(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164410
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】車両制御装置及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
G08G1/16 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079861
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002941
【氏名又は名称】弁理士法人ぱるも特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂谷 芳紀
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF04
5H181FF27
5H181LL09
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】正確な道路情報に基づき車両を制御する車両制御装置を得る。
【解決手段】本開示の車両制御装置100は、自車両の周辺を監視する周辺監視センサ22を用いて検出された第1道路情報を記憶する第1道路情報記憶部101と、地図情報20に基づく第2道路情報を取得する第2道路情報取得部102と、第1道路情報と第2道路情報とを比較する道路情報比較部103と、道路情報比較部103の比較結果に基づき道路情報を決定する道路情報決定部105と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶する第1道路情報記憶部と、
地図情報に基づく第2道路情報を取得する第2道路情報取得部と、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較する道路情報比較部と、
前記道路情報比較部の比較結果に基づき道路情報を決定する道路情報決定部と、
を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較する際に、前記第1道路情報と前記第2道路情報の道路位置が重複している距離が予め設定された閾値距離よりも小さい場合は、前記比較結果として比較不可であると出力することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較し、前記第1道路情報と前記第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は前記比較結果として一致すると出力し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は前記比較結果として不一致であると出力することを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報記憶部が前記第1道路情報を記憶している時間に基づき、前記閾値偏差を調整することを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記自車両を制御する車両制御部をさらに備え、
前記道路情報比較部が前記比較結果として不一致であると出力した場合は、前記第2道路情報を前記車両制御部で使用しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記道路情報比較部が前記比較結果として一致であると出力した場合は、前記道路情報決定部は、前記第1道路情報を用いて前記第2道路情報を補正することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記第2道路情報の信頼度を表す第2道路情報信頼度が予め設定された閾値信頼度よりも低い場合は、前記道路情報比較部は前記比較結果を比較不可であると出力することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記第1道路情報記憶部は、過去に記憶した第1道路情報を前記自車両の車両移動情報に基づき座標変換し、座標変換された過去の第1道路情報と、現在の第1道路情報とを合わせて記憶することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項9】
前記第1道路情報記憶部は、座標変換した過去の第1道路情報と現在の第1道路情報との間で道路位置が重複する部分がある場合は、重複した道路位置については前記現在の第1道路情報を優先して記憶することを特徴とする請求項8に記載の車両制御装置。
【請求項10】
前記第1道路情報記憶部は、前記第1道路情報の信頼度を表す第1道路情報信頼度が予め設定された閾値信頼度よりも低い、または前記第1道路情報に異常値が含まれる場合は、現在の第1道路情報を記憶しないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項11】
前記第1道路情報記憶部は、前記第1道路情報に前記異常値が含まれる回数が、予め設定された閾値異常回数以上である場合は、前記第1道路情報記憶部が記憶している前記第1道路情報を削除することを特徴とする請求項10に記載の車両制御装置。
【請求項12】
前記第1道路情報記憶部は、過去に記憶された前記第1道路情報が、記憶された時点から予め設定された時間以上経過した場合は、過去に記憶された前記第1道路情報を削除することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項13】
車両制御装置によって以下の各ステップが実行される車両制御方法であって、
