(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164007
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】RFによる神経アブレーションの制御コンソール及び付属品並びにRFによる神経アブレーションを行う方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024116016
(22)【出願日】2024-07-19
(62)【分割の表示】P 2019558362の分割
【原出願日】2018-04-17
(31)【優先権主張番号】62/491,615
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506410062
【氏名又は名称】ストライカー・コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】スプリンクル,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベイドン,ハビブ
(72)【発明者】
【氏名】ラッチフォード,ブレイク
(72)【発明者】
【氏名】クランプトン,エドワード
(57)【要約】 (修正有)
【課題】RFによる神経アブレーション用の電気外科システム及び方法を提供する。
【解決手段】高周波(RF)による神経アブレーションのための制御コンソールであって、複数のチャネルと、複数のRF増幅器であって、各RF増幅器が前記複数のチャネルのうちの対応する1つのチャネルにエネルギーを送る、複数のRF増幅器と、前記複数のRF増幅器に接続され、前記複数のRF増幅器の各々を個別にかつ独立して制御するための制御信号を生成し、対応するチャネルにエネルギーを送る各RF増幅器に対して複数の前記制御信号を1つずつ逐次的に印加するコントローラとを備える制御コンソール。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)による神経のアブレーションのための制御コンソールを制御する方法で
あって、
前記制御コンソールは、複数のチャネルと、複数のRF増幅器であって、各RF増幅器
が前記複数のチャネルのうちの対応する1つのチャネルにエネルギーを送る、複数のRF
増幅器と、前記複数のRF増幅器に接続されるコントローラとを備え、
前記コントローラを用いて、前記複数のRF増幅器の各々を個別にかつ独立して制御す
るための制御信号を生成するステップと、
前記コントローラを用いて、対応するチャネルにエネルギーを送る各RF増幅器に対し
、複数の前記制御信号を1つずつ逐次的に印加するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記逐次的に印加するステップは、各々が各RF増幅器に確保された一連のタイムスロ
ットにおいて複数の前記制御信号を各RF増幅器に印加するステップを更に含み、
あるRF増幅器に対する前記制御信号の印加を、他のRF増幅器に確保されたタイムス
ロットにおいては停止するステップを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数の前記制御信号の逐次的な印加により、前記複数のチャネルにおいて非同時のエネ
ルギー供給がなされる、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
複数の前記制御信号の逐次的な印加は、複数の前記RF増幅器に対して等分されたタイ
ムスロットにおいて行われる、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
複数の前記制御信号の逐次的な印加により、各チャネルはFヘルツの周波数で循環する
出力を有し、Fは1/Tに等しく、Tは秒単位の複数の前記タイムスロットの合計によっ
て定められる周期である、請求項2~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記周波数は、2ヘルツの運動刺激感度よりも高く、及び/又は、50ヘルツの感覚刺
激感度よりも高い、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記周波数は、12.5ヘルツ~2500ヘルツの定められた範囲内にあり、
Tは、0.0004秒~0.08秒の定められた範囲内にある、請求項5又は6に記載
の方法。
【請求項8】
前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルに接続される電極を用いて、対象となる位
置にエネルギーを送るステップと、
前記コントローラを用いて、1つ以上の治療パラメータを監視するステップと、
監視された前記1つ以上の治療パラメータに基づいて、前記電極が接続されているチャ
ネルのためのRF増幅器の制御信号を生成するステップと
を更に含む請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記制御信号の生成は更に、各RF増幅器の電源電圧の生成として定められ、
前記コントローラを用いて、監視された前記1つ以上の治療パラメータに基づき、各R
F増幅器の電源電圧の限度を定めるステップを更に含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記コントローラを用いて、監視された前記1つ以上の治療パラメータに基づき、複数
の前記RF増幅器のうちの1つのRF増幅器に確保されたタイムスロットの時間を再配分
するステップを更に含む請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
高周波(RF)による神経アブレーションのための制御コンソールであって、
複数のチャネルと、
複数のRF増幅器であって、各RF増幅器が前記複数のチャネルのうちの対応する1つ
のチャネルにエネルギーを送る、複数のRF増幅器と、
前記複数のRF増幅器に接続され、前記複数のRF増幅器の各々を個別にかつ独立して
制御するための制御信号を生成し、対応するチャネルにエネルギーを送る各RF増幅器に
対して複数の前記制御信号を1つずつ逐次的に印加するコントローラと
を備える制御コンソール。
【請求項12】
前記コントローラは、各々が各RF増幅器に確保された一連のタイムスロットにおいて
複数の前記制御信号を各RF増幅器に対して逐次的に印加し、
前記コントローラは更に、あるRF増幅器に対する前記制御信号の印加を、他のRF増
幅器に確保されたタイムスロットにおいては停止する、
請求項11に記載の制御コンソール。
【請求項13】
複数の前記チャネル間におけるエネルギー供給が非同時である、請求項11又は12に
記載の制御コンソール。
【請求項14】
複数の前記タイムスロットが、複数の前記RF増幅器に対して等分される、請求項12
又は13に記載の制御コンソール。
【請求項15】
各チャネルは、Fヘルツの周波数で循環する出力を有し、Fは1/Tに等しく、Tは秒
単位の複数の前記タイムスロットの合計によって定められる周期である、請求項12~1
4のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項16】
前記周波数は、2ヘルツの運動刺激感度よりも高く、及び/又は、50ヘルツの感覚刺
激感度よりも高い、請求項15に記載の制御コンソール。
【請求項17】
前記周波数は、12.5ヘルツ~2500ヘルツの定められた範囲内にあり、
Tは、0.0004秒~0.08秒の定められた範囲内にある、請求項15又は16に
記載の制御コンソール。
【請求項18】
前記複数のチャネルのうちの1つのチャネルに接続され、対象となる位置にエネルギー
を送る電極を更に備え、
前記コントローラは、1つ以上の治療パラメータを監視し、監視された前記1つ以上の
治療パラメータに基づいて、前記電極が接続されているチャネルのためのRF増幅器の制
御信号を生成する、
請求項11~17のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項19】
前記コントローラは、各RF増幅器の電源電圧を定めることにより前記制御信号を生成
し、監視された前記1つ以上の治療パラメータに基づいて各RF増幅器の電源電圧の限度
を定める、請求項18に記載の制御コンソール。
【請求項20】
前記コントローラは、監視された前記1つ以上の治療パラメータに基づき、複数の前記
RF増幅器のうちの1つのRF増幅器に確保されたタイムスロットの時間を再配分する、
請求項18又は19に記載の制御コンソール。
【請求項21】
監視された前記1つ以上の治療パラメータは、前記対象となる位置における温度と患者
・回路間インピーダンスとの少なくともいずれかである、請求項18~20のいずれか1
項に記載の制御コンソール。
【請求項22】
4つのRF増幅器と4つの対応するチャネルとを更に備える請求項11~21のいずれ
か1項に記載の制御コンソール。
【請求項23】
各RF増幅器の出力へのリレーを備え、
各リレーは、事前に設定され、対応するRF増幅器のアクティブ化による制限を受けず
に制御可能である、請求項11~22のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項24】
高周波(RF)による神経アブレーションのための制御コンソールであって、
刺激信号を出力する刺激発生器と、
前記刺激信号を受信する較正要素と、
前記較正要素が前記刺激信号を受信したことに基づく読み取り値を生成する検知回路と
、
前記検知回路に接続され、前記読み取り値を解析し、前記読み取り値の解析に基づいて
前記検知回路を較正するコントローラと
を備える制御コンソール。
【請求項25】
前記コントローラは更に、前記読み取り値を解析し、前記刺激信号の出力中に刺激障害
が発生したかどうかを判断する、請求項24に記載の制御コンソール。
【請求項26】
前記コントローラは、前記較正要素の適切な電気接続を確認する、請求項24又は25
に記載の制御コンソール。
【請求項27】
前記コントローラは、前記読み取り値を所定の値又は所定の値の範囲と比較することに
より前記読み取り値を解析する、請求項24~26のいずれか1項に記載の制御コンソー
ル。
【請求項28】
RFによる神経アブレーション用に構成された1つ以上のアタッチメントを受け入れる
インタフェースと、
前記刺激発生器から前記インタフェースを経て前記1つ以上のアタッチメントへと前記
刺激信号を送ることを可能にする、前記刺激発生器と前記インタフェースとの間の出力回
路経路と、
前記1つ以上のアタッチメントから前記インタフェースを経て前記刺激発生器へと前記
刺激信号を帰還させることを可能にする、前記インタフェースと前記刺激発生器との間の
帰還回路経路と
を更に備える請求項24~27のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項29】
前記較正要素の一方の端部と前記出力回路経路との間の較正出力回路経路と、
前記較正要素の他方の端部と前記帰還回路経路との間の較正帰還回路経路と、
前記較正要素と前記出力回路経路との間又は前記較正要素と前記帰還回路経路との間に
接続される少なくとも1つのリレーと
を更に備える請求項24~28のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項30】
前記コントローラは、前記少なくとも1つのリレーを閉じ、前記較正要素が前記刺激信
号を受信できるようにする、請求項29に記載の制御コンソール。
【請求項31】
第2の検知回路と、インピーダンス信号を出力するインピーダンス発生器とを更に備え
、
前記較正要素は更に、前記インピーダンス信号を受信し、
前記第2の検知回路は、前記較正要素が前記インピーダンス信号を受信したことに基づ
く第2の読み取り値を生成し、
前記コントローラは更に、前記第2の読み取り値を解析し、前記第2の読み取り値の解
析に基づいて前記第2の検知回路を較正する、
請求項24~30のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項32】
インピーダンス信号を出力するインピーダンス発生器を更に備え、
前記出力回路経路は、前記インピーダンス発生器から前記インタフェースを経て前記1
つ以上のアタッチメントへと前記インピーダンス信号を送ることを可能にするように更に
構成され、
前記帰還回路経路は、前記1つ以上のアタッチメントから前記インタフェースを経て前
記インピーダンス発生器へと前記インピーダンス信号を帰還させることを可能にするよう
に更に構成されている、請求項28に記載の制御コンソール。
【請求項33】
前記出力回路経路及び前記帰還回路経路に接続される多重化回路を更に備え、
前記コントローラは、前記多重化回路を制御して、前記多重化回路が前記刺激発生器又
は前記インピーダンス発生器を前記出力回路経路及び前記帰還回路経路に選択的に接続す
ることを可能にする、請求項32に記載の制御コンソール。
【請求項34】
前記較正要素が高精度抵抗器である、請求項24~33のいずれか1項に記載の制御コ
ンソール。
【請求項35】
前記刺激信号が電圧信号であり、
前記検知回路が電流検知回路であり、
前記読み取り値が電流読み取り値である、請求項24~34のいずれか1項に記載の制
御コンソール。
【請求項36】
前記刺激信号は、感覚神経刺激又は運動神経刺激のためのものである、請求項24~3
5のいずれか1項に記載の制御コンソール。
【請求項37】
高周波(RF)による神経アブレーションのための制御コンソールを動作させる方法で
あって、前記制御コンソールは、刺激発生器と較正要素と検知回路とコントローラとを備
え、
前記シミュレーション発生器を用いて刺激信号を出力するステップと、
前記較正要素を用いて前記刺激信号を受信するステップと、
前記較正要素が前記刺激信号を受信したことに基づいて、前記検知回路を用いて読み取
り値を生成するステップと、
前記コントローラを用いて前記読み取り値を解析するステップと、
前記コントローラを用いて、前記読み取り値の解析に基づき前記検知回路を較正するス
テップと
を含む方法。
【請求項38】
前記読み取り値の解析は更に、前記刺激信号の出力中に刺激障害が発生したかどうかの
判断を伴う、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記制御コンソールの電気ポートに前記較正要素を受け入れるステップを更に含む請求
項37又は38に記載の方法。
【請求項40】
前記較正要素が受け入れられた後に、前記コントローラが前記較正要素の適切な電気接
続を確認するステップを更に含む請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記読み取り値の解析は、前記読み取り値を所定の値又は所定の値の範囲と比較するこ
とを含む、請求項37~40のいずれか1項に記載の方法。
【請求項42】
前記制御コンソールのインタフェースにおいて、RFによる神経アブレーションのため
の1つ以上のアタッチメントを受け入れるステップと、
前記刺激発生器から、前記刺激発生器と前記インタフェースとの間の出力回路経路を経
て前記1つ以上のアタッチメントへと前記刺激信号を送るステップと、
前記1つ以上のアタッチメントから、前記インタフェースと前記刺激発生器との間の帰
還回路経路を経て前記刺激発生器へと前記刺激信号を帰還させるステップと
を更に含む請求項37~41のいずれか1項に記載の方法。
【請求項43】
インピーダンス発生器を用いてインピーダンス信号を出力するステップと、
前記較正要素を用いて前記インピーダンス信号を受信するステップと、
前記較正要素が前記インピーダンス信号を受信したことに基づいて、第2の検知回路を
用いて第2の読み取り値を生成するステップと、
前記コントローラを用いて前記第2の読み取り値を解析するステップと、
前記コントローラを用いて、前記第2の読み取り値の解析に基づき前記第2の検知回路
を較正するステップと
を更に含む請求項37~42のいずれか1項に記載の方法。
【請求項44】
インピーダンス発生器を用いてインピーダンス信号を出力するステップと、
前記インピーダンス発生器から前記出力回路経路を経て前記1つ以上のアタッチメント
へと前記インピーダンス信号を送るステップと、
前記1つ以上のアタッチメントから前記帰還回路経路を経て前記インピーダンス発生器
へと前記インピーダンス信号を帰還させるステップと
を更に含む請求項37~43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
前記コントローラを用いて、前記出力回路経路及び前記帰還回路経路に接続される多重
化回路を制御するステップと、
前記多重化回路を用いて、前記刺激発生器又は前記インピーダンス発生器を前記出力回
路経路及び前記帰還回路経路に選択的に接続するステップと
を更に含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記刺激信号の出力は、感覚神経刺激又は運動神経刺激のために行われる、請求項37
~45のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示内容は、高周波(radio frequency, RF)による神経のアブレーション(
切除、焼灼)を行う電気外科コンソール並びにその神経アブレーションに関連した方法及
び付属品(アクセサリ)に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本特許出願は、2017年4月28日に出願された米国仮特許出願第62/491,6
15号の優先権及び全ての利益を主張するものであり、その仮特許出願の開示内容は、引
用することによりその全体が本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
神経に基づく痛みを治療するべく罹患した感覚神経のアブレーションを行うために、R
Fエネルギーが一般に利用される。従来、単一のRF増幅器を有する電気外科コンソール
から、その制御コンソールに接続された電極に対して複数のチャネルを通じてRFエネル
ギーが送られる。これらの電極は治療位置に置かれ、電極を通じてRFエネルギーを印加
することによって、RFによる損傷(lesion)が生じ、それによって、罹患した神経のア
ブレーションが行われる。
【0004】
電気外科コンソールの1つの欠点は、単一のRF増幅器を用いることの限界に起因する
ものである。患者の痛みを広範囲にわたって緩和するには、多くの場合、複数の位置の治
療が必要となる。例えば、RF神経アブレーション手技の大部分は、3つ以上の別個の位
置に損傷を与えることを必要とする。手技を効率良く行うには、複数の位置を同時に治療
する必要がある。複数のチャネルを用いることによって複数の位置の治療を同時並行して
行うことを特徴とするRF神経アブレーションシステムが存在する。しかし、そのような
システムは、一般に、複数のチャネルにより共有される単一のRF増幅器を利用する。各
治療位置へのRFエネルギーの供給を調節するために、各チャネルの温度フィードバック
によって、閉ループ制御を用いることができる。
【0005】
単一のRF増幅器を用いることによって複数の位置に同時並行してRF損傷を引き起こ
す2つの基本的手法がある。この単一のRF増幅器によって複数の神経位置に損傷を与え
ることは、単一のRF増幅器からの出力エネルギーを複数の位置に同時に印加することに
よって行うこともできるし、単一のRF増幅器の出力エネルギーを、複数の位置に対して
同時にではなく順次、印加することによって行うこともできる。両手法は、複数の位置を
治療するものであるが、単一のRF増幅器の使用に限られている。単一のRF増幅器を用
いることで、エネルギー同時供給の方法、及び非同時のタイムスライス型供給方法の双方
ともに欠点がある。
【0006】
単一のRF増幅器から複数の位置にRFエネルギーを同時に印加すると、各位置に送ら
れるRFエネルギーを、限られた能力でしか制御することができない。各位置に送られる
電力は、各位置から共通の帰還位置までの患者・回路間インピーダンスによる影響を強く
受ける。各損傷位置を効果的に治療するのに必要とされる電力レベルは、通常発生する、
血管等の全ての患者に存在する解剖学的なばらつきによる影響を受ける。この方法では、
各チャネルを十分に独立して制御することは可能ではない。全てのチャネルがそれらのそ
れぞれの設定温度を達成するには、出力電力レベルを、最も要求の厳しい位置によって必
要とされるレベルに設定しなければならない。RF出力振幅を調節するのに単一の制御ル
ープが用いられる。チャネル別の制御は、治療位置の単純なオン・オフ選択に限られる。
【0007】
非同時エネルギー供給であれば、十分に独立した制御ループが可能となるが、単一のR
F増幅器からの非同時タイムスライスを実際に実施したものは、機械式リレーを利用して
、RF出力波形を様々なチャネルに導く要件によって制限される。動作を信頼性のあるも
のとするには、リレー状態をスイッチングする前にRF出力を停止し、リレー接点が新た
な状態に定着するまでRF出力を再開しないことが必要である。それによって、チャネル
間のタイムスライススイッチングは、比較的低い周波数に制限される。例えば、幾つかの
制御コンソールは、約2ヘルツのチャネル出力サイクルを特徴として備える。単一のRF
増幅器からのRF出力エネルギーのそのような低い周波数スイッチングは、不慮の神経筋
刺激の形で望ましくない患者刺激の可能性を高める。低い周波数サイクル中に比較的長い
オフ時間が発生すると、損傷位置を治療温度にまで加熱することがますます困難になる。
単一のRF増幅器からの非同時タイムスライスに関連した別の欠点は、チャネル間のスイ
ッチング時にRF増幅器の出力電力レベルの大きさを瞬時に変化させることに関連した実
用的な限界である。
【0008】
従来の電気外科コンソールの別の欠点は、従来のコンソールが患者への刺激エネルギー
の適切な供給を確認することができないことによるものである。神経アブレーション手技
の安全性及び有効性は、電極を治療位置に適切に配置することに大きく依存する。電極は
、アブレーションの対象となる神経に近接して配置されなければならず、そうでない場合
は手技の有効性が低下する。同様に、電極は、運動神経又は回避されるべき他の組織に近
接して配置されないことも重要であり、さもなければ、患者は、誤った位置に変化を与え
たことに関連した運動機能の喪失又は別の不都合な副作用を受けるおそれがある。
【0009】
電極の配置は、視覚化ガイダンス、最も一般的にはCアームX線透視法を用いることに
よって容易になる。骨構造及び金属電極は、X線撮像機器によってかなり良好に視覚化さ
れるが、神経線維は、この撮像技術を用いても可視化されない。透視法のもとで見える骨
構造は、十分に確立された神経経路に近接した電極の配置を指示するナビゲーション用ラ
ンドマークとしての機能を果たす。
【0010】
視覚化ガイダンスの次に、各電極に印加された電気刺激からの患者のフィードバックを
、適切な電極配置を確認する補足手段として電極配置プロセス時に利用することができる
。2つの別個の形態の電気刺激、すなわち、感覚神経刺激及び運動神経刺激がある。電気
外科コンソールは、感覚波形又は運動波形の選択と、選択された刺激の所望の振幅の選択
とを可能にする。患者の反応は、電極配置を評価する補助手段をユーザに提供する。
【0011】
感覚神経刺激は、感覚神経応答を引き出すように最適化される。アブレーションのため
に選択された感覚神経に近接しているかどうかは、電極に感覚神経刺激を印加することに
よって評価することができる。他方、運動神経刺激は、運動神経応答を引き出すように最
適化される。回避しなければならない運動神経からの間隔は、電極に運動神経刺激を印加
