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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164417
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】移動案内装置および移動案内方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/36 20060101AFI20241120BHJP
【FI】
G01C21/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079872
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】324003048
【氏名又は名称】三菱電機モビリティ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大史
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA05
2F129BB26
2F129EE43
2F129GG17
(57)【要約】
【課題】本開示は、移動体の揺れの正確な予測に基づき、適切なタイミングで搭乗者に備え付けのトイレへの移動を案内することを目的とする。
【解決手段】移動案内装置101は、現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出する尿意レベル算出部12と、移動体のドライバーが過去に運行予定経路に沿って移動体を運転した際の移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出する揺れ推定部15と、搭乗者の属性に基づき、搭乗者が座席を立ってから移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出する移動時間算出部14と、移動時間と揺れ推定値とに基づき、尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する案内決定部16と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出する尿意レベル算出部と、
前記移動体のドライバーが過去に前記運行予定経路に沿って前記移動体を運転した際の前記移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における前記移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出する揺れ推定部と、
前記搭乗者の属性に基づき、前記搭乗者が座席を立ってから前記移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出する移動時間算出部と、
前記移動時間と前記揺れ推定値とに基づき、前記尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、前記トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する案内決定部と、を備える、
移動案内装置。
【請求項2】
前記ドライバー情報は、前記ドライバーの前記移動体の運転回数および運転時間の情報を含む、
請求項1に記載の移動案内装置。
【請求項3】
前記運行予定経路上の信号機の現在の灯火状態と前記移動体の位置情報とに基づき、前記信号機が前記移動体と遭遇する際に黄色を灯火する黄色信号機であるか否かを判断し、前記黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の前記黄色信号機と前記移動体との距離を推定する信号特定部をさらに備え、
前記揺れ推定部は、前記黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の前記黄色信号機と前記移動体との距離に基づき、前記揺れ推定値を算出する、
請求項1に記載の移動案内装置。
【請求項4】
前記移動体のダイヤと現在の位置情報とを比較して、前記移動体の前記ダイヤに対する遅延時間を算出する遅延時間算出部をさらに備え、
前記揺れ推定部は、前記遅延時間に基づき、前記揺れ推定値を算出する、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の移動案内装置。
【請求項5】
尿意レベル算出部が、現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出し、
揺れ推定部が、前記移動体のドライバーが過去に前記運行予定経路に沿って前記移動体を運転した際の前記移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における前記移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出し、