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶するステップと、
地図情報に基づく第2道路情報を取得するステップと、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較し、前記第1道路情報と前記第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は、比較結果として一致すると出力し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は、比較結果として不一致であると出力するステップと、
前記比較結果に基づき道路情報を決定するステップと、
を備える車両制御方法。
【請求項14】
前記第1道路情報の信頼度を表す第1道路情報信頼度が、予め設定された閾値信頼度よりも低い、または前記第1道路情報に異常値が含まれる場合は、現在の第1道路情報を記憶しないことを特徴とする請求項13に記載の車両制御方法。
【請求項15】
前記第2道路情報の信頼度を表す第2道路情報信頼度が、予め設定された閾値信頼度よりも低い場合は、前記比較結果として比較不可であると出力することを特徴とする請求項13または14に記載の車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、車両制御装置及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、測位衛星から得られた高精度な位置測位情報及び高精度の地図情報を用いて車両周辺の道路情報を取得し、取得した道路情報に基づいて車両を自動で走行させる自動運転技術の開発が進められている。また、高精度の地図情報から取得した道路情報と、道路を撮像するセンサから取得した道路情報を比較することで、道路情報の信頼性を判断するシステムが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の車両制御装置は、衛星測位情報及び地図情報を用いて取得した道路情報と、道路を撮像することにより取得した道路情報とを比較して、道路情報の信頼性を判断する。
【0004】
例えば、特許文献2に記載の位置推定装置は、衛星測位情報及び地図情報を用いて取得した自車位置と、前方の道路区画線情報を記憶し、記憶した道路区画線情報と取得した自車位置とを用いて自車位置を高精度に推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3795299号公報
【特許文献2】特開2022-54223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両制御装置では、自車両の進行方向の道路を撮像する前方カメラを用いて例えば白線などの道路情報を画像データとして取得する場合、曲率が大きい道路のカーブなどでは正確な道路情報を取得することが困難である。このため、自車両が曲率の大きい道路を走行している場合に、地図情報から取得した道路情報と前方カメラによって取得された道路情報とを比較しても、道路情報が正確か否かを適切に判断できないという課題がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の位置推定装置では、地図情報から取得した自車位置と前方カメラによって取得した自車位置の偏差を用いて自車位置を補正しているが、例えば衛星測位から推定した自車位置には測位データに誤差が含まれる場合があり、測位データに誤差があるような状態では、自車位置を誤って推定してしまう可能性が高くなるという課題がある。
【0008】
本開示は上記のような課題を解決するためになされたものであり、正確な道路情報に基づき車両を制御する車両制御装置及び車両制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願に開示される車両制御装置は、
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶する第1道路情報記憶部と、
地図情報に基づく第2道路情報を取得する第2道路情報取得部と、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較する道路情報比較部と、
前記道路情報比較部の比較結果に基づき道路情報を決定する道路情報決定部と、
を備える。
【0010】
本願に開示される車両制御方法は、
車両制御装置によって以下の各ステップが実行される車両制御方法であって、
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶するステップと、
地図情報に基づく第2道路情報を取得するステップと、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較し、前記第1道路情報と前記第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は、比較結果として一致すると出力し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は、比較結果として不一致であると出力するステップと、
前記比較結果に基づき道路情報を決定するステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本願に開示される車両制御装置及び車両制御方法によると、複数の情報源による道路情報を比較することにより道路情報の正確性を判定することが可能となり、判定結果に基づき道路情報を算出するため、正確な道路情報を用いて車両を安定に制御することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る車両制御装置のブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る車両制御装置を搭載した車両の模式図である。
