(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164521
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】通信制御装置及び端末装置
(51)【国際特許分類】
H04L 1/1809 20230101AFI20241120BHJP
H04W 28/04 20090101ALI20241120BHJP
【FI】
H04L1/1809
H04W28/04 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080060
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高橋 光貴
(72)【発明者】
【氏名】松田 大輝
【テーマコード(参考)】
5K014
5K067
【Fターム(参考)】
5K014DA02
5K014FA05
5K067AA13
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH28
(57)【要約】
【課題】再送の制御のためのデータ量を削減する。
【解決手段】通信制御装置は、送信制御部と、追送信制御部とを有する。送信制御部は、単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを端末装置に送信する制御を行う。追送信制御部は、その送信データを受信した端末装置からの追送信の情報に基づいてその分割単位ビット系列毎に符号化の処理を行い、当該符号化された分割単位ビット系列を含む送信データの追送信を行う。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを端末装置に送信する制御を行う送信制御部と、
前記送信データを受信した端末装置からの追送信の情報に基づいて前記分割単位ビット系列毎に符号化の処理を行い、当該符号化された分割単位ビット系列を含む送信データの追送信を行う追送信制御部と
を有する通信制御装置。
【請求項2】
前記追送信の情報は、前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の数を含む情報である請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記追送信の情報は、前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列に対する前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の比率を含む情報である請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記追送信制御部は、複数のビットからなる系列を1つの符号化単位とする符号化を前記符号化として処理する請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記追送信の情報は、次回の符号化した前記分割単位ビット系列の生成に使用する分割単位ビット系列の数の情報である度数を含む情報である請求項4に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記追送信制御部は、前記追送信の情報に基づいて追送信を行うか否かの判断を更に行う請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記追送信制御部は、前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の数と前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列とが等しい場合には、前記追送信を行わない請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記追送信制御部は、前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列に対する前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の比率が値1の場合には、前記追送信を行わない請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項9】
前記追送信制御部は、複数のビットからなる系列を1つの符号化単位とする符号化を前記符号化として処理するとともに、前記追送信の情報に含まれる次回の符号化した前記分割単位ビット系列の生成に使用する分割単位ビット系列の数の情報である度数が所定の値の場合には、前記追送信を行わない請求項6に記載の通信制御装置。
【請求項10】
送信装置により送信された単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを受信する制御を行う受信制御部と、
前記送信データの受信結果に基づいて追送信の情報を生成して前記送信装置に送信する制御を行う送信制御部と
を有する端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御装置及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セルラー移動通信の無線アクセス方式および無線ネットワーク(以下、「Long Term Evolution(LTE)」、「LTE-Advanced(LTE-A)」、「LTE-Advanced Pro(LTE-A Pro)」、「New Radio(NR)」、「New Radio Access Technology(NRAT)」、「Evolved Universal Terrestrial Radio Access(EUTRA)」又は「Further EUTRA(FEUTRA)」とも称する。)が、第三世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP(登録商標))において検討されている。
【0003】
上述のNRでは、従来のスマートフォンのデータ通信のeMBB(enhanced Mobile BroadBand)に加え、自動運転に用いられる緊急メッセージ伝送など高信頼及び低遅延が要求されるURLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communication)等、様々な通信ユースケースを1つの無線システムでサポートすることが想定されている。このような高信頼性が要求される通信システムにおいて、物理層の信頼性を向上させることを目的に、物理層にてHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)が実施されている。このHARQにおいては、受信装置は送信された情報が正しく受信できたかを判断し、その結果(ACK/NACK)を送信側に通知することが期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、再送の制御のためのデータ量が多いという問題がある。
【0006】
そこで、本開示では、再送の制御のためのデータ量を削減する通信制御装置及び端末装置を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る通信制御装置は、送信制御部と、追送信制御部とを有する。送信制御部は、単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを端末装置に送信する制御を行う。追送信制御部は、上記送信データを受信した端末装置からの追送信の情報に基づいて上記分割単位ビット系列毎に符号化の処理を行い、当該符号化された分割単位ビット系列を含む送信データの追送信を行う。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の通信システムが採りうるネットワークの構成例を示す図である。
【