移動時間算出部が、前記搭乗者の属性に基づき、前記搭乗者が座席を立ってから前記移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出し、
案内決定部が、前記移動時間と前記揺れ推定値とに基づき、前記尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、前記トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する、
移動案内方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体の搭乗者を移動体に備え付けのトイレへ安全に移動させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数人が乗車する高速バスなどの大型車両の中には、長時間の移動を目的とするため、車両内にトイレを備えつけているものがある。また、高速バスは、時刻表通りの運行を実施するため、緊急時を除けば数時間に一度のサービスエリアでの休憩以外で停車することはない。走行中に搭乗者がトイレに行くためには、揺れる車内を移動する必要があるため、その際の安全を確保する技術が求められる。
【0003】
なお、車両の揺れを考慮して搭乗者を支援する技術として、特許文献1には、閾値以上の加速度の発生が予測された場合に、アラーム音を出力することで搭乗者に化粧を中断させる、車両用搭乗者支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-043762号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の車両用搭乗者支援装置は、地図情報に含まれる路面の凹凸に関する情報、MMS(Mobile Mapping System)計測システム搭載車両で計測した加速度の経時測定データ、または外部センサから取得した周辺情報に基づいて、車両で発生する加速度を予測している(段落0059,0060)。しかし、加速度の予測において、ドライバーの運転技量または運転傾向が考慮されていないため、ドライバーの特性に応じた正確な加速度予測は行われていない。
【0006】
高速バスなどの大型車両に採用される空気ブレーキは、一般車両に採用される油圧ブレーキに比べて制動力が高く、ペダルの踏み込みを誤ると急制動が起こる。また、空気は油に比べて圧縮性が高いため、空気ブレーキは油圧ブレーキに比べてブレーキ動作のレスポンスが遅い。さらに、空気ブレーキは操作の度にエアタンク内の空気を消費するため、過度なブレーキ操作により空気圧が低下し、ブレーキ力が低下しやすい。これらの理由から、大型車両においてブレーキ時の制動加速度の変化は、ドライバーの運転技量または運転傾向に依存するところが大きい。
【0007】
本開示は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、移動体の揺れの正確な予測に基づき、適切なタイミングで搭乗者に備え付けのトイレへの移動を案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の移動案内装置は、現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出する尿意レベル算出部と、移動体のドライバーが過去に運行予定経路に沿って移動体を運転した際の移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出する揺れ推定部と、搭乗者の属性に基づき、搭乗者が座席を立ってから移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出する移動時間算出部と、移動時間と揺れ推定値とに基づき、尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する案内決定部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示の移動案内装置は、ドライバーが過去に同一経路を運転した際の移動体の加速度変化記録に基づき、移動体の揺れ推定値を算出するため、ドライバー自身の運転特性を考慮して正確に揺れ推定値を算出することができる。従って、適切なタイミングで搭乗者にトイレへの移動を案内することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る移動案内装置およびその周辺装置の構成図である。
図2】車両1における移動案内の周辺装置の配置例を示す図である。
図3】実施の形態1に係る移動案内装置の動作を示すフローチャートである。
図4】加速度変化記録を運行予定経路に沿って表した図である。
図5図4の加速度変化記録から得られる揺れ推定値を示す図である。
図6】運転技量に応じて異なる揺れ推定値を示す図である。
図7】揺れ推定値の閾値を示す図である。
図8】実施の形態2に係る移動案内システムの構成図である。
図9】実施の形態3に係る移動案内システムの構成図である。
図10】移動案内装置のハードウェア構成を示す図である。
図11】移動案内装置のハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<A.実施の形態1>