【
図3】実施の形態1に係る車両制御装置の第1道路情報記憶部における処理を表すフローチャートである。
【
図4】実施の形態1に係る車両制御装置の第1道路情報記憶部における処理の一例を示す模式図である。
【
図5】実施の形態1に係る車両制御装置の第1道路情報記憶部における処理の一例を示す模式図である。
【
図6】実施の形態1に係る車両制御装置の第1道路情報記憶部における処理の一例を示す模式図である。
【
図7】実施の形態1に係る車両制御装置の道路情報比較部における処理を表すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係る車両制御装置の道路情報比較部における処理の一例を示す模式図である。
【
図9】実施の形態1に係る車両制御装置の道路情報比較部における処理の一例を示す模式図である。
【
図10】実施の形態1に係る車両制御装置の道路情報決定部における処理を表すフローチャートである。
【
図11】実施の形態1に係る車両制御装置を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図12】実施の形態1に係る車御装置を実現するハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
<実施の形態1に係る車両制御装置の構成>
図1は、実施の形態1に係る車両制御装置100のブロック図である。車両制御装置100は、例えば車両10に搭載される。
【0014】
車両制御装置100は、第1道路情報記憶部101と、第2道路情報取得部102と、道路情報比較部103と、道路情報決定部104と、車両制御部105と、を備える。車両制御装置100の各構成について、以下に説明する。
【0015】
<第1道路情報記憶部>
第1道路情報記憶部101は、周辺監視センサ22によって検出された第1道路情報を記憶する。また、第1道路情報記憶部101は、記憶した第1道路情報を道路情報比較部103に出力する。
【0016】
車両前方に設置されている前方監視カメラ(以下、前方カメラ)などは自車両から遠方までの道路情報を取得可能だが、曲率の大きい道路などでは検出精度が悪化してしまい、誤った道路情報を検出してしまう可能性が高くなる。これに対して、周辺監視センサ22は自車両近傍の道路情報、つまり第1道路情報を検出するため、曲率の大きい道路であっても、正しい道路情報を検出できる可能性が高まる。
【0017】
ここで、周辺監視センサ22とは、例えばサイドカメラが挙げられる。サイドカメラはドアミラーの下面に設定されることが多く、自車両の左右近傍を撮像するセンサであり、自車両の左右近傍の道路情報及び道路情報の信頼度を出力することができる。また、周辺監視センサ22はサイドカメラに限らず、ミリ波レーダ、LiDAR、超音波センサなどレーダセンサを用いても良い。
【0018】
周辺監視センサ22は、自車両の周辺の道路情報を検出しているため検出範囲は広くない。そこで、周辺監視センサ22で検出した道路情報を第1道路情報として記憶し、記憶している第1道路情報を結合させることで、周辺監視センサ22の検出範囲以上の道路情報を取得することができる。また、第1道路情報を記憶することにより、周辺監視センサ22による道路情報の検出が一時的に不能となった場合でも、過去に記憶した第1道路情報から実際の道路形状を推測することができる。第1道路情報記憶部101の処理の詳細については後述する。
【0019】
第1道路情報記憶部101は車両移動情報23を記憶する。車両移動情報23は、例えば、速度センサ、加速度センサ、操舵角センサ、操舵トルクセンサ、ヨーレートセンサ(いずれも図示せず)などから取得される自車両の移動情報である。
【0020】
<第2道路情報取得部>
第2道路情報取得部102は、測位衛星から取得した自車両の測位情報21と高精度の地図情報20とを組み合わせて第2道路情報を取得する。第2道路情報には少なくとも道路区画線の位置情報が含まれる。第2道路情報により、自車両の近傍から遠方までの道路情報が取得可能である。また、第2道路情報は地図情報のみでも良い。
【0021】
第2道路情報の信頼度である第2道路情報信頼度とは、第2道路情報の精度を表す指標である。第2道路情報信頼度の一例として、例えば測位衛星から取得している自車位置の測位精度が挙げられる。上述のように、第2道路情報として、測位衛星から取得した自車両の測位情報21と高精度の地図情報20を組み合わせて取得した道路情報を使用しているが、第2道路情報の他の一例として、例えばV2X(Vehicle to Everything)から取得した道路情報なども適用可能である。つまり、第2道路情報としては、少なくとも自車両から遠方までの道路情報が取得できるものであれば良い。
【0022】
<道路情報比較部>
道路情報比較部103は、第1道路情報記憶部101から取得した第1道路情報と、第2道路情報取得部102から取得した第2道路情報とを比較し、第1道路情報と第2道路情報が一致するか否かを判定する。
【0023】
第2道路情報は遠方の道路情報を取得でき、先の道路形状を推定できる。このため、第2道路情報を使用して自車両の走行するべき走行経路を生成することで自動運転制御を実施することが可能である。しかしながら、第2道路情報が誤差などを含むことによって実際の道路形状とは異なっている場合は、誤った自動運転制御を行ってしまう恐れがある。したがって、第2道路情報が自動運転制御を可能とするレベルまで正確な道路情報であることを確認して、自動運転制御を行う必要がある。
【0024】
