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特開2024-164547翼角度測定装置、及びこれを用いた翼角度測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164547
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】翼角度測定装置、及びこれを用いた翼角度測定方法
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/56 20060101AFI20241120BHJP
   F04D 29/64 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
F04D29/56 D
F04D29/56 C
F04D29/64 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080111
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】西岡 靖記
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AB27
3H130AB52
3H130AB62
3H130AB69
3H130AC17
3H130BA73B
3H130BA76B
3H130BA92B
3H130BA95B
3H130CA03
3H130CA08
3H130CB14
3H130DA02Z
3H130EA03B
3H130EA07B
3H130ED02B
3H130ED05B
(57)【要約】
【課題】翼角度測定装置の汎用性を高める。
【解決手段】翼角度測定装置は、分度器と、前記分度器を支持して軸流流体機械における第二部材に接触可能な架台と、を備える。前記分度器は、軸流流体機械における第一部材の腕接触面に接触可能な測定腕と、前記測定腕を測定中心軸線回りに回転可能に支持して、前記測定腕の回転角度を測定可能な分度器本体と、を有する。前記架台は、前記分度器本体が取り付けられている基板と、前記基板から測定中心軸線方向に延びている第一脚及び第二脚と、を有する。前記第一脚は、前記第二部材の第一脚接触面と接触可能な装置基準面と、前記第二部材の第二脚接触面に接触可能な腕高さ確保面とを有する。前記第二脚は、前記第二脚接触面に接触可能な第二接触端を有する。前記第二脚は、前記基板から前記第二接触端までの長さを変更可能な脚である。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ軸線を中心として回転可能なロータと、
前記ロータの外周を覆うケーシングと、
前記ケーシング内に配置され且つ前記ケーシングに取り付けられている複数の静翼と、
前記複数の静翼のうちの一部である可変静翼を前記ロータ軸線に対する径方向に延びる翼回転軸線回りに回転可能な角度変更機構と、
前記可変静翼の前記ロータ軸線に対する径方向内側に配置され、前記ロータ軸線を中心として環状の内側筒部材と、
を備え、
前記角度変更機構を構成する複数の部材と前記内側筒部材と前記可変静翼とのうち、第一部材は、前記可変静翼の回転に伴って前記翼回転軸線回りに回転する可変面と、前記ロータ軸線に対して垂直な角度基準面と、のうちの一方の面である腕接触面を有し、
前記角度変更機構を構成する複数の部材と前記内側筒部材と前記可変静翼とのうち、第二部材は、前記可変面と前記角度基準面とのうちの他方の面である第一脚接触面と、前記第一脚接触面に対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線に対する径方向外側を向く第二脚接触面と、を有する、
軸流流体機械における、前記可変静翼の回転角度を測定可能な翼角度測定装置において、
前記第一部材の前記腕接触面に接触可能な測定腕と、前記測定腕を測定中心軸線回りに回転可能に支持して、前記測定腕の回転角度を測定可能な分度器本体と、を有する分度器と、
前記分度器を支持して、前記第二部材に接触可能な架台と、
を備え、
前記架台は、前記分度器本体が取り付けられている基板と、前記基板に取り付けられ、前記測定中心軸線が延びている測定中心軸線方向成分を含む方向に延びている複数の脚と、を有し、
前記複数の脚のうちの第一脚は、前記第二部材の前記第一脚接触面と接触可能な装置基準面と、前記第一脚接触面に前記装置基準面が接触している際に前記第二脚接触面に接触可能な腕高さ確保面とを有し、
前記複数の脚のうちの第二脚は、前記装置基準面が前記第一脚接触面に接触し且つ前記腕高さ確保面が前記第二脚接触面に接触している際、前記第一脚の前記腕高さ確保面から離れた位置で前記第二脚接触面に接触可能な第二接触端を有し、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整可能に、前記基板から前記第二接触端までの長さを変更可能な脚である、
翼角度測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の翼角度測定装置において、
前記第二脚は、前記第二接触端としての球と、前記球の中心を中心として前記球を回転可能に支持する第二脚本体と、を有する、
翼角度測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の翼角度測定装置において、
前記第二脚は、複数の交換脚であり、
前記複数の交換脚は、互いの長さが異なり、それぞれが前記基板に取付可能である、
翼角度測定装置。
【請求項4】
請求項1に記載の翼角度測定装置において、
前記第二脚は、長さ調整脚であり、
前記長さ調整脚は、前記基板から前記測定中心軸線方向を含む方向への突出量が調整可能に前記基板に取付可能である、
翼角度測定装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の翼角度測定装置において、
前記第一脚は、前記装置基準面を有する第一脚本体と、前記腕高さ確保面を有し、前記第一脚本体に対する前記測定中心軸線方向の位置を変更可能に前記第一脚本体に取り付けられている高さ調整端と、有する、
翼角度測定装置。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか一項に記載の翼角度測定装置において、
前記架台は、前記第一脚に設けられ、前記第一脚の前記腕高さ確保面及び前記第二脚の第二接触端との間で前記第二部材を挟むことができる挟み込み部材を有する、
翼角度測定装置。
【請求項7】
請求項1から4のいずれか一項に記載の翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法において、
前記内側筒部材は、前記ロータ軸線を中心として筒状を成し、外周面と、前記外周面における前記ロータ軸線が延びるロータ軸線方向の端につながり前記ロータ軸線に対する垂直な端面と、を有し、前記外周面が前記可変静翼よりも前記ロータ軸線に対する径方向内側に位置するガスパス面形成筒であり、
前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、
前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、
を実行し、
前記配置工程では、
前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、
前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、
前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、
前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させ、
前記第一部材は、前記可変静翼であり、
前記第一部材の前記腕接触面が前記可変静翼の正圧面であり、
前記第二部材は、前記ガスパス面形成筒であり
前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記ガスパス面形成筒の前記端面であり、
前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記ガスパス面形成筒の前記外周面である、
翼角度測定方法。
【請求項8】
請求項1から4のいずれか一項に記載の翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法において、
前記内側筒部材は、前記ロータ軸線を中心として筒状を成し、外周面と、前記外周面における前記ロータ軸線が延びるロータ軸線方向の端につながり前記ロータ軸線に対する垂直な端面と、を有し、前記外周面が前記可変静翼よりも前記ロータ軸線に対する径方向内側に位置するシールリングであり、
前記シールリングは、前記翼回転軸線を中心として前記可変静翼が回転可能に前記可変静翼を支持し、
前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、
前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、
を実行し、
前記配置工程では、
前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、
前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、
前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、
前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させ、
前記第一部材は、前記可変静翼であり、
前記第一部材の前記腕接触面が前記可変静翼の正圧面であり、
前記第二部材は、前記シールリングであり
前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記シールリングの前記端面であり、
前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記シールリングの前記外周面である、
翼角度測定方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれか一項に記載の翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法において、
前記角度変更機構は、
前記可変静翼の前記ロータ軸線に対する径方向外側の端に取り付けられ、前記翼回転軸線を中心として円柱状の外側回転軸と、
前記外側回転軸に固定され、前記翼回転軸線に対する径方向に延びている第一リンク片と、
前記ケーシングよりも前記ロータ軸線に対する径方向外側に配置され、前記ロータ軸線を中心として環状を成し、前記ロータ軸線を中心として回転可能な回転リングと、
を有し、
前記第一リンク片は、前記翼回転軸線に対する径方向及び前記翼回転軸線が延びる翼回転軸線方向に広がるリンク側面と、前記リンク側面に対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線に対する径方向外側を向くリンク外側面と、を有し、
前記回転リングは、前記ロータ軸線に対して垂直なリング端面を有し、
前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、
前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、
を実行し、
前記配置工程では、
前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、
前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、
前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、
前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させ、
前記第一部材は、前記回転リングであり、
前記第一部材の前記腕接触面が前記回転リングの前記リング端面であり、
前記第二部材は、前記第一リンク片であり、
前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記第一リンク片の前記リンク側面であり、
