(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164498
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】遊戯装置
(51)【国際特許分類】
A63H 1/00 20190101AFI20241120BHJP
【FI】
A63H1/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080009
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東 純平
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150DA39
2C150DG01
2C150EF11
2C150EF15
2C150EF42
(57)【要約】
【課題】コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上する。
【解決手段】コマ玩具80が回転しながら移動可能なフィールド50と、フィールド50に表示を行うことが可能な表示手段(投影装置15)と、フィールド50に存在するコマ玩具80の動作を捕捉可能な捕捉手段(カメラ15)と、表示手段及び捕捉手段を制御する制御手段(制御装置30)と、を備える。制御手段は、捕捉手段からの情報に基づきコマ玩具80の動作態様として、現在位置と、移動態様と、回転態様と、を検出可能であり、コマ玩具80の動作に対応してエフェクト表示をフィールド50に表示可能であり、当該エフェクト表示の表示態様を動作態様に応じて異ならせることが可能である。そして、エフェクト表示として、コマ玩具80の現在位置を示す表示を、フィールド50におけるコマ玩具80の現在位置に対応した箇所に表示可能とする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コマ玩具が回転しながら移動可能なフィールドと、
前記フィールドに表示を行うことが可能な表示手段と、
前記フィールドに存在する前記コマ玩具の動作を捕捉可能な捕捉手段と、
前記表示手段及び前記捕捉手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記捕捉手段からの情報に基づき前記コマ玩具の動作態様として、現在位置と、移動態様と、回転態様と、を検出可能であり、
前記コマ玩具の動作に対応してエフェクト表示を前記フィールドに表示可能であり、当該エフェクト表示の表示態様を前記動作態様に応じて異ならせることが可能であり、
前記エフェクト表示として、前記コマ玩具の前記現在位置を示す表示を、前記フィールドにおける前記コマ玩具の前記現在位置に対応した箇所に表示可能であることを特徴とする遊戯装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
少なくとも所定期間にわたる前記現在位置の情報を経時的に記憶し、前記エフェクト表示として前記フィールドに前記コマ玩具が移動した軌跡を示す表示を表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記コマ玩具が前記フィールドにおける所定位置に接近した場合に、前記エフェクト表示として、当該所定位置に接近したことを示す表示を、前記フィールドにおける前記コマ玩具の前記現在位置に対応した箇所に表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記フィールドに複数の前記コマ玩具が存在する場合に、少なくとも2つの前記コマ玩具が一定距離以内に接近したことに基づき、前記エフェクト表示として、2つの前記コマ玩具が一定距離以内に接近したことを示す表示を、前記フィールドにおける2つの前記コマ玩具が位置する部分に対応して表示することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記フィールドに複数の前記コマ玩具が存在する場合に、各コマ玩具を識別し、各コマ玩具に対応して異なる前記エフェクト表示を表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項6】
前記コマ玩具は、
前記捕捉手段が捕捉可能な識別マーカーを備え、
前記制御手段は、
前記捕捉手段が捕捉した前記識別マーカーの経時的な変化に基づき前記コマ玩具の前記動作態様を検出可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項7】
前記識別マーカーは、
前記現在位置及び前記移動態様の検出を可能とする第1識別子と、
前記回転態様の検出を可能とする第2識別子と、を備えることを特徴とする請求項6に記載の遊戯装置。
【請求項8】
前記フィールドは、
前記コマ玩具が表面側で移動可能であるとともに、光を透過可能であり、
前記表示手段は、
前記フィールドに対して裏面側から映像を表示するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の遊戯装置。
【請求項9】
前記フィールドは、
透過する光の一部を散乱させるように構成され、
前記表示手段は、
映像を投影する投影装置を備え、
前記フィールドに対して裏面側から映像を投影するようにしたことを特徴とする請求項8に記載の遊戯装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フィールド上に配された移動体の位置を検出し、移動体に対して画像を投影することが可能な遊戯装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の遊戯装置では、移動体自体に数値等の画像が投影されるため、移動体の意匠を投影された画像の視認性を阻害しないものとする必要があり、移動体の意匠の自由度が低下し、移動体を用いた遊戯の興趣を十分に向上することができなかった。
また、特許文献1に記載の遊戯装置では、移動体の動作はきわめて低速であり遊戯者が容易に動きを追うことができるが、移動体としてコマ玩具を用いた場合、動作が高速であり、さらにランダムな移動や他のコマ玩具との衝突が発生するため、遊戯者が動作を追いにくく、移動体を用いた遊戯の興趣を十分に向上することができなかった。
本発明の目的は、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するため、第1の手段は、遊戯装置において、
コマ玩具が回転しながら移動可能なフィールドと、
前記フィールドに表示を行うことが可能な表示手段と、
前記フィールドに存在する前記コマ玩具の動作を捕捉可能な捕捉手段と、
前記表示手段及び前記捕捉手段を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記捕捉手段からの情報に基づき前記コマ玩具の動作態様として、現在位置と、移動態様と、回転態様と、を検出可能であり、
前記コマ玩具の動作に対応してエフェクト表示を前記フィールドに表示可能であり、当該エフェクト表示の表示態様を前記動作態様に応じて異ならせることが可能であり、
前記エフェクト表示として、前記コマ玩具の前記現在位置を示す表示を、前記フィールドにおける前記コマ玩具の前記現在位置に対応した箇所に表示可能であることを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段において、
前記制御手段は、
少なくとも所定期間にわたる前記現在位置の情報を経時的に記憶し、前記エフェクト表示として前記フィールドに前記コマ玩具が移動した軌跡を示す表示を表示可能であることを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1の手段において、
前記制御手段は、