第2道路情報が正確な道路情報であることを確認する方法として、第2道路情報とは異なるセンサ情報及び手法で道路情報を取得して第2道路情報と比較することで第2道路情報の正確性を確認する方法がある。
【0025】
第2道路情報と比較する道路情報を例えば前方カメラを用いて検出した場合は、前方カメラは曲率の大きい道路で誤検出が発生しやすいため、前方カメラを用いて検出した道路情報を比較対象にすると曲率の大きい道路などで第2道路情報の正確性を確認できなくなる。このため、実施の形態1に係る車両制御装置100では、周辺監視センサ22によって検出された第1道路情報を記憶し、記憶した第1道路情報を第2道路情報の比較対象とすることにより、曲率の大きい道路などでも第2道路情報の正確性を確認できる構成としている。道路情報比較部103の詳細な処理については後述する。
【0026】
<道路情報決定部>
道路情報決定部104は、道路情報比較部103における比較結果に基づき、道路情報を決定する。道路情報比較部103が第1道路情報と第2道路情報とを比較し、第1道路情報と第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は、比較結果として一致であると出力し、道路情報決定部104は、第1道路情報に基づき第2道路情報を補正する。
【0027】
一方、道路情報比較部103が、第1道路情報と第2道路情報とを比較し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は、比較結果として不一致であると出力し、道路情報決定部104は、第2道路情報を車両制御部105に出力しない。
【0028】
車両制御部105は道路情報決定部104から出力された道路情報に基づき、自車両の走行を制御する。
以上が、実施の形態1に係る車両制御装置100の各構成の説明である。
【0029】
図2は、車両制御装置100を搭載した車両10の模式図である。車両制御装置100は、道路情報決定部104から出力された道路情報に基づき、必要な目標操舵量及び目標加減速度を算出し、アクチュエータ装置200に目標操舵量及び目標加減速度を出力する。
【0030】
<第1道路情報記憶部における処理>
第1道路情報記憶部101における処理を、
図3のフローチャートを用いて説明する。ステップS101において、第1道路情報記憶部101は車両移動情報23を取得する。車両移動情報23は車両10の並進方向への移動量及び車両10の回転量を少なくとも含んでいる。車両10の移動量及び回転量は、例えば車両10の車速とヨーレイトから算出しても良い。また、V2Xのように車両外の通信機器から情報を取得しても良い。ステップS101の処理後、ステップS102の処理に進む。
【0031】
ステップS102において、第1道路情報記憶部101は、周辺監視センサ22から第1道路情報及び第1道路情報の信頼度を表す第1道路情報信頼度を取得する。第1道路情報は少なくとも道路区画線の位置情報を含んでいる。ステップS102の処理後、ステップS103の処理に進む。
【0032】
ステップS103において、第1道路情報記憶部101は、周辺監視センサ22が検出した第1道路情報が、異常、または第1道路情報信頼度が低いか否かを判定する。第1道路情報が異常であるか否かの判定は、例えば周辺監視センサ22によって新規に検出された第1道路情報が、記憶している第1道路情報とかけ離れた数値である場合、新規に検出した道路情報を異常値と判定する。また、第1道路情報信頼度が低いか否かを判定する方法の一例として、第1道路情報信頼度が予め設定された閾値信頼度よりも低い場合に、低いと判定する方法が挙げられる。第1道路情報が異常ではなく、かつ、第1道路情報信頼度が閾値信頼度以上である場合は、ステップS104の処理に進む。一方、第1道路情報が、異常、または第1道路情報信頼度が閾値信頼度よりも低い場合は、ステップS108の処理に進む。
【0033】
ステップS104において、周辺監視センサ22を用いて検出した第1道路情報を記憶して、ステップS105の処理に進む。
【0034】
ステップS105において、第1道路情報記憶部101は、記憶している過去の第1道路情報を、自車両の車両移動情報23に基づき座標変換する。なお、周辺監視センサ22を用いて検出した最新の、つまり現在の第1道路情報と、座標変換した過去の第1道路情報の間で道路位置が重複している部分がある場合は、第1道路情報記憶部101は、最新の第1道路情報を優先して記憶する一方、過去の第1道路情報の重複部分は記憶しない。
【0035】
記憶している過去の第1道路情報は過去の自車位置で検出した値であるため、自車両が移動すると過去に検出した値も自車両の移動量分だけ値を変換する必要がある。すなわち、過去の自車座標系で検出した第1道路情報を自車両の車両移動情報23に基づき、最新の、つまり現在の自車座標系へ座標変換する。
図4にかかる座標変換の一例を示す。
【0036】
座標変換して記憶した第1道路情報は、自車両の車両移動情報23に基づき推定した第1道路情報となる。このため、周辺監視センサ22を用いて検出した最新の、つまり現在の第1道路情報と座標変換した第1道路情報とでは、最新の第1道路情報の方が実際の道路形状に近い可能性が高い。以上の理由により、最新の第1道路情報と座標変換した第1道路情報の間で道路位置が重複している部分がある場合は、重複部分は最新の第1道路情報を優先して記憶する。ステップS105の処理後、ステップS106の処理に進む。
【0037】
ステップS106において、第1道路情報記憶部101は、過去に記憶された第1道路情報のうち、記憶されてから所定時間以上経過した第1道路情報が存在する場合は、記憶されてから所定時間以上経過した第1道路情報を削除する。
【0038】
