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特開2024-164423組成物、化粧料、および組成物の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164423
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】組成物、化粧料、および組成物の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/39 20060101AFI20241120BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241120BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
A61K8/39
A61Q5/00
A61K8/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023079885
(22)【出願日】2023-05-15
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
(71)【出願人】
【識別番号】000004628
【氏名又は名称】株式会社日本触媒
(74)【代理人】
【識別番号】110002239
【氏名又は名称】弁理士法人G-chemical
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 浩行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB052
4C083AC031
4C083AC032
4C083AC122
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC432
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC712
4C083AD412
4C083BB05
4C083BB11
4C083BB53
4C083CC32
4C083DD01
4C083DD31
4C083EE01
4C083EE28
4C083FF01
(57)【要約】
【課題】油剤を多量に含有させた場合であっても分離が生じず透明性に優れる組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を含む組成物。下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を混合して液晶を形成させる液晶形成工程を備える、組成物の製造方法。R1は炭素数8~18の分岐鎖状アルキル基であることが好ましい。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を含む組成物。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【請求項2】
1は炭素数8~18の分岐鎖状アルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式(1)中の酸素原子に結合するR1中の炭素原子は第二級炭素原子である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
さらにアニオン性界面活性剤を含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤はN-アシルメチルアラニン塩である請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記油剤は、香料、有効成分、または感触改良剤を少なくとも含む請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記油剤の含有量は前記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して10質量部以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物を含む化粧料。
【請求項9】
下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を混合して液晶を形成させる液晶形成工程を備える、組成物の製造方法。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【請求項10】
前記液晶形成工程において、前記式(1)で表される化合物および前記油剤を含む混合物に水を添加して前記液晶を形成させる、請求項9に記載の組成物の製造方法。
【請求項11】
前記液晶形成工程後にアニオン性界面活性剤を添加する、請求項9または10に記載の組成物の製造方法。
【請求項12】
前記アニオン性界面活性剤はN-アシルメチルアラニン塩である請求項11に記載の組成物の製造方法。
【請求項13】
前記油剤は、香料、有効成分、または感触改良剤を少なくとも含む請求項9または10に記載の組成物の製造方法。
【請求項14】
前記油剤の含有量は前記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して10質量部以下である、請求項9または10に記載の組成物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、化粧料、および組成物の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、油剤および水を含み透明性に優れる組成物、上記組成物を含む化粧料、および上記組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧料には香料や有効成分などの油剤が用いられる。しかしながら、水系の化粧料において油剤を配合すると、油剤と水が分離したり、透明性が低下したりする場合がある。
