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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164329
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】導電体
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/10 20060101AFI20241120BHJP
   H05B 3/02 20060101ALI20241120BHJP
   H05B 3/20 20060101ALN20241120BHJP
   H05B 3/86 20060101ALN20241120BHJP
【FI】
H05B3/10 A
H05B3/02 B
H05B3/20 355A
H05B3/86
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021134347
(22)【出願日】2021-08-19
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100217836
【弁理士】
【氏名又は名称】合田 幸平
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真
(72)【発明者】
【氏名】前田 博己
(72)【発明者】
【氏名】山口 卓也
(72)【発明者】
【氏名】片桐 博臣
(72)【発明者】
【氏名】岸本 比呂志
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
【Fターム(参考)】
3K034AA12
3K034BB05
3K034HA09
3K034JA10
3K092PP15
3K092QC25
3K092RF19
3K092VV28
(57)【要約】
【課題】接続導電体の断線を抑制する。
【解決手段】導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35の間を接続する接続導電体40と、を備える。接続導電体40は、バスバー35に接続するメッシュ部41と、メッシュ部41に接続する複数の本体部50と、を含む。メッシュ部41は、開口部43を画する複数の接続要素44を含む。接続要素44は、第1方向d1とは非平行な方向に延びる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、前記バスバーに接続するメッシュ部と、前記メッシュ部に接続して第1方向に延びる複数の本体部と、を含み、
前記メッシュ部は、開口部を画する複数の接続要素を含み、
前記接続要素は、前記第1方向とは非平行な方向に延びる、導電体。
【請求項2】
前記本体部は、前記第1方向に延びる第1部分と、前記メッシュ部から前記第1方向及び前記接続要素が延びる方向とは非平行な第2方向に延び出す第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するように折り曲がった第3部分と、を含み、
隣り合う前記本体部の間隔は、前記第2方向に沿った前記第3部分の長さより短い、請求項1に記載の導電体。
【請求項3】
前記メッシュ部と前記第2部分とが接続する部分において、前記接続要素が延びる方向と前記第2方向とがなす角度のうちの小さい方の角度は90°未満である、請求項2に記載の導電体。
【請求項4】
前記第1部分は、前記本体部の全長の50%以上である、請求項2または3に記載の導電体。
【請求項5】
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する複数の接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、第1方向に延びる第1部分と、前記バスバーから前記第1方向とは非平行な第2方向に延び出す第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するように折り曲がった第3部分と、を含み、
隣り合う前記接続導電体の間隔は、前記第2方向に沿った前記第3部分の長さより短い、導電体。
【請求項6】
前記バスバーと前記第2部分とが接続する部分において、前記バスバーの縁が延びる方向と前記第2方向とがなす角度のうちの小さい方の角度は90°未満である、請求項5に記載の導電体。
【請求項7】
前記第1部分は、前記接続導電体の全長の50%以上である、請求項5または6に記載の導電体。
【請求項8】
前記第2部分の幅は、当該第2部分に沿って前記バスバーから離れるにつれて、細くなり、
前記第2部分に沿った当該第2部分の長さは、前記第2部分の最大の幅より大きい、請求項2乃至7のいずれか一項に記載の導電体。
【請求項9】
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する複数の接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、第1方向に延びる第1部分と、前記バスバーから延び出して前記第1部分に接続する第2部分と、を含み、
前記第2部分の幅は、当該第2部分に沿って前記バスバーから離れるにつれて細くなり、
前記第2部分に沿った当該第2部分の長さは、前記第2部分の最大の幅より大きい、導電体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電体に関する。
