(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016414
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
B41J2/01 121
B41J2/01 305
B41J2/01 401
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118510
(22)【出願日】2022-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】今井 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】早坂 信幸
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB03
2C056EB13
2C056EB35
2C056EC06
2C056EC13
2C056EC28
2C056FA10
2C056HA31
(57)【要約】
【課題】複数のイオン照射部が並べられるイオナイザーにおいてイオンの照射密度を高くする。
【解決手段】印刷媒体Pを搬送する搬送部3と、搬送部3によって搬送される印刷媒体Pにインクを吐出して画像を形成する印刷ヘッド2と、印刷媒体Pの搬送経路において印刷ヘッド2よりも上流に配置され搬送される印刷媒体Pに対してイオンを照射するイオナイザー4と、を備え、イオナイザー4は、複数のイオン照射部5が印刷媒体Pの画像形成面P1と対向する方向から見て印刷媒体Pの搬送方向Aと直交する方向Bに対して傾斜する配置で並べられている印刷装置1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送される前記印刷媒体にインクを吐出して画像を形成する印刷ヘッドと、
前記印刷媒体の搬送経路において前記印刷ヘッドよりも上流に配置され搬送される前記印刷媒体に対してイオンを照射するイオナイザーと、
を備え、
前記イオナイザーは、複数のイオン照射部が前記印刷媒体の画像形成面と対向する方向から見て前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向に対して傾斜する配置で並べられていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載された印刷装置において、
前記イオナイザーが複数並べて配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項2に記載された印刷装置において、
前記イオナイザーは、前記搬送方向から見て重なる配置で複数並べて配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項2に記載された印刷装置において、
前記イオナイザーは、前記複数のイオン照射部が並べられる方向に沿って複数並べて配置されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載された印刷装置において、
前記イオン照射部からのイオン照射周期を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記搬送部による前記印刷媒体の搬送速度に応じて前記イオン照射周期を制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項5に記載された印刷装置において、
前記制御部は、前記搬送速度が速いほど前記イオン照射周期を短く制御することを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1または2に記載された印刷装置において、
前記イオナイザーを前記画像形成面と対向する側に備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項7に記載された印刷装置において、