図2】本開示の基地局装置の構成例を示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係るHARQのプロセスの一例を示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係るRVの一例を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る符号化系列に付与される冗長部の一例を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係るパケットコーディング処理を説明するための図である。
【
図8】本開示の実施形態に係るパケットコーディング処理の符号化手順の一例を示す図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る受信した複数の符号化ビット系列の符号手順の一例を示す図である。
【
図10】Online Fountain Codeの概要を示す図である。
【
図11】本開示の実施形態に係る基地局装置の構成例を示す図である。
【
図12】本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図13】本開示の実施形態に係る送信装置の概念的構成例を示す図である。
【
図14】本開示の実施形態に係る受信装置の概念的構成例を示す図である。
【
図15】本開示の実施形態に係る送受信処理の一例を示す図である。
【
図16】本開示の実施形態に係る通信システムの概要を示す図である。
【
図17】本開示の実施形態に係る追送信処理の処理手順の一例を示す図である。
【
図18】本開示の実施形態に係る追送信における受信処理の処理手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。説明は、以下の順に行う。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
1.基本の構成
2.実施形態
【0010】
(1.基本の構成)
[ネットワークの構成]
図1は、本開示の通信システムが採りうるネットワークの構成例を示す図である。同図中の回線(破線)は、論理的な接続を意味しており、物理的に直接繋がっているとは限らない。通信エリアは複数の基地局それぞれがサービス提供する「セル」(同図中の楕円)によって構成されている。セルは、一つの基地局が複数提供してもよい。基地局は、基地局同士でバックホール(有線、無線は問わない)を介して通信可能であり、主に制御情報のやり取りを実施する。このバックホールを使った通信としては、X2インタフェースあるいはS1インタフェースのプロトコルを使った通信が想定される。
【0011】
また、基地局は、システムのコアネットワークとのバックホールも有する。その際に、基地局は、制御エンティティと接続することでコアネットワークと接続をしてもよい(制御エンティティをコアネットワークの要素の一つと捉えてもよい)。また、基地局は、制御エンティティを介する以外にも、外部ネットワークを介してコアネットワークと接続してもよい。このような接続をする基地局の例として、室内や家庭内に敷設可能なフェムトセル基地局装置、又はHeNB装置が挙げられる。
【0012】
同様に、基地局機能の分割が実施され、基地局が別々のユニットとして定義された場合、これらのユニットは、ユニット間にミッドホールを有してもよい。これらのユニットは、個別に、制御エンティティやコアネットワークに接続されることで、コアネットワークと接続されてよい。また、これらのユニットは、機能分割により発生した、同種または異なるユニット間をリレーする形で、制御エンティティやコアネットワークに接続されてよい。
【0013】
基地局機能の分割が実施され、基地局が別々のユニットとして定義された場合、これらのユニットは、同一または別々の基地局や、マクロセルもしくはミクロセルを構成する、装置もしくはエンティティによって、共有されていてもよい。
【0014】
基地局機能の分割が実施され、基地局が別々のユニットとして定義された場合、これらのユニットは必ずしも物理的に分離している必要は無い。これらのユニットは仮想的または論理的な分離により定義されてもよい。
【0015】
ミッドホールは物理的もしくは論理的に確立されてよい。このとき、ミッドホールは、専用の通信路で構成されていてもよいし、一般の公衆網で構成されていてもよい。もしくは、ミッドホールは、無線装置を介して確立されていてもよい。またミッドホールとバックホールは重複していてもよい。
【0016】
さらに、マクロセルもしくはミクロセルを構成する装置または基地局は、少なくともRF装置もしくはアンテナ装置を含むユニットと、それ以外の機能もしくは装置と、の間に、フロントホールを有していてもよい。このとき、フロントホールは物理的、論理的、無線、有線、専用回線、一般網を問わず、いかなる接続をも許容する。
【0017】
スモールセル又はフェムトセルを構成する装置は、RF装置もしくはアンテナ装置を少なくとも含むユニットにより構成されてもよい。これらのユニットは、1又は複数の基地局、または同様の機能を持つ何らかの装置によって、共有されてもよい。
【0018】
スモールセルエリアは、基本的にはマクロセルエリアと重なるように配置される。しかし、スモールセルエリアは、部分的にあるいは完全に、マクロセルエリアの外側に配置されてもよい。
【0019】
マクロセルを構成する装置、スモールセルを構成する装置、若しくは基地局機能を持つ装置は、使う無線リソースに特徴を持たせてもよい。例えば、マクロセルとスモールセルで同一の周波数リソースF1(あるいは時間リソースT1)が使用されてもよい。このようにすることで、システム全体としての無線リソース利用効率を向上させることが可能となる。一方、マクロセルが周波数リソースF1(あるいは時間リソースT1)を利用し、スモールセルが周波数F2(あるいは時間リソースT2)を利用するようにしてもよい。このようにすることで、マクロセルとスモールセルとの間の干渉を回避することが可能になる。さらに、両種類のセル若しくは基地局機能を持つ装置が、F1/2(T1/2)それぞれを使うようにしてもよい。これは、周波数リソースに適用すると、CA(Carrier Aggregation)と同等の考え方となる。
【0020】
マクロセルとスモールセルもしくは基地局機能を持つ装置は、それぞれが空間的に分離されることを前提条件として、使う無線リソースそのものやその重畳方法に特徴づけてもよい。例として、MIMO(Multi Input Multi Output)とビームフォーミングによる空間分割多重(Spatial Division Multiplex)が挙げられる。
【0021】
マクロセルとスモールセルは、複数の送受信点または複数の電波送受部を内包していてもよい。複数の送受信点または複数の電波送受部を使用した通信においては、複数の送受信点及び複数の電波送受部は、別々のリソース(周波数、時間)を送受信時に使用してもよいし、同じリソースを使用してもよい。複数の送受信点及び複数の電波送受部は、異なるセル同士で共有されて使用されてもよい。
【0022】
[基地局装置の構成]
図2は、本開示の基地局装置の構成例を示す図である。同図は、基地局装置20の構成例を表すブロック図である。基地局装置20は、端末装置40と無線通信する通信装置(無線システム)である。基地局装置20は、情報処理装置の一種である。
【0023】
基地局装置20は、無線通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、同図に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局装置20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。
【0024】
無線通信部21は、他の通信装置(例えば、端末装置40および他の基地局装置20)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部21は、制御部24の制御に従って動作する。無線通信部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、無線通信部21は、NRおよびLTEの双方に対応してもよい。無線通信部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、無線通信部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、無線通信部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
