(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164058
(43)【公開日】2024-11-26
(54)【発明の名称】手持ち式手術機器を製造する方法及び手持ち式手術機器
(51)【国際特許分類】
A61B 17/94 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A61B17/94
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024131970
(22)【出願日】2024-08-08
(62)【分割の表示】P 2021115586の分割
【原出願日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】10 2020 118 536.7
(32)【優先日】2020-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】510320416
【氏名又は名称】オリンパス・ウィンター・アンド・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ブロックマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・オフト
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手持ち式手術機器は、実質的に機器体又は本体と管状シャフトとから組み立てられている。公知の手術機器の製造では、管状シャフトが機器体と溶接される。そのために非常に手間のかかる複数の作業工程が必要である。手持ち式手術機器には機械的安定性及び無菌性に関して高い品質要求が課せられるため、溶接継ぎ目が極めて高い要求を満たさなければならない。本発明は、特に簡単かつ確実に適用可能な手持ち式手術機器を製造する方法を提供する。
【解決手段】これは、手持ち式手術機器の少なくとも1つの機器体(18)と少なくとも1つの管状シャフトが、内部高圧変形加工によって互いに形状接続的に結合されることにより達成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの管状シャフト(13)と少なくとも1つの機器体(18)を有する手
持ち式手術機器、特に内視鏡、レゼクトスコープ(10)、膀胱鏡、又はそれに類するも
のを製造する方法において、少なくとも1つの機器体(18)と少なくとも1つの管状シ
ャフト(13)が内部高圧変形加工によって互いに形状接続的に結合されることを特徴と
する、手持ち式手術機器を製造する方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機器体(18)は、本体若しくは連結体、又は前記機器体(18
)の円錐体、又は前記手持ち機器の別のコンポーネント、特に光学プレートであることを
特徴とする、請求項1に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
【請求項3】
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)は、シャフト、チューブ、又は外側管若し
くは内側管であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の手持ち式手術機器を
製造する方法。
【請求項4】
a)前記少なくとも1つの管状シャフト(13)の少なくとも一区分、殊に端区分(1
9)及び/又は中央区分が前記少なくとも1つの機器体(18)の収容空間(20)に挿
入され、
b)前記少なくとも1つの機器体(18)及び前記少なくとも1つの管状シャフト(1
3)が一緒に、殊に2つの半型から構成される少なくとも1つの型に少なくとも部分的に
取り付けられ、
c)前記少なくとも1つの機器体(18)及び/又は前記少なくとも1つの管状シャフ
ト(13)の開口端がシール手段によって閉鎖され、
d)殊にシール手段に組み込まれた少なくとも1つの弁を介して、前記少なくとも1つ
のシャフト(13)内で流体圧を上昇させ、
d)前記少なくとも1つの機器体(18)の前記収容空間(20)内に入っている前記
少なくとも1つの管状シャフト(13)の前記少なくとも一区分(19)が、圧力を加え
ることによって前記少なくとも1つの機器体(18)の内側輪郭(21)に押し当てられ
、それによって前記少なくとも1つの管状シャフト(13)と前記少なくとも1つの機器
体(18)との間に形状接続的結合が作成される、ことを特徴とする、請求項1~請求項
3のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの機器体(18)の前記内側輪郭(21)は、少なくとも1つの環
状アンダーカット(22)及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、前記アンダーカッ
