(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164341
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】物品案内システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
B65G1/137 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079752
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】保坂 英希
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522CC01
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD22
3F522DD32
3F522EE19
3F522FF02
3F522GG45
3F522HH02
3F522HH25
3F522LL57
(57)【要約】
【課題】作業者がトレイから取り出すべき物品を認識可能な物品案内システムを開示する。
【解決手段】物品案内システムは、自動倉庫と案内部を備える。自動倉庫は、基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品が入庫する場合に、物品を収容したトレイを移載装置を用いて収納部に搬入して収納し、物品が出庫する場合に、移載装置を用いて収納部からトレイを搬出して物品を出庫する。案内部は、トレイが搬出された場合に、搬出されたトレイから作業者が取り出すべき物品を案内する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品が入庫する場合に、前記物品を収容したトレイを移載装置を用いて収納部に搬入して収納し、前記物品が出庫する場合に、前記移載装置を用いて前記収納部から前記トレイを搬出して前記物品を出庫する自動倉庫と、
前記トレイが搬出された場合に、搬出された前記トレイから作業者が取り出すべき前記物品を案内する案内部と、
を備える物品案内システム。
【請求項2】
前記案内部は、前記自動倉庫から搬出された前記トレイが作業台の所定位置に装備された場合に、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品を案内する請求項1に記載の物品案内システム。
【請求項3】
前記トレイは、外縁部の一部が切り欠けられている欠損部を備え、
前記作業台は、前記欠損部に対応する形状に形成されている部材であって、前記トレイが正規の方向で装備されるように案内するガイド部材を備える請求項2に記載の物品案内システム。
【請求項4】
前記作業台は、前記トレイが装備された場合に、前記トレイに設けられているトレイ識別部材から前記トレイを識別可能なトレイ識別情報を取得する取得装置を備える請求項2または請求項3に記載の物品案内システム。
【請求項5】
前記トレイに収容されている前記物品を識別可能な物品識別情報と前記トレイ識別情報とを関連付けて記憶する記憶装置から、前記取得装置によって取得された前記トレイ識別情報に関連付けて記憶されている前記物品の前記物品識別情報を取得する取得部を備える請求項4に記載の物品案内システム。
【請求項6】
前記案内部は、前記取得部によって取得された前記物品の前記物品識別情報に基づいて、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品を案内する請求項5に記載の物品案内システム。
【請求項7】
前記案内部は、前記トレイに収容されている前記物品を模擬した画像を表示して、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品を案内する請求項1に記載の物品案内システム。
【請求項8】
前記トレイは、鉛直方向視において前記物品を収容可能な複数の収容領域を備え、
前記案内部は、前記複数の収容領域のうちの少なくとも一つであって前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品が収容されている対象領域の位置を案内する請求項1に記載の物品案内システム。
【請求項9】
前記トレイは、前記複数の収容領域の各々において、複数の前記物品を積載して収容可能であり、
前記案内部は、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品が前記対象領域において積載されている位置を案内する請求項8に記載の物品案内システム。
【請求項10】
前記案内部は、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品に関する物品情報を案内する請求項1に記載の物品案内システム。
【請求項11】
前記案内部は、前記トレイが前記収納部から搬出され載置部に載置されて出庫可能になった場合に、前記トレイから前記作業者が取り出すべき前記物品を案内する請求項1に記載の物品案内システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、物品案内システムに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の保管庫は、入庫口に無線機を備えている。無線機は、複数の収容物を収容するケースが保管庫に入庫するときに、ケースに取り付けられている第一無線タグ、および、複数の収容物の各々に取り付けられている第二無線タグの両方と無線通信を行う。これにより、特許文献1に記載の取得部は、無線機から、第一無線タグに記憶されているケースを特定する特定情報と、第二無線タグに記憶されている複数の収容物の各々を識別する識別情報とを取得する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の保管庫では、物品が入庫する場合に、物品を収容したトレイを移載装置を用いて収納部に搬入して収納し、物品が出庫する場合に、移載装置を用いて収納部からトレイを搬出して物品を出庫する。搬出されたトレイに複数の物品が収容されている場合、作業者は、トレイから取り出すべき物品を認識し難い。そのため、作業者は、トレイに収容されている物品が取り出すべき物品であるか否かを一つずつ確認する必要があり、作業が煩雑になる可能性がある。