【背景技術】
【0002】
導電体を有する合わせ板が広く用いられている。合わせ板は、例えば、車両等の移動体の窓ガラスに用いられる。合わせ板は、デフロスタと呼ばれる霜取り装置として利用される。特許文献1や特許文献2等に記載されているように、合わせ板は、導電体に通電されることで発熱する。移動体の窓ガラスに合わせ板が用いられている例について説明する。移動体の合わせ板は、発熱することで、窓ガラスの曇りの除去、雪や氷の融解、および/または、水滴の蒸発を引き起こせる。この結果、移動体内の乗員の視界や撮影装置等のセンサの検出域等を確保できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-173402号公報
【特許文献2】特開平8-72674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような導電体は、一対のバスバーと、一対のバスバーの間を接続する接続導電体と、を有している。接続導電体は、主として一方向に延びている。導電体を有する合わせ板が加工される工程等において、接続導電体が、一方向にさらに延ばされることがある。この結果、接続導電体が断線することがある。接続導電体とバスバーとが接続している部分において、接続導電体は断線しやすい。本発明は、接続導電体の断線を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の導電体は、
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、前記バスバーに接続するメッシュ部と、前記メッシュ部に接続して第1方向に延びる複数の本体部と、を含み、
前記メッシュ部は、開口部を画する複数の接続要素を含み、
前記接続要素は、前記第1方向とは非平行な方向に延びる。
【0006】
本発明の第1の導電体において、
前記本体部は、前記第1方向に延びる第1部分と、前記メッシュ部から前記第1方向及び前記接続要素が延びる方向とは非平行な第2方向に延び出す第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するように折り曲がった第3部分と、を含み、
隣り合う前記本体部の間隔は、前記第2方向に沿った前記第3部分の長さより短くてもよい。
【0007】
本発明の第1の導電体において、前記メッシュ部と前記第2部分とが接続する部分において、前記接続要素が延びる方向と前記第2方向とがなす角度のうちの小さい方の角度は90°未満であってもよい。
【0008】
本発明の第1の導電体において、前記第1部分は、前記本体部の全長の50%以上であってもよい。
【0009】
本発明の第2の導電体は、
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する複数の接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、第1方向に延びる第1部分と、前記バスバーから前記第1方向とは非平行な第2方向に延び出す第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続するように折り曲がった第3部分と、を含み、
隣り合う前記接続導電体の間隔は、前記第2方向に沿った前記第3部分の長さより短い。
【0010】
本発明の第2の導電体において、前記バスバーと前記第2部分とが接続する部分において、前記バスバーの縁が延びる方向と前記第2方向とがなす角度のうちの小さい方の角度は90°未満であってもよい。
【0011】
本発明の第2の導電体において、前記第1部分は、前記接続導電体の全長の50%以上であってもよい。
【0012】
本発明の第1または第2の導電体において、
前記第2部分の幅は、当該第2部分に沿って前記バスバーから離れるにつれて、細くなり、
前記第2部分に沿った当該第2部分の長さは、前記第2部分の最大の幅より大きくてもよい。
【0013】
本発明の第3の導電体は、
一対のバスバーと、
前記一対のバスバーの間を接続する複数の接続導電体と、を備え、
前記接続導電体は、第1方向に延びる第1部分と、前記バスバーから延び出して前記第1部分に接続する第2部分と、を含み、
前記第2部分の幅は、当該第2部分に沿って前記バスバーから離れるにつれて細くなり、
前記第2部分に沿った当該第2部分の長さは、前記第2部分の最大の幅より大きい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、接続導電体の断線を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、一実施の形態を説明するための図であって、合わせ板を備えた移動体を概略的に示す斜視図である。特に図1では、移動体の例として、合わせ板で構成されたフロントウィンドウを備えた自動車を概略的に示している。
図2図2は、図1の合わせ板をその板面の法線方向から示す図である。
図3図3は、図2のIII-III線における合わせ板の断面図の一例である。
図4図4は、合わせ板の一部を拡大して示す平面図である。
図5図5は、導電体の第1の例の一部を拡大して示す平面図である。
図6図6は、導電体の第2の例の一部を拡大して示す平面図である。
図7図7は、導電体の第3の例の一部を拡大して示す平面図である。
図8図8は、導電体の第4の例の一部を拡大して示す平面図である。
図9図9は、導電体の第5の例の一部を拡大して示す平面図である。
図10図10は、導電体の第6の例の一部を拡大して示す平面図である。
