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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164513
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】顔写真作成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 1/00 20060101AFI20241120BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20241120BHJP
   G06T 5/50 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
G06T1/00 340A
G06T7/00 660A
G06T7/00 350B
G06T5/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080048
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 恭太
【テーマコード(参考)】
5B057
5L096
【Fターム(参考)】
5B057CA01
5B057CA08
5B057CA12
5B057CA16
5B057CB01
5B057CB08
5B057CB12
5B057CB16
5B057CE08
5B057CE09
5L096AA02
5L096AA06
5L096CA21
5L096EA35
(57)【要約】
【課題】ユーザ端末で撮影した撮影画像から顔写真を好適に作成できる顔写真作成装置等を提供する。
【解決手段】顔写真作成装置3は、ユーザ端末2で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出する抽出手段310と、人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付ける承認受付手段320と、ユーザによる抽出結果の承認後、人物領域と第1の背景とを合成した顔写真を作成する顔写真作成手段330と、を有する。承認受付手段320は、人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるに際し、ユーザによる抽出結果の確認のため、人物領域と、第1の背景とは異なる第2の背景とを合成した合成画像を作成する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出する抽出手段と、
前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付ける承認受付手段と、
ユーザによる前記抽出結果の承認後、前記人物領域と第1の背景とを合成した顔写真を作成する顔写真作成手段と、
を有することを特徴とする顔写真作成装置。
【請求項2】
前記承認受付手段は、前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるに際し、ユーザによる抽出結果の確認のため、前記人物領域と、前記第1の背景とは異なる第2の背景とを合成した合成画像を作成することを特徴とする請求項1記載の顔写真作成装置。
【請求項3】
前記第1の背景と前記第2の背景は、それぞれ単色のものであり、その色が異なることを特徴とする請求項2記載の顔写真作成装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、人物領域の抽出に機械学習モデルを使用することを特徴とする請求項1記載の顔写真作成装置。
【請求項5】
前記承認受付手段は、前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるに際し、ユーザによる抽出結果の確認のため、前記人物領域を単色で表した画像を作成することを特徴とする請求項1記載の顔写真作成装置。
【請求項6】
前記承認の代わりに、前記ユーザ端末でユーザを再度撮影する旨の選択を受け付ける再撮影受付手段をさらに有することを特徴とする請求項1記載の顔写真作成装置。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザ端末で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出する抽出手段と、
前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付ける承認受付手段と、
ユーザによる前記抽出結果の承認後、前記人物領域と第1の背景とを合成した顔写真を作成する顔写真作成手段と、
を有する顔写真作成装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔写真を作成する顔写真作成装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