前記コマ玩具が前記フィールドにおける所定位置に接近した場合に、前記エフェクト表示として、当該所定位置に接近したことを示す表示を、前記フィールドにおける前記コマ玩具の前記現在位置に対応した箇所に表示可能であることを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第1の手段において、
前記制御手段は、
前記フィールドに複数の前記コマ玩具が存在する場合に、少なくとも2つの前記コマ玩具が一定距離以内に接近したことに基づき、前記エフェクト表示として、2つの前記コマ玩具が一定距離以内に接近したことを示す表示を、前記フィールドにおける2つの前記コマ玩具が位置する部分に対応して表示することが可能であることを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1の手段において、
前記制御手段は、
前記フィールドに複数の前記コマ玩具が存在する場合に、各コマ玩具を識別し、各コマ玩具に対応して異なる前記エフェクト表示を表示可能であることを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第1の手段において、
前記コマ玩具は、
前記捕捉手段が捕捉可能な識別マーカーを備え、
前記制御手段は、
前記捕捉手段が捕捉した前記識別マーカーの経時的な変化に基づき前記コマ玩具の前記動作態様を検出可能であることを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第6の手段において、
前記識別マーカーは、
前記現在位置及び前記移動態様の検出を可能とする第1識別子と、
前記回転態様の検出を可能とする第2識別子と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第8の手段は、第1の手段において、
前記フィールドは、
前記コマ玩具が表面側で移動可能であるとともに、光を透過可能であり、
前記表示手段は、
前記フィールドに対して裏面側から映像を表示するようにしたことを特徴とする。
【0013】
第9の手段は、第8の手段において、
前記フィールドは、
透過する光の一部を散乱させるように構成され、
前記表示手段は、
映像を投影する投影装置を備え、
前記フィールドに対して裏面側から映像を投影するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の手段によれば、フィールドにエフェクト表示を表示可能であるので、コマ玩具の意匠について表示の視認性を考慮する必要がないため意匠の自由度が高まり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
また、コマ玩具の現在位置を示すエフェクト表示をフィールドに表示可能であるので、コマ玩具の位置を遊戯者が把握することが容易になるとともに、表示によりコマ玩具を装飾することが可能となり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
また、コマ玩具の動作態様に応じてエフェクト表示の種類を異ならせることができるので、コマ玩具の動作態様を視覚的に把握できるとともに、装飾性が向上するようになり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
また、コマ玩具は回転しながら移動可能なコマ玩具であるので、ランダムな移動や他のコマ玩具との衝突が発生することとなり、現在位置、移動態様及び回転態様に基づく表示を行うことでコマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0015】
第2の手段によれば、フィールドにコマ玩具が移動した軌跡を示す表示を表示可能であるので、コマ玩具の経時的な変化を視覚的に把握することができ、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。さらに、コマ玩具の軌跡が示されることで、以降のコマ玩具の移動先を予測することも可能となり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0016】
第3の手段によれば、コマ玩具がフィールドにおける所定位置に接近したことを示すエフェクト表示をフィールドに表示可能であるので、所定位置に接近したことを遊戯者が把握できるとともに、表示により所定位置に接近したことを装飾することが可能となり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0017】
第4の手段によれば、2つのコマ玩具が接近したことを示すエフェクト表示をフィールドに表示可能であるので、2つのコマ玩具が接近したことを遊戯者が把握できるとともに、表示により2つのコマ玩具が接近したことを装飾することが可能となり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0018】
第5の手段によれば、複数のコマ玩具に対応して異なるエフェクト表示を表示可能であるので、各コマ玩具を識別しやすくなるとともに、装飾性が向上するようになり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0019】
第6の手段によれば、識別マーカーによりコマ玩具の動作態様を確実に捉えることが可能となる。
【0020】
第7の手段によれば、識別子により検出可能な動作態様が異なるので、コマ玩具の動作態様のそれぞれを確実に捉えることが可能となる。
【0021】
第8の手段によれば、フィールドはコマ玩具が表面側で移動可能であるとともに光を透過可能であり、表示手段はフィールドに対して裏面側から映像を表示するので、フィールドよりも上方に位置することとなるコマ玩具やその他の部材により影となる部分にも表示を表示可能となり、コマ玩具に近接した位置にも表示を表示可能となるので、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0022】
第9の手段によれば、フィールドは透過する光の一部を散乱させるように構成され、表示手段は映像を投影する投影装置によりフィールドに対して裏面側から映像を投影するので、フィールドがスクリーンとなって鮮明な表示を表示することが可能となり、コマ玩具を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明を適用した一実施の形態の構成を示す遊戯装置の斜視図である。
【
図8】コマ玩具の斜視図及び識別マーカーを示す図である。
【
図9】コマ玩具の動作態様の検出方法を説明する図である。
【
図12】タッチパネルディスプレイ及びフィールドでの表示を説明する図である。
【
図14】第1変形例での制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図15】第1変形例での遊戯の流れを説明する図である。
【
図16】第1変形例での遊戯者に付与される特典を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1から
図3には、遊戯装置1の構成の一例を示した。この遊戯装置1は、移動体をなすコマ玩具80が移動可能なフィールド50を有するスタジアム40を備え、コマ玩具80の動作態様に応じてフィールド50等に映像を表示可能なものとなっている。
【0025】
遊戯装置1は、各種部材を取り付ける矩形箱状の筐体10を備え、筐体10の上面における前側部分には設置部11が設けられており、この設置部11にスタジアム40が設置される。
設置部11には、透明な材質からなる支持板12が略水平となるように設けられており、この支持板12の上に設置部11の中心とフィールド50の中心とが一致するようにスタジアム40が設置される。なお、設置部11に、スタジアム40の設置位置や設置方向を案内するための案内部を設け、スタジアム40が設置部11に対して規定された位置や方向で設置されるようにしても良い。