【0003】
特許文献1には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンジオレエートまたはポリオキシエチレンジイソステアレート、油溶性成分、および水を含有する透明水性基剤が開示されている。上記透明水性基剤によれば、油溶性成分を水中へ長期間にわたって安定に可溶化できると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-83496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の透明水性基剤を用いても、油剤を比較的多量に配合した場合、分離や透明性の低下が生じるという問題があった。
【0006】
従って、本発明の目的は、油剤を多量に含有させた場合であっても分離が生じず透明性に優れる組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定の化合物、油剤、および水を含む組成物によれば、油剤を多量に含有させた場合であっても分離が生じず透明性に優れることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を含む組成物を提供する。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【0009】
1は炭素数8~18の分岐鎖状アルキル基であることが好ましい。
【0010】
式(1)中の酸素原子に結合するR1中の炭素原子は第二級炭素原子であることが好ましい。
【0011】
上記組成物は、さらにアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。
【0012】
上記アニオン性界面活性剤はN-アシルメチルアラニン塩であることが好ましい。
【0013】
上記油剤は、香料、有効成分、または感触改良剤を少なくとも含むことが好ましい。
【0014】
上記油剤の含有量は上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記組成物を含む化粧料を提供する。
【0016】
また、本発明は、下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を混合して液晶を形成させる液晶形成工程を備える、組成物の製造方法を提供する。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【0017】
上記液晶形成工程において、上記式(1)で表される化合物および上記油剤を含む混合物に水を添加して上記液晶を形成させることが好ましい。
【0018】
上記製造方法では、上記液晶形成工程後にアニオン性界面活性剤を添加することが好ましい。
【0019】
上記アニオン性界面活性剤はN-アシルメチルアラニン塩であることが好ましい。
【0020】
上記油剤は、香料、有効成分、または感触改良剤を少なくとも含むことが好ましい。
【0021】
上記油剤の含有量は上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の組成物によれば、少量の場合はもちろん、多量に油剤を含有させた場合であっても分離せず透明性に優れる。このため、多量に油剤を含有させた、分離がなく透明性に優れる水系の化粧料を提供することができる。また、本発明の組成物の製造方法によれば、より多量の油剤を含有させた透明性に優れる組成物を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
[組成物]
本発明の組成物は、下記式(1)で表される化合物、油剤、および水を少なくとも含む。
1-O-(CH2CH2O)n-H (1)
[式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、nは2~60の整数を示す]
【0024】
(式(1)で表される化合物)
上記式(1)で表される化合物は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0025】
上記式(1)中、R1は炭素数8~18のアルキル基を示し、好ましくは10~16、より好ましくは12~14である。上記炭素数8~18のアルキル基としては、例えば、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ラウリル基、ステアリル基などが挙げられる。
【0026】
1におけるアルキル基は直鎖状アルキル基または分岐鎖状アルキル基のいずれであってもよい。中でも、分岐鎖状アルキル基が好ましい。上記分岐鎖状アルキル基の分岐位置は特に限定されないが、式(1)中の酸素原子に結合する、R1中の炭素原子が第二級炭素原子または第三級炭素原子であることが好ましく、より好ましくは第二級炭素原子である。R1中の炭素原子が第二級炭素原子である場合、濡れ性に優れ、化粧料として使用した際の油剤の浸透性が高くなり、また、毛髪用化粧料として使用した際の毛髪のうねりを抑制する効果に優れる。
【0027】
上記式(1)中、nはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。nは2~60の整数を示し、好ましくは4~50、より好ましくは6~40である。
【0028】
1におけるアルキル基が分岐鎖状アルキル基である場合の上記式(1)で表される化合物は、下記式(2)で表される化合物が好ましい。
【化1】
【0029】
上記式(2)中、R2、R3、およびR4は、同一または異なって、水素原子、または、直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基を示す。但し、R2、R3、およびR4のうちの2以上が同時に水素原子にはならない。R2、R3、およびR4の合計炭素数は7~17であり、上記式(1)中のR1における炭素数-1に相当する。中でも、R2、R3、およびR4のうちの1つが水素原子であり、残りの2つが直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基(特に、直鎖状アルキル基)であるものが好ましい。nは式(1)中のnと同じである。