街頭の証明写真機は、人事台帳や社員証などに使用する社員等の顔写真の撮影に用いられることがある。撮影環境の整った証明写真機内で顔写真の撮影を行うことで、多くの社員等の顔写真を、均一且つ良好な撮影環境下で撮影することが可能である。また特許文献1には、証明写真機での顔写真の撮影から管理までを担うサービスも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-276962号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、顔写真の撮影は、社員等が証明写真機の設置箇所まで出向いて行う必要があり、利便性の面では、社員等が所持するスマートフォンなどのユーザ端末による撮影を可能とすることが望ましい。
【0005】
この場合、撮影を何処でも行うことができるが、撮影環境等の違いから、撮影画像における人物領域の背景は様々であり、社員等の顔写真として統一感を出しづらいという課題がある。また撮影画像には、社員等の他に、プライバシーや機密情報に関わる事物が写り込んでいる恐れもある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ユーザ端末で撮影した撮影画像から顔写真を好適に作成できる顔写真作成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した課題を解決するための第1の発明は、ユーザ端末で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出する抽出手段と、前記人物領域の抽出結果についてユーザによる承認を受け付ける承認受付手段と、ユーザによる前記抽出結果の承認後、前記人物領域と第1の背景とを合成した顔写真を作成する顔写真作成手段と、を有することを特徴とする顔写真作成装置である。
【0008】
本発明では、ユーザ端末で撮影した撮影画像から人物領域を抽出し、人物領域と所定の背景とを合成することで顔写真を作成する。これにより、社員等の顔写真として背景に統一感のあるものを作成でき、撮影画像に写り込んだプライバシーや機密情報に関わる事物を取り除くこともできる。また、撮影画像によっては人物領域の抽出が不完全に行われることもあり、そのままだと顔写真が好ましくないものとなる恐れが存在するが、本発明では、人物領域の抽出結果についてユーザによる承認を受け付けるので、不完全に抽出される人物領域が顔写真に用いられるのを防止できる。これらの効果により、本発明の顔写真作成装置では、社員等の顔写真を好適に作成できる。
【0009】
前記承認受付手段は、前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるに際し、ユーザによる抽出結果の確認のため、前記人物領域と、前記第1の背景とは異なる第2の背景とを合成した合成画像を作成することが望ましい。例えば、前記第1の背景と前記第2の背景は、それぞれ単色のものであり、その色が異なる。
人物領域の抽出結果について承認を受け付ける際は、ユーザによる抽出結果の確認のため、顔写真の背景とは別の背景に人物領域を合成し、その合成画像により抽出結果の可否判断を行いやすくすることが可能である。合成画像の背景は、例えば赤やピンクなど、通常の顔写真の背景と異なる、人物領域が目立ちやすい色とすることで、判断の助けになる。
【0010】
前記抽出手段は、人物領域の抽出に機械学習モデルを使用することが望ましい。
ユーザ端末で撮影した撮影画像からの人物領域の抽出は、機械学習モデルを利用し、AI(人工知能)により高精度に行うことが可能である。仮に人物領域の抽出が不完全に行われる場合でも、本発明では、抽出結果のユーザによる承認を経ることで、不完全に抽出される人物領域が顔写真として用いられるのを避けることができる。
【0011】
前記承認受付手段は、前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるに際し、ユーザによる抽出結果の確認のため、前記人物領域を単色で表した画像を作成することも望ましい。
これによっても、前記と同様、人物領域の抽出結果の可否判断を行いやすくすることが可能である。
【0012】
第1の発明の顔写真作成装置は、前記承認の代わりに、前記ユーザ端末でユーザを再度撮影する旨の選択を受け付ける再撮影受付手段をさらに有することも望ましい。
人物領域の抽出結果は、撮影環境やカメラの設定などの撮影条件にも左右される。証明写真機での撮影時とは異なり、ユーザ端末での撮影時にはこれらの撮影条件を容易に変更できるので、人物領域の抽出結果に不満があるユーザは、撮影条件を変えて再度撮影を行うことで、人物領域の抽出結果を改善できる。
【0013】
第2の発明は、コンピュータを、ユーザ端末で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出する抽出手段と、前記人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付ける承認受付手段と、ユーザによる前記抽出結果の承認後、前記人物領域と第1の背景とを合成した顔写真を作成する顔写真作成手段と、を有する顔写真作成装置として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、ユーザ端末で撮影した撮影画像から顔写真を好適に作成できる顔写真作成装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】顔写真作成システム1を示す図。