支持板12の中央部分には円形の開口部13が形成されており、この部分にフィールド50が重なることで、支持板12を透さずにフィールド50に映像が投影されるようになり、フィールド50に映像を明瞭に投影することができるようにされている。
【0026】
筐体10の後側部分であって設置部11の後方には、筐体10の上方へ延出するとともにスタジアム40と上下に重なるように前側へ延出する支柱14が設けられている。この支柱14における前側へ延出した部分の下面であって、スタジアム40の上方に位置する部分には、スタジアム40へ向けてカメラ15と、光源16が設けられている。
カメラ15は、設置部11の中心と上下に重なる位置に配されており、光源16はカメラ15を囲むように配されている。これにより、フィールド50を移動するコマ玩具80をカメラ15で撮影することが可能となる。
本実施形態では、カメラ15は赤外線カメラであり、光源16は赤外線を照射することができるものとされている。
【0027】
筐体10の内部には、映像を投影する投影装置17と、投影装置17から投影された映像を設置部11へ向けて反射するミラー18が設けられている。
投影装置17は、設置部11よりも後方となる位置であって、設置部11よりも低い位置に設けられている。映像を投影するレンズ部分は、設置部11の中心と前後方向に沿って並び、当該前後方向に沿って略水平に前方へ向けて映像を投影するように配されている。
ミラー18は、設置部11の下方となる位置に設けられており、投影装置17から前方へ向けて略水平に投影された映像を、設置部11へ向けて鉛直上方に反射するように斜めに配されている。これにより、スタジアム40の底面に映像が投影されるようになっている。
【0028】
なお、
図1から
図3では図示を省略しているが、筐体10や支柱14の周囲には遊戯装置1の外面を構成する外面構成部材が設けられる。これにより、筐体10や支柱14が覆われて内部が見えないようにされる。
この外面構成部材により、遊戯装置1を装飾することができるとともに、外光がフィールド50の下側に入らないようにすることができ、フィールド50に投影された映像の視認性を向上することができる。
【0029】
図4には、遊戯装置1の制御系を示すブロック図を示した。
遊戯装置1は、当該遊戯装置1を制御する制御装置30を備えている。制御装置30は筐体10とは別に設けられていても良いし、筐体10内に設けられていても良い。
制御装置30には、カメラ15からの情報が入力され、入力された情報に基づき映像を生成して投影装置17により投影するようになっている。
また、遊戯装置1は、
図1から
図3では図示を省略したタッチパネルディスプレイ19を備えており、遊戯者が情報を入力したり、遊戯に関する情報を表示したりすることができるようになっている。
【0030】
なお、遊戯装置1の筐体10に第2表示装置31やスピーカー32を設け、制御装置30がこれらを制御して遊戯に関する情報を出力するようにしても良い。
また、第2表示装置31やスピーカー32を遊戯装置1の外部に設け、制御装置30がこれらを制御して遊戯に関する情報を出力する遊戯システムを構成するようにしても良い。
【0031】
図5から
図7に示すようにスタジアム40は、フィールド50が形成された第1構成部材60と、第1構成部材60を覆うように配される第2構成部材70と、を備える。
第1構成部材60は、略円形のフィールド50と、フィールド50を囲む外縁部61と、第1構成部材60の側面及び下端部を構成する側面部62と、を備える。
【0032】
フィールド50は、中央部51と、中央部51の外側を囲む傾斜部52と、傾斜部52の外側を囲むラックレール53と、を有する。
中央部51は略円形であって、中心が最も低くなるようなすり鉢状に傾斜した傾斜面となるように形成されている。
傾斜部52は、中央部51に向かって下るように傾斜しており、中央部51の傾斜面よりも急な傾斜を有する傾斜面となっている。
【0033】
ラックレール53は、フィールド50の中心に向かって略水平に突出するラック歯車54を備える。このラック歯車54は、後述するコマ玩具80に設けられた下部ギア81bと噛み合うことが可能となっている。
また、略円形のフィールド50の周方向における一部分では、ラックレール53がフィールド50の中心へ突出するように湾曲した湾曲部55とされており、ラックレール53に沿って移動したコマ玩具80を中央部51へ誘導することができるようにされている。
【0034】
外縁部61は、ラックレール53を囲むように設けられた平面部64を備え、平面部64の外周に隣接するように、ポケット65、接続部66及び壁部67が形成されている。
平面部64は、ラックレール53の上面と面一となる平面であり、中央部51へ向けて傾斜している。これによりフィールド50から飛び出したコマ玩具80をフィールド50へ戻すことが可能となっている。
ポケット65は、平面部64よりも低くなるように窪んだ凹部となっている。このポケット65はコマ玩具80を収容可能な大きさであり、ポケット65にフィールド50から飛び出したコマ玩具80が落下した場合は移動が不能な状態となる。
【0035】
接続部66は、第1構成部材60と第2構成部材70と接続するための部分であり、第2構成部材70の接続部71に形成された挿通部に挿通した係合部材41が係合する被係合部68を備えている。
壁部67は、平面部64から略垂直上方に延出した壁を構成するものであり、コマ玩具80が第1構成部材60の外へ飛び出すことを防止するようにしている。
なお、壁部67は、2つのポケット65の間のみに形成されているが、この部分以外の平面部64の外周は、第2構成部材70の側面部72により囲まれるようになっており、壁部67がない部分では第2構成部材70の側面部72がコマ玩具80の第1構成部材60の外への飛び出しを防止している。
【0036】
第2構成部材70は、第1構成部材60の上部を覆うことのできる形状であって、第1構成部材60を取り付けるための係合部材41を挿通可能な挿通部を有する接続部71と、側面を構成する側面部72と、側面部72の上部に連続する上面を構成する上面部73と、を備える。
接続部71は、第1構成部材60の接続部66と対向する位置に設けられており、被係合部68と対向する位置には上下に貫通した開口部である挿通部が形成されている。この挿通部に挿通した係合部材41を被係合部68に係合することで第1構成部材60に対して所定位置に第2構成部材70が取り付けられるようになっている。
【0037】
側面部72は、第2構成部材70を第1構成部材60に取り付けた状態において、第1構成部材60の側面部62の外側に重なるように配され、下端部は第1構成部材60の平面部64とほぼ同じ高さに配されるようになっている。これにより、側面部72により第1構成部材60における平面部64の外周が囲まれ、コマ玩具80の第1構成部材60の外へ飛び出しが防止される。
上面部73は、中央に開口部74が形成されており、スタジアム40の上方から開口部74を介してフィールド50の中心部分を望むことができるようになっている。これにより、コマ玩具80を開口部74からフィールド50へ投入することが可能となっている。
開口部74の周縁には、開口部74の中心に向かって下る傾斜面75が設けられており、コマ玩具80の投入の際に周縁に衝突しても開口部74へ誘導されるようになっている。
【0038】
以上のように構成されるスタジアム40は、少なくともフィールド50における中央部51及び傾斜部52が、照射された光を透過可能であるとともに一部を散乱させる機能を有している。これにより、フィールドがスクリーンとなって投影装置17によりフィールド50の下面へ向けて投影された映像がフィールド50に映し出されるようになり、フィールド50の上方から映像を視認可能となる。
【0039】