図1は、実施の形態1に係る移動案内装置101とその周辺装置の構成を示している。図1に示されるように、移動案内装置101は、超音波センサ21、カメラ22、スピーカー23、加速度センサ24、サーバー25および通信装置26と接続され、これらを利用可能に構成されている。
【0012】
移動案内装置101は、トイレが備え付けられた移動体の搭乗者に対して、トイレへの移動案内を行う。搭乗者がトイレへ移動し座席に戻るまでの間に移動体が大きく揺れると、搭乗者は転倒するおそれがあり、危険である。そのため、移動案内装置101は移動体の揺れを事前に予測し、搭乗者に安全なタイミングでトイレ10への移動案内を行う。以下の説明では、高速バスなどの車両を移動体の例として説明する。
【0013】
図2は、車両1の構成を示している。車両1は、運転席2の他に複数の座席3と、トイレ10とを備えている。各座席3の前方には超音波センサ21が設けられている。横並びの2つの座席3に対して、それらの前方に1つのカメラ22が設けられている。各座席3にはスピーカー23が設けられている。加速度センサ24および通信装置26は運転席2の付近に設けられている。
【0014】
但し、上記の各構成の配置は図2に示すものに限らない。例えば、カメラ22およびスピーカー23は、座席3ごとに配置される必要はない。カメラ22は車内通路に1つ設けられ、搭乗者が車両1に乗車する際に、搭乗者を撮影してもよい。スピーカー23は、搭乗者ごとに音声案内を行うため、図1の例では座席3ごとに配置されているが、音声案内対象の搭乗者ごとに指向性を制御できるスピーカー23であれば、車両1の車室内の任意の場所に1つだけ設置されていてもよい。車両1の揺れが車室内の位置によって大きく異なる場合、運転席2の周辺以外にも、例えば車両1の中央または後方に設けられていてもよい。
【0015】
超音波センサ21、カメラ22、加速度センサ24、およびスピーカー23は、CAN(Controller Area Network)またはLIN(Local Inter Net)などの通信経路を介して移動案内装置101に接続される。
【0016】
超音波センサ21は、座席3に着座している搭乗者の下腹部に向けて超音波を放射する発信部と、下腹部からの反射波を受信する受信部と、受信した反射波の状態を画像化する画像生成部とを含む。超音波センサ21は、超音波を放射する発信部と、反射波を受信する受信部とは、搭乗者の下腹部に向けられている必要がある。例えば、発信部および受信部は、座席3ごとに、シートベルト、前方座席、座席3の上方の天井、の少なくともいずれか1つに設けられている。これにより、超音波センサ21は、搭乗者の膀胱の画像を生成することができる。
【0017】
カメラ22は、搭乗者の映像を撮影し、移動案内装置101に出力する。カメラ22の撮影映像は、移動案内装置101において搭乗者の属性を取得するために用いられる。搭乗者の属性には、例えば、搭乗者の年齢、性別、歩行障害の有無などが含まれる。なお、図1の例では2つの座席3に対して1つのカメラ22が設けられているが、より多数の搭乗者を1つのカメラ22で撮影できる場合には、カメラ22の設置数を減らしてもよい。例えば、カメラ22が通路上にのみ設置され、それにより設置数が減らされてもよい。
【0018】
スピーカー23は、搭乗者に対しトイレ10へ安全に移動できるタイミングを音声で案内する。ある搭乗者を対象としてトイレ10への移動案内を行う場合、その案内音声が他の搭乗者にも聞こえることは、プライバシー保護の観点から望ましくない。また、大型バスは夜間に運行することもあるため、ある搭乗者への音声案内によって他の搭乗者の睡眠が妨げられることも望ましくない。そのため、図2の例では、スピーカー23は各座席3に配置され、対応する座席3に着座している搭乗者にのみ音声案内を行うことが可能な指向性を有するものとなっている。なお、移動案内装置101は、案内対象の搭乗者の睡眠状態をカメラ22の撮影映像から判断し、案内対象の搭乗者が眠っていない場合にのみ、音声案内を実施するようにしてもよい。
【0019】
加速度センサ24は走行中の車両1の加速度変化を検出する。大型車両では空気圧式ブレーキが主流であり、ブレーキ時の車両の揺れはドライバーの技量に依存する。そこで、加速度センサ24で測定された加速度変化は、例えばサーバー25に保存され、次回以降のドライバーの運転における加速度の推定に用いられる。
【0020】
通信装置26は、移動案内装置101の指示を受け、現在車両1を運転しているドライバー(以下、対象ドライバーとも称する)の運転特性を表すドライバー情報をサーバー25から取得し、移動案内装置101に送信する。
【0021】
次に、図1を参照して移動案内装置101の構成を説明する。移動案内装置101は、ドライバー情報取得部11、尿意レベル算出部12、属性取得部13、移動時間算出部14、揺れ推定部15および案内決定部16を備えている。
【0022】
