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特開2024-164360放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164360
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20241120BHJP
【FI】
A61B6/00 300Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079776
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼宮 貴一
(72)【発明者】
【氏名】小枝 敬輔
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA03
4C093CA16
4C093EB12
4C093EB13
4C093EE14
4C093FA43
4C093FA59
4C093FB11
4C093FB20
(57)【要約】
【課題】放射線画像撮影装置において、外部機器からの給電を含む給電経路を最適化し、蓄電デバイス交換の手間、蓄電デバイスの消耗及び充電残量切れを抑制する。
【解決手段】FPDカセッテの制御部は、コネクターにより外部機器と接続され、かつ、放射線画像撮影部による撮影中の場合は、外部機器から供給された電力を放射線画像撮影部に供給し、コネクターにより外部機器と接続され、かつ、放射線画像撮影部による撮影中でない場合は、外部機器から供給された電力を内蔵蓄電デバイス又は蓄電デバイス装着部に装着された外付け蓄電デバイスに供給するよう制御する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線画像を撮影する放射線画像撮影部と、
前記放射線画像撮影部に電力を供給する内蔵蓄電デバイスと、
前記放射線画像撮影部に電力を供給する外付け蓄電デバイスが着脱自在に装着される装着部と、
外部機器と電気的に接続可能な接続部と、
前記接続部により前記外部機器と接続され、かつ、前記放射線画像撮影部による撮影中の場合は、前記外部機器から供給された電力を前記放射線画像撮影部に供給し、前記接続部により前記外部機器と接続され、かつ、前記放射線画像撮影部による撮影中でない場合は、前記外部機器から供給された電力を前記内蔵蓄電デバイス又は前記装着部に装着された前記外付け蓄電デバイスに供給するよう制御する制御部と、
を備える放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続され、かつ、前記放射線画像撮影部による撮影中でない場合は、前記外部機器から供給された電力を前記内蔵蓄電デバイスに優先的に供給し、前記内蔵蓄電デバイスの充電残量が所定値以上の場合に、前記外部機器から供給された電力を前記外付け蓄電デバイスに供給するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記内蔵蓄電デバイスは、リチウムイオンキャパシターであり、前記外付け蓄電デバイスは、リチウムイオンバッテリーである、請求項1又は2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続されていない場合は、前記内蔵蓄電デバイス又は前記装着部に装着された前記外付け蓄電デバイスから、前記放射線画像撮影部に電力を供給するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続されていない場合、かつ、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着されている場合、前記内蔵蓄電デバイスから前記放射線画像撮影部に優先的に電力を供給するよう制御する、請求項4に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続されていない場合であって、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着され、前記放射線画像撮影部による撮影中でなく、かつ、前記内蔵蓄電デバイスの充電残量が所定値に満たない場合に、前記外付け蓄電デバイスから前記内蔵蓄電デバイスに電力を供給するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続されていない場合であって、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着され、かつ、動画撮影モードで前記放射線画像撮影部が動作中の場合は、前記外付け蓄電デバイスから前記放射線画像撮影部に優先的に電力を供給するよう制御する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記接続部により前記外部機器と接続されていない場合であって、かつ、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着されていない場合は、動画撮影モードで前記放射線画像撮影部が動作することを禁止する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記放射線画像撮影装置の筐体に設けられた表示部に、前記内蔵蓄電デバイス及び/又は前記外付け蓄電デバイスの充電残量を表示する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着されていない場合、前記放射線画像撮影装置の筐体に設けられた表示部に、前記外付け蓄電デバイスが装着されていないことを表示する、請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項11】
請求項1に記載の放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置の状態を示す情報を受信するコンソールと、
を備える放射線画像撮影システム。
【請求項12】
前記コンソールは、前記外付け蓄電デバイスと前記内蔵蓄電デバイスの充電残量が所定値以下である場合、その旨を前記コンソールの表示部に表示する、請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項13】
前記コンソールは、前記外付け蓄電デバイスと前記内蔵蓄電デバイスの充電残量に応じた撮影可能枚数及び/又は撮影可能時間を前記コンソールの表示部に表示する、請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項14】
前記コンソールは、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着されていない場合、その旨を前記コンソールの表示部に表示する、請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【請求項15】
