(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016408
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】オンライン診療システム、オンライン診療方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20240131BHJP
【FI】
G16H80/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118497
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】522298288
【氏名又は名称】株式会社家元
(74)【代理人】
【識別番号】100137394
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】羽田 和政
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
5L099AA15
(57)【要約】 (修正有)
【課題】オンライン診療における診療費用の発生状態を明確にするオンライン診療システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】オンライン診療システムは、患者を映す患者端末と、患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、ビデオ通話によるオンライン診療を管理する診療管理サーバを有する。診療管理サーバは、接続許可部、接続切断部及び接続許可部によりビデオ通話が許可されてから接続切断部がビデオを通話を切断するまでの時間を計測する時間管理部と、時間管理部が計測した時間に基づいて診療費用の請求金額を算出する費用算出部と、病院端末におけるオンライン診療の開始操作を検知する操作検知部と、を有する。費用算出部は、時間管理部が計測する時間のうち、接続許可部が患者端末と病院端末とのビデオ通話を接続してから操作検知部がオンライン診療の開始操作を検知するまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置
を有し、
前記管理装置は、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可部と、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断部と、
前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオを通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理部と、
前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出部と、
前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知部と、
を有し、
前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記接続許可部により前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、
前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記操作検知部によりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断部により前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない
オンライン診療システム。
【請求項2】
前記管理装置は、
前記患者端末に、診療費用が発生しているか否かを表示するステータス表示部
をさらに有し、
前記ステータス表示部は、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されるまで、及びオンライン診療の終了操作が検知された時から、前記患者端末に、費用が発生していない状態であることを表示し、
前記ステータス表示部は、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されてから、オンライン診療の終了操作が検知されるまでの間、前記患者端末に、費用が発生している状態であることを表示する
請求項1に記載のオンライン診療システム。
【請求項3】
前記管理装置は、
前記患者端末から予約されたオンライン診療の予約時刻を管理する予約管理部と、
前記接続許可部により許可されたビデオ通話により収集した情報を管理する情報管理部と
をさらに有し、
前記接続許可部は、前記予約管理部により管理される予約時刻の既定時間前から、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可し、
前記情報管理部は、前記接続許可部により、予約時刻の既定時間前から許可されたビデオ通話により収集された情報を管理する。
請求項1に記載のオンライン診療システム。
【請求項4】
前記操作検知部は、前記病院端末におけるオンライン診療の延長操作を検知し、
前記ステータス表示部は、前記操作検知部により延長操作を検知された時から費用が発生している状態であることを、前記患者端末に表示し、
前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記操作検知部により延長操作を検知された時から終了操作を検知された時までの時間を診療費用の請求対象に含める
請求項2に記載のオンライン診療システム。
【請求項5】
前記管理装置は、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話の状態を監視する通話状態監視部
をさらに有し、
前記予約管理部により管理される予約時間内、且つ、前記操作検知部により終了操作を検知する前に、前記通話状態監視部によりビデオ通話が切断されたと判定された場合に、前記接続許可部は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話の接続を許可する
請求項3に記載のオンライン診療システム。
【請求項6】
患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置
を有し、
前記管理装置は、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可ステップと、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断ステップと、