図2】ユーザ端末2の構成を示す図。
図3】顔写真作成装置3の構成を示す図。
図4】顔写真作成システム1の機能を示す図。
図5】顔写真作成システム1における処理を示すフローチャート。
図6】表示部23の画面の例。
図7】人物領域Aの抽出結果の確認用の画像201~204の例。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0017】
(1.顔写真作成システム1)
図1は本発明の実施形態に係る顔写真作成装置3を含む顔写真作成システム1を示す図である。図1に示すように、顔写真作成システム1は、ユーザ端末2、顔写真作成装置3、管理装置4等をネットワークを介して通信可能に接続した構成を有する。
【0018】
顔写真作成システム1は、ユーザ端末2で撮影したユーザの撮影画像から、ユーザの顔写真を作成、登録するものである。本実施形態において、ユーザは企業に所属する社員であり、ユーザの顔写真は、人事台帳や社員証などに用いられる。しかしながら、顔写真作成システム1の適用対象がこれに限ることはない。
【0019】
ユーザ端末2は、ユーザの撮影および顔写真の作成、登録に関する各種の操作を行うカメラ付きのコンピュータ(コンピュータ端末)である。本実施形態では、ユーザ端末2として、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末が用いられる。
【0020】
図2はユーザ端末2の構成を示す図である。図2に示すように、ユーザ端末2は、制御部21、記憶部22、表示部23、入力部24、通信部25、カメラ26、音声入出力部27等をバス等により接続して構成される。ただし、ユーザ端末2はこれに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0021】
制御部21は、CPU、ROM、RAMなどから構成される。CPUは、記憶部22、ROMなどの記憶媒体に格納されたユーザ端末2の処理に係るプログラムをRAM上のワークエリアに呼び出して実行し、ユーザ端末2の各部を制御して後述する処理を実現する。ROMは不揮発性メモリであり、ブートプログラムやBIOSなどのプログラム、データなどを恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部22、ROMなどからロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行うために使用するワークエリアを備える。
【0022】
記憶部22はフラッシュメモリ等であり、後述する処理に際しユーザ端末2が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーションシステム)等が格納される。これらのプログラムやデータは、制御部21により必要に応じて読み出され、実行される。
【0023】
表示部23は、入力部24を兼ねたタッチパネル付ディスプレイ等により実現される。表示部23は、ユーザ端末2の操作、選択に係る各種の画面を表示し、画面上のタッチパネル操作によるユーザの指示入力等を受付ける。
【0024】
通信部25は、ネットワークを介した通信を媒介する通信インタフェースであり、顔写真作成装置3や管理装置4等との間で通信を行う。
【0025】
カメラ26はCCD(Charged Coupled Device)等の撮像素子を有するエリアカメラであり、音声入出力部27は、音声入力を行うためのマイクや音声出力を行うためのスピーカーを備える。
【0026】
図1の説明に戻る。顔写真作成装置3は、顔写真の作成に関する各種の処理を行うものである。図3は顔写真作成装置3の構成を示す図である。図3に示すように、顔写真作成装置3は、例えば制御部31、記憶部32、通信部33等をバス等により接続して構成したコンピュータにより実現できる。ただし、これに限ることなく、適宜様々な構成をとることができる。
【0027】
制御部31、記憶部32、通信部33は、前記した制御部21、記憶部22、通信部25と略同様である。記憶部32には後述する処理を顔写真作成装置3に実行させるためのプログラムが格納される。
【0028】
管理装置4は、顔写真の収集、管理を行うものであり、図3と同様の構成を有するコンピュータにより実現できる。
【0029】
(2.顔写真作成システム1の機能)
図4は、顔写真作成システム1の機能を示すブロック図である。図4に示すように、顔写真作成システム1において、顔写真作成装置3は、抽出手段310、承認受付手段320、顔写真作成手段330、再撮影受付手段340、登録手段350等を有する。
【0030】
抽出手段310は、顔写真作成装置3の制御部31が、ユーザ端末2で撮影されたユーザの撮影画像から人物領域を抽出するものである。本実施形態では、人物領域の抽出に機械学習モデルが用いられる。
【0031】
承認受付手段320は、顔写真作成装置3の制御部31が、人物領域の抽出結果についてユーザの承認を受け付けるものである。本実施形態では、ユーザの承認を受け付けるに際し、人物領域の抽出結果の確認用画像(後述する図7の合成画像202等)を作成する。
【0032】