することによって評価することができる。
【0012】
従来の電気外科コンソールによれば、選択された波形が患者に到達することを抑制する
、検出されないハードウェア障害が発生する可能性がある。運動刺激回路構成又は波形転
送回路構成における障害が検出されない場合、医師は、誤った患者フィードバックに基づ
いて神経アブレーション手技を進めるおそれがあり得る。この状況は、不慮の運動神経損
傷の危険性を高めるおそれがある。
【0013】
その上、従来の電気外科コンソールのアタッチメントケーブルの管理は、困難であるこ
とが分かっている。電気外科コンソールを用いて神経アブレーションを行う種々のタイプ
の電極及び電極構成が存在する。例として、モノポーラ電極、バイポーラ自己接地式電極
及び並列バイポーラ形式で動作するデュアルモノポーラ電極がある。これらの種々のタイ
プの電極及び電極構成は、多くの場合、電極のうちの1つ以上を、電気外科コンソールの
チャネルの幾つかの異なる組み合わせのうちの1つにつなぐアタッチメントケーブルの変
更を要する。バイポーラ自己接地式電極には、特有の課題がある。モノポーラ電極は、電
気外科コンソールの1つのチャネルを利用するのに対して、バイポーラ自己接地式電極は
、電気外科コンソールの2つのチャネルを利用する。バイポーラ自己接地式アタッチメン
トを適切に動作させるアタッチメントケーブルの変更は特に煩雑である。取り付けられた
付属品に合うようにアタッチメントケーブルを変更する必要があることは、使用エラーの
発生を増加させることが分かっている。その上、アタッチメントケーブルが電気外科コン
ソールから接続解除されると、誤った場所に置かれる傾向があることもよく知られている
。
【0014】
さらに、バイポーラ自己接地式電極は、電気外科コンソールの2つのチャネルを利用す
るが、バイポーラ自己接地式の各電極は、単一の位置に単一の変化を生じさせることに限
られる。電気外科コンソールは、通常、実用上の理由から4つ以下のチャネルしか装備し
ていない。したがって、バイポーラ自己接地式電極を用いると、電気外科コンソールの能
力は、どの時点においても2つ以下のバイポーラ自己接地式の変化の発生に限られる。
【0015】
従来の電気外科コンソールの更に別の欠点は、コンソールによって利用される電極又は
ケーブル付属品に関連したデータを追跡及び表示することができないことにある。認証及
び/又は使用計測(use metering)を目的として、電子デバイス(例えば、電気的消去可
能プログラマブルリードオンリメモリ、すなわち、EEPROM)を医療デバイス付属品
内に組み込むことが知られている。例えば、電子デバイスは、付属品が接続されるメイン
ユニットに対して付属品を識別するように機能する。電子デバイスは、通常、使用メータ
(use meter)として機能する書き込み可能部分を備える。付属品が、サポートされた付
属品として識別されない場合、メインユニットは、取り付けられた付属品を用いた動作を
無効にする。付属品が用いられると、メインユニットは、単一の患者のみへの使用である
ことを意図した付属品の今後の使用を禁止するために、付属品を「使用済み」として効果
的にマーキングする書き込みを組み込みデバイスに行う。
【0016】
神経アブレーションの分野では、認証セクション及びオドメータデータ構造体を有する
EEPROMを収容するコネクタを有する電極を設けることが知られている。認証コード
が、サポートされた付属品として電気外科コンソールによって識別されない場合、電気外
科コンソールは、その取り付けられた電極を用いた動作を無効にする。
【0017】
幾つかの電気外科コンソールは、電極の使用データを読み取り、オドメータが所定の値
にインクリメントされた後、取り付けられた付属品が、その有用な寿命の終了に近づいて
いる可能性がある警告メッセージをユーザに提供するように構成されている。しかしなが
ら、オドメータ値は、ユーザに決して表示されず、データは、電気外科コンソールに記憶
されない。したがって、電極が電気外科コンソールから接続解除されると、使用データ、
並びに認証データ及び識別データは即座に消える。この問題は、医療機関がそれらの在庫
に各タイプの電極を多数有する場合があることから悪化する。したがって、従来の電気外
科コンソールのユーザは、コンソールに接続されている電極又は接続されていた電極に関
連したデータを追跡及び表示する実用的な方法を有していない。神経アブレーションの分
野におけるケーブル付属品の認証データ及び使用量データの追跡は、ほぼ存在していない
。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、従来の電気外科コンソール及びそれらの付属品を取り巻く少なくとも前述
の問題に対処する必要性が依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0019】
RFによる神経アブレーションのための制御コンソールを制御する一例示の方法が提供
される。該制御コンソールは、複数のチャネル、及び、該複数のチャネルのうちの対応す
る1つにエネルギーを送るように各々専用化された複数のRF増幅器、並びに、該RF増
幅器に接続されたコントローラを備える。本方法は、前記コントローラを用いて、前記R
F増幅器の各々を個別に独立して制御する制御信号を生成することを含む。前記コントロ
ーラは、前記対応するチャネルにエネルギーを送る各RF増幅器に前記制御信号を一時に
1つずつ順次印加する。
【0020】
高周波(RF)による神経アブレーションのための制御コンソールの一例が提供される
。該制御コンソールは複数のチャネルを備える。複数のRF増幅器が、前記複数のチャネ
ルのうちの対応する1つにエネルギーを送るように各々専用化されている。前記RF増幅
器に接続されるコントローラが、前記RF増幅器の各々を個別に独立して制御する制御信
号を生成し、該制御信号を各RF増幅器に一時に1つずつ順次印加して前記対応するチャ
ネルにエネルギーを送るように構成されている。
【0021】
ケーブル付属品の1つの例が提供される。該ケーブル付属品は、モノポーラ電極アタッ
チメント及び/又はバイポーラ自己接地式電極アタッチメントを制御コンソールに相互接
続するように構成される。前記制御コンソールは、1つ以上のチャネルを通じて前記電極
アタッチメントのうちの1つ以上を通電し、RFによる神経アブレーションを実行するよ
うに構成される。該ケーブル付属品は、前記制御コンソールに接続するように構成された
第1のインタフェースと、前記モノポーラ電極アタッチメント及び/又は前記バイポーラ
自己接地式電極アタッチメントに接続するように構成された第2のインタフェースとを備
える。該ケーブル付属品は、どの電極アタッチメントが前記第2のインタフェースに接続
されているのかに応じて、前記制御コンソールの1つのチャネルから前記モノポーラ電極
アタッチメント又は前記バイポーラ自己接地式電極アタッチメントへの信号出力に対応す
る、前記第1のインタフェースと前記第2のインタフェースとの間に接続される出力回路
経路を備える。前記バイポーラ自己接地式電極アタッチメントから前記制御コンソールの
前記1つのチャネルへの信号帰還に対応する第1の帰還回路経路が、前記第1のインタフ
ェースと前記第2のインタフェースとの間に接続される。
【0022】
ケーブル付属品の別の例が提供される。該ケーブル付属品は、1つ以上の電極アタッチ
メントを制御コンソールに相互接続するように構成される。前記制御コンソールは、1つ
以上のチャネルを通じて前記1つ以上の電極アタッチメントを通電して、RFによる神経
アブレーションを実行するように構成される。該ケーブル付属品は、前記制御コンソール
に接続するように構成された第1のインタフェースと、前記1つ以上の電極アタッチメン
トに接続するように構成された第2のインタフェースとを備える。前記第1のインタフェ
ースと前記第2のインタフェースとの間に回路が接続され、前記第1のインタフェースと
前記第2のインタフェースとの間の複数の電気経路構成のうちの1つ以上を選択し、それ
によって、前記1つ以上の電極アタッチメントと前記制御コンソールの前記1つ以上のチ
ャネルとの間の相互接続に対応するように制御可能なスイッチ装置を備える。
【0023】
RFによる神経アブレーションのための制御コンソールの別の例が提供される。該制御
コンソールは、ディスプレイと、コントローラと、1つ以上のプロセッサと、インタフェ
ースとを備える。該インタフェースは、RFによる神経アブレーションに適したアタッチ
メントを受け入れ、各アタッチメントのメモリデバイスと前記コントローラとの間の接続
を容易にするように構成される。各メモリデバイスは、前記アタッチメントを識別する識
別データと、前記アタッチメントの使用量を識別する使用量データとを記憶する。該制御
コンソールは、命令を記憶している非一時的メモリを備え、該命令は、前記1つ以上のプ
ロセッサによって実行されると、前記インタフェースにより受け入れられた前記アタッチ
メントに関連した前記識別データ及び前記使用量データを読み取り及び記憶するように構
成されている。前記記憶された識別データ及び使用量データは処理される。前記命令は、
実行されると、処理された識別データ及び使用量データのデジタル表現を前記ディスプレ
イ用に生成する。
【0024】
RFによる神経アブレーションのための制御コンソールを動作させる方法の別の例が提
供される。前記制御コンソールは、ディスプレイと、コントローラと、RFによる神経ア
ブレーションに適したアタッチメントを受け入れるように構成されたインタフェースとを
備える。各アタッチメントは、前記アタッチメントを識別する識別データと、前記アタッ
チメントの使用量を識別する使用量データとを記憶するメモリデバイスを備える。本方法
は、前記制御コンソールが、前記アタッチメントに関連した前記識別データ及び前記使用
量データを前記メモリデバイスから読み取るステップと、前記識別データ及び前記使用量
データを記憶するステップとを実行することを含む。前記記憶された識別データ及び使用
量データは処理される。前記制御コンソールは、前記処理された識別データ及び使用量デ
ータのデジタル表現を生成し、前記ディスプレイを用いて前記デジタル表現を表示する。
【0025】
RFによる神経アブレーションのための制御コンソールの更に別の例が提供される。該
制御コンソールは、刺激信号を出力するように構成された刺激発生器と、前記刺激信号を
受信するように構成された較正要素とを備える。検知回路が、前記較正要素が前記刺激信
号を受信したことに基づいて読み取り値を生成するように構成されている。前記検知回路
に接続されるコントローラが、前記読み取り値を解析し、前記読み取り値の解析に基づい
て前記検知回路を較正するように構成されている。
【0026】
RFによる神経アブレーションのための制御コンソールを動作させる方法の更に別の例
が提供される。前記制御コンソールは、刺激発生器と、較正要素と、検知回路と、コント
ローラとを備える。該方法は、シミュレーション発生器を用いて刺激信号を出力すること
と、前記較正要素を用いて前記刺激信号を受信することとを含む。前記検知回路は、前記
較正要素が前記刺激信号を受信したことに基づいて読み取り値を生成する。前記コントロ
ーラは、前記読み取り値を解析し、該読み取り値の解析に基づいて前記検知回路を較正す
る。
【0027】
本明細書において説明される制御コンソール、ケーブル付属品、及び方法の利点、並び
にそれらの例は、本明細書に提供される説明を参照することで理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】接地パッドアセンブリと、1つ以上の電極アタッチメントに接続可能なケーブル付属品とが接続可能である制御コンソールを備えるRF神経アブレーションの電気外科システムの1つの例の斜視組立図である。
【
図2】制御コンソール、ケーブル付属品、及び1つ以上の電極アタッチメントの幾つかの構成要素及び特徴部のブロック図である。
【
図3】電極アタッチメントがモノポーラであり、モノポーラモードにおいて動作している一例において制御コンソールによって生成されるRF出力信号のフローを示す図である。
【
図4】電極アタッチメントがモノポーラであり、並列バイポーラモードにおいて動作している一例において制御コンソールによって生成されるRF出力信号のフローを示す図である。
【
図5】電極アタッチメントがバイポーラ自己接地式電極を備える一例において制御コンソールによって生成されるRF出力信号のフローを示す図である。
【
図6】モノポーラモードにおいて動作する
図3のモノポーラ電極アタッチメントに対応するように構成されている制御コンソールの構成要素の回路図である。
【
図7】並列バイポーラモードにおいて動作する
図4のモノポーラ電極アタッチメントに対応するように構成されている制御コンソールの構成要素の回路図である。
【
図8】制御コンソールの内部チャネル(CH2/CH3)の間でインタリーブされる並列バイポーラモードにおいて動作するモノポーラ電極アタッチメントに対応するように構成されている制御コンソールの構成要素の回路図である。
【
図9】
図5のバイポーラ自己接地式電極アタッチメントに対応するように構成されている制御コンソールの構成要素の回路図である。
【
図10】モノポーラ電極アタッチメントがモノポーラモードにおいて動作している
図6について、制御コンソール内の複数のRF増幅器への入力制御信号の印加を示すチャートである。
【
図11】モノポーラ電極アタッチメントが並列バイポーラモードにおいて動作している
図7について、制御コンソール内の複数のRF増幅器への入力制御信号の印加を示すチャートである。
【
図12】バイポーラ自己接地式電極アタッチメントの動作に関する
図9について、制御コンソール内の複数のRF増幅器への入力制御信号の印加を示すチャートである。
【
図13】
図1の例におけるケーブル付属品の斜視図である。
【
図14】ケーブル付属品が受動的に利用される1つの例によるケーブル付属品の回路構成の図である。
【
図15】ケーブル付属品が能動的に動作可能である別の例によるケーブル付属品の回路構成の図である。
【
図16】
図15の能動的に動作されるケーブル付属品内のリレーの回路構成の図である。
【
図17】ケーブル付属品のリレーに適用されるタイムスライス技法に従って能動的に動作可能なケーブル付属品の別の例のブロック図である。
【
図19】1つの例による刺激及びインピーダンスの検証及び較正を可能にするように構成されている制御コンソールの構成要素の回路図である。
【
図20】1つの例による、制御コンソールに接続されているか又は接続されていた様々な電極アタッチメントの識別データ、使用量データ、及びエラーデータを示す制御コンソールのディスプレイ上に表示可能なグラフィカルユーザインタフェースのサンプル図である。
【
図21】1つの例による、制御コンソールに接続されているか又は接続されていた電極アタッチメントに関する制御コンソールのエラーログを示すグラフィカルユーザインタフェースのサンプル図である。
【
図22】1つの例による、制御コンソールに接続されているか又は接続されていた選択された電極アタッチメントのエラーログを示すグラフィカルユーザインタフェースのサンプル図である。
【
図23】1つの例による、ケーブル付属品と、このケーブル付属品に接続されたそれぞれの電極アタッチメントとの要約を示すグラフィカルユーザインタフェースのサンプル図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
[I.概観]
図を参照する。図において、同様の参照符号は、幾つかの図を通して同様の部分又は対
応する部分を示している。制御コンソール30と、制御コンソール30に接続するように
構成されているケーブル付属品(ケーブルアクセサリ)32とを有する電気外科システム
20が提供される。
図1に示すように、電極E1~E4を有する1つ以上の電極アセンブ
リ34が、制御コンソール30に、直接又はケーブル付属品32を通じて接続するように
構成されている。接地パッド36が、以下で説明するように、幾つかの構成において制御
コンソール30に接続される場合がある。電気外科システム20、制御コンソール30、
及びケーブル付属品32を動作させる方法を、本明細書において更に説明する。
【0030】
電気外科システム20は、患者組織、具体的には、患者の脊髄領域における神経等の神
経のRFによる治療又はRFによる変容のためのものである。制御コンソール30は、制
御された無線周波数の電気エネルギーを生成し、このエネルギーを電極E1~E4のうち
の1つ以上に通電する。
【0031】
痛みの管理の手技である1つの例では、電気外科システム20は、神経細胞がもはや機
能しない状態にまで神経細胞を変容させるために用いられる。神経細胞の変容は、損傷(
lesion)の形成をもたらす。制御コンソール30は、対象となる神経組織に対する温度制
御されたRFエネルギーを、電極アセンブリ24に印加する。
【0032】
電気外科システム20は、「パルスモード」においても用いることができる。RFエネ
ルギーは、熱損傷を生成するのではなく、組織温度の上昇が細胞の致死レベル未満に維持
される十分に低いデューティサイクルを有するパルスとされる。痛みの緩和は、パルスR
Fエネルギーによって生成されたパルス電磁場を通じて神経組織を変容させることによっ
てなされる。この神経組織の変容は、ひいては、神経内の遺伝子発現に影響を与える。
【0033】
電気外科システム20は、脊髄の腰部、胸部、及び頸部と、末梢神経と、神経根とを含
む、痛み緩和を必要とし得る神経を含む患者の任意の適した部分に関する痛み緩和手技に
利用することができる。例として、ファセット除神経(Facette Denervation)、経皮的
コルドトミー(Percutaneous Chordotomy)/脊髄後根進入部(DREZ:Dorsal Root E
ntry Zone)損傷、三叉神経痛(Trigeminus Neuralgia)、及び神経根切断(Rhizotomy)
があるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
各電極アセンブリ34は、RFエネルギーを患者の対象となる神経組織領域に送る。1
つの例では、各電極アセンブリ34は、それぞれの電極E1~E4に加えてカニューレ(
不図示)を備えている。カニューレは、露出した先端部を有し、皮膚及び組織を貫通、進
入して、カニューレの露出した先端部が対象神経に対して経皮的に位置決めされるように
構成されている。手技が完了すると、カニューレを廃棄することができる。カニューレは
、麻酔薬の局所注入用のシリンジ(図示せず)の接続を容易にすることもできる。対象神
経組織に対し適切に投薬がなされると、シリンジはカニューレから除去され、カニューレ
は組織内に留まる。各電極E1~E4は、対象部位における温度を検知する温度検知デバ
イス(図示せず)も装備することができる。1つの例では、この温度検知デバイスは熱電
対である。
【0035】
図1に示すように、各電極E1~E4は、ケーブル38の第1の端部に接続可能である
。ケーブル38は、反対側の第2の端部にコネクタ40を備える。コネクタ40は、制御
コンソール30又はケーブル付属品32に直接、着脱接続可能である。各電極E1~E4
と、その対応するケーブル38及びコネクタ40との組み合わせは、本明細書において電
極アタッチメント43と呼ぶ。ケーブル38及びコネクタ40は、一体形成することもで
きるし、別個の着脱可能部品とすることもできることが理解されるであろう。同様に、電
極E1~E4も、ケーブル38内に一体化することもできるし、別個の着脱可能部品とす
ることもできる。ケーブル38の内部には、以下で説明する目的のために、電気エネルギ
ーの伝送を容易にする複数の絶縁された導体が存在する。ケーブル付属品32は、後のセ
クションにおいても詳細に説明される。
【0036】
図1には、4つの電極E1~E4が示されているが、任意の適した数の電極Eを利用す
ることができることが理解されるであろう。加えて、ケーブル付属品32は、制御コンソ
ール30の構成及び電極アタッチメント43を制御コンソール30に直接接続する能力に
応じて、用いられる場合もあるし、用いられない場合もある。
【0037】
電極アセンブリ、カニューレ、温度検知デバイス、及び電極のアタッチメントの例は、
2014年10月7日に付与された「Electrode Assembly with Separate Bipolar Cannu
la and Supply Electrode」という発明の名称の米国特許第8,852,182号に開示
されている。この米国特許の開示内容はその全体が、引用することによって本明細書の一
部をなすものとする。
【0038】
図1における制御コンソール30は、電極E1~E4に接続するように構成された第1
の接続インタフェース42を備える。より具体的には、第1の接続インタフェース42は
、電極E1~E4のうちのいずれかが接続されるケーブル付属品32を受け入れるように
構成されている。ケーブル付属品32が利用されない場合には、制御コンソール30は、
代わりに、1つの電極E1~E4のみに個別にそれぞれ接続する複数の接続インタフェー
スを備えるように構成することができる。制御コンソール30は、接地パッド36、より
具体的には、接地パッド36に接続されたケーブル48のコネクタ46、に接続するよう
に構成された第2の接続インタフェース44を更に備える。
【0039】
制御コンソール30は、
図1に示すように、ユーザが、とりわけ、動作パラメータを選
択し、制御コンソール30上でソフトウェアによって提供される種々の動作モードをナビ
ゲートすることを可能にするグラフィカルユーザインタフェース(GUI)52を表示す
るように構成されたディスプレイデバイス50を備える。ディスプレイデバイス50は、
1つの例では、画面上のタッチした位置(例えば、容量性検知)を用いて、ディスプレイ
デバイス50上に表されたデジタルボタンの選択を可能にするLCDタッチ画面等のタッ
チ画面デバイスである。幾つかの例では、ディスプレイデバイス50は、別のタッチ画面
デバイスと対にして整列することができる。加えて、ディスプレイデバイス50は、拡張
機能若しくは2次機能を有効にするために、又は、電極E1~E4のうちのいずれかを通
じた電気エネルギーの通電等の幾つかの機能を起動する前に冗長性対策の追加として、タ
ッチにより印加される圧力を検知することができる。あるいは、GUI52は、マウス及
びキーボード等の、制御コンソール30に接続された周辺入力デバイスによって制御する
こともできる。
【0040】
GUI52上で選択可能なモードには、感覚神経刺激モードと、運動神経刺激モードと
、損傷(lesion)モードとがある。感覚神経刺激モードは、制御コンソール30が、電極
E1~E4のうちのいずれかを通じて感覚刺激信号を印加することによって感覚神経の反
応を引き出すことを可能にするために、GUI52から選択される。治療のために選択さ
れた感覚神経への近接性は、所与の(複数の)電極E1~E4への感覚神経刺激の印加に
よって評価することができる。GUI52から選択することができる感覚刺激信号のパラ
メータの例には、刺激信号の印加の振幅(ボルト)及び持続時間(例えば、2秒)がある
。さらに、GUI52は、制御コンソール30の第1の接続インタフェース42から、(
該当する場合には)ケーブル付属品32、電極アタッチメント43(電極を含む)、患者
を経由し、接地パッド36を経て制御コンソール30の第2の接続インタフェース44へ
と戻る信号経路のインピーダンス(オーム)を表示することができる。インピーダンスの
測定及び解析の付加的な特徴は、以下で説明される。
【0041】
運動神経刺激モードは、制御コンソール30が、運動刺激信号を印加することによって
運動神経の反応を引き出すことを可能にするために、GUI52から選択される。回避さ