前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオ通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理ステップと、
前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出ステップと、
前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知ステップと、
を有し、
前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記接続許可ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知ステップによりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、
前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記操作検知ステップによりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない
オンライン診療方法。
【請求項7】
患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置
を有し、
前記管理装置は、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可ステップと、
前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断ステップと、
前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオを通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理ステップと、
前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出ステップと、
前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知ステップと、
をコンピュータに実行させ、
前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記接続許可ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知ステップによりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、
前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記操作検知ステップによりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン診療システム、オンライン診療方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、第1の動物病院端末及び第2の動物病院端末との間で少なくともビデオ通話を介して実行される動物患者用遠隔診察助言システムであって、少なくとも第1の動物病院端末は、動物患者の映像を取得可能なカメラ部によって取得した当該動物患者の映像を前記第2の動物病院端末に送信し、前記映像が表示される第1表示領域と前記第2の動物病院端末を利用する者が表示される第2表示領域とを同一の表示領域内に表示する、動物患者用遠隔診察助言システムが開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、第1の国の少なくとも一人の医師の情報が予め記憶されたサーバ装置と、前記第1の国の医師が用いる第1の端末装置と、前記第1の国とは異なる第2の国の医師が用いる第2の端末装置とを備え、前記第2の端末装置が、前記サーバ装置に記憶された前記第1の国の医師の情報を表示して前記第2の国の医師に対して提示し、かつ前記第1の国の医師の選択を受け付け、前記サーバ装置が、前記第2の端末装置において前記第1の国の医師の選択が受け付けられた場合には、該選択された第1の国の医師が用いる第1の端末装置と前記第2の端末装置とを通信可能に接続する遠隔診療システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-23948
【特許文献2】特開2021-21969
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オンライン診療における診療費用の発生状態を明確にすることができるオンライン診療システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るオンライン診療システムは、患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置を有し、前記管理装置は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可部と、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断部と、前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオを通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理部と、前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出部と、前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知部と、を有し、前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記接続許可部により前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記操作検知部によりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断部により前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。
【0007】
好適には、前記管理装置は、前記患者端末に、診療費用が発生しているか否かを表示するステータス表示部をさらに有し、前記ステータス表示部は、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されるまで、及びオンライン診療の終了操作が検知された時から、前記患者端末に、費用が発生していない状態であることを表示し、前記ステータス表示部は、前記操作検知部によりオンライン診療の開始操作が検知されてから、オンライン診療の終了操作が検知されるまでの間、前記患者端末に、費用が発生している状態であることを表示する。
【0008】