前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記第一リンク片の前記リンク外側面である、
翼角度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変静翼の回転角度を測定可能な翼角度測定装置、及びこれを用いた翼角度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、空気を圧縮可能な圧縮機と、圧縮機で圧縮された空気中で燃料を燃焼させて高温高圧の燃焼ガスを生成可能な燃焼器と、燃焼器からの燃焼ガスで駆動可能なタービンと、を備える。
【0003】
圧縮機は、軸流回転機械の一種で、ロータ軸線を中心として回転可能なロータと、ロータの外周を覆うケーシングと、複数の静翼列と、翼角度変更機構と、を有する。ロータは、ロータ軸線が延びるロータ軸線方向に並んでいる複数の動翼列と、を有する。複数の動翼列は、いずれも、ロータ軸線に対する周方向に並んでいる複数の動翼を有する。複数の静翼列も、ロータ軸線方向に並んでいる。複数の静翼列のうち、ロータ軸線上流側の1以上の静翼列は、可変静翼列を成す。一以上の可変静翼列は、いずれも、ロータ軸線に対する周方向に並んでいる複数の可変静翼を有する。複数の可変静翼は、それぞれ、ロータ軸線に対する径方向に延びる翼回転軸線回りに回転可能である。翼角度変更機構は、一の可変静翼列を構成する複数の可変静翼をそれぞれの翼回転軸線回りに回転させる機構である。
【0004】
軸流流体機械では、その組立時や点検時等に、可変静翼の最大回転角度及び最小回転角度を検査することがある。このため、以下の特許文献1には、可変静翼を最大回転角度及び最小回転角度にしたときの可変静翼の実際の回転角度を測定するための測定装置が開示されている。
【0005】
この測定装置に適用される翼角度変更機構は、外側回転軸と、第一リンク片と、第二リンク片と、回転リングと、を有する。外側回転軸は、可変静翼のロータ軸線に対する径方向外側の端に取り付けられ、翼回転軸線を中心として円柱状を成している。第一リンク片は、外側回転軸に固定され、翼回転軸線に対する径方向に延びている。回転リングは、軸流回転機械のケーシングよりもロータ軸線に対する径方向外側に配置され、ロータ軸線を中心として環状を成している。この回転リングは、ロータ軸線を中心として回転可能である。第二リンク片は、第一リンク片及び回転リングのそれぞれにピン結合している。この翼角度変更機構では、回転リングをロータ軸線回りに回転させて、翼回転軸線を中心として第一リンク片及び外側回転軸を一体回転させる。この結果、可変静翼が翼回転軸線を中心として回転する。
【0006】
この特許文献1の技術では、可変静翼を最大回転角度にしたときの可変静翼の実際の回転角度を測定するための最大回転角度測定用の測定装置と、可変静翼を最小回転角度にしたときの可変静翼の実際の回転角度を測定するための最小回転角度測定用の測定装置とが必要である。いずれの測定装置も、架台(ガイド部)と接触片(対向部)とを有する。架台は、基板と複数の脚と、を有する。複数の脚は、基板から垂直な方向に延びている。接触片(対向部)は、ロータ軸線に対して垂直な回転リングの端面に接触可能な当接面を有する。この接触片は、架台の基板に固定されている。但し、最大回転角度測定用の測定装置と最小回転角度測定用の測定装置とでは、架台の基板に対する接触片の当接面の角度が異なっている。
【0007】
最大回転角度にした可変静翼の実際の回転角度を測定する際には、最大回転角度測定用の測定装置を用いる。この際、可変静翼を最大回転角度に設定した後、翼回転軸線を中心として、架台が外側回転軸及び第一リンク片と一体的に回転可能に、架台の複数の脚を第一リンク片に接触させる。さらに、接触片の当接面を回転リングの端面に接触させる。接触片の当接面の全体が回転リングの端面に接触していれば、可変静翼の現在の回転角度が目的の最大回転角度になっているとする。一方、接触片の当接面の一部のみが回転リングの端面に接触していれば、接触片の当接面の他の一部と回転リングの端面との間の隙間に、シックネスゲージ等を挿入して、この隙間の幅を計測する。そして、この隙間の幅から、可変静翼の現在の回転角度と目的の最大回転角度と差を求める。
【0008】
また、最小回転角度にした可変静翼の実際の回転角度を測定する際には、最小回転角度測定用の測定装置を用いる。この際、可変静翼を最小回転角度に設定した後、前述と同様、架台の複数の脚を第一リンク片に接触させと共に、接触片の当接面を回転リングの端面に接触させる。接触片の当接面の全体が回転リングの端面に接触していれば、可変静翼の現在の回転角度が目的の最小回転角度になっているとする。一方、接触片の当接面の一部のみが回転リングの端面に接触していれば、接触片の当接面の他の一部と回転リングの端面との間の隙間に、シックネスゲージ等を挿入して、この隙間の幅を計測する。そして、この隙間の幅から、可変静翼の現在の回転角度と目的の最小回転角度と差を求める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2015-175248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の技術では、可変静翼を最大回転角度にしたときの可変静翼の実際の回転角度を測定するために用いる測定装置と、可変静翼を最小回転角度にしたときの可変静翼の実際の回転角度を測定するために用いる測定装置とが必要である。このため、特許文献1に記載の技術では、一つの測定装置の汎用性が低く、装置コストが嵩む。
【0011】
そこで、本開示は、汎用性を高めることができる翼角度測定装置、及びこれを用いた翼角度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての翼角度測定装置は、以下の軸流流体機械の可変静翼の測定に適用される。
この軸流流体機械は、ロータ軸線を中心として回転可能なロータと、前記ロータの外周を覆うケーシングと、前記ケーシング内に配置され且つ前記ケーシングに取り付けられている複数の静翼と、前記複数の静翼のうちの一部である可変静翼を前記ロータ軸線に対する径方向に延びる翼回転軸線回りに回転可能な角度変更機構と、前記可変静翼の前記ロータ軸線に対する径方向内側に配置され、前記ロータ軸線を中心として環状の内側筒部材と、を備える。前記角度変更機構を構成する複数の部材と前記内側筒部材と前記可変静翼とのうち、第一部材は、前記可変静翼の回転に伴って前記翼回転軸線回りに回転する可変面と、前記ロータ軸線に対して垂直な角度基準面と、のうちの一方の面である腕接触面を有する。 前記角度変更機構を構成する複数の部材と前記内側筒部材と前記可変静翼とのうち、第二部材は、前記可変面と前記角度基準面とのうちの他方の面である第一脚接触面と、前記第一脚接触面に対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線に対する径方向外側を向く第二脚接触面と、を有する。
軸流流体機械における、前記可変静翼の回転角度を測定可能な翼角度測定装置は、前記第一部材の前記腕接触面に接触可能な測定腕と、前記測定腕を測定中心軸線回りに回転可能に支持して、前記測定腕の回転角度を測定可能な分度器本体と、を有する分度器と、前記分度器を支持して、前記第二部材に接触可能な架台と、を備える。前記架台は、前記分度器本体が取り付けられている基板と、前記基板に取り付けられ、前記測定中心軸線が延びている測定中心軸線方向成分を含む方向に延びている複数の脚と、を有する。前記複数の脚のうちの第一脚は、前記第二部材の前記第一脚接触面と接触可能な装置基準面と、前記第一脚接触面に前記装置基準面が接触している際に前記第二脚接触面に接触可能な腕高さ確保面とを有する。前記複数の脚のうちの第二脚は、前記装置基準面が前記第一脚接触面に接触し且つ前記腕高さ確保面が前記第二脚接触面に接触している際、前記第一脚の前記腕高さ確保面から離れた位置で前記第二脚接触面に接触可能な第二接触端を有し、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整可能に、前記基板から前記第二接触端までの長さを変更可能な脚である。
【0013】
本態様では、分度器本体が測定腕の回転角度を測定できるので、最大回転角度になるようにした可変静翼の回転角度を測定する際と最小回転角度になるようにした可変静翼の回転角度を測定する際とで、翼角度測定装置中の分度器を変更する必要がない。また、本態様では、翼角度測定装置の架台を構成する部品中で、一部の部品のみを交換するだけで、最大回転角度になるようにした可変静翼の回転角度及び最小回転角度になるようにした可変静翼の回転角度を測定することができる。
【0014】
よって、本態様では、翼角度測定装置の汎用性を高めることができる。
【0015】
また、本態様では、装置の一部と測定対象の一部との間にシックネスゲージ等を挿入する手間を省くことができるので、可変静翼の回転角度を測定する際の手間を軽減することができる。
【0016】
上記目的を達成するための発明に係る一態様としての翼角度測定方法は、
前記一態様における翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法である。前記内側筒部材は、前記ロータ軸線を中心として筒状を成し、外周面と、前記外周面における前記ロータ軸線が延びるロータ軸線方向の端につながり前記ロータ軸線に対する垂直な端面と、を有し、前記外周面が前記可変静翼よりも前記ロータ軸線に対する径方向内側に位置するガスパス面形成筒である。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、を実行する。
前記配置工程では、前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させる。
前記第一部材は、前記可変静翼である。前記第一部材の前記腕接触面が前記可変静翼の正圧面である。前記第二部材は、前記ガスパス面形成筒である。前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記ガスパス面形成筒の前記端面である。前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記ガスパス面形成筒の前記外周面である。
【0017】
上記目的を達成するための発明に係る他の一態様としての翼角度測定方法は、
前記一態様における翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法である。前記内側筒部材は、前記ロータ軸線を中心として筒状を成し、外周面と、前記外周面における前記ロータ軸線が延びるロータ軸線方向の端につながり前記ロータ軸線に対する垂直な端面と、を有し、前記外周面が前記可変静翼よりも前記ロータ軸線に対する径方向内側に位置するシールリングである。前記シールリングは、前記翼回転軸線を中心として前記可変静翼が回転可能に前記可変静翼を支持する。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、を実行する。
前記配置工程では、前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させる。
前記第一部材は、前記可変静翼である。前記第一部材の前記腕接触面が前記可変静翼の正圧面である。前記第二部材は、前記シールリングである。前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記シールリングの前記端面である。前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記シールリングの前記外周面である。
【0018】
上記目的を達成するための発明に係るさらに他の一態様としての翼角度測定方法は、
前記一態様における翼角度測定装置を用いて、前記可変静翼の回転角度を測定する翼角度測定方法である。前記角度変更機構は、前記可変静翼の前記ロータ軸線に対する径方向外側の端に取り付けられ、前記翼回転軸線を中心として円柱状の外側回転軸と、前記外側回転軸に固定され、前記翼回転軸線に対する径方向に延びている第一リンク片と、前記ケーシングよりも前記ロータ軸線に対する径方向外側に配置され、前記ロータ軸線を中心として環状を成し、前記ロータ軸線を中心として回転可能な回転リングと、を有する。前記第一リンク片は、前記翼回転軸線に対する径方向及び前記翼回転軸線が延びる翼回転軸線方向に広がるリンク側面と、前記リンク側面に対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線に対する径方向外側を向くリンク外側面と、を有する。前記回転リングは、前記ロータ軸線に対して垂直なリング端面を有する。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置を配置する配置工程と、前記配置工程後における前記分度器本体が示す角度を読み取る角度読取工程と、を実行する。
