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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024164579
(43)【公開日】2024-11-27
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 19/00 20060101AFI20241120BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
B60C19/00 J
B60C19/00 G
B60C13/00 A
B60C19/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023080171
(22)【出願日】2023-05-15
(71)【出願人】
【識別番号】000183233
【氏名又は名称】住友ゴム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(72)【発明者】
【氏名】松波 翔
(72)【発明者】
【氏名】湯川 直樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 拓也
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BC55
3D131BC57
3D131GA01
3D131LA20
3D131LA22
3D131LA24
3D131LA40
(57)【要約】
【課題】空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定可能な情報処理システム、及び情報処理方法を提供すること。
【解決手段】情報処理システムは、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する第1取得処理部51Aと、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する第2取得処理部52Aと、第2取得処理部52Aによって取得される前記周長情報を出力する出力処理部53Aと、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する第1取得処理部と、
前記第1取得処理部によって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する第2取得処理部と、
前記第2取得処理部によって取得される前記周長情報を出力する出力処理部と、
を含む情報処理システム。
【請求項2】
前記第1取得処理部は、前記空気入りタイヤに付加された無線タグから前記形状識別情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1取得処理部は、前記空気入りタイヤに付加された二次元コードから前記形状識別情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
被写体を撮像する撮像部を含み、
前記第1取得処理部は、前記撮像部によって撮像される前記空気入りタイヤの撮像画像に基づいて、前記形状識別情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1取得処理部は、前記空気入りタイヤが装着された車両から取得される当該車両の車両識別情報に基づいて、前記形状識別情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記第1取得処理部は、前記車両識別情報に基づいて前記車両に関する車両情報を取得し、
前記車両情報は、前記形状識別情報を含み、
前記情報処理システムは、
前記第1取得処理部によって取得される前記車両情報に基づいて、前記車両の走行によって発生する車内騒音のレベルを判定する判定処理部を含み、
前記出力処理部は、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが予め定められた基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報を出力する、
請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記出力処理部は、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である旨及び前記周長情報とともに前記判定処理部による判定結果を出力する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記周長情報は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な吸音部材の長さを示す情報であって、
前記出力処理部は、前記周長情報を含む前記吸音部材に関する吸音部材情報及び前記形状識別情報を出力する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記出力処理部は、前記周長情報が共通の複数の前記吸音部材情報を出力する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
情報処理システムに含まれるプロセッサにより実行される情報処理方法であって、
空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する第2取得ステップと、
前記第2取得ステップによって取得される前記周長情報を出力する出力ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気入りタイヤのタイヤ内腔面に環状のスポンジを装着させることにより、車両の走行中に前記空気入りタイヤから発生する空洞共鳴音などのロードノイズを低減可能であることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-254924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、タイヤ販売店などにおいて、顧客の前記車両に装着された前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に前記スポンジを後付けで装着するサービスを提供することが考えられる。
【0005】
ここで、前記タイヤ販売店の店員が顧客の前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に前記スポンジを後付けで装着するためには、当該タイヤ内腔面の周長を正確に把握する必要がある。しかしながら、前記空気入りタイヤのトレッド部の厚みは、前記空気入りタイヤの種類によって異なっており、前記空気入りタイヤのサイドウォールに刻印されたサイズ情報だけでは、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を正確に把握することができない。そのため、前記タイヤ販売店の店員において、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を正確に把握するために、前記空気入りタイヤの種類を特定し、特定された前記空気入りタイヤの種類に対応するトレッド部の厚みを調べる作業負担が発生する。
【0006】