れなければならない運動神経からの間隙は、運動刺激信号を電極E1~E4に印加するこ
とによって評価することができる。運動刺激信号の振幅及び印加持続時間は、GUI52
から選択可能とすることができ、運動刺激信号の印加時のインピーダンスは、GUI52
上で監視及び表示することができる。
【0042】
損傷(lesion)モードは、制御コンソール30が、対象神経を治療する電極E1~E4
のうちのいずれかへのRF出力信号を生成することを可能にするために、GUI52から
選択される。損傷モードは、2つのサブモード、すなわち、熱モードとパルスモードを含
む。熱モードは、神経機能を除去するために対象部位のアブレーションを行えるように設
計されている。GUI52から選択可能な熱モードの設定値の例として、対象神経に印加
する所望の温度(例えば、摂氏80度)及びRF出力の所望の印加持続時間(例えば、9
0秒)がある。パルスモードは、神経機能を除去することなく感覚神経を治療するように
構成されている。GUI52から選択可能なパルスモードの設定値の例として、RF電圧
(例えば、可変、すなわち、30ボルト~75ボルト)、周波数(例えば、2Hz~50
Hz)及びそれぞれのパルス幅(例えば、2ms、4ms、10ms、20ms、100
ms等)等のRFパルスパラメータがある。当業者であれば、熱モード及びパルスモード
を組み合わせることもできるし、別々に取り扱うこともできることが分かる。さらに、熱
モードは、パルスを含むRF出力信号を含むことができ、パルスモードは、熱アブレーシ
ョン用に構成されたRF出力信号を送るように構成することができる。本明細書において
説明したモード以外のRFアブレーションのモードも利用することができる。本明細書に
おいて説明した特徴以外の他の様々な特徴をGUI52によって提供することができるこ
とが理解されるであろう。加えて、GUI52は、本明細書において説明した特徴又は選
択のうちの任意のものを有効にする任意の構成又は設計を有することができる。
【0043】
図2に示すように、制御コンソール30は、1つ以上のプロセッサ54及び1つ以上の
メモリデバイス56を備える。コンピュータ実行可能命令58又はコードは、1つ以上の
メモリデバイス56に記憶することができる。命令58は、1つ以上のプロセッサ54に
よってアクセス可能であり、1つ以上のプロセッサ54によって実行されると、制御コン
ソール30の様々な機能を実施するように構成されている。例えば、命令は、実行される
と、ディスプレイ50上でGUI52を実施するように構成されている。命令の実行によ
って実施される他の様々な機能は、以下で説明される。プロセッサ(複数の場合もある)
54及びメモリデバイス(複数の場合もある)56は、任意の適した構成を有することが
でき、本明細書において説明される機能の実施を可能にする任意の適したタイプとするこ
とができる。
【0044】
制御コンソール30は、コントローラ60を備えることができる。このコントローラは
、1つの例では、プロセッサ(複数の場合もある)54によって実施される。或いは、コ
ントローラ60は、プロセッサ(複数の場合もある)54とは別のデバイスとすることが
できる。すなわち、コントローラ60は、メモリ56に記憶された命令58を実行するこ
とができ、及び/又は、例えば、コントローラ60のチップセットの内部のプログラマブ
ルROM、RAM、又はフラッシュメモリに記憶されたコントローラ自体の命令を実行す
ることができる。例えば、コントローラ60は、任意の適したビット数、例えば32ビッ
ト、を有するマイクロコントローラ、すなわちMCUを含むことができる。1つの例では
、コントローラ60は、制御コンソール30のマザーボードを実装する。このマザーボー
ドは、電極E1~E4から測定値の読み取り及び信号の検知と、電極E1~E4への必要
な刺激又はRF出力信号の提供と、温度制御ループ及びインピーダンス測定制御の実施と
、可変電力供給の構成と、電極アタッチメント43及び接続構成の識別と、ディスプレイ
50、スピーカ、及び無線通信、イーサネット通信、又はUSBベースの通信等の他の通
信用に構成された制御デバイス等の、制御コンソール30の周辺機器との通信の提供とが
可能である。本明細書において説明する機能以外の機能もコントローラ60によって実施
することができる。加えて、本明細書において説明する機能のいずれも、コントローラ6
0、1つ以上のプロセッサ54又はそれらの組み合わせによって実施することができる。
【0045】
図2を再び参照すると、制御コンソール30は、増幅器/リレーセクション62を更に
備える。このセクション62は、増幅器セクション64及びリレーセクション66を備え
ることができる。増幅器セクション64及びリレーセクション66は、分離したセクショ
ンとすることもできるし、共通のセクション又はボードに統合することもできる。さらに
、増幅器セクション64及びリレーセクション66は、単一のコントローラ又は制御シス
テムに組み合わせることができる。これらのセクション64、66は、コントローラ60
等の任意の適した構成要素又はサブシステムによって制御することができる。増幅器セク
ション64は、コントローラ60に接続され、コントローラ60から提供される可変電力
供給を通じて所望の又は指定されたRF出力信号を生成するように制御可能な幾つかの異
なるRF増幅器68を提供するように構成されている。リレーセクション66は、電力供
給制御、RF増幅器68の出力制御、RF増幅器68の帰還制御、インピーダンスの較正
及び制御、刺激の較正及び制御、接地パッド36の試験、及び専用電極アタッチメント4
3の帰還経路(例えば、自己接地式バイポーラ電極)の電気経路を方向付ける様々なリレ
ーを用いて構成されている。増幅器/リレー制御セクション62は、以下で詳細に説明さ
れる。
【0046】
図1を参照すると、制御コンソール30はハウジング70を備える。1つの例では、プ
ロセッサ(複数の場合もある)54、メモリ56、コントローラ60、及び増幅器/リレ
ー制御セクション62は、ハウジング70内に配置される。ディスプレイ50、ケーブル
付属品32/電極E1~E4の接続インタフェース42、及び接地パッド36のインタフ
ェース43は、ハウジング70に結合され、ユーザインタラクションを可能にするために
ハウジング70の外部に露出している。制御コンソール30の構成及び機能に応じて、説
明される構成要素のうちの幾つかは、代替的に、制御コンソール30から遠隔に配置する
ことができ、制御コンソール30に接続するか又はそうでない場合には制御コンソール3
0と通信する別のデバイスによって実施することができる。
【0047】
続いて、様々なタイプの電極E1~E4、電極アタッチメント43及び構成、並びにこ
れらのRF出力信号の供給経路を説明する。一般に、制御コンソール30は、少なくとも
3つの異なるタイプの電極アタッチメント43の構成、すなわち、モノポーラ構成、並列
バイポーラ構成、及び自己接地式バイポーラ構成により動作するように構成されている。
これらの様々な電極アタッチメント43の構成は、
図3~
図5に高い水準で示されている
。簡略化するために、
図3~
図5は、制御コンソール30と、各構成のそれぞれの治療部
位において適用される4つの電極E1~E4との間の接続を示している。もちろん、これ
よりも多くの又はこれよりも少ない電極E1~E4を、説明するような任意の所与の手技
に利用することができる。さらに、
図3~
図5に関する以下の説明は、RF出力供給に的
を絞っており、通常はRF出力信号の印加前に適用される、感覚刺激信号及び運動刺激信
号の印加並びに麻酔薬の注入等の手技に関するワークフローステップを省略している。加
えて、これらの様々な電極アタッチメント43の構成に対応する制御コンソール30及び
ケーブル付属品32の制御構成は、後のセクションにおいて説明される。
【0048】
図3に、4つのモノポーラ電極E1~E4を用いたモノポーラ構成を示す。各電極の電
極アタッチメント43は、制御コンソール30に接続されたケーブル付属品32に個別に
取り付けられている。モノポーラ構成の場合、接地パッド36が利用され、治療部位に隣
接して、例えば、患者Pの皮膚上に配置される。各モノポーラ電極E1~E4は、制御コ
ンソール30からケーブル付属品32及びそれぞれの電極アタッチメント43を通してR
F出力信号を個別に受信する。各電極E1~E4は、RF出力信号を受信すると、治療部
位に損傷を与える各電極E1~E4の遠位端先端においてモノポーラによる損傷体積(le
sion volume)を生成する。例えば、摩擦加熱が、高い周波数で交番するRF電流によっ
て、対応する電極E1~E4のカニューレの絶縁されていない先端の近くに発生する。R
F出力信号は、各電極E1~E4の遠位先端から接地パッド36に送られ、最終的には、
制御コンソール30に帰還する。このように、モノポーラ構成の場合、各電極E1~E4
は、本プロセス時に利用される電極E1~E4のいずれにも共通の帰還経路を提供する接
地パッド36があることによって、他の電極E1~E4に依存することなく個別に効果的
に通電される。
【0049】
図4に、4つのモノポーラ電極E1~E4を用いた並列バイポーラ構成を示す。各電極
の電極アタッチメント43は、制御コンソール30に接続されたケーブル付属品32に個
別に取り付けられている。並列バイポーラ構成の場合、2つの隣接したモノポーラ電極対
、例えば、E1及びE2とE3及びE4とがともに利用される。接地パッド36は、以下
に説明する理由から、並列バイポーラ構成では利用する必要がない。ただし、電極が、刺
激用にはモノポーラ形式で利用されるが神経アブレーション用にはバイポーラ形式で利用
される場合のように、接地パッド36がバイポーラ電極とともに利用される状況があり得
る。モノポーラ電極E2及びE4は、制御コンソール30からケーブル付属品32及びそ
れぞれの電極アタッチメント43を通してRF出力信号を個別に受信する。電極E1及び
E2は、RF出力信号を受信すると、協働して、治療部位に損傷を与える電極E1及びE
2の遠位端先端の間にバイポーラ損傷体積を生成する。同様に、電極E3及びE4は、R
F出力信号を受信すると、協働して、電極E3及びE4の遠位端先端の間に共有されるバ
イポーラ損傷体積を生成する。このように、モノポーラ構成は、電極E1~E4の先端と
接地パッド36との間でRF出力信号を駆動するのに対して、並列バイポーラ構成は、2
つの近傍の電極先端、例えば、E1、E2の間、及びE3、E4の間でそれぞれRF出力
信号を駆動する。損傷体積は、隣接した電極先端間の距離に応じて種々の形状を取り得る
。RF出力信号は、それぞれ電極E2から電極E1を通って、及び電極E4から電極E3
を通って制御コンソール30に帰還する。このように、並列バイポーラ構成の場合、電極
E1~E4は、2つが対となって通電され、動作は、隣接する電極E1~E4に依存する
。当業者であれば、これらの電極対は、互いに厳密に並列でなくてもよいことが分かる。
さらに、別個のモノポーラ電極(及び別個のモノポーラアタッチメントケーブル43)が
、対となることを説明してきたが、並列バイポーラアタッチメントケーブル43及び電極
アセンブリ34を組み合わせたものが利用される場合があることも考えられる。
【0050】
図5に、4つのバイポーラ自己接地式電極E1~E4を用いたバイポーラ自己接地式構
成を示す。各電極の電極アタッチメント43は、制御コンソール30に接続されたケーブ
ル付属品32に個別に取り付けられている。バイポーラ自己接地式電極E1~E4は、説
明したモノポーラ電極E1~E4と異なる構成を備えるとともに、動作も異なる。具体的
には、各バイポーラ自己接地式電極E1~E4は、制御コンソール30からケーブル付属
品32及びそれぞれの電極アタッチメント43を通じてRF出力信号を個別に受信する。
接地パッド36は、以下に説明する理由から、バイポーラ自己接地式構成では利用する必
要がない。各バイポーラ自己接地式電極E1~E4は、RF出力信号を受信すると、治療
部位に損傷を与える各電極E1~E4の遠位端先端においてバイポーラ損傷体積を生成す
る。ただし、モノポーラ構成とは異なり、RF出力信号は、各電極E1~E4の同じ先端
を通って帰還し、最終的に制御コンソール30に帰還する。バイポーラ自己接地式構成は
、各電極E1~E4が他の電極E1~E4に依存することなく個別に効果的に通電される
という点でモノポーラ構成に類似している。しかし、モノポーラ構成とは異なり、バイポ
ーラ自己接地式構成のRF出力信号の帰還経路は、RF出力信号がそれぞれの各電極E1
~E4を通ってコンソール30に直接帰還することを可能にすることによって最適化され
ている。これによって、接地パッド36を組み立てて配置する必要がなくなり、更に、電
極E1~E4から患者Pを通って接地パッド36へのRF信号出力の非常に長い伝送がな
くなる。換言すれば、各電極E1~E4は、単一の電極E1~E4を通る前述の帰還経路
を有効にすることによって「自己接地」される。
【0051】
例として、
図6~
図9に、モノポーラ構成、並列バイポーラ構成、及び自己接地式バイ
ポーラ構成のコントローラ60及び増幅器リレー制御セクション62の態様及び構成要素
を示す。同じコントローラ60及び増幅器リレー制御セクション62の構成は、
図6~図
9では例示を目的としたものであることが理解されるであろう。一方、例示を簡略化する
ために、それぞれのモノポーラ構成、並列バイポーラ構成、及び自己接地式バイポーラ構
成において利用する必要がない構成要素は例示から省略されている。省略されているが、
これらの構成要素は、図示したそれぞれの構成以外の構成に対応するために引き続き存在
することが意図されている。さらに、簡略化するために、或る数の構成要素及び電気経路
が説明され、参照符号が付けられているが、説明する構成のいずれについても、追加の構
成要素及び電気経路も考えられることが理解されるであろう。
【0052】
図6に十分に示すように、増幅器セクション64は、4つの別個のRF増幅器68A~
68Dを備える。4つの別個のRF増幅器68A~68Dが示されているが、構成に応じ
て、3つ以上の任意の数のRF増幅器68を提供又は利用することができることが理解さ
れるであろう。各RF増幅器68A~68Dは、制御コンソール30の対応するチャネル
CH1、CH2、CH3、CH4のRF出力信号を提供する。各CH1、CH2、CH3
、CH4は、対応するRF増幅器68A~68Dに関連付けられるものであって、制御コ
ンソール30の第1の接続インタフェース42に接続される電極の参照符号E1~E4に
必ずしも関連付けられるものではない。ただし、説明されるように、このことが当てはま
る場合がある幾つかの構成が存在する。
【0053】
コントローラ60は、RF増幅器68A~68D用のDC電源72A~72Dを備える
。1つの例では、各DC電源72A~72Dは、それぞれのRF増幅器68A~68D及
び/又はチャネルCH1、CH2、CH3、CH4に専用化されている。他の例では、D
C電源72A~72Dは、任意の1つ以上のRF増幅器68A~68D用に組み合わせる
ことができる。GUI52からの選択に応じて、各DC電源72A~7Dによって提供さ
れるDC電圧は、可変、すなわち、0ボルト~40ボルトのいずれかとすることができる
。
【0054】
各RF増幅器68A~68Dには、電源リレー74A~74Dが関連付けられる。電力
供給リレー74A~74Dは、各DC電源72A~72Dとそれぞれの各RF増幅器68
A~68Dの入力との間に接続される。各電力供給リレー74A~74Dは、DC電源7
2A~72DとそれぞれのRF増幅器68A~68Dとのオン・オフ接続を選択的にスイ
ッチングするように構成されている。例えば、そのようなスイッチングは、それぞれのR
F増幅器68A~68DへのDC電力が必要とされないときはオフにすることができ、D
C電力が必要とされるときはオンにスイッチングすることができる。電力供給リレー74
A~74Dは、コントローラ60及び/又はリレーセクション66から提供されるスイッ
チング信号によって制御される。各RF増幅器68A~68Dの入力は、各DC電源72
A~72Dから提供される電流の帰還経路を生成するために接地に接続される。電力供給
リレー74A~74Dは、誘導性負荷ドライバ、リードリレー等の任意の適したタイプの
リレーとすることができる。
【0055】
各RF増幅器68A~68Dの入力は、それぞれのDC電源72A~72Dから電流を
個別に受信し、各RF増幅器68A~68Dは、その出力においてそれぞれのRF出力信
号を生成する。RF出力信号パラメータは、DC電源72A~72Dからの電圧、RF出
力の周波数、パルス幅等のような、GUI52からユーザによって選択されたパラメータ
等の様々な因子に依存する。
【0056】
コントローラ60は、1つ以上の治療パラメータを監視するように構成されている。上
述したように、そのような治療パラメータの例としては、患者・回路間インピーダンス(
例えば、それぞれの各RF増幅器68A~68Dの出力から患者Pを通ってそれぞれの各
RF増幅器68A~68Dに帰還する経路のインピーダンス)及び損傷位置の温度(例え
ば、各電極E1~E4に接続された熱電対によって監視される)がある。電極E1~E4
のうちの1つ以上がそれぞれのチャネルCH1~CH4に接続されている状況では、コン
トローラ60は、監視される治療パラメータのうちの1つ以上に基づいて各RF増幅器6
8A~68Dを入力において制御する制御信号を生成するように構成されている。
【0057】
1つの例では、各RF増幅器68A~68Dの制御信号は、各RF増幅器68A~68
Dに印加される2つのパルス幅変調(PWM)制御信号91、93(
図10~
図12に図
示)を含む。PWM制御信号91、93は、各RF増幅器68A~68Dが各チャネルC
H1~CH4のRF出力信号RFA及びRFBを生成することを可能にするために印加さ
れる。例えば、モノポーラ構成は、1つのRFA出力信号を用いることができ、並列バイ
ポーラ構成は、2つのRFA出力信号又は2つのRFB出力信号(異なるチャネルから1
つずつ)を用いることができ、自己接地式バイポーラ構成は、1つのチャネル(又は異な
るチャネル)から1つのRFA信号及び1つのRFB信号を用いることができる。1つの
例では、PWM制御信号91、93は、互いに位相がずれており(例えば、180度)、
500KHz等の高周波数で送られる。2つのPWM制御信号91、93は、電界効果ト
ランジスタ(FET)ドライバを通過し、周波数を維持しながら、12Vのより大きなP
WM信号に論理レベルをシフトさせる。PWM制御信号91、93は、それぞれのパワー
FETを更に通過し、プッシュプルとして知られているトポロジを用いて増幅され、最終
的には、各RF増幅器68A~68Dの出力において正弦波に変換される。この正弦波が
、RFエネルギー源であり、それによって、RF出力信号を実現する。
【0058】
1つの例では、各RF増幅器68A~68Dは、センタ(ニュートラル)タップ入力と
2つのラインタップとを有する変圧器を備える。パワーFETから得られるPWM制御信
号91、93を増幅したものは、この変圧器の2つのラインタップにそれぞれ印加される
。RF出力信号の正弦波の振幅は、それぞれの各DC電源72A~72Dから各変圧器入
力のセンタタップに提供される可変電圧調整(例えば、0V~40V)に依存する。それ
ぞれの各DC電源72A~72Dによって提供されるこの可変電圧調整も制御信号であり
、PWM制御信号91、93とともに用いられて、各RF増幅器68A~68Dの入力を
制御し、最終的には、RF出力信号を制御する。各変圧器出力は、利得を変圧器入力電圧
に提供する。1つの例では、この利得は非線形である。例えば、1つのDC電源72が2
0Vをセンタタップに提供する場合、出力正弦波振幅は、その入力値の2倍、すなわち4
0Vに増大することができる。RF増幅器68A~68Dは、本明細書において説明する
構成以外の構成を有することができる。RFA出力信号及びRFB出力信号は、前述の電
極構成のうちのいずれかについて患者への信号供給を操作するリレーセクション66によ
って管理される。
【0059】
センサ及び制御アルゴリズムは、PWM信号91、93がどのように挙動するのか、及
び、DC電源72からの電圧調整がどのように設定されるのかを決定する。例えば、患者
のインピーダンスが何らかの理由によって変化した場合、インピーダンスデータが、コン
トローラ60に通信され、コントローラ60内のメモリに記憶されたルックアップテーブ
ルが、患者のインピーダンスに基づく変圧器のセンタタップへの最大許容可能設定値と、
許容可能電流の制限値について調べられる。これに応じて、新たな入力電圧が計算され、
DC電源72から変圧器のセンタタップに提供される。さらに、出力電力を所定の限度、
例えば25ワット(rms電流×rms電圧)に制限するために、プッシュプルトポロジ
増幅が調整される。
【0060】
患者・回路間インピーダンスは、一般に、損傷継続中に変化する。1つの例では、各チ
ャネルCH1~CH4の患者・回路間インピーダンスは、各チャネルCH1~CH4の患
者・回路間インピーダンスのリアルタイムの変化を補償するために連続して監視される。
これによって、各RF増幅器68A~68DのDC電源72A~72Dの前述のセンタタ
ップ入力電圧計算に対するリアルタイムの調整が容易になる。
【0061】
各RF増幅器68A~68Dに専用化された調整可能なDC電源72A~72Dは、安
全性及び有効性の改善を容易にする。各治療位置の患者・回路間インピーダンスの測定値
を利用すると、各損傷位置の治療の安全性及び有効性を最大にするように各RF増幅器6
8A~68DのDC電源72A~72Dを調整することができる。各チャネルCH1~C
H4の患者・回路間インピーダンスに基づいて、各RF増幅器68A~68DのDC電源
72A~72Dの電圧上限を計算することができ、それによって、各チャネルCH1~C
H4のそのそれぞれの最大電流及び最大電力を臨床的に確立された安全レベルに制限する
ことができる。
【0062】
治療部位からの温度センサデータは、PWM信号91、93がそのチャネルの増幅器に
ついて指定されたタイムスライス中にアクティブである時間量(例えば、デューティサイ
クル)を制御して、温度が所期の値を越えないようにするのにも用いることができる。チ
ャネルCH1~CH4のうちの1つについて測定された温度が、制御ループが所望するも
のよりも高速に上昇している場合、(例えば、デューティサイクルを低減することによっ
て)タイムスライスの或るパーセンテージの間、PWM信号91、93を完全に停止する
ことができる。この対策は、チャネルの増幅器出力を効果的にシャットダウンすることが
できる。PWM制御信号91、93及びDC電源72からの可変電圧制御信号は、各RF
増幅器68A~68Dの入力においてともに印加される。本明細書において説明する制御
ループ技法は、チャネルCH1~CH4のいずれにも利用することができ、本明細書にお
いて特に列挙しない他の方法に従って動作することができる。
【0063】
患者・回路間インピーダンス及び温度以外の治療パラメータを前述の技法とともに利用
することができることが理解されるべきである。加えて、患者・回路間インピーダンス及
び温度のうちのいずれか一方又は組み合わせを利用して制御信号を生成することができる
。さらに、制御信号は、治療パラメータに基づいて、説明した技法と異なる方法で制御又
は規定することができることが考えられる。
【0064】
RF増幅器68A~68Dは、それぞれのDC電源72A~72Dと区別されることが
理解されるであろう。換言すれば、各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4は、それ
ぞれのDC電源72A~72Dにアクセスするだけでなく、それぞれのRF増幅器68A