【0005】
このような事情に鑑みて、本明細書は、作業者がトレイから取り出すべき物品を認識可能な物品案内システムを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、自動倉庫と、案内部とを備える物品案内システムを開示する。前記自動倉庫は、基板に所定の対基板作業を行う対基板作業機に使用される物品が入庫する場合に、前記物品を収容したトレイを移載装置を用いて収納部に搬入して収納し、前記物品が出庫する場合に、前記移載装置を用いて前記収納部から前記トレイを搬出して前記物品を出庫する。前記案内部は、前記トレイが搬出された場合に、搬出された前記トレイから作業者が取り出すべき前記物品を案内する。
【0007】
なお、本明細書には、願書に最初に添付した特許請求の範囲(以下、当初特許請求の範囲という。)に記載の請求項7において、「請求項1に記載の物品案内システム」を「請求項1~請求項6のいずれか一項に記載の物品案内システム」に変更した技術的思想が開示されている。また、本明細書には、当初特許請求の範囲に記載の請求項8において、「請求項1に記載の物品案内システム」を「請求項1~請求項7のいずれか一項に記載の物品案内システム」に変更した技術的思想が開示されている。さらに、本明細書には、当初特許請求の範囲に記載の請求項10において、「請求項1に記載の物品案内システム」を「請求項1~請求項9のいずれか一項に記載の物品案内システム」に変更した技術的思想が開示されている。
【発明の効果】
【0008】
上記の物品案内システムによれば、案内部は、搬出されたトレイから作業者が取り出すべき物品を案内する。よって、作業者は、トレイから取り出すべき物品を認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】リールを収容するトレイの一例を示す斜視図である。
【
図5】物品案内システムの制御ブロックの一例を示すブロック図である。
【
図6】物品案内システムによる制御手順の一例を示すフローチャートである。
【
図7】トレイが装備されている作業台の一例を示す斜視図である。
【
図9】トレイ識別情報および物品識別情報が関連付けて記憶されている状態を模式的に示す模式図である。
【
図10】搬出されたトレイから作業者が取り出すべき物品を案内する案内例を示す模式図である。
【
図12】自動倉庫においてトレイが移載装置の側に引き出された状態の一例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
1.実施形態
図1は、物品案内システム50が適用される基板生産設備80の一例を示している。
図1に示す基板生産設備80は、対基板作業機10を備える対基板作業ライン10Lと、着荷部20と、搬送車30と、自動倉庫40とを具備している。
【0011】
1-1.対基板作業ライン10L
対基板作業ライン10Lでは、対基板作業機10が基板90に所定の対基板作業を行う。対基板作業機10の種類および数は、限定されない。
図1に示すように、実施形態の対基板作業ライン10Lは、印刷機10a、印刷検査機10b、部品装着機10c、リフロー炉10dおよび外観検査機10eの複数(5つ)の対基板作業機10を備えており、基板90は、基板搬送装置によって上記の順に搬送される。
【0012】
印刷機10aは、基板90の部品の装着位置に、はんだを印刷する。印刷検査機10bは、印刷機10aによって印刷されたはんだの印刷状態を検査する。部品装着機10cは、はんだが印刷された基板90に複数の部品を装着する。部品装着機10cは、一つであっても良く、複数であっても良い。部品装着機10cが複数設けられる場合は、複数の部品装着機10cが分担して、基板90に複数の部品を装着することができる。
【0013】
部品装着機10cは、基板90に装着される部品を供給する部品供給装置を備えている。部品供給装置は、例えば、
図2Aおよび
図2Bに示すリール21aを備えるフィーダ、
図2Cに示す部品が配列されている部品トレイ21bなどを用いて、部品を供給することができる。リール21aは、基板90に装着される部品を収容するキャリアテープ21a2がリール本体部21a1に巻回されている。リール21aは、フィーダに回転可能かつ着脱可能に設けられる。キャリアテープ21a2の先端部が、フィーダに設けられる部品取出し部まで引き出されて、部品が順次供給される。リール21aは、例えば、チップ部品などの比較的小型の部品を供給することができる。
【0014】
部品トレイ21bには、部品が配列されている。部品トレイ21bは、例えば、QFP(Quad Flat Package)、BGA(Ball Grid Array)などの比較的大型の部品を供給することができる。リフロー炉10dは、部品装着機10cによって部品が装着された基板90を加熱し、はんだを溶融させてはんだ付けを行う。外観検査機10eは、部品装着機10cによって基板90に装着された部品の装着状態などを検査する。
【0015】
このように、対基板作業ライン10Lは、複数(5つ)の対基板作業機10を用いて、基板90を順に搬送し、検査処理を含む生産処理を実行して基板製品を生産することができる。なお、対基板作業ライン10Lは、例えば、機能検査機、バッファ装置、基板供給装置、基板反転装置、シールド装着装置、接着剤塗布装置、紫外線照射装置などの対基板作業機10を必要に応じて備えることもできる。