本開示の目的は、空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定可能な情報処理システム、及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一の局面に係る情報処理システムは、第1取得処理部と、第2取得処理部と、出力処理部とを含む。前記第1取得処理部は、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する。前記第2取得処理部は、前記第1取得処理部によって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する。前記出力処理部は、前記第2取得処理部によって取得される前記周長情報を出力する。
【0008】
この情報処理システムによれば、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報に基づいて当該空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報が取得されて、取得された前記周長情報が出力される。そのため、情報処理システムのユーザーは、当該情報処理システムに前記形状識別情報を取得させることにより、空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定することが可能である。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図2図2は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムの端末装置の構成を示す図である。
図3図3は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムのサーバーの構成を示す図である。
図4図4は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムで用いられる第1テーブルデータの一例を示す図である。
図5図5は、本開示の第1実施形態に係る情報処理システムで実行される第1情報出力処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムの構成を示す図である。
図7図7は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムの端末装置の構成を示す図である。
図8図8は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムのサーバーの構成を示す図である。
図9図9は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで用いられる第2テーブルデータの一例を示す図である。
図10図10は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで用いられる第3テーブルデータの一例を示す図である。
図11図11は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで用いられる第4テーブルデータの一例を示す図である。
図12図12は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで実行される第2情報出力処理の一例を示すフローチャートである。
図13図13は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで表示される出力画面の一例を示す図である。
図14図14は、本開示の第2実施形態に係る情報処理システムで表示される出力画面の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
[第1実施形態]
まず、図1を参照しつつ、本開示の第1実施形態に係る情報処理システム100Aの構成について説明する。
【0013】
情報処理システム100Aは、タイヤ販売店などにおける吸音部材装着サービスの提供を支援することが可能である。前記吸音部材装着サービスは、顧客の車両の空気入りタイヤ内に環状の吸音部材を後付けで装着するサービスである。
【0014】
ここで、前記吸音部材は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着されることにより、前記車両の走行中に前記空気入りタイヤから発生する空洞共鳴音などのロードノイズを低減可能な部材である。例えば、前記吸音部材は、環状のスポンジである。例えば、前記吸音部材は、一方向に長尺な四角柱状のスポンジ素材の両端を接着剤、又は両面テープなどで接合することにより形成される。
【0015】
例えば、前記車両は、乗用車、バス、及びトラックなどの自動車である。なお、前記車両は、自動車に限られず、自動二輪車、及び三輪乗用車などであってもよい。
【0016】
図1に示されるように、情報処理システム100Aは、端末装置1A、及びサーバー2Aを含む。情報処理システム100Aにおいて、端末装置1A、及びサーバー2Aは、通信ネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。例えば、通信ネットワーク3は、インターネット、又はLAN(ローカルエリアネットワーク)である。
【0017】
端末装置1Aは、前記吸音部材装着サービスの提供が行われる前記タイヤ販売店、ガソリンスタンド、及び自動車ディーラーなどのサービス提供店に設けられる情報処理装置である。例えば、端末装置1Aは、パーソナルコンピューターである。なお、端末装置1Aは、スマートフォン、タブレット端末、又はノートパソコンなどであってもよい。
【0018】
サーバー2Aは、端末装置1Aを介して取得される情報に基づいて、前記吸音部材装着サービスの提供を支援するための情報を出力する情報処理装置である。
【0019】
[端末装置1Aの構成]
次に、図2を参照しつつ、端末装置1Aの構成について説明する。
【0020】
図2に示されるように、端末装置1Aは、制御部11、操作表示部12、通信部13、記憶部14、及び第1情報取得部15を備える。
【0021】
制御部11は、端末装置1Aを統括的に制御する。図2に示されるように、制御部11は、CPU21、ROM22、及びRAM23を備える。CPU21は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM22は、CPU21に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM23は、CPU21が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU21は、ROM22に予め格納された各種の制御プログラムを実行する。これにより、CPU21は、端末装置1Aを統括的に制御する。
【0022】
操作表示部12は、端末装置1Aのユーザーインターフェースである。操作表示部12は、第1表示部、及び第1操作部を備える。前記第1表示部は、制御部11からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記第1表示部は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。前記第1操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部11に各種の情報を入力する。例えば、前記第1操作部は、キーボード、マウス、及びタッチパネルを含む。
【0023】
通信部13は、外部装置との間でデータ通信を実行可能な通信インターフェースである。具体的に、通信部13は、サーバー2Aとの間で、通信ネットワーク3を介してデータ通信を実行する。
【0024】