ドライバー情報取得部11は、対象ドライバーのドライバー情報を、通信装置26を介してサーバー25から取得する。対象ドライバーのドライバー情報は、対象ドライバーが過去に現在の運行予定経路に沿って車両1を運転したときの、車両1の加速度変化の時系列データ(以下、加速度変化記録とも称する)を含む。対象ドライバーが過去に車両1を運行予定経路に沿って運転したことがある場合には、その加速度変化記録がサーバー25に保存されている。対象ドライバーが車両1をはじめて運転する場合、ドライバー情報取得部11は、対象ドライバーが車両1と同種類の車両を運行予定経路に沿って運転したときの、その車両の加速度変化記録を、対象ドライバーのドライバー情報として取得しても良い。車両1と同種類の車両とは、例えば車両1が高速バスである場合における他の高速バス、または大型車両である。
【0023】
対象ドライバーのドライバー情報は、対象ドライバーによる車両1の運転回数、運転時間、加減速の緩やかさ、最適なブレーキングを実施しているか否かなどの情報を含んでいてもよい。これらのドライバー情報は、対象ドライバーが車両1を運転する度に、移動案内装置101のメモリまたはサーバー25に記録される。対象ドライバーが今回の運行予定経路を初めて運転する場合、ドライバー情報取得部11は、対象ドライバーと車両1の運転回数または運転時間が類似する他のドライバーの加速度変化記録の平均値を、対象ドライバーのドライバー情報として利用してもよい。
【0024】
ドライバー情報取得部11は、対象ドライバーのドライバー情報を取得するため、対象ドライバーを特定する必要がある。そこで、ドライバー情報取得部11は、ドライバーの認証を行い、ドライバーを特定した上で、対象ドライバーのドライバー情報を取得する。ドライバーの認証方法には、例えばパスワード認証、指紋認証によるアカウントログイン、またはカメラ22を用いた顔認証が用いられる。
【0025】
尿意レベル算出部12は、超音波センサ21の測定データを取得し、この測定データに基づき搭乗者の膀胱容量と膀胱内の尿量とを算出し、さらに搭乗者の尿意の程度を表す尿意レベルを算出する。尿意レベルは、例えば(膀胱内の尿量)/膀胱容量で数値化される。
【0026】
また、尿意レベル算出部12は、尿意レベルが予め定められた閾値以上である搭乗者を対象搭乗者として特定し、対象搭乗者の情報をその尿意レベルと共に移動時間算出部14へ送信する。
【0027】
属性取得部13は、カメラ22による搭乗者の撮影映像を取得し、これに基づき、年齢、性別、または歩行障害の有無といった、搭乗者の属性を取得する。
【0028】
移動時間算出部14は、属性取得部13から対象搭乗者の属性を取得し、対象搭乗者のトイレ移動時間を推定する。トイレ移動時間とは、対象搭乗者が座席3を立ってから、トイレ10に移動し、トイレ10で用を済ませ、座席3に戻るまでの時間である。対象搭乗者が複数存在する場合、移動時間算出部14はトイレ移動時間の長い順に対象搭乗者を順位付けする。
【0029】
揺れ推定部15は、ドライバー情報取得部11から取得した運転特性データに基づき、現時点から所定時間後までの車両1の揺れの大きさを推定する。
【0030】
案内決定部16は、揺れ推定部15から取得した揺れ推定値と、移動時間算出部14から取得した対象搭乗者のトイレ移動時間とに基づき、対象搭乗者にトイレの移動案内を行うタイミングと、その案内内容とを決定する。
【0031】
図3は、移動案内装置101の動作を示すフローチャートである。以下、図3のフローに沿って移動案内装置101の動作を説明する。図3のフローは、車両1が走行開始と共に開始され、車両1が目的地に到着するまでは一定周期などで繰り返し行われる。
【0032】
まず、移動案内装置101はステップS101およびステップS105の処理を行う。
【0033】
ステップS101の処理について説明する。ステップS101において、属性取得部13はカメラ22による搭乗者の撮影映像を取得し、撮影映像に基づき搭乗者の属性を取得する。
【0034】
ステップS101の後、ステップS102において、尿意レベル算出部12は超音波センサ21の測定データを取得し、測定データに基づき搭乗者の尿意レベルを算出する。
【0035】
ステップS102の後、ステップS103において、尿意レベル算出部12は、搭乗者の尿意レベルが予め定められた閾値以上となるか否かを判断する。全ての搭乗者について尿意レベルが閾値未満であれば、尿意レベル算出部12の処理はステップS102に戻る。尿意レベルが閾値以上となる対象搭乗者が現れるまで、ステップS102およびステップS103が繰り返される。
【0036】
なお、長距離バスは休憩またはドライバーの交代のため、数時間に一度サービスエリアに停車する。そのため、停車するサービスエリアが近いときはステップS102およびステップS103の繰り返し周期を長くし、尿意レベル算出部12による処理負荷を低減してもよい。
【0037】
ステップS103において尿意レベルが閾値以上となる対象搭乗者がいれば、次のステップS104において移動時間算出部14が対象搭乗者のトイレ移動時間を算出する。トイレ移動時間の算出には、ステップS101で取得した搭乗者の属性が用いられる。なお、対象搭乗者が複数存在する場合、尿意レベル算出部12は、尿意レベルが高い順に対象搭乗者を順位付けする。
【0038】