前記イオナイザーを前記画像形成面と対向する側に加えて前記画像形成面と対向する側とは反対側にも備えることを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、インクを印刷媒体に吐出して印刷する様々な印刷装置が使用されている。このうち、イオナイザーを備え、印刷媒体をイオンにより中和してから印刷することが可能な印刷装置がある。例えば、特許文献1には、プラスイオン及びマイナスイオンを発生して記録媒体の帯電を中和する中和手段を備える、インクジェット記録装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の中和手段のような、印刷装置に使用されるイオナイザーは、印刷媒体の搬送方向と直交する方向に沿って複数のイオン照射部が並べられる構成のものが一般的である。このような構成のイオナイザーにおいてイオンの照射密度を高くするためには、隣接するイオン照射部同士の間隔を狭くする必要がある。しかしながら、イオン照射部同士の間隔を短くするためには、装置が複雑化高コスト化するだけでなく、隣接するイオン照射部から照射されたイオンが干渉しあって除電効果が低下する場合がある。このため、複数のイオン照射部が並べられるイオナイザーにおいてイオンの照射密度を高くすることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の印刷装置は、印刷媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記印刷媒体にインクを吐出して画像を形成する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路において前記印刷ヘッドよりも上流に配置され搬送される前記印刷媒体に対してイオンを照射するイオナイザーと、を備え、前記イオナイザーは、複数のイオン照射部が前記印刷媒体の画像形成面と対向する方向から見て前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向に対して傾斜する配置で並べられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の実施例1に係る印刷装置の概略側面図。
【
図4】本発明の実施例2に係る印刷装置の概略側面図。
【
図5】本発明の実施例3に係る印刷装置の概略底面図。
【
図6】本発明の実施例4に係る印刷装置の概略底面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
最初に、本発明について概略的に説明する。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の印刷装置は、印刷媒体を搬送する搬送部と、前記搬送部によって搬送される前記印刷媒体にインクを吐出して画像を形成する印刷ヘッドと、前記印刷媒体の搬送経路において前記印刷ヘッドよりも上流に配置され搬送される前記印刷媒体に対してイオンを照射するイオナイザーと、を備え、前記イオナイザーは、複数のイオン照射部が前記印刷媒体の画像形成面と対向する方向から見て前記印刷媒体の搬送方向と直交する方向に対して傾斜する配置で並べられていることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、イオナイザーは、複数のイオン照射部が印刷媒体の画像形成面と対向する方向から見て印刷媒体の搬送方向と直交する方向に対して傾斜する配置で並べられている。このため、隣接するイオン照射部同士の間隔を狭くしすぎることなく、印刷媒体の搬送方向と直交する方向においてイオンを狭い間隔で照射することができる。したがって、複数のイオン照射部が並べられるイオナイザーにおいてイオンの照射密度を高くすることができる。
【0009】
本発明の第2の態様の印刷装置は、前記第1の態様において、前記イオナイザーが複数並べて配置されていることを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、イオナイザーが複数並べて配置されている。このため、例えば、イオンの照射密度を特に高くすることや、イオン照射部に不具合が生じた場合などにおけるイオン照射部の交換に伴うコストを低減することなどが可能になる。
【0011】
本発明の第3の態様の印刷装置は、前記第2の態様において、前記イオナイザーは、前記搬送方向から見て重なる配置で複数並べて配置されていることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、イオナイザーは、搬送方向から見て重なる配置で複数並べて配置されている。このため、搬送方向と直交する方向においてイオン照射部の位置がずれるようにイオナイザーを複数配置することで、イオンの照射密度を特に高くすることができる。
【0013】
本発明の第4の態様の印刷装置は、前記第2の態様において、前記イオナイザーは、前記複数のイオン照射部が並べられる方向に沿って複数並べて配置されていることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、イオナイザーは、複数のイオン照射部が並べられる方向に沿って複数並べて配置されている。このため、1つ当たりのイオナイザーのイオン照射部の数を減らすことができ、イオン照射部に不具合が生じた場合などにおいて、複数のイオナイザーのうちの不具合が生じたイオン照射部を有するイオナイザーのみを交換することができ、イオン照射部の交換に伴うコストを低減することができる。