記憶部14は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部14は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、及びHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0025】
第1情報取得部15は、前記空気入りタイヤからの情報の取得に用いられる。
【0026】
例えば、第1情報取得部15は、前記空気入りタイヤに付加された所謂パッシブ型のRFIDタグから当該RFIDタグに記録された情報を読み取り可能なハンディータイプのRFIDリーダーである。例えば、第1情報取得部15は、前記パッシブ型のRFIDタグに記録された前記空気入りタイヤの商品名を示す商品名情報、及び前記空気入りタイヤのサイズを示すサイズ情報の読み取りに用いられる。ここで、前記サイズ情報は、少なくとも前記空気入りタイヤの幅、扁平率、及びリム径を含む情報である。
【0027】
なお、第1情報取得部15は、前記空気入りタイヤに付加されたバーコードから当該バーコードに含まれる情報を読み取り可能なハンディータイプのバーコードリーダーであってもよい。この場合、第1情報取得部15は、前記バーコードに含まれる前記商品名情報、及び前記サイズ情報の読み取りに用いられればよい。
【0028】
また、第1情報取得部15は、被写体を撮像可能なカメラであってもよい。例えば、端末装置1Aがスマートフォンなどの携帯端末である場合において、第1情報取得部15は、当該携帯端末に搭載された前記カメラであってもよい。この場合、第1情報取得部15は、前記商品名情報、及び前記サイズ情報が刻印された前記空気入りタイヤのサイドウォールの撮像に用いられればよい。
【0029】
また、第1情報取得部15は、RFIDリーダー、バーコードリーダー、及びカメラのうちの2つ以上を含んでいてもよい。
【0030】
[サーバー2Aの構成]
次に、図3を参照しつつ、サーバー2Aの構成について説明する。
【0031】
図3に示されるように、サーバー2Aは、制御部31、操作表示部32、通信部33、及び記憶部34を備える。
【0032】
制御部31は、サーバー2Aを統括的に制御する。図3に示されるように、制御部31は、CPU41、ROM42、及びRAM43を備える。CPU41は、各種の演算処理を実行するプロセッサである。ROM42は、CPU41に各種の処理を実行させるための制御プログラムなどの情報が予め格納される不揮発性の記憶装置である。RAM43は、CPU41が実行する各種の処理の一時記憶メモリ(作業領域)として使用される揮発性、又は不揮発性の記憶装置である。CPU41は、ROM42に予め格納された各種の制御プログラムを実行する。これにより、CPU41は、サーバー2Aを統括的に制御する。
【0033】
操作表示部32は、サーバー2Aのユーザーインターフェースである。操作表示部32は、第2表示部、及び第2操作部を備える。前記第2表示部は、制御部31からの制御指示に応じて各種の情報を表示する。例えば、前記第2表示部は、液晶ディスプレイなどのフラットパネルディスプレイである。前記第2操作部は、ユーザーの操作に応じて制御部31に各種の情報を入力する。例えば、前記第2操作部は、キーボード、マウス、及びタッチパネルを含む。
【0034】
通信部33は、外部装置との間でデータ通信を実行可能な通信インターフェースである。具体的に、通信部33は、端末装置1Aとの間で、通信ネットワーク3を介してデータ通信を実行する。
【0035】
記憶部34は、不揮発性の記憶装置である。例えば、記憶部34は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリ、SSD(ソリッドステートドライブ)、及びHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置である。
【0036】
ところで、前記サービス提供店の店員が顧客の前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に前記吸音部材を後付けで装着するためには、当該タイヤ内腔面の周長を正確に把握する必要がある。しかしながら、前記空気入りタイヤのトレッド部の厚みは、前記空気入りタイヤの種類によって異なっており、前記空気入りタイヤのサイドウォールに刻印された前記サイズ情報だけでは、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を正確に把握することができない。具体的に、前記サイズ情報に含まれる前記空気入りタイヤの幅、扁平率、及びリム径に基づいて当該空気入りタイヤの外径を算出することはできても、当該空気入りタイヤのトレッド部の厚みが不明であるため、当該空気入りタイヤの内径を算出することができない。そのため、当該空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を算出することができない。従って、前記サービス提供店の店員において、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を正確に把握するために、前記空気入りタイヤの種類を特定し、特定された前記空気入りタイヤの種類に対応するトレッド部の厚みを調べる作業負担が発生する。
【0037】
これに対し、本開示の第1実施形態に係る情報処理システム100Aでは、以下に説明するように、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定可能である。
【0038】
具体的に、サーバー2Aの記憶部34には、制御部31を図3に示される第1取得処理部51A、第2取得処理部52A、及び出力処理部53Aとして機能させるための第1情報出力プログラムが予め格納されている。制御部31のCPU41は、前記第1情報出力プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0039】
なお、制御部31に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記第1情報出力プログラムは、複数のプロセッサを図3に示された各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0040】
第1取得処理部51Aは、前記空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する。
【0041】
ここで、前記形状識別情報は、前記商品名情報、及び前記サイズ情報である。
【0042】
例えば、第1取得処理部51Aは、前記空気入りタイヤに付加された前記パッシブ型のRFIDタグ(本開示の無線タグの一例)から前記形状識別情報を取得する。具体的に、第1取得処理部51Aは、端末装置1Aの第1情報取得部15によって前記パッシブ型のRFIDタグから前記商品名情報、及び前記サイズ情報が読み取られた場合に、読み取られた前記商品名情報、及び前記サイズ情報を取得する。なお、本開示の無線タグは、所謂アクティブ型のRFIDタグなどでもよい。
【0043】
なお、第1取得処理部51Aは、端末装置1Aの第1情報取得部15が前記バーコードリーダーを含む場合に、前記空気入りタイヤに付加された前記バーコード(本開示の二次元コードの一例)から前記形状識別情報を取得してもよい。具体的に、第1取得処理部51Aは、端末装置1Aの第1情報取得部15によって前記バーコードから前記商品名情報、及び前記サイズ情報が読み取られた場合に、読み取られた前記商品名情報、及び前記サイズ情報を取得すればよい。また、本開示の二次元コードは、QRコード(登録商標)などでもよい。
【0044】