図11図11は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
図12図12は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
図13図13は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
図14図14は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
図15図15は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
図16図16は、合わせ板の製造方法の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0017】
本明細書において、「板」、「シート」、「フィルム」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。例えば、「導電体付きシート」は板やフィルムと呼ばれ得るような部材をも含む概念であり、「導電体付きシート」は、「導電体付板(基板)」や「導電体付きフィルム」と呼ばれる部材と、呼称の違いのみにおいて区別され得ない。
【0018】
「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状(板状、フィルム状)の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材(板状部材、フィルム状部材)の平面方向と一致する面のことを指す。
【0019】
本明細書において用いる、形状や幾何学的条件ならびにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
【0020】
図1図16は、本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、合わせ板を備えた自動車を概略的に示す図である。図2は、合わせ板をその板面の法線方向から見た図である。図3は、図2のIII-III線に沿った合わせ板の断面を示す図である。
【0021】
図1に示されているように、移動体の一例としての自動車1は、フロントウィンドウ、リアウィンドウ、サイドウィンドウ等の窓ガラスを有している。ここでは、フロントウィンドウ5が合わせ板10で構成されているものを例示する。合わせ板10は、自動車1の車体等に接着剤によって固定されている。本実施の形態において、合わせ板10は、発熱板として利用されている。自動車1は、合わせ板10に電力を供給するバッテリー等の電源7を有している。
【0022】
この合わせ板10をその板面の法線方向から見たものを図2に示す。III-III線に沿った合わせ板10の断面図の一例が、図3に示されている。図3に示された例では、合わせ板10は、第1基板11及び第2基板12と、導電体付きシート20と、第1接合層13及び第2接合層14と、を有している。第1基板11及び第2基板12は、板面の法線方向に互いに離れて配置されている。導電体付きシート20は、第1基板11及び第2基板12の間に配置されている。第1接合層13は、第1基板11と導電体付きシート20とを接合する。第2接合層14は、第2基板12と導電体付きシート20とを接合する。図1及び図2に示した例では、合わせ板10は湾曲しているが、その他の図では、理解の容易化のために、合わせ板10、第1基板11及び第2基板12を平板状に図示している。
【0023】
導電体付きシート20は、基材21と、導電体30と、を有している。導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35の間を接続する接続導電体40と、を有している。
【0024】
図1及び図2によく示されているように、合わせ板10は、導電体30に通電するための配線部15を有している。図示された例では、バッテリー等の電源7によって一対のバスバー35を介して接続導電体40に通電する。接続導電体40は、電圧を加えられることで発熱する。接続導電体40で発生した熱は第1基板11及び第2基板12に伝わる。第1基板11及び第2基板12に付着した結露が除去され、及び/又は雪や氷が融解される。乗員の視界やセンサの検出域が良好に確保される。図示は省略するが、電源7とバスバー35との間に開閉器が挿入される。合わせ板10を発熱させる必要がある時のみ開閉器を閉じて接続導電体40に通電する。
【0025】
以下、合わせ板10の各構成要素について説明する。
【0026】
まず、第1基板11及び第2基板12について説明する。第1基板11及び第2基板12は、図1で示された例のように自動車のフロントウィンドウに用いる場合、乗員の視界やセンサによる検出を妨げないよう、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。第1基板11及び第2基板12の材質としては、ソーダライムガラスを例示できる。第1基板11及び第2基板12の可視光透過率は90%以上であることが好ましい。ここで、第1基板11及び第2基板12の可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm~780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
【0027】