好適には、前記管理装置は、前記患者端末から予約されたオンライン診療の予約時刻を管理する予約管理部と、前記接続許可部により許可されたビデオ通話により収集した情報を管理する情報管理部とをさらに有し、前記接続許可部は、前記予約管理部により管理される予約時刻の既定時間前から、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可し、前記情報管理部は、前記接続許可部により、予約時刻の既定時間前から許可されたビデオ通話により収集された情報を管理する。
【0009】
好適には、前記操作検知部は、前記病院端末におけるオンライン診療の延長操作を検知し、前記ステータス表示部は、前記操作検知部により延長操作を検知された時から費用が発生している状態であることを、前記患者端末に表示し、前記費用算出部は、前記時間管理部により計測される時間のうち、前記操作検知部により延長操作を検知された時から終了操作を検知された時までの時間を診療費用の請求対象に含める。
【0010】
好適には、前記管理装置は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話の状態を監視する通話状態監視部をさらに有し、前記予約管理部により管理される予約時間内、且つ、前記操作検知部により終了操作を検知する前に、前記通話状態監視部によりビデオ通話が切断されたと判定された場合に、前記接続許可部は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話の接続を許可する
【0011】
本発明に係るオンライン診療方法は、患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置を有し、前記管理装置は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可ステップと、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断ステップと、前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオ通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理ステップと、前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出ステップと、前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知ステップと、を有し、前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記接続許可ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知ステップによりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記操作検知ステップによりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。
【0012】
本発明に係るプログラムは、患者を映す患者端末と、前記患者端末とビデオ通話によりオンライン診療を行う病院端末と、前記ビデオ通話によるオンライン診療を管理する管理装置を有し、前記管理装置は、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を許可する接続許可ステップと、前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話を切断する接続切断ステップと、前記接続許可部によりビデオ通話を許可されてから、前記接続切断部によりビデオを通話が切断されるまでの時間を計測する時間管理ステップと、前記時間管理部により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する費用算出ステップと、前記病院端末におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する操作検知ステップと、をコンピュータに実行させ、前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記接続許可ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が接続されてから、前記操作検知ステップによりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めず、前記費用算出ステップは、前記時間管理ステップにより計測される時間のうち、前記操作検知ステップによりオンライン診療の終了操作が検知されてから、前記接続切断ステップにより前記患者端末と前記病院端末とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。
【発明の効果】
【0013】
オンライン診療における診療費用の発生状態を明確にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】オンライン診療システム1の全体構成を例示する図である。
【
図2】診療管理サーバ7のハードウェア構成を例示する図である。
【
図3】診療管理サーバ7の機能構成を例示する図である。
【
図6】ビデオ通話の接続状態と診療状態とに基づく課金/非課金のステータスを説明する表である。
【
図7】オンライン診療処理(S10)を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
本例では、患者がペットであり、動物病院のオンライン診療を受診する場合について説明するが、オンライン診療システム1は、患者が人であり、人がオンライン診療を受診してもよい。
図1は、オンライン診療システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、オンライン診療システム1は、飼い主端末3と、病院端末5と、診療管理サーバ7とを含み、これらは互いにネットワーク9で接続している。
飼い主端末3は、携帯型情報端末であるスマートフォン、パーソナルコンピュータ、またはタブレット型端末であり、カメラ機能を有するインターネットに接続可能な機器である。飼い主端末3は、診療管理サーバ7から提供される専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、このアプリケーションソフトウェアを起動し、飼い主端末3によりペットである患者を映し、病院端末5とのビデオ通話を介してペットの診療を受けたり、ペットの相談を行う。飼い主端末3は、本発明に係る患者端末の一例である。
【0016】
