1つに釘打ちもしくはリベット打ちされるか、または、別個に硬化され、次いで、接着剤によって下側壁部5および上側壁部6のうちの前記1つに構造的な結合によって結合されるかのいずれかである。代替的に、補強エレメント28は、プリプレグであることが可能であり、また、高温(および、場合によっては、圧力)共結合によって、下側壁部5および上側壁部6のうちの前記1つと一体的に作製されることが可能である。
【0160】
補強エレメント28の可能な存在は、構造体1の構造的特性を改善する。その理由は、それを通して、通過が起こり、使用時にスタビライザー2に働かされる荷重および応力の分配が起こるからである。詳細には、補強エレメント28は、横断方向セクターS1において、前述のスタビライザー2入射制御システムの連結に続いて、スタビライザーの構造的特性を改善する。
【0161】
横断方向セクターS1は、構造体1の第1の横断方向セクターを画定する。
【0162】
有利には、本発明の非限定的な実施形態によれば、構造体1は、少なくとも1つのさらなる補強リブ29を含み、さらなる補強リブ29は、スパー7に対して横断方向に、第1の横断方向セクターS1と第1の長手方向端部1aとの間に間置されている構造体1の第2の横断方向セクターS2に配置されている。
【0163】
たとえば、補強リブ29は、補強リブ23と第1の長手方向端部1aとの間に途中に配置されている。
【0164】
好ましくは、補強リブ29は、上記に説明されている補強リブ23と同一である。
【0165】
ある実施形態において、補強リブ29は、補強リブ23とは異なる厚さを有している。それによって、補強リブ23、29は、構造体1がその長手方向の延在に沿って曝される異なる荷重に抵抗するのに適切であることとなる。
【0166】
上記によれば、本発明による方法は、そのような場合では、以下のものをさらに含む:
- スパーキャビティー21に係合するように、第1の長手方向端部1aから出発して、スロット19の横方向開口部20を通して、第1のアッセンブリ16(第1の横断方向セクターS1において固定されている補強リブ23をすでに含む)の中へ補強リブ29を挿入すること;および、
- 以前に挿入された補強リブ29を、第2の長手方向端部1bに向けて、第2の横断方向セクターS2まで、長手方向Aに沿ってスパーキャビティー21の中の第1のアッセンブリ16の中へスライドさせること。
【0167】
いくつかの代替的な実施形態において、構造体1は、構造体1の長手方向の延在に応じて、および、とりわけ、スパーキャビティー21に応じて、可能な限り多くの横断方向セクターに配置されている他の補強リブを含むことが可能であるということが留意されるべきである。
【0168】
適切には、このケースでも、補強リブ23に関して上記に説明されているものと同じ様式で、補強リブ29とリブ22とのスライド式の連結によって、スライドが起こる。
【0169】
さらなる補強リブ29の存在は、センターボックスの除去および構造体1自体の結果として生じる長手方向の伸長に続いて、構造体1の構造的特性のさらに顕著な改善を結果として生じさせる。
【0170】
好都合なことには、構造体1は、また、最も外側のスパー7のスパーキャビティー21を閉鎖するように設置されている2つの成形エレメント30を含む(図9および図10)。
【0171】
詳細には、本発明による方法は、以下を含む:
- 補強リブ23の挿入に続いて、および、提供される場合には補強リブ29の挿入に続いて、第1のアッセンブリ16および少なくとも補強リブ23(および、場合によっては、補強リブ29、または、提供される場合には、追加的な補強リブ)を含むアッセンブリの最も外側のスパー7のスパーキャビティー21に、および、それをカバーするように、少なくとも2つの成形閉鎖エレメント30を配置すること;ならびに、
- それぞれのスパーキャビティー21を(好ましくは、全体的に)カバーするように、および、そのように取得された構造体1を横方向に閉鎖するように、相対的なプロファイル12のフランジ13の第2の部分18において、成形エレメント30のそれぞれをそれぞれのスパー7の中央ウェブ7aに固定すること。
【0172】
適切には、それぞれの成形エレメント30は、1つの前記スロット19の形状に相補的な形状を有している。
【0173】
そのような処置のおかげで、スロット19および結果として生じるキャビティー21の存在にもかかわらず、構造体1の構造的な連続性が復元され、それは、動作荷重および応力の改善された分配を結果として生じさせる。
【0174】
ある実施形態において、それぞれの成形エレメント30は、金属材料から作製されており、それぞれのスパー7に釘打ちまたはリベット打ちされる。
【0175】
ある実施形態において、それぞれの成形エレメント30は、プリプレグ複合材料から作製されている。そのような場合では、成形エレメント30は、代替的に、別個に硬化され、次いで、スパー7に釘打ちもしくはリベット打ちされるか、または、接着剤(たとえば、エポキシ接着剤)によって結合され;または、それは、共結合によってスパー7に共硬化される(co-cured)。