第1基板11及び第2基板12は、1mm以上5mm以下の厚みを有していることが好ましい。このような厚みであると、強度及び光学特性に優れた第1基板11及び第2基板12を得られる。第1基板11及び第2基板12は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、あるいは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。
【0028】
第1接合層13及び第2接合層14について説明する。第1接合層13が、第1基板11と導電体付きシート20との間に配置される。第1接合層13は、第1基板11と導電体付きシート20とを互いに接合する。第2接合層14が、第2基板12と導電体付きシート20との間に配置される。第2接合層14は、第2基板12と導電体付きシート20とを互いに接合する。
【0029】
第1接合層13及び第2接合層14としては、種々の接着性または粘着性を有した材料からなる層を用いることができる。第1接合層13及び第2接合層14は、可視光透過率が高いものを用いることが好ましい。第1接合層13及び第2接合層14の典型的な材料としては、ポリビニルブチラール(PVB)からなる層を例示できる。第1接合層13及び第2接合層14の厚みは、それぞれ0.15mm以上1mm以下であることが好ましい。第1接合層13及び第2接合層14は、同一の材料で同一に構成されていてもよいし、あるいは、材料および構成の少なくとも一方において互いに異なるようにしてもよい。
【0030】
合わせ板10には、図示された例に限られず、特定の機能を発揮することを期待されたその他の機能層が設けられてもよい。1つの機能層が2つ以上の機能を発揮するようにしてもよいし、例えば、合わせ板10の第1基板11及び第2基板12、第1接合層13及び第2接合層14、後述する導電体付きシート20の基材21の、少なくとも一つに何らかの機能を付与するようにしてもよい。合わせ板10に付与され得る機能としては、一例として、反射防止(AR)機能、耐擦傷性を有したハードコート(HC)機能、赤外線遮蔽(反射)機能、紫外線遮蔽(反射)機能、防汚機能、接合機能等を例示できる。
【0031】
導電体付きシート20について説明する。上述したように、導電体付きシート20は、基材21と、導電体30と、を有している。導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35の間を接続する接続導電体40と、を有している。本実施の形態において、導電体付きシート20は、第1基板11及び第2基板12と略同一の平面寸法を有して、合わせ板10の全体にわたって配置されている。導電体付きシート20は、図1の例における運転席の正面部分や自動車の内部に設置された撮影装置の正面部分等、合わせ板10の一部にのみ配置されてもよい。以下、導電体付きシート20の各構成要素について説明する。
【0032】
基材21は、導電体30を支持する。基材21は、可視光線波長帯域の波長(380nm~780nm)を透過する一般に言うところの透明である電気絶縁性のフィルムである。基材21としては、可視光を透過し、導電体30を適切に支持し得るものであればいかなる材質のものでもよいが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン等を挙げることができる。あるいは、基材21は、ポリビニルブチラール(PVB)等の接着性を有する透明な材料からなっていてもよい。基材21が接着性を有する場合、基材21によって少なくとも一方の基板11,12と導電体付きシート20とを接着できる。基材21が接着性を有する場合、接合層13,14のうち少なくとも一方を合わせ板10から省略してもよい。基材21は、透明性や、導電体30の適切な支持性等を考慮すると、0.03mm以上0.20mm以下の厚みを有していることが好ましい。
【0033】
「透明」とは、当該基材を介して当該基材の一方の側から他方の側を透視し得る程度の透明性を有していることを意味しており、例えば、30%以上、より好ましくは70%以上の可視光透過率を有していることを意味する。可視光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV-3100PC」、JIS K 0115準拠品)を用いて測定波長380nm~780nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
【0034】
一対のバスバー35は、互いに離れて配置されている。一対のバスバー35は、接続導電体40を介して互いに接続している。一対のバスバー35は、配線部15に接続している。一対のバスバー35は、配線を介して電源7に通電される。一対のバスバー35は、接続導電体40に比べて抵抗が十分に低くなっている。一対のバスバー35は、発熱しにくい。言い換えると、バスバー35は、接続導電体40に比べて、発熱が十分に少ない部分である。例えば、一対のバスバー35は、抵抗を低くするために、接続導電体40に比べて線幅が十分に大きくなっている。
【0035】
接続導電体40は、一対のバスバー35を接続するように、一対のバスバー35のそれぞれに電気的に接続されている。接続導電体40は、一対のバスバー35の間において、種々のパターンで配置できる。図4に示されているように、接続導電体40は、主として第1方向d1に延びており、第2方向d2に配列されている。図示されている例では、第1方向d1と第2方向d2とは、互いに直交している。接続導電体40は、図4に示されているように、直線状に第1方向d1に延びていてもよいが、波線や折れ線であってもよい。
【0036】
