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特開2024-164333共同購入方法、プログラム、サーバ端末、共同購入システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164333
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】共同購入方法、プログラム、サーバ端末、共同購入システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241120BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021165420
(22)【出願日】2021-10-07
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
(71)【出願人】
【識別番号】520276637
【氏名又は名称】株式会社カウシェ
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】門奈 剣平
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB47
5L049BB47
(57)【要約】      (修正有)
【課題】特定の商品を複数人で共同購入するシチュエーションに適した共同購入方法、プログラム、サーバ端末及び共同購入システムを提供する。
【解決手段】共同購入方法は、複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法であって、情報管理部により、共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む。さらに、区分情報に応じた利益は、参加している共同購入グループの共同購入条件達成を補助する利益を含む。さらに、共同購入条件達成を補助する利益は、共同購入条件が緩和することを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法であって、
情報管理部により、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項2】
請求項1に記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、参加している共同購入グループの共同購入条件達成を補助する利益を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項3】
請求項2に記載の共同購入方法であって、
前記共同購入条件達成を補助する利益は、共同購入条件が緩和することを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項4】
請求項2または請求項3のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記共同購入条件達成を補助する利益は、所定の区分情報が設定されたユーザに対して、共同購入条件成立までの制限時間を延長する権利を与えることを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の共同購入方法であって、
共同購入の成立条件に特定の区分情報が設定されていることが含まれている場合、
前記区分情報に応じた利益は、当該区分情報に関する成立条件を達成することである、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、所定の区分情報が設定されたユーザに対して、特殊な共同購入グループへ参加する権利を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項7】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、特殊な共同購入グループを開始する権利を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項8】
請求項6または7に記載の共同購入方法であって、
前記特殊な共同購入グループは、共同購入時の割引率が大きく設定されている、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項9】
請求項6ないし請求項8のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記特殊な共同購入グループは、共同購入条件成立しない場合に商品購入とは異なる報酬が得られる、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、アプリケーション内にユーザ同士がコメントを送受信可能な領域がある場合には、所定の区分情報であるユーザのコメントの強調設定を変更することを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項11】
請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、共同購入条件成立時に所定の区分情報であるユーザへキャッシュバックすることを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項12】
請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入成立累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入開始累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、商品へのレビュー累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項15】
請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入誘引累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項16】
請求項1ないし請求項15のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入における支払累計額を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項17】