ト及び/又は前記突出部に前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が形状接続的に押
し付けられることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の手持ち式手
術機器を製造する方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)に予め定められた圧力が加えられるか、又
は十分に堅固な形状接続的結合が作成されるまで前記圧力が高められることを特徴とする
、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
【請求項7】
2つ以上の機器体(18)が同時に、若しくは順次、1つ、2つ、若しくはそれ以上の
管状シャフト(13)と内部高圧変形加工によって形状接続的に結合されること、又は2
つ以上の管状シャフトが同時に、若しくは順次、内部高圧変形加工によって互いに形状接
続的に結合されること、を特徴とする、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の手持
ち式手術機器を製造する方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法により製造される、少なくとも1つの管状シャフト(13)及び
少なくとも1つの機器体(18)を有する手持ち式手術機器であって、特に内視鏡の、レ
ゼクトスコープ(10)の、膀胱鏡の、又はそれに類するものである、手持ち式手術機器
。
【請求項9】
前記少なくとも1つの機器体(18)は、本体若しくは連結体、又は前記機器体(18
)の円錐体、又は前記手持ち式機器の別のコンポーネント、特に光学プレートであること
を特徴とする、請求項8に記載の手持ち式手術機器。
【請求項10】
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)は、シャフト、チューブ、又は外側管若し
くは内側管であることを特徴とする、請求項8又は請求項9に記載の手持ち式手術機器。
【請求項11】
前記少なくとも1つの機器体(18)の内側輪郭(21)は、少なくとも1つの環状ア
ンダーカット(22)及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、前記アンダーカット及
び/又は前記突出部に前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が形状接続的に押し付
けられることを特徴とする、請求項8~請求項10のいずれか1項に記載の手持ち式手術
機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に記載の手持ち式手術機器を製造する方法に関する。さらに
、本発明は、請求項8に記載の手持ち式手術機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば内視鏡、レゼクトスコープ、膀胱鏡などの手持ち式手術機器は、実質的に機器体
又は本体と管状シャフトとから組み立てられている。公知の手術機器の製造では、管状シ
ャフトが機器体と溶接される。そのために部分的に非常に手間と時間のかかる複数の作業
工程が必要である。例えば、まず管状シャフトの穴拡張がされ(aufgedornt)
、次いでシャフトの穴拡張された端部が機器体又は機器体の円錐体に押し込まれる必要が
ある。最後に手持ち式手術機器の2つの部品が互いに溶接される。手持ち式手術機器には
機械的安定性及び無菌性に関して高い品質要求が課せられるため、溶接継ぎ目が極めて高
い要求を満たさなければならない。これらの要求は多大な手間をかけてしか達成できず、
最終的に、機器を何度も使用した後にもまだ溶接継ぎ目がこれらの要求を満たすかどうか
は決して定かではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、特に簡単かつ確実な製造を可能にする手持ち式手術機器を製造する方法、及
び手持ち式手術機器を提供するという課題にもとづいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題の解決は、請求項1の措置によって記載される。それによれば、手持ち式手術
機器、特に内視鏡、レゼクトスコープ、膀胱鏡、又はそれに類するものの少なくとも1つ
の機器体及び少なくとも1つの管状シャフトが内部高圧変形加工(IHU)によって互い
に形状接続的に結合されることが企図されている。このIHU法によって、少なくとも1
つのシャフトを少なくとも1つの機器体と非常に簡単かつ確実な方式で形状接続的に結合
することができる。この結合の簡易性及び高い再現性によって、質的に高価値の機器を製
造できるだけでなく、生産コストを低減することもできる。
【0005】
特に、本発明は、少なくとも1つの機器体が本体、連結体、又は機器体の円錐体である
ことを企図する。しかし同様に、手術機器の他の機器体、例えば光学プレート(Opti
kplatte)などが少なくとも1つの管状シャフトと本発明により結合されることも