接続導電体40の、特にバスバー35の近傍において、接続導電体40の断線を抑制するための工夫がなされている。以下、断線を抑制するための工夫がなされたバスバー35及び接続導電体40のいくつかの例について、図を参照しながら説明する。
【0037】
(第1の例)
図5には、導電体30の第1の例が示されている。この例の導電体30において、接続導電体40は、第1部分51と、第2部分52と、を含んでいる。
【0038】
第1部分51は、接続導電体40の主部であり、第1方向d1に延びている。第1部分51は、接続導電体40の全長の50%以上である。接続導電体40の50%以上は、第1方向d1に延びている。
【0039】
第2部分52は、接続導電体40のバスバー35の近傍の部分であり、バスバー35から延び出して第1部分51に接続している。第2部分52は、バスバー35からの距離が0.5mm以下の範囲に配置されている。図5に示されているように、第2部分52の幅は、第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて細くなっている。第2部分52が第1部分51と接続する部分では、第2部分52の幅は、第1部分51の幅と同じになっている。第1部分51の幅は、例えば0.01mm以上0.5mm以下である。
【0040】
ここで、「第2部分52の幅が第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて細くなっている」とは、第2部分52に沿ったバスバー35との距離に応じて第2部分52の幅が連続的に変化し続けることだけでなく、第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて第2部分52の幅が大きくなる部分を含まないことを意味している。第2部分52に沿ったバスバー35との距離に応じて第2部分52の幅が段階的に変化することも含んでいる。ただし、第2部分52の幅は、第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて連続的に細くなっていることが好ましい。
【0041】
第2部分52に沿った第2部分52の長さ、言い換えると第2部分52の経路長は、第2部分52の最大幅より大きくなっており、好ましくは第2部分52の最大幅の3.5倍より大きくなっており、より好ましくは第2部分52の最大幅の10倍より大きくなっている。第2部分52の経路長は、例えば0.1mm以上0.5mm以下であり、第2部分52の最大幅は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。
【0042】
(第2の例)
図6には、導電体30の第2の例が示されている。この例の導電体30において、バスバー35の縁の一部は、第1方向d1及び第2方向d2の両方に対して傾斜した方向に延びている。接続導電体40は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53と、を含んでいる。
【0043】
第1部分51は、接続導電体40の主部であり、第1方向d1に延びている。第1部分51は、接続導電体40の全長の50%以上である。接続導電体40の50%以上は、第1方向d1に延びている。
【0044】
第2部分52は、接続導電体40のバスバー35の近傍の部分であり、バスバー35から第2方向d2に延び出している。特に、第2部分52は、バスバー35の第1方向d1及び第2方向d2の両方に対して傾斜した方向に延びる縁から延び出している。ここで、第2部分52がバスバー35から延び出す方向とは、バスバー35と接続する部分における第2部分52の接線方向を意味する。第2部分52は、バスバー35から垂直でない方向に延び出している。言い換えると、バスバー35と第2部分52とが接続する部分において、バスバー35の縁が延びる方向と第2方向d2とがなす角度のうちの小さい方の角度は、90°未満、好ましくは80°未満である。
【0045】
第3部分53は、第1部分51と第2部分52とを接続する。第1部分51は第1方向d1に延び、第2部分52は第2方向d2に延び出しているため、第3部分53は折り曲がっている。第2部分52及び第3部分53は、バスバー35からの距離が0.5mm以下の範囲に配置されている。
【0046】
接続導電体40は、密集して配置されている。具体的には、隣り合う接続導電体40の間隔L1は、第2方向d2に沿った第3部分53の長さL2より短くなっている。とりわけ、バスバー35から延び出す部分である第2部分52は、互いに接近して配置されている。
【0047】
(第3の例)
図7には、導電体30の第3の例が示されている。この例の導電体30では、第2部分52の形状を除いて、導電体30の第2の例と同様の構成となっている。第2部分52以外の説明については省略する。
【0048】
第3の例では、図7に示されているように、第2部分52の幅は、第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて細くなっている。第2部分52が第3部分53と接続する部分では、第2部分52の幅は、第3部分53の幅と同じになっている。第3部分53の幅は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。
【0049】
第2部分52に沿った第2部分52の長さ、言い換えると第2部分52の経路長は、第2部分52の最大幅より大きくなっている。第2部分52の経路長は、例えば0.1mm以上0.5mm以下であり、第2部分52の最大幅は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。