前記配置工程では、前記第一脚の前記装置基準面を前記第二部材の前記第一脚接触面に接触させ、前記第一脚の前記腕高さ確保面を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、前記第二脚の前記第二接触端を前記第二部材の前記第二脚接触面に接触させ、且つ、前記測定中心軸線が前記翼回転軸線と平行になるよう、前記基板の傾きを調整するために、前記基板から前記第二接触端までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕を前記第一部材の前記腕接触面に接触させる。
前記第一部材は、前記回転リングである。前記第一部材の前記腕接触面が前記回転リングの前記リング端面である。前記第二部材は、前記第一リンク片である。前記第二部材の前記第一脚接触面は、前記第一リンク片の前記リンク側面である。前記第二部材の前記第二脚接触面は、前記第一リンク片の前記リンク外側面である。
【発明の効果】
【0019】
本開示の一態様によれば、翼角度測定装置の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示に係る一実施形態における軸流流体機械を含むガスタービンの模式的断面図である。
図2】本開示に係る一実施形態における軸流流体機械である圧縮機の要部断面図である。
図3図2におけるIII-III線断面図である。
図4】本開示に係る第一実施形態における翼角度測定装置の斜視図である。
図5】本開示に係る第一実施形態における翼角度測定装置の側面図である。
図6図5におけるVI部の拡大図である。
図7】本開示に係る第一実施形態における翼角度測定方法の実行手順を示すフローチャートである。
図8】本開示に係る第一実施形態における最小回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の斜視図である。
図9】本開示に係る第一実施形態における最小回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の平面図である。
図10】本開示に係る第一実施形態における最大回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の斜視図である。
図11】本開示に係る第一実施形態における最大回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の平面図である。
図12】本開示に係る変形例における第二脚の側面図である。
図13】本開示に係る第二実施形態における翼角度測定装置の斜視図である。
図14】本開示に係る第二実施形態における最小回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の斜視図である。
図15】本開示に係る第二実施形態における最小回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の平面図である。
図16】本開示に係る第二実施形態における最大回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の斜視図である。
図17】本開示に係る第二実施形態における最小回転角度を測定しているときの翼角度測定装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示に係る翼角度測定装置及び翼角度測定方法の各種実施形態、及び変形例について、図面を参照して説明する。
【0022】
「軸流流体機械の実施形態」
本開示に係る翼角度測定装置が適用される軸流流体機械の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
本実施形態における軸流流体機械は、ガスタービンの一部である。そこで、この軸流流体機械を含むガスタービンについて説明する。
【0024】
ガスタービンは、図1に示すように、空気Aを圧縮して圧縮空気を生成可能な圧縮機20と、圧縮空気中で燃料Fを燃焼させて燃焼ガスGを生成可能な燃焼器15と、高温高圧の燃焼ガスGにより駆動するタービン10と、空気Aを圧縮機20に導くことが可能な吸気ケーシング2と、タービン10から排気された燃焼ガスGである排気ガスが流れる排気ケーシング4と、中間ケーシング3と、を備える。
【0025】
圧縮機20は、ロータ軸線Arを中心として回転可能な圧縮機ロータ21と、圧縮機ロータ21を覆う圧縮機ケーシング22と、複数の圧縮機静翼列23と、を有する。タービン10は、ロータ軸線Arを中心として回転可能なタービンロータ11と、タービンロータ11を覆うタービンケーシング12と、複数のタービン静翼列13と、を有する。なお、以下では、ロータ軸線Arが延びる方向をロータ軸線方向Da、ロータ軸線方向Daにおける一方側を軸線上流側Dau、ロータ軸線方向Daにおける他方側を軸線下流側Dadとする。また、ロータ軸線Arを中心とした周方向を単に周方向Dcとする。また、ロータ軸線Arに対して垂直な方向を径方向Drとし、径方向Drでロータ軸線Arに近づく側を径方向内側Dri、その反対側を径方向外側Droとする。
【0026】
圧縮機20は、タービン10に対して軸線上流側Dauに配置されている。圧縮機ロータ21は、ロータ軸線Arを中心としてロータ軸線方向Daに延びる圧縮機ロータ軸21sと、この圧縮機ロータ軸21sに取り付けられている複数の圧縮機動翼列21bと、を有する。複数の圧縮機動翼列21bは、ロータ軸線方向Daに並んでいる。各圧縮機動翼列21bは、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼で構成されている。複数の圧縮機静翼列23は、ロータ軸線方向Daに並んでいる。各圧縮機静翼列23は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼で構成されている。各圧縮機動翼列21bは、複数の圧縮機静翼列23のうちで、ロータ軸線方向Daで互いに隣り合っているいずれか二つの圧縮機静翼列23の間に配置されている。圧縮機ケーシング22の内周側と圧縮機ロータ軸21sの外周側との空間は、ロータ軸線Arを中心として環状の空気圧縮通路を形成する。
【0027】
複数の圧縮機静翼列23のうち、最も軸線上流側Dauの圧縮機静翼列23である第一静翼列23aを構成する複数の静翼、この第一静翼列23aの軸線下流側Dadに隣接している圧縮機静翼列23である第二静翼列23bを構成する複数の静翼、この第二静翼列23bの軸線下流側Dadに隣接している圧縮機静翼列23である第三静翼列23cを構成する複数の静翼、この第三静翼列23cの軸線下流側Dadに隣接している圧縮機静翼列23である第四静翼列23dを構成する複数の静翼は、いずれも、可変静翼である。なお、第一静翼列23aを構成する複数の静翼は、専ら、圧縮機ケーシング22内に流入する空気の流量を調節するための可変静翼であることから、IGV(inlet guide vane)と呼ばれる。
【0028】
タービンロータ11は、軸線Arを中心としてロータ軸線方向Da に延びるタービンロータ軸11sと、このタービンロータ軸11sに取り付けられている複数のタービン動翼列11bと、を有する。複数のタービン動翼列11bは、ロータ軸線方向Da に並んでいる。各タービン動翼列11bは、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の動翼で構成されている。複数のタービン動翼列11bの各軸線上流側Dauには、複数のタービン静翼列13のうちのいずれか一つのタービン静翼列13が配置されている。各タービン静翼列13は、タービンケーシング12の内側に取り付けられている。各タービン静翼列13は、いずれも、周方向Dcに並んでいる複数の静翼で構成されている。
【0029】
中間ケーシング3は、ロータ軸線方向Da で、圧縮機ケーシング22とタービンケーシング12との間に配置されている。中間ケーシング3の軸線上流側Dauの端は、圧縮機ケーシング22の軸線下流側Dadの端に接続されている。中間ケーシング3の軸線下流側Dadの端は、タービンケーシング12の軸線上流側Dauの端に接続されている。燃焼器15は、この中間ケーシング3に取り付けられている。
【0030】
吸気ケーシング2は、圧縮機ケーシング22の軸線上流側Dauの端に接続されている。吸気ケーシング2は、吸気内側ケーシング2iと、吸気外側ケーシング2oと、を有する。吸気内側ケーシング2iは、ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、圧縮機ロータ軸21s中で、第一静翼列23aより軸線上流側Dauの部分を覆う。この、吸気内側ケーシング2iは、軸線上流側Dauに向かうに連れて次第に径方向外側Droに向かうよう形成されている。吸気外側ケーシング2oは、ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、吸気内側ケーシング2iに対して径方向外側Droに間隔をあけて配置されている。吸気外側ケーシング2oの軸線下流側Dadの端は、圧縮機ケーシング22の軸線上流側Dauの端に接続されている。この吸気外側ケーシング2oも、軸線上流側Dauに向かうに連れて次第に径方向外側Droに向かうよう形成されている。径方向Drで、吸気内側ケーシング2iと吸気外側ケーシング2oとの間の空間が、空気を圧縮機ケーシング22内の圧縮空気通路に導く環状の空気通路を形成する。
【0031】
排気ケーシング4は、ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、タービンケーシング12の軸線下流側Dadの端に接続されている。排気ケーシング4の内周側の空間は、タービン10から排気された燃焼ガスGである排気ガスが流れる排気通路を形成する。
【0032】
圧縮機ロータ21とタービンロータ11とは、同一ロータ軸線Ar上に位置し、互いに接続されてガスタービンロータ1を成す。このガスタービンロータ1には、例えば、発電機GENのロータが接続されている。
【0033】
以上のように、圧縮機20及びタービン10は、いずれも、軸流流体機械である。但し、本実施形態で対象とする軸流流体機械は、複数の可変静翼を有する圧縮機20である。
【0034】
圧縮機20は、さらに、ガスパス面形成筒25と、複数のシールリング26と、複数の角度変更機構30と、とを有する。
【0035】
図2に示すように、ガスパス面形成筒25は、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置され、ロータ軸線Arを中心として環状の部材である。このガスパス面形成筒25は、外周面25oと、外周面25oにおける軸線下流側Dadの端につながりロータ軸線Arに対する垂直な端面25sと、を有する。このガスパス面形成筒25の軸線上流側Dauの端と、吸気内側ケーシング2iの軸線下流側Dadの端とは、ロータ軸線方向Daで互いに向かい合っている。このガスパス面形成筒25の外周面25oは、環状の圧縮空気通路における径方向内側Driの縁の一部を画定する。
【0036】
複数のシールリング26のそれぞれは、第一静翼列23aを除く複数の圧縮機静翼列23毎の径方向内側Driに配置され、ロータ軸線Arを中心として環状の部材である。各シールリング26は、ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、外周面26oと、外周面26oにおける軸線下流側Dadの端につながりロータ軸線Arに対する垂直な端面26sと、を有する。各シールリング26は、いずれも、静翼と圧縮機ロータ軸21sとの間をシールする役目を担っている。
【0037】