請求項1ないし請求項16のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入における取得ポイント累計数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項18】
請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報は、二以上のユーザ履歴情報に基づき設定される、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項19】
請求項1ないし請求項18のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報は、格付け区分情報である、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザに利益を与える区分情報は、所定の格付け以上の格付け区分情報を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項21】
請求項1ないし請求項20のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザに利益を与える区分情報は、所定の抽選確率に基づき抽選された当選区分情報を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
【請求項22】
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法を実行するためのプログラムであって、
前記共同購入方法において、
情報管理部により、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項23】
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行するためのサーバ端末であって、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与える情報管理部を備える、
ことを特徴とするサーバ端末。
【請求項24】
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行するための共同購入システムであって、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与える情報管理部を備える、
ことを特徴とする共同購入システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のユーザによる共同購入を実行する共同購入方法、プログラム、サーバ端末、共同購入システムを提供する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットショッピングの利用は拡大しており、ユーザ端末にインストールされたアプリケーションやWebサイト等を介して、売主により提供される商品を購入することを可能にする技術が普及している。
【0003】
ここで、特許文献1において、ネットショッピングにおいて、複数のユーザが、いくつかの商品を共同で購入するためのグループを作成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-99504号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1は、グループ内で商品の重複がないようにするための共同購入に関する技術であり、例えば特定の商品を複数人で共同購入するシチュエーションは想定されていない。また、特許文献1のシステムにおいては、複数のユーザが公平に扱われており、共同購入を開始するモチベーションが維持できない場合があり得た。
【0006】
そこで、本発明は、特定の商品を複数人で共同購入するシチュエーションに適した共同購入支援方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様における共同購入方法は、複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法であって、情報管理部により、共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、特定の商品を複数人で共同購入するシチュエーションに適した共同購入方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第一実施形態に係る、共同購入システムを示すブロック構成図である。
図2図1のサーバ端末100を示す機能ブロック構成図である。
図3図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。
図4】サーバ端末100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
図5】サーバ端末100に格納される売主データの一例を示す図である。
図6】サーバ端末100に格納される取引データの一例を示す図である。
図7】本発明の第一実施形態に係る、共同購入方法を示すフローチャートの一例である。
図8】本発明の第一実施形態に係る、商品選択画面の一例を示す図である。
図9】本発明の第一実施形態に係る、商品情報画面の一例を示す図である。
図10】本発明の第一実施形態に係る、未成立時の共同購入情報画面の一例を示す図である。
図11】本発明の第一実施形態に係る、成立時の共同購入情報画面の一例を示す図である。
図12】本発明の第一実施形態に係る、購入方法において、進捗情報送信処理を説明するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態による共同購入方法、プログラム、サーバ端末、共同購入システムは、以下のような構成を備える。
[項目1]
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法であって、
情報管理部により、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目2]
項目1に記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、参加している共同購入グループの共同購入条件達成を補助する利益を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目3]
項目2に記載の共同購入方法であって、
前記共同購入条件達成を補助する利益は、共同購入条件が緩和することを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目4]