前記コンソールは、前記装着部に前記外付け蓄電デバイスが装着されていない場合、ユーザーによる動画撮影モードの選択操作を禁止する、請求項11に記載の放射線画像撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置及び放射線画像撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線源から照射され、被写体を透過した放射線を放射線検出素子により検出して放射線画像を撮影する放射線画像撮影装置(FPD:Flat Panel Detector)が知られている。放射線画像撮影装置は、従来は撮影台等と一体的に構成されていたが、近年、放射線検出素子等を筐体内に収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている。
【0003】
可搬型の放射線画像撮影装置は、内蔵バッテリー等の内蔵蓄電デバイスを有するものが一般的であるが、内蔵蓄電デバイスの充電残量が切れると撮影ができなくなってしまう。また、近年、動画撮影対応の可搬型の放射線画像撮影装置の開発が進んでいるが、動画撮影は静止画撮影と比べて消費電力が大きいため、充電残量切れとなりやすい。
【0004】
そこで、例えば、特許文献1には、バッテリーユニットを装着可能な2つのバッテリー装着部を有し、着脱可能なバッテリーを装着交換しながら運用することが可能な放射線画像検出装置が記載されている。この放射線画像検出装置では、バッテリーの装着状況及び充電残量の条件により給電経路を切り替えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-63341号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の放射線画像検出装置は、着脱可能なバッテリーユニット2個を適宜交換しながら使用する構成であり、クレードルや回診車等の給電可能な外部機器からFPDに給電することができない。そのため、バッテリー管理が煩雑であり、バッテリー交換の手間がかかる、バッテリーの消耗が激しい、バッテリー切れが発生しやすい等の問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置において、外部機器からの給電を含む給電経路を最適化し、蓄電デバイス交換の手間、蓄電デバイスの消耗及び充電残量切れを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の放射線画像撮影装置は、
放射線画像を撮影する放射線画像撮影部と、
前記放射線画像撮影部に電力を供給する内蔵蓄電デバイスと、
前記放射線画像撮影部に電力を供給する外付け蓄電デバイスが着脱自在に装着される装着部と、
外部機器と電気的に接続可能な接続部と、
前記接続部により前記外部機器と接続され、かつ、前記放射線画像撮影部による撮影中の場合は、前記外部機器から供給された電力を前記放射線画像撮影部に供給し、前記接続部により前記外部機器と接続され、かつ、前記放射線画像撮影部による撮影中でない場合は、前記外部機器から供給された電力を前記内蔵蓄電デバイス又は前記装着部に装着された前記外付け蓄電デバイスに供給するよう制御する制御部と、
を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、放射線画像撮影装置において、外部機器からの給電を含む給電経路を最適化し、蓄電デバイス交換の手間、蓄電デバイスの消耗及び充電残量切れを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】放射線画像撮影システムの全体構成例を示す図である。
図2】コンソールの機能的構成を示すブロック図である。
図3A】FPDカセッテの外観を示す斜視図である。
図3B】蓄電デバイス装着部を筐体の背面に設けたFPDカセッテを示す図である。
図4】FPDカセッテの機能的構成を示すブロック図である。
図5】FPDカセッテにおける給電経路を示すブロック図である。
図6】FPDカセッテの制御部により実行される給電制御処理の流れを示すフローチャートである。
図7】FPDカセッテの制御部により実行される表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
図8】(a)は、FPDカセッテに外付け蓄電デバイスが装着されている場合の、撮影可能枚数及び充電残量の表示例を示す図、(b)は、FPDカセッテに外付け蓄電デバイスが装着されていない場合の、エラーマークの表示例を示す図である。
図9】FPDカセッテの充電残量表示の一例を示す図である。
図10】コンソールにおける、FPDカセッテの撮影可能枚数及び撮影可能時間の表示例を示す図である。
図11】コンソールにおける、FPDカセッテに外付け蓄電デバイスが装着されていないことを示すメッセージの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されている。そのため、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0012】
(放射線画像撮影システム100の構成)
まず、本実施形態における放射線画像撮影システム100の構成について説明する。
図1は、本実施形態における放射線画像撮影システム100の全体構成例を示す図である。図1に示すように、放射線画像撮影システム100は、コンソール1と、放射線源2と、FPD(Flat Panel Detector)カセッテ3(放射線画像撮影装置)と、を備えて構成されている。なお、図1においては、コンソール1が移動可能な回診車と一体的に構成された例を示しているが、これに限定されない。
【0013】
コンソール1は、ユーザーによる撮影メニュー130a(図10図11参照)の選択等の操作を受け付け、ユーザー操作に基づいて放射線画像撮影システム100における撮影を制御する。また、コンソール1は、放射線源2やFPDカセッテ3の状態を示す情報を取得して表示部103に表示する。
図2は、コンソール1の機能的構成を示すブロック図である。コンソール1は、図2に示すように、制御部101、操作部102、表示部103、記憶部104、通信部105、駆動部106、バッテリー107、コネクター108、給電部109等を備えて構成されている。
【0014】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部101のCPUは、操作部102の入力に応じて、記憶部104に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0015】
操作部102は、表示部103の表面を覆うように透明電極を格子状に配置したタッチパネル等を有し、手指やタッチペン等で押下された位置を検出し、その位置情報を操作情報として制御部101に入力する。
また、操作部102は、ユーザーが放射線の曝射開始を指示するための曝射スイッチ102aを備える。
【0016】
