(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024016428
(43)【公開日】2024-02-07
(54)【発明の名称】農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法
(51)【国際特許分類】
A01B 59/04 20060101AFI20240131BHJP
【FI】
A01B59/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118540
(22)【出願日】2022-07-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】000188009
【氏名又は名称】松山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池内 善活
(72)【発明者】
【氏名】田副 隼
【テーマコード(参考)】
2B041
【Fターム(参考)】
2B041AA07
2B041AC01
2B041AC03
2B041CA03
2B041CG08
2B041HA02
2B041HA04
2B041HA12
2B041HA16
2B041HA17
(57)【要約】
【課題】トラクタに装着する作業機に備えるアクチュエータの調整を簡単かつ正確に行うことができる農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法を提供することを目的とする。
【解決手段】制御装置20は、リモコン装置10から基準点設定に移行する操作信号を受信した場合、現在のアクチュエータ22の状態におけるセンサ21が検知する位置を基準点として設定し、制御装置20は、リモコン装置10からのアクチュエータ22を作動する操作信号を受信した場合、センサ21からの情報に基づきアクチュエータ22の作動により移動する部分の位置を、基準点を基準として検出しながら、アクチュエータ22を制御する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用調整システムにおいて、
前記作業機の可動部分を移動させることを可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を検知するセンサと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置とを備え、
前記制御装置は、前記リモコン装置から基準点設定に移行する操作信号を受信した場合、現在の前記アクチュエータの状態における前記センサが検知する位置を基準点として設定し、
前記制御装置は、前記リモコン装置からの前記アクチュエータを作動する操作信号を受信した場合、前記センサからの情報に基づき前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を、前記基準点を基準として検出しながら、前記アクチュエータを制御することを特徴とする農作業機用調整システム。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機用調整システムにおいて、
前記アクチュエータは、シリンダであることを特徴とする農作業機用調整システム。
【請求項3】
請求項1に記載の農作業機用調整システムにおいて、
前記センサは、ポテンショメータであることを特徴とする農作業機用調整システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機用調整システムにおいて、
前記リモコン装置は表示部を備え、
前記アクチュエータと前記アクチュエータに対応する前記センサをそれぞれ複数備えている場合、前記リモコン装置の前記表示部に、前記アクチュエータもしくは前記センサを表示させ、前記リモコン装置の操作により前記基準点を設定するための前記アクチュエータもしくは前記センサを選択可能であることを特徴とする農作業機用調整システム。
【請求項5】
トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用調整方法において、
前記作業機の可動部分を移動させることを可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を検知するセンサと、前記アクチュエータを前記センサの情報を用いて制御する制御装置とを用い、
前記センサを固定するステップと、
前記アクチュエータを特定の状態にするステップと、
前記制御装置により、前記センサの現在値を読み込み、当該現在値を基準点として設定するステップとを有することを特徴とする農作業機用調整方法。
【請求項6】
請求項5に記載の農作業機用調整方法において、
前記アクチュエータは、シリンダであり、前記アクチュエータの特定の状態は、前記シリンダの最短縮状態又は最延長状態であることを特徴とする農作業機用調整方法。
【請求項7】
請求項5に記載の農作業機用調整方法において、
前記センサは、ポテンショメータであることを特徴とする農作業機用調整方法。
【請求項8】
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の農作業機用調整方法において、
前記アクチュエータと前記アクチュエータに対応する前記センサをそれぞれ複数備える場合に、