【0016】
対基板作業ライン10Lを構成する複数(5つ)の対基板作業機10および管理装置19は、有線または無線の通信部によって、互いに通信可能に設けられている。管理装置19は、対基板作業ライン10Lを構成する複数(5つ)の対基板作業機10の制御を行い、対基板作業ライン10Lの動作状況を監視する。管理装置19には、複数(5つ)の対基板作業機10を制御する種々の制御データが記憶されている。管理装置19は、複数(5つ)の対基板作業機10の各々に制御データを送信する。また、複数(5つ)の対基板作業機10の各々は、管理装置19に動作状況および生産状況を送信する。
【0017】
1-2.着荷部20および搬送車30
例えば、物品21が着荷部20に到着すると、以下に示す着荷作業が行われる。そして、物品21は、例えば、搬送車30に搭載されて、自動倉庫40に搬送される。物品21は、自動倉庫40に保管された後、必要に応じて、対基板作業ライン10Lに供給される。
【0018】
物品21は、対基板作業機10に使用されるものであれば良く、限定されない。例えば、対基板作業ライン10Lは、印刷機10aを備えている。この場合、はんだを収容するはんだ収容器は、物品21に含まれる。また、対基板作業ライン10Lは、部品装着機10cを備えている。この場合、基板90に装着される部品を収容するキャリアテープ21a2が巻回されているリール21aは、物品21に含まれる。さらに、部品が配列されている部品トレイ21bは、物品21に含まれる。
図2Aおよび
図2Cに示すように、物品21には、物品21を識別可能な物品識別部材22が付される。物品識別部材22は、例えば、一次元コード、二次元コード、無線タグなどを用いることができる。
【0019】
具体的には、着荷部20に物品21が到着すると、作業者は、例えば、物品管理装置を用いて、物品識別部材22を発行する。また、作業者は、読み取り装置(例えば、バーコードリーダなど)を用いて、供給元(ベンダ)によって物品21に付されている識別部材23などを読み取る。そして、作業者は、物品21に関する物品情報が登録されているデータベースから、物品情報を取得することもできる。
【0020】
例えば、作業者は、物品識別部材22を物品21の表面などに貼り付けて、物品21を収容ケースに収容する。収容ケースは、既述されている物品21を収容することができれば良く、種々の形態をとり得る。収容ケースは、後述されているトレイ60であっても良い。また、収容ケースには、収容ケースを識別可能なケース識別部材が付されている。ケース識別部材は、例えば、一次元コード、二次元コード、無線タグなどを用いることができる。
【0021】
作業者は、物品21が収容された収容ケースを搬送車30に搭載する。例えば、搬送車30は、作業者が牽引することができる。搬送車30は、自動走行可能な無人搬送車を用いることもできる。なお、搬送車30は、収容ケースを用いることなく、物品21を自動倉庫40に搬送することもできる。また、搬送車30を用いることなく、作業者が物品21を自動倉庫40に搬送することもできる。さらに、上述されている作業者が行う作業の少なくとも一部は、搬送装置(例えば、ベルトコンベアなど)、アクチュエータ(例えば、ロボットアームなど)、物品管理装置などを用いて自動化することもできる。
【0022】
1-3.自動倉庫40
自動倉庫40は、物品21が入庫する場合に、物品21を収容したトレイ60を移載装置40bを用いて収納部42に搬入して収納し、物品21が出庫する場合に、移載装置40bを用いて収納部42からトレイ60を搬出して物品21を出庫することができれば良く、種々の形態をとり得る。
図3Aおよび
図3Bに示すように、実施形態の自動倉庫40は、例えば、八角柱形状に形成されている。
【0023】
図3A~
図3Cに示すように、実施形態の自動倉庫40は、入出庫部41と、収納部42と、制御装置40aと、移載装置40bと、読み取り装置40dと、表示装置40eとを備えている。入出庫部41は、開口部41aと、載置部40cとを備えており、物品21を収容したトレイ60が入出庫する。
図3Aに示すように、自動倉庫40の正面には、開口部41aが設けられている。開口部41aは、トレイ60が入庫可能または出庫可能に、トレイ60より大形に形成されている。なお、自動倉庫40は、トレイ60が入庫する開口部41aと異なる開口部に出庫口を設けることもできる。
【0024】
載置部40cは、開口部41aの近傍の作業スペースに設けられている。載置部40cは、物品21の入庫時または出庫時に物品21を収容するトレイ60を一時的に載置することができる。例えば、物品21を収容するトレイ60を搬入し載置部40cに載置する入庫作業は、作業者が行うことができる。また、載置部40cに載置されているトレイ60を搬出する出庫作業は、作業者が行うことができる。載置部40cの上方には、読み取り装置40dが設けられている。読み取り装置40dは、開口部41aを介して物品21を収容するトレイ60が入庫したときに、物品21に付されている物品識別部材22から物品識別情報を取得することができる。
【0025】
収納部42は、物品21を収容したトレイ60を収納することができる。トレイ60は、物品21を収容することができれば良く、種々の形態をとり得る。
図4に示すように、トレイ60は、複数の物品21のうちの少なくとも一つの物品21(リール21aの場合、本明細書では、第一リール21fという。)を収容可能な第一収容部61を備えることができる。また、トレイ60は、複数の物品21のうちの他の少なくとも一つの物品21(リール21aの場合、本明細書では、第二リール21sという。)を収容可能な第二収容部62を備えることができる。