項目2または項目3のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記共同購入条件達成を補助する利益は、所定の区分情報が設定されたユーザに対して、共同購入条件成立までの制限時間を延長する権利を与えることを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目5]
項目1ないし項目4のいずれかに記載の共同購入方法であって、
共同購入の成立条件に特定の区分情報が設定されていることが含まれている場合、
前記区分情報に応じた利益は、当該区分情報に関する成立条件を達成することである、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目6]
項目1ないし項目5のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、所定の区分情報が設定されたユーザに対して、特殊な共同購入グループへ参加する権利を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目7]
項目1ないし項目5のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、特殊な共同購入グループを開始する権利を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目8]
項目6または項目7に記載の共同購入方法であって、
前記特殊な共同購入グループは、共同購入時の割引率が大きく設定されている、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目9]
項目6ないし項目8のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記特殊な共同購入グループは、共同購入条件成立しない場合に商品購入とは異なる報酬が得られる、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目10]
項目1ないし項目9のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、アプリケーション内にユーザ同士がコメントを送受信可能な領域がある場合には、所定の区分情報であるユーザのコメントの強調設定を変更することを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目11]
項目1ないし項目10のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報に応じた利益は、共同購入条件成立時に所定の区分情報であるユーザへキャッシュバックすることを含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目12]
項目1ないし項目11のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入成立累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目13]
項目1ないし項目12のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入開始累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目14]
項目1ないし項目13のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、商品へのレビュー累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目15]
項目1ないし項目14のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入誘引累計回数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目16]
項目1ないし項目15のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入における支払累計額を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目17]
項目1ないし項目16のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザ履歴情報は、共同購入における取得ポイント累計数を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目18]
項目1ないし項目17のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報は、二以上のユーザ履歴情報に基づき設定される、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目19]
項目1ないし項目18のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記区分情報は、格付け区分情報である、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目20]
項目1ないし項目19のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザに利益を与える区分情報は、所定の格付け以上の格付け区分情報を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目21]
項目1ないし項目20のいずれかに記載の共同購入方法であって、
前記ユーザに利益を与える区分情報は、所定の抽選確率に基づき抽選された当選区分情報を含む、
ことを特徴とする共同購入方法。
[項目22]
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行する共同購入方法を実行するためのプログラムであって、
前記共同購入方法において、
情報管理部により、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与えるステップ、を含む、
ことを特徴とするプログラム。
[項目23]
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行するためのサーバ端末であって、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与える情報管理部を備える、