前記基準点を設定するステップの前に、
前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置を用いて、前記基準点を設定する前記アクチュエータもしくは前記センサを選択するステップを有することを特徴とする農作業機用調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法に関し、特に、トラクタに装着する作業機に備えるアクチュエータの調整を行える農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタに装着して農作業を行う作業機にはアクチュエータを備えていることが多い。アクチュエータは、作業機の一部を動かすことで、多くは農作業の作業性を高めることができる。このアクチュエータは、例えば、リモコン装置の操作部からの操作により制御できることが多いが、制御の正確性を上げるにはアクチュエータにより移動する部分がどこに位置しているかを正確に検知することが望ましい。このため、例えば、センサを用いてこの位置を検知することが行われている。
【0003】
特許文献1には、畦形成機において、支持フレームの回動ボスに歯車を固着させ、この歯車に歯合して装着フレーム側に回動軸を設けた中間歯車を設け、この中間歯車と歯合するラックを装着フレームに取り付けられたシリンダ機構によって往復動させ支持フレームを回動させることが開示されている。さらに、ポテンショメータにより支持フレームの回動位置を検知することにより、支持フレームの回動および回動固定手段を制御回路を介してリモートコントロールすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、アクチュエータによる移動を検知するセンサは、基準を決めて取付を行う必要があり、その取付位置がずれると、アクチュエータによる制御の正確性に悪影響を及ぼす。このため、センサの取付作業も慎重に行う必要があり手間のかかる作業となっていた。
【0006】
一方、特許文献1には、ポテンショメータにより支持フレームの回動位置を検知することが示されているが、ポテンショメータの取付には上記と同様の問題が生じることとなる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、トラクタに装着する作業機に備えるアクチュエータの調整を簡単かつ正確に行うことができる農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、代表的な本発明の農作業機用調整システムの一つは、トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用調整システムにおいて、前記作業機の可動部分を移動させることを可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を検知するセンサと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置とを備え、前記制御装置は、前記リモコン装置から基準点設定に移行する操作信号を受信した場合、現在の前記アクチュエータの状態における前記センサが検知する位置を基準点として設定し、前記制御装置は、前記リモコン装置からの前記アクチュエータを作動する操作信号を受信した場合、前記センサからの情報に基づき前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を、前記基準点を基準として検出しながら、前記アクチュエータを制御することを特徴とする。
【0009】
さらに本発明の農作業機用調整システムの一つは、前記アクチュエータは、シリンダであることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用調整システムの一つは、前記センサは、ポテンショメータであることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用調整システムの一つは、前記リモコン装置は表示部を備え、前記アクチュエータと前記アクチュエータに対応する前記センサをそれぞれ複数備えている場合、前記リモコン装置の前記表示部に、前記アクチュエータもしくは前記センサを表示させ、前記リモコン装置の操作により前記基準点を設定するための前記アクチュエータもしくは前記センサを選択可能であることを特徴とする。
【0010】
また、代表的な本発明の農作業機用調整方法の一つは、トラクタに装着して農作業を行う作業機に用いる農作業機用調整方法において、前記作業機の可動部分を移動させることを可能とするアクチュエータと、前記アクチュエータの作動により移動する部分の位置を検知するセンサと、前記アクチュエータを前記センサの情報を用いて制御する制御装置とを用い、前記センサを固定するステップと、前記アクチュエータを特定の状態にするステップと、前記制御装置により、前記センサの現在値を読み込み、当該現在値を基準点として設定するステップとを有することを特徴とする。
【0011】