【0025】
無線通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ413と、を備える。無線通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、およびアンテナ413をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、基地局装置20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211および送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
【0026】
受信処理部211は、アンテナ413を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
【0027】
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局装置20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネルおよび上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、または256QAM等の多値QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータおよび上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
【0028】
送信処理部212は、下りリンク制御情報および下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
【0029】
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報および下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ413から送信される。
【0030】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ及びハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局装置20の記憶手段として機能する。
【0031】
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、他の基地局装置20)と通信するための通信インタフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インタフェースである。ネットワーク通信部23は、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインタフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インタフェースであってもよいし、無線インタフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局装置20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御に従って、他の装置と通信する。
【0032】
制御部24は、基地局装置20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局装置20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0033】
[端末装置の構成]
図3は、本開示の端末装置の構成例を示す図である。同図は、端末装置40の構成例を表すブロック図である。端末装置40は、基地局装置20と無線通信する通信装置(無線システム)である。端末装置40は、情報処理装置の一種である。
【0034】
端末装置40は、無線通信部41と、記憶部42と、入出力部44と、制御部45と、を備える。なお、同図に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置40の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0035】
無線通信部41は、他の通信装置(例えば、基地局装置20および他の端末装置40)と無線通信する無線通信インタフェースである。無線通信部41は、制御部45の制御に従って動作する。無線通信部41は1または複数の無線アクセス方式に対応する。例えば、無線通信部41は、NRおよびLTEの双方に対応する。無線通信部41は、W-CDMA(登録商標)やcdma2000(登録商標)等、他の無線アクセス方式に対応していてもよい。
【0036】
無線通信部41は、受信処理部411と、送信処理部412と、アンテナ313と、を備える。無線通信部41は、受信処理部411、送信処理部412、およびアンテナ313をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、無線通信部41が複数の無線アクセス方式に対応する場合、無線通信部41の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成されうる。例えば、受信処理部411および送信処理部412は、LTEとNRとで個別に構成されてもよい。受信処理部411、および送信処理部412の構成は、基地局装置20の受信処理部211、および送信処理部212と同様である。
【0037】
記憶部42は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部42は、端末装置40の記憶手段として機能する。
【0038】
入出力部44は、ユーザと情報をやりとりするためのユーザインタフェースである。例えば、入出力部44は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザが各種操作を行うための操作装置である。または、入出力部44は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部44は、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部44は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部44は、端末装置40の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段または通知手段)として機能する。
【0039】
制御部45は、端末装置40の各部を制御するコントローラである。制御部45は、例えば、CPU、MPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部45は、端末装置40内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部45は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、ASIC、およびFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0040】
[HARQに関する情報]
前述のように、HARQにおいては、端末装置40は送信された情報が正しく受信できたかを判断し、その結果(ACK又はNACK)を送信側に通知することが期待される。例として3GPP(登録商標)におけるHARQのプロセス及び応答を説明する。
【0041】