ことを特徴とするサーバ端末。
[項目24]
複数のユーザによる、商品の共同購入を実行するための共同購入システムであって、
共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定し、当該区分情報に応じた利益を共同購入時にユーザに与える情報管理部を備える、
ことを特徴とする共同購入システム。
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本発明の必須の構成要素であるとは限らない。そして、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0012】
<構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る、売主により提供される商品に対する、複数のユーザによる共同購入を実行する共同購入システムを示すブロック構成図である。本システム1は、ユーザによる特定の商品の共同購入を仲介するサービスを提供するサーバ端末100と、インストールされたアプリケーションまたはウェブブラウザ等を介して表示されるユーザインターフェースを操作することで特定の商品の共同購入を行うユーザに関連するユーザ端末200A、200Bと、提供する商品に関する商品情報を提供する売主に関連する売主端末300A、Bとで構成される。
【0013】
サーバ端末100、ユーザ端末200A、200B、及び売主端末300A、300Bは、各々、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0014】
サーバ端末100は、例えば、ワークステーションやパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウド・コンピューティングによって論理的に実現されてもよい。本実施形態においては、説明の便宜上サーバ端末として1台を例示しているが、これに限定されず、複数台であってもよい。
【0015】
ユーザ端末200及び売主端末300は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置であるが、スマートフォンや携帯電話、PDA等により構成してもよい。
【0016】
本実施形態では、システム1は、サーバ端末100と、ユーザ端末200A、200Bと、売主端末300A、300Bと、を備え、ユーザ及び売主が各々の端末を利用して、サーバ端末100に対する操作を行う構成として説明するが、サーバ端末100がスタンドアローンで構成されていてもよい。
【0017】
図2は、図1のサーバ端末100の機能ブロック構成図である。サーバ端末100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0018】
通信部110は、ネットワークNWを介してユーザ端末200及び売主端末300と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0019】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、記憶部120は、ユーザに関連する各種データを格納する、ユーザデータ格納部121、及び、売主に関連する各種データを格納する、売主データ格納部122、及びユーザによる共同購入を管理する取引データを格納する、取引データ格納部123を有する。なお、上記ユーザデータ、売主データ及び取引データを含む、各種データを格納したデータベース(図示せず)が記憶部120またはサーバ端末100外に構築されていてもよい。
【0020】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、サーバ端末100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等から構成される。制御部130の機能として、ユーザ端末200または売主端末300から所定の要求または情報を受け付けたり、サーバ端末100内の情報の変更処理(更新、削除など)を行ったり、サーバ端末100外に情報を送信したりする情報管理部131と、ユーザ端末に対して購入に必要な情報を提供したり、購入を処理する取引処理部132と、ユーザ端末のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する画面情報生成部133を有する。なお、画面情報生成部133は、各ユーザ端末200に格納されたアプリケーションにより実行される機能であってもよい。
【0021】
情報管理部131は、ユーザ端末200から、共同購入情報等へのアクセス要求や商品の購入要求等の所定の要求を、通信部110を介して受信する。また、情報管理部131は、売主端末300から、商品情報等の売主情報を、通信部110を介して受信する。さらに、情報管理部131は、サーバ端末100内の各種データ格納部の情報の変更処理(更新、削除など)を行ったり、サーバ端末100外に各種情報を通信部110を介して送信したりする。
【0022】
取引処理部132は、ユーザの要求に応じて、商品情報を含む売主情報等を提供し、ユーザ端末から受け付けた購入要求に応じて、購入を処理し、更新された購入情報を提供する。
【0023】
画面情報生成部133は、ユーザ端末200のユーザインターフェースを介して表示される画面情報を生成する。例えば、記憶部120に格納された画像及びテキストデータを素材として、所定のレイアウト規則に基づいて、各種画像及びテキストを配置することで生成されるユーザインターフェース画面を構成するための情報を生成する。例えば、画面情報生成部133は、テキストデータをユーザ端末200に送信し、かつ、画像データへのリンクをユーザ端末200に送信し、テキストデータを所定レイアウト規則に基づいてユーザ端末200に送信させつつ、ユーザ端末200の要求に応じて画像データを送信することで、ユーザインターフェース画面をユーザ端末200に表示させることができる。画面情報生成部133に関連する処理は、GPU(Graphics Processing Unit)によって実行することもできる。
【0024】
図3は、図1のユーザ端末200を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末200は、通信部210と、表示操作部220と、記憶部230と、制御部240とを有する。
【0025】
通信部210は、ネットワークNWを介してサーバ端末100と通信を行うための通信インターフェースであり、例えばTCP/IP等の通信規約により通信が行われる。
【0026】