さらに本発明の農作業機用調整方法の一つは、前記アクチュエータは、シリンダであり、前記アクチュエータの特定の状態は、前記シリンダの最短縮状態又は最延長状態であることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用調整方法の一つは、前記センサは、ポテンショメータであることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機用調整方法の一つは、前記アクチュエータと前記アクチュエータに対応する前記センサをそれぞれ複数備える場合に、前記基準点を設定するステップの前に、前記制御装置と遠隔で通信可能なリモコン装置を用いて、前記基準点を設定する前記アクチュエータもしくは前記センサを選択するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、農作業機用調整システム及び農作業機用調整方法において、トラクタに装着する作業機に備えるアクチュエータの調整を簡単かつ正確に行うことができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の農作業機用調整システムの一実施形態を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に適用される作業機の平面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の拡大斜視図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の第1の状態を示す平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の第2の状態を示す平面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態のリモコン装置を示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態のアクチュエータの調整を説明する図である。
【
図8】本発明を適用しない場合のポテンショメータ固定の例を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の第1の実施形態のフローチャートである。
【
図10】本発明の第2の実施形態に適用される作業機の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0015】
<ブロック図>
図1は、本発明の農作業機用調整システムの一実施形態を示すブロック図である。
【0016】
トラクタ1に農作業を行う作業部を備える作業機2を装着する。トラクタ1側には、リモコン装置10が配置可能となっている。また、作業機2側には、制御装置20、センサ21、アクチュエータ22を備えている。
【0017】
リモコン装置10は、主として作業機2側のアクチュエータ22の操作を遠隔で行うためのリモコン装置である。また、作業機2側の制御装置20から、アクチュエータ22の制御の情報やセンサ21の情報を取得してもよい。リモコン装置10と制御装置20は無線通信Rによって情報のやりとりが可能である。リモコン装置10は、表示部10a、操作部10b、無線通信部10c、処理部10dを備えている。リモコン装置10は、トラクタ1の運転席近傍に配置可能である。
【0018】
表示部10aは、操作や設定、作業機2に関する各種情報を表示する装置である。例えば、液晶画面や有機EL(OLED)画面を適用してもよい。また、タッチパネルとして、操作部10bの機能を有していてもよい。
【0019】
操作部10bは、リモコン装置10を操作するためのスイッチを備えている。スイッチは押しボタンスイッチなど各種スイッチを適用できる。また、タッチパネルの方式を採用してもよい。
【0020】
無線通信部10cは、制御装置20の無線通信部20cと無線通信を行う。無線モジュール等で構成可能である。無線通信は、例えば、Wi-FiやBluetooth等の規格や、920MHz帯や2.4GHz帯等の周波数帯を用いることができる。
【0021】
処理部10dは、操作部10bの操作による情報を無線通信部10cから送信する等の処理や表示部10aに必要な情報を表示させる等の処理を行う。さらに、後述する基準設定に関する処理を必要に応じて行うことができる。処理部10dは、CPU(中央処理装置)やメモリ等、演算処理のために必要な電子デバイス等で構成される。また、処理部10dには、必要な情報を記録する記憶部を備えている。
【0022】
制御装置20は、リモコン装置10から無線通信Rを介した操作信号に基づきアクチュエータ22の制御を行う。また、センサ21の情報も制御に使用する。また、制御装置20から、アクチュエータ22の制御の情報やセンサ21の情報等をリモコン装置10に送信する。制御装置20は、制御部20a、入出力部20b、無線通信部20cを備える。
【0023】
制御部20aは、リモコン装置10からの操作信号の情報(電気信号)やセンサ21で検知した情報を入力し、アクチュエータ22の制御するための処理等を行う。このとき、アクチュエータ22の制御は、リモコン装置10からの操作信号を受信した場合、センサ21からの情報を用いてアクチュエータ22の作動により移動する(変化する)部分の位置を特定して正確な制御を可能とする。さらに、後述する基準設定の処理を行うことができる。制御部20aは、CPU(中央処理装置)やメモリ等、演算処理のために必要な電子デバイス等で構成される。また、制御部20aには、必要な情報を記録する記憶部を備えている。
【0024】
入出力部20bは、制御部20aの制御に基づきアクチュエータ22に電源を供給する等の機能を果たす。また、入出力部20bは、センサ21からの情報を受け取り制御部20aへ送る。