【0026】
第一収容部61および第二収容部62は、種々の形態をとり得る。
図4に示すように、実施形態の第一収容部61には、第一リール21fを収容可能な第一凹部61aが形成されている。また、第二収容部62には、第二リール21sを収容可能な第二凹部62aが形成されている。リール21aは、円柱状であるので、第一凹部61aは、第一リール21fの外径より若干大径の円筒状の凹部に形成されている。第一リール21fは、第一凹部61aの第一底面61bに載置することができる。第二凹部62aは、第二リール21sの外径より若干大径の円筒状の凹部に形成されている。第二リール21sは、第二凹部62aの第二底面62bに載置することができる。
【0027】
第一リール21fおよび第二リール21sの外径(リール径)は、同じであっても良く、異なっていても良い。第一収容部61および第二収容部62は、収容するリール21aの外径(リール径)、厚み(キャリアテープ21a2の幅方向の寸法)などの外形寸法に応じて、凹部のサイズが設定される。トレイ60は、少なくとも一つの第一収容部61と、少なくとも一つの第二収容部62とを備えることができる。
図4に示すトレイ60は、一つの第一収容部61と、一つの第二収容部62とを備えている。また、トレイ60は、鉛直方向(Z軸方向)視において、長方形状の本体部60aに、一つの第一収容部61と、一つの第二収容部62とが並んで配置されている。
【0028】
一つの第一収容部61には、少なくとも一つの第一リール21fを収容することができる。また、一つの第二収容部62には、少なくとも一つの第二リール21sを収容することができる。一つの第一収容部61に収容する第一リール21fの数が増加するほど、第一収容部61に収容されている第一リール21fの取り出し作業が煩雑になる。また、一つの第一収容部61に収容する第一リール21fの数が増加するほど、第一リール21fの管理が煩雑になる。上述されていることは、第二収容部62に収容する第二リール21sについても同様に言える。
【0029】
そこで、
図4に示す実施形態のトレイ60では、一つの第一収容部61は、一つの第一リール21fを収容可能に高さ寸法が設定されている。また、一つの第二収容部62は、一つの第二リール21sを収容可能に高さ寸法が設定されている。これにより、トレイ60から所望のリール21aを取り出す取り出し作業が容易になり、リール21aの管理が容易になる。
【0030】
また、トレイ60には、トレイ60を識別可能なトレイ識別部材63が付されている。トレイ識別部材63は、例えば、一次元コード、二次元コード、無線タグなどを用いることができる。読み取り装置40dは、開口部41aを介して物品21を収容するトレイ60が入庫したときに、トレイ60に設けられているトレイ識別部材63からトレイ60を識別可能なトレイ識別情報を取得することができる。読み取り装置40dは、公知の読み取り装置(例えば、一次元コード、二次元コードを読み取るコードリーダ、無線タグと無線通信可能な無線機など)を用いることができる。
【0031】
収納部42は、物品21を収容したトレイ60を収納することができれば良く、種々の形態をとり得る。
図3Bに示すように、実施形態の収納部42は、複数の収納ユニット42uを備えている。複数の収納ユニット42uは、鉛直方向(Z軸方向)視において円状に配置されている。また、
図3Cに示すように、収納ユニット42uは、例えば、第一収納スペース42u1および第二収納スペース42u2の二種類の収納スペースを備えることができる。
【0032】
第一収納スペース42u1および第二収納スペース42u2は、鉛直方向(Z軸方向)に沿って複数設けることができる。例えば、第一収納スペース42u1は、
図4に示すトレイ60を収納可能にサイズ(幅寸法、奥行き寸法および高さ寸法)が設定されている。第二収納スペース42u2は、箱状のトレイを収納可能にサイズ(幅寸法、奥行き寸法および高さ寸法)が設定されている。
【0033】
箱状のトレイは、物品21を収容する収容位置が規定されておらず、複数の物品21をまとめて収容することができる。箱状のトレイの高さ寸法は、例えば、
図4に示すトレイ60の高さ寸法よりも大きく設定されている。なお、収納ユニット42uの数および配置は、適宜変更することができる。同様に、複数の収納ユニット42uの各々の収納スペースの数は、適宜変更することができる。また、収納スペースは、一種類であっても良く、三種類以上であっても良い。
【0034】
制御装置40aは、公知の演算装置および記憶装置を備えており、制御回路が構成されている。制御装置40aは、移載装置40b、読み取り装置40dおよび表示装置40eと通信可能に設けられており、これらを制御することができる。なお、自動倉庫40は、物品21に関する物品情報を記憶する記憶装置を備え、当該物品情報を管理装置19に通知することもできる。例えば、物品21がリール21aの場合、物品情報は、リール21aに収容されている部品の部品種、部品数(残数)、リール径、リールの厚み、型式および供給元(ベンダ)、湿度管理レベル、使用期限などを含むことができる。
【0035】
移載装置40bは、物品21が入庫する場合に、物品21を収容したトレイ60を収納部42に搬入して収納し、物品21が出庫する場合に、収納部42からトレイ60を搬出して物品21を出庫する。具体的には、移載装置40bは、入庫作業において載置部40cに載置されたトレイ60を収納部42に移動して収納する。また、移載装置40bは、収納部42に収納されているトレイ60を載置部40cに移動して、載置部40cからトレイ60を搬出する出庫作業を可能にする。
【0036】
図3Bに示すように、移載装置40bは、例えば、鉛直方向(Z軸方向)視において、複数の収納ユニット42uよりも内側に設けられ、トレイ60などを把持して移動させることができる。移載装置40bは、トレイ60などを把持して移動させることができれば良く、種々の形態をとり得る。移載装置40bは、例えば、公知のロボットアーム(多関節ロボット)、昇降スライド機構などを用いることができる。