【0030】
上記式(1)で表される化合物としては、市販品を使用することもできる。上記市販品としては、例えば、商品名「NIKKOL BT-3」、商品名「NIKKOL BT-5」、「NIKKOL BT-7」、商品名「NIKKOL BT-9」、商品名「NIKKOL BT-12」(以上、日光ケミカルズ株式会社製)、商品名「CK-1309」、商品名「CK-1312」、商品名「CK-1315」、商品名「CK-1320」、商品名「CK-1330」、商品名「CK-1340」(以上、株式会社日本触媒製)などが挙げられる。
【0031】
(油剤)
上記油剤としては、公知乃至慣用のものが挙げられ、具体的には、例えば、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、フッ素系油剤、高級アルコール、アラルキルアルコールおよびその誘導体、ワックス、植物性油脂、動物性油脂、動物性ロウ類、ステロール、サポゲニン類、サポニン類、ダイマー酸またはダイマージオールの誘導体などが挙げられる。上記油剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0032】
上記炭化水素油としては、水添ポリイソブテン、イソドデカン、イソヘキサデカン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、流動パラフィン(ミネラルオイル)、重質流動イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、セレシン、スクワレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリイソブテン、ポリブテン、オリーブ由来スクワラン、ワセリン、固形パラフィン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。
【0033】
上記エステル油としては、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、乳酸セチル、γ-エルカラクトン、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸オクチルドデシル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、オクタン酸セチル、オクタン酸ヘキシルデシル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオデカン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、オレイン酸デシル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、オレイン酸エチル、アボカド油脂肪酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソプロピル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸メチルヘプチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸メチルヘプチル、イソステアリン酸メチルヘプチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジブチルオクチル、アジピン酸ジイソブチル、コハク酸ジオクチル、クエン酸トリエチル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、ジオレイン酸プロピレングリコール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル-10、デカ(エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル-8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ジネオペンタン酸3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ジネオペンタン酸2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、乳酸ミリスチル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルサルコシンイソプロピルなどのアシルサルコシンアルキルエステル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α-ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、コハク酸2-エチルヘキシル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなどが挙げられる。
【0034】