【0025】
無線通信部20cは、リモコン装置10の無線通信部10cと無線通信を行う。無線モジュール等で構成可能である。
【0026】
センサ21は、作業機2側に設置されるセンサであり、作業機2の必要に応じて様々な種類のセンサが設けられる。センサ21は、例えば、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサ、地磁気センサ、回転センサ、ポテンショメータ、リミットスイッチ等である。これにより、アクチュエータ22による作業機2の状態等を検知することができる。特に、農作業機用調整システムにおいては、アクチュエータ22の作動により移動する部分の位置を検知するセンサに有効である。とりわけ、ポテンショメータにおいては、アクチュエータ22の作動により移動する部分の位置を検知できる。
【0027】
アクチュエータ22は、作業機2側に設置される。アクチュエータ22は、例えば、作業機2の一部である可動部分を必要に応じて移動させることを可能とするアクチュエータである。特に、作業機2の作業部等の位置を移動させるアクチュエータを用いることで、これを制御して農作業の作業性を高めることができる。アクチュエータ22としては、例えば、油圧シリンダや電動油圧シリンダ等のシリンダや、モータ等を適用できる。特に、農作業機用調整システムにおいては、取付時において基準位置の決定が必要なアクチュエータを適用することが有効である。例えば、この場合アクチュエータとしてはシリンダを適用することができる。
【0028】
<第1の実施形態>
図2は、本発明の第1の実施形態に適用される作業機の平面図である。
図2の左右方向が横方向であり、
図2の上方向が前方向である。トラクタ1の後部に作業機2を装着して、作業機2で農作業を行う。なお、
図2では、トラクタ1の図示は省略してある。また、第1の実施形態では、作業機2が畦塗り機50の場合について説明する。
【0029】
畦塗り機50は、前部に備えられる装着部51をトラクタ1の後部に接続して装着する。装着部51は、マスト51a、左右のヒッチ51b、フレーム51cを備えている。フレーム51cに固定されるマスト51aと左右のヒッチ51bとを介して畦塗り機50がトラクタ1の後方に装着される。装着部51のフレーム51cと中間フレーム52は、水平方向に回動可能な支点52aにより連結され、中間フレーム52と作業部58は、水平方向に回動可能な支点52bにより連結されている。作業部58は、作業方向前側から前処理部55、耕耘部56、ディスク部57を有している。作業時は、トラクタ1から伝達された動力により前処理部55で旧畦の前処理をして、耕耘部56で旧畦の土を盛り上げ、ディスク部57の回転により畦形状に形成する。耕耘部56は、複数の爪56aが回転して土を盛り上げる。ディスク部57は、畦の法面を形成する本体ディスク部57aと、畦の上面を形成する上面ディスク部57bを有している。
【0030】
第1電動油圧シリンダ61は、装着部51と中間フレーム52の間に接続されている。第3電動油圧シリンダ63は、ディスク部57に対する耕耘部56の深さを変更可能に接続される。また、制御装置20は、装着部51に設置されている。なお、作業部58と中間フレーム52と連動するリンク機構に接続される第2電動油圧シリンダを設けてもよい。これらの電動油圧シリンダは、
図1のアクチュエータ22に相当する。
【0031】
図2の状態は前進作業状態である。前進作業状態は、作業部58がトラクタ1の横方向の全幅よりも外側(右側)にはみ出して構成し、作業部58の外側へのはみ出し量(オフセット量)は、第1電動油圧シリンダ61により調整できるようになっている。すなわち第1電動油圧シリンダ61の全長を調節する制御を行うことにより、中間フレーム52の回動量が決まり、作業部58のオフセット量を決定することができる。また、
図2の状態から第1電動油圧シリンダ61を矢印D1の方向へ縮めると、中間フレーム52が矢印D2の方向に回動し、作業部58がトラクタ1の幅方向中央に位置する格納状態となる。すなわち第1電動油圧シリンダ61の全長を所定量縮める制御を行うことにより、格納状態にすることが可能となる。
【0032】
さらに、第2電動油圧シリンダを備える場合は、格納状態から、第2電動油圧シリンダを作動させると作業部58が支点52bを中心に回動して前後反転することが可能となる。この場合は、トラクタ1の横方向の全幅よりも反対側(左側)にはみ出す後進作業状態とすることができる。すなわち、この場合は、第2電動油圧シリンダの全長を制御することにより、後進作業状態にすることが可能となる。後進作業状態の場合は、トラクタ1の後ろ側が作業部58の進行方向となりトラクタ1を後進させながら作業を行うことができる。
【0033】
また、第1電動油圧シリンダ61により変化する位置を検知するセンサ21として、ポテンショメータ80を備えることができる。構成の詳細は後述する。ここで、ポテンショメータ80はカバーを設けてもよい。なお、第3電動油圧シリンダ63にも同様に第3電動油圧シリンダ63により変化する位置を検知するセンサ21を備えることができるが、図示を省略している。また、第2電動油圧シリンダを備える場合も同様に第2電動油圧シリンダにより変化する位置を検知するセンサ21を備えることができる。
【0034】