表示部103は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部101から入力される表示信号の指示に従って、表示を行う。
【0017】
記憶部104は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部104は、制御部101で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
また、記憶部104には、図示しないRIS(Radiology Information System)等から受信した検査オーダー情報、撮影された放射線画像等が記憶される。
【0018】
通信部105は、FPDカセッテ3を始めとする外部装置と有線通信又は無線通信によりデータの送受信を行う。
【0019】
駆動部106は、放射線源2の管球駆動を行う回路である。駆動部106と放射線源2とはケーブルを介して接続されている。
【0020】
バッテリー107は、コンソール1の各部及び放射線源2へ電力を供給する。バッテリー107は、ACケーブル111を介して外部から充電することが可能である。
【0021】
コネクター108は、例えば、ケーブル等を介してFPDカセッテ3のコネクター308と電気的に接続する。
【0022】
給電部109は、制御部101からの制御に基づいて、バッテリー107から供給される電力により、コネクター108を介して接続されたFPDカセッテ3に電力を供給する。
【0023】
放射線源2は、駆動部106により駆動され、被写体Hに対し放射線(X線)を照射する。
【0024】
FPDカセッテ3は、静止画撮影及び動画撮影に対応した、可搬型の放射線画像撮影装置である。静止画撮影とは、1回の撮影操作(曝射スイッチ102aの押下)に応じて一枚の被写体の画像を取得することをいう。動画撮影とは、1回の撮影操作に応じて、被写体に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、もしくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被写体の複数の画像を取得することをいう。
FPDカセッテ3は、図1に示すように、被写体Hを挟んで放射線源2に対向する位置に配置され、放射線源2から照射され、被写体Hを透過した放射線に応じた電荷を発生させ、発生した電荷を画像データとして読み出す。
【0025】
図3Aは、FPDカセッテ3の外観構成を示す斜視図である。図4は、FPDカセッテ3の機能的構成を示すブロック図である。
図3A図4に示すように、FPDカセッテ3は、制御部301、記憶部302、表示部303、放射線画像撮影部304、通信部305、内蔵蓄電デバイス306、蓄電デバイス装着部307、コネクター308、切り替えSW309等を備えて構成されている。
【0026】
制御部301は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部301のCPUは、記憶部302に記憶されている各種プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従ってFPDカセッテ3の各部を集中制御する。
【0027】
記憶部302は、不揮発性の半導体メモリー等により構成される。記憶部302は、制御部301で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、或いは処理結果等のデータを記憶する。
また、記憶部302は、撮影された放射線画像を一時的に保存する。
【0028】
表示部303は、制御部301からの制御に従って各種情報を表示する。表示部303は、例えば、図3Aに示すように、FPDカセッテ3の筐体31の側面に設けられている。
【0029】
放射線画像撮影部304は、例えば、ガラス基板上に二次元状に配列された放射線検出素子を備える。放射線検出素子は、フォトダイオード等の半導体イメージセンサーにより構成される。放射線検出素子は、放射線源2から照射されて少なくとも被写体Hを透過した放射線をその強度に応じて検出し、検出した放射線を電気信号に変換して蓄積する。各放射線検出素子には、例えばTFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング部が接続されており、スイッチング部により電気信号の蓄積及び読み出しが制御され、画像データが取得される。なお、FPDには、放射線をシンチレータを介して光電変換素子により電気信号に変換する間接変換型と放射線を直接的に電気信号に変換する直接変換型があるが、何れを用いてもよい。
【0030】
通信部305は、図示しないアンテナ又はコネクター308を介して無線方式又は有線方式により、コンソール1等とデータの送受信を行う。
【0031】
内蔵蓄電デバイス306は、切り替えSW309を介して供給された電力を蓄積(充電)し、放射線画像撮影部304を始めとする各部に電力を供給する。内蔵蓄電デバイス306としては、例えば、鉛蓄電池、Ni-Cd蓄電池、Ni-MI電池、LIB(リチウムイオンバッテリー)、Li-Po二次電池、Na-ion電池、電気二重層キャパシター、LIC(リチウムイオンキャパシター)等を用いることができる。中でもLICは、急速充放電が可能であり、耐久性及び安全性が高く、かつ軽量である。そのため、内蔵蓄電デバイス306としては、LICを用いることが好ましい。本実施形態では、内蔵蓄電デバイス306がLICであることとして説明する。
【0032】
蓄電デバイス装着部307は、外付け蓄電デバイス4が着脱可能に構成され、装着された外付け蓄電デバイス4を電気的に接続する。蓄電デバイス装着部307は、例えば、図3Aに示すように、FPDカセッテ3の筐体31の側面に設けられている。または、蓄電デバイス装着部307は、図3Bに示すように、FPDカセッテ3の筐体31の背面に、板状の外付け蓄電デバイス4を収納可能なくぼみを備えて構成されていてもよい。このように構成することで、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4を装着した際に、筐体31の背面をほぼ平らにすることができる。また、外付け蓄電デバイス4をFPDカセッテ3に装着することによるFPDカセッテ3のトータル容量の増加を防止できる。なお、筐体31の側面と背面の双方に蓄電デバイス装着部307が設けられていてもよい。
蓄電デバイス装着部307は、外付け蓄電デバイス4が装着されたか否かを検知する図示しない検知部を備えている。検知部としては、例えば、フォトセンサーやマイクロスイッチ等を用いることができる。
【0033】
なお、蓄電デバイス装着部307は、装着された外付け蓄電デバイス4を固定するためのロック機構を備えることとしてもよい。これにより、撮影中に外付け蓄電デバイス4が外れることを防止することができる。また、蓄電デバイス装着部307は、防水機構を備えることとしてもよい。これにより、FPDカセッテ3の使用中や消毒時の蓄電デバイス装着部307からの液体浸入を防止することができる。
【0034】