ステップS101からステップS104の処理と平行して、ステップS105からステップS108の処理が実行される。ステップS105において、ドライバー情報取得部11は、対象ドライバーが現在の運行予定経路を過去に走行した際の車両1の加速度変化記録を、通信装置26を介してサーバー25から取得する。なお、ドライバー情報取得部11は、加速度変化記録に加え、車両1の運転回数または運転時間といった対象ドライバーの運転技量を表す情報を取得しても良い。
【0039】
ステップS105の後、ステップS106において、揺れ推定部15は現在地から目的地までの間に車両1に発生する揺れの大きさを推定する。具体的には、揺れ推定部15は、対象ドライバーが過去に同じ経路を運転した際の加速度変化記録に基づき、揺れの大きさを推定する。揺れの大きさの推定値を揺れ推定値と称する。
【0040】
図4は、加速度変化記録を車両1の現在地から目的地までの経路40上の地点P1,P2,P3,P4について示したものである。対象ドライバーが過去に経路40に沿って車両1を運転した際、地点P2において加速度変化が大きく、地点P3において加速度変化が小さく、地点P4において加速度変化が中程度であったとする。
【0041】
図5は、図4の加速度変化記録に基づく車両1の揺れの推定結果を示している。車両1の地点P1,P2,P3,P4への到達時刻をそれぞれT1,T2,T3,T4とする。図5の例によれば、加速度変化の小さい地点P1(時刻T1)において揺れ推定値が低くなり、加速度変化が中程度の地点P4(時刻T4)において揺れ推定値が中程度となり、加速度変化が大きい地点P2(時刻T2)において揺れ推定値が高くなる。このように、揺れ推定部15は、対象ドライバーが過去に同一の経路を走行した際の加速度変化記録に基づき、目的地までの車両1の揺れの大きさを推定する。
【0042】
揺れ推定部15は、対象ドライバーの運転技量に基づき揺れ推定値を補正してもよい。運転技量は、対象ドライバーによる車両1の運転回数、運転時間、加減速の緩やかさ、または最適なブレーキングを実施しているか否かなどの情報により表され、これらの情報はドライバー情報に含まれる。図6に、運転技量の異なるドライバーX,Yの揺れ推定値を示す。運転技量の高いドライバーYに比べ、運転技量の低いドライバーXは揺れ推定値が大きくなる。
【0043】
ステップS104およびステップS106の後、ステップS107において案内決定部16は、揺れ推定部15から取得した揺れ推定値と、移動時間算出部14から取得した対象搭乗者のトイレ移動時間とに基づき、対象搭乗者に音声案内を行うべきか否か、また行う場合にはその案内内容を決定する。具体的には、案内決定部16は、現在時刻からトイレ移動時間を経過するまでの間の揺れ推定値の最大値Smaxを閾値と比較する。
【0044】
図7は、揺れ推定値の第1閾値TH1と第2閾値TH2とが示されている。これらの閾値により、揺れ推定値は3段階に分類され、分類ごとに案内の可否等が決定される。揺れ推定値が第1閾値TH1未満の場合、対象搭乗者への移動案内が行われる(ステップS108)。揺れ推定値が第1閾値TH1以上第2閾値TH2未満の場合、対象搭乗者に対し、揺れにより転倒する可能性について注意喚起の上、移動案内が行われる(ステップS109)。揺れ推定値が第2閾値TH2以上の場合、現時点で対象搭乗者の音声案内は行われない。すなわち、対象搭乗者への音声案内は、揺れ推定値が第2閾値TH2未満となるまで待機される(ステップS110)。
【0045】
ここでは、揺れ推定値の2つの閾値について説明したが、より多くの閾値が定められ、揺れ推定値の大きさに応じてより細かく音声案内の内容が変更されてもよい。また、これらの閾値は、年齢、性別または歩行障害の有無といった対象搭乗者の属性に応じて変更されてもよい。例えば、案内決定部16は、高齢者または松葉杖を使う負傷者に対して、揺れ推定値の閾値を低く設定してもよい。
【0046】
上記では、対象搭乗者が一人の場合について説明した。尿意レベルが閾値以上となる対象搭乗者が複数いる場合、ステップS107からステップS110の処理は、優先順位の高い対象搭乗者から順番に行われる。例えば、優先順位第1位の対象搭乗者が移動案内を受けてトイレ10へ移動し、座席3へ戻ったタイミングで、優先順位第2位の対象搭乗者に対してステップS107の処理が行われても良い。
【0047】
全ての対象搭乗者に対する移動案内が終了した後も、車両1が目的地に到着するまで移動案内装置101は図3のフローを繰り返す。車両1が目的地に到着すると、移動案内装置101は、今回の運行で得られたドライバー情報をサーバー25に送信する。このドライバー情報は、加速度変化記録の他に、運転時間、運転回数、加減速の緩やかさなどの運転技量を表すデータを含む。サーバー25は、今回の加速度変化記録と、同一経路についての過去の加速度変化記録との平均を算出し、平均を新たな加速度変化記録として更新する。また、サーバー25は、今回の運転技量を表すデータを既存の運転技量を表すデータに加算した値を、新たな運転技量とする。
【0048】
以上、高速バスなどの大型車両におけるトイレへの移動案内を行う移動案内装置101について説明した。しかし、移動案内装置101は、大型車両に限らず、航空機または新幹線などトイレを備え付けた他の移動体にも適用可能である。