なお、畦塗り機50は、散水装置65を備え、モータ等によりタンク65aの水をディスク部57付近のノズル65bから放出して畦の水分量を調節してもよい。
【0035】
図3は、本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の拡大斜視図である。
図4は、本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の第1の状態を示す平面図である。
図5は、本発明の第1の実施形態のポテンショメータ付近の第2の状態を示す平面図である。
図4、5の左右方向が横方向であり、
図4、5の上方向が前方向である。
図3、4の状態は前進作業状態の場合で、
図5の状態は格納状態の場合である。なお、
図3~5では、マスト51aやヒッチ51b、制御装置20、ポテンショメータ80のカバーの図示は省略している。
【0036】
ポテンショメータ80は、ポテンショメータ機構を介して、装着部51のフレーム51cと中間フレーム52との角度を検出する。第1電動油圧シリンダ61は中間フレーム52を回動させるため、この角度の検出により、第1電動油圧シリンダ61で移動する部分の位置を特定することが可能となる。ポテンショメータ機構は、ポテンショメータ80、第1アーム81、第2アーム82、ピン83、取付部85、支持部86を備えている。
【0037】
ポテンショメータ80は、本体部80a、アーム部80bを備えている。本体部80aにより回動可能なアーム部80bの角度を検出することが可能となる。ポテンショメータ80としては、接触式、非接触式のいずれも適用することが可能である。特に非接触式(例えば光学式非接触型)のポテンショメータであれば、より正確な測定が期待される。ポテンショメータ80は、取付部85に固定されている。取付部85は、装着部51のフレーム51cに固定される。
【0038】
第1アーム81は、アーム部80bよりも低い高さで、アーム部80bの回動中心と同じ回動中心で一端が回動可能に設けられている。第1アーム81は、途中に上方向に延びるピン83が固定されている。このピン83は、アーム部80bが有する孔に挿入される。これにより、第1アーム81が回動するとアーム部80bも回動してアーム部80bの角度が変化する。
【0039】
第2アーム82は、一端が支持部86に回動可能に取り付けられ、他端が第1アーム81の他端に回動可能に取り付けられる。支持部86は、中間フレーム52の側面に固定されている。
【0040】
図3、4の状態から、第1電動油圧シリンダ61を作動させて縮めると、
図5の状態に移行する。また、
図5の状態から、第1電動油圧シリンダ61を作動させて伸ばすと
図3、4の状態に移行する。これらの場合、第1アーム81や第2アーム82が中間フレーム52に連動して動くため、それに応じてポテンショメータ80のアーム部80bも回動する。このため、この回動角度をポテンショメータ80の本体部80aが検知する。このアーム部80bの回動角度から、中間フレーム52の回動角度や作業部58の位置を制御装置20の制御部20aで算出して検出可能となる。
【0041】
図6は、本発明の第1の実施形態のリモコン装置を示す図である。
【0042】
リモコン装置70は、押しボタンによるスイッチ71a~71oを備えている。また表示部72を備えている。リモコン装置70は、
図1のリモコン装置10の一例であり、スイッチ71a~71oは
図1の操作部10bに相当し、表示部72は
図1の表示部10aに相当する。
【0043】
スイッチ71aはリモコン装置70の電源スイッチである。スイッチ71bはモード切換スイッチである。スイッチ71mは設定を行うためのスイッチである。スイッチ71nは表示部72の表示内容を切り替えるスイッチである。スイッチ71oは選択した内容を決定するため等のスイッチである。
【0044】
スイッチ71cは、畦塗り機50を格納状態にするスイッチである。スイッチ71dは、第2電動油圧シリンダを備えている場合に畦塗り機50を後進作業状態にするスイッチである。スイッチ71eは、畦塗り機50を前進作業状態にするスイッチである。これらは、第1電動油圧シリンダ61と第2電動油圧シリンダを制御させて行うことができる。
【0045】
スイッチ71fとスイッチ71gは、畦塗り機50の作業部58のオフセット量を調節するスイッチである。これらは、第1電動油圧シリンダ61を制御させて行うことができる。また、スイッチ71fとスイッチ71gは、設定時の選択ボタンとしてもよい。
【0046】
スイッチ71hとスイッチ71iは、耕耘部56の深さを調節するスイッチである。これらは、第3電動油圧シリンダ63を制御させて行うことができる。スイッチ71hとスイッチ71iは、設定時の選択ボタンとしてもよい。
【0047】
スイッチ71jは、散水装置65のON・OFFを行うスイッチである。スイッチ71kとスイッチ71lは散水装置65の散水量を調節するスイッチである。これらは、散水装置65のモータを制御させて行うことができる。
【0048】
表示部72は、液晶画面や有機EL画面を適用できる。表示部72は、操作や設定、作業機2に関する各種情報を表示可能である。
【0049】
図7は、本発明の第1の実施形態のアクチュエータの調整を説明する図である。ここでは、第1電動油圧シリンダ61を例に説明する。
【0050】