病院端末5は、カメラ機能を有するインターネットに接続可能なコンピュータ端末であり、飼い主端末3とビデオ通話によるオンライン診療を行う。具体的には、病院端末5は、診療管理サーバ7から提供される専用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、このアプリケーションソフトウェアを起動し、オンライン診療を行う。病院端末5は、医療従事者が操作する端末であり、飼い主端末3とのビデオ通話により、ペットの診療または相談を遠隔で行う。
【0017】
診療管理サーバ7は、インターネットに接続可能なコンピュータ端末であり、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話によるオンライン診療を管理する。具体的には、診療管理サーバ7は、オンライン診療予約の管理、ビデオ通話の起動、監視、及び終了、課金状態の表示、診療費用の算出、診療費用の決済を行う。診療管理サーバ7は、本発明に係る管理装置の一例である。
【0018】
図2は、診療管理サーバ7のハードウェア構成を例示する図である。
図2に例示するように、診療管理サーバ7は、CPU200、メモリ202、HDD204、ネットワークインタフェース206(ネットワークIF206)、表示装置208、及び、入力装置210を有し、これらの構成はバス212を介して互いに接続している。
CPU200は、例えば、中央演算装置である。
メモリ202は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD204は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、
図3のオンライン診療管理プログラム70)やその他のデータファイル(例えば、ユーザ情報登録データベース、予約情報データベース610、診療情報データベース620)を格納する。
ネットワークIF206は、有線又は無線で通信するためのインタフェースであり、例えば、ネットワーク9における通信を実現する。
表示装置208は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置210は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0019】
図3は、診療管理サーバ7の機能構成を例示する図である。
図3に例示するように、本例の診療管理サーバ7には、診療管理プログラム70がインストールされると共に、ユーザ情報登録データベース(ユーザ情報登録DB600)、予約情報データベース610(予約情報DB610)、診療情報データベース620(診療情報DB620)が構成される。
診療管理プログラム70は、ユーザ情報登録部700、予約管理部702、接続許可部704、接続切断部706、時間管理部708、操作検知部710、費用算出部712、ステータス表示部714、情報管理部716、通話状態監視部718、明細作成部720、及び決済部722を有する。
なお、診療管理プログラム70の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。
【0020】
診療管理プログラム70において、ユーザ情報登録部700は、オンライン診療を受けるペットの飼い主情報とペットの情報と決済情報を、飼い主端末3を介して受け付け、ユーザ情報としてユーザ情報登録DB600に格納する。ペットの飼い主情報には、飼い主の名前、生年月日、メールアドレス、電話番号、郵便番号、及び住所を含む。ペットの情報には、ペットの名前、種類、品種、性別、避妊・去勢手術の有無、毛色、体格、体重、生年月日、性格、飼育場所、日常食、好物、MicroChipID、狂犬病情報、ワクチン接種日、ワクチンの種類、既往歴、保険会社、保険番号、保険期限日、及びペットの写真を含む。決済情報には、採用する決済方法を含む。
予約管理部702は、飼い主端末3から予約されたオンライン診療を管理する。具体的には、予約管理部702は、飼い主端末3から飼い主が選択した動物病院において、予約可能な診療、又は相談の日時を飼い主端末3に提示する。予約管理部702は、飼い主端末3から飼い主が選択した予約日時を受け付け、受け付けた予約日時で、飼い主が選択した動物病院の予約日時を病院端末5に通知し、予約を取得する。
【0021】
接続許可部704は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話を許可する。具体的には、接続許可部704は、予約管理部702により管理される予約時刻の既定時間前から、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話を許可する。より具体的には、接続許可部704は、飼い主端末3に、
図4(b)に例示するように、予約時間の10分前から病院端末5と接続可能であることを表示し、接続ボタンの押下により病院端末5との接続を可能にする。接続許可部704は、通信障害、飼い主、または医師による誤操作によりビデオ通話が切断された場合に飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の再接続を可能にする。
【0022】
接続切断部706は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話を切断する。具体的には、接続切断部706は、飼い主端末3、または病院端末5がオンライン診療システム1のアプリケーションプログラムを終了した場合にビデオ通話を切断する。
時間管理部708は、接続許可部704によりビデオ通話が許可されてから、実際に接続され、接続切断部706によりビデオ通話が切断されるまでの時間を計測する。
操作検知部710は、病院端末5におけるオンライン診療の開始操作と終了操作とを検知する。また、操作検知部710は、病院端末5におけるオンライン診療の延長操作を検知する。
【0023】
費用算出部712は、時間管理部708により計測された時間に基づいて、診療費用の請求金額を算出する。具体的には、費用算出部712は、時間管理部708により計測される時間のうち、接続許可部に704より飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話が接続されてから、操作検知部710によりオンライン診療の開始操作が検知されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。また、費用算出部712は、時間管理部708により計測される時間のうち、操作検知部710によりオンライン診療の終了操作が検知されてから、接続切断部706により飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話が切断されるまでの間の時間を診療費用の請求対象に含めない。さらに、費用算出部712は、時間管理部708により計測される時間のうち、操作検知部710により延長操作を検知された時から終了操作を検知された時までの時間を診療費用の請求対象に含める。