【0037】
移載装置40bは、入庫時に開口部41aから載置部40cに搬入されたトレイ60を把持部が把持する。移載装置40bは、把持部を所定の収納スペースに移動して、把持部によるトレイ60の把持を解除する。これにより、所定の収納スペースにトレイ60が収納される。また、移載装置40bは、出庫時に所定の収納スペースに収納されているトレイ60を把持部が把持する。移載装置40bは、把持部を載置部40cに移動して、把持部によるトレイ60の把持を解除する。これにより、例えば、作業者によるトレイ60の搬出が可能になる。
【0038】
表示装置40eは、公知の表示装置を用いることができ、作業者が各種データを視認可能に表示する。表示装置40eは、例えば、収納部42に収納されている物品21に関する物品情報などを作業者の操作に応じて表示する。なお、実施形態の表示装置40eは、タッチパネルによって構成されており、表示装置40eは、作業者による種々の操作を受け付ける入力装置としても機能する。
【0039】
また、制御装置40aは、収納部42におけるトレイ60の収納位置情報、入出庫情報および保管情報を記憶装置に記憶させることができ、表示装置40eは、これらの情報を表示することもできる。収納位置情報には、トレイ60の収納場所を示す情報が含まれる。入出庫情報には、物品21の入庫日時、出庫日時および入出庫回数を示す情報が含まれる。保管情報には、収納部42の雰囲気温度および湿度のうちの少なくとも湿度に関する情報が含まれる。
【0040】
制御装置40aは、物品21の入庫時にトレイ60の位置情報および入庫日時を記憶装置に記憶させる。制御装置40aは、物品21の保管中に保管情報を記憶装置に記憶させる。制御装置40aは、物品21の出庫時に物品21の出庫日時を記憶装置に記憶させ、入出庫回数を一回、加算して記憶装置に記憶させる。
【0041】
1-4.物品案内システム50
搬出されたトレイ60に複数の物品21が収容されている場合、作業者は、トレイ60から取り出すべき物品21を認識し難い。そのため、作業者は、トレイ60に収容されている物品21が取り出すべき物品21であるか否かを一つずつ確認する必要があり、作業が煩雑になる可能性がある。
【0042】
そこで、実施形態の基板生産設備80には、物品案内システム50が設けられている。これにより、作業者は、トレイ60から取り出すべき物品21を認識することができる。具体的には、物品案内システム50は、自動倉庫40と、案内部51とを備える。物品案内システム50は、取得部52を備えることもできる。案内部51および取得部52は、種々の演算装置、制御装置、管理装置などに設けることができる。
【0043】
例えば、案内部51および取得部52のうちの少なくとも一部は、自動倉庫40から搬出されたトレイ60を装備可能な作業台70の演算装置70aに設けることができる。案内部51および取得部52のうちの少なくとも一部は、自動倉庫40の制御装置40aに設けることもできる。案内部51および取得部52のうちの少なくとも一部は、管理装置19に設けることもできる。案内部51および取得部52のうちの少なくとも一部は、クラウド上に形成することもできる。
【0044】
実施形態の物品案内システム50は、案内部51および取得部52を備えている。また、
図5に示すように、案内部51および取得部52は、作業台70の演算装置70aに設けられている。さらに、実施形態の物品案内システム50は、
図6に示すフローチャートに従って、制御を実行する。具体的には、案内部51は、ステップS14に示す処理を行う。取得部52は、ステップS13に示す処理を行う。なお、ステップS11に示す判断およびステップS12に示す処理は、後述される取得装置73が行う。
【0045】
また、既述されているように、自動倉庫40は、物品21が入庫する場合に、物品21を収容したトレイ60を移載装置40bを用いて収納部42に搬入して収納し、物品21が出庫する場合に、移載装置40bを用いて収納部42からトレイ60を搬出して物品21を出庫する。自動倉庫40は、上記のように物品21を入出庫することができれば良く、種々の形態をとり得る。物品21は、基板90に所定の対基板作業を行う対基板作業機10に使用されるものであれば良く、限定されない。なお、本明細書において記載されている事項は、適宜、取捨選択して適用することができる。また、本明細書において記載されている事項は、適宜、組み合わせることができる。
【0046】
案内部51は、トレイ60が搬出された場合に、搬出されたトレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内する(
図6に示すステップS14)。案内部51は、上記の案内をすることができれば良く、種々の形態をとり得る。例えば、案内部51は、自動倉庫40から搬出されたトレイ60が作業台70の所定位置に装備された場合に、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができる。
【0047】
図1および
図7に示すように、基板生産設備80には、作業台70が設けられている。例えば、作業者は、自動倉庫40から搬出されたトレイ60を作業台70の所定位置に装備(セット)して、トレイ60から物品21を取り出し、取り出した物品21を対基板作業ライン10Lに供給する準備作業を行うことができる。しかしながら、作業台70においてトレイ60を装備可能な方向が複数存在すると、案内部51が作業者に正しい案内をできない可能性がある。
【0048】
例えば、
図7に示すトレイ60を180度回転した状態で作業台70に装備可能な場合を想定する。この場合、回転前の