本実施形態では、移動体としてコマ玩具80を用いており、コマ玩具80の飛び出しを防止するためにフィールド50を覆うように第2構成部材70が設けられている。このため、フィールド50の上方から投影すると第2構成部材70が障害となるが、フィールド50の下方から投影するようにしたことで障害なく映像を投影可能となる。
また、フィールド50の上方から投影すると、フィールド50におけるコマ玩具80により影となる部分には映像を投影できないが、フィールド50の下方から投影するようにしたことでコマ玩具80に近接した位置にも映像を投影可能となる。
さらに、コマ玩具80の上部には映像が投影されないので、コマ玩具80の意匠と投影される映像が重なることがなく、コマ玩具80の意匠について投影される表示の視認性を考慮する必要がないため自由度が高まり、移動体を用いた遊戯の興趣を向上することができる。
【0040】
なお、スタジアム40における他の部分についても同様に、照射された光を透過可能であるとともに散乱させる機能を有するものとしても良いし、当該機能を有しないものとしても良い。
例えば、ラックレール53は強度を確保するために不透明な材質を用いても良い。
フィールド50の周囲を囲む外縁部61は、照射された光を透過可能であるとともに一部を散乱させる機能を有するものとして、この外縁部61にも映像が投影されるようにしても良い。
第1構成部材60の側面及び下端部を構成する側面部62を不透明として、外光がフィールド50の下側に入らないようにすれば、フィールド50に投影された映像の視認性を向上することができる。
第2構成部材70を、照射された光を透過可能であるが散乱させない透明な材質とすれば、第2構成部材70に覆われた部分からでもフィールド50に投影された映像を明確に視認可能となる。また、カメラ15が撮影可能な光を透過可能であれば、コマ玩具80が第2構成部材70で覆われた範囲に移動してもカメラ15で捉えることが容易となる。
【0041】
図8(a)には移動体をなすコマ玩具80の斜視図を示した。
本実施形態のコマ玩具80は、先端部81aを接地させた状態で回転させることで遊戯を行うものである。このコマ玩具80は、例えば2つのコマ玩具80をフィールド50内で回転させ、衝突による衝撃力で相手方のコマ玩具80の回転を停止させる、分解させる又はスタジアム40の外へ弾き出すことで勝利となるバトルゲームに使用可能となっている。
【0042】
コマ玩具80は、軸部81と、軸部81の上部に取り付けられた第1胴部82と、第1胴部82の上部に取り付けられた第2胴部83と、を備える。軸部81と第1胴部82及び第1胴部82と第2胴部83はそれぞれ着脱可能となっている。また、軸部81、第1胴部82及び第2胴部83は、それぞれ複数種類があり、ユーザーが任意に選択して組み合わせることでコマ玩具80の特性を変更することが可能となっている。
【0043】
軸部81は主にコマ玩具80の回転軸を構成する部材であり、重量や重心、素材、接地する先端部81aの形状等が異なる複数種類がある。軸部81には下部ギア81bが設けられており、フィールド50のラックレール53と噛み合うことでコマ玩具80の動作態様を変化させることが可能となっている。
第1胴部82は主にコマ玩具80の回転を安定させる機能や相手方のコマ玩具80と接触する機能を有する部材であり、重量や重心、素材、形状等が異なる複数種類がある。
第2胴部83は主に相手方のコマ玩具80と接触する機能を有する部材であり、重量や重心、素材、形状等が異なる複数種類がある。また、第2胴部83の上部には、コマ玩具80を保持するとともに回転させた状態で離脱させることが可能なランチャーに設けられた保持片が挿入される接続孔83aが設けられている。
上記各パーツの素材としては、ゴム素材、金属、プラスチックなどが例として挙げられる。
なお、コマ玩具80は3つのパーツで構成されるものに限られず、1つのパーツ又は2つのパーツで構成されるものであっても良いし、4つ以上のパーツにより構成されるものであっても良い。
【0044】
コマ玩具80の上面となる第2胴部83の上面の中央には、カメラ15による認識を可能とするための識別マーカー90が設けられている。
図8(b)に示すように識別マーカー90は、円形の第1識別子91と、円形の第1識別子91と同心円の円周の一部に周方向に沿うように設けられた第2識別子92と、を有し、円形の第1識別子91の中心と、コマ玩具80の回転軸と、が略一致するように配される。
第1識別子91及び第2識別子92は、光を反射可能な反射材により構成されている。本実施形態では、カメラ15として赤外線カメラを用いており、反射材は赤外線を反射可能な材質とされている。
この識別マーカー90は、コマ玩具80に直接形成されていても良いし、識別マーカー90が形成された部材をコマ玩具80に取り付けるようにしても良い。
【0045】
また、識別マーカーには形態が異なるものを用いることができ、フィールド50内に投入される複数のコマ玩具80のそれぞれで異なる識別マーカー90を用いることで、制御装置30がそれぞれのコマ玩具80を識別可能となる。
例えば、
図8(c)に示すように第1識別子91を中抜きとすることや、
図8(d)に示すように第2識別子92を周方向に沿う2本の線で構成することや、
図8(e)に示すように第1識別子91の形状が異なるようにすることや、
図8(f)に示すように第1識別子91や第2識別子92に所定のパターンを施すことが挙げられる。
もちろん制御装置30が識別可能となる形態であればこれ以外の形態であっても良い。
【0046】
次に、識別マーカー90を用いたコマ玩具80の動作態様の検出について説明する。
制御装置30は、カメラ15で捉えた映像から、コマ玩具80の動作態様として、移動速度、移動方向及び回転速度を取得することが可能である。
図9(a)は、連続する2つのフレームでの第1識別子91の状態を示したものであって、フレームt1と、フレームt1の1つ前のフレームであるフレームt0における状態を示した。
【0047】
制御装置30は、最新のフレームであるフレームt1の画像から第1識別子91を認識することにより、コマ玩具80の現在位置を取得可能である。第1識別子91の認識は、例えばカメラ15の画像から特定の半径の円を検出することで認識することが可能である。
そして、フレームt1での第1識別子91の位置と、フレームt0での第1識別子91の位置と、の差分を算出する。これにより、コマ玩具80の移動方向及び移動距離を取得することができる。また、カメラ15のフレームレートからフレームt0からフレームt1までの時間を把握可能であるので、この間の移動速度を演算することができる。
【0048】
図9(b)には、フレームt3における識別マーカー90の画像と、その形成過程を説明する図を示した。
フレームt3における識別マーカー90の画像は、カメラ15の露光時間における識別マーカー90の回転が反映されたものとなる。この例では、カメラ15の露光時間の開始時には識別マーカー90の状態がt3aの状態であり、この状態から識別マーカー90が時計回り方向に回転し、カメラ15の露光時間の終了時にはt3bの状態となっている。このため、フレームt3における識別マーカー90の画像では、第2識別子92が周方向に沿って伸びた画像となっている。
【0049】
カメラ15の露光時間は一定であるので、識別マーカー90の画像における第2識別子92の周方向の長さは回転速度が速いほど長くなることとなる。よって、識別マーカー90の画像における第2識別子92の周方向の長さに基づきコマ玩具80の回転速度を取得することができる。
より具体的には、上述したように第1識別子91を認識した後に、
図9(c)に示すように画像から第1識別子91の周辺を正方形Sで切り取る。次に、第1識別子91の中心位置を中心とする極座標から直交座標への変換として、極座標の半径を直交座標の一方の軸(ここでは縦軸)とし、極座標の角度を直交座標の他方の軸(ここでは横軸)として、画像を直交座標に展開する。これにより、第2識別子92が直線として表現され、この第2識別子92の長さと、カメラ15の露光時間と、に基づき回転速度を算出する。