また、第1取得処理部51Aは、端末装置1Aの第1情報取得部15が前記カメラを含む場合に、前記カメラ(本開示の撮像部の一例)によって撮像される前記空気入りタイヤの撮像画像に基づいて、前記形状識別情報を取得してもよい。具体的に、第1取得処理部51Aは、端末装置1Aの第1情報取得部15によって前記空気入りタイヤのサイドウォールが撮像された場合に、当該サイドウォールの撮像画像から前記商品名情報、及び前記サイズ情報を取得すればよい。
【0045】
第2取得処理部52Aは、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する。
【0046】
例えば、前記周長情報は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材の長さを示す長さ情報である。前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材の長さは、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対して予め定められた係数を乗算することによって算出される。例えば、前記係数は、0.9~1.1の範囲内で定められる値である。
【0047】
例えば、第2取得処理部52Aは、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記吸音部材に関する吸音部材情報(図4参照)を取得する。例えば、前記吸音部材情報には、前記長さ情報、前記吸音部材の幅を示す幅情報、前記吸音部材の厚みを示す厚み情報、及び前記吸音部材の素材を示す素材情報が含まれる。
【0048】
例えば、サーバー2Aの記憶部34には、図3、及び図4に示される第1テーブルデータ61が予め格納されている。第1テーブルデータ61は、前記形状識別情報に含まれる前記商品名情報と前記サイズ情報との組み合わせに対応する前記吸音部材情報を示すデータである。第1テーブルデータ61は、前記商品名情報と前記サイズ情報との組み合わせごとに、当該組み合わせに対応する前記吸音部材の長さを算出し、当該組み合わせに対応する前記吸音部材の幅、厚み、及び素材を決定することにより作成される。なお、前記空気入りタイヤの商品名を特定すれば、当該空気入りタイヤのトレッド部の厚みを特定することができる。そのため、特定されたトレッド部の厚みと前記サイズ情報とに基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長、及び当該タイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材の長さを算出可能である。また、前記商品名情報と前記サイズ情報との組み合わせに対応する前記吸音部材の幅、厚み、及び素材は、前記サイズ情報などに基づいて適宜決定することが可能である。
【0049】
第2取得処理部52Aは、記憶部34に格納された第1テーブルデータ61を用いて、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に対応する前記吸音部材情報を取得する。
【0050】
なお、第2取得処理部52Aは、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記長さ情報のみを取得してもよい。この場合、第2取得処理部52Aは、第1取得処理部51Aによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長、及び当該タイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材の長さを算出してもよい。
【0051】
また、前記周長情報は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を示す情報であってもよい。
【0052】
また、前記形状識別情報は、前記空気入りタイヤの種類を示すタイヤ種類情報、及び前記サイズ情報であってもよい。例えば、前記タイヤ種類情報は、前記空気入りタイヤがサマータイヤ、スタッドレスタイヤ、及びオールシーズンタイヤのいずれに該当するかを示す情報である。この場合、前記タイヤ種類情報は、前記パッシブ型のRFIDタグに予め記録されていればよい。また、第1テーブルデータ61は、前記形状識別情報に含まれる前記タイヤ種類情報と前記サイズ情報との組み合わせに対応する前記吸音部材情報を示すデータであればよい。また、第2取得処理部52Aは、前記タイヤ種類情報に基づいて特定される前記空気入りタイヤのトレッド部の厚みと、前記サイズ情報とに基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を算出してもよい。また、前記タイヤ種類情報は、前記空気入りタイヤがオールテレーンタイヤ、シーリングタイヤ、ランフラットタイヤ、エコタイヤ、コンフォートタイヤ、及びスポーツタイヤのいずれに該当するかを示す情報であってもよい。
【0053】
また、前記形状識別情報は、前記空気入りタイヤの型番を示す型番情報であってもよい。この場合、前記型番情報は、前記パッシブ型のRFIDタグに予め記録されていればよい。また、第1テーブルデータ61は、前記型番情報に対応する前記吸音部材情報を示すデータであればよい。また、第2取得処理部52Aは、前記型番情報に基づいて特定される前記空気入りタイヤのトレッド部の厚み、及び前記空気入りタイヤのサイズ(幅、扁平率、リム径)に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を算出してもよい。
【0054】
出力処理部53Aは、第2取得処理部52Aによって取得される前記周長情報を出力する。
【0055】
例えば、出力処理部53Aは、第2取得処理部52Aによって取得される前記吸音部材情報を端末装置1Aの操作表示部12に表示させる。
【0056】
[第1情報出力処理]
以下、図5を参照しながら、サーバー2Aの制御部31により実行される第1情報出力処理の手順の一例とともに、本開示の情報処理方法について説明する。ここで、ステップS11、S12・・・は、制御部31により実行される処理手順(ステップ)の番号を表している。なお、前記第1情報出力処理は、端末装置1Aの操作表示部12において予め定められた操作が受け付けられた場合に実行される。
【0057】
<ステップS11>
まず、ステップS11において、制御部31は、ユーザー(前記サービス提供店の店員)に対して、第1情報取得部15を用いて前記空気入りタイヤに付加された前記パッシブ型のRFIDタグを読み取ることを促す旨のメッセージを操作表示部12に表示させる。
【0058】
<ステップS12>
ステップS12において、制御部31は、第1情報取得部15によって前記パッシブ型のRFIDタグから情報が読み取られたか否かを判定する。
【0059】
ここで、制御部31は、前記パッシブ型のRFIDタグから情報が読み取られたと判定すると(S12のYes側)、処理をステップS13に移行させる。また、前記パッシブ型のRFIDタグから情報が読み取られていなければ(S12のNo側)、制御部31は、ステップS12で前記パッシブ型のRFIDタグからの情報の読み取りを待ち受ける。
【0060】
<ステップS13>
ステップS13において、制御部31は、第1情報取得部15によって前記パッシブ型のRFIDタグから読み取られた情報に含まれる前記形状識別情報(前記商品名情報、及び前記サイズ情報)を取得する。ここで、ステップS13の処理は、本開示の第1取得ステップの一例であって、制御部31の第1取得処理部51Aにより実行される。
【0061】
<ステップS14>