図7に示すトレイ60では、第一収容部61は、紙面左側に配置されているが、回転後のトレイ60では、第一収容部61は、紙面右側に配置される。同様に、
図7に示す回転前のトレイ60では、第二収容部62は、紙面右側に配置されているが、回転後のトレイ60では、第二収容部62は、紙面左側に配置される。そのため、案内部51が案内する物品21と、作業者が認識する物品21とが相違する可能性がある。
【0049】
そこで、
図4および
図7に示すように、トレイ60は、外縁部の一部が切り欠けられている欠損部60sを備えると良い。また、
図7に示すように、作業台70は、ガイド部材71を備えると良い。ガイド部材71は、欠損部60sに対応する形状に形成されている部材であって、トレイ60が正規の方向で装備されるように案内する。例えば、
図7に示すようにトレイ60が配置される場合に、トレイ60は、正規の方向で装備されるものとする。
【0050】
トレイ60は、例えば、長方形状の本体部60aの一つの角部に欠損部60sを備えている。実施形態の欠損部60sは、第一収容部61の側の二つの角部のうち、トレイ識別部材63に近い角部に形成されている。作業台70は、当該欠損部60sに対応するガイド部材71を備えている。具体的には、ガイド部材71は、作業台70から鉛直方向(Z軸方向)の上方に突出している部位であって、当接部71aと、短辺側支持部71bと、長辺側支持部71cとを備えている。
【0051】
当接部71aは、欠損部60sが当接可能に板状に形成されている。短辺側支持部71bは、長方形状の本体部60aの第一収容部61の側の短辺を支持可能に板状に形成されている。長辺側支持部71cは、長方形状の本体部60aのトレイ識別部材63に近い長辺を支持可能に板状に形成されている。実施形態のガイド部材71では、当接部71aの一端が短辺側支持部71bと接続されており、当接部71aの他端が長辺側支持部71cと接続されている。
【0052】
また、作業台70は、長方形状の本体部60aの他の角部(例えば、第二収容部62の側の角部)にサポート部材72を備えることができる。サポート部材72は、作業台70から鉛直方向(Z軸方向)の上方に突出している部位であって、短辺側支持部72aと、長辺側支持部72bとを備えている。短辺側支持部72aは、長方形状の本体部60aの第二収容部62の側の短辺を支持可能に板状に形成されている。長辺側支持部72bは、長方形状の本体部60aのトレイ識別部材63に近い長辺を支持可能に板状に形成されている。実施形態のサポート部材72では、上記の角部において短辺側支持部72aと、長辺側支持部72bとが接続されている。
【0053】
このように、作業台70にガイド部材71が設けられている場合、作業者は、トレイ60を正規の方向で装備し易くなる。なお、トレイ60は、複数の欠損部60sを備えることもできる。この場合、作業台70は、複数の欠損部60sの各々に対応するガイド部材71を備えることができる。例えば、欠損部60sは、長方形状の本体部60aの第二収容部62の側の二つの角部のうち、トレイ識別部材63に近い角部に形成することもできる。この場合、作業台70は、
図7に示すサポート部材72の代わりに、当該欠損部60sに対応するガイド部材71を備えることができる。
【0054】
図7および
図8に示すように、作業台70は、取得装置73を備えることができる。取得装置73は、トレイ60が装備された場合に、トレイ60に設けられているトレイ識別部材63からトレイ60を識別可能なトレイ識別情報を取得する(
図6に示すステップS11およびステップS12)。取得装置73は、トレイ60が装備された場合(ステップS11でYesの場合)に、トレイ識別情報を取得することができれば良く、種々の形態をとり得る。
図8に示すように、例えば、取得装置73は、固定部材73fに取り付けられている。
【0055】
固定部材73fは、略L字形状に形成されており、作業台70から鉛直方向(Z軸方向)の上方に突出し、先端部がトレイ60の側に向かって突出している。取得装置73は、固定部材73fの先端部において、鉛直方向(Z軸方向)の下向きに取り付けられている。これにより、トレイ60が作業台70の所定位置に装備された場合(ステップS11でYesの場合)に、取得装置73は、トレイ60のトレイ識別部材63と対向し、トレイ識別部材63からトレイ識別情報を取得することができる。
【0056】
取得部52は、取得装置73によって取得されたトレイ識別情報に関連付けて記憶されている物品21の物品識別情報を記憶装置50sから取得することができる(
図6に示すステップS13)。記憶装置50sは、トレイ60に収容されている物品21を識別可能な物品識別情報とトレイ識別情報とを関連付けて記憶する。記憶装置50sは、上記の情報を記憶することができれば良く、公知の記憶装置、データベースなどを用いることができる。また、記憶装置50sは、自動倉庫40に設けることもでき、管理装置19などの上位のシステムに設けることもできる。さらに、記憶装置50sは、クラウド上に形成することもできる。
【0057】
既述されているように、自動倉庫40の載置部40cの上方には、読み取り装置40dが設けられている。読み取り装置40dは、開口部41aを介して物品21を収容するトレイ60が入庫したときに、トレイ60に設けられているトレイ識別部材63からトレイ識別情報を取得することができる。また、読み取り装置40dは、開口部41aを介して物品21を収容するトレイ60が入庫したときに、物品21に付されている物品識別部材22から物品識別情報を取得することができる。
【0058】