上記シリコーン油としては、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)、高重合ジメチコン(高重合ジメチルポリシロキサン)、シクロメチコン(環状ジメチルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン)、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、(アミノエチルアミノプロピルメチコン/ジメチコン)コポリマー、ジメチコノール、ジメチコノールクロスポリマー、シリコーン樹脂、シリコーンゴム、アミノプロピルジメチコンおよびアモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、カチオン変性シリコーン、ジメチコンコポリオール等のポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、糖変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、リン酸変性シリコーン、硫酸変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルキルエーテル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、ペプチド変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、カチオン変性およびポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性およびポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性およびポリエーテル変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アミノフェニル変性シリコーン、ポリシロキサン・オキシアルキレン共重合体などが挙げられる。
【0035】
上記フッ素系油剤としては、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテルなどが挙げられる。
【0036】
上記高級アルコールとしては、長鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等)、分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)などが挙げられる。
【0037】
上記アラルキルアルコールとしては、ベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0038】
上記ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろう、みつろう、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタム、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマーなどが挙げられる。
【0039】
上記植物性油脂としては、ヤシ油、パーム油、パーム核油、サフラワー油、オリーブ油、ヒマシ油、アボカド油、ゴマ油、茶油、月見草油、小麦胚芽油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ククイナッツ油、ラベンダー油、ゼラニウム油、ローズヒップ油、メドウフォーム油、パーシック油、ティートリー油、ハッカ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、落花生油、コメヌカ油、カカオ脂、シア脂、水素添加ヤシ油、水素添加ヒマシ油、ホホバ油、水素添加ホホバ油などが挙げられる。
【0040】
上記動物性油脂としては、牛脂、乳脂、馬脂、卵黄油、ミンク油、タートル油などが挙げられる。
【0041】
上記動物性ロウ類としては、鯨ロウ、ラノリン類、オレンジラッフィーなどが挙げられる。上記ラノリン類としては、液状ラノリン、還元ラノリン、吸着精製ラノリン、酢酸ラノリン、酢酸液状ラノリン、ヒドロキシラノリン、ポリオキシエチレンラノリン、ラノリン脂肪酸、硬質ラノリン脂肪酸、ラノリンアルコール、酢酸ラノリンアルコール、酢酸(セチル・ラノリル)エステルなどが挙げられる。
【0042】
上記ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、フィトステロール、コール酸などが挙げられる。
【0043】
上記ダイマー酸またはダイマージオールの誘導体としては、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテルなどが挙げられる。
【0044】
また、上記油剤としては、化粧料に配合される油剤として公知乃至慣用のものが挙げられ、例えば、香料、有効成分、感触改良剤として使用される油剤が好ましい。このような油剤の配合量が多くなると、化粧料として使用した際の使用感や賦香率が高くなる。また、有効成分の配合量が多く且つ組成物が透明状態で微分散することで、有効成分の浸透性を向上する効果が期待できる。また、有効成分としてうねり抑制効果を有する油剤を用いた場合、上記式(1)で表される化合物との相乗効果が期待できる。上記香料、上記有効成分、および上記感触改良剤は、これらの2以上が相互に重複していてもよい。
【0045】
上記香料としては、例えば、イランイラン油、クローブ油、サンダルウッド油、シダーウッド油、ジャスミン油、スぺラミント油、タイム油、チュベローズ油、ダマスクバラ花油、バーチ油、ネロリ油、ハッカ油、ベチバー油、ベルガモット油、ペパーミント油、ライム油、レモングラス油、ローズ油、ローズウッド油、ラベンダー油、ゼラニウム油、オレンジ果皮油、トラール、メントール、ショウノウ、サルビノリンA、カンナビノイド、ヒノキチオール、リモネン、ファルネソール、ビタミンA等のテルペン・テルペノイド;植物性油脂;オイゲノール、ショウガオール等のフェノール類;酪酸エステル、プロピオン酸エステル等のエステル類;γ-ノナラクトン、γ-ウンデカラクトン等のラクトン類;炭素数6~20のアルデヒド類などが挙げられる。
【0046】
上記有効成分としては、化粧料に配合される有効成分として公知乃至慣用のものが挙げられ、例えば、ビタミン類、防腐剤・抗菌剤、美白剤、消炎剤、抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、着色剤、制汗剤、清涼剤、収れん剤、抗ヒスタミン剤、育毛用薬剤、還元剤・酸化剤、酵素類、核酸類、ホルモン類、保湿剤などが挙げられる。
【0047】