また、蓄電デバイス装着部307には、蓄電及び給電以外の機能(拡張機能)を有するデバイス(拡張デバイス)を装着可能としてもよい。例えば、蓄電デバイス装着部307に何も装着されていないと、蓄電デバイス装着部307のくぼみに髪の毛等のゴミが挟まる場合がある。そこで、軽量性を重視して外付け蓄電デバイス4を使用しないユーザー向けに、例えば筐体のみで中身のないダミーの蓄電デバイスを装着可能としてもよい。または、拡張デバイスとして、FPDカセッテ3の情報を表示するための小型のディスプレイを蓄電デバイス装着部307に装着可能としてもよい。
【0035】
蓄電デバイス装着部307に装着された外付け蓄電デバイス4は、切り替えSW309を介して供給された電力を蓄積(充電)し、放射線画像撮影部304を始めとする各部に電力を供給する。外付け蓄電デバイス4としては、鉛蓄電池、Ni-Cd蓄電池、Ni-MI電池、LIB、Li-Po二次電池、Na-ion電池、電気二重層キャパシター、LIC等を用いることができる。中でもLIBは、他の蓄電池と比較して大容量である。そのため、外付け蓄電デバイス4としては、LIBを用いることが好ましい。本実施形態では、外付け蓄電デバイス4がLIBであることとして説明する。
【0036】
外付け蓄電デバイス4には、FPDカセッテ3とは異なる色が付されていたり、FPDカセッテ3とは異なるコーティング(表面処理)が施されていたり、目印となるマークが付与されていたりすることが好ましい。これにより、外付け蓄電デバイス4がFPDカセッテ3に装着されているか否かを視覚や触覚によりユーザーが容易に認識することができる。また、外付け蓄電デバイス4の種類ごとに、色、コーティング、目印をわけることとしてもよい。これにより、FPDカセッテ3にどの種類の外付け蓄電デバイス4が装着されているのかをユーザーが容易に識別可能となる。
【0037】
コネクター308は、例えば、外部機器5のコネクターと直接又はケーブルを介して接続することで、外部機器5と電気的に接続することが可能な接続部である。外部機器5は、例えば、回診車、撮影台、クレードル等の、FPDカセッテ3に給電可能な外部機器である。本実施形態では、回診車はコンソール1と一体的に構成されている。
【0038】
切り替えSW(Switch)309は、制御部301からの制御に従って、給電経路を切り替える(図5参照)。
【0039】
(放射線画像撮影システム100の動作)
次に、放射線画像撮影システム100の動作について説明する。
放射線撮影にあたり、ユーザーである撮影実施者は、例えば、コンソール1において撮影対象の患者(被写体H)の撮影画面130を表示部103に表示させ(図10図11参照)、操作部102の操作により撮影メニュー130aを選択する。撮影メニュー130aには、例えば、撮影モード(静止画撮影モード/動画撮影モード)や撮影部位、撮影方向等が含まれる。動画撮影モードには、被写体Hの撮影部位の動態を動画撮影する動態撮影モードや、被写体Hの撮影部位を透視撮影する透視撮影モードが含まれる。また、ユーザーは、被写体H、放射線源2、FPDカセッテ3のポジショニングを行う。
【0040】
コンソール1において、操作部102の操作により撮影メニュー130aが選択されると、制御部101は、選択された撮影メニュー130aでの放射線照射条件を駆動部106に設定する。また、制御部101は、選択された撮影メニュー130aに応じた画像読取条件を通信部105によりFPDカセッテ3に送信する。
【0041】
撮影準備が完了すると、ユーザーは、曝射スイッチ102aの第1スイッチを押下し、続いて第2スイッチを押下する。
曝射スイッチ102aの第1スイッチが押下されると、制御部101は、駆動部106により放射線源2のX線管球の陽極の回転を開始させる等して、放射線源2をスタンバイ状態とさせる。また、制御部101は、通信部105によりFPDカセッテ3に第1スイッチの押下通知信号を送信する。FPDカセッテ3の制御部301は、通信部305により第1スイッチの押下通知信号を受信すると、放射線画像撮影部304において放射線検出素子に残存する電荷を放射線検出素子内から除去するリセット処理を開始させる。リセット処理が終了すると、制御部301は、通信部305によりコンソール1にリセット処理の完了を通知する。
曝射スイッチ102aの第2スイッチが押下され、リセット処理の完了通知を受信すると、制御部101は、設定された放射線照射条件に基づいて駆動部106により放射線源2を駆動して放射線照射を行わせる。FPDカセッテ3の制御部301は、リセット処理の完了を通知すると、受信した画像読取条件に基づいて放射線画像撮影部304により放射線の蓄積及び画像の読み取りを行わせ、放射線画像(本画像)を撮影する。また、一連の放射線画像の撮影後、制御部301は、放射線画像撮影部304に放射線が照射されていない状態で放射線検出素子内に電荷を蓄積及び読み取りを行わせ、画像(暗画像)を撮影する。そして、制御部301は、放射線画像に対し、暗画像を用いたオフセット補正処理を始めとする各種補正処理を施し、補正済みの放射線画像を通信部305によりコンソール1に送信する。
【0042】
コンソール1は、FPDカセッテ3から受信した放射線画像に画像処理を施して表示部103に表示する。
【0043】
以上が放射線画像撮影システム100における大まかな撮影の流れである。
ここで、上述のように、放射線画像撮影システム100では、動画撮影モードでの撮影が可能である。しかし、動画撮影は静止画撮影に比べて消費電力が大きいため、撮影の途中で内蔵蓄電デバイス306や装着された外付け蓄電デバイス4の残量(充電残量)が切れてしまい、途中で撮影ができなくなってしまうことが考えられる。
そこで、FPDカセッテ3では、外部機器5からの給電を含む給電経路を最適化し、蓄電デバイス交換の手間、蓄電デバイスの消耗及び充電残量不足を抑制できるようにする。
【0044】
図5は、FPDカセッテ3における給電経路を示すブロック図である。
図5に示すように、FPDカセッテ3においては、制御部301の制御に基づいて切り替えSW309が給電経路を切り替えている。本実施形態では、切り替えSW309は、制御部301の制御に基づいて、外部機器5から供給された電力を放射線画像撮影部304、内蔵蓄電デバイス306、又は外付け蓄電デバイス4のいずれかに供給するように切り替える。また、切り替えSW309は、制御部301の制御に基づいて、外付け蓄電デバイス4の電力を放射線画像撮影部304又は内蔵蓄電デバイス306のいずれかに供給するように切り替える。また、切り替えSW309は、制御部301の制御に基づいて、内蔵蓄電デバイス306の電力を放射線画像撮影部304に供給するように切り替える。内蔵蓄電デバイス306の電力を外付け蓄電デバイス4に供給するように切り替えてもよい。
【0045】
制御部301は、FPDカセッテ3の図示しない電源スイッチがONである間、図6に示す給電制御処理を実行することにより、外部機器5の接続状況、外付け蓄電デバイス4の装着状況、及び撮影状況等に応じて、切り替えSW309による給電経路の切り替えを制御する。図6に示す給電制御処理は、制御部301のCPUと記憶部302に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0046】