【0050】
なお、連続する2つのフレームの画像と、回転速度と、からコマ玩具80の回転方向を取得することも可能である。また、画像における第1識別子91と第2識別子92の位置関係や歪みからコマ玩具80の回転軸の鉛直方向に対する傾き方向及び角度を取得することも可能である。さらに、フィールド50の設置部11における位置や向きなどの設置情報と、フィールド50の傾斜角度の情報を有していれば、コマ玩具80の位置情報を加味することでフィールド50の表面に対するコマ玩具80の回転軸の傾き方向及び角度を取得することも可能である。
【0051】
また、制御装置30は、識別マーカー90を認識した際に、
図8(b)から(f)に示したような第1識別子91や第2識別子92の形態の差異を認識することが可能である。これにより、複数のコマ玩具80に形態の異なる識別マーカー90を付することで、各コマ玩具80を識別し、個別に動作態様を取得することが可能である。制御装置30は、取得したコマ玩具80の動作態様を経時的に記憶し、これに基づきフィールド50に表示を行うことや、遊戯の結果の記録として使用することが可能である。
【0052】
次に、コマ玩具80の動作態様に対応したフィールド50での表示について説明する。
制御装置30は、上述したようにコマ玩具80の動作態様を取得可能であり、取得した情報に基づきフィールド50にコマ玩具80の動作態様に対応したエフェクト表示を行うようにしている。
【0053】
このようなエフェクト表示として、
図10(a)に示すようにコマ玩具80の軌跡に沿った軌跡表示101を行うことが可能である。
制御装置30は、コマ玩具80の現在位置に至るまでの所定期間における軌跡に沿って軌跡表示101を表示する。ここでの軌跡表示101では、コマ玩具80の現在位置に近いほど幅が太くなるようにするとともに、現在位置からの距離に従い色が変化するようにしており、移動経路が把握しやすくなるようにしている。
【0054】
なお、軌跡表示101は、現在位置に至るまでの所定の移動距離となる範囲に表示するようにしても良い。このようにすることで、移動速度が速い場合には軌跡表示101が長くなるので、移動速度を視覚的に把握しやすくなる。
また、軌跡表示101の表示態様は、現在位置からの距離以外の様々なパラメータに従い変化させることが可能である。パラメータとしては、コマ玩具80の移動速度、回転速度、回転方向、回転軸の傾き、フィールド50に対する位置、軌跡の形状などが挙げられる。
また、軌跡表示101は、
図10(a)に示したような線状の表示に限られず、
図10(b)に示すような図形やマーク等により構成されていても良い。
【0055】
このような軌跡表示101を行うことにより、コマ玩具80の経時的な変化を視覚的に把握することができるようになる。また、コマ玩具80の軌跡が示されることで以降のコマ玩具80の移動先を予測することも可能となり、コマ玩具80の衝突の発生等を予測できるので遊戯の興趣を向上することができる。
【0056】
図10(c)に示すように、制御装置30は、エフェクト表示としてコマ玩具80の衝突を装飾する衝突表示102を行うことが可能である。制御装置30は、2つのコマ玩具80が一定距離以内に近づいたことに基づき当該コマ玩具80が衝突したと判定し、当該コマ玩具80の近傍に衝突表示102を行う。
衝突表示102には様々な種類があり、制御装置30がランダムに又は所定の条件に従い選択することが可能である。所定の条件としては、衝突の際の相対速度、衝突の角度、衝突した場所のフィールド50に対する位置などが挙げられる。
【0057】
なお、コマ玩具80は種類により径が異なるため、上記の一定距離としては例えば最も径の大きいコマ玩具80の直径に等しい距離としても良いし、コマ玩具80の平均的な直径に等しい距離としても良い。
すなわち、衝突表示102は、必ずしもコマ玩具80が衝突したことを示すものではないため、コマ玩具80が近づいたことを示す接近表示であるとも言える。
このような衝突表示102は、コマ玩具80が衝突したと判定する一定距離よりも長い所定の距離以内にコマ玩具80が近づいた場合に開始しても良く、コマ玩具80どうしの距離に応じて表示態様が変化するようにしても良い。
【0058】
図10(d)に示すように、制御装置30は、エフェクト表示としてコマ玩具80の現在位置を装飾する位置表示103を行うことが可能である。
位置表示103にも様々な種類があり、制御装置30がランダムに又は所定の条件に従い選択することが可能である。所定の条件としては、コマ玩具80の現在位置、移動速度、回転速度、回転時間、他のコマ玩具80と接触せずに回転している時間などが挙げられる。
さらに、2つのコマ玩具80のそれぞれに表示された位置表示103が重なる場合には、衝突表示102のようなエフェクト表示を行うようにしても良い。
【0059】
また、位置表示103を選択する所定の条件をフィールド50に対する位置としても良く、
図10(d)に示すようにコマ玩具80がラックレール53に接触したことに基づき特定の表示態様とするようにしても良い。この場合、制御装置30は、ラックレール53の位置をカメラ15の画像から予め把握しておくようにする。必要であればラックレール53に識別マーカー90と同様の反射材を設けるようにしても良い。
そして制御装置30は、コマ玩具80がラックレール53に対して一定距離以内に近づいたことに基づきコマ玩具80がラックレール53に接触したと判定する。すなわち、この場合の表示も、必ずしもコマ玩具80がラックレール53に接触したことを示すものではないため、コマ玩具80がラックレール53に近づいたことを示す接近表示であるとも言える。また、コマ玩具80とラックレール53との距離や、コマ玩具80がラックレール53へと向かう速度や角度に応じて表示態様が変化するようにしても良い。
【0060】
なお、衝突の判定やラックレール53への接触の判定においては、コマ玩具80の回転速度や移動方向が、所定の変化をしたことにより判定するようにしても良い。衝突やラックレール53への接触があった場合には、コマ玩具80の回転速度や移動方向が大きく変化するため、このような場合に想定される変化を予め定めておき、これに該当する場合に衝突やラックレール53への接触があったと判定するようにしても良い。
また、コマ玩具80が他のコマ玩具80やラックレール53に対して一定距離以内に近づいた場合であって、回転速度や移動方向が上記の所定の変化をした場合にコマ玩具80同士の衝突又はラックレール53への接触があったと判定するようにしても良い。このようにすることで、より正確に衝突やラックレール53への接触を判定することが可能となる。
【0061】
次に、遊戯装置1を用いた遊戯の一例について説明する。
図11には遊戯の主な流れを示した。
遊戯モードには、遊戯者が1人で遊戯を行うフリーモードST2と、複数の遊戯者で遊戯を行うバトルモードST3があり、モード選択状態ST1において選択を行うことができるようになっている。制御装置30は、モード選択状態ST1においてタッチパネルディスプレイ19に選択可能な遊戯モードの項目を表示し、遊戯者が所望の項目に触れることで選択を行うことができるようになっている。
また、制御装置30は、遊戯に関する情報や各種の映像をタッチパネルディスプレイ19の他にフィールド50にも表示することが可能である。
【0062】
制御装置30は、モード選択状態ST1においてフリーモードが選択されたことに基づき、フリーモードST2に移行して初期表示A1を行う。初期表示A1では、遊戯に関する情報の表示を行う。本実施形態のフリーモードST2では、フィールド50上に仮想の敵111が投影され、コマ玩具80が仮想の敵111が表示された部分を通過することで当該仮想の敵111を撃破することができる内容となっている。