上記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンE、パントテン酸、これらの誘導体、ビオチンなどが挙げられる。上記誘導体としては、例えば、テトラヘキシルデカン酸アスコルビルなどが挙げられる。
【0048】
上記防腐剤・抗菌剤としては、例えば、エチルパラベン、イソプロピルパラべン、ブチルパラベン、ベンジルパラベン等のパラべン類およびそのナトリウム塩、安息香酸、安息香酸塩、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、感光素、クロルクレゾール、クロロブタノール、サリチル酸、サリチル酸塩類、ソルビン酸およびその塩類、デヒドロ酢酸およびその塩類、トリクロロヒドロキシジフェニルエーテル(別名トリクロサン)、フェノキシエタノール、フェノール、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、レゾルシン、亜鉛・アンモニア・銀複合置換型ゼオライト、安息香酸パントテニルエチルエーテル、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェニルフェノール、オルトフェニルフェノールナトリウム、銀-銅ゼオライト、グルコン酸クロルヘキシジン、クレゾール、クロラミンT、クロルキシレノール、クロルフェネシン、クロルヘキシジン、1,3-ジメチロール-5,5-ジメチルヒダントイン、臭化アルキルイソキノリニウム、チアントール、チモールなどが挙げられる。
【0049】
上記美白剤としては、例えば、テトライソパルミチン酸L-アスコルビル、パルミチン酸L-アスコルビル、ステアリン酸L-アスコルビル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、リノール酸、リノレイン酸、油溶性甘草、コウジ酸の油溶性誘導体、トラネキサム酸の油溶性誘導体、エラグ酸の油溶性誘導体、グリチルリチン酸の油溶性誘導体、グリチルレチン酸の油溶性誘導体、油溶性甘草エキス、L-アスコルビン酸の油溶性誘導体、アゼライン酸の油溶性誘導体、リノール酸、リノレイン酸、グルコサミンの油溶性誘導体、サリチル酸の油溶性誘導体、ビタミンEおよびその油溶性誘導体、ピリドキシンの油溶性誘導体、ビタミンAおよびその油溶性誘導体、4n-ブチルレゾルシノールなどが挙げられる。
【0050】
上記消炎剤としては、例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントインなどが挙げられる。
【0051】
上記抽出物としては、例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻などが挙げられる。
【0052】
上記賦活剤としては、例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体などが挙げられる。
【0053】
上記血行促進剤としては、例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノールなどが挙げられる。
【0054】
上記抗脂漏剤としては、例えば、硫黄、チアントールなどが挙げられる。
【0055】
上記抗炎症剤としては、例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリンなどが挙げられる。
【0056】
上記紫外線吸収剤としては、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4'-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4'-メチルベンジリデン)-d,L-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2'-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2-(2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オンなどが挙げられる。
【0057】
上記清涼剤としては、サリチル酸メチル、カンフル、メントール、メントール誘導体、これらの混合物などが挙げられる。メントール誘導体としては、乳酸メンチル、シュウ酸メンチルエチルアミド、PCAメンチル、メントキシプロパンジオールなどが挙げられる。
【0058】
上記感触改良剤としては、高重合メチルシロキサン等の架橋型メチルポリシロキサン、ジメチコンなどのシリコーン油が挙げられる。その他、上述した各種油剤は、微分散することで感触改良剤として期待できる。
【0059】
上記油剤の含有量は、上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下、6質量部以下、4質量部以下、または2質量部以下であってもよい。上記含有量が10質量部以下であると、上記組成物および上記組成物を含む化粧料の透明性により優れる。上記組成物は油剤を比較的多量に含む場合であっても透明性に優れるため、上記油剤の含有量は、例えば0.01質量部以上であり、0.5質量部以上であってもよい。
【0060】
(アニオン性界面活性剤)
上記組成物は、さらに、アニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤を含むと、保存時の白濁を抑制でき、高温安定性に優れる。上記アニオン性界面活性剤は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0061】
なお、本明細書において、上記組成物が油剤およびアニオン性界面活性剤の両方に該当する化合物を含む場合、当該化合物はいずれか一方として配合するものとし、当該化合物一種を含むことをもって油剤およびアニオン性界面活性剤の両方を含むこととはしない。
【0062】