表示操作部220は、ユーザが指示を入力し、制御部240からの入力データに応じてテキスト、画像等を表示するために用いられるユーザインターフェースであり、ユーザ端末200がパーソナルコンピュータで構成されている場合はディスプレイとキーボードやマウスにより構成され、ユーザ端末200がスマートフォンまたはタブレット端末で構成されている場合はタッチパネル等から構成される。この表示操作部220は、記憶部230に記憶されている制御プログラムにより起動されてコンピュータ(電子計算機)であるユーザ端末200により実行される。
【0027】
記憶部230は、各種制御処理や制御部240内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAMやROM等から構成される。また、記憶部230は、サーバ端末100との通信内容を一時的に記憶している。
【0028】
制御部240は、記憶部230に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末200の全体の動作を制御するものであり、CPUやGPU等から構成される。
【0029】
なお、売主端末300についてもユーザ端末200と実質同一とする構成とすることができるため、説明を省略する。
【0030】
図4は、サーバ端末100に格納されるユーザデータの一例を示す図である。
【0031】
図4に示すユーザデータ1000は、ユーザに関連する各種データを格納する。図4において、説明の便宜上、一ユーザ(ユーザID「10001」で識別されるユーザ)の例を示すが、複数のユーザの情報を格納することができる。ユーザに関連する各種データとして、例えば、ユーザの基本情報(ユーザの氏名、ユーザ名、メールアドレス、住所、電話番号等)、支払情報(クレジットカード情報等)、SNS情報(本サービスアプリケーションと連携するソーシャルネットワーキングのアカウント情報)、及び当該ユーザの売主に対する購入を含む取引情報、共同購入に関するユーザ履歴情報(共同購入成立累計回数、共同購入開始累計回数(幹事ユーザ累計回数)、共同購入誘引累計回数(例えばSNSからの誘引、URLやQRコード等の紹介情報からの誘引等)、商品へのレビュー累計回数(特に共同購入が過去に成立した商品に対するレビュー)、支払累計額、取得ポイント累計数、ログイン累計回数等)、当該ユーザ履歴情報に基づき設定されるユーザ区分情報を格納することができる。
【0032】
図5は、サーバ端末100に格納される売主データの一例を示す図である。
【0033】
図5に示す売主データ2000は、売主に関連する各種データを格納する。図5において、説明の便宜上、一売主(売主ID「20001」で識別される売主)の例を示すが、複数の売主の情報を格納することができる。売主に関連する各種データとして、例えば、売主の基本情報(売主名、連絡先、電話番号、売主URL、送料等)、商品情報(商品ID、商品名、商品に関する説明、商品画像、通常価格、共同購入価格、共同購入条件等)を格納することができる。なお、共同購入条件は、例えば「10人以上購入」などの共同購入人数条件や、「5000円以上購入」などの共同購入金額条件であってもよく、共同購入金額条件は通常価格に基づく条件であってもよいし、共同購入価格に基づく条件であってもよいし、共同購入グループに参加している後述の特定の区分情報が設定されたユーザの人数(グループ全員を含む所定数)であってもよい(例えば、新規ユーザが1人以上(または複数)含まれる、全員イツメンのユーザなど)。購入条件の達成については、条件に合致した時に限らず、達成の程度に応じて得られる利益(例えば、割引率や発行されるクーポンの金額など)を変更してもよいし、区分情報が条件として設定されている場合には、区分情報の段階に応じて利益を変動させてもよい。また、商品IDに設定可能な共同購入条件は1つであってもよいし、複数であってもよく、複数設定した場合には、全ての条件を満たすことで条件達成としてもよいし、いずれか1つ以上の条件を満たすことで条件達成としてもよい。これらの条件設定の制約はサービス提供者がサーバ端末100またはサービス提供者端末(不図示)により一律で設定してもよいし、商品のカテゴリや価格に応じて設定するようにしてもよいし、売主やユーザが自由に設定可能としてもよく、条件達成の難易度により共同購入価格を変動させてもよい(難易度が高い場合は半額、低い場合は10%オフなど)。条件達成の難易度は、難易度識別情報により複数段階に難易度の高低が設定可能に構成されていてもよく(例えば、「簡単、普通、難しい」や、「星1~5」など)、各難易度識別情報に対応付けて、例えば、達成人数条件や達成金額条件の大小や達成条件数の大小、それらの組み合わせなどがそれぞれ設定されていてもよい(例えば、難易度が高い場合は達成人数なら10人、達成金額なら5000円以上、達成条件の数なら達成人数と達成金額の2つなど、低い場合は達成人数なら2人、達成金額なら1000円以上、達成条件の数なら達成人数と達成金額のいずれか片方など)。また、共同購入条件は、商品IDごとに設定される場合は前述のとおりであるが、例えば売主毎に一律に設定される場合には、売主の基本情報として含まれていてもよい。
【0034】
図6は、サーバ端末100に格納される取引データの一例を示す図である。
【0035】
図6に示す取引データは、ユーザによる共同購入に関連する各種データを格納する。図6に示すテーブルは、例えば、取引IDごとに、商品情報、売主情報、購入者情報(共同購入を開始した購入者1が幹事ユーザとなる)、購入の合計金額、共同購入条件情報、経過時刻(または残り時刻)、現在の進捗情報等を格納する。図6に示すように、例えば、取引ID「30102」においては、売主ID「20003」が取り扱う商品ID「40016」(Tシャツ)について、「20人以上購入」という共同購入条件が設定されているとき、現在の購入者は、ユーザID「10003」及び「10013」で識別されるユーザであって、購入者が2名であるため、現在の進捗は、「あと18名」で条件を満たして共同購入価格での購入取引が成立する状態であり、経過時間が5時間であることを示している。なお、経過時間情報は、例えば、サービス提供者がサーバ端末100またはサービス提供者端末(不図示)により各共同購入取引に対して、さらに「所定時間内(例えば24時間以内)に条件達成した場合のみ共同購入成立とする」という制限を設ける際に格納するようにしてもよい。また、共同購入条件として、経過時間に関する条件(例えば、24時間以内、12時間以内等)を売主やユーザが設定可能にしてもよく、経過時間の長短に応じて共同購入価格を変動させるようにしてもよい(例えば、6時間以内なら半額、12時間以内なら30%オフなど)。
【0036】
<処理の流れ>