図4は、本開示の実施形態に係るHARQのプロセスの一例を示す図である。同図において、基地局装置20は、巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)符号が付与されたトランスポートブロック(TB:Transport Block)の前方誤り訂正符号化を実行するためにTBをコードブロック(CB:Code Block)と称される符号化単位に分割する。次に、基地局装置20は、それぞれのCBにCRC符号を付与する。次に、基地局装置20は、CB単位で誤り訂正符号化を実行し、コードワード(CW:Codeword)を生成する。次に、基地局装置20は、CWのうちある位からのビット系列を抜き出して送信のための処理を行う。この時のある位はリダンダンシーバージョン(VR:Redundancy Version)という名目で管理されており、RVは通常0乃至3の値で指定される。すべてのRVは1つの情報の送信機会で送られる。これは、他のCBから生成されたCWと再結合された1つのビット系列内においても同様である。
【0042】
抜き出されたCWは他のCBから生成されたCWと再結合され、1つのビット系列を形成する。その後、この系列に対する変調が物理層により実行される。通常、HARQはTB単位にて1ビットで示すACK及びNACKの送受信を行う。つまり、端末装置40は受信した情報系列に対し、CB単位での誤り訂正符号の復号を行う。その後、CBに付加されたCRC符号を用いて誤り検出を行う。1つのTBを構成する全てのCBに誤りが見つからない場合、端末装置40は基地局装置20に対してACKの通知を行う。そうでない場合はNACKの通知を行う。
【0043】
端末装置40からNACKの通知を受けた基地局装置20は、全てのCBの先程とは異なるRVを持つCWを再送として送信する。再送を受けとった端末装置40は、初回送信の情報系列と再送された系列の尤度を足し合わせ、再び誤り訂正符号の復号処理を行う。この時の復号結果は、初回送信と比較して情報の尤度が確からしくなるため、正しく復号される。再送される系列のビット数を軽減することを目的に、HARQフィードバックの単位を図中のコードブロックグループ(CBG:Code Block Group)単位で実施するような規格が定められている。この場合、単一のフィードバック送信機会において、端末装置40は、基地局装置20に全てのCBGのACK及びNACKの通知を送信する。フィードバックを受け取った基地局装置20は、NACKが通知されたCBGのみに対し再送処理行うことで再送時のビット数を減らすことが可能となる。
【0044】
[RV]
図5は、本開示の実施形態に係るRVの一例を示す図である。同図は、上述のVRの一例を表す図である。
【0045】
[パケットコーディング]
本実施形態では、送信の対象となる1の情報系列(或いは、1の情報系列を分割して生成される複数のビット系列)から、符号化された複数のビット系列を生成する符号化手法を使用する。このコーディング手法を、本開示ではパケットコーディングと呼称する。
【0046】
パケットコーディングは以下の特徴を、少なくとも1つは持つことが想定されている。
(A1)複数のビットからなるビット系列を符号化単位として複数の符号化単位を用いて符号化を行うこと。この符号化単位におけるビット数は各符号化単位で同じである。また、符号化の際、2つ以上の符号化単位における、それぞれの同じ位のビットを足し合わせる(XOR処理)ことにより、足し合わせた符号化単位とは異なるビット系列(パリティ系列)が生成される。
(A2)消失した符号化単位の情報をパリティ系列から復元すること。この復元に必要な情報には、パリティ系列がどのような符号化単位を用いて生成されたかに関する情報、復号アルゴリズムで使用する系列(パリティ系列及び符号化単位)内に誤りがないことを保証することに関する情報及び送信された系列(パリティ系列及び符号化単位)の数に関する情報が該当する。また、例えば、系列に対して、冗長を付与することにより、上記情報を付与してもよい。
【0047】
図6は、本開示の実施形態に係る符号化系列に付与される冗長部の一例を示す図である。同図は、パケットコーディングにより生成された系列または符号化単位に対して、誤り検出機能とシンボルの識別機能を冗長という形で付与する例を示している。この識別番号は受信装置側で到着した系列が送信側のどの系列に相当するかを判別するために用いられる。誤り検出部においては、端末装置40で誤り検出行うために系列のビット配列を基に生成された誤り検出用のビットが付与されることが想定される。誤り検出用のビットを生成する際に、系列に対して更なる符号化処理を行う場合もある(例:CRC)。
【0048】
[パケットコーディング処理]
図7は、本開示の実施形態に係るパケットコーディング処理を説明するための図である。パケットコーディングでは、通信装置は、1のビット系列(1の送信データ系列)から複数のソースビット系列を生成する。このとき、複数のソースビット系列は、同じ長さであってもよい。すなわち、通信装置は、1のビット系列は等分してもよい。そして、通信装置は、複数のソースビット系列(
図7に示す1のビット系列群)に所定の誤り訂正符号化処理を施すことにより、誤り訂正能力を持つ複数の符号化ビット系列(
図7に示す符号化ビット系列群)を生成する。このとき、通信装置は、ソースビット系列同士をビットレベルXORすることにより符号化ビット系列群を生成してもよい。この場合、パリティビット系列分のビット系列長は、入力に使用した複数のソースビット系列(ここでは1のビット系列群に相当)の系列長と同じになる。復号を成功させるため、送信側の通信装置は、出力された複数の符号化ビット系列(
図7の例であれば9つの符号化ビット系列)のうち、少なくとも、符号化対象となったソースビット系列の個数(
図7の例であれば5つ)以上の符号化ビット系列を受信側に送信する必要がある。なお、
図7に示した例は、あくまで一例である。パケットコーディング処理は
図7に示した例に限られない。
【0049】
図8は、本開示の実施形態に係るパケットコーディング処理の符号化手順の一例を示す図である。上述したように、パケットコーディング処理の符号化手順をパケットコーディング処理そのものとみなしてもよい。同図には、3個ある1のビット系列を入力として、符号化で新たに1つのパリティビット系列を生成するプロセスが示されている。同図の例では、パリティは、等長のビット系列同士によるビットレベルの足し算を用いて生成される。この場合、当該符号化手法は行列演算での表現が可能である。同図の行列表現において、右辺左部の行列が符号化行列である。同図の例では、符号化ビット系列群として、入力と同じ複数のビット系列(行列の1~3行目の成分)と、パリティビット系列(行列の4行目の成分)とが生成される。
【0050】
図9は、本開示の実施形態に係る受信した複数の符号化ビット系列の符号手順の一例を示す図である。同図には、任意の位置の1の符号化ビット系列が消失した場合に、パリティビット系列を用いて訂正する様子が示されている。消失した系列を訂正できるか否かは、正しく到着した符号化ビット系列に対応した符号化行列の行成分で構築された行列を1次方程式と見た場合に、その方程式が解けるか否かと等しい。
【0051】
本開示においては、さらに以下の特徴を持つパケットコーディングを使用することを想定する。
(B1)符号化装置は端末装置40の復号状態に関する情報を要求し、その情報を基に符号化を行うこと。
(B2)複数の符号化単位を用いて符号化されたパケット系列群は、少なくともそれぞれの符号化単位と同じビット配列を持つパケット系列を含むこと(組織化符号であること)。
【0052】
この特徴を持つ符号には、例えば、Online Fountain Codeが該当する。
【0053】
図10は、Online Fountain Codeの概要を示す図である。Online Fountain Codeは、受信装置の復号状態に関する情報として、送信されたオリジナルパケット単位での復号率、あるいはその復号率を入力としたアルゴリズムにより選択される次回送信パケット(符号化パケット)の度数情報、を送信側に送信する。ここで、度数とは、符号化パケットを生成する際に使用されるオリジナルパケット(Original Packet)の数である。この数を適切に選択することが、Fountain Codeの復号性能に大きく依存する。
【0054】
(2.実施形態)
[基地局装置の構成]
図11は、本開示の実施形態に係る基地局装置の構成例を示す図である。同図は、
図2の基地局装置20のうちの制御部24の構成例を表す図である。同図の制御部24は、受信制御部241と、送信制御部242と、追送信制御部243とを備える。
【0055】
受信制御部241は、他の通信装置、例えば、端末装置40からのデータ等の受信を制御するものである。この受信制御部241は、