上記アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);N-アシルメチルアラニン塩(例えば、ラウロイルメチルアラニンナトリウム(ココイルメチルアラニンNa)、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウム等);N-アシルグルタミン酸リシン塩(例えば、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム(ココイルグルタミン酸Na)、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン(ココイルグルタミン酸TEA)等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウムなどが挙げられる。
【0063】
上記アニオン性界面活性剤は、中でも、高温安定性によりいっそう優れる観点か、N-アシルメチルアラニン塩、N-アシルグルタミン酸塩、N-アシルグルタミン酸リシン塩が好ましく、N-アシルメチルアラニン塩が特に好ましい。
【0064】
上記アニオン性界面活性剤の含有量は上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、より好ましくは0.005質量部以上、さらに好ましくは0.01質量部以上、特に好ましくは0.03質量部以上である。上記含有量が上記範囲内であると、透明性および高温安定性により優れる。上記含有量は、例えば100質量部以下である。
【0065】
(その他の成分)
上記組成物は、上述の各成分以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、水、有機溶媒、低級アルコール、多価アルコール、増粘剤、保湿剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、脂肪酸アルカノールアミド、酸化防止剤、酸化防止助剤、粉末成分(例えば、無機粉末、有機粉末、顔料、色素など)、天然水溶性高分子、半合成水溶性高分子、合成水溶性高分子、キレート剤、糖類およびその誘導体類、アミノ酸およびその誘導体、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤(酸、アルカリなど)、ビタミン類、防腐剤・抗菌剤、消炎剤、各種抽出物、賦活剤、血行促進剤、抗脂漏剤、抗炎症剤、香料などが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0066】
上記組成物中の水の含有量は、上記組成物の総量100質量%に対して、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
【0067】
上記組成物中の上記式(1)で表される化合物、上記油剤、および水の合計割合は、上記組成物の総量100質量%に対して、90質量%以上が好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上である。
【0068】
上記低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコールなどが挙げられる。
【0069】
上記多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル;ポリグリセリンなどが挙げられる。
【0070】
上記増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸AlMg(ビーガム) 、ラポナイト、無水ケイ酸などが挙げられる。
【0071】
上記両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、コカミドプロピルベタイン等)などが挙げられる。
【0072】
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、POEソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンテトラオレエート等);POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等);POEグリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEモノオレエート等);POE脂肪酸エステル類(例えば、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POEアルキルエーテル類(例えば、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POPアルキルエーテル類(例えば、POE・POPセチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等);テトラ POE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POEヒマシ油硬化(水添)ヒマシ油誘導体(例えば、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等);POEミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POEソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POEプロピレングリコール脂肪酸エステル;POEアルキルアミン;POE脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸などの親水性ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
【0073】