顔写真作成手段330は、顔写真作成装置3の制御部31が、ユーザによる抽出結果の承認後、人物領域と所定の背景(第1の背景)とを合成した顔写真を作成するものである。
【0033】
再撮影受付手段340は、顔写真作成装置3の制御部31が、上記の承認の代わりに、ユーザ端末2でユーザを再度撮影する旨の選択を受け付けるものである。
【0034】
登録手段350は、顔写真作成装置3の制御部31が、顔写真作成手段330で作成した顔写真を管理装置4に登録するものである。
【0035】
(3.顔写真作成システム1の処理)
次に、図5等を参照し、顔写真作成システム1で実行される処理について説明する。図5は顔写真作成システム1における処理を示すフローチャートであり、図5のS1、S5~S8、S11~S15、S18~S19の処理は、顔写真作成装置3の制御部31が顔写真作成装置3の各部を制御して実行する。その他の処理は、ユーザ端末2の制御部21がユーザ端末2の各部を制御して実行する。
【0036】
本実施形態において、管理装置4の記憶部には、企業情報や社員情報、撮影時の設定等のデータが紐づけて格納されており、顔写真の作成、登録を行うユーザには、管理装置4が提供するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)と、認証情報があらかじめ通知されている。企業情報や認証情報には、ユーザが所属する企業を識別するための企業コード等が含まれる。
【0037】
また、図5のフローの前段階として、ユーザは、ユーザ端末2を用いて管理装置4が提供するウェブサイトにアクセスし、当該ウェブサイト上で認証情報を入力し、ユーザ端末2から管理装置4へと認証情報を送信しているものとする。管理装置4は、ユーザ端末2に、顔写真作成装置3が提供する顔写真作成用のウェブサイトのURLを送信する。このURLは、企業ごとに異なる。
【0038】
ユーザがユーザ端末2を用いて当該ウェブサイトにアクセスすると、顔写真作成装置3は、撮影画面をユーザ端末2に送信する(S1)。ユーザ端末2は、撮影画面を受信すると、カメラ26を起動し、表示部23に撮影画面を表示させる(S2)。
【0039】
図6(a)はこの撮影画面の例である。撮影画面には、カメラ26(インカメラ)に写ったライブビュー画像231やシャッターボタン232が表示される。ユーザは、ライブビュー画像231を確認し、シャッターボタン232を選択する。ユーザ端末2は、シャッターボタン232が選択されるとユーザの撮影を行い(S3)、ユーザの撮影画像を取得する。特に図示しないが、上記の撮影画面には、ライブビュー画像231やシャッターボタン232の他、顔等の位置を指示する補助線や、カメラ26に関する各種の設定を行うためのボタン等も表示される。またユーザの撮影にあたっては、撮影方法を説明するための画面表示等をユーザ端末2にて行うこともできる。
【0040】
ユーザ端末2は、S3で撮影したユーザの撮影画像を顔写真作成装置3に送信する(S4)。顔写真作成装置3は、ユーザの撮影画像を受信する(S5)と、当該撮影画像から人物領域を抽出する(S6)。
【0041】
本実施形態では、人物領域の抽出が、機械学習モデルを使用してAIにより行われる。人物領域の抽出を行う機械学習モデルは既知であり、例えばRobust Video Matting(https://github.com/PeterL1n/RobustVideoMatting、令和5年5月12日検索)などを使用することができる。
【0042】
その後、顔写真作成装置3は、人物領域の抽出結果を確認するための確認用画像として、図7に示すように、撮影画像200の人物領域Aを単色の領域として表した画像201、人物領域Aを、人物領域Aの抽出結果を確認するための確認用背景(第2の背景)Bと合成した合成画像202、合成画像202の人物領域Aを単色の領域として表した画像203、人物領域Aを顔写真の背景Cと合成した合成画像204を作成する(S7)。
【0043】
なお、顔写真の背景Cは企業ごとに予め定められており、企業ごとに一定である。また、確認用背景Bと顔写真の背景Cはそれぞれ単色の無地の画像であり、その色は、これらの背景B、Cの間で異なる。確認用背景Bは、例えば赤やピンクなど、通常の顔写真の背景Cと異なる、人物領域Aが目立ちやすい色とすることで、人物領域Aの抽出結果の可否判断の助けになる。また確認用背景Bを濃い色(例えば、顔写真の背景Cよりも濃い色)とすることも望ましい。
【0044】
顔写真作成装置3は、これらの画像201~204を含む確認画面を作成し、ユーザ端末2に送信する(S8)。ユーザ端末2は、確認画面を受信し、表示部23に表示する(S9)。
【0045】
図6(b)は、S9で表示される確認画面の例である。本実施形態では、確認画面に、撮影画像200と上記の画像201~204がサムネイルとして選択可能に表示されるとともに、これらの画像200~204のうちユーザにより選択されたもの(図の例では合成画像202)が、上部の表示領域に大きく表示される。
【0046】
ユーザは、確認画面で画像201~204を見て人物領域Aの抽出結果を確認し、人物領域Aの抽出が問題無く行われていると判断すれば、抽出結果の承認として「次へ」ボタン233を選択する。一方、人物領域Aの抽出に問題があると判断すれば、抽出結果の承認の代わりに、「再撮影」ボタン234を選択する。
【0047】