第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driには、複数の可変静翼24毎の翼回転軸線Avを中心として円柱状を成す内側回転軸31iが取り付けられている。複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置されているシールリング26は、複数の可変静翼24毎の翼回転軸線Avを中心として、複数の可変静翼24毎の内側回転軸31iを回転可能に支持する。なお、複数の可変静翼24毎の翼回転軸線Avは、いずれも、ロータ軸線Arに対して径方向Drに延びる軸線である。
【0038】
第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置されているガスパス面形成筒25、第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置されているシールリング26、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置されているシールリング26、及び、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24の径方向内側Driに配置されているシールリング26は、いずれも、環状の内側筒部材を形成する。
【0039】
複数の角度変更機構30は、第一角度変更機構30aと、第二角度変更機構30bと、第三角度変更機構30cと、第四角度変更機構30dと、を有する。
【0040】
第一角度変更機構30aは、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のそれぞれを、ロータ軸線Arに対する径方向Drに延びる翼回転軸線Av回りに回転させる機構である。第二角度変更機構30bは、第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24のそれぞれを、ロータ軸線Arに対する径方向Drに延びる翼回転軸線Av回りに回転させる機構である。第三角度変更機構30cは、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24のそれぞれを、ロータ軸線Arに対する径方向Drに延びる翼回転軸線Av回りに回転させる機構である。第四角度変更機構30dと、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24のそれぞれを、ロータ軸線Arに対する径方向Drに延びる翼回転軸線Av回りに回転させる機構である。
【0041】
各角度変更機構30は、いずれも、図2及び図3に示すように、外側回転軸31oと、第一リンク片32と、第二リンク片33と、回転リング34と、リング支持部35と、リング回転機構36と、を有する。外側回転軸31o、第一リンク片32、及び第二リンク片33は、いずれも、第一静翼列23a、第二静翼列23b、第三静翼列23c、及び第四静翼列23dのそれぞれを構成する複数の可変静翼24毎に設けられている。
【0042】
外側回転軸31oは、可変静翼24の径方向外側Droに取り付けられ、この可変静翼24の翼回転軸線Avを中心として円柱状を成している。第一リンク片32は、外側回転軸31oに固定され、翼回転軸線Avに対する径方向に延びている。この第一リンク片32は、翼回転軸線Avに対する径方向及び翼回転軸線Avが延びる翼回転軸線方向Dvに広がるリンク側面32sと、リンク側面32sに対して交差する方向に広がり且つロータ軸線Arに対する径方向外側Droを向くリンク外側面32oと、を有する。回転リング34は、ロータ軸線Arを中心として環状を成し、圧縮機ケーシング22の外周側に配置されている。回転リング34は、ロータ軸線Arに垂直なリング端面34sを有する。第二リンク片33は、第一リンク片32とピン結合していると共に、回転リング34とピン結合している。リング支持部35は、圧縮機ケーシング22の外周面に固定されている。このリング支持部35は、ロータ軸線Arを中心として、回転リング34を回転可能に支持する。リング回転機構36は、ロータ軸線Arを中心として、回転リング34を回転させる機構である。
【0043】
「翼角度測定装置の第一実施形態」
本開示に係る翼角度測定装置の第一実施形態について、図4図12を参照して説明する。
【0044】
図4図5図8及び図10に示すように、本実施形態における翼角度測定装置50は、先に説明した第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定するための装置である。
【0045】
ここで、以下では、翼回転軸線Av回りに回転可能な可変静翼24を、第一部材と表現する場合がある。また、外周面25o及び端面25sを有する内側筒部材であるガスパス面形成筒25を、第二部材と表現する場合がある。可変静翼24の正圧面24p(図8及び図10参照)を第一部材の可変面又は腕接触面と表現する場合がある。ガスパス面形成筒25の端面25sを第二部材の角度基準面又は第一脚接触面と表現し、ガスパス面形成筒25の外周面25oを第二部材の第二脚接触面と表現する場合がある。
【0046】
本実施形態における翼角度測定装置50は、分度器51と、この分度器51を支持する架台55と、を備える。
【0047】
分度器51は、第一部材の可変面又は腕接触面である可変静翼24の正圧面24pに接触可能な測定腕52と、測定腕52を測定中心軸線Am回りに回転可能に支持して、測定腕52の回転角度を測定可能な分度器本体53と、を有する。
【0048】
架台55は、分度器本体53がネジ54等で取り付けられている基板56と、基板56に取り付けられている複数の脚60と、挟み込み部材77と、を有する。
【0049】
複数の脚60は、いずれも、基板56から測定中心軸線方向Dmに延びている。なお、測定中心軸線方向Dmとは、基板56に取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが延びている方向である。複数の脚60は、第一脚61と、二つの第二脚72と、を有する。
【0050】
第一脚61は、第一脚本体62と、二つの高さ調整端67と、を有する。第一脚本体62は、基板56から測定中心軸線方向Dmに延びている二つの第一脚部63と、二つの第一脚部63の端を連結する梁66と、を有する。二つの第一脚部63は、測定中心軸線Amに対する径方向で互いに離れている。二つの第一脚部63のそれぞれには、第二部材の角度基準面又は第一脚接触面であるガスパス面形成筒25の端面25sに接触可能な装置基準面64と、最小角度測定用孔65sと、最大角度測定用孔65lと、が形成されている。二つの第一脚部63のそれぞれに形成されている装置基準面64は、いずれも、測定中心軸線Amと平行な一の仮想平面上に位置している。各第一脚部63に形成されている最小角度測定用孔65s及び最大角度測定用孔65lは、いずれも装置基準面64に対して垂直な方向に第一脚部63を貫通している。二つの第一脚部63のうち、一方の第一脚部63に形成されている最小角度測定用孔65sの測定中心軸線方向Dmの位置は、他方の第一脚部63に形成されている最小角度測定用孔65sの測定中心軸線方向Dmの位置と異なる。また、一方の第一脚部63に形成されている最大角度測定用孔65lの測定中心軸線方向Dmの位置は、他方の第一脚部63に形成されている最大角度測定用孔65lの測定中心軸線方向Dmの位置と異なる。
【0051】
二つの高さ調整端67は、いずれも、円柱状の接触円柱67cと、接触円柱67cの端面から延びるネジ67sと、このネジ67sに捩じ込み可能な留めナット67nと、を有する。二つの高さ調整端67のネジ67sは、二つの第一脚部63のそれぞれに形成されている最大角度測定用孔65l及び最小角度測定用孔65sに挿通可能である。高さ調整端67のネジ67sを第一脚部63の最大角度測定用孔65l又は最小角度測定用孔65sに挿通させてから、このネジ67sに留めナット67nを捩じ込むことで、高さ調整端67が第一脚部63に取り付けられる。高さ調整端67の接触円柱67cにおける外周面は、第一脚接触面であるガスパス面形成筒25の端面25sに装置基準面64が接触している際、第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに接触可能な腕高さ確保面68を成す。
【0052】
二つの第二脚72は、いずれも、図6に示すように、円柱状の第二脚本体73と、第二脚本体73の先端側の端に支持されている第二接触端としての球74と、第二脚本体73の基端側に端から延びているネジ75と、このネジ75に捩じ込み可能な留めナット76と、を有する。第二脚本体73は、球74の中心を中心として、この球74を回転可能に支持する。第二脚72は、第二脚72のネジ75を基板56に形成されている第二脚用孔56hに挿通させてから、このネジ75に留めナット76を捩じ込むことで、基板56に取り付けられる。装置基準面64が第一脚接触面であるガスパス面形成筒25の端面25sに接触し且つ腕高さ確保面68が第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに接触している際、基板56に取り付けられた第二脚72の第二接触端である球74は、第一脚61の腕高さ確保面68から装置基準面64に対して垂直な方向に離れた位置で、第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに接触可能である。
【0053】
二つの第二脚72は、いずれも、最大角度測定用交換脚72lと、最小角度測定用交換脚72sと、を有する。最大角度測定用交換脚72lの長さは、最小角度測定用交換脚72sの長さと異なる。このため、第二脚72として最大角度測定用交換脚72lを用いたときの基板56から第二接触端74までの長さは、第二脚72として最小角度測定用交換脚72sを用いたときの基板56から第二接触端74までの長さと異なる。
【0054】
挟み込み部材77は、図4及び図5に示すように、第一脚本体62の梁66から装置基準面64に対して垂直な方向に延びているブラケット78と、蝶ネジ79と、を有する。ブラケット78には、測定中心軸線方向Dmに貫通した雌ネジ孔78hが形成されている。蝶ネジ79は、この雌ネジ孔78hに捩じ込むことできる。雌ネジ孔78hに捩じ込まれた蝶ネジ79は、第一脚61の腕高さ確保面68及び第二脚72の第二接触端74との間で、第二部材であるガスパス面形成筒25を挟むことができる。
【0055】
次に、図7に示すフローチャートに従って、第一静翼列23aを構成する可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定する手順について説明する。
【0056】
まず、図8及び図9に示すように、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のそれぞれが最小回転角度になるよう、第一角度変更機構30aを動作させる。なお、可変静翼24の回転角度とは、角度基準面であるガスパス形成面の端面25s,26sに垂直なロータ軸線Arを基準にした可変静翼24の角度である。
【0057】
次に、複数の可変静翼24のうちの一の可変静翼24における径方向内側Driの部分に沿った位置に、以上で説明した翼角度測定装置50を配置する(配置工程S1)。
【0058】
この配置工程S1では、まず、第一脚本体62の二つの最小角度測定用孔65sのそれぞれに、高さ調整端67を取り付ける。さらに、基板56に、第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sを取り付ける。
【0059】
次に、第二部材の第一脚接触面であるガスパス面形成筒25の端面25sに、第一脚61の装置基準面64を接触させると共に、第二部材の第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに、第一脚61の高さ調整端67の腕高さ確保面68を接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに、第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sの第二接触端74を接触させる。この結果、基板56に取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avと平行になる。言い換えると、基板56が、可変静翼24の翼回転軸線Avに対して垂直になる。
【0060】