考えられる。
【0006】
さらに、本発明は、好ましくは、少なくとも1つの管状シャフトが、シャフト、チュー
ブ、又は外側管若しくは内側管であることを企図する。さらに、手持ち式手術機器の他の
シャフト状又は管状のコンポーネントが本発明による方式で上記の機器体と形状接続的に
結合されることが考えられる。したがって、本明細書中に記載される方法によって、機器
体と管状シャフトとの間の全部の結合を簡単かつ確実な方式で互いに結合することができ
る。
【0007】
本発明による方法は、複数の機器体と複数のシャフトとの結合も含む。したがって、例
えば横断面が可変の一貫した管状のシャフトをシャフト管(遠位の挿入領域)及び光学系
挿通管(近位の本体と光学プレートとの間)として形成することができる。次いで本体を
このシャフトの中央に、かつ光学プレートを端に位置決めすることができる。次にIHU
法によって2つの機器体を同時に、又は順次、シャフトに取り付けるか、又はシャフトと
結合することができる。同様に、2つのシャフトが1つの機器体に結合されるか、又は2
つの機器体が2つのシャフトと互いに結合されること等々が考えられる。同様に、本発明
による方法によって複数のシャフトが形状接続的に互いに結合されることも考えられる。
【0008】
好ましくは、本発明による方法は、少なくとも1つの管状シャフトのまず一区分、殊に
端区分、又は中央区分が少なくとも1つの機器体の開口部又は収容空間に挿入されること
を企図する。機器又は機器体の種類並びに形状及び形態に応じて、シャフトが相応にこの
空間内に奥深く挿入される。これは、シャフトのまっすぐな区分でもあり得るし、特に任
意に曲がった区分でもあり得る。さらに、少なくとも1つの機器体及び少なくとも1つの
管状シャフトは、殊に2つの半型から構成される少なくとも1つの型に少なくとも部分的
に取り付けられる。型又は型部材へのコンポーネントのこの方向合わせ、及び取付けは手
動若しくは機械で、又は半自動若しくは全自動で行うことができる。さらに、型が複数の
型部材から構成されることも考えられる。型又は型部材は、これらが機器体及びシャフト
の形状の相補(Komplementaer)又はネガティブ(Negativ)をなす
ように形成されている。型へのコンポーネントのこの取付けによって、方法中に、機器体
の形状と機器体の外側のシャフトの領域とが変形しないことが確保される。しかし、型部
材が上記のコンポーネントとは違う形状を少なくとも部分的に有し、それによりコンポー
ネントの形状を局所的に変え得ることも考えられる。別の工程において、少なくとも1つ
の機器体及び/又は少なくとも1つの管状シャフトの開口端がシール手段によって閉鎖さ
れる。これらのシール手段は、弁、ねじ蓋又は加圧蓋又はそれ以外の栓であり得る。次い
で、殊にシール手段の1つに組み込まれた少なくとも1つの弁を介して圧力、特に流体圧
又は空気圧を上昇させる。この圧力によって、機器体の収容空間内に入っている少なくと
も1つの管状シャフトの少なくとも1つの領域を機器体の内側輪郭に適合させる。区分の
この拡張によって、管状シャフトと機器体との間に形状接続的結合が生じる。IHU法に
よって作成されたこの結合は、手持ち式手術機器に課せられる極めて高い品質要求を満た
す。続く圧力低下及び型の開放によって、管状シャフトと機器体との結合が少なくとも略
完成されている。
【0009】
本発明の別の好ましい実施例は、少なくとも1つの機器体の内側輪郭が少なくとも1つ
の環状アンダーカット及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、アンダーカット及び/
又は突出部に少なくとも1つの管状シャフトが形状接続的に押し付けられることを企図す
る。このアンダーカット若しくは突出部、又は空所は、シャフトと機器体との結合に付加
的強度を与える。したがって、特に、シャフトに軸方向に作用する力に関して受け止める
ことができ、厳密にはその際、コンポーネント間の接続が壊されない。さらに、内側輪郭
が複数のアンダーカット又は突出部を有することが考えられる。
【0010】
殊に、少なくとも1つの管状シャフトに予め定められた圧力が加えられるか、又は十分
に堅固な形状接続的結合が作成されるまで圧力が高められることがさらに企図され得る。
シャフトの内壁に作用する圧力は、弁を介してのみならず、相応の流入部を介してシャフ
トと結合されている外部圧力発生器でも制御され得る。シャフトに加えられる圧力は、コ
ンポーネントの材料並びにシャフトの形状及び寸法に依存して制御され得る。形状接続的
結合のために十分に高い圧力を上昇させるために、予め選択された圧力値に調整され得る
か、又はシャフトの拡張の指標としての圧力の変化が考慮され得る。
【0011】
冒頭で述べた課題を解決するための手持ち式手術機器は、請求項8の特徴によって記載
される。それによれば、内視鏡、レゼクトスコープ、膀胱鏡、又はそれに類するものであ
る手持ち式手術機器が請求項1に記載の方法により製造されることが企図されている。手