図7の上側が第1電動油圧シリンダ61によるシリンダの伸縮の位置を示している。第1電動油圧シリンダ61はロッド61aが伸縮することで接続端部61bの位置が変更される。このことで、第1電動油圧シリンダ61の一方の接続端部61bと他方の接続端部61cの距離を変更することが可能である。Aが接続端部61bを最も短縮した点であり、Bが接続端部61bを最も延長した点である。
図7では、最短縮点Aと最延長点Bの間の位置を[1]~[5]の5カ所で分割して決めている。
【0051】
図7の下側が第1電動油圧シリンダ61に対応するポテンショメータ80が検出する数値例である。ここでは、制御装置20内に記憶してあるプログラムには、最短縮点Aを基準とした場合、[1]~[5]にかけて、「+150」、「+30」、「+40」、「+50」、「+30」と数値を足し合わせていく構成となっている。すなわち、ポテンショメータ80が検出する数値に対して、最短縮点Aから「+150」、「+30」、「+40」、「+50」、「+30」を順次足していくと、第1電動油圧シリンダ61の[1]~[5]の位置に対応するようにあらかじめ数値が記録されている。
【0052】
「数値例1」は、最短縮点Aが「100」の場合で、[1]~[5]の位置については、「+150」、「+30」、「+40」、「+50」、「+30」を足していくため、対応する数値は「250」、「280」、「320」、「370」、「400」となる。例えば、この場合はポテンショメータ80の数値が「370」であれば、ポテンショメータ80の位置は第1電動油圧シリンダ61の[4]に対応する位置となる。
【0053】
「数値例2」は、最短縮点Aが「200」の場合で、[1]~[5]の位置については、「+150」、「+30」、「+40」、「+50」、「+30」を足していくため、対応する数値は「350」、「380」、「420」、「470」、「500」となる。例えば、この場合はポテンショメータ80の数値が「470」であれば、ポテンショメータ80の位置は第1電動油圧シリンダ61の[4]に対応する位置となる。
【0054】
このようにすることで、ある基準点を基準とした場合、ポテンショメータ80の取付位置がずれていても、第1電動油圧シリンダ61の位置を正確に検知することが可能となる。また、上記の[1]~[5]の位置は制御に用いることが可能となる。例えば、リモコン装置70のスイッチ71eを押して前進作業状態とする場合の第1電動油圧シリンダ61の全長を[1]~[5]の位置の中から特定の位置に決定することができる。また、スイッチ71fやスイッチ71gを押して作業部58のオフセット量を調整する場合、押した毎に[1]~[5]の位置のうち所望の方向に1つだけ動くように制御することもできる。また、リモコン装置70のスイッチ71cを押して格納状態とする場合は、第1電動油圧シリンダ61を最短縮点Aの位置とする制御とすればよい。
【0055】
これらの対応関係は、第3電動油圧シリンダ63や第2電動油圧シリンダでも用意しておくことが可能である。すなわち、第3電動油圧シリンダ63に対応するポテンショメータや、第2電動油圧シリンダに対応するポテンショメータとの関係において、基準に対して対応する数値を用意しておけばよい。また、上記では、シリンダを5カ所で分割して決めている例を示したが、5箇所よりも多くしても少なくしてもよい。例えば3カ所以上、さらには5カ所以上等である。また各分割位置はそのシリンダの適用状況に応じて決めることができる。
図7の例では、第3電動油圧シリンダ63のオフセット位置を調整する[1]~[5]の間の距離を短くして、格納状態に移動するAと[1]の間の距離は他の間の距離よりも倍以上長くしてある。このように調整したい範囲の分割点間の距離を他よりも短くすることが可能である。また、これ以外に、最短縮点Aと最延長点Bの間を全体にわたって等間隔か等間隔に近い各位置で分割してもよい。例えば、最短縮点Aと最延長点Bの間を[1]~[7]の7カ所で分割して、最短縮点Aから「+30」、「+30」、「+30」、「+50」、「+40」、「+50」、「+30」の数値を足し合わせていく等である。このような場合は、耕深を調整する第3電動油圧シリンダ63に適用するとき等に有効である。
【0056】
図8は、本発明を適用しない場合のポテンショメータ固定の例を示すフローチャートである。
【0057】
最初に、ステップS101では、シリンダを最縮にする。ここが機械原点となる。第1電動油圧シリンダ61であれば、最短縮した状態でシリンダを止める。
【0058】
次に、ステップS102では、ポテンショメータの基準位置合わせを行う。ポテンショメータ80であれば、アーム部80bに対してポテンショメータ80の角度があらかじめ定めた基準の角度となるようにする。
【0059】
次に、ステップS103では、ポテンショメータを固定して終了する。すなわち、ポテンショメータの基準位置の状態のまま固定をする。ポテンショメータ80であれば、アーム部80bに対してポテンショメータ80の角度が基準の角度のまま、取付部85に固定を行う。
【0060】
ただし、ステップS103の固定は、作業機の振動等によっても、外れないようにするため、しっかり行う必要がある。このため、ネジやボルトでの固定の際は締め付けを強く行う必要があるが、その際、締め付けトルクにより、ポテンショメータの基準位置がずれる恐れがある。ポテンショメータの基準位置がずれると、そこを基準として、シリンダの位置を特定するため、正確な制御ができない可能性が生じる。このため、ポテンショメータの取付作業には細心の注意と確認のための手間が必要となる。