【0015】
本発明の第5の態様の印刷装置は、前記第1または第2の態様において、前記イオン照射部からのイオン照射周期を制御する制御部を備え、前記制御部は、前記搬送部による前記印刷媒体の搬送速度に応じて前記イオン照射周期を制御することを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、搬送部による印刷媒体の搬送速度に応じてイオン照射周期を制御することができる制御部を備える。このため、印刷媒体の搬送速度に応じて自動で簡単に適正なイオン照射周期でイオンを照射することができる。
【0017】
本発明の第6の態様の印刷装置は、前記第5の態様において、前記制御部は、前記搬送速度が速いほど前記イオン照射周期を短く制御することを特徴とする。
【0018】
イオン照射周期が一定であれば搬送速度が速いほど搬送方向におけるイオンの照射密度は低下する。しかしながら、本態様によれば、搬送速度が速いほどイオン照射周期を短く制御する。このため、印刷媒体の搬送速度に応じて特に適正なイオン照射周期でイオンを照射することができる。
【0019】
本発明の第7の態様の印刷装置は、前記第1または第2の態様において、前記イオナイザーを前記画像形成面と対向する側に備えることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、イオナイザーを前記画像形成面と対向する側に備える。このため、画像形成する前の画像形成面を効率的に除電することができ、画像形成精度の低下を効率的に抑制することができる。
【0021】
本発明の第8の態様の印刷装置は、前記第7の態様において、前記イオナイザーを前記画像形成面と対向する側に加えて前記画像形成面と対向する側とは反対側にも備えることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、イオナイザーを画像形成面と対向する側に加えて画像形成面と対向する側とは反対側にも備える。このため、印刷媒体を特に効果的に除電することができ、画像形成精度の低下を特に効果的に抑制することができる。
【0023】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を具体的に説明する。
【0024】
[実施例1]
最初に、本発明の印刷装置1の一例としての実施例1の印刷装置1Aの概要について
図1を参照して説明する。本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pを搬送方向Aに搬送する搬送部3と、搬送部3によって搬送される印刷媒体Pにインクを吐出して画像を形成する印刷ヘッド2と、を備えている。本実施例の印刷装置1Aは、ロール状の印刷媒体Pをローラー対である搬送部3により搬送して印刷可能な構成であるが、例えばA4サイズのカット紙などに対して印刷可能な構成としてもよい。すなわち、使用可能な印刷媒体Pや搬送部3の構成などに特に限定は無い。
【0025】
印刷ヘッド2は、搬送部3により搬送方向Aに搬送される印刷媒体Pの画像形成面P1と対向する側に設けられ、画像形成面P1にインクを吐出して画像を形成する。詳細には、印刷ヘッド2を搬送方向Aと交差する幅方向Bに往復移動させて印刷する。さらに詳細には、印刷媒体Pを搬送方向Aに間欠駆動させるとともに、幅方向Bに印刷ヘッド2を往復移動させ、印刷ヘッド2からインクを吐出して印刷する。ただし、印刷ヘッド2の構成に特に限定は無い。幅方向Bに往復移動させて印刷する印刷ヘッド2の代わりに、印刷媒体Pの幅方向Bの全体に亘ってインクを吐出するノズルが幅方向Bに沿って並べて設けられる、所謂ラインヘッドを備えていてもよい。
【0026】
また、
図1で表されるように、本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pの搬送経路において印刷ヘッド2よりも上流に配置され、搬送部3により搬送される印刷媒体Pに対してイオンを照射するイオナイザー4を備えている。さらに、本実施例の印刷装置1Aは、印刷ヘッド2、搬送部3及びイオナイザー4と電気的に接続される制御部6を備えている。制御部6は、CPU、ROM及びRAMなどを有する記憶部、搬送部3等を駆動するための各種モーターのモーター駆動部などを備えている。印刷ヘッド2、搬送部3及びイオナイザー4は、制御部6の制御により駆動される。
【0027】
次に、
図2及び
図3を参照して、本実施例の印刷装置1Aのイオナイザー4について詳細に説明する。