~68Dにもアクセスする。
【0065】
RF増幅器出力リレー76A~76Dは、それぞれの各RF増幅器68A~68Dの出
力と、ケーブル付属品32に接続する、制御コンソール30の第1の接続インタフェース
42との間に接続される。各RF増幅器出力リレー76A~76Dは、各RF増幅器68
A~68Dの出力と第1の接続インタフェース42との間のオン/オフ接続を選択的にス
イッチングするように構成されている。例えば、各RF増幅器出力リレー76A~76D
のオンへのスイッチングは、それぞれのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4が損傷
モード中に制御コンソール30によって利用されるときに行うことができるが、感覚刺激
モード又は運動刺激モードにおいては行われない。RF増幅器出力リレー76A~76D
は、コントローラ60及び/又はリレーセクション66によって提供されるスイッチング
信号によって制御される。RF増幅器出力リレー76A~76Dは、誘導性負荷ドライバ
、リードリレー等の任意の適したタイプのリレーとすることができる。
【0066】
RF増幅器リターンリレー78A~78Dは、それぞれの各RF増幅器68A~68D
の出力と、接地パッド36のコネクタ46に接続する、制御コンソール30の第2の接続
インタフェース44との間に接続される。各RF増幅器リターンリレー78A~78Dは
、第2の接続インタフェース42とそれぞれの各RF増幅器68A~68Dとの間のオン
/オフ接続を選択的にスイッチングするように構成されている。RF増幅器出力リレー7
6A~76Dとちょうど同様に、各RF増幅器リターンリレー78A~78Dのオンへの
スイッチングは、それぞれのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4が損傷モード中に
制御コンソール30によって利用されるときに行うことができるが、感覚刺激モード又は
運動刺激モードにおいては行われない。RF増幅器リターンリレー78A~78Dは、コ
ントローラ60及び/又はリレーセクション66によって提供されるスイッチング信号に
よって制御される。RF増幅器リターンリレー78A~78Dは、誘導性負荷ドライバ、
リードリレー等の任意の適したタイプのリレーとすることができる。
【0067】
図6を参照して、
図3の例に示すような4つのモノポーラ電極アタッチメント43を有
するモノポーラ構成の増幅器リレー制御セクション62の動作を説明する。モノポーラ電
極アタッチメント43は第1の接続インタフェース42に接続され、接地パッド36は第
2の接続インタフェース44に接続される。各チャネルCH1~CH4は、第2の接続イ
ンタフェース44とそれぞれの各RF増幅器リターンリレー78A~78Dとの間に接続
される接地パッドリレー80A~80Dを備える。接地パッドリレー80A~80Dは、
モノポーラ構成等の、接地パッド36からの帰還経路を必要とする幾つかの構成について
のみアクティブとされる。各接地パッドリレー80A~80Dは、コントローラ60及び
/又はリレーセクション66によって提供されるスイッチング信号によって制御され、任
意の適したタイプとすることができる。各接地パッドリレー80A~80Dが閉じた状態
では、
図3に関して示すようなモノポーラ構成の閉回路が形成される。例えば、簡略化す
るために、チャネルのうちの1つ、すなわち、
図6におけるCH1について、RF出力信
号は、RF増幅器68Aから出力され、RF増幅器出力リレー76Aを通り、第1の接続
インタフェース42上のCH1出力を通り、それによって、制御コンソール30から出て
いく。RF出力信号が、CH1に接続されたモノポーラ電極アタッチメント43を通過し
た後、RF出力信号は、患者を通過し、接地パッド36を通って帰還する。ここから、R
F出力信号は、制御コンソール30における第2の接続インタフェース44を通り、接地
パッドリレー80Aを通り、RF増幅器リターンリレー78Aを通り、最終的にCH1の
RF増幅器68Aに帰還する。このプロセスは、モノポーラ構成において動作する電極ア
タッチメント43が接続されたそれぞれの各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4に
ついて同様に行われる。
【0068】
リレーセクション66は、接地パッド試験リレー82をニュートラル電極監視回路の一
部として更に利用することができる。接地パッド試験リレー82は、接地パッド36と各
RF増幅器68A~68Dの帰還との間に、すなわち、第2の接続インタフェース44を
通って接続され、冗長接続を接地パッド36に提供する。接地パッド試験リレー82は、
2回線リレー等の任意の適したリレーを備えることができる。ニュートラル電極監視回路
は、国際電気標準会議(IEC)規格60601-1に準拠して、接地パッド35又は接
地パッド35との接続の障害を監視する。
【0069】
図7を参照して、
図4の例に示すように4つのモノポーラ電極アタッチメント43(す
なわち、電極E1~E4)を用いた並列バイポーラ構成の増幅器リレー制御セクション6
2の動作を説明する。この例では、4つのモノポーラ電極アタッチメント43が、第1の
接続インタフェース42に接続されているが、各モノポーラ電極対は、並列バイポーラ構
成で動作している。この構成では、1対の隣接したモノポーラ電極が、第1のチャネル対
CH1/CH2及び第2のチャネル対CH3/CH4にわたって併用され、2つのバイポ
ーラ損傷を生成する。以下で説明するように、制御コンソール30は、各電極アタッチメ
ント43がモノポーラであり、したがって、並列バイポーラ構成において機能することが
できることを検出することができる。そのようなモノポーラ電極のモノポーラ構成と並列
バイポーラ構成との間の選択は、GUI52を用いて選択することができる。接地パッド
36は、並列バイポーラ構成では利用する必要がなく、したがって、接地パッドリレー8
0A~80Dは開放され、それによって、第2の接続インタフェース44及びそれぞれの
各RF増幅器リターンリレー78A~78Dは接続解除されている。並列バイポーラ構成
の場合、リレーセクション66は、代わりに、並列バイポーラリレー84A~84D(図
7には、84A及び84Cのみが示されている)を利用し、アクティブ化する。各並列バ
イポーラリレー84A~84Dは、1つのチャネルのRF増幅器68A~68Dの帰還と
、隣接するチャネルの第1の接続インタフェース42の接続への交差との間に接続される
。例えば、
図7では、RF増幅器68Aは、CH1を通じてRF出力信号を出力するが、
並列バイポーラリレー84Aは、第1の接続インタフェース42において、同じRF増幅
器68Aの帰還をCH2に接続するために閉じられている。したがって、電気経路は、C
H1及びCH2に接続された電極の間で閉じられ、それによって、並列バイポーラ通電を
可能にしている。
図7では、CH3及びCH4は、これらのそれぞれのチャネルに接続さ
れた電極を有する第2の並列バイポーラ対を生成するのに利用される。CH3及びCH4
については、並列バイポーラリレー84Cが、CH1及びCH2に関する並列バイポーラ
リレー84Aと同様に動作する。したがって、
図7の構成では、2つのDC電源72A、
72B及び2つのRF増幅器68A、68Bのみが、4つのチャネルCH1、CH2、C
H3、CH4及び4つのモノポーラ電極とともに利用される。
【0070】
図8を参照して、2つの電極モノポーラアタッチメント43(すなわち、E2及びE3
)が利用される並列バイポーラ構成の増幅器リレー制御セクション62の動作を説明する
。それぞれの対にチャネルCH1/CH2又はCH3/CH4を利用する
図7の並列バイ
ポーラの例と異なり、
図8の例では、電極アタッチメントは、チャネルCH2及びCH3
に接続される。したがって、制御コンソール30及び増幅器リレー制御セクション62は
、厳密なCH1/CH2又はCH3/CH4のほかに他のチャネル対を並列バイポーラに
用いる能力を動的に提供する。この構成では、1対の隣接するモノポーラ電極が、バイポ
ーラ損傷を生成するために、チャネル対CH2/CH3にわたってともに利用される。図
7と同様に、並列バイポーラリレー84Bが(リレー84A及び84Cの代わりに)アク
ティブ化される。これによって、RF出力信号の帰還のCH3との交差が可能になり、そ
れによって、CH2及びCH3に接続された電極アタッチメントを用いた並列バイポーラ
通電が可能になる。並列バイポーラリレー84A~84Dは、並列バイポーラ構成のチャ
ネルの他の組み合わせ、例えば、CH1/CH3、CH2/CH4、CH1/CH4の間
のクロスオーバを可能にすることができ、これらのチャネルは、互いに隣接している場合
もあるし、隣接していない場合もあることが理解されるであろう。これによって、有利に
は、様々な並列バイポーラ接続に動的に対応する能力が制御コンソール30に提供され、
それによって、更なる利便性がユーザに提供される。
【0071】
図9を参照して、
図5の例に示すように4つの分離した自己接地式電極アタッチメント
43を有するバイポーラ自己接地式構成の増幅器リレー制御セクション62の動作を説明
する。バイポーラ自己接地式電極アタッチメント43は、第1の接続インタフェース42
に接続される。接地パッド36は、利用する必要がなく、したがって、第2の接続インタ
フェース44に接続されない。各チャネルCH1~CH4は、第1の接続インタフェース
42とそれぞれの各RF増幅器リターンリレー78A~78Dとの間に接続された自己接
地式リレー86A~86Dを備える。より具体的には、各チャネルCH1~CH4の自己
接地式リレー86A~86Dは、自己接地式リレー86A~86Dが属する同じそれぞれ
のチャネルCH1~CH4の第1のインタフェース接続42において端子に接続する。自
己接地式リレー86A~86Dは、RF信号出力を提供した同じチャネルへの帰還経路を
必要とする幾つかの構成についてのみアクティブ化される。各自己接地式リレー86A~
86Dは、コントローラ60及び/又はリレーセクション66によって提供されるスイッ
チング信号によって制御され、任意の適したタイプとすることができる。各自己接地式リ
レー86A~86Dが閉じた状態では、
図5に関して示すような自己接地式バイポーラ構
成の閉回路が形成される。例えば、簡略化するために、チャネルのうちの1つ、すなわち
、
図9におけるCH1について、RF出力信号は、RF増幅器68Aから出力され、RF
増幅器出力リレー76Aを通り、第1の接続インタフェース42におけるCH1出力を通
り、それによって、制御コンソール30から出ていく。RF出力信号が、CH1に接続さ
れた自己接地式電極アタッチメント43に渡された後、RF出力信号は、治療部位と相互
作用した後、同じ自己接地式電極アタッチメント43の先端を再び通過し、第1のインタ
フェース接続42(接地パッド36の第2のインタフェース接続44ではない)を通って
帰還する。ここから、RF出力信号は、自己接地式リレー86Aを通り、RF増幅器リタ
ーンリレー78Aを通り、最終的にはCH1のRF増幅器68Aに帰還する。このプロセ
スは、自己接地式構成において動作する電極アタッチメント43が接続されたそれぞれの
各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4について同様に行われる。
【0072】
当業者であれば、
図6~
図9がモノポーラ構成、並列バイポーラ構成、又は自己接地式
バイポーラ構成の幾つかの例を提供することを意図したものであることが分かる。もちろ
ん、同時であるか別々であるかを問わず、利用される電極構成のタイプに応じて、本明細
書において説明及び図示されたリレー以外の追加のリレー又は代替のリレーを利用して、
モノポーラ構成、並列バイポーラ構成、又は自己接地式バイポーラ構成の各々を実施する
ことができる。換言すれば、簡略化するために、モノポーラ構成、並列バイポーラ構成、
及び自己接地式バイポーラ構成のあらゆる組み合わせが、図の全体を通して図示され又は
本明細書に説明されているとは限らず、リレーの構成は、
図6~
図9の組み合わされた教
示から理解することができる。
【0073】
説明した例について、RF出力信号は、単数として説明されているが、実際には、それ
ぞれの各RF増幅器68A~68Dからの複数のRF出力信号とすることができることが
理解されるであろう。さらに、それぞれの各RF増幅器68A~68Dのこれらの1つ以
上のRF出力信号は、同様のもの、すなわち、繰り返しのものとすることもできるし、互
いに異なるものとすることもできる。加えて、RF増幅器68A~68Dは、互いに同じ
RF出力信号を生成することもできるし、互いに異なるRF出力信号を生成することもで
きる。加えて、説明を簡略化するために、RF出力信号は、各RF増幅器68A~68D
に帰還するものとして説明されてきた。しかしながら、それぞれの各RF出力信号の特性
は、そのRF出力信号の患者Pの治療部位への印加に応じて変更される場合があることが
理解されるであろう。したがって、帰還するRF出力信号は、元のRF出力信号と異なる
場合がある。
【0074】
電気外科システム20の概観を説明したが、次に、電気外科システム20の具体的な特
徴、方法、及び技法を詳述する。
【0075】
[II.複数の増幅器のタイムスライス技法]
図6~
図9に示すように、制御コンソール20は、複数のRF増幅器68A~68Dを
提供する。複数のRF増幅器68A~68Dは各々、DC電源72A~72Dによって提
供される独立した出力レベル制御を備える。各チャネルCH1~CH4の十分に独立した
制御は、この構成によって可能にされる。各RF増幅器68A~68Dは、それ自体の専
用化された調整可能なDC電源72A~72Dによって電力を供給される。専用化された
調整可能な電力供給によって、各チャネルCH1~CH4は、その個々の治療部位に存在
する臨床状態に応じて、そのRF増幅器68A~68Bの電圧レベルの最適化を受けるこ
とが可能になる。
【0076】
この複数のRF増幅器68A~68Dの構成は、複数のチャネルに同時に適用される単
一の増幅器を上回る改善を表す。さらに、例えば、PWM信号91、93によって実施さ
れる可変制御信号と、各DC電源72A~72Dから各RF増幅器68A~68Dへの可
変電圧信号とを利用することによって、複数のRF増幅器68A~68Dの非同時のエネ
ルギー供給タイムスライスを提供する技法が可能になる。この技法は、複数のチャネルへ
の非同時のタイムスライス出力を達成するために繰り返しスイッチングしなければならな
いRF出力リレーを有する単一の増幅器を上回る大きな利点をもたらす。さらに、単一の
増幅器構成は、単一の増幅器への電力供給を調整するのに多くの時間を提供せず、単一の
増幅器構成は、本明細書において説明するように、自己接地式バイポーラ電極アタッチメ
ント43に必要とされるスイッチング速度をハンドリングする装備を有しない。
【0077】
1つの例では、RF出力リレー76、78、80、84、86(
図6~
図9)は、アク
ティブなRF出力の開始前に構成することができる。RF増幅器68A~68Dの出力側
におけるこれらのリレー76、78、80、84、86は、通常、応答時間が比較的低速
である傾向を有する。理想的には、これらのリレー76、78、80、84、86は、R
F治療の間、再構成されないことが好ましい。しかしながら、リレー76、78、80、
84、86が、治療の過程の間、幾つかのチャネルCH1~CH4を通る望ましくない帰
還経路を回避等するように構成される状況が存在し得る。これらのリレー76、78、8
0、84、86は、対応するRF増幅器68A~68Dのアクティブ化(activation)に
よる制限を受けることなく制御可能とすることができる。RF増幅器68A~68Dの入
力側における制御信号のスイッチングは、FET等の、コントローラ60によって実施さ
れる信号レベル制御デバイスを用いて行うことができ、それによって、リレー76、78
、80、84、86をスイッチングに用いる必要なく、ほぼ瞬時のスイッチングを提供す
ることができる。そのようなスイッチングは、PWM等の技法を用いて、RF増幅器68
A~68Dへの制御信号を操作するFETを駆動することで行うことができる。コントロ
ーラ60は、DC供給電圧及びDC電源72A~72Dの時間のスイッチング及び調整を
、これまで可能であったレートよりもはるかに高いレートにおいて複数のRF増幅器68
A~68Dの間で動作中に行うことができる。例えば、4つのチャネルCH1~CH4の
各々に125ミリ秒のタイムスロットを利用し、各チャネルCH1~CH4がRFを12
5ミリ秒の間オンに、続いて、375ミリ秒の間オフにサイクル(循環)させる代わりに
、はるかに短いタイムスロット及びはるかに高いスイッチングレートが実現可能である。
【0078】
電気的活動に対する運動神経感度は、約2Hzにおいて最大であり、刺激周波数が周波
数領域において2Hzから遠ざかるにつれて減少する。電気的活動に対する感覚神経感度
は、約50Hzにおいて最大であり、刺激周波数が周波数領域において50Hzから遠ざ
かるにつれて減少する。非常に高いレートでのRF増幅器68A~68D間の入力制御信
号のスイッチングは、本明細書において説明する技法を用いると容易に実現可能である。
2Hzを越えるレートでチャネルCH1~CH4間をスイッチングすることによって、本
明細書において説明する技法は、神経損傷プロセスの結果として発生する不注意の望まし
くない神経筋刺激の可能性を減少させる。50Hzを優に上回るレートでチャネルCH1
~CH4間をスイッチングすることによって、本明細書において説明する技法は、患者の
運動神経又は感覚神経の望ましくない刺激の可能性を減少させる。
【0079】
この方法の更なる利点は、各チャネルCH1~CH4の比較的長いオフ時間サイクリン
グオフ時間(例えば、375ミリ秒)が削減され、それによって、損傷位置を治療温度ま
で加熱することが困難になる不定期に生じる問題が、費用効果の高い患者治療が要求する
機動的な方法で軽減される。
【0080】
したがって、1つの例では、チャネルCH1~CH4のうちの対応する1つにエネルギ
ー(例えば、RF出力信号)を送るように各々専用化された複数のRF増幅器68A~6
8Dを用いて構成された制御コンソール30は、コントローラ60が、RF増幅器68A
~68Dの各々の入力を個別にかつ独立して制御する制御信号を生成し、それらの制御信
号を各RF増幅器68A~68Dに一時に1つずつ順次(逐次的に)印加することを可能
にし、RF増幅器68A~68Dが、対応するチャネルCH1~CH4にエネルギーを送
るRF出力信号を生成することを可能にする。
【0081】
図10に示すように、RF増幅器68A~68Dの各々の入力へのそれぞれのPWM制
御信号91A~91D及び93A~93Dの印加が示されている。コントローラ60は、
RF増幅器68A~68Dの各々異なるものに確保された、一連のタイムスロットの間に
制御信号91、93を各RF増幅器68A~68Dに順次印加するように構成されている
。
図10では、制御信号91、93のこの一連の印加を示す略図が、1つの例として、よ
り具体的には、
図3に示す4つのモノポーラ電極の構成例として提供されている。RF増
幅器68A~68Dから提供されるRF出力信号からの電極E1~E4の通電は予想され
るが、
図10は、各電極アタッチメント43におけるこれらのRF出力信号の印加を示し
ていない。その代わり、
図10の略図は、それぞれのRF出力信号を生成するためのRF
増幅器68A~68Dの入力への制御信号91、93の印加に関係している。
【0082】
図10に示すように、タイムスロットは、スロット1~4として識別される。タイムス
ロット1はRF増幅器68Aに確保され、タイムスロット2はRF増幅器68Bに確保さ
れ、タイムスロット3はRF増幅器68Cに確保され、タイムスロット4はRF増幅器6
8Dに確保される。制御信号91A、93Aは、タイムスロット1の間にRF増幅器68
Aを個別に独立して制御し、制御信号91B、93Bは、タイムスロット2の間にRF増
幅器68Bを個別に独立して制御し、制御信号91C、93Cは、タイムスロット3の間
にRF増幅器68Cを個別に独立して制御し、制御信号91D、93Dは、タイムスロッ
ト4の間にRF増幅器68Dを個別に独立して制御する。この例では、タイムスロット1
~4は、RF増幅器68A~68D間で等分割されている。
【0083】
図示するように、これらのそれぞれの制御信号91、93は、RF増幅器68A~68
Dごとに一時に1つずつ順次印加される。コントローラ60は、任意の所与のRF増幅器
68A~68Dの制御信号91、93の印加を、他のRF増幅器に確保されたタイムスロ
ットの間、停止する。例えば、コントローラ60は、RF増幅器68B~68Dに確保さ
れたタイムスロット2~4の間、RF増幅器68Aへの制御信号91A、93Aの印加を
停止する。したがって、RF増幅器68A~68Dは、非同時に制御される。さらに、チ
ャネルCH1~CH4の間のエネルギー供給も非同時である。
【0084】
周期Tは、タイムスロット1~4の合計によって定まる。換言すれば、タイムスロット
1~4が組み合わされて、周期Tが定められる。周期Tは、ミリ秒又は秒で表すことがで
きる。
図10に示すように、このシーケンスは、治療の間、必要に応じて繰り返すことが
できる。シーケンスがリセットすると、新たな周期Tが開始される。
【0085】
この例では、4つの異なるRF増幅器68A~68Dについて、4つのタイムスロット
が利用されるが、任意の適した数のタイムスロットを利用することができること、及び、
タイムスロットの数はRF増幅器68A~68Dの数と同一でなくてもよいことが理解さ
れるべきである。例えば、タイムスロットを各々2つに分割することができ、それによっ
て、周期Tの間の各RF増幅器68A~68Dのタイムスロットの数を2倍にすることが
できる。さらに、タイムスロットは、RF増幅器68A~68D間で等分割されなくても
よい。例えば、RF増幅器68A及び68B各々に、周期Tの6分の1を有するタイムス
ロットを配分することができる一方、RF増幅器68C及び68D各々に、周期Tの3分
の1を有するタイムスロットを配分することができる。さらに、それぞれの制御信号91
、93は、任意の所与のRF増幅器68A~68Dの任意の所与のタイムスロットについ
て1回印加することもできるし、多数回印加することもできる。効率を最大にするために
、それぞれの制御信号91、93は、それぞれの各タイムスロットの全体を占有すること
ができる。一方、幾つかの場合には、それぞれの制御信号91、93は、別の選択肢とし
て、任意の所与のRF増幅器68A~68Dについて、それぞれの各タイムスロットの全
体未満を占有することができる。このように、制御信号91、93は、調整可能なデュー
ティサイクルを有することができる。
【0086】
さらに、
図10の説明図は、様々な要因に応じて異なるものとすることができる。例え
ば、
図10に示す制御信号91、93は、各RF増幅器68A~68Dについてほぼ同一
である。しかしながら、制御信号91、93のうちの幾つか又は全ては、別の選択肢とし
て、例えば、電圧、振幅、周波数、位相、持続時間等を互いに異なるものとすることがで
きる。加えて、
図10に示すシーケンスは、RF増幅器68A~68Dの参照符号に基づ
いて順序付けられている。別の選択肢として、制御信号91、93の印加のシーケンスは
、異なる順序付け、例えば、68D、68A、68C、68Bとすることができ、隣接す
るRF増幅器68A~68Dが必ずしも順に制御されるとは限らない。さらに、DC電源
72から提供される制御信号は、図示するように、
図10~
図12におけるPWM信号9
1、93のタイムスライスと同様に順次タイムスライスすることができる。
【0087】