記憶装置50sは、読み取り装置40dによって取得されたトレイ識別情報と物品識別情報とを関連付けて記憶する。なお、トレイ識別情報および物品識別情報は、自動倉庫40の外部において取得することもできる。例えば、作業者は、読み取り装置を用いて、トレイ60に設けられているトレイ識別部材63からトレイ識別情報を取得することができ、トレイ60に収容されている物品21に付されている物品識別部材22から物品識別情報を取得することができる。この場合も、記憶装置50sは、トレイ識別情報と物品識別情報とを関連付けて記憶することができる。
【0059】
図9は、トレイ識別情報および物品識別情報が関連付けて記憶されている状態を模式的に示している。具体的には、トレイ識別情報TID1によって識別されるトレイ60には、物品識別情報DID1および物品識別情報DID2によって識別される複数(2つ)の物品21が収容されていることが関連付けられている。また、物品識別情報DID1によって識別される物品21は、収容物情報P1で示される収容物を供給可能であることを示している。同様に、物品識別情報DID2によって識別される物品21は、収容物情報P2で示される収容物を供給可能であることを示している。
【0060】
また、
図4および
図7に示すように、トレイ60は、鉛直方向(Z軸方向)視において、物品21を収容可能な複数(同図では、2つ)の収容領域60rを備えている。例えば、物品識別情報DID1によって識別される物品21は、複数(2つ)の収容領域60rのうちの一つを示す収容領域情報R1によって特定される収容位置に収容されていることが関連付けられている。同様に、物品識別情報DID2によって識別される物品21は、収容領域情報R2によって特定される収容位置に収容されていることが関連付けられている。
【0061】
取得部52は、記憶装置50sに記憶されている上記の情報を参照して、取得装置73によって取得されたトレイ識別情報に関連付けて記憶されている物品21の物品識別情報を取得することができる。そして、案内部51は、取得部52によって取得された物品21の物品識別情報に基づいて、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができる。
【0062】
例えば、案内部51は、物品識別情報DID1によって識別される物品21を案内する場合に、収容物情報P1および収容領域情報R1を用いて、物品21を案内することができる。同様に、案内部51は、物品識別情報DID2によって識別される物品21を案内する場合に、収容物情報P2および収容領域情報R2を用いて、物品21を案内することができる。
【0063】
案内部51は、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができれば良く、案内方法は、限定されない。例えば、案内部51は、表示装置74による表示、音声案内、表示灯の点灯の有無、レーザ光線の照射などによって、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができる。表示装置74は、公知の表示装置、携帯端末機などを用いることができる。実施形態の表示装置74は、例えば、演算装置70aと共に、作業台70に設けられている。
【0064】
案内部51は、トレイ60に収容されている物品21を模擬した画像PC0を表示して、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することもできる。
図10は、表示装置74に表示される画像PC0の一例を示している。
図10に示す画像PC0では、
図4に示すトレイ60が略長方形状の図形で模擬されている。また、画像PC0では、当該トレイ60に収容されているリール21aが円形状の図形で模擬されている。案内部51は、例えば、第二リール21sを案内する場合、紙面右側の円形状の図形を強調表示する。例えば、案内部51は、紙面右側の円形状の図形を作業者に注意喚起可能な表示色(例えば、黄色、赤色など)で表示する。案内部51は、テキスト表示による案内、音声案内などを併用することもできる。
【0065】
また、
図4に示すトレイ60は、鉛直方向(Z軸方向)視において物品21を収容可能な複数(同図では、2つ)の収容領域60rを備えている。具体的には、
図4に示すトレイ60では、複数(2つ)の収容領域60rは、第一収容部61と第二収容部62である。この場合、案内部51は、複数(2つ)の収容領域60rのうちの少なくとも一つであって、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21が収容されている対象領域60tの位置を案内することができる。
【0066】
例えば、案内部51が第二リール21sを案内する場合を想定する。第二リール21sは、第二収容部62に収容されている。よって、対象領域60tは、トレイ60における第二収容部62の位置(
図10に示す画像PC0では、紙面右側の円形状の図形の位置)に相当する。この場合、案内部51は、対象領域60tである第二収容部62の位置(
図10の紙面右側の円形状の図形の位置)を案内する。
【0067】
また、トレイ60は、複数の収容領域60rの各々において、複数の物品21を積載して収容することもできる。この場合、案内部51は、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21が対象領域60tにおいて積載されている位置を案内することができる。例えば、案内部51は、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21が、対象領域60tに積載されている複数の物品21のうち、上から何番目の物品21であるかを案内することができる。
【0068】
なお、複数の収容領域60rの各々において積載されている最上部の物品21は、物品識別部材22を認識し易いが、当該物品21よりも下部に積載されている物品21は、物品識別部材22を認識することが困難な場合が多い。そのため、例えば、自動倉庫40は、物品21の入出庫が一定時間生じないアイドリング時に、収納部42に収納されているトレイ60を載置部40cに移動して、トレイ60に収容されている物品21の位置を確認することができる。