図2の受信処理部211を制御して受信を行わせ、受信データを取得する。また、受信制御部241は、端末装置40からの追送信の情報を受信する制御を行う。
【0056】
送信制御部242は、他の通信装置、例えば、端末装置40へのデータ等の送信を制御するものである。この送信制御部242は、
図2の送信処理部212を制御して送信データの送信を行わせる。また、送信制御部242は、単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを端末装置に送信する制御を行う。この送信データには、前述のTBが該当する。
【0057】
追送信制御部243は、送信制御部242により送信された送信データを受信した通信装置、例えば、端末装置40に対する追送信の制御を行うものである。この追送信とは、送信データを受信した通信装置に送信データを再度送信することである。この追送信の際、追送信制御部243は、分割単位ビット系列毎に符号化の処理を行い、当該符号化された分割単位ビット系列を含む送信データを送信させる。また、追送信は、通信装置からの追送信の情報に基づいて行われる。なお、基地局装置20は、本開示の「通信制御装置」の一例である。
【0058】
[端末装置の構成]
図12は、本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。同図は、
図3の端末装置40のうちの制御部45の構成例を表す図である。同図の制御部45は、受信制御部451と、送信制御部452とを備える。
【0059】
受信制御部451は、他の通信装置、例えば、基地局装置20からのデータ等の受信を制御するものである。この受信制御部451は、
図3の受信処理部411を制御して受信を行わせ、受信データを取得する。また、受信制御部451は、基地局装置20からの単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを受信する制御を行う。
【0060】
送信制御部452は、他の通信装置、例えば、基地局装置20へのデータ等の送信を制御するものである。この送信制御部452は、
図3の送信処理部412を制御して送信データの送信を行わせる。また、送信制御部452は、追送信の情報を基地局装置20に送信する制御を行う。追送信の情報の詳細については後述する。
【0061】
[送信装置の概念的構成]
図13は、本開示の実施形態に係る送信装置の概念的構成例を示す図である。同図は、送信装置における初回送信時に必要な機能の最小構成及び送信装置における追送信時に必要な機能の最小構成を表したブロック図である。本開示における送信装置は以下の機能を備える。
【0062】
(C1)単一のビット系列を分割して、分割単位ビット系列群を生成する機能。
この機能は、単一のビット系列を分割して、それぞれが同ビット数である分割ビット系列群を生成する機能である。例えば、ビット数Nの系列をK分割して生成された分割ビット系列は、N/Kのビット数を持つこととなる。この機能には、例えば、3GPP(登録商標)で規格化されている物理層送信処理の1部であるTBのCB単位分割が該当する。また、生成された分割ビット系列のそれぞれに、分割ビット系列単位でそのビットに誤りが含まれていないかを検出する機能を付与することもできる。ビットに誤りが含まれていないかの検出には、例えば、Cyclic Redundancy Checkを利用することができる。また、分割ビット系列と特定のビット列による畳み込みから冗長の誤り検査ビット列を生成し、それを分割ビット系列にヘッダとして付与することもできる。なお、この機能の目的を達成可能な他の機能を適用することもできる。
【0063】
(C2)1度の送信機会で分割ビット系列群を変調する機能。
この変調処理には、ビット系列を電波に変換するまでの全ての処理が含まれる。また、分割ビット系列毎に、パケットコーディングとは異なるビット単位の誤り訂正符号が付与されてもよい。この誤り訂正符号には、LDPC符号、Turbo符号、Polar符号、前方誤り訂正符号及び組織的符号化手法である前方誤り訂正符号の少なくとも何れかを適用することができる。また、上記の誤り訂正符号により生成された符号化系列の一部を、1度の送信機会に送る送信単位として使用してもよい。この場合、使用される符号化系列の一部により構成されたビット系列群には、それぞれの分割ビット系列から生成された上記の誤り訂正符号により符号化された符号化系列が1つ以上含まれる。この誤り訂正符号による符号化を適用することにより、全ての分割ビット系列を復号できる可能性を生じる。この誤り訂正には、例えば、3GPP(登録商標)の規格書で定義されているHARQが該当する。
【0064】
(C3)受信装置から追送信要求を受け取る機能。
この機能には、受信装置から送信される情報に基づいて追送信を行うかの判定をする機能と、追送信する場合にパケットコーディングを実施するための情報を読み取る機能とが含まれる。受信装置から送信される情報には、送信装置に追送信を要求するための情報が該当する。また、受信装置から送信される情報に、副次的に追送信を要求しているか判断が可能な他の情報を適用することもできる。この機能により情報の追送信が必要と判断された場合、送信装置は次の機能を実行する。
【0065】
(C4)分割単位ビット系列群にパケットコーディングを実施する機能。
追送信を行う場合、送信装置は、要求された分割ビット系列及びその情報を含む誤り訂正符号により符号化された符号化系列の一部または全部を送信する代わりに、複数の分割ビット系列をパケットコーディングで符号化した符号化系列を送信する。生成するパケットの個数、パケットコーディング符号に使用する分割ビット系列の数及びパケットコーディング符号に使用する分割ビット系列の選び方等の情報については、追送信を要求する情報により指示されてもよいし、送信端末側で静的または準静的に決定されてもよい。
【0066】
(C5)1度の送信機会でパケットコーディングにより符号化された符号化系列群を変調する機能。
送信装置は、生成された追送信のためのパケットコーディング符号化系列群を1度の送信機会で変調する機能を有する。送信装置は、この機能に基づいて変調した符号化系列群を送信する。この変調処理には、ビット系列を電波に変換するまでの全ての処理が含まれる。また、この機能には、パケットコーディング符号化系列に対する追加の符号化を行う機能を含んでもよい。この追加の符号化処理には、パケットコーディングとは異なるビット単位の誤り訂正符号を適用することができる。この誤り訂正符号には、LDPC符号、Turbo符号、Polar符号、前方誤り訂正符号及び組織的符号化手法である前方誤り訂正符号の少なくとも何れかを適用することができる。また、上記の誤り訂正符号により生成された符号化系列の一部を、1度の送信機会に送る送信単位として使用してよい。この場合、使用される上記誤り訂正符号により生成された符号化系列の一部で構成されたビット系列群には、それぞれのパケットコーディング符号化系列から生成された上記誤り訂正符号により符号化された符号化系列が1つ以上含まれる。この誤り訂正符号による符号化を適用することにより、全てのパケットコーディング符号化系列を復号できる可能性を生じる。
【0067】
[受信装置の概念的構成]
図14は、本開示の実施形態に係る受信装置の概念的構成例を示す図である。同図は、受信装置における初回受信時に必要な機能の最小構成及び受信装置における追送信時に必要な機能の最小構成を表したブロック図である。本開示における受信装置は以下の機能を備える。
【0068】
(D1)受信された変調化ビット系列情報を復調する機能。
ここで、受信された変調化ビット系列情報とは、とあるビットで構成されたビット系列が上述の送信装置の機能により変調されたものを表す。また、この機能には、送信装置側におけるパケットコーディングとは異なるビット単位の誤り訂正符号によるビット系列の符号化処理に応じたパケットコーディングとは異なるビット単位の誤り訂正符号の複合処理の機能を含んでもよい。
【0069】
(D2)分割ビット系列単位で誤りの検出を行う機能。
この機能は、分割ビット系列毎に誤りの検出を行う機能である。この誤り検出は、分割ビット系列単位に付与された機能に基づいて実施されてよい。なお、本開示の受信装置は、他の方法による誤り検出を使用することもできる。