その上、制御信号91-93の図は、並列バイポーラ構成の場合には異なる。例えば、
図11は、
図4の並列バイポーラ構成に関する1つの例を示し、タイムスロット1及び2
は、RF増幅器68Aに確保され、タイムスロット3及び4は、RF増幅器68Cに確保
される。制御信号91A、93Aは、並列バイポーラ通電用のRF出力信号を生成するよ
うに、タイムスロット1の間にRF増幅器68Aを個別に独立して制御する。制御信号9
1A、93Aは、タイムスロット2の間にRF増幅器68Aを更に制御し、RF出力信号
は、RF増幅器68Aに帰還される。並列バイポーラ対からのRF出力信号の帰還は、リ
レーセクション66におけるリレーをスイッチングして適切な帰還経路を確立することに
よって行われる。同様に、制御信号91C、93Cは、RF増幅器68Cが第2の並列バ
イポーラ対の通電用のRF出力信号を生成することを可能にするように、タイムスロット
3及び4の間にRF増幅器68Cを個別に独立して制御する。RF出力信号は、同様にし
てRF増幅器68Cに帰還される。この例では、タイムスロット1~4は、RF増幅器6
8A、68Cの間で等分割されている。並列バイポーラ構成の制御信号91、93の印加
の他の構成は、上述した変形形態に従って可能である。
【0088】
図12に、
図5の自己接地式バイポーラ構成の制御信号91、93の図を示す。ここで
は、タイムスロットは、自己接地式構成の高速スイッチングに対応するように2倍にされ
ている。タイムスロット1及び2はRF増幅器68Aに確保され、タイムスロット3及び
4はRF増幅器68Bに確保され、タイムスロット5及び6はRF増幅器68Cに確保さ
れ、タイムスロット7及び8はRF増幅器68Dに確保される。制御信号91A、93A
は、RF増幅器68Aが自己接地式バイポーラ通電用のRF出力信号を生成することを可
能にするように、タイムスロット1及び2の間にRF増幅器68Aを個別に独立して制御
する。このRF出力信号は、タイムスロット1の間に自己接地式バイポーラ電極に送信さ
れ、タイムスロット2の間に自己接地式バイポーラ電極から帰還される。自己接地式バイ
ポーラ電極からのRF出力信号の帰還は、リレーセクション66におけるリレーをスイッ
チングして適切な帰還経路を確立することによって行われる。制御信号91A、93Aは
、これらの2つのスロットの間に連続して印加される。このプロセスは、残りのRF増幅
器68B~68Dについて繰り返される。この例では、タイムスロット1~8は、RF増
幅器68A~68Dの間で等分割されている。自己接地式バイポーラ構成の制御信号91
、93の印加の他の構成は、上述した変形形態に従って可能である。さらに、制御信号は
、
図10~
図12に示すような制御信号とは異なるものとすることができ、RF増幅器6
8A~68Dのうちの任意の所与の1つについて互いに異なるものとすることもでき、様
々なRF増幅器68A~68Dの間で異なるものとすることができることが理解されるで
あろう。
【0089】
本明細書において説明するスイッチング技法によれば、各チャネルCH1~CH4は、
Fヘルツの周波数でサイクル(循環)する出力を有する。ここで、Fは1/Tに等しく、
Tは上述した周期である。周波数Fは、2ヘルツの運動刺激感度よりも大きく、及び/又
は、50ヘルツの感覚刺激感度よりも大きい。しかしながら、麻酔が標的部位に適用され
る場合、運動刺激感度又は感覚刺激感度よりも大きな周波数を提供する必要をなくすこと
ができる。1つの具体例では、周波数Fは、12.5ヘルツ~2500ヘルツの画定範囲
内にあり、周期Tは、0.0004秒~0.08秒の画定範囲内にある。例えば、4つの
チャネルCH1~CH4のタイムスロットが100マイクロ秒であると、周期Tは400
マイクロ秒となり、チャネルサイクリング周波数Fは2500ヘルツとなる。4つのチャ
ネルCH1~CH4のタイムスロットが0.02秒であると、周期Tは0.08秒となり
、チャネルサイクリング周波数Fは12.5ヘルツとなる。12.5Hzの周波数は、2
ヘルツの運動刺激感度を上回り、2500ヘルツの周波数は、50Hzの感覚刺激の刺激
感度を上回っている。したがって、患者の望ましくない不注意の神経筋の運動刺激及び感
覚刺激の可能性が回避される。周波数Fは、上述した範囲を下回ることも上回ることもで
き、それでも、不注意の神経筋の運動刺激及び感覚刺激を回避することができることが理
解されるであろう。さらに、上述した計算は、4つのチャネルCH1~CH4に基づいて
いる。もちろん、これよりも多くのチャネル又は少ないチャネルを用いて、計算を、説明
したものから変更することができる。周波数F及び周期Tは、利用される構成に応じて他
の値とすることができる。
【0090】
[III.ケーブル付属品の例]
ケーブル付属品32は上記セクションにおいて紹介されたが、ここでは、このケーブル
付属品32の例がより詳細に説明される。ケーブル付属品32は、1つ以上の電極アタッ
チメント43及び制御コンソール30を相互接続するのに利用される。制御コンソール3
0は、1つ以上のチャネルCH1~CH4を通じて電極アタッチメント43のうちの1つ
以上を通電して、RF神経アブレーションを実行するように構成されている。
【0091】
繰り返すが、これらの電極アタッチメント43は、モノポーラ電極、並列バイポーラ構
成において利用されるモノポーラ電極、又は自己接地式バイポーラ電極を備えることがで
きる。制御コンソール30に接続することができるこれらの電極アタッチメント43の様
々な組み合わせが存在する。これらの組み合わせの例として、例えば、最大4つのモノポ
ーラ電極、2つの並列バイポーラ電極対、4つのバイポーラ自己接地式電極、2つのモノ
ポーラ電極及び1つの並列バイポーラ電極対、2つのモノポーラ電極及び2つのバイポー
ラ自己接地式電極、1つの並列バイポーラ電極対及び2つのバイポーラ自己接地式電極が
ある。
【0092】
これらの電極アタッチメント43の接続は、チャネルCH1~CH4の様々な組み合わ
せに対するもの又は様々な組み合わせの間のものとすることができる。ケーブル付属品3
2は、電極アタッチメント43の組み合わせが、例えば使用と使用の間で変更されるごと
のチャネルCH1~CH4の間の電極アタッチメント43の負担になる接続及び接続解除
を軽減する。例えば、
図7に示すように、並列バイポーラは、CH1/CH2、又はCH
3/CH4の間で可能であるとともに、
図8に示すように、CH2/CH3の間でも可能
である。並列バイポーラ構成は、CH1/CH3及びCH2/CH4の間でインタリーブ
することもできる。様々なタイプの電極アタッチメント43及びチャネルCH1~CH4
接続構成は全て、同じケーブル付属品32によってサポートされる。ケーブル付属品32
及び制御コンソール30のシステムアーキテクチャは、上記で特定した、強化されたシス
テム能力を可能にする。
【0093】
以下で説明するように、電極アタッチメント43は、それらの組み込み電子機器の認証
セクション内に識別機能を特徴として備える。制御コンソール30は、取り付けられた電
極アタッチメント43を承認された付属品として認証し、電極タイプ(例えば、モノポー
ラ、自己接地式バイポーラ等)を識別することができる。制御コンソール30、ケーブル
付属品32、及び自動電極識別は、真の「プラグアンドプレイ」機能を可能にする。アタ
ッチメントケーブルを変更する必要なく、制御コンソール30は、電極アタッチメント4
3に自動的に適合することが可能であり、使用が簡略化され、それによって、使用エラー
の可能性が低減される。
【0094】
図13に、1つの例によるケーブル付属品32を示す。このケーブル付属品32は、制
御コンソール30に接続するように構成された第1のインタフェース100を備える。第
1のインタフェース100は、
図1に示すように、制御コンソール30の第1の接続イン
タフェース42に接続する。第1のインタフェース100は、
図13に示すように、電気
コネクタ102を備える。1つの例では、第1のインタフェース100は、制御コンソー
ル30への接続を簡単にするためにこの単一のコネクタ102のみを備える。この例では
、制御コンソール30の第1の接続インタフェース43に接続することができる全ての回
路構成は、この単一のコネクタ102を通じて配線される。コネクタ102は、オス型/
メス型とすることができる。第1のインタフェース100は、図示したコネクタ102に
加えて他の任意の適した接続手段を用いて、制御コンソール30の第1の接続インタフェ
ース42とインタフェースすることができる。
【0095】
ケーブル付属品32は、第2のインタフェース104を反対側端部に更に備えている。
第2のインタフェース104は、モノポーラ電極アタッチメント43及び/又はバイポー
ラ自己接地式電極アタッチメント43等の電極アタッチメント43に接続するように構成
されている。
図13では、第2のインタフェース104は、複数の電気コネクタ110A
~110Dを提供することによって、最大4つの異なる電極アタッチメント43とインタ
フェースするように構成されている。各電気コネクタ110A~110Dは、どの電極ア
タッチメント43が電気コネクタ110A~110Dに接続されているのかに応じて、1
つのモノポーラ電極アタッチメント43又は1つのバイポーラ自己接地式電極アタッチメ
ント43に接続するように構成されている。コネクタ110A~110Dは、電極アタッ
チメント40のコネクタ40を機械的かつ電気的に受容して、安定した機械電気接続を提
供するように構成されている。簡略化するために、
図13では、第2のインタフェース4
3の電気コネクタ110Cとインタフェースする1つの電極アタッチメント43が示され
ているが、この例では、4つまでの電極アタッチメント43を利用することができる。
【0096】
図13では、ケーブル付属品32は、例えば、第2のインタフェース104と第1のイ
ンタフェース102との間の回路構成、配線、ケーブル、又は端子を格納するハウジング
106を備える。ハウジング106は、審美的な目的で設けられる場合もあり、また、ユ
ーザの利便性を提供するために設けられる場合もある。電気ケーブル108は、ハウジン
グ106と第1のインタフェース100との間に接続される。この例では、第2のインタ
フェース104は、
図13に示すように、ハウジング106に一体化されている。この構
成によって、制御コンソール30から離れた距離において、容易にアクセス可能なポート
が電極アタッチメント43のうちの任意のものをケーブル付属品32に接続することが可
能になる。その結果、電極アタッチメント43のケーブル38の長さを潜在的に削減する
ことができる。他の例では、第1のインタフェース100もハウジング106内に統合す
ることができ、それによって、電気ケーブル108の長さの削減又は電気ケーブル108
の完全な除去を行うことができることが理解されるであろう。他の例では、ケーブル付属
品32は、ハウジング106なしで実施することができる。その代わり、第2のインタフ
ェース104は、ケーブル管理手段を用いて互いに束ねることができる。第1のインタフ
ェース100と第2のインタフェース104との間の他の構成も考えられる。
【0097】
図13に示すように、ケーブル付属品32は、ケーブル108に取り付けられたクリッ
プ112等のケーブル管理手段を備えることができる。クリップ112は、ケーブル10
8の長手に沿ってスライド可能とすることができ、ケーブル付属品32の位置に応じて滅
菌野内又は滅菌野外で物体に取り付け可能とすることができる。例えば、クリップ112
は、外科用ドレープに直接取り付けて、第2のインタフェース104をアクセス可能とす
ることもできるし、クリップ112は、ケーブル付属品32を所定の位置に固定する特徴
部に取り付けることもできる。クリップ112以外の任意の適したケーブル管理手段も考
えられる。
【0098】
図14に、1つの例によるケーブル付属品32の内部回路構成を示す。この例では、ケ
ーブル付属品32は受動的である。これは、ケーブル付属品32が、例えば、その内部の
能動電気構成要素又は能動電子構成要素を通電するために、電源によって能動的に電力供
給されないことを意味する。その代わり、ケーブル付属品32は、制御コンソール30に
よる必要に応じて、適切な電気経路を受動的に提供するように構成されている。
【0099】
図14では、第1のインタフェース100は、ケーブル付属品32を表すボックスの左
側に示され、第2のインタフェース104の4つの分離したコネクタ110A~110D
は、ケーブル付属品32を表すボックスの右側に示されている。この例では、第1のイン
タフェース100は、30個の導電端子(例えば、ピン)を備え、第2のインタフェース
104の電気コネクタ110A~110Dの各々は、同数の導電端子を備え、この例では
6個である。第1のインタフェース100及び第2のインタフェース104の各電気コネ
クタ110A~110Dは、任意の適した数の電気端子又はピンを備えることができるこ
とが理解されるであろう。加えて、第1のインタフェース100及びコネクタ110A~
110Dのピンの名称は、
図14に示すようなピンの名称と異なる場合がある。
【0100】
この例では、出力回路経路114A~114Dは各々、どの電極アタッチメント43が
第2のインタフェース104に接続されているかに応じて、制御コンソール20の1つの
チャネルCH1~CH4からそれぞれのモノポーラ電極アタッチメント43又はバイポー
ラ自己接地式電極アタッチメント43への信号出力に対応するように、第1のインタフェ
ース100と第2のインタフェース104との間に接続されている。より具体的には、各
チャネルCH1~CH4について、各出力回路経路114A~114は、第2のインタフ
ェース104の各コネクタ110A~110Dのピン1(RFA)と、第1のインタフェ
ース100のピン1、5、9及び16(CH_Electrode Output)との
間にそれぞれ規定される。出力回路経路114A~114Dは、モノポーラ構成、並列バ
イポーラ構成、又はバイポーラ自己接地式構成のRF出力信号を伝送するのに利用するこ
とができる。
【0101】
バイポーラ自己接地式電極アタッチメント43に対応するために、ケーブル付属品32
は、有利には、第1のインタフェース100と第2のインタフェース104との間に各々
接続された帰還回路経路116A~116Dを提供して、特にバイポーラ自己接地式電極
アタッチメント43から、RF出力信号を提供した制御コンソール30のそれぞれのチャ
ネルへの信号帰還に対応する。より具体的には、各チャネルCH1~CH4について、こ
の帰還回路経路116A~116は、第2のインタフェース104の各コネクタ110A
~110Dのピン4(RFB)と第1のインタフェース100のピン4、8、12及び1
3(CH_Electrode Self Gnd)との間にそれぞれ規定される。
【0102】
一般に、モノポーラ構成及び並列バイポーラ構成の場合には、RF出力信号を帰還させ
るのに帰還回路経路116A~116Dを利用する必要はない。したがって、これらの帰
還回路経路116A~116Dは、バイポーラ自己接地式構成に専用化されている。例え
ば、上記セクションにおいて説明したように、接地パッド36は、モノポーラ動作のRF
出力信号を吸収し、したがって、RF出力信号は、制御コンソール30にケーブル付属品
32を通って帰還されるのではなく、接地パッド36アセンブリを通って帰還される。本
明細書では、用語「出力」及び「帰還」が、回路経路114、116を説明するのに利用
されているが、これらの経路を通過する信号は、これらの経路114、116のうちの任
意の所与の一方を通る電流フロー方向を交番させることができるAC信号とすることがで
きることが理解されるであろう。したがって、信号は、出力回路経路114を通って帰還
することができ、及び/又は、帰還回路経路116を通って出力することができる。した
がって、用語「出力」及び「帰還」は、簡略化のために利用されており、電流フロー方向
を限定することを意図するものではない。
【0103】
2つのモノポーラ電極アタッチメント43がともに利用される並列バイポーラモードの
場合、RF出力信号は、第2のインタフェース104の別のコネクタ110A~110D
のピン1(RFA)を通って帰還される。並列バイポーラの1つの例を示すために、
図1
4を参照すると、RF出力信号は、CH2の回路経路114Bを通って2つのモノポーラ
電極アタッチメント43のうちの第1のものに出力することができる。RF出力信号は、
第2のインタフェースコネクタ110Bのピン1(RFA)を出て、標的部位を通過し、
第2のインタフェースコネクタ110Aのピン1(RFA)を通って帰還する。その後、
RF出力信号は、回路経路114Aに沿って第1のインタフェース(ピン1)に帰還する
。このように、用語「出力」は、出力回路114A~114Dを説明するのに用いられて
いるが、これらの回路114A~114Dは、並列バイポーラ構成が利用されるか否かに
応じて、信号出力又は信号帰還に利用することができることが理解されるであろう。特に
、並列バイポーラのこの帰還回路経路(例えば、RFA、回路114)は、自己接地式バ
イポーラ構成の帰還回路経路116と異なる。
【0104】
図14では、各第2のインタフェースコネクタ110A~110Dは、電極アタッチメ
ントの熱電対(図示せず)に接続する端子の対(ピン2のTC+及びピン3のTC-)を
更に備える。より具体的には、各チャネルCH1~CH4について、回路経路が、各コネ
クタ110A~110Dのピン2及び3(TC+、TC-)と第1のインタフェース10
0のピンとの間に規定される。そのような熱電対の例は、2014年10月7日に付与さ
れた「Electrode Assembly with Separate Bipolar Cannula and Supply Electrode」と
いう発明の名称の米国特許第8,852,182号に開示されている。この米国特許の開
示内容はその全体が、引用することによって本明細書の一部をなすものとする。ケーブル
付属品32を通じて、コントローラ60は、各電極E1~E4の熱電対に信号を送信し、
これらの熱電対から信号を帰還させる。帰還された信号は、温度測定値及び温度フィード
バックループについてコントローラ60によって解析される。
【0105】
図2及び
図13を再び参照すると、電極アタッチメント43は、不揮発性メモリデバイ
ス(NVM)又は消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)等のメモリ
デバイス120を備える。このメモリデバイス120は、電極アセンブリ34内、ケーブ
ル38内、又はコネクタ40内等の、電極アタッチメント43に対する任意の適した位置
に配置することができる。
図13に示す例では、メモリデバイス120は、メモリデバイ
ス120と制御コンソール30との間に短い電気経路を提供するためにコネクタ40内に
ある。後のセクションにおいて説明するように、各電極アセンブリ43のメモリデバイス
120は、識別データ、使用量データ、及び認可/認証データ等の、電極アセンブリ43
に関する記憶されたデータを含む。
【0106】
ケーブル付属品32に接続された各電極アタッチメント43のメモリデバイス120か
らのデータの読み取り及び/又はメモリデバイス120へのデータの書き込みのコマンド
の送信を容易にするために、各第2のインタフェースコネクタ110A~110Dは、電
極アタッチメント43のメモリデバイス120に接続する端子対(ピン5のNVMデータ
及びピン6のNVM接地)を更に備える。より具体的には、各チャネルCH1~CH4に
ついて、各コネクタ110A~110Dのピン5及び6(NVMデータ、NVM接地)と
第1のインタフェース100のピンとの間に回路経路が規定される。このメモリデバイス
120は、制御コンソール20からのNVMデータ信号を介してオフ及びオンにサイクル
(循環制御)された後であっても、記憶された情報を取り出すことが望ましい。
【0107】
図2、
図13及び
図14を参照すると、ケーブル付属品32も、NVM又はEPROM
等のメモリデバイス128を備えることができる。このメモリデバイス128は、ハウジ
ング106内、ケーブル108内、又はコネクタ102内等の、ケーブル付属品32に対
する任意の適した位置に配置することができる。
図13に示す例では、メモリデバイス1
28は、メモリデバイス128と制御コンソール30との間に短い電気経路を提供するた
めに第1のインタフェース102におけるコネクタ102内にある。ケーブル付属品32
のメモリデバイス128も、識別データ、使用量データ、及び認可/認証データ等の、ケ
ーブル付属品32に関する記憶されたデータを含む。例えば、メモリデバイス128は、
第2のインタフェース104に接続された1つ以上の電極アタッチメント43に関連した
識別データを記憶するように構成することができる。メモリデバイス128は、制御コン
ソール30によるケーブル付属品32の使用量、及び/又は、1つ以上の電極アタッチメ
ント43によるケーブル付属品32の使用量に関連した使用量データを記憶するように構
成することができる。加えて又は代替的に、メモリデバイス128は、ケーブル付属品3
2による電極アタッチメント43の使用、制御コンソール20による電極アタッチメント
43の使用、及び/又は制御コンソール30によるケーブル付属品32の使用の認可に関
連した認証データを記憶するように構成されている。メモリデバイス128内のそのよう
なデータについての更なる詳細は、後のセクションにおいて説明される。
【0108】
ケーブル付属品32のメモリデバイス128からのデータの読み取り及び/又はメモリ
デバイス128へのデータの書き込みのコマンドの送信を容易にするために、第1のイン
タフェース100は、第1のインタフェース100が制御コンソール30に接続するとメ
モリデバイス128をコントローラ60に接続する端子対(ピン28のケーブルNVMデ
ータ及びピン30の絶縁接地(Isolated Ground))を備える。
【0109】
図14のケーブル付属品32は、ピン27(GPIO検出)及びピン29(絶縁接地)
がケーブル付属品32内で相互に短絡される追加の特徴を提供する。この短絡は、第1の
インタフェース100と第2のインタフェース104との間の任意の箇所に配置された短
絡導体によって実施することができる。これらのピンを短絡することによって、制御コン
ソール30のコントローラ60は、第1のインタフェース100が制御コンソール30の
第1の接続インタフェース42に接続すると、制御コンソール30の内部の回路を閉じる
ことが可能になる。制御コンソール30の内部回路構成は、短絡されたピンを介して行わ
れる回路の閉鎖時に幾つかの信号を検出することを可能にするプルアップ抵抗器等を備え
ることができる。検出された信号は、コントローラ60によって認識することができ、こ
れに応じて、コントローラ60は、ケーブル付属品32が制御コンソール30に確かに接
続されていることを認識するように構成される。制御コンソール30は、ケーブル付属品
32がアクティブ通信、データ伝送、近接性検出等の他の手段を用いて接続されているこ
とを認識することができることが理解されるであろう。
【0110】
次に、
図15に関してケーブル付属品の別の例32’を説明する。ただし、
図14のケ
ーブル付属品と同様の構成要素又は特徴は、簡略化するために繰り返さないことにする。
【0111】
図15に、ケーブル付属品32’のこの例の内部回路構成を示す。この例では、ケーブ
ル付属品32’は能動的であり、これは、以下で説明するように、ケーブル付属品32’
が、例えば、その内部の能動電気構成要素又は能動電子構成要素を通電するために電源に
アクセスすることができることを意味する。換言すれば、ケーブル付属品32’は、制御
コンソール30による必要に応じて、供給された電力を用いて幾つかの構成要素を通電す