ステップS14において、制御部31は、ステップS13の処理によって取得された前記形状識別情報に基づいて、前記周長情報を取得する。ここで、ステップS14の処理は、本開示の第2取得ステップの一例であって、制御部31の第2取得処理部52Aにより実行される。
【0062】
具体的に、制御部31は、記憶部34に格納された第1テーブルデータ61(図4参照)を用いて、ステップS13の処理によって取得された前記形状識別情報に対応する前記吸音部材情報を取得する。
【0063】
<ステップS15>
ステップS15において、制御部31は、ステップS14の処理によって取得された前記周長情報を出力する。ここで、ステップS15の処理は、本開示の出力ステップの一例であって、制御部31の出力処理部53Aにより実行される。
【0064】
具体的に、制御部31は、ステップS14の処理によって取得された前記吸音部材情報を端末装置1Aの操作表示部12に表示させる。これにより、ユーザー(前記サービス提供店の店員)は、顧客の前記空気入りタイヤに装着可能な前記吸音部材のサイズ、及び素材を認識することが可能である。
【0065】
このように、情報処理システム100Aでは、前記空気入りタイヤの形状の識別に用いられる前記形状識別情報に基づいて当該空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する前記周長情報が取得されて、取得された前記周長情報が出力される。そのため、情報処理システム100Aのユーザー(前記サービス提供店の店員)は、当該情報処理システム100Aに前記形状識別情報を取得させることにより、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定することが可能である。
【0066】
なお、第1取得処理部51A、第2取得処理部52A、及び出力処理部53Aの一部、又は全部は、端末装置1Aの制御部11に含まれていてもよい。第1取得処理部51A、第2取得処理部52A、及び出力処理部53Aの全部を含む端末装置1Aは、本開示の情報処理システムの他の一例である。
【0067】
[第2実施形態]
以下、図6図11を参照しつつ、本開示の第2実施形態に係る情報処理システム100Bの構成について説明する。
【0068】
図6に示されるように、情報処理システム100Bは、端末装置1B、及びサーバー2Bを含む。情報処理システム100Bにおいて、端末装置1B、及びサーバー2Bは、通信ネットワーク3を介して相互に通信可能に接続されている。
【0069】
端末装置1Bは、第1情報取得部15に替えて図7に示される第2情報取得部16を備える点を除けば、端末装置1Aと共通の構成を備える。以下、端末装置1Bの構成のうち、端末装置1Aとは異なる構成についてのみ説明する。
【0070】
第2情報取得部16は、前記サービス提供店の敷地内に存在する前記車両からの前記車両の車両識別情報の取得に用いられる。
【0071】
例えば、前記車両識別情報は、前記車両のナンバープレートに表示される車両登録番号である。なお、前記車両識別情報は、前記車両を識別可能な情報であればよい。
【0072】
例えば、第2情報取得部16は、前記サービス提供店の敷地内の進入する前記車両のナンバープレートを撮像可能な位置に配置された監視カメラである。
【0073】
なお、端末装置1Bがスマートフォンなどの前記携帯端末である場合において、第2情報取得部16は、当該携帯端末に搭載された前記カメラであってもよい。
【0074】
サーバー2Bは、制御部31、及び記憶部34の構成が、サーバー2Aとは異なる。なお、その他の構成は、サーバー2Aとサーバー2Bとで共通である。以下、サーバー2Bの構成のうち、サーバー2Aとは異なる構成についてのみ説明する。
【0075】
サーバー2Bの記憶部34には、制御部31を図8に示される第1取得処理部51B、第2取得処理部52B、出力処理部53B、及び判定処理部54として機能させるための第2情報出力プログラムが予め格納されている。制御部31のCPU41は、前記第2情報出力プログラムを実行することにより、上述の各処理部として機能する。
【0076】
なお、制御部31に含まれる一部、又は全部の処理部は、電子回路で構成されていてもよい。また、前記第2情報出力プログラムは、複数のプロセッサを図8に示された各処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0077】
第1取得処理部51Bは、前記空気入りタイヤが装着された前記車両から取得される当該車両の前記車両識別情報に基づいて、前記車両に関する車両情報を取得する。前記車両情報は、前記形状識別情報を含む情報である。
【0078】
例えば、サーバー2Bの記憶部34には、図8に示される車両データベース62が予め格納されている。車両データベース62は、予め情報処理システム100Bに登録された前記車両各々の車両データを含む。前記車両データは、前記車両識別情報、及び前記車両情報を含む。前記車両情報は、車両種類情報、及び前記車両に装着された前記空気入りタイヤに関するタイヤ情報を含む。前記車両種類情報は、前記車両の種類を示す情報である。具体的に、前記車両種類情報は、前記車両がガソリン車、ハイブリッド車、及び電気自動車のいずれであるかを示す情報である。前記タイヤ情報は、前記形状識別情報(前記商品名情報、及び前記サイズ情報)、及び前記タイヤ種類情報を含む。なお、前記車両の種類には、ディーゼル車、及びプラグインハイブリッド車などが含まれてもよい。また、ハイブリッド車は、シリーズ方式、パラレル方式、及びスプリット方式などの方式の違いによって区分されてもよい。
【0079】
例えば、第1取得処理部51Bは、端末装置1Bの第2情報取得部16によって前記サービス提供店の敷地内の進入する前記車両のナンバープレートが撮像された場合に、当該ナンバープレートの撮像画像に含まれる前記車両識別情報を取得する。そして、第1取得処理部51Bは、記憶部34に格納された車両データベース62を用いて、取得された前記車両識別情報に対応する前記車両情報を取得する。
【0080】
なお、端末装置1Bの第2情報取得部16は、予め定められた通信範囲内に存在する前記車両に搭載された車載システムと通信可能な通信装置であってもよい。この場合、第2情報取得部16は、前記車載システムから当該車載システムに予め登録された前記車両識別情報を取得してもよい。また、第1取得処理部51Bは、第2情報取得部16によって前記車両識別情報が取得された場合に、当該車両識別情報に対応する前記車両情報を取得すればよい。
【0081】
判定処理部54は、第1取得処理部51Bによって取得される前記車両情報に基づいて、前記車両の走行によって発生する車内騒音のレベルを判定する。
【0082】
例えば、サーバー2Bの記憶部34には、図8、及び図9に示される第2テーブルデータ63が予め格納されている。第2テーブルデータ63は、前記車両種類情報と前記車内騒音の大きさに関する第1騒音評価値とが対応付けられたデータである。例えば、第2テーブルデータ63は、前記車両の種類だけが異なる複数の前記車両を用いて実施される、それぞれの前記車両を同一の走行条件(場所、速度、天気、気温、湿度、風速など)で走行させた場合に当該車両の車内で発生する騒音を計測する実験の結果に基づいて作成される。例えば、ガソリン車に対応する前記第1騒音評価値はゼロである。また、ガソリン車以外の前記車両の種類に対応する前記第1騒音評価値は、上述の実験により取得された当該車両の種類に対応する計測値から、上述の実験により取得されたガソリン車に対応する計測値(基準値)を差し引いた値である。
【0083】