【0050】
(第4の例)
図8には、導電体30の第4の例が示されている。この例の導電体30において、接続導電体40は、メッシュ部41と、複数の本体部50と、を含んでいる。本体部50は、接続導電体40の主部であり、全体として第1方向d1に延びている。
【0051】
メッシュ部41は、バスバー35に接続している。本体部50は、メッシュ部41に接続している。メッシュ部41は、開口部43を画する複数の接続要素44を含むことで、メッシュ状に形成されている。メッシュ部41は、接続導電体40のバスバー35の近傍の部分であり、バスバー35からの距離が0.5mm以下の範囲に配置されている。接続要素44は、第1方向d1及び第2方向d2の両方に非平行な方向に延びている。
【0052】
図示されている例では、メッシュ部41の縁の一部は、第1方向d1及び第2方向d2の両方に対して傾斜した方向に延びている。本体部50は、メッシュ部41の第1方向d1及び第2方向d2の両方に対して傾斜した方向に延びる縁から延び出している。メッシュ部41と本体部50とが接続する部分において、メッシュ部41の縁が延びる方向と本体部50が延びる第1方向d1とがなす角度のうちの小さい方の角度は、90°未満、好ましくは80°未満である。
【0053】
(第5の例)
図9には、導電体30の第5の例が示されている。この例の導電体30では、本体部50の形状を除いて、導電体30の第4の例と同様の構成となっている。本体部50以外の説明については省略する。
【0054】
第5の例では、図9に示されているように、本体部50は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53と、を含んでいる。第2部分52がバスバー35でなくメッシュ部41に接続している点を除いて、第1部分51、第2部分52及び第3部分53の構成は、導電体30の第2の例と同一の構成にできる。第1部分51は、本体部50の主部であり、第1方向d1に延びている。第1部分51は、本体部50の全長の50%以上である。本体部50の50%以上は、第1方向d1に延びている。
【0055】
第2部分52は、本体部50のメッシュ部41の近傍の部分であり、メッシュ部41から第2方向d2に延び出している。特に、第2部分52は、メッシュ部41の第1方向d1及び第2方向d2の両方に対して傾斜した方向に延びる縁から延び出している。第2部分52は、メッシュ部41から垂直でない方向に延び出している。言い換えると、メッシュ部41と第2部分52とが接続する部分において、メッシュ部41の縁が延びる方向と第2方向d2とがなす角度のうちの小さい方の角度は、90°未満、好ましくは80°未満である。
【0056】
第3部分53は、第1部分51と第2部分52とを接続する。第1部分51は第1方向d1に延び、第2部分52は第2方向d2に延び出しているため、第3部分53は折り曲がっている。第2部分52及び第3部分53は、バスバー35からの距離が0.5mm以下の範囲に配置されている。
【0057】
本体部50は、密集して配置されている。具体的には、隣り合う本体部50の間隔L3は、第2方向d2に沿った第3部分53の長さL4より短くなっている。とりわけ、メッシュ部41から延び出す部分である第2部分52は、互いに接近して配置されている。
【0058】
(第6の例)
図10には、導電体30の第6の例が示されている。この例の導電体30では、第2部分52の形状を除いて、導電体30の第5の例と同様の構成となっている。第2部分52以外の説明については省略する。
【0059】
第6の例では、図10に示されているように、第2部分52の幅は、第2部分52に沿ってメッシュ部41から離れるにつれて細くなっている。第2部分52が第3部分53と接続する部分では、第2部分52の幅は、第3部分53の幅と同じになっている。第3部分53の幅は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。
【0060】
第2部分52に沿った第2部分52の長さ、言い換えると第2部分52の経路長は、第2部分52の最大幅より大きくなっている。第2部分52の経路長は、例えば0.1mm以上0.5mm以下であり、第2部分52の最大幅は、例えば0.1mm以上0.5mm以下である。
【0061】
接続導電体40は、上述したように不透明な金属材料を用いて形成され得る。接続導電体40によって覆われていない基材21上の面積の割合、すなわち非被覆率は、70%以上90%以下程度と高くなっている。接続導電体40の線幅は、2μm以上20μm以下程度となっている。接続導電体40が設けられている部分は、全体として透明に把握され、接続導電体40の存在が合わせ板10の透視性を害さないようになっている。
【0062】
図3に示された例では、接続導電体40は、全体として矩形状の断面を有している。接続導電体40の線幅の平均W、すなわち、合わせ板10の板面に沿った幅の平均Wは2μm以上20μm以下とし、高さ(厚さ)の平均H、すなわち、合わせ板10の板面への法線方向に沿った高さ(厚さ)の平均Hは1μm以上60μm以下とすることが好ましい。このような寸法の接続導電体40によれば、その接続導電体40が十分に細線化されているので、接続導電体40を効果的に不可視化できる。
【0063】