第1道路情報記憶部101が記憶している第1道路情報は、自車両の車両移動情報23に基づき座標変換されながら記憶されている。しかしながら、自車両の車両移動情報23はセンサのノイズなどによりわずかな誤差を含むことが考えられる。したがって、座標変換を繰り返すほど誤差が蓄積されて、第1道路情報記憶部101が記憶している第1道路情報と実際の道路形状が異なってしまう恐れがある。
【0039】
以上の理由により、記憶された時点から予め設定された時間以上経過した第1道路情報は削除する。なお、予め設定された時間を基準とするのではなく、座標変換を行った回数をカウントし、座標変換の回数が予め設定された回数以上となった場合に、該当する第1道路情報を削除する方法でも良い。ステップS106の処理後、ステップS107の処理に進む。
【0040】
ステップS107において、第1道路情報記憶部101は、記憶している第1道路情報を道路情報比較部103に出力して、第1道路情報記憶部101としての処理を終了する。
【0041】
最後に、ステップS103において、第1道路情報が、異常、または第1道路情報信頼度が閾値信頼度よりも低いと判定された場合の処理であるステップS108以降について説明する。
【0042】
ステップS108において、周辺監視センサ22を用いて検出した第1道路情報が異常値である回数が、所定回数以上、つまり予め設定された回数以上であるか否かを判定する。異常値である回数のカウント方法の一例として、異常値が連続する場合のみカウントし、正常値が検出された場合はカウントをリセットする方法で異常値の検出回数をカウントする方法が挙げられる。また、第1道路情報の異常値が連続する場合ではなく、所定時間の中で異常値の回数をカウントする方法など、異なる方法を用いても良い。
【0043】
第1道路情報に異常値が含まれる回数が予め設定された閾値異常回数以上である場合は、ステップS109の処理に進む。一方、第1道路情報が異常値である回数が所定回数未満である場合は、ステップS105の処理に進む。
【0044】
ステップS109において、第1道路情報記憶部101は、記憶している第1道路情報を削除して、ステップS110の処理に進む。
図5に、第1道路情報が異常値である場合に第1道路情報を削除する一例を示す。また、
図6に、第1道路情報が異常値である回数が予め設定された閾値異常回数以上である場合に、第1道路情報を削除する一例を示す。
【0045】
ステップS110において、第1道路情報記憶部101は、周辺監視センサ22を用いて検出した最新の、つまり現在の第1道路情報を記憶して、ステップS107の処理に進む。
【0046】
第1道路情報の異常値が複数回検出される場合として、記憶している第1道路情報に誤りがある、もしくは道路区画線Aと道路区画線Bの2本が近距離で並列している状態であるため、周辺監視センサ22の検出対象が道路区画線Aから道路区画線Bに意図せずに変わった場合などが考えられる。このような場合は記憶している過去の第1道路情報をリセットし、改めて第1道路情報を記憶し直すのが良い。例えば、道路区画線の検出が道路区画線Aから道路区画線Bに変わった際に、記憶している第1道路情報をリセットしなかった場合、道路区画線Aと道路区画線Bそれぞれの第1道路情報を結合して記憶してしまうこととなり、この結果、実際の道路形状とは異なってしまうような不具合が発生するからである。
以上が、第1道路情報記憶部101における一連の処理内容である。
【0047】
<道路情報比較部における処理>
道路情報比較部103における処理を、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS201において、道路情報比較部103は、第1道路情報記憶部101が記憶している第1道路情報を取得して、ステップS202の処理に進む。
【0048】
ステップS202において、道路情報比較部103は、第2道路情報取得部102から第2道路情報及び第2道路情報信頼度を取得して、ステップS203の処理に進む。
【0049】
ステップS203において、道路情報比較部103は、第2道路情報信頼度が閾値信頼度以上である否かを判定する。第2道路情報信頼度が閾値信頼度以上である場合は、ステップS204の処理に進む。一方、第2道路情報信頼度が閾値信頼度よりも低い場合は、ステップS210の処理に進む。
【0050】
ステップS204において、道路情報比較部103は、第1道路情報及び第2道路情報が所定の道路距離以上で比較可能であるか否かを判定する。つまり、自車両の前方方向をy、横方向をxとして道路位置を表した場合、道路情報比較部103は、第1道路情報と第2道路情報とを比較する際に、第1道路情報と第2道路情報のy方向の道路位置が重複している距離を求め、重複している距離が予め設定された閾値距離よりも小さいかを判定する。所定の道路距離以上で比較可能であるかを判定するのは、比較する道路情報の道路距離が短い場合は、道路情報が正しいか正確に判定することができない可能性があるためである。第1道路情報と第2道路情報が所定の道路距離以上で比較可能である場合は、ステップS205の処理に進む。一方、第1道路情報と第2道路情報が所定の道路距離以上で比較できない場合は、ステップS210の処理に進む。
【0051】
図8に、道路距離に基づく判定の一例を示す。
図8に示す一例では、第2道路情報は実際の道路形状と異なっている誤った道路情報となっている。第1道路情報と第2道路情報が比較できる道路距離が短いと、この一例のように比較結果が一致してしまう場合があり得る。このため、道路情報として比較可能な距離が十分取れる場合にのみ比較判定を行うことが望ましい。
【0052】
ステップS205において、道路情報比較部103は、第1道路情報と第2道路情報を比較して、偏差(以下、道路情報偏差とも呼ぶ)を算出して、ステップS206の処理に進む。
【0053】