ユーザ端末2は、これらの確認結果(選択結果)を顔写真作成装置3に送信する(S10)。顔写真作成装置3は、確認結果を受信し、受け付ける(S11)。
【0048】
顔写真作成装置3は、確認結果が「次へ」ボタン233の選択(抽出結果の承認)である場合(S12;「次へ」)、撮影画像200を顔写真の大きさにトリミングしたうえで(S13)、撮影画像200から抽出した人物領域Aと顔写真の背景Cとを合成し、顔写真を作成する(S14)。なお、S13ではトリミング位置を設定するための設定画面(不図示)を表示し、トリミング位置のユーザによる設定を受け付けることができる。
【0049】
一方、顔写真作成装置3は、確認結果が「再撮影」ボタン234の選択である場合(S12;「再撮影」)、S1に戻って再度撮影画面をユーザ端末2に送信する。
【0050】
顔写真作成装置3は、S14で顔写真を作成した後、顔写真を確認するための確認画面を作成し、ユーザ端末2に送信する(S15)。ユーザ端末2は、確認画面を受信し、表示部23に表示する(S16)。
【0051】
図6(c)はS16で表示される確認画面の例であり、S14で作成された顔写真300が表示される。ユーザは、確認画面で顔写真300の仕上がりを確認し、「登録」ボタン236を選択する。
【0052】
ユーザ端末2は、確認画面で「登録」ボタン236が選択されると、顔写真300の登録指示を顔写真作成装置3に送信する(S17)。顔写真作成装置3は、登録指示を受信する(S18)と、顔写真300を管理装置4に送信し、登録を行う(S19)。なお、図6(c)の確認画面の符号235は、前画面に戻るための「戻る」ボタンである。
【0053】
以上説明したように、本実施形態では、ユーザ端末2で撮影した撮影画像200から人物領域Aを抽出し、人物領域Aと所定の背景Cとを合成することで顔写真300を作成する。これにより、社員等の顔写真300として背景に統一感のあるものを作成でき、撮影画像200に写り込んだプライバシーや機密情報に関わる事物を取り除くこともできる。また、撮影画像200によっては人物領域Aの抽出が不完全に行われることもあり、そのままだと顔写真300が好ましくないものとなる恐れが存在するが、本実施形態では、人物領域Aの抽出結果についてユーザによる承認を受け付けるので、不完全に抽出される人物領域Aが顔写真300に用いられるのを防止できる。これらの効果により、本実施形態の顔写真作成装置3では、社員等の顔写真300を好適に作成できる。
【0054】
また、人物領域Aの抽出結果について承認を受け付ける際は、顔写真300の背景Cとは異なる別の確認用背景Bに人物領域Aを合成した合成画像202や、人物領域Aを単色化し明確にした画像201、203などにより、抽出結果の可否判断を行いやすくすることが可能である。確認用背景Bは、例えば赤やピンクなど、通常の顔写真300の背景Cと異なる、人物領域Aが目立ちやすい色とすることで、判断の助けになる。
【0055】
また本実施形態では、ユーザ端末2で撮影した撮影画像200からの人物領域Aの抽出を、機械学習モデルを利用し、AIにより高精度に行うことが可能である。仮に人物領域Aの抽出が不完全に行われる場合でも、本実施形態では、抽出結果のユーザによる承認を経ることで、不完全に抽出される人物領域Aが顔写真300として用いられるのを避けることができる。
【0056】
さらに本実施形態では、人物領域Aの抽出結果に不満があるユーザは、撮影条件を変えて再度撮影を行うことができる。すなわち、人物領域Aの抽出結果は撮影環境やカメラの設定などの撮影条件にも左右され、証明写真機での撮影時とは異なり、ユーザ端末2での撮影時にはこれらの撮影条件を容易に変更できるので、人物領域Aの抽出結果に不満があるユーザは、撮影条件を変えて再度撮影を行うことで、人物領域Aの抽出結果を改善できる。再度撮影を行う際には、人物領域Aの抽出結果を改善するための撮影方法等について、画面表示等をユーザ端末2で行わせることもできる。
【0057】
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば本実施形態では、人物領域Aの抽出を機械学習モデルにより行っているが、人物領域Aの抽出方法はこれに限らない。例えば、輪郭線の特徴等から人物領域を抽出するその他の既知の画像認識技術を用いてもよい。
【0058】
また本実施形態の顔写真作成装置3は、顔写真作成システム1の管理者側の端末であるが、前記した顔写真作成装置3の処理を行うための専用のアプリケーションプログラムをユーザ端末2にダウンロードさせることで、ユーザ端末2を顔写真作成装置3として用いることも可能である。この場合、前記の図4で説明した顔写真作成装置3の機能は、ユーザ端末2が有することとなる。
【0059】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0060】
1:顔写真作成システム
2:ユーザ端末
3:顔写真作成装置
4:管理装置
200:撮影画像
201、203、231:画像
202、204:合成画像
300:顔写真
310:抽出手段
320:承認受付手段
330:顔写真作成手段
340:再撮影受付手段
350:登録手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7