なお、ガスパス面形成筒25の端面25sに第一脚61の装置基準面64を接触させ、ガスパス面形成筒25の外周面25oに第一脚61の腕高さ確保面68及び最小角度測定用交換脚72sの第二接触端74を接触させる過程で、架台55をガスパス面形成筒25に対して相対移動させる場合がある。本実施形態では、第一脚61の腕高さ確保面68が高さ調整端67の接触円柱67cにおける外周面であり、第二脚72の第二接触端74が回転可能な球74であるため、これらが接触するガスパス面形成筒25の外周面25oには、架台55をガスパス面形成筒25に対して相対移動させても、ほとんど傷がつかない。
【0061】
次に、挟み込み部材77の蝶ネジ79をブラケット78の雌ネジ孔78hに捩じ込み、この蝶ネジ79と第一脚61の腕高さ確保面68及び第二脚72の第二接触端74との間で第二部材であるガスパス面形成筒25を挟む。この結果、ガスパス面形成筒25に対して架台55が、一時的に相対移動不能に拘束される。なお、本実施形態では、挟み込み部材77のネジとして、蝶ネジ79を用いているので、工具が無くても、ネジの捩込作業を行うことができる。
【0062】
次に、第一部材の可変面又は腕接触面である可変静翼24の正圧面24pに、分度器51の測定腕52を接触させる。以上で、配置工程S1が完了する。
【0063】
配置工程S1が完了すると、分度器本体53が示す角度を読み取る(角度読取工程S2)。
【0064】
以上で、最小回転角度になるようにした可変静翼24の実際の回転角度の測定が終了する。
【0065】
仮に、基板56に、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lが取り付けられていたとする。基板56に最大角度測定用交換脚72lが取り付けられている状態のままで、可変静翼24に沿った位置に翼角度測定装置50を配置した場合、基板56に取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avに対して傾くことになる。このため、この状態で分度器本体53が示す角度は、可変静翼24の実際の回転角度とは異なる。そこで、この場合、配置工程S1では、測定中心軸線Amが翼回転軸線Avと平行になるよう基板56の傾きを調整するために、基板56から最大角度測定用交換脚72lを外して、基板56に最小角度測定用交換脚72sを取り付ける。
【0066】
第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のうち一の可変静翼24の回転角度の測定が終了すると、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のうち他の一の可変静翼24の回転角度を測定する。この場合、以上で説明したように、第一脚本体62の二つの最小角度測定用孔65sのそれぞれに高さ調整端67を取り付けられ、基板56に第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sが取り付けられている翼角度測定装置50を用いて、この他の一の可変静翼24の回転角度を測定する。
【0067】
次に、図10及び図11に示すように、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のそれぞれが最大回転角度になるよう、第一角度変更機構30aを動作させる。
【0068】
次に、前述した場合と同様、複数の可変静翼24のうちの一の可変静翼24における径方向内側Driの部分に沿った位置に、以上で説明した翼角度測定装置50を配置する(配置工程S1)。
【0069】
但し、この配置工程S1では、まず、第一脚本体62の二つの最大角度測定用孔65lのそれぞれに、高さ調整端67を取り付ける。さらに、基板56に、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lを取り付ける。
【0070】
次に、前述したように、第二部材の第一脚接触面であるガスパス面形成筒25の端面25sに、第一脚61の装置基準面64を接触させると共に、第二部材の第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに、第一脚61の高さ調整端67の腕高さ確保面68を接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面であるガスパス面形成筒25の外周面25oに、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lの第二接触端74を接触させる。この結果、基板56に取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avと平行になる。
【0071】
次に、前述したように、挟み込み部材77の蝶ネジ79をブラケット78の雌ネジ孔に捩じ込み、この蝶ネジ79と第一脚61の腕高さ確保面68及び第二脚72の第二接触端74との間で第二部材であるガスパス面形成筒25を挟む。
【0072】
次に、第一部材の可変面又は腕接触面である可変静翼24の正圧面24pに、分度器51の測定腕52を接触させる。以上で、配置工程S1が完了する。
【0073】
配置工程S1が完了すると、分度器本体53が示す角度を読み取る(角度読取工程S2)。
【0074】
以上で、最大回転角度になるようにした可変静翼24の実際の回転角度の測定が終了する。
【0075】
本実施形態では、可変静翼24の回転角度を測定する際、分度器51の測定腕52を可変静翼24の正圧面24p中の下流側の部分に接触させる。ところで、最小回転角度になるようにした可変静翼24の正圧面24p中の下流側の部分における周方向Dcの位置は、この可変静翼24の翼回転軸線Avにおける周方向Dcの位置とほぼ同じである(図9参照)。一方、最大回転角度になるようにした可変静翼24の正圧面24p中の下流側部分にける周方向Dcの位置は、この可変静翼24の翼回転軸線Avにおける周方向Dcの位置と大幅に異なる(図11参照)。このため、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する場合と、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する場合とで、周方向Dcにおける翼回転軸線Avと架台55との相対位置関係を変える必要がある。よって、可変静翼24の正圧面24pに、分度器51の測定腕52が接触し、且つ、基板56に取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avと平行にするためには、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する場合と、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する場合とで、複数の脚60の長さを変更する必要がある。
【0076】
そこで、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際には、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と異なり、第一脚本体62の二つの最大角度測定用孔65lのそれぞれに高さ調整端67を取り付け、基板56に第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lを取り付ける。
【0077】
以上、本実施形態では、分度器本体53が測定腕52の回転角度を測定できるので、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで、翼角度測定装置50中の分度器51を変更する必要がない。
【0078】
また、本実施形態では、翼角度測定装置50の架台55を構成する部品中で、一部の部品のみを交換若しくは取付位置を変更するだけで、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度及び最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定することができる。
【0079】
よって、本実施形態では、翼角度測定装置50の汎用性を高めることができる。
【0080】
また、本実施形態では、装置の一部と測定対象の一部との間にシックネスゲージ等を挿入する手間を省くことができるので、可変静翼24の回転角度を測定する際の手間を軽減することができる。
【0081】
さらに、本実施形態における翼角度測定装置50の架台55は、挟み込み部材77を有し、ガスパス面形成筒25に対して架台55を一時的に相対移動不能に拘束することが可能である。このため、例えば、複数の可変静翼24のうち、ロータ軸線Arよりも下側に存在する可変静翼24の回転角度を測定する場合でも、作業者が手で架台55をガスパス面形成筒25に押さえ付けておかなくても、挟み込み部材77でガスパス面形成筒25に対して架台55を一時的に相対移動不能に拘束しておくことで、分度器本体53が示す回転角度を読み取ることができる。
【0082】
「翼角度測定装置の第一実施形態の変形例」
第一実施形態における翼角度測定装置50は、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定する装置である。しかしながら、第一実施形態における翼角度測定装置50と基本的に同一構成の翼角度測定装置を用いて、第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度、及び、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定することができる。但し、これらの場合、翼角度測定装置の複数の脚の長さを、本実施形態における翼角度測定装置50の複数の脚60の長さと変える必要がある。
【0083】
このため、以下のように、本実施形態における翼角度測定装置50を変更することで、この翼角度測定装置50の汎用性をさらに高めることができる。
(1)第一脚本体62に、第一静翼列23a用の最小角度測定用孔65s及び第一静翼列23a用の最大角度測定用孔65lの他に、第二静翼列23b用の最小角度測定用孔及び第二静翼列23b用の最大角度測定用孔と、第三静翼列23c用の最小角度測定用孔及び第三静翼列23c用の最大角度測定用孔と、第四静翼列23d用の最小角度測定用孔及び第四静翼列23d用の最大角度測定用孔とのうち、いずれかをさらに形成する。
(2)第二脚72として、第一静翼列23a用の最小角度測定用交換脚72s及び第一静翼列23a用の最大角度測定用交換脚72lの他に、第二静翼列23b用の最小角度測定用交換脚及び第二静翼列23b用の最大角度測定用交換脚と、第三静翼列23c用の最小角度測定用交換脚及び第三静翼列23c用の最大角度測定用交換脚と、第四静翼列23d用の最小角度測定用交換脚及び第四静翼列23d用の最大角度測定用交換脚とのうち、いずれかをさらに準備する。
【0084】
第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度、及び、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定する場合、外周面26o及び端面26sを有する内側筒部材であるシールリング26が、第二部材になる。また、シールリング26の端面26sが、第二部材の角度基準面又は第一脚接触面なり、シールリング26の外周面26oが、第二部材の第二脚接触面になる。よって、この場合、配置工程S1では、第二部材の第一脚接触面であるシールリング26の端面26sに、第一脚61の装置基準面64を接触させると共に、第二部材の第二脚接触面であるシールリング26の外周面26oに、第一脚61の腕高さ確保面68及び第二脚72の第二接触端74を接触させることになる。
【0085】
また、第二脚72として、最小角度測定用交換脚72s及び最大角度測定用交換脚72lの代わりに、長さ調整脚を用いてもよい。図12に示すように、この長さ調整脚72cは、円柱状の第二脚本体73と、第二脚本体73の先端側の端に支持されている第二接触端としての球74と、第二脚本体73の基端側に端から延びている雄ネジ75cと、を有する。長さ調整脚72cの雄ネジ75cの長さは、図6に示す最小角度測定用交換脚72s及び最大角度測定用交換脚72lのネジ75の長さよりも遥かに長い。基板56には、長さ調整脚72cの雄ネジ75cが挿通可能な第二脚用孔56hが形成されている。さらに、この基板56には、長さ調整脚72cの雄ネジ75cを捩じ込むことが可能な調整ナット57が固定されている。この調整ナット57の雌ネジ孔は、基板56の第二脚用孔56hに連通している。
【0086】