【0049】
以上に説明したように、実施の形態1に係る移動案内装置101は、移動体である車両1の搭乗者の尿意レベルを算出する尿意レベル算出部12と、車両1のドライバーが過去に運行予定経路に沿って車両1を運転した際の車両1の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における車両1の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出する揺れ推定部15と、搭乗者の属性に基づき、搭乗者が座席を立ってから車両1に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出する移動時間算出部14と、移動時間と揺れ推定値とに基づき、尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する案内決定部16と、を備える。移動案内装置101によれば、車両1のドライバーの加速度変化記録に基づき、ドライバーの運転特性を考慮して正確に揺れ推定値を算出することができるため、安全なタイミングで搭乗者にトイレへの移動を案内することができる。
【0050】
<B.実施の形態2>
図8は、実施の形態2に係る移動案内装置102とその周辺装置の構成を示している。移動案内装置102は、実施の形態1に係る移動案内装置101の構成に加えて信号特定部17を備えている。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明を行う。
【0051】
通信装置26は、V2X(Vehicle to X)により、車両1の運行予定経路上にある信号機27から、信号機27が何色で点灯しているかを表す灯火状態を取得する。通信装置26と信号機27との間の無線通信の方式には、例えばLTE通信または5G通信が用いられる。
【0052】
GNSS(Global Navigation Satellite System)アンテナ28は、車両1に搭載され、衛星からの衛星信号を受信し、移動案内装置101に出力する。
【0053】
信号特定部17は、GNSSアンテナ28から衛星信号を取得し、衛星信号に基づき車両1の位置情報を取得する。また、信号特定部17は、通信装置26を介して、車両1の運行予定経路上にある信号機27からその灯火状態を取得する。なお、車両1の位置情報と信号機27の灯火状態は随時更新されてもよい。信号特定部17は、車両1の位置情報と信号機27の灯火状態とに基づき、車両1が遭遇する際に黄色の灯火を行うと推定される信号機27を黄色信号機として特定する。そして、信号特定部17は、黄色信号機の情報と、黄色信号機の灯火が黄色に転じたときの黄色信号機と車両1との距離(以下、単に「黄色信号機との距離」と称する)の情報を含む信号情報を、揺れ推定部15に送信する。
【0054】
なお、信号機27が黄色を灯火する時間は数秒程度であるため、車両1から遠距離にある信号機27が黄色信号機であるか否かを推定することは困難である。従って、信号特定部17は、走行予定経路上の車両1から最寄りの信号機27についてのみ、黄色信号機か否かの判断を行ってもよい。
【0055】
揺れ推定部15は、実施の形態1と同様に車両1の揺れ推定値を算出することに加え、この揺れ推定値を信号特定部17から取得した信号情報に基づき補正する。車両1の加速度変化は、混雑度の他、信号機27の状況にも依存する。車両1の前方の信号機27が黄色信号である場合、車両1は減速して停止するか、加速して信号機27を通過する必要があり、車両1に揺れが発生する。対象ドライバーが、黄色信号機に遭遇して車両1の減速または加速のいずれを選択するかは、黄色信号機との距離の影響を受ける。そこで、揺れ推定部15は、黄色信号機との距離に閾値を設け、黄色信号機との距離が閾値未満であれば車両1が加速、閾値以上であれば車両1が減速して停止するものとして、その際に車両1に生じる加速度変化による揺れを、車両1の揺れ推定値に反映させる。
【0056】
なお、黄色灯火に遭遇した際に、車両1を加速させて信号機を通過するか、無理なく減速して停止線前で停止するかは、ドライバー個人の特性により異なる。そのため、上記の黄色信号機との距離の閾値は、対象ドライバーの運転特性に応じて変更されてもよい。具体的には、揺れ推定部15は、加速度変化記録に基づき、対象ドライバーが信号のある地点で急加速をする傾向があると判断する場合に、通常のドライバーに比べて、上記の黄色信号機との距離の閾値を小さくしてもよい。このように、揺れ推定部15は、対象ドライバーが黄色信号に遭遇した際の運転傾向を利用することにより、車両1の揺れの精度を高めることができる。
【0057】
実施の形態2に係る移動案内装置102は、移動案内装置101の構成に加えて、運行予定経路上の信号機27の現在の灯火状態と車両1の位置情報とに基づき、信号機27が車両1と遭遇する際に黄色を灯火する黄色信号機であるか否かを判断し、黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の黄色信号機と車両1との距離を推定する信号特定部17を備える。揺れ推定部15は、黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の黄色信号機と車両1との距離に基づき、揺れ推定値を算出する。これにより、黄色灯火に遭遇した際の車両1の加速または減速を考慮して、正確に車両1の揺れの大きさを推定することができる。