これにより、オンライン診療システム1は、ビデオ通話の接続時間中すべてではなく、実際の診療にかかった時間のみ診療費用を請求することができる。
【0024】
ステータス表示部714は、飼い主端末3に、診療費用が発生しているか否かを表示する。具体的には、ステータス表示部714は、操作検知部710によりオンライン診療の開始操作が検知されるまで、及びオンライン診療の終了操作が検知された時から、飼い主端末3に、費用が発生していない状態であることを表示する。また、ステータス表示部714は、操作検知部710によりオンライン診療の開始操作が検知されてから、オンライン診療の終了操作が検知されるまでの間、飼い主端末3に、費用が発生している状態であることを表示する。さらに、ステータス表示部714は、操作検知部710により延長操作を検知された時から費用が発生している状態であることを、飼い主端末3に表示する。
これにより、飼い主は、ビデオ通話中の費用発生の有無(課金/非課金)を認識可能である。
【0025】
情報管理部716は、接続許可部704により許可されたビデオ通話により収集した情報を管理する。具体的には、情報管理部716は、ビデオ通話により収集した情報を診療情報DB620に格納する。また、情報管理部716は、診療内容だけでなく、予約時刻の既定時間前から許可されたビデオ通話により収集された情報をも管理する。例えば、情報管理部716は、問診内容、及び対応記録を管理する。
通話状態監視部718は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の状態を監視する。具体的には、通話状態監視部718は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話が接続状態であるか、または非接続状態であるかを判別する。通話状態監視部718は、接続切断部706によるビデオ通話の切断が、飼い主又は医師の操作によるものでない場合(例えば、通信障害によるものである場合)に、接続許可部704に飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の再接続を要求する。
明細作成部720は、費用算出部712により算出された診療費用と、情報管理部716により管理される診療内容に基づいてオンライン診療の請求明細を作成し、飼い主端末3に送信する。
決済部722は、ユーザ情報登録DB600に登録されている決済方法に基づいて、決済を実施する。
【0026】
図4は、飼い主端末3におけるオンライン診療システム1の操作画面を表す図である。
図4(a)のホーム画面に例示するように、オンライン診療システム1のホーム画面からオンライン診療の予約、及び予約確認を行うことができる。
ホーム画面におけるリモート開始ボタンを押下すると、
図4(b)の予約案内画面に例示するように、予約情報が表示され、接続許可部704により、予約時間の開始10分前から病院端末5との接続が許可され、接続ボタンの押下により病院端末5とのビデオ通話の接続が可能になる。
図4(c)の待機画面に例示するように、病院端末5と接続した場合、ステータス表示領域に費用が発生していないことが表示され、音声やカメラの確認を促す表示がされる。
診療が開始されると、
図4(d)の診療中画面に例示するように、ペットの映像が映され、ステータス表示領域に「診療・相談中」が表示され、費用が発生している状態を示す表示にステータスが切り替わる。さらに、診療時間のカウントダウンが開始、表示される。
【0027】
また、
図4(e)に例示するように、予約管理部702は、診療時間が近づいた場合、具体的には、診療の予約時間終了までに3分を切った場合に、飼い主端末3に終了時間が近づいていることを表示する。さらに、
図4(f)に例示するように、予約管理部702は、診療の予約時間終了までに2分を切った場合に、診療の延長の希望を聞くメッセージを飼い主端末3に表示する。
このように、オンライン診療システム1によれば、飼い主端末3に診療費用の発生状態が表示されているため、飼い主は、いつ課金されているのかを認識することができる。また、診療時間のカウントダウンが表示されているため、時間切れで質問が出来ないという事態を回避し、時間を意識しながら医師に質問することができる。
【0028】
図5は、病院端末5におけるオンライン診療システム1の操作画面を表す図である。
図5(a)の予約案内画面に例示するように、病院端末5には、予約時間と飼い主端末3との接続ボタンが表示されており、接続許可部704により、飼い主端末3とのビデオ通話の接続が可能になる。
図5(b)の待機画面に例示するように、病院端末5において接続ボタンが押下されると、ビデオ通話が開始される。病院端末5には、ペットと医師との映像、ステータス表示における課金の有無、診療時間のカウントダウン、事前に取得された予約問診情報、ペット情報、飼い主情報、及び過去の診療履歴が表示される。さらに、医師が操作する診療の開始ボタン、延長ボタン、終了ボタンが有効化されて表示される。
図5(c)の診療中画面に例示するように、操作検知部710により医師による診療の開始ボタンの押下が検知されると、ステータス表示に「診療・相談中」が表示され、費用が発生している状態を示す表示にステータスが切り替わる。さらに、予約管理部702により、診療時間のカウントダウンが開始及び表示される。
このように、課金/非課金のステータスを表示し、医師の操作により、診療の開始と終了とを明確に区切ることができることにより、例えば、診療後の動物看護師と飼い主との会話や、診療中に聞き逃したことの質問を受けたり等、医師による診療以外の時間に課金されないよう配慮することで、飼い主のオンライン診療の受診に対する心理的ハードルを下げ、動物病院への信頼へと繋げることを可能にする。
【0029】
図6は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の接続状態と診療状態とに基づく課金/非課金のステータスを説明する表である。
図6に例示するように、飼い主端末3と病院端末5との接続状態には、「接続」、及び「非接続」がある。診療状態には、「診療前」、「診療中」、及び「診療後」がある。「診療前」は、操作検知部710が病院端末5において診療の開始操作を検知する前を示す。「診療中」は、操作検知部710が病院端末5において診療の開始操作を検知した時から、操作検知部710が病院端末5において診療の終了操作を検知した時までを示す。「診療後」は、操作検知部710が病院端末5において診療の終了操作を検知した後を示す。
ビデオ通話の非接続状態においては、診療の予約時刻であっても診療費用が発生することはない。オンライン診療システム1は、ビデオ通話が接続状態であっても、診療前と診療後には課金はされず、診療費用は発生せず、診療中のみ、課金され、診療費用が発生する。