図7を参照しながら、本実施形態のシステム1が実行する、共同購入方法の処理の流れについて説明する。図7は、本発明の第一実施形態に係る、共同購入方法に係るフローチャートの一例である。
【0037】
ここで、本システム1により提供される、商品の共同購入サービスを利用するために、ユーザは、ユーザ端末200A、Bのウェブブラウザまたはアプリケーション等を利用してサーバ端末100にアクセスし、初めてサービスを利用する場合は、前述のユーザ基本情報等を入力し、既にユーザアカウントを取得済の場合は、例えばIDとパスワードを入力する等の所定の認証を受けてログインすることで、サービスが利用可能としてもよい。この認証後、ウェブサイト、アプリケーション等を介して、図8に示されるように、ユーザが商品カテゴリや商品名から商品を検索して商品一覧をユーザ端末200に表示させ、売主により提供される所望の商品を選択する(ステップS101)。なお、上記ユーザアカウントに代えて、ユーザ端末200にダウンロードされたアプリケーションに関連する固有のアプリケーションIDをユーザIDとして当該サービスを利用可能としてもよい。
【0038】
例えば、図8に示すように、ユーザは、ユーザ端末200上で表示される購入用ユーザインターフェース画面500において、商品情報が表示される領域510をタップ操作等の入力操作を行うことで、共同購入が可能な商品を選択する。
【0039】
次に、選択した商品を共同購入として購入することが可能な、購入用ユーザインターフェース(商品詳細画面)が提供される(ステップS102)。
【0040】
商品を選択すると、例えば、図9に示すように、選択した商品の詳細画面が表示される。ここで、サーバ端末100の制御部130の画面情報生成部133は、売主データ格納部122に格納される商品データを参照し、商品画像データや売主によるその商品を推奨するための説明(テキスト)、共同購入価格、通常価格(参考価格)、共同購入条件などを所定の規則に従って配置した画面情報を生成し、当該画面情報をユーザ端末200に送信することができる。図9に示すように、商品に関連する画像520とともに、価格情報530や共同購入が成立する条件に関連する共同購入条件に関する情報540などが、商品詳細画面に表示される。さらに、図9に示すように、商品詳細画面には、ユーザが共同購入を行うための選択領域(ボタン)550が表示される。このように、条件情報や共同購入価格を提供することで、ユーザに対して、共同購入を利用する動機を与えることができる。
【0041】
次に、サーバ端末100の制御部130の情報管理部131は、通信部110を介して、ユーザ端末200Aから、所望の商品についての共同購入指示を受信し、当該共同購入指示に対応する特定の商品に対する共同購入画面を提供する(ステップS103)。そして、例えば共同購入画面に配置された「共同購入」ボタンを選択されることに基づき、取引処理部132により図6に示されるように取引IDが生成されて取引IDに関連する各情報が紐づけられて管理が開始されると共に、共同購入情報へのリンク情報を他のユーザのユーザ端末200Bに共有する(ステップS104)。
【0042】
図9において、ユーザが「共同購入」ボタンを選択する操作を行うと、図10に示すように、その商品についての共同購入に必要な共同購入情報を他のユーザに共有するための操作を受け付ける画面580が表示される。共同購入情報を共有する形態として、例えば、ユーザ端末200Aから、サーバ端末100を介してユーザ端末200Bに情報を送信する方法や、図10に示すように、サーバ端末100を運営する事業者に対してサードパーティの、ユーザ間のコミュニケーション用アプリケーションと連携するための「アプリXで送る」ボタンやその他の方法で共同購入情報を共有するための「その他で送る」ボタンなどの共同購入情報共有手段580を選択したりするなどして、当該アプリケーションに関連したコミュニケーション用ユーザインターフェースを介して、サーバ端末100によって提供される共同購入情報のウェブサイトへのリンク情報(URL)を、他のユーザ(ユーザ端末200Bを含む)に共有する方法が考えられる。図10においては、ユーザは、所望のコミュニケーション用アプリケーションXを選択し、同アプリケーションを利用するユーザに対して、当該ユーザへのダイレクトメッセージを介して、または、当該ユーザが所属するメッセージグループに対して、共同購入情報にアクセスするためのURLを送信することができる。または、ユーザは、共同購入情報にアクセスするためのURLをコピーし、Eメールやウェブページ等の所望の箇所にURLを貼付することで、他のユーザに共有することができる。
【0043】
また、図10に示すように、共同購入情報画面には、残り時間560や条件達成に必要な情報570(例えば、現在共同購入OKとしている人数や共同購入の金額など)を設けるとよい。これにより、共同購入が条件達成するまでの効率を高めることができる。
【0044】
なお、例えば、図10に示すように、生成されたリンク情報は、サードパーティのアプリケーションを介して表示される、共有相手となるユーザが所属するグループのコミュニケーション用ユーザインターフェース上に表示される。また、リンク情報の共有は、サーバ端末100を介さずに、近距離通信等を用いて、ユーザ端末200Aからユーザ端末200Bに対して端末間で行うこともできる。さらに、ユーザ端末200Aによる共有リクエストによらず、サーバ端末100は、共同購入情報へのリンク情報を、これから購入を行おうとするユーザと共に過去に共同購入を行ったことがあるユーザ、ユーザと同じロケーション(同じ建物、施設等)に所在するユーザ、または、ユーザに近いロケーション(例えば、ユーザの現在位置から100メートル以内)に所在するユーザの端末に送信することもできる。
【0045】
次に、ステップS105の処理として、情報管理部131は、共同購入情報にアクセス可能なリンク情報を共有されたユーザから、共同購入情報にアクセスする要求を受信する。例えば、コミュニケーション用ユーザインターフェースにおいて、共有相手のユーザ(仮に、ユーザ端末200Bのユーザとする)が、リンク情報(URL)を選択することで、ユーザ端末200Bから、ネットワークを介して、アクセス要求が、サーバ端末100に送信される。
【0046】