【0070】
(D3)誤りが検出された場合に送信装置に情報を送信する機能。
この機能は、前述の誤り検出機能において誤りが検出された場合に、送信装置に対して情報を送信する機能である。この機能は、誤りの有無に関わらずデータを送信するような機能で代用してもよい。この機能は、例えば、ACK及びNACK通知する機能により代用することができる。なお、誤りが含まれている分割ビット系列は、廃棄することができる。この情報の送信は、例えば、規格上で定められている通信手法で実現されてもよい。すなわち、この情報を送信するだけのために送信機会を要求する必要はない。
【0071】
(D4)パケットコーディングの復号を行う機能。
この機能は、受信したパケットコーディングによる符号化系列を用いて復号を試みる機能である。
【0072】
(D5)復号が失敗した場合に送信装置に情報を送信する機能。
パケットコーディングの復号後の分割ビット系列に誤りが含まれていた場合、その復号は失敗したことを意味する。この時の誤りの検出は、分割ビット系列それぞれが持つ誤り検出機能を用いてよいし、復号器の復号状態から誤りが含まれていることを判定してもよい。復号に失敗した場合、受信装置は少なくとも復号に失敗したことを通知する。この機能は、誤りの有無にかかわらずデータを送信するような機能で代用してもよい。例えば、ACK及びNACK通知がそれに該当する。なお、誤りが含まれている分割ビット系列は、廃棄することができる。この情報の送信は、例えば、規格上で定められている通信手法で実現されてもよい。すなわち、この情報を送信するだけのために送信機会を要求する必要はない。
【0073】
[送受信処理]
図15は、本開示の実施形態に係る送受信処理の一例を示す図である。同図は、基地局装置20及び端末装置40の間の送受信処理の一例を表す図である。また、同図の処理は、基地局装置20から端末装置40への下りリンク通信の一例を表す図である。
【0074】
まず、端末装置40は、自身が接続しているセルの基地局装置20に対して、受信装置の受信ケイパビリティ(Capability)情報を通知する(ステップS101)。この受信ケイパビリティ情報は、初期接続(Initial Access)の手順の中あるいは初期接続後に通知される。通知のための物理チャネルとして、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)の少なくともいずれかを利用することができる。
【0075】
次に基地局装置20は、自身が管理するセルに接続している端末装置40に対して、少なくともパケットコーディングの符号化及び復号化に関する情報を含む準静的な制御情報を通知する(ステップS102)。この準静的な制御情報は、セル固有(Cell-specific)または送信装置ごとで固定の制御情報であってもよい。この制御情報は、初期接続の手順の中あるいは初期接続後に通知される。また、RRCシグナリング、RRCコンフィギュレーション及びRRCリコンフィグュレーション等、RRCの手順の一部として通知されてもよい。また、制御情報は、定期的に送信装置から受信装置へ通知されてもよい。この制御情報を通知するための物理チャネルとして、報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel、EPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel)及び下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel)の少なくともいずれかを利用することができる。
【0076】
その後、具体的に基地局装置20から端末装置40へ下りリンクの通信が発生する場合(例えば、受信装置がデータダウンロード(プル)を要求した場合、受信装置へプッシュデータが発生した場合、など)、基地局装置20から端末装置40へ下りリンク通信のために利用する無線リソースなどの制御情報(動的な制御情報)を通知する(ステップS103)。この動的な制御情報は、受信装置個別(UE-specific)または受信装置グループ個別(UE-group-specific)の制御情報であってもよい。
【0077】
ここで受信装置グループとは、例えば、下りリンク通信がマルチキャストやブロードキャストである場合の送信先対象となる1以上の受信装置のグループである。動的な制御情報には、対象の受信装置(端末装置グループ)に対して下りリンク通信を割り当てる周波数リソース(例えばリソースブロック(Resource Block)、サブキャリア(Subcarrier)及びサブキャリアグループ(Subcarrier Group)、など)が含まれる。また、動的な制御情報には、時間リソース(例えばサブフレーム(Subframe)、スロット(Slot)、ミニスロット(Mini-slot)及びシンボル(Symbol)、など)が含まれる。また、動的な制御情報には、空間リソース(例えば、アンテナ(Antenna)及びアンテナポート(Antenna Port)、空間レイヤ(Spatial Layer)及び空間ストリーム(Spatial Stream)など)が含まれる。また、動的な制御情報には、NOMA(Non-orthogonal Multiple Access、MUST(Multiuser Superposition Transmission)、IDMA(Interleave Division Multiple Access)及びCDMA(Code Division Multiple Access))の非直交リソース(電力に関するリソース、インタリーブパターン、スクランブルパターン及び拡散パターンなど)が含まれる。また、動的な制御情報には、変調レベル(Modulation Order)、符号化方法及び復号方法に関する情報並びに符号化系列に付与される誤り検出の方法符号化系列の識別番号に関する情報及びARQ/HARQに関する設定(NDI(New Data Indicator)が含まれる。また、動的な制御情報には、RV(Redundancy Version)など)及びHARQ Processの識別番号などが含まれる。この動的な制御情報を受信した受信装置は、その制御情報に従って下りリンク通信の適切な受信に備えるための設定を行う。この情報は、発生する下りリンク通信と同じ機会に送信されてもよい。
【0078】
次に、基地局装置20は、初回送信のための物理層処理を含む送信処理(系列の分割、物理層レベルFEC、変調及び物理層符号化等を含む処理)を実行する(ステップS104)。次に、基地局装置20は、符号化したデータを変調し、無線信号として指定された端末装置に送信する(ステップS105)。この処理には、パケットコーディングの符号化処理後から電波放射までの全ての処理が含まれる。
【0079】
端末装置40は、初回受信処理を実行する(ステップS106)。この初回受信処理には、基地局装置20からの無線信号を受信する処理、受信した無線信号を復調する処理及び復調した信号から系列を復号する処理が含まれる。なお、端末装置40は、制御情報で指定された設定に従ってこれらの処理を実行する。また、初回受信処理には、復号された系列に誤りが含まれているか否かを判定する処理が含まれる。
【0080】
誤りを含む系列がある場合、端末装置40は、追送信を希望する旨が含まれる追送信の情報を送信する(ステップS107)。なお、端末装置40は、データの復号の結果に応じて、追送信に関する処理の設定を変えることが望ましい。例えば、復号に失敗した場合には、端末装置40は、誤った系列を保持するバッファの破棄、誤っていない系列のバッファリング、復号処理のための情報及び復号結果や復号途中のデータ(符号化系列)のメモリへの保存を行うことができる。一方、復号に成功した場合、端末装置40は、上位層へのデータ移送のための処理を行うことができる。
【0081】