【0063】
次に、制御装置30は、コマ玩具80の投入の準備を促す表示や、コマ玩具80の投入を指示する表示などを行う投入指示表示A2を行う。
そして、遊戯者がコマ玩具80をフィールド50に投入するシュートA3を行う。制御装置30は、フィールド50においてコマ玩具80に付された識別マーカー90を認識したことに基づきシュートA3が行われたことを認識する。
【0064】
その後、制御装置30はエフェクト表示A4を行う。ここでは、コマ玩具80の動作態様に対応したエフェクト表示をフィールド50に投影する処理や、コマ玩具80の動作態様のデータ収集を行う処理等を行う。制御装置30が収集するデータとしては、仮想の敵111を撃破した個数、最高回転速度、回転時間、最高移動速度、ラックレール53への接触回数などが挙げられる。
なお、投入指示表示A2を行ってからシュートA3を認識できずに所定時間が経過した場合は、フリーモードST2を終了してモード選択状態ST1に移行するようにしても良い。また、投入指示表示A2から遊戯終了A5までの間に、複数のコマ玩具80を認識した場合にも、フリーモードST2を終了してモード選択状態ST1に移行するようにしても良い。
【0065】
そして、制御装置30は、遊戯終了A5を認識すると遊戯が終了した旨の表示を行い、遊戯の結果の情報の表示や次の遊戯の実行を促す表示などを行う結果表示A6を行って、モード選択状態ST1に移行する。
制御装置30は、仮想の敵111を全て撃破するか、仮想の敵111を全て撃破する前にコマ玩具80の回転停止の検出又は識別マーカー90を捕捉できなくなったことに基づき、遊戯終了A5となったと判定する。コマ玩具80の識別マーカー90を捕捉できなくなる場合にはコマ玩具80が裏返しになることが挙げられる。なお、コマ玩具80が回転停止していないにもかかわらず一時的に識別マーカー90を捕捉できなくなる可能性も考慮して、識別マーカー90を所定期間以上捕捉できなかったことに基づき遊戯終了A5と判定するようにしても良い。
【0066】
また、制御装置30は、コマ玩具80の現在位置を把握可能であるので、コマ玩具80が回転を停止した位置や、コマ玩具80の識別マーカー90を捕捉できなくなる直前の現在位置に基づき、コマ玩具80がフィールド50の内外のいずれで遊戯を終了したかを判別可能であり、結果の情報として利用することが可能である。
【0067】
また、制御装置30は、モード選択状態ST1においてバトルモードが選択されたことに基づき、バトルモードST3に移行して初期表示B1を行う。初期表示B1では遊戯に関する情報の表示を行う。本実施形態のバトルモードST3では、2人又は3人でコマ玩具80をフィールド50に投入し、最後まで回転を続けたコマ玩具80が勝者となる内容となっている。
【0068】
次に、制御装置30は、対戦者のエントリーを待機するエントリー受付B2を行い、投入指示表示B3を行う。エントリー受付B2では、所定時間(例えば90秒)が経過するまで待機する。そして、所定時間が経過すると投入指示表示B3として、コマ玩具80の投入の準備を促す表示や、コマ玩具80の投入を指示する表示などを行う。
その後、遊戯者がコマ玩具80をフィールド50に投入するシュートB4を行う。制御装置30は、フィールド50においてコマ玩具80に付された識別マーカー90を認識したことに基づきシュートB4が行われたことを認識する。
【0069】
そして、制御装置30は、スタジアムに投入されたコマ玩具80の数を確認する人数確認B5を行う。ここでは、選択された対戦者の人数に対応した数のコマ玩具80を認識することができれば正常に遊戯が開始されたと判定する。投入指示表示B3を行ってから選択された対戦者の人数に対応した数のコマ玩具80を認識できずに所定時間が経過した場合は、エラー表示B9を行い、バトルモードST3を終了してモード選択状態ST1に移行する。
なお、投入指示表示B3から遊戯終了B7までの間に、選択された対戦者の人数を超える数のコマ玩具80を認識した場合にも、エラー表示B9を行い、バトルモードST3を終了してモード選択状態ST1に移行するようにしても良い。
【0070】
その後、制御装置30はエフェクト表示B6を行う。ここでは、それぞれのコマ玩具80の動作態様に対応したエフェクト表示をフィールド50に投影する処理や、コマ玩具80の動作態様のデータ収集を行う処理等を行う。
制御装置30が各コマ玩具80について収集するデータとしては、勝敗の結果、最高回転速度、回転時間、最高移動速度、他のコマ玩具80との接触回数、ラックレール53への接触回数などが挙げられる。
そして、制御装置30は、遊戯終了B7を認識すると遊戯が終了した旨の表示を行い、勝者が決定した旨の表示や次の遊戯の実行を促す表示などを行う結果表示B8を行って、モード選択状態ST1に移行する。
【0071】
制御装置30は、フィールド50内で回転しているコマ玩具80が1つのみとなったことに基づき遊戯終了B7となったことを認識する。すなわち、他のコマは回転を停止したか、裏返しとなるなどして識別マーカー90を捕捉できなくなった状態である。なお、コマ玩具80が回転停止していないにもかかわらず一時的に識別マーカー90を捕捉できなくなる可能性も考慮して、所定期間以上フィールド50内で回転しているコマ玩具80が1つのみであることに基づき遊戯終了B7と判定するようにしても良い。
【0072】
制御装置30は、各コマ玩具80の現在位置を把握可能であるので、敗者となるコマ玩具80が回転を停止した位置や、識別マーカー90を捕捉できなくなる直前の現在位置に基づき、各コマ玩具80がフィールド50の内外のいずれで遊戯を終了したかを判別可能であり、結果の情報として利用することが可能である。さらに、ポケット65に落下したことも判別可能であり、この場合に特定のエフェクト表示を行うようにしても良い。
【0073】
図12、
図13には、タッチパネルディスプレイ19及びフィールド50での表示の一例を示した。
図12(a)に示すように、モード選択状態ST1においてはタッチパネルディスプレイ19に選択可能な項目が表示される。ここでは、フリーモード、バトルモード(対戦者2人)及びバトルモード(対戦者3人)の項目が表示されている。
【0074】
フリーモードの項目が選択された場合は、まず、
図12(b)に示すように初期表示A1での表示としてフィールド50に遊戯に関する情報が表示される。ここではフィールド上に投影された仮想の敵111を倒すことの説明が表示される。
次に、投入指示表示A2での表示として、
図12(c)に示すようにフィールド50にコマ玩具80の投入の準備を促す表示を行い、
図12(d)に示すようにフィールド50にカウントダウン表示が行われ、
図12(e)に示すようにフィールド50にコマ玩具80の投入を指示する表示が行われる。さらに、
図12(f)に示すようにフィールド50に仮想の敵111が表示される。
【0075】
エフェクト表示A4では、制御装置30がコマ玩具80の位置及び動作態様をカメラ15の画像に基づき認識し、コマ玩具80の軌跡に沿って軌跡表示101などを行う。
また、コマ玩具80が仮想の敵111に接触したと判定すると、当該仮想の敵111が撃破されたとして撃破態様112に変化する。仮想の敵111との接触の判定は、コマ玩具80の衝突の判定と同様に、コマ玩具80と仮想の敵111が一定距離以内に近づいたことに基づき接触したと判定するようにしている。
【0076】
遊戯終了A5となると
図12(h)に示すようにフィールド50に遊戯が終了した旨の表示を行う。その後、結果表示A6では、
図12(i)に示すようにフィールド50に遊戯の結果の情報の表示を行う。ここでは仮想の敵111を全て撃破することができなかったので、撃破した仮想の敵111の数、最高回転速度及び回転時間の表示がされている。仮想の敵111を全て撃破できた場合には、撃破までにかかった時間、最高回転速度が表示される。その後、
図12(j)に示すような次の遊戯の実行を促す表示などを行う。