給電制御処理において、まず、制御部301は、コネクター308により外部機器5と有線接続されているか否かを判断する(ステップS1)。
ここでいう有線接続の態様としては、外部機器5が接続されたケーブルをコネクター308に接続することでFPDカセッテ3と外部機器5とを接続すること、及びコネクター308に外部機器5のコネクターを直接接続すること、が含まれる。
【0047】
コネクター308により外部機器5と有線接続されていると判断した場合(ステップS1;YES)、制御部301は、放射線画像撮影部304が撮影中であるか否かを判断する(ステップS2)。
ここで、撮影中とは、例えば、放射線画像撮影部304における少なくとも蓄積及び読み出し動作を含む撮像動作の実行中を指す。本実施形態では、制御部301は、例えば、放射線画像撮影部304が本画像の蓄積、本画像の読み出し、暗画像の蓄積、暗画像の読み出しのいずれかの動作中である場合、放射線画像撮影部304が撮影中であると判断する。
【0048】
放射線画像撮影部304が撮影中であると判断した場合(ステップS2;YES)、制御部301は、外部機器5から供給される電力を放射線画像撮影部304に供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS3)、ステップS1に戻る。
なお、図6においては、放射線画像撮影部304をFPDと略記している。
【0049】
放射線画像撮影部304が撮影中ではないと判断した場合(ステップS2;NO)、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上であるか否かを判断する(ステップS4)。所定値nは、少なくともホットスワップに対応できる充電残量の値である。
【0050】
内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上ではないと判断した場合(ステップS4;NO)、制御部301は、外部機器5から供給される電力を内蔵蓄電デバイス306に供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS5)、ステップS1に戻る。
内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上であると判断した場合(ステップS4;YES)、制御部301は、外部機器5から供給される電力を、蓄電デバイス装着部307に装着されている外付け蓄電デバイス4に供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS6)、ステップS1に戻る。
【0051】
すなわち、制御部301は、撮影中ではない場合、外部機器5から供給される電力を内蔵蓄電デバイス306に優先的に供給する。ホットスワップに必要な充電残量を確保するためである。内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上である、すなわち、ホットスワップに必要な充電残量が確保されている場合は、外部機器5から供給される電力を外付け蓄電デバイス4に供給する。
なお、本実施形態では、所定値nは、少なくともホットスワップに対応できる充電残量としたが、ホットスワップよりも高い充電残量を必要とする動作に対応した値としてもよい。例えば、所定値nは、規定枚数の静止画撮影が可能な値、規定時間の動画撮影が可能な値としてもよい。または、所定値nは、ユーザーが設定した値としてもよい。
【0052】
一方、ステップS1において、コネクター308により外部機器5と有線接続されていないと判断した場合(ステップS1;NO)、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されているか否かを判断する(ステップS7)。
例えば、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に設けられた検知部により外付け蓄電デバイス4が検知されたか否かに基づいて、外付け蓄電デバイス4が装着されているか否かを判断する。
【0053】
蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていると判断した場合(ステップS7;YES)、制御部301は、放射線画像撮影部304が撮影中であるか否かを判断する(ステップS8)。
放射線画像撮影部304が撮影中であると判断した場合(ステップS8;YES)、制御部301は、動画撮影モードで動作中であるか否かを判断する(ステップS9)。
動画撮影モードで動作中であると判断した場合(ステップS9;YES)、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に装着された外付け蓄電デバイス4から放射線画像撮影部304に電力を供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS10)、ステップS1に戻る。
消費電力が大きい動画撮影モードでの撮影中は、容量の大きい外付け蓄電デバイス4から放射線画像撮影部304に電力を供給するようにすることで、撮影中に内蔵蓄電デバイス306の充電残量が切れたり、ホットスワップ用の充電残量が確保できなくなったりすることを抑えることができる。
【0054】
動画撮影モードで動作中ではないと判断した場合(ステップS9;NO)、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306から放射線画像撮影部304に電力を供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS11)、ステップS1に戻る。
内蔵蓄電デバイス306(LIC)は耐久性が高い。よって、消費電力が大きい動画撮影モードではない場合は内蔵蓄電デバイス306から放射線画像撮影部304に優先的に電力を供給することで、外付け蓄電デバイス4の充放電サイクルを減らし、外付け蓄電デバイス4の寿命を延ばすことができる。
【0055】
一方、ステップS8において放射線画像撮影部304が撮影中でないと判断した場合(ステップS8;NO)、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上であるか否かを判断する(ステップS12)。
内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上ではないと判断した場合(ステップS12;NO)、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に装着された外付け蓄電デバイス4から内蔵蓄電デバイス306に電力を供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS13)、ステップS1に戻る。
これにより、内蔵蓄電デバイス306の充電残量を確保することができる。