また、サーバー2Bの記憶部34には、図8、及び図10に示される第3テーブルデータ64が予め格納されている。第3テーブルデータ64は、前記商品名情報と前記車内騒音の大きさに関する第2騒音評価値とが対応付けられたデータである。例えば、第3テーブルデータ64は、装着している前記空気入りタイヤの商品名だけが異なる複数の前記車両を用いて実施される、それぞれの前記車両を同一の走行条件(場所、速度、天気、気温、湿度、風速など)で走行させた場合に当該車両の車内で発生する騒音を計測する実験の結果に基づいて作成される。例えば、商品名「AAAAXY111」(図10参照)に対応する前記第2騒音評価値はゼロである。また、商品名「AAAAXY111」以外の商品名に対応する前記第2騒音評価値は、上述の実験により取得された当該商品名に対応する計測値から、上述の実験により取得された商品名「AAAAXY111」に対応する計測値(基準値)を差し引いた値である。
【0084】
また、サーバー2Bの記憶部34には、図8、及び図11に示される第4テーブルデータ65が予め格納されている。第4テーブルデータ65は、前記サイズ情報に含まれる扁平率と前記車内騒音の大きさに関する第3騒音評価値とが対応付けられたデータである。例えば、第4テーブルデータ65は、装着している前記空気入りタイヤの扁平率だけが異なる複数の前記車両を用いて実施される、それぞれの前記車両を同一の走行条件(場所、速度、天気、気温、湿度、風速など)で走行させた場合に当該車両の車内で発生する騒音を計測する実験の結果に基づいて作成される。例えば、扁平率55パーセントに対応する前記第3騒音評価値はゼロである。また、扁平率55パーセント以外の扁平率に対応する前記第3騒音評価値は、上述の実験により取得された当該扁平率に対応する計測値から、上述の実験により取得された扁平率55パーセントに対応する計測値(基準値)を差し引いた値である。
【0085】
例えば、判定処理部54は、第2テーブルデータ63を用いて、前記車両情報に含まれる前記車両種類情報に対応する前記第1騒音評価値を取得する。また、判定処理部54は、第3テーブルデータ64を用いて、前記車両情報に含まれる前記商品名情報に対応する前記第2騒音評価値を取得する。また、判定処理部54は、第4テーブルデータ65を用いて、前記車両情報に含まれる前記空気入りタイヤの扁平率に対応する前記第3騒音評価値を取得する。そして、判定処理部54は、以下の式(1)を用いて、前記車両情報に基づく騒音推測値Xを算出し、算出された騒音推測値Xを前記車内騒音のレベルを示す値として取得する。なお、式(1)に含まれる「X」は、騒音推測値Xを示す。また、式(1)に含まれる「A」は、前記第1騒音評価値を示す。また、式(1)に含まれる「B」は、前記第2騒音評価値を示す。また、式(1)に含まれる「C」は、前記第3騒音評価値を示す。また、式(1)に含まれる「D」は、予め定められた基準タイヤを装着した基準車両を予め定められた基準走行条件で走行させた場合に当該基準車両の車内で発生する騒音の計測結果を示す。前記基準タイヤは、商品名が「AAAAXY111」であって、扁平率が55パーセントである前記空気入りタイヤである。前記基準車両は、ガソリン車である前記車両である。前記基準走行条件は、第2テーブルデータ63、第3テーブルデータ64、及び第4テーブルデータ65の作成時に行われた実験における前記車両の走行条件と同じであることが望ましい。式(1)に含まれる「k1」、「k2」、及び「k3」はそれぞれ適宜設定される係数を示す。
【0086】
X=(k1×A)+(k2×B)+(k3×C)+D ・・・ (1)
【0087】
なお、判定処理部54は、前記第1騒音評価値、前記第2騒音評価値、及び前記第3騒音評価値のうち、いずれか一つ又は2つを用いて騒音推測値Xを算出してもよい。また、判定処理部54は、前記車両情報に含まれる前記商品名情報に対応する前記第2騒音評価値に替えて、前記車両情報に含まれる前記タイヤ種類情報に対応する、前記車内騒音の大きさに関する第4騒音評価値を取得してもよい。
【0088】
また、前記車両情報は、車両寸法情報、車両重量情報、ボディタイプ情報、及び駆動方式情報などを含んでいてもよい。前記車両寸法情報は、前記車両の寸法(全長、全幅、全高など)を示す情報である。前記車両重量情報は、前記車両の重量を示す情報である。前記ボディタイプ情報は、セダン、クーペ、オープンカー、ステーションワゴン、ワンボックス、ミニバン、SUV、ハッチバック、及び軽自動車などの前記車両のボディタイプを示す情報である。前記駆動方式情報は、4輪駆動、2輪駆動(FF)、2輪駆動(FR)、2輪駆動(MR)、及び2輪駆動(RR)などの前記車両の駆動方式を示す情報である。そして、判定処理部54は、前記車両寸法情報、前記車両重量情報、前記ボディタイプ情報、及び前記駆動方式情報のいずれか一つ又は複数を用いて、前記車内騒音のレベルを判定してもよい。
【0089】
また、判定処理部54は、前記車両情報と前記車内騒音の計測値とを含む教師データに基づいて学習された判定モデルを用いて、前記車内騒音のレベルを判定してもよい。前記判定モデルは、前記車両を予め定められた走行条件で走行させた場合に当該車両内で計測される前記車内騒音の計測値と、前記車両情報に含まれる各情報との関係性を学習した学習済みモデルである。前記判定モデルは、前記車両情報(説明変数)の入力に応じて、前記車内騒音のレベルを示す前記騒音評価値(目的変数)を出力する。
【0090】
第2取得処理部52Bは、第1取得処理部51Bによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記周長情報を取得する。
【0091】
例えば、第2取得処理部52Bは、記憶部34に格納された第1テーブルデータ61を用いて、第1取得処理部51Bによって取得される前記形状識別情報に対応する前記吸音部材情報を取得する。
【0092】
出力処理部53Bは、第2取得処理部52Bによって取得される前記周長情報を出力する。
【0093】
ここで、出力処理部53Bは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが予め定められた基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報を出力する。また、出力処理部53Bは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベルを超える場合に、前記周長情報を出力しない。例えば、前記基準レベルは、前記車内騒音の大きさと空洞共鳴音の知覚のされやすさとの関係の調査結果に基づいて設定される。例えば、上記調査は、無作為に選択された複数の被験者それぞれに、互いに前記車内騒音の大きさが異なる複数の車内環境を体験させて、車内環境ごとに空洞共鳴音が気になったか否かを回答させることにより実施される。なお、前記基準レベルは、操作表示部32における予め定められた操作に応じて任意に設定されてよい。
【0094】
これにより、前記サービス提供店を訪れた顧客の前記車両が、空洞共鳴音とは異なる騒音が発生しにくい前記車両、つまり、乗員に空洞共鳴音が知覚されやすい前記車両である場合に限って、前記周長情報を出力することが可能である。換言すると、前記サービス提供店を訪れた顧客が、前記吸音部材に関心を持ちやすい前記顧客である場合に限って、前記周長情報を出力することが可能である。そのため、前記サービス提供店の店員は、前記周長情報が出力された顧客に対してのみ前記吸音部材装着サービスの営業を行うことにより、当該営業を効率よく行うことが可能である。
【0095】
例えば、出力処理部53Bは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報とともに、判定処理部54による判定結果を出力する。これにより、前記サービス提供店の店員に、前記サービス提供店を訪れた顧客がどの程度前記吸音部材に関心を持ちやすいかを認識させることが可能である。