【0058】
<C.実施の形態3>
図9は、実施の形態3に係る移動案内装置103とその周辺装置の構成を示している。移動案内装置103は、実施の形態2に係る移動案内装置102の構成に加えて遅延時間算出部18を備えている。以下、実施の形態2との相違点を中心に説明を行う。
【0059】
遅延時間算出部18は、GNSSアンテナ28が受信した衛星信号に基づき車両1の位置情報を取得する。また、遅延時間算出部18は、通信装置26を介してサーバー25から車両1のダイヤを取得する。バスなどの公共交通機関は、運行予定経路上の各地点の通過時刻を分単位で指定したダイヤに従い運行している。遅延時間算出部18は、車両1のダイヤと位置情報とを照合し、現時点での車両1のダイヤに対する遅延時間を算出する。
【0060】
揺れ推定部15は、実施の形態2と同様に車両1の揺れ推定値を算出および補正する共に、車両1の遅延時間によっても揺れ推定値を補正する。車両1の運行がダイヤに対して遅れている場合、ドライバーは遅れを取り戻そうとして、車線変更または急な加減速を実施する可能性が高くなる。そこで、揺れ推定部15は、例えば遅延時間に応じて図5に示す揺れ推定値のピークを大きくする補正を行う。車両1の遅延時間を考慮することで、車両1の揺れ予測の精度が向上する。
【0061】
なお、車両1に遅延が生じている場合、対象ドライバーは黄色信号機までの距離が大きくても加速する可能性が高い。そこで、実施の形態2で説明した黄色信号機との距離の閾値は、遅延時間に応じて小さく設定されてもよい。
【0062】
実施の形態3に係る移動案内装置103は、移動案内装置101または移動案内装置102の構成に加えて、遅延時間算出部18を備える。遅延時間算出部18は、車両1のダイヤと現在の位置情報とを比較して、車両1のダイヤに対する遅延時間を算出する。揺れ推定部15は、遅延時間に基づき、揺れ推定値を算出する。これにより、移動案内装置103は、ダイヤに対する遅延によるドライバの焦りを考慮して、正確に車両1の揺れの大きさを推定することができる。
【0063】
<D.ハードウェア構成>
上述した移動案内装置101-103における、ドライバー情報取得部11、尿意レベル算出部12,属性取得部13、移動時間算出部14、揺れ推定部15、案内決定部16、信号特定部17および遅延時間算出部18は、図10に示す処理回路81により実現される。すなわち、処理回路81は、ドライバー情報取得部11、尿意レベル算出部12,属性取得部13、移動時間算出部14、揺れ推定部15、案内決定部16、信号特定部17および遅延時間算出部18(以下、ドライバー情報取得部11等)を備える。処理回路81には、専用のハードウェアが適用されても良いし、メモリに格納されるプログラムを実行するプロセッサが適用されても良い。プロセッサは、例えば中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等である。
【0064】
処理回路81が専用のハードウェアである場合、処理回路81は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。ドライバー情報取得部11等の各部の機能それぞれは、複数の処理回路81で実現されてもよいし、各部の機能をまとめて一つの処理回路で実現されてもよい。
【0065】
処理回路81がプロセッサである場合、ドライバー情報取得部11等の機能は、ソフトウェア等(ソフトウェア、ファームウェアまたはソフトウェアとファームウェア)との組み合わせにより実現される。ソフトウェア等はプログラムとして記述され、メモリに格納される。図11に示すように、処理回路81に適用されるプロセッサ82は、メモリ83に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、移動案内装置101-103は、処理回路81により実行されるときに、ドライバー情報取得部11等の機能が結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ83を備える。換言すれば、このプログラムは、ドライバー情報取得部11等の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ83は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disk)およびそのドライブ装置等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
【0066】
以上、ドライバー情報取得部11等の各機能が、ハードウェアおよびソフトウェア等のいずれか一方で実現される構成について説明した。しかしこれに限ったものではなく、ドライバー情報取得部11等の一部を専用のハードウェアで実現し、別の一部をソフトウェア等で実現する構成であってもよい。例えば揺れ推定部15については専用のハードウェアとしての処理回路でその機能を実現し、それ以外についてはプロセッサ82としての処理回路81がメモリ83に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0067】