基地局装置20は、端末装置40から受け取った追送信の情報から追送信を行うかの判断の処理を行い(ステップS108)、次に実施すべき処理を任意に実行する。例えば、判定の結果、追送信が必要な場合には、パケットコーディングに該当する符号化処理を行う(ステップS109)。その後、基地局装置20は、初回送信と同じく追送信のための送信処理を実施し(ステップS110)、情報の追送信に向けた準備を行う。この際、基地局装置20は、追送信のために新たに物理層レベルFEC、変調、物理層符号化、無線リソースの選択及び送信装置の変更などを含む物理層処理を実施してもよい。更に、基地局装置20は、これらを実施することを含む情報を端末装置40に新たに通知してもよい。この情報には、例えば、無線リソースの選択などが該当する。追送信の判断の結果、追送信が実施されない場合は対象のデータについては問題なく送受信ができたことを意味するため、基地局装置20は、新しいデータの通信に移行する。
【0082】
基地局装置20は、上記のACK及びNACKに対応した追加送信のための処理に従って追送信を行う(ステップS111)。この際、基地局装置20は、対象の端末装置40に対して新たな制御情報を送信してもよい(ステップS111)。この制御情報は、追送信とは異なる機会に通知することもできる。
【0083】
追送信を受信した端末装置40は、追送信受信処理を行う(ステップS112)。次に端末装置40は、静的な制御情報、純静的な制御情報又は動的な制御情報若しくはそれらを組み合わせた情報を用いて、パケットコーディングの復号を行う(ステップS113)。その後、端末装置40は、追送信を希望する旨が含まれる追送信の情報を送信する(ステップS114)。なお、端末装置40は、データの復号の結果に応じて、追加送信に関する処理の設定を変えることが望ましい。例えば、復号に失敗した場合には、端末装置40は、誤った系列を保持するバッファの破棄、誤っていない系列のバッファリング、復号処理のための情報及び復号結果または復号途中のデータ(符号化系列)のメモリへの保存を行うことができる。一方、復号が成功した場合には、端末装置40は、上位層へのデータ移送のための処理を行うことができる。
【0084】
基地局装置20は、追送信の情報に基づいて追送信判断処理を行う(ステップS115)。同図の基地局装置20は、追送信が必要ないと判断し、送信処理を終了する。
【0085】
[通信システムの概要]
図16は、本開示の実施形態に係る通信システムの概要を示す図である。同図は、本開示の受信装置及び送信装置における追送信の処理の概要を表した図である。同図の送信装置はデータを送信する側の装置であり、同図の受信装置はデータを受信する側の装置である。なお、送信装置は、本開示の「通信制御装置」の一例である。受信装置は、本開示の「端末装置」の一例である。
【0086】
本開示において、受信装置は以下の情報のうち最低でも1つを追送信の情報として送信装置に通知する。
(E1)復号されたパケットの数。これは、誤り検出処理により誤りが検出されない分割単位ビット系列の数に相当する。
(E2)全体に対してどれぐらいのパケットが復号されたかの割合。これは、送信した分割単位ビット系列に対する誤り検出処理により誤りが検出されない分割単位ビット系列の比率に相当する。
(E3)次回送信時に生成する符号化パケットの度数。
【0087】
上記の情報が通知された送信装置は、初回送信で送信したすべての符号化単位系列(CB)を入力として、上記の情報を使用した符号化を行う。その後、送信装置は、符号化系列を新たな送信系列として、送信処理を行う。
【0088】
従来のHARQ-ACK/NACKCodebookでは各CBG単位でACK/NACKを示す1ビットを要求していた。これに対し、本発明においては、CBGやCBの数に依存しない情報で追送信のための処理を行うことができる。また、これらの情報が小さいビット数で表現できるため、従来の手法より少ないビット数で追送信のための通知を行うことが可能となる。また、現規格では追送信の単位はTBもしくはCBGであるが、本発明においてはそれに制限されないため、より適応的に追加送信するビット数をデザインすることができる。
【0089】
[追送信処理]
図17は、本開示の実施形態に係る追送信処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、追送信処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0090】
本開示における追送信処理の送信装置側の処理は受信装置からの追送信に関する通知が送信装置に届いた場合に発生する。送信装置は、初回送信を行う(ステップS131)。次に、送信装置は、受信装置からの応答があるまで待機する(ステップS132)。受信装置からの応答があった場合には(ステップS132,Yes)、送信装置は、追送信の要求か否かを判断する(ステップS133)。この際、送信装置は、追送信の要求の場合に追送信が必要かどうかを判断する。追送信が必要と判断した場合(ステップS133,Yes)、送信装置は、ステップS134以降の処理を実行する。また、追送信の要求ではないと判断した場合(ステップS133,No)、送信装置は、送信処理を終了する。
【0091】
上述のステップS133において、送信装置は、受信装置からの追送信に関する通知(追送信の情報)から追送信が必要かを判断する。例えば、送信装置は、以下の条件の場合で追送信のための処理を実施するかどうか判定する。
送信終了する場合:
(F1)復号されたパケットの数がソースのパケット群の数と同じ場合。
(F2)復号されたパケットの割合が10割である場合。
(F3)次回送信時に生成する符号化パケットの度数が所定の数の場合。例えば、この値は実数値の0である。また、例えば、この値は送受信装置間で予め決められた値である。
追送信のための処理を実施する場合:
(F4)上記の例を満たさない場合。
【0092】
追送信処理を実施する場合、受信装置は、チャンネルコーディング処理において保持されている符号化系列に関する情報をすべて破棄する(ステップS134)。本開示においては、受信装置は初回送信でチャンネルコーディングされた系列とは異なる系列を生成する。このため、本開示の受信装置においては、チャンネルコーディングにおける信頼度向上のための系列の尤度情報を足し合わせる処理が機能しない。このため、初回送信の時点で受信装置に正しく情報を送信できない場合、符号化系列は追送信に必要ないため、破棄することが望ましい。
【0093】
次に、端末装置40は、パケットコーディング符号化処理を行う(ステップS135)。ここで、符号化で使用される符号は以下の特徴を持つ。
(G1)パケットコーディングであること。
(G2)符号化装置は受信装置の復号状態に関する情報を要求し、その情報を基に符号化行うこと。なお、復号状態の例には、前述のE1-E3が該当する。
(G3)複数の符号化単位を用いて符号化されたパケット系列群は、少なくともそれぞれの符号化単位と同じビット配列を持つパケット系列を含むこと(組織化符号であること)。
【0094】
符号化処理は以下の処理を少なくとも含む処理である。
(H1)初回送信に使用されたすべての系列を用いて符号化単位系列を生成する。例えば、この符号化単位系列は、チャンネルコーディングのために分割された系列(CB)をそのまま使用することを特徴に持つ。
(H2)符号化単位系列を使用して符号化を行う。この場合、符号化処理は次の特徴を有することとなる。
(H2-1)1つの符号化系列を生成する場合に使用される符号化単位系列の数が、複合状態の情報を基にアルゴリズムで算出できる。
(H2-2)1つの符号化系列を生成する場合に使用される符号化単位系列の選び方が、無作為であること。
(H2-3)生成される符号化系列の個数が、物理層のリソース(時間リソース、空間リソース、周波数リソース及び有線のスループット)によって変化すること。
【0095】
符号化系列はその符号化系列ごとに情報を付与する。付与される情報は以下の特徴を有する。
(I1)付与される系列に対して誤りを検出するための情報。
(I2)生成された符号化系列がどの符号化単位系列から生成されたかに関する情報。
【0096】
送信装置は、符号化された系列にヘッダ及び誤り検出機能を付与する(ステップS136)。次に、送信装置は、追送信を行う(ステップS137)。この追送信の処理は、初回送信処理で実施された処理(変調などを含む)と同様の構成でよい。
【0097】
[追送信における受信処理]
図18は、本開示の実施形態に係る追送信における受信処理の処理手順の一例を示す図である。同図は、追送信処理の処理手順の一例を表す流れ図である。
【0098】