上述したように、合わせ板10の透視性または合わせ板10を介した視界を確保する観点から、非被覆率(開口率とも呼ばれる)が高くなるように、接続導電体40は基材21上に形成されている。その結果、図4に示すように、接合層13と導電体付きシート20の基材21とは、隣り合う接続導電体40の間となる部分を介して接触している。接続導電体40は、接合層13内に埋め込まれた状態となっている。
【0064】
図3に示されたように、接続導電体40は、導電層47、導電層47の表面のうち、第1基板11に対向する側の面を覆う第1暗色層48と、導電層47の表面のうち、第2基板12に対向する側の面及び両側面を覆う第2暗色層49と、を含むようにしてもよい。接続導電体40は、第1暗色層48を少なくとも含んでいることが好ましい。優れた導電性を有する金属材料からなる導電層47は、比較的高い反射率を呈する。接続導電体40をなす導電層47によって光が反射されると、その反射した光が視認されるようになり、乗員の視界を妨げる場合がある。外部から導電層47が視認されると、意匠性が低下する場合がある。第1暗色層48及び第2暗色層49が、導電層47の表面の少なくとも一部分を覆っている。第1暗色層48及び第2暗色層49は、導電層47よりも可視光の反射率が低い層であればよく、例えば黒色等の暗色の層である。この第1暗色層48及び第2暗色層49によって、導電層47が視認されづらくなり、乗員の視界を良好に確保できる。外部から見たときの意匠性の低下を防ぐことができる。
【0065】
図示は省略するが、バスバー35も、金属材料からなる導電層と、導電層の表面に形成された暗色層と、を有していてもよい。暗色層によって比較的高い反射率を呈する導電層が観察されづらくなり、乗員や撮影装置の視界を良好に確保できる。外部から見たときの意匠性の低下を防ぐことができる。
【0066】
このような接続導電体40及びバスバー35を構成するための材料としては、例えば、金、銀、銅、白金、アルミニウム、クロム、モリブデン、ニッケル、チタン、パラジウム、インジウム、タングステン等の金属、及び、これらの金属の1種以上を含んでなる合金の一以上を例示できる。
【0067】
次に、合わせ板10の製造方法の一例について、説明する。
【0068】
まず、図11に示すように、基材21上に第1暗色層48を形成するようになる暗色膜48aを設け、暗色膜48a上に導電層47を形成するようになる金属膜47aを設ける。金属膜47a及び暗色膜48aは、公知の方法で形成され得る。例えば、銅箔等の金属箔を貼着する方法、電界めっき及び無電界めっきを含むめっき法、スパッタリング法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法、又はこれらの二以上を組み合わせた方法を採用できる。
【0069】
その後、図12に示すように、金属膜47a上に、レジストパターン55を設ける。レジストパターン55は、形成されるべき接続導電体40に対応した形状となっている。レジストパターン55は、接続導電体40の形状に対応した形状を含んでいる。レジストパターン55は、公知のフォトリソグラフィー技術を用いたパターニングにより形成できる。
【0070】
次に、レジストパターン55をマスクとして、金属膜47a及び暗色膜48aをエッチングする。エッチングにより、金属膜47a及び暗色膜48aがレジストパターン55と略同一のパターンにパターニングされる。図13に示すように、パターニングされた金属膜47aから、接続導電体40の一部をなすようになる導電層47が形成される。パターニングされた暗色膜48aから、接続導電体40の一部をなすようになる第1暗色層48が形成される。
【0071】
エッチング方法は特に限られることはなく、公知の方法が採用できる。公知の方法としては、例えば、エッチング液を用いるウェットエッチングや、プラズマエッチングなどが挙げられる。その後、図14に示すように、レジストパターン55を除去する。
【0072】
その後、図15に示すように、導電層47の第1暗色層48が設けられた面と反対側の面及び側面に第2暗色層49を形成する。第2暗色層49は、例えば導電層47をなす材料の一部分に暗色化処理(黒化処理)を施して、導電層47をなしていた一部分から、金属酸化物や金属硫化物からなる第2暗色層49を形成できる。導電層47の表面に第2暗色層49を設けるようにしてもよい。導電層47の表面を粗化して第2暗色層49を設けるようにしてもよい。
【0073】
以上の工程によって、基材21上に接続導電体40が形成される。一対のバスバー35は、金属膜47aのパターニングによって接続導電体40と一体的に形成されてもよいし、或いは、基材21上に設けられた接続導電体40とは別途の導電体として形成されてもよい。基材21上に接続導電体40及び一対のバスバー35を有する導電体30が形成されることで、導電体付きシート20が作製される。
【0074】
最後に、図16に示すように、導電体30の側から第1接合層13及び第1基板11を重ねて、導電体付きシート20と第1基板11とを接合する。同様に、基材21の側から第2接合層14及び第2基板12を重ねて、導電体付きシート20と第2基板12とを接合する。これにより、図4に示した合わせ板10が作製される。
【0075】
従来の導電体を有する合わせ板等が加工される際に、合わせ板が湾曲等の変形が生じることがある。合わせ板が変形すると、導電体が有する接続導電体も変形する。変形する方向に接続導電体が延びていると、接続導電体に曲げ応力がかかって引き延ばされてしまう。この結果、接続導電体が断線することがある。特に、接続導電体とバスバーとが接続している部分は、応力が集中しやすいため、接続導電体が断線しやすい。
【0076】