内蔵蓄電デバイス306の充電残量(%)が所定値n(n≧0)以上であると判断した場合(ステップS12;YES)、制御部301は、ステップS1に戻る。
【0056】
一方、ステップS7において、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていないと判断した場合(ステップS7;NO)、制御部301は、放射線画像撮影部304が動画撮影モードで動作すること(動画撮影すること)を禁止する(ステップS14)。また、制御部301は、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す表示を表示部303に表示させる(ステップS15)。
次いで、制御部301は、放射線画像撮影部304で撮影中であるか否かを判断する(ステップS16)。
撮影中であると判断した場合(ステップS16;YES)、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306から放射線画像撮影部304に電力を供給するよう切り替えSW309を制御し(ステップS11)、ステップS1に戻る。
撮影中ではないと判断した場合(ステップS16;NO)、ステップS1に戻る。
【0057】
制御部301は、FPDカセッテ3の電源スイッチがONである間、上記給電制御処理を繰り返し実行する。
【0058】
このように、制御部301は、電源スイッチがONである間、上記給電制御処理を実行することにより、外部機器の接続状況、外付け蓄電デバイス4の装着状況、撮影状況等に応じて給電経路を最適化するので、蓄電デバイス交換の手間、蓄電デバイスの消耗及び充電残量不足を抑制することができる。
【0059】
また、制御部301は、所定時間ごとに図7に示す表示制御処理を実行し、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量、撮影可能枚数及び/又は撮影可能時間、外付け蓄電デバイス4が装着されていないこと等をユーザーに報知する。図7に示す表示制御処理は、制御部301のCPUと記憶部302に記憶されているプログラムとの協働により実行される。
【0060】
表示制御処理において、制御部301は、まず、内蔵蓄電デバイス306の充電残量を取得する(ステップS21)。
【0061】
次いで、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されているか否かを判断する(ステップS22)。
蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていると判断した場合(ステップS22;YES)、制御部301は、外付け蓄電デバイス4の充電残量を取得し(ステップS23)、ステップS25に移行する。
【0062】
蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていないと判断した場合(ステップS22;NO)、制御部301は、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す表示を表示部303に表示させる。また、制御部301は、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す情報を通信部305によりコンソール1に送信し(ステップS24)、ステップS25に移行する。
コンソール1の制御部101は、通信部105によりFPDカセッテ3から外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す情報を受信すると、FPDカセッテ3に外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す情報を表示部103に表示させる。これにより、FPDカセッテ3に外付け蓄電デバイス4が装着されていないことをユーザーに報知することができる。
【0063】
ステップS25において、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量を示す表示を表示部303に表示させる(ステップS25)。
外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306の充電残量のみを表示させる。
なお、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量を示す情報を通信部305によりコンソール1に送信してもよい。そして、コンソール1の制御部101は、通信部105によりFPDカセッテ3から内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量を示す情報を受信すると、FPDカセッテ3に内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量を示す情報を表示部103に表示させることとしてもよい。これにより、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3における充電残量を把握することができる。
【0064】
次いで、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量に基づいて、撮影可能枚数を算出する(ステップS26)。
次いで、制御部301は、算出した撮影可能枚数を表示部303に表示させる。また、制御部301は、撮影可能枚数を通信部305によりコンソール1に送信する(ステップS27)。
なお、制御部301は、撮影可能枚数とともに撮影可能時間を算出し、撮影可能枚数及び撮影可能時間を表示部303に表示させたりコンソール1に送信したりしてもよい。また、撮影可能時間のみを算出し、表示部303に表示させたりコンソール1に送信したりしてもよい。
コンソール1の制御部101は、通信部105によりFPDカセッテ3から撮影可能枚数(及び/又は撮影可能時間)を受信すると、撮影可能枚数(及び/又は撮影可能時間)を表示部103に表示させる。これにより、ユーザーは、コンソール1の表示から、撮影可能枚数(及び/又は撮影可能時間)を把握することが可能となる。
【0065】
次いで、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS28)。
例えば、制御部301は、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量(例えば、合計した充電残量)が所定値m以下(m>0)であるか否かを判断する。
所定値mは、例えば、撮影に必要な充電残量に基づいて予め設定された値である。
内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量が所定値m以下ではないと判断した場合(ステップS28;NO)、制御部301は、表示制御処理を終了する。
【0066】