【0061】
図9は、本発明の第1の実施形態のフローチャートである。
【0062】
最初にステップS201では、ポテンショメータを作業者が固定する。ここでのポテンショメータの固定は、
図8のように基準位置の状態のまま固定をする必要はない。ここでは、ポテンショメータが測定に必要な所定範囲内に入るように固定すればよく、製造する作業機ごとに多少ずれて固定してもよい。固定の際にシリンダの長さはリモコン装置10を操作してポテンショメータを固定しやすい長さとしておけばよい。例えば、第1電動油圧シリンダ61であれば、リモコン装置70を操作して、
図5の状態としておけば固定がやりやすい。
【0063】
次に、ステップS202では、設定モードが否かを判定する。ここでの判定は、制御装置20の制御部20aで行うことができる。設定モードとなっている場合はステップS203へ進む。それ以外の場合は設定モードとなるまで待機状態となる。設定モードへの移行はリモコン装置70を操作することにより行うことができる。例えば、作業者が設定モードへ変更操作をリモコン装置70で行うことで、その信号が制御装置20へ送られる。リモコン装置70の操作としては、例えば、スイッチ71mとスイッチ71oとスイッチ71aを一度に長押しする等、複数のボタンを一度に押すことや長押し操作を加えることで、通常操作とは異なる設定モードとすることができる。
【0064】
設定モードでは、アクチュエータ22やそれに対応するセンサ21が複数ある場合、設定するアクチュエータ22もしくはセンサ21を選択する。例えば、アクチュエータ22もしくはセンサ21に関する情報(例えば一覧等)をリモコン装置70の表示部72に表示させる。ここでの表示は、制御装置20の制御部20aからこれらの情報がリモコン装置70に送信されてそれに基づき表示させることが可能となる。畦塗り機50であれば、第1電動油圧シリンダ61、第3電動油圧シリンダ63、必要に応じて第2電動油圧シリンダの一覧を表示させて、作業者の操作(例えば、スイッチ71h、スイッチ71i、スイッチ71oを利用)により選択してもよい。
【0065】
ステップS203では、シリンダを最縮にする。ここが機械原点となる。第1電動油圧シリンダ61であれば、最短縮した状態でシリンダを止める。ここでのシリンダは作業機2に取り付けられたアクチュエータ22に相当するシリンダである。例えば、最短縮の操作は
図6で示したリモコン装置70を操作して(例えばスイッチ71cやスイッチ71fを押して)最短縮の状態にしてもよい。
【0066】
次に、ステップS204では、ポテンショメータの現在値読み込みを行う。ここでの読み込みは、対象となるアクチュエータ22に対応するセンサ21の現在値である。第1電動油圧シリンダ61(もしくはポテンショメータ80)を選択した場合は、第1電動油圧シリンダ61に対応するポテンショメータ80の現在値である。この場合は、制御装置20の制御部20aは、ポテンショメータ80の値を受信し、現在値として読み込む。ここでの現在値はステップS203により第1電動油圧シリンダ61が最縮の場合の状態の値となる。
【0067】
次に、ステップS205では、現在値を基準点として設定する。ここでの設定は、制御装置20の制御部20aにより、ステップS204で読み込んだ現在値を基準点の値として設定する。基準点の設定の処理に際して、制御装置20は、リモコン装置10から基準点設定に移行する操作信号を受信することで基準点設定の処理に移行してもよい。例えば作業者がリモコン装置70のスイッチ71oを押すなどして、基準点設定に移行する信号を制御装置20に送信することができる。基準点が設定されると、それに基づきアクチュエータ22の位置が決定される。第1電動油圧シリンダ61であれば、
図7で説明したように、最短縮点Aが基準となるため、各位置[1]~[5]の値を正確にポテンショメータ80で検出することが可能となる。これにより、制御装置20の制御部20aは、ポテンショメータ80の値から各種の制御を正確に行うことが可能となる。
【0068】
なお、上記ステップS202の設定モードでは、ポテンショメータの現在の数値をリモコン装置10の表示部10aに表示させてもよい。リモコン装置70であれば、表示部72にポテンショメータ80の現在の数値(アーム部80bの角度等)を表示させる。これにより、ポテンショメータが基準点を設定する際に許容範囲に入っているかを作業者が確認できる。さらに、シリンダが最縮以外の場合(例えば、途中の長さの状態等)でも、数値を見ながら基準点を決めることも可能となる。
【0069】
また、上記ステップS203のシリンダを最縮にするステップは、ステップS202の設定モード移行前でも適用できる。また、上記ステップS203のシリンダを最縮にするステップは、ステップS201のポテンショメータ固定の前でも適用できるが、ポテンショメータ固定に際し、シリンダの長さは決定されてしまう。
【0070】
<第2の実施形態>
図10は、本発明の第2の実施形態に適用される農作業機の背面図である。
図10の左右方向が横方向であり、
図10の上下方向が上下方向である。第2の実施形態では、作業機2が代掻き作業機100の場合について説明する。それ以外の構成は、第1の実施形態と同様である。なお、
図10では、トラクタ1の図示は省略してある。
【0071】