また、上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α\quote -オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸、モノイソステアリン酸ポリグリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテルなどの親油性ノニオン界面活性剤が挙げられる。
【0074】
上記脂肪酸アルカノールアミドとしては、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド(コカミドMEA)、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド(コカミドDEA)、ラウリン酸モノエタノールアミド(ラウラミドMEA)、ラウリン酸ジエタノールアミド(ラウラミドDEA)、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド(ラウラミドMIPA)、パルミチン酸モノエタノールアミド(パルタミドMEA)、パルミチン酸ジエタノールアミド(パルタミドDEA)、ヤシ油脂肪酸メチルエタノールアミド(コカミドメチルMEA)などが挙げられる。
【0075】
上記組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し撹拌する方法などが挙げられる。具体的には、例えば、(i)上記式(1)で表される化合物および油剤の混合物を水に添加する方法(「通常法」と称する場合がある)、(ii)上記式(1)で表される化合物、油剤、および水を混合して液晶を形成させる工程(液晶形成工程)を備える方法(「液晶法」または「液晶経由法」と称する場合がある)が挙げられる。中でも、液晶法により組成物を製造することが好ましい。液晶法によれば、液晶に溶解した油剤を微分散させることができ、結果として透明性に優れ、透明性を維持しつつより多量の油剤を配合することができる。上記液晶は、上記式(1)で表される化合物、上記油剤、および水から構成される。
【0076】
上記液晶法では、上記式(1)で表される化合物および油剤を含む混合物に水を添加して液晶を形成させることが好ましい。水を添加する際、混合物を撹拌しながら、液晶が生成するまで水を少量ずつ添加することがより好ましい。その後、必要量の水を添加すればよい。また、アニオン界面活性剤等の添加剤を配合する場合、上記液晶形成工程後に上記添加物を添加することが好ましい。
【0077】
上記組成物は、各種成分を混合した後、温度変化させる工程を備えていてもよい。例えば加温してもよい。調製直後において白濁している場合であっても、加温等の温度変化を行うことで透明性を発現させることが可能な場合がある。また、その後室温に戻してもよい。加温する場合の温度としては、46℃程度以上(例えば46~80℃)が好ましく、より好ましくは48℃程度以上(例えば48~70℃)、さらに好ましくは50℃程度以上(例えば50~60℃)である。
【0078】
本発明の組成物によれば、少量の場合はもちろん、多量に油剤を含有させた場合であっても分離せず透明性に優れる。このため、多量に油剤を含有させた、分離がなく透明性に優れる水系の化粧料を提供することができる。また、上記液晶法を採用した製造方法によれば、より多量の油剤を含有させた透明性に優れる組成物を得ることができる。
【0079】
[化粧料]
上記組成物を使用して化粧料を作製することができる。上記組成物を含む化粧料を「本発明の化粧料」と称する場合がある。本発明の化粧料は、上記組成物を含むことにより、油剤を比較的多量に含み且つ透明性の高い化粧料を得ることができる。
【0080】
本発明の化粧料は、上記組成物以外のその他の成分を含んでいてもよい。本発明の化粧料は、本発明の組成物そのものであってもよいし、例えば本発明の組成物に各種成分を添加して製造したものであってもよい。上記各種成分としては、上述の本発明の組成物が含んでいてもよいその他の成分として例示および説明されたものが挙げられる。上記各種成分は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
【0081】
上記油剤の含有量は、上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下、6質量部以下、4質量部以下、または2質量部以下であってもよい。上記含有量が10質量部以下であると、上記化粧料の透明性により優れる。上記油剤の含有量は、例えば0.01質量部以上であり、0.5質量部以上であってもよい。
【0082】
上記アニオン性界面活性剤の含有量は上記式(1)で表される化合物の総量1質量部に対して、0.001~20質量部が好ましく、より好ましくは0.01~10質量部、さらに好ましくは0.03~5質量部である。上記含有量が上記範囲内であると、透明性により優れる。
【0083】
上記化粧料中の水の含有量は、上記化粧料の総量100質量%に対して、80質量%以上が好ましく、より好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
【0084】
上記化粧料中の上記式(1)で表される化合物、上記油剤、および水の合計割合は、上記化粧料の総量100質量%に対して、90質量%以上が好ましく、より好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上である。
【0085】
上記化粧料としては、例えば、シャンプー、リンス(ヘアコンディショナー)、ヘアトリートメント、ヘアフォーム、ヘアジェル、ヘアウォーター、ヘアワックス、 ヘアクリーム、ヘアカラー、ヘアブリーチ、パーマネントウェーブ剤等の毛髪用化粧料;クリーム、洗顔フォーム、液体石鹸、ハンドソープ、ボディソープ、ベビー用液体洗浄剤、ペット用シャンプー、クレンジングクリーム、クレンジングミルク、クレンジングローション、泡風呂用入浴剤、マッサージクリーム、モイスチュアクリーム、日焼け止めクリーム、ハンドクリーム、ボディーシャンプー、口紅、液状ファンデーション、化粧水、化粧液、乳液、オーデコロン、爪用化粧料等の皮膚用化粧料などが挙げられる。