【0077】
なお、仮想の敵111は移動するようにしても良い。また、コマ玩具80が仮想の敵111が表示された部分を一度通過すれば撃破したものとしたが、複数回通過した場合に撃破したと判定するようにしても良い。また、通過する際の回転速度や移動速度が大きいほど仮想の敵111に与えるダメージが大きくなるようにし、予め設定されたダメージを与えた場合に仮想の敵111を撃破できるようにしても良い。
【0078】
図13には、バトルモードにおけるフィールド50での表示の一例を示した。
モード選択状態ST1においてバトルモードの項目が選択された場合は、まず、
図13(a)に示すように初期表示B1での表示としてフィールド50に対戦者を募集する旨の表示が行われる。
次に、エントリー受付B2での表示として、
図13(b)に示すようにフィールド50にエントリー受付中である旨の表示と残り時間が表示される。
そして、投入指示表示B3での表示として、
図13(c)に示すようにフィールド50にコマ玩具80の投入の準備を促す表示を行い、
図13(d)に示すようにフィールド50にカウントダウン表示が行われ、
図13(e)に示すようにフィールド50にコマ玩具80の投入を指示する表示が行われる。
【0079】
人数確認B5において選択された対戦者の人数に対応した数のコマ玩具80を認識することができればエフェクト表示B6の期間となり、コマ玩具80の位置及び動作態様をカメラ15の画像に基づき認識し、
図10に示したようなエフェクト表示を行う。例えば、
図13(f)に示すようにコマ玩具80の軌跡に沿って軌跡表示101を行ことや、コマ玩具80が衝突したと判定した場合に
図13(g)に示すような衝突表示102を行う。
【0080】
また、人数確認B5において、選択された対戦者の人数に対応した数のコマ玩具80を認識できずに所定時間が経過した場合は、エラー表示B9での表示として
図13(j)に示すようにフィールド50にエラーが発生した旨の表示を行う。
遊戯終了B7となると
図13(h)に示すようにフィールド50に遊戯が終了した旨の表示を行う。その後、結果表示B8では、
図13(i)に示すような次の遊戯の実行を促す表示などをフィールド50に表示する。
【0081】
なお、タッチパネルディスプレイ19や第2表示装置31においては、フィールド50に表示した情報と同様の情報を表示するようにする。例えば、
図12(b)~(e)、(h)~(j)や
図13(a)~(e)、(h)~(j)については、フィールド50に表示した情報と同じ内容の情報を表示する。また、エフェクト表示A4、B6の期間となる
図12(f)、(g)、
図13(f)、(g)の期間では、タッチパネルディスプレイ19においてカメラ15で捉えた画像を表示するようにしても良い。この場合、カメラ15の画像をそのまま表示しても良いし、カラー撮影可能なカメラを別に設けて当該カメラで捉えた画像を表示するようにしても良い。
【0082】
〔第1変形例〕
次に、上述した実施形態の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊戯装置1と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊戯装置1は外部のサーバー23を利用した遊戯システムを構成することが可能となっている。
【0083】
図14には、本変形例の遊戯装置1及び遊戯システムの制御系を示すブロック図を示した。
遊戯装置1の筐体10には、遊戯者の情報が記憶されたICタグ22の情報を読み取ることが可能なICタグリーダー20が設けられており、制御装置30がICタグリーダー20の情報を取得できるようになっている。
【0084】
また、遊戯装置1には、外部の装置との通信を可能とする外部通信装置21が設けられている。これにより、制御装置30が通信回線を通じてサーバー23と通信可能となり、遊戯に関する情報を送受信可能となる。
サーバー23には、遊戯者の情報や、各遊戯者に紐付けられた遊戯に関する情報、遊戯の制御に関する情報等が蓄積されている。
【0085】
図15には、本変形例の遊戯装置1を用いた遊戯の主な流れを示した。
本変形例の遊戯装置1を用いた遊戯では、フリーモードST2において遊戯者と遊戯の結果と紐付ける結果登録A7を行うことが可能である。また、バトルモードST3においても同様に遊戯者と遊戯の結果と紐付ける結果登録B10を行うことが可能である。
【0086】
結果登録A7、B10においては、遊戯者がICタグ22をICタグリーダー20に読み取らせることで制御装置30が遊戯者の情報を取得し、取得した遊戯者の情報と遊戯の結果の情報とをサーバー23に送信する。
サーバー23では、遊戯者毎に管理された遊戯に関する情報に今回の遊戯結果を追加する処理を行う。
【0087】
ICタグ22の遊戯者の情報としては、少なくとも遊戯者を識別可能なIDが含まれる。また、遊戯の結果の情報には、遊戯中に制御装置30が収集した情報が含まれ、例えば、フリーモードST2であれば仮想の敵111を撃破した個数、最高回転速度、回転時間、最高移動速度、ラックレール53への接触回数などが挙げられる。また、バトルモードST3であれば最高回転速度、回転時間の情報、当該遊戯者の勝敗の情報、他のコマ玩具80との接触回数、ラックレール53への接触回数などが挙げられる。
この他に、遊戯装置1が収集できる情報を含めても良く、例えば、コマ玩具80の回転方向、回転軸の傾き、フィールド50に対する位置、軌跡の情報が挙げられる。また、遊戯装置1が設置された会場の情報や、遊戯の日時、大会の名称等を含めても良い。
【0088】
サーバー23では、受信した情報を記憶する他、記憶した情報を用いた様々な処理を行って情報を外部に出力することが可能である。情報の出力先は、遊戯装置1であっても良いし、インターネット等を介して遊戯者が所有する端末装置に送信しても良い。これらの装置ではサーバー23から受信した情報を表示することで遊戯者が内容を確認できるようにする。
サーバー23が記憶した情報を用いて行う処理としては、例えば、遊戯者自身の遊戯結果や他の遊戯者の遊戯結果に基づき、比較やランキングを作成することが挙げられる。また、累積した遊戯結果が所定の条件を満たした場合に、遊戯者に対して称号やアイテムなどの特典を付与することも可能である。
【0089】
図16には付与される特典の一例を示した。
最高回転速度が1000rpm以上となることを達成した場合は、軌跡表示101の種類としてノーマルエフェクト表示が使用可能となる。また、最高回転速度が1500rpm以上となることを達成した場合は、軌跡表示101の種類としてハイエフェクト表示が使用可能となり、最高回転速度が2000rpm以上となることを達成した場合は、軌跡表示101の種類としてフルエフェクト表示が使用可能となる。
回転時間が1分以上となることを達成した場合は、位置表示103としてノーマルオーラ表示を使用可能となる。また、回転時間が3分以上となることを達成した場合は、位置表示103としてハイオーラ表示を使用可能となり、回転時間が5分以上となることを達成した場合は、位置表示103としてフルオーラ表示を使用可能となる。
【0090】
ラックレール53への接触であるレールインを1回の遊戯で2回達成した場合は、称号としてレベル2が授与される。また、レールインを1回の遊戯で5回達成した場合は、称号としてレベル4が授与され、レールインを1回の遊戯で7回達成した場合は、称号としてレベル6が授与される。
バトルモードで5回勝利した場合は称号としてレベル1が授与される。また、バトルモードで50回勝利した場合は称号としてレベル3が授与され、バトルモードで100回勝利した場合は称号としてレベル5が授与され、バトルモードで500回勝利した場合は称号としてレベル7が授与される。
【0091】
以上の説明では遊戯者の識別の方法としてICタグ22とICタグリーダー20を用いたが、遊戯者を識別できる方法であればどのような方法であっても良い。