持ち式手術機器は、実質的に少なくとも1つの機器体若しくは本体、連結体、又は機器体
の円錐体、又は光学プレート、又は他のコンポーネントからなる。さらに、手持ち式手術
機器は、少なくとも1つの管状シャフト、チューブ、又は外側管若しくは内側管からなる
。少なくとも1つの機器体は収容空間又は円錐体を有し、収容空間又は円錐体は、その横
断面が管状シャフトの横断面よりわずかに大きい。その他の点で、シャフトの横断面は収
容空間の横断面と一致する。
【0012】
機器体とシャフトとは、例えば特殊鋼、チタン、又はそれに類するものなどの金属から
製造され得る。これらの材料はIHU法によって特に良好に変形させることができる。
【0013】
さらに、本発明によれば、少なくとも1つの機器体の内側輪郭が少なくとも1つの環状
アンダーカット及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、アンダーカット及び/又は突
出部に少なくとも1つの管状シャフトが形状接続的に押し付けられることが企図され得る
。これらのアンダーカット又は突出部によって、上記のコンポーネント間の形状接続を改
善することができる。
【0014】
本明細書中に挙げられる手術機器の他に、上記の措置によって他の機器も製造される、
又は上記の特徴を有することが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施例について図面をもとにして詳しく説明する。
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1において、手持ち式手術機器について例示的にレゼクトスコープ10が示されてい
る。このレゼクトスコープ10は、実質的にトランスポータ11、グリップユニット12
、及びシャフト13からなる。手持ち式手術機器がここに示されるレゼクトスコープ10
とは別の機器でもあり得ることを明確に述べておきたい。
図1に示されるレゼクトスコー
プ10は、本発明を説明するために用いられるにすぎない。すでに述べたように、本発明
による措置及び特徴を、他の手術機器に転用すること、並びに複数のコンポーネント、又
は機器体及びシャフトにおいて同時に、又は順次実行することもできる。
【0018】
ここに示される手持ち式手術機器の実施例では、シャフト13が外側シャフト管14、
光学系15、及び電極器具16から構成されている。シャフト13の近位に配置された接
眼レンズ17によってシャフト13の遠位の領域を観察できるようにするために、光学系
15は、レンズ又はガラス繊維が配置され得る長いチューブからなる。ここに示されるレ
ゼクトスコープ10の詳細な説明については公知の従来技術を参照されたい。
【0019】
図1に示される手持ち式手術機器又はレゼクトスコープ10も通例のように機器体18
を有する。本体又は連結体とも呼ばれるこの機器体18は機器の主要部分である。例えば
、各本体18にグリップユニット12、又は器具を操作若しくは制御するための他のコン
ポーネントを配置することができる。ここに示されるレゼクトスコープ10の場合、機器
体18にはとりわけ光学系15が挿通される。
【0020】
機器体18には、管状シャフト13が堅固に結合されている。シャフト13には、手持
ち式手術機器の種類に応じて種々異なる器具が通され、それによって器具は外部の影響か
ら保護される。本発明によれば、シャフト13の近位端領域19は機器体18の収容空間
20において形状接続的に結合される。このために、まず、シャフト13の近位端領域1
9が機器体18の収容空間20に挿入される(
図2)。シャフト13に流体圧を加えるこ
とによって、シャフト13の遠位端領域が機器体18の内側輪郭(innere Kon
tur)21に適合する(
図3)。その際、機器体18の内側輪郭21は環状アンダーカ
ット22を有することができ、このアンダーカットにシャフト13が嵌まり込む。シャフ
ト13の近位端領域19をこのように拡張することによって形状接続的結合が作成される
。これは
図3においてかなり模式化して示されている。
【0021】
本明細書中に記載される手持ち式手術機器を製造する方法では、シャフト13の外径が
機器体18の収容空間20の内寸よりごくわずかに小さい。これらの寸法間の差が大きす
ぎると、シャフト13の変形加工、又は内側輪郭21へのシャフト13の円周の適合が不
十分な結果になり得る。形状接続が作成されないか、又は不十分な形状接続が作成され得
る一方で、シャフト13又はシャフト13の近位端領域19の形状が、おそらく材料が脆
弱化するように変化し得る。上記の寸法間の差がごくわずかである限り、厳密にはシャフ
ト13の形状又は材料性状が変形加工プロセスの巻き添えになることなしに、シャフト1
3の外周が機器体18の内側輪郭21に最適に適合する。さらに、この比較的小さい変形
加工によって、必要とされる力の量が比較的少なくなる。
【0022】
シャフト13の壁部に作用する力が他ならぬシャフト13の近位端領域19のみを変形
加工し、シャフト全体及び本体は変形加工しないようにするために、本発明によれば、機