ることによって適切な電気経路を提供するように構成されている。
【0112】
図15におけるケーブル付属品32’は、第1のインタフェース100と第2のインタ
フェース104との間に接続された回路構成を備える。この回路構成は、
図14の回路構
成と同様であるが、スイッチ装置130が、第1のインタフェース100と第2のインタ
フェース104との間に更に接続されている。スイッチ装置130は、第1のインタフェ
ース100と第2のインタフェース104との間の複数の電気経路構成のうちの1つ以上
を選択し、それによって、説明した電極アタッチメント43のうちの1つ以上と、制御コ
ンソール20の1つ以上のチャネルCH1~CH4との間の相互接続に対応するように制
御可能である。
【0113】
図15では、スイッチ装置130は、それぞれの各第1の回路経路114A~114D
を開閉する、各第1の(出力)回路経路114A~114Dと直列に配置された第1のリ
レー132A~132Dを備える。スイッチ装置130は、それぞれの各第2の回路経路
116A~116Dを開閉する、各第2の(帰還)回路経路116A~116Dと直列に
配置された第2のリレー134A~134Dを更に備える。幾つかの例では、第1のリレ
ー132A~132Dのみを設けることができ、第2のリレー134A~134Dは設け
られない。他の例では、第2のリレー134A~134Dのみを設けることができ、第1
のリレー132A~132Dは設けられない。他の例では、回路構成を削減するために、
共通の第1のリレーユニットが、全ての第1のリレー132A~132Dの機能を包含す
ることができ、第2の共通の第2のリレーユニットが、全ての第2のリレー134A~1
34Dの機能を包含することができる。
【0114】
スイッチ装置130は、第1のインタフェース100と第2のインタフェース104と
の間の任意の適した位置に配置することができる。1つの例では、スイッチ装置130は
、第1のリレー132A~132D及び第2のリレー134A~134Dを収容するケー
ブル付属品32のハウジング106内に配置される。
【0115】
図15に示すように、第1のリレー132A~132D及び第2のリレー134A~1
34Dの各々は、ピン17(8チャネルGPIO)、ピン22(12V電源)及びピン2
9(絶縁接地)において第1のインタフェース100に接続される。重ねて、これらのピ
ン番号は、
図15に示すピン番号と異なる場合がある。1つの例では、内部回路構成の1
つの例を示す
図16に示すように、第1のリレー132A~132D及び第2のリレー1
34A~134Dは各々、この例ではインダクタLのリレー回路であるリレー回路136
を備えることができる。リレー回路136には、スイッチSを磁気的に開放/閉鎖するよ
うに構成されたインダクタLがある。各リレー132、134は、MOSFET等の電界
効果トランジスタ(FET)138を備える。8チャネルGPIOピンは、トランジスタ
138のゲートを通電するために設けられる。インダクタLの高側は、コントローラ60
によって連続して提供される12V絶縁電源に接続される。インダクタLの低側は、FE
T138のソースに接続される。FET138のドレインは、電流を制御コンソール30
内のコントローラ60に帰還させる絶縁接地に接続される。第1のリレー132A~13
2Dについて、スイッチSは、第1のインタフェース100におけるそれぞれのチャネル
CH1~CH4の電極出力ピン(1、5、9、13)と、それぞれの各第2のインタフェ
ースコネクタ110A~110DにおけるRFAピン(1)との間の回路を開放/閉鎖す
る。第2のリレー134A~134Dについて、スイッチSは、第1のインタフェース1
00におけるそれぞれのチャネルCH1~CH4の電極自己接地ピン(4、8、12、1
6)と、それぞれの各第2のインタフェースコネクタ110A~110DにおけるRFB
ピン(4)との間の回路を開放/閉鎖する。コントローラ60は、リレー132、134
が閉鎖/開放されるべきと判断すると、インダクタLを通電/通電解除するように、FE
T138のゲートにある8チャネルGPIOピンを制御し、そして、スイッチSを閉鎖/
開放し、それによって、回路を閉鎖/開放して信号操作を可能にする。当業者であれば、
本明細書において具体的に説明したもの以外に、他の様々なリレー構成が可能であること
が分かる。
【0116】
これらの技法を用いると、コントローラ60は、スイッチ装置130を制御して、利用
されている電極アタッチメント43のタイプ(例えば、モノポーラ、自己接地式バイポー
ラ)と、電極アタッチメント(複数の場合もある)43が利用されているモード(例えば
、モノポーラ、並列バイポーラ等)とに基づいて様々な電気経路構成を選択するように構
成されている。例えば、スイッチ装置130は、
図6~
図9に関して説明したリレー構成
のうちの任意のものを模倣するように制御することができる。例えば、スイッチ装置13
0は、モノポーラ電極アタッチメント43と制御コンソールの1つのチャネルとを相互接
続するように適合された電気経路構成を選択するように制御することができる。CH1に
関して、これは、例えば、CH1の第1のリレー132Aをオンにスイッチングするとと
もに第2のリレー134Aをオフにスイッチングすることによって行うことができる。並
列バイポーラモードで動作する2つのモノポーラ電極が第2のインタフェースコネクタ、
例えば、110A、110B(CH1/CH2)に接続されている場合には、スイッチ構
成130は、第1のリレー132A、132Bをオンにスイッチングする一方、第2のリ
レー134A、134Bをオフにスイッチングするように制御することができる。電極ア
タッチメント43が、例えば、CH1に接続されたバイポーラ自己接地式電極を備える場
合、スイッチ構成130は、CH1の第1のリレー132A及び第2のリレー132Bを
オンにスイッチングすることができる。これらの技法は、
図6~
図9に示すようなリレー
セクション66におけるリレーのスイッチングに代えて又はこれに加えて実行することが
できる。
【0117】
図17及び
図18を参照すると、ケーブル付属品の更に別の例32”では、ケーブル付
属品32のチャネリング能力の向上を可能にするために、第1のリレー132及び第2の
リレー134は、コントローラ60によるタイムスライス及び/又は連続制御を受ける。
この例では、制御コンソール30からの4つのチャネルCH1~CH4が引き続き利用さ
れるが、第1のリレー132及び第2のリレー134は、各チャネルCH1~CH4につ
いて2倍にされている。主として、2つの第1のリレー132は、CH1+(すなわち、
CH1電極出力(CH1 electrode output)、ピン1)に関連付けられ、2つの第2のリレ
ー134は、CH-(すなわち、CH1電極自己接地(CH1 Electrode self-ground)、
ピン4)に関連付けられている。CH1+及びCH1-からの回路をスプライスして、2
つの第1のリレー132及び2つの第2のリレー134に接続することができる。
図17
には、CH2~CH4についての同じ構成が提示されている。
【0118】
この構成を提供することによって、ケーブル付属品32は、第2のインタフェースコネ
クタ110を2倍にし、それによって、
図18に示すように、第2のインタフェース10
4において8つの分離したコネクタ110A~110Hを提供する。主として、
図17に
示すように、CH1は、CH1出力及びCH5出力を生成するように2倍にされ、CH2
は、CH2出力及びCH6出力を生成するように2倍にされ、それ以外のチャネルについ
ても同様である。これによって、ケーブル付属品32”及び最終的には電気外科システム
20は、2倍の電極アタッチメント43に対応することが可能になる。それぞれのCH1
~CH4+/-のスプライシングを介して共有された電気経路を用いると、
図17の構成
は、タイムスライスすることと、第1のリレー132及び第2のリレー134のうちの幾
つかのものを順次アクティブ化及び非アクティブ化することによって可能になる。1つの
例では、CH1~CH4のRF増幅器68A~68Dは、20msのタイムスライスにつ
いて順次かつ非同時にアクティブ化される。その場合、順次かつ非同時のタイムスライス
は、スイッチング配置130のリレー132、134に対して行われる。
【0119】
例えば、CH1及びCH5が、モノポーラ電極アタッチメント43を有する場合、CH
1の第1のリレー132のうちの1つは、主要なCH1タイムスライス(20ms)の一
方の部分(例えば、10msのスライスA)の間、オンにスイッチングされる一方、CH
5の第2のリレー134のうちの1つは、主要なCH1タイムスライスの他方の部分(例
えば、他方の10msのスライスB)の間、オンにスイッチングされる。
【0120】
CH1及びCH5が、それらの間に、並列バイポーラ構成で動作する2つのモノポーラ
電極アタッチメント43を接続している場合、CH1の第1のリレー132のうちの一方
及びCH5の第2のリレー134のうちの一方は、主要なCH1タイムスライスの一方の
部分(例えば、10ms)の間、オンにスイッチングされる一方、CH1の他方の第1の
リレー132及びCH5の他方の第2のリレー134は、主要なCH1タイムスライスの
他方の部分(例えば、他方の10ms)の間、オンにスイッチングされる。
【0121】
バイポーラ自己接地式電極アタッチメント43が、CH1及びCH5に接続されている
場合、CH1の双方の第1のリレー132は、主要なCH1タイムスライスの一方の部分
(例えば、10ms)の間、オンにスイッチングされる一方、CH5の第2のリレー13
4の双方は、主要なCH1タイムスライスの他方の部分(例えば、他方の10ms)間、
オンにスイッチングされる。
【0122】
CH1/CH5に関して説明される技法は、
図17における残りのチャネルCH2/C
H6、CH3/CH7、CH4/CH8に関しても等しく実行することができる。さらに
、任意のタイプのタイムスライス構成又はタイミングを利用することができる。この構成
には、上記セクションIIにおいて説明した構成が含まれるが、これらの構成に限定され
るものではない。重ねて、これらの技法は、
図6~
図9に示すように、リレーセクション
66におけるリレーのスイッチングに代えて又はこれに加えて実行することができる。さ
らに、ケーブル付属品32、32’、32”を動作させる方法は、本明細書では、これら
の機能によってサポートされる。
【0123】
[IV.刺激及びインピーダンスの検証技法及び較正技法]
図19を参照すると、制御コンソール30によって提供される刺激信号及びインピーダ
ンス信号の検証及び/又は較正の技法が提供されている。上述したように、これらの刺激
信号は、感覚刺激信号及び運動刺激信号を含む。
【0124】
図19を参照し、コントローラ60及びリレーセクション66の構成要素を最初に紹介
することによってこの技法を説明する。これらの構成要素によって、この技法が可能であ
ることが示される。コントローラ60は、マイクロコントローラ200、デジタル/アナ
ログ変換器(DAC)202、検知回路204、刺激(運動又は感覚)発生器(STIM
V(+)を表す206及びSTIM(V-)を表す208によって示される)、インピ
ーダンス発生器(インピーダンスZ(+)を表す210及びインピーダンスZ(-)を表
す212によって示される)、及び多重化回路214を備え及び/又は実装する。1つの
例では、マイクロコントローラ200は、インピーダンス変換器ネットワークアナライザ
ICである。ただし、マイクロコントローラ200は、他の構成を有することもできる。
【0125】
刺激発生器206、208はそれぞれ、刺激信号を出力し、帰還させるように構成され
ている。インピーダンス発生器210、212はそれぞれ、インピーダンス信号を出力し
、帰還させるように構成されている。コントローラ60又はマイクロコントローラ200
は、それぞれの刺激信号及びインピーダンス信号を生成するように刺激発生器206、2
08及びインピーダンス発生器210、212を制御する。
【0126】
1つの例では、刺激信号は二相DC信号であり、インピーダンス信号はAC信号である
。1つの例では、刺激信号は、DAC202を介して+/-0.0ボルト~最大+/-1
0.0ボルトに調整可能な振幅を有する。インピーダンス測定信号は、例えば、30KH
zの周波数及び0.5ボルトの振幅を有する制御された出力インピーダンスAC信号であ
る。コントローラ60又はマイクロコントローラ200は、DAC202をアドレス指定
可能なシリアル周辺インタフェース(SPI)バスにインタフェースする。DAC202
は、+/-10ボルトDCの振幅範囲を有するソフトウェア制御された出力波形を提供す
るように構成されている。
【0127】
コントローラ60又はマイクロコントローラ200上のソフトウェアは、DAC202
の動作を直接制御し、それによって、感覚神経刺激信号及び運動神経刺激信号の生成を可
能にする。DAC202の出力は、波形スルーレートを改善するとともに電流制限制御を
提供するために、バッファ増幅器を通って転送される。DAC202からのバッファリン
グされた出力は、次に、刺激波形信号をインピーダンス測定信号と多重化するために、回
路214を通って転送される。
【0128】
検知回路204は、刺激信号用に提供され、1つの例では、マイクロコントローラ20
0及び電流検知抵抗器によって実施される。マイクロコントローラ200は、以下で説明
するように、インピーダンス信号に関する第2の検知回路として提供される。
【0129】
この技法を実施するリレーセクション66の追加の構成要素も、
図19に示されている
。具体的には、リレーセクション55は、コントローラ60と制御コンソール30の第1
の接続インタフェース42との間に接続された刺激/インピーダンス出力リレー216A
~216Dを備える。このリレーは、該当する場合には、ケーブル付属品32に接続する
。各刺激/インピーダンス出力リレー216A~216Dは、コントローラ60と第1の
接続インタフェース42との間のオン/オフ接続を選択的にスイッチングするように構成
されている。例えば、各刺激/インピーダンス出力リレー216A~216Dのオンへの
スイッチングは、RF出力中ではなく、感覚刺激信号又は運動刺激信号の供給及び/又は
インピーダンス測定中に、それぞれのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4が制御コ
ンソール30によって利用されるときに行うことができる。刺激/インピーダンス出力リ
レー216A~216Dは、コントローラ60及び/又はリレーセクション66によって
提供されるスイッチング信号によって制御される。刺激/インピーダンス出力リレー21
6A~216Dは、誘導性負荷ドライバ、リードリレー等の任意の適したタイプのリレー
とすることができる。
【0130】
刺激/インピーダンス帰還リレー218A~218Dは、コントローラ60と、接地パ
ッド36のコネクタ46に接続する制御コンソール30の第2の接続インタフェース44
との間に接続される。各刺激/インピーダンス帰還リレー218A~218Dは、第2の
接続インタフェース42とコントローラ60との間のオン/オフ接続を選択的にスイッチ
ングするように構成されている。刺激/インピーダンス出力リレー216A~216Dと
ちょうど同様に、各刺激/インピーダンス帰還リレー218A~218Dのオンへのスイ
ッチングは、RF出力中ではなく、感覚刺激信号又は運動刺激信号の供給及び/又はイン
ピーダンス測定中に、それぞれのチャネルCH1、CH2、CH3、CH4が制御コンソ
ール30によって利用されるときに行うことができる。刺激/インピーダンス帰還リレー
218A~218Dは、コントローラ60及び/又はリレーセクション66によって提供
されるスイッチング信号によって制御される。刺激/インピーダンス帰還リレー218A
~218Dは、任意の適したタイプのリレーとすることができる。
【0131】
上述した各チャネルCH1~CH4の接地パッドリレー80A~80Dも、この技法に
利用される。接地パッドリレー80A~80Dは、接地パッド36からの帰還経路が、感
覚刺激信号又は運動刺激信号の供給及び/又はインピーダンス測定中に必要とされるので
、アクティブ化される。各接地パッドリレー80A~80Dが閉じられた状態では、感覚
刺激モード若しくは運動刺激モード及び/又はインピーダンス測定中に、閉回路が形成さ
れる。
【0132】
各チャネルCH1~CH4のこれらのリレー216、218、80をオンにスイッチン
グすることによって、刺激発生器206のSTIM(V+)と第1の接続インタフェース
42との間に出力回路経路220が規定され、刺激発生器206から第1の接続インタフ
ェース42を通って1つ以上の電極アタッチメント43への刺激信号の送信を可能にする
。同様に、第2の接続インタフェース44と刺激発生器208のSTIM(V-)との間
に帰還回路経路222が規定され、1つ以上の電極アタッチメント43から接地パッド3
6及び第2の接続インタフェース44を通って刺激発生器208への刺激信号の帰還を可
能にする。このプロセスは、刺激モードにおいて動作するために電極アタッチメント43
が接続されたそれぞれの各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4について同様に行わ
れる。
【0133】
出力回路経路220は、インピーダンス発生器210のインピーダンスZ(+)から第
1の接続インタフェース42を通って1つ以上の電極アタッチメント43へのインピーダ
ンス信号の送信を更に可能にする。同様に、帰還回路経路222は、1つ以上の電極アタ
ッチメント43から接地パッド36及び第2の接続インタフェース44を通ってインピー
ダンス発生器212のインピーダンスZ(-)へのインピーダンス信号の帰還を可能にす
る。このプロセスは、インピーダンス信号を受信するために電極アタッチメント43が接
続されたそれぞれの各チャネルCH1、CH2、CH3、CH4について同様に行われる
。
【0134】
本明細書では、用語「出力」及び「帰還」が、回路経路220、222を説明するのに
利用されているが、これらの経路を通過する信号は、これらの経路220、222のうち
の任意の所与の一方を通る電流フロー方向を交番させることができるAC信号とすること
ができることが理解されるであろう。したがって、信号は、出力回路経路220を通って
帰還することができ、及び/又、帰還回路経路222を通って出力することができる。し
たがって、用語「出力」及び「帰還」は、簡略化のために利用されており、電流フロー方
向を限定することを意図するものではない。
【0135】
接地パッド36は、この技法について制御コンソール30に接続されるので、リレーセ
クション66は、接地パッド試験リレー82を利用する。上述したように、低インピーダ
ンスの状況が、接地パッド試験リレー82の作動をトリガする。
【0136】
リレーセクション66には、較正要素230が更に設けられる。1つの例では、較正要
素230は、高精度抵抗器等の較正抵抗器である。1つの例では、較正抵抗器は、低い公
差、例えば±0.1%を有する246オームの定格を有する。較正要素230は、抵抗器
以外の他のタイプとすることもできる。例えば、較正要素230は、較正キャパシタ等の
他の受動電気構成要素とすることができる。或いは、較正要素230は、電気構成要素の
ネットワークとすることもできる。さらに、較正要素230は、能動較正デバイスとする
こともできる。
【0137】
較正要素230の一方の端部と出力回路経路220との間に較正出力回路経路232が
規定される。較正要素230の他方の端部と帰還回路経路222との間に較正帰還回路経
路234が規定される。少なくとも1つの較正リレー236が、較正要素230と出力回
路経路220との間又は較正要素230と帰還回路経路222との間に接続されている。
図19では、2つの較正リレー236A、236Bが、これらのそれぞれの較正回路経路
232、234に対して直列に設けられる。1つの較正リレー236のみを利用すること
ができるが、冗長性のために2つの較正リレー236A、236Bを設けて、較正要素2
30の適切な接続又は接続解除を確実にすることができる。較正リレー236は、コント
ローラ60及び/又はリレーセクション66によって提供されるスイッチング信号によっ
て制御される。較正リレー236は、任意の適したタイプのリレーとすることができる。
【0138】
図19を続けて参照すると、リレーセクション66は、接地パッド刺激/インピーダン
ス出力リレー240及び接地パッド刺激/インピーダンス帰還リレー242を更に備える
。接地パッド刺激/インピーダンス出力リレー240は、出力回路経路220と接地パッ
ド試験リレー82の一方の端部との間に接続されている。接地パッド刺激/インピーダン
ス帰還リレー242は、接地パッド試験リレー82の他方の端部と帰還回路経路222と
の間に接続されている。これらの出力リレー240及び帰還リレー242は、接地パッド
36に対するインピーダンスを測定するためにオンにスイッチングされ、刺激/インピー
ダンス出力リレー216及び刺激/インピーダンス帰還リレー218がオンにスイッチン
グされるとき、一般にオフにスイッチングされる。
【0139】
次に、前述の紹介した構成要素を用いて、刺激及びインピーダンスの較正及び検証の技
法を説明する。1つの例によるこの較正/検証技法は、制御コンソール30によって実行
される自己試験プログラム中に実行される。自己試験は、制御コンソール30のブートア
ップ等の任意の適した時間に実行することができる。或いは、自己試験は、制御コンソー
ル30の動作中に実行することもできる。
【0140】
まず、インピーダンスの検証及び較正に関して、較正要素230に関連した出力リレー
240及び帰還リレー242がオンにスイッチングされる。1つの例では、刺激/インピ
ーダンス出力リレー216及び刺激/インピーダンス帰還リレー218が、このプロセス
の間、オフにスイッチングされる。したがって、この例では、較正要素230は、患者・
回路間に対するインピーダンス測定ではなく、この較正ステップに用いられる。別の例で
は、患者・回路間インピーダンス測定の実行中にインピーダンス較正及び検証を行うこと
ができるように、刺激/インピーダンス出力リレー216及び刺激/インピーダンス帰還
リレー218はオンにスイッチングされる。
【0141】
コントローラ60は、多重化回路214がインピーダンス発生器210、212を出力
回路経路220及び帰還回路経路222に選択的に接続することを可能にするように多重
化回路214を制御する。コントローラ60は、較正要素230を通じて試験信号を送信
し、この試験信号を解析する等の技法によって較正要素230と回路との適切な接続を確
認する。
【0142】
較正要素230が適切に接続されていることが確認されると、インピーダンス発生器2
10は、コントローラ60又はマイクロコントローラ200のコマンドに応じてインピー
ダンス信号を出力する。インピーダンス信号は、出力回路経路220及び較正出力回路経
路232を通過する。較正要素230はインピーダンス信号を受信する。較正要素230
が高精度抵抗器である場合、インピーダンス信号の電流が高精度抵抗器を通過することを
可能にすることによって、高精度抵抗器はインピーダンス信号を受信する。インピーダン
ス信号は、較正要素230を通過した後、較正帰還回路経路234及び帰還回路経路22
2を通過し、多重化回路214を通ってインピーダンス発生器212に帰還する。
【0143】
インピーダンス信号が帰還することによって、解析することができる読み取り値又は測
定値が得られる。マイクロコントローラ200によって実施されるインピーダンスの検知