内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量が所定値m以下であると判断した場合(ステップS28;YES)、制御部301は、通信部305により内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量が所定値m以下であることを示す情報をコンソール1に送信し(ステップS29)、表示制御処理を終了する。なお、内蔵蓄電デバイス306及び外付け蓄電デバイス4の充電残量が所定値m以下であることを示す情報を表示部303に表示することとしてもよい。
コンソール1の制御部101は、通信部105によりFPDカセッテ3から充電残量が所定値以下であることを示す情報を受信すると、FPDカセッテ3の充電残量が低下していることを表示部103に表示させる。これにより、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3の充電残量が低下していることを把握することができる。
【0067】
図8(a)~(b)は、上記表示制御処理における表示部303の表示例を示す図である。
外付け蓄電デバイス4が装着されている場合、例えば図8(a)に示すように、表示部303には、撮影可能枚数303a及び残量表示303bが表示される。外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、例えば図8(b)に示すように、表示部303には、エラーマーク303c及び残量表示303bが表示される。エラーマーク303cは、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示すマークである。
なお、残量表示としては、図8(a)~(b)に示すように、例えば、内蔵蓄電デバイス306と外付け蓄電デバイス4の充電残量を合算して一つの残量表示303bを表示することとしてもよい。または、図9に示すように、内蔵蓄電デバイス306の残量表示303dと外付け蓄電デバイス4の残量表示303eとをそれぞれ別個に表示することとしてもよい。この場合、蓄電デバイスによって残量表示の色を変えてもよい。
【0068】
このように、FPDカセッテ3の筐体31の表示部303には、撮影可能枚数303a、残量表示303b(303d、303e)、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示すエラーマーク303c等が表示される。したがって、ユーザーは、FPDカセッテ3の充電残量や撮影可能枚数を把握することができる。また、外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合に、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを認識することができる。
【0069】
図10は、上記表示制御処理においてFPDカセッテ3からコンソール1に撮影可能枚数及び撮影可能時間が送信された場合のコンソール1における表示例を示す図である。
図10に示すように、例えば、コンソール1の表示部103に表示される撮影画面130上に、FPDカセッテ3における撮影可能枚数及び撮影可能時間を示す表示130bが表示される。したがって、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3における撮影可能枚数及び撮影可能時間を把握することができる。
【0070】
図11は、上記表示制御処理においてFPDカセッテ3からコンソール1に、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す情報が送信された場合のコンソール1における表示例を示す図である。
図11に示すように、例えば、コンソール1の表示部103に表示される撮影画面130上に、FPDカセッテ3に外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示すメッセージ130cが表示される。したがって、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3において外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを把握することができる。
なお、コンソール1において、FPDカセッテ3から外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを示す情報が送信された場合、制御部101は、ユーザーによる消費電力の大きい動画撮影モードの選択操作を禁止することとしてもよい。動画撮影モードの選択操作を禁止する手法としては、例えば、撮影メニュー130aにおいて動画撮影モードに係る選択肢をグレーアウトする、撮影メニュー130aにおける選択肢に動画撮影モードを表示しない等が挙げられる。これにより、ユーザーが誤って動画撮影モードを選択することを防止することができる。
【0071】
以上説明したように、FPDカセッテ3は、放射線画像を撮影する放射線画像撮影部304と、放射線画像撮影部304に電力を供給する内蔵蓄電デバイス306と、放射線画像撮影部304に電力を供給する外付け蓄電デバイス4が着脱自在に装着される蓄電デバイス装着部307と、外部機器5と電気的に接続可能なコネクター308と、制御部301と、を有する。制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続され、かつ、放射線画像撮影部304による撮影中の場合は、外部機器5から供給された電力を放射線画像撮影部304に供給し、コネクター308により外部機器5と接続され、かつ、放射線画像撮影部304による撮影中でない場合は、外部機器5から供給された電力を内蔵蓄電デバイス306又は蓄電デバイス装着部307に装着された外付け蓄電デバイス4に供給するよう制御する。
したがって、外部機器5が接続されている場合、撮影中は外部機器5から供給される電力を放射線画像撮影部304に供給するので、内蔵蓄電デバイス306や外付け蓄電デバイス4の電力消費を抑えることができる。その結果、外付け蓄電デバイス4の交換の手間、内蔵蓄電デバイス306や外付け蓄電デバイス4の消耗及び充電残量切れを抑制することができる。
【0072】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5が接続され、かつ、放射線画像撮影部304による撮影中でない場合は、外部機器5から供給された電力を内蔵蓄電デバイス306に優先的に供給し、内蔵蓄電デバイス306の充電残量が所定値以上の場合に、外部機器5から供給された電力を外付け蓄電デバイス4に供給するよう制御する。したがって、ホットスワップ用に内蔵蓄電デバイス306の充電残量を所定値以上に確保することができる。
【0073】
また、例えば、内蔵蓄電デバイス306をリチウムイオンキャパシターとすることで、急速充放電が可能となるため、充電残量が不足してもすぐに充電により必要な充電残量を確保することが可能となる。また、耐久性及び安全性が高く、かつ軽量な内蔵蓄電デバイス306を実現することができる。また、例えば、外付け蓄電デバイス4を大容量なリチウムイオンバッテリーとすることで、消費電力が大きい動画撮影モードにも対応することが可能となる。