器体18と、すでに収容空間20内に位置決めされているシャフト13とに圧力を加える
前に、ここに図示されない型によって包囲されることが企図される。この型は、2つの半
型からなり得ることが理想的である。しかし型が、特に機器体18の形状が複雑な場合に
、複数の要素から構成可能であることも考えられる。型、特に構成される型は、シャフト
13に作用する圧力に耐え、それに伴いシャフト13及び機器体18の変形加工を阻止す
るように形成されている。
【0023】
しかし、型又は型要素がアンダーカット又はそれに類するものを有することも考えられ
、それにより圧力を加えることによって手持ち式機器のコンポーネント、特にシャフト1
3が付加的に変形加工される。この付加的な変形加工によって、特殊な用途又は要求のた
めのコンポーネントを提供することができる。
【0024】
流体圧又は空気圧を加えることは、相応の、図示されない発生器によって行われる。こ
の発生器は、配管及び連結部を介してシャフト13及び/又は機器体18と結合されてい
る。閉ループ制御又は開ループ制御される圧力発生のために、配管と上記のコンポーネン
トとの間に少なくとも1つの弁を配置することができる。配管又は弁とシャフト13又は
機器体18との結合は、特殊な連結部若しくはフランジ又はそれに類するものによって行
うことができる。変形加工プロセスの終了後、圧力が低減され、結合が解除される。その
後、コンポーネントは、場合によっては使用される流体によって洗浄されるべきである。
それに伴いシャフト区分の変形加工又はシャフト13と機器体18との形状接続的結合が
簡単に実行できるほんの数工程に低減される。
【0025】
収容空間20にシャフト端19を挿入すること、型にコンポーネントを取り付けること
、及び圧力を加えることによって、方法が特に簡単であるとともに再現可能である。これ
らの工程の少なくともいくつかを全自動で行うことができ、それによりこの本発明による
方法はコスト削減にもつながる。
【0026】
この方法では、シャフト13の横断面が円形又はリングに限定されない。むしろ、シャ
フト13の横断面及び収容空間20の横断面は、例えば楕円又は任意の長円形、又はそれ
に類するものなどの他の形状を有することもできる。多角形の横断面形状も考えられる。
複数の、特に様々に成形されたアンダーカット22と、殊に機器体18の内側輪郭21に
おける突出部の組み合わせによって、特に確実かつ安定した形状接続を作成することがで
きる。
【0027】
図2及び
図3に示される実施形態と並んで、特に収容空間20、内側輪郭21、及びア
ンダーカット22の形状は、ここに示された形状とは違う形状も企図される。
【符号の説明】
【0028】
10 レゼクトスコープ
11 トランスポータ
12 グリップユニット
13 シャフト
14 外側シャフト管
15 光学系
16 電極器具
17 接眼レンズ
18 機器体
19 シャフトの近位端領域
20 収容空間
21 内側輪郭
22 アンダーカット
【手続補正書】
【提出日】2024-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの管状シャフト(13)及び少なくとも1つの機器体(18)を有する手持ち式手術機器であって、特に内視鏡、レゼクトスコープ(10)、膀胱鏡、又はそれに関するものであり、少なくとも1つの機器体(18)と少なくとも1つの管状シャフト(13)が内部高圧変形加工によって互いに形状接続的に結合された、手持ち式手術機器。
【請求項2】
前記少なくとも1つの機器体(18)は、本体若しくは連結体、又は前記機器体(18)の円錐体、又は前記手持ち式手術機器の別のコンポーネント、特に光学プレートであることを特徴とする、請求項1に記載の手持ち式手術機器。
【請求項3】
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)は、シャフト、チューブ、又は外側管若しくは内側管であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の手持ち式手術機器。
【請求項4】
前記少なくとも1つの機器体(18)の内側輪郭(21)は、少なくとも1つの環状アンダーカット(22)及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、前記アンダーカット及び/又は前記突出部に前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が形状接続的に押し付けられることを特徴とする、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
図2及び
図3に示される実施形態と並んで、特に収容空間20、内側輪郭21、及びアンダーカット22の形状は、ここに示された形状とは違う形状も企図される。
ここで、出願時における特許請求の範囲に対応する実施形態を列挙する。
[実施形態1]