回路は、帰還されたインピーダンス信号に関連した読み取り値を解析して、インピーダン
ス負荷が較正要素230の高精度抵抗の観点から純粋に抵抗であるか、又は、インピーダ
ンス負荷が誘導成分及び容量成分を更に含むかを評価するように構成されている。インピ
ーダンス負荷が純粋に抵抗でない場合、インピーダンスの検知回路(例えば、マイクロコ
ントローラ200)は、検出された誘導成分及び容量成分を補償するように較正される。
マイクロコントローラ200が自身を内部で較正するように構成することもできるし、コ
ントローラ60上の異なる構成要素が、マイクロコントローラ200の較正を命令するこ
ともできる。1つの例では、較正は、マイクロコントローラ200の検知回路の感度の調
整を伴う。較正値は、メモリ56に記憶することができ、マイクロコントローラ200の
最良推測較正を定式化するように解析することができる。この技法の範囲から逸脱するこ
となく、マイクロコントローラ200以外のインピーダンス検知回路を実施することがで
きることが理解されるであろう。
【0144】
マイクロコントローラ200の較正によって、インピーダンス信号測定値は、より純粋
な抵抗であるとともに正確なものに改善される。したがって、インピーダンス測定信号が
、最終的に、運動刺激モード又は感覚刺激モード中に利用されると、インピーダンス検知
回路が適切な動作について検証及び較正される。これによって、患者・回路間インピーダ
ンスをより高精度に測定することが可能になる。刺激波形及びRFエネルギーの双方の印
加は、患者・回路間インピーダンス値の有限範囲(例えば、38オーム~1800オーム
)に制限される。したがって、この技法は、重要な点として、正確な患者・回路間インピ
ーダンス測定値を提供する。
【0145】
次に、運動刺激又は感覚刺激の検証及び較正を検討する。この検証及び較正は、1つの
例では、インピーダンスの検証及び較正の後に行われる。ここで、較正要素230に関連
した出力リレー240及び帰還リレー242は、オンにスイッチングされるか又はオンの
状態を維持する。1つの例では、刺激/インピーダンス出力リレー216及び刺激/イン
ピーダンス帰還リレー218は、このプロセス中はオフにスイッチングされる。したがっ
て、この例では、較正要素230は、患者刺激ではなくこの較正ステップに用いられる。
代替の例では、刺激/インピーダンス出力リレー216及び刺激/インピーダンス帰還リ
レー218は、刺激の較正及び検証を、患者の運動刺激又は感覚刺激の実行中に行うこと
ができるように、オンにスイッチングされる。
【0146】
特に、同じ較正要素230が、インピーダンスの検証/較正及び刺激の検証/較正の双
方に利用される。コントローラ60は、多重化回路214がインピーダンス発生器210
、212から刺激発生器206、208に選択的にスイッチングすることを可能にし、刺
激発生器206、208と出力回路経路220及び帰還回路経路222との間の接続を可
能にするように多重化回路214を制御する。したがって、インピーダンス信号及び刺激
信号の多重化は、刺激電流検知較正を行うために行われる。インピーダンス測定機能の有
用性は、刺激検証用の較正要素230を通じてこの選択可能な回路経路を用いることによ
って改善される。較正要素230の適切な接続の試験は、繰り返すこともできるし、イン
ピーダンスの較正及び検証中に成功した試験に基
【0147】
刺激発生器206は、コントローラ60又はマイクロコントローラ200のコマンドに
応じて刺激信号を出力する。刺激信号は、出力回路経路220及び較正出力回路経路23
2を通過する。較正要素230は刺激信号を受信する。較正要素230が高精度抵抗器で
ある場合、刺激信号の電流が高精度抵抗器を通過することを可能にすることによって、高
精度抵抗器は刺激信号を受信する。刺激信号は、較正要素230を通過した後、較正帰還
回路経路234及び帰還回路経路222を通過し、多重化回路214を通って刺激発生器
208に帰還する。
【0148】
刺激信号が帰還することによって、解析することができる読み取り値又は測定値が得ら
れる。具体的には、刺激の検知回路204は、1つの例では、マイクロコントローラ20
0及び電流検知抵抗器によって実施される。検知回路204は、帰還された刺激信号に関
連した読み取り値を解析するように構成されている。一般に、刺激の検知回路204は、
インピーダンス信号と刺激信号との本質的な相違のため、インピーダンスに利用される必
要はない。1つの例では、刺激信号は、検知回路204の電流検知抵抗器を通過し、それ
によって、電流読み取り値を生成する。この電流読み取り値は、次に、対応する電圧信号
と相関される。コントローラ60又はマイクロコントローラ200は、例えば、この電圧
信号読み取り値を所定の値又は所定の値の範囲と比較することによって、この読み取り値
を評価する。
【0149】
読み取り値が予想通りのものでない場合、検知回路204は較正される。マイクロコン
トローラ200は、自身を内部で較正するように構成することもできるし、コントローラ
60上の異なる構成要素が、マイクロコントローラ200の較正を命令することもできる
。1つの例では、較正は、検知回路204の感度値の変更を伴う。この検知回路204の
較正は、実際の刺激電流値の高精度の確認を可能にする。較正値は、メモリ56に記憶す
ることができ、検知回路204の最良推測較正を定式化するように解析することができる
。この刺激保証機能は、刺激機能を実行している間、患者に送られる電流が不十分なとき
又は存在しないときを検出することができる。検知回路204の較正によって、刺激信号
の測定及び生成がより正確なものとなる。
【0150】
コントローラ60又はマイクロコントローラ200は、読み取り値を解析して、刺激信
号の出力中に刺激障害が発生したか否かを判断するように更に構成することができる。こ
の技法は、有利には、患者への刺激エネルギーの適切な供給を確認する。これによって、
通常ならば検出されない電気刺激回路構成又は刺激波形転送回路構成における障害を検出
する能力も改善され、それによって、医師が、障害のある患者フィードバックに基づいて
神経アブレーション手技を進め得る可能性が減少する。
【0151】
コントローラ60は、刺激及びインピーダンスについて本明細書において説明する検証
及び較正の技法のステータス又は結果に関する適切な通信又はメッセージの通信又は表示
を可能にする制御コンソール30の1つ以上のプロセッサ54と通信するように構成され
ている。
【0152】
説明した検証及び較正の技法は、本明細書において説明したもの以外の構成要素を用い
て利用することができ、これらの技法のステップは、説明した順序又は方法と異なるが、
機能的に同等の順序又は方法で行うことができる。
づいて推定することもできる。
【0153】
[V.付属品識別、オドメータ及び関連したデータベース]
図2を最初に参照し、電極アタッチメント43及び/又はケーブル付属品32に記憶さ
れたデータを処理し、そのようなデータをGUI52上に表示するために提供することに
関する技法を本明細書において説明する。
【0154】
上述したように、制御コンソール32は、ディスプレイ50、コントローラ60、及び
1つ以上のプロセッサ54を備える。制御コンソール32は、ケーブル付属品32及び電
極アタッチメント43を直接受容するか、又は、電極アタッチメント43(ケーブル付属
品32を伴っていない)を直接受容するように構成された第1の接続インタフェース42
を更に備える。
【0155】
同様に上述したように、
図2、
図13及び
図14を参照すると、電極アタッチメント4
3は各々メモリデバイス120を備え、ケーブル付属品32はメモリデバイス128を備
える。これらのメモリデバイス120、128は、NVM又はEPROM等の任意の適し
たタイプのメモリとすることができる。第1の接続インタフェース42は、制御コンソー
ル30のコントローラ60とこれらのアタッチメント32、43のメモリデバイス120
、128との間の接続をそれぞれ容易にする。
【0156】
1つの例では、データの送信、又は、メモリデバイス120、128からのデータの読
み取り及び/又はメモリデバイス120、128へのデータの書き込みのコマンドの送信
は、1ワイヤ通信プロトコルによって行われる。各メモリデバイス120、128は、1
ワイヤ信号線(例えば、
図14のCH_NVMデータ、ケーブルNVM参照)及び接地線
(例えば、
図14の絶縁接地参照)によって接続することができる。1ワイヤ信号線は、
解析用にコントローラ60に帰還する。他の任意の通信プロトコル又は技法を利用して、
制御コンソール30又はコントローラ60とメモリデバイス120、128との間の接続
を確立することもできる。
【0157】
図2に示すように、1つの例によるこれらのメモリデバイス120、128は各々、そ
れぞれの各アタッチメント32、43に関連したデータを含む。1つの例では、これらの
メモリデバイス120、128は、様々なデータフィールドを含む。
図2では、これらの
データフィールドのうちの数個のみ、すなわち、識別データ300、使用量データ302
及び認証データ304のみが示されている。
【0158】
識別データ300は、コントローラ60に対してそれぞれのアタッチメント32、43
を識別するデータである。識別データ300は、アタッチメント32、43についての様
々な識別情報を有するデータ構造体を含むことができる。例えば、識別データ300は、
アタッチメント32、43のタイプを識別するデータを含む名称フィールドを含むことが
できる。部品番号フィールドは、アタッチメント32、43の部品番号データを含むこと
ができる。アタッチメント32、43のシリアル番号は、別個に記憶することができる。
これらのデータは、アタッチメント32、43の使用を抑制するのに用いることができる
。これは、別のソースから受信されたデータが、特定のアタッチメント32、43が用い
られるべきでないことを制御コンソール30に通知する場合に必要となる場合がある。ア
タッチメント32、43の製造業者を識別する製造業者フィールドも設けることができる
。デバイスタイプデータフィールドは、アタッチメント32、43のタイプ(例えば、ケ
ーブル付属品、自己接地式バイポーラ、モノポーラ等)に関する情報を含むことができる
。
【0159】
電極アタッチメント43の場合、使用量データ302は、それぞれの各電極アタッチメ
ント43の使用量に関するものである。そのような使用量データ302は、制御コンソー
ル30(及び他の任意の制御コンソール)との電極アタッチメント43の使用量、及び/
又は、ケーブル付属品32(及び他の任意のケーブル付属品)との電極アタッチメント4
3の使用量を識別することができる。ケーブル付属品32の場合、使用量データ302は
、制御コンソール30(又は他の任意の制御コンソール)とのケーブル付属品32の使用
量、及び/又は、接続された電極アタッチメント43とのケーブル付属品32の使用量を
識別する。
【0160】
使用量データ302は、それぞれのアタッチメント32、43の動作を調節する。アタ
ッチメント32、43は、再利用可能及び/又は減菌可能な構成要素である。使用量デー
タ302は、それぞれのアタッチメント32、43がメンテナンスオーバホール又は廃棄
処分を受けるべき前に用いることができる回数を示す。この使用量データ302を用いる
と、電極E1~E4又は電極アタッチメント43が制御コンソール30から接続解除され
た回数、したがって、減菌を受けた回数を捕捉することができる。使用量データ302は
、それぞれのアタッチメント32、43を用いることができる最大全回数を示すデータも
含むことができる。これらのそれぞれのアタッチメント32、43は、複数の使用向けに
設計されているので、使用量データ302は、それぞれのアタッチメント32、43が使
用可能な寿命を越えて過度に用いられるのを防止するために提供される。これらの理由か
ら、使用量データ302は、オドメータデータと呼ばれる場合もある。
【0161】
1つの例では、使用量データ302構造体は、一連の「n」ビットを含む。ここで、「
n」は、カウントすることができる最大値である。初期値として、データビットの全てが
セットされる(「1」)。これは、0のオドメータ値に対応する。ケーブルアタッチメン
ト32、43が制御コンソール30にプラグインされるごとに、カウンタは1つずつイン
クリメントされ、データ構造体において遭遇する最初の非ゼロのビットがコントローラ6
0によってクリアされる。オドメータの復号化は、コントローラ60が、クリアされたビ
ット数をカウントすることを伴う。使用量データ302は、他のデータを含むことができ
、本明細書において説明したもの以外の技法を用いて操作することができる。
【0162】
認証データ304に関して、これは、アタッチメント32、43の使用の認可に関連し
たものである。例えば、認可されたケーブル付属品32及び電極アタッチメント43のみ
を、認可された制御コンソール32とともに利用することができ、また、その逆も同様で
ある。同様に、認可された電極アタッチメント43のみを認可されたケーブル付属品32
とともに利用することができ、また、その逆も同様である。認証データ304は、識別デ
ータ300とともに利用することができる。例えば、アタッチメント32、43の部品番
号は、レジストリに関して制御コンソール30に対しアタッチメント32、43を識別す
ることができる。認証データ304は、特定の構成要素を用いる際にともに用いられる場
合もあるし用いられない場合もある付随構成要素の部品番号を列挙したデータも含むこと
ができる。認証データ304の別の機能は、制御コンソール30に対してアタッチメント
32、43のタイプを識別することとすることができる。例えば、自己接地式電極アタッ
チメント43は、接地パッド36の使用を必要とするモノポーラアタッチメント43と異
なる動作要件を有する。本明細書において説明したもの以外の認証データ304の他の様
々な構成も利用することができる。
【0163】
識別データ300、使用量データ302、及び認証データ304、並びに電極アタッチ
メントのメモリデバイスの他のデータフィールドの例は、2014年10月7日に付与さ
れた「Electrode Assembly with Separate Bipolar Cannula and Supply Electrode」と
いう発明の名称の米国特許第8,852,182号に開示されている。この米国特許の開
示内容はその全体が、引用することによって本明細書の一部をなすものとする。より多く
の又はより少ないデータフィールドをメモリデバイス120、128に設けることができ
ることが理解されるであろう。そのようなデータフィールドの例は、アタッチメント32
、43のハードウェアバージョン、動作データ又は制御データ、物理パラメータ(例えば
、アタッチメント43の電極長)等を含むことができる。
【0164】
制御コンソール30は、有利には、アタッチメント32、43に関連したデータ300
及び使用量データ302を表したものを処理及び表示する新たな技法を提供する。主とし
て、制御コンソール30の非一時的メモリ56は、1つ以上のプロセッサ54によって実
行可能であるコンピュータ実行可能命令58(以下、ソフトウェアという)を記憶してい
る。ソフトウェア58は、コントローラ60とともに実施することもできる。ソフトウェ
ア58は、GUI52及びそのユーザ制御を実施する制御コンソール30のオペレーティ
ングシステムを実施することができる。
【0165】
ソフトウェア58は、制御コンソール30の第1の接続インタフェース42に受容され
たアタッチメント32、43に関連した識別データ300及び使用量データ302を読み
出し、記憶する。有利には、このデータを記憶することによって、制御コンソール30は
、制御コンソール30に接続されているか又は接続されていたアタッチメント32、43
の識別データ300及び使用量データ302を或る期間にわたって保持する。この時間は
、制御コンソール30の寿命とすることができる。したがって、この識別データ300及
び使用量データ302は、制御コンソール30の寿命全体を通して異なる時点に受信する
ことができる。メモリ56は、アタッチメント32、43がインタフェース42に接続さ
れている間に関連付けられた識別データ300及び使用量データ302を保持し、アタッ
チメント32、43がインタフェース42から接続解除された後であっても保持するよう
に構成されている。
【0166】
制御コンソール30のメモリ56内のデータベース320は、制御コンソール30に接
続されているか又は接続されていた全てのアタッチメント32、43の識別データ300
及び使用量データ302を記憶することができる。このデータベース320は、制御コン
ソール30が予防保全、在庫品管理、使用量管理、エラーログ記録等の目的でアタッチメ
ント32、43の在庫調べを実施することを可能にする。
【0167】
ソフトウェア58は、記憶された識別データ300及び使用量データ302を処理する
技法を実施する。主として、コントローラ60によって読み出された識別データ300及
び使用量データ302は、一般に、時間とともに断片的に受信される。したがって、ソフ
トウェア58は、累積データベース320において識別データ300及び使用量データ3
02を編成することによって、記憶された識別データ300及び使用量データ302を処
理するように構成される。これは、同様のタイプのデータをまとめ、データをタイムスタ
ンプによって配列し、データをデータベース320の幾つかのビンに類別することによっ
て行うことができる。ソート、連結、フィルタリング等の、識別データ300及び使用量
データ302のソフトウェアによる他の様々なタイプの拡張処理も考えられる。
【0168】
幾つかの例では、例えば、設備のデータマイニング目的で、一群(fleet)の制御コン
ソール30のデータベース320をリモートデータベースにまとめることができる。本明
細書において説明した技法によって提供されるような、このデータを最初に各制御コンソ
ール30上にローカルに記憶することができることは、データマイニングの有利な最初の
ステップである。
【0169】
さらに、ソフトウェア58は、記憶された識別データ及び使用量データをテキストに変
換することによって、記憶された識別データ300及び使用量データ302の処理を指示
するように構成されている。主として、コントローラ60によって読み出された識別デー
タ300及び使用量データ302は、一般に、表示に適した形態にない。識別データ30
0及び使用量データ302は、或るデジタル表現、例えば、バイナリ又はASCIIとす
ることができる。識別データ300及び使用量データ302は、制御コンソール30のオ
ペレーティングシステムによって理解されるとともにGUI52に適したテキスト及び/
又は画像を生成するように処理される。例えば、ソフトウェア68は、追加の意味を提供
するために識別データ300及び使用量データ302に追加されるか又は関連付けられる
追加の文字又は語を指示することができる。この処理は、記憶された文字又は語の表を用
いた文字符号化方式等の任意の適した技法に従うことができる。識別データ300及び使
用量データ302に対する処理、例えば、編成及び変換を説明したが、他の任意のタイプ
のデータを同様に処理することができることが理解されるであろう。
【0170】
次に
図20~
図23を参照すると、ソフトウェア58は、処理された識別データ300
及び使用量データ302のディスプレイ50用のデジタル表現310の生成を指示する。
【0171】
図20は、制御コンソール30に接続されているか又は接続されていた様々な電極アタ
ッチメント43のデータを示す、制御コンソール30のディスプレイ50上に表示可能な
GUI52の1つの例示の画面の図である。簡略化するために、ディスプレイ50自体は
示されていないが、GUI52がこのディスプレイ上に表示されていることは理解される
。この画面は、特に、ケーブル付属品32ではなく電極アタッチメント43に関するもの
である。この画面は、例えば、タッチ画面等を用いてGUI52とインタフェースするユ
ーザによって選択することができる。
【0172】
図20には、例えば、モノポーラ、自己接地式バイポーラ、及び電極アタッチメント4
3が並列バイポーラモードで動作することを示す各電極アタッチメント43のタイプが表
示されている。これは、処理された識別データ300から得ることができる。それぞれの
電極E1~E4の長さを示す各電極アタッチメント43の長さも、デジタル表現310上
に表示される。電極E1~E4は、様々な長さであり得るので、ユーザは、電極E1~E
4が、同じ電極が用いられていたのか又は異なる電極が用いられていたのかを知らない場
合がある。このデータを表すことによって、ユーザには、電極E1~E4が故障している
可能性があるか否かについてのより深い見識が提供される。処理された使用量データ30
2は、デジタル表現310を用いて表示する各電極アタッチメント43の使用量を導出す
るのに利用される。ここで、処理された使用量データ302は、電極アタッチメント43
が用いられた回数を示す整数として表される。
【0173】
コントローラ60は、アタッチメント32、43に関連した動作エラー330を検出す
るようにも構成されている。例えば、電極アタッチメント43に関して、電極E1~E4
が、接地パッド36のあまりにも近くに接近している場合がある。そのような状況では、
低インピーダンスが、接地パッド試験リレー82の作動をトリガする。コントローラ60
は、このエラーをメモリ56に記憶することもできるし、エラーデータをそれぞれの電極
アタッチメント43のメモリデバイス120に書き込むこともできる。他の様々なタイプ
の動作エラー330を電極アタッチメント43に関連付けることができる。ケーブル付属
品32についても同様のことが言える。制御コンソール32は、それぞれのアタッチメン
ト32、43に関連した識別データ300に動作エラー330を関連付けるように構成さ
れている。ソフトウェア58は、関連付けられた動作エラー330を更に含むディスプレ
イ50のデジタル表現310の処理及び生成を指示することができる。関連付けられた動
作エラー330のデジタル表現310の1つの導出結果を
図20に示す。この図では、各
電極アタッチメント43に関連した動作エラー330の整数値が表示されている。
【0174】
図21は、制御コンソール30に接続されているか又は接続されていた電極アタッチメ
ント43に関する制御コンソール30のエラーログを全体として示す、制御コンソール3
0のディスプレイ50上に表示可能なGUI52の別の例示の画面の図である。ここで、
処理された識別データ300は、関連付けられた動作エラー330によって処理中に編成
されたシリアル番号によってデジタルで表されている。この例における動作エラー330
は、電極E1~E4が接地パッド36に過度に近いことによる低インピーダンスに関する
ものである。もちろん、他の動作エラー330もデジタルで表すことができる。タイムス
タンプが、制御コンソール30の使用又は動作エラー330のトリガのいずれかに関連付
けられている。ログは、そのような動作エラー330のうちの任意のものの経過を追跡し
、制御コンソール30のユーザが制御コンソール30についてのこのデータに高速にアク
セスすることを可能にする。GUI52は、
図21に示すもの以外の制御コンソール30
についての他の任意の適したタイプのデータを提供することができる。
【0175】
GUI52は、制御コンソール30に接続されていた任意の所与のアタッチメント43
、32についてのデータを選択する能力を更に提供する。識別データ300及び使用量デ
ータ302の前述の処理は、異なるレイヤのデータを示すこれらの様々なGUI52の画
面の間の動的で高速な遷移を可能にする。
【0176】
図22の例では、デジタル表現310は、1つの電極アタッチメント43、すなわち、