図2で表されるように、本実施例のイオナイザー4は、複数のイオン照射部5が間隔S1を開けて等間隔に並べられている。また、本実施例のイオナイザー4は、上記のように制御部6と電気的に接続されているほか、交流電源7とも電気的に接続されている。このような構成により、各々のイオン照射部5から所望の周波数でプラスイオンとマイナスイオンとを交互に照射することが可能な構成となっている。
【0028】
なお、本実施例のイオナイザー4は、全てのイオン照射部5で同時に所望の周波数でプラスイオンとマイナスイオンとを交互に照射することが可能な構成となっているが、このような構成に限定されない。例えば、あるタイミングにおいては一列に並ぶイオン照射部5のうちの1つおきの第1グループにおいてプラスイオンを照射するとともに残りの1つおきの第2グループにおいてマイナスイオンを照射し、別のタイミングにおいては第1グループにおいてマイナスイオンを照射するとともに第2グループにおいてプラスイオンを照射する、そしてこれを所望の周波数で交互に繰り返すなどとしてもよい。さらには、プラスに帯電しやすい印刷媒体Pのみを使用する場合はマイナスイオンのみを照射する構成とすることや、マイナスに帯電しやすい印刷媒体Pのみを使用する場合はプラスイオンのみを照射する構成とすることも可能である。
【0029】
また、
図3で表されるように底面視で、或いは、平面視である印刷媒体Pの画像形成面P1と対向する方向から見て、本実施例のイオナイザー4は、印刷媒体Pの搬送方向Aと直交する方向である幅方向Bに対して角度Θぶん、傾斜する配置で複数のイオン照射部5が並べられている。このため、本実施例の印刷装置1Aは、隣接するイオン照射部5同士の間隔S1を狭くしすぎることなく、印刷媒体Pの搬送方向Aと直交する幅方向Bにおいてイオンを狭い間隔S2で照射することができる構成になっている。したがって、本実施例の印刷装置1Aは、複数のイオン照射部5が並べられるイオナイザー4においてイオンの照射密度を高くすることができている。
【0030】
なお、搬送方向Aと直交する方向である幅方向Bと複数のイオン照射部5が並べられる方向とのなす角度である角度Θについては特に限定はないが、45°以下であることが好ましい。角度Θが45°を超えると装置が大型化する虞などがあるためである。また、隣接するイオン照射部5同士の間隔S1についても特に限定は無い。しかしながら、間隔S1が小さすぎると隣接するイオン照射部5同士のイオンの干渉が生じて印刷媒体Pの除電効果が低下するため、隣接するイオン照射部5同士のイオンの干渉が生じない間隔とすることが好ましい。
【0031】
また、上記のように、本実施例の印刷装置1Aは、制御部6を備えている。そして、制御部6は、搬送部3による印刷媒体Pの搬送速度や、イオン照射部5からのイオン照射周期などを制御することができる。制御部6は、具体的には、例えば、搬送部3による印刷媒体Pの搬送速度に応じてイオン照射部5からのイオン照射周期を制御することができる。このため、本実施例の印刷装置1Aは、印刷媒体Pの搬送速度に応じて自動で簡単に適正なイオン照射周期でイオン照射部5からイオンを照射することができる。
【0032】
さらに詳細には、制御部6は、印刷媒体Pの搬送速度が速いほどイオン照射部5からのイオン照射周期を短く制御することができる。イオン照射部5からのイオン照射周期が一定であれば印刷媒体Pの搬送速度が速いほど搬送方向Aにおけるイオンの照射密度は低下する。しかしながら、印刷媒体Pの搬送速度が速いほどイオン照射部5からのイオン照射周期を短く制御することで、印刷媒体Pの搬送速度に応じて特に適正なイオン照射周期でイオン照射部5からイオンを照射することができる。
【0033】
[実施例2]
次に、実施例2の印刷装置1Bについて、
図4を用いて説明する。なお、
図4は実施例1の印刷装置1における
図1に対応する図である。
図4において上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Bは、イオナイザー4の構成以外は実施例1の印刷装置1Aと同様の形状をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Bは、実施例1の印刷装置1Aと同様の特徴を有している。
【0034】
上記のように、実施例1の印刷装置1Aは、
図1で表されるように、イオナイザー4を画像形成面P1と対向する側に備えていた。このような構成とすることで、画像形成する前の画像形成面P1を効率的に除電することができ、印刷ヘッド2から吐出されたインクが印刷媒体Pの画像形成面P1に帯電した静電気により所望の吐出方向からずれて、画像形成精度が低下するということを効率的に抑制することができる。
【0035】
一方、本実施例の印刷装置1Bは、