少なくとも1つの管状シャフト(13)と少なくとも1つの機器体(18)を有する手持ち式手術機器、特に内視鏡、レゼクトスコープ(10)、膀胱鏡、又はそれに類するものを製造する方法において、少なくとも1つの機器体(18)と少なくとも1つの管状シャフト(13)が内部高圧変形加工によって互いに形状接続的に結合されることを特徴とする、手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態2]
前記少なくとも1つの機器体(18)は、本体若しくは連結体、又は前記機器体(18)の円錐体、又は前記手持ち機器の別のコンポーネント、特に光学プレートであることを特徴とする、実施形態1に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態3]
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)は、シャフト、チューブ、又は外側管若しくは内側管であることを特徴とする、実施形態1又は実施形態2に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態4]
a)前記少なくとも1つの管状シャフト(13)の少なくとも一区分、殊に端区分(19)及び/又は中央区分が前記少なくとも1つの機器体(18)の収容空間(20)に挿入され、
b)前記少なくとも1つの機器体(18)及び前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が一緒に、殊に2つの半型から構成される少なくとも1つの型に少なくとも部分的に取り付けられ、
c)前記少なくとも1つの機器体(18)及び/又は前記少なくとも1つの管状シャフト(13)の開口端がシール手段によって閉鎖され、
d)殊にシール手段に組み込まれた少なくとも1つの弁を介して、前記少なくとも1つのシャフト(13)内で流体圧を上昇させ、
e)前記少なくとも1つの機器体(18)の前記収容空間(20)内に入っている前記少なくとも1つの管状シャフト(13)の前記少なくとも一区分(19)が、圧力を加えることによって前記少なくとも1つの機器体(18)の内側輪郭(21)に押し当てられ、それによって前記少なくとも1つの管状シャフト(13)と前記少なくとも1つの機器体(18)との間に形状接続的結合が作成される、ことを特徴とする、実施形態1~実施形態3のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態5]
前記少なくとも1つの機器体(18)の前記内側輪郭(21)は、少なくとも1つの環状アンダーカット(22)及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、前記アンダーカット及び/又は前記突出部に前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が形状接続的に押し付けられることを特徴とする、実施形態1~実施形態4のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態6]
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)に予め定められた圧力が加えられるか、又は十分に堅固な形状接続的結合が作成されるまで前記圧力が高められることを特徴とする、実施形態1~実施形態5のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態7]
2つ以上の機器体(18)が同時に、若しくは順次、1つ、2つ、若しくはそれ以上の管状シャフト(13)と内部高圧変形加工によって形状接続的に結合されること、又は2つ以上の管状シャフトが同時に、若しくは順次、内部高圧変形加工によって互いに形状接続的に結合されること、を特徴とする、実施形態1~実施形態6のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器を製造する方法。
[実施形態8]
実施形態1に記載の方法により製造される、少なくとも1つの管状シャフト(13)及び少なくとも1つの機器体(18)を有する手持ち式手術機器であって、特に内視鏡の、レゼクトスコープ(10)の、膀胱鏡の、又はそれに類するものである、手持ち式手術機器。
[実施形態9]
前記少なくとも1つの機器体(18)は、本体若しくは連結体、又は前記機器体(18)の円錐体、又は前記手持ち式機器の別のコンポーネント、特に光学プレートであることを特徴とする、実施形態8に記載の手持ち式手術機器。
[実施形態10]
前記少なくとも1つの管状シャフト(13)は、シャフト、チューブ、又は外側管若しくは内側管であることを特徴とする、実施形態8又は実施形態9に記載の手持ち式手術機器。
[実施形態11]
前記少なくとも1つの機器体(18)の内側輪郭(21)は、少なくとも1つの環状アンダーカット(22)及び/又は少なくとも1つの突出部を有し、前記アンダーカット及び/又は前記突出部に前記少なくとも1つの管状シャフト(13)が形状接続的に押し付けられることを特徴とする、実施形態8~実施形態10のいずれか1項に記載の手持ち式手術機器。
【外国語明細書】