【0074】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続されていない場合は、内蔵蓄電デバイス306又は蓄電デバイス装着部307に装着された外付け蓄電デバイス4から、放射線画像撮影部304に電力を供給するよう制御する。したがって、外部機器5からの給電がない場合に、内蔵蓄電デバイス306又は外付け蓄電デバイス4により放射線画像撮影部304に電力を供給することができる。
【0075】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続されていない場合、かつ、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されている場合、内蔵蓄電デバイス306から放射線画像撮影部304に優先的に電力を供給するよう制御する。したがって、外付け蓄電デバイス4の充放電サイクルを減らし、外付け蓄電デバイス4の寿命を延ばすことができる。
【0076】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続されていない場合であって、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着され、放射線画像撮影部304による撮影中でなく、かつ、内蔵蓄電デバイス306の充電残量が所定値に満たない場合に、外付け蓄電デバイス4から内蔵蓄電デバイス306に電力を供給するよう制御する。したがって、内蔵蓄電デバイス306の充電残量が低下している場合に外付け蓄電デバイス4から内蔵蓄電デバイス306に電力を供給して充電させることが可能となる。
【0077】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続されていない場合であって、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着され、かつ、動画撮影モードで放射線画像撮影部304が動作中の場合は、外付け蓄電デバイス4から放射線画像撮影部304に優先的に電力を供給するよう制御する。したがって、電力消費の大きい動画撮影モードでは外付け蓄電デバイス4を使用して、内蔵蓄電デバイス306の充電残量を確保することができる。
【0078】
また、制御部301は、コネクター308により外部機器5と接続されていない場合であって、かつ、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合は、動画撮影モードで放射線画像撮影部304が動作することを禁止する。したがって、撮影中に内蔵蓄電デバイス306の充電残量切れが生じることを防止することができる。
【0079】
また、制御部301は、FPDカセッテ3の筐体31に設けられた表示部303に、内蔵蓄電デバイス306及び/又は外付け蓄電デバイス4の充電残量を表示する。したがって、ユーザーは、内蔵蓄電デバイス306及び/又は外付け蓄電デバイス4の充電残量を認識することができる。
【0080】
また、制御部301は、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、FPDカセッテ3の筐体31に設けられた表示部303に、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを表示する。したがって、ユーザーは、コンソール1の表示から、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことを把握することができる。
【0081】
また、コンソール1は、FPDカセッテ3から受信した情報から、外付け蓄電デバイス4と内蔵蓄電デバイス306の充電残量が所定値以下である場合、その旨をコンソール1の表示部103に表示する。したがって、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3の充電残量が低下したことを把握することができる。
【0082】
また、コンソール1は、外付け蓄電デバイス4と内蔵蓄電デバイス306の充電残量に応じた撮影可能枚数及び/又は撮影可能時間を表示部103に表示する。したがって、ユーザーは、コンソール1の表示から、FPDカセッテ3の充電残量に応じた撮影可能枚数及び/又は撮影可能時間を把握することができる。
【0083】
また、コンソール1は、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、その旨をコンソール1の表示部103に表示する。したがって、ユーザーは、外付け蓄電デバイス4が装着されていないことをコンソール1の表示から把握することができる。
【0084】
また、コンソール1は、蓄電デバイス装着部307に外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、ユーザーによる動画撮影モードの選択操作を禁止する。したがって、外付け蓄電デバイス4が装着されていない場合、コンソール1においてユーザーが動画撮影モードを選択することを防止することができる。
【0085】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
【0086】
例えば、上記実施形態においては、コンソール1が回診車と一体的に構成されていることとして説明したが、コンソール1は回診車に搭載されたものに限らない。また、上記実施形態では、FPDカセッテ3を回診撮影に用いる場合を例として示したが、FPDカセッテ3は、撮影室での撮影に用いられるものであってもよい。
【0087】
また、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリー等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピューター読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0088】
その他、放射線画像撮影システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0089】
100 放射線画像撮影システム
1 コンソール
101 制御部
102 操作部
102a 曝射スイッチ
103 表示部
104 記憶部
105 通信部
106 駆動部
107 バッテリー
108 コネクター
109 給電部
111 ACケーブル
2 放射線源
3 FPDカセッテ
301 制御部
302 記憶部
303 表示部
304 放射線画像撮影部
305 通信部
306 内蔵蓄電デバイス
307 蓄電デバイス装着部
308 コネクター
309 切り替えSW
4 外付け蓄電デバイス
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11