図4で表されるように、画像形成面P1と対向する側に設けられたイオナイザー4Aに加えて、画像形成面P1と対向する側とは反対側に設けられたイオナイザー4Bも、備えている。このため、本実施例の印刷装置1Bは、実施例1の印刷装置1Aよりもさらに、印刷媒体Pを特に効果的に除電することができ、画像形成精度の低下を特に効果的に抑制することができる。なお、本実施例のイオナイザー4A及びイオナイザー4Bは、共に実施例1の印刷装置1Aのイオナイザー4と同様の構成である。しかしながら、イオナイザー4A及びイオナイザー4Bとして、実施例1の印刷装置1Aのイオナイザー4と異なる構成のイオナイザー4を備える構成としてもよい。
【0036】
[実施例3]
次に、実施例3の印刷装置1Cについて、
図5を用いて説明する。なお、
図5は実施例1の印刷装置1における
図3に対応する図である。
図5において上記実施例1及び実施例2と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Cは、イオナイザー4の構成以外は実施例1及び実施例2の印刷装置1と同様の形状をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Cは、実施例1及び実施例2の印刷装置1と同様の特徴を有している。
【0037】
上記のように、実施例1の印刷装置1Aは、
図1及び
図3で表されるように、イオナイザー4を画像形成面P1と対向する側に1つ備えていた。一方、本実施例の印刷装置1Cは、
図5で表されるように、イオナイザー4が、イオナイザー4C及びイオナイザー4Dと、搬送方向Aに2つ並べて配置されている。このように、イオナイザー4が複数並べて配置されていることで、例えば、イオンの照射密度を特に高くすることや、イオン照射部5に不具合が生じた場合などにおけるイオン照射部5の交換に伴うコストを低減することなどが可能になる。
【0038】
特に、本実施例の印刷装置1Cにおいては、イオナイザー4が搬送方向Aから見て重なる配置で複数並べて配置されている。そしてさらに、イオナイザー4Cとイオナイザー4Dとで、搬送方向Aと直交する幅方向Bにおいてイオン照射部5の位置がずれるように、これらイオナイザー4を配置している。このような構成とすることで、イオンの照射密度を特に高くすることができる。
【0039】
なお、
図3で表されるように、実施例1の印刷装置1Aは、イオン照射部5が一列に並ぶイオナイザー4を備えていた。また、
図5で表されるように、本実施例の印刷装置1Cは、共にイオン照射部5が一列に並ぶイオナイザー4Cとイオナイザー4Dとを備えている。ただし、このような構成に限定されず、イオン照射部5が複数列並ぶイオナイザー4を備えていてもよい。
【0040】
[実施例4]
次に、実施例4の印刷装置1Dについて、
図6を用いて説明する。なお、
図6は実施例1の印刷装置1における
図3に対応する図である。
図6において上記実施例1から実施例3と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。ここで、本実施例の印刷装置1Dは、イオナイザー4の構成以外は実施例1から実施例3の印刷装置1と同様の形状をしている。このため、下記で説明する部分以外に関しては、本実施例の印刷装置1Dは、実施例1から実施例3の印刷装置1と同様の特徴を有している。
【0041】
上記のように、実施例3の印刷装置1Cは、
図5で表されるように、イオナイザー4が搬送方向Aに重なる配置で複数並べて配置されていた。一方、本実施例の印刷装置1Dは、
図6で表されるように、イオナイザー4が、イオナイザー4E、イオナイザー4F、イオナイザー4G、イオナイザー4Hと、複数のイオン照射部5が並べられる方向に沿って複数並べて配置されている。このような構成とすることで、1つ当たりのイオナイザー4のイオン照射部5の数を減らすことができ、イオン照射部5に不具合が生じた場合などにおいて、複数のイオナイザー4のうちの不具合が生じたイオン照射部5を有するイオナイザー4のみを交換することができ、イオン照射部5の交換に伴うコストを低減することができる。
【0042】
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【符号の説明】
【0043】
1…印刷装置、1A…印刷装置、1B…印刷装置、1C…印刷装置、1D…印刷装置、1E…印刷装置、2…印刷ヘッド、3…搬送部、4…イオナイザー、4A…イオナイザー、4B…イオナイザー、4C…イオナイザー、4D…イオナイザー、4E…イオナイザー、4F…イオナイザー、4G…イオナイザー、4H…イオナイザー、5…イオン照射部、6…制御部、P…印刷媒体、P1…画像形成面