【0086】
上記組成物および上記化粧料の調製後翌日(24時間後)の波長550nmの光透過率(室温)は、85.0%以上が好ましく、より好ましくは90.0%以上、さらに好ましくは95.0%以上である。また、上記組成物および上記化粧料の50℃に加温した際の波長550nmの光透過率、および、上記加温後室温に戻した際の波長550nmの光透過率は、それぞれ、上記範囲内であることが好ましい。
【実施例0087】
以下に実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
【0088】
実施例1~17および比較例1~4
表に示す割合(質量%)となるように各成分を混合し、組成物を調製した。なお、表に示す製法の「通常」および「液晶」は、それぞれ、以下の通りの製法により組成物を調製したことを示す。
【0089】
[通常]
界面活性剤および油剤を混合したものを精製水に添加し、均一になるまでスターラーで撹拌した。
【0090】
[液晶(液晶経由法)]
界面活性剤および油剤を撹拌しながら、澄明な液晶が生成するまで精製水を少量ずつ添加し、さらにそれを精製水に添加し撹拌した。そこに必要に応じて添加剤を添加して再度撹拌した。
【0091】
なお、表に示す各成分は以下の通りである。
(界面活性剤)
PEG-40水添ヒマシ油:商品名「NIKKOLNIKKOL HCO-40」、日光ケミカルズ株式会社製
(C12-14)s-パレス-9:商品名「CK-1309」、株式会社日本触媒製
(C12-14)-パレス-9:商品名「NIKKOL BT-9」、日光ケミカルズ株式会社製
(油剤)
(+)-リモネン:商品名「(+)-Limonene」、東京化成工業株式会社製
(添加剤)
PEG-40水添ヒマシ油:商品名「NIKKOLNIKKOL HCO-40」、日光ケミカルズ株式会社製
グリセリン:商品名「化粧品用濃グリセリン」、阪本薬品工業株式会社製
ジラウロイルグルタミン酸リシンNa:商品名「ペリセアL-30」、旭化成ファインケム株式会社製
ココイルメチルアラニンNa:商品名「アラノンACE」、川研ファインケミカル株式会社製
コカミドプロピルベタイン:商品名「アンホレックス CB-1」、ミヨシ油脂株式会社製
ココイルグルタミン酸TEA:商品名「アミノサーファクトACMT-L」、旭化成ファインケム株式会社製
ココイルグルタミン酸Na:商品名「アミノサーファクトACDS-L」、旭化成ファインケム株式会社製
【0092】
<評価>
実施例および比較例で得られた組成物について、以下の評価を行った。結果を表に示した。
【0093】
(1)透過率
実施例および比較例で得られた組成物について、紫外可視分光光度計(商品名「UV-2600」、株式会社島津製作所製)を用いて、調製後室温にて保管し、翌日(24時間後)の波長550nmの光の透過率を測定した。そして、透過率の測定値に基づいて下記の基準で判定した。
[透過率]
〇:透過率95.0%以上
△:透過率85.0%以上95.0%未満
×:透過率85.0%未満
【0094】
(2)使用感およびうねり抑制効果
うねりのあるインド人毛束(株式会社ビューラックス製、黒髪100%、30cm、3g)を4%過酸化水素水:2.5%アンモニア水=4:1混合比のブリーチ液に室温で30分間含浸し、その後水道水で1分間洗い流し、100℃で20分間乾燥する工程を5回繰り返すことで、ダメージ毛を作製した。
そして、上記ダメージ毛に、実施例および比較例で得られた組成物1gを塗布し、専門パネラー5名で官能評価を行い、使用感(塗布時のなじみとべたつき)およびうねり抑制効果(なじんだ後のうねりの程度)について、無塗布時を1とし5段階で下記の基準で評価した。5名の評価の平均値を四捨五入した。
[使用感]
1:毛髪へのなじみが非常に悪く、とてもべたつく
2:毛髪へのなじみが悪く、べたつく
3:毛髪へのなじみがやや悪く、わずかにべたつく
4:毛髪へのなじみがよく、べたつかない
5:毛髪へのなじみが非常によく、全くべたつかない
[うねり抑制効果]
1:うねり抑制効果が全くない
2:うねり抑制効果がほとんどない
3:うねり抑制効果がわずかにある
4:うねり抑制効果がある
5:うねり抑制効果がとてもある
【0095】
(3)外観評価
実施例および比較例で得られた組成物について、10mLのスクリュー管瓶に充填し、調製後50℃に加温した際およびその後室温に戻した後についてそれぞれ、目視で外観評価を行った。そして、外観評価について下記の基準で判定した。
[外観評価]
◎:透明
○:ほとんど透明(僅かに濁っているが、スクリュー管瓶の向こう側にかざした文字をはっきりと認識可能)
△:やや透明(やや濁っているが、注視することでスクリュー管瓶の向こう側にかざした文字を認識可能)
×:白濁(白く濁っており、スクリュー管瓶の向こう側にかざした文字の認識が困難)
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
表1に示すように、実施例1~7の組成物は、油剤を含みながら調製翌日であっても分離せず透明性に優れていた。また、表2に示すように、実施例8~17の組成物は、油剤を含みながら調製翌日であっても分離せず透明性に優れているか、あるいは50℃に加温することでその後室温に戻しても分離せず透明性に優れていた。また、界面活性剤として(C12-14)s-パレス-9を用いた実施例2,5~7、およびアニオン性界面活性剤を添加した実施例11~17、では、使用感およびうねり抑制効果に優れていると評価された。一方、表1に示すように、式(1)で表される化合物の代わりに他の界面活性剤を配合した比較例1~3の組成物は、油剤を含んだ状態では透明性に劣っており、50℃に加温した場合およびその後室温に戻しても透明性に劣っており、使用感およびうねり抑制効果にも劣っていた。また、表2に示すように、式(1)で表される化合物を含まない比較例4の組成物は、調製翌日において油相と水相とが分離しており、50℃に加温した場合であっても分離していた。なお、実施例の組成物は、本発明の組成物および本発明の化粧料のいずれにも該当する。