【0069】
具体的には、自動倉庫40は、例えば、ロボットアームなどによって、積載されている物品21を順に把持して、読み取り装置40dを用いて、物品21に付されている物品識別部材22を読み取り、物品識別情報を取得することができる。これにより、自動倉庫40は、複数(
図4に示すトレイ60では、2つ)の収容領域60rの各々において積載されている物品21の鉛直方向(Z軸方向)の位置(積載順序)を認識することができる。また、記憶装置50sは、複数(
図4に示すトレイ60では、2つ)の収容領域60rの各々において積載されている物品21の鉛直方向(Z軸方向)の位置(積載順序)と共に、物品識別情報をトレイ識別情報と関連付けて記憶することができる。
【0070】
案内部51は、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21に関する物品情報を案内することもできる。物品情報は、物品21に関する情報であれば良く、限定されない。例えば、物品情報には、作業者がトレイ60から取り出すべき物品21の搬送先、搬送の緊急度などに関する情報が含まれる。例えば、当該物品21を使用予定の対基板作業機10、生産ラインなどは、搬送先に含まれる。また、例えば、物品21がリール21aの場合、搬送の緊急度は、部品切れによる搬送、段取り替えのための搬送の順に低くなる。なお、既述されているように、物品21がリール21aの場合、物品情報は、リール21aに収容されている部品の部品種、部品数(残数)、リール径、リールの厚み、型式および供給元(ベンダ)、湿度管理レベル、使用期限などを含むこともできる。
【0071】
案内部51は、トレイ60が収納部42から搬出され載置部40cに載置されて出庫可能になった場合に、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することもできる。この場合も、案内部51は、作業台70の場合と同様にして、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができる。例えば、案内部51は、自動倉庫40の表示装置40eを用いて、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することができる。また、案内部51は、自動倉庫40において音声案内することもできる。
【0072】
さらに、案内部51は、
図11に示す照射装置40fを用いて、レーザ光線などをトレイ60に収容されている物品21に照射して、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することもできる。また、案内部51は、載置部40cに表示灯を設けて、表示灯の点灯の有無によって、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することもできる。
【0073】
1-5.その他
実施形態の取得装置73は、トレイ60が装備された場合に、トレイ60に設けられているトレイ識別部材63からトレイ識別情報を取得する。取得装置73は、トレイ60が装備された場合に、トレイ60に収容されている物品21に付されている物品識別部材22から物品識別情報を取得することもできる。
【0074】
例えば、取得装置73は、トレイ60に収容されている物品21の鉛直方向(Z軸方向)の上方に移動して、物品識別情報を取得することができる。また、作業台70は、トレイ60に収容されている物品21の鉛直方向(Z軸方向)の上方に取得装置73を備えることもできる。取得装置73が物品識別情報を取得する場合、案内部51は、取得装置73によって取得された物品21の物品識別情報に基づいて、トレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内することもできる。
【0075】
また、欠損部60sの数、位置および切り欠きの角度は、任意に設定することができる。例えば、
図3Bに示すように、複数の収納ユニット42uは、鉛直方向(Z軸方向)視において円状に配置されている。この形態では、円状に配置される複数の収納ユニット42uが中心側に配置されるほど、トレイ60が収納ユニット42uに収納されるときに、隣接するトレイ60と干渉する可能性が高くなる。そこで、
図12に示すように、トレイ60は、長方形状の本体部60aの四つの角部のうち、複数の収納ユニット42uの中心側の二つの角部に欠損部60sを備えると良い。
【0076】
この場合、二つの欠損部60sは、隣接するトレイ60の引き出し方向に沿って当該2つの角部が切断されたように形成することができる。つまり、一つの欠損部60sの端面は、隣接する一つのトレイ60の引き出し方向に沿って設けることができる。他の一つの欠損部60sの端面は、隣接する他の一つのトレイ60の引き出し方向に沿って設けることができる。これにより、トレイ60を収納ユニット42uに収納する際の隣接するトレイ60との干渉が抑制される。
【0077】
2.実施形態の効果の一例
物品案内システム50によれば、案内部51は、搬出されたトレイ60から作業者が取り出すべき物品21を案内する。よって、作業者は、トレイ60から取り出すべき物品21を認識することができる。
【符号の説明】
【0078】
10:対基板作業機、21:物品、40:自動倉庫、40b:移載装置、
40c:載置部、42:収納部、50:物品案内システム、50s:記憶装置、
51:案内部、52:取得部、60:トレイ、60r:収容領域、60s:欠損部、
60t:対象領域、63:トレイ識別部材、70:作業台、71:ガイド部材、
73:取得装置、90:基板、PC0:画像。