中央作業部105の両側に設置されたサイド作業部105´は、中央作業部105に対して折り畳み可能となっている。中央作業部105には、装着部101であるマスト101aと左右のヒッチ101bが設けられ、これらを介して代掻き作業機100がトラクタ1の後方に装着される。トラクタ1からの動力は、前側に設けられる入力軸を介して入力され、カバー102やその後方の第1の整地体103の内側で代掻き爪を備える耕耘部が回転して土を細かくする。そして、第1の整地体103とその後方に備えられる第2の整地体104により土の表面を平らにする。このようにして代掻き作業を行う。
【0072】
左右の電動油圧シリンダ106は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構107を作用させ中央作業部105に対して両側のサイド作業部105´をそれぞれ内側に折りたたむことができ、代掻き作業機100の全幅を短くすることができる。左右の延長整地体駆動装置110は、内部のモータが回転することにより、アーム112やワイヤ113を介して左右の延長整地体111をそれぞれ回動軸111aを中心に回動させることができる。このことで、第2の整地体104の両側端部に設けられた延長整地体111を外側に延長するか内側に折り畳むかを選択することができる。第2の整地体駆動装置116は、内部のモータが回転することにより、第2の整地体リンク手段117を介して第2の整地体104を回動させ下側で固定した土引き状態とするか回動が固定されていない通常の代掻き状態とするかを選択することができる。
【0073】
これら、電動油圧シリンダ106や、延長整地体駆動装置110(のモータ)、第2の整地体駆動装置116(のモータ)をアクチュエータ22として適用できる。制御装置20は、マスト101aの側面に設けられている。
【0074】
これらの構成により、第2の実施形態では、代掻き作業機100の各アクチュエータの操作をリモコン装置10から行うことができる。リモコン装置10の構成は、
図6のリモコン装置70に準じて、代掻き作業機100の各アクチュエータを作動させるボタン構成とすることが可能である。
【0075】
図10では図示を省略したが、センサ21として、電動油圧シリンダ106の作動により移動する部分の位置を検知するポテンショメータを設けることができる。そして、電動油圧シリンダ106とそれに対応するポテンショメータにおいて、第1の実施形態で説明した
図7や9の調整処理を行うことが可能となる。このことで、電動油圧シリンダ106を正確に制御可能となる。
【0076】
<効果>
以上のような実施形態により、シリンダに対応するポテンショメータの基準位置をポテンショメータの繊細な位置合わせをしなくても正確に設定することが可能となる。これにより、シリンダで移動する部分の正確な制御が可能となる。さらに、製造時に正確な位置合わせが必要なくなるため、調整や確認作業等の手間を省くことが可能となる。
【0077】
さらに、シリンダやポテンショメータに対して、リモコン装置を用いて基準設定が可能であるため、例えば、修理やメンテナンス等で部品を交換した際も、特別な装置を用いなくても、現場で基準設定が可能となる。さらに、複数のシリンダやポテンショメータに対しても1つのリモコン装置で簡単に対応可能とすることができ、基準設定の適用の幅を広げることが可能となる。
【0078】
以上の様に、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、上述した以外の様々な変形例も含まれる。例えば、上記した実施形態に設けられた全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を削除したり、他の構成に置き換えたりすることも可能である。
【0079】
例えば、上記実施形態ではポテンショメータによる例を示したが、アクチュエータの作動により移動する部分の位置を検知するセンサであれば適用可能である。
【0080】
また、上記実施形態では電動油圧シリンダ等のシリンダによる例を示したが、作業機の可動部分を移動させることを可能とするアクチュエータであれば、シリンダ以外の構成でも適用可能である。
【0081】
また、
図7、9では、シリンダの最短縮点を基準に設定することを説明したが、これ以外に最延長点を基準に設定してもよい。このように操作のみで物理的に静止位置を決定できる端点を基準に設定すると基準を決めやすい。また、これ以外にシリンダの任意の長さにおいても基準を設定することは可能である。
【0082】
また、
図1では、リモコン装置10と制御装置20の間は無線通信Rによる例を示したが、これ以外にリモコン装置10と制御装置20の間は有線接続でも適用可能である。
【0083】
また、適用する作業機として、畦塗り機と代掻き作業機の実施形態を示したが、これ以外に、例えば、ロータリー作業機、施肥機、播種機等、アクチュエータを備えるトラクタに装着する作業機であれば、適用することができる。
【符号の説明】
【0084】
1 トラクタ
2 作業機
10 リモコン装置
20 制御装置
20a 制御部
21 センサ
22 アクチュエータ
50 畦塗り機
51 装着部
51c フレーム
52 中間フレーム
52a、52b 支点
58 作業部
61 第1電動油圧シリンダ
63 第3電動油圧シリンダ
70 リモコン装置
71a~71o スイッチ
72 表示部
80 ポテンショメータ
80a 本体部
80b アーム部
100 代掻き作業機
105 中央作業部
105´ サイド作業部
106 電動油圧シリンダ