受信装置は、初回受信を行う(ステップS151)。次に、受信装置は、ブロック単位(チャネルコーディング単位)での誤り検出を実施する(ステップS152)。ブロック単位系列で誤りが検出された場合(ステップS153,Yes)、受信装置は、追送信要求のための処理を実施する。一方、誤りが検出されない場合は(ステップS153,No)、受信装置は、送信装置に追送信を要求しないことを情報に含む追送信のための通知を行い(ステップS154)、処理を終了する。
【0099】
例えば、追送信を要求しない情報は、上述の(F1)、(F2)及び(F3)と同様である。追送信処理を行う受信装置は、チャンネルコーディング単位系列でのブロックエラーの値または全体のうち何個の誤りを生じているかに関する情報を計算する。例えば、CBが全体で10個送信されて、そのうち2個に誤りが含まれていたとしたら、そのエラー率は0.2である。なお、受信装置は、追送信時に要求する符号化系列に含まれる符号化単位系列の数(度数)を所定のアルゴリズムを用いてエラー率から計算してもよい。この計算結果は、追送信のための通知に含まれていてもよい。
【0100】
受信装置は、追送信の情報(追送信要求)を生成し(ステップS155)、送信装置に通知する(ステップS156)。この通知には、上述の(E1)、(E3)及び(E3)のいずれかを含む。
【0101】
次に、受信装置は、誤りが含まれているチャンネルコーディング系列、およびそのチャンネルコーディング系列を復号した誤り訂正符号が持つ復号に関する情報をすべて破棄する(ステップS157)。ここで、復号に関する情報とは、例えば尤度である。
【0102】
次に、受信装置は、追送信を受信するまで待機する(ステップS158)。追送信された系列を受信した場合(ステップS158,Yes)、受信装置は、復号処理を行う(ステップS159)。この復号処理は以下を含む。
(J1)符号化系列に対し誤り検出を行い、誤りを含まない符号化系列のみを復号する。
(J2)復号処理後の符号化単位系列に対して誤り検出を行い、全ての符号化系列が復元されているかを検出する。
【0103】
次に、受信装置は、符号化単位系列のブロックを結合し(ステップS160)、その結合単位(TB単位)で誤りが含まれているか検査する(ステップS161)。誤りが含まれている場合は(ステップS153,Yes)、受信装置は、追送信処理を再度行う。
【0104】
このように、本開示の実施形態の送信装置(基地局装置20)は、受信装置(端末装置40)からの追送信の情報に基づいて分割単位ビット系列(CB)毎に符号化の処理を行い、追送信を行う。追送信の際、初回の送信とは異なる符号化を行うため、追送信の信頼性を向上させることができる。これにより、追送信の回数を削減することができ、データ量を削減することができる。
【0105】
(その他の変形例)
本実施形態の管理装置10、基地局装置20、中継局30、端末装置40、を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0106】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、管理装置10、基地局装置20、中継局30、端末装置40の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、管理装置10、基地局装置20、中継局30、端末装置40の内部の装置(例えば、制御部24制御部45)であってもよい。
【0107】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0108】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は1部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0109】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0110】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のフローチャートに示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0111】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0112】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。従って、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0113】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0114】
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0115】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
【0116】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0117】
なお、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、また他の効果があってもよい。
【0118】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを端末装置に送信する制御を行う送信制御部と、
前記送信データを受信した端末装置からの追送信の情報に基づいて前記分割単位ビット系列毎に符号化の処理を行い、当該符号化された分割単位ビット系列を含む送信データの追送信を行う追送信制御部と
を有する通信制御装置。
(2)
前記追送信の情報は、前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の数を含む情報である前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記追送信の情報は、前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列に対する前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の比率を含む情報である前記(1)に記載の通信制御装置。
(4)
前記追送信制御部は、複数のビットからなる系列を1つの符号化単位とする符号化を前記符号化として処理する前記(1)に記載の通信制御装置。
(5)
前記追送信の情報は、次回の符号化した前記分割単位ビット系列の生成に使用する分割単位ビット系列の数の情報である度数を含む情報である前記(4)に記載の通信制御装置。
(6)
前記追送信制御部は、前記追送信の情報に基づいて追送信を行うか否かの判断を更に行う前記(1)から(5)の何れかに記載の通信制御装置。
(7)
前記追送信制御部は、前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の数と前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列とが等しい場合には、前記追送信を行わない前記(6)に記載の通信制御装置。
(8)
前記追送信制御部は、前記送信データに含まれる前記分割単位ビット系列に対する前記端末装置の誤り検出処理により誤りが検出されない前記分割単位ビット系列の比率が値1の場合には、前記追送信を行わない前記(6)に記載の通信制御装置。
(9)
前記追送信制御部は、複数のビットからなる系列を1つの符号化単位とする符号化を前記符号化として処理するとともに、前記追送信の情報に含まれる次回の符号化した前記分割単位ビット系列の生成に使用する分割単位ビット系列の数の情報である度数が所定の値の場合には、前記追送信を行わない前記(6)に記載の通信制御装置。
(10)
送信装置により送信された単一のビット系列が分割された複数の分割単位ビット系列を含む送信データを受信する制御を行う受信制御部と、
前記送信データの受信結果に基づいて追送信の情報を生成して前記送信装置に送信する制御を行う送信制御部と
を有する端末装置。
【符号の説明】
【0119】
20 基地局装置
24、45 制御部
40 端末装置
242、452 送信制御部
243 追送信制御部
451 受信制御部