例えば、タッチパネルディスプレイ19にコードを表示し、遊戯者が所有する端末装置でコードを読み取り、当該端末装置がサーバー23にアクセスして遊戯者を識別する情報とともにコードの情報を送信することで遊戯者が認証されるように構成しても良い。
また、遊戯装置1にコードを読み取り可能なカメラを備え、遊戯者が所有する端末装置に表示した遊戯者を識別可能なコードを遊戯装置1が読み取り、当該遊戯装置1がサーバー23にアクセスして遊戯者を識別可能なコードを送信することで遊戯者が認証されるように構成しても良い。
【0092】
また、制御装置30がICタグ22から遊戯者の情報を読み取るタイミングは結果登録A7、B10に限られず、どのタイミングであっても良い。例えば、モード選択状態ST1において遊戯モードを選択する際に読み取るようにしても良い。
また、バトルモードST3におけるエントリー受付B2において、ICタグ22から遊戯者の情報を読み取るとともに、当該遊戯者が使用するコマ玩具80の識別マーカー90を読み取るようにすれば、遊戯者とコマ玩具80を対応付けることができ、遊技中のデータを遊戯者に対応付けて収集することができる。
【0093】
なお、以上の実施形態及び変形例におけるコマ玩具80、遊戯装置1及びフィールド50等の大きさは任意に設定可能である。
また、フィールド50の下から映像を投影するようにしたが、フィールド50の上から映像を投影するようにしても良い。この場合、フィールド50における第2構成部材70の開口部74を通して視認可能な対応する部分のみに投影するようにしても良いし、スタジアム40の全体に投影するようにしても良い。
また、フィールド50に映像を表示する表示手段として投影装置17を用いたが、フィールド50の下方に液晶表示装置のような表示装置を設け、フィールド50を透して表示装置の映像を視認できるようにすることでフィールド50に映像を表示するようにしても良い。
【0094】
また、フィールド50に存在する移動体の動作を捕捉可能な捕捉手段として赤外線カメラを用いたが、可視光線を撮影可能なカメラのようにコマ玩具80の形状を識別可能な画像を撮影可能なカメラを用い、制御装置30により画像を解析してコマ玩具80の動作態様を取得するようにしても良い。この場合に必要であれば識別マーカー90のようなコマ玩具80の位置や回転を検出するのに必要な構成を追加しても良い。コマ玩具80の形状を識別可能なカメラを用いた場合には、コマ玩具80が分解することにより遊戯が終了するバーストフィニッシュを検出可能となる。
【0095】
また、コマ玩具80の形状を識別可能なカメラを用いた場合に、遊戯の開始前にコマ玩具80を撮影して登録するようにしても良い。例えば、バトルモードでのエントリー受付B2において、エントリーした遊戯者のコマ玩具80を撮影して識別マーカー90の種類と紐付けて記憶しておき、結果表示B8において勝者のコマ玩具80を表示するようにしても良い。また、第1変形例の構成の場合には、遊戯に使用したコマ玩具80の映像に基づき、サーバー23においてコマ玩具80の情報を取得して遊戯者の情報として記憶するようにしても良い。
また、フィールド50に存在する移動体の動作を捕捉可能な捕捉手段として、カメラ以外のセンサー等を用いても良い。
【0096】
また、色彩を識別可能なカメラを用いた場合には、色彩が異なる識別マーカー90を用いることで識別マーカー90の種類を判別することが可能となる。
また、カメラの設置位置をフィールド50の中心の直上としたが、フィールド50にあるコマ玩具80を捉えることができる位置であればこれ以外の場所であっても良い。
【0097】
また、コマ玩具80の回転速度については、
図9(c)で説明したように識別マーカー90の画像における第2識別子92の長さと、カメラ15の露光時間と、に基づき絶対的な回転速度を算出するとしたが、必ずしも絶対的な回転速度を算出しなくても良い。
例えば、画像における第2識別子92の長さの値を相対的な回転速度として用いても良い。この場合、第2識別子92自体の長さに等しい場合に回転速度が0となり、長さが長くなるほど回転速度が速いものとなる。このようにすることで、回転速度の算出処理が簡便なものとなり、制御装置30の負担を軽減することができる。
さらに、画像における第2識別子92の長さの値として取り得る値を複数段階に分け、遊戯において到達した段階を判定するようにし、結果表示において到達した段階を最高回転速度として示すようにしても良いし、到達した段階により特典を付与するようにしても良い。
【0098】
また、予め特定の回転速度(例えば1000rpmや2000rpm)における画像を撮影して当該画像における第2識別子92の長さをデータとして記憶しておき、遊戯において撮影した画像における第2識別子92の長さと当該データとを比較することにより回転速度を算出するようにしても良い。
この場合、第2識別子92の長さと回転速度とが比例関係にあるものとして比較結果から回転速度を算出するようにしても良いし、特定の回転速度よりも速い又は遅いという結果のみを導出するようにしても良い。
【0099】
また、制御装置30が記憶している遊戯におけるコマ玩具80の動作態様に基づき、当該コマ玩具80の挙動をフィールド50に再現する再現映像を表示可能としても良い。この場合、コマ玩具80の形態については仮想の形態としても良いし、実際に遊戯を行ったコマ玩具80の形態の情報を有している場合は当該コマ玩具80の形態を用いても良い。
例えば、直近の遊戯を再現するものとしても良いし、フリーモードST2において仮想の敵111として使用しても良いし、回転時間を競う相手として使用しても良い。また、バトルモードST3における結果表示B8において、勝敗が決する際の所定期間の状態を再現するリプレイ映像としても良い。
また、第1変形例においては、遊戯者自身、他の遊戯者又は仮想の遊戯者についてコマ玩具80の動作態様の情報をサーバー23に記憶しておき、この情報を用いて遊戯装置1において再現映像を表示することも可能である。
【0100】
また、スタジアム40は交換可能となっており、制御装置30がカメラ15の画像やタッチパネルディスプレイ19からの入力などによりスタジアム40の種類を認識できるようにしても良い。カメラ15の画像から認識可能とする場合は、スタジアム40の形状で認識するようにしても良いし、スタジアム40にカメラ15で撮影可能な識別コードを設けて識別コードにより認識できるようにしても良い。
【0101】
また、制御装置30がカメラ15の画像から、スタジアム40の筐体10に対する設置位置や向き、角度等の位置情報を取得できるようにしても良い。そして、取得した位置情報に基づき投影する映像を調整するようにしても良い。このようにすることで、例えば、ラックレール53のような構造物の位置や形状を正確に把握できるので、演出の内容を多彩なものとすることができ、遊戯の興趣を向上することができる。また、投影する画像がフィールド50の位置や形状に合うように調整するようにすることができ、フィールド50のみに背景画像を表示することも可能となる。また、投影する部分の傾斜角度等も把握できるので、映し出される画像が歪まないように補正した画像を投影することができる。
【0102】
また、設置部11の支持板12を不透明な材質としても良い。このようにすることで、スタジアム40の開口部13に対向する部分のみに映像を投影可能となる。また、上方から入る外光を少なくすることができ、投影される映像を鮮明にすることができ、映像の視認性を高めることができる。さらに、遊戯装置1のコストを削減することも可能となり、金属等の強度の高い材質を用いることも可能となる。
【0103】
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0104】
1 遊戯装置
15 カメラ(捕捉手段)
30 制御装置(制御手段)
50 フィールド
80 コマ玩具