ステップS206において、道路情報比較部103は、道路情報偏差が閾値偏差以下か否かを判定する。道路情報偏差が閾値偏差以下である場合は、ステップS207の処理に進む。一方、道路情報偏差が閾値偏差よりも大きい場合は、ステップS209の処理に進む。
【0054】
閾値偏差を予め設定した値に固定するのではなく、第1道路情報記憶部101が記憶している第1道路情報の座標変換の回数に応じて道路情報偏差を許容する方向に閾値偏差を変更しても良い。すなわち、自車両の近傍から離れるほど閾値偏差が緩和されるようにしても良い。第1道路情報は自車近傍から離れるほど座標変換を多く行っているからである。
【0055】
自車両の車両移動情報23は、センサのノイズなどの影響によりわずかな誤差を含んでいる場合があり、座標変換の回数が多いほど車両移動情報23の誤差が蓄積して、実際の道路形状とずれが発生する可能性がある。ずれが発生した場合、自車両の近傍では道路情報偏差は閾値偏差以下だが、遠方は車両移動情報23の誤差の影響により道路情報偏差は閾値偏差を超えてしまい、道路情報比較部103による比較結果が意図せず「不一致」となってしまうという可能性がある。
【0056】
上記不具合の対策として、第1道路情報の座標変換時の誤差を考慮して座標変換の回数に基づき閾値偏差を大きくしても良い。また、閾値偏差を大きくする場合、座標変換の回数ではなく自車近傍からの距離に応じて変更する方法でも良い。
【0057】
図9は、座標変換の回数によって閾値偏差が緩和される処理を示す模式図である。座標変換の回数が多くなるほど、閾値偏差が緩和される様相を例示している。
【0058】
また、閾値偏差を緩和するのではなく、道路距離に応じて重みづけをすることで「一致」、「不一致」を判定しても良い。
・自車両から0mの地点が一致・・・3点
・自車両から10mの地点が一致・・・2点
・自車から100mの地点が一致・・・0.5点
・・・etc
例えば、合計点がXX点以上で第1道路情報と第2道路情報が「一致」していると判断する。最後に比較した道路情報と比較結果を、道路情報決定部104に出力する。
【0059】
ステップS207において、道路情報比較部103は、比較結果が一致すると判定する。道路情報偏差が閾値偏差以下であるからである。ステップS206の処理後、ステップS208の処理に進む。
【0060】
ステップS208において、道路情報比較部103は、比較した道路情報及び比較結果を道路情報決定部104に出力して、処理を終了する。
【0061】
ステップS209において、道路情報比較部103は、比較結果が不一致であると判定する。道路情報偏差が閾値偏差よりも大きいからである。ステップS209の処理後、ステップS208の処理に進む。
【0062】
ステップS210において、道路情報比較部103は、比較結果として比較不可であると判定する。第2道路情報信頼度が閾値信頼度よりも低い、もしくは第1道路情報と第2道路情報が所定の道路距離以上で比較可能ではないためである。第2道路情報は測位衛星から取得した測位情報21及び高精度の地図情報20を組み合わせて取得した道路情報である。第2道路情報の信頼度の指標となる第2道路情報信頼度が低くなる場合として、例えば測位衛星を利用した測位の精度が悪化している場合、あるいは、地図情報20中の地図上の自車位置と測位情報21による自車両の測位位置とのマッチングが悪化している場合などの要因が想定される。
【0063】
測位情報21の精度が悪化している場合は、測位している自車位置が別の場所に大きく飛ぶ可能性がある。また、地図情報20中の地図上の自車位置と測位情報21による自車両の測位位置とのマッチングが悪化している場合は、地図上の誤った位置にある道路情報を、第2道路情報として取得してしまう可能性がある。
【0064】
すなわち、上述のいずれの場合も、誤った道路情報を取得してしまう可能性が高くなるという不具合が発生する。このため、例え第1道路情報と第2道路情報との比較が一致して、第2道路情報が例え一時的に正しい道路情報を取得できている状態になったとしても、第2道路情報信頼度が低い状態であると、誤った道路情報をいつ取得してもおかしくない状況となってしまう。
【0065】
上述のような状況では、第2道路情報として正確な道路情報と誤った道路情報を交互に繰り返して取得することも考えられる。この場合は、道路情報比較部103による第1道路情報と第2道路情報との比較結果が「一致」と「不一致」の間でハンチングする可能性がある。比較結果がハンチングすると、車両制御部105で使用する道路情報が頻繁に切り替わるため、違和感のある車両制御となってしまう可能性が高い。このため、第2道路情報信頼度が低い場合、すなわち誤った道路情報を取得しやすい状態にある場合は、道路情報比較部103が出力する比較結果を「比較不可」とする。なお、第2道路情報信頼度が低いとは、例えば第2道路情報信頼度が閾値信頼度よりも低い場合である。ステップS210の処理後、ステップS208の処理に進む。
【0066】
<道路情報決定部における処理>
道路情報決定部104における処理を、
図10に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS301において、道路情報決定部104は、道路情報比較部103から車両制御部105で使用するための道路情報を取得する。すなわち、第1道路情報及び第2道路情報を取得する。取得後、ステップS302の処理に進む。
【0067】
ステップS302において、道路情報決定部104は、道路情報比較部103から第1道路情報及び第2道路情報の比較結果を取得する。
【0068】
道路情報比較部103は、第1道路情報と第2道路情報が一致していると判定できる場合は、第2道路情報を道路情報決定部104に出力する。しかしながら、第2道路情報がわずかな誤差を含んでいる可能性もある。