長さ調整脚72cの雄ネジ75cを基板56の第二脚用孔56hに挿通させると共に、長さ調整脚72cの雄ネジ75cを基板56に固定されている調整ナット57に捩じ込むことで、この長さ調整脚72cを基板56に取り付けることができる。この際、基板56に固定されている調整ナット57に対する長さ調整脚72cの雄ネジ75cの捩込量を変えることで、この長さ調整脚72cにおける基板56から測定中心軸線方向Dmへ突出量を調整することができる。このため、第二脚72として、長さ調整脚72cを用いることで、互いに長さの異なる二つの交換脚72s,72lを準備しなくてもよい。また、第二脚72として、この長さ調整脚72cのみを準備することで、第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24における回転角度、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24における回転角度、及び、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24における回転角度を測定することも可能である。
【0087】
「翼角度測定装置の第二実施形態」
本開示に係る翼角度測定装置の第二実施形態について、図13図18を参照して説明する。
【0088】
図13及び図14に示すように、本実施形態における翼角度測定装置50xは、先に説明した第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度を測定するための装置である。
【0089】
ここで、以下では、第一角度変更機構30aの回転リング34を、第一部材と表現する場合がある。また、第一角度変更機構30aの第一リンク片32を、第二部材と表現する場合がある。また、回転リング34のリング端面34sを第一部材の角度基準面又は腕接触面と表現する場合がある。第一リンク片32のリンク側面32sを、第二部材の可変面又は第一脚接触面と表現し、第一リンク片32のリンク外側面32oを、第二部材の第二脚接触面と表現する場合がある。
【0090】
本実施形態における翼角度測定装置50xも、第一実施形態における翼角度測定装置50と同様、分度器51と、この分度器51を支持する架台55xと、を備える。
【0091】
分度器51は、第一実施形態における翼角度測定装置50の分度器51と同様、第一部材の角度基準面又は腕接触面である回転リング34のリング端面34sに接触可能な測定腕52と、測定腕52を測定中心軸線Am回りに回転可能に支持して、測定腕52の回転角度を測定可能な分度器本体53と、を有する。
【0092】
架台55xは、分度器本体53がネジ54等で取り付けられている基板56xと、基板56xに取り付けられている複数の脚60xと、を有する。
【0093】
複数の脚60xは、いずれも、基板56xから測定中心軸線方向Dmに延びている。複数の脚60xは、第一脚61xと、第二脚72と、を有する。
【0094】
第一脚61xは、基板56xに固定され、基板56xから測定中心軸線方向Dmに延びている二つの第一脚部63xを有する。二つの第一脚部63xは、測定中心軸線Amに対する径方向で互いに離間している。二つの第一脚部63xには、第二部材の可変面又は第一脚接触面である第一リンク片32のリンク側面32sに接触可能な二つの装置基準面64と、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32のリンク外側面32oに接触可能な腕高さ確保面68xとが形成されている。二つの第一脚部63xに形成されている各装置基準面64は、いずれも、一の仮想平面上に位置している。
【0095】
ところで、図14に示すように、第一リンク片32のリンク外側面32oは、第一リンク外側面32oaと第二リンク外側面32obとを有する。第一リンク外側面32oaは、翼回転軸線Avと交差する位置に形成され、第二リンク外側面32obは、翼回転軸線Avから翼回転軸線Avに対する径方向に離れた位置に形成されている。第一リンク外側面32oa及び第二リンク外側面32obは、いずれも、リンク側面32sに対して交差する方向に広がり且つロータ軸線Arに対する径方向外側Droを向く。このため、第二リンク外側面32obは、第一リンク外側面32oaに対して平行である。また、第二リンク外側面32obの翼回転軸線方向Dvの位置が、第一リンク外側面32oaの翼回転軸線方向Dvの位置と異なる。よって、第二リンク外側面32obは、第一リンク外側面32oaに対する段差面を成す。
【0096】
二つの第一脚部63xのうち、一方の第一脚部63xに形成されている腕高さ確保面68xは、リンク外側面32o中の第一リンク外側面32oaに接触可能である。また、二つの第一脚部63xのうち、他方の第一脚部63xに形成されている腕高さ確保面68xは、一方の第一脚部63xに形成されている腕高さ確保面68xが第一リンク外側面32oaに接触している際、リンク外側面32o中の第二リンク外側面32obに接触可能である。よって、他方の第一脚部63xに形成されている腕高さ確保面68xにおける測定中心軸線方向Dmの位置は、一方の第一脚部63xに形成されている腕高さ確保面68xにおける測定中心軸線方向Dmの位置と異なる。
【0097】
本実施形態における腕高さ確保面68xは、基板56xに固定されている二つの第一脚部63xに形成されている面であるため、第一実施形態における腕高さ確保面68,68xと異なり、測定中心軸線方向Dmの位置を変更することができない。
【0098】
以上、本実施形態における架台55xの第一脚61xは、第一実施形態における第一脚61xと同様、第二部材の第一脚接触面と接触可能な装置基準面64と、第一脚接触面に装置基準面64が接触している際に第二脚接触面に接触可能な腕高さ確保面68xとを有する。
【0099】
第二脚72は、図6を用いて説明した第一実施形態における第二脚72と同じである。よって、装置基準面64が第一脚接触面である第一リンク片32のリンク側面32sに接触し且つ腕高さ確保面68xが第二脚接触面である第一リンク片32のリンク外側面32oに接触している際、基板56xに取り付けられた第二脚72の第二接触端である球74は、第一脚61xの腕高さ確保面68xから装置基準面64に対して垂直な方向に離れた位置で、第二脚接触面である第一リンク片32のリンク外側面32oに接触可能である。
【0100】
第二脚72は、第一実施形態における第二脚72と同様、最大角度測定用交換脚72l(図16参照)と、最小角度測定用交換脚72s(図14参照)と、を有する。最大角度測定用交換脚72lの長さは、最小角度測定用交換脚72sの長さと異なる。このため、第二脚72として最大角度測定用交換脚72lを用いたときの基板56xから第二接触端74までの長さは、第二脚72として最小角度測定用交換脚72sを用いたときの基板56xから第二接触端74までの長さと異なる。
【0101】
以上、本実施形態における架台55xの第二脚72は、第一実施形態における第二脚72と同様、装置基準面64が第一脚接触面に接触し且つ腕高さ確保面68xが第二脚接触面に接触している際、第一脚61xの腕高さ確保面68xから離れた位置で第二脚接触面に接触可能な第二接触端74を有している。さらに、本実施形態における架台55xの第二脚72は、第一実施形態における第二脚72と同様、測定中心軸線Amが翼回転軸線Avと平行になるよう、基板56xの傾きを調整可能に、基板56xから第二接触端74までの長さを変更可能な脚60xである。
【0102】
次に、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度を測定する手順について説明する。
【0103】
まず、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のそれぞれが最小回転角度になるよう、第一角度変更機構30aを動作させる。
【0104】
そして、図7を用いて説明した第一実施形態における測定手順と同様、配置工程S1及び角度読取工程S2を実行する。
【0105】
配置工程S1では、図14及び図15に示すように、複数の可変静翼24のうちの一の可変静翼24に対する第一リンク片32に沿った位置に、翼角度測定装置50xを配置する。
【0106】
この配置工程S1では、まず、第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sを取り付ける。
【0107】
次に、第二部材の第一脚接触面である第一リンク片32のリンク側面32sに、二つの第一脚部63xのそれぞれの装置基準面64を接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第一リンク外側面32oaに、一方の第一脚部63xの腕高さ確保面68xを接触させると共に、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第二リンク外側面32obに、他方の第一脚部63xの腕高さ確保面68xを接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第二リンク外側面32obに、第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sの第二接触端74を接触させる。この結果、基板56xに取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avと平行になる。言い換えると、基板56xが、可変静翼24の翼回転軸線Avに対して垂直になる。
【0108】
なお、第一リンク片32の第二リンク外側面32obに、第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sの第二接触端74を接触させる過程で、架台55xを第一リンク片32に対して相対移動させる場合がある。本実施形態でも、第二脚72の第二接触端が回転可能な球74であるため、この球74が接触する第二リンク外側面32obには、架台55xを第一リンク片32に対して相対移動させても、ほとんど傷がつかない。
【0109】
次に、第一部材の角度基準面又は腕接触面である回転リング34のリング端面34sに、分度器51の測定腕52を接触させる。以上で、配置工程S1が完了する。
【0110】
配置工程S1が完了すると、角度読取工程S2を実行する。すなわち、分度器本体53が示す角度を読み取る。
【0111】
以上で、最小回転角度になるようにした可変静翼24の実際の回転角度の測定が終了する。
【0112】
仮に、基板56xに、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lが取り付けられていたとする。基板56xに最大角度測定用交換脚72lが取り付けられている状態のままで、第一リンク片32に沿った位置に翼角度測定装置50xを配置した場合、基板56xに取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avに対して傾くことになる。このため、この状態で分度器本体53が示す角度は、可変静翼24の実際の回転角度とは異なる。そこで、この場合、配置工程S1では、測定中心軸線Amが翼回転軸線Avと平行になるよう基板56xの傾きを調整するために、基板56xから最大角度測定用交換脚72lを外して、基板56xに最小角度測定用交換脚72sを取り付ける。
【0113】
第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のうち一の可変静翼24の回転角度の測定が終了すると、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のうち他の一の可変静翼24の回転角度を測定する。この場合、以上で説明したように、基板56xに第二脚72としての最小角度測定用交換脚72sが取り付けられている翼角度測定装置50xを用いて、この他の一の可変静翼24の回転角度を測定する。
【0114】
次に、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24のそれぞれが最大回転角度になるよう、第一角度変更機構30aを動作させる。
【0115】
次に、前述した場合と同様、図15及び図16に示すように、翼角度測定装置50xを配置する(配置工程S1)。
【0116】
但し、この配置工程S1では、まず、基板56xに、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lを取り付ける。