【0176】
構造体1の製造方法の特質、および、本発明にしたがって製造される構造体1の特質の調査から、それらが取得することを可能にする利点が明らかである。
【0177】
とりわけ、少なくとも1つの補強リブ23(とりわけ補強リブ23、29)を含み、前述のセンターボックスを欠く飛行機4のスタビライザー2のためのボックス形状の構造体1を簡単で迅速な様式で取得することが可能であり、したがって、構造体1を補強すると同時に、製造プロセスの中に過度の複雑さを導入することを回避する。
【0178】
実際に、本発明による製造方法のおかげで、完成したボックス形状の構造体1の内側の複雑でコストがかかり時間のかかる検出および/または測定プロセスを実施することは必要でない。
【0179】
そのうえ、一般的な組み立て動作を実施するために、または、検出プローブおよび補強エレメントを挿入する目的のために、または、本発明にしたがって上記に説明されている様式において取得されるキャビティー21が提供されるスパー7の特定の形状のおかげで、補強エレメントが構造体1の中に容易に実装されるので、完成した構造体の中に孔部もしくは開口部などをドリル加工することは必要でない。
【0180】
したがって、本発明による方法は、かなりの時間の節約および組み立てエラーの大幅な減少を結果として生じさせ、それによって、アッセンブリの品質を向上させ、構造体1に対する損傷を回避する。また、それは、製造プロセスに関与するオペレーターの一般的な人間工学を改善し、したがって、彼らの安全を改善する(その理由は、追加的な孔部および/または開口部が、完成した構造体1の中にドリル加工される必要がなく、この目的のためにツールを使用することが必要とされないからである)。
【0181】
したがって、本発明による方法および構造体1のおかげで、センターボックスの排除、および、簡単なビームジョイントエレメント(たとえば、比較的に細いダブルT字プロファイル(図2に概略的に示されている))によるその交換は、より容易で実現可能であり、スタビライザー2の中に構造的な臨界を導入しない。
【0182】
この点において、そのようなビームジョイントエレメントの組み立ては、想定される補強支持リブ(たとえば、説明されているような2つの補強リブ23、29)の挿入の後に、容易に実施されることが可能であるということが留意されるべきである。
【0183】
上記を考慮して、構造体1は、センターボックスの除去から結果として生じる材料の欠如を補償するために、長手方向Aに沿って長くされることが可能であるが、しかし、スタビライザー2の製造プロセスの中へ過度の複雑さを導入することはない。
【0184】
そのうえ、補強リブ23の存在は、横断方向セクターS1において、(それ自体は公知であり、詳細には図示または説明されていない)スタビライザー2のティルティングのための前述の制御システム(たとえば、空気圧式の、オレオダイナミック式の、油圧式の、または電気式のピストン)のカップリングを想定することを可能にする。そのような構成は、前述の制御システムからの応力の一部を構造体1の上に(とりわけ補強リブ23の上に)負荷しないことを可能にし、それによって、構造体1の構造的特性および応力に対する抵抗を改善する。そのような条件は、補強エレメント28の可能な存在によってさらに改善される。
【0185】
明らかに、特許請求の範囲によって定義されている保護の範囲から逸脱することなく、本明細書において説明および図示されているような方法および構造体1に変更が行われることが可能である。
【符号の説明】
【0186】
1 構造体、ボックス形状の構造体
1a 第1の長手方向端部、第1端部
1b 第2の長手方向端部、第2端部
2 水平方向スタビライザー、スタビライザー
3 胴体
4 飛行機
5 第1の長手方向壁部、下側壁部
6 第2の長手方向壁部、上側壁部
7 相互接続エレメント、スパー
7a 中央ウェブ、ウェブ
7b ウィング
8 キャビティー
10a 第1の形成プレート
10b 第2の形成プレート
11 形成モールド
12 プロファイル
12a 軸線方向端部
12b 軸線方向端部
13 中央フランジ
14 ウィングレット
15 支持ツール
15a 軸線方向端部
15b 軸線方向端部
15c 軸線方向座標
16 第1のアッセンブリ
17 第1の部分
18 第2の部分
19 貫通スロット
20 横方向開口部
21 長手方向スパーキャビティー
22 長手方向リブ
23 補強リブ
23a 中央フランジ
23b ウィングレット
24 開口部
25 中央コア
26 長手方向リブレット
26a 第1のセクション
26b 第2のセクション
27 突出部分
28 外部補強エレメント
29 補強リブ
30 成形閉鎖エレメント
A 長手方向
B 中心軸線
C 長手方向軸線
S1 第1の横断方向セクター
S2 第2の横断方向セクター
X 軸線方向座標
図1
図1a
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】