【0069】
第2道路情報が誤差を含んでいる場合とは、例えば測位衛星から取得した自車位置の測位情報21と高精度の地図情報20とを組み合わせて第2道路情報を取得した際に、測位衛星の測位は数cm~数m程度の誤差が含まれている可能性があるため、道路情報にもわずかな誤差が入ってしまう場合などである。
【0070】
一方、周辺監視センサ22は、道路情報を直接検出しているため、第1道路情報は第2道路情報と比較して誤差が発生する可能性は低い。このため、第2道路情報の中の自車両の近傍の道路情報を、第1道路情報を用いて補正することにより、より精度の高い道路情報を算出することができる。この結果、精度の高い道路情報を車両制御部105に出力することにより、より安全性の高い自動運転制御が実現できる。
【0071】
ステップS303において、道路情報決定部104は、道路情報比較部103が出力した比較結果が、「一致」であるか否かを判断する。比較結果が「一致」である場合は、ステップS304に進む。一方、比較結果が「一致」ではない場合は、ステップS306に進む。
【0072】
ステップS304において、道路情報決定部104は、第1道路情報を用いて第2道路情報を補正して、ステップS305の処理に進む。
【0073】
ステップS305において、道路情報決定部104は、決定した道路情報を車両制御部105に出力して、処理を終了する。
【0074】
ステップS303において比較結果が「一致」ではない場合は、ステップS306において、道路情報決定部104は、車両制御部105に出力する道路情報として、第2道路情報は使用しないと決定し、ステップS305の処理に進む。
【0075】
第1道路情報と第2道路情報が一致しない場合は、より自車両の近傍を検出している第1道路情報の方が道路情報としての信頼性が高いと考えられるため、第2道路情報は車両制御部105に出力せず、第1道路情報のみを出力する。
【0076】
また、上述では比較結果が「比較不可」である場合も第1道路情報を出力するが、第1道路情報と第2道路情報のそれぞれの信頼度を道路情報比較部103から取得し、第1道路情報に比べて第2道路情報の方が、信頼度が高いと判断できる場合は第2道路情報を出力する構成としても良い。
【0077】
道路情報の比較結果が一致している場合は、第1道路情報を用いて第2道路情報を補正し、補正した第2道路情報を道路情報決定部104から車両制御部105に出力する。補正を行う理由は、第2道路情報からは遠方の道路情報を取得可能であるが、自車両と道路区画線との相対距離などの細やかな精度は、自車両の近傍を検出している第1道路情報の方が、精度が高いからである。このため、第1道路情報を用いて第2道路情報を補正することにより、遠方までのより高精度な道路情報を得ることができる。
【0078】
道路情報の補正の一例として、例えば第1道路情報における自車両から道路区画線までの相対距離と、第2道路情報における自車両から道路区画線までの相対距離とを重みづけをして加算することにより補正する方法が挙げられる。なお、この場合、第1道路情報の重み係数を0としても良い。また、第1道路情報の信頼度に応じて重みづけを変化させても良い。すなわち、第1道路情報の補正量を0として、第2道路情報のみを出力しても良い。
【0079】
<実施の形態1の効果>
以上、実施の形態1に係る車両制御装置及び車両制御方法によると、複数の情報源による道路情報を比較することで道路情報の正確性を判定することが可能となり、判定結果に基づき道路情報を算出するため、正確な道路情報を用いて車両を安定に制御することが可能となるという効果を奏する。
【0080】
以上、実施の形態1に係る車両制御装置100の各構成要素の機能が、ハードウェア及びソフトウェアなどのいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしながら、これに限られたものではなく、車両制御装置100の一部の構成要素を専用のハードウェアで実現し、別の一部の構成要素をソフトウェアなどで実現する構成であっても良い。
【0081】
例えば、
図11及び
図12に示すように、一部の構成要素については専用のハードウェアとしての処理回路800でその機能を実現し、他の一部の構成要素についてはプロセッサ801としての処理回路800が、記憶装置802に格納された実施の形態1に係る車両制御方法をコンピュータ等で実行させるためのプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0082】
さらに、
図12に示すように、車両制御装置100の各機能部等が用いる設定データは、ソフトウェアの一部、すなわち、実施の形態1に係る車両制御方法をコンピュータ等で実行させるためのプログラム804が記憶されている記録媒体803から記憶装置802にインストールされても良い。
【0083】
以上のように、実施の形態1に係る車両制御装置100は、ハードウェア、ソフトウェアなど、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0084】
<本願の諸態様のまとめ>
以下、本願の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0085】
(付記1)
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶する第1道路情報記憶部と、
地図情報に基づく第2道路情報を取得する第2道路情報取得部と、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較する道路情報比較部と、
前記道路情報比較部の比較結果に基づき道路情報を決定する道路情報決定部と、
を備える車両制御装置。
【0086】
(付記2)