【0096】
例えば、出力処理部53Bは、判定処理部54による判定結果と、前記基準レベルと、判定処理部54による判定結果が前記基準レベル以下である旨と、第2取得処理部52Bによって取得される前記吸音部材情報とを、端末装置1Bの操作表示部12に表示させる。
【0097】
なお、出力処理部53Bは、判定処理部54による判定結果を出力しなくてもよい。また、出力処理部53Bは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である場合に、前記周長情報又は前記吸音部材情報のみを出力してもよい。また、出力処理部53Bは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下であるか否かに関わらず、前記周長情報又は前記吸音部材情報を出力してもよい。この場合、制御部31は、判定処理部54を含んでいなくてよい。また、第1取得処理部51Bは、前記車両識別情報に基づいて、前記形状識別情報だけを取得すればよい。
【0098】
また、出力処理部53Bは、前記周長情報を含む前記吸音部材に関する前記吸音部材情報及び前記形状識別情報を出力してもよい。例えば、出力処理部53Bは、前記形状識別情報、及び前記吸音部材情報を含む出力画面SC10(図13参照)を端末装置1Bの操作表示部12に表示させてもよい。これにより、前記サービス提供店の店員は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材を容易に特定することが可能である。
【0099】
また、第1テーブルデータ61(図4参照)は、1つの前記形状識別情報に対して、前記周長情報が共通の複数の前記吸音部材情報が対応付けられたデータであってもよい。この場合、出力処理部53Bは、前記周長情報が共通の複数の前記吸音部材情報を出力してもよい。例えば、出力処理部53Bは、前記形状識別情報、及び前記周長情報が共通の複数の前記吸音部材情報を含む出力画面SC20(図14参照)を端末装置1Bの操作表示部12に表示させてもよい。これにより、前記サービス提供店の店員は、顧客に対して、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な複数の前記吸音部材の候補を提示することが可能である。そのため、より顧客のニーズに合致した前記吸音部材を提供することが可能である。
【0100】
[第2情報出力処理]
以下、図12を参照しながら、サーバー2Bの制御部31により実行される第2情報出力処理の手順の一例について説明する。
【0101】
<ステップS21>
まず、ステップS21において、制御部31は、端末装置1Bの第2情報取得部16によって前記サービス提供店の敷地内の進入する前記車両のナンバープレートが撮像されたか否かを判定する。
【0102】
ここで、制御部31は、前記車両のナンバープレートが撮像されたと判定すると(S21のYes側)、処理をステップS22に移行させる。また、前記車両のナンバープレートが撮像されていなければ(S21のNo側)、制御部31は、ステップS21で前記車両のナンバープレートが撮像されるのを待ち受ける。
【0103】
<ステップS22>
ステップS22において、制御部31は、端末装置1Bの第2情報取得部16によって撮像された前記車両のナンバープレートの撮像画像に含まれる前記車両識別情報を取得する。
【0104】
<ステップS23>
ステップS23において、制御部31は、ステップS22に処理によって取得された前記車両識別情報に基づいて、前記車両情報を取得する。ここで、ステップS23の処理は、制御部31の第1取得処理部51Bにより実行される。
【0105】
具体的に、制御部31は、記憶部34に格納された車両データベース62を用いて、取得された前記車両識別情報に対応する前記車両情報を取得する。
【0106】
<ステップS24>
ステップS24において、制御部31は、ステップS23の処理によって取得される前記車両情報に基づいて、前記車内騒音のレベルを判定する。ここで、ステップS24の処理は、制御部31の判定処理部54により実行される。
【0107】
具体的に、制御部31は、第2テーブルデータ63を用いて、前記車両情報に含まれる前記車両種類情報に対応する前記第1騒音評価値を取得する。また、制御部31は、第3テーブルデータ64を用いて、前記車両情報に含まれる前記商品名情報に対応する前記第2騒音評価値を取得する。また、制御部31は、第4テーブルデータ65を用いて、前記車両情報に含まれる前記空気入りタイヤの扁平率に対応する前記第3騒音評価値を取得する。そして、制御部31は、上述の式(1)を用いて、前記車両情報に基づく騒音推測値Xを算出し、算出された騒音推測値Xを前記車内騒音のレベルを示す値として取得する。
【0108】
<ステップS25>
ステップS25において、制御部31は、ステップS24の処理によって判定された前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下であるか否かを判定する。
【0109】
ここで、制御部31は、前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下であると判定すると(S25のYes側)、処理をステップS26に移行させる。また、前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下でなければ(S25のNo側)、制御部31は、処理をステップS21に移行させる。
【0110】
<ステップS26>
ステップS26において、制御部31は、ステップS23の処理によって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記周長情報を取得する。ここで、ステップS26の処理は、制御部31の第2取得処理部52Bにより実行される。
【0111】
具体的に、制御部31は、記憶部34に格納された第1テーブルデータ61を用いて、ステップS23の処理によって取得された前記形状識別情報に対応する前記吸音部材情報を取得する。
【0112】
<ステップS27>
ステップS27において、制御部31は、ステップS26の処理によって取得された前記周長情報を出力する。ここで、ステップS27の処理は、制御部31の出力処理部53Bにより実行される。
【0113】
具体的に、制御部31は、ステップS24の処理による判定結果と、前記基準レベルと、ステップS24の処理による判定結果が前記基準レベル以下である旨と、ステップS26の処理によって取得された前記吸音部材情報とを、端末装置1Bの操作表示部12に表示させる。
【0114】
このように、情報処理システム100Bでは、判定処理部54によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報が出力される。これにより、前記サービス提供店を訪れた顧客の前記車両が、空洞共鳴音とは異なる騒音が発生しにくい前記車両、つまり、乗員に空洞共鳴音が知覚されやすい前記車両である場合に限って、前記周長情報を出力することが可能である。従って、前記サービス提供店の店員によって行われる前記吸音部材装着サービスの営業の効率性を高めることが可能である。
【0115】
以上に説明した本開示の実施形態は、以下に示す各開示事項(1)~(8)を含む。
【0116】
開示事項(1)は、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する第1取得処理部と、前記第1取得処理部によって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する第2取得処理部と、前記第2取得処理部によって取得される前記周長情報を出力する出力処理部と、を含む情報処理システムである。