100mmの長さと、処理された識別データ300から導出されたシリアル番号とを有す
るモノポーラ電極アタッチメント、のデータを提供する。重ねて、選択された電極アタッ
チメント43は、制御コンソール30に接続されているか又は接続されていたものである
。
図21に示す制御コンソール30のエラーログとは異なり、
図22におけるエラーログ
は、専らこのそれぞれの電極アタッチメント43についてのみ提供される。この例におけ
る動作エラー330は、この場合も、この電極アタッチメント43の電極が接地パッド3
6に過度に近いことによる低インピーダンスに関するものである。もちろん、電極アタッ
チメント43の他の動作エラー330も、デジタルで表すことができる。電極アタッチメ
ント43の使用又は動作エラー330のトリガのいずれかに関連したタイムスタンプも表
示される。ログは、そのような動作エラー330のうちの任意のものの経過を追跡し、制
御コンソール30のユーザが任意の単一の電極アタッチメント43についてのデータにア
クセスすることを高速に可能にする。GUI52は、
図22に示すもの以外の任意の所与
の電極アタッチメント43に関連した他の任意の適したタイプのデータを提供することが
できる。さらに、ケーブル付属品32についても同様に
図22のログを提供することがで
きる。
【0177】
図23は、ケーブル付属品32の選択可能な要約ページを示すGUI52の更に別の例
示の画面ショットである。重ねて、これは、制御コンソール30に現在接続されているケ
ーブル付属品32についてのものとすることもできるし、制御コンソール30に以前に接
続されていたケーブル付属品32についてのものとすることもできる。ケーブル付属品3
2の識別データ300及び使用量データ302は、ケーブル付属品32のシリアル番号及
び使用量(オドメータ)をそれぞれ示すデジタル表現310に処理されたものである。さ
らに、(例えば、ケーブル付属品32の第2のインタフェース104において)ケーブル
付属品32に接続される電極アタッチメント43の処理されたデータが表示される。すな
わち、各電極アタッチメント43の識別データ300及び使用量データ302は、各電極
アタッチメント43のシリアル番号、タイプ、長さ、及び使用量(オドメータ)をそれぞ
れ示すデジタル表現310に処理されたものである。GUI52は、画面内でネストされ
た選択を可能にすることができる。例えば、
図23では、ケーブル付属品32の各ポート
は、
図23に示すものを上回るそれぞれの各電極アタッチメント43についての更なる情
報を示すように選択することができる。GUI52は、
図23に示すもの以外のケーブル
付属品32又は接続された電極アタッチメント43に関連した他の任意の適したタイプの
データを提供することができる。さらに、
図22のログは、ケーブル付属品32について
も同様に提供することができる。
【0178】
いくつかの実施形態が上記の説明で論じられた。しかし、本明細書で論じる実施形態は
、網羅的であるか又は本発明を任意の特定の形態に限定することを意図されない。使用さ
れた用語は、限定的なものではなく、説明の言葉(words of description)の性質内にあ
ることを意図される。多くの変更及び変形が、上記教示を考慮して可能であり、本発明は
、具体的に述べられる以外の方法で実施することができる。
【0179】
本開示の実施形態は以下の番号付けされた条項を参照しながら説明することができ、具
体的な特徴が従属条項において説明される。
【0180】
I.モノポーラ電極アタッチメント及び/又はバイポーラ自己接地式電極アタッチメン
トを制御コンソールに相互接続するように構成されるケーブル付属品であって、上記制御
コンソールは、1つ以上のチャネルを通じて上記電極アタッチメントのうちの1つ以上を
通電し、高周波(RF)神経アブレーションを実行するように構成され、該ケーブル付属
品は、
上記制御コンソールに接続するように構成された第1のインタフェースと、
上記モノポーラ電極アタッチメント及び/又は上記バイポーラ自己接地式電極アタッチ
メントに接続するように構成された第2のインタフェースと、
どの電極アタッチメントが上記第2のインタフェースに接続されているのかに応じて、
上記制御コンソールの1つのチャネルから上記モノポーラ電極アタッチメント又は上記バ
イポーラ自己接地式電極アタッチメントへの信号出力に対応する、上記第1のインタフェ
ースと上記第2のインタフェースとの間に接続された出力回路経路と、
上記バイポーラ自己接地式電極アタッチメントから上記制御コンソールの上記1つのチ
ャネルへの信号帰還に対応する、上記第1のインタフェースと上記第2のインタフェース
との間に接続された第1の帰還回路経路と、
を備える、ケーブル付属品。
【0181】
II.上記第1のインタフェースは、上記出力回路経路及び上記第1の帰還回路経路に
接続された単一の電気コネクタを備える、条項Iに記載のケーブル付属品。
【0182】
III.上記第2のインタフェースは、どの電極アタッチメントが上記電気コネクタに
接続されているのかに応じて、各々が1つのモノポーラ電極アタッチメント又は1つのバ
イポーラ自己接地式電極アタッチメントに接続するように構成された複数の電気コネクタ
を備える、条項I又はIIに記載のケーブル付属品。
【0183】
IV.上記第2のインタフェースの上記電気コネクタの各々は、同一の数の導電端子を
備える、条項IIIに記載のケーブル付属品。
【0184】
V.上記第2のインタフェースの各電気コネクタは、
上記信号出力に対応する、上記出力回路経路に接続された1つの端子と、
上記バイポーラ自己接地式電極アタッチメントからの信号帰還に対応する、上記第1の
帰還回路経路に接続された1つの端子と、
上記電極アタッチメントの熱電対に接続する端子対と、
上記電極アタッチメントの不揮発性メモリに接続する端子対と、
を備える、条項III又はIVに記載のケーブル付属品。
【0185】
VI.ハウジングと、該ハウジングと上記第1のインタフェースとの間に接続された電
気ケーブルとを更に備え、上記第2のインタフェースは上記ハウジングに接続されている
、条項I~Vのいずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0186】
VII.並列バイポーラモードの2つのモノポーラ電極アタッチメントを上記制御コン
ソールに相互接続するように更に構成され、
上記第2のインタフェースは、上記2つのモノポーラ電極アタッチメントに接続するよ
うに構成され、
上記出力回路経路は、上記制御コンソールの1つのチャネルから上記2つのモノポーラ
電極アタッチメントのうちの第1のものへの信号出力に対応するように構成され、
上記第1の帰還回路経路と異なる第2の帰還回路経路が、上記第1のインタフェースと
上記第2のインタフェースとの間に接続されて、上記2つのモノポーラ電極アタッチメン
トのうちの第2のものから上記制御コンソールの別のチャネルへの信号帰還に対応する、
条項I~VIのいずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0187】
VIII.不揮発性メモリを更に備える、条項I~VIIのいずれか1項に記載のケー
ブル付属品。
【0188】
IX.上記不揮発性メモリは、上記第2のインタフェースに接続された上記1つ以上の
電極アタッチメントに関連した識別データを記憶するように構成されている、条項VII
Iに記載のケーブル付属品。
【0189】
X.上記不揮発性メモリは、上記制御コンソールとの上記ケーブル付属品の使用量、及
び/又は、上記1つ以上の電極アタッチメントとの上記ケーブル付属品の使用量に関連し
た使用量データを記憶するように構成されている、条項VIII又はIXに記載のケーブ
ル付属品。
【0190】
XI.上記不揮発性メモリは、
上記ケーブル付属品との電極アタッチメントと、
上記制御コンソールとの電極アタッチメントと、
上記制御コンソールとのケーブル付属品と、
のうちの1つ以上の使用の認可に関連した認証データを記憶するように構成されている、
条項VIII~Xのいずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0191】
XII.1つ以上の電極アタッチメントを制御コンソールに相互接続するように構成さ
れるケーブル付属品であって、上記制御コンソールは、1つ以上のチャネルを通じて上記
1つ以上の電極アタッチメントを通電して、高周波(RF)神経アブレーションを実行す
るように構成され、該ケーブル付属品は、
上記制御コンソールに接続するように構成された第1のインタフェースと、
上記1つ以上の電極アタッチメントに接続するように構成された第2のインタフェース
と、
上記第1のインタフェースと上記第2のインタフェースとの間に接続され、上記第1の
インタフェースと上記第2のインタフェースとの間の複数の電気経路構成のうちの1つ以
上を選択し、それによって、上記1つ以上の電極アタッチメントと上記制御コンソールの
上記1つ以上のチャネルとの間の相互接続に対応するように制御可能なスイッチ装置を備
える回路と、
を備える、ケーブル付属品。
【0192】
XIII.上記第1のインタフェースは、全ての選択された電気経路構成に接続可能な
単一の電気コネクタを備える、条項XIIに記載のケーブル付属品。
【0193】
XIV.上記第2のインタフェースは、各々が1つの電極アタッチメントに接続するよ
うに構成された複数の電気コネクタを備え、上記電極アタッチメントは、モノポーラ電極
アタッチメント及びバイポーラ自己接地式電極アタッチメントのうちのいずれか一方とし
て規定されるタイプを更に含み、上記第2のインタフェースは、どのタイプの電極アタッ
チメントが上記第2のインタフェースに接続されているのかに応じて、上記電極アタッチ
メントのタイプのうちのいずれか一方に対応するように構成されている、条項XII又は
XIIIに記載のケーブル付属品。
【0194】
XV.上記第2のインタフェースの上記電気コネクタの各々は、同一の数の導電端子を
備える、条項XIVに記載のケーブル付属品。
【0195】
XVI.上記第2のインタフェースの上記電気コネクタの各々は、各々が1つのチャネ
ルへのRF信号伝送又は1つのチャネルからのRF信号伝送に対応するように構成された
第1の端子及び第2の端子を備え、
第1の回路経路が、各第1の端子と上記第1のインタフェースとの間に規定され、
第2の回路経路が、各第2の端子と上記第1のインタフェースとの間に規定され、
上記スイッチ装置は、各第1の回路経路を開閉する、各第1の回路経路と直列に配置さ
れた第1のリレーと、各第2の回路経路を開閉する、各第2の回路経路と直列に配置され
た第2のリレーとを備える、条項XIV又はXVに記載のケーブル付属品。
【0196】
XVII.上記第2のインタフェースの各コネクタの上記第1リレーの及び上記第2の
リレーは、順次制御可能である、条項XVIに記載のケーブル付属品。
【0197】
XVIII.上記電極アタッチメントは、モノポーラ電極アタッチメント及びバイポー
ラ自己接地式電極アタッチメントのうちのいずれか一方として規定されたタイプを更に備
え、上記スイッチ装置は、上記電極アタッチメントの上記タイプに基づいて制御可能であ
る、条項XII~XVIIのいずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0198】
XIX.上記スイッチ装置は、上記電極アタッチメントがモノポーラ電極アタッチメン
トであることに基づいて上記電気経路構成を選択し、該選択された電気経路構成が上記モ
ノポーラ電極アタッチメントと上記制御コンソールの1つのチャネルとを相互接続するよ
うに適合されるよう制御可能である、条項XII~XVIIIのいずれか1項に記載のケ
ーブル付属品。
【0199】
XX.上記スイッチ装置は、2つの電極アタッチメントが並列バイポーラモードで動作
する2つのモノポーラ電極アタッチメントであることに基づいて上記電気経路構成を選択
し、該選択された電気経路構成が上記2つのモノポーラ電極アタッチメントと上記制御コ
ンソールの2つのチャネルとを相互接続するように適合されるよう制御可能である、条項
XII~XIXのいずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0200】
XXI.上記スイッチ装置は、上記電極アタッチメントがバイポーラ自己接地式電極ア
タッチメントであることに基づいて上記電気経路構成を選択し、該選択された電気経路構
成が上記バイポーラ自己接地式電極アタッチメントと上記制御コンソールの1つのチャネ
ルとを相互接続するように適合されるよう制御可能である、条項XII~XXのいずれか
1項に記載のケーブル付属品。
【0201】
XXII.上記回路は、上記コントローラに接続された不揮発性メモリを更に備え、該
不揮発性メモリは、
上記第2のインタフェースに接続された上記1つ以上の電極アタッチメントに関連した
識別データと、
上記制御コンソールとの上記ケーブル付属品の使用量及び/又は上記1つ以上の電極ア
タッチメントとの上記ケーブル付属品の使用量に関連した使用量データと、
上記制御コンソール及び/又は上記ケーブル付属品との上記1つ以上の電極アタッチメ
ントの使用の認可に関連した認証データと、
のうちの1つ以上を記憶するように構成されている、条項XII~XXIのいずれか1項
に記載のケーブル付属品。
【0202】
XXIII.上記コントローラ及び上記スイッチ装置は、ハウジング内に配置され、該
ハウジングと上記第1のインタフェースとの間に接続された電気ケーブルを更に備え、上
記第2のインタフェースは、上記ハウジングに接続されている、条項XII~XXIIの
いずれか1項に記載のケーブル付属品。
【0203】
XXIV.高周波(RF)神経アブレーション用に構成される制御コンソールであって
、
ディスプレイと、
コントローラと、
1つ以上のプロセッサと、
RF神経アブレーションに適合されたアタッチメントを受容し、各アタッチメントのメ
モリデバイスと上記コントローラとの間の接続を容易にするように構成されたインタフェ
ースであって、各メモリデバイスは、上記アタッチメントを識別する識別データと、上記
アタッチメントの使用量を識別する使用量データとを記憶する、インタフェースと、
命令を記憶している非一時的メモリであって、上記1つ以上のプロセッサによって実行
されると、
上記インタフェースに受容された上記アタッチメントに関連した上記識別データ及び
上記使用量データを読み取り及び記憶することと、
上記記憶された識別データ及び使用量データを処理することと、
上記処理された識別データ及び使用量データのデジタル表現を上記ディスプレイ用に
生成することと、
を行うように構成されている、非一時的メモリと、
を備える、制御コンソール。
【0204】
XXV.上記命令は、上記インタフェースに異なる時点に受容された上記アタッチメン
トに関連した上記識別データ及び上記使用量データを読み取り及び記憶し、該記憶された
識別データ及び使用量データの累積データベースを生成するように構成されている、条項
XXIVに記載の制御コンソール。
【0205】
XXVI.上記命令は、上記累積データベースにおいて上記記憶された識別データ及び
使用量データを編成することによって、上記記憶された識別データ及び使用量データを処
理するように構成されている、条項XXVに記載の制御コンソール。
【0206】
XXVII.上記命令は、上記記憶された識別データ及び使用量データをテキストに変
換することによって、上記記憶された識別データ及び使用量データを処理するように構成
されている、条項XXIV~XXVIのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0207】
XXVIII.各メモリデバイスは、上記アタッチメントの使用の認可に関連した認証
データを更に記憶し、上記命令は、上記インタフェースに受容された上記アタッチメント
に関連した上記認証データを読み取るように更に構成されている、条項XXIV~XXV
IIのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0208】
XXIX.上記アタッチメントのうちの1つ以上は電極アタッチメントである、条項X
XIV~XXVIIIのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0209】
XXX.上記アタッチメントのうちの1つ以上は、1つ以上の電極アタッチメントを上
記制御コンソールに相互接続するように構成されたケーブル付属品である、条項XXIV
~XXIXのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0210】
XXXI.上記使用量データは、上記制御コンソールとの上記ケーブル付属品の使用量
及び/又は上記1つ以上の電極アタッチメントとの上記ケーブル付属品の使用量に更に関
連したものである、条項XXXに記載の制御コンソール。
【0211】
XXXII.上記命令は、
動作エラーを検出することと、
上記動作エラーを、上記アタッチメントに関連した上記識別データに関連付けることと
、
上記関連付けられた動作エラーを含む、上記ディスプレイの上記デジタル表現を更に生
成することと、
を行うように更に構成されている、条項XXIV~XXXIのいずれか1項に記載の制御
コンソール。
【0212】
XXXIII.上記コントローラは、使用量データを上記アタッチメントのうちの1つ
以上の上記メモリデバイスに書き込むことを命令するように更に構成されている、条項X
XIV~XXXIIのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0213】
XXXIV.上記非一時的メモリは、上記アタッチメントが上記インタフェースから接
続解除された後に、上記アタッチメントに関連した上記識別データ及び上記使用量データ
を保持するように構成されている、条項XXIV~XXXIIのいずれか1項に記載の制
御コンソール。
【0214】
XXXV.ハウジングを更に備え、上記コントローラ、上記1つ以上のプロセッサ、及
び上記非一時的メモリは、上記ハウジング内に配置され、上記ディスプレイ及び上記イン
タフェースは、上記ハウジングに接続され、上記ハウジングの外部に露出される、条項X
XIV~XXXIVのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0215】
XXXVI.上記インタフェースを通って上記アタッチメントのうちの1つ以上に送信
可能であるRF信号を生成するように構成されたRF発生器を更に備える、条項XXIV
~XXXVのいずれか1項に記載の制御コンソール。
【0216】
XXXVII.高周波(RF)神経アブレーション用に構成された制御コンソールを動
作させる方法であって、前記制御コンソールは、ディスプレイと、コントローラと、RF
神経アブレーションに適合されたアタッチメントを受容するように構成されたインタフェ
ースとを備え、各アタッチメントは、上記アタッチメントを識別する識別データと、上記
アタッチメントの使用量を識別する使用量データとを記憶するメモリデバイスを備え、該
方法は、上記制御コンソールが、
上記アタッチメントに関連した上記識別データ及び上記使用量データを上記メモリデバ
イスから読み取るステップと、
上記識別データ及び上記使用量データを記憶するステップと、
上記記憶された識別データ及び使用量データを処理するステップと、
上記処理された識別データ及び使用量データのデジタル表現を生成するステップと、
上記ディスプレイを用いて上記デジタル表現を表示するステップと、
を実行することを含む、方法。
【0217】
XXXVIII.上記識別データ及び上記使用量データを読み取ることは、上記インタ
フェースに異なる時点で受容された上記アタッチメントに関連した上記識別データ及び上
記使用量データを読み取ることとして更に規定され、
上記識別データ及び上記使用量データを記憶することは、異なる時点における上記アタ
ッチメントの上記メモリデバイスからの上記識別データ及び上記使用量データを記憶して
、上記記憶された識別データ及び使用量データの累積データベースを生成することとして
更に規定され、
上記デジタル表現を生成することは、上記累積データベースからの上記記憶された識別
データ及び使用量データの上記デジタル表現を生成することとして更に規定される、条項
XXXVIIに記載の方法。
【0218】
XXXIX.上記記憶された識別データ及び使用量データを処理することは、上記累積
データベースにおいて上記記憶された識別データ及び使用量データを編成することを更に
含む、条項XXXVIIIに記載の方法。
【0219】
XL.上記記憶された識別データ及び使用量データを処理することは、上記記憶された
識別データ及び使用量データをテキストに変換することを更に含む、条項XXXVII~
XXXIXのいずれか1項に記載の方法。
【0220】
XLI.各メモリデバイスは、上記アタッチメントの使用の認可に関連した認証データ
を更に記憶し、上記制御コンソールは、上記インタフェースに受容された上記アタッチメ
ントに関連した上記認証データを読み取るように構成されている、条項XXXVII~X
Lのいずれか1項に記載の方法。
【0221】
XLII.上記アタッチメントのうちの1つ以上は電極アタッチメントである、条項X
XXVII~XLIのいずれか1項に記載の方法。
【0222】
XLIII.上記アタッチメントのうちの1つ以上は、1つ以上の電極アタッチメント
を上記制御コンソールに相互接続するケーブル付属品である、条項XXXVII~XLI
Iのいずれか1項に記載の方法。
【0223】
XLIV.上記使用量データは、上記制御コンソールとの上記ケーブル付属品の使用量
及び/又は上記1つ以上の電極アタッチメントとの上記ケーブル付属品の使用量に更に関
連したものである、条項XXXVII~XLIIIのいずれか1項に記載の方法。
【0224】
XLV.上記制御コンソールが、
動作エラーを検出することと、
上記動作エラーを、上記アタッチメントに関連した上記識別データに関連付けることと
、
上記動作エラーを含む、上記ディスプレイの上記デジタル表現を更に生成することと、
を更に含む、条項XXXVII~XLIVのいずれか1項に記載の方法。
【0225】
XLVI.上記制御コンソールが、使用量データを上記アタッチメントのうちの1つ以
上の上記メモリデバイスに書き込むことを命令することを更に含む、条項XXXVII~
XLVのいずれか1項に記載の方法。
【0226】
XLVII.上記アタッチメントが上記インタフェースから接続解除された後に、上記
アタッチメントに関連した上記識別データ及び上記使用量データをメモリに保持すること
を更に含む、条項XXXVII~XLVIのいずれか1項に記載の方法。
【0227】
XLVIII.上記制御コンソールのRF発生器から上記インタフェースを通って上記
アタッチメントのうちの1つ以上にRF信号を送信することを更に含む、条項XXXVI
I~XLVIIのいずれか1項に記載の方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波(RF)による神経のアブレーションのための制御コンソールを制御する方法であって、
前記制御コンソールは、複数のチャネルと、複数のRF増幅器であって、各RF増幅器が前記複数のチャネルのうちの対応する1つのチャネルにエネルギーを送る、複数のRF増幅器と、前記複数のRF増幅器に接続されるコントローラとを備え、
前記コントローラを用いて、前記複数のRF増幅器の各々を個別にかつ独立して制御するための制御信号を生成するステップと、
前記コントローラを用いて、対応するチャネルにエネルギーを送る各RF増幅器に対し、複数の前記制御信号を1つずつ逐次的に印加するステップと
を含む方法。
【外国語明細書】