アクセス要求に応じて、ステップS106の処理として、取引処理部132は、共同購入情報を送信する処理を行う。具体的には、取引処理部132は、画面情報生成部133とも連携して、アクセス要求のあったURLに対応する、例えば図9や10に示す画面と同一または類似の、共同購入に関する共同購入情報画面(アプリケーション、ウェブページなど)を、ユーザ端末200Bに送信する。例えば、図9に示す画面に加えて、図10に示すように、商品名のほか、経過時間情報(または残り時間情報)560や現在共同購入を行っている人数情報570または購入点数、購入金額の少なくとも何れか一つが、画像データとともに表示されることができる。なお、表示方法はこの限りではなく、例えば経過時間情報560として数値での表示ではなく、時計アイコンを用いてアナログ時計のように表示してもよいし、人数情報も1つずつ点灯表示していく表示ではなく、人数に応じて例えば長方形や長円形の所定範囲内の片側から色がかわっていくプログレスバーのような表示であってもよい。これにより、共同購入に参加するユーザは、直ちに共同購入の進捗を確認することができる。さらに、図10に示すような、共同購入情報共有手段580を備えると、他のユーザもさらに他のユーザに共同購入情報を共有することが容易となる。
【0047】
ステップS107の処理として、情報管理部131は、共同購入を受信する。例えば、情報管理部131は、ユーザ端末200Bから、共同購入情報画面を介して、該当商品に関する購入を受信することができる。
【0048】
そして、ステップS108の処理として、取引処理部132は、共同購入情報を更新する処理を行う。ここで、取引処理部132は、例えば、ユーザ端末200から購入要求があったときに、ユーザ端末200に関連するユーザデータの取引情報を更新し、また、図6に示す、商品に対する購入者情報及び金額情報等の取引データを更新する。
【0049】
以上のように、一のユーザは、他のユーザに対して、売主が提供する商品に対する共同購入を、簡易な方法で共有しつつ、共同購入に参加するユーザは、共同購入情報において、購入の進捗を確認しながら購入を行うことができるため、スムーズに共同購入を進めることができる。
【0050】
図12は、本発明の第一実施形態に係る、共同購入方法において、進捗情報送信処理を説明するフローチャートの一例である。
【0051】
ステップS201の処理として、取引処理部132は、一または複数のユーザによる購入に基づいて共同購入情報を更新すると、ステップS202の処理として、更新された共同購入情報が、設定された共同購入条件を満足したか否かを確認する。
【0052】
例えば、図6に示す、取引データにおいて、更新された共同購入情報が、取引ID「30101」について、購入者が、ユーザID「10001」及び「10005」で識別されるユーザを含み10人となったとき、共同購入成立のための条件が、「10人以上の購入」であるので、取引処理部132は、条件を満足したものと判断し(YES)、ステップS203において、共同購入のための決済処理を行う。例えば、取引処理部132は、ユーザデータを参照して各ユーザの決済情報を参照し、共同購入金額での決済処理を行う。もしくは、各ユーザがステップS102やS107において「共同購入」ボタン等の共同購入指示をサーバ端末100に送信した際に仮決済し、不成立時に返金処理を行うようにしてもよい。
【0053】
一方で、例えば、図6に示す、取引データにおいて、更新された共同購入情報が、取引ID「30102」について、購入者が、ユーザID「10003」及び「10013」のみであって、共同購入条件が、「20人以上の購入」であるので、取引処理部132は、条件を満足していないものと判断し(NO)、ステップS204において、進捗情報を表示させる処理を行う。例えば、取引処理部132は、共同購入が成立されるために、購入者があと18名必要である旨の情報を、ユーザ端末200Aおよび200Bのユーザインターフェースに表示させる処理を、画面情報生成部133と連携して行う。ユーザまたは他のユーザは、進捗情報を参照し、必要に応じてさらに他のユーザに共同購入情報を共有することができる。
【0054】
このように、共同購入者をユーザが募って所定数をまとめて購入することで、通常よりも安価に特定の商品を購入することが可能となる。
【0055】
ここで、共同購入を行うにあたり、種々の利益をユーザが得られる仕組みが重要であり、これをシステム化することでユーザの共同購入を実行することが可能となる。
【0056】
そこで、本実施形態においては、情報管理部131において、共同購入に関連するユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報を設定することで、ユーザに区分情報に応じた利益を与えることを可能とする。また、他のユーザにおいては、共同購入を共に行う他ユーザの区分情報に応じて利益を得ることも可能とする。
【0057】
ユーザ履歴情報は、ユーザデータ格納部121に記憶されていてもよく、例えば、共同購入成立累計回数、共同購入開始累計回数(幹事ユーザ累計回数)、共同購入誘引累計回数、商品へのレビュー累計回数(特に共同購入が過去に成立した商品に対するレビューの累計回数)、支払累計額、取得ポイント累計数、ログイン累計回数、一緒に共同購入を行った他ユーザごとの共同購入連携累計回数(特に成立した累計回数)などであり得る。累計は、登録から現在までの累計であってもよいし、所定期間(例えば直近1年や半年、3か月、1か月など)の累計であってもよい。共同購入への誘引は、参加している共同購入グループに関する共同購入誘引情報(URLやQRコードなど)をメール等のメッセージやSNS等を介して他者(他ユーザ含む)に共有し、他者が当該共同購入誘引情報にアクセスするなどして共同購入に参加することにより行われるものであり、共同購入誘引情報を経由したアクセス回数を共同購入誘引累計回数としてもよいし、特に共同購入情報を経由してアクセスして新規ユーザとして登録された回数を新規誘引累計回数としてもよいし、この新規誘引累計回数とそれ以外の誘引累計回数とを合算してもよいが、その際には新規誘引累計回数に対して優位に重みづけを行うようにしてもよい。共同購入誘引情報は、幹事ユーザとして自分が共同購入を開始した際のみに生成可能なものであってもよい。
【0058】
ユーザの区分情報は、区分が分かれていればどのようなグルーピングであってもよいが、特に上述のユーザ履歴情報に基づき、相対的に段階的に異なる区分情報(例えば、属性情報、タグ情報などと呼んでもよい)であってもよい。各ユーザには、複数種類の区分情報が関連付けられていてもよい。ユーザの区分情報は、上述のユーザ履歴情報に基づき、各ユーザの区分情報として設定され、例えば、各累計数に対して一以上の閾値が設定されており、閾値を超えるごとに一以上の累計数に関連付けられた区分情報が更新されるように設定されていてもよいし、各累計数に対して所定の重みづけが設定されていて、当該重みづけも加味した総累計数(一以上の種類の累計数であって、好ましくは複数種類の累計数)に対して一以上の閾値が設定されていてもよいし、所定数の種類の累計数が閾値を超えた場合、閾値を超えた数に応じて区分情報が更新されるように設定されていてもよい。区分情報の例としては、例えば、ログイン累計回数、共同購入成立累計回数、支払累計額、共同購入開始累計回数の少なくともいずれかに基づき、新規ユーザ、ビギナー、ベテラン、プロフェッショナルなどといった経験関連区分情報を段階的に設定してもよいし、共同個入誘引累計回数(特に新規誘引累計回数)やレビュー累計回数に基づき、インフルエンサーなどの影響関連区分情報を段階的に設定してもよいし、共同購入連携累計回数に基づき、知り合い、仲良し、イツメンなどの区分情報を他ユーザごとに相互に関連付けて関係性関連区分情報を段階的に設定してもよい。