【0117】
次に、第二部材の第一脚接触面である第一リンク片32のリンク側面32sに、二つの第一脚部63xのそれぞれの装置基準面64を接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第一リンク外側面32oaに、一方の第一脚部63xの腕高さ確保面68xを接触させると共に、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第二リンク外側面32obに、他方の第一脚部63xの腕高さ確保面68xを接触させる。さらに、第二部材の第二脚接触面である第一リンク片32の第一リンク外側面32oaに、第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lの第二接触端74を接触させる。この結果、基板56xに取り付けられている分度器本体53の測定中心軸線Amが、可変静翼24の翼回転軸線Avと平行になる。言い換えると、基板56xが、可変静翼24の翼回転軸線Avに対して垂直になる。
【0118】
次に、第一部材の角度基準面又は腕接触面である回転リング34のリング端面34sに、分度器51の測定腕52を接触させる。以上で、配置工程S1が完了する。
【0119】
配置工程S1が完了すると、分度器本体53が示す角度を読み取る(角度読取工程S2)。
【0120】
以上で、最大回転角度になるようにした可変静翼24の実際の回転角度の測定が終了する。
【0121】
本実施形態では、可変静翼24の回転角度を測定する際、分度器51の測定腕52を回転リング34のリング端面34sに接触させる。このため、回転リング34のリング端面34sから、このリンク側面32sに対して垂直な方向における分度器本体53の測定中心軸線Amまでの距離は、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで同じでなければならない。一方、回転リング34のリング端面34sから、このリンク側面32sに対して垂直な方向における第一リンク片32の特定位置までの距離は、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで変わる。このため、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで、第一リンク片32に対する架台55xの相対位置を変える必要性がある。具体的に、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際には、第一リンク片32の第二リンク外側面32obに第二脚72が接触するように、架台55xをセットし、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際には、第一リンク片32の第一リンク外側面32oaに第二脚72が接触するように、架台55xをセットすることになる。前述したように、第二リンク外側面32obは、第一リンク外側面32oaに対する段差面であるため、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで、第二脚72の長さを変更する必要がある。
【0122】
そこで、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際には、最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と異なり、基板56xに第二脚72としての最大角度測定用交換脚72lを取り付ける。
【0123】
以上、本実施形態でも、第一実施形態と同様、分度器本体53が測定腕52の回転角度を測定できるので、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで、翼角度測定装置50x中の分度器51を変更する必要がない。
【0124】
また、本実施形態でも、第一実施形態と同様、翼角度測定装置50xの架台55xを構成する部品中で、一部の部品のみを交換するだけで、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度及び最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定することができる。
【0125】
よって、本実施形態でも、翼角度測定装置50xの汎用性を高めることができる。
【0126】
また、本実施形態でも、第一実施形態と同様、装置の一部と測定対象の一部との間にシックネスゲージ等を挿入する手間を省くことができるので、可変静翼24の回転角度を測定する際の手間を軽減することができる。
【0127】
「翼角度測定装置の第二実施形態の変形例」
第二実施形態における翼角度測定装置50xは、第一静翼列23aを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度を測定する装置である。しかしながら、第二実施形態における翼角度測定装置50xと基本的に同一構成の翼角度測定装置を用いて、第二静翼列23bを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度、第三静翼列23cを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度、及び、第四静翼列23dを構成する複数の可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度を測定することができる。但し、これらの場合、翼角度測定装置の複数の脚60xの長さを、本実施形態における翼角度測定装置50xの複数の脚60xの長さと変える必要がある。
【0128】
このため、以下のように、本実施形態における翼角度測定装置50xを変更することで、この翼角度測定装置50xの汎用性をさらに高めることができる。
(1)本実施形態における第一脚61xを、第一実施形態における第一脚61と同様に、第一脚本体62と、第一脚本体62に対する取付位置を変更可能な高さ調整端67と、を有する脚60に変更する。
(2)第二脚72として、第一静翼列23a用の最小角度測定用交換脚72s及び第一静翼列23a用の最大角度測定用交換脚72lの他に、第二静翼列23b用の最小角度測定用交換脚及び第二静翼列23b用の最大角度測定用交換脚と、第三静翼列23c用の最小角度測定用交換脚及び第三静翼列23c用の最大角度測定用交換脚と、第四静翼列23d用の最小角度測定用交換脚及び第四静翼列23d用の最大角度測定用交換脚とのうち、いずれかをさらに準備する。
【0129】
また、第二脚72として、最小角度測定用交換脚72s及び最大角度測定用交換脚72lの代わりに、図12を用いて説明した長さ調整脚72cを用いてもよい。
【0130】
また、本実施形態における架台55xも、第一実施形態における架台55と同様、挟み込み部材77を有してよい。
【0131】
「その他の変形例」
以上では、ガスタービンの一部を構成する圧縮機20を軸流流体機械とし、この圧縮機20の可変静翼24の回転角度を測定する例について説明した。しかしながら、軸流流体機械は、可変静翼を有する軸流流体機械であれば、ガスタービンの一部を構成する圧縮機20でなくてもよく、例えば、流体ガス液化装置が備えるガス圧縮機であってもよい。
【0132】
また、本開示は、以上で説明した各実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲において、種々の追加、変更、置き換え、部分的削除等が可能である。
【0133】
「付記」
以上の実施形態及び変形例における翼角度測定装置50,50xは、例えば、以下のように把握される。
【0134】
(1)第一態様における翼角度測定装置は、以下の軸流流体機械の可変静翼24の測定に適用される。
この軸流流体機械は、ロータ軸線Arを中心として回転可能なロータ21と、前記ロータ21の外周を覆うケーシング22と、前記ケーシング22内に配置され且つ前記ケーシング22に取り付けられている複数の静翼と、前記複数の静翼のうちの一部である可変静翼24を前記ロータ軸線Arに対する径方向Drに延びる翼回転軸線Av回りに回転可能な角度変更機構30と、前記可変静翼24の前記ロータ軸線Arに対する径方向内側Driに配置され、前記ロータ軸線Arを中心として環状の内側筒部材25,26と、を備える。前記角度変更機構30を構成する複数の部材と前記内側筒部材25,26と前記可変静翼24とのうち、第一部材24,34は、前記可変静翼24の回転に伴って前記翼回転軸線Av回りに回転する可変面24p,32sと、前記ロータ軸線Arに対して垂直な角度基準面25s,26s,34sと、のうちの一方の面である腕接触面24p,34sを有する。前記角度変更機構30を構成する複数の部材と前記内側筒部材25,26と前記可変静翼24とのうち、第二部材,32は、前記可変面24p,32sと前記角度基準面25s,26s,34sとのうちの他方の面である第一脚接触面25s,26s,32sと、前記第一脚接触面25s,26s,32sに対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線Arに対する径方向外側Droを向く第二脚接触面25o,26o,32oと、を有する。
前記軸流流体機械における、前記可変静翼24の回転角度を測定可能な翼角度測定装置50,50xは、前記第一部材24,34の前記腕接触面24p,34sに接触可能な測定腕52と、前記測定腕52を測定中心軸線Am回りに回転可能に支持して、前記測定腕52の回転角度を測定可能な分度器本体53と、を有する分度器51と、前記分度器51を支持して、前記第二部材,32に接触可能な架台55,55xと、を備える。 前記架台55,55xは、前記分度器本体53が取り付けられている基板56,56xと、前記基板56,56xに取り付けられ、前記測定中心軸線Amが延びている測定中心軸線方向Dm成分を含む方向に延びている複数の脚60,60xと、を有する。前記複数の脚60,60xのうちの第一脚61,61xは、前記第二部材,32の前記第一脚接触面25s,26s,32sと接触可能な装置基準面64と、前記第一脚接触面25s,26s,32sに前記装置基準面64が接触している際に前記第二脚接触面25o,26o,32oに接触可能な腕高さ確保面68,68xとを有する。前記複数の脚60,60xのうちの第二脚72は、前記装置基準面64が前記第一脚接触面25s,26s,32sに接触し且つ前記腕高さ確保面68,68xが前記第二脚接触面25o,26o,32oに接触している際、前記第一脚61,61xの前記腕高さ確保面68,68xから離れた位置で前記第二脚接触面25o,26o,32oに接触可能な第二接触端74を有し、前記測定中心軸線Amが前記翼回転軸線Avと平行になるよう、前記基板56,56xの傾きを調整可能に、前記基板56,56xから前記第二接触端74までの長さを変更可能な脚である。
【0135】
本態様では、分度器本体53が測定腕52の回転角度を測定できるので、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際と最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定する際とで、翼角度測定装置50,50x中の分度器51を変更する必要がない。また、本態様では、翼角度測定装置50,50xの架台55,55xを構成する部品中で、一部の部品のみを交換するだけで、最大回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度及び最小回転角度になるようにした可変静翼24の回転角度を測定することができる。
【0136】
よって、本態様では、翼角度測定装置50,50xの汎用性を高めることができる。
【0137】
また、本態様では、装置の一部と測定対象の一部との間にシックネスゲージ等を挿入する手間を省くことができるので、可変静翼24の回転角度を測定する際の手間を軽減することができる。
【0138】
(2)第二態様における翼角度測定装置は、
前記第一態様における翼角度測定装置50,50xにおいて、前記第二脚72は、前記第二接触端74としての球と、前記球74の中心を中心として前記球74を回転可能に支持する第二脚本体73と、を有する。
【0139】
本態様では、第二脚72の第二接触端74が第二部材,32の第二脚接触面25o,26o,32oに接触している状態で、第二部材,32に対して架台55,55xを相対移動させても、第二接触端74が回転可能な球で形成されているため、第二部材,32の第二脚接触面25o,26o,32oが傷付くのを抑制することができる。