したがって、診療前に、スムーズな診療に繋げるために、動物看護師または医師と、飼い主とがコミュニケーションをとる時間や、ペットの興奮状態を落ち着かせる時間を設けたとしても、課金されることはない。
【0030】
図7は、オンライン診療処理(S10)を説明するフローチャートである。
オンライン診療処理(S10)では、オンライン診療が予約されてから、オンライン診療の開始、通信障害によるビデオ通話の切断、ビデオ通話の復帰、診療の延長、診療の終了、及び決済までの流れについて説明する。
図7に例示するように、ステップ100(S100)において、診療管理サーバ7のユーザ情報登録部700は、飼い主端末3から入力された飼い主情報と、ペット情報と、決済情報とを受け付け、ユーザ情報登録DB600に格納する。
【0031】
ステップ105(S105)において、診療管理サーバ7の予約管理部702は、ユーザ情報において、ユーザ(ペットの飼い主)に関連付けられているかかりつけの動物病院の、オンライン診療の予約可能な日時を提示する。かかりつけの動物病院の登録がない場合に、予約管理部702は、飼い主端末3から入力された情報に基づいて、オンライン診療が可能な動物病院の候補を飼い主端末3に提示する。飼い主は、提示された動物病院からかかりつけ医を選択し、ユーザ情報登録部700は、飼い主とかかりつけの動物病院とを関連付けてユーザ情報DB600に登録する。飼い主は、飼い主端末3を介して予約可能な日時から診療時間を選択し、予約管理部702は、選択された日時においてオンライン診療の予約をとり、病院端末5へ通知する。また、予約管理部702は、取得した予約情報を予約情報DB610に格納する。
【0032】
ステップ110(S110)において、診療管理サーバ7の接続許可部704は、予約情報DB610に登録されているオンライン診療の予約時間の既定時間前から飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の接続を許可する。接続許可部704は、飼い主端末3に表示されるビデオ通話の接続ボタンを有効化し、予約時間の既定時間前からビデオ通話を可能にする。
ステップ115(S115)において、通話状態監視部718は、接続許可部704がビデオ通話を許可した時から飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の接続状態を監視する。
【0033】
ステップ120(S120)において、診療管理サーバ7のステータス表示部714は、飼い主端末3に、未だ費用が発生していない状態、すなわち課金されていない状態であることを表示する。
ステップ125(S125)において、診療管理サーバ7の操作検知部710は、病院端末5において、医師が診療開始ボタンを押下したことを検知する。
ステップ130(S130)において、ステータス表示部714は、飼い主端末3に費用が発生している状態、すなわち時間に基づいて課金される状態であることを表示する。
ステップ135(S135)において、通話状態監視部718は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話が、接続切断部706によらずに切断されたことを検知する。
【0034】
ステップ140(S140)において、通話状態監視部718は、切断されたのが診療予約の時間内であるか否かを判別する。未だ予約時間内である場合に、通話状態監視部718は、接続許可部704に飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の再接続の許可を要求し、S145に移行する(S140:Yes)。予約時間内でない場合にオンライン診療処理(S10)は、S180へ移行する(S140:No)。
ステップ145(S145)において、接続許可部704は、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話の再接続を許可する。
ステップ150(S150)において、ステータス表示部714は、再接続されたビデオ通話において、飼い主端末3に費用が発生している状態、すなわち時間に基づいて課金される状態であることを表示する。
【0035】
ステップ155(S155)において、診療管理サーバ7の操作検知部710が、病院端末5において、医師が診療の延長ボタンを押下したことを検知する。
ステップ160(S160)において、ステータス表示部714は、診療が延長されるため、飼い主端末3に費用が発生している状態、すなわち時間に基づいて課金される状態であることを表示する。
ステップ165(S165)において、診療管理サーバ7の操作検知部710が、病院端末5において、医師が診療の終了ボタンを押下したことを検知する。
ステップ170(S170)において、ステータス表示部714は、飼い主端末3に診療が終了し、費用が発生していない状態、すなわち課金されていない状態であることを表示する。
ステップ175(S175)において、飼い主端末3または病院端末5により、ビデオ通話の接続の切断操作が行われ、接続切断部706は、ビデオ通話を切断する。
ステップ180(S180)において、診療管理サーバ7の費用算出部712は、時間管理部708により管理されるビデオ通話の通信時間のうち、操作検知部710により検知された診療開始から診療終了までの時間に基づいて、診療費用を算出する。さらに、診療管理サーバ7の明細作成部720は、オンライン診療の請求明細を作成し、飼い主端末3に送信する。
ステップ185(S185)において、診療管理サーバ7の決済部722は、ユーザ情報DB600に登録されている決済方法に基づいて、決済を実施する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態のオンライン診療システム1によれば、オンライン診療の予約から決済までをネットワーク上で行うことができる。また、飼い主端末3と病院端末5とのビデオ通話における課金状態が飼い主端末3に表示されるため、飼い主は、コストを意識することができ、どこに費用が発生しているかが明確になり、無駄に課金状態が続くことを防ぐことができる。また、オンライン診療システム1によれば、ビデオ通話の接続中の時間すべてに課金されるわけではなく、実際の診療時間のみに課金され、診療の開始操作前、終了操作後の接続中の時間には費用が発生しない。これにより、飼い主に不要な支払いが発生することがない。
【符号の説明】
【0037】
1…オンライン診療システム
3…飼い主端末
5…病院端末
7…診療管理サーバ
9…ネットワーク
70…診療管理プログラム
600…ユーザ情報登録データベース
610…予約情報データベース
620…診療情報データベース
700…ユーザ情報登録部
702…予約管理部
704…接続許可部
706…接続切断部
708…時間管理部
710…操作検知部
712…費用算出部
714…ステータス表示部
716…情報管理部
718…通話状態監視部
720…明細作成部
722…決済部