【0117】
このシステムによれば、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報に基づいて当該空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報が取得されて、取得された前記周長情報が出力される。そのため、情報処理システムのユーザーは、当該情報処理システムに前記形状識別情報を取得させることにより、空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定することが可能である。
【0118】
開示事項(2)は、前記第1取得処理部が、前記空気入りタイヤに付加された無線タグから前記形状識別情報を取得する、開示事項(1)の情報処理システムである。
【0119】
このシステムによれば、前記形状識別情報の取得に、前記無線タグから情報を読み取り可能な読取装置を用いることが可能である。そのため、情報処理システムのユーザーは、簡単な操作で、情報処理システムに、前記形状識別情報を取得させることが可能である。
【0120】
開示事項(3)は、前記第1取得処理部が、前記空気入りタイヤに付加された二次元コードから前記形状識別情報を取得する、開示事項(1)の情報処理システムである。
【0121】
このシステムによれば、前記形状識別情報の取得に、前記二次元コードから情報を読み取り可能な読取装置を用いることが可能である。そのため、情報処理システムのユーザーは、簡単な操作で、情報処理システムに、前記形状識別情報を取得させることが可能である。
【0122】
開示事項(4)は、被写体を撮像する撮像部を含み、前記第1取得処理部が、前記撮像部によって撮像される前記空気入りタイヤの撮像画像に基づいて、前記形状識別情報を取得する、開示事項(1)の情報処理システムである。
【0123】
このシステムによれば、前記形状識別情報の取得に、前記撮像部を用いることが可能である。そのため、情報処理システムのユーザーは、簡単な操作で、情報処理システムに、前記形状識別情報を取得させることが可能である。また、前記撮像部に、自動で、前記形状識別情報を取得させることも可能である。
【0124】
開示事項(5)は、前記第1取得処理部が、前記空気入りタイヤが装着された車両から取得される当該車両の車両識別情報に基づいて、前記形状識別情報を取得する、開示事項(1)の情報処理システムである。
【0125】
このシステムによれば、前記形状識別情報の取得に、前記撮像部などを用いることが可能である。そのため、情報処理システムのユーザーは、簡単な操作で、情報処理システムに、前記形状識別情報を取得させることが可能である。また、前記撮像部に、自動で、前記形状識別情報を取得させることも可能である。
【0126】
開示事項(6)は、前記第1取得処理部が、前記車両識別情報に基づいて前記車両に関する車両情報を取得し、前記車両情報が、前記形状識別情報を含み、前記情報処理システムが、前記第1取得処理部によって取得される前記車両情報に基づいて、前記車両の走行によって発生する車内騒音のレベルを判定する判定処理部を含み、前記出力処理部が、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが予め定められた基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報を出力する、開示事項(5)の情報処理システムである。
【0127】
このシステムによれば、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である場合に、その旨及び前記周長情報が出力される。そのため、前記サービス提供店を訪れた顧客の前記車両が、空洞共鳴音とは異なる騒音が発生しにくい前記車両、つまり、乗員に空洞共鳴音が知覚されやすい前記車両である場合に限って、前記周長情報を出力することが可能である。従って、前記サービス提供店の店員によって行われる前記吸音部材装着サービスの営業の効率性を高めることが可能である。
【0128】
開示事項(7)は、前記出力処理部が、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である旨及び前記周長情報とともに前記判定処理部による判定結果を出力する、開示事項(6)の情報処理システムである。
【0129】
このシステムによれば、前記判定処理部によって判定される前記車内騒音のレベルが前記基準レベル以下である場合に、前記判定処理部による判定結果が出力される。そのため、前記サービス提供店の店員に、前記サービス提供店を訪れた顧客がどの程度前記吸音部材に関心を持ちやすいかを認識させることが可能である。
【0130】
開示事項(8)は、前記周長情報が、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な吸音部材の長さを示す情報であって、前記出力処理部が、前記周長情報を含む前記吸音部材に関する吸音部材情報及び前記形状識別情報を出力する、開示事項(1)の情報処理システムである。
【0131】
このシステムによれば、前記サービス提供店の店員は、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な前記吸音部材を容易に特定することが可能である。
【0132】
開示事項(9)は、前記出力処理部が、前記周長情報が共通の複数の前記吸音部材情報を出力する、開示事項(8)の情報処理システムである。
【0133】
このシステムによれば、前記サービス提供店の店員は、顧客に対して、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面に装着可能な複数の前記吸音部材の候補を提示することが可能である。そのため、より顧客のニーズに合致した前記吸音部材を提供することが可能である。
【0134】
開示事項(10)は、情報処理システムに含まれるプロセッサにより実行される情報処理方法であって、空気入りタイヤの形状の識別に用いられる形状識別情報を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップによって取得される前記形状識別情報に基づいて、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長に対応する周長情報を取得する第2取得ステップと、前記第2取得ステップによって取得される前記周長情報を出力する出力ステップと、を含む情報処理方法である。
【0135】
この方法によれば、開示事項(1)の情報処理システムと同様に、前記空気入りタイヤのタイヤ内腔面の周長を容易に特定することが可能である。
【符号の説明】
【0136】
1A 端末装置
1B 端末装置
2A サーバー
2B サーバー
3 通信ネットワーク
11 制御部
12 操作表示部
13 通信部
14 記憶部
15 第1情報取得部
16 第2情報取得部
31 制御部
32 操作表示部
33 通信部
34 記憶部
51A 第1取得処理部
51B 第1取得処理部
52A 第2取得処理部
52B 第2取得処理部
53A 出力処理部
53B 出力処理部
54 判定処理部
61 第1テーブルデータ
62 車両データベース
63 第2テーブルデータ
64 第3テーブルデータ
65 第4テーブルデータ
100A 情報処理システム
100B 情報処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14