【0140】
(3)第三態様における翼角度測定装置は、
前記第一態様又は前記第二態様における翼角度測定装置50,50xにおいて、前記第二脚72は、複数の交換脚72s,72lである。前記複数の交換脚72s,72lは、互いの長さが異なり、それぞれが前記基板56,56xに取付可能である。
【0141】
本態様では、基板56,56xに取り付ける交換脚72s,72lを変更することで、基板56,56xから第二接触端74までの距離を変更することができる。
【0142】
(4)第四態様における翼角度測定装置は、
前記第一態様又は前記第二態様における翼角度測定装置50,50xにおいて、前記第二脚72は、長さ調整脚72cである。前記長さ調整脚72cは、前記基板56,56xから前記測定中心軸線方向Dmを含む方向への突出量が調整可能に前記基板56,56xに取付可能である。
【0143】
本態様では、長さ調整脚72cは、基板56,56xから測定中心軸線方向Dmを含む方向への長さ調整脚72cの突出量を変更することで、基板56,56xから第二接触端74までの距離を変更することができる。
【0144】
(5)第五態様における翼角度測定装置は、
前記第一態様から前記第四態様のうちのいずれか一態様における翼角度測定装置50において、前記第一脚61は、前記装置基準面64を有する第一脚本体62と、前記腕高さ確保面68を有し、前記第一脚本体62に対する前記測定中心軸線方向Dmの位置を変更可能に前記第一脚本体62に取り付けられている高さ調整端67と、有する。
【0145】
本態様では、第一脚本体62に対する高さ調整端67の取付位置を変えることで、基板56から腕高さ確保面68までの距離を変更することができる。
【0146】
(6)第六態様における翼角度測定装置は、
前記第一態様から前記第五態様のうちのいずれか一態様における翼角度測定装置50において、前記架台55は、前記第一脚61に設けられ、前記第一脚61の前記腕高さ確保面68及び前記第二脚72の第二接触端74との間で前記第二部材を挟むことができる挟み込み部材77を有する。
【0147】
本態様では、挟み込み部材77で、第二部材に対して架台55を一時的に相対移動不能に拘束することが可能である。このため、例えば、複数の可変静翼24のうち、ロータ軸線Arよりも下側に存在する可変静翼24の回転角度を測定する場合でも、作業者が手で架台55を第二部材に押さえ付けておかなくても、挟み込み部材77で第二部材に対して架台55を一時的に相対移動不能に拘束しておくことで、分度器本体53が示す回転角度を読み取ることができる。
【0148】
以上の実施形態及び変形例における翼角度測定方法は、例えば、以下のように把握される。
(7)第七態様における翼角度測定方法は、
前記第一態様から前記第六態様のうちのいずれか一態様における翼角度測定装置50を用いて、前記可変静翼24の回転角度を測定する翼角度測定方法である。
前記内側筒部材25は、前記ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、外周面25oと、前記外周面25oにおける前記ロータ軸線Arが延びるロータ軸線方向Da の端につながり前記ロータ軸線Arに対する垂直な端面25sと、を有し、前記外周面25oが前記可変静翼24よりも前記ロータ軸線Arに対する径方向内側Driに位置するガスパス面形成筒25である。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置50を配置する配置工程S1と、前記配置工程S1後における前記分度器本体53が示す角度を読み取る角度読取工程S2と、を実行する。
前記配置工程S1では、前記第一脚61の前記装置基準面64を前記第二部材25の前記第一脚接触面25sに接触させ、前記第一脚61の前記腕高さ確保面68を前記第二部材25の前記第二脚接触面25oに接触させ、前記第二脚72の前記第二接触端74を前記第二部材25の前記第二脚接触面25oに接触させ、且つ、前記測定中心軸線Amが前記翼回転軸線Avと平行になるよう、前記基板56の傾きを調整するために、前記基板56から前記第二接触端74までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕52を前記第一部材24の前記腕接触面24pに接触させる。
前記第一部材24は、前記可変静翼24である。前記第一部材24の前記腕接触面24pが前記可変静翼24の正圧面24pである。前記第二部材25は、前記ガスパス面形成筒25である。前記第二部材25の前記第一脚接触面25sは、前記ガスパス面形成筒25の前記端面25sである。前記第二部材25の前記第二脚接触面25oは、前記ガスパス面形成筒25の前記外周面25oである。
【0149】
本態様では、内側筒部材25がガスパス面形成筒25である場合に、可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定することができる。
【0150】
(8)第八態様における翼角度測定方法は
前記第一態様から前記第六態様のうちのいずれか一態様における翼角度測定装置50を用いて、前記可変静翼24の回転角度を測定する翼角度測定方法である。前記内側筒部材26は、前記ロータ軸線Arを中心として筒状を成し、外周面26oと、前記外周面26oにおける前記ロータ軸線Arが延びるロータ軸線方向Da の端につながり前記ロータ軸線Arに対する垂直な端面26sと、を有し、前記外周面26oが前記可変静翼24よりも前記ロータ軸線Arに対する径方向内側Driに位置するシールリング26である。前記シールリング26は、前記翼回転軸線Avを中心として前記可変静翼24が回転可能に前記可変静翼24を支持する。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置50を配置する配置工程S1と、前記配置工程S1後における前記分度器本体53が示す角度を読み取る角度読取工程S2と、を実行する。
前記配置工程S1では、前記第一脚61の前記装置基準面64を前記第二部材26の前記第一脚接触面26sに接触させ、前記第一脚61の前記腕高さ確保面68を前記第二部材26の前記第二脚接触面26oに接触させ、前記第二脚72の前記第二接触端74を前記第二部材26の前記第二脚接触面26oに接触させ、且つ、前記測定中心軸線Amが前記翼回転軸線Avと平行になるよう、前記基板56の傾きを調整するために、前記基板56から前記第二接触端74までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕52を前記第一部材24の前記腕接触面24pに接触させる。
前記第一部材24は、前記可変静翼24である。前記第一部材24の前記腕接触面24pが前記可変静翼24の正圧面24pである。前記第二部材26は、前記シールリング26である。前記第二部材26の前記第一脚接触面26sは、前記シールリング26の前記端面26sである。前記第二部材26の前記第二脚接触面26oは、前記シールリング26の前記外周面26oである。
【0151】
本態様では、内側筒部材26がシールリング26である場合に、可変静翼24における径方向内側Driの部分の回転角度を測定することができる。
【0152】
(9)第九態様における翼角度測定方法は
前記第一態様から前記第六態様のうちのいずれか一態様における翼角度測定装置50xを用いて、前記可変静翼24の回転角度を測定する翼角度測定方法である。前記角度変更機構30は、前記可変静翼24の前記ロータ軸線Arに対する径方向外側Droの端に取り付けられ、前記翼回転軸線Avを中心として円柱状の外側回転軸31oと、前記外側回転軸31oに固定され、前記翼回転軸線Avに対する径方向に延びている第一リンク片32と、前記ケーシング22よりも前記ロータ軸線Arに対する径方向外側Droに配置され、前記ロータ軸線Arを中心として環状を成し、前記ロータ軸線Arを中心として回転可能な回転リング34と、を有する。前記第一リンク片32は、前記翼回転軸線Avに対する径方向及び前記翼回転軸線Avが延びる翼回転軸線方向Dvに広がるリンク側面32sと、前記リンク側面32sに対して交差する方向に広がり且つ前記ロータ軸線Arに対する径方向外側Droを向くリンク外側面32oと、を有する。前記回転リング34は、前記ロータ軸線Arに対して垂直なリング端面34sを有する。
この翼角度測定方法では、前記翼角度測定装置50xを配置する配置工程S1と、前記配置工程S1後における前記分度器本体53が示す角度を読み取る角度読取工程S2と、を実行する。
前記配置工程S1では、前記第一脚61xの前記装置基準面64を前記第二部材32の前記第一脚接触面32sに接触させ、前記第一脚61xの前記腕高さ確保面68xを前記第二部材32の前記第二脚接触面32oに接触させ、前記第二脚72の前記第二接触端74を前記第二部材32の前記第二脚接触面32oに接触させ、且つ、前記測定中心軸線Amが前記翼回転軸線Avと平行になるよう、前記基板56xの傾きを調整するために、前記基板56xから前記第二接触端74までの長さを必要に応じて変更し、前記測定腕52を前記第一部材34の前記腕接触面34sに接触させる。
前記第一部材34は、前記回転リング34である。前記第一部材34の前記腕接触面34sが前記回転リング34の前記リング端面34sである。前記第二部材32は、前記第一リンク片32である。前記第二部材32の前記第一脚接触面32sは、前記第一リンク片32の前記リンク側面32sである。前記第二部材32の前記第二脚接触面32oは、前記第一リンク片32の前記リンク外側面32oである。
【0153】
本態様では、角度変更機構30が、外側回転軸31o、第一リンク片32、及び回転リング34を有する場合に、可変静翼24における径方向外側Droの位置での回転角度を測定することができる。
【符号の説明】
【0154】
1:ガスタービンロータ
2:吸気ケーシング
2i:吸気内側ケーシング
2o:吸気外側ケーシング
3:中間ケーシング
4:排気ケーシング
10:タービン
11:タービンロータ
11s:タービンロータ軸
11b:タービン動翼列
12:タービンケーシング
13:タービン静翼列
15:燃焼器
20:圧縮機(軸流流体機械)
21:圧縮機ロータ
21s:圧縮機ロータ軸
21b:圧縮機動翼列
22:圧縮機ケーシング
23:圧縮機静翼列
23a:第一静翼列
23b:第二静翼列
23c:第三静翼列
23d:第四静翼列
24:可変静翼(第一部材)
24p:正圧面(可変面、腕接触面)
25:ガスパス面形成筒(内側筒部材、第二部材)
25o:外周面(第二脚接触面)
25s:端面(角度基準面、第一脚接触面)
26:シールリング(内側筒部材、第二部材)
26o:外周面(第二脚接触面)
26s:端面(角度基準面、第一脚接触面)
30:角度変更機構
30a:第一角度変更機構
30b:第二角度変更機構
30c:第三角度変更機構
30d:第四角度変更機構
31i:内側回転軸
31o:外側回転軸
32:第一リンク片(第二部材)
32s:リンク側面(可変面、第一脚接触面)
32o:リンク外側面(第二脚接触面)
32oa:第一リンク外側面(第二脚接触面)
32ob:第二リンク外側面(第二脚接触面)
33:第二リンク片
34:回転リング(第一部材)
34s:リング端面(角度基準面、腕接触面)
35:リング支持部
36:リング回転機構
50,50x:翼角度測定装置
51:分度器
52:測定腕
53:分度器本体
54:ネジ
55,55x:架台
56,56x:基板
56h:第二脚用孔
57:調整ナット
60,60x:脚
61,61x:第一脚
62:第一脚本体
63,63x:第一脚部
64:装置基準面
65s:最小角度測定用孔
65l:最大角度測定用孔
66:梁
67:高さ調整端
67c:接触円柱
68,68x:腕高さ確保面
67s:ネジ
67n:留めナット
72:第二脚
72s:最小角度測定用交換脚
72l:最大角度測定用交換脚
72c:長さ調整脚
73:第二脚本体
74:球(第二接触端)
75:ネジ
75c:雄ネジ
76:留めナット
77:挟み込み部材
78:ブラケット
78h:雌ネジ孔
79:蝶ネジ
Ar:ロータ軸線
Av:翼回転軸線
Am:測定中心軸線
Da:軸線方向
Dau:軸線上流側
Dad:軸線下流側
Dr:径方向
Dri:径方向内側
Dro:径方向外側
Dc:周方向
Dv:翼回転軸線方向
Dm:測定中心軸線方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17