以上のように、処理回路は、ハードウェア、ソフトウェア等、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0068】
また、上記では移動案内装置101-103を車載装置として説明したが、PND(Portable Navigation Device)、通信端末(例えば携帯電話、スマートフォン、およびタブレットなどの携帯端末)、およびこれらにインストールされるアプリケーションの機能、並びにサーバーなどを適宜に組み合わせてシステムとして構築されるシステムにも適用することができる。この場合、以上で説明した移動案内装置101-103の各機能または各構成要素は、システムを構築する各機器に分散して配置されてもよいし、いずれかの機器に集中して配置されてもよい。
【0069】
以上、好ましい実施の形態等について詳説したが、上記の実施の形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上記の実施の形態等に種々の変形および置換を加えることができる。
【0070】
以下、本開示の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0071】
(付記1)
現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出する尿意レベル算出部と、
前記移動体のドライバーが過去に前記運行予定経路に沿って前記移動体を運転した際の前記移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における前記移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出する揺れ推定部と、
前記搭乗者の属性に基づき、前記搭乗者が座席を立ってから前記移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出する移動時間算出部と、
前記移動時間と前記揺れ推定値とに基づき、前記尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、前記トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する案内決定部と、を備える、
移動案内装置。
【0072】
(付記2)
前記ドライバー情報は、前記ドライバーの前記移動体の運転回数および運転時間の情報を含む、
付記1に記載の移動案内装置。
【0073】
(付記3)
前記運行予定経路上の信号機の現在の灯火状態と前記移動体の位置情報とに基づき、前記信号機が前記移動体と遭遇する際に黄色を灯火する黄色信号機であるか否かを判断し、前記黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の前記黄色信号機と前記移動体との距離を推定する信号特定部をさらに備え、
前記揺れ推定部は、前記黄色信号機の灯火が黄色に変化する際の前記黄色信号機と前記移動体との距離に基づき、前記揺れ推定値を算出する、
付記1または付記2に記載の移動案内装置。
【0074】
(付記4)
前記移動体のダイヤと現在の位置情報とを比較して、前記移動体の前記ダイヤに対する遅延時間を算出する遅延時間算出部をさらに備え、
前記揺れ推定部は、前記遅延時間に基づき、前記揺れ推定値を算出する、
付記1から付記3のいずれか1項に記載の移動案内装置。
【0075】
(付記5)
尿意レベル算出部が、現在地から目的地まで運行予定経路に沿って運行する移動体の搭乗者の尿意レベルを算出し、
揺れ推定部が、前記移動体のドライバーが過去に前記運行予定経路に沿って前記移動体を運転した際の前記移動体の加速度変化記録を含むドライバー情報に基づき、今回の運行における前記移動体の揺れの大きさの推定値である揺れ推定値を算出し、
移動時間算出部が、前記搭乗者の属性に基づき、前記搭乗者が座席を立ってから前記移動体に備え付けられたトイレで用を済ませて座席に戻るまでの移動時間を算出し、
案内決定部が、前記移動時間と前記揺れ推定値とに基づき、前記尿意レベルが予め定められた閾値以上となる対象搭乗者に、前記トイレへの移動案内の音声通知タイミングを決定する、
移動案内方法。
【符号の説明】
【0076】
1 車両、2 運転席、3 座席、10 トイレ、11 ドライバー情報取得部、12 尿意レベル算出部、13 属性取得部、14 移動時間算出部、15 揺れ推定部、16 案内決定部、17 信号特定部、18 遅延時間算出部、21 超音波センサ、22 カメラ、23 スピーカー、24 加速度センサ、25 サーバー、26 通信装置、27 信号機、28 GNSSアンテナ、81 処理回路、82 プロセッサ、83 メモリ、101-103 移動案内装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11