本実施の形態の導電体30のいくつかの例では、接続導電体40は、バスバー35に接続するメッシュ部41と、メッシュ部41に接続して第1方向d1に延びる複数の本体部50と、を含む。メッシュ部41は、開口部43を画定する複数の接続要素44を含む。接続要素44は、第1方向d1とは非平行な方向に延びる。バスバー35と接続する部分の接続導電体40は、メッシュ部41となっている。接続導電体40とバスバー35とが接続している部分であるメッシュ部41に応力が集中しても、メッシュ部41が変形することで応力を吸収できる。接続導電体40が断線しにくい。本体部50が延びる第1方向d1とは非平行な方向に接続要素44が延びるため、導電体30が第1方向d1に延ばされても、接続要素44にかかる応力は低減される。接続要素44は断線しにくい。
【0077】
本体部50は、第1方向d1に延びる第1部分51と、メッシュ部41から第2方向d2に延びる第2部分と、第1部分51と第2部分52とを接続する第3部分53と、を含んでいる。接続要素44は、第2方向d2にも非平行な方向に延びている。導電体30が第2方向d2に延ばされても、接続要素44にかかる応力は低減される。接続要素44は断線しにくい。隣り合う本体部50の間隔L3は、第2方向d2に沿った第3部分53の長さL4より短い。本体部50は、密集して配置されている。本体部50を省スペースで配置できる。
【0078】
メッシュ部41と第2部分52とが接続する部分において、接続要素44が延びる方向と第2方向d2とがなす角度のうち小さい方の角度は、90°未満である。第2部分52が第2方向d2に延びることがあっても、メッシュ部41と第2部分52とが接続している部分に応力がかかりにくい。メッシュ部41と第2部分52とが接続している部分で断線しにくい。
【0079】
本実施の形態の導電体30のいくつかの例では、接続導電体40は、第1方向d1に延びる第1部分51と、バスバー35から第2方向d2に延びる第2部分と、第1部分51と第2部分52とを接続する第3部分53と、を含んでいる。第1部分51が延びる第1方向d1とは異なる第2方向d2に第2部分52が延びるため、導電体30が第1方向d1に延ばされても、第2部分52にかかる応力は低減される。第2部分52は断線しにくい。隣り合う接続導電体40の間隔L1は、第2方向d2に沿った第3部分53の長さL2より小さい。接続導電体40は、密集して配置されている。接続導電体40を省スペースで配置できる。
【0080】
バスバー35と第2部分52とが接続する部分において、接続要素44が延びる方向と第2方向d2とがなす角度のうち小さい方の角度は、90°未満である。第2部分52が第2方向d2に延びることがあっても、バスバー35と第2部分52とが接続している部分に応力がかかりにくい。バスバー35と第2部分52とが接続している部分で断線しにくい。
【0081】
本実施の形態の導電体30のいくつかの例では、第2部分52の幅は、第2部分52に沿ってバスバー35から離れるにつれて細くなっている。言い換えると、第2部分52の幅は、バスバー35の近傍では太くなっている。加えて、第2部分52に沿った第2部分52の長さは、第2部分52の最大幅より大きい。言い換えると、第2部分52の長さは十分に長くなっている。バスバー35と第2部分52とが接続している部分で断線しにくくなっている。
【0082】
以上のように、本実施の形態の導電体30は、一対のバスバー35と、一対のバスバー35の間を接続する接続導電体40と、を備え、接続導電体40は、バスバー35に接続するメッシュ部41と、メッシュ部41に接続して第1方向d1に延びる複数の本体部50と、を含み、メッシュ部41は、開口部43を画する複数の接続要素44を含み、接続要素44は、第1方向d1とは非平行な方向に延びる。このような導電体30によれば、メッシュ部41に応力が集中しても、メッシュ部41が変形して応力を吸収できるため、及び第1方向d1とは非平行な方向に接続要素44が延びるため、接続要素44は断線しにくい。接続導電体40の断線を抑制できる。
【0083】
上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。
【0084】
上述した実施の形態において、合わせ板10が曲面状に形成されている例を示したが、この例に限られず、合わせ板10が、平板状に形成されていてもよい。
【0085】
合わせ板10は、自動車1のリアウィンドウ等に用いてもよい。合わせ板10は、自動車1のエンブレムの前面やライトのカバーに用いられてもよい。エンブレムやライトのカバーに適用される場合、合わせ板10の基板11,12は、ガラス以外の材料、例えば透明な樹脂によって形成され得る。自動車以外の、鉄道車両、航空機、船舶、宇宙船等の移動体の窓或いは扉の透明部分に用いてもよい。
【0086】
合わせ板10は、移動体以外にも、特に室内と室外とを区画する箇所、例えばビルや店舗、住宅の窓或いは扉の透明部分、建物の窓又は扉、冷蔵庫、展示箱、戸棚等の収納乃至保管設備の窓あるいは扉の透明部分等にも使用できる。
【符号の説明】
【0087】
1 自動車
5 フロントウィンドウ
7 電源
10 合わせ板
11 第1基板
12 第2基板
13 第1接合層
14 第2接合層
20 導電体付きシート
21 基材
30 導電体
35 バスバー
40 接続導電体
41 メッシュ部
43 開口部
44 接続要素
50 本体部
51 第1部分
52 第2部分
53 第3部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16