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較する際に、前記第1道路情報と前記第2道路情報の道路位置が重複している距離が予め設定された閾値距離よりも小さい場合は、前記比較結果として比較不可であると出力することを特徴とする付記1に記載の車両制御装置。
【0087】
(付記3)
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較し、前記第1道路情報と前記第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は前記比較結果として一致すると出力し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は前記比較結果として不一致であると出力することを特徴とする付記1または2に記載の車両制御装置。
【0088】
(付記4)
前記道路情報比較部は、前記第1道路情報記憶部が前記第1道路情報を記憶している時間に基づき、前記閾値偏差を調整することを特徴とする付記3に記載の車両制御装置。
【0089】
(付記5)
前記自車両を制御する車両制御部をさらに備え、
前記道路情報比較部が前記比較結果として不一致であると出力した場合は、前記第2道路情報を前記車両制御部で使用しないことを特徴とする付記1から4のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0090】
(付記6)
前記道路情報比較部が前記比較結果として一致であると出力した場合は、前記道路情報決定部は、前記第1道路情報を用いて前記第2道路情報を補正することを特徴とする付記1から5のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0091】
(付記7)
前記第2道路情報の信頼度を表す第2道路情報信頼度が予め設定された閾値信頼度よりも低い場合は、前記道路情報比較部は前記比較結果を比較不可であると出力することを特徴とする付記1から6のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0092】
(付記8)
前記第1道路情報記憶部は、過去に記憶した第1道路情報を前記自車両の車両移動情報に基づき座標変換し、座標変換された過去の第1道路情報と、現在の第1道路情報とを合わせて記憶することを特徴とする付記1から7のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0093】
(付記9)
前記第1道路情報記憶部は、座標変換した過去の第1道路情報と現在の第1道路情報との間で道路位置が重複する部分がある場合は、重複した道路位置については前記現在の第1道路情報を優先して記憶することを特徴とする付記8に記載の車両制御装置。
【0094】
(付記10)
前記第1道路情報記憶部は、前記第1道路情報の信頼度を表す第1道路情報信頼度が予め設定された閾値信頼度よりも低い、または前記第1道路情報に異常値が含まれる場合は、現在の第1道路情報を記憶しないことを特徴とする付記1から7のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0095】
(付記11)
前記第1道路情報記憶部は、前記第1道路情報に前記異常値が含まれる回数が、予め設定された閾値異常回数以上である場合は、前記第1道路情報記憶部が記憶している前記第1道路情報を削除することを特徴とする付記10に記載の車両制御装置。
【0096】
(付記12)
前記第1道路情報記憶部は、過去に記憶された前記第1道路情報が、記憶された時点から予め設定された時間以上経過した場合は、過去に記憶された前記第1道路情報を削除することを特徴とする付記1から11のいずれか1項に記載の車両制御装置。
【0097】
(付記13)
車両制御装置によって以下の各ステップが実行される車両制御方法であって、
自車両の周辺を監視する周辺監視センサを用いて検出された第1道路情報を記憶するステップと、
地図情報に基づく第2道路情報を取得するステップと、
前記第1道路情報と前記第2道路情報とを比較し、前記第1道路情報と前記第2道路情報との道路情報偏差が予め設定された閾値偏差以下である場合は、比較結果として一致すると出力し、道路情報偏差が予め設定された閾値偏差よりも大きい場合は、比較結果として不一致であると出力するステップと、
前記比較結果に基づき道路情報を決定するステップと、
を備える車両制御方法。
【0098】
(付記14)
前記第1道路情報の信頼度を表す第1道路情報信頼度が、予め設定された閾値信頼度よりも低い、または前記第1道路情報に異常値が含まれる場合は、現在の第1道路情報を記憶しないことを特徴とする付記13に記載の車両制御方法。
【0099】
(付記15)
前記第2道路情報の信頼度を表す第2道路情報信頼度が、予め設定された閾値信頼度よりも低い場合は、前記比較結果として比較不可であると出力することを特徴とする付記13または14に記載の車両制御方法。
【0100】
本開示は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
【0101】
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
【符号の説明】
【0102】
10 車両、20 地図情報、21 測位情報、22 周辺監視センサ、23 車両移動情報、100 車両制御装置、101 第1道路情報記憶部、102 第2道路情報取得部、103 道路情報比較部、104 道路情報決定部、105 車両制御部、200 アクチュエータ装置、800 処理回路、801 プロセッサ、802 記憶装置、803 記録媒体、804 プログラム