【0059】
区分情報に応じた利益は、ユーザが得られる利益であればどのような利益であってもよいが、例えば参加している共同購入グループの共同購入条件達成を補助する利益であってもよい。より具体的には、共同購入条件が人数である場合には、参加ユーザ(特に幹事ユーザ)の区分情報に応じて条件人数が変動し、共同購入条件が購入金額である場合には、参加ユーザ(特に幹事ユーザ)の区分情報に応じて条件購入金額が変動し、特に区分情報が相対的な段階が高いユーザ(特に幹事ユーザ)が参加している場合においては、該当ユーザ(参加ユーザの中で一番相対的な段階が高いユーザ、または、幹事ユーザ)に設定された区分情報の相対的な段階の高さに応じて共同購入条件が緩和される(例えば、条件人数や条件購入金額が少なくなる、設定されている難易度が下がるなど)ようにしてもよい。もしくは、区分情報が経験関連区分情報である場合には、新規ユーザやビギナーユーザなどの相対的な段階が低い場合や、逆にベテランやプロフェッショナルなどの相対的な段階が高い場合に区分情報に応じた利益が大きくなる(上記であれば共同購入条件の緩和が大きくなる)ようにしてもよいし、区分情報が影響関連区分情報や関係性関連区分情報である場合にも、相対的な段階が高い場合に区分情報に応じた利益が大きくなるようにしてもよい。さらには、区分情報に応じて該当ユーザの人数や購入金額に所定の重みづけを乗じてもよく、特に区分情報が相対的な段階が高い場合には、設定された区分情報の相対的な段階の高さに応じて重みづけの量が大きくなるようにして達成しやすくなるようにしてもよい。また、共同購入条件達成を補助する利益は、所定の区分情報が設定されたユーザ(特に新規ユーザ、プロフェッショナルユーザ、イツメンユーザ、インフルエンサーユーザ、格付けが高いユーザなど)に共同購入のための制限時間を延長できる権利を与えることであってもよい。
【0060】
区分情報に応じた利益は、個々のユーザにおいて共同購入時に得られる利益の大小が区分情報の相対的な段階の高低に合わせて異なってもよい。より具体的には、区分情報の相対的な段階が高く利益が大きい場合や、区分情報が経験関連区分情報である場合において新規ユーザやビギナーユーザなどの相対的な段階が低い場合には、共同購入成立時の割引率が大きく設定されていたり、成立しなくても商品購入とは異なる報酬が得られたり(例えば、本システムの共同購入や本システム外の商品・サービスに関する割引クーポン(無料を含む)の取得や所定のポイントの取得、商品情報に関連付けられた他の物品(試供品等)の取得など)してもよい。
【0061】
さらに、区分情報に応じた利益は、例えば、所定の区分情報が設定されたユーザに対して特殊な共同購入グループへ参加する権利を付与することであってもよく、より具体的には、共同購入時の割引率が大きく設定されていたり、成立しなくても商品購入とは異なる報酬が得られたり(例えば、本システムの共同購入や本システム外の商品・サービスに関する割引クーポン(無料を含む)の取得や所定のポイントの取得、商品情報に関連付けられた他の物品(試供品等)の取得など)、といった特殊な共同購入グループであってもよい。特殊な共同購入グループは、例えば、参加する権利に代えて、または、併せて、所定の区分情報が設定されたユーザ(例えば、新規ユーザ、プロフェッショナルユーザ、イツメンユーザ、インフルエンサーユーザ、格付けが高いユーザなど)が幹事ユーザとなれるように設定されていてもよいし、所定の区分情報が設定されたユーザを誘引することが共同購入成立の条件になっていてもよい。また、上述のように共同購入条件自体に特定の区分情報が設定されている場合には、その区分であることによって成立条件の1つを達成することそのものが区分情報に応じた利益であるともいえる。
【0062】
そのほか、区分情報に応じた利益は、アプリケーション内にユーザ同士がコメントを送受信可能な領域がある場合には(例えば、レビュー、掲示板、チャットなど)、所定の区分情報であるユーザのコメントの出現頻度や出現位置(例えばスクロールの上方の位置など)、コメント色などを変更してコメントの強調設定を変更してもよい。また、区分情報に応じた利益として、成立時にユーザへキャッシュバック(例えば、固定の金額や購入金額に所定割合を乗じた金額、これらの金額に応じたポイントなどの付与)を行うようにしてもよく、所定の区分情報であるユーザに限らず、参加している共同購入グループのユーザにもキャッシュバックの利益や上述の商品購入とは異なる報酬を付与するようにしてもよい。さらには、区分情報に応じた利益として、共同購入に限らずに、アプリケーションの起動回数情報や上述のコメント回数情報、他のユーザのフォロー数情報、新規ユーザの誘引数情報などのアプリ内行動情報に応じて、所定の区分情報が設定されるるユーザである場合には、各数情報が所定の基準値を超えた場合にキャッシュバックの利益や上述の商品購入とは異なる報酬を付与するようにしてもよい。
【0063】
また、区分情報の相対的な段階の高低に限らず、例えばユーザ登録時やアプリケーション起動時などの所定のタイミング(例えば一度だけ設定される、または、定期的に変更される)において設定される区分情報(例えば、色の名前(赤、青、黄など)や動物の名前など)を用いてもよく、その場合所定の抽選タイミングで所定の抽選確率に基づき抽選された当選区分情報に対応する区分情報が設定されたユーザに対して上述の利益を得られるようにしてもよいし、所定期間ごとに区分情報が順次選択されて当選区分情報(例えば、一週間ごとや一ヶ月ごとに赤→青→黄→赤・・・と順次当選区分情報として選択される)となり、該当する区分情報に対応するユーザに対して上述の利益を得られるようにしてもよい。
【0064】
このように、本発明によれば、特定の商品を複数人で共同購入するシチュエーションに適した共同購入方法を提供することができる。
【0065】
以上、発明に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 システム
100 サーバ端末
200 ユーザ端末
300 売主端末
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12